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特開2023-175273支持層到達判定装置および支持層到達判定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175273
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】支持層到達判定装置および支持層到達判定方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 1/02 20060101AFI20231205BHJP
   E02D 13/06 20060101ALI20231205BHJP
   E02D 7/20 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
E02D1/02
E02D13/06
E02D7/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087636
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】粕谷 悠紀
(72)【発明者】
【氏名】山田 祐樹
【テーマコード(参考)】
2D043
2D050
【Fターム(参考)】
2D043AA01
2D043AB04
2D043AC05
2D050AA07
2D050CB05
2D050FF04
(57)【要約】
【課題】支持層に到達したか否かを高い精度で判定することができる支持層到達判定装置および支持層到達判定方法を提供する。
【解決手段】支持層到達判定装置30は、予め設定した計測深度ごとに、掘削の最大深度と掘削機の掘削抵抗に関する値とで構成された掘削記録データを取得するデータ取得部32と、地盤調査の結果に基づく深度と土質との関係を示す設計土質データを記憶するメモリ31aと、掘削記録データと設計土質データとを入力要素に含むN値推定モデルを用いて推定N値を算出するN値推定部35と、掘削記録データと推定N値とを入力要素に含む土質推定モデルを用いて土質を推定する土質推定部36と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削機による掘削が支持層に到達したことを判定する支持層到達判定装置であって、
予め設定した計測タイミングごとに、前記掘削の最大深度と前記掘削機の掘削抵抗に関する値とで構成された掘削記録データを取得するデータ取得部と、
地盤調査の結果に基づく深度と土質との関係を示す設計土質データを記憶する設計土質記憶部と、
前記掘削記録データと前記設計土質データとを入力要素に含むN値推定モデルを用いて推定N値を算出するN値推定部と、
前記掘削記録データと前記推定N値とを入力要素に含む土質推定モデルを用いて土質を推定する土質推定部と、を備える
支持層到達判定装置。
【請求項2】
前記データ取得部は、
単位深さだけ掘削するのに要する経過時間を取得する経過時間取得部と、
前記経過時間に対してフィルタリング処理を行うフィルタリング部と、を備え、
前記フィルタリング処理後の経過時間を前記掘削記録データの構成要素として取得する
請求項1に記載の支持層到達判定装置。
【請求項3】
前記フィルタリング部は、
基準経過時間を設定するとともに前記基準経過時間に対応する最大深度に至るまでの所定の区間を条件設定区間に設定し、
前記条件設定区間における経過時間の中央値に基づいて異常条件を設定し、
前記基準経過時間が前記異常条件を満たす場合に当該基準経過時間を異常値として除去する
請求項2に記載の支持層到達判定装置。
【請求項4】
前記フィルタリング部は、
前記基準経過時間と前記基準経過時間の前後の経過時間とを除去対象時間に設定し、
前記異常条件を満たす前記除去対象時間を異常値として除去する
請求項3に記載の支持層到達判定装置。
【請求項5】
前記掘削機は、ケーシングチューブを回転させる回転機構と前記ケーシングチューブを地中に押し込む押込機構とを有する全周回転掘削機であり、
前記データ取得部は、
前記掘削機の掘削抵抗に関する値として、計測タイミングごとに、前記回転機構の回転トルク、前記押込機構の押込み力、および、前記回転トルクに基づく積算トルクを取得するとともに、前記回転トルク、前記押込み力、および、前記積算トルクの各々について、最大深度に至るまでの所定の区間を算出対象区間として、前記算出対象区間における値を母集団とする平均値および標準偏差を取得する
請求項1~4のいずれか一項に記載の支持層到達判定装置。
【請求項6】
支持層到達判定装置を用いて、掘削機による掘削が支持層に到達したことを判定する支持層到達判定方法であって、
前記支持層到達判定装置が、
予め設定した計測タイミングごとに、前記掘削の最大深度と前記掘削機の掘削抵抗に関する値とで構成された掘削記録データを取得する工程と、
地盤調査の結果に基づく深度と土質との関係を示す設計土質データを記憶する工程と、
前記掘削記録データと前記設計土質データとを入力要素に含むN値推定モデルを用いて推定N値を算出する工程と、
前記掘削記録データと前記推定N値とを入力要素に含む土質推定モデルを用いて土質を推定する工程と、を実行する
支持層到達判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削機による掘削が支持層に到達したか否かを判定する支持層到達判定装置および支持層到達判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
構造物の荷重を支える工法として、地中にある硬質な地層である支持層まで杭孔を掘削し、その杭孔を利用して打ち込んだ複数の杭を介して構造物の荷重を支える工法がある。こうした工法として、例えば特許文献1のように、オールケーシング工法が知られている。オールケーシング工法においては、ケーシングチューブを揺動あるいは回転させながら地中に圧入するとともにケーシングチューブ内の土砂をハンマーグラブで地上に排土することにより杭孔が形成される。そして、ケーシングチューブが支持層に到達すると、ケーシングチューブの内側に鉄筋かごなどを建て込んだのち、ケーシングチューブを引き抜きながらコンクリートが打設される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-140548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、構造物の建設前、支持層の深度を特定するための地盤調査が行われる。そして、この地盤調査における標準貫入試験によって、地盤の固さを示す指標であるN値などが取得される。一方、地盤調査が行われた位置と杭孔の掘削位置とで地質構造が同じとは限らない。また、各掘削位置において地盤調査を行うには、その費用や手間を考えると現実的ではない。そのため、各掘削位置において支持層に到達したか否かを高い精度で判定することのできる技術が求められている。なお、こうした要望は、オールケーシング工法に限らず、掘削機で支持層まで掘削する工法に共通する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する支持層到達判定装置は、掘削機による掘削が支持層に到達したことを判定する支持層到達判定装置であって、予め設定した計測タイミングごとに、前記掘削の最大深度と前記掘削機の掘削抵抗に関する値とで構成された掘削記録データを取得するデータ取得部と、地盤調査の結果に基づく深度と土質との関係を示す設計土質データを記憶する設計土質記憶部と、前記掘削記録データと前記設計土質データとを入力要素に含むN値推定モデルを用いて推定N値を算出するN値推定部と、前記掘削記録データと前記推定N値とを入力要素に含む土質推定モデルを用いて土質を推定する土質推定部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、掘削機による掘削が支持層に到達したか否かを高い精度で判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】支持層到達判定装置の一実施形態を用いた掘削システムの概略構成を模式的に示す図である。
図2】支持層到達判定装置として機能する情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】支持層到達判定装置を示す機能ブロック図である。
図4】最大深度が条件設定区間の設定値以下にある経過時間についてのフィルタリング処理を説明するためのグラフである。
図5】最大深度が条件設定区間の設定値よりも大きい経過時間についてのフィルタリング処理を説明するためのグラフである。
図6】(a)最大深度とフィルタリング処理前の経過時間との関係の一例を示すグラフであり、(b)最大深度とフィルタリング処理後の経過時間との関係の一例を示すグラフである。
図7】支持層到達判定方法の一実施形態の流れを示すフローチャートである。
図8】表示装置における表示の一部を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1図8を参照して、支持層到達判定装置および支持層到達判定方法の一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、オールケーシング工法によって杭孔が掘削される場合を例に支持層到達判定装置および支持層到達判定方法について説明する。
【0009】
図1に示すように、オールケーシング工法においては、地盤10に対して全周回転掘削機15によって杭孔が形成される。全周回転掘削機15は、ベース装置16、保持装置17、回転機構18、および、押込機構19を備えている。
【0010】
ベース装置16は、地盤10に対して全周回転掘削機15を設置するための装置である。保持装置17は、地盤10に対して圧入されるケーシングチューブ20を外側から支持する装置である。保持装置17は、ケーシングチューブ20の中心軸を回転中心としてケーシングチューブ20を回転可能に、また、ケーシングチューブ20を上下方向に移動可能に支持する。
【0011】
回転機構18は、動力装置21から動力が供給されることにより、ケーシングチューブ20の中心軸を回転中心としてケーシングチューブ20を回転させる。押込機構19は、動力装置21から動力が供給されることにより、ケーシングチューブ20を地中へと押し込む。地中へと押し込まれたケーシングチューブ20の下端が位置している深度を最大深度Dという。
【0012】
動力装置21は、動力として例えば油圧を全周回転掘削機15に供給する。動力装置21には、図示されない操作盤が設けられている。オペレーターは、その操作盤を操作することにより、全周回転掘削機15を操作する。全周回転掘削機15は、オペレーターの操作に応じて、回転機構18でケーシングチューブ20を揺動あるいは回転させながら、押込機構19でケーシングチューブ20を地盤10に押し込む。ケーシングチューブ20内の土砂は、図示されないハンマーグラブなどによって排土される。
【0013】
なお、全周回転掘削機15においては、ケーシングチューブ20の長さが不足した場合、ケーシングチューブ20の上端に新たなケーシングチューブを接続する継ぎ足し作業が行われる。
【0014】
動力装置21には、回転機構18による回転トルクを計測する回転トルク計測器22、押込機構19による押込み力を計測する押込み力計測器23が備えられている。また、全周回転掘削機15には、変位計測器25が備えられている。変位計測器25は、全周回転掘削機15が駆動されると、ケーシングチューブ20の変位を計測する。各計測器22,23,25は、所定のサンプリング周期(例えば1sec)で計測を行い、その計測値を支持層到達判定装置30に出力する。
【0015】
(支持層到達判定装置)
図2に示すように、支持層到達判定装置30は、情報処理装置H10を用いて構成されている。情報処理装置H10は、通信装置H11、入力装置H12、表示装置H13、記憶装置H14、プロセッサH15を有する。なお、このハードウェア構成は一例であり、他のハードウェアを有していてもよい。
【0016】
通信装置H11は、他の装置との間で通信経路を確立して、データの送受信を実行するインタフェースである。入力装置H12は、利用者等からの入力を受け付ける装置であり、例えばマウスやキーボード等である。表示装置H13は、各種情報を表示するディスプレイやタッチパネル等である。記憶装置H14は、支持層到達判定装置30の各種機能を実行するためのデータや各種プログラムを格納する記憶部である。記憶装置H14の一例としては、ROM、RAM、ハードディスク等がある。
【0017】
プロセッサH15は、記憶装置H14に記憶されるプログラムやデータを用いて、支持層到達判定装置30における各処理を制御する。プロセッサH15の一例としては、例えばCPUやMPU等がある。このプロセッサH15は、ROM等に記憶されるプログラムをRAMに展開して、各種処理に対応する各種プロセスを実行する。例えば、プロセッサH15は、支持層到達判定装置30のアプリケーションプログラムが起動された場合、後述する各処理を実行するプロセスを動作させる。
【0018】
プロセッサH15は、自身が実行するすべての処理についてソフトウェア処理を行なうものに限られない。例えば、プロセッサH15は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行なう専用のハードウェア回路(例えば、特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。すなわち、プロセッサH15は、以下で構成し得る。
【0019】
(1)コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ
(2)各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは
(3)それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)
プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0020】
図3に示すように、支持層到達判定装置30は、各種プログラムの実行により機能する機能部として、管理部31、データ取得部32、N値学習部33、土質学習部34、N値推定部35、および、土質推定部36を備えている。また、支持層到達判定装置30は、各種データを記憶する記憶部として、データ記憶部41、N値推定モデル記憶部42、および、土質推定モデル記憶部43を備えている。
【0021】
管理部31は、支持層到達判定装置30に入力される各種データの取り扱いや各種データを用いた処理の実行などを管理する。
データ取得部32は、各種データを取得する。データ取得部32は、計測値取得部51、経過時間取得部52、フィルタリング部53、積算トルク算出部54、平均値算出部55、および、標準偏差算出部56を備えている。
【0022】
計測値取得部51は、変位計測器25が計測した変位に基づいて最大深度Dを取得する。また、計測値取得部51は、計測タイミングごとに回転トルクTおよび押込み力Fを取得する。本実施形態において、計測値取得部51は、最大深度Dに基づいて、予め設定した所定の計測深度ごとに回転トルクTおよび押込み力Fを取得する。計測深度は、例えば0.1mに設定される。例えば、計測値取得部51は、最大深度Dが計測深度だけ変化した期間における回転トルク計測器22の計測値を平均した値を回転トルクTとして取得する。また、計測値取得部51は、最大深度Dが計測深度だけ変化した期間における押込み力計測器23の計測値を平均した値を押込み力Fとして取得する。
【0023】
経過時間取得部52は、変位計測器25が計測した変位と計測深度だけ掘削するのに要した時間とに基づいて、単位深さだけ掘削するのに要する時間を経過時間t(=要した時間/計測深度)として取得する。
【0024】
フィルタリング部53は、経過時間取得部52が取得した経過時間tに対してフィルタリング処理を行うことにより、該経過時間tから異常値を除去する。フィルタリング部53は、例えば、計測深度だけ掘削する間にケーシングチューブ20の継ぎ足し作業が行われた場合など、異常に大きい経過時間tを異常値として除去する。
【0025】
積算トルク算出部54は、計測深度だけ掘削したときの積算トルクTaを算出する。例えば、積算トルク算出部54は、回転トルクTと経過時間tとを乗算することにより積算トルクTaを算出する。
【0026】
平均値算出部55は、回転トルクT、押込み力F、および、積算トルクTaの各々について、最大深度Dに至るまでの算出対象区間における値を母集団として、回転トルク平均値T1、押込み力平均値F1、および、積算トルク平均値Ta1を算出する。算出対象区間は、例えば1.0mに設定される。平均値算出部55は、計測深度ごとに各種の平均値T1,F1,Ta1を算出する。
【0027】
標準偏差算出部56は、回転トルクT、押込み力F、および、積算トルクTaの各々について、算出対象区間における値を母集団として、回転トルク標準偏差T2、押込み力標準偏差F2、および、積算トルク標準偏差Ta2を算出する。標準偏差算出部56は、計測深度ごとに各種の標準偏差T2,F2,Ta2を算出する。
【0028】
N値学習部33は、データ記憶部41に記憶されたN値用教師データを用いた機械学習を行うことにより、最大深度Dにおける推定N値を算出するN値推定モデルを生成する。N値学習部33は、生成したN値推定モデルをN値推定モデル記憶部42に保存する。
【0029】
土質学習部34は、データ記憶部41に記憶された土質用教師データを用いた機械学習を行うことにより、最大深度Dにおける土質を推定する土質推定モデルを生成する。土質推定部36は、生成した土質推定モデルを土質推定モデル記憶部43に保存する。
【0030】
N値推定部35は、施工現場の設計土質、掘削位置における掘削記録、および、N値推定モデル記憶部42に記憶されたN値推定モデルに基づいて、最大深度Dにおける推定N値を算出する。
【0031】
土質推定部36は、掘削位置における掘削記録、N値推定部35が算出した推定N値、および、土質推定モデル記憶部43に記憶された土質推定モデルに基づいて、最大深度Dにおける土質を推定する。
【0032】
(フィルタリング部)
フィルタリング部53が実行するフィルタリング処理の一例について説明する。上述のように、フィルタリング処理は、経過時間tのなかから異常値を除去する処理である。
【0033】
フィルタリング処理において、フィルタリング部53は、除去対象時間と条件設定区間とを設定する。除去対象時間は、フィルタリング処理において除去の対象となる経過時間tである。条件設定区間は、除去対象時間が異常条件を満たすか否かを判定するための判定値を、当該区間における経過時間tに基づいて設定するための区間である。条件設定区間は、例えば2.0mに設定される。
【0034】
フィルタリング部53は、対応する最大深度Dが条件設定区間の設定値以下にある経過時間tについては、すべての経過時間tを除去対象時間に設定するとともに、設定値に対応する最大深度Dまでの区間を条件設定区間に設定する。
【0035】
例えば、図4に示すように、条件設定区間の設定値が2.0mである場合、フィルタリング部53は、最大深度Dが2.0m以下にある経過時間tについては、最大深度2.0mに対応する経過時間tを基準経過時間tsとして、すべての経過時間tを除去対象時間設定するとともにそれらの経過時間tに基づいて判定値を設定する。
【0036】
フィルタリング部53は、対応する最大深度Dが条件設定区間の設定値よりも大きい経過時間tについては、その経過時間tを基準経過時間tsとして、除去対象時間と条件設定区間とを設定する。
【0037】
具体的には、フィルタリング部53は、基準経過時間tsと基準経過時間tsの前後2つの経過時間tとを除去対象時間に設定する。フィルタリング部53は、設定値に基づく区間であって、基準経過時間tsに対応する最大深度Dに至るまでの所定の深度区間を条件設定区間に設定する。
【0038】
例えば、図5に示すように、条件設定区間の設定値が2.0mであり、かつ、最大深度5.0mに対応する経過時間tを基準経過時間tsとした場合、フィルタリング部53は、最大深度3.0m~5.0mを条件設定区間に設定し、その区間において計測された経過時間tに基づいて判定値を設定する。
【0039】
図4および図5に例示するように、除去対象時間と条件設定区間とを設定したフィルタリング部53は、条件設定区間における経過時間tの中央値tcを算出する。そして、フィルタリング部53は、中央値tcに基づく異常条件を設定する。異常条件は、ケーシングチューブの継ぎ足し作業を行った場合など、土質の変化とは無関係に経過時間tが異常に大きいことを示す条件である。異常条件には、予め行った検証結果などに基づき、例えば中央値tcの3倍である経過時間tb以上であることが設定される。フィルタリング部53は、異常条件を満たす経過時間tを異常値として除去する。図4および図5においては、異常値として除去された経過時間tを黒丸で示している。なお、フィルタリング部53は、異常値として除去された経過時間tに対応する経過時間として、その異常値前後の経過時間tを用いて線形補間した補正経過時間を設定してもよい。
【0040】
図6(a)のグラフは、最大深度Dが0m付近、5m付近、10m付近、15m付近においてケーシングチューブの継ぎ足し作業が行われた例について、最大深度Dとフィルタリング処理前の経過時間tとの関係を示している。図6(b)のグラフは、図6(a)で示される経過時間tに対してフィルタリング処理を行った後の最大深度Dと経過時間tとの関係を示している。図6(a)および図6(b)に示すように、上述したフィルタリング処理によって、ケーシングチューブの継ぎ足し作業などが行われたときの経過時間tが異常値として除去されていることがわかる。
【0041】
(支持層到達判定方法)
図7に示すように、支持層到達判定装置30を用いた支持層到達判定方法は、施工前工程、調査工程、掘削前工程、および、掘削工程を備えている。施工前工程は、実績データに基づいて、N値推定モデルおよび土質推定モデルが生成される工程である。調査工程は、これから掘削を行う施工現場の調査位置についての地盤調査(例えばボーリング調査)が行われる工程である。掘削前工程は、施工現場において、各掘削位置を掘削する前に行われる工程である。掘削工程は、各掘削位置の掘削中に行われる工程である。
【0042】
(施工前工程)
施工前工程において、管理部31は、実績データを記憶する外部記憶媒体や外部端末などが通信装置H11に接続された状態において入力装置H12で教師データ取得操作が行われると、実績データに基づく教師データを取得する教師データ取得処理を実行する(ステップS1-1)。また、管理部31は、教師データ取得処理の終了後に入力装置H12で学習操作が行われると、学習処理を実行する(ステップS1-2)。
【0043】
実績データは、過去の施工現場において得られた各種の計測値などで構成されている。具体的には、実績データは、施工現場およびその施工現場における掘削位置を識別する識別情報に対して、設計土質データのほか、計測深度ごとの測定N値および実際の土質、ならびに、計測深度ごとの回転トルクT、押込み力F、最大深度D、フィルタリング前の経過時間tが関連付けられたデータである。実際の土質は、例えば、粘性土、砂質土、砂礫、岩盤の4種類に分類される。設計土質データは、施工現場における所定の調査位置に対して行った地盤調査の結果に基づくデータである。設計土質データは、調査位置における深度ごとの実際の土質を示すデータである。
【0044】
(教師データ取得処理)
教師データ取得処理(ステップS1-1)において、データ取得部32は、各掘削位置について、実績データに基づく実績掘削データを取得する。
【0045】
実績掘削データの取得において、データ取得部32は、経過時間tのフィルタリング処理のほか、計測深度ごとに、積算トルクTa、各種の平均値T1,F1,Ta1および標準偏差T2,F2,Ta2の算出を行う。そして、データ取得部32は、識別情報に対して、フィルタリング処理後の経過時間t、当該経過時間tに対応する回転トルクT、押込み力F、最大深度D、積算トルクTa、ならびに、各種の平均値T1,F1,Ta1および標準偏差T2,F2,Ta2を関連付けることにより実績掘削データを取得する。
【0046】
データ取得部32は、実績掘削データおよび設計土質データに対して、各最大深度Dに対応する測定N値を正解データとして関連付けることにより、N値用教師データを作成する。また、データ取得部32は、実績掘削データおよび測定N値に対して、各最大深度Dに対応する実際の土質を正解データとして関連付けることにより、土質用教師データを作成する。データ取得部32は、作成したN値用教師データおよび土質用教師データを管理部31に出力する。管理部31は、データ取得部32が出力したN値用教師データおよび土質用教師データをデータ記憶部41に記憶すると、教師データ取得処理を終了する。
【0047】
(学習処理)
学習処理(ステップS1-2)は、N値推定モデル生成および土質推定モデルが生成される処理である。
【0048】
学習処理において、N値学習部33は、データ記憶部41に記憶されたN値用教師データを用いた機械学習を行うことでN値推定モデルを生成する。具体的には、N値学習部33は、実績掘削データおよび設計土質データを入力層、該実績掘削データに対応する測定N値を出力層とする機械学習を行うことでN値推定モデルを生成する。N値学習部33は、その生成したN値推定モデルをN値推定モデル記憶部42に記憶する。
【0049】
また、学習処理において、土質学習部34は、データ記憶部41に記憶された土質用教師データを用いた機械学習を行うことで土質推定モデルを生成する。具体的には、土質学習部34は、実績掘削データおよび測定N値を入力層、該実績掘削データに対応する実際の土質を出力層とする機械学習を行うことで土質推定モデルを生成する。土質学習部34は、その生成した土質推定モデルを土質推定モデル記憶部43に記憶する。
【0050】
各学習部における機械学習法には、各種の方法が適用可能である。そのなかでも、N値推定モデルおよび土質推定モデルの生成には、アンサンブル学習法の1つであるバギング、深層学習であるLSTM(Long Short Term Memory)、予測結果や推定結果に至るプロセスが説明可能なXAI(Explainable AI)であるGAM(Generalized Additive Model)やLIME(Local Interpretable Modelagnostic Explanations)などが好適である。また、土質推定モデルの生成には、深層学習であるCNN(Convolutional Neural Network)が好適である。N値推定モデルおよび土質推定モデルが記憶されると、管理部31は、学習処理を終了する。これにより、施工前工程が終了する。
【0051】
(調査工程)
調査工程においては、施工現場の調査位置に対して地盤調査を行ったのち(ステップS2-1)、外部端末などを用いて調査結果に基づく設計データを作成する(ステップS2-2)。設計データは、調査位置における深度ごとの土質である設計土質データと深度ごとのN値である設計N値データとで構成されている。設計データは、外部端末や外部記憶媒体などに保存される。
【0052】
(掘削前工程)
掘削前工程においては、全周回転掘削機15や動力装置21が掘削位置に設置される設置作業が行われる(ステップS3-1)。その後、回転トルク計測器22、押込み力計測器23、および、変位計測器25などの各種計測器の配線が支持層到達判定装置30に接続される配線作業が行われる(ステップS3-2)。
【0053】
また、支持層到達判定装置30に、施工現場における設計データ、施工現場の識別情報、および、掘削位置の識別情報といった各種情報が入力される(ステップS3-3)。設計データは、該設計データを記憶する外部記憶媒体や外部端末などが通信装置H11に接続された状態において入力装置H12で設計データ入力操作が行われることにより、支持層到達判定装置30に入力される。施工現場および掘削位置の各々の識別情報は、入力装置H12において識別情報入力操作が行われることにより、支持層到達判定装置30に入力される。設計データおよび識別情報が入力されると、管理部31は、それらをメモリ31aに登録する登録処理を実行する(ステップS3-4)。設計データを記憶したメモリ31aは、設計土質記憶部として機能する。
【0054】
(掘削工程)
掘削工程においては、オペレーターによって操作盤が操作されて全周回転掘削機15による掘削が開始される。掘削が開始されると、入力装置H12において掘削開始操作がなされる。掘削開操作がなされると、管理部31によって掘削記録取得処理(ステップS4-1)、推定処理(ステップS4-2)、および、出力処理(ステップS4-3)が実行されたのち、支持層への到達判定が行われる(ステップS4-4)。
【0055】
掘削記録取得処理(ステップS4-1)において、データ取得部32は、回転トルクT、押込み力F、最大深度D、および、経過時間tを計測深度ごとに取得する。また、データ取得部32は、経過時間tのフィルタリング処理のほか、積算トルクTa、ならびに、各種の平均値T1,F1,Ta1および標準偏差T2,F2,Ta2を計測深度ごとに算出する。そして、データ取得部32は、回転トルクT、押込み力F、最大深度D、フィルタリング処理後の経過時間t、積算トルクTa、ならびに、各種の平均値T1,F1,Ta1および標準偏差T2,F2,Ta2を関連付けた掘削記録データを計測深度ごとに取得する。データ取得部32は、取得した掘削記録データを管理部31に出力する。管理部31は、データ取得部32が出力した掘削記録データとメモリ31aに保存した設計データと関連付けてメモリ31aに保存する。
【0056】
推定処理(ステップS4-2)において、管理部31は、最新の掘削記録データと設計土質データとをN値推定部35に出力する。N値推定部35は、N値推定モデル記憶部42に記憶されているN値推定モデルに、掘削記録データおよび設計土質データを入力要素として入力する。そして、N値推定部35は、N値推定モデルの出力層に出力された値を最大深度Dにおける推定N値として算出する。また、管理部31は、最新の掘削記録データを土質推定部36に出力する。土質推定部36は、土質推定モデル記憶部43に記憶されている土質推定モデルに、掘削記録データおよびN値推定部35が算出した推定N値を入力要素として入力する。そして、土質推定部36は、土質推定モデルの出力層に出力された値に対応する土質を最大深度Dにおける実際の土質として推定する。
【0057】
出力処理(ステップS4-3)において、管理部31は、掘削記録取得処理および推定処理などによって得られた情報を設計データとともに表示装置H13などに出力する。
図8は、表示装置H13における表示の一部を例示している。表示装置H13には、設計N値、推定N値、回転トルクT、積算トルクTa、所要時間(各最大深度まで掘削するのに要した時間)、フィルタリング処理後の経過時間t、押込み力F、設計土質、および、推定土質などが表示される。ここで、設計N値および推定N値が同じグラフ内に表示されることが好ましい。これにより、設計N値および推定N値の推移が理解しやすくなるとともに、設計N値と推定N値の比較がしやすくなる。また、設計土質と推定土質とが並ぶように表示されることが好ましい。これにより、設計土質と推定土質との比較がしやすくなる。
【0058】
支持層への到達判定(ステップS4-4)においては、推定N値および推定土質に基づいて、最大深度Dが支持層に到達したか否かが判定される。最大深度Dが支持層に到達していないと判定された場合、全周回転掘削機15による掘削が継続され、(ステップS4-1)~(ステップS4-4)が繰り返される。一方、最大深度Dが支持層に到達していると判定された場合、操作盤を操作して全周回転掘削機15による掘削を終了させるとともに、入力装置H12において掘削終了操作がなされる。掘削終了操作がなされると、管理部31は、メモリ31aに保存されている各種識別情報、設計データ、および、掘削記録データを消去する。
【0059】
全周回転掘削機15による掘削が終了すると、ケーシングチューブ20の内側への配筋かごの建込作業が行われたのち、ケーシングチューブ20を引き抜きながらトレミー管を用いたコンクリート打設作業が行われる。これにより、掘削位置に杭が構築される。杭が構築されると、支持層到達判定装置30から各種計測器の配線を取り外す作業が行われたのち、次の掘削位置について掘削前工程と掘削工程とが行われる。なお、支持層到達判定装置30は、2回目以降の掘削前工程においては、設計データの登録が省略されるように構成されてもよい。
【0060】
本実施形態の効果について説明する。
(1)支持層到達判定装置30においては、実績掘削データと設計土質データとを入力層、測定N値を出力層として生成されたN値推定モデルを用いて推定N値が算出される。また、実績掘削データと測定N値とを入力層、実際の土質を出力層として生成された土質推定モデルを用いて土質が推定される。そのため、推定N値および推定土質の精度が高められることから、最大深度Dが支持層に到達した否かを高い精度のもとで判定することができる。
【0061】
(2)計測深度ごとに取得される経過時間tにフィルタリング処理が行われることにより、ケーシングチューブ20の継ぎ足し作業が行われた場合など、経過時間tの異常値を除去することができる。その結果、推定N値および推定土質の精度をさらに高めることができる。
【0062】
(3)フィルタリング処理においては、条件設定区間における経過時間tの中央値tcに基づいて判定値が設定される。これにより、経過時間tの異常値に対してロバスト性をもった判定値を設定することができる。その結果、条件設定区間に経過時間tの異常値が含まれていたとしても、その異常値をより確実に除去することができる。
【0063】
(4)異常値の代わりとして前後の経過時間tを線形補間した補正経過時間が設定されることにより、その異常値に対応する最大深度DにおけるN値および土質の高い精度のもとで推定することができる。
【0064】
(5)掘削記録データは、回転トルクT、押込み力F、および、積算トルクTaの各々の平均値T1,F1,Ta1および標準偏差T2,F2,Ta2を含んでいる。こうした構成によれば、掘削の進行にともなう掘削抵抗の変化を加味してN値および土質を推定することができる。
【0065】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態においては、全周回転掘削機15を用いたオールケーシング工法に支持層到達判定装置30および支持層到達判定方法を適用した。これに限らず、支持層到達判定装置30および支持層到達判定方法は、例えばアースオーガ工法のように、掘削機の掘削抵抗を取得することが可能な他の工法に適用することも可能である。
【0066】
・フィルタリング部53は、条件設定区間に基づいて設定した判定値ではなく、予め設定した判定値(一定値)に基づいて経過時間tのフィルタリングを行ってもよい。この場合の判定値は、例えば、設計データに基づいて深度ごとに設定されることが好ましい。
【0067】
・支持層到達判定装置30は、管理部31、データ取得部32、N値推定モデル記憶部42、土質推定モデル記憶部43、N値推定部35、および、土質推定部36を有していればよい。そのため、支持層到達判定装置30は、学習済みのN値推定モデルおよび土質推定モデルを記憶した外部記憶媒体や外部端末などから、これらのモデルを取り込んで各記憶部42,43に記憶する構成であってもよい。
【0068】
・上記実施形態においては、測定N値や実際の土質を正解データとする教師あり学習により各種モデルを生成した。これに限らず、N値推定モデルは、実績掘削データおよび設計土質データを入力層とする教師なし学習により生成されてもよい。また、土質推定モデルは、実績掘削データおよびN値推定モデルの出力結果を入力層とする教師なし学習により生成されてもよい。また、こうした構成において、管理部31は、推定処理の終了時に、メモリ31aに保存されている各種識別情報、設計データ、および、掘削記録データをデータ記憶部41に記憶することが好ましい。これにより、その掘削記録データを用いて各学習部33,34がさらに機械学習を行うことができるため、各種モデルの精度を高めることができる。
【0069】
・機械学習法として説明可能なXAIを用いた場合には、貢献度の高い入力要素が表示装置H13に表示されてもよい。こうした構成によれば、その時々の状況に応じてどのような入力要素の貢献度が高いかを把握することができる。
【0070】
・支持層到達判定装置30は、機械学習法を選択する選択部を有していてもよい。選択部は、その時々の状況や各種の設定に応じて、例えば、その時々の設計データや入力要素の貢献度等に応じて機械学習法を選択する。
【0071】
・支持層到達判定装置30は、推定N値および推定土質に基づいて、最大深度が支持層に到達したか否かを判定する判定部を有していてもよい。判定部は、例えば、推定N値と推定土質とを入力層、支持層に到達しているか否かを出力層とする機械学習によって生成される判定モデルによって構成することができる。なお、判定モデルの入力層には、抵抗データや設計土質データが含まれていてもよい。
【0072】
・上記実施形態において、フィルタリング部53は、基準経過時間tsと基準経過時間tsの前後2つの経過時間tとを除去対象時間に設定した。これに限らず、フィルタリング部53は、経過時間tの最新値を基準経過時間および除去対象時間に設定してもよい。
【0073】
・上記実施形態において、データ取得部32は、計測深度ごとに、すなわち最大深度Dの変化に基づくタイミングを計測タイミングとして、掘削記録データを取得している。これに限らず、データ取得部32は、一定時間を計測タイミングとして、その一定時間ごとに掘削記録データを取得してもよい。一定時間は、例えば10secに設定される。
【0074】
一定時間ごとに掘削記録データを取得する場合、データ取得部32は、一定時間における回転トルク計測器22の計測値を平均した値を回転トルクT、押込み力計測器23の計測値を平均した値を押込み力Fとして取得する。また、データ取得部32は、一定時間と最大深度Dとに基づく値(=一定時間/一定時間における最大深度Dの変化量)を経過時間tとして取得する。
【0075】
また、一定時間ごとに掘削記録データを取得する場合、ケーシングチューブの継ぎ足し作業などが行われると、その作業時の深度付近において多くの掘削記録データが取得される。そのため、フィルタリング部53は、例えば所定の深度区間(例えば、0.1m)において複数の掘削記録データが取得された場合には、その深度区間における経過時間tのデータ数に閾値を設けてフィルタリング処理を実行することが好ましい。
【符号の説明】
【0076】
H10…情報処理装置、H11…通信装置、H12…入力装置、H13…表示装置、H14…記憶装置、H15…プロセッサ、10…地盤、15…全周回転掘削機、16…ベース装置、17…保持装置、18…回転機構、19…押込機構、20…ケーシングチューブ、21…動力装置、22…回転トルク計測器、23…押込み力計測器、25…変位計測器、30…支持層到達判定装置、31…管理部、31a…メモリ、32…データ取得部、33…N値学習部、34…土質学習部、35…N値推定部、36…土質推定部、41…データ記憶部、42…N値推定モデル記憶部、43…土質推定モデル記憶部、51…計測値取得部、52…経過時間取得部、53…フィルタリング部、54…積算トルク算出部、55…平均値算出部、56…標準偏差算出部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8