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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023017530
(43)【公開日】2023-02-07
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 33/00 20060101AFI20230131BHJP
   F21S 8/06 20060101ALI20230131BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230131BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20230131BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20230131BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20230131BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20230131BHJP
【FI】
F21V33/00 430
F21S8/06 100
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
F21Y115:30
F21Y115:15
F21Y115:20
F21Y101:00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021121862
(22)【出願日】2021-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】長崎 崇
(72)【発明者】
【氏名】山内 哲
(72)【発明者】
【氏名】平崎 琢也
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014RB00
(57)【要約】
【課題】吊り下げ型の照明器具であっても、重量増加及び大型化を抑制しつつ照明器具の基本構造を大きく変更することなく、スピーカ機能を有する照明器具を提供する。
【解決手段】吊り下げ型の照明器具1であって、光源部11を有する本体部10と、本体部10を支持するコード20と、本体部10に接続されたセード30と、セード30に設置され、セード30を振動させる少なくとも1つ以上の振動子50と、を備え、振動子50は、セード30に対して光源部11側とは反対側に位置している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊り下げ型の照明器具であって、
光源部を有する本体部と、
前記本体部を支持するコードと、
前記本体部に接続されたセードと、
前記セードに設置され、前記セードを振動させる少なくとも1つ以上の振動子と、を備え、
前記振動子は、前記セードに対して前記光源部側とは反対側に位置している、
照明器具。
【請求項2】
前記セードは、前記光源部側に窪む凹部を有し、
前記振動子は、前記凹部に収納されている、
請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
吊り下げ型の照明器具であって、
光源部を有する本体部と、
前記本体部を支持するコードと、
前記本体部に接続されたセードと、
前記セードに設置され、前記セードを振動させる少なくとも1つ以上の振動子と、を備え、
前記振動子は、前記セードに対して前記光源部側と同じ側に位置している、
照明器具。
【請求項4】
前記セードにおける前記振動子の周辺部に、スリットが設けられている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記セードは、椀状、円錐台状又は筒状である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記振動子に振動板が設けられている、
請求項1~5のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記セードと前記本体部とが接続される部位に、振動を減衰させる振動減衰構造が設けられている、
請求項1~6のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記振動減衰構造は、前記セードにおける前記本体部との接続部位であり、弾性変形可能な形状である、
請求項7に記載の照明器具。
【請求項9】
吊り下げ型の照明器具であって、
光源部を有する本体部と、
前記本体部を支持するコードと、
前記本体部に接続されたセードと、
前記セードを振動させる少なくとも1つ以上の振動子と、を備え、
前記振動子は、前記セード以外の箇所に設置されている、
照明器具。
【請求項10】
前記振動子は、前記コードに設置されている、
請求項9に記載の照明器具。
【請求項11】
さらに、前記コードにおける前記本体部側の端部とは反対側の端部に設けられたフランジを備え、
前記振動子は、前記フランジに設置されている、
請求項10に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関し、特に、スピーカ機能を有する吊り下げ型の照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源部を有する照明器具にスピーカを付加したスピーカ付き照明器具が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-99369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のスピーカ付き照明器具は、照明器具の基本構造に既存サイズのスピーカを付加するものであったため、重量が増加したり照明器具全体が大型化したりするという課題がある。例えば、光源部が収納された筐体内にスピーカを収納する場合には、筐体のサイズを大きくしなければならないため、照明器具全体が大型化する。一方、光源部が収納された筐体にスピーカを外付けする場合でも、スピーカの分だけ照明器具全体が大型化する。しかも、スピーカを外付けにすると、照明器具全体としてのデザイン性(意匠性)が悪くなることもある。また、照明器具の重量が増加したりサイズが大型化したりすると、照明器具を設置する際の施工性が悪くなるという課題もある。
【0005】
これらの課題は、特に、天井等からコードを介して吊り下げられる吊り下げ型の照明器具では深刻化する。つまり、吊り下げ型の照明器具の基本構造は、光源部を有する本体部がセードで覆われたシンプルな構造であるため、吊り下げ型の照明器具に既存サイズのスピーカを付加しようとすると、重量が増加したり照明器具全体が大型化したりするだけではなく、照明器具の基本構造を大きく変更しなればならなかった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、吊り下げ型の照明器具であっても、重量増加及び大型化を抑制しつつ、照明器具の基本構造を大きく変更することなく、スピーカ機能を有する照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る照明器具の一態様は、吊り下げ型の照明器具であって、光源部を有する本体部と、前記本体部を支持するコードと、前記本体部に接続されたセードと、前記セードに設置され、前記セードを振動させる少なくとも1つ以上の振動子と、を備え、前記振動子は、前記セードに対して前記光源部側とは反対側に位置している。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、重量増加及び大型化を抑制しつつ、照明器具の基本構造を大きく変更することなく、スピーカ機能を有する吊り下げ型の照明器具を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態1に係る照明器具の構成を示す図である。
図2図2は、実施の形態1の変形例1に係る照明器具の構成を示す図である。
図3図3は、実施の形態1の変形例2に係る照明器具の構成を示す図である。
図4図4は、実施の形態1の変形例2に係る照明器具の他の構成を示す図である。
図5図5は、実施の形態2に係る照明器具の構成を示す図である。
図6図6は、実施の形態2の変形例に係る照明器具の構成を示す図である。
図7図7は、実施の形態3に係る照明器具の構成を示す図である。
図8図8は、実施の形態4に係る照明器具の構成を示す図である。
図9図9は、実施の形態4の変形例に係る照明器具の要部拡大図である。
図10図10は、実施の形態5に係る照明器具の構成を示す図である。
図11図11は、変形例1に係る照明器具の構成を示す図である。
図12図12は、変形例2に係る照明器具の構成を示す図である。
図13図13は、変形例3に係る照明器具の構成を示す図である。
図14図14は、変形例4に係る照明器具の構成を示す図である。
図15図15は、変形例5に係る照明器具の構成を示す図である。
図16図16は、変形例6に係る照明器具の構成を示す図である。
図17図17は、変形例7に係る照明器具の構成を示す図である。
図18図18は、変形例8に係る照明器具の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。また、各図において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表しており、本実施の形態では、Z軸方向を鉛直方向とし、Z軸に垂直な方向(XY平面に平行な方向)を水平方向としている。X軸及びY軸は、互いに直交し、かつ、いずれもZ軸に直交する軸である。なお、本明細書において、「上」及び「下」という用語は、必ずしも、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではない。
【0012】
(実施の形態1)
実施の形態に係る照明器具1の構成について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る照明器具1の構成を示す図である。図1において、(a)は、照明器具1の側面図であり、(b)は、照明器具1のセード30を上から見たときの図である。なお、図1の(a)は、図1の(b)におけるIa-Iaにおける断面を示している。
【0013】
図1に示すように、照明器具1は、ペンダントライトと呼ばれる吊り下げ型の照明器具である。照明器具1は、例えば住宅又は店舗等の建物における天井2に設置される。つまり、照明器具1は、天井2から吊り下げられる。この場合、照明器具1は、天井2に設けられた引っ掛けシーリング2aに取り付けられることによって天井2に設置される。引っ掛けシーリング2aは、照明器具1に給電するための給電部であり、例えば天井2の裏側において電線等を介して商用電源(系統電源)と電気的に接続されている。照明器具1は、引っ掛けシーリング2aに取り付けられることで商用電源からの電力を受けることができる。
【0014】
なお、照明器具1は、引っ掛けシーリング2aではなく、天井2等に設置されたダクトレールに設置されていてもよい。この場合、ダクトレールは、天井2に埋め込まれたタイプのものであってもよいし、天井2に直付けされたタイプのものであってもよいし、天井2から吊り下げられたタイプのものであってもよい。また、照明器具1が設置される設置部は、引っ掛けシーリング2a及びダクトレールに限るものではない。
【0015】
図1に示すように、照明器具1は、光源部11を有する本体部10と、本体部10を支持するコード20と、本体部10に接続されたセード30と、照明器具1を天井2に取り付けるためのフランジ40と、セード30を振動させる振動子50とを備える。
【0016】
本体部10は、光源部11と筐体12とを有する。本体部10にはコード20が接続されている。光源部11は、コード20により供給される電力によって発光する。
【0017】
光源部11は、照明器具1の照明光となる光を照射する光照射部である。光源部11は、例えば白色光を照射する。本実施の形態において、光源部11は、LED(Light Emitting Diode)によって構成されたLED光源を有する。
【0018】
一例として、光源部11のLED光源は、COB(Chip On Board)タイプ又はSMD(Surface Mount Device)タイプのLEDモジュールである。
【0019】
COBタイプのLEDモジュールは、基板と、基板に実装された1つ以上のLED(ベアチップ)と、LEDを封止する封止部材とを有する。封止部材は、1つ以上のLEDを個別に又は一括して封止する。封止部材としては、蛍光体を含有する樹脂材料(蛍光体含有樹脂)を用いることができる。蛍光体LED及び封止部材は、LED光源の発光部となる。
【0020】
SMDタイプのLEDモジュールは、基板と、基板に実装された1つ以上のSMDタイプのLED素子とを有する。SMDタイプのLED素子は、樹脂製又はセラミック製の白色のパッケージ(容器)と、パッケージの凹部に実装されたLED(LEDチップ)と、パッケージの凹部に封入された封止部材(蛍光体含有樹脂)とを備える。
【0021】
なお、LEDモジュールにおいて、LED(ベアチップ)は、例えば、通電されると青色光を発する青色LEDチップが用いられる。この場合、LEDを封止する封止部材としては、YAG等の黄色蛍光体が含有されたシリコーン樹脂が用いられる。
【0022】
このようなLED光源を有する光源部11としては、口金を有するLED電球を用いることができる。この場合、LED電球である光源部11は、本体部10に着脱可能に取り付けられる。具体的には、LED電球である光源部11は、本体部10の筐体12に設けられたソケットに口金がねじ込まれることで筐体12に装着される。LED電球は、電源回路が内蔵されているので、本体部10を介して商用の交流電源が供給される。
【0023】
なお、光源部11は、LED電球でなくてもよい。例えば、光源部11は、ユーザが取り外することができないように筐体12に固定されていてもよい。この場合、光源部11は、筐体12に取り付けられたLED光源(LEDモジュール)と、LED光源を覆う透光性カバーと、必要に応じて反射板等のその他の部材とを有しており、筐体12には電源回路が内蔵されている。したがって、光源部11のLED光源は、筐体12に内蔵された電源回路から供給される直流電力によって発光する。
【0024】
筐体12は、樹脂製又は金属製の筒状のケースである。本体部10が電源回路を有する場合、電源回路は、この筐体12内に収納されている。筐体12には、コード20を介して商用電源からの交流電力が供給される。コード20は、筐体12の上部の中央部から上方に引き出されている。
【0025】
コード20は、本体部10を支持する支持コードであるとともに、本体部10に電力を供給する電源コードである。コード20の一方の端部である第1端部21は、本体部10と電気的及び機械的に接続されている。また、コード20の他端部である第2端部22には、フランジ40が取り付けられている。コード20の第2端部22は、コード20における本体部10側の端部とは反対側の端部である。コード20には、フランジ40を介して商用電源からの電力が供給される。
【0026】
コード20は、可撓性を有する。具体的には、コード20は、巻いたり曲げたり等することで、自由に形態を変えることができる。
【0027】
照明器具1は、コード20により吊り下げられている。具体的には、照明器具1は、天井2からコード20を介して本体部10及びセード30を吊り下げて設置される。なお、照明器具1が設置された状態において、コード20は、真っすぐに張られた状態になっている。
【0028】
セード30は、本体部10の少なくとも一部を覆うカバーである。本実施の形態において、セード30は、光源部11の全体を覆っているとともに筐体12の一部を覆っている。筐体12の一部は、セード30の上部31の中央部に設けられた貫通孔31aから外部に突出している。
【0029】
また、セード30は、本体部10に接続されている。本実施の形態において、セード30は、本体部10の筐体12に接続されている。具体的には、セード30は、筐体12の一部に引っ掛かるようにして筐体12に接続されている。セード30は、ネジ等によって筐体12に固定されていてもよいし、筐体12の段差部に載置されているだけであってもよい。
【0030】
本実施の形態において、セード30は、椀状である。つまり、セード30は、鉛直方向に沿って内径が漸次拡大する形状になっている。具体的には、セード30は、外形が円錐台形状である。つまり、セード30は、断面形状が台形の椀状である。
【0031】
セード30は、上部31と、側部32とを有する。セード30において、上部31は、厚さが一定の平面状の平面部であり、側部32は、厚さが一定で内径が漸次変化する円筒状の筒部である。上部31は、側部32の径小の開口部に蓋をするように設けられている。上記のように、セード30の上部31の中央部には、貫通孔31aが設けられており、この貫通孔31aから本体部10の筐体12の一部が突出している。なお、筐体12は、セード30の貫通孔31aから突出していなくてもよい。この場合、セード30の貫通孔31aからは、筐体12から引き出されたコード20が挿通される。
【0032】
セード30は、透光性を有していてもよいし、透光性を有していなくてもよい。本実施の形態において、セード30は、透光性を有する。セード30が透光性を有することで、セード30は、光源部11からの光を透過させることができる。
【0033】
透光性を有するセード30は、透明であってもよいし、拡散性を有していてもよい。透光性及び拡散性を有するセード30を用いることで、光源部11から出射してセード30に入射した光は、セード30で拡散(散乱)しながらセード30を透過する。
【0034】
セード30は、アクリルやポリカーボネート等の透光性樹脂材料、ガラス材料又は透光性セラミック材料等の透光性を有する材料で構成されている。本実施の形態において、セード30は、透光性樹脂材料によって構成されている。この場合、セード30は、シリカ粒子等の光拡散材が内部に分散された乳白色の拡散カバーとすることができる。
【0035】
なお、透光性及び拡散性を有するセード30としては、内部に光拡散材を分散させるのではなく、透明部材の表面(内面又は外面)に光拡散材等を含む乳白色の光拡散膜を形成することによって構成されていてもよい。また、セード30は、光拡散材を用いるのではなく、拡散加工を施すことによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。例えば、セード30は、シボ加工等の表面処理を施すことによって透明なエンドキャップの表面に微小凹凸を形成したり、透明なエンドキャップの表面にドットパターンを印刷したりすることによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。
【0036】
また、セード30が透光性を有していない場合、セード30は、例えば、内面が高反射率の光反射性を有する反射部材である。この場合、光反射性を有するセード30は、セード30の全体が白色の樹脂材料又はセラミック材料によって構成されていてもよいし、金属材料によって構成されていてもよいし、樹脂材料又は金属材料等で所定形状に成型されたカバーの内面に光反射膜が形成されたものであってもよい。
【0037】
このように、セード30は、光源部11からの光を透過させたり反射させたりすることで、照明器具1の照明光の配光を制御している。
【0038】
なお、セード30は、透光性及び/又は高反射率の光反射性を有していなくてもよい。この場合、セード30は、木材によって構成されていてもよいし、紙によって構成されていてもよい。また、セード30を、紙、フィルム又はシート等のように薄い素材によって構成することで、振動子50によってセード30が振動しやすくなる。これにより、照明器具1から出力される音の音量及び音質を向上させることができる。
【0039】
フランジ40は、コード20の第2端部22に設けられている。フランジ40は、コード20の第2端部22に取り付けられた配線金具41と、配線金具41を収納するカバー42(フランジカバー)とを有する。
【0040】
配線金具41は、天井2に設けられた引っ掛けシーリング2aと電気的及び機械的に接続されるプラグである。具体的には、配線金具41は、引っ掛けシーリング2aに係止する金属端子(刃)を有する。この場合、引っ掛けシーリング2aの穴(刃受け)に配線金具41の金属端子を差し込んで配線金具41を回転させることで、配線金具41の刃と引っ掛けシーリング2aの刃受けとが嵌合する。これにより、配線金具41と引っ掛けシーリング2aとを電気的及び機械的に接続することができる。
【0041】
フランジ40の下端部からは、コード20が引き出されている。具体的には、フランジ40のカバー42に設けられた貫通孔にコード20が挿通されている。カバー42は、配線金具41と引っ掛けシーリング2aとを覆っている。カバー42は、例えば、樹脂材料又は金属材料によって構成されている。
【0042】
振動子50は、コイル及び磁石等によって構成されており、電気信号を振動の機械信号に変換する。本実施の形態において、振動子50は、セード30に設置されている。これにより、振動子50によってセード30を振動させることができ、空気の振動によってユーザに音を伝えることができる。つまり、セード30は、スピーカのコーン部としての機能を果たしており、振動子50とセード30とによって、振動子50に入力された電気信号を音に変えることができる。例えば、振動子50によってセード30を振動させることで、照明器具1は、音楽又は音声(メッセージ)等の音を出力することができる。
【0043】
本実施の形態において、振動子50は、セード30に対して光源部11側とは反対側に位置している。つまり、振動子50は、セード30の外側に位置している。具体的には、振動子50は、セード30の上部31の外面に取り付けられている。また、本実施の形態において、振動子50は、セード30に1つ設置されている。
【0044】
振動子50は、小型及び軽量である。具体的には、セード30を上方から見たときに、振動子50の面積は、セード30の上部31の面積よりも小さい。振動子50の外形サイズは、一例として、縦、横及び高さがいずれも50mm以内であり、好ましくは30mm以内であるが、これに限らない。
【0045】
なお、照明器具1の意匠性の観点では、振動子50は、高さが低い薄型のものであるとよい。例えば、振動子50の高さは、振動子50の縦及び横の長さよりも小さい方がよい。また、振動子50におけるセード30との取付面の面積は大きくした方が振動が伝わりややすことから、照明器具1から出力される音の音質及び音量の観点では、振動子50の縦及び横の長さ(取付面の面積)については大きくした方がよい。例えば、振動子50の縦及び横の長さは、振動子50の高さよりも長い方がよい。
【0046】
振動子50は、Bluetooth(登録商標)又は無線LAN等の無線通信機能を有していてもよい。これにより、ユーザが照明器具1によって音楽を流したい場合、ユーザは、スマートフォン等の情報端末によって振動子50に音情報(音源)を送信することで、照明器具1から音楽を流すことができる。つまり、振動子50は、ユーザの情報端末から送信される音情報を受信し、この音情報に応じた電気信号によって振動する。
【0047】
以上、本実施の形態に係る照明器具1は、光源部11を有する本体部10と、本体部10を支持するコード20と、光源部11を覆うセード30とを備える吊り下げ型の照明器具であり、さらに、セード30を振動させる振動子50がセード30に設置されている。
【0048】
これにより、振動子50によってセード30を振動させて照明器具1から音を出力させることができる。また、本実施の形態では、従来の吊り下げ型の照明器具の基本構造を変えずに、振動子50をセード30に設置している。
【0049】
このように、本実施の形態に係る照明器具1によれば、重量増加及び大型化を抑制しつつ、照明器具の基本構造を大きく変更することなく、スピーカ機能を有する吊り下げ型の照明器具1を実現することができる。
【0050】
そして、本実施の形態に係る照明器具1では、振動子50は、セード30に対して光源部11側とは反対側に位置している。つまり、振動子50がセード30の外側に位置している。
【0051】
これにより、振動子50を設置したことで照明器具1のデザイン性が悪くなることを抑制できる。つまり、振動子50が設置されていても、照明器具1の良好な外観を維持することができる。例えば、振動子50がセード30の内側ではなく外側に位置しているので、照明器具1をユーザが下から上に見上げたときに振動子50がユーザの視界に入りにくくなっている。
【0052】
(実施の形態1の変形例1)
次に、実施の形態1の変形例1について、図2を用いて説明する。図2は、実施の形態1の変形例1に係る照明器具1Aの構成を示す図である。図2において、(a)は、照明器具1Aの側面図であり、(b)は、照明器具1Aのセード30Aを上から見たときの図である。図2の(a)は、図2の(b)におけるIIa-IIaにおける断面を示している。
【0053】
図2に示すように、本変形例における照明器具1Aは、上記実施の形態1における照明器具1に対して、セード30Aにスリット33が設けられている点と、振動子50に振動板51が設けられている点とが異なる。
【0054】
スリット33は、セード30Aにおける振動子50の周辺部に設けられている。スリット33は、セード30Aを貫通する貫通孔であり、セード30Aの上部31に設けられている。図2の(b)に示すように、スリット33は、上面視において、振動子50と本体部10との間に設けられている。本変形例において、スリット33は、直線状に形成されているが、これに限らない。
【0055】
本変形例において、振動子50には振動板51が設けられている。具体的には、振動板51は、セード30Aの上部31に設けられた貫通孔31bを介して振動子50に取り付けられている。つまり、振動板51は、貫通孔31bに挿通されている。振動板51は、例えば板状部材であり、金属材料、樹脂材料、発泡樹脂材料、又は、段ボールや厚紙等の紙等によって構成されている。
【0056】
このように、振動子50に振動板51を設けることで、振動子50が振動したときに、セード30Aだけではなく振動板51も振動する。つまり、振動子50に振動板51を設けることで、振動子50の振動を振動板51によって増幅させてセード30Aを振動させることができる。
【0057】
そして、本変形例における照明器具1Aでも、上記実施の形態1と同様に、セード30Aに振動子50が設置されている。
【0058】
この構成より、本変形例においても、重量増加及び大型化を抑制しつつ、照明器具の基本構造を大きく変更することなく、スピーカ機能を有する吊り下げ型の照明器具1Aを実現することができる。
【0059】
また、本変形例における照明器具1Aにおいても、振動子50は、セード30Aの外側に位置している。具体的には、振動子50は、セード30Aの上部31の外面に取り付けられている。
【0060】
この構成により、振動子50を設置したことで照明器具1Aのデザイン性が悪くなることを抑制できる。
【0061】
また、セード30Aに振動子50を設置すると、振動子50の振動によってセード30Aが振動するので、照明器具1Aの照明光にゆらぎが生じるおそれがある。例えば、照明器具1Aの照明光がちらつくおそれがある。
【0062】
そこで、本変形例における照明器具1Aでは、図2に示すように、セード30Aにスリット33が設けられている。これにより、振動子50によるセード30Aの振動が伝搬することをスリット33で遮断することができる。したがって、本変形例における照明器具1Aでは、振動子50の振動によってセード30Aが振動したとしても、スリットが形成されていないセード30を備える上記実施の形態1における照明器具1と比べて、セード30Aの振動を小さくすることができ、照明器具1Aの照明光にゆらぎが生じることを抑制することができる。
【0063】
特に、スリット33は、上面視において、光源部11を有する本体部10と振動子50との間に設けられているので、振動子50が振動してセード30Aが振動したとしても、セード30Aの振動が光源部11に伝搬することを抑制できる。これにより、音を出力するためのセード30Aの振動が過度に抑制されることなく、光源部11を有する本体部10の振動を抑制することができる。したがって、セード30Aから出力される音の音質及び音量をあまり低下させることなく、照明器具1Aの照明光にゆらぎが生じることを効果的に抑制することができる。
【0064】
また、スリット33を設ける位置及びスリット33の形状にもよるが、セード30Aにスリット33を設けてセード30Aの振動の伝搬を抑制すると、照明器具1Aの照明光のゆらぎを抑制できる一方、セード30Aの振動が抑制されてセード30Aから出力される音の音質及び音量が低下する場合がある。
【0065】
そこで、本変形例では、振動子50に振動板51が設けられている。この構成により、セード30Aにスリット33を設けたことでセード30Aの振動が抑制されたとしても、振動板51が振動することでセード30Aの振動が抑制された分を補うことができる。これにより、セード30Aにスリット33を設けたとしても、セード30Aから出力される音の音質及び音量が低下することを効果的に抑制することができる。
【0066】
なお、振動子50に振動板51を設けることは、他の実施の形態及び変形例に適用してもよい。例えば、セード30にスリットが設けられていない上記実施の形態1における照明器具1において、振動子50に振動板51を設けてもよい。これにより、振動子50によってセード30を振動させるだけではなく振動板51を振動させることができるので、セード30から出力される音の音質及び音量を向上させることができる。
【0067】
また、本変形例では、振動子50に振動板51を設けたが、振動子50に振動板51を設けなくてもよい。
【0068】
(実施の形態1の変形例2)
次に、実施の形態1の変形例2について、図3を用いて説明する。図3は、実施の形態1の変形例2に係る照明器具1Bの構成を示す図である。図3において、(a)は、照明器具1Bの側面図であり、(b)は、照明器具1Bのセード30Bを上から見たときの図である。図3の(a)は、図3の(b)におけるIIIa-IIIaにおける断面を示している。
【0069】
図3に示すように、本変形例における照明器具1Bは、上記実施の形態1における照明器具1に対して、振動を減衰させる振動減衰構造60が設けられた点と、振動子50に振動板51が設けられている点とが異なる。
【0070】
振動減衰構造60は、セード30Bと本体部10とが接続される部位に設けられている。本変形例において、振動減衰構造60は、セード30Bにおける本体部10との接続部位であり、弾性変形可能な形状である。本変形例において、振動減衰構造60は、セード30Bの貫通孔31aの内周部分に設けられている。
【0071】
振動板51は、上記実施の形態1の変形例1と同様に、セード30Bの上部31に設けられた貫通孔31bを介して振動子50に取り付けられている。したがって、本変形例でも、振動子50が振動すると、セード30Bだけではなく振動板51も振動する。
【0072】
そして、本変形例における照明器具1Bでも、上記実施の形態1と同様に、セード30Bに振動子50が設置されている。
【0073】
この構成より、本変形例においても、重量増加及び大型化を抑制しつつ、照明器具の基本構造を大きく変更することなく、スピーカ機能を有する吊り下げ型の照明器具1Bを実現することができる。
【0074】
また、本変形例における照明器具1Bにおいても、振動子50は、セード30Bの外側に位置している。具体的には、振動子50は、セード30Bの上部31の外面に取り付けられている。
【0075】
この構成により、振動子50を設置したことで照明器具1Bのデザイン性が悪くなることを抑制できる。
【0076】
また、本変形例に係る照明器具1Bでは、セード30Bと本体部10とが接続される部位に振動減衰構造60が設けられている。本変形例において、振動減衰構造60は、セード30Bにおける本体部10との接続部位であり、弾性変形可能な形状である。
【0077】
この構成により、振動子50が振動してセード30Bが振動したとしても、セード30Bの振動が振動減衰構造60によって減衰するので、セード30Bの振動が光源部11に伝搬することを抑制できる。これにより、音を出力するためのセード30Bの振動が抑制されることなく、光源部11を有する本体部10の振動を抑制することができる。したがって、セード30Bから出力される音の音質及び音量に影響を与えることなく、照明器具1Bの照明光にゆらぎが生じることを抑制することができる。
【0078】
しかも、セード30Bの一部を振動減衰構造60とすることで、新たな部品を設けることなく、本体部10の振動を抑制して照明器具1Bの照明光にゆらぎが生じることを抑制できる。
【0079】
また、振動減衰構造60の形状等にもよるが、セード30Bに振動減衰構造60を設けることで、セード30Bの振動が抑制されて、セード30Bから出力される音の音質及び音量が低下する場合がある。
【0080】
そこで、本変形例でも、上記実施の形態1の変形例1と同様に、振動子50に振動板51が設けられている。この構成により、セード30Bに振動減衰構造60を設けたことでセード30Bの振動が抑制されたとしても、振動板51が振動することでセード30Bの振動が抑制された分を補うことができる。これにより、セード30Bに振動減衰構造60を設けたとしても、セード30Bから出力される音の音質及び音量が低下することを効果的に抑制することができる。
【0081】
なお、本変形例でも、振動子50に振動板51を設けたが、振動子50に振動板51を設けなくてもよい。
【0082】
また、本変形例において、振動減衰構造60は、セード30Bの一部としたが、これに限らない。つまり、振動減衰構造60は、セード30Bとは別体であってもよい。この場合、図4に示される照明器具1Cのように、振動減衰構造60Cとして、セード30Cと本体部10の筐体12との間に、振動を吸収する振動吸収材を挿入してもよい。つまり、セード30Cと本体部10の筐体12との接続部分に、振動吸収材を挟み込んでもよい。振動吸収材である振動減衰構造60Cとしては、例えば、ウレタンゴム等の防振ゴム又はパッキン等の緩衝材を用いることができる。この場合も、照明器具1Cの照明光にゆらぎが生じることを抑制することができる。
【0083】
なお、本変形例における振動減衰構造60及び60Cは、他の実施の形態及び変形例に適用してもよい。
【0084】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について、図5を用いて説明する。図5は、実施の形態2に係る照明器具1Dの構成を示す図である。図5において、(a)は、照明器具1Dの側面図であり、(b)は、照明器具1Dのセード30Dを上から見たときの図である。図5の(a)は、図5の(b)におけるVa-Vaにおける断面を示している。
【0085】
図5に示すように、本実施の形態に係る照明器具1Dは、上記実施の形態1における照明器具1に対して、セード30Dの構成が異なる。具体的には、本実施の形態に係る照明器具1Dにおいて、セード30Dは、光源部11側に窪む凹部34を有する。そして、本実施の形態において、振動子50は、セード30Dの凹部34に収納されている。具体的には、振動子50は、凹部34の底部に載置されている。
【0086】
そして、本実施の形態における照明器具1Dでも、上記実施の形態1と同様に、セード30Dに振動子50が設置されている。
【0087】
この構成より、本実施の形態においても、重量増加及び大型化を抑制しつつ、照明器具の基本構造を大きく変更することなく、スピーカ機能を有する吊り下げ型の照明器具1Dを実現することができる。
【0088】
また、本実施の形態における照明器具1Dにおいても、振動子50は、セード30Dの外側に位置している。特に、本実施の形態では、振動子50は、セード30Dに設けられた凹部34に収納されている。
【0089】
この構成により、振動子50をセード30Dで隠すことができる。これにより、照明器具1Dをユーザが下から上に見上げたときに、凹部が設けられていないセード30を備える上記実施の形態1の照明器具1と比べて、振動子50がユーザの視界に一層入りにくくすることができる。したがって、振動子50を設置したことで照明器具1Dのデザイン性が悪くなることを一層抑制することができる。
【0090】
なお、凹部34の深さは、振動子50の高さ以上であるとよい。これにより、振動子50をセード30Dで完全に隠すことができ、照明器具1Dをユーザが下から上に見上げたときに、振動子50がユーザの視界に入らなくなる。
【0091】
(実施の形態2の変形例)
次に、実施の形態2の変形例について、図6を用いて説明する。図6は、実施の形態2の変形例に係る照明器具1Eの構成を示す図である。図6において、(a)は、照明器具1Eの側面図であり、(b)は、照明器具1Eのセード30Eを上から見たときの図である。図6の(a)は、図6の(b)におけるVIa-VIaにおける断面を示している。
【0092】
図6に示すように、本変形例における照明器具1Eは、上記実施の形態2における照明器具1Dに対して、セード30Eにスリット33Eが設けられている点と、振動子50に振動板51が設けられている点とが異なる。
【0093】
図6の(b)に示すように、スリット33Eは、セード30Eにおける振動子50の周辺部に設けられている。スリット33Eは、セード30Eを貫通する貫通孔であり、セード30Eの上部31に設けられている。具体的には、スリット33Eは、セード30Eに設けられた凹部34の底部に設けられている。
【0094】
本変形例において、スリット33Eは、複数設けられている。具体的には、スリット33Eは、4つ設けられている。また、複数のスリット33Eは、振動子50を囲むように設けられている。本変形例では、4つのスリット33Eは、各々が円弧状に形成されており、円環状に配置されている。そして、振動子50は、円環状に配置された4つのスリット33Eで囲まれている。
【0095】
本変形例において、振動子50には振動板51が設けられている。具体的には、振動板51は、セード30Eの上部31に設けられた貫通孔31bを介して振動子50に取り付けられている。本変形例において、貫通孔31bは、凹部34の底部の中央に設けられている。このように、本変形例では、振動子50に振動板51が設けられているので、振動子50が振動すると、セード30Eだけではなく振動板51も振動する。つまり、振動子50に振動板51を設けることで、振動子50の振動を振動板51によって増幅させてセード30Eを振動させることができる。
【0096】
そして、本変形例における照明器具1Eでも、上記実施の形態2と同様に、セード30Eに振動子50が設置されている。
【0097】
この構成より、本変形例においても、重量増加及び大型化を抑制しつつ、照明器具の基本構造を大きく変更することなく、スピーカ機能を有する吊り下げ型の照明器具1Eを実現することができる。
【0098】
また、本変形例における照明器具1Eにおいても、振動子50は、セード30Eの外側に位置している。具体的には、振動子50は、セード30Eに設けられた凹部34に収納されている。
【0099】
この構成により、本変形例でも、振動子50を設置したことで照明器具1Eのデザイン性が悪くなることを抑制できる。
【0100】
また、本変形例における照明器具1Eでは、セード30Eにスリット33Eが設けられている。これにより、振動子50によるセード30Eの振動が伝搬することをスリット33Eで遮断することができる。したがって、照明器具1Eの照明光にゆらぎが生じることを抑制することができる。
【0101】
特に、本変形例では、複数のスリット33Eが振動子50を囲むように形成されているので、振動子50が振動してセード30Eが振動したとしても、セード30Eの振動が光源部11に伝搬することを効果的に抑制することができる。したがって、照明器具1Eの照明光にゆらぎが生じることを効果的に抑制することができる。
【0102】
また、スリット33Eを設ける位置及びスリット33Eの形状にもよる、セード30Eにスリット33Eを設けてセード30Eの振動の伝搬を抑制すると、照明器具1Eの照明光のゆらぎを抑制できる一方、セード30Eから出力される音の音質及び音量が低下する場合があるが、本変形例では、振動子50に振動板51が設けられているので、セード30Eから出力される音の音質及び音量が低下することを抑制できる。
【0103】
なお、本変形例では、振動子50に振動板51を設けるとともにセード30Eにスリット33Eを設けたが、振動板51及びスリット33Eの一方のみを設けてもよい。
【0104】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について、図7を用いて説明する。図7は、実施の形態3に係る照明器具1Fの構成を示す図である。図7において、(a)は、照明器具1Fの側面図であり、(b)は、照明器具1Fのセード30を上から見たときの図である。図7の(a)は、図7の(b)におけるVIIa-VIIaにおける断面を示している。
【0105】
本実施の形態に係る照明器具1Fと上記実施の形態1に係る照明器具1とは、振動子50が設置された位置が異なる。具体的には、上記実施の形態1に係る照明器具1では、振動子50は、セード30に対して光源部11側とは反対側に位置していたが、本実施の形態に係る照明器具1Fでは、図7に示すように、振動子50は、セード30に対して光源部11側と同じ側に位置している。つまり、上記実施の形態では、振動子50は、セード30の外側に位置していたが、本実施の形態では、振動子50は、セード30の内側に位置している。具体的には、照明器具1Fにおいて、振動子50は、セード30の上部31の内面に取り付けられている。
【0106】
なお、振動子50の設置位置以外については、本実施の形態における照明器具1Fと上記実施の形態1における照明器具1とは同じ構成である。
【0107】
したがって、本実施の形態における照明器具1Fでも、上記実施の形態1と同様に、セード30に振動子50が設置されている。
【0108】
この構成より、本実施の形態においても、重量増加及び大型化を抑制しつつ、照明器具の基本構造を大きく変更することなく、スピーカ機能を有する吊り下げ型の照明器具1Fを実現することができる。
【0109】
また、本実施の形態における照明器具1Fでは、上記実施の形態1と異なり、振動子50がセード30に対して光源部11側と同じ側(つまりセード30の内側)に位置している。
【0110】
この構成により、上記実施の形態1のように振動子50をセード30の外側に設置する場合と比べて、音響面で有利になる。例えば、照明器具1Fから出力される音の音質及び音量を向上させることができる。
【0111】
なお、照明器具1Fが設置されたときに照明器具1Fの位置がユーザの視点に対して比較的低い場合(例えばユーザがセード30の上部31の外面を見るような場合)は、振動子50は、セード30の外側に設置されるのではなく、本実施の形態のように、セード30の内側に設置されるとよい。これにより、振動子50をセード30で覆い隠すことができるので、振動子50の存在をユーザに気付かせにくくすることができる。
【0112】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について、図8を用いて説明する。図8は、実施の形態4に係る照明器具1Gの構成を示す図である。
【0113】
本実施の形態に係る照明器具1Gと上記実施の形態1に係る照明器具1とは、振動子50が設置された位置が異なる。具体的には、上記実施の形態1に係る照明器具1では、振動子50は、セード30に設置されていたが、本実施の形態に係る照明器具1Gでは、図8に示すように、振動子50は、コード20に設置されている。この場合、振動子50の設置位置は、特に限定されるものではないが、コード20の下側部分(セード30寄り)に設置するとよい。振動子50は、取付部材等によってコード20の一部に取り付けられて固定されている。
【0114】
なお、振動子50の設置位置以外については、本実施の形態における照明器具1Gと上記実施の形態1における照明器具1とは同じ構成である。
【0115】
このように、本実施の形態における照明器具1Gでは、コード20に振動子50が設置されている。
【0116】
この構成より、振動子50が振動すると、振動子50の振動は、糸電話のようにコード20を伝搬してセード30に到達する。これにより、セード30が振動することになる。つまり、本実施の形態においても、振動子50は、セード30を振動させている。具体的には、上記実施の形態1では、振動子50は、セード30を直接振動させていたが、本実施の形態では、振動子50は、コード20を介してセード30を間接的に振動させている。このように振動子50によってセード30を振動させることで、照明器具1Gから音を出力させることができる。
【0117】
したがって、本実施の形態においても、重量増加及び大型化を抑制しつつ、照明器具の基本構造を大きく変更することなく、スピーカ機能を有する吊り下げ型の照明器具1Gを実現することができる。
【0118】
また、本実施の形態でも、セード30を振動させることで照明器具1Gから音を出力させているので、セード30を振動させる振動子50は、セード30の近くに設置されているとよい。したがって、振動子50は、コード20の下側部分、より好ましくはコード20におけるセード30に近接する部分に設置するとよい。また、このように設置することで、照明器具1Gをユーザが下から上に見上げたときに振動子50がセード30に隠れるので、振動子50の存在によって照明器具1Gの外観のデザイン性が悪くなることを抑制できる。
【0119】
さらに、本実施の形態のように振動子50をコード20に設置することで、上記実施の形態1のように振動子50をセード30に直接取り付ける場合と比べて、照明器具1Gの照明光にゆらぎが生じることを抑制することもできる。
【0120】
また、本実施の形態のように、コード20に振動子50を設置することで、振動子50を後付けすることができる。例えば、照明器具1Gを天井等に設置する際又は照明器具1Gを天井等に設置した後に、振動子50をコード20に取り付けることができる。
【0121】
なお、本実施の形態のように振動子50をコード20に設置すると、振動子50とコード20との接触面積は、振動子50をセード30に設置したときの振動子50とセード30との接触面積よりも小さくなる。このため、振動子50をコード20に設置する場合は、振動子50をセード30に設置する場合と比べて、振動子50の振動が伝わりにくくなるおそれがある。そこで、図9に示すように、振動子50Aをコード20に設置する場合は、コード20に巻き付けるタイプの振動子50Aを用いるとよい。これにより、振動子50Aにおけるコード20との取付面(接触面)を凹面にすることができるので、小型の振動子50Aを用いる場合でも、振動子50Aとコード20との接触面積を大きくすることができ、照明器具から出力される音の音質及び音量を向上させることができる。
【0122】
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について、図10を用いて説明する。図10は、実施の形態5に係る照明器具1Hの構成を示す図である。
【0123】
本実施の形態に係る照明器具1Hでも、振動子50は、セード30に設置されていない。具体的には、図10に示すように、本実施の形態に係る照明器具1Hは、振動子50は、フランジ40に設置されている。本実施の形態において、振動子50は、フランジ40のカバー42の中に配置されており、カバー42に固定されている。
【0124】
なお、振動子50の設置位置以外については、本実施の形態における照明器具1Hと上記実施の形態1における照明器具1とは同じ構成である。
【0125】
このように、本実施の形態における照明器具1Hでは、フランジ40に振動子50が設置されている。
【0126】
この構成より、振動子50が振動すると、振動子50の振動は、フランジ40からコード20に伝搬してセード30に到達する。これにより、セード30が振動することになる。つまり、本実施の形態においても、振動子50は、セード30を振動させている。具体的には、本実施の形態では、振動子50は、フランジ40及びコード20を介してセード30を間接的に振動させている。このように振動子50によってセード30を振動させることで、照明器具1Hから音を出力させることができる。
【0127】
したがって、本実施の形態においても、重量増加及び大型化を抑制しつつ、照明器具の基本構造を大きく変更することなく、スピーカ機能を有する吊り下げ型の照明器具1Hを実現することができる。
【0128】
また、本実施の形態では、フランジ40のカバー42内に振動子50が収納されている。これにより、振動子50をカバー42で隠すことができ、ユーザから振動子50が見えなくなるので、振動子50を設置することで照明器具1Hの外観のデザイン性が悪くなることを抑制できる。
【0129】
さらに、本実施の形態のように振動子50をフランジ40に設置することで、上記実施の形態1のように振動子50をセード30に直接設置する場合と比べて、照明器具1Hの照明光にゆらぎが生じることを抑制することもできる。
【0130】
また、本実施の形態のように、フランジ40に振動子50を設置することで、振動子50を後付けすることができる。例えば、照明器具1Hを天井等に設置する際に、振動子50をフランジ40に取り付けることができる。
【0131】
(その他の変形例)
以上、本発明に係る照明器具について、実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
【0132】
例えば、上記実施の形態1~5において、振動子50は、1つのみ設置されていたが、これに限らない。つまり、1つの照明器具において、振動子50は、複数設置されていてもよい。具体的には、図11に示される照明器具1Iのように、セード30Iの上部31の外面に4つの振動子50を設置してもよい。この場合、4つの振動子50の中に、高音用の振動子50と低音用の振動子50とが含まれていてもよい。また、複数の振動子50を設置する場合、図11に示すように、隣り合う2つの振動子50の間にスリット33を配置してもよい。例えば、図11に示すように、4つの振動子50を90度間隔で円環状に設置した場合、4つのスリット33を90度間隔で放射状に形成するとよい。つまり、振動子50ごとにスリット33を形成するとよい。これにより、高音用の振動子50と低音用の振動子50とを設置した場合に、各振動子50の振動が伝搬することをスリット33で遮断することができ、各振動子50の振動が干渉しない。つまり、音が混ざりにくくなる。したがって、照明器具1Iから出力する音の音質を向上させることができる。
【0133】
また、図11では、隣り合う2つの振動子50の間に直線状のスリット33を放射状に形成したが、これに限らない。例えば、図12に示される照明器具1Jのように、セード30Jの上部31に形成された4つのスリット33Jの各々の形状を円弧状にしてもよい。この場合、各スリット33Jは、一部が隣り合う2つの振動子50の間に位置し、他の一部が振動子50と本体部10との間に位置するとよい。これにより、各振動子50の振動が干渉しないようにすることができるとともに、各振動子50の振動が光源部11を有する本体部10に伝搬することを抑制できる。したがって、照明器具1Iから出力する音の音質を向上させることができるとともに、照明器具1Iの照明光のゆらぎを抑制することもできる。
【0134】
また、上記実施の形態1~5において、本体部10の光源部11は露出していたが、これに限らない。例えば、図13に示される照明器具1Kのように、光源部11を覆う透光性カバー70を設けてもよい。この場合、透光性カバー70としては、透明カバー又は乳白の拡散カバーを用いることができる。
【0135】
また、上記実施の形態1~5において、セード30~30Eの形状は、断面形状が台形の椀状であったが、これに限らない。
【0136】
例えば、図14に示される照明器具1Lのように、セード30Lの形状は、球の一部をなす椀状(例えば半球状)であってもよい。この場合、ユーザから振動子50を見えにくくするために、振動子50は、セード30Lの外側に設置するとよい。具体的には、振動子50は、セード30Lの上側部分の外面に設置するとよい。なお、図示しないが、セードの形状は、円錐等の他の形状の椀状であってもよい。
【0137】
また、図15に示される照明器具1Mのように、セード30Mの形状は、円筒状であってもよい。この場合、振動子50は、セード30Mの内側に設置してもよい。特に、図15に示される照明器具1Mのように、セード30Mが細長い筒状である場合には、振動子50は、セード30Mの外側よりも内側に設置する方がよい。これにより、振動子50をセード30Mで覆い隠すことができるので、振動子50の存在をユーザに気付かせにくくすることができる。
【0138】
また、図16に示される照明器具1Nのように、セード30Nの外形形状は、球であってもよい。この場合、ユーザから振動子50を見えにくくするために、振動子50は、セード30Nの内側に設置するとよい。このとき、照明器具1Nの位置がユーザの視点に対して高い場所に設置される場合は、振動子50はセード30Nの上方に設置されるとよく、一方、照明器具1Nの位置がユーザの視点に対して比較的低い場合は、振動子50はセード30Nの下方に設置されるとよい。
【0139】
また、図17に示される照明器具1Oのように、セード30Oの形状は、角筒状であってもよい。この場合、ユーザから振動子50を見えにくくするために、振動子50は、セード30Oの外側に設置するとよい。具体的には、振動子50は、セード30Oの上部の外面に設置するとよい。また、図17に示されるセード30Oは、木枠と木枠の開口を覆う紙(和紙等)とによって構成されている。これにより、振動子50によってセード30Oを構成する紙が振動しやすくなるので、照明器具1Oから出力される音の音量及び音質を向上させることができる。
【0140】
また、図18に示される照明器具1Pのように、セード30Pの形状は、平板状であってもよい。例えば、セード30Pは、円板状又は矩形板状とすることができる。この場合、ユーザから振動子50を見えにくくするために、振動子50は、セード30Pの上側に設置するとよい。具体的には、振動子50は、セード30Pの上部の外面に設置するとよい。
【0141】
また、上記実施の形態1~5において、光源部11のLED光源は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するB-Yタイプの白色LED光源としたが、これに限らない。例えば、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDチップとを組み合わせることにより白色光を放出するように構成してもよい。また、演色性を高める目的で、黄色蛍光体に加えて、さらに赤色蛍光体や緑色蛍光体を混ぜても構わない。また、青色以外の色を発するLEDチップを用いてもよく、例えば、青色LEDチップが放出する青色光よりも波長が短い紫外光を放出する紫外LEDチップを用いて、主に紫外光により励起されて青色光、赤色光及び緑色光を放出する青色蛍光体、緑色蛍光体及び赤色蛍光体によって白色光を放出するように構成してもよい。
【0142】
また、上記実施の形態1~5において、光源部11の発光素子としてLEDを用いる場合を例示したが、光源部11の発光素子は、半導体レーザなどの半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等、その他の固体発光素子を用いてもよい。また、光源部11は、固体発光素子ではなく、蛍光灯等によって構成されていてもよい。
【0143】
その他、上記の実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記の実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0144】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1I、1J、1K、1L、1M、1N、1O、1P 照明器具
10 本体部
11 光源部
20 コード
30、30A、30B、30C、30D、30E、30I、30J、30L、30M、30N、30O、30P セード
33、33E、33J スリット
34 凹部
40 フランジ
50、50A 振動子
51 振動板
60、60C 振動減衰構造
図1
図2
図3
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