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特開2023-175490端末装置、システム、及びプレビュー画像表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175490
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】端末装置、システム、及びプレビュー画像表示方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20231205BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20231205BHJP
   B41J 21/00 20060101ALI20231205BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
B41J29/42 F
B41J21/00 Z
B41J29/38 202
H04N1/00 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087955
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】板井 力
【テーマコード(参考)】
2C061
2C187
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061AS02
2C061CQ34
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HN05
2C061HN15
2C061HN19
2C061HP00
2C061HQ17
2C061HR06
2C187AC06
2C187AD14
2C187AE01
2C187AF01
2C187AF03
2C187AG02
2C187AG03
2C187CC08
2C187CD19
2C187DB30
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB17
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC34
5C062AE01
(57)【要約】
【課題】プレビュー画像の表示において、ユーザが所望するプレビュー画像を得ることが可能な端末装置等を提供する。
【解決手段】画像形成装置から原稿に基づくプレビュー画像を取得する取得部と、前記原稿の文字方向又は上下方向に基づき前記プレビュー画像の整合性を判定し、判定結果が前記整合性を満たさない場合、前記整合性を満たす出力条件をユーザに対して提案する制御部とを備えることを特徴とする端末装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置から原稿に基づくプレビュー画像を取得する取得部と、
前記原稿の文字方向又は上下方向に基づき前記プレビュー画像の整合性を判定し、判定結果が前記整合性を満たさない場合、前記整合性を満たす出力条件をユーザに対して提案する制御部とを備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記取得部は、
前記画像形成装置で表示された前記プレビュー画像の撮像又は前記画像形成装置に記憶された前記プレビュー画像に対応する画像データの取得により前記プレビュー画像を取得することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記プレビュー画像を表示可能な表示部を備え、
前記制御部は、
提案した前記出力条件に基づく前記プレビュー画像を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記制御部は、
ユーザ操作に基づいて提案した前記出力条件とは異なる前記出力条件を提案することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の端末装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記プレビュー画像を生成する画像形成装置と連携し、
連携した前記画像形成装置に対して提案した前記出力条件を反映させることを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記画像形成装置との連携に際し、前記プレビュー画像の編集を受付け、当該編集に基づく前記出力条件を前記画像形成装置に反映させることを特徴とする請求項5に記載の端末装置。
【請求項7】
原稿に基づくプレビュー画像を生成することが可能な画像形成装置と、
前記画像形成装置から前記プレビュー画像を取得可能な端末装置とを備え、
前記端末装置は、
前記プレビュー画像を取得する取得部と、
前記原稿の文字方向又は上下方向に基づき前記プレビュー画像の整合性を判定し、判定結果が前記整合性を満たさない場合、前記整合性を満たす出力条件をユーザに対して提案する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記画像形成装置に対して提案した前記出力条件を反映させることを特徴とするシステム。
【請求項8】
画像形成装置から原稿に基づくプレビュー画像を取得し、
前記原稿の文字方向又は上下方向に基づき前記プレビュー画像の整合性を判定し、判定結果が前記整合性を満たさない場合、前記整合性を満たす出力条件をユーザに対して提案することを特徴とするプレビュー画像表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機等の画像形成装置には、例えば、集約印刷モードや両面印刷モード等の特定の印刷モードでの印刷結果を事前に確認する画面(以降、プレビュー画像と称する)を表示するものがある。
【0003】
画像形成装置は、原稿読取装置による原稿の読取りや、電子データとして入力した原稿データに基づきプレビュー画像を生成して表示することができる。ユーザは、表示されたプレビュー画像を事前に確認した上で印刷実行指示を入力することで、所望する印刷結果を確実に得ることができる。
【0004】
しかしながら、例えば、文字の記載方向が日本語(左から右方向)とは異なる言語(例えば、アラビア語(右から左方向))であったり、とじ方向によって画像の上下方向が反転するような原稿では、ユーザが所望するプレビュー画像を得ることができないことがあった。
【0005】
このような場合、ユーザは所望するプレビュー画像を得るために、原稿の左右上下方向を調整する必要があり、この作業は非常に手間が掛かり面倒なものであった。
【0006】
例えば、特許文献1には、画像形成装置の操作に係るヘルプ画面を端末装置に表示することで、画像形成装置の操作方法を確認することが可能な技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2016-45635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の技術では、ユーザは、端末装置に表示されたヘルプ画面を参照することで画像形成装置の操作方法を取得することができる。しかしながら、特定の印刷モードにおける印刷のように、プレビュー画像の表示は、複数の機能の組み合わせにより実現されるものであるため、ヘルプ画面の参照のみでは抜本的な解決策とはならなかった。
【0009】
本開示は、プレビュー画像の表示において、ユーザが所望するプレビュー画像を得ることが可能な端末装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本開示に係る端末装置は、画像形成装置から原稿に基づくプレビュー画像を取得する取得部と、前記原稿の文字方向又は上下方向に基づき前記プレビュー画像の整合性を判定し、判定結果が前記整合性を満たさない場合、前記整合性を満たす出力条件をユーザに対して提案する制御部とを備えることを特徴としている。
【0011】
また、本開示に係るシステムは、原稿に基づくプレビュー画像を生成することが可能な画像形成装置と、前記画像形成装置から前記プレビュー画像を取得可能な端末装置とを備え、前記端末装置は、前記プレビュー画像を取得する取得部と、前記原稿の文字方向又は上下方向に基づき前記プレビュー画像の整合性を判定し、判定結果が前記整合性を満たさない場合、前記整合性を満たす出力条件をユーザに対して提案する制御部とを備え、前記制御部は、前記画像形成装置に対して提案した前記出力条件を反映させることを特徴としている。
【0012】
また、本開示に係るプレビュー画像表示方法は、画像形成装置から原稿に基づくプレビュー画像を取得し、前記原稿の文字方向又は上下方向に基づき前記プレビュー画像の整合性を判定し、判定結果が前記整合性を満たさない場合、前記整合性を満たす出力条件をユーザに対して提案することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、プレビュー画像の表示において、ユーザが所望するプレビュー画像を得ることが可能な端末装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態に係るシステムの全体構成を概略的に説明する図である。
図2】第1実施形態に係る端末装置の機能構成図である。
図3】第1実施形態に係る複合機の機能構成図である。
図4】第1実施形態に係るシステムの全体処理を説明するシーケンス図である。
図5】第1実施形態に係る端末装置の処理を説明するフローチャートである。
図6】第1実施形態に係る端末装置の処理を説明するフローチャートである。
図7】第1実施形態に係る複合機の処理を説明するフローチャートである。
図8】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図9】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図10】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図11】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図12】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図13】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図14】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図15】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図16】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図17】第2実施形態に係る動作例を説明する図である。
図18】第2実施形態に係る動作例を説明する図である。
図19】第3実施形態を説明する図である。
図20】変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載した説明の技術的範囲が以下の記載に限定されるものではない。
【0016】
[1 第1実施形態]
第1実施形態は、画像形成装置から原稿に基づくプレビュー画像を取得し、原稿の文字方向又は上下方向に基づきプレビュー画像の整合性を判定する形態である。そして、判定結果が整合性を満たさない場合、整合性を満たす出力条件をユーザに対して提案する。第1実施形態では、原稿に基づくプレビュー画像を生成可能な画像形成装置と、当該画像形成装置からプレビュー画像を取得可能な端末装置とを含むシステムとして説明する。
【0017】
図1は、第1実施形態に係るシステム100の全体構成を概略的に説明する図である。システム100は、端末装置としての端末装置10と、画像形成装置としての複合機30とを含む。端末装置10と複合機30とは、相互に通信可能となるように構成されている。
【0018】
[1.1 機能構成]
[1.1.1 端末装置10について]
本開示に係る端末装置は、少なくとも(グラフィカル)ユーザインタフェースを提供する機能と、通信のための機能と、モバイル端末装置特有の機能を兼ね備えた装置として構成することができる。端末装置は、例えば、スマートフォン、タブレット、携帯電話、ノートパソコン等の所謂、モバイル端末装置として構成することができる。
【0019】
図2は、端末装置10の機能構成図である。端末装置10は、制御部11と、表示部13と、操作入力部15と、通信部17と、近距離無線通信部19と、撮像部21と、記憶部23とを備える。
【0020】
制御部11は、端末装置10全体を制御する。制御部11は、例えば、1又は複数の演算装置(CPU(Central processing unit)等)により構成される。制御部11は、記憶部23に記憶された各種プログラムを読み出して実行することによりその機能を実現する。
【0021】
表示部13は、各種情報をユーザ等に対して表示する。表示部13は、例えば、LCD(Liquid crystal display)や、有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイ等により構成することができる。表示部13は、複合機30から取得したプレビュー画像や自身で生成したプレビュー画像等を表示することができる。
【0022】
操作入力部15は、ユーザ等からの情報の入力を受付ける。操作入力部15は、表示部13を介して入力が可能なタッチパネルディスプレイとして構成することも可能である。操作入力部15をタッチパネルディスプレイとして構成する場合、入力方式としては、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等を採用することができる。
【0023】
通信部17は、LAN(Local area network)、WAN(Wide area network)、インターネット、電話回線等を介して他装置との通信を行うための有線/無線の何れか又はその両方のインタフェースを備える。
【0024】
近距離無線通信部19は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、赤外線、NFC(Near field communication)、RFID(Radio frequency identification)等の近距離無線通信プロトコルを介して複合機30等の他装置と通信し、プレビュー画像に対応する画像データ(以下、プレビュー画像データと称することがある)や、各種命令指示等を送受信することができる。なお、近距離無線通信部19の一部の機能を通信部17が担う形態とすることも可能である。
【0025】
撮像部21は、例えば、カメラ等の撮像装置等を挙げることができる。複合機30がプレビュー画像を表示する形態である場合、撮像部21は、後述するプレビュー画像取得プログラム2351を読み出した制御部11による制御に基づき、プレビュー画像を撮像してこれを取得する。
【0026】
記憶部23は、端末装置10の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部23は、例えば、RAM(Random access memory)、HDD(Hard disk drive)、SSD(Solid state drive)、ROM(Read only memory)等の記憶装置により構成することができる。
【0027】
第1実施形態において、記憶部23は、連携プログラム231と、表示処理プログラム233と、プレビュー画像操作プログラム235とを記憶し、表示コンテンツ等記憶領域237を確保する。
【0028】
連携プログラム231は、複合機30との連携を開始する際に、制御部11が読み出すプログラムである。制御部11は、連携プログラム231を読み出すことで、連携アプリケーションとして起動し、プレビュー画像の変更指示を複合機30に対して送信し、当該変更指示を複合機30に対して反映させることができる。また、制御部11は、連携プログラム231を読みだすことで、複合機30で実行するジョブの実行指示を受付け、当該ジョブの実行指示を複合機30に対して送信することができる。
【0029】
ここで、本開示に係る“連携”とは、一の結果を得るために、少なくとも2台以上の装置が情報を共有しながら協働することを表す。第1実施形態では、端末装置10はプレビュー画像の変更指示を複合機30に対して送信する。当該変更指示を受信することで、複合機30は、端末装置10との間で変更されたプレビュー画像(以下、変更後プレビュー画像と称することがある)やプレビュー画像の表示ステータス等を共有することができる。
【0030】
なお、端末装置10と複合機30とが連携するためには、端末装置10と複合機30との間で接続を確立し、双方向で通信を行う必要がある。端末装置10と複合機30との間で確立される接続は、連携プログラム231の読み出しによる連携アプリケーションの起動中のみに限定する形態であってもよいし、互いの装置が起動中は常時接続を維持する形態であってもよい。また、必要な通信を行うときのみに接続を確立する形態であっても無論かまわない。
【0031】
表示処理プログラム233は、表示部13の画面表示を制御する際に制御部11が読み出すプログラムである。表示処理プログラム233を読み出した制御部11は、複合機30から撮像により取得したプレビュー画像や、通信等により取得したプレビュー画像データに基づき生成したプレビュー画像等を表示部13に表示する。このとき、制御部11は、プレビュー画像を不図示のフレーム情報や表示コンテンツ情報等に基づきプレビュー画面として表示部13に表示する。
【0032】
プレビュー画像操作プログラム235は、プレビュー画像の表示、生成、変更等の操作を行う際に制御部11が読み出すプログラムである。プレビュー画像操作プログラム235は、プレビュー画像取得プログラム2351と、整合性判定プログラム2353と、設定変更プログラム2355とを含む。
【0033】
プレビュー画像取得プログラム2351は、複合機30からプレビュー画像を取得する際に制御部11が読み出すプログラムである。プレビュー画像取得プログラム2351を読み出した制御部11は、複合機30がプレビュー画像を表示する形態であるならば、撮像部21を制御してこれを取得する。一方、複合機30がプレビュー画像をプレビュー画像データとして出力可能な形態であるならば、近距離無線通信部19や通信部17を介してこれを取得する。
【0034】
整合性判定プログラム2353は、取得したプレビュー画像の整合性を判定する際に制御部11が読み出すプログラムである。整合性判定プログラム2353を読み出した制御部11は、取得したプレビュー画像を解析し、各印刷モードでのプレビュー画像の整合性を判定する。なお、整合性判定プログラム2353を読み出した制御部11の処理については後述する。
【0035】
ここで、本開示に係る整合性とは、各印刷モード下でのプレビュー画像で予測される(予測)印刷結果が、ユーザが所望する印刷結果や実際の印刷結果と矛盾が無く整っていることをいう。本開示では、整合性が取れたプレビュー画像を「整合性を満たす」と称し、整合性が取れないプレビュー画像を「整合性を満たさない」と称する。
【0036】
設定変更プログラム2355は、プレビュー画像の設定内容、特に表示設定を変更する際に制御部11が読み出すプログラムである。設定変更プログラム2355を読み出した制御部11は、取得したプレビュー画像が、整合性を満たさないと判定した場合、整合性を満たす出力条件をユーザに対して提案する。この場合、制御部11は、整合性を満たす出力条件となるようプレビュー画像の表示設定等を変更し、変更後プレビュー画像として生成し、ユーザに対して表示する。
【0037】
表示コンテンツ等記憶領域237は、プレビュー画像をプレビュー画面として表示するための不図示のフレーム情報や、当該プレビュー画像に対する各種操作(機能)が割り当てられた表示コンテンツ等を記憶する記憶領域である。
【0038】
[1.1.2 複合機30について]
本開示に係る画像形成装置は、コピーモードや、スキャンモード、ファクスモード等に関するジョブを一つの筐体で実現可能な複合機として構成することができる。
【0039】
図3は、複合機30の機能構成図である。複合機30は、制御部31と、表示部33と、操作入力部35と、画像形成部37と、画像読取部39と、通信部41と、近距離無線通信部43と、記憶部45とを備える。
【0040】
制御部31は、複合機30全体を制御する。制御部31は、例えば、1又は複数の演算装置(CPU等)により構成される。制御部31は、記憶部45に記憶された各種プログラムを読み出して実行することによりその機能を実現する。
【0041】
表示部33は、各種情報をユーザ等に対して表示する。表示部33は、例えば、LCDや有機ELディスプレイ等により構成することが出来る。表示部33は、ホーム画面等の基本画面、ジョブの実行に係るジョブ実行画面、各種設定を行うための設定画面、又はプレビュー画像をプレビュー画面として表示することができる。
【0042】
操作入力部35は、ユーザ等からの情報の入力を受付ける。操作入力部35は、例えば、ハードキー(例えば、テンキー)や、ボタン等で構成することができる。なお、操作入力部35は、表示部13を介しての入力が可能なタッチパネルディスプレイとして構成することも可能である。操作入力部35をタッチパネルディスプレイとして構成する場合、入力方式としては、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等を採用することができる。
【0043】
画像形成部37は、画像データ(原稿のスキャンにより生成したスキャンデータや、外部装置、可搬性記憶媒体等の外部から入力された電子データ)に基づく画像を記録媒体としての用紙に形成して出力する。画像形成部37は、例えば、電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成することができる。この場合、画像形成部37は、トナー色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)に対応した不図示のトナーカートリッジから供給される各色のトナーを用いて画像形成を行う。
【0044】
画像読取部39は、読取対象の原稿をスキャンすることでスキャンデータを生成し、当該スキャンデータに基づき所定のフォーマット形式(例えば、PDF(Portable document format))で電子データを出力する。画像読取部39は、例えば、CCD(Charge coupled device)、CIS(Contact image sensor)等のイメージセンサを備えたスキャナ装置として構成することができる。画像読取部39は、原稿からの反射光像をイメージセンサで読み取ることで、スキャンデータ(電子データ)を出力可能であれば、その構成に制限はない。
【0045】
通信部41は、例えば、LAN、WAN、インターネット、電話回線、ファクス回線等を介して端末装置10等の他装置との通信を行うための有線/無線の何れか又はその両方のインタフェースを備える。
【0046】
近距離無線通信部43は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、赤外線、NFC、RFID等の近距離無線通信プロトコルが利用可能であって、端末装置10等の他装置との間で通信を行うことで、プレビュー画像データや、各種命令指示等の送受信が可能であれば、その構成に制限はない。なお、近距離無線通信部43の一部の機能を通信部41が担うことも可能である。
【0047】
記憶部45は、複合機30の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部45は、例えば、RAM、HDD、SSD、ROM等の記憶装置により構成することができる。
【0048】
第1実施形態においては、記憶部45は、ジョブ制御プログラム451、と、表示処理プログラム453と、連携プログラム455とを記憶し、データ記憶領域457を確保する。
【0049】
ジョブ制御プログラム451は、ジョブを実行する際に制御部31が読み出すプログラムである。ジョブ制御プログラム451を読み出した制御部31は、画像形成部37による印刷出力、画像読取部39による電子データ出力を制御することで各種ジョブを実行する。
【0050】
ジョブ制御プログラム451は、プレビュー画像プログラム4511を含む。プレビュー画像プログラム4511は、特定の印刷モード(例えば、集約印刷モードや両面印刷モード)においてプレビュー画像を生成する際に制御部31が読み出すプログラムである。ジョブ制御プログラム451を読み出した制御部31は、画像形成部37や画像読取部39を制御することにより、当該特定の印刷モード下においてプレビュー画像又はプレビュー画像データを生成する。生成したプレビュー画像は、表示部33にプレビュー画面として表示することが可能であり、また、プレビュー画像データとして近距離無線通信部43又は通信部41を介して端末装置10に送信することができる。
【0051】
表示処理プログラム453は、表示部33の画面表示を制御する際に制御部31が読み出すプログラムである。表示処理プログラム453を読み出した制御部31は、生成したプレビュー画像や、端末装置10から受信した変更指示に基づき変更した変更後プレビュー画像を表示することができる。
【0052】
連携プログラム455は、端末装置10との連携を開始する際に、制御部31が読み出すプログラムである。制御部31は、連携プログラム455を読み出すことで、連携アプリケーションを起動し、プレビュー画像の変更指示を端末装置10から受信し、当該変更をプレビュー画像に反映することができる。また、制御部31は、連携プログラム455を読み出すことで、端末装置10から送信されたジョブの実行指示を受付け、当該ジョブを実行することができる。
【0053】
データ記憶領域457は、原稿をスキャンすることで生成したスキャンデータ(電子データ)や、プレビュー画像の表示に係る画像データや、プレビュー画像データ等を記憶する記憶領域である。
【0054】
[1.2 処理の流れ]
[1.2.1 全体処理について]
次に、第1実施形態に係るシステム100の全体処理について図4のシーケンス図を用いて説明する。なお、図4では、複合機30におけるジョブの開始からプレビュー画像の変更反映までの処理について説明する。
【0055】
まず、複合機30の制御部31は、ジョブ制御プログラム451を読み出すことで、特定の印刷モードに係るジョブを開始する(ステップS10)。なお、当該ジョブの開始には、不図示のジョブ実行画面を介したジョブの実行に係る設定値の入力や、原稿の画像読取部39へのセット等の動作や処理等の初期処理が含まれる。
【0056】
一方、端末装置10の制御部11は、ユーザからの連携プログラム231の起動指示を受けると、連携プログラム231を読み出すことで連携アプリケーションを起動する(ステップS12→ステップS14)。端末装置10の制御部11は、連携プログラム231を読み出すことで、複合機30との接続を確立し、双方向での通信を開始することができる。なお、端末装置10の制御部11は、ステップS18以降に複合機30と接続を確立してもよい。
【0057】
次いで、複合機30の制御部31は、画像読取部39を制御することで原稿読取処理を開始する(ステップS16)。そして、制御部31は、プレビュー画像プログラム4511を読み出すことで、原稿読取処理により得られたイメージデータ(電子データ)に基づきプレビュー画像を生成する(ステップS18)。
【0058】
ここで、複合機30の制御部31は、生成したプレビュー画像をプレビュー画面として表示部33に表示する態様である場合は、当該プレビュー画面を表示部33に表示する。一方、複合機30の制御部31は、生成したプレビュー画像をプレビュー画像データとして出力する態様である場合は、生成したプレビュー画像データをデータ記憶領域457に一時記憶する。
【0059】
端末装置10の制御部11は、プレビュー画像操作プログラム235のプレビュー画像取得プログラム2351を読み出すことにより、複合機30からプレビュー画像を取得する(ステップS20)。この場合、端末装置10の制御部11は、複合機30の表示部33に表示されたプレビュー画像を撮像部21を介して取得するか、複合機30のデータ記憶領域457に一時記憶されたプレビュー画像データを近距離無線通信部19や通信部17等を介して取得する。
【0060】
次に、端末装置10の制御部11は、取得したプレビュー画像を表示部13に表示する(ステップS22)。プレビュー画像の表示後、端末装置10の制御部11は、整合性判定プログラム2353を読み出すことにより、当該プレビュー画像の整合性を判定する(ステップS24)。プレビュー画像の整合性の判定については後述する。なお、取得した変更前のプレビュー画像は、変更後プレビュー画像と対比可能に表示してもよい。
【0061】
端末装置10の制御部11は、ステップS20で取得したプレビュー画像は整合性を満たさないと判定した場合、整合性を満たす出力条件を提案する。この場合、端末装置10の制御部11は、当該出力条件に基づき変更した変更後プレビュー画像を表示部13に表示することができる(ステップS26)。
【0062】
ユーザは、表示部13に表示された変更後プレビュー画像を確認した上で当該出力条件を承諾する場合、プレビュー画像変更指示を入力する(ステップS28)。
【0063】
端末装置10の制御部11は、プレビュー画像変更指示を受付けると、連携アプリケーションを介して当該出力条件に基づく変更指示を複合機30に送信する(ステップS30→ステップS32)。
【0064】
複合機30の制御部31は、受信した変更指示を反映する(ステップS34)。
【0065】
[1.2.2 端末装置10の処理について]
次に、端末装置10の処理について図5及び図6を用いて説明する。図5は、端末装置10の処理を説明するフローチャートである。図6は、図5のステップS140に係る判定処理を説明するフローチャートである。図5及び図6で説明する処理は、端末装置10の制御部11が、主に連携プログラム231、表示処理プログラム233、及びプレビュー画像操作プログラム235を読み出すことで実行する処理である。なお、端末装置10の制御部11及び複合機30の制御部31は、それぞれ連携アプリケーションを起動しているものとして説明する。
【0066】
ところで、図5で説明する処理には、複合機30が生成するプレビュー画像が複合機30の表示部33に表示される形態であるか否かについてのユーザによる判断処理等が含まれる。ユーザが関与する処理については、図中点線枠で表すものとする。
【0067】
まず、ユーザは、複合機30が生成するプレビュー画像が表示部33に表示されるプレビュー画面上のプレビュー画像であるか否かを判断する(ステップS100)。当該判断は、プレビュー画像が複合機30の表示部33に表示されるか否かをユーザが確認することで行うことができる。
【0068】
プレビュー画像が表示部33に表示されるプレビュー画面上のプレビュー画像であると判断した場合、ユーザは不図示のプレビュー画像操作プログラム235の起動指示を入力する。制御部11がプレビュー画像操作プログラム235のプレビュー画像取得プログラム2351を読み出し、撮像部21による撮像準備が整うと、ユーザは、複合機30の表示部33に表示されたプレビュー画面を撮像することにより、プレビュー画像を取得する(ステップS100;Yes→ステップS110)。
【0069】
一方、プレビュー画像が複合機30の表示部33に表示されるプレビュー画面上のプレビュー画像ではないと判断した場合、ユーザは不図示のプレビュー画像操作プログラム235の起動指示を入力する。制御部11がプレビュー画像操作プログラム235のプレビュー画像取得プログラム2351を読み出し、近距離無線通信部19や通信部17を介して複合機30と接続を確立する(ステップS100;No→ステップS180)。
【0070】
制御部11は、複合機30のデータ記憶領域457にプレビュー画像データが記憶されているか否かを判定する(ステップS190)。複合機30のデータ記憶領域457にプレビュー画像データが記憶されていると判定した場合、制御部11はこれを取得する(ステップS190;Yes→ステップS120)。なお、複合機30のデータ記憶領域457にプレビュー画像データが記憶されていないと判定した場合、制御部11は処理を終了する(ステップS190;No)。
【0071】
プレビュー画像(若しくはプレビュー画像データ)を取得すると、制御部11は、取得したプレビュー画像を表示部13に表示する(ステップS120→ステップS130)。なお、取得した変更前のプレビュー画像は、変更後プレビュー画像と対比可能に表示することも可能である。
【0072】
次いで、制御部11は整合性判定プログラム2353を読み出すことにより、当該プレビュー画像の整合性を判定する(ステップS140)。なお、プレビュー画像の整合性の判定処理については、図6で説明する。
【0073】
制御部11は、プレビュー画像の整合性が満たされていると判定した場合、ジョブの実行指示が入力されているか否かを判定する(ステップS150;Yes→ステップS160)。ここで、ジョブの実行指示が入力されたと判定した場合、制御部11は複合機30に対してジョブの実行指示を送信し、処理を終了する(ステップS160;Yes→ステップS170)。
【0074】
一方、プレビュー画像の整合性が満たされていないと判定した場合、制御部11は、当該整合性を満たす出力条件の提案として、当該出力条件に基づき変更した変更後プレビュー画像を表示部13に表示する(ステップS150;No→ステップS200)。
【0075】
次いで、制御部11は、表示した変更後プレビュー画像に対してユーザによる承諾が得られたか否かをユーザによるプレビュー画像の変更指示の入力有無により判定する(ステップS210)。
【0076】
プレビュー画像の変更指示が入力されたと判定した場合、当該出力条件に基づくプレビュー画像の変更指示を複合機30に対して送信する(ステップS210;Yes→ステップS220)。一方、プレビュー画像の変更指示が入力されていないと判定した場合、制御部11は、例えば、提案した出力条件とは異なる出力条件を提案し(異なる出力条件でのプレビュー画像を表示し)、プレビュー画像の変更指示が入力されるまで処理を繰り返す(ステップS210;No)。
【0077】
プレビュー画像の変更指示の送信後、制御部11はステップS160及びステップS170の処理を実行する。
【0078】
次に、図5のステップS140に係るプレビュー画像の整合性の判定処理について図6のフローチャートを用いて説明する。
【0079】
処理を開始すると、端末装置10の制御部11は、当該プレビュー画像に係る印刷モードを判定する(ステップS1401)。
【0080】
印刷モードが集約印刷モード又は両面印刷モードであると判定すると、制御部11は当該プレビュー画像を解析する(ステップS1403:Yes→ステップS1405)。一方、印刷モードが集約印刷モード又は両面印刷モードでないと判定すると、制御部11は処理を終了する(ステップS1403;No)。
【0081】
印刷モードが集約印刷モードである場合の判定処理として、制御部11は、原稿の文字をOCR(Optical character recognition)で認識する処理を行う。制御部11は、認識した文字の記載方向がプレビュー画像(文字の記載方向は左から右)に対して適正であるか否かを判定する。制御部11は、認識した文字が、日本語等とは異なり、例えば、アラビア語等のような右から左に記載される言語である場合、文字方向に対するプレビュー画像は適正ではなく、プレビュー画像の整合性は満たされていないと判定する(ステップS1407;No→ステップS1413)。この場合、制御部11は整合性を満たす出力条件として、ページ集約の方向を“右から左”に設定する条件を提案する。
【0082】
一方、文字方向に対するプレビュー画像が適正であると判定した場合、印刷モードが両面印刷モードである場合の判定処理として、制御部11は、同じくOCRによる文字認識や画像認識等により原稿の上下方向を判定する。なお、印刷モードが両面印刷モードではない場合、この処理は省略することができる。制御部11は、原稿の上下方向が統一されていない場合、原稿の上下方向に対するプレビュー画像は適正ではなく、プレビュー画像の整合性は満たされていないと判定する(ステップS1409;No→ステップS1413)。この場合、制御部11は整合性を満たす出力条件として、画像の上下が統一された印刷結果となるよう、両面印刷に係るとじ方向を変更する条件を提案する。
【0083】
なお、原稿の上下方向に対するプレビュー画像は適正であると判定した場合、制御部11は、プレビュー画像の整合性は満たされていると判定し、処理を終了する(ステップS1409;Yes→ステップS1411)。
【0084】
[1.2.3 複合機30の処理について]
次に、複合機30の処理について図7のフローチャートを用いて説明する。図7で説明する処理は、複合機30の制御部31が、ジョブ制御プログラム451、表示処理プログラム453、連携プログラム455等を読み出すことで実行する処理である。なお、ここでの説明においても、端末装置10の制御部11及び複合機30の制御部31は、それぞれ連携アプリケーションを起動しているものとして説明する。
【0085】
初めに、複合機30の制御部31は、ジョブの開始指示が入力されたか否かを判定する(ステップS300)。ジョブの開始指示が入力されたと判定した場合、制御部31は、ジョブにプレビュー画像の生成を含むか否かを判定する(ステップS300;Yes→ステップS310)。一方、ジョブの開始指示が入力されていないと判定した場合、制御部31はジョブの開始指示が入力されるまで待機する(ステップS300;No)。
【0086】
次に、制御部31は、ジョブにプレビュー画像の生成が含まれていると判定した場合、原稿を読取る(ステップS310;Yes→ステップS320)。なお、ジョブにプレビュー画像の生成が含まれているか否かは、ジョブの実行開始指示に係る印刷モード(例えば、集約印刷モード、両面印刷モード)に基づき判定することが出来るし、例えば、各印刷モードにおける設定画面等に設けられたプレビューボタンがユーザによって選択されたことをもって判定することも可能である。ところで、ジョブにプレビュー画像の生成が含まれていないと判定した場合、制御部31は、処理をステップS390に移行する(ステップS310;No→ステップS390)。
【0087】
ステップS320において、原稿を読取ると、制御部31はプレビュー画像を生成する(ステップS330)。次いで、制御部31は生成したプレビュー画像を表示部33にプレビュー画面として表示するか否かを判定する。この場合、制御部31は、例えば、システム設定で設定されたプレビュー画像表示設定等を参照することで、プレビュー画像の表示態様を判定することができる。
【0088】
生成したプレビュー画像を表示部33にプレビュー画面として表示する態様であると判定した場合、制御部31は、プレビュー画像を表示部33にプレビュー画面として表示する(ステップS340;Yes→ステップS350)。一方、生成したプレビュー画像を表示部33にプレビュー画面として表示する態様ではないと判定した場合、制御部31は、プレビュー画像をプレビュー画像データとしてデータ記憶領域457に一時記憶する(ステップS340;No→ステップS360)。なお、制御部31は、表示部33にプレビュー画像を指定する情報を表示し、それを端末装置10に読み取らせることでプレビュー画像を取得させてもよい。プレビュー画像を指定する情報の例としては、URL(Uniform Resource Locator)やQRコード(登録商標)等がある。
【0089】
次に、制御部31は、端末装置10からプレビュー画像変更指示を受付けたか否かを判定する(ステップS370)。端末装置10からプレビュー画像変更指示を受付けたと判定した場合、制御部31は、変更後プレビュー画像を表示部33に表示する(ステップS370;Yes→ステップS380)。
【0090】
そして、制御部31は、端末装置10からジョブの実行指示が入力されたか否かを判定する(ステップS390)。なお、端末装置10からプレビュー画像変更指示を受付けていないと判定した場合においても、制御部31は、端末装置10からジョブの実行指示が入力されたか否かを判定する(ステップS370;No→ステップS390)。
【0091】
制御部31は、端末装置10からジョブの実行指示が入力されたと判定した場合、ジョブを実行し処理を終了する(ステップS390;Yes→ステップS400)。一方、端末装置10からジョブの実行指示が入力されていないと判定した場合、制御部31は当該ジョブの実行指示が入力されるまで待機する(ステップS390;No)。
【0092】
[1.3 動作例]
次に、第1実施形態に係る動作例について説明する。図8は、集約印刷モードでのジョブの実行開始を受付ける集約印刷設定画面W10の一構成例を説明する図である。
【0093】
集約印刷設定画面W10は、例えば、不図示のホーム画面やコピーモードに係るジョブの実行画面を介して表示させることができる。集約印刷設定画面W10は、集約印刷設定領域R10と、プレビューボタンB10とを含む。
【0094】
集約印刷設定領域R10は、集約印刷に係るページレイアウト(ページの集約方向)の設定を受付ける領域である。図8は、2ページの原稿を1ページに集約して印刷する場合の集約印刷設定領域R10の表示構成例を示している。集約印刷設定領域R10は、ページレイアウトに係る設定として、集約方向設定ボタンB12a及びB12bを含む。
【0095】
集約方向設定ボタンB12aは、原稿の集約方向を上から下方向又は左から右方向に設定する場合の選択を受付けるボタンである。一方、集約方向設定ボタンB12bは、原稿の集約方向を下から上方向又は右から左方向に設定する場合の選択を受付けるボタンである。
【0096】
プレビューボタンB10は、プレビュー画像の表示指示入力を受付けるボタンである。プレビューボタンB10が選択されることにより、複合機30の制御部31は、画像読取部39にセットされた原稿を読み取り、次図で説明するプレビュー画面W20を表示する。
【0097】
図9は、プレビュー画面W20の一構成例を説明する図である。プレビュー画面W20は、プレビュー画像表示領域R12と、スタートボタンB14とを含む。
【0098】
プレビュー画像表示領域R12は、集約印刷設定画面W10を介して設定された集約印刷設定に基づくプレビュー画像を表示する表示領域である。
【0099】
スタートボタンB14は、集約印刷の実行指示を受付けるボタンである。ユーザは白黒スタートボタン又はカラースタートボタンの何れかを選択することで、集約印刷を実行することができる。
【0100】
ここで、図8において、集約方向設定ボタンB12aの選択により、原稿の集約方向が左から右方向に設定されている場合、8ページ分の原稿は、プレビュー画像表示領域R12で示す様に、左から右方向に集約される結果となる。
【0101】
しかしながら、例えば、原稿が、アラビア語等のような右から左方向に記載される言語で文字(列)が形成されている場合、図9での例示のように、原稿の判読順番が、2ページ目から1ペー目、4ページ目から3ページ目、6ページ目から5ページ目、8ページ目から7ページ目といったように、正しい判読順番とはならないので、判読性に欠いた集約結果となる。
【0102】
第1実施形態では、ページレイアウトに係る集約印刷設定と、OCRを用いた文字認識とに基づきプレビュー画像の整合性を判定し、整合性を満たさない場合は、当該整合性を満たす出力条件を提案することが可能である。以下にその態様について説明する。
【0103】
図10は、端末装置10が表示するプレビュー画像変更画面W30の一構成例を説明する図である。プレビュー画像変更画面W30は、変更前プレビュー画像表示領域R14と、変更後プレビュー画像表示領域R16と、OKボタンB16と、次へボタンB18と、現状ボタンB20とを含む。
【0104】
変更前プレビュー画像表示領域R14は、図9で例示したプレビュー画像と同じプレビュー画像を表示する表示領域である。
【0105】
変更後プレビュー画像表示領域R16は、整合性を満たす出力条件として提案された変更案に基づく変更後プレビュー画像を表示する表示領域である。図10は、原稿の集約方向を右から左方向に設定を変更した場合の変更後プレビュー画像の表示例である。
【0106】
OKボタンB16は、ユーザによる変更後プレビュー画像の承諾を受付けるボタンである。OKボタンB16が選択されると、制御部11は、当該出力条件に基づくプレビュー画像の変更指示を複合機30に対して送信する。
【0107】
次へボタンB18は、ユーザによる変更後プレビュー画像の非承諾の選択を受付けるボタンである。次へボタンB18が選択されると、制御部11は、提案した出力条件とは異なる出力条件を更に提案する(異なる出力条件での変更後プレビュー画像を表示する)。
【0108】
現状ボタンB20は、変更前プレビュー画像表示領域R14に表示されたプレビュー画像の出力条件を維持する選択を受付けるボタンである。現状ボタンB20が選択されると、制御部11は、複合機30に対してプレビュー画像の変更指示を行わない。
【0109】
図11は、ユーザによるOKボタンB16の選択を受け、プレビュー画像の変更指示を受信した複合機30が表示するプレビュー画面W40の一構成例を説明する図である。プレビュー画面W40は、図9で例示したプレビュー画面W20と同一構成とすることができるため、同一の符号を付してその詳細は省略する。図11は、プレビュー画像の変更指示が反映され、原稿の集約方向を右から左方向に設定を変更した場合の変更後プレビュー画像を、プレビュー画像表示領域R12に表示した例示である。
【0110】
図12は、両面印刷モードでのジョブの実行開始を受付ける両面印刷設定画面W50の一構成例を説明する図である。
【0111】
両面印刷設定画面W50は、例えば、不図示のホーム画面やコピーモードに係るジョブの実行画面を介して表示させることができる。両面印刷設定画面W50は、両面印刷設定領域R18と、プレビューボタンB22とを含む。
【0112】
両面印刷設定領域R18は、両面印刷に係るとじ方向の設定を受付ける領域である。図12は、片面から両面に印刷する場合の両面印刷設定領域R18の表示構成例を示している。両面印刷設定領域R18は、とじ方向に係る設定として、よことじボタンB24a及びたてとじボタンB24bを含む。
【0113】
よことじボタンB24aは、原稿を長辺側でとじる設定にする場合の選択を受付けるボタンであり、よことじを選択すると、原稿の表と裏とで画像の上下が一致する方向に印刷される。一方、たてとじボタンB24bは、原稿を短辺側でとじる設定にする場合の選択を受付けるボタンであり、たてとじを選択すると、原稿の表と裏とで画像の上下が反対になる方向に印刷される。
【0114】
プレビューボタンB22は、プレビュー画像の表示指示入力を受付けるボタンである。プレビューボタンB22が選択されることにより、複合機30の制御部31は、画像読取部39にセットされた原稿を読み取り、次図で説明するプレビュー画面W60を表示する。
【0115】
図13は、プレビュー画面W60の一構成例を説明する図である。図13は、図12において、たてとじボタンB24bの選択により、原稿を短辺側でとじる設定にされた場合のプレビュー画像の表示例である。ここで、プレビュー画面W60は、プレビュー画像表示領域R20と、スタートボタンB24とを含む。
【0116】
プレビュー画像表示領域R20は、両面印刷設定画面W50を介して設定された両面印刷設定に基づくプレビュー画像を表示する表示領域である。
【0117】
スタートボタンB24は、両面印刷の実行指示を受付けるボタンである。ユーザはスタートボタンB24を選択することで、両面印刷を実行することができる。
【0118】
なお、図13は、OCRを用いた文字認識に基づき、原稿の上下方向を判定した例示であり、プレビュー画像表示領域R20内の点線枠で囲まれた原稿2、4、6、及び8は他の原稿(原稿1、3、5、及び7)と上下方向が異なると判定された例示である。
【0119】
図14は、プレビュー画像の変更指示を受信した複合機30が表示するプレビュー画面W70の一構成例を説明する図である。プレビュー画面W70は、図13で例示したプレビュー画面W60と同一構成とすることができるため、同一の符号を付してその詳細は省略する。図14は、プレビュー画像の変更指示が反映され、原稿を長辺側でとじる設定にされた結果、原稿の上下方向が統一された場合の変更後プレビュー画像を、プレビュー画像表示領域R20に表示した例示である。
【0120】
図15は、原稿の上下方向を画像認識によって判定した場合の例示である。プレビュー画面W80は、図13で例示したプレビュー画面W60と同一構成とすることができるため、同一の符号を付してその詳細は省略する。図15は、画像認識による原稿の上下方向の判定の結果、プレビュー画像表示領域R20内の点線枠で囲まれた原稿の上下方向が他の原稿とは異なる場合の例示である。
【0121】
図16は、プレビュー画像の変更指示を受信した複合機30が表示するプレビュー画面W90の一構成例を説明する図である。プレビュー画面W90は、図13で例示したプレビュー画面W60と同一構成とすることができるため、同一の符号を付してその詳細は省略する。図16は、プレビュー画像の変更指示が反映され、原稿を長辺側でとじる設定にされた結果、原稿の上下方向が統一された場合の変更後プレビュー画像を、プレビュー画像表示領域R20に表示した例示である。
【0122】
以上の様に、第1実施形態によれば、画像形成装置から原稿に基づくプレビュー画像を取得し、原稿の文字方向又は上下方向に基づいてプレビュー画像の整合性を判定し、判定結果が整合性を満たさない場合、前整合性を満たす出力条件をユーザに対して提案することが可能であるため、ユーザは所望するプレビュー画像を得ることができる。
【0123】
[2 第2実施形態]
第2実施形態は、端末装置が表示するプレビュー画像変更画面において、プレビュー画像のページ編集が可能な形態である。
【0124】
[2.1 機能構成]
第2実施形態に係る端末装置及び複合機の機能構成は、第1実施形態に係る端末装置10及び複合機30の機能構成と略同様とすることができる。したがって、第2実施形態では、同一の構成については、その説明は省略する。
【0125】
[2.2 処理の流れ]
第2実施形態に係る処理の流れについても、第1実施形態に係る処理の流れと略同様とすることができる。第2実施形態は、図5のステップS210に係る処理において、プレビュー画像の編集が可能なプレビュー画像変更画面を介してプレビュー画像の変更指示を入力する点が異なる。
【0126】
[2.3 動作例]
図17(a)は、第2実施形態に係るプレビュー画像変更画面W100の一構成例を説明する図である。プレビュー画像変更画面W100は、プレビュー画像表示領域R22と、反映ボタンB26と、リセットボタンB28と、キャンセルボタンB30と、画像指定アイコンB32とを含む。
【0127】
プレビュー画像表示領域R22は、複合機30から取得したプレビュー画像と、ユーザの操作によりページ編集がなされた後のプレビュー画像とを表示する。例えば、図17(a)は複合機30から取得されたプレビュー画像であって、ユーザの操作によりページ編集がなされていない状態を表している。
【0128】
反映ボタンB26は、プレビュー画像に対するページ編集の反映を受付けるボタンである。リセットボタンB28はプレビュー画像に対するページ編集のリセット(元の状態に戻す)を受付けるボタンである。キャンセルボタンB30は、プレビュー画像に対するページ編集のキャンセルを受付けるボタンである。
【0129】
画像指定アイコンB32は、ページ編集の対象となるプレビュー画像の指定を受付けるアイコンである。画像指定アイコンB32を操作することにより、例えば、プレビュー画像P1とプレビュー画像P2とのレイアウト位置を入れ替えることができる。
【0130】
図17(b)は、画像指定アイコンB32を用いて、プレビュー画像P1とプレビュー画像P2とのレイアウト位置を入れ替えた場合におけるプレビュー画像変更画面W110の一構成例を説明する図である。図17(b)で示すプレビュー画像変更画面W110の構成は、図17(a)に係るプレビュー画像変更画面W100と同一構成であり、プレビュー画像P1とプレビュー画像P2とのレイアウト位置の入れ替えが反映された例示である。
【0131】
図18は、プレビュー画像変更画面W110を介したプレビュー画像のページ編集が複合機30で表示するプレビュー画像に反映された例を説明する図である。図18に係るプレビュー画面W120は、図15で例示したプレビュー画面W80と同一構成とすることができる。図18は、図15で例示したプレビュー画像の表示状態から、プレビュー画像P1及びプレビュー画像P2に対応するプレビュー画像のレイアウト位置が変更された場合の例示である。
【0132】
以上のように、第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、端末装置が表示するプレビュー画像変更画面でのページ編集を、複合機で表示するプレビュー画像に反映させることができるため、プレビュー画像に対する操作性をより向上させることができる。
【0133】
[3 第3実施形態]
第3実施形態は、第1実施形態に係るプレビュー画像変更画面W30に複合機の操作に関する取扱説明書(取説)を取得するための取得ボタンを設けた形態である。なお、その他の機能構成や処理の流れについては、第1実施形態と同様に実施することができるため、ここでの説明は省略する。
【0134】
図19は、第3実施形態に係るプレビュー画像変更画面W130の一構成例を説明する図である。プレビュー画像変更画面W130は、第1の実施形態に係るプレビュー画像変更画面W30の構成に加え、取説ボタンB34を含む。
【0135】
取説ボタンB34は、複合機30の取扱いについて、特に、本実施形態においては、プレビュー画像の生成に関する操作方法を取得する場合の選択を受付けるボタンである。取説ボタンB34が選択されると、制御部11は、例えば複合機30本体又はインターネットを介して提供されている取扱説明書を取得する。
【0136】
ユーザは、次へボタンB18の選択により、提案された出力条件とは異なる出力条件が提案された場合であっても当該出力条件に基づくプレビュー画像を承諾しない場合は、取説ボタンB34を選択し、取扱説明書を取得する。ユーザは、取得した取扱説明書を参照し、所望する出力条件を自身で設定することにより、所望するプレビュー画像を得ることができる。
【0137】
以上の様に、第3実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、提案された出力条件が承諾できない場合であっても、取得した取扱説明書を参照することで、自身が所望する出力条件でプレビュー画像を得ることができる。
【0138】
[4 変形例]
第1実施形態から第3実施形態は、端末装置10の制御部11が整合性判定プログラム2353を読み出すことでプレビュー画像の整合性を判定し、プレビュー画像の整合性が満たされていないと判定した場合、制御部11は、当該整合性を満たす出力条件を提案する形態であった。
【0139】
ここで例示する変形例は、端末装置10の制御部11が、集約印刷モードや両面印刷モード等の各印刷モードで生成可能なプレビュー画像をパターンとして生成し、当該パターンをユーザに選択させることで、整合性判定プログラム2353を用いなくとも、端末装置10で表示するプレビュー画像の整合性をユーザ自身が判断することが可能な形態である。
【0140】
図20は、変形例に係るプレビュー画像変更画面W140の一構成例を説明する図である。プレビュー画像変更画面W140は、変更前プレビュー画像表示領域R14、変更後プレビュー画像表示領域R16に加え、パターン選択ボタンB36を含む。パターン選択ボタンB36を構成するパターン1ボタン、パターン2ボタン、パターン3ボタン、・・・ボタンには、集約印刷モードや両面印刷モード等の各印刷モードで生成可能なプレビュー画像が割り当てられている。ユーザは、所望するプレビュー画像に対応するパターンボタンを選択し、当該プレビュー画像を変更後プレビュー画像表示領域R16に表示させることで、プレビュー画像の整合性を自身で判断することができる。
【0141】
本開示は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0142】
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。
【0143】
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0144】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD (Blu-ray(登録商標)Disc等))、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本開示の機能が実現される場合もある。
【0145】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本開示に含まれるのは勿論である。
【符号の説明】
【0146】
10 端末装置
11 制御部
13 表示部
15 操作入力部
17 通信部
19 近距離無線通信部
21 撮像部
23 記憶部
231 連携プログラム
233 表示処理プログラム
235 プレビュー画像操作プログラム
2351 プレビュー画像取得プログラム
2353 整合性判定プログラム
2355 設定変更プログラム
237 表示コンテンツ等記憶領域
30 複合機
31 制御部
33 表示部
35 操作入力部
37 画像形成部
39 画像読取部
41 通信部
43 近距離無線通信部
45 記憶部
451 ジョブ制御プログラム
4511 プレビュー画像プログラム
453 表示処理プログラム
455 連携プログラム
457 データ記憶領域
100 システム
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