(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175361
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】グリップ構造及び釣竿
(51)【国際特許分類】
A01K 87/00 20060101AFI20231205BHJP
A01K 87/08 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
A01K87/00 620Z
A01K87/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087771
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】中川 慎太郎
【テーマコード(参考)】
2B019
【Fターム(参考)】
2B019AA06
2B019AA14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】使用者の腹部へのグリップの竿尻端部からの電源コードの接触を防止しながら電源コードを簡易かつ確実に係止でき、把持性への影響を低減し、強度の低下も回避グリップ構造を備えた釣竿を提供。
【解決手段】グリップ本体部11と、竿体の雄ネジ部8と螺合する雌ネジ部12を内面に有するナット部13と、グリップ本体11とナット部13との間に設けられ、ナット部13により竿体の軸方向に移動可能にされるフード部14と、ナット部13の外周面に設けられる竿尻グリップ部15とを備え、フード部14は基部16と基部16から軸方向に延伸する内側円筒部17と、基部16から前記軸方向に延伸する外側円筒部18とを有しするグリップ構造を備えた釣竿。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリップ本体部と、釣竿の竿体の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部を内面に有するナット部と、該グリップ本体部と該ナット部との間に設けられ、該ナット部により該竿体の軸方向に移動可能にされるフード部と、該ナット部の外周面に設けられる竿尻グリップ部と、を備える釣竿のグリップ構造であって、
該フード部は、基部と、該基部から前記軸方向に延伸する内側円筒部と、該基部から前記軸方向に延伸する外側円筒部と、を有し、
該外側円筒部には、2つの切欠きが形成されていることを特徴とするグリップ構造。
【請求項2】
前記外側円筒部には、前記2つの切欠きを通って、前記釣竿に取付けられる電動リールの電源コードが挿通可能にされる、請求項1に記載のグリップ構造。
【請求項3】
前記切欠きの形状は、円形、楕円形、多角形又は湾曲状である、請求項1に記載のグリップ構造。
【請求項4】
前記切欠きの幅は、3mmから10mmの範囲の大きさである、請求項1に記載のグリップ構造。
【請求項5】
前記外側円筒部は、前記軸方向に垂直な面でみて、上半部と下半部とを有し、前記切欠きは該上半部又は該下半部のいずれかに設けられる、請求項1に記載のグリップ構造。
【請求項6】
前記フード部と、前記グリップ本体部との間にリング部材が設けられる、請求項1に記載のグリップ構造。
【請求項7】
前記内側円筒部と、前記外側円筒部との間に補強部が設けられる、請求項1に記載のグリップ構造。
【請求項8】
前記釣竿に取付けられる電動リールの電源コードが挿通されると、該電源コードは、前記基部と、前記内側円筒部と、前記外側円筒部と、前記リング部材との間で案内される、請求項6に記載のグリップ構造。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項に記載のグリップ構造と、竿体とを備えた釣竿。
【請求項10】
外面に雄ネジ部が形成された竿体と、
グリップ本体部と、該竿体の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部を内面に有するナット部と、該グリップ本体部と該ナット部との間に設けられ、該ナット部により該竿体の軸方向に移動可能にされるフード部と、該ナット部の外周面に設けられる竿尻グリップ部と、を有するグリップ構造と、
を有する釣竿と、
電源コードを有し、該釣竿に設けられた電動リールと、
を備える電動リール付き釣竿であって、
前記グリップ構造の前記フード部は、基部と、該基部から前記軸方向に延伸する内側円筒部と、該基部から前記軸方向に延伸する外側円筒部と、を有し、該外側円筒部には、2つの切欠きが形成され、
前記外側円筒部には、前記2つの切欠きを通って、前記釣竿に取付けられる電動リールの電源コードが挿通されていることを特徴とする電動リール付き釣竿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリップ構造、及びこれを備えた釣竿又はこれを備えた電動リール付き釣竿に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電動リールを備えた様々な釣竿が知られている。このような釣竿では、釣竿のリールシートに装着された電動リールと外部電源との間に、電源コードが接続され、当該電源コードを介して外部電源から電動リールに給電されることとなる。
【0003】
このような釣竿として、特許文献1では、竿本体の内部に中間コードを配備し、電動リールにリール接続コードが接続され、竿本体の側孔を介してリール接続コードの端部が中間コードに接続される。そして、竿本体の竿尻部において中間コードに電源コードが接続される構造が開示されている。
【0004】
また、特許文献2では、電動リールが取り付けられるリールシートを備え、前記リールシートよりも竿尻側の外周面に、前記電動リールの電源コードを保持するための螺旋状の凹溝を有している釣竿が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-300841号公報
【特許文献2】特開2021-58108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に係る釣竿では、竿本体の内部に中間コードを備える必要があり、構造が複雑になるだけでなく、重量化、高コスト化の問題が提起されていた。また、特許文献2に係る釣竿においても、電動リールの電源コードが邪魔になりにくい構造であるとしても、電源コードを確実に収めるためには大きな凹溝を形成する必要がある一方で確実に係止することも難しく、また竿尻側の外周面に溝があることにより把持性が大幅に悪化し、釣竿の使い勝手が大きく低減されてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、使用者の腹部へのグリップの竿尻端部からの電源コードの接触を防止しながら、電源コードを簡易かつ確実に係止でき、かつ把持性への影響を低減し、また強度の低下も回避することが可能なグリップ構造、及びこれを備えた釣竿を提供することにある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係るグリップ構造は、グリップ本体部と、釣竿の竿体の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部を内面に有するナット部と、該グリップ本体部と該ナット部との間に設けられ、該ナット部により該竿体の軸方向に移動可能にされるフード部と、該ナット部の外周面に設けられる竿尻グリップ部と、を備える釣竿のグリップ構造であって、該フード部は、基部と、該基部から前記軸方向に延伸する内側円筒部と、該基部から前記軸方向に延伸する外側円筒部と、を有し、該外側円筒部には、2つの切欠きが形成されている。
【0009】
本発明の一実施形態に係るグリップ構造において、前記外側円筒部には、前記2つの切欠きを通って、前記釣竿に取付けられる電動リールの電源コードが挿通可能にされる。
【0010】
本発明の一実施形態に係るグリップ構造において、前記切欠きの形状は、円形、楕円形、多角形又は湾曲状である。
【0011】
本発明の一実施形態に係るグリップ構造において、前記切欠きの幅は、3mmから10mmの範囲の大きさである。
【0012】
本発明の一実施形態に係るグリップ構造において、前記外側円筒部は、前記軸方向に垂直な面でみて、上半部と下半部とを有し、前記切欠きは該上半部又は該下半部のいずれかに設けられる。
【0013】
本発明の一実施形態に係るグリップ構造において、前記フード部と、前記グリップ本体部との間にリング部材が設けられる。
【0014】
本発明の一実施形態に係るグリップ構造において、前記内側円筒部と、前記外側円筒部との間に補強部が設けられる。
【0015】
本発明の一実施形態に係るグリップ構造において、前記釣竿に取付けられる電動リールの電源コードが挿通されると、該電源コードは、前記基部と、前記内側円筒部と、前記外側円筒部と、前記リング部材との間で案内される。
【0016】
本発明の一実施形態に係る釣竿は、上記いずれかに記載のグリップ構造と、竿体とを備えるように構成される。
【0017】
本発明の一実施形態に係る電動リール付き釣竿は、外面に雄ネジ部が形成された竿体と、グリップ本体部と、該竿体の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部を内面に有するナット部と、該グリップ本体部と該ナット部との間に設けられ、該ナット部により該竿体の軸方向に移動可能にされるフード部と、該ナット部の外周面に設けられる竿尻グリップ部と、を有するグリップ構造と、を有する釣竿と、電源コードを有し、該釣竿に設けられた電動リールと、を備え、前記グリップ構造の前記フード部は、基部と、該基部から前記軸方向に延伸する内側円筒部と、該基部から前記軸方向に延伸する外側円筒部と、を有し、該外側円筒部には、2つの切欠きが形成され、前記外側円筒部には、前記2つの切欠きを通って、前記釣竿に取付けられる電動リールの電源コードが挿通されている。
【発明の効果】
【0018】
上記実施形態によれば、使用者の腹部へのグリップの竿尻端部からの電源コードの接触を防止しながら、電源コードを簡易かつ確実に係止でき、かつ把持性への影響を低減し、また強度の低下も回避することができるグリップ構造、及びこれを備えた釣竿を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係る釣竿を示すものである。
【
図2】本発明の一実施形態に係るグリップ構造の全体的構成の断面図を示すものである。
【
図3】本発明の一実施形態に係るグリップ構造のフード部の断面図を示すものである。
【
図4】本発明の一実施形態に係るグリップ構造の断面図の一部を示すものである。
【
図5】本発明のその他の実施形態に係るグリップ構造の断面図の一部を示すものである。
【
図6】本発明の一実施形態に係る釣竿の全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るグリップ構造及び釣竿の実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。複数の図面において共通する構成要素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
【0021】
図1は、本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図である。本発明の一実施形態による釣竿は、竿体と、グリップ構造とを備えるが、図示の例では、本発明の一実施形態による釣竿1は、竿体2と、グリップ構造9と、竿体2に取り付けられた電動リール6と、竿体2に取り付けられた釣糸ガイド10と、を備える。図示の実施形態においては、釣糸ガイド10の各々が、竿体の外周面に取り付けられる取付部品に該当する。当該電動リール6は、通常、竿体2に形成されたリールシートを介して、竿体2に取付けられるが、これ以上の詳細は省略する。
【0022】
竿体2は、例えば、元竿3、中竿5、及び穂先竿7等を連結することによって構成されている。これらの各竿体は、例えば、並継ぎ式に継合される。元竿3、中竿5、及び穂先竿7は、振出方式、逆並継方式、インロー方式、又はこれら以外の公知の任意の継合方式により継合され得る。竿体2は、単一の竿体から構成されていても良い。
【0023】
元竿3、中竿5、及び穂先竿7は、例えば、繊維強化樹脂製の管状体で構成されている。この繊維強化樹脂製の管状体は、強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させた繊維強化樹脂プリプレグ(プリプレグシート)を芯金に巻回し、このプリプレグシートを加熱して硬化させることにより作成される。このプリプレグシートに含まれる強化繊維として、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、及びこれら以外の任意の公知の強化繊維を用いることができる。当該プリプレグシートに含まれるマトリクス樹脂として、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。プリプレグシートが硬化された後には、芯金が脱芯される。また、管状体の外表面は、適宜研磨される。各竿体は、中実状に構成されてもよい。
【0024】
図示の実施形態において、元竿3、中竿5及び穂先竿7には、元竿3に装着される電動リール6から繰り出される釣糸を案内する複数の釣糸ガイド10(釣糸ガイド10A~10D)が設けられている。より具体的には、元竿3には釣糸ガイド10Aが設けられ、中竿5には釣糸ガイド10Bが設けられ、穂先竿7には釣糸ガイド10Cが設けられている。穂先竿7の先端には、トップガイド10Dが設けられているが、詳細は省略する。
【0025】
次に、
図2、3及び4を参照して、本発明の一実施形態によるグリップ構造9について説明する。以下の説明において、軸方向(前後方向)及び上下方向は、
図2で示した方向を意味し、左右方向(サイド方向)は、
図2の紙面と直交する方向を意味する。すなわち、前方は釣竿の穂先側、後方は基端側を意味し、上方は、電動リールを装着した際、元竿杆(竿杆)の軸心に対してリール側、下方は、その反対側を意味する。
図2は、本発明の一実施形態によるグリップ構造9の全体的構成を示すものであり、
図4は、当該グリップ構造9の特徴的部分を示すものである。また、
図3は、本発明の一実施形態によるグリップ構造9のフード部の断面図を示すものである。
【0026】
図示のように、本発明の一実施形態に係るグリップ構造9は、グリップ本体部11と、釣竿1の竿体2の雄ネジ部8と螺合する雌ネジ部12を内面に有するナット部13と、該グリップ本体部11と該ナット部13との間に設けられ、該ナット部13により該竿体2の軸方向に移動可能にされるフード部14と、該ナット部13の外周面に設けられる竿尻グリップ部15と、を備える釣竿1のグリップ構造9であって、該フード部14は、基部16と、該基部16から該軸方向に延伸する内側円筒部17と、該基部16から該軸方向に延伸する外側円筒部18と、を有し、該外側円筒部18には、2つの切欠き20a、20bが形成されている。該外側円筒部18には、上記2つの切欠き20a、20bを通って、釣竿1に取付けられる電動リール6の電源コード6aが挿通可能にされる。
【0027】
本発明の一実施形態に係るグリップ構造9によれば、使用者の腹部へのグリップの竿尻端部からの電源コードの接触を防止しながら、電源コードを簡易かつ確実に係止でき、かつ把持性への影響を低減し、また強度の低下も回避することができるグリップ構造を提供することが可能となる。
【0028】
当該フード部14の該基部16には、該軸方向でみて、内側円筒部17とは反対側に、係止部19を備え、該ナット部13に設けられた被係止部26と係合するようにされている。このようにして、ナット部13を回転させ、ナット部13が竿体2に対して移動させることで、ナット部13に接続されたフード部14を竿体2の軸方向に移動可能とすることができる。
【0029】
ここで、該外側円筒部18に設けた上記切欠き20a、20bが2つである場合を例に説明したが、必要に応じて、3つ以上の切欠きを設けることもできる。このようにして、電源コード6aの挿入方向や挿入位置の自由度を更に向上させることができる。
【0030】
本発明の一実施形態に係るグリップ構造9において、当該切欠き20a、20bの形状は、円形、楕円形、多角形(四角形など)又は湾曲状(電源コードが挿入可能なその他の形状)である。このようにして、電源コードの挿通及び係止が可能となる。
【0031】
本発明の一実施形態に係るグリップ構造9において、当該切欠き20a、20bの幅は、3mmから10mmの範囲の大きさである。このようにして、電源コードの挿通及び係止が可能となる。
【0032】
本発明の一実施形態に係るグリップ構造9において、当該外側円筒部18は、竿体2の軸方向に垂直な面でみて、上半部(
図3における上側の半円部分)と下半部(
図3における下側の半円部分)とを有し、当該切欠き20a、20bは該上半部又は該下半部(
図2、3に示す例)のいずれかに設けられる。このようにして、内部に挿通させる部材(電源コード)を極力直線状としながら、該電源コードの挿通及び係止が可能となる。また、本発明の一実施形態に係るグリップ構造9において、当該外側円筒部18は、竿体2の軸方向に垂直な面でみて、右半部(
図3における右側の半円部分)と左半部(
図3における左側の半円部分)とを有し、当該切欠き20a、20bは該右半部又は該左半部のいずれかに設けられるようにしてもよい。なお、切欠き20a、20bの位置はこれらに限定されず、適宜所望の位置に設けることができる。
【0033】
本発明の一実施形態に係るグリップ構造9において、当該フード部14と、当該グリップ本体部11との間にリング部材23が設けられる。このようにして、リング部材によりグリップ本体の弾性部材が破損する事を防いだり、リング部材によって装飾性の向上が可能となる。
【0034】
本発明の一実施形態に係るグリップ構造9において、当該内側円筒部17と、当該外側円筒部18との間に補強部24が設けられる。なお、
図3と
図4とで補強部24の位置、形状は異なり、
図3の例では、補強部24は、
図3の紙面の左右方向に形成され、
図4の例では、
図4の紙面の上下方向(フード部14の径方向)に形成されている。このようにして、フード部の軽量化及び強度向上が可能となる。
【0035】
本発明の一実施形態に係るグリップ構造9において、当該釣竿1に取付けられる電動リール6の電源コード6aが挿通されると、該電源コード6aは、当該基部16と、当該内側円筒部17と、当該外側円筒部18と、当該リング部材23(当該リング部材23がない場合は、当該グリップ本体部11)との間で案内される。このようにして、電源コードの確実な係止が可能となる。
【0036】
また、
図5に示すように、本発明の一実施形態に係るグリップ構造9において、当該釣竿1に取付けられる電動リール6の電源コード6aが挿通されると、該電源コード6aは、当該基部16と、当該内側円筒部17と、当該外側円筒部18とに設けた調整部25(図示の例では、コの字状に形成されている)と、当該リング部材23(当該リング部材23がない場合は、当該グリップ本体部11)との間で案内される。このようにして、電源コードの寸法により、フード部内で電源コードをより確実に保持することが可能となる。なお、当該調整部は、ゴムやエラストマー等の材料を用いることができ、また、当該調整部は、チューブ状、四角形状に形成してもよい。
【0037】
本発明の一実施形態に係る釣竿1は、上記いずれかに記載のグリップ構造9と、竿体2とを備えるように構成される。
【0038】
次に、
図4、6に示すように、本発明の一実施形態に係る電動リール6付き釣竿1は、外面に雄ネジ部8が形成された竿体2と、グリップ本体部11と、該竿体2の雄ネジ部8と螺合する雌ネジ部12を内面に有するナット部13と、該グリップ本体部11と該ナット部13との間に設けられ、該ナット部13により該竿体2の軸方向に移動可能にされるフード部14と、該ナット部13の外周面に設けられる竿尻グリップ部15と、を有するグリップ構造9と、を有する釣竿1と、電源コード6aを有し、該釣竿1に設けられた電動リール6と、を備え、当該グリップ構造9の当該フード部14は、基部16と、該基部16から竿体2の軸方向に延伸する内側円筒部17と、該基部16から該軸方向に延伸する外側円筒部18と、を有し、該外側円筒部18には、2つの切欠き20a、20bが形成され、該外側円筒部18には、該2つの切欠き20a、20bを通って、該釣竿1に取付けられる電動リール6の電源コード6aが挿通されている。
【0039】
本発明の一実施形態に係るグリップ構造によれば、使用者の腹部へのグリップの竿尻端部からの電源コードの接触を防止しながら、電源コードを簡易かつ確実に係止でき、かつ把持性への影響を低減し、また強度の低下も回避することができるグリップ構造を備えた釣竿を提供することが可能となる。
【0040】
ここで、本発明の一実施形態に係るグリップ構造9において、ナット部13及びフード部14は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ガラス強化プラスチック(GFRP)、Al又はMgにより形成することができる。また、該ナット部13及びフード部14の材料として、GFRTP(連続繊維)、GFRTP(不連続繊維)、CFRTP(連続繊維)、CFRTP(不連続繊維)又はハイブリッドで形成するようにしてもよい。このような材料で形成することで、十分な剛性や強度を確保しつつ重量の増大を抑制することができる。また、本発明の一実施形態に係るグリップ構造9において、グリップ本体部11及び竿尻グリップ部15は、EVA、発泡材料、エラストマー等で形成されるが、これらに限られない。
【0041】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0042】
1 釣竿
2 竿体
3 元竿
5 中竿
6 電動リール
6a 電源コード
7 穂先竿
8 雄ネジ部
9 グリップ構造
10 釣糸ガイド
11 グリップ本体部
12 雌ネジ部
13 ナット部
14 フード部
15 竿尻グリップ部
16 基部
17 内側円筒部
18 外側円筒部
19 係止部
20a、20b 切欠き
21 上半部
22 下半部
23 リング部材
24 補強部
25 調整部
26 被係止部