(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175308
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】管理者端末のためのコンピュータプログラム、通信システム、及び、通信システムによって実行される方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20231205BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20231205BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
H04N1/00 002B
G06F3/12 329
G06F3/12 310
G06F3/12 378
B41J29/38 301
H04N1/00 127Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087688
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】國本 慎太郎
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061HN15
2C061HP00
2C061HP06
2C061HQ05
2C061HV09
2C061HV35
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC58
5C062AE03
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF00
5C062AF01
5C062AF06
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】画像形成装置において不具合が発生している可能性があることを通知するための新規な技術を提供すること。
【解決手段】管理者端末は、第1のユーザ端末又は第1の画像形成装置から第1の実行情報が受信される場合に、第1の実行情報に含まれる第1の装置識別情報によって識別される第1の画像形成装置と、第1の実行情報に含まれる第1の端末識別情報によって識別される第1のユーザ端末に最も近い第2の画像形成装置と、が一致するのか否かを判断する判断部と、第1の画像形成装置と第2の画像形成装置とが一致しないと判断される場合に、第2の画像形成装置において不具合が発生している可能性があることを示す第1の通知情報を出力し、第1の画像形成装置と第2の画像形成装置とが一致すると判断される場合に、第1の通知情報を出力しない第1の出力部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理者端末のためのコンピュータプログラムであって、
前記管理者端末は、
複数個のユーザ端末を識別する複数個の端末識別情報と、複数個の画像形成装置を識別する複数個の装置識別情報と、前記複数個のユーザ端末のそれぞれについて、当該ユーザ端末に最も近い画像形成装置を特定するための特定情報と、を記憶するメモリと、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、即ち、
前記複数個のユーザ端末のうちのいずれかのユーザ端末から、前記複数個の画像形成装置のうちのいずれかの画像形成装置に画像形成指示が送信される場合に、当該ユーザ端末又は当該画像形成装置から、前記画像形成指示の通信が実行されたことを示す実行情報を受信する実行情報受信部であって、前記実行情報は、当該ユーザ端末を識別する端末識別情報と、当該画像形成装置を識別する装置識別情報と、を含む、前記実行情報受信部と、
第1のユーザ端末又は第1の画像形成装置から第1の実行情報が受信される場合に、前記メモリ内の情報を利用して、前記第1の実行情報に含まれる第1の装置識別情報によって識別される前記第1の画像形成装置と、前記第1の実行情報に含まれる第1の端末識別情報によって識別される前記第1のユーザ端末に最も近い第2の画像形成装置と、が一致するのか否かを判断する判断部と、
前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致しないと判断される場合に、前記第2の画像形成装置において不具合が発生している可能性があることを示す第1の通知情報を出力し、
前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致すると判断される場合に、前記第1の通知情報を出力しない第1の出力部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記複数個の画像形成装置のうちのいずれかの画像形成装置において、画像形成を実行不可能なエラーが発生する場合に、当該画像形成装置において前記エラーが発生していることを示す第2の通知情報を出力する第2の出力部として機能させ、
前記第1の出力部は、
前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致しないと判断され、かつ、前記第2の画像形成装置において前記エラーが発生していない場合に、前記第1の通知情報を出力し、
前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第2の画像形成装置において前記エラーが発生している場合に、前記第1の通知情報を出力しない、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記特定情報は、前記複数個の端末識別情報と前記複数個の装置識別情報とのそれぞれに関連付けられている所属グループ情報であり、
前記判断部は、
前記第1の装置識別情報に関連付けられている前記所属グループ情報と、前記第1の端末識別情報に関連付けられている前記所属グループ情報と、が一致しない場合に、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致しないと判断し、
前記第1の装置識別情報に関連付けられている前記所属グループ情報と、前記第1の端末識別情報に関連付けられている前記所属グループ情報と、が一致する場合に、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致すると判断する、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記特定情報は、前記複数個の端末識別情報と前記複数個の装置識別情報とのそれぞれに関連付けられている位置情報であり、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の端末識別情報に関連付けられている前記位置情報と、前記複数個の装置識別情報に関連付けられている複数個の前記位置情報と、を利用して、前記第1のユーザ端末と前記複数個の前記画像形成装置のそれぞれとの間の距離を算出する算出部として機能させ、
前記判断部は、
算出済みの各距離のうち、前記第1のユーザ端末と前記第1の画像形成装置との間の距離が最小でない場合に、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致しないと判断し、
算出済みの各距離のうち、前記第1のユーザ端末と前記第1の画像形成装置との間の距離が最小である場合に、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致すると判断する、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記複数個の画像形成装置のそれぞれは、印刷機能を備える画像形成装置であり、
前記画像形成指示は、印刷実行指示であり、
前記実行情報は、さらに、印刷対象の画像を識別する画像識別情報を含み、
前記第1の出力部は、
前記第1のユーザ端末から前記第2の画像形成装置に前記印刷実行指示が送信されることに応じて、前記第1のユーザ端末又は前記第2の画像形成装置から特定の画像識別情報を含む第2の実行情報が受信された後に、前記第1のユーザ端末から前記第1の画像形成装置に前記印刷実行指示が送信されることに応じて、前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記特定の画像識別情報を含む前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致しないと判断される場合に、前記第1の通知情報を出力し、
前記第1のユーザ端末又は前記第2の画像形成装置から前記特定の画像識別情報を含む前記第2の実行情報が受信されることなく、前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記特定の画像識別情報を含む前記第1の実行情報が受信される場合に、前記第1の通知情報を出力しない、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記第1の出力部は、
前記第1のユーザ端末又は前記第2の画像形成装置から前記特定の画像識別情報を含む前記第2の実行情報が受信された後に、前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記特定の画像識別情報を含む前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致しないと判断され、かつ、前記第1の実行情報の受信時刻と前記第2の実行情報の受信時刻との差分が所定値未満である場合に、前記第1の通知情報を出力し、
前記第1のユーザ端末又は前記第2の画像形成装置から前記特定の画像識別情報を含む前記第2の実行情報が受信された後に、前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記特定の画像識別情報を含む前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第1の実行情報の受信時刻と前記第2の実行情報の受信時刻との差分が前記所定値以上である場合に、前記第1の通知情報を出力しない、
請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記第1の出力部は、
前記第1のユーザ端末又は前記第2の画像形成装置から前記特定の画像識別情報を含む前記第2の実行情報が受信された後に、前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記特定の画像識別情報を含む前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致しないと判断され、かつ、前記第2の画像形成装置において前記特定の画像識別情報によって識別される前記画像の印刷がキャンセルされる場合に、前記第1の通知情報を出力し、
前記第1のユーザ端末又は前記第2の画像形成装置から前記特定の画像識別情報を含む前記第2の実行情報が受信された後に、前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記特定の画像識別情報を含む前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第2の画像形成装置において前記画像の印刷がキャンセルされない場合に、前記第1の通知情報を出力しない、
請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記第1の出力部は、
前記第1のユーザ端末又は前記第2の画像形成装置から前記特定の画像識別情報を含む前記第2の実行情報が受信された後に、前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記特定の画像識別情報を含む前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致しないと判断され、かつ、前記第2の画像形成装置において前記特定の画像識別情報によって識別される前記画像の印刷が完了している場合に、前記第1の通知情報を出力し、
前記第1のユーザ端末又は前記第2の画像形成装置から前記特定の画像識別情報を含む前記第2の実行情報が受信された後に、前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記特定の画像識別情報を含む前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第2の画像形成装置において前記画像の印刷が完了していない場合に、前記第1の通知情報を出力しない、
請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記第1の出力部は、
前記第1のユーザ端末又は前記第2の画像形成装置から前記特定の画像識別情報を含む前記第2の実行情報が受信された後に、前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記特定の画像識別情報を含む前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致しないと判断され、かつ、前記第2の画像形成装置において前記特定の画像識別情報によって識別される前記画像の印刷が待機中又は実行中でない場合に、前記第1の通知情報を出力し、
前記第1のユーザ端末又は前記第2の画像形成装置から前記特定の画像識別情報を含む前記第2の実行情報が受信された後に、前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記特定の画像識別情報を含む前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第2の画像形成装置において前記画像の印刷が待機中又は実行中である場合に、前記第1の通知情報を出力しない、
請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記第1の出力部は、
前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致しないと判断され、かつ、前記第2の画像形成装置において画像形成を実行中でない場合に、前記第1の通知情報を出力し、
前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第2の画像形成装置において画像形成を実行中である場合に、前記第1の通知情報を出力しない、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記第1の出力部は、
前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致しないと判断される回数が2以上の所定回数に到達する場合に、前記第1の通知情報を出力し、
前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致しないと判断される回数が前記所定回数に到達しない場合に、前記第1の通知情報を出力しない、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
管理者端末と、
複数個のユーザ端末と、
複数個の画像形成装置と、
を備える通信システムであって、
前記管理者端末は、
前記複数個のユーザ端末を識別する複数個の端末識別情報と、前記複数個の画像形成装置を識別する複数個の装置識別情報と、前記複数個のユーザ端末のそれぞれについて、当該ユーザ端末に最も近い画像形成装置を特定するための特定情報と、を記憶するメモリと、
前記複数個のユーザ端末のうちのいずれかのユーザ端末から、前記複数個の画像形成装置のうちのいずれかの画像形成装置に画像形成指示が送信される場合に、当該ユーザ端末又は当該画像形成装置から、前記画像形成指示の通信が実行されたことを示す実行情報を受信する実行情報受信部であって、前記実行情報は、当該ユーザ端末を識別する端末識別情報と、当該画像形成装置を識別する装置識別情報と、を含む、前記実行情報受信部と、
第1のユーザ端末又は第1の画像形成装置から第1の実行情報が受信される場合に、前記メモリ内の情報を利用して、前記第1の実行情報に含まれる第1の装置識別情報によって識別される前記第1の画像形成装置と、前記第1の実行情報に含まれる第1の端末識別情報によって識別される前記第1のユーザ端末に最も近い第2の画像形成装置と、が一致するのか否かを判断する判断部と、
前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致しないと判断される場合に、前記第2の画像形成装置において不具合が発生している可能性があることを示す第1の通知情報を出力し、
前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致すると判断される場合に、前記第1の通知情報を出力しない第1の出力部と、
を備える、通信システム。
【請求項13】
通信システムによって実行される方法であって、
前記通信システムは、
管理者端末と、
複数個のユーザ端末と、
複数個の画像形成装置と、
を備え、
前記管理者端末は、前記複数個のユーザ端末を識別する複数個の端末識別情報と、前記複数個の画像形成装置を識別する複数個の装置識別情報と、前記複数個のユーザ端末のそれぞれについて、当該ユーザ端末に最も近い画像形成装置を特定するための特定情報と、を記憶するメモリを備え、
前記方法は、
前記複数個のユーザ端末のうちのいずれかのユーザ端末から、前記複数個の画像形成装置のうちのいずれかの画像形成装置に画像形成指示が送信される場合に、当該ユーザ端末又は当該画像形成装置から、前記画像形成指示の通信が実行されたことを示す実行情報を受信する実行情報受信工程であって、前記実行情報は、当該ユーザ端末を識別する端末識別情報と、当該画像形成装置を識別する装置識別情報と、を含む、前記実行情報受信工程と、
第1のユーザ端末又は第1の画像形成装置から第1の実行情報が受信される場合に、前記メモリ内の情報を利用して、前記第1の実行情報に含まれる第1の装置識別情報によって識別される前記第1の画像形成装置と、前記第1の実行情報に含まれる第1の端末識別情報によって識別される前記第1のユーザ端末に最も近い第2の画像形成装置と、が一致するのか否かを判断する判断工程と、
前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致しないと判断される場合に、前記第2の画像形成装置において不具合が発生している可能性があることを示す第1の通知情報を出力し、
前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致すると判断される場合に、前記第1の通知情報を出力しない第1の出力工程と、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、画像形成装置における不具合の発生の通知に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、不具合推定装置が開示されている。この不具合推定装置では、一の画像形成装置で印刷ジョブが実行された後に、同じ内容の印刷ジョブが他の画像形成装置で実行された事例数が基準事例数を上回った場合に、当該一の画像形成装置に不具合が発生したことが推定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、画像形成装置において不具合が発生している可能性があることを通知するための新規な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、管理者端末のためのコンピュータプログラムを開示する。前記管理者端末は、複数個のユーザ端末を識別する複数個の端末識別情報と、複数個の画像形成装置を識別する複数個の装置識別情報と、前記複数個のユーザ端末のそれぞれについて、当該ユーザ端末に最も近い画像形成装置を特定するための特定情報と、を記憶するメモリと、コンピュータと、を備えてもよい。前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、即ち、前記複数個のユーザ端末のうちのいずれかのユーザ端末から、前記複数個の画像形成装置のうちのいずれかの画像形成装置に画像形成指示が送信される場合に、当該ユーザ端末又は当該画像形成装置から、前記画像形成指示の通信が実行されたことを示す実行情報を受信する実行情報受信部であって、前記実行情報は、当該ユーザ端末を識別する端末識別情報と、当該画像形成装置を識別する装置識別情報と、を含む、前記実行情報受信部と、第1のユーザ端末又は第1の画像形成装置から第1の実行情報が受信される場合に、前記メモリ内の情報を利用して、前記第1の実行情報に含まれる第1の装置識別情報によって識別される前記第1の画像形成装置と、前記第1の実行情報に含まれる第1の端末識別情報によって識別される前記第1のユーザ端末に最も近い第2の画像形成装置と、が一致するのか否かを判断する判断部と、前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致しないと判断される場合に、前記第2の画像形成装置において不具合が発生している可能性があることを示す第1の通知情報を出力し、前記第1のユーザ端末又は前記第1の画像形成装置から前記第1の実行情報が受信され、かつ、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とが一致すると判断される場合に、前記第1の通知情報を出力しない第1の出力部と、として機能させてもよい。
【0006】
第1のユーザ端末のユーザは、通常、第1のユーザ端末に最も近い第2の画像形成装置に画像形成を実行させるが、第2の画像形成装置に不具合が発生している場合には、他の画像形成装置に画像形成を実行させ得る。このような実情に鑑みて、上記のコンピュータプログラムによって実現される管理者端末は、第1の画像形成装置と第2の画像形成装置とが一致しないと判断する場合に、第2の画像形成装置において不具合が発生している可能性があることを示す第1の通知情報を出力する。これにより、管理者は、第1の通知情報を見ることによって、第2の画像形成装置において不具合が発生している可能性があることを知ることができる。
【0007】
上記のコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体、上記のコンピュータプログラムによって実現される管理者端末そのもの、及び、当該管理者端末によって実行される方法も、新規で有用である。また、上記の管理者端末と複数個のユーザ端末と画像形成装置とを備える通信システムも、新規で有用である。また、上記の通信システムによって実行される方法も、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】管理者端末によって実行される処理のフローチャートを示す。
【
図11】第2実施例の管理者端末によって実行される処理のフローチャートを示す。
【
図12】第3実施例の管理者端末によって実行される処理のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施例)
(通信システム2の構成;
図1)
図1に示されるように、通信システム2は、通信システム2の管理者によって利用される管理者端末10と、2個のプリンタ100A,100Bと、個別ユーザによって利用される4個のユーザ端末200A1,200A2,200B1,200B2と、を備える。プリンタ100A,100Bには、それぞれ、プリンタID「PA」、「PB」が割り当てられている。また、ユーザ端末200A1,200A2,200B1,200B2には、それぞれ、端末ID「TA1」、「TA2」、「TB1」、「TB2」が割り当てられている。以下では、プリンタ100A,100Bを特に区別しないときは、「プリンタ100」と記載することがある。同様に、ユーザ端末200A1,200A2,200B1,200B2を特に区別しないときは、「ユーザ端末200」と記載することがある。各装置10,100,200は、オフィスに設置されており、LAN(Local Area Networkの略、図示省略)を介して相互に通信可能に構成されている。プリンタ100A及びユーザ端末200A1,200A2は、グループGAに所属している。プリンタ100B及びユーザ端末200B1,200B2は、グループGBに所属している。各グループGA,GBに所属する各装置は、管理者端末10のユーザ(即ち、通信システム2の管理者)によって予め決められる。
【0010】
本実施例では、同じグループに所属している各装置の距離が近く、異なるグループに所属している各装置の距離が遠い。即ち、各ユーザ端末200A1,200A2に最も近いプリンタは、プリンタ100Bではなく、プリンタ100Aである。同様に、各ユーザ端末200B1,200B2に最も近いプリンタは、プリンタ100Aではなく、プリンタ100Bである。従って、通常、各ユーザ端末200A1,200A2のユーザは、プリンタ100Aに印刷を実行させ、各ユーザ端末200B1,200B2のユーザは、プリンタ100Bに印刷を実行させる。ただし、例えば、プリンタ100Aに不具合が生じている場合には、各ユーザ端末200A1,200A2のユーザは、プリンタ100Bに印刷を実行させ得る。本実施例では、管理者端末10は、このようなユーザの挙動を検知して、プリンタにおいて不具合が発生している可能性があることを管理者に通知することを実現する。なお、本明細書では、プリンタにおける「不具合」とは、当該プリンタにおいて印刷自体は実行可能であるが、形成される印刷媒体の少なくとも一部に不備(例えば印刷画像のかすれ)が生じ得ることを意味する。
【0011】
(各装置の制御構成;
図2)
(管理者端末10の構成)
管理者端末10は、据置型のPC、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン、PDA等の端末装置である。管理者端末10は、操作部12と、表示部14と、通信インターフェース16と、制御部30と、を備える。各部12~30は、バス線(符号省略)に接続されている。以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。
【0012】
操作部12は、様々な指示を管理者端末10に入力するためのI/Fであり、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等である。管理者は、操作部12を介して、様々な指示を管理者端末10に入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部14がタッチパネルである場合には、表示部14は、操作部12としても機能する。通信I/F16は、LANに接続されている。
【0013】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に記憶されているプログラム36に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成されている。メモリ34は、さらに、端末テーブル38とプリンタテーブル40とジョブテーブル42とを記憶する。
【0014】
端末テーブル38は、管理対象の複数個のユーザ端末(本実施例では4個のユーザ端末200A1等)を管理するためのテーブルである。端末テーブル38は、端末IDと、所属グループ情報と、を関連付けて記憶する。端末IDは、ユーザ端末を識別するための情報である。所属グループ情報は、ユーザ端末が所属するグループ(本実施例では2個のグループGA,GBのいずれか)を示す。端末テーブル38に含まれる各情報は、管理者によって登録される。
【0015】
プリンタテーブル40は、管理対象の複数個のプリンタ(本実施例では2個のプリンタ100A,100B)を管理するためのテーブルである。プリンタテーブル40は、プリンタIDと、装置状態と、所属グループ情報と、を関連付けて記憶する。プリンタIDは、プリンタを識別するための情報である。装置状態は、プリンタの現在の状態(例えば、待機中、印刷中、エラー等)を示す情報である。所属グループ情報は、プリンタが所属するグループを示す。プリンタテーブル40に含まれるプリンタID及び所属グループ情報は、管理者によって登録される。また、各プリンタ100A,100Bは、自身の状態が変わる毎に、LANを介して、変化後の装置状態を示す装置状態情報を管理者端末10に送信するように構成される。管理者端末10は、各プリンタ100A,100Bから装置状態情報を受信する毎に、プリンタテーブル40において当該プリンタに関連付けられている装置状態を更新する。
【0016】
ジョブテーブル42は、印刷ジョブを管理するためのテーブルである。詳しくは後述するが、各プリンタ100A,100Bは、ユーザ端末200A1等から印刷実行指示を受信すると、印刷ジョブを識別するためのジョブIDを生成し、ジョブIDを含む実行情報を管理者端末10に送信する。管理者端末10は、実行情報を受信すると、ジョブテーブル42を更新する。ジョブテーブル42は、ジョブIDと、ファイル名と、送信元IDと、送信先IDと、受信時刻と、ジョブ状態と、を関連付けて記憶する。ファイル名は、印刷対象画像を識別するための情報である。送信元IDは、印刷実行指示の送信元のユーザ端末を識別する端末IDである。送信先IDは、印刷実行指示の送信先のプリンタを識別するプリンタIDである。受信時刻は、管理者端末10が実行情報を受信した時刻を示す。ジョブ状態は、印刷ジョブに対応する印刷処理の状態(例えば待機中、実行中、実行済み、キャンセル等)を示す。各プリンタ100A,100Bは、印刷ジョブに対応するジョブ状態が変化する(例えば印刷が開始される、印刷が完了する等)毎に、変化後のジョブ状態を示すジョブ状態情報を管理者端末10に送信する。管理者端末10は、各プリンタ100A,100Bからジョブ状態情報を受信する毎に、ジョブテーブル42内のジョブ状態を更新する。
【0017】
(プリンタ100の構成)
プリンタ100は、印刷機能を実行可能な周辺装置(例えば、ユーザ端末200の周辺装置)である。変形例では、プリンタ100は、印刷機能に加えて、スキャン機能、ファクシミリ機能等を実行可能な多機能機であってもよい。プリンタ100は、操作部112と、表示部114と、通信I/F116と、印刷実行部118と、制御部130と、を備える。各部112~130は、バス線(符号省略)に接続されている。
【0018】
操作部112は、複数個のキーを備える。ユーザは、操作部112を操作することによって、様々な指示をプリンタ100に入力することができる。表示部114は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部114がタッチパネルである場合には、表示部114は、操作部112としても機能する。通信I/F116は、LANに接続されている。印刷実行部118は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構を備える。
【0019】
制御部130は、CPU132とメモリ134とを備える。CPU132は、メモリ134に記憶されているプログラム136に従って、様々な処理を実行する。メモリ134は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成されている。
【0020】
(ユーザ端末200の構成)
ユーザ端末200は、据置型のPC、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン、PDA等の端末装置である。ユーザ端末200は、操作部212と、表示部214と、通信I/F216と、制御部230と、を備える。各部212~230は、バス線(符号省略)に接続されている。
【0021】
操作部212は、様々な指示をユーザ端末200に入力するためのI/Fであり、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等である。ユーザ端末200のユーザは、操作部212を介して、様々な指示をユーザ端末200に入力することができる。表示部214は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部214がタッチパネルである場合には、表示部214は、操作部212としても機能する。通信I/F216は、LANに接続されている。
【0022】
制御部230は、CPU232とメモリ234とを備える。CPU232は、メモリ234に記憶されているプログラム236(例えばOSプログラム、アプリケーションプログラム)に従って、様々な処理を実行する。メモリ234は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成されている。
【0023】
(管理者端末10の処理;
図3)
続いて、
図3を参照して、管理者端末10のCPU32によって実行される処理を説明する。
図3の処理は、管理者端末10の電源がONされることをトリガとして開始され、電源がONされている間に繰り返し実行される。
【0024】
CPU32は、S10において、プリンタ(例えばプリンタ100A)から実行情報を受信することを監視する。CPU32は、ユーザ端末からプリンタに印刷実行指示が送信されることに応じて、当該プリンタから実行情報を受信する場合に、S10でYESと判断してS12に進む。以下では、当該印刷実行指示、当該実行情報のことを、それぞれ、「対象印刷実行指示」、「対象実行情報」と記載し、対象印刷実行指示の送信元のユーザ端末、対象印刷実行指示の送信先のプリンタのことを、それぞれ、「対象ユーザ端末」、「対象プリンタ」と記載する。対象実行情報は、ジョブIDと、ファイル名と、対象ユーザ端末の端末IDである送信元IDと、対象プリンタのプリンタIDである送信先IDと、を含む(後述の
図4参照)。当該ファイル名は、対象印刷実行指示に含まれる印刷対象画像のファイル名である。
【0025】
CPU32は、S12において、ジョブテーブル42を更新する。具体的には、CPU32は、受信済みの対象実行情報に含まれる各情報(即ちジョブID、ファイル名、送信元ID、送信先ID)と、対象実行情報が受信された時刻と、ジョブ状態と、を関連付けて、ジョブテーブル42に記憶する。この段階では、当該ジョブ状態は「待機中」を示す。以下では、対象実行情報に対応する印刷ジョブ(即ちS12で記憶されたジョブIDによって識別される印刷ジョブ)のことを「対象ジョブ」と記載する。
【0026】
CPU32は、S14において、対象プリンタが対象ユーザ端末に最も近いプリンタであるのか否かを判断する。具体的には、まず、CPU32は、端末テーブル38から、対象ユーザ端末の端末IDに関連付けられている所属グループ情報を特定する。次いで、CPU32は、プリンタテーブル40から、当該所属グループ情報と同じ所属グループ情報に関連付けられているプリンタIDを特定する。換言すると、CPU32は、対象ユーザ端末に最も近いプリンタのプリンタIDを特定する。そして、CPU32は、対象プリンタのプリンタIDと特定済みのプリンタIDとが一致するのか否かを判断する。CPU32は、対象プリンタのプリンタIDと特定済みのプリンタIDとが一致する場合に、S14でYESと判断して、S16以降の処理をスキップする。一方、CPU32は、対象プリンタのプリンタIDと特定済みのプリンタIDとが一致しない場合に、S14でNOと判断して、S16に進む。このように、CPU32は、所属グループ情報に基づいて、対象プリンタが対象ユーザ端末に最も近いプリンタであるのか否かを適切に判断することができる。
【0027】
CPU32は、S16において、対象ユーザ端末に最も近いプリンタ(即ち対象プリンタ)においてエラーが発生しているのか否かを判断する。具体的には、CPU32は、プリンタテーブル40から、S14で特定済みのプリンタIDに関連付けられている装置状態を特定する。CPU32は、特定済みの装置状態が「エラー」を示す場合に、S16でYESと判断して、S18以降の処理をスキップする。一方、CPU32は、特定済みの装置状態が「エラー」を示さない場合(例えば「待機中」である場合)に、S16でNOと判断してS18に進む。なお、本明細書では、プリンタにおける「エラー」とは、当該プリンタにおいて印刷を実行不可能なエラーを意味する。
【0028】
CPU32は、S18において、対象ユーザ端末に最も近いプリンタにおいて印刷を実行中であるのか否かを判断する。具体的には、CPU32は、プリンタテーブル40から、S14で特定済みのプリンタIDに関連付けられている装置状態を特定する。CPU32は、特定済みの装置状態が「印刷中」を示す場合に、S18でYESと判断し、S20以降の処理をスキップする。一方、CPU32は、特定済みの装置状態が「印刷中」を示さない場合(例えば「待機中」である場合)に、S18でNOと判断してS20に進む。
【0029】
CPU32は、S20において、同一ジョブがジョブテーブル42に存在するのか否かを判断する。ここで、「同一ジョブ」とは、対象ジョブのファイル名及び送信元IDの組み合わせと同一の組み合わせを有する印刷ジョブのことを意味する。CPU32は、まず、ジョブテーブル42に含まれる複数個の印刷ジョブの中から1個の印刷ジョブを特定する。次いで、CPU32は、対象ジョブのファイル名及び送信元IDの組み合わせと、特定済みの印刷ジョブのファイル名及び送信元IDの組み合わせと、が一致するのか否かを判断する。CPU32は、前者と後者とが一致する場合に、同一ジョブが存在すると判断し(S20でYES)、S22に進む。CPU32は、ジョブテーブル42に記憶されている各印刷ジョブについて、上記の処理を実行する。これにより、CPU32は、1個又は2個以上の同一ジョブが存在すると判断し得る。CPU32は、1個の同一ジョブも存在しないと判断する場合(S20でNO)に、S22以降の処理をスキップする。
【0030】
CPU32は、S22において、同一ジョブのジョブ状態を判断する。具体的には、CPU32は、ジョブテーブル42から、1個以上の同一ジョブのうちの1個の同一ジョブのジョブ状態を特定し、特定済みのジョブ状態が「実行済み」を示す場合に、S24に進み、特定済みのジョブ状態が「待機中」又は「実行中」を示す場合に、S26に進み、特定済みのジョブ状態が「キャンセル」を示す場合に、S30に進む。
【0031】
CPU32は、S24において、対象ジョブの受信時刻と特定済みの同一ジョブの受信時刻との差分が所定時間未満(例えば5分未満)であるのか否かを判断する。ここで、「対象ジョブの受信時刻」、「同一ジョブの受信時刻」は、それぞれ、ジョブテーブル42において、対象ジョブ、特定済みの同一ジョブに関連付けられている受信時刻である。CPU32は、上記の差分が所定値未満である場合に、S24でYESと判断してS30に進み、当該差分が所定値以上である場合に、S24でNOと判断してS26に進む。
【0032】
CPU32は、S26において、S20で特定済みの1個以上の同一ジョブの全てについてS22の処理を実行済みであるのか否かを判断する。CPU32は、全ての同一ジョブについてS22の処理を実行済みである場合に、S26でYESと判断して、S30の処理を実行しない。一方、CPU32は、S20で特定済みの1個以上の同一ジョブのうち、S22の処理を実行済みでない同一ジョブが存在する場合に、S26でNOと判断して、S22において、他の同一ジョブのジョブ状態を判断する。
【0033】
CPU32は、S30において、通知画面SC1を表示部14に表示させる。通知画面SC1は、対象ユーザ端末に最も近いプリンタのプリンタIDと、当該プリンタIDによって識別されるプリンタにおいて不具合が発生している可能性があることを示すメッセージと、を含む。S30の処理が終了すると、S10の監視処理に戻る。
【0034】
(ケースA;
図4及び
図5)
続いて、
図3の処理によって実現される具体的なケースを説明する。まず、
図4及び
図5を参照して、ケースAを説明する。以下では、理解の容易化のために、CPU(例えば32,132,232)によって実行される処理を、CPUを主体として記載せずに、各装置(例えば管理者端末10、プリンタ100、ユーザ端末200)を主体として記載する。また、以下で説明する各装置間の全ての通信は通信I/F(16,116,216等)を介して実行される。従って、以下の説明では、各装置間の通信を説明する際に、「通信I/Fを介して」という記載を省略する。
【0035】
ユーザ端末200A1は、T100において、ユーザ端末200A1のユーザから印刷実行操作を受け付ける。印刷実行操作は、印刷を実行すべきプリンタ100AのプリンタID「PA」の指定と、印刷対象画像のファイル名F1の指定と、を含む。この場合、ユーザ端末200A1は、T102において、印刷実行指示をプリンタ100Aに送信する。印刷実行指示は、指定済みのファイル名F1と、印刷対象画像と、ユーザ端末200A1の端末ID「TA1」と、を含む。印刷対象画像は、プリンタ100Aが解釈可能なデータ形式を有する。
【0036】
プリンタ100Aは、T102において、ユーザ端末200A1から印刷実行指示を受信すると、T103において、ジョブID「JA1」を生成する。ここで、プリンタ100Aは、ジョブID「JA1」とファイル名F1と印刷対象画像とを関連付けてメモリ134に記憶する。次いで、プリンタ100Aは、T104において、実行情報を管理者端末10に送信する。実行情報は、生成済みのジョブID「JA1」と、印刷実行指示に含まれるファイル名F1と、を含む。実行情報は、さらに、印刷実行指示に含まれる端末ID「TA1」を送信元IDとして含むと共に、プリンタ100AのプリンタID「PA」を送信先ID「PA」として含む。
【0037】
管理者端末10は、T104において、プリンタ100Aから実行情報を受信すると(
図3のS10でYES)、T106において、ジョブテーブル42を更新する(S12)。この結果、ジョブID「JA1」によって識別される印刷ジョブがジョブテーブル42に追加される。現段階では、当該印刷ジョブのジョブ状態は「待機中」を示す。また、プリンタ100Aの所属グループ情報「GA」とユーザ端末200A1の所属グループ情報「GA」とが一致するので、即ち、プリンタ100Aがユーザ端末200A1に最も近いプリンタであるので、通知画面SC1は表示されない(S14でYES)。
【0038】
プリンタ100Aは、T110において、ジョブID「JA1」に関連付けられている印刷対象画像の印刷を開始する。プリンタ100Aは、印刷を開始すると、T112において、状態情報を管理者端末10に送信する。状態情報は、装置状態情報とジョブ状態情報とを含む。当該装置状態情報は、プリンタID「PA」と、印刷を実行中であることを示す装置状態「印刷中」と、を含む。当該ジョブ状態情報は、ジョブID「JA1」と、印刷を実行中であることを示すジョブ状態「実行中」と、を含む。
【0039】
管理者端末10は、T112において、プリンタ100Aから装置状態情報とジョブ状態情報とを受信すると、T114において、プリンタテーブル40とジョブテーブル42とを更新する。具体的には、管理者端末10は、プリンタテーブル40において、プリンタID「PA」に関連付けられている装置状態「待機中」に代えて「印刷中」を記憶すると共に、ジョブテーブル42において、ジョブID「JA1」に関連付けられているジョブ状態「待機中」に代えて「実行中」を記憶する。なお、
図4では、プリンタテーブル40において、「所属グループ情報」の記載を省略している。以降でも、プリンタテーブル40を記載する際に、「所属グループ情報」の記載を省略する。
【0040】
その後、プリンタ100Aにおいて、ジョブID「JA1」に関連付けられている印刷対象画像の印刷が完了する(T120)。この場合、プリンタ100Aは、T122において、状態情報を管理者端末10に送信する。状態情報は、装置状態情報とジョブ状態情報とを含む。当該装置状態情報は、プリンタID「PA」と、待機中であることを示す装置状態「待機中」と、を含む。当該ジョブ状態情報は、ジョブID「JA1」と、印刷を実行済みであることを示すジョブ状態「実行済み」と、を含む。
【0041】
管理者端末10は、T122において、プリンタ100Aからジョブ状態情報を受信すると、T124において、プリンタテーブル40とジョブテーブル42とを更新する。具体的には、管理者端末10は、プリンタテーブル40において、プリンタID「PA」に関連付けられている装置状態「印刷中」に代えて「待機中」を記憶すると共に、ジョブテーブル42において、ジョブID「JA1」に関連付けられているジョブ状態「実行中」に代えて「実行済み」を記憶する。
【0042】
(
図4の続き;
図5)
ユーザ端末200A1は、
図5のT130において、ユーザ端末200A1のユーザから印刷実行操作を再び受け付ける。当該印刷実行操作は、プリンタ100BのプリンタID「PB」で指定される点を除いて、
図4のT100の印刷実行操作と同様である。T132の処理は、送信先がプリンタ100Bである点を除いて、
図4のT102の処理と同様である。T133の処理は、生成されるジョブIDが「JB1」である点を除いて、
図4のT103の処理と同様である。また、T134の処理は、ジョブID、送信先IDが、それぞれ、「JB1」、「PB」である点を除いて、
図4のT104の処理と同様である。T136の処理は、ジョブID「JB1」によって識別される印刷ジョブがジョブテーブル42に追加される点を除いて、
図4のT106の処理と同様である。
【0043】
(ケースA-1;
図5)
まず、ジョブID「JA1」、「JB1」のそれぞれによって識別される印刷ジョブに対応する実行情報の受信時刻T1,T2の差分が所定時間未満であるケースA-1を説明する。ケースA-1は、以下のような状況を想定している。ユーザ端末200A1のユーザは、
図4のT120において、プリンタ100Aで印刷された印刷媒体を取得する。当該ユーザは、当該印刷媒体の少なくとも一部に不備(例えば印刷画像のかすれ)があることに気づき、同じ印刷対象画像をプリンタ100Aとは異なるプリンタ100Bに比較的すぐに印刷させる(T130)。
【0044】
管理者端末10は、T136でジョブテーブル42を更新すると(
図3のS12)、プリンタ100Bの所属グループ情報「GB」とユーザ端末200A1の所属グループ情報「GA」とが一致しない、即ち、プリンタ100Bがユーザ端末200A1に最も近いプリンタではないと判断する(S14でNO)。また、現時点では、ユーザ端末200A1に最も近いプリンタ100Aにはエラーが発生しておらず(S16でNO)、プリンタ100Aが印刷を実行中でない(S18でNO)。また、ジョブテーブル42から、ジョブID「JA1」によって識別される印刷ジョブが同一ジョブとして特定され(S20でYES)、当該印刷ジョブの状態は「実行済み」である(S22で「実行済み」)。そして、管理者端末10は、T140において、ジョブID「JB1」によって識別される印刷ジョブに関連付けられる受信時刻T2と、ジョブID「JA1」によって識別される印刷ジョブに関連付けられる受信時刻T1と、の差分(T2-T1)が所定時間未満であると判断する(S24でYES)。この場合、管理者端末10は、通知画面SC1を表示部14に表示させる(S30)。通知画面SC1は、ユーザ端末200A1に最も近いプリンタ100AのプリンタID「PA」を含む。
【0045】
上記の通り、ケースA-1では、ユーザ端末200A1のユーザは、プリンタ100Aで印刷された印刷媒体の不備に気づき、その後、比較的すぐに別のプリンタ100Bに印刷を実行させる。従って、管理者は、通知画面SC1を見ることによって、プリンタ100Aにおいて不具合が発生している可能性があることを知ることができる。このため、管理者は、プリンタ100Aの不具合を解消させることができる。
【0046】
(ケースA-2;
図5)
続いて、ケースA-2を説明する。ケースA-2は、ジョブID「JA1」、「JB1」のそれぞれによって識別される印刷ジョブに対応する実行情報の受信時刻T1,T2の差分が所定時間以上であるケースである。ケースA-2は、以下のような状況を想定している。ユーザ端末200A1のユーザは、
図4のT120において、プリンタ100Aで印刷された印刷媒体を取得する。当該ユーザは、当該印刷媒体に不備がないことを確認し、比較的長時間が経過した後に、同じ印刷対象画像をプリンタ100Aとは異なるプリンタ100Bに印刷させる(T130)。例えば、当該ユーザが、プリンタ100Bの近くに赴く用事がある場合には、同じ印刷対象画像をプリンタ100Bに印刷させることがあり得る。
【0047】
管理者端末10は、T136でジョブテーブル42を更新すると(
図3のS12)、プリンタ100Bの所属グループ情報「GB」とユーザ端末200A1の所属グループ情報「GA」とが一致しない、即ち、プリンタ100Bがユーザ端末200A1に最も近いプリンタではないと判断する(S14でNO)。また、現時点では、ユーザ端末200A1に最も近いプリンタ100Aにはエラーが発生しておらず(S16でNO)、プリンタ100Aが印刷を実行中でない(S18でNO)。また、ジョブテーブル42から、ジョブID「JA1」によって識別される印刷ジョブが同一ジョブとして特定され(S20でYES)、当該印刷ジョブの状態は「実行済み」である(S22で「実行済み」)。そして、管理者端末10は、T150において、ジョブID「JB1」によって識別される印刷ジョブに関連付けられる受信時刻T2と、ジョブID「JA1」によって識別される印刷ジョブに関連付けられる受信時刻T1と、の差分(T2-T1)が所定時間以上であると判断する(S24でNO、S26でYES)。この場合、通知画面SC1は表示されない。
【0048】
上記の通り、ケースA-2では、ユーザは、プリンタ100Aで印刷が完了してから比較的長時間が経過した後に、別のプリンタ100Bに印刷を実行させる。このような状況では、プリンタ100Aにおいて不具合が発生している可能性は低い。この場合、通知画面SC1が表示されないので、不必要な画面が表示されることが抑制される。
【0049】
(ケースB;
図6)
続いて、
図6を参照して、ケースBを説明する。ケースBは、ユーザ端末200A1に最も近いプリンタ100Aにおける印刷がキャンセルされた後に、同じ印刷対象画像を異なるプリンタ100Bに印刷させるケースである。ケースBは、以下のような状況を想定している。ユーザ端末200A1のユーザは、プリンタ100Aでの印刷の途中に、印刷媒体の少なくとも一部に不備があることに気づき、当該印刷をキャンセルする。そして、当該ユーザは、同じ印刷対象画像をプリンタ100Aとは異なるプリンタ100Bに印刷させる。ケースBでは、まず、
図4のT100~T114と同様の処理が実行される。
【0050】
プリンタ100Aは、T220において、例えばユーザから印刷キャンセル操作を受け付けることに応じて、ジョブID「JA1」によって識別される印刷ジョブに従った印刷をキャンセルする。この場合、プリンタ100Aは、T222において、状態情報を管理者端末10に送信する。状態情報は、装置状態情報とジョブ状態情報とを含む。当該装置状態情報は、プリンタID「PA」と、待機中であることを示す装置状態「待機中」と、を含む。当該ジョブ状態情報は、ジョブID「JA1」と、印刷がキャンセルされたことを示すジョブ状態「キャンセル」と、を含む。
【0051】
管理者端末10は、T222において、プリンタ100Aから状態情報を受信すると、T224において、プリンタテーブル40とジョブテーブル42とを更新する。具体的には、管理者端末10は、プリンタテーブル40において、プリンタID「PA」に関連付けられている装置状態「印刷中」に代えて「待機中」を記憶すると共に、ジョブテーブル42において、ジョブID「JA1」に関連付けられているジョブ状態「待機中」に代えて「キャンセル」を記憶する。具体的には、管理者端末10は、ジョブID「JA1」に関連付けられているジョブ状態「実行中」に代えて「キャンセル」を記憶する。T230~T236の処理は、
図5のT130~T136の処理と同様である。
【0052】
管理者端末10は、T236でジョブテーブル42を更新すると(
図3のS12)、プリンタ100Bの所属グループ情報「GB」とユーザ端末200A1の所属グループ情報「GA」とが一致しない、即ち、プリンタ100Bがユーザ端末200A1に最も近いプリンタではないと判断する(S14でNO)。また、現時点では、ユーザ端末200A1に最も近いプリンタ100Aにはエラーが発生しておらず(S16でNO)、プリンタ100Aが印刷を実行中でない(S18でNO)。また、ジョブテーブル42から、ジョブID「JA1」によって識別される印刷ジョブが同一ジョブとして特定され(S20でYES)、当該印刷ジョブの状態は「キャンセル」である(S22で「キャンセル」)。従って、管理者端末10は、T242において、通知画面SC1を表示部14に表示させる(S30)。
【0053】
上記の通り、ケースBでは、ユーザ端末200A1のユーザは、プリンタ100Aで印刷中の印刷媒体の不備に気づき、当該印刷をキャンセルする。当該ユーザは、その後、別のプリンタ100Bに印刷を実行させる。従って、管理者は、通知画面SC1を見ることによって、プリンタ100Aにおいて不具合が発生している可能性があることを知ることができ、プリンタ100Aの不具合を解消させることができる。
【0054】
(ケースC;
図7)
続いて、
図7を参照して、ケースCを説明する。ケースCは、ユーザ端末200A1に最も近いプリンタ100Aが印刷を待機中に、同じ印刷対象画像を別のプリンタ100Bにも印刷を実行させるケースである。例えば、ユーザ端末200A1のユーザは、同じ印刷対象画像の印刷を大量に実行させる場合には、複数のプリンタ100A,100Bに印刷を分散させて実行させる。ケースCでは、まず、
図4のT100~T106と同様の処理が実行される。
【0055】
T330~T336の処理は、
図5のT130~T136の処理と同様である。管理者端末10は、T336でジョブテーブル42を更新すると(
図3のS12)、プリンタ100Bの所属グループ情報「GB」とユーザ端末200A1の所属グループ情報「GA」とが一致しない、即ち、プリンタ100Bがユーザ端末200A1に最も近いプリンタではないと判断する(S14でNO)。また、現時点では、ユーザ端末200A1に最も近いプリンタ100Aにはエラーが発生しておらず(S16でNO)、プリンタ100Aが印刷を実行中でない(S18でNO)。また、ジョブテーブル42から、ジョブID「JA1」によって識別される印刷ジョブが同一ジョブとして特定され(S20でYES)、当該印刷ジョブの状態が「待機中」である(S22で「待機中」、S26でYES)。この場合、管理者端末10は、通知画面SC1を表示しない。
【0056】
上記の通り、ケースCでは、プリンタ100A及びプリンタ100Bのそれぞれに印刷を分散して実行させる。このような状況では、プリンタ100Aにおいて不具合が発生している可能性は低い。この場合、通知画面SC1が表示されないので、不必要な画面が表示されることが抑制される。
【0057】
(ケースD;
図8)
続いて、
図8を参照して、ケースDを説明する。ケースDは、ユーザ端末200A1に最も近いプリンタ100Aに印刷対象画像の印刷を実行させ、かつ、異なるプリンタ100Bに異なる印刷対象画像の印刷を実行させるケースである。例えば、ユーザ端末200A1のユーザは、第1及び第2の印刷対象画像の印刷が早期に完了することを望む場合に、第1の印刷対象画像の印刷をプリンタ100Aに実行させ、第2の印刷対象画像の印刷をプリンタ100Bに実行させる。
図8のT400~T406の処理は、印刷対象画像、ファイル名、及びジョブIDが異なる点を除いて、
図4のT100~T106の処理と同様である。この場合、通知画面SC1は表示されない。
【0058】
T430~T436の処理は、
図5のT130~T136の処理と同様である。管理者端末10は、T436でジョブテーブル42を更新すると(
図3のS12)、プリンタ100Bの所属グループ情報「GB」とユーザ端末200A1の所属グループ情報「GA」とが一致しない、即ち、プリンタ100Bがユーザ端末200A1に最も近いプリンタではないと判断する(S14でNO)。また、現時点では、ユーザ端末200A1に最も近いプリンタ100Aにはエラーが発生しておらず(S16でNO)、プリンタ100Aが印刷を実行中でない(S18でNO)。また、ジョブテーブル42から、同一ジョブは特定されない(S20でNO)。この場合、管理者端末10は、通知画面SC1を表示しない。
【0059】
上記の通り、ケースDでは、各プリンタ100A,100Bに異なる印刷対象画像の印刷を実行させる。このような状況では、プリンタ100Aにおいて不具合が発生している可能性は低い。この場合、通知画面SC1が表示されないので、不必要な画面が表示されることが抑制される。
【0060】
(ケースE;
図9)
続いて、
図9を参照して、ケースEを説明する。ケースEは、プリンタ100Aにエラーが発生している状況において、プリンタ100Aとは異なるプリンタ100Bに印刷を実行させるケースである。ケースEでは、まず、
図4のT100~T114と同様の処理が実行される。
【0061】
T500では、プリンタ100Aにおいて紙ジャムが発生する。この場合、プリンタ100Aは、T502において、装置状態情報を管理者端末10に送信する。装置状態情報は、プリンタ100AのプリンタID「PA」と、紙ジャムが発生していることを示す情報「紙ジャム」と、を含む。
【0062】
管理者端末10は、T502において、プリンタ100Aから装置状態情報を受信すると、T504において、プリンタテーブル40を更新する。具体的には、管理者端末10は、プリンタID「PA」に関連付けられている装置状態「印刷中」に代えて「エラー」を記憶する。
【0063】
管理者端末10は、T506において、通知画面SC2を表示部14に表示させる。通知画面SC2は、エラーが発生しているプリンタ100AのプリンタID「PA」と、当該プリンタにおいてエラーが発生していることを示すメッセージと、を含む。管理者は、通知画面SC2を見ることによって、プリンタ100Aにおいてエラーが発生していることを知ることができる。
【0064】
ユーザ端末200A1のユーザは、プリンタ100Aにおいてエラーが発生したので、同じ印刷対象画像の印刷をプリンタ100Bに実行させる。T530~T536の処理は、
図5のT130~T136の処理と同様である。管理者端末10は、T536でジョブテーブル42を更新すると(
図3のS12)、プリンタ100Bの所属グループ情報「GB」とユーザ端末200A1の所属グループ情報「GA」とが一致しない、即ち、プリンタ100Bがユーザ端末200A1に最も近いプリンタではないと判断する(S14でNO)。また、現時点では、ユーザ端末200A1に最も近いプリンタ100Aにはエラーが発生している(S16でYES)。従って、管理者端末10は、通知画面SC1を表示しない。
【0065】
このように、ケースEでは、プリンタ100Aにおいてエラーが発生している状況において、ユーザ端末200A1から最も近いプリンタ100Aとは異なるプリンタ100Bに印刷を実行させても、通知画面SC1は表示されない。上記の通り、プリンタ100Aにエラーが発生している状況では、通知画面SC2が表示されるので(T506)、管理者は、プリンタ100Aにエラーが発生していることを知ることができる。従って、プリンタ100Aに不具合が発生している可能性があることを示す通知画面SC1は不必要な画面となる。このために、不必要な画面が表示されることが抑制される。
【0066】
(ケースF;
図10)
続いて、
図10を参照して、ケースFを説明する。ケースFは、ユーザ端末200A1に最も近いプリンタ100Aにおいて印刷を実行中である場合に、ユーザ端末200A1のユーザが異なるプリンタ100Bに印刷を実行させるケースである。例えば、ユーザ端末200A1のユーザは、プリンタ100Aが印刷を実行中であることを認識すると、印刷結果を早期に取得するために、異なるプリンタ100Bに印刷を実行させる。
【0067】
図10のT600~T606の処理は、ユーザ端末200A2が利用される点、印刷対象画像、ファイル名、及びジョブIDが異なる点を除いて、
図4のT100~T106の処理と同様である。この場合、通知画面SC1は表示されない。また、T610~T614の処理は、ジョブID「JA21」に従った印刷が実行される点を除いて、
図4のT110~T114の処理と同様である。
【0068】
その後、ユーザ端末200A1、プリンタ100A、及び管理者端末10の間で、
図5のT130~T136と同様の処理が実行される。この場合、管理者端末10は、
図10で引用する
図5のT136において、ジョブテーブル42を更新すると(
図3のS12)、プリンタ100Bの所属グループ情報「GB」とユーザ端末200A1の所属グループ情報「GA」とが一致しない、即ち、プリンタ100Bがユーザ端末200A1に最も近いプリンタではないと判断する(S14でNO)。また、現時点では、ユーザ端末200A1に最も近いプリンタ100Aにはエラーが発生しておらず(S16でNO)、プリンタ100Aが印刷を実行中である(S18でYES)。従って、管理者端末10は、通知画面SC1を表示しない。
【0069】
上記の通り、プリンタ100Aにおいて印刷を実行中である場合には、ユーザ端末200A1のユーザは、別のプリンタ100Bに印刷を実行させる。このような状況では、プリンタ100Aにおいて不具合が発生している可能性は低い。この場合、通知画面SC1が表示されないので、不必要な画面が表示されることが抑制される。
【0070】
(第1実施例の効果)
ユーザ端末200A1のユーザは、通常、ユーザ端末200A1に最も近いプリンタ100Aに印刷を実行させるが、プリンタ100Aに不具合が発生している場合には、他のプリンタ(本実施例ではプリンタ100B)に印刷を実行させ得る。このような実情に鑑みて、管理者端末10は、実行情報(
図5のT134参照)に含まれる送信先ID(即ちプリンタID)「PB」によって識別されるプリンタ100Bと、ユーザ端末200A1に最も近いプリンタ100Aと、が一致しないと判断する場合に、プリンタ100Aにおいて不具合が発生している可能性があることを示す通知画面SC1を出力する(
図5のT142)。これにより、管理者は、通知画面SC1を見ることによって、プリンタ100Aにおいて不具合が発生している可能性があることを知ることができる。
【0071】
(対応関係)
管理者端末10が、「管理者端末」の一例である。4個のユーザ端末200A1~200B2、2個のプリンタ100A,100Bが、それぞれ、「複数個のユーザ端末」、「複数個の画像形成装置」の一例である。4個の端末ID「TA1」~「TB2」、2個のプリンタID「PA」、「PB」が、それぞれ、「複数個の端末識別情報」、「複数個の装置識別情報」の一例である。ユーザ端末200A1が、「第1のユーザ端末」の一例である。プリンタ100A,100Bが、「第1の画像形成装置」の一例である。プリンタ100Aが、「第2の画像形成装置」の一例である。プリンタID「PA」、端末ID「TA1」が、それぞれ、「第1の装置識別情報」、「第1の端末識別情報」の一例である。所属グループ情報が、「特定情報(及び所属グループ情報)」の一例である。ファイル名が、「画像識別情報」の一例である。ファイル名F1が、「特定の画像識別情報」の一例である。
図5のT132の実行情報、
図4のT104の実行情報が、それぞれ、「第1の実行情報」、「第2の実行情報」の一例である。通知画面SC1、通知画面SC2が、それぞれ、「第1の通知情報」、「第2の通知情報」の一例である。印刷実行指示(例えば
図4のT102)が、「画像形成指示」の一例である。
【0072】
図3のS10の処理、S14の処理、S30の処理が、それぞれ、「実行情報受信部」、「判断部」、「第1の出力部」によって実行される処理の一例である。
図9のT506の処理が、「第2の出力部」によって実行される処理の一例である。
【0073】
(第2実施例)
続いて、第2実施例を説明する。第2実施例では、対象ユーザ端末に最も近いプリンタの判断手法が、第1実施例とは異なる。
図2に示されるように、第2実施例では、端末テーブル38及びプリンタテーブル40のそれぞれにおいて、所属グループ情報に代えて、位置情報が記憶される。位置情報は、オフィス内の位置(即ち座標)を示す情報であり、管理者によって予め登録される。なお、変形例では、位置情報は、GPS(Global Positioning Systemの略)によって特定される情報であってもよい。
【0074】
(管理者端末10の処理;
図11)
図11を参照して、第2実施例の管理者端末10の処理を説明する。
図11では、
図3と同様の処理には同一の参照番号を付しており、その詳細な説明は省略する。以下では、
図3の処理との相違点について説明する。
【0075】
CPU32は、S113において、対象ユーザ端末と、プリンタテーブル40に含まれる各プリンタIDによって示される各プリンタと、の間の各距離を算出する。具体的には、まず、CPU32は、端末テーブル38から、対象ユーザ端末の端末IDに関連付けられている位置情報(即ち座標)を特定する。次いで、CPU32は、プリンタテーブル40から、1つのプリンタIDと、当該プリンタIDに関連付けられている位置情報(即ち座標)と、を特定する。そして、CPU32は、特定済みの2つの座標を利用して、対象ユーザ端末と当該1つのプリンタとの間の距離を算出し、当該距離を当該プリンタIDに関連付けて記憶する。CPU32は、プリンタテーブル40に含まれる他のプリンタIDについても同様の処理を実行する。
【0076】
CPU32は、S114において、対象プリンタが対象ユーザ端末に最も近いプリンタであるのか否かを判断する。具体的には、CPU32は、S113で算出済みの各距離のうち、最も小さい距離に関連付けられているプリンタIDを特定する。換言すると、CPU32は、対象ユーザ端末に最も近いプリンタのプリンタIDを特定する。そして、CPU32は、対象プリンタのプリンタIDと特定済みのプリンタIDとが一致するのか否かを判断する。CPU32は、対象プリンタのプリンタIDと特定済みのプリンタIDとが一致する場合に、S114でYESと判断して、S16以降の処理をスキップする。一方、CPU32は、対象プリンタのプリンタIDと特定済みのプリンタIDとが一致しない場合に、S114でNOと判断して、S16に進む。
【0077】
(第2実施例の効果)
第2実施例の構成では、管理者端末10は、対象ユーザ端末及び各プリンタの位置情報(即ち座標)に基づいて、対象ユーザ端末と各プリンタとの間の距離を算出する。そして、管理者端末10は、これらの距離に基づいて、対象プリンタが対象ユーザ端末に最も近いプリンタであるのか否かを適切に判断することができる。位置情報が、「特定情報(及び位置情報)」の一例である。
図11のS113の処理、S114の処理が、それぞれ、「算出部」、「判断部」によって実行される処理の一例である。
【0078】
(第3実施例)
続いて、第3実施例を説明する。第3実施例は、回数テーブル44がさらに利用される点が、第1実施例とは異なる。
図2に示されるように、回数テーブル44は、プリンタIDと回数とを関連付けて記憶するテーブルである。回数は、プリンタに不具合が発生している可能性があると判断された回数である。第3実施例では、回数テーブル44内の回数が所定回数に到達する場合に、通知画面SC1が表示される。
【0079】
(管理者端末10の処理;
図12)
図11を参照して、第3実施例の管理者端末10の処理を説明する。
図12では、
図3と同様の処理には同一の参照番号を付しており、その詳細な説明は省略する。以下では、
図3の処理との相違点について説明する。
【0080】
CPU32は、S226において、回数テーブル44を更新する。具体的には、CPU32は、回数テーブル44において、対象プリンタのプリンタIDに関連付けられている回数を1だけインクリメントする。
【0081】
CPU32は、S228において、対象プリンタIDに関連付けられている回数が所定回数(例えば「3」)に到達したのか否かを判断する。CPU32は、当該回数が所定回数に到達したと判断される場合に、S228でYESと判断してS30に進む。一方、CPU32は、当該回数が所定回数に到達していないと判断される場合に、S228でNOと判断して、S30の処理を実行しない。
【0082】
(第3実施例の効果)
第3実施例の構成では、管理者端末10は、回数テーブル44に関連付けられている回数が2以上の所定回数(例えば「3回」)に到達する場合、即ち、プリンタ100Aに不具合が発生している可能性があると判断された回数が所定回数に到達する場合に、通知画面SC1を表示する。このために、管理者端末10は、プリンタ100Aに不具合が発生している可能性が高い状況において、通知画面SC1を表示することができる。
【0083】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0084】
(変形例1)管理者端末10は、
図3のS16の処理を省略可能である。即ち、本変形例では、管理者端末10は、対象ユーザ端末に最も近いプリンタにおいてエラーが発生しているのか否かに関わらず、対象プリンタが対象ユーザ端末に最も近いプリンタと一致しないと判断される場合に、通知画面SC1を表示してもよい。
【0085】
(変形例2)管理者端末10は、
図9のT506の処理を省略可能である。一般的に言うと、「第2の出力部」を省略可能である。
【0086】
(変形例3)管理者端末10は、第2実施例において、各ユーザ端末と、各プリンタと、の間の距離を予め算出し、算出済みの各距離を予めメモリ34に記憶していてもよい。本変形例では、
図11のS113の処理を省略可能である。また、本変形例では、各距離を予め算出する処理が、「算出部」によって実行される処理の一例である。
【0087】
(変形例4)管理者端末10は、
図3のS20~S26の処理を省略可能である。即ち、管理者端末10は、同一ジョブがジョブテーブル42に存在しなくても、対象プリンタが対象ユーザ端末に最も近いプリンタと一致しないと判断される場合に、通知画面SC1を表示してもよい。
【0088】
(変形例5)管理者端末10は、
図3のS24の処理を省略可能である。即ち、管理者端末10は、対象プリンタが対象ユーザ端末に最も近いプリンタと一致しないと判断される場合に、対象ジョブの受信時刻と同一ジョブの受信時刻との差分が所定時間未満であるのか否かに関わらず、通知画面SC1を表示してもよい。
【0089】
(変形例6)管理者端末10は、
図3のS22~S26の処理を省略可能である。即ち、管理者端末10は、対象プリンタが対象ユーザ端末に最も近いプリンタと一致しないと判断され、かつ、同一ジョブがジョブテーブル42に存在する場合に、当該同一ジョブの状態に関わらず、通知画面SC1を表示してもよい。
【0090】
(変形例7)管理者端末10は、
図3のS18の処理を省略可能である。即ち、管理者端末10は、対象ユーザ端末に最も近いプリンタが印刷を実行中であるのか否かに関わらず、対象プリンタが対象ユーザ端末に最も近いプリンタと一致しないと判断される場合に、通知画面SC1を表示してもよい。
【0091】
(変形例8)上記の実施例では、ユーザ端末(例えば200A1)から印刷実行指示を受信したプリンタ(例えば100A)によって、管理者端末10に実行情報が送信された。変形例では、印刷実行指示を送信したユーザ端末によって、管理者端末10に実行情報が送信されてもよい。特に、この場合、当該ユーザ端末は、ユーザから印刷実行を受け付ける場合(
図4のT100参照)に、ジョブIDを生成し、当該ジョブIDを含む印刷実行指示をプリンタに送信してもよい。
【0092】
(変形例9)上記の各実施例では、
図3~
図12の各処理が、ソフトウェア(例えばプログラム36,136,236)によって実現されたが、これらの各処理の少なくとも1つは、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0093】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0094】
2:通信システム、10:管理者端末、12,112,212:操作部、14,114,214:表示部、16,116,216:通信I/F、30,130,230:制御部、32,132,232:CPU、34,134,234:メモリ、36,136,236:プログラム、40:プリンタテーブル、42:ジョブテーブル、44:回数テーブル、100(100A,100B):プリンタ、118:印刷実行部、200(200A1,200A2,200B1,200B2):ユーザ端末