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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175460
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】報知用光源装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/105 20200101AFI20231205BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20231205BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20231205BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20231205BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20231205BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231205BHJP
【FI】
H05B47/105
F21S2/00 600
F21V23/00 115
F21V23/00 117
H05B45/10
H05B45/20
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087908
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】児玉 裕己
(72)【発明者】
【氏名】田上 直紀
(72)【発明者】
【氏名】向 健二
(72)【発明者】
【氏名】松林 容子
(72)【発明者】
【氏名】八木 裕司
【テーマコード(参考)】
3K014
3K273
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K273PA01
3K273PA03
3K273PA04
3K273QA11
3K273QA37
3K273RA17
3K273SA04
3K273SA20
3K273SA21
3K273SA22
3K273SA23
3K273SA38
3K273SA57
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA17
3K273TA28
3K273TA41
3K273UA15
3K273UA22
3K273VA02
3K273VA06
3K273VA07
3K273VA08
(57)【要約】
【課題】木の葉色に適した見え方を確保できる報知用光源装置を提供する。
【解決手段】報知用光源装置3は、木の葉色の色票に対応する(U,V)色度図において、基準光源の色度点を(U ,V )とし、当該報知用光源装置を試料光源としたときの色度点を(U ,V )とし、原点と前記基準光源の色度点とを結ぶ第1線分の長さをLとし、原点と前記試料光源の色度点とを結ぶ第2線分の長さをLとし、前記第1線分と前記第2線分とのなす角をθ(°)とし、L=((U +(V 1/2、L=((U +(V 1/2、θ=(tan-1(V /U )-tan-1(V /U ))×(180/π)、r=L/L、としたときに、-2.5≦θ≦4、かつ、0.9≦r≦1.25の関係を満たす。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間の内的条件及び外的条件のうちの少なくとも一方に基づいて発光する報知用光源装置であって、
木の葉色の色票に対応する(U,V)色度図において、基準光源の色度点を(U ,V )とし、当該報知用光源装置を試料光源としたときの色度点を(U ,V )とし、原点と前記基準光源の色度点とを結ぶ第1線分の長さをLとし、原点と前記試料光源の色度点とを結ぶ第2線分の長さをLとし、前記第1線分と前記第2線分とのなす角をθ(°)とし、
=((U +(V 1/2
=((U +(V 1/2
θ=(tan-1(V /U )-tan-1(V /U ))×(180/π)、
r=L/L、としたときに、
-2.5≦θ≦4、かつ、0.9≦r≦1.25の関係を満たす
報知用光源装置。
【請求項2】
さらに、-0.5≦θ≦3、かつ、1.0≦r≦1.20の関係を満たす
請求項1に記載の報知用光源装置。
【請求項3】
さらに、0≦θ≦2、かつ、1.04≦r≦1.10の関係を満たす
請求項1に記載の報知用光源装置。
【請求項4】
前記試料光源の光束が、50[lm]以下である
請求項1~3のいずれか1項に記載の報知用光源装置。
【請求項5】
前記試料光源から2m離れた位置における照度が、いずれの方向においても10[lx]以下である
請求項1~3のいずれか1項に記載の報知用光源装置。
【請求項6】
前記試料光源から発せられる光をシグナル光とした場合に、前記シグナル光の水平方向の光度が、前記シグナル光の直下の光度よりも高い
請求項1~3のいずれか1項に記載の報知用光源装置。
【請求項7】
前記試料光源から発せられる光をシグナル光とした場合に、前記シグナル光は単色であり、前記試料光源は、前記シグナル光の点灯又は消灯により情報を報知する
請求項1~3のいずれか1項に記載の報知用光源装置。
【請求項8】
前記内的条件は、室内の温度、湿度、空気質、匂い、人の存在の有無、人の密度、特定の人の位置、人の音声による音量、会話の活性度、特定の音、人の生体情報、人の感情及び室内の消費電力量のうちの少なくとも1つであり、
前記外的条件は、室外の気温、時間、照度、天気、交通状況及び災害情報のうちの少なくとも1つである
請求項1~3のいずれか1項に記載の報知用光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、報知用光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種光源のLED化が進んでおり、照明用光源についても、LEDを用いた照明装置(LED照明装置)が各種提案されている。このうち、室内の天井等に設置されるLED照明装置は、シーリングライト等のように主に室内の空間全体を照らすベース照明(全体照明)と、室内を利用する人に対して種々の情報を報知する報知用照明とがある。
【0003】
特許文献1には、複数の温度センサと、各温度センサの周囲を照らすための複数の照明と、を備えるネットワークシステムが開示されている。このネットワークシステムでは、温度センサで検出した温度に応じて照明の色を変化させることで、温度に関する情報を報知している。特許文献2には、演色性能の設計を可能とするベース照明が開示されている。このベース照明では、赤色の色票に対応する(U,V)色度図に基づいて、光源の色度点を所定条件に設定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5624429号公報
【特許文献2】特許第6128488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された照明によれば、温度に関する情報を報知することができる。しかし、複数の照明の色を温度に応じて変化させた場合、室内の色彩に関する環境に乱れが生じることがある。
【0006】
特許文献2に記載されたベース照明によれば、人の肌などの赤色に適した見え方を提供することができる。しかし、このベース照明を用いて、赤色と異なる色に対して適切な見え方を提供できるとは限らない。また、このベース照明に適用した条件が、必ずしも報知用光源装置に適用できるとは限らない。
【0007】
例えば、リラックスした空間を提供するために室内に植栽又は観葉植物が配置されることがあるが、報知用のシグナル光が照射される室内において不自然とならない空間を提供するには、植栽等の代表色である木の葉色に適した見え方を確保する必要がある。そこで本発明は、木の葉色に適した見え方を確保できる報知用光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る報知用光源装置の一態様は、空間の内的条件及び外的条件のうちの少なくとも一方に基づいて発光する報知用光源装置であって、木の葉色の色票に対応する(U,V)色度図において、基準光源の色度点を(U ,V )とし、当該報知用光源装置を試料光源としたときの色度点を(U ,V )とし、原点と前記基準光源の色度点とを結ぶ第1線分の長さをLとし、原点と前記試料光源の色度点とを結ぶ第2線分の長さをLとし、前記第1線分と前記第2線分とのなす角をθ(°)とし、
=((U +(V 1/2
=((U +(V 1/2
θ=(tan-1(V /U )-tan-1(V /U ))×(180/π)、
r=L/L、としたときに、
-2.5≦θ≦4、かつ、0.9≦r≦1.25の関係を満たす。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、木の葉色に適した見え方を確保できる報知用光源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る報知用光源装置及び報知用光源装置を含む照明システムを示す図である。
図2】木の葉色の色票に対応する(U,V)色度図である。
図3】実施の形態に係る報知用光源装置の木の葉色の色票に対応する(U,V)色度図における第1の範囲を示す図である。
図4】実施の形態に係る報知用光源装置の木の葉色の色票に対応する(U,V)色度図における第2の範囲を示す図である。
図5】実施の形態に係る報知用光源装置の木の葉色の色票に対応する(U,V)色度図における第3の範囲を示す図である。
図6】照明システムの構成を示すブロック図である。
図7】実施の形態に係る報知用光源装置の構成を示す図である。
図8】実施の形態に係るLEDモジュールの構成を示す図である。
図9】実施の形態の変形例に係るLEDモジュールの構成を示す図である。
図10】変形例1に係る照明システムの機能構成を示すブロック図である。
図11】変形例2に係る照明システムの機構構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本発明の基礎となった知見)
本発明の基礎となった知見について、図1図5を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、実施の形態に係る報知用光源装置3、及び、報知用光源装置3を含む照明システム1を示す図である。
【0013】
図1に示されるように、照明システム1は、複数のベース照明装置2と、複数の報知用光源装置3と、を備えている。
【0014】
ベース照明装置2は、シーリングライト等のように室内の空間全体を照らす照明装置である。室内空間は、ベース照明装置2によって好ましい照明環境となるように設定される。
【0015】
報知用光源装置3は、室内を利用する人に対して種々の情報を報知するための照明装置である。種々の情報は、温度、空気質等に関する情報であるが、詳しくは後述する。なお、複数のベース照明装置2は、必ずしも照明システム1の構成要素として照明システム1に含まれている必要はない。
【0016】
報知用光源装置3は、報知用光源装置3から出力するシグナル光の発光色及び明るさを非定常的に変化させることで、種々の情報を報知する。報知用光源装置3は、室内にいる人がシグナル光を十分に認知できるように、シグナル光を出力する必要がある。一方で、シグナル光を認知してもらうためにシグナル光を目立たせすぎると、ベース照明装置2によって好適に設定された照明環境が乱されるという問題がある。例えば、オフィス等の執務環境において、シグナル光が過度に目立つと室内の照明環境が乱れ、執務者の業務効率が低下することがある。
【0017】
すなわち報知用光源装置3から出力されるシグナル光は、目立ちすぎずに人が不自然さを感じない光であることが望まれる。そこで本願発明者らは、シグナル光が照射される室内にて人が不自然さを感じない照明環境を実現するため、植栽及び観葉植物等の代表色である木の葉色の見え方に着目した。具体的にはJISで規定されているR14値を導出する際の色度点で、シグナル光が木の葉色の物体に照射されたときの見え方を規定することとした。なお、木の葉色の見え方に着目した理由は、自然環境に近い空間を提供する際において、木の葉色の見え方が重要視されるため、また、植栽又は観葉植物の見え方においても、木の葉色の見え方との相関が強いため、である。
【0018】
物体の色の見え方は、演色性能(演色性)として表すことができる。照明用光源の演色性の評価には、平均演色評価数Raという指標があり、加えて、木の葉色の見え方の忠実度を示す指標として特殊演色評価数R14がある。この場合、木の葉色の見え方は、R14の値が高いほどよいと考えられがちである。したがって、R14の値を用いて、緑色系統の被照射体を好ましく見せるように設計することが可能であると考えられている。
【0019】
しかしながら、R14の値は、基準光源との見え方の差を示すのみであり、色ずれの方向、すなわち、彩度、色相、それぞれの変化の方向や量までは判別できない。例えば、R14=20という試料光源が2種類あったとしても、この2つの試料光源は、基準光源からの色ずれの大きさが同じというだけであり、基準光源よりも木の葉色がくすんで見える場合もあれば、基準光源よりも鮮やかに見える場合もある。
【0020】
本願発明者らは、このような課題について鋭意検討した結果、R14そのものではなく、(U,V)座標系を用いてその座標空間の範囲を規定することによって適切な緑色系統の見え方を規定できることを見出した。
【0021】
具体的には、まず、木の葉色の見え方が色度座標(U,V)上の位置に強く関係することを確認した。また、R14の値が同じであっても、場合によっては木の葉色の見え方が異なることもありうることを明らかにした。その上で、木の葉色の見え方の好ましさを議論する場合に、各試験光色とそれに対応する基準光源の色度座標(U,V)の相対的な位置関係が重要であることを見出した。
【0022】
(本発明の概要)
以下、報知用光源装置3について、本願発明者らが見出した適切な木の葉色の見え方を規定する手法について説明する。
【0023】
図2は、木の葉色の色票に対応する(U,V)色度図である。図2には、1つの構成単位となる報知用光源装置3についての木の葉色の色票に対応する(U,V)色度図が示されている。
【0024】
図2に示すように、木の葉色の色票(すなわちR14値を算出する際に用いる色票)に対応する(U,V)色度図上の色度点について、基準光源の色度点を(U ,V )とし、報知用光源装置3を試料光源(試験光源)としたときの色度点を(U ,V )とし、原点0と基準光源の色度点(U ,V )とを結ぶ第1線分LXの長さ(基準光源の色度点の原点からの距離)をLとし、原点0と試料光源の色度点(U ,V )とを結ぶ第2線分LYの長さ(試料光源の色度点の原点からの距離)をLとし、第1線分Xと第2線分Yとのなす角をθ(°)とする。この場合、L、L、θ、rは、以下の式で表すことができる。
【0025】
=((U +(V 1/2
=((U +(V 1/2
θ=(tan-1(V /U )-tan-1(V /U ))×(180/π)、
r=L/L
【0026】
ここでtanの逆関数tan-1αは、αが「0≦α<π」となるように定義する。一般には、「-π/2≦α<π/2」ととることもあるが、本特許の場合、考えられる色度点が(U,V)座標の第二象限にある場合を議論するため、上記のように定義した方がより適切であるからである。
【0027】
ここで、図2の(U,V)色度図における座標は、1964年にCIEで定義されたU色空間(CIE1964色空間)で定まるU値とV値をとったものである。また、光源の分光分布から対応する(U,V)座標を算出する具体的な計算式はJISZ8726による。また、図2の(U,V)色度図において、基準光源の色度点は、仮に試料光源の色度点がその点に一致したと仮定した場合に、その試料光源の演色評価指数R14が100のときの色度点である。なお、基準光源とは、光源の演色性能を評価する場合に、基準となる分光分布をもつ光源のことである。例えば、電球又は昼光を模擬した光源としてJIS Z 8720で定められているものである。
【0028】
照明用光源の演色性能を評価する場合には、色の見え方の2つの要素である「色相」及び「彩度」でもって議論されるべきであるが、図2の(U,V)色度図によって試料光源の色度を規定することができるので、「色相」及び「彩度」を別々に示すことができる。つまり、R14の値のみでは「色相」及び「彩度」を定量的に個別に評価を行うことはできないが、(U,V)色度図を用いることで、「色相」及び「彩度」の各々を定量的に個別に評価することを可能としている。
【0029】
具体的には、「色相」とは、赤、緑及び青等の色の種類に対応するものであり、図2の(U,V)色度図上での円周方向の角度θで規定される特性として表すことができる。また、「彩度」は、色の鮮やかさのことであり、図2の(U,V)色度図上で、原点0からの距離(長さ)として表すことができる。
【0030】
本願発明者らは、このような知見に基づいて、木の葉色の色票(すなわちR14)に対応する(U,V)色度図を用いて適切な木の葉色の見え方を規定するあたり、以下の点が重要であることを見出した。
【0031】
第1に、図2の(U,V)色度図において、適切な木の葉色の見え方を規定するには、角度θがある一定の角度以下になっていることが必要である。角度θが大きすぎると、「色相」の差異が大きくなって不自然に見えるからである。
【0032】
第2に、r(=L/L)が一定の範囲になっていることが必要である。rは「彩度」に関係するパラメータであるが、rが小さすぎると「彩度」が不足して見え方が悪くなり、一方、rが大きすぎると「彩度」が高すぎて、不自然に見えて好ましくないからである。
【0033】
ここで「彩度」に関係するパラメータであるrの変化に対しては、色彩感覚における不自然さを感じにくいが、「色相」に関係するパラメータである角度θの変化に対しては、色彩感覚における不自然さを感じやすいということがわかった。例えば、植栽等に照射される自然光は日常生活において頻繁に変化するので、植栽の彩度に変化が起きた場合であってもその変化は人にとって自然に感じる。一方、日常生活において植栽等の色相が急に変化することはほとんど無いので、例えば、色相がずれて青味がかった緑になったり黄色みがかった緑になったりして植栽の色相に変化が起きた場合は、人にとって不自然に感じる。
【0034】
また、特筆すべきことは、許容されるθの範囲に非対称性があることが発見されたことである。元々、R14の色票に対応する基準光源の色度点は、色相(色み)でいうと、緑色と黄色の間に位置する場所にある。この場合に、試料光源が基準光源に比べて、緑色方向にずれる方向については許容範囲が比較的大きいが、逆に黄色方向にずれる場合は許容範囲が小さいことがわかった。θの値で考えると、θがマイナスの方向(黄色にずれる方向)に比較して、プラスの方向(緑色にずれる方向)にずれる方が、許容範囲が広いことがわかった。これは、基準光源に比べて、黄色側にずれる方が、人は違和感や不快感を感じやすい傾向にあることに起因するものと推定される。このように、本発明は、先行文献のR9値の検討とは、全く異なった技術研究を必要とするものであり、単に、先行文献から設計事項として類推できるような発明ではない。つまり、人の肌の見え方を研究するアプローチとは全く異なったアプローチをゼロから行うことで、発見された技術である。
【0035】
以下、報知用光源装置3の仕様や用途に応じた角度θとrの範囲について、図3図5を用いて説明する。
【0036】
図3は、報知用光源装置3の木の葉色の色票に対応する(U,V)色度図における第1の範囲を示す図である。図3には、図2における木の葉色の色票に対応する(U,V)色度図において、報知用光源装置3の色度点が、-2.5≦θ≦4、かつ、0.9≦r≦1.25の関係を満たすように規定した場合が示されている。
【0037】
上記関係を満たすように規定することによって、一般家庭やオフィス、学校等の一般居住空間の用途において、実用上、大きな問題がない程度に必要な木の葉色の見え方を確保することが可能となる。すなわち、適切な範囲に色相ずれを抑制することができるとともに、実用上、問題ない程度に木の葉色の彩度を確保することができる。
【0038】
図4は、報知用光源装置3の木の葉色の色票に対応する(U,V)色度図における第2の範囲を示す図である。図4には、図2における木の葉色の色票に対応する(U,V)色度図において、報知用光源装置3の色度点が、-0.5≦θ≦3、かつ、1.0≦r≦1.20の関係を満たすように規定した場合が示されている。つまり図4には、図3において、さらに、-0.5≦θ≦3、かつ、1.0≦r≦1.20の関係を満たすように規定した場合が示されている。
【0039】
上記関係を満たすように規定することによって、一般家庭やオフィス、学校等の一般居住空間での用途において、図3の場合と比べて、より好ましい木の葉色の見え方を確保することができる。すなわち、適切な範囲に色相ずれを抑制することができるとともに、問題のない程度に木の葉色の彩度を確保し、かつ、過剰な彩度の上昇を抑えることができる。
【0040】
図5は、報知用光源装置3の木の葉色の色票に対応する(U,V)色度図における第3の範囲を示す図である。図5には、図2における木の葉色の色票に対応する(U,V)色度図において、報知用光源装置3の色度点が、0≦θ≦2、かつ、1.04≦r≦1.10の関係を満たすように規定した場合が示されている。つまり図5には、図3において、さらに、0≦θ≦2、かつ、1.04≦r≦1.10の関係を満たすように規定した場合が示されている。
【0041】
上記関係を満たすように規定することによって、店舗やアミューズメント施設等、より好ましく、より鮮やかに色彩を表現したい空間での用途において、望ましい木の葉色の見え方を確保することが可能となる。すなわち、適切な範囲に色相ずれを抑制することができるとともに、用途を考えた上で問題のない程度に木の葉色の彩度を確保することができる。
【0042】
(実施の形態)
以下、報知用光源装置3及び報知用光源装置3を備える照明システム1のより具体的な実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0043】
[照明システムの具体的な構成]
図6は、照明システム1の構成を示すブロック図である。
【0044】
図6に示されるように、照明システム1は、複数のベース照明装置2と、複数の報知用光源装置3と、情報取得部4と、制御部5と、を備えている。各ベース照明装置2、各報知用光源装置3及び情報取得部4は、制御部5に通信接続されている。
【0045】
ベース照明装置2は、一般家庭の室内、オフィス、学校等の公共施設、店舗、アミューズメント施設、美術館、博物館、色検査場又は工場・倉庫等、建物における比較的に広い空間全体を照らすための照明であり、例えば13Wの投入電力で点灯させた場合の全光束が1800lm以上である。ベース照明装置2は、例えば、天井8等に取り付けられた器具本体に、LEDモジュールが内蔵された直管LEDランプを取り付けた構成の照明装置、又は、天井8等に取り付けられた器具本体にLEDモジュールを直接設置した構成の照明装置等である。ベース照明装置2は、制御部5によって点灯制御され、室内は、ベース照明装置2によって好ましい照明環境となるように設定される。本実施の形態における空間とは、部屋7の内部の室内空間を指す。
【0046】
情報取得部4は、空間の内的条件及び外的条件に関する情報を取得する装置であり、例えば、部屋7の天井8、壁、床、台座、又は、部屋7の外に設けられる。情報取得部4は、例えば、温度センサ、湿度センサ、ガスセンサ、カメラ、マイク、脈拍計、体温計、脳波計、電力計、時計、照度計である。情報取得部4は、外部の情報ネットワークに接続されている通信モジュールであってもよい。
【0047】
情報取得部4が取得する空間の内的条件に関する情報は、室内の温度、湿度、空気質、匂い、人の存在の有無、人の密度、特定の人の位置、人の音声による音量、会話の活性度、特定の音(飲食店の注文の声等)、人の生体情報(脈拍、体温、α波及びベータ波などの脳波)、人の感情、人の精神状態、及び、室内の消費電力量(エアコン等の消費電力量)のうちの少なくとも1つである。空間の外的条件に関する情報は、室外の気温、時間(休憩時間等)、照度、天気、交通状況(道路混雑度、電車の時刻、バスの時刻)及び災害情報のうちの少なくとも1つである。情報取得部4で取得された空間の内的条件及び外的条件に関する情報は、制御部5へ出力される。
【0048】
制御部5は、照明システム1の全体の動作を制御する装置であり、例えばマイクロプロセッサによって実現される。制御部5は、部屋7の内部に設置されてもよいし、部屋7の外部に設置されてもよい。また、制御部5は、メモリを備えている。メモリには、ベース照明装置2、報知用光源装置3、情報取得部4及び制御部5を連携して作動させるためのソフトウェアプログラムが格納されている。また、メモリには、報知用光源装置3の調光調色を制御するための情報が保存されている。調光調色を制御するための情報は、例えば図3図5に示すような色度点を実現することができる点灯制御情報である。この点灯制御情報は、空間の内的条件及び外的条件に関する情報に紐づけられた状態でメモリに記憶されている。
【0049】
制御部5は、情報取得部4から出力された空間の内的条件及び外的条件に関する情報を取得する。制御部5は、取得した情報とメモリに記憶されている点灯制御情報とを照合し、取得した情報に対応する点灯制御情報を報知用光源装置3へ出力する。
【0050】
報知用光源装置3は、制御部5から出力された点灯制御情報に基づいて作動する。この点灯制御情報は、空間の内的条件及び外的条件に関する情報のそれぞれに紐づけられているので、報知用光源装置3は、空間の内的条件及び外的条件のうちの少なくとも一方に基づいて発光することとなる。例えば、報知用光源装置3は、被照射体における色相が一定のままで彩度が図4又は図5に示す範囲で変化するように、シグナル光を照射してもよい。報知用光源装置3は、被照射体における彩度が一定のままで色相が図4又は図5に示す範囲で変化するように、シグナル光を照射してもよい。報知用光源装置3は、被照射体における彩度及び色相の両方が図4又は図5に示す範囲で変化するように、シグナル光を照射してもよい。
【0051】
なお、上記では制御部5が報知用光源装置3を点灯制御する例を示したが、それに限られない。例えば報知用光源装置3が上記の制御部5と同じ機能の制御部を備えている場合は、報知用光源装置3は、情報取得部4から出力された情報に基づいて、自身の点灯制御を行ってもよい。また報知用光源等3は、ベース照明装置2による照明環境が必ずしも一定でなく時間とともに変動する場合は、変動した照明環境に合わせてシグナル光を発光してもよい。
【0052】
[報知用光源装置の具体的な構成]
報知用光源装置3は、例えば、天井8等に取り付けられた器具本体に、電球形LEDランプやスポット形LEDランプを取り付けた構成の照明装置等である。なお、報知用光源装置3は、天井8に限られず、床、壁、台座などに設置されていてもよい。
【0053】
報知用光源装置3の設置高さは、床面から1m以上4m以下であることが望ましい。この高さに設置することで、報知用光源装置3が視認されやすくなる。また、報知用光源装置3の設置高さは、床面から1m以上3m以下であることがさらに望ましい。この高さに設置することで、報知用光源装置3がさらに視認されやすくなる。また、報知用光源装置3を設置する際の最低高さを2.3m以上とすると、視界の邪魔にならずにさらに望ましい。
【0054】
なお、試料光源である報知用光源装置3の光束は、50[lm(ルーメン)]以下である。これによれば、ベース照明によって形成された照明環境が、試料光源によって乱れることを抑制できる。また、報知用光源装置3から2m離れた位置における照度は、いずれの方向においても10[lx(ルクス)]以下である。これによれば、机上面や床面の照射光をできるだけ抑制し、照明環境の乱れを抑制することができる。
【0055】
また、本実施の形態では、報知用光源装置3から発せられるシグナル光の水平方向の光度が、シグナル光の直下(鉛直方向の下方)の光度よりも高くなるように設定されている。このように水平方向の光度を直下の光度よりも強くすることで、情報を水平方向に広く伝達しつつ、机上面や床面の照射光をできるだけ抑制し、照明環境の乱れを抑制することができる。
【0056】
なお、上記では報知用光源装置3から発せられるシグナル光の水平方向の光度が、シグナル光の直下の光度よりも高くなるように、すなわちシグナル光が(水平方向の光度/直下の光度)>1.0という関係を有することを示したがそれに限られない。例えばシグナル光は、(水平方向の光度/直下の光度)>1.5という関係を有していてもよいし、(水平方向の光度/直下の光度)>2.0、(水平方向の光度/直下の光度)>3.0、又は、(水平方向の光度/直下の光度)>5.0という関係を有していてもよい。
【0057】
また、報知用光源装置3は、単色のシグナル光を照射し、シグナル光の点灯又は消灯によって情報を報知してもよい。シグナル光を単色とすることで、装置の構造がシンプルとなる。また、報知用光源装置3は、多色のシグナル光を照射し、シグナル光によって表現される色相を変えることで情報を報知してもよい。上記の色相を変えることで、単色に比べてより多くの情報を表現できる。なお、シグナル光は、普段は一般照明として機能するものでもよい。また、シグナル光は、インプット情報等に起因せずに、普通の装飾用照明と使われてもよいし、なんらかの指令を受けて、シグナル光として働いてもよい。
【0058】
本実施の形態に係る報知用光源装置3では、仕様や用途に応じて、木の葉色の色票に対応する(U,V)色度図におけるθ及びrが、図3図5のうちのいずれかに示す関係を満たすように設定されている。
【0059】
この報知用光源装置3では、前述した色度点に基づく点灯制御情報に基づいて発光するので、木の葉色に適した見え方を確保することができる。
【0060】
なお、木の葉色の色票に対応する(U,V)色度図での色度点は、例えば、LEDモジュール10の封止部材13に含有される蛍光体の種類や量を変更することによって調整することができる。
【0061】
このような報知用光源装置3の具体例について、図7を用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態に係る報知用光源装置3の構成を示す図である。
【0062】
図7では、報知用光源装置3として一体型LEDベースライト410を例示している。図7に示すように、一体型LEDベースライト410は、LEDモジュール10と、LEDモジュール10が設置される器具本体411と、LEDモジュール10を覆う透光性のカバー412とを備えており、LEDモジュール10と器具本体411とが一体となっている。
【0063】
LEDモジュール10は、例えば、器具本体411の取付面に直接取り付けられている。また、器具本体411は、例えば円形の基台であり、例えば棒状の固定具を介して天井8に固定される。カバー412は、例えば円形であり、器具本体411を覆うように器具本体411に固定される。
【0064】
なお、本実施の形態において、図7に示す一体型LEDベースライトは、器具本体が天井8等に直接取り付けられた直付けタイプとしたが、器具本体が天井8に埋め込まれた埋め込みタイプとしてもよい。
【0065】
[LEDモジュール]
次に、上記の各報知用光源装置3の光源として用いられるLEDモジュール10の構成について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施の形態に係るLEDモジュールの構成を示す図である。
【0066】
LEDモジュール10は、発光素子を有する発光モジュールであって、白色等の所定の色(波長)の光を放出する。本実施の形態におけるLEDモジュール10は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するB-Yタイプの白色LED光源である。
【0067】
図8に示すように、LEDモジュール10は、LEDチップが基板上に直接実装された構造であるCOB(Chip On Board)型の発光モジュールであって、基板11と、複数のLED(ベアチップ)12と、LED12を封止する封止部材13とを備える。
【0068】
基板11は、LED12を実装するための実装基板(絶縁基板)である。なお、図8に示すLEDモジュール10では、基板11として、4つ組み合わせてドーナツ状となるような基板を用いている。
【0069】
基板11は、アルミナや窒化アルミニウム等からなるセラミックス基板、エポキシ樹脂等の樹脂をベースとする樹脂基板、アルミニウム合金などの金属をベースとするメタルベース基板、又は、ガラスからなるガラス基板等である。なお、基板11は、リジッド基板に限らず、可撓性を有するフレキシブル基板を用いてもよい。
【0070】
LED12は、発光素子の一例であって、所定の電力により発光する半導体発光素子である。LED12は、基板11上に複数個配置されており、例えば、基板11の長手方向に沿ってライン状に一列に配列される。なお、LED12は、複数列となるように配置してもよい。
【0071】
各LED12は、単色の可視光を発するベアチップであり、例えば通電されると青色光を発光する青色LEDチップである。青色LEDチップとしては、例えばInGaN系の材料によって構成された、中心波長が440nm~470nmの窒化ガリウム系の半導体発光素子を用いることができる。
【0072】
なお、各LED12は、基板11上に所定形状にパターン形成された金属配線(不図示)又は金ワイヤ(不図示)等によって、直列接続、並列接続、又は直列接続と並列接続との組み合わせ接続となるように構成することができる。
【0073】
封止部材13は、例えば樹脂からなり、LED12を覆うように形成される。封止部材13は、例えば、複数のLED12の一列分を一括封止するように直線状に形成される。なお、封止部材13は、LED12を個々に封止してもよい。
【0074】
封止部材13は、主として透光性材料からなるが、LED12の光の波長を所定の波長に変換する必要がある場合には、波長変換材が透光性材料に混入される。
【0075】
本実施の形態における封止部材13は、波長変換材として蛍光体を含み、LED12が発する光の波長(色)を変換する波長変換部材である。このような封止部材13としては、例えば、蛍光体粒子を含有する絶縁性の樹脂材料(蛍光体含有樹脂)によって構成することができる。蛍光体粒子は、LED12が発する光によって励起されて所望の色(波長)の光を放出する。つまり、封止部材13は、LED12を有する発光部である。
【0076】
封止部材13を構成する樹脂材料としては、例えば、シリコーン樹脂を用いることができる。また、封止部材13には、シリカ等の光拡散材を分散させてもよい。なお、封止部材13は、必ずしも樹脂材料によって形成する必要はなく、フッ素系樹脂などの有機材のほか、低融点ガラスやゾルゲルガラス等の無機材によって形成してもよい。
【0077】
封止部材13に含有させる蛍光体粒子としては、例えば、LED12が青色光を発光する青色LEDチップである場合、白色光を得るために、例えばYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の黄色蛍光体粒子を用いることができる。具体的には、封止部材13として、YAG系の黄色蛍光体粒子をシリコーン樹脂に分散させた蛍光体含有樹脂を用いることができる。これにより、黄色蛍光体粒子は青色LEDチップの青色光によって励起されて黄色光を放出するので、封止部材13からは、励起された黄色光と青色LEDチップの青色光との合成光として白色光が放出される。
【0078】
なお、基板11には、その他に、LED12を発光させるための直流電力を受電する電極端子、又は、基板11の絶縁性及び反射性を向上させるための白レジスト等が形成されていてもよい。
【0079】
このように構成されるLEDモジュール10では、例えば、封止部材13に含有される蛍光体の種類や量を変更することによって、放出される光の演色性能を変化させることができる。つまり、蛍光体の種類や量を調整することによって、図2おける木の葉色の色票に対応する(U,V)色度図での色度点の位置を変化させることができる。一例として、上記のようなB-Yタイプの白色LED光源の場合、黄色蛍光体に加えて、さらに赤色蛍光体や緑色蛍光体を混ぜることによって演色性を向上させることができる。
【0080】
なお、上記の実施の形態において、LEDモジュール10は基板11上にLEDチップを直接実装したCOB型の構成としたが、これに限らない。COB型のLEDモジュール10に代えて、図9に示すように、SMD(Surface Mount Device)型のLEDモジュール10Aを用いても構わない。LEDモジュール10Aは、発光素子としてパッケージ型のLED(SMD型LED素子)12Aを用いたものであり、このLED12A(発光部)を基板11上に複数個実装することで構成することができる。LED12Aは、凹部を有する樹脂製の容器(パッケージ)12aと、容器12a内(凹部内)に配置されたLEDチップ12bと、LEDチップ12bを覆うように容器12a内(凹部内)に形成された封止部材(蛍光体含有樹脂)12cとによって構成される。
【0081】
[照明システムの変形例]
以下、照明システム1の変形例について説明する。例えば、ベース照明装置2は、制御部5から独立しており、制御部5と通信を行わなくてもよい。図10は、このような変形例1に係る照明システム1aの機能構成を示すブロック図である。
【0082】
また、制御部5にサーバ装置6が接続され、サーバ装置6に外部情報源9が接続され、サーバ装置6は、外部情報源9から得た情報を制御部5へ提供してもよい。図11は、このような変形例2に係る照明システム1bの機構構成を示すブロック図である。
【0083】
サーバ装置6は、空間が所属する地域における天気情報、空間が所属する地域における災害情報、空間が所属する地域の周辺の交通情報、または、現在の時刻情報などを管理し、これらの情報を制御部5へ提供するコンピュータ装置である。外部情報源9は、センサであってもよいし、サーバ装置6と異なる他のサーバ装置であってもよい。例えば、外部情報源9によってJアラートなどの災害情報がサーバ装置6へ提供されれば、制御部5は、災害情報に基づいて報知用光源装置3を発光させることができる。
【0084】
(まとめ)
本実施の形態に係る報知用光源装置3は、空間の内的条件及び外的条件のうちの少なくとも一方に基づいて発光する装置である。報知用光源装置3は、木の葉色の色票に対応する(U,V)色度図において、基準光源の色度点を(U ,V )とし、報知用光源装置3を試料光源としたときの色度点を(U ,V )とし、原点と前記基準光源の色度点とを結ぶ第1線分の長さをLとし、原点と前記試料光源の色度点とを結ぶ第2線分の長さをLとし、前記第1線分と前記第2線分とのなす角をθ(°)とし、
=((U +(V 1/2
=((U +(V 1/2
θ=(tan-1(V /U )-tan-1(V /U ))×(180/π)、
r=L/L、としたときに、
-2.5≦θ≦4、かつ、0.9≦r≦1.25の関係を満たす。
【0085】
この構成によれば、木の葉色に適した見え方を確保できる報知用光源装置3を提供することができる。
【0086】
また、報知用光源装置3は、さらに、-0.5≦θ≦3、かつ、1.0≦r≦1.20の関係を満たしてもよい。
【0087】
この構成によれば、さらに、木の葉色に適した見え方を確保できる。
【0088】
また、報知用光源装置3は、さらに、0≦θ≦2、かつ、1.04≦r≦1.10の関係を満たしてもよい。
【0089】
この構成によれば、さらに、木の葉色に適した見え方を確保できる。
【0090】
また、試料光源の光束が、50[lm]以下であってもよい。
【0091】
この構成によれば、ベース照明によって形成された照明環境が、試料光源によって乱れることを抑制できる。
【0092】
また、試料光源から2m離れた位置における照度が、いずれの方向においても10[lx]以下であってもよい。
【0093】
この構成によれば、机上面や床面の照射光をできるだけ抑制し、照明環境の乱れを抑制することができる。
【0094】
また、試料光源から発せられる光をシグナル光とした場合に、シグナル光の水平方向の光度が、シグナル光の直下の光度よりも高くてもよい。
【0095】
このように水平方向の光度を直下の光度よりも強くすることで、情報を水平方向に広く伝達しつつ、机上面や床面の照射光をできるだけ抑制し、照明環境の乱れを抑制することができる。
【0096】
また、試料光源から発せられる光をシグナル光とした場合に、シグナル光は単色であり、試料光源は、シグナル光の点灯又は消灯により情報を報知してもよい。
【0097】
例えば、シグナル光を単色とすることで、装置の構造をシンプルにすることができる。
【0098】
また、上記の内的条件は、室内の温度、湿度、空気質、匂い、人の存在の有無、人の密度、特定の人の位置、人の音声による音量、会話の活性度、特定の音、人の生体情報、人の感情及び室内の消費電力量のうちの少なくとも1つであり、上記の外的条件は、室外の気温、時間、照度、天気、交通状況及び災害情報のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0099】
この構成によれば、上記の内的条件及び外的条件に応じて、木の葉色に適した見え方を確保できる報知用光源装置3を提供することができる。
【0100】
(その他の実施の形態)
以上、本発明に係る報知用光源装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0101】
例えば、上記の実施の形態において、LEDモジュール10は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するように構成したが、これに限らない。例えば、黄色蛍光体を用いずに、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDチップとを組み合わせることによりに白色光を放出するように構成することもできる。また、蛍光体を用いずに、青色LEDチップと赤色LEDチップと緑色LEDチップとを用いて白色光を放出するように構成してもよい。
【0102】
また、上記の実施の形態において、LEDチップは、青色以外の色を発光するLEDチップを用いても構わない。例えば、紫外線発光のLEDチップを用いる場合、蛍光体粒子としては、三原色(赤色、緑色、青色)に発光する各色蛍光体粒子を組み合わせたものを用いることができる。さらに、蛍光体粒子以外の波長変換材を用いてもよく、例えば、波長変換材として、半導体、金属錯体、有機染料、顔料など、ある波長の光を吸収し、吸収した光とは異なる波長の光を発する物質を含んでいる材料を用いてもよい。
【0103】
また、上記の実施の形態において、発光素子としてLED(LEDチップ)を例示したが、半導体レーザ等の半導体発光素子、又は、有機EL(Electro Luminescence)や無機EL等のEL素子等、その他の固体発光素子を用いてもよい。
【0104】
また、上記の実施の形態では、蛍光体の種類や量を変更することによって、(U,V)色度図における色度点を変更したが、これに限らない。例えば、LEDチップの発光色(波長)を異ならせたり、LEDチップの出力や実装数を調整したりすることによっても、(U,V)色度図における色度点を変更することが可能である。
【0105】
その他、実施の形態及び変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0106】
3 報知用光源装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11