(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175261
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】回路基板、モータ、および送風機
(51)【国際特許分類】
H05K 3/34 20060101AFI20231205BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20231205BHJP
F04D 17/16 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
H05K3/34 501C
H02K7/14 A
F04D17/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087616
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000228730
【氏名又は名称】ニデックアドバンスドモータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 秀哲
(72)【発明者】
【氏名】香川 義久
(72)【発明者】
【氏名】旦野 太郎
(72)【発明者】
【氏名】阿部 孝則
【テーマコード(参考)】
3H130
5E319
5H607
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB42
3H130AC30
3H130BA88H
3H130CA00
3H130CB00
3H130DD01Z
3H130DF01Z
3H130DF02Z
3H130ED01G
3H130ED01H
5E319AA02
5E319AB01
5E319AC11
5E319CC54
5E319GG20
5H607AA12
5H607BB07
5H607BB14
5H607BB17
5H607CC05
5H607CC07
5H607DD02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】半田付けによって接続ピンを接続する際にハウジングの壁部の熱溶融を抑制する。
【解決手段】送風機10は、回路基板本体71と、複数の接続ピン80bを有し回路基板本体に取り付けられた電子部品と、を備える。回路基板本体において、複数の接続ピン夫々が半田によって接続される複数の接続部72a~dは、それぞれ、回路基板本体を板厚方向に貫通し、接続ピンが通される孔部73a~dと、回路基板本体の一方の板面のうち孔部の周縁部に配置されたランド部75a~dと、を有する。複数の接続部それぞれにおいて、ランド部は、孔部から一方の板面に沿って延びる突出部77a~dを有し、板厚方向に見て、突出部が突出する方向は、回路基板本体の外縁部79のうち孔部に最も近い最近接部79c、dと孔部の中心とを結ぶ仮想線が延びる延伸方向と直交する方向又は孔部から突出部の先端に向かうに従って延伸方向において最近接部から離れる方向である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板本体と、
複数の接続ピンを有し、前記回路基板本体に取り付けられた電子部品と、
を備え、
前記回路基板本体は、前記複数の接続ピンそれぞれが半田によって接続される複数の接続部を有し、
前記複数の接続部は、それぞれ、
前記回路基板本体を板厚方向に貫通し、前記接続ピンが通される孔部と、
前記回路基板本体の一方の板面のうち前記孔部の周縁部に配置されたランド部と、
を有し、
前記複数の接続部それぞれにおいて、前記ランド部は、前記孔部から前記一方の板面に沿って延びる突出部を有し、前記板厚方向に見て、前記突出部が突出する方向は、前記回路基板本体の外縁部のうち前記孔部に最も近い最近接部と前記孔部の中心とを結ぶ仮想線が延びる延伸方向と直交する方向、または前記孔部から前記突出部の先端に向かうに従って前記延伸方向において前記最近接部から離れる方向である、回路基板。
【請求項2】
前記複数の接続部それぞれにおいて、前記突出部が前記孔部から延びる方向における前記突出部の寸法は、前記突出部が前記孔部から延びる方向における前記孔部の寸法よりも大きい、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記電子部品は、4個の前記接続ピンを有し、
前記板厚方向に見て、4個の前記接続ピンは、それぞれ、四角形の各頂点にそれぞれ配置され、
前記回路基板本体は、4個の前記接続部を有する、請求項1に記載の回路基板。
【請求項4】
前記複数の接続部は、互いに前記回路基板本体の外縁部に沿って並んで配置される第1接続部および第2接続部と、前記第1接続部と前記回路基板本体の外縁部との間に配置される第3接続部と、前記第2接続部と前記回路基板本体の外縁部との間に配置される第4接続部と、を含み、
前記第1接続部の前記突出部および前記第2接続部の前記突出部は、それぞれ、互いに遠ざかる方向、かつ、前記孔部から前記突出部の先端に向かうに従って前記延伸方向において前記最近接部から離れる方向に延び、
前記第3接続部の前記突出部と、前記第4接続部の前記突出部は、それぞれ、互いに遠ざかる方向、かつ、前記延伸方向と直交する方向に延びる、請求項1に記載の回路基板。
【請求項5】
前記複数の接続部は、互いに前記回路基板本体の外縁部に沿って並んで配置される第1接続部および第2接続部と、前記第1接続部と前記回路基板本体の外縁部との間に配置される第3接続部と、前記第2接続部と前記回路基板本体の外縁部との間に配置される第4接続部と、を含み、
前記第1接続部の前記突出部および前記第2接続部の前記突出部は、それぞれ、互いに遠ざかる方向、かつ、前記孔部から前記突出部の先端に向かうに従って前記延伸方向において前記最近接部から離れる方向に延び、
前記第3接続部の前記突出部と、前記第4接続部の前記突出部は、それぞれ、互いに遠ざかる方向、かつ、前記孔部から前記突出部の先端に向かうに従って前記延伸方向において前記最近接部から離れる方向に延びる、請求項1に記載の回路基板。
【請求項6】
中心軸を中心として回転可能なロータと、
前記ロータと径方向に対向して配置されるステータと、
請求項1から5のいずれか一項に記載の回路基板と、
前記回路基板本体が固定されるハウジングと、
を備え、
前記ハウジングの一部は、前記回路基板本体の外縁部に沿って配置される、モータ。
【請求項7】
請求項6に記載のモータと、
前記ロータと接続され、中心軸を中心して回転可能なインペラ部と、
を備える送風機。
【請求項8】
前記回路基板本体は、前記中心軸と直交する径方向に沿って延び、
前記インペラ部は、回路基板本体よりも軸方向一方側に配置され、
前記孔部は、前記インペラ部よりも径方向外側に配置される、請求項7に記載の送風機。
【請求項9】
前記接続ピンの軸方向一方側の端部が、前記インペラ部の軸方向他方側の端部よりも、軸方向一方側に位置する、請求項8に記載の送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板、モータ、および送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
家電機器、OA機器などの冷却および換気を行う送風機では、小型化の要望が高まっている。送風機は、周方向に配列された複数の羽根を備えるインペラと、インペラを回転させるモータと、を備える。例えば、特許文献1には、導線が半田付けされるランド部が設けられたランド形成部を有するプリント基板を備えるモータが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなモータで小型化を図る際には、回路基板のランド部が、回路基板を保持するハウジングの壁部と近接して配置される場合がある。この場合、半田付けによって、ランド部を含む接続部に電子部品の接続ピンを接続する際に、回路基板を介して半田鏝の熱がハウジングの壁部に伝わり易くなるため、ハウジングの壁部が熱溶融する虞がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、半田付けによって、接続部に電子部品の接続ピンを接続する際に、ハウジングの壁部が熱溶融することを抑制できる、回路基板、モータ、および送風機を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の回路基板の一つの態様は、回路基板本体と、複数の接続ピンを有し、前記回路基板本体に取り付けられた電子部品と、を備える。前記回路基板本体は、前記複数の接続ピンそれぞれが半田によって接続される複数の接続部を有する。前記複数の接続部は、それぞれ、前記回路基板本体を板厚方向に貫通し、前記接続ピンが通される孔部と、前記回路基板本体の一方の板面のうち前記孔部の周縁部に配置されたランド部と、を有する。前記複数の接続部それぞれにおいて、前記ランド部は、前記孔部から前記一方の板面に沿って延びる突出部を有し、前記板厚方向に見て、前記突出部が突出する方向は、前記回路基板本体の外縁部のうち前記孔部に最も近い最近接部と前記孔部の中心とを結ぶ仮想線が延びる延伸方向と直交する方向、または前記孔部から前記突出部の先端に向かうに従って前記延伸方向において前記最近接部から離れる方向である。
【0007】
本発明のモータの一つの態様は、中心軸を中心として回転可能なロータと、前記ロータと径方向に対向して配置されるステータと、上記の回路基板と、前記回路基板本体が固定されるハウジングと、を備える。前記ハウジングの一部は、前記回路基板本体の外縁部に沿って配置される。
【0008】
本発明の送風機の一つの態様は、上記のモータと、前記ロータと接続され、中心軸を中心して回転可能なインペラ部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一つの態様によれば、回路基板、モータ、および送風機において、半田付けによって、接続部に電子部品の接続ピンを接続する際に、ハウジングの壁部が熱溶融することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、一実施形態の送風機を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態の送風機を示す他の斜視図である。
【
図3】
図3は、一実施形態の送風機を示す断面図である。
【
図4】
図4は、一実施形態の送風機の一部を示す上面図である。
【
図5】
図5は、一実施形態の回路基板の一部およびハウジングの一部を示す上面図である。
【
図6】
図6は、一実施形態の変形例の回路基板の一部およびハウジングの一部を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る送風機について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
【0012】
以下の説明において図には、適宜、Z軸を示す。Z軸は、以下に説明する実施形態の送風機10の中心軸Jが延びる方向を示す。各図に示す中心軸Jは、仮想軸線である。以下の説明において、中心軸Jが延びる方向、つまりZ軸と平行な方向を「軸方向」と呼ぶ。中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。軸方向のうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)を「上側」または「軸方向一方側」と呼ぶ。軸方向のうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)を「下側」または「軸方向他方側」と呼ぶ。なお、上側および下側は、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
【0013】
周方向は、各図において矢印θで示される。周方向のうち矢印θが向く側(+θ側)を「周方向一方側」と呼ぶ。周方向のうち矢印θが向く側と逆側(-θ側)を「周方向他方側」と呼ぶ。周方向一方側は、上側から見て中心軸J回りに反時計回りに進む側である。周方向他方側は、上側から見て中心軸J回りに時計回りに進む側である。
【0014】
図1および
図2に示す本実施形態の送風機10は、モータ15と、インペラ部60と、を備える。本実施形態において、送風機10は、インペラ部60が中心軸Jを中心に回転することによって、空気を径方向外側に向かって送り出す遠心ファンである。
【0015】
図3に示すように、インペラ部60は、カップ部60aと、羽根64と、環状部65と、を有する。カップ部60aは、ロータ20およびステータ30を内部に収容する。カップ部60aは、インペラ天壁部61と、インペラ円筒部62と、曲面部63と、を有する。インペラ天壁部61は、モータ15の上側に配置される。インペラ天壁部61には、インペラ天壁部61を軸方向に貫通するインペラ貫通孔61aが設けられる。軸方向に見て、インペラ貫通孔61aは、中心軸Jを中心とする略円形状である。インペラ円筒部62は、中心軸Jを中心とする略円筒状である。インペラ円筒部62の上側の端部は、インペラ天壁部61の下側の端部と繋がる。曲面部63は、径方向内側に向けて凸となる曲面状である。曲面部63の上側の端部は、インペラ円筒部62の下側の端部と繋がる。
【0016】
図1に示すように、羽根64は、周方向に沿って間隔をあけて複数設けられる。
図3に示すように、各羽根64それぞれの径方向内側の端部のうち下側の端部は、曲面部63の径方向外側の端部と繋がる。図示は省略するが、各羽根64は、軸方向に見て、径方向内側から径方向外側に向かうに従って、周方向一方側に位置する曲面状である。環状部65は、中心軸Jを中心とする円環状である。環状部65は、複数の羽根64の上側の端部のうち径方向外側の部分と繋がる。本実施形態において、インペラ部60は、中心軸J回りに周方向一方側に向けて回転する。
【0017】
図3に示すように、モータ15は、ハウジング40と、スリーブ50と、ロータ20と、シャフト23と、ステータ30と、回路基板70と、を備える。
【0018】
ハウジング40は、スリーブ50、ロータ20、シャフト23、ステータ30、および回路基板70の上側の部分を内部に収容する。本実施形態において、ハウジング40は、樹脂製である。ハウジング40は、第1ハウジング部材41と、第2ハウジング部材42と、を有する。
【0019】
第1ハウジング部材41は、第1側壁部41aと、天壁部41bと、第1開口部41cと、第1固定部41eと、を有する。第1側壁部41aは、軸方向に延びる略円筒状である。第1側壁部41aは、下側に開口する。第1側壁部41aは、インペラ部60の上側の部分を径方向外側から囲む。天壁部41bは、略円環板状である。天壁部41bの板面は、軸方向を向いている。天壁部41bの径方向外側の端部は、第1側壁部41aの上側の端部と繋がる。天壁部41bには、吸気口41dが設けられる。吸気口41dは、天壁部41bを軸方向に貫通する孔である。
図1に示すように、第1開口部41cは、周方向一方側に開口する。第1固定部41eは、第1側壁部41aから径方向外側に突出する。第1ハウジング部材41の内面のうち、インペラ部60よりも径方向外側に位置する部分は、後述する送風路40aの上側の部分を構成する。
【0020】
図3に示すように、第2ハウジング部材42は、第2側壁部42aと、底壁部42cと、第2開口部42bと、第2固定部42tと、を有する。第2側壁部42aは、軸方向に延びる略円筒状である。第2側壁部42aは、上側に開口する。第2側壁部42aは、インペラ部60の下側の部分を径方向外側から囲む。第2側壁部42aの上側の端部は、第1側壁部41aの下側の端部と固定される。
【0021】
底壁部42cは、径方向に広がる略円環板状である。底壁部42cの径方向外側の端部は、第2側壁部42aの下側の端部と繋がる。底壁部42cは、第1凹部42eと、底壁中央孔42hと、基板固定部42nと、底壁孔部42rと、を有する。なお、第2ハウジング部材42の内面のうち、インペラ部60よりも径方向外側に位置する部分は、送風路40aの下側の部分を構成する。
【0022】
第1凹部42eは、底壁部42cの上側を向く面から下側に窪む穴である。底壁中央孔42hは、底壁部42cを軸方向に貫通する孔である。軸方向に見て、底壁中央孔42hは、中心軸Jを中心とする略円形状である。底壁中央孔42hの内周面には、径方向外側に窪む2個の溝42iが設けられる。各溝42iは、それぞれ、周方向に延びる。各溝42iは、互いに軸方向に並んで設けられる。
【0023】
基板固定部42nは、軸方向に突出する柱状である。本実施形態において、基板固定部42nは、2個設けられる。一方の基板固定部42nは、第1凹部42eの上側を向く面から上側に突出する。図示は省略するが、他方の基板固定部42nは、底壁部42cの上側を向く面から上側に突出する。
図4に示すように、各基板固定部42nは、中心軸Jを挟んで互いに径方向に対向する位置に配置される。
図3に示すように、底壁孔部42rは、底壁部42cを軸方向に貫通する孔である。底壁孔部42rは、底壁部42cの径方向外側の部分に設けられる。
【0024】
図1に示すように、第2開口部42bは、周方向一方側に開口する。軸方向に見て、第2開口部42bは、第1開口部41cと重なる。第1開口部41cと第2開口部42bは、排気口40bを構成する。送風路40aを周方向一方側に向けて流れる空気は、排気口40bを介して、送風機10の外部に流れ出る。
図2に示すように、第2固定部42tは、第2側壁部42aから径方向外側に突出する。送風機10は図示しないネジ等によって家電機器等に固定される。
【0025】
図3に示すように、スリーブ50は、軸方向に延びる略円筒状である。スリーブ50の下側の端部は、底壁中央孔42hの内部に配置され、ハウジング40に固定される。スリーブ50の内周面には、軸受91,92が保持され、軸受91とインペラ部60との間には、軸受91を下側に押圧するコイルばね94が設けられる。
【0026】
ロータ20は、ロータケース21と、磁石22と、を備える。ロータ20は、中心軸Jを中心として回転可能である。ロータケース21は、中心軸Jを中心として軸方向に延びるケース円筒部21aと、ケース円筒部21aの上側の端部から径方向内側に延びるケース円環部21bと、を有する。ロータケース21は、インペラ部60の内部に配置される。ケース円筒部21aの上側の部分は、インペラ円筒部62の内周面に固定される。これにより、インペラ部60は、ロータ20と接続される。磁石22は、ケース円筒部21aの内周面に固定される。磁石22は、周方向に沿って複数設けられる。
【0027】
シャフト23は、中心軸Jに沿って軸方向に延びる略円柱状である。シャフト23の上側の部分は、インペラ貫通孔61aに圧入される。これにより、シャフト23は、インペラ部60と固定される。シャフト23は、軸受91,92によって、中心軸Jを中心として回転自在に支持される。これにより、シャフト23、インペラ部60、およびロータ20が、中心軸Jを中心として回転可能になる。
【0028】
インペラ部60が中心軸Jを中心として周方向一方側に向けて回転すると、吸気口41dを介して、空気が送風機10の内部に取り込まれ、空気は複数の羽根64によって、インペラ部60から径方向外側、かつ、周方向一方側に送り出され、
図1に示す、排気口40bを介して、送風機10の外部に送り出される。
【0029】
図3に示すように、ステータ30は、ロータ20の径方向内側に位置する。ステータ30は、ロータ20と径方向に隙間をあけて対向して配置される。ステータ30は、ステータコア31と、インシュレータ32と、コイル33と、を備える。ステータコア31は、中心軸Jを中心とする略円環状である。ステータコア31は、スリーブ50の外周面に固定される。
【0030】
回路基板70は、コイル33に供給される電流を制御する。回路基板70は、コイル33に電気的に接続される。回路基板70は、ロータ20およびステータ30の下側に配置される。回路基板70は、回路基板本体71と、電子部品80と、第2電子部品81と、を備える。
【0031】
回路基板本体71は、中心軸Jと直交する方向に沿って延びる板状である。回路基板本体71は、底壁部42cの上側向く面に固定される。回路基板本体71は、インペラ部60よりも下側、すなわち軸方向他方側に配置される。回路基板本体71の上側を向く面は、ハウジング40の内部に露出する。
図4に示すように、回路基板本体71は、第1基板部71aと、第2基板部71bと、を有する。第1基板部71aは、回路基板本体71のうち、中心軸Jを径方向に囲む部分である。第1基板部71aには、第1貫通孔71dおよび貫通部71eが設けられる。
【0032】
第1貫通孔71dは、第1基板部71aを軸方向に貫通する孔である。軸方向に見て、第1貫通孔71dは、中心軸Jを中心とする円形状である。
図3に示すように、第1貫通孔71dには、スリーブ50およびシャフト23が軸方向に通される。
図4に示すように、貫通部71eは、第1基板部71aの径方向外側の部分に設けられる。貫通部71eは、第1基板部71aを軸方向に貫通する孔である。貫通部71eには、基板固定部42nが圧入される。これにより、回路基板本体71は、ハウジング40に固定される。
【0033】
第2基板部71bは、第1基板部71aから径方向外側に突出する。
図5に示すように、第2基板部71bの外縁部79のうち、第1外縁部79aは、第2側壁部42aに沿って延びる直線状である。つまり、ハウジング40の一部は、回路基板本体71の外縁部79に沿って配置される。第1外縁部79aは、第2側壁部42aと径方向に近接して配置される。
図4に示すように、第2基板部71bは、第2貫通孔71fと、複数の接続部72a,72b,72c,72dと、を有する。第2貫通孔71fは、第2基板部71bを、軸方向に貫通する孔である。第2貫通孔71fには、基板固定部42nが圧入される。これにより、回路基板本体71は、ハウジング40に固定される。
図3に示すように、第2基板部71bの上側を向く面のうち、インペラ部60よりも径方向外側の部分は、送風路40aの上側を向く面の一部を構成する。
【0034】
複数の接続部72a,72b,72c,72dは、それぞれ、電子部品80と接続される。
図4に示すように、複数の接続部72a,72b,72c,72dは、それぞれ、第1外縁部79aの径方向内側に設けられ、第1外縁部79aに近接して配置される。本実施形態において、複数の接続部は、第1接続部72a、第2接続部72b、第3接続部72c、および第4接続部72dを含む。つまり、回路基板本体71は、4個の接続部72a,72b,72c,72dを有する。
図5に示すように、複数の接続部72a,72b,72c,72dは、それぞれ、孔部73a,73b,73c,73dと、ランド部75a,75b,75c,75dと、を有する。より詳細には、第1接続部72aは、孔部73aとランド部75aとを有する。第2接続部72bは、孔部73bとランド部75bとを有する。第3接続部72cは、孔部73cとランド部75cとを有する。第4接続部72dは、孔部73dとランド部75dとを有する。
【0035】
各孔部73a,73b,73c,73dは、それぞれ、回路基板本体71を軸方向、すなわち、回路基板本体71の板厚方向に貫通する孔である。
図3に示すように、各孔部73a,73b,73c,73dは、インペラ部60よりも径方向外側に配置される。
図5に示すように、軸方向に見て、各孔部73a,73b,73c,73dは、それぞれ、四角形の頂点に配置される。本実施形態において、各孔部73a,73b,73c,73dそれぞれは、内周面に銅箔層が設けられるスルーホールである。各孔部73a,73b,73c,73dの内周面の銅箔層は、それぞれ、ランド部75a,75b,75c,75dと繋がる。なお、各孔部73a,73b,73c,73dそれぞれの内周面に銅箔層は設けられなくてもよい。
【0036】
各ランド部75a,75b,75c,75dは、回路基板本体71の上側を向く面、すなわち回路基板本体71の一方の板面のうち、孔部73a,73b,73c,73dそれぞれの周縁部に配置される。本実施形態において、各ランド部75a,75b,75c,75dは、それぞれ、銅箔によって構成される。各接続部72a,72b,72c,72dの配置および構成等については、後段で詳細に説明する。
【0037】
図2に示すように、電子部品80は、底壁部42cから下側に突出する。本実施形態において、電子部品80は、コネクタである。電子部品80は、コネクタ以外の電子部品であってもよい。電子部品80は、回路基板本体71および図示しない外部電源と接続される。
図3に示すように、電子部品80は、電子部品本体部80aと、複数の接続ピン80bと、を有する。電子部品本体部80aは、底壁孔部42rを軸方向に通される。
【0038】
図3に示すように、本実施形態において、電子部品80は、4個の接続ピン80bを有する。複数の接続ピン80bは、それぞれ、孔部73a,73b,73c,73dを軸方向に通される。複数の接続ピン80bは、それぞれ、半田によって接続部72a,72b,72c,72dに接続される。これにより、電子部品80は、回路基板本体71に取り付けられる。
図5に示すように、軸方向、すなわち、回路基板本体71の板厚方向に見て、4個の接続ピン80bは、4個の接続ピン80bそれぞれを頂点とする四角形状に配置される。つまり、軸方向に見て、4個の接続ピン80bは、それぞれ、四角形の頂点に配置される。本実施形態において、該四角形状は略正方形状である。よって、本実施形態によれば、回路基板本体71に対する電子部品80の姿勢が安定するため、モータ15および送風機10の駆動時において、回路基板本体71に対する電子部品80の振動が抑制され、電子部品80と回路基板本体71とを安定して接続できる。
【0039】
図3に示すように、本実施形態によれば、各接続ピン80bは、回路基板本体71よりも上側に突出する。また、上述のように、各孔部73a,73b,73c,73dは、インペラ部60よりも径方向外側に配置される。つまり、各接続ピン80bは、インペラ部60よりも径方向外側に配置される。よって、本実施形態によれば、各接続ピン80bと、インペラ部60とが干渉することを抑制できる。そのため、送風機10を安定して駆動させることができる。
【0040】
さらに、本実施形態によれば、各接続ピン80bの上側、すなわち軸方向一方側の端部が、インペラ部60の下側、すなわち軸方向他方側の端部よりも上側に位置するが、上述のように、各接続ピン80bと、インペラ部60とが干渉することを抑制できるため、軸方向における回路基板本体71とインペラ部60との間の隙間の寸法を小さくできる。したがって、軸方向において、送風機10の小型化を図ることができる。
【0041】
第2電子部品81は、回路基板本体71の下側を向く面に固定される。第2電子部品81は、第1凹部42eの内部に収容される。本実施形態において、第2電子部品81は、複数の電子部品を含む。第2電子部品81は、コンデンサおよびトランジスタなどの電子部品である。
【0042】
図5に示すように、第1接続部72aおよび第2接続部72bは、互いに回路基板本体71の第1外縁部79aに沿って並んで配置される。第3接続部72cは、第1接続部72aと第1外縁部79aとの間に配置される。第4接続部72dは、第2接続部72bと第1外縁部79aとの間に配置される。回路基板本体71は、最近接部79c,79dを有する。最近接部79cは、回路基板本体71の外縁部79のうち孔部73aおよび孔部73cに最も近い部分である。最近接部79cと、孔部73aの中心とを結ぶ仮想線が延びる方向は、延伸方向Raである。最近接部79cと、孔部73cの中心とを結ぶ仮想線が延びる方向は、延伸方向Rcである。本実施形態では、延伸方向Raと延伸方向Rcとは、同一方向である。なお、延伸方向Raと延伸方向Rcとは、同一方向でなくてもよい。
【0043】
最近接部79dは、外縁部79のうち孔部73bおよび孔部73dに最も近い部分である。最近接部79dと、孔部73bの中心とを結ぶ仮想線が延びる方向は、延伸方向Rbである。最近接部79cと、孔部73dの中心とを結ぶ仮想線が延びる方向は、延伸方向Rdである。本実施形態では、延伸方向Rbと延伸方向Rdとは、同一方向である。なお、延伸方向Rbと延伸方向Rdとは、同一方向でなくてもよい。
【0044】
ランド部75a,75b,75c,75dは、それぞれ、周縁部76a,76b,76c,76d、および突出部77a,77b,77c,77dを有する。軸方向に見て、周縁部76a,76b,76c,76dは、それぞれ、略C字状である。周縁部76a,76b,76c,76dは、それぞれ、孔部73a,73b,73c,73dの周囲のうち約240°の範囲を囲む。なお、周縁部76a,76b,76c,76dは、設けられなくてもよい。
【0045】
突出部77a,77b,77c,77dは、それぞれ、周縁部76a,76b,76c,76dから回路基板本体71の上側を向く面、すなわち回路基板本体71の一方の板面に沿って延びる。突出部77a,77b,77c,77dは、それぞれ、孔部73a,73b,73c,73dから回路基板本体71の上側を向く面に沿って延びる。
【0046】
第1接続部72aの突出部77aおよび第2接続部72bの突出部77bは、それぞれ、互いに遠ざかる方向に延びる。突出部77aは、孔部73aから突出部77aの先端に向かうに従って延伸方向Raにおいて最近接部79cから離れる方向Daに延びる。すなわち、突出部77aが突出する方向Daは、孔部73aから突出部77aの先端に向かうに従って延伸方向Raにおいて最近接部79cから離れる方向である。突出部77bは、孔部73bから突出部77bの先端に向かうに従って延伸方向Rbにおいて最近接部79dから離れる方向Dbに延びる。すなわち、突出部77bが突出する方向Dbは、孔部73bから突出部77bの先端に向かうに従って延伸方向Rbにおいて最近接部79dから離れる方向である。第3接続部72cの突出部77cおよび第4接続部72dの突出部77dは、それぞれ、互いに遠ざかる方向に延びる。突出部77cは、延伸方向Rcと直交する方向Dcに延びる。すなわち、突出部77cが突出する方向Dcは、延伸方向Rcと直交する方向である。突出部77dは、延伸方向Rdと直交する方向Ddに延びる。すなわち、突出部77dが突出する方向Ddは、延伸方向Rdと直交する方向である。
【0047】
突出部77a,77b,77c,77dが孔部73a,73b,73c,73dから延びる方向における突出部の寸法Lta,Ltb,Ltc,Ltdは、それぞれ、突出部77a,77b,77c,77dが孔部73a,73b,73c,73dから延びる方向における孔部73a,73b,73c,73dの寸法Lha,Lhb,Lhc,Lhdよりも大きい。
【0048】
次に、本実施形態において、電子部品80を回路基板本体71に半田付けによって接続する電子部品接続工程について説明する。電子部品接続工程は、モータ15および送風機10の製造工程の一部である。電子部品接続工程は、各孔部73a,73b,73c,73dそれぞれに、4個の接続ピン80bを軸方向に通す第1工程と、半田付けによって、4個の接続ピン80bを、それぞれ接続部72a,72b,72c,72dに接続する第2工程と、を含む。なお、本明細書において「作業者等」とは、各作業を行う作業者および組立装置等を含む。各作業は、作業者のみによって行われてもよいし、組立装置のみによって行われてもよいし、作業者と組立装置とによって行われてもよい。
【0049】
第1工程では、作業者等は、予め、各接続ピン80bを上側に向けた電子部品80を、第2ハウジング部材42の底壁孔部42rに固定する。さらに、
図5に示すように、回路基板本体71の孔部73a,73b,73c,73dそれぞれに、各接続ピン80bを軸方向に通し、回路基板本体71を第2ハウジング部材42に固定する。このとき、
図3に示すように、各接続ピン80bの上側の端部は、回路基板本体71よりも上側に位置する。なお、第1工程では、予め、回路基板本体71を第2ハウジング部材42に固定した後に、各接続ピン80bを上側に向けた電子部品80を底壁孔部42rに固定しても良い。
【0050】
第2工程では、作業者等は、第1方向および第2方向に沿って、半田鏝95を移動させる。
図4および
図5に示すように、本実施形態において、第1方向は、矢印Ds1が延びる方向であり、延伸方向Ra,Rb,Rc、Rdと略平行な方向である。以下の説明において、第1方向外側(+Ds1側)は、矢印Ds1が向く方向である。第1方向内側(-Ds1側)は、矢印Ds1が向く方向と反対方向である。第2方向は、矢印Ds2が延びる方向であり、第1方向および軸方向の両方と直交する方向である。第2方向一方側(+Ds2側)は、矢印Ds2が向く方向である。第2方向他方側(-Ds2側)は、矢印Ds2が向く方向と反対方向である。なお、本実施形態では、半田鏝95は、図示しない半田付け装置に保持される。半田付け装置は、半田鏝95を、第1方向および第2方向に移動可能である。
【0051】
第2工程において、作業者等は、まず、半田付けによって、第1接続部72aと接続ピン80bとを接続する。作業者等は、半田鏝95を第1方向外側(+Ds1側)に移動させて、
図5に示すように、半田鏝95を突出部77aに接触させる。
【0052】
次に、作業者等は、半田鏝95を、第1方向外側(+Ds1側)および第2方向一方側(+Ds2側)に移動させて、半田鏝95を第3接続部72cの突出部77cに接触させ、上記と同様の手順により、半田によって接続ピン80bを第3接続部72cに接続する。
次に、作業者等は、半田鏝95を、第1方向内側(-Ds1側)および第2方向他方側(-Ds2側)に移動させて、半田鏝95を第2接続部72bの突出部77bに接触させ、上記と同様の手順により、半田によって接続ピン80bを第2接続部72bに接続する。
次に、作業者等は、半田鏝95を、第1方向外側(+Ds1側)および第2方向他方側(-Ds2側)に移動させて、半田鏝95を第4接続部72dの突出部77dに接触させ、同様の手順により、半田によって接続ピン80bを第4接続部72dに接続する。
【0053】
4個の接続ピン80bそれぞれが、半田によって、各接続部72a,72b,72c,72dに接続されると第2工程は終了し、電子部品接続工程は終了する。なお、各接続部72a,72b,72c,72dと接続ピン80bとを半田によって接続する順序は、上記の順序に限定されず、異なる順序であってもよい。例えば、第1接続部72a、第2接続部72b、第3接続部72c、第4接続部72dの順序で、各接続部と接続ピン80bと接続してもよい。
【0054】
本実施形態によれば、回路基板本体71は、複数の接続ピン80bそれぞれが半田によって接続される複数の接続部72a,72b,72c,72dを有し、複数の接続部72a,72b,72c,72dは、それぞれ、接続ピン80bが通される孔部73a,73b,73c,73dと、孔部73a,73b,73c,73dの周縁部に配置されたランド部75a,75b,75c,75dと、を有する。ランド部75a,75b,75c,75dは、孔部73a,73b,73c,73dから一方の板面に沿って延びる突出部77a,77b,77c,77dを有し、軸方向、すなわち回路基板本体71の板厚方向に見て、突出部77c,77dそれぞれが突出する方向Dc,Ddは、回路基板本体71の外縁部79のうち孔部73c,73dに最も近い最近接部79c,79dと孔部73c,73dの中心とを結ぶ仮想線が延びる延伸方向Rc,Rdと直交する方向であり、突出部77a,77bそれぞれが突出する方向Da,Dbは、孔部73a,73bから突出部77a,77bの先端に向かうに従って延伸方向Ra,Rbにおいて最近接部79c,79dから離れる方向である。よって、各突出部77a,77b,77c,77dと、回路基板本体71の外縁部79との間の寸法を大きくできる。そのため、ハウジング40の第2側壁部42aが回路基板本体71の外縁部79に沿って配置されても、第2側壁部42aと、各突出部77a,77b,77c,77dとの間の寸法を大きくできる。したがって、電子部品接続工程の第2工程において、半田鏝95と各突出部77a,77b,77c,77dとを接触させて、ランド部75a,75b,75c,75dを加熱する際に、半田鏝95とハウジング40の第2側壁部42aとが干渉することを好適に抑制できる。また、回路基板本体71を介して、半田鏝95の熱がハウジング40の第2側壁部42aに伝わることを抑制できる。よって、各接続部72a,72b,72c,72dに電子部品80の接続ピン80bを接続する際に、ハウジング40の第2側壁部42aが熱溶融することを抑制できる。
【0055】
また、本実施形態によれば、各接続部72a,72b,72c,72dの孔部73a,73b,73c,73dを、回路基板本体71の外縁部79、および第2側壁部42aに近づけて配置できる。したがって、径方向における、回路基板本体71およびハウジング40の寸法を小さくでき、径方向における、モータ15および送風機10の小型化を図ることができる。
【0056】
本実施形態によれば、第1接続部72aの突出部77aおよび第2接続部72bの突出部77bは、それぞれ、互いに遠ざかる方向に延び、第3接続部72cの突出部77cと、第4接続部72dの突出部77dは、それぞれ、互いに遠ざかる方向に延びる。よって、突出部77aおよび突出部77cは、複数の接続ピン80bよりも、第2方向一方側(+Ds2側)に配置され、突出部77bおよび突出部77dは、複数の接続ピン80bよりも、第2方向他方側(-Ds2側)に配置される。つまり、第1方向に見て、各突出部77a,77b,77c,77dは、それぞれ、接続ピン80bと重ならないため、第2工程において、周方向において、半田鏝95が向く向きを変えることなく、半田鏝95を第1方向および第2方向にのみ移動させる簡易な作業によって、半田鏝95を各突出部77a,77b,77c,77dに接触させることができる。したがって、第2工程の工数を好適に抑制できるとともに、半田付け装置の構成の簡略化を図ることができ、モータ15および送風機10の製造コストが増大することを抑制できる。
【0057】
また、本実施形態によれば、各突出部の寸法Lta,Ltb,Ltc,Ltdは、孔部の寸法Lha,Lhb,Lhc,Lhdよりも大きい。よって、各突出部77a,77b,77c,77dを大きく設けることができるため、第2工程において、半田鏝95を、容易に各突出部77a,77b,77c,77dに接触させることができる。したがって、第2工程の工数をよりさらに抑制でき、モータ15および送風機10の製造工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0058】
<変形例>
図6に示すように、本実施形態の変形例の送風機110の回路基板170では、回路基板本体171が有する、複数の接続部は、第1接続部72a、第2接続部72b、第3接続部172c、および第4接続部172dを含む。第1接続部72aおよび第2接続部72bの構成は、本実施形態の第1接続部72aおよび第2接続部72bの構成と同様である。
【0059】
第3接続部172cは、第1接続部72aと第1外縁部79aとの間に配置される。第3接続部172cは、孔部73cと、ランド部175cと、を有する。ランド部175cは、周縁部176cと、突出部177cと、を有する。突出部177cは、周縁部176cから回路基板本体171の上側を向く面に沿って延びる。突出部177cは、孔部73cから回路基板本体171の上側を向く面に沿って延びる。
【0060】
第4接続部172dは、第2接続部72bと第1外縁部79aとの間に配置される。第4接続部172dは、孔部73dと、ランド部175dと、を有する。ランド部175dは、周縁部176dと、突出部177dと、を有する。突出部177dは、周縁部176dから回路基板本体171の上側を向く面に沿って延びる。突出部177dは、孔部73dから回路基板本体171の上側を向く面に沿って延びる。
【0061】
第3接続部172cの突出部177cおよび第4接続部172dの突出部177dは、それぞれ、互いに遠ざかる方向に延びる。突出部177cは、孔部73cから突出部177cの先端に向かうに従って延伸方向Rcにおいて最近接部79cから離れる方向Dcに延びる。すなわち、突出部177cが突出する方向Dcは、孔部73cから突出部177cの先端に向かうに従って延伸方向Rcにおいて最近接部79cから離れる方向である。突出部177dは、孔部73dから突出部177dの先端に向かうに従って延伸方向Rdにおいて最近接部79dから離れる方向Ddに延びる。すなわち、突出部177dが突出する方向Ddは、孔部73dから突出部177dの先端に向かうに従って延伸方向Rdにおいて最近接部79dから離れる方向である。本変形例の送風機110のその他の構成は、実施形態の送風機10のその他の構成と同様である。
【0062】
よって、本実施形態によれば、突出部177c,177dと、回路基板本体171の外縁部79との間の寸法をより大きくできる。そのため、第2側壁部42aと、突出部177c,177dとの間の寸法をより大きくできる。したがって、電子部品接続工程の第2工程において、半田鏝95と突出部177c,177dとを接触させて、ランド部175c,175dを加熱する際に、半田鏝95とハウジング40の第2側壁部42aとが干渉することをより好適に抑制できる。また、回路基板本体171を介して、半田鏝95の熱がハウジング40の第2側壁部42aに伝わることを抑制できる。よって、各接続部72a,72b,172c,172dに電子部品80の接続ピン80bを接続する際に、ハウジング40の第2側壁部42aが熱溶融することを抑制できる。
【0063】
以上に、本発明の一実施形態を説明したが、実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。例えば、上述した実施形態に示したモータ、送風機の用途は、特に限定されない。
【0064】
電子部品を回路基板本体と安定して接続できるならば、接続ピンの個数および接続部の個数は、それぞれ、4個に限定されず、3個以下でもよいし、5個以上でも良い。
【0065】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
(1) 回路基板本体と、複数の接続ピンを有し、前記回路基板本体に取り付けられた電子部品と、を備え、前記回路基板本体は、前記複数の接続ピンそれぞれが半田によって接続される複数の接続部を有し、前記複数の接続部は、それぞれ、前記回路基板本体を板厚方向に貫通し、前記接続ピンが通される孔部と、前記回路基板本体の一方の板面のうち前記孔部の周縁部に配置されたランド部と、を有し、前記複数の接続部それぞれにおいて、前記ランド部は、前記孔部から前記一方の板面に沿って延びる突出部を有し、前記板厚方向に見て、前記突出部が突出する方向は、前記回路基板本体の外縁部のうち前記孔部に最も近い最近接部と前記孔部の中心とを結ぶ仮想線が延びる延伸方向と直交する方向、または前記孔部から前記突出部の先端に向かうに従って前記延伸方向において前記最近接部から離れる方向である、回路基板。
(2) 前記複数の接続部それぞれにおいて、前記突出部が前記孔部から延びる方向における前記突出部の寸法は、前記突出部が前記孔部から延びる方向における前記孔部の寸法よりも大きい、(1)に記載の回路基板。
(3) 前記電子部品は、4個の前記接続ピンを有し、前記板厚方向に見て、4個の前記接続ピンは、それぞれ、四角形の各頂点にそれぞれ配置され、前記回路基板本体は、4個の前記接続部を有する、(1)または(2)に記載の回路基板。
(4) 前記複数の接続部は、互いに前記回路基板本体の外縁部に沿って並んで配置される第1接続部および第2接続部と、前記第1接続部と前記回路基板本体の外縁部との間に配置される第3接続部と、前記第2接続部と前記回路基板本体の外縁部との間に配置される第4接続部と、を含み、前記第1接続部の前記突出部および前記第2接続部の前記突出部は、それぞれ、互いに遠ざかる方向、かつ、前記孔部から前記突出部の先端に向かうに従って前記延伸方向において前記最近接部から離れる方向に延び、前記第3接続部の前記突出部と、前記第4接続部の前記突出部は、それぞれ、互いに遠ざかる方向、かつ、前記延伸方向と直交する方向に延びる、(1)から(3)のいずれかに記載の回路基板。
(5) 前記複数の接続部は、互いに前記回路基板本体の外縁部に沿って並んで配置される第1接続部および第2接続部と、前記第1接続部と前記回路基板本体の外縁部との間に配置される第3接続部と、前記第2接続部と前記回路基板本体の外縁部との間に配置される第4接続部と、を含み、前記第1接続部の前記突出部および前記第2接続部の前記突出部は、それぞれ、互いに遠ざかる方向、かつ、前記孔部から前記突出部の先端に向かうに従って前記延伸方向において前記最近接部から離れる方向に延び、前記第3接続部の前記突出部と、前記第4接続部の前記突出部は、それぞれ、互いに遠ざかる方向、かつ、前記孔部から前記突出部の先端に向かうに従って前記延伸方向において前記最近接部から離れる方向に延びる、(1)から(3)のいずれかに記載の回路基板。
(6) 中心軸を中心として回転可能なロータと、前記ロータと径方向に対向して配置されるステータと、(1)から(5)のいずれかに記載の回路基板と、前記回路基板本体が固定されるハウジングと、を備え、前記ハウジングの一部は、前記回路基板本体の外縁部に沿って配置される、モータ。
(7) (6)に記載のモータと、前記ロータと接続され、中心軸を中心して回転可能なインペラ部と、を備える送風機。
(8) 前記回路基板本体は、前記中心軸と直交する径方向に沿って延び、前記インペラ部は、回路基板本体よりも軸方向一方側に配置され、前記孔部は、前記インペラ部よりも径方向外側に配置される、(7)に記載の送風機。
(9) 前記接続ピンの軸方向一方側の端部が、前記インペラ部の軸方向他方側の端部よりも、軸方向一方側に位置する、(8)に記載の送風機。
【符号の説明】
【0066】
10,110…送風機、15…モータ、20…ロータ、30…ステータ、40…ハウジング、60…インペラ部、70,170…回路基板、71,171…回路基板本体、72a…第1接続部(接続部)、72b…第2接続部(接続部)、72c,172c…第3接続部(接続部)、72d,172d…第4接続部(接続部)、73a,73b,73c,73d…孔部、75a,75b,75c,75d,175c,175d…ランド部、77a,77b,77c,77d,177c,177d…突出部、79…外縁部、79c,79d…最近接部、80…電子部品、80b…接続ピン、J…中心軸、Ra,Rb,Rc,Rd…延伸方向