(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175291
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】球技用ボール包装箱
(51)【国際特許分類】
A63B 47/00 20060101AFI20231205BHJP
B65D 5/50 20060101ALI20231205BHJP
B65D 5/52 20060101ALI20231205BHJP
B65D 5/462 20060101ALI20231205BHJP
B65D 85/00 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
A63B47/00 A
B65D5/50 B
B65D5/52 K
B65D5/462 400
B65D85/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087665
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100106057
【弁理士】
【氏名又は名称】柳井 則子
(74)【代理人】
【識別番号】100152146
【弁理士】
【氏名又は名称】伏見 俊介
(74)【代理人】
【識別番号】100142309
【弁理士】
【氏名又は名称】君塚 哲也
(72)【発明者】
【氏名】岩本 祥
【テーマコード(参考)】
3E060
3E068
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB02
3E060BA05
3E060CA01
3E060CA12
3E060CA24
3E060CB02
3E060CB06
3E060CB16
3E060CB24
3E060CC03
3E060CC04
3E060CC18
3E060CE04
3E060CE07
3E060CE15
3E060CE16
3E060CE18
3E060CE19
3E060CE30
3E060DA22
3E060DA30
3E060EA06
3E060EA20
3E068AA40
3E068AC08
3E068BB01
3E068CC04
3E068CD01
3E068CE02
3E068DD02
3E068DD03
3E068DD04
3E068DD14
3E068DE11
3E068DE12
3E068DE13
3E068EE01
3E068EE16
3E068EE25
3E068EE32
(57)【要約】
【課題】サイズの異なる球技用ボールを安定して保持できる球技用ボール包装箱を提供する。
【解決手段】折り曲げられた包装箱シートによって、内部に球技用ボールの収納空間を形成する上壁、下壁、左側壁及び右側壁が形成され、前面に球技用ボールにおける表面の一部を支持する窓を形成するフラップが設けられた球技用ボール包装箱である。収納空間の上側に位置し、球技用ボールに上側から接したときに上側に弾性変形する上側保持部と、収納空間の下側に位置し、球技用ボールに下側から接したときに下側に弾性変形する下側保持部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り曲げられた包装箱シートによって、内部に球技用ボールの収納空間を形成する上壁、下壁、左側壁及び右側壁が形成され、前面に前記球技用ボールにおける表面の一部を支持する窓を形成するフラップが設けられた球技用ボール包装箱において、
前記収納空間の上側に位置し、前記球技用ボールに上側から接したときに上側に弾性変形する上側保持部と、
前記収納空間の下側に位置し、前記球技用ボールに下側から接したときに下側に弾性変形する下側保持部と、
を備える球技用ボール包装箱。
【請求項2】
前記上側保持部は、
前記上壁の前部に、下側に折り曲げ形成された上側立ち上がり壁と、
前記上側立ち上がり壁から後方に向かうにつれて左右の幅寸法が短くなる上側ボール支えフラップとを有し、
前記上側ボール支えフラップは、
前側における左右の端部から後縁の中央部方向へ延びた第1の左右山折りラインと、
前記第1の左右山折りラインの中間部と前記後縁との間に延びた第2の左右山折りラインとを有し、
前記上側ボール支えフラップは、左右の幅寸法が前記左側壁と前記右側壁との間の寸法よりも大きく、前記左側壁と前記右側壁との間に挿入されたときに、前記上壁と離れた位置において上側に弾性変形可能に保持され、
前記下側保持部は、
前記下壁の前部に、上側に折り曲げ形成された下側立ち上がり壁と、
前記下側立ち上がり壁から後方に向かうにつれて左右の幅寸法が短くなる下側ボール支えフラップとを有し、
前記下側ボール支えフラップは、
前側における左右の端部から後縁の中央部方向へ延びた第3の左右山折りラインと、
前記第3の左右山折りラインの中間部と前記後縁との間に延びた第4の左右山折りラインとを有し、
前記下側ボール支えフラップは、前記左側壁と前記右側壁からそれぞれ折り曲げられた係合壁と係合したときに、前記下壁と離れた位置において下側に弾性変形可能に保持される、
請求項1に記載の球技用ボール包装箱。
【請求項3】
前記左側壁と前記右側壁は、
前記上側立ち上がり壁の下端から後方に向かうにつれて下側に向かう方向に延びる第1線部と、前記下側立ち上がり壁の上端から後方に向かうにつれて上側に向かう方向に延びて前記第1線部と交差する第2線部とを輪郭として、前側から前記第1線部と前記第2線部の交差部まで切り欠かれた切欠窓と、
前記第1線部と前記第2線部の交差部から、前記上壁との交差部における後端まで延びるミシン目と、
前記第1線部を山折り線として折り曲げられたときに、前記上壁との交差部と前記第1線部との間に、前後方向に延び後方に向けて開口する第1隙間部を形成する隙間形成壁と、
後方側の端部から左右方向の内側に折り曲げられる後部フラップと、
をそれぞれ有し、
前記ミシン目で破断したときに、前記ミシン目よりも上側の前記左側壁、前記右側壁および前記上壁を含む第1部分と、前記ミシン目よりも下側の前記左側壁、前記右側壁および前記下壁を含む第2部分とに分離され、
分離された前記第1部分は、前記上側立ち上がり壁が上側に向く姿勢とした状態で、前記第1隙間部に前記第2部分における前記左側壁および前記右側壁の後方側縁部が挿入され、
前記上壁と前記上側ボール支えフラップとの間の第2隙間部に前記後部フラップが挿入される、
請求項2に記載の球技用ボール包装箱。
【請求項4】
前記上壁は、上側に折り曲げられたときに、水平方向に貫通する孔部が設けられた取っ手片を有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の球技用ボール包装箱。
【請求項5】
噛み合ったときに、後面に前記球技用ボールにおける表面の一部を支持する後窓を形成する複数の後部フラップが設けられ、
前記後部フラップは、前記後窓を介して対向する位置に、折り曲げられたときに、切欠が形成される切欠片を有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の球技用ボール包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球技用ボール包装箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バレーボール、サッカーボール、バスケットボール等の直径の大きな球技用ボールを販売する際、ボールを安定的に陳列するために、ボールの一部分が顧客から見えるような包装箱に収納して陳列する方法が採られている(例えば、特許文献1)。特許文献1の球技用ボール包装箱は、内部に球技用ボールの収納空間を形成するように包装箱シートの折り曲げによって包装箱の上壁、下壁、左側壁及び右側壁が形成され、前面及び後面にはそれぞれ前記球技用ボールの周辺の一部を支持する窓を形成するフラップが設けられた構成である。この球技用ボール包装箱は、ボールの下面を包装箱の下壁で支え、ボールの前後の周面の一部を前面及び後面側から包装箱に形成した窓の縁部で支える構成である。
【0003】
特許文献1の球技用ボール包装箱は、ボールの下面が包装箱の下壁で支えられると、ボールが転がる状態であり不安定である。またボールの周面の一部に形成した係止縁で支える構成とした場合には、直径の小さいボールを収納したときにボールの支えが不安定になるため、ボールの直径毎に包装箱を用意する必要がある。
【0004】
特許文献2には、湾曲した面で弾力性を受けた状態で球技用ボールを保持するボール支えフラップを有することによって、サイズの多少異なるボールを保持して包装箱の共通化が図れる球技用ボール包装箱が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3001136号公報
【特許文献2】特許第3969626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に開示された球技用ボール包装箱では、収納された球技用ボールに押されて湾曲する弾力面が球技用ボールを下方から支えるとともに、左側壁及び右側壁が左右から支えている。そのため、直径が小さい球技用ボールでは、左右から支えることができず、サイズの異なる球技用ボールへの対応が十分とは言えない。
【0007】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、サイズの異なる球技用ボールを安定して保持できる球技用ボール包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は下記の態様を有する。
[1]折り曲げられた包装箱シートによって、内部に球技用ボールの収納空間を形成する上壁、下壁、左側壁及び右側壁が形成され、前面に前記球技用ボールにおける表面の一部を支持する窓を形成するフラップが設けられた球技用ボール包装箱において、前記収納空間の上側に位置し、前記球技用ボールに上側から接したときに上側に弾性変形する上側保持部と、前記収納空間の下側に位置し、前記球技用ボールに下側から接したときに下側に弾性変形する下側保持部と、を備える球技用ボール包装箱。
[2]前記上側保持部は、前記上壁の前部に、下側に折り曲げ形成された上側立ち上がり壁と、前記上側立ち上がり壁から後方に向かうにつれて左右の幅寸法が短くなる上側ボール支えフラップとを有し、前記上側ボール支えフラップは、前側における左右の端部から後縁の中央部方向へ延びた第1の左右山折りラインと、前記第1の左右山折りラインの中間部と前記後縁との間に延びた第2の左右山折りラインとを有し、前記上側ボール支えフラップは、左右の幅寸法が前記左側壁と前記右側壁との間の寸法よりも大きく、前記左側壁と前記右側壁との間に挿入されたときに、前記上壁と離れた位置において上側に弾性変形可能に保持され、前記下側保持部は、前記下壁の前部に、上側に折り曲げ形成された下側立ち上がり壁と、前記下側立ち上がり壁から後方に向かうにつれて左右の幅寸法が短くなる下側ボール支えフラップとを有し、前記下側ボール支えフラップは、前側における左右の端部から後縁の中央部方向へ延びた第3の左右山折りラインと、前記第3の左右山折りラインの中間部と前記後縁との間に延びた第4の左右山折りラインとを有し、前記下側ボール支えフラップは、前記左側壁と前記右側壁からそれぞれ折り曲げられた係合壁と係合したときに、前記下壁と離れた位置において下側に弾性変形可能に保持される、[1]に記載の球技用ボール包装箱。
[3]前記左側壁と前記右側壁は、前記上側立ち上がり壁の下端から後方に向かうにつれて下側に向かう方向に延びる第1線部と、前記下側立ち上がり壁の上端から後方に向かうにつれて上側に向かう方向に延びて前記第1線部と交差する第2線部とを輪郭として、前側から前記第1線部と前記第2線部の交差部まで切り欠かれた切欠窓と、前記第1線部と前記第2線部の交差部から、前記上壁との交差部における後端まで延びるミシン目と、前記第1線部を山折り線として折り曲げられたときに、前記上壁との交差部と前記第1線部との間に、前後方向に延び後方に向けて開口する第1隙間部を形成する隙間形成壁と、後方側の端部から左右方向の内側に折り曲げられる後部フラップと、をそれぞれ有し、前記ミシン目で破断したときに、前記ミシン目よりも上側の前記左側壁、前記右側壁および前記上壁を含む第1部分と、前記ミシン目よりも下側の前記左側壁、前記右側壁および前記下壁を含む第2部分とに分離され、分離された前記第1部分は、前記上側立ち上がり壁が上側に向く姿勢とした状態で、前記第1隙間部に前記第2部分における前記左側壁および前記右側壁の後方側縁部が挿入され、前記上壁と前記上側ボール支えフラップとの間の第2隙間部に前記後部フラップが挿入される、[2]に記載の球技用ボール包装箱。
[4]前記上壁は、上側に折り曲げられたときに、水平方向に貫通する孔部が設けられた取っ手壁を有する[1]から[3]のいずれか一項に記載の球技用ボール包装箱。
[5]噛み合ったときに、後面に前記球技用ボールにおける表面の一部を支持する後窓を形成する複数の後部フラップが設けられ、前記後部フラップは、前記後窓を介して対向する位置に、折り曲げられたときに、切欠が形成される切欠壁を有する、[1]から[4]のいずれか一項に記載の球技用ボール包装箱。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、サイズの多少異なる球技用ボールであっても安定して保持できる球技用ボール包装箱を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の組み立てた状態の球技用ボール包装箱の正面斜視図である。
【
図2】組み立てた状態の包装箱1における左右方向と直交する模式的な断面図である。
【
図3】後ろ側から見た
図1におけるA-A線視断面図である。
【
図4】球技用ボール包装箱1に組み立て前の包装箱シート2の平面図である。
【
図5】組み立てた状態の包装箱1における背面図である。
【
図6】包装箱1から球技用ボールBを取り出す手順を示す図である。
【
図7】包装箱1から球技用ボールBを取り出す手順を示す図である。
【
図8】包装箱1から球技用ボールBを取り出す手順を示す図である。
【
図9】球技用ボールBの上側を開放状態とした展示とする手順を示す図である。
【
図10】球技用ボールBの上側を開放状態とした展示とする手順を示す図である。
【
図11】球技用ボールBの上側を開放状態とした展示とする手順を示す図である。
【
図12】球技用ボールBの上側を開放状態とした展示とする手順を示す図である。
【
図13】球技用ボールBの上側を開放状態とした展示とする手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の球技用ボール包装箱の実施の形態を、
図1から
図13を参照して説明する。
なお、以下の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
【0012】
図1は、組み立てた状態の球技用ボール包装箱1(以下、包装箱1と称する)の正面斜視図である。
図2は、組み立てた状態の包装箱1における左右方向と直交する模式的な断面図である。
図3は、後側から見た
図1におけるA-A線視断面図である。
図4は、球技用ボール包装箱1に組み立て前の包装箱シート2の平面図である。
図4においては、包装箱シート2の裏面図が示されている。
【0013】
図1および
図2に示すように、球技用ボール包装箱1は、折り曲げられた包装箱シート2によって、内部に球技用ボールBの収納空間1Aを形成する。包装箱1は、上壁3、下壁4、左側壁5および右側壁6を有する。包装箱1には、前側に窓7を形成するフラップと、後側に後窓8を形成するフラップが設けられている。窓7および後窓8は、球技用ボールBにおける表面の一部を支持する(詳細は後述)。
【0014】
以下の説明では、上壁3と下壁4が対向する方向を上下方向とし、左側壁5と右側壁6が対向する方向を左右方向とする。また、上下方向と左右方向と直交する方向を前後方向とする。前後方向において、窓7が設けられている側を前側とし、後窓8が設けられている側を後側とする。
【0015】
包装箱1は、上側保持部9と下側保持部10とを備える。
上側保持部9は、収納空間1Aの上側に位置し、球技用ボールBに上側から接したときに上側に弾性変形する。下側保持部10は、収納空間1Aの下側に位置し、球技用ボールBに下側から接したときに下側に弾性変形する。
【0016】
上側保持部9は、上壁3の前部に、下側に折り曲げ形成された上側立ち上がり壁11Aと、上側立ち上がり壁11Aから後方に向かうにつれて上側に向かう方向に傾斜して延びる上側ボール支えフラップ12Aとを有する。上側ボール支えフラップ12Aは、上側立ち上がり壁11Aから後方に延びる。図においては、上側ボール支えフラップ12Aが、後方に向かうにつれて上側に向かう方向に傾斜して延びているが、この構成に限られず、水平に延びる構成であってもよいし、後方に向かうにつれて下側に向かう方向に傾斜して延びる構成であってもよい。
【0017】
図4に示すように、上側ボール支えフラップ12Aにおける後側の先端は、左側壁5と右側壁6と間の寸法L1よりも若干大きい寸法幅L2を有している。上側ボール支えフラップ12Aは、前側における左右の端部から後縁の中央部方向へ延びた第1の左右山折りライン54Aと、第1の左右山折りライン54Aの中間部と後縁との間に延びた第2の左右山折りライン56Aと、第1の左右山折りライン54Aの左右方向内側に位置する弾性変形部57Aと、第1の左右山折りライン54Aの左右方向外側に位置する外側部65Aとを有する。弾性変形部57Aは、後方に向かうにつれて左右の幅寸法が短くなる。
図3に示すように、外側部65Aは、第1の左右山折りライン54Aから離れるにつれて上側に向かう。
【0018】
上側ボール支えフラップ12Aの左右側には、折り曲げライン59で下側へ折り曲げられる横フラップ58が張り出し形成されている。球技用ボールBが収納された際に、上側ボール支えフラップ12Aは、
図2および
図3に破線で示すように、上側に弾性変形する。上側ボール支えフラップ12Aが上側に弾性変形することによって、後縁55Aにおける左右の端部がそれぞれ左側壁5と右側壁6に接する。後縁55Aにおける左右の端部が左側壁5と右側壁6に接することによって、外側部65Aは支持脚部として作用し上側ボール支えフラップ12Aは、上壁3から離れた状態を維持できる。すなわち、上側ボール支えフラップ12Aは、左側壁5と右側壁6との間に挿入されたときに、上壁3との間に第2隙間部77を有し、上壁3と離れた位置において上側に弾性変形可能に保持される。第2隙間部77は、前後方向に延び後方に向けて開口する。
【0019】
上側ボール支えフラップ12Aにおける外側部65Aには、左側壁5および右側壁6のそれぞれから
図4に示す折り曲げライン61aで上側に折り曲げられた隙間形成壁61が連結されている。隙間形成壁61は、後述する第1線部81を山折り線とする折り曲げライン61aで上側に折り曲げられる。隙間形成壁61は、先端に設けられた先端壁61bが上側ボール支えフラップ12Aにおける折り曲げライン59上に形成された切れ目75に挿入されている。
図3に示すように、折り曲げられた隙間形成壁61と左側壁5との間、折り曲げられた隙間形成壁61と右側壁6との間にはそれぞれ第1隙間部が76が形成される。第1隙間部76は、前後方向に延び後方に向けて開口する。
【0020】
下側保持部10は、下壁4の前部に、上側に折り曲げ形成された下側立ち上がり壁11Bと、下側立ち上がり壁11Bから後方に向かうにつれて左右の幅寸法が短くなる下側ボール支えフラップ12Bとを有する。下側ボール支えフラップ12Bは、下側立ち上がり壁11Bから後方に延びる。
【0021】
下側ボール支えフラップ12Bは、前側における左右の端部から後縁の中央部方向へ延びた第3の左右山折りライン54Bと、第3の左右山折りライン54Bの中間部と後縁との間に延びた第4の左右山折りライン56Bと、第3の左右山折りライン54Bの左右方向内側に位置する弾性変形部57Bと、第3の左右山折りライン54Bの左右方向外側に位置する外側部65Bとを有する。弾性変形部57Bは、後方に向かうにつれて左右の幅寸法が短くなる。
図3に示すように、外側部65Bは、第3の左右山折りライン54Bから離れるにつれて下側に向かう。
【0022】
下側ボール支えフラップ12Bの下側には、左側壁5および右側壁6のそれぞれから
図4に示す折り曲げライン70aで下側に折り曲げられる係合壁70が張り出し形成されている。係合壁70は先端に接合壁71を有する。接合壁71は、折り曲げライン71aで折り曲げられたときに、下壁4に上側から接合されるとともに、左右方向の外側端部が左側壁5および右側壁6に接する。係合壁70と接合壁71との間には、切れ目72が形成されている。折り曲げライン71aで折り曲げられたときに、接合壁71には、切れ目72によって突片71bが形成される。折り曲げライン71aで折り曲げられたときに、切れ目72によって突片71bが離れることで、
図1に示すように、係合壁70には後側に開口する溝70bが形成される。溝70bには、下側ボール支えフラップ12Bにおける後端55Bから左右の両側に張り出す張り出し部73における縁部73aが後側から係合する。下側ボール支えフラップ12Bは、張り出し部73における前側の縁部73aが係合壁70の溝70bと係合することで、下壁4と離れた位置において下側に弾性変形可能に保持される。
【0023】
以下、包装箱1の更なる詳細を
図4の包装箱シート2を参照して説明する。
包装箱シート2においては、上壁3、下壁4、左側壁5及び右側壁6が一連に形成され、折り曲げライン15、16、17で折り曲げ、上壁3の端に形成した接合フラップ18を折り曲げライン19で折り曲げ、接合フラップ18を右側壁6の下端部に沿って接着することによって箱が形成される。
【0024】
上壁3、下壁4、左側壁5及び右側壁6の後端には、それぞれ後部フラップ20、21、22、23が形成されている。各フラップには内方へ湾曲したボール係止縁24、25、26、27がそれぞれ形成されている。上壁3と下壁4の後部フラップ20と21の両側には、それぞれ両端部を窪ませた係止凹部28とこの係止凹部28より先端側で側方へ突出した係止突片29が形成されている。また、左側壁5及び右側壁6の後部フラップ22と23には、それぞれボール係止縁26、27の両側を窪ませた係止凹部30とこの係止凹部30の外側辺を構成する係止突片31が形成されている。
【0025】
後部フラップ20、21、22、23は、それぞれ折り曲げライン32、33、34、35で内側方向へ略直角に折り曲げられる。この折り曲げに伴って、各係止凹部28と30が噛み合い、この噛み合い状態において、各係止突片29がそれぞれ後部フラップ22、23の外面に位置し、各係止突片31がそれぞれ後部フラップ20、21の外面に位置するように組み合わされる。この場合、各係止突片29がそれぞれ後部フラップ22、23の内面に位置し、各係止突片31がそれぞれ後部フラップ20、21の内面に位置する関係の組み合わせでもよい。この結果、後部フラップ20、21、22、23のボール係止縁24、25、26、27の組み合わせによって、包装箱1の後面には、
図5に示すように、球技用ボールBの直径よりも小さく、球技用ボールBの表面の一部が嵌まり合う略円形状の後窓8が形成される。
【0026】
後部フラップ22、23は、後窓8を介して対向する位置にそれぞれ切欠片74を有する。切欠片74は、前側に折り曲げられたときに、後部フラップ22、23に後窓8に繋がる切り欠きを形成する。
【0027】
図4に示すように、上壁3は、2つの取っ手片78を有する。取っ手片78は、平面視半円弧状である。取っ手片78は、半円弧状の端部同士が間隔をあけて対向している。取っ手片78は、端部を除いて輪郭がミシン目で形成されている。取っ手片78における周方向中央の位置で、且つ、径方向外側には押し込み部78aがそれぞれ設けらている。取っ手片78と押し込み部78aとの境界はミシン目で形成されている。上壁3と押し込み部78aとの境界は、押し込み部78aにおいて取っ手片78と繋がっていない辺78cを除いてミシン目で形成されている。
【0028】
図14は、
図1におけるC-C線視断面図である。
図14に示すように、押し込み部78aを上側から下側に押し込んだ際に上壁3に形成される穴に指を挿入し、取っ手片78における円弧部を摘まんで上側に引き起こして折り曲げる。上壁3から上側に延びて対向する取っ手片78には、それぞれ水平方向に貫通する孔部78bが形成される。これにより、孔部78bに手指を挿入して取っ手片78を把持することができ、キャリングに適した包装箱1とすることができる。
【0029】
球技用ボールBを包装箱1の上方および左右方向から見やすくするために、下壁4は、左側壁5、右側壁6及び上壁3よりも前方へ張り出した長さを有している。また、球技用ボールBを包装箱1の左右方向から見やすくするために、左側壁5及び右側壁6が切り欠かれた切欠窓80を有する。
【0030】
切欠窓80は、
図2に示すように、左右方向に見て、上側立ち上がり壁11Aの下端から後方に向かうにつれて下側に向かう方向に延びる第1線部81と、下側立ち上がり壁11Bの上端から後方に向かうにつれて上側に向かう方向に延びて第1線部81と交差する第2線部82とを輪郭として、前側から第1線部81と第2線部82の交差部まで切り欠かれている。切欠窓80が設けられることによって、前方に加えて左右方向についても球技用ボールBが見やすくなる。
【0031】
包装箱1への球技用ボールBの収納は、包装箱1の後ろ側から行われる。球技用ボールBの収納の場合に、後部フラップ20、21、22、23は折り曲げライン32、33、34、35で内側方向へ折り曲げられておらず後方へ開いた状態で球技用ボールBを収納する方法と、後部フラップ20、21、22、23はそれぞれ折り曲げライン32、33、34、35で内側方向へ略直角に折り曲げられているが各係止突片29、31が、それぞれ後部フラップ20、21、22、23と係合していない状態で球技用ボールBを収納する方法および、後部フラップ20、21、22、23はそれぞれ折り曲げライン32、33、34、35で内側方向へ略直角に折り曲げられ各係止突片29、31をそれぞれ後部フラップ20、21、22、23に係合させた組み立て状態で球技用ボールBを収納する方法から選択できる。
【0032】
包装箱1から球技用ボールBを取り出す際には、
図6に示すように、左側壁および右側壁6に人差し指から外側の指を掛けた状態で、親指で切欠片74を押し込む。切欠片74を押し込むことによって、後部フラップ22、23におけるボール係止縁26,27に切り欠きが形成される。次に、
図7に示すように、親指以外の指を支点として親指で後部フラップ22、23の内側端部を上側に引き起こすことで、後部フラップ20、21、22、23の係合が解除される。後部フラップ20、21、22、23の係合が解除された後に、さらに後部フラップ22、23を引き起こすことで、後部フラップ20、21、22、23が開いて収納空間1Aが露出する。このように、本実施形態の包装箱1では、押し込むことによって、後部フラップ22、23に切り欠きが形成される切欠片74が設けられているため、包装箱1から球技用ボールBを容易に取り出すことができる。
【0033】
本実施形態の包装箱1では、窓7および切欠窓80による展示の他に、球技用ボールBの上側を開放状態とした展示も可能である。上側を開放状態とした展示に際しては、包装箱1を上下に2分割する。包装箱1の2分割は、
図1および
図2に示すように、左側壁5および右側壁6にそれぞれ形成されたミシン目79で破断することで行われる。
【0034】
ミシン目79は、左側壁5および右側壁6において、第1線部81と第2線部82の交差部から、上壁3との交差部における後端まで波状に延びる。
図9に示すように、包装箱1は、ミシン目79で破断したときに、ミシン目79よりも上側の左側壁5、右側壁6および上壁3を含む第1部分91と、ミシン目79よりも下側の左側壁5、右側壁6および下壁4を含む第2部分92とに分離される(
図9では、左側壁5および下壁4は図示せず)。第1部分91と第2部分92との分離は、
図10に示されるように、ミシン目79の後方側端部を中心に第1部分91の前側を後方に回転させることで行われる。
【0035】
分離され第1部分91は、
図11に示すように、上側立ち上がり壁11Aが上側に向く姿勢とした状態で下側に移動させ、
図12に示すように、左側壁5および右側壁6と隙間形成壁61との間の第1隙間部76に、第2部分92における左側壁5および右側壁6の後方側縁部5a,6aを挿入し、上壁3と上側ボール支えフラップ12Aとの間の第2隙間部77に後部フラップ22,23を挿入する(
図12では、第1隙間部76への右側壁6の後方側縁部6aの挿入のみ図示)。これにより、球技用ボールBの上側を開放状態とした展示状態の包装箱1が得られる。
【0036】
以上説明したように、本実施形態の包装箱1では、球技用ボールBに上側から接したときに上側保持部9が弾性復元力により球技用ボールBを上側から保持し、球技用ボールBに下側から接したときに下側保持部10が弾性復元力により球技用ボールBを下側から保持するため、サイズの異なる球技用ボールBであっても安定して保持することが可能になる。
【0037】
また、本実施形態の包装箱1では、球技用ボールBの上側を開放状態として展示するために第1部分91を分離した場合でも、第1部分91を廃棄することなく、第2部分92に装着できるため、ゴミを減量して地球環境保護に配慮した包装箱1が得られる。
【0038】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0039】
1…球技用ボール包装箱(包装箱)、 1A…収納空間、 2…包装箱シート、 3…上壁、 4…下壁、 5…左側壁、 6…右側壁、 7…窓、 8…後窓、 9…上側保持部、 10…下側保持部、 11A…上側立ち上がり壁、 11B…下側立ち上がり壁、 12A…上側ボール支えフラップ、 12B…下側ボール支えフラップ、 54A…第1の左右山折りライン、 54B…第3の左右山折りライン、 56A…第2の左右山折りライン、 56B…第4の左右山折りライン、 61…隙間形成壁、 61a…折り曲げライン(山折り線)、 70…係合壁、 74…切欠片、 76…第1隙間部、 77…第2隙間部、 78…取っ手片、 78b…孔部、 79…ミシン目、 80…切欠窓、 81…第1線部、 82…第2線部、 91…第1部分、92…第2部分、 B…球技用ボール