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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175378
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】オイルポンプ装置
(51)【国際特許分類】
   F04C 15/06 20060101AFI20231205BHJP
   F04C 2/10 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
F04C15/06 D
F04C2/10 341E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087798
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 哲
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 啓樹
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 匡将
(72)【発明者】
【氏名】林 裕介
【テーマコード(参考)】
3H041
3H044
【Fターム(参考)】
3H041AA02
3H041BB03
3H041CC14
3H041DD01
3H041DD10
3H041DD13
3H041DD38
3H044AA02
3H044BB03
3H044CC13
3H044DD01
3H044DD13
3H044DD18
3H044DD28
(57)【要約】
【課題】オイルと共に不純物が循環するのを抑制したオイルポンプ装置を提供する。
【解決手段】オイルポンプ装置は、オイルを吸入する吸入口、オイルを吐出する吐出口、及び吸入口と吐出口とを接続するオイル流路が形成されたハウジングと、オイル流路に配置されて、吸入口から吸入されたオイルを吐出口に向けて圧送するオイルポンプとを備える。オイル流路は、一端がハウジングの外面に開口した第1流路(49)と、開口の位置と異なる接続位置(P3)において第1流路(49)に接続され、第1流路(49)と異なる方向に延設された第2流路(48)と、第1流路(49)の開口及び接続位置(P3)の間に形成されたオイル溜まり(49A)とを含む。オイルポンプ装置は、開口を閉塞する閉塞部材(53)をさらに備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルを吸入する吸入口、オイルを吐出する吐出口、及び前記吸入口と前記吐出口とを接続するオイル流路が形成されたハウジングと、
前記オイル流路に配置されて、前記吸入口から吸入されたオイルを前記吐出口に向けて圧送するオイルポンプとを備えるオイルポンプ装置において、
前記オイル流路は、
一端が前記ハウジングの外面に開口した第1流路と、
前記開口の位置と異なる接続位置において前記第1流路に接続され、前記第1流路と異なる方向に延設された第2流路と、
前記第1流路の前記開口及び前記接続位置の間に形成されたオイル溜まりとを含み、
前記開口を閉塞する閉塞部材をさらに備えることを特徴とするオイルポンプ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のオイルポンプ装置において、
前記閉塞部材は、
前記開口を液密に閉塞するように、前記ハウジングの外面に密着するプレートと、
前記ハウジングの外面に形成されたボルト穴に螺合して、前記プレートを前記ハウジングの外面に固定するボルトとで構成されていることを特徴とするオイルポンプ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のオイルポンプ装置において、
前記開口は、前記第1流路のオイルの流れの下流側の端部に形成され、
前記第2流路は、前記開口よりオイルの流れの上流側の前記接続位置において、前記第1流路に接続されていることを特徴とするオイルポンプ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のオイルポンプ装置において、
前記開口は、上下方向に延設された前記第1流路の下端に形成され、
前記第2流路は、前記開口より上方の前記接続位置において、前記第1流路に接続されていることを特徴とするオイルポンプ装置。
【請求項5】
請求項1に記載のオイルポンプ装置において、
前記第1流路、前記第2流路、及び前記オイル溜まりは、前記オイルポンプよりオイルの流れの上流側に配置されていることを特徴とするオイルポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイルポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals、持続可能な開発のための2030アジェンダ、平成27(2015)年9月25日国連サミット採択、以下「SDGs」という)の推進に向けた取り組みが行われている。それに伴い、持続可能な生産消費形態の確保などのため、廃棄物の発生防止、廃棄物の削減、ならびに製品の再生利用および再利用によって廃棄物の発生を大幅に削減することなどを目指す技術が知られている。
【0003】
従来より、自動車などに搭載されるエンジン内を潤滑するために、エンジンにオイルを供給するオイルポンプ装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。このようなオイルポンプ装置は、エンジンから排出されたオイルを吸入する吸入口と、吸入口から吸入されたオイルを圧縮するオイルポンプと、オイルポンプによって圧縮されたオイルをエンジンに向けて吐出する吐出口とを備える。
【0004】
このようなオイルポンプ装置を用いることにより、エンジン内を潤滑したオイルは、オイルポンプ装置に還流して、再びエンジンに向けて圧送される。換言すれば、オイルは、エンジンとオイルポンプ装置との間を循環する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-023634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
エンジンとオイルポンプ装置との間を循環するオイルには、例えば、エンジンの摺動部分の摩耗によって生じた不純物(例えば、金属粉)が混入する。そして、オイル内の不純物は、オイルポンプに挟まって動作不良を生じさせたり、摺動部分を傷つけたりする可能性がある。その結果、オイルポンプ装置自体または潤滑対象(例えば、エンジン)のメンテナンスの頻度が増加したり、寿命が短くなるという課題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、オイルと共に不純物が循環するのを抑制したオイルポンプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、オイルを吸入する吸入口、オイルを吐出する吐出口、及び前記吸入口と前記吐出口とを接続するオイル流路が形成されたハウジングと、前記オイル流路に配置されて、前記吸入口から吸入されたオイルを前記吐出口に向けて圧送するオイルポンプとを備えるオイルポンプ装置において、前記オイル流路は、一端が前記ハウジングの外面に開口した第1流路と、前記開口の位置と異なる接続位置において前記第1流路に接続され、前記第1流路と異なる方向に延設された第2流路と、前記第1流路の前記開口及び前記接続位置の間に形成されたオイル溜まりとを含み、前記開口を閉塞する閉塞部材をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、オイルと共に不純物が循環するのを抑制したオイルポンプ装置を得ることができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係るオイルポンプ装置の外観斜視図である。
図2】オイルポンプ装置を斜め上方から見た分解斜視図である。
図3】オイルポンプ装置を斜め下方から見た分解斜視図である。
図4】モータハウジング内のオイル流路の断面図である。
図5】バルブハウジング内のオイル流路の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るオイルポンプ装置1を説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係るオイルポンプ装置1の外観斜視図である。図2は、オイルポンプ装置1を斜め上方から見た分解斜視図である。図3は、オイルポンプ装置1を斜め下方から見た分解斜視図である。
【0013】
なお、本明細書では、後述するモータ2の出力軸及び流路46、47、49の延設方向を「上下方向」と定義し、後述する流路44の延設方向を「前後方向」と定義し、後述する流路45、48、50の延設方向を「左右方向」と定義する。なお、モータ2の出力軸及び流路45~50の延設方向は、前述の例に限定されない。
【0014】
本実施形態に係るオイルポンプ装置1は、例えば自動車に搭載されたエンジンクラッチや変速機構クラッチ(潤滑対象の一例)に油圧を供給する。但し、オイルポンプ装置1の用途は、これに限定されない。図1に示すように、オイルポンプ装置1は、モータ2と、オイルポンプ3と、リリーフバルブ4とを備える、所謂「電動オイルポンプ」である。
【0015】
モータ2は、オイルポンプ3を回転させるための駆動力を発生させる。モータ2は、例えば、モータハウジング10と、ブラシレスモータ11と、ドライバ回路12とを主に備える。モータハウジング10は、ブラシレスモータ11及びドライバ回路12を収容する。ブラシレスモータ11は、外部から電力の供給を受けて回転する。ドライバ回路12は、ブラシレスモータ11の回転を制御する。モータ2は、所謂「機電一体型」のモータである。ブラシレスモータ5及びドライバ回路6の構成は既に周知なので、詳細な説明は省略する。
【0016】
オイルポンプ3は、ブラシレスモータ5の駆動力が伝達されて回転することによって、オイルを圧縮して送り出す(以下、「圧送」と表記する)。より詳細には、オイルポンプ3は、後述するオイル流路43に配置されている。そして、オイルポンプ3は、後述する吸入口41から吸入されたオイルを、後述する吐出口42に向けて圧送する。図2及び図3に示すように、オイルポンプ3は、ポンプハウジング20と、アウターロータ21と、インナーロータ22とを主に備える。
【0017】
ポンプハウジング20は、アウターロータ21及びインナーロータ22を収容する。アウターロータ21は、ポンプハウジング20内に固定されている。インナーロータ22は、ブラシレスモータ5の出力軸に取り付けられて、アウターロータ21内に回転自在に収容されている。そして、ブラシレスモータ5の駆動力によってインナーロータ22が回転すると、アウターロータ21及びインナーロータ22の間の隙間が変化して、オイルを圧縮する。オイルポンプ3の構成は既に周知なので、詳細な説明は省略する。
【0018】
リリーフバルブ4は、オイルポンプ3によって圧送されたオイルの圧力が閾値以上の場合に、当該オイルの一部をオイルポンプ3よりオイルの流れの上流側に還流させる。これにより、吐出口42から吐出されるオイルの圧力を閾値未満に維持することができる。リリーフバルブ4は、バルブハウジング30と、スプール弁体(図示省略)と、コイルバネ(図示省略)とを主に備える。
【0019】
バルブハウジング30には、オイルポンプ3よりオイルの流れの下流側において、オイル流路43に接続された弁収容室(図示省略)と、弁収容室をオイルポンプ3よりオイルの流れの上流側に還流させる還流路(図示省略)とが形成されている。スプール弁体は、弁収容室内に収容されている。コイルバネは、弁収容室を閉塞する向きにスプール弁体を付勢している。
【0020】
そして、オイル流路43内のオイルの圧力が閾値以上になった場合に、スプール弁体がコイルバネの付勢力に抗して弁収容室を開放する。これにより、オイル流路43から弁収容室に流入したオイルが還流路を通じてオイルポンプ3よりオイルの流れの上流側に還流する。リリーフバルブ4の構成は既に周知なので、詳細な説明は省略する。
【0021】
モータハウジング10、ポンプハウジング20、及びバルブハウジング30は、例えば、アルミ合金を鋳造したダイカストである。モータハウジング10、ポンプハウジング20、及びバルブハウジング30は、ボルトなどによって一体化される。モータハウジング10、ポンプハウジング20、及びバルブハウジング30は、ハウジングの一例である。但し、本発明に係るハウジングは、前述のように分割されている必要はない。
【0022】
図4は、図2のモータハウジング10内の流路44~46の断面図である。図5は、バルブハウジング30内の流路48~50の断面図である。図1図5に示すように、ハウジングには、吸入口41と、吐出口42と、オイル流路43とが形成されている。吸入口41は、エンジンなどの潤滑対象から排出されたオイルを、オイルポンプ装置1の内部(より詳細には、オイル流路43)に吸入する開口である。吐出口42は、オイルポンプ3によって圧縮されたオイルを、エンジンなどの潤滑対象に対して吐出する開口である。本実施形態では、吸入口41がモータハウジング10に設けられ、吐出口42がバルブハウジング30に設けられている。
【0023】
オイル流路43は、ハウジングの内部に形成されたオイルが通過する空間である。また、オイル流路43は、吸入口41と吐出口42とを接続する。より詳細には、オイル流路43の一端は吸入口41に接続され、オイル流路43の他端は吐出口42に接続される。そして、吸入口41から吸入されたオイルは、オイル流路43を通って吐出口42から吐出される。さらに、オイルポンプ3は、オイル流路43に配置されている。
【0024】
オイル流路43は、直線的に延びる複数の流路44、45、46、47、48、49、50を組み合わせて構成される。流路44~50は、ハウジングの外面から内部に向かって延びている。流路44~50は、例えば、ドリルによる穴あけ加工によって形成される。さらに、隣接する流路44~50は、互いに連通している。以下、流路44~50それぞれの両端のうち、オイルの流れの上流側の端部を「上流端」と表記し、オイルの流れの下流側の端部を「下流端」と表記する。
【0025】
図4に示すように、流路44~46は、モータハウジング10内に形成されている。より詳細には、流路44は、モータハウジング10内を前後方向に延設されている。流路45は、モータハウジング10内を左右方向に延設されている。さらに、流路46はモータハウジング10内を上下方向に延設されている。すなわち、流路44~46は、互いに直交する方向に延設されている。
【0026】
流路44の上流端は、吸入口41に接続されている。また、図2及び図3に示すように、流路45の上流端は、モータハウジング10の外面(右面)に開口している。そして、流路44の下流端は、流路45の開口よりオイルの流れの下流側の接続位置P1において、流路45に接続されている。さらに、流路45の上流端の開口は、閉塞部材51によって閉塞される。そして、流路45の閉塞部材51と接続位置P1との間には、オイル溜まり45Aが形成されている。流路45は第1流路の一例であり、流路44は第2流路の一例である。
【0027】
図4に示すように、流路45の下流端は、閉塞されている。そして、流路46の上流端は、接続位置P1よりオイルの流れの下流側で、流路45の下流端よりオイルの流れの上流側において、流路45に接続されている。さらに、図3に示すように、流路46の下流端は、モータハウジング10の外面(下面)に開口している。そして、モータハウジング10及びポンプハウジング20が結合されると、流路46の下流端は、オイルポンプ3に接続される。
【0028】
図5に示すように、流路47~50は、バルブハウジング30内に形成されている。より詳細には、流路47は、バルブハウジング30内を上下方向に延設されている。流路48は、バルブハウジング30内を左右方向に延設されている。流路49は、バルブハウジング30内を上下方向に延設されている。流路50は、バルブハウジング30内を左右方向に延設されている。すなわち、流路47、49と流路48、50とは、互いに直交する方向に延設されている。
【0029】
流路47の上流端は、バルブハウジング30の外面(上面)に開口している。そして、ポンプハウジング20及びバルブハウジング30が結合されると、流路47の上流端は、オイルポンプ3に接続される。流路48の上流端は、バルブハウジング30の外面(左面)に開口している。そして、流路47の下流端は、流路48の開口よりオイルの流れの下流側の接続位置P2において、流路48に接続されている。さらに、流路48の上流端の開口は、閉塞部材52によって閉塞される。そして、流路48の閉塞部材52と接続位置P2との間には、オイル溜まり48Aが形成されている。流路48は第1流路の一例であり、流路47は第2流路の一例である。
【0030】
流路48の下流端は、流路49の上流端に接続されている。また、流路49の下流端(下端)は、バルブハウジング30の外面(下面)に開口している。そして、流路50の上流端は、流路49の開口よりオイルの流れの上流側(上方)の接続位置P3において、流路49に接続されている。さらに、流路49の下流端の開口は、閉塞部材53によって閉塞される。そして、流路49の閉塞部材53と接続位置P3との間には、オイル溜まり49Aが形成されている。流路49は第1流路の一例であり、流路50は第2流路の一例である。さらに、流路50の下流端は、吐出口42に接続されている。
【0031】
図4及び図5に破線の矢印で示すように、吸入口41から吸入されたオイルは、流路44から接続位置P1を通じて流路45に流入する。また、流路45、46を通過したオイルは、オイルポンプ3で圧縮されて、流路47に送り出される。また、流路47に流入したオイルは、接続位置P2を通じて流路48に流入する。さらに、流路48、49を通過したオイルは、接続位置P3を通じて流路50に流入し、吐出口42から排出される。
【0032】
一方、接続位置P1~P3と閉塞部材51~53との間に形成されたオイル溜まり45A、48A、49Aには、ほとんどオイルの流れが生じない。その結果、オイル溜まり45A、48A、49Aには、オイルと共に不純物が滞留しやすい。
【0033】
本実施形態に係る閉塞部材51は、プレート51Aと、ボルト51B、51Cとで構成される。プレート51Aは、流路45の上流端の開口を液密に閉塞するように、モータハウジング10の外面に密着する板状の部材である。また、プレート51Aには、流路45の上流端の開口に隣接する位置(開口と異なる位置)において、モータハウジング10の外面に形成されたボルト穴45B、45Cに連通する貫通孔が形成されている。さらに、ボルト51B、51Cは、プレート51Aの貫通孔を通過してボルト穴45B、45Cに螺合される。これにより、プレート51Aがモータハウジング10の外面に固定される。
【0034】
また、閉塞部材52、53は、閉塞部材51と同様に、プレート52A、53Aと、ボルト52B、52C、53B、53Cとで構成される。すなわち、本実施形態に係る閉塞部材51、52、53は、流路45、48、49に進入せずに開口を閉塞する。また、本実施形態に係る閉塞部材51、52、53をハウジングに固定するために、流路45、48、49内にネジ溝などを形成する必要がない。さらに、ハウジングと閉塞部材51、52、53との間は、メタルタッチによって液密に密着されている。但し、ハウジングと閉塞部材51、52、53との間に、さらにオイルシールを介在させてもよい。
【0035】
さらに、バルブハウジング30には、閉塞部材54が取り付けられている。閉塞部材54は、弁収容室の基端側の開口を閉塞する。閉塞部材54の構成は、閉塞部材51と共通するので、再度の説明は省略する。
【0036】
上記の実施形態によれば、例えば以下の作用効果を奏する。
【0037】
上記の実施形態によれば、隣接する流路44&45、47&48、49&50の間に形成したオイル溜まり45A、48A、49Aに、オイルに混入した不純物を滞留させて、オイル流路43の下流側に流れるのを防止する。これにより、オイルポンプ装置1と潤滑対象との間を循環するオイルに混入した不純物が、オイルポンプ3に挟まって動作不良を生じさせたり、オイルポンプ3や潤滑対象の摺動部分を傷つけるのを防止できる。その結果、オイルポンプ装置1自体または潤滑対象のメンテナンスの頻度が少なくなり、寿命が延伸される。その結果、SDGsにおける持続可能な生産消費形態の確保に寄与し、廃棄物や不良品の削減が期待できる。
【0038】
また、上記の実施形態によれば、プレート51A~53A及びボルト51B~53Cで構成された閉塞部材51~53でオイル溜まり45A、48A、49Aの開口を閉塞したので、流路45、48、49の内部に進入して開口を閉塞するプラグ形状の閉塞部材と比較して、オイル溜まり45A、48A、49Aの容積を大きくすることができる。また、オイル溜まり45A、48A、49Aの開口を、着脱可能な閉塞部材51~53で閉塞することによって、オイル溜まり45A、48A、49Aに溜まった不純物を取り除くことができる。
【0039】
また、上記の実施形態によれば、流路49の下流端にオイル溜まり49Aを設け、オイル溜まり49Aよりオイルの流れの上流側の接続位置P3に流路50を接続した。これにより、流路49を通過するオイルに混入した不純物が、慣性によってオイル溜まり48Aに進入しやすくなる。但し、オイル溜まり45A、48Aのように、流路45、48の上流端に設けられてもよい。
【0040】
また、上記の実施形態によれば、流路49の下端にオイル溜まり49Aを設け、オイル溜まり49Aより上方の接続位置P3に流路50を接続した。これにより、不純物が重力によってオイル溜まり49Aに留まりやすくなる。なお、流路49は、鉛直方向に延設されている必要はなく、水平方向でなければ、鉛直方向に対して傾斜していてもよい。また、オイル溜まり45A、48Aのように、水平方向に延びる流路45、48の端部に設けられてもよい。
【0041】
さらに、上記の実施形態によれば、オイルポンプ3よりオイルの流れの上流側にオイル溜まり45Aを設けたので、潤滑対象で発生した不純物がオイルポンプ3に侵入するのを防止できる。これにより、アウターロータ21及びインナーロータ22の間に不純物が挟まって、動作不良が生じるのを防止できる。但し、オイル溜まり48A、49Aのように、オイルポンプ3よりオイルの流れの下流側に設けてもよい。さらに、オイル溜まり45A、48A、49Aは、オイルの流れに離間した複数の位置に設けるのが望ましい。
【0042】
なお、オイル溜まり45A、48A、49Aの位置は、図4及び図5の例に限定されない。すなわち、本発明の作用効果を得るためには、一端がハウジングの外面に開口した第1流路と、開口の位置と異なる接続位置において第1流路に接続され、第1流路と異なる方向に延設された第2流路とが形成された部分において、第1流路の開口及び接続位置の間にオイル溜まりが形成されていればよい。
【0043】
また、本発明は、オイルに混入した不純物をオイル溜まり45A、48A、49Aに堆積させた状態でオイルポンプ装置1を運転する点で、フィルタで不純物を捕集する技術と大きく異なる。これにより、フィルタの目詰まりによる流路抵抗の増加を低減できると共に、フィルタのメンテナンスの手間を削減できる。但し、本発明のオイルポンプ装置1と潤滑対象との間にフィルタを設けることを妨げるものではない。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、本実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、本実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。またさらに、本実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0045】
1:オイルポンプ装置
2:モータ
3:オイルポンプ
4:リリーフバルブ
5:ブラシレスモータ
6:ドライバ回路
10:モータハウジング(ハウジング)
11:ブラシレスモータ
12:ドライバ回路
20:ポンプハウジング(ハウジング)
21:アウターロータ
22:インナーロータ
30:バルブハウジング(ハウジング)
41:吸入口
42:吐出口
43:オイル流路
44~50:流路
45A,48A,49A:オイル溜まり
45B,45C:ボルト穴
51,52,53,54:閉塞部材
51A,52A,53A:プレート
51B,51C,52B,52C,53B,53C:ボルト
図1
図2
図3
図4
図5