(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175255
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】表示制御装置及び表示制御方法並びに表示制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20231205BHJP
【FI】
G08G1/16 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087609
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】後藤 正樹
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 剛
(72)【発明者】
【氏名】神賀 英明
(72)【発明者】
【氏名】松川 信行
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 勝
(72)【発明者】
【氏名】茨木 武
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC24
5H181FF05
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL08
5H181LL20
(57)【要約】
【課題】運転者の注意散漫度に応じて適切な注意喚起情報を表示することが可能な表示制御装置及び表示制御方法並びに表示制御プログラムを提供する。
【解決手段】車両周囲の画像を取得する画像取得部11と、画像に基づいて、車両周囲に存在する歩行者が車両前方の走行路を横断する予備動作を検出する予備動作検出部16を備える。また、歩行者の周囲に存在する信号機を検出する信号機検出部13と、車両の運転者の、車両周囲への注意を怠っている度合いである注意散漫度を判定する散漫度判定部18と、予備動作に基づいて、歩行者の横断可能性を示す横断準備レベルを設定する横断準備レベル設定部17と、注意散漫度に基づき横断準備レベルに対する閾値を設定する閾値設定部19を備える。車両周囲に存在する歩行者の周囲に信号機が存在せず、横断準備レベルが閾値以上になったときに、疑似信号機30を表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される表示部に情報を表示する表示制御装置であって、
前記車両周囲の画像を取得する画像取得部と、
前記画像に基づいて、車両周囲に存在する人物が車両前方の走行路を横断する予備動作を検出する予備動作検出部と、
前記人物の周囲に存在する信号機を検出する信号機検出部と、
前記車両の運転者の、車両周囲への注意を怠っている度合いである注意散漫度を判定する散漫度判定部と、
前記予備動作に基づいて、人物の横断可能性を示す横断準備レベルを設定する横断準備レベル設定部と、
前記注意散漫度に基づき前記横断準備レベルに対する閾値を設定する閾値設定部と、
車両周囲に存在する人物の周囲に信号機が存在せず、前記横断準備レベルが前記閾値以上になったときに、注意喚起情報を設定する注意喚起情報設定部と、
を備えた表示制御装置。
【請求項2】
前記予備動作検出部は、
前記人物が走行路を横断しようとしていない状態又は横断意思が不明である状態を第1の予備動作とし、
前記人物が前記走行路を横断する方向を向いて静止している状態を第2の予備動作とし、
前記人物が前記走行路を横断する方向を向いて移動を開始した状態を第3の予備動作とする
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記散漫度判定部は、単位時間当たりの前記運転者の視線の動きの頻度が少ないほど、前記運転者の注意散漫度が高いと判定する
請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
車両に搭載される表示部に情報を表示する表示制御方法であって、
前記車両周囲の画像を取得するステップと、
前記画像に基づいて、車両周囲に存在する人物が車両前方の走行路を横断する予備動作を検出するステップと、
前記人物の周囲に存在する信号機を検出するステップと、
前記車両の運転者の、車両周囲への注意を怠っている度合いである注意散漫度を判定するステップと、
前記予備動作に基づいて、人物の横断可能性を示す横断準備レベルを設定するステップと、
前記注意散漫度に基づき前記横断準備レベルに対する閾値を設定するステップと、
車両周囲に存在する人物の周囲に信号機が存在せず、前記横断準備レベルが前記閾値以上になったときに、注意喚起情報を設定するステップと、
を備えた表示制御方法。
【請求項5】
車両に搭載される表示部に情報を表示する表示制御プログラムであって、
前記車両周囲の画像を取得するステップと、
前記画像に基づいて、車両周囲に存在する人物が車両前方の走行路を横断する予備動作を検出するステップと、
前記人物の周囲に存在する信号機を検出するステップと、
前記車両の運転者の、車両周囲への注意を怠っている度合いである注意散漫度を判定するステップと、
前記予備動作に基づいて、人物の横断可能性を示す横断準備レベルを設定するステップと、
前記注意散漫度に基づき前記横断準備レベルに対する閾値を設定するステップと、
車両周囲に存在する人物の周囲に信号機が存在せず、前記横断準備レベルが前記閾値以上になったときに、注意喚起情報を設定するステップと、
をコンピュータに実行させる表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置及び表示制御方法並びに表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自車両前方の走行路を横断しようとする歩行者が存在する際に、車両に搭載されているヘッドアップディスプレイ(以下、「HUD」と略す)に擬似的な信号機を表示することにより、運転者に注意喚起を促す技術が開示されている。例えば、自車両前方の横断歩道を横断中の歩行者が検出された際には、HUDに赤信号を表示することにより、車両の運転者に対して停止すべきであることを瞬時に認識させることができる。
【0003】
しかし、特許文献1に開示された技術は、運転者の注意散漫度を考慮したものではなく、運転者に対して適切な注意喚起ができないことがある。例えば、運転者が車両前方に注意して走行しているときには、HUDに信号機の画像が表示されても煩わしいだけである。一方、運転者の注意力が散漫になっているときには、HUDに信号機の画像が表示されることにより、運転者は前方への注意力を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、従来においては運転者の注意散漫度を考慮していないという問題があり、運転者の注意散漫度に応じた注意喚起情報を表示可能な技術の開発が望まれていた。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、運転者の注意散漫度に応じて適切な注意喚起情報を表示することが可能な表示制御装置及び表示制御方法並びに表示制御示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る表示制御装置は、車両に搭載される表示部に情報を表示する表示制御装置であって、前記車両周囲の画像を取得する画像取得部と、前記画像に基づいて、車両周囲に存在する人物が車両前方の走行路を横断する予備動作を検出する予備動作検出部と、前記人物の周囲に存在する信号機を検出する信号機検出部と、前記車両の運転者の、車両周囲への注意を怠っている度合いである注意散漫度を判定する散漫度判定部と、前記予備動作に基づいて、人物の横断可能性を示す横断準備レベルを設定する横断準備レベル設定部と、前記注意散漫度に基づき前記横断準備レベルに対する閾値を設定する閾値設定部と、車両周囲に存在する人物の周囲に信号機が存在せず、前記横断準備レベルが前記閾値以上になったときに、注意喚起情報を設定する注意喚起情報設定部と、を備える。
【0008】
本発明に係る表示制御方法は、車両に搭載される表示部に情報を表示する表示制御方法であって、前記車両周囲の画像を取得するステップと、前記画像に基づいて、車両周囲に存在する人物が車両前方の走行路を横断する予備動作を検出するステップと、前記人物の周囲に存在する信号機を検出するステップと、前記車両の運転者の、車両周囲への注意を行っている度合いである注意散漫度を判定するステップと、前記予備動作に基づいて、人物の横断可能性を示す横断準備レベルを設定するステップと、前記注意散漫度に基づき前記横断準備レベルに対する閾値を設定するステップと、車両周囲に存在する人物の周囲に信号機が存在せず、前記横断準備レベルが前記閾値以上になったときに、注意喚起情報を設定するステップと、を備える。
【0009】
本発明に係る表示制御プログラムは、車両に搭載される表示部に情報を表示する表示制御プログラムであって、前記車両周囲の画像を取得するステップと、前記画像に基づいて、車両周囲に存在する人物が車両前方の走行路を横断する予備動作を検出するステップと、前記人物の周囲に存在する信号機を検出するステップと、前記車両の運転者の、車両周囲への注意を怠っている度合いである注意散漫度を判定するステップと、前記予備動作に基づいて、人物の横断可能性を示す横断準備レベルを設定するステップと、前記注意散漫度に基づき前記横断準備レベルに対する閾値を設定するステップと、車両周囲に存在する人物の周囲に信号機が存在せず、前記横断準備レベルが前記閾値以上になったときに、注意喚起情報を設定するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、運転者の注意散漫度に応じて適切な注意喚起情報を表示することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係る表示制御装置及びその周辺機器の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、車両に搭載される表示制御装置を模式的に示す説明図である。
【
図3】
図3は、車両前方の信号機の無い横断歩道の周囲に存在する歩行者を示す説明図である。
【
図4】
図4は、車両前方の信号機の無い交差点の周囲に存在する歩行者を示す説明図である。
【
図5】
図5は、運転者の注意散漫度を判定する散漫度判定テーブルの例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、歩行者の横断予備動作と横断準備レベルとの関係を示す横断予備動作判定テーブルの例を示す説明図である。
【
図7】
図7は、HUDに表示される疑似信号機、及び車両前方の映像を示す説明図である。
【
図8A】
図8Aは、実施形態に係る表示制御装置の処理手順を示すフローチャートである。
【
図8B】
図8Bは、
図8AのS12に示す横断予備動作判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態の構成]
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る表示制御装置1、及びその周辺機器の構成を示すブロック図である。
図2は、運転者Q1が運転する車両V1に表示制御装置1が搭載されている状態を模式的に示す説明図である。
【0013】
表示制御装置1は、外部カメラ2、内部カメラ3、表示部4、及び記憶部5に接続されている。
【0014】
外部カメラ2は、車両の周辺画像を撮像する。内部カメラ3は、運転者の顔を含む車両内部の画像を撮像する。表示部4は、表示制御装置1から出力される情報を表示する。表示部4は、例えばHUDである。
【0015】
記憶部5は、表示制御装置1で使用する各種のデータを記憶する。記憶部5は、例えば後述する
図5に示す散漫度判定テーブル、及び
図6に示す横断予備動作判定テーブルを記憶する。
【0016】
記憶部5は、メモリ(RAM:Random Access Memory)、ストレージ(HDD:Hard Disk Drive、SSD:Solid State Drive)を用いることができる。記憶部5は、USB(Universal Serial Bus)メモリ、CD (Compact Disc)、DVD (Digital Versatile Disc)などのコンピュータが読取り可能な記録媒体としてもよい。記憶部5は、ネットワークを介してアクセス可能なオンラインストレージとしてもよい。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係る表示制御装置1は、画像取得部11と、歩行者検出部12と、信号機検出部13と、横断歩道検出部14と、交差点検出部15と、予備動作検出部16と、横断準備レベル設定部17と、散漫度判定部18と、閾値設定部19と、注意喚起情報設定部20と、出力部21を備えている。
【0018】
表示制御装置1は、CPU(中央処理装置)、メモリ、及び入出力部を備えるマイクロコンピュータを用いて実現可能である。表示制御装置1は、複数の情報処理部(画像取得部11、歩行者検出部12、信号機検出部13、横断歩道検出部14、交差点検出部15、予備動作検出部16、横断準備レベル設定部17、散漫度判定部18、閾値設定部19、注意喚起情報設定部20、出力部21)として機能させるためのコンピュータプログラムを、マイクロコンピュータにインストールして実行する。これにより、表示制御装置1のマイクロコンピュータは、表示制御装置1が備える複数の情報処理部として機能する。また、ここではソフトウェアによって表示制御装置1を実現する例を示すが、各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、表示制御装置1を構成してもよい。また、表示制御装置1に含まれる各情報処理部が実行する情報処理を個別のハードウェアにより構成してもよい。表示制御装置1は、車両に搭載されていてもよいし、クラウド上に設けられネットワークを介して車両に搭載される通信機器と接続されていてもよい。
【0019】
表示制御装置1は、外部カメラ2及び内部カメラ3で撮像される画像を取得する。外部カメラ2は、
図2に示すように、車両内のフロントウィンド上方の適所に、撮像方向が車両前方を向くように設置されている。外部カメラ2で撮像された画像は画像取得部11に入力される。外部カメラ2は、ドライブレコーダ或いはアダプティブクルーズコントロール(ACC)などに用いられる前方画像撮影用のカメラと兼用してもよい。
【0020】
内部カメラ3は、
図2に示すように、車両内のフロントウィンド上方の適所に、撮像方向が運転者Q1の方向を向くように設置されている。内部カメラ3で撮像された運転者Q1の顔画像は散漫度判定部18に入力される。内部カメラ3は、ドライブレコーダなどに用いられる車両内撮像用のカメラと兼用してもよい。
【0021】
画像取得部11は、外部カメラ2で撮像された車両周囲の画像を取得する。
【0022】
歩行者検出部12は、画像取得部11で取得された車両周囲の画像から、車両前方に存在する歩行者を検出する。歩行者は、車両前方の走行路を横断中の歩行者、車両前方の走行路の横断予備動作を行っている歩行者を含んでもよい。
【0023】
図3は、車両前方の信号機の無い横断歩道の周囲に存在する歩行者を示す説明図、
図4は車両前方の信号機の無い交差点の周囲に存在する歩行者を示す説明図である。歩行者検出部12は、
図3に示す歩行者P1、P2、P3を検出する。歩行者検出部12は、
図4に示す歩行者P4を検出する。
【0024】
なお、本実施形態では人物として歩行者を例に挙げて説明するが、本発明で示す「人物」とは歩行者に限らず例えば自転車、キックボード(電動または非電動)などの軽車両を運転する人、ベビーカーを押す人などを含んでもよく、パータンマッチングにより検出可能であって予め設定された形状を有するものであればよい。
【0025】
信号機検出部13は、車両前方の画像から、車両前方の走行路に存在する信号機を検出する。信号機検出部13は、地図情報及びGPS(Global Positioning System)受信機から得られる自車両の位置に基づいて信号機を検出してもよい。
【0026】
横断歩道検出部14は、車両前方の画像から、車両前方の走行路に存在する横断歩道を検出する。横断歩道検出部14は、例えば
図3に示す横断歩道C1を検出する。横断歩道検出部14は、走行路上にペイントされている「横断歩道有り」を示すマーク(
図3に示すひし形のマークM1)、或いは横断歩道を示す標識を検出して横断歩道C1を検出してもよい。
【0027】
交差点検出部15は、車両前方の画像から、車両前方の走行路に存在する交差点を検出する。交差点検出部15は、例えば
図4に示す交差点C2を検出する。交差点検出部15は、地図情報及びGPS受信機から得られる自車両の位置に基づいて交差点を検出してもよい。なお、上述した歩行者検出部12、信号機検出部13、横断歩道検出部14、交差点検出部15による検出処理は、周知の画像処理技術(例えばパターンマッチングなど)により実施可能であるので詳細な説明を省略する。
【0028】
予備動作検出部16は、歩行者検出部12で検出された歩行者の画像に基づいて、この歩行者の挙動を検出する。予備動作検出部16は、歩行者の挙動に基づいて歩行者が自車両前方の走行路を横断する予備動作を実施しているか否かを検出する。
【0029】
具体的には予備動作検出部16は、歩行者が自車両前方の走行路を横断しようとしていない、又は、横断の意思が不明である場合を「第1の予備動作」と判定する。例えば、
図3に示す歩行者P2は、走行路との距離が1m以上であるか、または体の向き(顔の向き、両肩を結んだ線と直角の向き、または足の向きの少なくとも1つ)が走行路に対して30度未満の角度の方向を向いているので「第1の予備動作」と判定する。
【0030】
予備動作検出部16は、歩行者が自車両前方の走行路を横断しようとして静止している場合を「第2の予備動作」と判定する。例えば、
図3に示す歩行者P3は、走行路との距離が1m未満であり、かつ、体の向きが走行路に対して30度以上の角度の方向を向いている、かつ、静止しているので「第2の予備動作」と判定する。
【0031】
また、予備動作検出部16は、歩行者が自車両前方の走行路を横断する動作を開始している場合を「第3の予備動作」と判定する。例えば、
図3に示す歩行者P1は、走行路との距離が1m未満であり、かつ、体の向きが走行路に対して30度以上の角度の方向を向いており、かつ、静止していないので「第3の予備動作」と判定する。
【0032】
具体的には
図3に示す歩行者P1は、横断歩道C1の周囲で走行路の方向を向いているので、予備動作検出部16は、歩行者P1が静止している場合には「第2の予備動作」と判定し、歩行者P1が動き始めている場合には「第3の予備動作」と判定する。
【0033】
また、
図4に示す歩行者P4は、交差点C2の周囲で走行路の方向を向いている(体の向きが走行路に対して30度以上の角度の方向を向いている)ので、予備動作検出部16は、歩行者P4が静止している場合には「第2の予備動作」と判定し、歩行者P4が動き始めている場合には「第3の予備動作」と判定する。
【0034】
第3の予備動作は、第2の予備動作よりも横断の可能性が高く、第2の予備動作は第1の予備動作よりも横断の可能性が高い。なお、歩行者の画像に基づいてその挙動を検出する処理は、周知の画像処理技術により実施可能であるので詳細な説明を省略する。
【0035】
図1に戻って、散漫度判定部18は、内部カメラ3で撮像された運転者Q1(
図2参照)の画像に基づいて、運転者が車両を運転する際の注意散漫度を検出する。「注意散漫度」とは、車両の運転者が車両周囲への注意を怠っている度合いを意味する。散漫度判定部18は、運転者の視線を検出し、所定時間以内に視線を動かした回数、左右のバックミラーを見た回数、ルームミラーを見た回数に基づいて、運転者の注意散漫度を検出し数値化する。
【0036】
以下、具体的な注意散漫度の設定方法について説明する。
図5は、運転者の注意散漫度を判定する散漫度判定テーブルの例を示す説明図である。前述したように散漫度判定テーブルは、記憶部5に記憶されている。
【0037】
図5に示すように、運転者が車両を運転しているとき、進行方向を注視していない状態が3秒以上であり、この動作が1分間に2回以上となった場合に注意散漫度の加点数を「2」とする。
【0038】
運転者が右側のバックのミラーを確認していない状態が15秒以上であり、この動作が1分間で2回以上となった場合に注意散漫度の加点数を「1」とする。運転者が左側のバックミラーを確認していない状態が15秒以上であり、この動作が1分間で2回以上となった場合に注意散漫度の加点数を「1」とする。
【0039】
運転者がルームミラーを確認していない状態が15秒以上であり、この動作が1分間で2回以上となった場合に注意散漫度の加点数を「1」とする。
【0040】
散漫度判定部18は、1分間における注意散漫度の点数が「5」未満である場合には、運転者は通常状態であると判定する。1分間における注意散漫度の点数が「5」以上である場合には、運転者は注意散漫状態であるものと判定する。なお、本実施形態では、運転者を通常状態、注意散漫状態、の2つの状態に区分する例について説明するが、注意散漫度の点数に応じて3以上に区分してもよい。
【0041】
図1に戻って、横断準備レベル設定部17は、車両の前方に存在する歩行者の横断予備動作に応じて歩行者が走行路を横断する可能性を示す横断準備レベルを設定する。
図6は、歩行者の横断予備動作と横断準備レベルとの対応を示す横断予備動作判定テーブルの例を示す説明図である。前述したように横断予備動作判定テーブルは、記憶部5に記憶されている。
【0042】
図6に示すように、歩行者が自車両前方の走行路を横断しようとしていない、又は、横断の意思が不明である場合(第1の予備動作)において、横断準備レベルを「0」とする。
【0043】
歩行者が自車両前方の走行路を横断しようとして静止している場合(第2の予備動作)において、横断準備レベルを「1」とする。
【0044】
歩行者が自車両前方の走行路を横断する動作を開始している場合(第3の予備動作)において、横断準備レベルを「2」とする。即ち、横断準備レベル設定部17は、第3の予備動作、第2の予備動作、第1の予備動作の順に横断可能性が高いものと判定する。横断準備レベルは、歩行者が横断する可能性が高いほど、高い数値に設定されている。
【0045】
図1に戻って、閾値設定部19は運転者の注意散漫度に基づいて、横断準備レベルの閾値を設定する。例えば、散漫度判定部18で判定された運転者の注意散漫度が「通常状態」である場合には閾値を「1」に設定し、運転者の注意散漫度が「散漫状態」である場合には閾値を「0」に設定する。なお、本実施形態では、注意散漫度を通常状態と散漫状態の2つに区分するので閾値を「0」または「1」の2つに設定しているが、3つ以上に区分する場合には、それぞれの状態に応じて3以上の閾値を設定してもよい。
【0046】
注意喚起情報設定部20は、歩行者検出部12で検出された歩行者の有無の情報、閾値設定部19にて設定された閾値、横断準備レベル設定部17で設定された横断準備レベル、及び、信号機検出部13、横断歩道検出部14、交差点検出部15による検出結果に基づいて、運転者に注意を促すための注意喚起情報を設定する。具体的には注意喚起情報設定部20は、疑似的な信号機(以下、「疑似信号機」という)の画像を生成し、表示部4に表示する。「疑似信号機」とは、注意喚起情報設定部20が設定する注意喚起情報を、車両の運転者に表示するための疑似的な表示態様である。表示部4は、例えばHUDである。
図7は、HUDに表示される疑似信号機、及び車両前方の映像を示す説明図である。
図7に示すように、疑似信号機30は、赤色表示灯30R、黄色表示灯30Y、緑色表示灯30Gを有する。注意喚起情報設定部20は、疑似信号機30の各表示灯30R、30Y、30Gの点灯、消灯、点滅を制御する。
【0047】
注意喚起情報設定部20は、歩行者検出部12により車両前方を横断中の歩行者が検出された場合には、赤色表示灯30Rを点灯させる。
【0048】
注意喚起情報設定部20は、歩行者の横断準備レベルが運転者の散漫度に応じて設定される閾値以上であり、且つ、歩行者の周囲に信号機が存在しない場合には、横断歩道の有無、及び交差点の有無に応じて、黄色表示灯30Yを点灯、または点滅させる。
【0049】
具体的に注意喚起情報設定部20は、歩行者の周囲に信号機が存在しない場合、かつ、歩行者の周囲に横断歩道または交差点が存在する場合には、黄色表示灯30Yを点灯させる。注意喚起情報設定部20は、歩行者の周囲に信号機が存在しない場合、かつ、歩行者の周囲に横断歩道及び交差点が存在しない場合には、黄色表示灯30Yを点滅させる。
【0050】
なお、
図7に示す例では、運転者に報知する注意喚起情報として、疑似信号機30の画像を表示する例について説明するが、信号機以外の「道路交通法に準じた安全性を確保するための画像」を表示してもよい。例えば、道路標識の「止まれ」の画像(逆三角形の枠内に「止まれ」の文字が表示された標識の画像)、「徐行」の画像(逆三角形の枠内に「徐行」の文字が表示された標識の画像)の表示、非表示、点滅表示を制御してもよい。即ち、「道路交通法に準じた安全性を確保するための画像」は、少なくとも黄色、赤色を含む信号機の画像、及び、道路交通標識の画像、の少なくとも一方を含んでいてもよい。
【0051】
出力部21は、注意喚起情報設定部20で設定された注意喚起情報を表示部4に出力する。
【0052】
[実施形態の動作]
次に、本実施形態に係る表示制御装置1の処理動作について説明する。
図8Aは、表示制御装置1の処理動作を示すフローチャート、
図8Bは、
図8AのS12に示す横断予備動作判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【0053】
初めに、
図8AのステップS11において歩行者検出部12は、画像取得部11で取得される画像に基づき、車両前方の走行路を横断中の歩行者が存在するか否かを判定する。横断中の歩行者が存在する場合には(S11;YES)、ステップS20に処理を進め、そうでなければ(S11;NO)、ステップS12に処理を進める。
【0054】
ステップS20において、注意喚起情報設定部20は、表示部4に表示する疑似信号機30の赤色表示灯30Rを点灯させる。即ち、車両の前方に横断中の歩行者が存在する場合には、信号機の有無、交差点の有無、横断歩道の有無にかかわらず、赤色表示灯30Rを点灯させることにより、運転者に注意を促す。その後、ステップS24に処理を進める。
【0055】
ステップS12において、予備動作検出部16は、横断予備動作判定処理を実施する。予備動作検出部16は、車両の前方に横断予備動作を行っている歩行者が存在するか否かを判定する。横断予備動作を行っている歩行者とは、前述した
図3に示したように、走行路を横断しようとしていないまたは横断意思が不明である歩行者P2、走行路を横断しようとして静止している歩行者P3、走行路を横断する動作を開始している歩行者P1を指す。さらに、横断準備レベル設定部17は、車両前方の走行路で横断予備動作行っている歩行者の横断準備レベルを設定する。
【0056】
以下、
図8Bを参照して横断予備動作判定処理について説明する。ステップS31において、予備動作検出部16は、走行路との間の距離が1m未満の歩行者が存在するか否かを判定する。歩行者が存在する場合には(S31;YES)、ステップS32に処理を進め、そうでなければ(S31;NO)、ステップS33に処理を進める。
【0057】
ステップS32において、予備動作検出部16は、歩行者の体の角度が走行路に対して30度以上であるか否かを判定する。30度以上である場合には(S32;YES)、ステップS34に処理を進め、そうでなければ(S32;NO)、ステップS33に処理を進める。
【0058】
ステップS33において、予備動作検出部16は、横断準備レベルを「0」に設定する。その後、横断予備動作判定処理を終了する。
【0059】
ステップS34において、予備動作検出部16は、歩行者が静止していないか否かを判定する。静止していない場合には(S34;YES)、ステップS35に処理を進め、静止している場合には(S34;NO)、ステップS36に処理を進める。
【0060】
ステップS35において、予備動作検出部16は、横断準備レベルを「2」に設定する。その後、横断予備動作判定処理を終了する。
【0061】
ステップS36において、予備動作検出部16は、横断準備レベルを「1」に設定する。その後、横断予備動作判定処理を終了する。
【0062】
図8AのステップS13において、散漫度判定部18は、運転者の注意散漫度が散漫状態であるか否かを判定する。具体的には散漫度判定部18は、運転者の視線移動の頻度に基づき、
図5に示した散漫度判定テーブルを参照して運転者が通常状態であるか、或いは散漫状態であるかを判定する。例えば、注意散漫度を示す数値を
図5に示す散漫度判定テーブルに基づいて加点し、合計の数値が「5」未満の場合は通常状態、「5」以上の場合には散漫状態と判定する。散漫状態と判定された場合には(S13;YES)、ステップS14に処理を進め、そうでなければ(S13;NO)、ステップS15に処理を進める。
【0063】
ステップS14において閾値設定部19は、閾値を「0」に設定する。ステップS15において閾値設定部19は、閾値を「1」に設定する。なお、ステップS14で閾値を「1」に設定し、ステップS15で閾値を「2」に設定してもよい。即ち、運転者の注意散漫度が高いほど閾値が低くなるように設定する。その後、ステップS16に処理を進める。
【0064】
ステップS16において、注意喚起情報設定部20は、横断準備レベル設定部17が設定した横断準備レベルと閾値設定部19が設定した閾値とに基づいて、車両前方の走行路で横断予備動作を行っている歩行者の横断準備レベルが閾値以上であるか否かを判定する。閾値以上であれば(S16;YES)、ステップS17に処理を進め、そうでなければ(S16;NO)、ステップS21に処理を進める。例えば、閾値設定部19において閾値が「1」に設定されており、歩行者の横断準備レベル(
図6参照)が「1」である場合には、ステップS16においてYES判定となる。
【0065】
ステップS17において信号機検出部13は、歩行者の周囲(例えば、半径3m以内)に信号機が存在するか否かを判定する。信号機が存在する場合には(S17;YES)、ステップS21に処理を進め、そうでなければ(S17;NO)、ステップS18に処理を進める。
【0066】
ステップS18において、横断歩道検出部14は、歩行者の周囲(例えば、半径1m以内)に横断歩道が存在するか否かを判定する。横断歩道が存在する場合には(S18;YES)、ステップS22に処理を進め、そうでなければ(S18;NO)、ステップS19に処理を進める。例えば、
図3、
図7に示した例では、歩行者P1の周囲に横断歩道C1が存在するのでYES判定となる。
【0067】
ステップS19において、交差点検出部15は、歩行者の周囲に交差点が存在するか否かを判定する。交差点が存在する場合には(S19;YES)、ステップS22に処理を進め、そうでなければ(S19;NO)、ステップS23に処理を進める。例えば、
図4に示した例では、歩行者P4の周囲に交差点C2が存在するのでYES判定となる。
【0068】
前述したように、ステップS11において横断中の歩行者ありと判定された場合(S11;YES)には、ステップS20において注意喚起情報設定部20は、疑似信号機30に含まれる赤色表示灯30Rを点灯させる。
【0069】
ステップS21において注意喚起情報設定部20は、疑似信号機30を消灯させる。即ち、歩行者の横断準備レベルが閾値未満である場合(S16でNO判定の場合)には、運転者に注意喚起する必要がないので疑似信号機30を消灯させる。
【0070】
また、横断準備レベルが閾値以上の歩行者の周囲に信号機が存在する場合(S17でYES判定の場合)には、運転者は歩行者周囲の信号機を視認でき、且つ、この歩行者は信号機に従うと推察されるので、疑似信号機30を点灯させる必要はない。従って、疑似信号機30を消灯させる。
【0071】
ステップS22において注意喚起情報設定部20は、疑似信号機30に含まれる黄色表示灯30Yを点灯させる。即ち、歩行者の周囲に信号機が存在しない場合、かつ、横断歩道または交差点のある走行路で横断予備動作を行っている歩行者がいる場合には、黄色表示灯30Yを点灯させて、車両を停止させる必要があることを運転者に知らせる。即ち、運転者に対して車両の停止を促すことができる。
【0072】
ステップS23において注意喚起情報設定部20は、疑似信号機30に含まれる黄色表示灯30Yを点滅させる。即ち、歩行者の周囲に信号機が存在しない場合、かつ、横断歩道及び交差点のない走行路で横断予備動作を行っている歩行者がいる場合には、黄色表示灯30Yを点滅させて、車両は歩行者に注意し進行する必要があることを運転者に知らせる。即ち、運転者に対して車両を注意して進行させることを促すことができる。
【0073】
ステップS24において、注意喚起情報設定部20は、表示制御処理が終了したか否かを判定し、終了していない場合(S24;NO)にはステップS11に処理を戻し、終了している場合(S24;YES)には本処理を終了する。
【0074】
[本実施形態の効果]
このように、本実施形態に係る表示制御装置1は、車両に搭載される表示部に情報を表示する表示制御装置であって、車両周囲の画像を取得する画像取得部11と、画像に基づいて、車両周囲に存在する歩行者(人物)が車両前方の走行路を横断する予備動作を検出する予備動作検出部16と、歩行者の周囲に存在する信号機を検出する信号機検出部13と、車両の運転者の、周囲への注意を怠っている度合いである注意散漫度を判定する散漫度判定部18と、予備動作に基づいて、歩行者の横断可能性を示す横断準備レベルを設定する横断準備レベル設定部17と、前記注意散漫度に基づき横断準備レベルに対する閾値を設定する閾値設定部19と、車両周囲に存在する人物の周囲に信号機が存在せず、横断準備レベルが閾値以上になったときに、注意喚起情報(例えば、疑似信号機30)を設定する注意喚起情報設定部20と、を備える。
【0075】
本実施形態では、歩行者の周囲に信号機が存在せず、横断準備レベルが閾値設定部19にて設定された閾値以上となった場合に、HUDなどの表示部4において疑似信号機(道路交通法に準じた安全性を確保するための画像)により注意喚起情報を表示する。
【0076】
従って、信号機の無い走行路において歩行者などの人物が横断予備動作を行っている際には、疑似信号機などの「道路交通法に準じた安全性を確保するための画像を含む注意喚起情報」により運転者の注意が喚起されるので、運転者は横断しようとしている人物を容易に認識し、減速、或いは一時停止などの対応を取ることができる。
【0077】
また、運転者の注意散漫度を、運転者の注意散漫度が高まっていない通常状態と、注意散漫度が高い散漫状態に区分し、注意散漫度が高いほど、上記の閾値が低くなるように設定する。従って、注意散漫度の高い運転者に対して、歩行者の横断準備レベルがより低い段階で注意喚起情報が表示される。
【0078】
例えば、閾値設定部19は、運転者の注意散漫度が高まっていない通常状態においては、閾値を「1」に設定し、散漫状態においては、閾値を「0」に設定する。
図6に示した「歩行者が自車両前方の走行路を横断していない、又は、横断の意思が不明である場合(第1の予備動作)」においては、注意喚起情報設定部20は、横断準備レベルが「0」に設定されているので、運転者が通常状態であるときには、閾値「1」未満の横断準備レベルと判断し、注意喚起情報は表示しない。しかし、運転者が散漫状態であるときには、注意喚起情報設定部20は、横断準備レベルが「0」に設定されているので、閾値「0」以上の横断準備レベルと判断し、注意喚起情報を表示する。従って、運転者の注意散漫度に応じて適切に注意喚起情報を表示することが可能になる。
【0079】
また、
図6に示したように、横断準備レベル設定部17は、歩行者が自車両前方の走行路を横断しようとしていない、又は、横断の意思が不明である場合(第1の予備動作)において、横断準備レベルを「0」としている。横断準備レベル設定部17は、歩行者が自車両前方の走行路を横断しようとして静止している場合(第2の予備動作)において、横断準備レベルを「1」としている。横断準備レベル設定部17は、歩行者が自車両前方の走行路を横断する動作を開始している場合(第3の予備動作)において、横断準備レベルを「2」としている。即ち、横断準備レベル設定部17は、歩行者が横断する可能性が高いほど、横断準備レベルを高い数値に設定している。
【0080】
従って、歩行者が走行路を横断する可能性が高いほど、より強い注意喚起情報を表示することができる。
【0081】
本実施形態では、歩行者の周囲に信号機が存在しない場合、かつ、歩行者の周囲に横断歩道または交差点が存在する場合には、黄色表示灯30Yを点灯させて運転者に注意喚起し、歩行者の周囲に信号機が存在しない場合、かつ、横断歩道及び交差点が存在しない場合には、黄色表示灯30Yを点滅させて運転者に注意喚起する。
【0082】
このため、歩行者の周囲に信号機が存在しない場合、かつ、横断歩道または交差点のある走行路で横断予備動作を行っている歩行者が存在する場合、黄色表示灯30Yを点灯させて注意を喚起するので、運転者に対して車両の停止を促すことが可能になる。
【0083】
更に、歩行者の周囲に信号機が存在しない場合、かつ、横断歩道及び交差点が存在しない走行路で横断予備動作を行っている歩行者が存在する場合、黄色表示灯30Yを点滅させて注意を喚起するので、運転者に対して車両を注意して進行させることを促すことが可能になる。
【0084】
本実施形態では、運転者に報知する注意喚起情報として、赤色表示灯30R及び黄色表示灯30Yを含む疑似信号機30などの「道路交通法に準じた安全性を確保するための画像を含む注意喚起情報」を採用するので、運転者にとって違和感を感じさせることがない。また、横断しようとする歩行者が急に現れた場合でも、慌てることなく車両の減速、停止などの対応を採ることが可能になる。
【0085】
本実施形態では、運転者の視線の動きを検出し、単位時間当たりの運転者の視線の動きが少ないほど、運転者の注意散漫度が高いと判定するので、運転者の注意散漫度を高精度に検出することが可能になる。
【0086】
以上、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。例えば、上記した実施形態では「道路交通法に準じた安全性を確保するための画像を含む注意喚起情報」として、表示部4に疑似信号機30を表示する例について説明したが、例えば赤色表示灯30Rの点灯を「止まれ」の標識の点灯表示とし、黄色表示灯30Yの点灯を「止まれ」の標識の点灯表示とし、黄色表示灯30Yの点滅を「徐行」の標識の点灯表示としてもよい。
【0087】
また、表示部4としてHUDを用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、液晶ディスプレイなどを用いてもよい。
【0088】
また、散漫度判定部18は、運転者の注意散漫度に応じて通常状態と散漫状態の2つに区分する例について説明したが、3つ以上に区分し、それぞれの区分に対して閾値を設定してもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 表示制御装置
2 外部カメラ
3 内部カメラ
4 表示部
11 画像取得部
12 歩行者検出部
13 信号機検出部
14 横断歩道検出部
15 交差点検出部
16 予備動作検出部
17 横断準備レベル設定部
18 散漫度判定部
19 閾値設定部
20 注意喚起情報設定部
21 出力部
30 疑似信号機
30G 緑色表示灯
30R 赤色表示灯
30Y 黄色表示灯