(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175322
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】空気調和システム
(51)【国際特許分類】
F24F 11/36 20180101AFI20231205BHJP
F24F 11/49 20180101ALI20231205BHJP
F24F 11/52 20180101ALI20231205BHJP
F24F 11/70 20180101ALI20231205BHJP
F24F 140/00 20180101ALN20231205BHJP
F24F 110/65 20180101ALN20231205BHJP
【FI】
F24F11/36
F24F11/49
F24F11/52
F24F11/70
F24F140:00
F24F110:65
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087710
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】緒方 佑至
(72)【発明者】
【氏名】千原 稔
(72)【発明者】
【氏名】藤原 正英
(72)【発明者】
【氏名】中山 佳雅
(72)【発明者】
【氏名】赤澤 慶祐
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260BA52
3L260BA73
3L260DA10
3L260EA07
3L260GA17
(57)【要約】
【課題】報知システムによって、ユーザに対する報知を十分に行うことが可能な空気調和システムを提供する。
【解決手段】空気調和システム10は、室内機11と、冷媒漏えいを検知する検知部16と、冷媒漏えいを報知する報知システム17と、を備え、報知システム17が、電力によって音、光、振動のうちの何れかを発生させて報知を行う第1報知部31を有し、検知部16が冷媒漏えいを検知した場合に第1報知部31が作動する第1報知機21と、電力によって音、光、振動のうちの何れかを発生させて報知を行う第2報知部32を有し、検知部16が冷媒漏えいを検知した場合に第2報知部32が作動する第2報知機22と、を有し、第1報知機21及び第2報知機22が、1台の室内機11に対して接続されると共に室内機11から給電される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内機(11)と、
冷媒漏えいを検知する検知部(16)と、
冷媒漏えいを報知する報知システム(17)と、を備え、
前記報知システム(17)が、
電力によって音、光、振動のうちの何れかを発生させて報知を行う第1報知部(31)を有し、前記検知部(16)が冷媒漏えいを検知した場合に前記第1報知部(31)が作動する第1報知機(21)と、
電力によって音、光、振動のうちの何れかを発生させて報知を行う第2報知部(32)を有し、前記検知部(16)が冷媒漏えいを検知した場合に前記第2報知部(32)が作動する第2報知機(22)と、を有し、
前記第1報知機(21)及び前記第2報知機(22)が、1台の前記室内機(11)に対して接続されると共に前記室内機(11)から給電される、空気調和システム(10)。
【請求項2】
前記検知部(16)による冷媒漏えいの検知後に、前記第1報知部(31)及び前記第2報知部(32)のいずれかの作動開始から前記第1報知部(31)及び前記第2報知部(32)の全部の作動終了までの期間である処理期間(S)が、前記第1報知部(31)が作動状態にある第1期間(X1)と、前記第2報知部(32)が作動状態にある第2期間(X2)とを含み、
前記第2期間(X2)が、前記第1報知部(31)が停止状態にある期間(Y1)と重複する期間を含み、かつ、前記第1期間(X1)が、前記第2報知部(32)が停止状態にある期間(Y2)と重複する期間を含む、請求項1に記載の空気調和システム(10)。
【請求項3】
前記第2期間(X2)が、前記第1報知部(31)が停止状態にある期間(Y1)と一致し、かつ、
前記第1期間(X1)が、前記第2報知部(32)が停止状態にある期間(Y2)と一致する、請求項2に記載の空気調和システム(10)。
【請求項4】
前記第1報知部(31)及び前記第2報知部(32)が、音により報知する音報知部(31A,32A)を含む、請求項1~3の何れか一項に記載の空気調和システム(10)。
【請求項5】
前記第1報知部(31)及び前記第2報知部(32)が、光により報知する光報知部(31B,32B)を含む、請求項1~3の何れか一項に記載の空気調和システム(10)。
【請求項6】
前記検知部(16)による冷媒漏えいの検知後に、前記第1報知部(31)及び前記第2報知部(32)のいずれかの作動開始から前記第1報知部(31)及び前記第2報知部(32)の全部の作動終了までの期間である処理期間(S)が、前記第1報知部(31)に所定値(V)以上の電圧が印加されて前記第1報知部(31)が作動状態にある第3期間(X3)と、前記第2報知部(32)に所定値(V)以上の電圧が印加されて前記第2報知部(32)が作動状態にある第4期間(X4)とを含み、
前記第4期間(X4)が、前記第1報知部(31)に前記所定値(V)に比べて低い電圧が印加されて前記第1報知部(31)が作動状態にある期間(Y3)と重複する期間を含み、かつ、前記第3期間(X3)が、前記第2報知部(32)に前記所定値(V)に比べて低い電圧が印加されて前記第2報知部(32)が作動状態にある期間(Y4)と重複する期間を含む、請求項1に記載の空気調和システム(10)。
【請求項7】
前記第1報知部(31)が、音により報知する第1音報知部(31A)と、光により報知する第1光報知部(31B)とを含み、
前記第2報知部(32)が、音により報知する第2音報知部(32A)と、光により報知する第2光報知部(32B)とを含み、
前記検知部(16)による冷媒漏えいの検知後に、前記第1報知部(31)及び前記第2報知部(32)のいずれかの作動開始から前記第1報知部(31)及び前記第2報知部(32)の全部の作動終了までの期間である処理期間(S)は、
前記第1音報知部(31A)が作動状態にある前記第5期間(X5)及び前記第1光報知部(31B)が作動状態にある前記第6期間(X6)が、前記第2音報知部(32A)が停止状態にある期間(Y7)又は前記第2光報知部(32B)が停止状態にある期間(Y8)と重複する期間を有する、又は、
前記第2音報知部(32A)が作動状態にある前記第7期間(X7)及び前記第2光報知部(32B)が作動状態にある前記第8期間(X8)が、前記第1音報知部(31A)が停止状態にある期間(Y5)又は前記第1光報知部(31B)が停止状態にある期間(Y6)と重複する期間を有する、請求項1に記載の空気調和システム(10)。
【請求項8】
前記処理期間(S)が、前記第5期間(X5)と前記第6期間(X6)とを交互に含み、かつ、前記第7期間(X7)と前記第8期間(X8)とを交互に含み、
前記第5期間(X5)及び前記第8期間(X8)が互いに重複する期間を有し、かつ、前記第6期間(X6)及び前記第7期間(X7)が互いに重複する期間を有する、請求項7に記載の空気調和システム(10)。
【請求項9】
前記処理期間(S)が、前記第5期間(X5)と前記第6期間(X6)とを交互に含み、かつ、前記第7期間(X7)と前記第8期間(X8)とを交互に含み、
前記第5期間(X5)及び前記第7期間(X7)が互いに重複する期間を有し、かつ、前記第6期間(X6)及び前記第8期間(X8)が互いに重複する期間を有する、請求項7に記載の空気調和システム(10)。
【請求項10】
前記処理期間(S)と、前記第5期間(X5)及び前記第6期間(X6)のうちの一方と、前記第7期間(X7)及び前記第8期間(X8)のうちの一方とが一致し、
前記処理期間(S)が、前記第5期間(X5)及び前記第6期間(X6)のうちの他方と、前記第7期間(X7)及び前記第8期間(X8)のうちの他方とを交互に含む、請求項7に記載の空気調和システム(10)。
【請求項11】
前記検知部(16)による冷媒漏えいの検知後に、前記第1報知部(31)及び前記第2報知部(32)のいずれかの作動開始から前記第1報知部(31)及び前記第2報知部(32)の全部の作動終了までの期間である処理期間(S)において、
前記第1報知機(21)及び前記第2報知機(22)が信号の送受信を停止する、請求項1に記載の空気調和システム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷媒漏えいの発生をユーザに報知する報知システムを備えた空気調和システムが知られている(特許文献1参照)。前記空気調和システムは、冷媒漏えいの発生を検知した場合に、報知システムが空調を行う対象空間内に設けたリモコンの表示部にメッセージを表示したり、リモコンのスピーカーから音を出力したりすることで、ユーザに対する報知を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記空気調和システムは、空調を行う対象空間が広い場合、前記報知システムによって、リモコンから離れた位置にいるユーザへの報知が十分に行えない場合があった。
【0005】
本開示は、報知システムによって、ユーザに対する報知を十分に行うことが可能な空気調和システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の第1の観点の空気調和システムは、室内機と、冷媒漏えいを検知する検知部と、冷媒漏えいを報知する報知システムと、を備え、前記報知システムが、電力によって音、光、振動のうちの何れかを発生させて報知を行う第1報知部を有し、前記検知部が冷媒漏えいを検知した場合に前記第1報知部が作動する第1報知機と、電力によって音、光、振動のうちの何れかを発生させて報知を行う第2報知部を有し、前記検知部が冷媒漏えいを検知した場合に前記第2報知部が作動する第2報知機と、を有し、前記第1報知機及び前記第2報知機が、1台の前記室内機に対して接続されると共に前記室内機から給電される。
【0007】
本開示の空気調和システムによれば、空調対象空間が広い場合であっても、1台の室内機に対して複数の報知機を設けることによって、報知システムが冷媒漏えいを検知した場合に、報知システムによってユーザに対して十分に報知を行うことができる。
【0008】
(2)本開示の第2の観点の空気調和システムは、前記第1の観点の空気調和システムであって、前記検知部による冷媒漏えいの検知後に、前記第1報知部及び前記第2報知部のいずれかの作動開始から前記第1報知部及び前記第2報知部の全部の作動終了までの期間である処理期間が、前記第1報知部が作動状態にある第1期間と、前記第2報知部が作動状態にある第2期間とを含み、前記第2期間が、前記第1報知部が停止状態にある期間と重複する期間を有する、又は、前記第1期間が、前記第2報知部が停止状態にある期間と重複する期間を有すると好ましい。
【0009】
この場合、第1期間と第2報知機が停止状態にある期間とが重複する期間を有するか、又は第2期間と第1報知機が停止状態にある期間とが重複する期間を有することで、1台の室内機から給電される限られた電力であっても、第1報知部及び第2報知部への印可電圧が低下するのを抑制することができる。
【0010】
(3)本開示の第3の観点の空気調和システムは、前記第2の観点の空気調和システムであって、前記第2期間が、前記第1報知部が停止状態にある期間と一致し、かつ、前記第1期間が、前記第2報知部が停止状態にある期間と一致すると好ましい。
【0011】
この場合、第1報知部及び第2報知部が同時に作動することが無いため、第1報知部及び第2報知部への印可電圧の低下を抑制することができる。
【0012】
(4)本開示の第4の観点の空気調和システムは、前記第1~第3の観点の何れかの空気調和システムであって、前記第1報知部及び前記第2報知部が、音により報知する音報知部を含むと好ましい。
【0013】
この場合、冷媒漏えいを検知した場合に、報知システムが、ユーザに対して音により十分な報知を行うことができる。
【0014】
(5)本開示の第5の観点の空気調和システムは、前記第1~第4の観点の何れかの空気調和システムであって、前記第1報知部及び前記第2報知部が、光により報知する光報知部を含むと好ましい。
【0015】
この場合、冷媒漏えいを検知した場合に、報知システムが、ユーザに対して光により十分な報知を行うことができる。
【0016】
(6)本開示の第6の観点の空気調和システムは、前記第1の観点の空気調和システムであって、前記検知部による冷媒漏えいの検知後に、前記第1報知部及び前記第2報知部のいずれかの作動開始から前記第1報知部及び前記第2報知部の全部の作動終了までの期間である処理期間が、前記第1報知部に所定値以上の電圧が印加されて前記第1報知部が作動状態にある第3期間と、及び前記第2報知部に所定値以上の電圧が印加されて前記第2報知部が作動状態にある第4期間とを含み、前記第4期間が、前記第1報知部に前記所定値に比べて低い電圧が印加されて前記第1報知部が作動状態にある期間と重複する期間を有する、又は、前記第3期間が、前記第2報知部に前記所定値に比べて低い電圧が印加されて前記第2報知部が作動状態にある期間と重複する期間を有すると好ましい。
【0017】
この場合、第1報知部及び第2報知部に対して同時に所定値以上の電圧を印加して報知を実行することが無いため、第1報知部及び第2報知部への印可電圧の低下を抑制することができる。第1報知部及び第2報知部のうちの一方に所定値に比べて低い電圧を印加して報知を実行することによって、他方の報知部による報知を、一方の報知部によって補助することができる。これにより、室内機から第1報知機及び第2報知機へ供給される電力を有効に活用することができる。
【0018】
(7)本開示の第7の観点の空気調和システムは、前記第1の観点の空気調和システムであって、前記報知システムの前記第1報知部が、音により報知する第1音報知部と、光により報知する第1光報知部とを含み、前記第2報知部が、音により報知する第2音報知部と、光により報知する第2光報知部とを含み、前記検知部による冷媒漏えいの検知後に、前記第1報知部及び前記第2報知部のいずれかの作動開始から前記第1報知部及び前記第2報知部の全部の作動終了までの期間である処理期間は、前記第1音報知部が作動状態にある第5期間及び前記第1光報知部が作動状態にある第6期間が、前記第2音報知部が停止状態にある期間又は前記第2光報知部が停止状態にある期間と重複する期間を有する、又は、前記第2音報知部が作動状態にある第7期間及び前記第2光報知部が作動状態にある第8期間が、前記第1音報知部が停止状態にある期間又は前記第1光報知部が停止状態にある期間と重複する期間を有する、と好ましい。
【0019】
この場合、第1報知部及び第2報知部のうちの一方の作動中に、他方の音報知部又は光報知部が停止するため、室内機から給電される電力が限られていても、作動中の一方の報知部への印可電圧が低くなるのを抑制することができる。
【0020】
(8)本開示の第8の観点の空気調和システムは、前記第1の観点の空気調和システムであって、前記処理期間が、前記第5期間及び前記第6期間を交互に含み、かつ、前記第7期間及び前記第8期間を交互に含み、前記第5期間及び前記第8期間が互いに重複する期間を有し、かつ、前記第6期間及び前記第7期間が互いに重複する期間を有すると好ましい。
【0021】
この場合、第1報知部及び第2報知部によって、音による報知と光による報知を切り換えながら報知を行うことで、冷媒漏えいを検知した場合に、室内機から給電される限られた電力によって、報知システムが、ユーザに対して十分に報知することができる。
【0022】
(9)本開示の第9の観点の空気調和システムは、前記第1の観点の空気調和システムであって、前記処理期間が、前記第5期間及び前記第6期間を交互に含み、かつ、前記第7期間及び前記第8期間を交互に含み、前記第5期間及び前記第7期間が互いに重複する期間を有し、かつ、前記第6期間及び前記第8期間が互いに重複する期間を有すると好ましい。
【0023】
この場合、第1報知部及び第2報知部によって、音による報知と光による報知を切り換えながら報知を行うことで、冷媒漏えいを検知した場合に、室内機から給電される限られた電力によって、報知システムが、ユーザに対して十分に報知することができる。
【0024】
(10)本開示の第10の観点の空気調和システムは、前記第1の観点の空気調和システムであって、前記処理期間と、前記第5期間及び前記第6期間のうちの一方と、前記第7期間及び前記第8期間のうちの一方とが一致し、前記処理期間が、前記第5期間及び前記第6期間のうちの他方と、前記第7期間及び前記第8期間のうちの他方とを交互に含むと好ましい。
【0025】
この場合、第1報知部及び第2報知部によって、音又は光の何れか一方による報知を常時実行し、他方による報知を間欠的に行うことで、ユーザによる報知の認知がより容易となる。
【0026】
(11)本開示の第11の観点の空気調和システムは、前記第1~第10の観点の何れかの空気調和システムであって、前記検知部による冷媒漏えいの検知後に、前記第1報知部及び前記第2報知部のいずれかの作動開始から前記第1報知部及び前記第2報知部の全部の作動終了までの期間である処理期間において、前記第1報知機及び前記第2報知機が信号の送受信を停止すると好ましい。
【0027】
この場合、室内機から給電される限られた電力を、報知部の作動のために有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本開示の空気調和システムの概略的な構成図。
【
図4】第1実施形態に係る報知処理を概略的に示す図。
【
図5】第2実施形態に係る報知処理を概略的に示す図。
【
図6】第3実施形態に係る報知処理を概略的に示す図。
【
図7】第4実施形態に係る報知処理を概略的に示す図。
【
図8】第5実施形態に係る報知処理を概略的に示す図。
【
図9】第5実施形態に係る報知処理を概略的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面を参照しつつ、空気調和システムの実施形態を詳細に説明する。
【0030】
(空気調和システムの全体構成)
図1は、本開示の空気調和システムの概略的な構成図である。
図1に示す空気調和システム10は、本開示の空気調和システムの一実施形態であり、空調を行う対象空間の空気の温度を所定の目標温度に調整する。
図1に示すように、空気調和システム10は、室内機11、室外機12、連絡配管13、渡り配線14、電源15、検知部16、及び報知システム17を備える。本実施形態で示す空気調和システム10は、建物Bに設けられており、建物Bの内部の室内A1を空調対象空間としている。本説明では、建物Bの外部を室外A2と称し、建物B内で室内A1の上部にある空間を天井裏A3と称する。
【0031】
図1に示すように、本実施形態の室内機11は所謂カセット型の形態を有し、室内A1及び天井裏A3に亘って設置されている。室外機12は、室外A2に設置されている。なお、本実施形態では、1台の室外機12に1台の室内機11が接続された構成を例示しているが、本開示の空気調和システムの構成はこれに限定されず、例えば、1台の室外機に複数の室内機が接続される構成であってもよい。
【0032】
連絡配管13は、室内機11と室外機12との間を接続する。空気調和システム10は、連絡配管13の他、圧縮機、四路切換弁、室外熱交換器、室外膨張弁、室内熱交換器、及びこれらを接続する冷媒配管を含み、冷媒が循環する冷媒回路を備える。空気調和システム10の冷媒回路に充填される冷媒の種類は、例えばR32である。渡り配線14は、信号線及び電力線を含んでいる。
【0033】
(制御部について)
図2は、本開示の空気調和システムのブロック図である。
図1及び
図2に示すように、空気調和システム10は、当該空気調和システム10の動作を制御する室内制御部11a及び室外制御部12aを備えている。室内制御部11a及び室外制御部12aは、渡り配線14によって相互に通信可能に接続されている。空気調和システム10では、電源15から室外機12に電力を供給すると共に、渡り配線14を介して室内機11に電力を供給する。電源15から室外機12に供給された電力は、室外制御部12aにも供給される。室外制御部12aに供給された電力は、渡り配線14を介して室内制御部11aにも供給される。なお、空気調和システム10は、電源15とは別に、室内機11に電力を供給する電源(図示せず)を別途設ける構成であってもよく、この場合、室内機11用の前記電源から室内制御部11aに電力を供給する。
【0034】
室内制御部11aは、室内機11の動作を制御する装置であり、例えば、CPU等のプロセッサ、RAM、ROM等のメモリを備えたマイクロコンピュータにより構成される。室内制御部11aは、LSI、ASIC、FPGA等を用いてハードウェアとして実現されるものであってもよい。室内制御部11aは、メモリにインストールされたプログラムをプロセッサが実行することによって、所定の機能を発揮する。
【0035】
室外制御部12aは、室外機12の動作を制御する装置であり、例えば、CPU等のプロセッサ、RAM、ROM等のメモリを備えたマイクロコンピュータにより構成される。室外制御部12aは、LSI、ASIC、FPGA等を用いてハードウェアとして実現されるものであってもよい。室外制御部12aは、メモリにインストールされたプログラムをプロセッサが実行することによって、所定の機能を発揮する。
【0036】
(検知部について)
検知部16は、空間に漂うガス状の冷媒を検出可能なガスセンサで構成されている。
図1に示すように、空気調和システム10では、検知部16が室内機11の筐体内に配置されている。このため、空気調和システム10では、室内機11内で冷媒の漏えいがあった場合に、検知部16が漏えいした冷媒を検知することができる。なお、本開示の空気調和システム10では、室内機11内に検知部16を配置しているが、検知部16の配置場所は室内機11の近傍であればよく、室内A1、天井裏A3等に配置されていてもよい。
【0037】
空気調和システム10では、検知部16が冷媒を検知した場合に、室内制御部11aが、室内機11で冷媒漏えいが発生したと判断すると共に報知システム17に対して冷媒漏えいを検知した旨の信号を出力する。なお、本開示の空気調和システム10では、ガス状の冷媒を検知するガスセンサで検知部16を構成しているが、空気調和システム10における検知部16の構成はこれに限定されず、冷媒回路に設けられた各種センサを検知部16として用いても良い。この場合、検知部16(冷媒回路の各種センサ)が検知した空気調和システム10の運転データ(例えば、蒸発器出口における冷媒の過冷却度)に基づいて、室内制御部11a又は室外制御部12aが冷媒回路からの冷媒の漏えいを検知する。なお、本開示の空気調和システム10は、ガス状の冷媒を検出可能なガスセンサと、冷媒回路に設けられた各種センサとを併用して、検知部16を構成してもよい。
【0038】
空気調和システム10では、室内制御部11aに供給された電力が、複数の報知機20(後で説明する第1報知機21及び第2報知機22)に供給される。このように本開示の空気調和システム10では、1つの室内制御部11aから複数の報知機20に電力を供給する。
【0039】
(報知システムについて)
報知システム17は、空気調和システム10で生じた冷媒漏えいを検知部16が検知した場合に、検知結果をユーザに報知するシステムである。報知システム17は、複数の報知機20、及び配線23を有する。
【0040】
図1に示す空気調和システム10では、1つの室内機11に対して複数の報知機20を設けている。このため、空気調和システム10では、1つの室内機に対して1つの報知機(リモコン)を設けた場合に比べて、空調対象空間に居るユーザと報知機20との距離を短縮することができる。このような空気調和システム10は、1つの室内機に対して1つの報知機を設けた場合に比べて、ユーザが報知機20による報知を認知しやすい。
【0041】
本実施形態で示す空気調和システム10は、1つの室内機11が空気調和を担う室内A1内に、2つの報知機20を備えている。以下の説明では、2つの報知機20のうちの一方を第1報知機21と称し、他方を第2報知機22と称する。本説明において単に「報知機20」と記載する場合は、第1報知機21及び第2報知機22に共通する構成について説明している。なお、本実施形態では、1つの室内機11に対して2つの報知機20を設けた場合を例示しているが、本開示の空気調和システムは、1つの室内機に接続される報知機の個数が3個以上であってもよい。
【0042】
(報知機について)
図3は、報知機の概略的な構成図である。
図3に示すように、報知システム17を構成する報知機20は、ユーザが空気調和システム10の操作及び設定を行う場合に使用するリモコンである。報知機20は、配線23によって、室内制御部11aと電気的に接続されている。配線23は、電力線及び信号線を含んでいる。なお、報知システム17では、空気調和システム10用のリモコンを報知機20として用いているが、本開示の空気調和システムを構成する報知機は、報知を行うための(リモコンとは別の)専用品であってもよい。なお、本開示の空気調和システム10では、第1報知機21及び第2報知機22の仕様が同じであるが、第1報知機21の仕様と第2報知機22の仕様とが異なっていてもよい。
【0043】
図3に示すように、報知機20は、表示部20aを有する。表示部20aは、空気調和システム10の運転状態や設定値等を表示する部位であり、液晶パネルにより構成される。空気調和システム10では、表示部20aに表示される情報(文字や図形)に基づいて、ユーザが空気調和システム10の運転状態や設定状態、及び室内A1の温度等を把握することができる。なお、表示部20aを構成する液晶パネルが、バックライトを有する場合は、表示部20aのバックライトを後で説明する光報知部(第1光報知部31B及び第2光報知部32B)として用いてもよい。
【0044】
報知機20は、運転操作ボタン20bを有する。空気調和システム10は、ユーザが運転操作ボタン20bを操作する(押す)ことによって、空気調和システム10の運転及び停止を行うことができる。空気調和システム10では、運転操作ボタン20b上にランプが設けられている。前記ランプは、空気調和システム10が運転状態であるときに電力が供給されて点灯し、空気調和システム10が停止状態であるときに消灯する。本開示の報知システム17では、前記ランプを後で説明する光報知部(第1光報知部31B及び第2光報知部32B)として使用する。
【0045】
報知機20は、第1設定ボタン20c及び第2設定ボタン20dを有する。第1設定ボタン20cは、ユーザが設定値(設定温度等)を入力する際に使用する。第2設定ボタン20dは、ユーザが各種設定項目を選択する際に使用する。
【0046】
報知機20は、筐体に内蔵された発音器を有する。前記発音器は、電力が供給されて音(ブザー音や音声等)を発することで、ユーザに対して情報を提示する。本開示の報知システム17では、前記発音器を後で説明する音報知部(第1音報知部31A及び第2音報知部32A)として使用する。
【0047】
(報知部について)
図1~
図3に示すように、報知機20は、報知部30を備えている。以下の説明では、第1報知機21が備える報知部30を第1報知部31と称し、第2報知機22が備える報知部30を第2報知部32と称する。本説明において単に「報知部30」と記載する場合は、第1報知部31及び第2報知部32に共通する構成を説明している。
【0048】
第1報知部31は、電力により発生する音で報知を行う第1音報知部31Aと、電力により発生する光で報知を行う第1光報知部31Bとを含んでいる。第2報知部32は、電力により発生する音で報知を行う第2音報知部32Aと、電力により発生する光で報知を行う第2光報知部32Bとを含んでいる。なお、本実施形態の報知システム17は、報知部30が、音報知部(第1音報知部31A及び第2音報知部32A)と光報知部(第1光報知部31B及び第2光報知部32B)とを備えているが、報知システム17は、音報知部又は光報知部の何れか一方を備える構成であってもよい。本実施形態の報知システム17は、電力により発生した音及び光で報知を行う報知部30を備えているが、報知システム17が備える報知部は、電力を用いて音及び光以外を発生させて報知を行う報知部であってもよい。本開示の空気調和システムは、例えば、電力により発生した振動で報知を行う報知部や、電力により表示させた文字で報知を行う報知部を備えていてもよい。
【0049】
(報知処理について)
図4は、第1実施形態に係る報知処理を概略的に示す図である。
図1及び
図2に示す報知システム17は、冷媒漏えいを検知した旨の信号が室内制御部11aから報知機20に入力された場合に報知処理を実行する。報知処理とは、報知部30の作動又は停止を含む処理である。具体的には、報知システム17では、第1報知機21及び第2報知機22が報知処理を実行する。以下の説明では、第1報知機21が実行する報知処理を第1報知処理と称し、第2報知機22が実行する報知処理を第2報知処理と称する。以下の説明では、第1報知機21及び第2報知機22が報知処理を実行する期間を処理期間Sと称する。換言すると、報知システム17において、第1報知機21は、処理期間Sにおいて第1報知処理を実行し、かつ、第2報知機22は、処理期間Sにおいて第2報知処理を実行する。第1報知処理は、第1報知機21が第1報知部31を作動させる処理と、第1報知部31に作動状態を継続する指示を与える処理と、第1報知部31を停止させる処理とを含む。第2報知処理は、第2報知機22が第2報知部32を作動させる処理と、第2報知部32に作動状態を継続する指示を与える処理と、第2報知部32を停止させる処理とを含む。なお、報知処理は、第1報知部31及び第2報知部32を停止させる処理を含むが、第1報知部31及び第2報知部32に対して停止状態を継続する指示を与える処理は含まなくてもよい。報知処理は、第1報知部31及び第2報知部32に対して停止状態を継続する指示を与える処理を含んでもよい。
【0050】
図4に示すように、処理期間Sは、時刻t1から時刻t2までの期間である。時刻t1は、検知部16が冷媒漏えいを検知した旨の信号が室内制御部11aから第1報知機21及び第2報知機22に入力された後、第1報知部31及び第2報知部32のうちの少なくとも一方が最初に作動状態となる時刻である。時刻t2は、第1報知部31及び第2報知部32が作動状態となった後、第1報知部31及び第2報知部32が最終の作動を完了した時刻である。時刻t2は、例えば、第1報知機21及び第2報知機22が鳴動期間を設定するタイマーを有する場合に当該タイマーの設定時間が経過した時刻や、ユーザが第1報知機21又は第2報知機22に対して報知処理の停止操作を行った時刻等が該当する。換言すると、処理期間Sは、検知部16による冷媒漏えいの検知後に、第1報知部31及び第2報知部32のいずれかが作動を開始した時(時刻t1)から第1報知部31及び第2報知部32の全部の作動が終了した時(時刻t2)までの期間である。処理期間Sは、第1報知部31が作動状態にある期間と、第2報知部32が作動状態にある期間とを含む。処理期間Sは、第1報知部31が停止状態にある期間を含む場合がある。処理期間Sは、第2報知部32が停止状態にある期間を含む場合がある。なお、
図4には、第1報知機21及び第2報知機22が行う報知処理が1つの処理期間Sで完結する場合を例示しているが、第1報知機21及び第2報知機22は、1つの処理期間Sの後で、さらに報知処理を行う期間(次の処理期間S)を設けてもよい(
図5~
図9に示す各実施形態においても同じ)。
【0051】
報知システム17では、第1報知機21及び第2報知機22が各報知処理を実行している間(換言すると、処理期間Sの間)、第1報知機21及び第2報知機22が外部との信号の送受信を停止すると好ましい。本開示の空気調和システム10では、冷媒漏えいを検知した旨の信号が第1報知機21及び第2報知機22に入力されると、第1報知機21及び第2報知機22がそれぞれ有する制御手段(マイコン等)によって、第1報知部31及び第2報知部32の動作を制御する。例えば報知機20では、冷媒漏えいを検知した旨の信号が入力されたときに当該報知機20が有するタイマーが作動し、前記タイマーの設定に応じて報知部30の作動状態及び停止状態を切り替えてもよい。このような構成を有する第1報知機21及び第2報知機22では、報知処理を実行している間(処理期間Sの間)は、報知処理のために外部との間で信号の送受信をする必要がない。
【0052】
報知システム17では、処理期間Sにおいて、報知機20が外部との信号の送受信を停止することによって、室内制御部11aから供給される限られた電力を報知部30の作動に集中させることが可能となる。これにより、1つの室内制御部11aから複数の報知機20(第1報知機21及び第2報知機22)に電力を供給する構成の報知システム17において、複数の報知機20による報知処理の実行が可能となる。なお、報知システム17では、処理期間Sにおいて、報知機20と室内制御部11aとの間の信号の送受信を継続してもよく、この場合、室内制御部11aが、報知機20の報知処理を制御してもよい。
【0053】
(第1実施形態に係る報知処理)
図4は、第1実施形態に係る報知処理を概略的に示す図である。本開示の空気調和システム10は、第1報知機21及び第2報知機22が、
図4に示す形態で報知処理を実行することができる。
図4に示すように、第1実施形態に係る報知処理において、処理期間Sは、第1作動期間X1及び第2作動期間X2を含む。第1作動期間X1は、第1報知部31が作動状態にある期間である。第2作動期間X2は、第2報知部32が作動状態にある期間である。第1実施形態に係る報知処理において、処理期間Sは、第1停止期間Y1及び第2停止期間Y2を含む。第1停止期間Y1は、第1報知部31が停止状態にある期間である。第2停止期間Y2は、第2報知部32が停止状態にある期間である。
【0054】
第1実施形態に係る報知処理では、第1作動期間X1が、第2停止期間Y2と重複する期間を有する。第1実施形態に係る報知処理では、第2作動期間X2が、第1停止期間Y1と重複する期間を有する。
【0055】
第1報知機21及び第2報知機22は、処理期間Sにおいて、各報知部31,32の作動状態を期間Tの間に切り替える。なお、前記期間Tは「0」であってもよい(以下の説明でも同様)。なお、
図4には、第1作動期間X1と第2作動期間X2とが重複しない(換言すると、処理期間Sに含まれる各タイミングにおいて、第1報知機21及び第2報知機22のうちの少なくとも一つが作動状態にない)場合を例示しているが、第1実施形態に係る報知処理における第1作動期間X1及び第2作動期間X2は、一部であれば重複してもよい。換言すると、処理期間Sは、その一部であれば、第1報知機21及び第2報知機22が同時に作動状態にある期間が含まれていてもよい。この場合、第1作動期間X1及び第2作動期間X2が重複する一部の期間は、できる限り短いと好ましい。
【0056】
第1作動期間X1において、第1光報知部31B又は第1音報知部31Aが作動状態にある。第1停止期間Y1において、第1光報知部31B又は第1音報知部31Aが停止状態にある。第2作動期間X2において、第2光報知部32B又は第2音報知部32Aが作動状態にある。第2停止期間Y2において、第2光報知部32B又は第2音報知部32Aが停止状態にある。なお、
図4では、処理期間Sにおいて、第1作動期間X1、第1停止期間Y1、第2作動期間X2、及び第2停止期間Y2が、全て1回ずつ設けられる場合を例示しているが、第1実施形態に係る報知処理における各期間X1,X2,Y1,Y2の回数は1回ずつでなくてもよい。
図4では、処理期間Sにおいて、第1作動期間X1が第2作動期間X2より先に設けられ、第2停止期間Y2が第1停止期間Y1より先に設けられる場合を例示しているが、第1実施形態に係る報知処理において各期間X1,X2,Y1,Y2を設ける順序はこれに限定されない。
【0057】
第1実施形態に係る報知処理では、処理期間Sに含まれる各タイミングにおいて、第1音報知部31A、第1光報知部31B、第2音報知部32A、及び第2光報知部32Bのうちの少なくとも一つが停止している。換言すると、第1実施形態に係る報知処理では、処理期間Sにおいて、第1音報知部31A、第1光報知部31B、第2音報知部32A、及び第2光報知部32Bの全てが同時に作動状態となることがない。このため、第1実施形態に係る報知処理を実行する報知システム17は、室内制御部11aから供給される限られた電力によって、第1報知機21及び第2報知機22が各報知処理を実行することができる。報知システム17は、1つの室内制御部11aから複数の報知機20(第1報知機21及び第2報知機22)に電力が供給される構成において、複数の報知機20による報知を行うことができる。
【0058】
(第2実施形態に係る報知処理)
図5は、第2実施形態に係る報知処理を概略的に示す図である。本開示の空気調和システム10は、第1報知機21及び第2報知機22が、
図5に示す形態で報知処理を実行することができる。第1報知機21及び第2報知機22は、第2実施形態に係る報知処理を実行する場合、処理期間Sにおいて、第1報知部31及び第2報知部32の作動状態を
図5に示すように切り替える。第2実施形態に係る報知処理において、第1報知機21が実行する第1報知処理は、第1報知部31に所定値V以上の電圧を印加して第1報知部31を作動状態にする処理と、第1報知部31に所定値Vより低い電圧を印加して第1報知部31を作動状態にする処理とを含む。第2実施形態に係る報知処理において、第2報知機22が実行する第2報知処理は、第2報知部32に所定値V以上の電圧を印加して第2報知部32を作動状態にする処理と、第2報知部32に所定値Vより低い電圧を印加して第2報知部32を作動状態にする処理とを含む。
【0059】
第2実施形態に係る報知処理において、処理期間Sは、第1報知部31及び第2報知部32に所定値V以上の電圧が印加されて第1報知部31及び第2報知部が作動状態にある期間と、第1報知部31及び第2報知部32に所定値Vに比べて低い電圧が印加されて第1報知部31及び第2報知部が作動状態にある期間とを含む。以下の説明では、第1報知部31に所定値V以上の電圧が印加されて当該第1報知部31が作動状態にある期間を、第3作動期間X3と称し、第2報知部32に所定値V以上の電圧が印加されて当該第2報知部32が作動状態にある期間を、第4作動期間X4と称する。以下の説明では、第1報知部31に所定値Vに比べて低い電圧が印加されて当該第1報知部31が作動状態にある期間を、(第1の)低電圧作動期間Y3と称し、第2報知部32に所定値Vに比べて低い電圧が印加されて当該第2報知部32が作動状態にある期間を、(第2の)低電圧作動期間Y4と称する。
【0060】
前記所定値Vは、報知部30が、所望の機能及び性能を発揮し得る電圧値であり、「定格値」とも称される。なお、所定値Vは、音報知部(第1音報知部31A及び第2音報知部32A)用の所定値Vである第1所定値V1と、光報知部(第1光報知部31B及び第2光報知部32B)用の所定値Vである第2所定値V2とを含んでいる。
【0061】
第1音報知部31A及び第2音報知部32Aは、第1所定値V1以上の電圧が印加された場合、所望の音圧レベル(例えば、発音器から1m離れた位置で60dB以上)の音を発生させることができ、第1所定値V1に比べて低い電圧が印加された場合、所望の音圧レベルに比べて低い音圧レベルの音を発生させることができる。
【0062】
第1光報知部31B及び第2光報知部32B(前記ランプ)は、第2所定値V2以上の電圧が印加された場合、所望の輝度以上の輝度で発光し、第2所定値V2に比べて低い電圧が印加された場合、所望の輝度に比べて低い輝度で発光する。
【0063】
図5に示すように、第2実施形態に係る報知処理では、処理期間Sが、第3作動期間X3、第4作動期間X4、低電圧作動期間Y3、及び低電圧作動期間Y4を含む。第2実施形態に係る報知処理では、第3作動期間X3が、低電圧作動期間Y4と重複する期間を有する。第2実施形態に係る報知処理では、第4作動期間X4が、低電圧作動期間Y3と重複する期間を有する。なお、
図5には、第3作動期間X3と第4作動期間X4とが重複しない場合を例示しているが、第2実施形態に係る報知処理における第3作動期間X3及び第4作動期間X4は、一部であれば重複してもよい。この場合、第3作動期間X3及び第4作動期間X4が重複する期間は、できる限り短いと好ましい。
【0064】
第3作動期間X3において、第1音報知部31A又は第1光報知部31Bに所定値V以上の電圧が印加されて、第1音報知部31A又は第1光報知部31Bが作動状態にある。低電圧作動期間Y3において、第1音報知部31A又は第1光報知部31Bに所定値Vに比べて低い電圧が印加されて、第1音報知部31A又は第1光報知部31Bが作動状態にある。第4作動期間X4において、第2音報知部32A又は第2光報知部32Bに所定値V以上の電圧が印加されて、第2音報知部32A又は第2光報知部32Bが作動状態にある。低電圧作動期間Y4において、第2音報知部32A又は第2光報知部32Bに所定値Vに比べて低い電圧が印加されて、第2音報知部32A又は第2光報知部32Bが作動状態にある。なお、
図5では、処理期間Sにおいて、第3作動期間X3、低電圧作動期間Y3、第4作動期間X4、及び低電圧作動期間Y4が、全て1回ずつ設けられる場合を例示しているが、第2実施形態に係る報知処理における各期間X3,Y3,X4,Y4の回数は1回ずつでなくてもよい。
図5では、処理期間Sにおいて第3作動期間X3が第4作動期間X4より先に設けられ、低電圧作動期間Y4が低電圧作動期間Y3より先に設けられる場合を例示しているが、第2実施形態に係る報知処理において各期間X3,X4,Y3,Y4を設ける順序はこれに限定されない。
【0065】
第2実施形態に係る報知処理では、処理期間S中の各タイミングにおいて、第1音報知部31A、第1光報知部31B、第2音報知部32A、及び第2光報知部32Bのうちの少なくとも一つが、所定値Vに比べて低い電圧が印加されて作動状態にある。換言すると、第2実施形態に係る報知処理では、処理期間Sにおいて、第1音報知部31A、第1光報知部31B、第2音報知部32A、及び第2光報知部32Bの全てに対して同時に所定値V以上の電圧が印加されることがない。このため、第2実施形態に係る報知処理を実行する報知システム17は、室内制御部11aから供給される限られた電力によって、第1報知機21及び第2報知機22が各報知処理を実行することができる。
【0066】
このように、第2実施形態に係る報知処理を実行する報知システム17は、複数の報知部30のうちの一部の報知部30に所定値V以上の電圧を印加すると共に、残りの報知部30に所定値Vに比べて低い電圧を印加する。この場合、所定値V以上の電圧が印加された一部の報知部30は、所望の機能及び性能を発揮し、かつ、所定値Vに比べて低い電圧が印加された残りの報知部30は、所望の機能及び性能に満たない機能及び性能を発揮する。このような構成の報知システム17では、所望の機能及び性能を発揮している一部の報知部30による報知を、残りの報知部30による報知によって補助することができる。
【0067】
(第3実施形態に係る報知処理)
図2及び
図3に示すように、報知システム17は、第1音報知部31Aと第1光報知部31Bとを含む第1報知部31、及び第2音報知部32Aと第2光報知部32Bとを含む第2報知部32を備える。以下の説明では、第1音報知部31Aが作動状態にある期間を、第5作動期間X5と称し、第1光報知部31Bが作動状態にある期間を、第6作動期間X6と称し、第2音報知部32Aが作動状態にある期間を、第7作動期間X7と称し、第2光報知部32Bが作動状態にある期間を第8作動期間X8と称する。以下の説明では、第1音報知部31Aが停止状態にある期間を、第5停止期間Y5と称し、第1光報知部31Bが停止状態にある期間を、第6停止期間Y6と称し、第2音報知部32Aが停止状態にある期間を、第7停止期間Y7と称し、第2光報知部32Bが停止状態にある期間を第8停止期間Y8と称する。
【0068】
図6は、第3実施形態に係る報知処理を概略的に示す図である。本開示の空気調和システム10は、第1報知機21及び第2報知機22が、
図6に示す形態で報知処理を実行することができる。第3実施形態に係る報知処理を実行する場合、第1報知機21及び第2報知機22は、処理期間Sにおいて、第1音報知部31A、第1光報知部31B、第2音報知部32A、及び第2光報知部32Bの作動状態を
図6に示すように切り替える。第3実施形態に係る報知処理において、処理期間Sは、第5作動期間X5、第6作動期間X6、第7作動期間X7、及び第8作動期間X8を含む。第3実施形態に係る報知処理において、処理期間Sは、第5停止期間Y5、第6停止期間Y6、第7停止期間Y7、及び第8停止期間Y8を含む場合がある。
【0069】
第3実施形態に係る報知処理では、処理期間Sにおいて、第5作動期間X5及び第8作動期間X8が、第6停止期間Y6及び第7停止期間Y7と重複する期間を有する。第3実施形態に係る報知処理では、処理期間Sにおいて、第6作動期間X6及び第7作動期間X7が、第5停止期間Y5及び第8停止期間Y8と重複する期間を有する。換言すると、第3実施形態に係る報知処理では、第5作動期間X5及び第6作動期間X6が、第7停止期間Y7又は第8停止期間Y8と重複する期間を有し、第7作動期間X7及び第8作動期間X8が、第5停止期間Y5又は第6停止期間Y6と重複する期間を有する。なお、
図6には、第5作動期間X5、第6作動期間X6、第7作動期間X7、及び第8作動期間X8が重複しない場合を例示しているが、第3実施形態に係る報知処理における各作動期間X5,X6,X7,X8は、一部であれば重複してもよい。この場合、各作動期間X5,X6,X7,X8が重複する期間は、できる限り短いと好ましい。
【0070】
第3実施形態に係る報知処理では、第1音報知部31A及び第2光報知部32Bが同時に作動状態にある場合がある。この場合、第1光報知部31B及び第2音報知部32Aは停止状態にある。第3実施形態に係る報知処理では、第1光報知部31B及び第2音報知部32Aが同時に作動状態にある場合がある。この場合、第1音報知部31A及び第2光報知部32Bは停止状態にある。なお、
図6では、処理期間Sにおいて、各作動期間X5,X6,X7,X8、及び各停止期間Y5,Y6,Y7,Y8が、全て1回ずつ設けられる場合を例示しているが、第3実施形態に係る報知処理における各作動期間X5,X6,X7,X8、及び各停止期間Y5,Y6,Y7,Y8の回数は1回ずつでなくてもよい。
図6では、処理期間Sにおいて、第5作動期間X5及び第8作動期間X8が、第6作動期間X6及び第7作動期間X7より先に設けられ、第6停止期間Y6及び第7停止期間Y7が、第5停止期間Y5及び第8停止期間Y8より先に設けられる場合を例示しているが、第3実施形態に係る報知処理において各作動期間X5,X6,X7,X8、及び各停止期間Y5,Y6,Y7,Y8を設ける順序はこれに限定されない。
【0071】
第3実施形態に係る報知処理では、処理期間S中の各タイミングにおいて、第1音報知部31A、第1光報知部31B、第2音報知部32A、及び第2光報知部32Bのうちの少なくとも一つが停止している。換言すると、第3実施形態に係る報知処理では、処理期間Sにおいて、第1音報知部31A、第1光報知部31B、第2音報知部32A、及び第2光報知部32Bの全てが同時に作動することがない。このため、第3実施形態に係る報知処理を実行する報知システム17は、室内制御部11aから供給される限られた電力によって、第1報知機21及び第2報知機22が各報知処理を実行することができる。
【0072】
第3実施形態に係る報知処理では、処理期間S中の各タイミングにおいて、第1報知機21及び第2報知機22のうちの何れか一方が音による報知を行うと共に、他方が光による報知を行う。したがって、第3実施形態に係る報知処理を実行する報知システム17は、報知システム17全体として音及び光による報知を継続して行うことができる。このため、第3実施形態に係る報知処理を実行する報知システム17では、報知システム17による報知をユーザがより認知しやすくなる。
【0073】
(第4実施形態に係る報知処理)
図7は、第4実施形態に係る報知処理を概略的に示す図である。本開示の空気調和システム10は、第1報知機21及び第2報知機22が、
図7に示す形態で報知処理を実行することができる。第4実施形態に係る報知処理を実行する場合、第1報知機21及び第2報知機22は、処理期間Sにおいて、第1音報知部31A、第1光報知部31B、第2音報知部32A、及び第2光報知部32Bの作動状態を
図7に示すように切り替える。第4実施形態に係る報知処理において、処理期間Sは、第5作動期間X5、第6作動期間X6、第7作動期間X7、及び第8作動期間X8を含む。第4実施形態に係る報知処理において、処理期間Sは、第5停止期間Y5、第6停止期間Y6、第7停止期間Y7、及び第8停止期間Y8を含む場合がある。
【0074】
第4実施形態に係る報知処理では、処理期間Sにおいて、第5作動期間X5及び第7作動期間X7が、第6停止期間Y6及び第8停止期間Y8と重複する期間を有する。第4実施形態に係る報知処理では、処理期間Sにおいて、第6作動期間X6及び第8作動期間X8が、第5停止期間Y5及び第7停止期間Y7と重複する期間を有する。換言すると、第4実施形態に係る報知処理では、第5作動期間X5及び第6作動期間X6が、第7停止期間Y7又は第8停止期間Y8と重複する期間を有し、第7作動期間X7及び第8作動期間X8が、第5停止期間Y5又は第6停止期間Y6と重複する期間を有する。なお、
図7には、第5作動期間X5、第6作動期間X6、第7作動期間X7、及び第8作動期間X8が重複しない場合を例示しているが、第4実施形態に係る報知処理における各作動期間X5,X6,X7,X8は、一部であれば重複してもよい。この場合、各作動期間X5,X6,X7,X8が重複する期間は、できる限り短いと好ましい。
【0075】
第4実施形態に係る報知処理では、第1音報知部31A及び第2音報知部32Aが同時に作動状態にある場合がある。この場合、第1光報知部31B及び第2光報知部32Bは停止状態にある。第4実施形態に係る報知処理では、第1光報知部31B及び第2光報知部32Bが同時に作動状態にある場合がある。この場合、第1音報知部31A及び第2音報知部32Aは停止状態にある。なお、
図7では、処理期間Sにおいて、各作動期間X5,X6,X7,X8、及び各停止期間Y5,Y6,Y7,Y8が、全て1回ずつ設けられる場合を例示しているが、第4実施形態に係る報知処理における各作動期間X5,X6,X7,X8、及び各停止期間Y5,Y6,Y7,Y8の回数は1回ずつでなくてもよい。
図7では、処理期間Sにおいて、第5作動期間X5及び第7作動期間X7が、第6作動期間X6及び第8作動期間X8より先に設けられ、第6停止期間Y6及び第8停止期間Y8が、第5停止期間Y5及び第7停止期間Y7より先に設けられる場合を例示しているが、第4実施形態に係る報知処理において各作動期間X5,X6,X7,X8、及び各停止期間Y5,Y6,Y7,Y8を設ける順序はこれに限定されない。
【0076】
第4実施形態に係る報知処理では、処理期間S中の各タイミングにおいて、第1音報知部31A、第1光報知部31B、第2音報知部32A、及び第2光報知部32Bのうちの少なくとも一つが停止している。換言すると、第4実施形態に係る報知処理では、処理期間Sにおいて、第1音報知部31A、第1光報知部31B、第2音報知部32A、及び第2光報知部32Bの全てが同時に作動することがない。このため、第4実施形態に係る報知処理を実行する報知システム17は、室内制御部11aから供給される限られた電力によって、第1報知機21及び第2報知機22が報知処理を実行することができる。
【0077】
第4実施形態に係る報知処理では、各音報知部31A,32Aが同時に音による報知を行う場合があるが、この場合、報知音の音圧レベルが高められるため、ユーザが報知システム17による報知をより認知しやすくなる。第4実施形態に係る報知処理では、各光報知部31B,32Bが同時に光による報知を行う場合があるが、この場合、室内A1において複数の箇所で発光が生じるため、ユーザが報知システム17による報知をより認知しやすくなる。
【0078】
(第5実施形態に係る報知処理)
図8及び
図9は、第5実施形態に係る報知処理を概略的に示す図である。本開示の空気調和システム10は、第1報知機21及び第2報知機22が、
図8及び
図9に示す形態で報知処理を実行することができる。
【0079】
ここでは、
図8に示す第5実施形態に係る報知処理を説明する。第1報知機21及び第2報知機22は、
図8に示す第5実施形態に係る報知処理を実行する場合、処理期間Sにおいて、第1音報知部31A、第1光報知部31B、第2音報知部32A、及び第2光報知部32Bの作動状態を
図8に示すように切り替える。第5実施形態に係る報知処理において、処理期間Sは、第5作動期間X5、第6作動期間X6、第7作動期間X7、及び第8作動期間X8を含む。第5実施形態に係る報知処理において、処理期間Sは、第6停止期間Y6、及び第8停止期間Y8を含む。
【0080】
第5実施形態に係る報知処理では、処理期間Sにおいて、第1音報知部31A及び第2音報知部32Aが、常に作動状態にある。換言すると、第5実施形態に係る報知処理では、処理期間Sと、第5作動期間X5及び第7作動期間X7とが一致している。第5実施形態に係る報知処理において、処理期間Sは、第6作動期間X6と第8作動期間X8とを交互に含む。第5実施形態に係る報知処理において、処理期間Sは、第6停止期間Y6と第8停止期間Y8とを交互に含む。
【0081】
第5実施形態に係る報知処理では、第6作動期間X6が、第8停止期間Y8と重複する期間を有し、第8作動期間X8が、第6停止期間Y6と重複する期間を有する。なお、
図8では、第6作動期間X6と第8停止期間Y8とが一致する場合を例示しているが、第5実施形態に係る報知処理では、第6作動期間X6及び第8停止期間Y8が重複する期間を有していればよい。
図8では、第8作動期間X8と第6停止期間Y6とが一致する場合を例示しているが、第5実施形態に係る報知処理では、第8作動期間X8及び第6停止期間Y6が重複する期間を有していればよい。
【0082】
ここでは、
図9に示す第5実施形態に係る報知処理を説明する。第5実施形態に係る報知処理では、処理期間Sにおいて、第1音報知部31A、第1光報知部31B、第2音報知部32A、及び第2光報知部32Bの作動状態を
図9のように切り替える。
図9に示す第5実施形態に係る報知処理において、処理期間Sは、第5作動期間X5、第6作動期間X6、第7作動期間X7、及び第8作動期間X8を含む。第5実施形態に係る報知処理において、処理期間Sは、第5停止期間Y5、及び第7停止期間Y7を含む。
【0083】
第5実施形態に係る報知処理では、処理期間Sにおいて、第1光報知部31B及び第2光報知部32Bが、常に作動状態にある。換言すると、第5実施形態に係る報知処理では、処理期間Sと、第6作動期間X6及び第8作動期間X8とが一致している。第5実施形態に係る報知処理において、処理期間Sは、第5作動期間X5及び第7作動期間X7を交互に含む。第5実施形態に係る報知処理において、処理期間Sは、第5停止期間Y5及び第7停止期間Y7を交互に含む。
【0084】
第5実施形態に係る報知処理では、第5作動期間X5が、第7停止期間Y7と重複する期間を有し、第7作動期間X7が、第5停止期間Y5と重複する期間を有する。なお、
図9では、第5作動期間X5と第7停止期間Y7とが一致する場合を例示しているが、第5実施形態に係る報知処理では、第5作動期間X5及び第7停止期間Y7が重複する期間を有していればよい。
図9では、第7作動期間X7と第5停止期間Y5とが一致する場合を例示しているが、第5実施形態に係る報知処理では、第7作動期間X7及び第5停止期間Y5が重複する期間を有していればよい。
【0085】
第5実施形態に係る報知処理では、第1音報知部31A及び第2音報知部32Aが同時に作動状態にある場合がある。この場合、第1光報知部31B及び第2光報知部32Bのうちの何れか一方が停止状態にある(
図8参照)。第5実施形態に係る報知処理では、第1光報知部31B及び第2光報知部32Bが同時に作動状態にある場合がある。この場合、第1音報知部31A及び第2音報知部32Aのうちの何れか一方が停止状態にある(
図9参照)。なお、
図8では常時報知を行う報知部30を、音報知部同士(第1音報知部31A及び第2音報知部32A)に揃え、
図9では光報知部同士(第1光報知部31B及び第2光報知部32B)に揃えた場合を例示しているが、第5実施形態に係る報知処理は、第1報知機21及び第2報知機22のうちの一方の音報知部(第1音報知部31A又は第2音報知部32A)で常時報知を行うと共に、他方の光報知部(第1光報知部31B又は第2光報知部32B)で常時報知を行う構成であってもよい。
【0086】
第5実施形態に係る報知処理では、処理期間S中の各タイミングにおいて、第1音報知部31A、第1光報知部31B、第2音報知部32A、及び第2光報知部32Bのうちの少なくとも一つが停止している。換言すると、第5実施形態に係る報知処理では、処理期間Sにおいて、第1音報知部31A、第1光報知部31B、第2音報知部32A、及び第2光報知部32Bの全てが同時に作動することがない。このため、第5実施形態に係る報知処理を実行する報知システム17は、室内制御部11aから供給される限られた電力によって、第1報知機21及び第2報知機22が報知処理を実行することができる。
【0087】
図8に示す第5実施形態に係る報知処理では、各音報知部31A,32Aが同時かつ連続して音による報知を行うことで報知音の音圧レベルを高めると共に、各光報知部31B,32Bが交互に点滅して光による報知を行うことで、ユーザが報知システム17による報知をより認知しやすくなる。
【0088】
図9に示す第5実施形態に係る報知処理では、各光報知部31B,32Bが同時かつ連続して光による報知を行うと共に、各音報知部31A,32Aが交互かつ断続的に鳴動して特徴的な音を発することで、ユーザが報知システム17による報知をより認知しやすくなる。
【0089】
[実施形態の作用効果]
(1)上記実施形態の空気調和システム10は、室内機11と、冷媒漏えいを検知する検知部16と、冷媒漏えいを報知する報知システム17と、を備える。空気調和システム10において、報知システム17は、電力によって音、光、振動のうちの何れかを発生させて報知を行う第1報知部31を有し、検知部16が冷媒漏えいを検知した場合に第1報知部31が作動する第1報知機21と、電力によって音、光、振動のうちの何れかを発生させて報知を行う第2報知部32を有し、検知部16が冷媒漏えいを検知した場合に第2報知部32が作動する第2報知機22と、を有する。空気調和システム10において、第1報知機21及び第2報知機22が、1台の室内機11に対して接続されると共に室内機11から給電される。
【0090】
このような空気調和システム10によれば、1台の室内機11に対して第1報知機21及び第2報知機22を設けることによって、室内A1(空調対象空間)が広い場合であっても、冷媒漏えいを検知した場合に、報知システム17によって、ユーザに対して十分に報知を行うことができる。
【0091】
(2)上記実施形態の空気調和システム10は、検知部16による冷媒漏えいの検知後に、第1報知部31及び第2報知部32のいずれかの作動開始から第1報知部31及び第2報知部32の全部の作動終了までの期間である処理期間Sが、第1報知部31が作動状態にある第1作動期間X1と、第2報知部32が作動状態にある第2作動期間X2とを含む。第2作動期間X2が、第1報知部31が停止状態にある期間Y1と重複する期間を有し、かつ、第1作動期間X1が、第2報知部32が停止状態にある期間Y2と重複する期間を有する。この場合、1台の室内機11から給電される限られた電力であっても、第1報知部31及び第2報知部への印可電圧が低下するのを抑制することができる。
【0092】
(3)上記第1実施形態の報知処理を実行する空気調和システム10は、第2作動期間X2が、第1報知部31が停止状態にある第1停止期間Y1と一致し、かつ、第1作動期間X1が、第2報知部32が停止状態にある第2停止期間Y2と一致する。この場合、第1報知部31と第2報知部32とが同時に作動することが無いため、第1報知部31及び第2報知部32への印可電圧の低下を抑制することができる。
【0093】
(4)上記実施形態の空気調和システム10は、第1報知部31が、音により報知する第1音報知部31Aを含み、第2報知部32が、音により報知する第2音報知部32Aを含む。この場合、冷媒漏えいを検知した場合に、ユーザに対して、音により十分な報知を行うことができる。
【0094】
(5)上記実施形態の空気調和システム10は、第1報知部31が、光により報知する第1光報知部31Bを含み、第2報知部32が、光により報知する第2光報知部32Bを含む。この場合、冷媒漏えいを検知した場合に、ユーザに対して、光により十分な報知を行うことができる。
【0095】
(6)上記第2実施形態の報知処理を実行する空気調和システム10は、検知部16による冷媒漏えいの検知後に、第1報知部31及び第2報知部32のいずれかの作動開始から第1報知部31及び第2報知部32の全部の作動終了までの期間である処理期間Sが、第1報知部31に所定値V以上の電圧が印加されて第1報知部31が作動状態にある第3作動期間X3と、第2報知部32に所定値V以上の電圧が印加されて第2報知部32が作動状態にある第4作動期間X4とを含む。第4作動期間X4が、第1報知部31に所定値Vに比べて低い電圧が印加されて第1報知部31が作動状態にある低電圧作動期間Y3と重複する期間を有し、かつ、第3作動期間X3が、第2報知部32に所定値Vに比べて低い電圧が印加されて第2報知部32が作動状態にある低電圧作動期間Y4と重複する期間を有する。この場合、第1報知部31及び第2報知部32に対して同時に所定値V以上の電圧を印加して報知を実行することが無いため、室内機11から各報知部31,32への印可電圧の低下を抑制することができる。第1報知部31及び第2報知部32のうちの一方に所定値Vに比べて低い電圧を印加して報知を実行することによって、第1報知部31及び第2報知部32のうちの他方による報知を、補助することができる。これにより、室内機11から第1報知機21及び第2報知機22へ供給される電力を有効に活用することができる。
【0096】
(7)上記第3及び第4実施形態の報知処理を実行する空気調和システム10は、第1報知部31が、音により報知する第1音報知部31Aと、光により報知する第1光報知部31Bとを含み、第2報知部32が、音により報知する第2音報知部32Aと、光により報知する第2光報知部32Bとを含む。上記第3及び第4実施形態の報知処理を実行する空気調和システム10において、検知部16による冷媒漏えいの検知後に、第1報知部31及び第2報知部32のいずれかの作動開始から第1報知部31及び第2報知部32の全部の作動終了までの期間である処理期間Sは、第1音報知部31Aが作動状態にある第5作動期間X5及び第1光報知部31Bが作動状態にある第6作動期間X6が、第2音報知部32Aが停止状態にある第7停止期間Y7又は第2光報知部32Bが停止状態にある第8停止期間Y8と重複する期間を有する。上記第3及び第4実施形態の報知処理を実行する空気調和システム10において、第1報知処理及び第2報知処理を行う処理期間Sは、第2音報知部32Aが作動状態にある第7作動期間X7及び第2光報知部32Bが作動状態にある第8作動期間X8が、第1音報知部31Aが停止状態にある第5停止期間Y5又は第1光報知部31Bが停止状態にある第6停止期間Y6と重複する期間を有する。この場合、第1報知部31及び第2報知部32のうちの一方の作動中に、他方の音報知部(第1音報知部31A又は第2音報知部32A)又は光報知部(第1光報知部31B又は第2光報知部32B)が停止するため、室内機11から給電される電力が限られていても、作動中の一方の報知部30への印可電圧が低くなるのを抑制することができる。
【0097】
(8)上記第3実施形態の報知処理を実行する空気調和システム10は、処理期間Sが、第5作動期間X5及び第6作動期間X6を交互に含み、かつ、第7作動期間X7及び第8作動期間X8を交互に含み、第5作動期間X5及び第8作動期間X8が互いに重複する期間を有し、かつ、第6作動期間X6及び第7作動期間X7が互いに重複する期間を有する。この場合、第1報知機21及び第2報知機22によって、音による報知と光による報知を切り換えながら報知を行うことで、冷媒漏えいを検知した場合に、室内機11から給電される限られた電力によって、ユーザに対して十分に報知することができる。
【0098】
(9)上記第4実施形態の報知処理を実行する空気調和システム10は、処理期間Sが、第5作動期間X5及び第6作動期間X6を交互に含み、かつ、第7作動期間X7及び第8作動期間X8を交互に含み、第5作動期間X5及び第7作動期間X7が互いに重複する期間を有し、かつ、第6作動期間X6及び第8作動期間X8が互いに重複する期間を有する。この場合、第1報知機21及び第2報知機22によって、音による報知と光による報知を切り換えながら報知を行うことで、冷媒漏えいを検知した場合に、室内機11から給電される限られた電力によって、ユーザに対して十分に報知することができる。
【0099】
(10)上記第5実施形態の報知処理を実行する空気調和システム10は、処理期間Sと、第5作動期間X5及び第6作動期間X6のうちの一方と、第7作動期間X7及び第8作動期間X8のうちの一方とが一致し、処理期間Sが、第5作動期間X5及び第6作動期間X6のうちの他方と、第7作動期間X7及び第8作動期間X8のうちの他方とを交互に含む。この場合、第1報知機21及び第2報知機22によって、音又は光の何れか一方による報知を常時実行し、他方による報知を間欠的に行うことで、ユーザによる報知の認識がより容易となり、冷媒漏えいを検知した場合に、室内機11から給電される限られた電力によって、ユーザに対して十分に報知することができる。
【0100】
(11)上記実施形態の報知システム17は、検知部16による冷媒漏えいの検知後に、第1報知部31及び第2報知部32のいずれかの作動開始から第1報知部31及び第2報知部32の全部の作動終了までの期間である処理期間Sにおいて、第1報知機21及び第2報知機22が信号の送受信を停止する。この場合、室内機11から給電される限られた電力を、第1報知部31及び第2報知部32の作動のために有効に利用することができる。
【0101】
なお、本開示は、以上の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0102】
10 :空気調和システム
11 :室内機
16 :検知部
17 :報知システム
21 :第1報知機
22 :第2報知機
31A :第1音報知部
31B :第1光報知部
32A :第2音報知部
32B :第2光報知部
S :処理期間
X1 :第1作動期間(第1期間)
X2 :第2作動期間(第2期間)
X3 :第3作動期間(第3期間)
X4 :第4作動期間(第4期間)
X5 :第5作動期間(第5期間)
X6 :第6作動期間(第6期間)
X7 :第7作動期間(第7期間)
X8 :第8作動期間(第8期間)
Y1 :第1停止期間(第1報知部が停止状態にある期間)
Y2 :第2停止期間(第2報知部が停止状態にある期間)
Y3 :低電圧作動期間(所定値に比べて低い電圧が印加されて第1報知部が作動状態にある期間)
Y4 :低電圧作動期間(所定値に比べて低い電圧が印加されて第2報知部が作動状態にある期間)
Y5 :第5停止期間(第1音報知部が停止状態にある期間)
Y6 :第6停止期間(第1光報知部が停止状態にある期間)
Y7 :第7停止期間(第2音報知部が停止状態にある期間)
Y8 :第8停止期間(第2光報知部が停止状態にある期間)
V :所定値