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特開2023-175423データ処理方法、データ処理プログラム及び画像処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175423
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】データ処理方法、データ処理プログラム及び画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20231205BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231205BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20231205BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
B41J29/38 350
H04N1/00 127A
G06F3/12 305
G06F3/12 331
G03G21/00 396
G03G21/00 386
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087854
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 享嗣
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CQ23
2C061HJ10
2C061HK11
2C061HK15
2C061HN05
2C061HN15
2C061HQ17
2H270KA59
2H270KA60
2H270KA61
2H270KA62
2H270LA66
2H270MC78
2H270NB22
2H270NC02
2H270NC06
2H270NC20
2H270ND06
2H270ND10
2H270ND13
2H270ND21
2H270ND25
2H270ND28
2H270ND33
2H270QB26
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC06
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA25
5C062AA35
5C062AB08
5C062AB20
5C062AB25
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB42
5C062AB43
5C062AB44
5C062AB46
5C062AC03
5C062AC22
5C062AC39
5C062AC42
(57)【要約】
【課題】ユーザに第1画像処理装置から第2画像処理装置への移行を促す。
【解決手段】データ処理方法では、サーバ(8)が、プリンタ(P1)の交換要求を受け付け、プリンタ(P1)の設定情報を少なくとも含むプリンタ(P1)のデータを取得して記憶し、プリンタ(P1)と交換されるプリンタ(P2)と通信接続し、交換要求を受け付けたことによりプリンタ(P1)の所定の機能が停止した状態において、プリンタ(P1)のデータをプリンタ(P2)に送信する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1画像処理装置及び第2画像処理装置を管理する少なくとも1つのサーバが、前記第1画像処理装置の交換要求を受け付ける受付ステップと、
前記第1画像処理装置に記憶されるとともに、前記第1画像処理装置の設定情報を少なくとも含む前記第1画像処理装置のデータを、前記サーバが取得して記憶する第1記憶ステップと、
前記サーバが、前記第1画像処理装置と交換される前記第2画像処理装置と通信接続する接続ステップと、
前記サーバが前記交換要求を受け付けたことにより前記第1画像処理装置の所定の機能が停止した状態において、前記サーバが前記第1画像処理装置のデータを前記第2画像処理装置に送信する送信ステップと、を含むデータ処理方法。
【請求項2】
前記第1記憶ステップにおいて、前記サーバは、前記第1画像処理装置の前記所定の機能が停止した状態で、前記第1画像処理装置のデータを取得する、請求項1に記載のデータ処理方法。
【請求項3】
前記サーバが前記交換要求を受け付けた場合、前記第1画像処理装置のデータを取得済か否かを判断する第1判断ステップを含み、
前記サーバが前記第1画像処理装置のデータを取得済ではないと判断した場合、前記第1記憶ステップにおいて、前記サーバは、前記第1画像処理装置のデータを取得する、請求項2に記載のデータ処理方法。
【請求項4】
前記第1画像処理装置は、前記所定の機能を停止した後に外部端末から画像処理に関するジョブを示すジョブ情報を受信した場合、前記ジョブ情報を記憶する第2記憶ステップを含み、
前記第1記憶ステップにおいて、前記サーバは、前記第1画像処理装置に記憶された前記第1画像処理装置のデータに含まれる前記ジョブ情報を取得して記憶し、
前記送信ステップにおいて、前記サーバは、前記ジョブ情報を前記第2画像処理装置に送信する、請求項1に記載のデータ処理方法。
【請求項5】
前記サーバに前記第1画像処理装置と前記第2画像処理装置とが関連付けられて記憶されている場合、前記送信ステップにおいて、前記サーバは、前記第1画像処理装置のデータを前記第2画像処理装置に送信する、請求項1に記載のデータ処理方法。
【請求項6】
前記サーバには、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と前記第1画像処理装置とが関連付けられて記憶されており、
前記サーバに前記第1画像処理装置と関連付けられて記憶されている前記ユーザ識別情報が、前記接続ステップにおいて前記サーバに通信接続された前記第2画像処理装置から前記サーバに送信された場合、前記送信ステップにおいて、前記サーバは、前記第1画像処理装置のデータを前記第2画像処理装置に送信する、請求項1に記載のデータ処理方法。
【請求項7】
前記サーバが前記交換要求を受け付けた場合、前記第2画像処理装置への前記第1画像処理装置のデータの送信について認証するための認証情報を取得して前記第1画像処理装置と関連付けて記憶する第3記憶ステップを含み、
前記接続ステップにおいて前記サーバに通信接続された前記第2画像処理装置から、前記サーバに前記第1画像処理装置と関連付けられて記憶されている前記認証情報と同一の認証情報が前記サーバに送信された場合、前記送信ステップにおいて、前記サーバは、前記第1画像処理装置のデータを前記第2画像処理装置に送信する、請求項1に記載のデータ処理方法。
【請求項8】
前記第2画像処理装置には、前記第2画像処理装置が前記第1画像処理装置と交換される装置であることを示す交換装置情報が記憶されており、
前記接続ステップにおいて前記サーバに通信接続された前記第2画像処理装置から前記交換装置情報が前記サーバに送信された場合、前記送信ステップにおいて、前記サーバは、前記第1画像処理装置のデータを前記第2画像処理装置に送信する、請求項1に記載のデータ処理方法。
【請求項9】
前記サーバが、前記第1画像処理装置のデータが前記第2画像処理装置に適用可能か否かを判断する第2判断ステップを含み、
前記サーバが、前記第1画像処理装置のデータが前記第2画像処理装置に適用可能であると判断した場合、前記送信ステップにおいて、前記サーバは、前記第1画像処理装置のデータを前記第2画像処理装置に送信する、請求項1に記載のデータ処理方法。
【請求項10】
前記サーバが前記交換要求を受け付けた場合、前記第1画像処理装置に対して前記所定の機能の停止を指示する停止指示ステップを含み、
前記停止指示ステップにおいて、前記サーバは、前記所定の機能として、画像処理動作を実行する機能の停止を前記第1画像処理装置に対して指示する、請求項1に記載のデータ処理方法。
【請求項11】
前記第2画像処理装置が、前記送信ステップにおいて前記サーバが前記第2画像処理装置に送信した前記第1画像処理装置の設定情報の設定を完了したことを示す完了情報を、前記サーバが前記第2画像処理装置から受信する受信ステップと、
前記サーバが前記完了情報を受信した場合、前記第1画像処理装置の返却を促す通知を実行する通知ステップと、を含む、請求項1から10のいずれか1項に記載のデータ処理方法。
【請求項12】
第1画像処理装置及び第2画像処理装置を管理する少なくとも1つのサーバに実行させるデータ処理プログラムであって、
前記サーバが前記第1画像処理装置の交換要求を受け付ける受付処理と、
前記第1画像処理装置に記憶されるとともに、前記第1画像処理装置の設定情報を少なくとも含む前記第1画像処理装置のデータを、前記サーバが取得して記憶する記憶処理と、
前記サーバが、前記第1画像処理装置と交換される前記第2画像処理装置と通信接続する接続処理と、
前記サーバが前記交換要求を受け付けたことにより前記第1画像処理装置の所定の機能が停止した状態において、前記サーバが前記第1画像処理装置のデータを前記第2画像処理装置に送信する送信処理と、を前記サーバに実行させるデータ処理プログラム。
【請求項13】
他の画像処理装置と交換される画像処理装置であって、
コントローラを備え、
前記コントローラは、
少なくとも1つのサーバと通信接続する接続処理と、
前記サーバが前記他の画像処理装置の交換要求を受け付けたことにより前記他の画像処理装置の所定の機能が停止した状態において、前記他の画像処理装置の設定情報を少なくとも含む前記他の画像処理装置のデータを、前記サーバから取得する取得処理と、を実行する画像処理装置。
【請求項14】
前記コントローラは、
前記接続処理により前記サーバと通信接続している状態において、前記サーバに対して、前記サーバから前記他の画像処理装置のデータを取得するか否かを問い合わせる問い合わせ処理を実行し、
前記問い合わせ処理に対して、前記他の画像処理装置のデータを取得する指示を受け付けた場合、前記取得処理において、前記他の画像処理装置のデータを前記サーバから取得する、請求項13に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記コントローラは、前記取得処理において前記サーバから取得した前記他の画像処理装置の設定情報の設定を完了した場合、前記他の画像処理装置の返却を促す通知を実行する通知処理を実行する、請求項13または14に記載の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、データ処理方法、データ処理プログラム及び画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが事業者と契約することで、画像処理装置において契約専用の消耗品または交換品を使用することができるサービスが存在する。
【0003】
例えば、特許文献1には、契約をともなって販売された、プリンタ等のコンピュータ周辺機器の属性情報及び状況情報をユーザ情報とともに記憶する管理装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献1には、ユーザから周辺機器の交換の希望があった場合、メーカの配送担当セクションに対し、管理装置から代替品となる周辺機器の配送の指示がなされることにより、代替品となる周辺機器の配送及びこれまで使用していた周辺機器の回収が行われることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-092299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、プリンタ等の画像処理装置において、代替品となる画像処理装置がユーザに届いたとしても、これまで使用していた以前の画像処理装置から代替品となる画像処理装置への設定の引き継ぎが面倒である。
【0007】
よって、特許文献1に開示の技術では、ユーザが以前の画像処理装置を使える状態である場合、ユーザが以前の画像処理装置の使用を継続してしまい、代替品となる画像処理装置をユーザに使用してもらえないという問題があった。本開示は、ユーザに第1画像処理装置から第2画像処理装置への移行を促すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本開示の第1態様のデータ処理方法は、第1画像処理装置及び第2画像処理装置を管理する少なくとも1つのサーバが、前記第1画像処理装置の交換要求を受け付ける受付ステップと、前記第1画像処理装置に記憶されるとともに、前記第1画像処理装置の設定情報を少なくとも含む前記第1画像処理装置のデータを、前記サーバが取得して記憶する第1記憶ステップと、前記サーバが、前記第1画像処理装置と交換される前記第2画像処理装置と通信接続する接続ステップと、前記サーバが前記交換要求を受け付けたことにより前記第1画像処理装置の所定の機能が停止した状態において、前記サーバが前記第1画像処理装置のデータを前記第2画像処理装置に送信する送信ステップと、を含む。
【0009】
第2態様は、第1態様のデータ処理方法であって、前記第1記憶ステップにおいて、前記サーバは、前記第1画像処理装置の前記所定の機能が停止した状態で、前記第1画像処理装置のデータを取得する。
【0010】
第3態様は、第2態様のデータ処理方法であって、前記サーバが前記交換要求を受け付けた場合、前記第1画像処理装置のデータを取得済か否かを判断する第1判断ステップを含み、前記サーバが前記第1画像処理装置のデータを取得済ではないと判断した場合、前記第1記憶ステップにおいて、前記サーバは、前記第1画像処理装置のデータを取得する。
【0011】
第4態様は、第1態様のデータ処理方法であって、前記第1画像処理装置は、前記所定の機能を停止した後に外部端末から画像処理に関するジョブを示すジョブ情報を受信した場合、前記ジョブ情報を記憶する第2記憶ステップを含み、前記第1記憶ステップにおいて、前記サーバは、前記第1画像処理装置に記憶された前記第1画像処理装置のデータに含まれる前記ジョブ情報を取得して記憶し、前記送信ステップにおいて、前記サーバは、前記ジョブ情報を前記第2画像処理装置に送信する。
【0012】
第5態様は、第1態様のデータ処理方法であって、前記サーバに前記第1画像処理装置と前記第2画像処理装置とが関連付けられて記憶されている場合、前記送信ステップにおいて、前記サーバは、前記第1画像処理装置のデータを前記第2画像処理装置に送信する。
【0013】
第6態様は、第1態様のデータ処理方法であって、前記サーバには、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と前記第1画像処理装置とが関連付けられて記憶されており、前記サーバに前記第1画像処理装置と関連付けられて記憶されている前記ユーザ識別情報が、前記接続ステップにおいて前記サーバに通信接続された前記第2画像処理装置から前記サーバに送信された場合、前記送信ステップにおいて、前記サーバは、前記第1画像処理装置のデータを前記第2画像処理装置に送信する。
【0014】
第7態様は、第1態様のデータ処理方法であって、前記サーバが前記交換要求を受け付けた場合、前記第2画像処理装置への前記第1画像処理装置のデータの送信について認証するための認証情報を取得して前記第1画像処理装置と関連付けて記憶する第3記憶ステップを含み、前記接続ステップにおいて前記サーバに通信接続された前記第2画像処理装置から、前記サーバに前記第1画像処理装置と関連付けられて記憶されている前記認証情報と同一の認証情報が前記サーバに送信された場合、前記送信ステップにおいて、前記サーバは、前記第1画像処理装置のデータを前記第2画像処理装置に送信する。
【0015】
第8態様は、第1態様のデータ処理方法であって、前記第2画像処理装置には、前記第2画像処理装置が前記第1画像処理装置と交換される装置であることを示す交換装置情報が記憶されており、前記接続ステップにおいて前記サーバに通信接続された前記第2画像処理装置から前記交換装置情報が前記サーバに送信された場合、前記送信ステップにおいて、前記サーバは、前記第1画像処理装置のデータを前記第2画像処理装置に送信する。
【0016】
第9態様は、第1態様のデータ処理方法であって、前記サーバが、前記第1画像処理装置のデータが前記第2画像処理装置に適用可能か否かを判断する第2判断ステップを含み、前記サーバが、前記第1画像処理装置のデータが前記第2画像処理装置に適用可能であると判断した場合、前記送信ステップにおいて、前記サーバは、前記第1画像処理装置のデータを前記第2画像処理装置に送信する。
【0017】
第10態様は、第1態様のデータ処理方法であって、前記サーバが前記交換要求を受け付けた場合、前記第1画像処理装置に対して前記所定の機能の停止を指示する停止指示ステップを含み、前記停止指示ステップにおいて、前記サーバは、前記所定の機能として、画像処理動作を実行する機能の停止を前記第1画像処理装置に対して指示する。
【0018】
第11態様は、第1態様から第10態様のいずれかのデータ処理方法であって、前記第2画像処理装置が、前記送信ステップにおいて前記サーバが前記第2画像処理装置に送信した前記第1画像処理装置の設定情報の設定を完了したことを示す完了情報を、前記サーバが前記第2画像処理装置から受信する受信ステップと、前記サーバが前記完了情報を受信した場合、前記第1画像処理装置の返却を促す通知を実行する通知ステップと、を含む。
【0019】
上記の課題を解決するために、本開示の第12態様のデータ処理プログラムは、第1画像処理装置及び第2画像処理装置を管理する少なくとも1つのサーバに実行させるデータ処理プログラムであって、前記サーバが前記第1画像処理装置の交換要求を受け付ける受付処理と、前記第1画像処理装置に記憶されるとともに、前記第1画像処理装置の設定情報を少なくとも含む前記第1画像処理装置のデータを、前記サーバが取得して記憶する記憶処理と、前記サーバが、前記第1画像処理装置と交換される前記第2画像処理装置と通信接続する接続処理と、前記サーバが前記交換要求を受け付けたことにより前記第1画像処理装置の所定の機能が停止した状態において、前記サーバが前記第1画像処理装置のデータを前記第2画像処理装置に送信する送信処理と、を前記サーバに実行させる。
【0020】
また、上記の課題を解決するために、本開示の第13態様の画像処理装置は、他の画像処理装置と交換される画像処理装置であって、コントローラを備え、前記コントローラは、少なくとも1つのサーバと通信接続する接続処理と、前記サーバが前記他の画像処理装置の交換要求を受け付けたことにより前記他の画像処理装置の所定の機能が停止した状態において、前記他の画像処理装置の設定情報を少なくとも含む前記他の画像処理装置のデータを、前記サーバから取得する取得処理と、を実行する。
【0021】
第14態様は、第13態様の画像処理装置であって、前記コントローラは、前記接続処理により前記サーバと通信接続している状態において、前記サーバに対して、前記サーバから前記他の画像処理装置のデータを取得するか否かを問い合わせる問い合わせ処理を実行し、前記問い合わせ処理に対して、前記他の画像処理装置のデータを取得する指示を受け付けた場合、前記取得処理において、前記他の画像処理装置のデータを前記サーバから取得する。
【0022】
第15態様は、第13態様または第14態様の画像処理装置であって、前記コントローラは、前記取得処理において前記サーバから取得した前記他の画像処理装置の設定情報の設定を完了した場合、前記他の画像処理装置の返却を促す通知を実行する通知処理を実行する。
【0023】
第1態様のデータ処理方法、第12態様のデータ処理プログラム及び第13態様の画像処理装置によれば、第1画像処理装置の所定の機能が停止した状態において、サーバが第1画像処理装置のデータを第2画像処理装置に送信する。第1画像処理装置に対して所定の機能を停止させることにより、ユーザに第1画像処理装置から第2画像処理装置への移行を促すことができる。
【0024】
また、例えば、所定の機能を停止した第1画像処理装置が印刷データを受信した場合であっても、ユーザが外部端末を用いて、第1画像処理装置が受信した印刷データと同一のものを第2画像処理装置に受信させる手間を省くことができる。このように、第1画像処理装置のデータを第2画像処理装置に引き継ぐことができる。
【0025】
第2態様のデータ処理方法によれば、第1画像処理装置の所定の機能が停止すると、所定の機能の実行に応じた第1画像処理装置のデータの更新も停止する。このため、第1画像処理装置の所定の機能が停止した状態で、サーバが第1画像処理装置のデータを取得することにより、第1画像処理装置の最新のデータを第2画像処理装置に引き継ぐことができる。
【0026】
第3態様のデータ処理方法によれば、サーバが、第1画像処理装置のデータを取得済か否かを判断することにより、第1画像処理装置のデータを取得すべき状況で、サーバが第1画像処理装置のデータを取得することができる。
【0027】
第4態様のデータ処理方法によれば、第1画像処理装置が所定の機能を停止した後も、第1画像処理装置が外部端末と通信可能な状態であれば、例えばFAX受信等のジョブを示すジョブ情報を受信することがある。上記構成によれば、第1画像処理装置が所定の機能を停止した後に受信したジョブ情報が示すジョブを第2画像処理装置で実行できる。このため、第2画像処理装置に対して外部端末からジョブ情報を再送信させるようなユーザの手間をかけずに、第2画像処理装置でジョブを実行することが可能となる。
【0028】
第5態様のデータ処理方法によれば、サーバは、第1画像処理装置と関連付けられている第2画像処理装置に、第1画像処理装置のデータを送信することができる。よって、第1画像処理装置と交換される第2画像処理装置に第1画像処理装置のデータを適切に引き継ぐことができる。
【0029】
第6態様のデータ処理方法によれば、サーバは、第1画像処理装置と関連付けられているユーザ識別情報を第2画像処理装置から受信した場合、第1画像処理装置のデータを第2画像処理装置に送信することができる。よって、第1画像処理装置と交換される第2画像処理装置に第1画像処理装置のデータを適切に引き継ぐことができるとともに、ユーザ識別情報が示すユーザに対して第2画像処理装置を使用させることができる。
【0030】
第7態様のデータ処理方法によれば、サーバは、第1画像処理装置と関連付けられている認証情報と同一の認証情報が第2画像処理装置からサーバに送信された場合、第1画像処理装置のデータを第2画像処理装置に送信することができる。よって、第2画像処理装置への第1画像処理装置のデータの送信について認証することができるとともに、第1画像処理装置と交換される第2画像処理装置に第1画像処理装置のデータを適切に引き継ぐことができる。
【0031】
第8態様のデータ処理方法によれば、サーバは、第2画像処理装置から交換装置情報がサーバに送信された場合、第1画像処理装置のデータを第2画像処理装置に送信することができる。よって、第1画像処理装置と交換される第2画像処理装置に第1画像処理装置のデータを適切に引き継ぐことができる。
【0032】
第9態様のデータ処理方法によれば、サーバは、第2画像処理装置に適用可能な第1画像処理装置のデータを第2画像処理装置に送信する。このため、第2画像処理装置が処理可能なデータを第1画像処理装置から第2画像処理装置に引き継ぐことができる。
【0033】
第10態様のデータ処理方法によれば、第1画像処理装置に対して画像処理動作を実行する機能を停止させることにより、ユーザは第1画像処理装置に画像処理動作をさせることができなくなる。よって、ユーザに第1画像処理装置から第2画像処理装置への移行を促すことができる。
【0034】
第11態様のデータ処理方法によれば、第2画像処理装置が第1画像処理装置の設定情報の設定を完了した場合、サーバが第1画像処理装置の返却を促すことで、ユーザに第1画像処理装置から第2画像処理装置への移行を促すことができる。
【0035】
第14態様のデータ処理方法によれば、コントローラは、サーバに対して、サーバから他の画像処理装置のデータを取得するか否かを問い合わせる問い合わせ処理を実行する。よって、コントローラが、問い合わせ処理に対して、他の画像処理装置のデータを取得する指示を受け付けた場合、他の画像処理装置と交換される新たな画像処理装置に他の画像処理装置のデータを適切に引き継ぐことができる。
【0036】
第15態様のデータ処理方法によれば、画像処理装置が他の画像処理装置の設定情報の設定を完了した場合、コントローラが他の画像処理装置の返却を促すことで、ユーザに他の画像処理装置から新たな画像処理装置への移行を促すことができる。
【発明の効果】
【0037】
本開示の一態様によれば、ユーザに第1画像処理装置から第2画像処理装置への移行を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本開示の実施形態の画像処理システムの概要を示す図である。
図2】画像処理装置の概略図である。
図3】ドラムカートリッジ及びトナーカートリッジを含む画像処理装置と、サーバと、ユーザ端末との接続関係を示す図である。
図4】画像処理システムにおける各種装置の動作の一例を示すシーケンス図である。
図5図4に示す動作の続きを示すシーケンス図である。
図6図4及び図5に示す各種装置の動作のうち、主にサーバと第1画像処理装置との間の動作の一例を示すフローチャートである。
図7図4及び図5に示す各種装置の動作のうち、主にサーバと第2画像処理装置との間の動作の一例を示すフローチャートである。
図8図7に示す動作の続きを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本開示の実施形態について図1図8を参照しつつ説明する。本実施形態では、一例として、画像処理装置がレーザープリンタであり、画像処理動作が印刷である場合について説明する。しかしながら、画像処理装置は、レーザープリンタ以外のプリンタであってもよい。例えば、画像処理装置1は、インクジェットプリンタであってもよい。
【0040】
〔画像処理システム100の概要〕
図1は、本実施形態の画像処理システム100の概要を示す図である。図1に示すように、画像処理システム100は、複数の画像処理装置1と、サーバ8と、ユーザ端末9とを含む。図1に示す複数の画像処理装置1は、同一のユーザによって購入されている。しかし、画像処理システム100は、図示されていないが、他のユーザによって購入されたさらに他の画像処理装置を含んで構成されていてもよい。
【0041】
画像処理装置1は、画像処理装置1に対する契約の締結により提供されるサービスを実現するための装置である。サーバ8は画像処理装置1とネットワークNTを介して通信し、画像処理装置1を管理する外部の装置である。本実施形態では、サーバ8は事業者が管理するサーバである。
【0042】
本実施形態における「契約」とは、ユーザと事業者との間で締結される契約であって、事業者がユーザによって指定された画像処理装置1を介して特定のサービスを提供する契約である。換言すると、ユーザはある画像処理装置1に対する契約を締結するといえる。また、画像処理装置1は、契約の対象となる装置であるともいえる。以下では、ユーザが指定した、契約の対象となる画像処理装置1を「契約対象機」と称する。
【0043】
複数の画像処理装置1のそれぞれは、ユーザが事業者と契約することによって、契約専用の消耗品を使用することができる。契約は、一例として、契約サービスを提供する事業者と、ユーザとの間で、サービスの利用期間、利用料金、上限枚数等が取り決められた上で、事業者がユーザにサービスを提供することを双方が了承することである。すなわち、本実施形態の画像処理装置1は、サービスの契約が締結された後、締結した契約の内容に基づく印刷である契約印刷を実行することが可能になる画像処理装置である。
【0044】
ユーザは画像処理装置1を任意のタイミングで契約対象機として登録、または変更することができる。ここで言う「登録」とは、新規登録であっても、以前登録しており、契約を解除した画像処理装置1を再登録することであってもよい。また、ユーザは複数の画像処理装置1を契約対象機として登録することもできる。すなわち、ユーザは複数の画像処理装置1を契約対象機として同時に用いることも可能であるし、契約対象機として用いる画像処理装置1を、ある画像処理装置1から別の画像処理装置1に変更することもできる。
【0045】
ユーザが利用するユーザ端末9は、サーバ8と通信して、契約の締結、解除、及び、その他の手続を実行するための装置であり、外部端末の一例である。ユーザ端末9としては、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン等、標準的な通信機能を備えた情報処理端末が採用され得る。画像処理システム100を構成する各装置は、インターネット等の通信網を介して、互いに通信することができる。
【0046】
〔画像処理装置1の構造概要〕
図2は、画像処理装置1の概略図である。図3は、ドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ4を含む画像処理装置1と、サーバ8と、ユーザ端末9との接続関係を示す図である。なお、図3には画像処理装置1が2つ含まれているが、いずれの画像処理装置1も同様の構成を有している。図2に示すように、画像処理装置1は、本体筐体10と、カバー11と、トナーカートリッジ4と、ドラムカートリッジ20と、コントローラ61と、本体メモリ62と、通信部63と、ディスプレイ64と、入力部65とを備える。
【0047】
〔本体筐体10〕
画像処理装置1の本体筐体10には、トナーカートリッジ4が装着可能である。詳しくは後述するが、トナーカートリッジ4は、ドラムカートリッジ20に装着されることで、ドラムカートリッジ20と一体となる。つまり、トナーカートリッジ4は、ドラムカートリッジ20に装着された状態で、ドラムカートリッジ20とともに、本体筐体10へ装着可能である。これにより、ドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ4を含む画像処理装置1が実現する。
【0048】
なお、本実施形態の画像処理装置1では、印刷を行うために4個のトナーカートリッジ4の装着が必要であることとする。すなわち、本実施形態の画像処理装置1は、4個のドラムカートリッジ20と、4個のトナーカートリッジ4とが装着可能に構成されている。しかしながら、画像処理装置1に装着されるドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ4の個数は、図2の例に限定されない。例えば、画像処理装置1は、1個のドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ4が装着可能なモノクロプリンタであってもよい。
【0049】
トナーカートリッジ4は、画像処理装置1が印刷の際に消費するトナーを収容する。すなわち、トナーカートリッジ4は画像処理装置1にとっての消耗品の一例である。また、ドラムカートリッジ20は、画像処理装置1の印刷の際に用いる感光体ドラム21を含んでいる。ドラムカートリッジ20も、画像処理装置1にとっての消耗品の一例である。
【0050】
本体筐体10は、例えば矩形の箱状である。4つのドラムカートリッジ20、4つのトナーカートリッジ4、転写ベルト70、コントローラ61、本体メモリ62及び通信部63は、本体筐体10に収容される。本体筐体10は、4つのカートリッジ保持部13を有する。カートリッジ保持部13は、凹状に形成されており、開口を有する。ドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ4は、カートリッジ保持部13のそれぞれに保持されることで本体筐体10に装着される。
【0051】
〔カバー11〕
画像処理装置1のカバー11には、各ドラムカートリッジ20に対応した光源ユニット50が備えられている。つまり、画像処理装置1は、4つの光源ユニット50を備える。カバー11は、図1において実線で示す開口10Aを開ける開位置と、図1において二点鎖線で示す開口10Aを閉じる閉位置との間で、第1方向に延びる回動軸11Aを中心に回動可能(移動可能)である。カバー11の回動によって、本体筐体10の上端に設けられた開口10Aが開閉される。
【0052】
なお、「第1方向」とは、トナーカートリッジ4における現像ローラ41の回転中心軸(現像軸)が延びる方向を示す。カバー11が開位置に配置されたときには、カートリッジ保持部13のそれぞれの開口が開放される。カバー11が閉位置に配置されたときには、カートリッジ保持部13のそれぞれの開口が、カバー11により覆われる。
【0053】
本体筐体10には、開口10Aに図示しない閉センサが設けられていてもよい。閉センサは、カバー11が閉位置にあることを検知するセンサである。閉センサは、例えば、接触型のセンサであってもよいし、光学型のセンサであってもよい。
【0054】
〔トナーカートリッジ4〕
トナーカートリッジ4は、現像ローラ41と、印刷材の一例としての現像剤(例えばトナー)とを収容可能なカートリッジ筐体を有する。カートリッジ筐体は、本体筐体10に装着可能である。4つのトナーカートリッジ4は、画像処理を行うために使用される材料として、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの各色)の現像剤を収容する。
【0055】
現像材は、使用に伴ってなくなる消耗品である。現像ローラ41は、第1方向に延びる円筒状の部材であり、第1方向に延びる現像軸を中心に回転可能である。トナーカートリッジ4がドラムカートリッジ20に装着されると、感光体ドラム21の外周面は、現像ローラ41の外周面と接触する。
【0056】
また、トナーカートリッジ4は、消耗品メモリの一例としてのトナーメモリ42を有する。トナーメモリ42は、トナーカートリッジ4の第1方向における一方側の外表面に配置される。トナーメモリ42は、情報の読み出し及び書き込みが可能なメモリ、例えば、フラッシュROM(Read Only Memory)またはEEPROM(登録商標,Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)である。
【0057】
トナーメモリ42は、トナーカートリッジ4に関する情報を記憶するために、第1領域421と、第2領域422と、第3領域423とを有している。トナーメモリ42は第1領域421にトナーIDを記憶している。トナーメモリ42は、第2領域422にトナー種別情報を記憶している。トナーメモリ42は第3領域423にトナー残量情報を記憶している。なお、第3領域423は、データの書き替えが可能であってもよい。
【0058】
トナーIDは、個々のトナーカートリッジ4を識別するための固有の識別情報の一例である。トナーIDは、各トナーカートリッジ4に固有のシリアルナンバーであってもよい。なお、トナーIDには、各トナーカートリッジ4の色を示す情報が含まれていてもよい。
【0059】
トナー種別情報は、種別情報の一例であり、トナーカートリッジ4の種別を示す情報である。本実施形態において、トナーカートリッジ4の種別は2種類存在する。1つは、契約対象機でのみ使用可能な「専用カートリッジ」である。換言すれば、専用カートリッジは、画像処理装置1を対象とする契約が締結されている場合に使用可能な専用の消耗品の一例である。
【0060】
もう1つは、契約対象機でない画像処理装置1でも使用可能な「通常カートリッジ」である。換言すれば、通常カートリッジは、契約の締結に関わらず使用可能な通常の消耗品の一例である。なお、トナー種別情報は、トナーIDに含まれていてもよい。すなわち、トナーIDは、個々のトナーカートリッジ4を識別する情報であると同時に、個々のトナーカートリッジ4の種別が何であるかを示す情報であってもよい。
【0061】
トナー残量情報は、トナーカートリッジ4のトナーの残量を示す情報である。トナーの残量は、一例として、満杯から空までの複数の段階に対応する値で構成される。満杯から空までの複数の段階に対応する値は、第3領域423に記憶されている。トナーメモリ42が記憶するトナーの残量の各段階は、上述の値に基づいて、値が高い順に「FULL」、「HIGH」、「LOW」及び「EMPTY」等の文字列であってもよい。また、トナーメモリ42が記憶するトナーの残量の各段階は、「100%」~「0%」等の数値であってもよいし、文字列と数値を組み合わせた情報であってもよい。
【0062】
〔ドラムカートリッジ20〕
ドラムカートリッジ20は、本体筐体10に装着可能なカートリッジ筐体を有している。カートリッジ筐体は、画像処理を行うために使用される部品として、感光体ドラム21を含む。感光体ドラム21は、使用に伴って、表面の磨耗等の劣化が生じるために交換が必要となる消耗品である。感光体ドラム21は、第1方向に延びる円筒状の感光体である。感光体ドラム21は、第1方向に延びるドラム軸を中心に回転可能である。感光体ドラム21の外周面は、感光材料に覆われている。
【0063】
また、ドラムカートリッジ20は、消耗品メモリの一例としてのドラムメモリ22を有していてもよい。ドラムメモリ22は、情報の読み出し及び書き込みが可能なメモリである。ドラムメモリ22は、例えばフラッシュROMまたはEEPROMである。
【0064】
ドラムメモリ22は、ドラムカートリッジ20の感光体ドラム21に関する情報を記憶するために、第1領域221と、第2領域222とを有している。ドラムメモリ22は第1領域221にドラムIDを記憶している。ドラムメモリ22は第2領域222にドラム種別情報を記憶している。
【0065】
ドラムIDは、個々のドラムカートリッジ20を識別するための固有の識別情報の一例である。ドラムIDは、各ドラムカートリッジ20に固有のシリアルナンバーであってもよい。ドラム種別情報は、種別情報の一例であり、ドラムカートリッジ20の種別を示す情報である。本実施形態において、ドラムカートリッジ20の種別は、「専用カートリッジ」及び「通常カートリッジ」の2種類存在する。
【0066】
〔カートリッジの装着と印刷機構〕
図2に示すように、ドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ4は、カバー11が開位置に配置された状態で、本体筐体10に装着される。この状態で、ドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ4は、開口10Aからカートリッジ保持部13に挿入される。
【0067】
本体筐体10は、コネクタ101及びコネクタ102を有する。ドラムカートリッジ20がカートリッジ保持部13に挿入された状態で、コネクタ101がドラムメモリ22と電気的に接続されることより、本体筐体10のコントローラ61がドラムカートリッジ20のドラムメモリ22と通信可能になる。また、トナーカートリッジ4が本体筐体10に装着された状態で、コネクタ102がトナーメモリ42と電気的に接続されることにより、本体筐体10のコントローラ61がトナーカートリッジ4のトナーメモリ42と通信可能になる。
【0068】
4つの光源ユニット50は、カバー11の内表面に取り付けられている。光源ユニット50は、本体筐体10にドラムカートリッジ20が装着されて、カバー11が閉位置にある状態で、感光体ドラム21の表面と向かい合って配置されている。また、光源ユニット50は、第1方向に配列された複数の光源を有する。光源は、感光体ドラム21の外周面に、光を照射可能である。光源は、例えばLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)である。
【0069】
光源ユニット50は、コントローラ61と電気的に接続されている。コントローラ61は、入力された画像データに応じて、光源ユニット50の複数の光源を発光させる。光源は、感光体ドラム21の外周面に向けて光を照射する。その結果、感光体ドラム21の外周面の感光材料が、画像データに応じて露光される。
【0070】
転写ベルト70は、感光体ドラム21の表面にある現像剤を、印刷用紙へ転写する部品である。転写ベルト70は、使用に伴って、表面の磨耗等の劣化が生じるために交換が必要となる消耗品の一例である。転写ベルト70は、感光体ドラム21と接触可能なベルトであって、環状(無端帯)である。感光体ドラム21の外周面は、転写ベルト70の外周面と接触可能である。印刷処理時には、印刷用紙が、転写ベルト70と感光体ドラム21との間へ搬送される。
【0071】
転写ベルト70は、駆動ローラ71と従動ローラ72との間に掛け渡されている。駆動ローラ71は、転写ベルト70を駆動する。コントローラ61は、駆動ローラ71を回転させる。従動ローラ72は、駆動ローラ71の駆動に伴う転写ベルト70の移動に従い、回転する。
【0072】
〔本体筐体10の内部構造〕
コントローラ61は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)を有する。コントローラ61は、本体筐体10に設けられた本体メモリ62、通信部63、ディスプレイ64及び入力部65と電気的に接続されている。コントローラ61は、種々の処理を実行することによって、画像処理装置1に印刷処理及びそれに付随する処理を行わせる。
【0073】
なお、コントローラ61は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを備えてもよい。この場合、本体メモリ62に印刷制御方法を実現する制御プログラムが記憶されていてもよい。そして、コントローラ61のプロセッサが、本体メモリ62が記憶する制御プログラムにしたがって動作することにより、画像処理装置1における印刷処理が実行されてもよい。
【0074】
また、コントローラ61自体が、制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えていてもよい。記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路等を用いることができる。また、制御プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)等を用いてもよい。
【0075】
また、制御プログラムは、制御プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介してコンピュータに供給されてもよい。なお、本開示の一態様は、制御プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0076】
ドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ4が本体筐体10のカートリッジ保持部13に装着されると、図3に示すように、ドラムメモリ22及びトナーメモリ42は、コントローラ61と電気的に接続される。コントローラ61は、接続されたドラムメモリ22及びトナーメモリ42からの情報の読出処理と、ドラムメモリ22及びトナーメモリ42への情報の書き込み処理及び/または書き替え処理を実行することが可能となる。
【0077】
本体メモリ62は、情報の読み出し及び書き込みが可能なメモリである。本体メモリ62は、例えばフラッシュROM、EEPROMまたはNVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)である。本体メモリ62は、トナー情報を記憶する第1領域621と、装置IDを記憶する第2領域622と、モード情報を記憶する第3領域623と、ステータス情報を記憶する第4領域624と、を有する。また、本体メモリ62は、第1枚数カウンタを記憶する第5領域625と、第2枚数カウンタを記憶する第6領域626と、ジョブ情報を記憶する第7領域627と、を有する。
【0078】
トナー情報は、画像処理装置1に装着された個々のトナーカートリッジ4に関する情報である。例えば、トナー情報は、あるトナーメモリ42から読み出されたトナーIDに、同一のトナーメモリ42から読み出されたトナー種別情報及びトナー残量情報を対応付けたデータであってもよい。そして、本体メモリ62は第1領域621に、このように対応付けたデータをトナーカートリッジ4毎に記憶してもよい。装置IDは、個々の画像処理装置1を識別するための固有の識別情報の一例である。装置IDは、各画像処理装置1に固有のシリアルナンバーであってもよい。
【0079】
モード情報は、画像処理装置1の動作モードを示す情報である。本実施形態では、モード情報は、画像処理装置1が契約対象機として登録されたことを意味する「契約モード」と、画像処理装置1が契約対象機として登録されていないか、契約が解除済であることを意味する「通常モード」との2種類のモードのいずれかであることとする。
【0080】
換言すれば、「契約モード」は、画像処理装置1が画像処理システム100上で、契約が締結された契約機として動作することを意味する。「通常モード」は、画像処理装置1が契約機ではなく、契約が締結されていない通常の画像処理装置として動作することを意味する。画像処理装置1の出荷時には、第3領域623には初期値として、通常モードに対応する値が記憶されている。コントローラ61はモード情報を適宜書き替える。
【0081】
ステータス情報は、画像処理装置1の状態を表す情報である。本実施形態では、一例として、ステータス情報は、画像処理装置1が(1)通常モード、(2)契約モード下の非課金状態、(3)契約モード下の課金状態、(4)契約モード下の印刷停止状態、及び(5)契約モード下の印刷制限状態のうちいずれかを示す情報であってもよい。
【0082】
「契約モード下の非課金状態」とは、画像処理装置1が契約モードではあるが、契約サービスの利用は開始されていない状態を示す。例えば、サーバ8が、画像処理装置1を契約機として認識するタイミングと、サーバ8が、画像処理装置1で契約サービスが利用開始されたとみなすタイミングとが異なっている場合、この「契約モードの非課金状態」という状態が生じ得る。「契約モード下の課金状態」とは、画像処理装置1が契約モードであり、かつ、契約サービスの利用が開始されている状態を示す。
【0083】
第1枚数カウンタは、画像処理装置1における印刷枚数の累計である。第2枚数カウンタは、画像処理装置1が契約印刷で印刷した印刷物の枚数を示す。第2枚数カウンタは、画像処理装置1が契約モードから通常モードに移行する度に0にカウントリセットされてもよいし、今まで画像処理装置1において契約に基づく印刷で印刷された印刷物の枚数の累計であってもよい。
【0084】
ジョブ情報は、画像処理に関するジョブを示す情報である。画像処理に関するジョブは、例えば、画像処理装置1に対して印刷を指示する印刷ジョブである。コントローラ61は、ネットワークNTを介して、ジョブ情報をユーザ端末9から取得する。コントローラ61は、取得したジョブ情報を本体メモリ62の第7領域627に記憶させる。
【0085】
画像処理装置1は、画像処理装置1の各部を制御することにより、印刷ジョブにより指定される印字データを印刷用紙に印刷することができる。具体的には、コントローラ61は、印刷ジョブに基づき、種々の処理を実行することによって、画像処理装置1に印刷処理及びそれに付随する処理を行わせる。なお、ジョブ情報は、画像処理に関するジョブに付与されるジョブIDであってもよい。この場合、画像処理に関するジョブは、サーバ8等に記憶されていてもよい。
【0086】
通信部63は、ネットワークNTを介して、サーバ8と通信を行う通信インタフェースである。通信部63は、サーバ8から受信した各種データ、通知、及び要求をコントローラ61に出力する。通信部63は、コントローラ61から入力された各種データ、通知、及び要求をサーバ8へ送信する。
【0087】
ディスプレイ64は、例えば液晶ディスプレイであり、各種情報を表示する。入力部65は、ボタン等であり、ユーザが各種情報を入力するためのものである。また、ディスプレイ64及び入力部65は、例えば、液晶ディスプレイとタッチパネルとが一体に構成されたものであってもよい。
【0088】
〔ユーザ端末9〕
ユーザ端末9は、ユーザの各種入力操作を受け付けるための入力インタフェースと、サーバ8と通信するための通信インタフェースと、を有している。ユーザは、ユーザ端末9を介して入力操作を行うことによって、サーバ8に契約対象機を登録する。例えば、ユーザは自分の識別情報と、契約対象機としたい画像処理装置1の識別情報とを、ユーザ端末9に入力する。ユーザ端末9は入力を受け付けると、サーバ8に対して入力された情報を送信する。
【0089】
ユーザ端末9は、契約対象機の登録(すなわち、契約対象機の追加)の他に、契約対象機の変更に関する入力操作を受け付けてもよい。例えば、ユーザ端末9は、ユーザによる、自分の識別情報と、契約変更後の契約対象機の識別情報と、契約変更前の契約対象機の識別情報と、を入力する入力操作を受け付けてもよい。そして、ユーザ端末9は、これら3種類の情報をサーバ8に送信してもよい。
【0090】
〔サーバ8〕
サーバ8は、画像処理装置1の稼働状態を管理するとともに、事業者とユーザとが取引を行うための管理装置である。サーバ8は、サーバ通信部83と、サーバメモリ82と、サーバ制御部81とを備えている。サーバ制御部81は、サーバ8を統括的に制御するCPU等のプロセッサを備える。サーバメモリ82は、サーバ8の動作に必要なデータを記憶する記憶装置である。
【0091】
サーバメモリ82は、装置情報を記憶する領域と、登録テーブルを記憶する領域とを有してもよい。サーバ制御部81は、画像処理装置1またはユーザ端末9から受信した通知または要求に応じて、装置情報の記憶、または登録テーブルの更新を行ってもよい。
【0092】
装置情報は、画像処理装置1に関する種々の情報をまとめたデータである。装置情報は、画像処理装置1の1台ごとに分けて記憶される。装置情報は少なくとも、装置IDを含んでいる。登録テーブルは、ユーザにより契約対象機に指定された画像処理装置1を登録したデータテーブルである。また、登録テーブルとは、画像処理装置1が契約中か否かを示すデータでもある。
【0093】
サーバ通信部83は、ネットワークNTを介して、画像処理装置1及びユーザ端末9と通信を行う通信インタフェースである。サーバ通信部83は、画像処理装置1またはユーザ端末9から受信した各種データ、通知、及び要求をサーバ制御部81に出力する。サーバ通信部83は、サーバ制御部81から入力された各種データ、通知、及び要求を、画像処理装置1またはユーザ端末9へ送信する。
【0094】
〔旧装置から新装置への移行の流れ〕
以下、ユーザが現在使用している画像処理装置1をプリンタP1と称する。プリンタP1は、ユーザによりプリンタP1が契約対象機として登録されている契約モードと、ユーザによりプリンタP1が契約対象機として登録されていないか、契約が解除済である通常モードと、を有する。
【0095】
また、ユーザがプリンタP1に代えて使用予定である画像処理装置1をプリンタP2と称する。プリンタP2は、ユーザによりプリンタP2が契約対象機として登録されている契約モードと、ユーザによりプリンタP2が契約対象機として登録されていないか、契約が解除済である通常モードと、を有する。プリンタP1は、第1画像処理装置の一例であり、プリンタP2は、第2画像処理装置の一例である。
【0096】
〔画像処理システム100におけるデータ処理方法〕
図4は、画像処理システム100における各種装置の動作の一例を示すシーケンス図である。図5は、図4に示す動作の続きを示すシーケンス図である。図4及び図5では、ユーザが、プリンタP1からプリンタP2に移行する場合の動作例を説明する。サーバ8は、プリンタP1及びプリンタP2を管理する。サーバ8のサーバメモリ82には、ユーザを識別するためのユーザ識別情報とプリンタP1の装置IDとプリンタP2の装置IDとが予め関連付けられて記憶されている。
【0097】
プリンタP1のユーザは、プリンタP1の交換及び返却を手続するための入力操作をユーザ端末9に対して行う。ユーザ端末9は入力操作を受け付けると、図4に示すように、サーバ8に対してプリンタP1の交換要求を送信する(S1)。サーバ8のサーバ制御部81は、ユーザ端末9からプリンタP1の交換要求を受け付ける。サーバ制御部81がプリンタP1の交換要求を受け付ける処理は、受付ステップ及び受付処理の一例である。
【0098】
サーバ制御部81は、ユーザ端末9からプリンタP1の交換要求を受け付けた場合、プリンタP1に対して所定の機能の停止を指示する(S2)。S2においてサーバ制御部81は、例えば、所定の機能として、印刷用紙に印刷を行う画像処理動作を実行する機能の停止をプリンタP1に対して指示する。プリンタP1に対して画像処理動作を実行する機能を停止させることにより、ユーザはプリンタP1に画像処理動作をさせることができなくなる。よって、ユーザにプリンタP1からプリンタP2への移行を促すことができる。
【0099】
なお、サーバ制御部81は、S2において所定の機能の停止をプリンタP1に指示する場合、プリンタP1の本体メモリ62に記憶されているデータを取得してもよい。また、サーバ制御部81は、S2の処理を実行した後、サーバメモリ82においてプリンタP1が利用中であることを示す情報を、プリンタP1の所定の機能が停止中であることを示す情報に書き換える。サーバ制御部81がS2の処理を実行する時点では、サーバメモリ82には、プリンタP2が利用前であり、かつ、ネットワークNTに通信接続していないことを示す情報が記憶されている。
【0100】
プリンタP1のコントローラ61は、サーバ制御部81から所定の機能の停止の指示を受け付ける。プリンタP1のコントローラ61は、サーバ制御部81から所定の機能の停止の指示を受け付けた場合、プリンタP1の所定の機能を停止する。例えば、プリンタP1のコントローラ61は、サーバ制御部81から画像処理動作を実行する機能の停止の指示を受け付けた場合、画像処理動作を実行する機能を停止する。
【0101】
また、ユーザ端末9がジョブ情報をプリンタP1に送信した場合を考える(S3)。プリンタP1のコントローラ61は、所定の機能を停止した後にユーザ端末9からジョブ情報を受信した場合、ジョブ情報をプリンタP1の本体メモリ62に記憶する。プリンタP1のコントローラ61がジョブ情報を本体メモリ62に記憶する処理は、第2記憶ステップの一例である。プリンタP1のコントローラ61は、揮発性メモリである本体メモリ62にジョブ情報を記憶してもよく、不揮発性メモリである本体メモリ62にジョブ情報を記憶してもよい。
【0102】
プリンタP1のコントローラ61は、プリンタP1では画像処理に関するジョブを実行できないことをユーザ端末9に通知する(S4)。ユーザ端末9は、プリンタP1から通知を受け取ると、プリンタP1では画像処理に関するジョブを実行できないことをユーザ端末9の画面に表示する。
【0103】
なお、S4においてプリンタP1のコントローラ61は、画像処理に関するジョブをプリンタP1に実行させるためには、プリンタP1の交換が必要であることをユーザ端末9に通知してもよい。また、S4においてコントローラ61は、プリンタP1と交換されるプリンタP2がサーバ8と通信接続している状態ではプリンタP1からプリンタP2への移行が可能であることをユーザ端末9に通知してもよい。これにより、ユーザにプリンタP2をサーバ8に通信接続させるように促すことができる。
【0104】
次に、ユーザは、プリンタP2をネットワークNTに通信接続させることにより、プリンタP2をサーバ8に通信接続させる(S5)。これにより、サーバ8のサーバ通信部83は、プリンタP2のコントローラ61と通信接続する。サーバ通信部83がプリンタP2のコントローラ61と通信接続する処理は、接続ステップ及び接続処理の一例である。コントローラ61は、サーバ通信部83と通信接続した後、プリンタP1がネットワークNTと通信接続したことをサーバ制御部81に通知する(S6)。
【0105】
S6の後、サーバ制御部81は、サーバメモリ82においてプリンタP2がネットワークNTに通信接続していないことを示す情報を、プリンタP2がネットワークNTに通信接続していることを示す情報に書き換える。
【0106】
また、サーバ制御部81は、プリンタP1のデータを引き継ぎできることの表示をプリンタP2に指示する(S7)。プリンタP2のコントローラ61は、サーバ制御部81から指示を受け付けると、プリンタP1のデータを引き継ぎできることをプリンタP2のディスプレイ64に表示させる。そして、プリンタP2のコントローラ61は、プリンタP2に移行するか否かを選択させる内容をユーザ端末9に通知する(S8)。
【0107】
プリンタP1のユーザが、プリンタP2に移行することを選択する入力操作をユーザ端末9に対して行った場合を考える。この場合、ユーザ端末9は入力操作を受け付けると、プリンタP2に対してプリンタP1からプリンタP2への移行依頼を送信する(S9)。プリンタP2のコントローラ61は、ユーザ端末9から移行依頼を受け付けると、サーバ8に対してプリンタP1からプリンタP2への移行依頼を送信する(S10)。
【0108】
S10において、プリンタP2のコントローラ61は、S5においてサーバ8と通信接続している状態において、サーバ8に対して、プリンタP2がサーバ8からプリンタP1のデータを取得するか否かを問い合わせる問い合わせ処理を実行してもよい。
【0109】
サーバ制御部81は、プリンタP1からプリンタP2への移行依頼を受け付けると、図5に示すように、プリンタP1に対してプリンタP1の本体メモリ62が記憶するデータを要求する(S11)。プリンタP1のコントローラ61は、プリンタP1のデータの要求を受け付けると、プリンタP1の本体メモリ62が記憶するデータをサーバ8に送信する(S12)。なお、プリンタP1のコントローラ61は、プリンタP1のデータをサーバ8に送信した後、プリンタP1の本体メモリ62からプリンタP1のデータを削除してもよい。
【0110】
サーバ制御部81は、プリンタP1から送信されたプリンタP1のデータを取得する。サーバ制御部81は、取得したプリンタP1のデータをサーバメモリ82に記憶させる。サーバ制御部81がプリンタP1のデータをサーバメモリ82に記憶させる処理は、第1記憶ステップ及び記憶処理の一例である。
【0111】
S12によりサーバ制御部81が取得するプリンタP1のデータは、例えば、プリンタP1の本体メモリ62が記憶するトナー情報、装置ID、モード情報、ステータス情報、第1枚数カウンタ、第2枚数カウンタ及びジョブ情報である。また、S12によりサーバ制御部81が取得するプリンタP1のデータは、プリンタP1の設定情報を少なくとも含む。プリンタP1の設定情報は、例えば、プリンタP1の本体メモリ62が記憶するモード情報、ステータス情報、第1枚数カウンタ及び第2枚数カウンタである。
【0112】
さらに、S12によりサーバ制御部81が取得するプリンタP1のデータがジョブ情報を含む。このため、サーバ制御部81は、プリンタP1の本体メモリ62に記憶されたプリンタP1のデータに含まれるジョブ情報を取得してサーバメモリ82に記憶させることになる。
【0113】
サーバ制御部81は、プリンタP1から取得したプリンタP1のデータをプリンタP2に送信する(S13)。S1によりサーバ制御部81がプリンタP1の交換要求を受け付けたことにより、S2によってプリンタP1の所定の機能が停止した状態において、S13においてサーバ制御部81がプリンタP1のデータをプリンタP2に送信する。S13の処理は、送信ステップ及び送信処理の一例である。
【0114】
また、サーバ制御部81は、プリンタP1のデータをサーバメモリ82に記憶させる処理において、プリンタP1の所定の機能が停止した状態で、プリンタP1のデータを取得する。プリンタP1の所定の機能が停止すると、所定の機能の実行に応じたプリンタP1のデータの更新も停止する。このため、プリンタP1の所定の機能が停止した状態で、サーバ制御部81がプリンタP1のデータを取得することにより、プリンタP1の最新のデータをプリンタP2に引き継ぐことができる。
【0115】
さらに、S13によりサーバ制御部81がプリンタP2に送信するプリンタP1のデータにはジョブ情報が含まれる。このため、S13において、サーバ制御部81は、ジョブ情報をプリンタP2に送信することになる。また、プリンタP2のコントローラ61は、サーバ制御部81からプリンタP1のデータを取得する。プリンタP2のコントローラ61がプリンタP1のデータを取得する処理は、取得処理の一例である。
【0116】
プリンタP1が所定の機能を停止した後も、プリンタP1がユーザ端末9と通信可能な状態であれば、例えばFAX受信等のジョブを示すジョブ情報を受信することがある。上記構成によれば、プリンタP1が所定の機能を停止した後に受信したジョブ情報が示すジョブをプリンタP2で実行できる。このため、プリンタP2に対してユーザ端末9からジョブ情報を再送信させるようなユーザの手間をかけずに、プリンタP2でジョブを実行することが可能となる。
【0117】
プリンタP2のコントローラ61は、S10における問い合わせ処理に対して、サーバ制御部81からプリンタP1のデータを取得する指示を受け付けた場合、S13において、プリンタP1のデータをサーバ制御部81から取得する。
【0118】
S10において、プリンタP2のコントローラ61は、サーバ8に対して、サーバ8からプリンタP1のデータを取得するか否かを問い合わせる問い合わせ処理を実行する。よって、コントローラ61が、問い合わせ処理に対して、プリンタP1のデータを取得する指示を受け付けた場合、プリンタP1と交換される新たなプリンタP2にプリンタP1のデータを適切に引き継ぐことができる。
【0119】
プリンタP2のコントローラ61は、プリンタP1のデータをサーバ制御部81から取得すると、プリンタP2へのプリンタP1のデータの移動が完了したことと、プリンタP1の返却を促すことと、をユーザ端末9に通知する(S14)。ユーザ端末9は、プリンタP2からの通知を受信すると、プリンタP2へのプリンタP1のデータの移動が完了したことと、プリンタP1の返却を促すことと、をユーザ端末9の画面に表示する。
【0120】
なお、プリンタP2のコントローラ61は、プリンタP1のデータをサーバ制御部81から取得すると、プリンタP2へのプリンタP1のデータの移動が完了したことと、プリンタP1の返却を促すことと、をプリンタP2のディスプレイ64に表示させてもよい。
【0121】
S14の後、プリンタP2のコントローラ61は、プリンタP2へのプリンタP1のデータの移動が完了したことをサーバ8に通知する(S15)。サーバ通信部83がプリンタP2からの通知を受信すると、サーバ制御部81は、プリンタP2の使用を促すことと、プリンタP1の返却を促すことと、をプリンタP1に通知する(S16)。S16は通知ステップの一例である。プリンタP1のコントローラ61は、サーバ制御部81からの通知を受信すると、プリンタP2の使用を促すことと、プリンタP1の返却を促すことと、をプリンタP1のディスプレイ64に表示させる。
【0122】
なお、S15によりサーバ通信部83がプリンタP2からの通知を受信した場合、サーバ制御部81は、プリンタP2から完了情報を受信したか否かを判断してもよい。完了情報とは、プリンタP2のコントローラ61が、S13においてサーバ8がプリンタP2に送信したプリンタP1の設定情報の設定を完了したことを示す情報である。
【0123】
サーバ制御部81は、サーバ通信部83がプリンタP2から完了情報を受信したと判断した場合、S16の処理を実行する。サーバ制御部81が完了情報を受信する処理は、受信ステップの一例である。プリンタP2がプリンタP1の設定情報の設定を完了した場合、サーバ制御部81がプリンタP1の返却を促すことで、ユーザにプリンタP1からプリンタP2への移行を促すことができる。
【0124】
また、サーバ制御部81が、サーバ通信部83がプリンタP2から完了情報を受信したと判断した場合、プリンタP2のコントローラ61は、S13によりサーバ8から取得したプリンタP1の設定情報の設定を完了したことになる。この場合、プリンタP2のコントローラ61は、プリンタP1の返却を促す通知を実行する通知処理を実行してもよい。
【0125】
プリンタP2のコントローラ61は、通知処理として、例えば、プリンタP2のディスプレイ64にプリンタP1の返却を促す内容を表示させる処理を実行する。プリンタP2がプリンタP1の設定情報の設定を完了した場合、プリンタP2のコントローラ61がプリンタP1の返却を促すことで、ユーザにプリンタP1から新たなプリンタP2への移行を促すことができる。
【0126】
さらに、S16において、サーバ制御部81は、プリンタP2の使用を促すことと、プリンタP1の返却を促すことと、をユーザ端末9に通知してもよい。ユーザ端末9は、サーバ制御部81からの通知に基づき、プリンタP2の使用を促すことと、プリンタP1の返却を促すことと、をユーザ端末9の画面に表示する。
【0127】
〔サーバ8とプリンタP1との間の動作〕
図6は、図4及び図5に示す各種装置の動作のうち、主にサーバ8とプリンタP1との間の動作の一例を示すフローチャートである。図6に示すように、サーバ8のサーバ制御部81は、ユーザ端末9からプリンタP1の交換要求があったか否かを判断する(S21)。サーバ制御部81は、ユーザ端末9からプリンタP1の交換要求がない場合(S21でNO)、S22以降の処理を実行しない。
【0128】
サーバ制御部81は、ユーザ端末9からプリンタP1の交換要求があった場合(S21でYES)、プリンタP1がオンラインの状態であるか否かを判断する(S22)。プリンタP1がオンラインの状態であるとは、プリンタP1がネットワークNTと通信接続している状態であることである。S21でYESの場合、図4に示すS1の動作が実行され、サーバ制御部81がプリンタP1の交換要求を受け付けたことになる。
【0129】
サーバ制御部81は、プリンタP1がオンラインの状態ではないと判断した場合(S22でNO)を考える。この場合、サーバ制御部81は、プリンタP1のユーザに対してプリンタP1をオンラインの状態にするように依頼する内容を報知するように、ユーザ端末9に通知する(S23)。ユーザ端末9は、サーバ制御部81から通知に基づき、プリンタP1のユーザに対してプリンタP1をオンラインの状態にするように依頼する内容をユーザ端末9の画面に表示する。
【0130】
サーバ制御部81は、プリンタP1がオンラインの状態であると判断した場合(S22でYES)を考える。この場合、サーバ制御部81は、プリンタP1が所定の機能を動作中であるか否かを判断する(S24)。サーバ制御部81は、サーバメモリ82にプリンタP1が利用中であることを示す情報が記憶されている場合、プリンタP1が所定の機能を動作中であると判断する。一方、サーバ制御部81は、サーバメモリ82にプリンタP1の所定の機能が停止中であることを示す情報が記憶されている場合、プリンタP1が所定の機能を動作中ではないと判断する。
【0131】
サーバ制御部81は、プリンタP1が所定の機能を動作中ではないと判断した場合(S24でNO)、S28の処理に進む。サーバ制御部81は、プリンタP1が所定の機能を動作中であると判断した場合(S24でYES)、プリンタP1に所定の機能の停止を指示する(S25)。S25の処理は図4に示すS2の処理と同じ処理を示す。
【0132】
サーバ制御部81は、プリンタP1に所定の機能の停止を指示した後、プリンタP1から所定の機能を停止したことを通知されたか否かを判断する(S26)。サーバ制御部81は、プリンタP1から所定の機能を停止したことを通知されていないと判断した場合(S26でNO)、S25の処理に進む。
【0133】
サーバ制御部81は、プリンタP1から所定の機能を停止したことを通知されたと判断した場合(S26でYES)を考える。この場合、サーバ制御部81は、サーバメモリ82においてプリンタP1が利用中であることを示す情報を、プリンタP1の所定の機能が停止中であることを示す情報に書き換える(S27)。
【0134】
サーバ制御部81は、サーバメモリ82の情報を書き換えた後、プリンタP1からプリンタP1の本体メモリ62が記憶するデータを取得可能であるか否かを判断する(S28)。サーバ制御部81は、プリンタP1のデータを取得可能ではないと判断した場合(S28でNO)、S29以降の処理を実行しない。
【0135】
サーバ制御部81は、プリンタP1のデータを取得可能であると判断した場合(S28でYES)、プリンタP1に対してプリンタP1のデータを要求する(S29)。S29の処理は、図5に示すS11の処理と同じ処理を示す。サーバ制御部81は、プリンタP1に対してプリンタP1のデータを要求した後、プリンタP1のデータの取得を完了したか否かを判断する(S30)。
【0136】
サーバ制御部81は、プリンタP1のデータの取得を完了していないと判断した場合(S30でNO)、S30の処理を継続する。サーバ制御部81は、プリンタP1のデータの取得を完了したと判断した場合(S30でYES)、図5に示すS12の処理が実行されたことになる。
【0137】
また、S30でYESの場合、サーバ制御部81は、プリンタP1にプリンタP1のデータの取得が完了したことを通知し、今後はプリンタP1を使用しないことを表示するように指示する(S31)。S31の処理は、図5に示すS12の処理の後の任意のタイミングで実行される。プリンタP1のコントローラ61は、サーバ制御部81からの指示に基づき、今後はプリンタP1を使用しないことをプリンタP1のディスプレイ64に表示させる。
【0138】
〔サーバ8とプリンタP2との間の動作〕
図7は、図4及び図5に示す各種装置の動作のうち、主にサーバ8とプリンタP2との間の動作の一例を示すフローチャートである。図8は、図7に示す動作の続きを示すフローチャートである。図7に示すように、サーバ8のサーバ制御部81は、プリンタP2がオンラインの状態になったか否かを判断する(S41)。プリンタP2がオンラインの状態であるとは、プリンタP2がネットワークNTと通信接続している状態であることである。サーバ制御部81は、図4に示すS1によりプリンタP1の交換要求を受け付けた場合、S41の処理を実行する。
【0139】
サーバ制御部81は、サーバメモリ82にプリンタP2がネットワークNTに通信接続していないことを示す情報が記憶されている場合、プリンタP2がオンラインの状態になっていないと判断する。一方、サーバ制御部81は、サーバメモリ82にプリンタP2がネットワークNTに通信接続していることを示す情報が記憶されている場合、プリンタP2がオンラインの状態になっていると判断する。
【0140】
サーバ制御部81は、プリンタP2がオンラインの状態になっていないと判断した場合(S41でNO)、S42以降の処理を実行しない。サーバ制御部81は、プリンタP2がオンラインの状態になっていると判断した場合(S41でYES)を考える。この場合、サーバ制御部81は、サーバメモリ82に交換用プリンタとして記憶されている装置IDの一覧から、サーバメモリ82に予め記憶されているプリンタP2の装置IDを検索する(S42)。
【0141】
サーバ制御部81は、サーバメモリ82に交換用プリンタとして記憶されている装置IDの一覧に、プリンタP2の装置IDがあったか否かを判断する(S43)。サーバ制御部81は、プリンタP2の装置IDがないと判断した場合(S43でNO)、S44以降の処理を実行しない。
【0142】
サーバ制御部81は、プリンタP2の装置IDがあると判断した場合(S43でYES)、プリンタP1の本体メモリ62が記憶するデータを取得済か否かを判断する(S44)。S44は、第1判断ステップの一例である。サーバ制御部81が、プリンタP1のデータを取得済か否かを判断することにより、プリンタP1のデータを取得すべき状況で、サーバ制御部81がプリンタP1のデータを取得することができる。
【0143】
サーバ制御部81は、プリンタP1のデータを取得済であると判断した場合(S44でYES)、プリンタP1のデータを引き継ぐか否かを選択する画面を表示するようにプリンタP2に指示する(S45)。プリンタP2のコントローラ61は、サーバ制御部81からの指示に基づき、プリンタP1のデータを引き継ぐか否かを選択する画面をプリンタP2のディスプレイ64に表示する。サーバ制御部81は、プリンタP2への指示の後、プリンタP1のデータを引き継ぐことが選択されたか否かを判断する(S46)。
【0144】
プリンタP1のコントローラ61は、ユーザが入力部65によりプリンタP1のデータを引き継ぐことを入力した場合、入力された情報をサーバ8に送信する。サーバ制御部81は、プリンタP1のデータを引き継ぐことを示す情報をプリンタP1から受信した場合、プリンタP1のデータを引き継ぐことが選択されたと判断する。
【0145】
一方、プリンタP1のコントローラ61は、ユーザが入力部65によりプリンタP1のデータを引き継がないことを入力した場合、入力された情報をサーバ8に送信する。サーバ制御部81は、プリンタP1のデータを引き継がないことを示す情報をプリンタP1から受信した場合、プリンタP1のデータを引き継ぐことが選択されていないと判断する。
【0146】
サーバ制御部81は、プリンタP1のデータを引き継ぐことが選択されていないと判断した場合(S46でNO)、S47以降の処理を実行しない。サーバ制御部81は、プリンタP1のデータを引き継ぐことが選択されたと判断した場合(S46でYES)を考える。
【0147】
S46でYESの場合、サーバ制御部81は、プリンタP1のデータがプリンタP2に適用可能か否かを判断してもよい。サーバ制御部81が、プリンタP1のデータがプリンタP2に適用可能か否かを判断する処理は、第2判断ステップの一例である。
【0148】
例えば、サーバ制御部81は、プリンタP1の型式と、プリンタP2の型式と、が一致している場合、プリンタP1のデータがプリンタP2に引き継ぎ可能であると判断する。一方、サーバ制御部81は、プリンタP1の型式と、プリンタP2の型式と、が一致していない場合、プリンタP1のデータがプリンタP2に引き継ぎ可能ではないと判断する。
【0149】
サーバメモリ82には、各プリンタと型式とが予め関連付けられて記憶されている。サーバ制御部81は、サーバメモリ82に記憶された各プリンタ及び型式の情報に基づき、プリンタP1の型式と、プリンタP2の型式と、が一致しているか否かを判断する。
【0150】
サーバ制御部81は、プリンタP1のデータがプリンタP2に適用可能ではないと判断した場合、S47において、プリンタP2にエラーを通知する。サーバ制御部81がプリンタP2にエラーを通知した場合、S48以降の処理は実行せずに動作を終了する。
【0151】
サーバ制御部81は、プリンタP1のデータがプリンタP2に適用可能であると判断した場合、S47において、プリンタP1のデータをプリンタP2に送信する。サーバ制御部81は、プリンタP2に適用可能なプリンタP1のデータをプリンタP2に送信する。このため、プリンタP2が処理可能なデータをプリンタP1からプリンタP2に引き継ぐことができる。S47において、サーバ制御部81がプリンタP1のデータをプリンタP2に送信する処理は、図5に示すS13の処理と同じ処理を示す。
【0152】
次に、サーバ制御部81は、プリンタP1のデータをプリンタP2に送信した場合、プリンタP2へのデータの移動が完了したか否かを判断する(S48)。サーバ制御部81は、プリンタP2へのデータの移動が完了していないと判断した場合(S48でNO)、S48の処理を継続する。
【0153】
サーバ制御部81は、プリンタP2へのデータの移動が完了したと判断した場合(S48でYES)、プリンタP2へのデータの移動が完了したことと、プリンタP2の使用を促すことと、を表示するようにプリンタP2に指示する(S49)。プリンタP2のコントローラ61は、サーバ制御部81からの指示に基づき、プリンタP2へのデータの移動が完了したことと、プリンタP2の使用を促すことと、をプリンタP2のディスプレイ64に表示させる。
【0154】
なお、S49において、サーバ制御部81は、プリンタP1がオンラインの状態である場合、プリンタP2へのデータの移動が完了したことと、プリンタP2の使用を促すことと、を表示するようにプリンタP1に指示してもよい。プリンタP1のコントローラ61は、サーバ制御部81からの指示に基づき、プリンタP2へのデータの移動が完了したことと、プリンタP2の使用を促すことと、をプリンタP1のディスプレイ64に表示させる。
【0155】
サーバ制御部81は、プリンタP1のデータを取得済ではないと判断した場合(S44でNO)、図8に示すように、プリンタP1がオンラインの状態であるか否かを判断する(S50)。サーバ制御部81は、プリンタP1がオンラインの状態ではないと判断した場合(S50でNO)を考える。この場合、サーバ制御部81は、プリンタP1をオンラインの状態にすれば、プリンタP1のデータを引き継ぎできることを表示するようにプリンタP2に指示する(S51)。サーバ制御部81は、プリンタP2への指示の後、S50の処理に進む。
【0156】
プリンタP2のコントローラ61は、サーバ制御部81からの指示に基づき、プリンタP1をオンラインの状態にすれば、プリンタP1のデータを引き継ぎできることをプリンタP2のディスプレイ64に表示させる。
【0157】
なお、S51において、サーバ制御部81は、プリンタP1をオンラインの状態にすれば、プリンタP1のデータを引き継ぎできることを表示するようにユーザ端末9に指示してもよい。ユーザ端末9は、サーバ制御部81からの指示に基づき、プリンタP1をオンラインの状態にすれば、プリンタP1のデータを引き継ぎできることをユーザ端末9の画面に表示する。
【0158】
サーバ制御部81は、プリンタP1がオンラインの状態であると判断した場合(S50でYES)、プリンタP1のデータを引き継ぎできることを表示するようにプリンタP2に指示する(S52)。S51及びS52は、図4に示すS7と同じ処理を示す。
【0159】
サーバ制御部81は、プリンタP2への指示の後、ユーザ端末9から引き継ぎ承認の通知があったか否かを判断する(S53)。プリンタP1のユーザが、プリンタP1のデータをプリンタP2に引き継ぐことを承認する選択をユーザ端末9で行った場合、ユーザ端末9は、引き継ぎ承認をサーバ8に通知する。
【0160】
サーバ制御部81は、ユーザ端末9から引き継ぎ承認の通知がないと判断した場合(S53でNO)、以降の処理は実行せずに動作を終了する。サーバ制御部81は、ユーザ端末9から引き継ぎ承認の通知があったと判断した場合(S53でYES)、プリンタP1に対してプリンタP1のデータを要求する(S54)。S54の処理は、図5に示すS11の処理と同じ処理を示す。
【0161】
サーバ制御部81は、プリンタP1に対してプリンタP1のデータを要求した後、プリンタP1のデータを取得済であるか否かを判断する(S55)。サーバ制御部81は、プリンタP1のデータを取得済ではないと判断した場合(S55でNO)、S55の処理を継続する。サーバ制御部81は、プリンタP1のデータを取得済であると判断した場合(S55でYES)、S47の処理に進む。S55でYESの場合、サーバ制御部81は、図5に示すS12によりプリンタP1のデータを取得したことになる。
【0162】
以上により、プリンタP1の所定の機能が停止した状態において、サーバ制御部81がプリンタP1のデータをプリンタP2に送信する。プリンタP1に対して所定の機能を停止させることにより、ユーザにプリンタP1からプリンタP2への移行を促すことができる。
【0163】
また、例えば、所定の機能を停止したプリンタP1が印刷データを受信した場合であっても、ユーザがユーザ端末9を用いて、プリンタP1が受信した印刷データと同一のものをプリンタP2に受信させる手間を省くことができる。このように、プリンタP1のデータをプリンタP2に引き継ぐことができる。
【0164】
〔変形例1〕
画像処理システム100は、少なくとも1つのサーバ8を備えてもよい。この場合、少なくとも1つのサーバ8は、図4図8に示すサーバ8の処理を実行する。少なくとも1つのサーバ8が互いに連携することにより、図4図8に示すサーバ8の処理を実行することができる。
【0165】
〔変形例2〕
図7に示すS41またはS42の処理の後、サーバ制御部81は、サーバメモリ82にプリンタP1の装置IDとプリンタP2の装置IDとが関連付けられて記憶されているか否かを判断してもよい。サーバ制御部81は、サーバメモリ82にプリンタP1の装置IDとプリンタP2の装置IDとが関連付けられて記憶されていないと判断した場合、以降の処理を実行しない。
【0166】
サーバ制御部81は、サーバメモリ82にプリンタP1の装置IDとプリンタP2の装置IDとが関連付けられて記憶されていると判断した場合、S42またはS43の処理に進む。この場合において、サーバ制御部81は、S48まで処理を進め、S48でYESの場合、プリンタP1のデータをプリンタP2に送信したことになる。よって、サーバ8は、プリンタP1と関連付けられているプリンタP2に、プリンタP1のデータを送信することができる。よって、プリンタP1と交換されるプリンタP2にプリンタP1のデータを適切に引き継ぐことができる。
【0167】
〔変形例3〕
図7に示すS41またはS42の処理の後、サーバ制御部81は、以下の処理を実行してもよい。具体的には、サーバ制御部81は、サーバメモリ82にプリンタP1と関連付けられて記憶されているユーザ識別情報が、図4に示すS5においてサーバ8に通信接続されたプリンタP2からサーバ8に送信されたか否かを判断してもよい。
【0168】
サーバ制御部81は、ユーザ識別情報がプリンタP2からサーバ8に送信されていないと判断した場合、以降の処理を実行しない。サーバ制御部81は、ユーザ識別情報がプリンタP2からサーバ8に送信されたと判断した場合、S42またはS43の処理に進む。この場合において、サーバ制御部81は、S48まで処理を進め、S48でYESの場合、プリンタP1のデータをプリンタP2に送信したことになる。
【0169】
よって、サーバ8は、プリンタP1と関連付けられているユーザ識別情報をプリンタP2から受信した場合、プリンタP1のデータをプリンタP2に送信することができる。よって、プリンタP1と交換されるプリンタP2にプリンタP1のデータを適切に引き継ぐことができるとともに、ユーザ識別情報が示すユーザに対してプリンタP2を使用させることができる。
【0170】
〔変形例4〕
S28でYESの場合、サーバ制御部81は、プリンタP2へのプリンタP1のデータの送信について認証するための認証情報を入力する画面を表示するようにプリンタP1に指示してもよい。この場合、プリンタP1のコントローラ61は、サーバ制御部81からの指示に基づき、認証情報を入力する画面をプリンタP1のディスプレイ64に表示させる。
【0171】
プリンタP1のコントローラ61は、ユーザが入力部65により認証情報を入力した場合、入力された認証情報をサーバ8に送信する。サーバ制御部81は、プリンタP1から受信した認証情報を取得してプリンタP1と関連付けてサーバメモリ82に記憶させる。サーバ制御部81が認証情報を取得してプリンタP1と関連付けてサーバメモリ82に記憶させる処理は、第3記憶ステップの一例である。
【0172】
また、S46でYESの場合、サーバ制御部81は、認証情報を入力する画面を表示するようにプリンタP2に指示する。この場合、プリンタP2のコントローラ61は、サーバ制御部81からの指示に基づき、認証情報を入力する画面をプリンタP2のディスプレイ64に表示させる。プリンタP2のコントローラ61は、ユーザが入力部65により認証情報を入力した場合、入力された認証情報をサーバ8に送信する。
【0173】
サーバ制御部81は、図4に示すS5においてサーバ8に通信接続されたプリンタP2から、サーバメモリ82にプリンタP1と関連付けられて記憶されている認証情報と同一の認証情報がサーバ8に送信されたか否かを判断する。サーバ制御部81は、プリンタP2から、サーバメモリ82にプリンタP1と関連付けられて記憶されている認証情報と異なる認証情報がサーバ8に送信されたと判断した場合、S47において、プリンタP2にエラーを通知する。
【0174】
サーバ制御部81は、プリンタP2から、サーバメモリ82にプリンタP1と関連付けられて記憶されている認証情報と同一の認証情報がサーバ8に送信されたと判断した場合、S47において、プリンタP1のデータをプリンタP2に送信する。
【0175】
サーバ制御部81は、プリンタP1と関連付けられている認証情報と同一の認証情報がプリンタP2からサーバ8に送信された場合、プリンタP1のデータをプリンタP2に送信することができる。よって、プリンタP2へのプリンタP1のデータの送信について認証することができるとともに、プリンタP1と交換されるプリンタP2にプリンタP1のデータを適切に引き継ぐことができる。
【0176】
〔変形例5〕
プリンタP2の本体メモリ62には、プリンタP2がプリンタP1と交換される装置であることを示す交換装置情報が記憶されていてもよい。S46でYESの場合、サーバ制御部81は、図4に示すS5においてサーバ8に通信接続されたプリンタP2から交換装置情報がサーバ8に送信されたか否かを判断してもよい。
【0177】
サーバ制御部81は、プリンタP2から交換装置情報がサーバ8に送信されていないと判断した場合、S47において、プリンタP2にエラーを通知する。サーバ制御部81は、プリンタP2から交換装置情報がサーバ8に送信されたと判断した場合、S47において、プリンタP1のデータをプリンタP2に送信する。
【0178】
サーバ制御部81は、プリンタP2から交換装置情報がサーバ8に送信された場合、プリンタP1のデータをプリンタP2に送信することができる。よって、プリンタP1と交換されるプリンタP2にプリンタP1のデータを適切に引き継ぐことができる。
【0179】
〔変形例6〕
プリンタP1のコントローラ61は、図5に示すS11によりプリンタP1のデータの要求を受け付けた場合、S12においてプリンタP1のデータを暗号化し、暗号化したプリンタP1のデータをサーバ8に送信してもよい。また、S13においてプリンタP2のコントローラ61は、暗号化されたプリンタP1のデータをサーバ8から受信すると、暗号化されたプリンタP1のデータを復号化する。プリンタP1のデータが暗号化されることにより、プリンタP1のデータが書き換えられる可能性を低減することができる。
【0180】
〔変形例7〕
ドラムカートリッジ20は、感光体ドラム21と、カートリッジ筐体と、ドラムメモリ22と、帯電器と、に加えて、現像ローラ41を有してもよい。カートリッジ筐体には、感光体ドラム21、ドラムメモリ22、帯電器及び現像ローラ41が設けられる。また、トナーカートリッジ4は、カートリッジ筐体及びトナーメモリ42を有するが、現像ローラ41を有しない。カートリッジ筐体はトナーを収容する。現像ローラ41の外周面は、ドラムカートリッジ20の内部で感光体ドラム21の外周面と接触する。
【0181】
〔変形例8〕
トナーカートリッジ4は、図示しない2つのカートリッジから構成されていてもよい。トナーカートリッジ4を構成する2つのカートリッジのうち1つ目のカートリッジは、現像ローラ41を有する。トナーカートリッジ4を構成する2つのカートリッジのうち2つ目のカートリッジは、カートリッジ筐体と、トナーメモリ42と、を有する。カートリッジ筐体はトナーを収容する。
【0182】
〔変形例9〕
画像処理装置1は、ドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ4に代えて、図示しない1つのカートリッジを備えてもよい。1つのカートリッジは、感光体ドラム21と、カートリッジ筐体と、メモリと、帯電器と、現像ローラ41と、を有する。現像ローラ41の外周面は、1つのカートリッジの内部で感光体ドラム21の外周面と接触する。1つのカートリッジのカートリッジ筐体はトナーを収容する。
【0183】
〔変形例10〕
画像処理装置1では、ドラムカートリッジ20とトナーカートリッジ4とが本体筐体10に対して互いに独立して着脱可能であってもよい。
【0184】
〔変形例11〕
画像処理装置1は、スキャナまたはファクシミリなどの他の機能を併せて備えるMFP(Multi-Function Printer)であってもよい。MFPは、プリント機能、コピー機能、スキャン機能、及びファックス機能等を有する。この場合、画像処理に関するジョブは、印刷ジョブ、スキャン機能に関するスキャンジョブ、ファックス機能に関するファックスジョブを含む。画像処理装置1がMFPである場合でも、画像処理装置1は、実施形態で説明した各種処理を実施形態の画像処理装置1と同様に実行してよい。本変形例の画像処理装置1は実施形態の画像処理装置1と同様の効果を奏する。
【0185】
〔変形例12〕
画像処理装置1の印刷機材は紙に限られない。例えば、印刷基材はテープであってもよい。印刷基材がテープである場合、画像処理装置1にはテープを供給するテープカセットが装着される。画像処理装置1は、テープカセットから搬送されるテープに対し印刷を行う。なお、この場合、画像処理装置1はレーザープリンタであってもよいし、インクジェットプリンタであってもよい。
【0186】
〔変形例13〕
画像処理装置1は、インクジェットプリンタであってもよい。画像処理装置1がインクジェットプリンタである場合、画像処理装置1のカートリッジ保持部13には、実施形態において説明したドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ4ではなく、インクカートリッジが装着される。なお、画像処理装置1に装着されるインクカートリッジの個数は、特に限定されない。例えば、画像処理装置1には、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの4色それぞれに対応する、合計4個のインクカートリッジが装着されてよいし、ブラック1色のみが装着されてもよい。
【0187】
インクカートリッジは、インクメモリを内蔵している。インクメモリには、例えば、インクIDと、インク種別情報と、インク残量と、が記憶されている。なお、インク残量は必須の情報ではない。インクIDは、トナーIDと同様の情報である。インク種別情報は、トナー種別情報と同様の情報である。
【0188】
画像処理装置1がインクジェットプリンタである場合においても、上述した処理の流れは同様である。具体的には、画像処理装置1がインクジェットプリンタである場合、前述の各実施形態の説明における「トナーカートリッジ4」、「トナーメモリ42」、「トナーID」、及び「トナー種別情報」をそれぞれ、インクカートリッジ、インクメモリ、インクID、及びインク種別情報に読みかえればよい。画像処理装置1がインクジェットプリンタである場合も、実施形態の画像処理装置1と同様の効果を奏する。
【0189】
〔ソフトウェアによる実現例〕
画像処理装置1及びサーバ8の機能は、画像処理装置1及びサーバ8としてコンピュータを機能させるためのデータ処理プログラムにより実現することができる。データ処理プログラムは、コントローラ61及びサーバ制御部81としてコンピュータを機能させるためのものである。
【0190】
この場合、画像処理装置1は、データ処理プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つのコントローラ61と少なくとも1つの本体メモリ62とを有するコンピュータを備えている。コントローラ61及び本体メモリ62によりデータ処理プログラムを実行することにより、実施形態で説明した画像処理装置1の各機能が実現される。
【0191】
また、サーバ8は、データ処理プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つのサーバ制御部81と少なくとも1つのサーバメモリ82とを有するコンピュータを備えている。サーバ制御部81及びサーバメモリ82によりデータ処理プログラムを実行することにより、実施形態で説明したサーバ8の各機能が実現される。
【0192】
データ処理プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、画像処理装置1及びサーバ8が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、データ処理プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して画像処理装置1及びサーバ8に供給されてもよい。
【0193】
さらに、コントローラ61及びサーバ制御部81の機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、コントローラ61及びサーバ制御部81として機能する論理回路が形成された集積回路も本開示の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータによりコントローラ61及びサーバ制御部81の機能を実現することも可能である。
【0194】
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0195】
1 画像処理装置
8 サーバ
9 ユーザ端末
61 コントローラ
62 本体メモリ
63 通信部
64 ディスプレイ
65 入力部
81 サーバ制御部
82 サーバメモリ
83 サーバ通信部
100 画像処理システム
P1、P2 プリンタ
図1
図2
図3
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図7
図8