(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175406
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】樹脂サッシフレームの取付構造
(51)【国際特許分類】
E06B 1/56 20060101AFI20231205BHJP
E06B 1/32 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
E06B1/56 A
E06B1/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087833
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白井 浩一
(72)【発明者】
【氏名】中澤 結
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011CB01
2E011CB05
2E011KA06
2E011KB02
2E011KB04
2E011KB05
2E011KC01
2E011KH02
(57)【要約】
【課題】建物の開口に対する樹脂サッシフレームの取り付け及び取り外しの容易化を図れる構造を提供する。
【解決手段】樹脂サッシフレームの取付構造30は、建物の躯体の開口13に嵌合して取り付けられた枠状の本体部32と、本体部32の屋外側端に連設され躯体の屋外側面より外側に配置された支持部40であって、建物の外壁15と躯体との間に入り込んだ進入部41bが躯体の屋外側面12aに突き当てられると共に、一部が建物の外壁15より外側に延出した支持部40とを有するプラットフォーム31と、支持部40に取り付けられ、一部が外壁15より外側に延出し、室内側部分が開口13の内側に入り込んで本体部32に突き当てられる樹脂サッシフレーム60とを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の躯体の開口に嵌合して取り付けられた枠状の本体部と、前記本体部の屋外側端に連設され前記躯体の屋外側面より外側に配置された支持部であって、前記建物の外壁と前記躯体との間に入り込んだ進入部が前記躯体の前記屋外側面に突き当てられると共に、一部が前記建物の前記外壁より外側に延出した支持部とを有するプラットフォームと、
前記支持部に取り付けられ、一部が前記外壁より外側に延出し、室内側部分が前記開口の内側に入り込んで前記本体部に突き当てられる樹脂サッシフレームと、を備える、
樹脂サッシフレームの取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載の樹脂サッシフレームの取付構造において、
前記プラットフォームに前記樹脂サッシフレームを取り付けた状態で、前記建物内から見て前記本体部と前記樹脂サッシフレームとの枠状内周面の4辺部のそれぞれが略面一となる、樹脂サッシフレームの取付構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の樹脂サッシフレームの取付構造において、
前記本体部は、内部が空洞の収納室を有する、樹脂サッシフレームの取付構造。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の樹脂サッシフレームの取付構造において、
前記建物内から見て前記本体部の少なくとも一部を隠すように内壁が取り付けられている、樹脂サッシフレームの取付構造。
【請求項5】
請求項3に記載の樹脂サッシフレームの取付構造において、
前記建物内から見て前記本体部の少なくとも一部を隠すように内壁が取り付けられている、樹脂サッシフレームの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、樹脂サッシフレームの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、樹脂で形成された樹脂サッシフレームが知られている。樹脂サッシフレームは、内周にガラスが装着される框等の枠を備える。樹脂サッシフレームは、アルミサッシフレームと比べて熱伝導率が低く、断熱性が高くなる。
【0003】
特許文献1には、既設のアルミサッシのフレーム材に新設の樹脂サッシが装着される取り付け構造であって、アルミサッシのフレーム材と樹脂サッシとを連結する額縁が設けられた構造が記載されている。額縁は、内周部に樹脂サッシの外周壁を密着させる第1当接面と、外周部にアルミサッシのフレーム材のうち、建物の外壁面に略平行な部材に密着させる第2当接面とを有する。各当接面の外側から内側に向かってビスを打ち込んで、額縁を樹脂サッシとアルミサッシのフレーム材との両者に固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の樹脂サッシフレームは、建物の窓台等の躯体に直接にビス等により固定されており、取り付け作業が困難である。また、従来は、樹脂サッシフレームの枠の一部を外壁と窓台等の躯体との間に入り込ませて、躯体に対する樹脂サッシフレームの支持強度を高くしている。これにより、窓のリフォームを行う場合に、樹脂サッシフレームの取り外しのために、外壁を取り外す必要がある。したがって、樹脂サッシフレームの取り付け及び取り外しの作業が困難である。
【0006】
特許文献1に記載された構造では、樹脂サッシの枠の一部は、外壁と躯体との間に入り込んではいないが、樹脂サッシを躯体に直接にビスで打ち込んで固定しているので、取り付け及び取り外しが困難である。
【0007】
本開示の目的は、建物の開口に対する樹脂サッシフレームの取り付け及び取り外しの容易化を図れる構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の樹脂サッシフレームの取付構造は、建物の躯体の開口に嵌合して取り付けられた枠状の本体部と、本体部の屋外側端に連設され躯体の屋外側面より外側に配置された支持部であって、建物の外壁と躯体との間に入り込んだ進入部が躯体の屋外側面に突き当てられると共に、一部が建物の外壁より外側に延出した支持部とを有するプラットフォームと、支持部に取り付けられ、一部が外壁より外側に延出し、室内側部分が開口の内側に入り込んで本体部に突き当てられる樹脂サッシフレームと、を備える、樹脂サッシフレームの取付構造である。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る樹脂サッシフレームの取付構造によれば、躯体に取り付けられたプラットフォームに樹脂サッシフレームを取り付ければよいので、建物の開口に対する樹脂サッシフレームの取り付け及び取り外しの容易化を図れる。また、樹脂サッシフレームの室内側部分が躯体の開口の内側に入り込んで、プラットフォームの本体部に突き当てられると共に、建物の外壁と躯体との間に入り込んだプラットフォームの進入部が躯体の屋外側面に突き当てられ、一部が外壁より外側に延出したプラットフォームの支持部に樹脂サッシフレームが取り付けられるので、躯体に対する樹脂サッシフレームの支持強度を高くできる。これにより、樹脂サッシフレームの一部を外壁と躯体との間に入り込ませて、躯体に対する樹脂サッシフレームの支持強度を高くする必要がない。このため、リフォーム時に樹脂サッシフレームの取り外しのために外壁を取り外す必要がない。これによっても、開口に対する樹脂サッシフレームの取り付け及び取り外しの容易化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態の樹脂サッシフレームの取付構造を備える窓を室内側から見た斜視図である。
【
図2】
図1の窓を室内側から見た拡大正面図である。
【
図3】
図2のA部を切断し取り出して、斜めから見た拡大図である。
【
図5】
図3に示すプラットフォームの収納室の利用例の1例を示している、
図1のC-C断面に対応する図である。
【
図6】比較例の第1例の樹脂サッシフレームの取付構造を備える窓を室内側から見た斜視図である。
【
図7】
図6の窓を室内側から見た拡大正面図である。
【
図8】比較例の第2例の樹脂サッシフレームの取付構造を備える窓において、
図7のD部を切断し取り出して、斜めから見た拡大図に対応する図である。
【
図10】
図8の窓において、網戸及びカーテンを取り付けた状態を示す
図5に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本開示の実施形態を説明する。以下で説明する形状、材料及び個数は、説明のための例示であって、樹脂サッシフレームの取付構造を備える窓の仕様に応じて適宜変更することができる。以下ではすべての図面において同等の要素には同一の符号を付して説明する。また、本文中の説明においては、必要に応じてそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0012】
図1は、実施形態の樹脂サッシフレームの取付構造を備える窓10を室内側から見た斜視図である。
図2は、窓10を室内側から見た拡大正面図である。
図3は、
図2のA部を切断し取り出して、斜めから見た拡大図である。
図4は、
図3のB部拡大図である。窓10は、建物の開口を有する躯体である窓台12と、窓台12の室内側面を覆う内壁14と、樹脂サッシフレームの取付構造30と、複層ガラス80とを含んで構成される。
【0013】
樹脂サッシフレームの取付構造30は、全体が枠状に形成され、窓台12の開口13に取り付けられたプラットフォーム31と、プラットフォーム31の屋外側に連結された枠状の樹脂サッシフレーム60とを含む。プラットフォーム31は、窓台12の開口13に嵌合して取り付けられた枠状の本体部32と、本体部32の屋外側端に連設され窓台12の屋外側面12aより外側に配置された枠状の支持部40(
図3、
図4)とを有する。
【0014】
図3、
図4に示すように、本体部32は、断面が略矩形の中空筒状部が窓台12の開口13の内周に沿って枠状に設けられた内側部分33と、内側部分33の屋外側端の外周部に連結され、窓台12の開口13内周に沿って延びた板部が枠状に連結された第1枠板部37とを有する。第1枠板部37の外周面には、開口13の周方向に沿って延び、先端が窓台12の開口13内周面に突き当てられる複数のリブ37aが形成される。これにより、内側部分33は、中空筒状部によって形成され内部が空洞の収納室33aを上下両端部のそれぞれと、室内側から見て左右方向の両端部のそれぞれとに有する。
【0015】
内側部分33は、窓台12の開口13の内周面に対し直交し、厚み方向が窓の厚み方向(
図4の左右方向)と一致する枠状の第1内側板部34と、第1内側板部34の室内側面に突き当てられた断面略L字形の枠状の第2内側板部35と、第1内側板部34及び第2内側板部35の内周縁に形成されたフランジ同士の間の開口33bを覆う枠状のカバー36とを有する。第2内側板部35の外周側面には窓台12の開口13の内周面に突き当てられるリブ35aと、第1枠板部37の内周側面に突き当てられるリブ35bとを有する。
【0016】
カバー36は、断面が略矩形で外周側端に全周にわたってカバー開口36aが形成された形状を有する。第1内側板部34を有する部材と、第2内側板部35を有する部材とは、別部材であるが、互いに連結され単一の部材により構成されてもよい。
【0017】
また、樹脂サッシフレームの取付構造30において、建物内である室内から見て本体部32の少なくとも一部を隠すように内壁14が、窓台12の室内側に隣接して取り付けられている。本例の場合には、本体部32の内側部分33のカバー36を除く部分が内壁14で覆われている。カバー36の室内側端部は、内壁14の開口の内周面に配置される。これにより、窓周りの意匠性のさらなる向上を図れる。
【0018】
プラットフォーム31は、金属または樹脂により形成される。収納室33aには、後述の
図5に示すように、機構部品に相当する網戸90やカーテン92の巻取り体90a、92aが収容される。
【0019】
支持部40は、本体部32の第1枠板部37の屋外側端に連設され、第1枠板部37に対し略直交する方向に延びて枠状に形成された第2枠板部41と、第2枠板部41の屋外側面の中間部から屋外側に向かって直交する方向に延びて枠状に形成された第3枠板部42とを有する。
【0020】
第2枠板部41は、窓台12の屋外側面12aより外側(屋外側)に配置され、窓台12の屋外側面に沿って延びる。第2枠板部41の窓台12側の面には複数のリブ41aが形成され、それぞれの先端が窓台12の屋外側面に突き当てられる。第2枠板部41は、建物の外壁15と窓台12との間に入り込んだ進入部41bを有し、進入部41bが、進入部41bに設けられたリブ41aで窓台12の屋外側面12aに突き当てられている。
【0021】
また、第3枠板部42の一部は、建物の外壁15より外側に延出している。第3枠板部42の外周側面は、外壁15の開口16の内周端に接触している。第3枠板部42の先端部の内周側面には、段差部42aが全周にわたって形成される。段差部42aに後述の枠体61の一部が嵌合する。
【0022】
樹脂サッシフレーム60は、枠体61と、枠体61の内側に取り付けられた枠状の框70とを有し、それぞれ樹脂によって形成される。枠体61は、プラットフォーム31の本体部32の第1内側板部34の屋外側面に平行に対向するように、窓台12の開口13の内周縁に沿って枠状に形成された第1枠板部62と、第1枠板部62の外周端から屋外側に向かうように第1枠板部62に直角に連結された第2枠板部63とを有する。第1枠板部62の室内側面には複数のリブ62aが全周にわたって設けられ、各リブ62aの先端が本体部32の第1内側板部34の屋外側面に突き当てられる。第2枠板部63の外周側面には複数のリブ63aが全周にわたって設けられ、各リブ63aの先端がプラットフォーム31の第1枠板部37の内周側面に突き当てられる。
【0023】
第1枠板部62の内周側端部には、室内側に断面略U字形に折り返された折り返し部62bを有し、折り返し部62bの室内側端がプラットフォーム31の本体部32の第1内側板部34の内周端の内側に嵌合し、かつ、カバー36の屋外側面に突き当てられている。折り返し部62bの屋外側面に設けられた環状の溝には、ゴム製の気密部材64が全周にわたって装着されている。気密部材64は、後述の框70に接触して框70と枠体61との間の室内側端部を気密にシールする。
【0024】
さらに、枠体61は、第2枠板部63の屋外側端に連設され、第2枠板部63に対し略直交する方向に延びて枠状に形成された第3枠板部65と、第3枠板部65の屋外側に略平行に設けられた第4枠板部66と、第3、第4枠板部65,66の中間部を連結する枠状連結部67とを有する。第3枠板部65及び第4枠板部66の外周端は、プラットフォーム31の支持部40の第3枠板部42の内周側面に突き当てられる。
【0025】
さらに、枠体61は、第4枠板部66の屋外側面の中間部から屋外側に向かって延びて屋外側端で外周側に折り返された断面略J字形の折り返し部68を有する。折り返し部68の先端部の室内方向に延びる枠板部68aは、プラットフォーム31の第3枠板部42に形成された段差部42aの内側に嵌合する。折り返し部68の先端部外周面には枠状の突部68bが形成され、突部68bにプラットフォーム31の第3枠板部42の先端が対向する。
【0026】
これにより、樹脂サッシフレーム60は、プラットフォーム31の支持部40に取り付けられ、一部が外壁15より外側に延出し、室内側部分が窓台12の開口の内側に入り込んでプラットフォーム31の本体部32に突き当てられる。また、枠体61の第1枠板部62は、プラットフォーム31の本体部32に、それぞれに形成された孔を貫通したボルトと、ナットからなる締結部材(図示せず)等により固定されてもよい。
【0027】
一方、窓10は、框70が枠体61に対し滑り出し開閉可能に支持された滑り出し窓として形成される。枠体61の左右両端で上下方向に延びる2つの縦枠要素(図示せず)と、框70の左右両端で上下方向に延びる2つの縦框要素(図示せず)とは、アーム部材(図示せず)で連結される。
【0028】
框70は、複数の中空の枠部が連結されてなる框本体71と、框本体71において厚み方向両側の内周側端部に環状に設けられた樹脂製の2つのガラス押え部72,74とを有する。複層ガラス80は、框70の内周部に装着される。
【0029】
2つのガラス押え部72,74のうち、屋外側の一方のガラス押え部72は、框本体71とは別部材により形成される。ガラス押え部72は、框本体71の内周の厚み方向一端部である屋外側端部に全周にわたって設けられた溝に嵌め込まれて係止される中空の枠状である。ガラス押え部72の複層ガラス80側の端部には、ゴム製の気密部材73が取り付けられる。
【0030】
2つのガラス押え部72,74のうち、室内側の他方のガラス押え部74は、框本体71の厚み方向他端部である室内側端部の内周から全周にわたって突出した中空の矩形枠状である。他方のガラス押え部74の複層ガラス80側の端部には、ゴム製の気密部材75が取り付けられる。2つのガラス押え部72,74は、複層ガラス80の厚み方向両外側面と気密部材73,75を介して対向し、各気密部材73,75の先端は、複層ガラス80の厚み方向外側面に接触している。各気密部材73,75は、2つのガラス押え部72,74と、複層ガラス80の厚み方向両外側面との間を、気密にシールする。
【0031】
複層ガラス80は、厚み方向に間隔をあけて配置された複数枚のガラスである、3枚の板状のガラス81と、2つのスペーサ82とを有する。2つのスペーサ82は、隣り合う2枚のガラス81間の空間を維持するため、2枚のガラス81間の外周部に、1つずつ設けられた矩形枠状である。複層ガラス80は、隣り合う2つのガラス81の間の空間にアルゴンガス、またはクリプトンガス、または乾燥空気が封入されている。
【0032】
さらに、框本体71の厚み方向中間部の室内側面に装着されたゴム製の気密部材76が、枠体61の第4枠板部66の外側面に全周にわたって接触することにより、框70と枠体61との間の中間部が気密にシールされる。
【0033】
また、プラットフォーム31に樹脂サッシフレーム60を取り付けた状態で、建物内である室内から見て、プラットフォーム31の本体部32と、樹脂サッシフレーム60の複層ガラス80より室内側部分との、枠状内周面の4辺部、すなわち下辺部、上辺部、左右両端の2つの辺部のそれぞれは略面一となっている。これにより、特に框70の幅(
図4の上下方向長さ)が広くなることにより従来の樹脂サッシフレームの取付構造では実現が難しかった、窓台12の開口13内側でのフラットな納まりを実現できる。
図3、
図4では、下辺部の面一状態のみを示している。すなわち、本体部32の内周面、枠体61の内周面、及び框70の内周面が同一平面上に位置するが、他の辺部でも同様である。
【0034】
また、プラットフォーム31の本体部32は、内部が空洞の収納室33aを有する。これにより、収納室33aに、カーテン及び網戸の巻取り体等の機構部品を、外から見えないように収容できる。また、機構部品の追加によって、上記のフラットな納まりが邪魔されることを防止できる。
【0035】
図5は、
図3に示すプラットフォーム31の収納室の利用例の1例を示している、
図1のC-C断面に対応する図である。
図5では、上部の収納室33aにカーテン92の巻取り体92aが、下部の収納室33aに網戸90の巻取り体90aが、それぞれ収容された状態を示している。カーテン92は、上側のカバー36に形成されたカーテン口を通じて下側に引き出される。網戸90は、下側のカバー36に形成された網戸口を通じて上側に引き出される。なお、収納室33aには、窓開閉機構や防犯機構等の電装部品が収容される構成としてもよい。例えば、赤外線センサを含む防犯装置を窓の周囲に設ける場合に、防犯装置の電源部を収納室33aに収容することもできる。また、窓を曇りガラスと透明ガラスとを電気的に切り換える構成とする場合に、その電源部を収納室33aに収容することもできる。
【0036】
上記の樹脂サッシフレームの取付構造30によれば、窓台12に取り付けられたプラットフォーム31に樹脂サッシフレーム60を取り付ければよいので、窓台12に直接にビス等により樹脂サッシフレームを固定する必要がなく、建物の開口13に対する樹脂サッシフレーム60の取り付け及び取り外しの容易化を図れる。また、樹脂サッシフレーム60とプラットフォーム31とを、取付及び取り外しが容易なボルト及びナットからなる締結手段を用いて取り付けてもよい。また、樹脂サッシフレーム60の室内側部分が窓台12の開口13の内側に入り込んで、プラットフォーム31の本体部32に突き当てられると共に、建物の外壁15と窓台12との間に入り込んだプラットフォーム31の進入部41bが窓台12の屋外側面に突き当てられる。また、一部が外壁15より外側に延出したプラットフォーム31の支持部40に樹脂サッシフレーム60が取り付けられる。これにより、窓台12に対する樹脂サッシフレーム60の支持強度を高くできる。このため、樹脂サッシフレームの一部を外壁15と窓台12との間に入り込ませて、窓台12に対する樹脂サッシフレームの支持強度を高くする必要がない。このため、リフォーム時に樹脂サッシフレーム60の取り外しのために外壁15を取り外す必要がない。これによっても、開口13に対する樹脂サッシフレーム60の取り付け及び取り外しの容易化を図れる。
【0037】
さらに、実施形態によれば、樹脂サッシフレームの取付構造30の施工時に、窓台12の施工後、窓台12にプラットフォーム31を取り付ければよく、その後に外壁15、内壁14、クロス、カーテン92のいずれを施工するかの順序は問われない。このため、施工の自由度を高くできる。
【0038】
図6は、比較例の第1例の樹脂サッシフレームの取付構造を備える窓10aを室内側から見た斜視図である。
図7は、
図6の窓10aを室内側から見た拡大正面図である。比較例の第1例では、実施形態と異なり、樹脂サッシフレーム100が直接に窓台12に取り付けられている。このため、窓台12の開口内側にはプラットフォームは配置されず、
図7のように室内側から見て、ガラス101が装着された框102の幅が大きく目立ち、かつ、框102の外周側の枠体103も見えている。このため、窓台12の開口内側でのフラットな納まりを実現できない。
【0039】
図8は、比較例の第2例の樹脂サッシフレームの取付構造を備える窓10bにおいて、
図7のD部を切断し取り出して、斜めから見た拡大図に対応する図である。
図9は、
図8のE部拡大図である。比較例の第2例でも、比較例の第1例と同様に、樹脂サッシフレーム100aが直接に窓台12に取り付けられている。このため、窓台12の開口13内側にはプラットフォームは配置されず、室内側から見た場合に、框102aの幅が大きく目立ち、かつ、框102aの外周側の枠体103aも見えている。また、
図8、
図9では、枠体103aの室内側に網戸104が取り付けられているが、網戸104を支持する枠部105が露出しているので、窓周りの意匠性を向上する面から改良の余地がある。
【0040】
さらに、
図8、
図9から分かるように、比較例の第2例では、樹脂サッシフレーム100aの枠体103aの一部が、外壁15と窓台12との間に入り込んでいる。このため、窓10bのリフォームを行う場合に、樹脂サッシフレーム100aの取り外しのために、外壁15を取り外す必要がある。これにより、樹脂サッシフレーム100aの取り付け及び取り外しの作業が困難である。
図1~
図5に示した実施形態によればこのような不都合を防止できる。
【0041】
図10は、
図8の窓10bにおいて、網戸104a及びカーテン106を取り付けた状態を示す
図5に対応する図である。
図10の構成では、窓台12の開口13内側に嵌合された枠部107に網戸104aが取り付けられると共に、枠部107の上端部の室内側にレール固定部108が突出し、レール固定部108にカーテンレール109が固定され、そのカーテンレール109からカーテン106が吊り下げられている。この場合も、窓周りの意匠性を向上する面から改良の余地がある。
図1~
図5に示した実施形態によればこのような不都合を防止できる。
【0042】
また、上記の実施形態では、本開示の構成を、滑り出し窓に適用した場合を説明したが、引き違い窓等、種々のタイプの窓に本開示の構成を適用することができる。
【0043】
また、窓が、壁に嵌め込んで固定された枠としての枠体の内周に複層ガラスが装着される固定窓である場合において、枠体が樹脂サッシフレームである場合に、本開示の構成を適用することもできる。
【0044】
また、上記の実施形態では、窓に複層ガラスが装着される場合を説明したが、窓に単層ガラスのみが装着される場合でも、本開示の構成を適用できる。
【0045】
上記で説明した本開示の構成は、以下の通りである。すなわち、(構成2)~(構成4)の1つ、または2つ、または3つは、(構成1)に任意に組み合わせられる。
(構成1)
建物の躯体の開口に嵌合して取り付けられた枠状の本体部と、前記本体部の屋外側端に連設され前記躯体の屋外側面より外側に配置された支持部であって、前記建物の外壁と前記躯体との間に入り込んだ進入部が前記躯体の前記屋外側面に突き当てられると共に、一部が前記建物の前記外壁より外側に延出した支持部とを有するプラットフォームと、
前記支持部に取り付けられ、一部が前記外壁より外側に延出し、室内側部分が前記開口の内側に入り込んで前記本体部に突き当てられる樹脂サッシフレームと、を備える、
樹脂サッシフレームの取付構造。
(構成2)
構成1に記載の樹脂サッシフレームの取付構造において、
前記プラットフォームに前記樹脂サッシフレームを取り付けた状態で、前記建物内から見て前記本体部と前記樹脂サッシフレームとの枠状内周面の4辺部のそれぞれが略面一となる、樹脂サッシフレームの取付構造。
(構成3)
構成1または構成2に記載の樹脂サッシフレームの取付構造において、
前記本体部は、内部が空洞の収納室を有する、樹脂サッシフレームの取付構造。
(構成4)
構成1から構成3のいずれか1に記載の樹脂サッシフレームの取付構造において、
前記建物内から見て前記本体部の少なくとも一部を隠すように内壁が取り付けられている、樹脂サッシフレームの取付構造。
【符号の説明】
【0046】
10,10a,10b 窓、12 窓台、13 開口、14 内壁、15 外壁、30 樹脂サッシフレームの取付構造、31 プラットフォーム、32 本体部、33 内側部分、33a 収納室、34 第1内側板部、35 第2内側板部、36 カバー、37 第1枠板部、40 支持部、41 第2枠板部、42 第3枠板部、60 樹脂サッシフレーム、61 枠体、62 第1枠板部、63 第2枠板部、64 気密部材、65 第3枠板部、66 第4枠板部、70 框、71 框本体、80 複層ガラス、90 網戸、92 カーテン、100,100a 樹脂サッシフレーム、102,102a 框、103,103a 枠体。