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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175358
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/60 20060101AFI20231205BHJP
   B65D 33/36 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
B65D75/60
B65D33/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087766
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中田 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】中島 由人
【テーマコード(参考)】
3E064
3E067
【Fターム(参考)】
3E064AD21
3E064BA17
3E064BA27
3E064BA28
3E064BA29
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA37
3E064BA54
3E064BB03
3E064BC08
3E064BC18
3E064EA12
3E064EA30
3E064FA04
3E064GA04
3E064HN05
3E064HN06
3E064HP10
3E064HS10
3E067AA03
3E067AB99
3E067AC01
3E067BA12A
3E067BB12A
3E067BB16A
3E067BB18A
3E067BB25A
3E067BB26A
3E067CA05
3E067CA06
3E067CA07
3E067CA24
3E067EA06
3E067EB02
3E067EB05
3E067EB07
3E067EB11
3E067EE59
3E067FA01
3E067FB07
3E067FC01
3E067GD07
(57)【要約】
【課題】指や周囲への汚染を引き起こすことなく、液体内容物を注出することができる包装袋を提供すること。
【解決手段】前側フィルム、後側フィルム及び二つ折りされた分岐用フィルムから成る3枚のフィルムで包装袋100を構成する。この包装袋は、液体内容物を収容する収容室Aと、枝分かれした前側小室Bと後側小室Cとを有する。収容室Aは前側フィルムの下側1と後側フィルムの下側2とを重ねて構成されている。分岐用フィルムは折り曲げ線3xで2つに区分され、前側小室Bは前側フィルムの上側1と分岐用フィルムの前側領域3とを重ねて構成され、後側小室Cは後側フィルムの上側2と分岐用フィルムの後側領域3Cとを重ねて構成されている。そして、分岐用フィルムの折り曲げ線3xの位置に内容物注出口4が設けられており、この内容物注出口4と収容室とが、剥離容易な隔離シール線5,5,5によって隔離されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前側フィルム、後側フィルム及び二つ折りされた分岐用フィルムから成る少なくとも3枚のフィルムで構成され、液体内容物を収容する収容室と、この収容室の上部に位置し、枝分かれした2つの小室とを有する包装袋であって、
前記収容室が、前記前側フィルムの下側と後側フィルムの下側とを重ね、その周囲でシールして構成されており、
二つ折りされた前記分岐用フィルムは、その折り曲げ線で2つの領域に区分されており、この2つの領域を、それぞれ、前側領域及び後側領域として、
前記2つの小室のうち、一方の小室(前側小室)が、前記前側フィルムの上側と前記前側領域とを重ね、その周囲でシールして構成されており、他方の小室(後側小室)が、前記後側フィルムの上側と前記後側領域とを重ね、その周囲でシールして構成されており、
かつ、前記分岐用フィルムには、その折り曲げ線の位置に内容物注出口が設けられていると共に、この内容物注出口と前記収容室とが、剥離容易な隔離シール線によって隔離されていることを特徴とする包装袋。
【請求項2】
前記請求項1に記載の包装袋において、前記隔離シール線が前記内容物注出口を囲んでその周囲に設けられていることを特徴とする包装袋。
【請求項3】
前記請求項2に記載の包装袋において、前記隔離シール線が3つの部分から構成されており、そのうち、第1の部分が前記折り曲げ線から前側小室側に位置して、前側フィルムと前側領域とを剥離容易にシールした部分であり、第2の部分が前記折り曲げ線から後側小室側に位置して、後側フィルムと後側領域とを剥離容易にシールした部分であり、第3の部分が前記折り曲げ線から収容室側に位置して、前側フィルムと後側フィルムとを剥離容易にシールした部分であることを特徴とする包装袋。
【請求項4】
前記請求項1に記載の包装袋において、前記隔離シール線が、前記折り曲げ線から収容室側に位置して、前側フィルムと後側フィルムとを剥離容易にシールした部分で構成されており、この隔離シール線と前記内容物注出口との間に、内容物の飛出しを防止する緩衝室が配置されていることを特徴とする包装袋。
【請求項5】
前記請求項4に記載の包装袋において、前記隔離シール線の一部に、収容室側に向けて屈曲した屈曲部を有することを特徴とする包装袋。
【請求項6】
前記請求項1に記載の包装袋において、前記隔離シール線のシール強度が1.0~5.0N/15mmの範囲内にあることを特徴とする包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体内容物を収容する包装袋に係るものである。特にその一部分を切り裂くなどして開封し、開封して設けた開口部から液体内容物を注ぎ出す際に、手等を汚すことなく注ぎ出すことが可能な包装袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
包装袋は、プラスチックフィルム等を基材とする単体または積層体から構成されるものが広く普及しており、さまざまな形態のものが、幅広い用途に用いられており、人々が現代生活を営む上で不可欠なものとなっている。
【0003】
例えばシャンプー等の液体内容物の詰め替え用包装袋としては、矩形状包装袋のコーナー部分に注ぎ出しのための開口部が設けられており、注ぎ口を引き裂くなどして開封し、開封して設けた開口部から液体内容物を注ぎ出す方式のものが広く用いられている。
【0004】
しかしながら、包装袋の引き裂きと、内容物の注ぎ出し作業は相当の注意を払う必要がある作業であり、注出した液体内容物によって手指や周囲への汚染などを引き起こす恐れがあった。
【0005】
特許文献1には、内容物が充填される部分と注ぎ出しの流路を隔てる区画シール部を設けて内容物の飛び出しを防止する提案がなされているが、この場合においても、注ぎ出した際に、注出した液体内容物によって手指や周囲への汚染などを引き起こす恐れは依然として残ったままであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6352728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであって、手指や周囲への汚染を引き起こすことなく、液体内容物を注出することができる包装袋の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、請求項1に記載の発明は、前側フィルム、後側フィルム及び二つ折りされた分岐用フィルムから成る少なくとも3枚のフィルムで構成され、液体内容物を収容する収容室と、この収容室の上部に位置し、枝分かれした2つの小室とを有する包装袋であって、
前記収容室が、前記前側フィルムの下側と後側フィルムの下側とを重ね、その周縁でシールして構成されており、
二つ折りされた前記分岐用フィルムは、その折り曲げ線で2つの領域に区分されており、この2つの領域を、それぞれ、前側領域及び後側領域として、
前記2つの小室のうち、一方の小室(前側小室)が、前記前側フィルムの上側と前記前側領域とを重ね、その周縁でシールして構成されており、他方の小室(後側小室)が、前記後側フィルムの上側と前記後側領域とを重ね、その周縁でシールして構成されており、
かつ、前記分岐用フィルムには、その折り曲げ線の位置に内容物注出口が設けられていると共に、この内容物注出口と前記収容室とが、剥離容易な隔離シール線によって隔離されていることを特徴とする包装袋である。
前記隔離シール線は、例えば、前記内容物注出口を囲んでその周囲に設けることができる。このように前記内容物注出口を囲んでその周囲に前記隔離シール線を設ける場合には、この隔離シール線を3つの部分から構成することが望ましい。この3つの部分のうち、第1の部分は前記折り曲げ線から前側小室側に位置して、前側フィルムと前側領域とを剥離容易にシールした部分である。また、第2の部分は前記折り曲げ線から後側小室側に位置して、後側フィルムと後側領域とを剥離容易にシールした部分である。そして、第3の部分は前記折り曲げ線から収容室側に位置して、前側フィルムと後側フィルムとを剥離容易にシールした部分である。
【0009】
また、隔離シール線を、前記折り曲げ線から収容室側に位置して、前側フィルムと後側フィルムとを剥離容易にシールした部分で構成することも可能である。そして、この場合には、この隔離シール線と前記内容物注出口との間に、内容物の飛出しを防止する緩衝室を配置することができる。また、この場合には、隔離シール線の一部に、収容室側に向けて屈曲した屈曲部を設けることができる。
【0010】
なお、隔離シール線は、そのシール強度が1.0~5.0N/15mmの範囲内にあることが望ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、分岐用フィルムの折り曲げ線の位置に内容物注出口が設けられており、この内容物注出口は二つ折りされたこの分岐用フィルムに挟まれているから、注出された液体内容物がこの分岐用フィルムに付着して汚染することはあっても、手等を汚染することはない。このため、手指や周囲への汚染を引き起こすことなく、液体内容物を注出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は本発明の第1の実施形態に係り、折り曲げ線で分岐用フィルムを開いた状態の包装袋を示す説明用正面図である。
図2図2は本発明の第1の実施形態に係り、折り曲げ線で分岐用フィルムを二つ折りした状態の包装袋を示す説明用正面図である。
図3図3は本発明の第2の実施形態に係り、折り曲げ線で分岐用フィルムを開いた状態の包装袋を示す説明用正面図である。
図4図4は本発明の第2の実施形態に係り、折り曲げ線で分岐用フィルムを二つ折りした状態の包装袋を示す説明用正面図である。
図5図5は第1の比較例に係る包装袋を示す説明用正面図である。
図6図6は第2の比較例に係る包装袋を示す説明用正面図である。
図7図7は第3の比較例に係る包装袋を示す説明用正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の具体例を説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る包装袋100は3枚のフィルムで構成されている。すなわち、前側フィルム、後側フィルム及び二つ折りされた分岐用フィルムである。
【0015】
また、本発明に係る包装袋100は3つの部屋を有している。すなわち、液体内容物を収容する収容室と、この収容室の上部に位置し、枝分かれした2つの小室である。
【0016】
これら各フィルムと各部屋との関係を図面の図1及び図2を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係り、折り曲げ線で分岐用フィルムを開いた状態の包装袋10
0を示す説明用正面図であり、また、図2は折り曲げ線で分岐用フィルムを二つ折りした状態の包装袋100を示す説明用正面図である。
【0017】
前側フィルム、後側フィルム及び二つ折りされた分岐用フィルムは、それぞれ、2つの領域に区分することができる。まず、分岐用フィルムは、折り曲げ線3xを境界として、前側領域3Bと後側領域3Cである。すなわち、分岐用フィルムは前側領域3Bと後側領域3Cとで構成されている。
【0018】
また、前側フィルムは、分岐用フィルムの前記折り曲げ線3xに対向する線を境界として、分岐用フィルムの前記前側領域3Bに重ねられる上側領域1と、後側フィルムに重ねられる下側領域1である。すなわち、前側フィルムは上側領域1と下側領域1とで構成されている。
【0019】
また、後側フィルムは、分岐用フィルムの前記折り曲げ線3xに対向する線を境界として、分岐用フィルムの前記後側領域3に重ねられる上側領域3と、前側フィルムに重ねられる下側領域2である。
【0020】
そして、前記3つの部屋のうち収容室Aは、前側フィルムの下側領域1と後側フィルムの下側領域2とを重ね合わせ、前記折り曲げ線3xを除く周縁でシールして構成されている。図1中、a1,a2,a3は、収容室Aの周縁シール線を示している。
【0021】
また、枝分かれした2つの小室のうち、前側小室Bは、前側フィルムの上側領域1と分岐用フィルムの前側領域3とを重ね合わせ、前記折り曲げ線3xを除く周縁でシールして構成されている。図1中、b1,b2,b3は、前側小室Bの周縁シール線を示している。
【0022】
また、枝分かれした2つの小室のうち、後側小室Cは、後側フィルムの上側領域3Cと分岐用フィルムの後側領域3Cとを重ね合わせ、前記折り曲げ線3xを除く周縁でシールして構成されている。図1中、c1,c2,c3は、後側小室Cの周縁シール線を示している。
【0023】
なお、これら収容室A、前側小室B及び後側小室Cは互いに連通している。そのため、液体内容物を収容室Aの内部に収容するため、通常、収容室Aが下方に位置するように配置される。
【0024】
ところで、これら図1及び図2から分かるように、分岐用フィルムには内容物注出口4が設けられている。この例では、内容物注出口4は分岐用フィルムに設けられた貫通孔で構成されているが、包装袋100の押圧によって生じる液体内容物の内圧によって貫通孔をするものであれば、予め貫通した孔でなくてもよい。例えば、図1及び図2に示す内容物注出口4の周囲の形状に設けられた易破断線(ミシン目又はハーフカット線等)である。
【0025】
そして、この内容物注出口4は分岐用フィルムの前記折り曲げ線3x上に位置している。このように内容物注出口4は折り曲げ線3x上に位置しているため、この内容物注出口4から注ぎ出された液体内容物は分岐用フィルムの前側領域3Bと後側領域3Cとに挟まれた空間に注出されることとなる。そして、このため、こうして注出された液体内容物がこの分岐用フィルムに付着して汚染することはあっても、手等を汚染することはないのである。
【0026】
ところで、開封前に液体内容物が内容物注出口4から注出されることがないように、こ
の内容物注出口4と前記収容室Aとは、剥離容易な隔離シール線によって隔離されている。
【0027】
この例では、隔離シール線は、前記内容物注出口4を囲んでその周囲に設けられている。前述のように内容物注出口4は分岐用フィルムの折り曲げ線3x上に位置しているから、隔離シール線は、分岐用フィルムの前側領域3と前側フィルムの上側領域1とを重ね合わせた部位、すなわち、前側小室Bを構成する領域のうち、内容物注出口4に隣接する部分(第1の部分)と、分岐用フィルムの後側領域3と後側フィルムの上側領域2とを重ね合わせた部位、すなわち、後側小室Cを構成する領域のうち、内容物注出口4に隣接する部分(第2の部分)とで構成される2つの部分に、隔離シール線を設ければよい。図中、符号5は隔離シール線のうち第1の部分に設けられた隔離シール線を示し、符号5は第2の部分に設けられた隔離シール線を示している。
もっとも、このように前側小室Bを構成する領域内に隔離シール線の第1の部分5を設け、かつ、後側小室Cを構成する領域内に隔離シール線の第2の部分5を設けても、内容物注出口4と収容室Aとを確実に隔離できるとは限っていない。このため、内容物注出口4と収容室Aとを確実に隔離することを目的として、前記第1の部分5と第2の部分5に加えて、前側フィルムの下側領域1と後側フィルムの下側領域2とを重ね合わせた部位、すなわち、収容室Aを構成領域のうち、内容物注出口4に隣接する部分(第3の部分)にも隔離シール線を設ける。図中、符号5は第3の部分に設けられた隔離シール線を示している。
【0028】
以上の説明から分かるように、この例の包装袋100では、隔離シール線は、第1の部分5,第2の部分5及び第3の部分5から成る3つの部分で構成されている。第1の部分5は分岐用フィルムの折り曲げ線3xから前側小室B側に位置して、前側フィルムの上側領域1と分岐用フィルムの前側領域3とを剥離容易にシールした部分であり、第2の部分5は分岐用フィルムの折り曲げ線3xから後側小室C側に位置して、後側フィルムの上側領域2と分岐用フィルムの後側領域3とを剥離容易にシールした部分である。また、第3の部分5は分岐用フィルムの折り曲げ線3xから収容室A側に位置して、前側フィルムの下側領域1と後側フィルムの下側領域2とを剥離容易にシールした部分である。
【0029】
隔離シール線は、その3つの部分5,5,5のいずれも、収容室Aを外側から押圧したとき、収容室A内の液体内容物の内圧によって剥離する程度の弱いシール強度を有していることが望ましい。例えば、1.0~5.0N/15mmのシール強度である。隔離シール線のシール強度が1.0N/15mmより小さいと、収容室Aの押圧によってこの隔離シール線を剥離することは容易であるが、その反面、漏れ易くなる。一方、隔離シール線のシール強度が5.0N/15mmより大きいと、漏れにくいが、収容室Aの押圧によってこの隔離シール線を剥離することには、強く押圧する必要が生じる。隔離シール線のシール強度が1.0~5.0N/15mmの範囲にあれば、収容室Aの押圧によってこの隔離シール線を剥離することは容易であり、しかも漏れにくい。なお、さらに望ましくは、2.0~3.0N/15mmのシール強度である。
【0030】
なお、これに対し、前述の各周縁シール線、すなわち、収容室Aの周縁シール線a1,a2,a3、前側小室Bの周縁シール線b1,b2,b3及び後側小室Cの周縁シール線c1,c2,c3は、いずれも、収容室Aを外側から押圧したときの液体内容物の内圧によって剥離しない強いシール強度を有していることが望ましい。例えば、6.0N/15mm以上のシール強度である。
【0031】
ところで、このように剥離容易な隔離シール線は、公知の方法で形成することができる。例えば、所定の部位に剥離容易なヒートシールフィルムを挟んで各フィルムをヒートシールすることによって、これら3つの部分5,5,5から成る隔離シール線を形成することができる。また、各フィルムとしてその内側全面にシーラント層を配置した多層フィルムを使用した場合でも、前述の3つの部位において緩和したシール条件でヒートシールすることによってこれら3つの部分5,5,5から成る隔離シール線を形成することが可能である。
【0032】
この包装袋100は、次のような方法で使用することができる。すなわち、まず、折り曲げ線3xで分岐用フィルムを二つ折りする。すなわち、前側小室Bと後側小室Cとがかさなるようにする(図2参照)。
【0033】
そして、収容室Aを、その外側から押圧する。押圧は手や指を使用して可能である。この押圧によって生じる液体内容物の内圧によって、隔離シール線が剥離して、液体内容物が内容物注出口4に達し、ここから包装袋100の外部へ注出が開始される。前述のように、液体内容物が注ぎ出されるのは分岐用フィルムの前側領域3と後側領域3とに挟まれた空間である。このため、注ぎ出された液体内容物によって分岐用フィルムが汚染することはあっても、手等を汚染することはない。
【0034】
なお、こうして液体内容物の注出を開始した後、二つ折りした前側小室Bと後側小室Cの外側からさらに押圧して、液体内容物を絞り出すことができる。この場合でも、手等が汚染されることはない。
【0035】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る包装袋101は、内容物注出口4と収容室Aとを隔離する隔離シール線6を、前記折り曲げ線3xから収容室A側の位置に配置したものである。
【0036】
図3はこの包装袋101に係り、折り曲げ線3xで分岐用フィルム3を開いた状態の包装袋101を示す説明用正面図であり、また、図4は折り曲げ線3xで分岐用フィルム3を二つ折りした状態の包装袋101を示す説明用正面図である。
【0037】
これらの図から分かるように、隔離シール線6は、収容室A周縁の周縁シール線a2から対向する周縁シール線a3まで延在して、収容室Aの一部を隔離して緩衝室A2としている。
【0038】
この緩衝室A2は、図示のように、隔離シール線6と前記内容物注出口4との間の空間である。そして、このように、隔離シール線6と前記内容物注出口4との間に緩衝室A2を配置した場合には、収容室Aを押圧して隔離シール線6で剥離した場合にも、収容室A内部の液体内容物は、一旦、緩衝室A2に入ってその圧力を減少させることができるから、液体内容物が内容物注出口4から飛び出すことを防止することができる。
【0039】
なお、図1図示のように、隔離シール線6の一部に収容室A側に向けて屈曲した屈曲部6xを設けた場合、収容室Aを押圧したとき、この屈曲部6xに液体内容物の内圧が集中して、この屈曲部6xをその他の部位に先駆けて剥離することができる。そして、このため、液体内容物が内容物注出口4から飛び出すことを一層確実に防止することができる。
【0040】
なお、この隔離シール線6のシール強度は、第1の実施形態に係る隔離シール線の3つの部分5,5,5のシール強度と同様に、1.0~5.0N/15mmのシール強度であってよい。望ましくは、2.0~3.0N/15mmのシール強度である。
【0041】
なお、この例では、屈曲部6xは内容物注出口4に対応して、包装袋101の左右方向中央に配置されているが、必ずしも屈曲部6xを内容物注出口4に対応して配置する必要
はない。屈曲部6xが内容物注出口4に対応していない場合、収容室Aを押圧したときに液体内容物が内容物注出口4から飛び出すことをさらに確実に防止することができるが、その反面、液体内容物を内容物注出口4から注出するための押圧の負担が大きくなる。
【0042】
以上、前側フィルム、後側フィルム及び分岐用フィルムから成る3枚のフィルムで構成された包装袋100及び101を例として本発明を説明したが、これら3枚のフィルムに加えて2つ折りした底部用フィルムを使用し、包装袋の収容室Aの底部にこの2つ折りした底部用フィルムを適用して、底部をガゼット状に開く構造としてもよい。
【0043】
次に、これら前側フィルム、後側フィルム、分岐用フィルムの材質を説明すると、これら各フィルムは、いずれも、基材フィルムの包装袋内側にシーラント層を積層した多層フィルムによって構成することができる。
【0044】
基材フィルムとしては、機械的強度や寸法安定性を有するフィルムを好ましく使用できる。例えば、各種二軸延伸フィルムである。その材質としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリアクリルニトリル、ポリイミド等が例示できる。また、これら各種材質のフィルムを積層し、その他のフィルムを積層した多層構造のフィルムであってもよく、更に、蒸着層や印刷層を設けたフィルムを基材フィルムとしてもよい。
【0045】
その他のフィルムとしては、例えば、アルミニウム箔等の金属箔を例示できる。その層構成中に金属箔を含む基材フィルムは、水蒸気や酸素ガス等のバリア性に優れている。
【0046】
次に、蒸着層としては、アルミニウム等の金属を蒸着して形成した金属蒸着層の他に、無機物を材質とする無機蒸着層を利用することができる。無機物としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化カリウム、酸化錫、酸化ナトリウム、酸化ホウ素、酸化チタン、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムなどの金属の酸化物が使用できる。中でも生産性、価格面から酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどが好ましい。これら金属蒸着層又は無機蒸着層をその層構成中に含む基材フィルムも、水蒸気や酸素ガス等のバリア性に優れている。
【0047】
シーラント層としては、ポリオレフィン系樹脂が使用できる。例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EAA)、アイオノマー、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂である。これらの樹脂を押出し機により製膜してフィルム状として使用すればよい。シーラント層の厚みとしては、50~200μmの範囲であることが好ましい。
【0048】
基材フィルムとシーラント層とは、接着剤を使用して積層することができる。接着剤としてはドライラミネート用接着剤が使用できる。例えば、二液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤等である。積層方法としてはドライラミネート法にて可能である。このほか、接着性樹脂を溶融押出し製膜して、その接着力を失わない間に基材フィルムとシーラント層とを圧着して積層することも可能である。
【0049】
収容室Aの周縁シール線a1,a2,a3、前側小室Bの周縁シール線b1,b2,b3及び後側小室Cの周縁シール線c1,c2,c3と、第1の実施形態に係る包装袋100の隔離シール線の3つの部分5,5,5及び第2の実施形態に係る包装袋101の隔離シール線6は、いずれも、これら各フィルムをヒートシールすることによって形成することができる。そして、前述のように、そのシール条件を調整することにより、前記周縁シール線a1,a2,a3,b1,b2,b3,c1,c2,c3のシール強度を強く、隔離シール線の3つの部分5,5,5及び隔離シール線6のシール強度を弱くすることが可能である。
【0050】
また、前述のように、剥離容易なヒートシールフィルムを挟んで各フィルムをヒートシールすることによって、隔離シール線の3つの部分5,5,5や隔離シール線6のシール強度を弱くすることができる。
【0051】
なお、本発明の包装袋に収容する液体内容物は任意でよいが、例えば、シャンプー、リンス、しょうゆ、ソース等を例として挙げることができる。
【実施例0052】
以下、本発明の実施例及び比較例によって本発明を説明する。
【0053】
(実施例1-1)
この例は、内容物注出口4を囲む3つの部分5,5,5から成る隔離シール線を設けた包装袋100の例である(図1及び図2参照)。
【0054】
この実施例1-1において使用した各フィルムは、いずれも、同じ層構成と材質とを有するものである。すなわち、実施例1-1において使用した前側フィルム、後側フィルム及び分岐用フィルムは、基材フィルムとシーラント層とを接着剤で積層した多層構造のフィルムで、基材フィルムとしては厚さ15μmの延伸ポリアミドフィルムを使用した。また、シーラント層としては多層構造のポリエチレンフィルムを使用した。シーラント層の商品名は出光ユニテック(株)製:ユニクレストMS-615Cで、厚さは50μmである。
【0055】
また、実施例1-1の包装袋100の大きさは、縦80mm、横85mmである。すなわち、前側フィルム及び後側フィルムとして、80mm×85mmのフィルムを使用した。
【0056】
また、分岐用フィルムとして、縦50mm、横85mmのフィルムを使用し、縦方向中央に折り曲げ線3xを設けた。このため、分岐用フィルムの前側領域3と後側領域3とは、いずれも、縦25mm、横85mmの大きさを有している。
【0057】
なお、この分岐用フィルムには、その折り曲げ線3xの左右方向中央に貫通孔を設けて内容物注出口4としている。この内容物注出口4は半径5mmの円形である。
【0058】
そして、図1図4に示すように、前側フィルムと後側フィルムとの間に分岐用フィルムを介在させ、しかも、分岐用フィルムの折り曲げ線3xが下方に位置して、かつ、これら各フィルムの上端を位置合わせして重ね、周縁をシールして周縁シール線a1,a2,a3,b1,b2,b3,c1,c2,c3を形成すると共に、収容室A,前側小室B及び後側小室Bを形成した。
【0059】
周縁シール線a1,a2,a3,b1,b2,b3,c1,c2,c3の幅はいずれも5mmである。このため、周縁シール線a1,a2,a3と折り曲げ線3xとに囲まれた収容室Aは、縦50mm、横75mmの大きさを有している。また、前側小室B及び後側小室Bの大きさは、縦20mm、横75mmである。
【0060】
また、周縁シール線a1,a2,a3,b1,b2,b3,c1,c2,c3のヒートシール条件は、シール温度160℃、シール圧力0.2MPa、シール時間1.0秒で、周縁シール線a1,a2,a3,b1,b2,b3,c1,c2,c3のシール強度は8.0N/15mmである。
【0061】
そして、次に、内容物注出口4を囲む3つの部分5,5,5から成る隔離シール線を設けた。これら3つの部分5,5,5の幅は、いずれも5mmである。すなわち、これら各部分5,5,5は、内容物注出口4と同心円で、半径10mmの円を構成するように形成した。隔離シール線を構成するこれら各部分5,5,5のヒートシール条件は、シール温度100℃、シール圧力0.2MPa、シール時間2.0秒で、そのシール強度は2.5N/15mmである。
【0062】
なお、液体内容物としては、水を使用して、これを収容室Aに密封した。
【0063】
こうして製造した水入りの包装袋100の収容室Aを、その外側から手で押圧して、内部の液体内容物(水)を注ぎ出し、この液体内容物(水)が手や周囲の机に付着するか否か、また、液体内容物(水)を注ぎ出し易いか否かについて調べた。さらにこの包装袋100を加圧したとき、漏れ易いか否かについても調べた。この結果を、他の実施例及び比較例と共に、表1に示す。
【0064】
(実施例1-2)
隔離シール線を構成するこれら各部分5,5,5のシール強度を6.0N/15mmとした他は、実施例1-1と同様に包装袋100を製造した。
【0065】
そして、実施例1-1と同様に、外側から手で押圧して液体内容物(水)を注ぎ出すとき、この液体内容物(水)が手や周囲の机に付着するか否か、また、液体内容物(水)を注ぎ出し易いか否かについて調べた。さらにこの包装袋100を加圧したとき、漏れ易いか否かについても調べた。
【0066】
(実施例1-3)
隔離シール線を構成するこれら各部分5,5,5のシール強度を0.5N/15mmとした他は、実施例1-1と同様に包装袋100を製造した。
【0067】
そして、実施例1-1と同様に、外側から手で押圧して液体内容物(水)を注ぎ出すとき、この液体内容物(水)が手や周囲の机に付着するか否か、また、液体内容物(水)を注ぎ出し易いか否かについて調べた。さらにこの包装袋100を加圧したとき、漏れ易いか否かについても調べた。
【0068】
(実施例2-1)
この例は、内容物注出口4と収容室Aとを隔離する隔離シール線6を、前記折り曲げ線3xから収容室A側の位置に配置した包装袋101の例である(図3及び図4参照)。
【0069】
この実施例2-1で使用した前側フィルム、後側フィルム及び分岐用フィルムの材質と大きさは実施例1-1の各フィルムと同じである。また、分岐用フィルムの折り曲げ線3xの位置、貫通孔から成る内容物注出口4の位置や大きさも実施例1-1の場合と同じである。
【0070】
そして、これら各フィルムを重ねて、周縁シール線a1,a2,a3,b1,b2,b3,c1,c2,c3を形成する方法も実施例1-1の場合と同じであり、これら周縁シール線a1,a2,a3,b1,b2,b3,c1,c2,c3の位置、幅、ヒートシール条件、シール強度も実施例1-1の場合と同じである。
【0071】
しかしながら、実施例1-1の場合と異なり、内容物注出口4を囲む3つの部分5,5,5から成る隔離シール線を設ける代わりに、折り曲げ線3xから収容室A側に位置して、前側フィルムと後側フィルムとを剥離容易にシールした部分で構成された隔離シール線6を設けた。隔離シール線6は、収容室A周縁の周縁シール線a2から対向する周縁シール線a3まで延在しており、このため収容室Aの一部を隔離して緩衝室A2としている。
【0072】
この隔離シール線6は、折り曲げ線3xから15mmの位置である。すなわち、前側フィルムの上端から40mmの位置である。また、隔離シール線6の幅は5mmで、図3及び図4に示すように、内容物注出口4に対応して、包装袋101の左右方向中央に屈曲部6xを配置している。
【0073】
この隔離シール線6のヒートシール条件は、実施例1-1の隔離シール線の3つの部分5,5,5のヒートシール条件と同様に、シール温度100℃、シール圧力0.2MPa、シール時間2.0秒である。また、そのシール強度も、実施例1-1の隔離シール線の3つの部分5,5,5のシール強度と同様に、2.5N/15mmである。
【0074】
そして、実施例1-1と同様に、外側から手で押圧して液体内容物(水)を注ぎ出すとき、この液体内容物(水)が手や周囲の机に付着するか否か、また、液体内容物(水)を注ぎ出し易いか否かについて調べた。さらにこの包装袋101を加圧したとき、漏れ易いか否かについても調べた。
【0075】
(実施例2-2)
隔離シール線6のシール強度を6.0N/15mmとした他は、実施例2-1と同様に包装袋101を製造した。
【0076】
そして、実施例1-1と同様に、外側から手で押圧して液体内容物(水)を注ぎ出すとき、この液体内容物(水)が手や周囲の机に付着するか否か、また、液体内容物(水)を注ぎ出し易いか否かについて調べた。さらにこの包装袋101を加圧したとき、漏れ易いか否かについても調べた。
【0077】
(実施例2-3)
隔離シール線6のシール強度を0.5N/15mmとした他は、実施例2-1と同様に包装袋101を製造した。
【0078】
そして、実施例1-1と同様に、外側から手で押圧して液体内容物(水)を注ぎ出すとき、この液体内容物(水)が手や周囲の机に付着するか否か、また、液体内容物(水)を注ぎ出し易いか否かについて調べた。さらにこの包装袋101を加圧したとき、漏れ易いか否かについても調べた。
【0079】
(比較例1)
この例は、図5に示すように、表側フィルム1と裏側フィルム2とを重ねて、その四方の周縁をヒートシールして形成した四方シール袋200の例である。そして、図5に示すように、上端に平行な切り取り線7に沿ってハサミ8で包装袋200を切り取って開封した。
【0080】
そして、実施例1-1と同様に、液体内容物(水)を注ぎ出すとき、この液体内容物(水)が手や周囲の机に付着するか否か、また、液体内容物(水)を注ぎ出し易いか否かについて調べた。さらにこの包装袋200を加圧したとき、漏れ易いか否かについても調べた。
【0081】
(比較例2)
この例も四方シール袋300であるが、図6に示すように、角部の切り取り線7に沿ってハサミ8で包装袋300を切り取って開封した。
【0082】
そして、実施例1-1と同様に、液体内容物(水)を注ぎ出すとき、この液体内容物(水)が手や周囲の机に付着するか否か、また、液体内容物(水)を注ぎ出し易いか否かについて調べた。さらにこの包装袋300を加圧したとき、漏れ易いか否かについても調べた。
【0083】
(比較例3)
この例も四方シール袋400であるが、周縁シール線の一部を剥離容易な易剥離性シール線9とし、しかも、この易剥離性シール線9を包装袋400の内部に向かって屈曲させて、包装袋400を外側から押圧したとき、液体内容物の内圧がこの易剥離性シール線9に集中するように構成したものである。
【0084】
この包装袋400については、包装袋400を外側から押圧することにより、易剥離性シール線9で剥離した。そして、実施例1-1と同様に、液体内容物(水)を注ぎ出すとき、この液体内容物(水)が手や周囲の机に付着するか否か、また、液体内容物(水)を注ぎ出し易いか否かについて調べた。さらにこの包装袋400を加圧したとき、漏れ易いか否かについても調べた。
【0085】
この結果を表1に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
この結果から分かるように、分岐用フィルムの折り曲げ線の位置に内容物注出口を設け、かつ、この内容物注出口と前記収容室とを剥離容易な隔離シール線によって隔離した実施例においては、隔離シール線のシール強度に拘わらず、包装袋を押圧する手や周囲の机を内容物で汚染することなく、液体内容物を注ぎ出すことができる。
【0088】
なお、隔離シール線のシール強度が5.0N/15mmより大きい(実施例1-2,実施例2-2)と、漏れにくいが、収容室Aの押圧によってこの隔離シール線を剥離することには、強く押圧する必要が生じる。
【0089】
また、隔離シール線のシール強度が1.0N/15mmより小さい(実施例1-3,実施例2-3)と、収容室Aの押圧によってこの隔離シール線を剥離することは容易であるが、その反面、漏れ易くなる。
【符号の説明】
【0090】
100,101:包装袋
A:収容室 a1,a2,a3:収容室の周縁シール線
B:前側小室 b1,b2,b3:前側小室の周縁シール線
C:後側小室 c1,c2,c3:後側小室の周縁シール線
1:前側フィルム 1:前側フィルムの下側 1:前側フィルムの上側
2:後側フィルム 2:後側フィルムの下側 2:後側フィルムの上側
3:分岐用フィルム 3:分岐用フィルムの前側領域 3:分岐用フィルムの後側領域 3x:折り曲げ線
4:内容物注出口
5.隔離シール線 5:隔離シール線の第1の部分 5:隔離シール線の第2の部分 5:隔離シール線の第3の部分
6.隔離シール線 6x:隔離シール線の屈曲部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7