(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175491
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】画像処理装置及び画像処理装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20231205BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20231205BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231205BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
H04N1/00 838
G06F3/12 322
G06F3/12 338
B41J29/38 203
B41J29/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087956
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】松田 力
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061CQ39
2C061CQ40
2C061CQ41
2C061HJ07
2C061HK05
2C061HN04
2C061HN08
2C061HN15
2C061HV01
2C061HV32
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC34
5C062AC58
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF12
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】管理者が確認して対処すべき通知情報を管理者に対して確実に通知することが可能な画像処理装置等を提供する。
【解決手段】イベントの発生を検出する検出部と、発生したイベントに基づき通知情報の表示が可能な表示部と、前記通知情報が、特定のユーザに対する通知である場合、前記表示部で表示する前記通知情報に対する操作権限を前記特定のユーザに制限し、前記通知情報が、前記特定のユーザに対する通知でない場合、前記表示部で表示する前記通知情報に対する操作権限を非制限とする制御部とを備えた画像処理装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベントの発生を検出する検出部と、
発生したイベントに関する通知情報の表示が可能な表示部と、
前記通知情報が、特定のユーザに対する通知である場合、前記表示部で表示する前記通知情報に対する操作権限を前記特定のユーザに制限し、
前記通知情報が、前記特定のユーザに対する通知でない場合、前記表示部で表示する前記通知情報に対する操作権限を非制限とする制御部とを備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記操作権限は、前記表示部での前記通知情報の消去指示に関する操作権限であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
認証部を更に備え、
前記制御部は、
前記通知情報に対する操作を承認する場合、前記特定のユーザの認証を求めることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記イベントが前記特定のユーザのみが操作可能な装置情報へのウィルス感染である場合、前記表示部で表示する前記通知情報に対する操作権限を前記特定のユーザに制限し、前記イベントが画像処理装置に対する入出力情報へのウィルス感染である場合、前記表示部で表示する前記通知情報に対する操作権限を非制限とすることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記通知情報は、ウィルス感染した情報に関するものであることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記イベントは、
画像処理装置に対するログイン操作、ジョブの実行、又は装置エラーの発生の何れかであることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
ウィルス検疫の結果、ウィルスが検出されたとき、前記イベントが外部ネットワークへの接続を要するジョブの実行である場合、前記表示部で表示する前記通知情報に対する操作権限を前記特定のユーザに制限し、前記イベントが外部ネットワークへの接続を要しないジョブの実行である場合、前記表示部で表示する前記通知情報に対する操作権限を非制限とすることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
イベントの発生を検出し、
発生したイベントに関する通知情報を表示部に表示し、
前記通知情報が、特定のユーザに対する通知である場合、前記表示部で表示する前記通知情報に対する操作権限を前記特定のユーザに制限し、
前記通知情報が、前記特定のユーザに対する通知でない場合、前記表示部で表示する前記通知情報に対する操作権限を非制限とする画像処理装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置の使用態様の一つに、画像処理装置を操作するユーザを管理者ユーザ(以下、単に管理者と称する)と一般ユーザとに分ける態様がある。近年の装置の多機能化に伴い、ネットワーク環境や、装置固有の性能に関して専門的な知識が求められる機会が増えてきており、一般ユーザを含めた全てのユーザが画像処理装置を恒常的に操作することができるように、装置の運転状況を管理する管理者が設けられる場合がある。
【0003】
管理者には、画像処理装置で発生したイベントやエラー等への対応が可能となるように、装置メンテナンス、ユーザ管理、ネットワーク管理等の種々の場面において、一般ユーザよりも強力な操作権限が与えられており、管理者が取り扱う装置に関する情報も一般ユーザのそれとは異なることが多い。
【0004】
ところで、画像処理装置で取り扱うデータに対してウィルス検疫を実行し、ウィルスが検出されると、ユーザに対してウィルスを検出した旨を通知する機能がある。ウィルスが検出された場合、感染状況の確認、感染データの削除・隔離といった早急な対処が必要となるが、これらの対処は管理者が担う場合が殆どである。
【0005】
例えば、特許文献1には、受信したデータにウィルスが検出された場合、画像形成装置の管理者に対してウィルスを検出した旨を通知し、その後の対処を管理者に促すことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ウィルスの検出といったイベントが画像処理装置で発生した場合、そのイベント内容等は、表示装置等を介して管理者に確実に通知されることが好ましい。しかしながら、従来技術では、イベントの検出に応じて画像処理装置が表示する通知情報に対し、当該通知情報を操作するための権限(以降、操作権限と称することがある)については考慮がなされていなかった。
【0008】
すなわち、従来技術では、管理者、一般ユーザを問わず、表示された通知情報に対する操作が可能であるため、本来ならば管理者が確認して対処すべき通知情報も、一般ユーザが確認後消去してしまう可能性があり、当該通知情報が確実に管理者に通知されない恐れがあった。
【0009】
本開示は、管理者が確認して対処すべき通知情報を管理者に対して確実に通知することが可能な画像処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本開示に係る画像処理装置は、イベントの発生を検出する検出部と、発生したイベントに関する通知情報の表示が可能な表示部と、前記通知情報が、特定のユーザに対する通知である場合、前記表示部で表示する前記通知情報に対する操作権限を前記特定のユーザに制限し、前記通知情報が、前記特定のユーザに対する通知でない場合、前記表示部で表示する前記通知情報に対する操作権限を非制限とする制御部とを備えることを特徴としている。
【0011】
また、本開示に係る画像処理装置の制御方法は、イベントの発生を検出し、発生したイベントに関する通知情報を表示部に表示し、前記通知情報が、特定のユーザに対する通知である場合、前記表示部で表示する前記通知情報に対する操作権限を前記特定のユーザに制限し、前記通知情報が、前記特定のユーザに対する通知でない場合、前記表示部で表示する前記通知情報に対する操作権限を非制限とすることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、管理者が確認して対処すべき通知情報を管理者に対して確実に通知することが可能な画像処理装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係る複合機の全体構成を説明する図である。
【
図2】第1実施形態に係る複合機の機能構成図である。
【
図3】(a)通知情報管理テーブルを説明する図である。(b)ユーザ情報管理テーブルを説明する図である。
【
図4】第1実施形態に係る処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図5】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
【
図6】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
【
図7】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
【
図8】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
【
図9】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
【
図10】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
【
図11】第2実施形態に係る複合機の機能構成図である。
【
図12】第2実施形態に係る処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図13】第2実施形態に係る処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図14】第2実施形態に係る動作例を説明する図である。
【
図15】第2実施形態に係る動作例を説明する図である。
【
図16】第2実施形態に係る動作例を説明する図である。
【
図17】第2実施形態に係る動作例を説明する図である。
【
図18】第2実施形態に係る動作例を説明する図である。
【
図19】第2実施形態に係る動作例を説明する図である。
【
図20】第3実施形態に係る処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図21】第3実施形態に係る動作例を説明する図である。
【
図22】第3実施形態に係る動作例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。本開示では、例えば、コピー、ファクス、スキャン、メール送信等に係るジョブを一つの筐体で実施可能な複合機を本開示に係る画像処理装置の一形態として説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載した説明の技術的範囲は、以下の記載に限定されるものではない。
【0015】
[1 第1実施形態]
第1実施形態は、イベントの発生を検出する検出部と、発生したイベントに関する通知情報の表示が可能な表示部と、通知情報が、特定のユーザとしての管理者に対する通知である場合、表示部で表示する通知情報に対する操作権限を管理者に制限し、管理者に対する通知でない場合、表示部で表示する通知情報に対する操作権限を非制限とする制御部とを備えた複合機の形態である。なお、第1実施形態では、イベントが管理者のみが操作可能な装置情報に感染したウィルスの検出又はイベントが複合機に対する入出力情報に感染したウィルスの検出である場合の形態について説明する。
【0016】
ここで、管理者のみが操作可能な装置情報とは、操作権限が管理者に制限されているデータをいい、例えば、複合機のファームウェアデータや、組み込みプログラムデータ等がこれに該当する。また、複合機に対する入出力情報とは、操作権限が制限されておらず、管理者、一般ユーザを問わず操作が可能なデータをいい、例えば、ジョブの実行に係るデータ、アドレス帳データ、ジョブの実行により生成したデータであって再利用のために複合機に保存した保存データ、NAS(Network Attached Storage)等の複合機に対してネットワークを介して接続された記憶装置等に保存されたデータ等がこれに該当する。
【0017】
[1.1 機能構成]
第1実施形態に係る複合機10の機能構成について
図1及び
図2を用いて説明する。
図1は、複合機10の全体構成を概略的に説明する外観斜視図である。
図2は、複合機10の機能構成図である。複合機10は、制御部11と、表示部13と、操作入力部15と、通信部17と、画像形成部19と、画像読取部21と、記憶部23とを備える。
【0018】
制御部11は、複合機10全体を制御する。制御部11は、例えば、1又は複数の演算装置(CPU(Central Processing Unit)等)により構成される。制御部11は、記憶部23に記憶された各種プログラムを読み出して実行することによりその機能を実現する。
【0019】
表示部13は、各種情報をユーザ等に対して表示する。表示部13は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置により構成することができる。
【0020】
操作入力部15は、ユーザ等による情報の入力を受付ける。操作入力部15は、例えば、テンキー等のハードキーやボタン等で構成することができる。なお、操作入力部15は、表示部13を介しての入力が可能なタッチパネルとして構成することができる。この場合、タッチパネルの入力方式としては、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった一般的な方式を用いることができる。
【0021】
通信部17は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、公衆交換電話網等のネットワークを介して他の装置との通信を行うための有線/無線の何れか又はその両方のインタフェースを備える。
【0022】
画像形成部19は、イメージデータに基づく画像を記録媒体としての用紙に形成する。画像形成部19は、給紙部25から用紙を給紙し、用紙上にイメージデータに基づく画像を形成した後、排紙部27に排紙する。画像形成部19は、例えば、電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成することができる。この場合、画像形成部19は、トナー色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)に対応した不図示のトナーカートリッジから供給されるトナーを用いて画像形成を行う。
【0023】
画像読取部21は、読取対象の原稿画像を走査して読取ることにより、イメージデータを生成する。画像読取部21は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CIS(Contact Image Sensor)等のイメージセンサを備えたスキャナ装置として構成することができる。画像読取部21は、原稿画像からの反射光像をイメージセンサで読取ることで、イメージデータを生成する構成であれば、その構成に制限はない。
【0024】
記憶部23は、複合機10の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部23は、例えば、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)等の記憶装置により構成することができる。なお、記憶部23は、ネットワークNWを介して接続された不図示のNAS上に設けてもよい。
【0025】
第1実施形態において、記憶部23は、制御プログラム231と、認証プログラム232と、表示制御プログラム233と、イベント検出プログラム234と、通知情報制御プログラム235とを記憶し、通知情報記憶領域236と、ユーザ情報記憶領域237とを確保する。
【0026】
制御プログラム231は、コピー、ファクス、スキャン、メール送信等の特定の動作モード下で処理を行うために制御部11が読み出すプログラムである。制御プログラム231を読み出した制御部11は、表示部13、操作入力部15、通信部17、画像形成部19、画像読取部21等を制御することにより、コピー、ファクス、スキャン、メール送信等のジョブを実行する。
【0027】
認証プログラム232は、複合機10にログインするユーザを認証する際に制御部11が読み出すプログラムである。認証プログラム232を読み出した制御部11は、認証機能がオンである場合は、複合機10に対してログインを試みるユーザに対し、不図示のログイン画面を表示する。制御部11は、例えば、管理者としてのログインユーザ名とログインパスワードとを予め関連付けて記憶しておき、ログイン画面を介して入力されたログインユーザ名とログインパスワードとを照合することで管理者としてのユーザ認証を行うことができる。なお、ユーザ認証は、ログインユーザ名とログインパスワードとの入力に基づくパスワード認証(知識認証)に加え、例えば、トークン、鍵、ICカード、スマートフォン等を用いた所有物認証や、指紋認証、掌紋認証、血管認証、顔認証等の生体認証、又はこれらの認証を組み合わせた多要素認証によって行うことができる。また、認証プログラム232を読み出した制御部11は、認証部として機能し、後述する通知情報の消去指示受付の際の管理者認証を行う。
【0028】
表示制御プログラム233は、表示部13及び操作入力部15を制御する際に制御部11が読み出すプログラムである。表示制御プログラム233を読み出した制御部11は、後述する通知情報画面や、各種設定画面、これらの画面の表示指示の受付けや表示切り替えを行うホーム画面等の出力制御を行う。なお、本開示では、制御部11は、表示部13と操作入力部15とが一体化した形態であるタッチパネルの入出力を制御するものとして説明するが、表示部13と、操作入力部15とは独立して制御することも無論可能である。
【0029】
イベント検出プログラム234は、複合機10で発生する各種イベントを検出する際に制御部11が読み出すプログラムである。第1実施形態では、イベント検出プログラム234は、ウィルス対策プログラム2341を備えるものとして説明する。制御部11は、ウィルス対策プログラム2341を読み出すことにより、ウィルス対策アプリケーションとして機能する。ウィルス対策プログラム2341を読み出した制御部11は、パターンファイルとのパターンマッチングにより、複合機10のファームウェアデータ、組み込みプログラムデータ、ジョブの実行に係るデータ、アドレス帳データ、ジョブの実行により生成したデータであって再利用のために複合機に保存した保存データ、NAS等の複合機に対してネットワークを介して接続された記憶装置等に保存したデータに対してウィルス検疫を行う。なお、イベント検出プログラム234は、
図2の例示のように、例えば、API(Application Programming Interface)等を介してイベント検出プログラム234の一部としてウィルス対策プログラム2341を実装する形態であってもよいし、ウィルス対策プログラム2341自体であってもかまわない。
【0030】
通知情報制御プログラム235は、表示部13に表示する通知情報を、管理者に操作権限を制限した通知情報とするか又は操作権限を非制限とした通知情報とするかの何れかの判定を行う。通知情報制御プログラム235を読み出した制御部11は、発生したイベントが管理者のみが操作可能な装置情報に感染したウィルスの検出であった場合、表示部13に表示する通知情報を、管理者に操作権限を制限した通知情報にすると判定する。一方、制御部11は、発生したイベントが複合機に対する入出力情報に感染したウィルスの検出であった場合、表示部13に表示する通知情報を、操作権限を非制限とした通知情報にすると判定する。
【0031】
通知情報記憶領域236は、ユーザに対して表示するメッセージや通知する通知情報を記憶する記憶領域である。通知情報記憶領域236は、記憶する通知情報を、通知情報管理テーブル2361として管理する。ここで、通知情報管理テーブル2361について
図3(a)を用いて説明する。
【0032】
図3(a)は、通知情報管理テーブル2361のデータ構成例を説明する図である。通知情報管理テーブル2361は、管理項目として、通知IDと、イベントと、メッセージファイルと、管理者通知と、通知情報ファイルと、認証と、格納先とを含む。通知IDは、ユーザに対して通知するメッセージや通知情報を一意に識別するための識別子である。通知情報管理テーブル2361は、ユーザに対して表示するメッセージと通知情報とを通知IDに関連付けて管理することができる。イベントは、複合機10において発生したイベントの種類を表す。メッセージファイルは、発生したイベントに応じたメッセージ内容を格納するファイル(例えば、テキストファイル名)を表す。管理者通知は、メッセージを含む通知情報が管理者への通知を要するか否かを表すフラグである。通知情報ファイルは、発生したイベントの通知内容を格納するファイル(例えば、テキストファイル名)である。認証は、通知情報(ファイル)に対する操作権限(本開示では、通知情報の消去権限)が管理者に制限されているか否かを表すフラグである。本開示では、操作権限が管理者に制限されているか否かの一態様として、管理者による認証要否を一例として説明する。格納先は、メッセージファイルや通知情報ファイルを格納する通知情報記憶領域236のアドレスを表す。
【0033】
例えば、通知ID“#001”で識別される通知は、“ウィルス感染”のイベントの発生に基づく通知であることを表している。このとき、“ma01-1.txt”に基づくメッセージが表示部13に表示される。そして、管理者への通知を要する通知情報ファイル“ma01-2.txt”を通知内容とする通知情報が表示された場合、当該通知情報の消去には管理者の認証が必要であることを表している(認証;Yes)。なお、通知ID“#001”で例示される通知情報は以下の説明において通知タイプ1の通知情報と称することがある。
【0034】
また、通知ID“#002”で識別される通知は、“ウィルス感染”のイベントの発生に基づく通知であることを表している。このとき、“mn01-1.txt”に基づくメッセージが表示部13に表示される。そして、管理者への通知を要しない通知情報ファイル“mn01-2.txt”を通知内容とする通知情報が表示された場合、当該通知情報の消去には管理者の認証が必要ではないことを表している(認証;No)。なお、通知ID“#002”で例示される通知情報は以下の説明において通知タイプ2の通知情報と称することがある。
【0035】
なお、イベントの発生に基づく通知は、通知ID“#001”や“#002”等の例示以外にも、マシントラブル(例えば、管理者によるサービスマンへの連絡が必要な深刻なマシントラブルや(#003)、一般ユーザによる部品交換で対処可能な軽微なマシントラブル(#004))、ネットワークトラブル(例えば、管理者によるネットワーク機器等への対処が必要な深刻なネットワークトラブルや(#005)、一般ユーザにより解決可能な軽微なネットワークトラブル(#006))等をその発生事由とすることも可能である。
【0036】
再び、
図2に戻り、ユーザ情報記憶領域237は、複合機10を操作するユーザのユーザ情報を記憶する記憶領域である。ユーザ情報記憶領域237は、記憶するユーザ情報を、ユーザ情報管理テーブル2371として管理する。ここで、ユーザ情報管理テーブル2371について
図3(b)を用いて説明する。
【0037】
図3(b)は、ユーザ情報管理テーブル2371のデータ構成例を説明する図である。ユーザ情報管理テーブル2371は、管理項目として、ユーザIDと、ユーザ名と、パスワードと、グループと、メールアドレスとを含む。
【0038】
ユーザIDは、複合機10を操作するユーザを一意に識別するための識別子である。ユーザ名は、認証ユーザのユーザ名を表す。パスワードは認証ユーザに対して設定された認証パスワードを表す。グループは、認証ユーザの所属グループ(操作権限)を表す。メールアドレスは、認証ユーザの連絡先であるメールアドレスを表す。
【0039】
例えば、ユーザID“000111222”は、認証ユーザ名“yamada ichiro”に割り当てられたユーザIDを表し、認証のための認証パスワードとして“*****”が設定された例示である。認証ユーザ名“yamada ichiro”は、所属グループとして“管理者”に属し、管理者の操作権限が付与された例示である。
【0040】
一方、ユーザID“333444555”は、認証ユーザ名“tanaka jiro”に割り当てられたユーザIDを表し、認証のための認証パスワードとして“*****”が設定された例示である。認証ユーザ名“tanaka jiro”は、所属グループとして“一般(ユーザ)”に属し、一般(ユーザ)の操作権限が付与された例示である。
【0041】
ユーザ情報管理テーブル2371で管理する項目は、複合機10へのログイン時や、通知情報の消去指示受付の際の管理者認証に用いられる。
【0042】
[1.2 処理の流れ]
次に、第1実施形態に係る処理の流れについて説明する。
図4は、第1実施形態の処理の流れを説明するフローチャートである。
図4で説明する処理は、制御部11が、制御プログラム231、認証プログラム232、表示制御プログラム233、イベント検出プログラム234(ウィルス対策プログラム2341)、及び通知情報制御プログラム235を読み出すことで実行する処理である。
【0043】
まず、制御部11は、ウィルス検疫を開始する(ステップS10)。そして、制御部11は、ウィルスを検出したか否かを判定する(ステップS12)。
【0044】
ウィルスを検出したと判定した場合、制御部11は、当該ウィルスに感染したデータが管理者への通知が必要なデータ種類であるか否かを判定する(ステップS12;Yes→ステップS14)。なお、第1実施形態では、管理者への通知が必要なデータ種類は、管理者のみが操作可能な装置情報であって、操作権限が管理者に制限されているデータをいい、例えば、複合機のファームウェアデータや、組み込みプログラムデータ等がこれに該当する。一方、管理者への通知が必要ではないデータ種類は、複合機に対する入出力情報であって、操作権限が制限されておらず、管理者、一般ユーザを問わず操作が可能なデータをいい、例えば、ジョブの実行に係るデータ、アドレス帳データ、ジョブの実行により生成したデータであって再利用のために複合機に保存した保存データ、NAS等の複合機に対してネットワークを介して接続された記憶装置等に保存したデータ等がこれに該当する。ところで、ウィルスを検出していないと判定した場合、制御部11は処理を終了する(ステップS12;No→終了)。
【0045】
ウィルスに感染したデータが管理者への通知が必要なデータ種類であると判定した場合、制御部11は、通知タイプ1での通知を決定し、当該通知タイプ1に係るメッセージを表示部13に表示する(ステップS14;Yes→ステップS16)。
【0046】
次いで、制御部11は、通知タイプ1に係る通知情報の表示指示を受付けると、当該通知情報を表示する(ステップS18)。
【0047】
制御部11は、通知タイプ1に係る通知情報を表示した状態で、通知情報の消去指示を受付けたか否かを判定する(ステップS20)。通知情報の消去指示を受付けたと判定した場合、制御部11は、管理者に対する認証画面を表示する(ステップS20;Yes→ステップS22)。なお、通知情報の消去指示を受付けていないと判定すると、制御部11は、通知情報の表示を継続する(ステップS20;No→ステップS18)。
【0048】
認証画面の表示後、制御部11は管理者認証が成功したか否かを判定する(ステップS24)。管理者認証が成功したと判定した場合、制御部11は、通知情報を消去又は非表示とする制御を行い、処理を終了する(ステップS24;Yes→ステップS26)。一方、管理者認証が成功していないと判定すると、制御部11は認証画面の表示を継続する(ステップS24;No→ステップS22)。
【0049】
ところで、ウィルスに感染したデータが管理者への通知が必要なデータ種類ではないと判定した場合、制御部11は、通知タイプ2での通知を決定し、当該通知タイプ2に係るメッセージを表示部13に表示する(ステップS14;No→ステップS28)。
【0050】
次いで、制御部11は、通知タイプ2に係る通知情報の表示指示を受付けると、当該通知情報を表示する(ステップS30)。
【0051】
制御部11は、通知タイプ2に係る通知情報を表示した状態で、通知情報の消去指示を受付けたか否かを判定する(ステップS32)。通知情報の消去指示を受付けたと判定した場合、制御部11は、通知情報を消去又は非表示とする制御を行うことで、処理を終了する(ステップS32;Yes→ステップS26)。なお、通知情報の消去指示を受付けていないと判定すると、制御部11は、通知情報の表示を継続する(ステップS32;No→ステップS30)。
【0052】
ところで、
図4のステップS16又はステップS28において、各通知タイプに応じて表示部13に表示するメッセージは省略してもよく、通知タイプの決定後、各通知タイプに応じた通知情報を表示部13に直接表示してもよい。
【0053】
[1.3 動作例]
次に、第1実施形態に係る動作例について説明する。
図5は、第1実施形態に係るシステム情報画面W10の一構成例を説明する図である。システム情報画面W10は、ウィルス検疫によってウィルスが検出された際に(イベント検出のときに)表示部13に表示される。なお、システム情報画面W10は、不図示のホーム画面を介して表示させることも可能である。
【0054】
システム情報画面W10は、お知らせ領域A10と、マシン情報領域A20と、トナー残量領域A30と、給紙トレイ領域A40と、機能キー領域A50との5つの領域からなる画面構成を有する。
【0055】
お知らせ領域A10は、発生したイベントに関するメッセージを表示する領域である。
図5に係るお知らせ領域A10は、発生したイベントがウィルス感染であって、管理者への通知を要するメッセージを表示した例示である。なお、本動作例は、
図4のステップS16に係る処理に対応する動作例である。また、お知らせ領域A10に表示するメッセージの内容は、
図3(a)の通知ID“#001”のメッセージファイル“ma01-1.txt”に格納されたメッセージ内容に相当する。
図5では、管理者への通知を要するメッセージとして、“ウィルスを検出しました。管理者に連絡してください。”を内容とするメッセージを表示した例示である。
【0056】
また、お知らせ領域A10には、通知情報表示ボタンB10が設けられている。通知情報表示ボタンB10がユーザにより選択されると、制御部11は次図で説明する通知情報画面N10を表示する。
【0057】
マシン情報領域A20は、複合機10(マシン)の装置状態を表示する領域である。
図5は、マシン情報として、複合機のIPアドレスと、ウィルス検疫を実行中である旨と、ファクス受信設定が手動受信に設定されている旨を表示した例示である。
【0058】
トナー残量領域A30は、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)のトナー残量を表示する領域である。給紙トレイ領域A40は、給紙トレイにセットされた用紙の種類とその残量を表示する領域である。
【0059】
機能キー領域A50は、システム情報画面W10を介しての設定が可能な機能を機能キーとして表示する領域である。
図5は、設定可能な機能の一例として、操作ガイドの表示機能、大きな文字モード機能、及び設定機能を機能キーとして表示した例示である。
【0060】
ところで、
図5で例示するシステム情報画面W10の画面構成はあくまでも一例であって、システム情報画面W10を構成する各領域、及び表示内容は適宜設定可能である。また、本動作例では、発生したイベントに関するメッセージをシステム情報画面W10のお知らせ領域A10に表示する形態について説明したが、これに限定されることなく、メッセージはシステム情報画面W10とは独立したメッセージ画面として表示部13に表示することも可能である。
【0061】
図6は、お知らせ領域A10の通知情報表示ボタンB10の選択を受けて、制御部11が表示する通知情報画面N10の一構成例を説明する図である。なお、本動作例は、
図4のステップS18の処理に相当する。
図6での例示のように、制御部11は、通知情報画面N10をシステム情報画面W10上に重畳して表示することができる。
【0062】
通知情報画面N10は、通知情報表示領域R10と、通知を消去ボタンB12と、OKボタンB14とを含む。
【0063】
通知情報表示領域R10は、ウィルス検出に係る通知情報を表示する表示領域である。
図6は、通知情報として、“ウィルスを検出しました。管理者に連絡してください。”との内容に加え、ウィルスの種類“TROJ_KILLAV.CIA”、検出日時“2021/10/13 9:30”、ファイルの種類“組み込みアプリケーション”、対象“abc.emo”を表示した一例である。なお、通知情報表示領域R10で表示される内容は、
図3(a)の通知ID“#001”の通知情報ファイル“ma01-2.txt”に格納されたメッセージ内容に相当する。
【0064】
通知を消去ボタンB12は、通知情報表示領域R10で表示する通知情報の消去指示を受付けるボタンである。通知を消去ボタンB12がユーザにより選択されると、制御部11は、次図で説明する管理者認証画面を表示部13に表示する。
【0065】
OKボタンB14は、通知情報表示領域R10で通知した通知情報の承諾を受付けるボタンである。OKボタンB14がユーザにより選択されると、制御部11は表示画面をシステム情報画面W10に戻す。この場合、制御部11は通知情報表示領域R10で表示する通知情報を消去しない。
【0066】
図7は、通知情報画面N10の通知を消去ボタンB12の選択を受けて制御部11が表示する管理者認証画面W20の一構成例を説明する図である。
【0067】
管理者認証画面W20は、管理者パスワード入力領域R12と、OKボタンB16とを含む。管理者パスワード入力領域R12は、管理者によるパスワードの入力を受付ける領域である。OKボタンB16は、管理者により入力されたパスワードの確定指示の入力を受付けるボタンである。
【0068】
管理者により管理者パスワード入力領域R12にパスワードが入力され、OKボタンB16が管理者により選択されると、制御部11は、
図3(b)で例示したユーザ情報管理テーブル2371を参照することで管理者の認証を行う。管理者の認証が成功すると(
図4のステップS24;Yes)、制御部11は通知情報表示領域R10で表示する通知情報を消去するか又は非表示とする制御を行う。なお、管理者の認証が失敗した場合(
図4のステップS24;No)、制御部11は、通知情報画面N10に表示画面を戻す。
【0069】
図8は、通知情報表示領域R10で表示する通知情報の消去指示後に、システム情報画面W10のお知らせ領域A10で表示するメッセージの表示例を説明する図である。
図8は、通知情報表示領域R10で表示する通知情報が消去又は非表示とされることで、通知する通知情報が無い旨(お知らせはありません。)を表示した例示である。なお、このとき、
図5で例示したお知らせ領域A10で表示したメッセージも消去又は非表示とされる。
【0070】
図9は、発生したイベントがウィルス感染であって、管理者への通知を要しないメッセージを表示したお知らせ領域A12を有するシステム情報画面W30の一構成例を説明する図である。システム情報画面W30の画面構成は、システム情報画面W10と同一構成とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0071】
本動作例は、
図4のステップS28に係る処理に対応する動作例である。また、お知らせ領域A12に表示するメッセージの内容は、
図3(a)の通知ID“#002”のメッセージファイル“mn01-1.txt”に格納されたメッセージ内容に相当する。
図9では、管理者への通知を要しないメッセージとして、“ウィルスを検出しました。対象のファイルは削除されました。”を内容とするメッセージを表示した例示である。
【0072】
また、お知らせ領域A12には、通知情報表示ボタンB10が設けられている。通知情報表示ボタンB10がユーザにより選択されると、制御部11は次図で説明する通知情報画面N12を表示する。
【0073】
図10は、お知らせ領域A12の通知情報表示ボタンB10の選択を受けて、制御部11が表示する通知情報画面N12の一構成例を説明する図である。なお、本動作例は、
図4のステップS30の処理に相当する。
図10での例示のように、制御部11は、通知情報画面N12をシステム情報画面W30上に重畳して表示することができる。
【0074】
通知情報画面N12は、通知情報表示領域R14と、通知を消去ボタンB12と、OKボタンB14とを含む。
【0075】
通知情報表示領域R14は、ウィルス検出に係る通知情報を表示する表示領域である。
図10は、通知情報として、“ウィルスを検出しました。対象のファイルは削除されました。”との内容に加え、ウィルスの種類“TROJ_KILLAV.CIA”、検出日時“2021/10/13 9:30”、ファイルの種類“入力データ”、対象“abc.pdf”を表示した一例である。なお、通知情報表示領域R14で表示される内容は、
図3(a)の通知ID“#002”の通知情報ファイル“mn01-2.txt”に格納されたメッセージ内容に相当する。
【0076】
通知を消去ボタンB12は、通知情報表示領域R14で表示する通知情報の消去指示を受付けるボタンである。通知を消去ボタンB12がユーザにより選択されると、制御部11は通知情報表示領域R14で表示する通知情報を消去するか又は非表示とする制御を行う。
【0077】
そして、制御部11は、
図8と同様に、通知情報表示領域R14で表示する通知情報を消去又は非表示とすることで、通知する通知情報が無い旨(お知らせはありません。)をシステム情報画面W30のお知らせ領域A12に表示する。
【0078】
OKボタンB14は、通知情報表示領域R14で通知した通知情報の承諾を受付けるボタンである。OKボタンB14がユーザにより選択されると、制御部11は通知情報画面N12を閉じて、表示画面をシステム情報画面W30に戻す。この場合、制御部11は通知情報表示領域R14で表示する通知情報を消去することなく保持する。
【0079】
以上のように、第1実施形態によれば、イベントの発生を検出し、発生したイベントに関する通知情報を表示部に表示し、通知情報が、特定のユーザに対する通知である場合、表示部で表示する通知情報に対する操作権限を特定のユーザに制限し、通知情報が、特定のユーザに対する通知でない場合、表示部で表示する通知情報に対する操作権限を非制限とすることで、管理者が確認して対処すべき通知情報を管理者に対して確実に通知することが可能な画像処理装置等を提供することができる。
【0080】
[2 第2実施形態]
第2実施形態は、複合機30の装置状況を監視し、イベントとしてユーザにより複合機に対して行われた操作や発生した装置エラーに応じて、表示部で表示する通知情報に対する操作権限を特定のユーザに制限するか又は非制限とする形態である。
【0081】
[2.1 機能構成]
図11は、第2実施形態に係る複合機30の機能構成図である、複合機30は、第1実施形態に係る複合機10の記憶部23に替えて記憶部33を備える。その他の機能構成については、第1実施形態に係る複合機10と同一構成とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0082】
第2実施形態において、記憶部33は、制御プログラム231と、認証プログラム232と、表示制御プログラム233と、イベント検出プログラム334と、通知情報制御プログラム335とを記憶し、通知情報記憶領域236と、ユーザ情報記憶領域237とを確保する。
【0083】
イベント検出プログラム334は、複合機30で発生する各種イベントを検出する際に制御部11が読み出すプログラムである。第2実施形態では、イベント検出プログラム334は、装置状況監視プログラム3341を備えるものとして説明する。装置状況監視プログラム3341を読み出した制御部11は、複合機30の装置状況を監視し、ユーザにより複合機30に対して行われた操作や発生した装置エラーの種類やその内容を判定する。第2実施形態では、ユーザにより複合機30に対して行われる操作の一態様として、ログイン操作、ジョブ実行、複合機30で発生した装置エラーの一態様として、装置エラーについて説明する。なお、ここで説明するユーザによる操作内容や発生する装置エラーはあくまでも例示であって、本開示の実施態様が当該記載に限定されるものではない。
【0084】
通知情報制御プログラム335は、表示部13に表示する通知情報を、管理者に操作権限を制限した通知情報とするか又は操作権限を非制限とした通知情報とするかの何れかの判定を行う。通知情報制御プログラム335を読み出した制御部11は、複合機30に対して行われた操作が、ログイン操作に係る特定の態様に該当する場合、複合機30で実行されたジョブが特定のジョブに該当する場合、及び複合機30で発生した装置エラーが特定のエラー種に該当する場合、表示部13に表示する通知情報を、管理者に操作権限を制限した通知情報にすると判定する。一方、制御部11は、複合機30に対して行われた操作が、ログイン操作に係る特定の態様に該当しない場合、複合機30で実行されたジョブが特定のジョブに該当しない場合、及び複合機30で発生した装置エラーが特定のエラー種に該当しない場合、表示部13に表示する通知情報を、操作権限を非制限とした通知情報にすると判定する。
【0085】
[2.2 処理の流れ]
次に、第2実施形態に係る処理の流れについて説明する。
図12及び
図13は、第2実施形態に係る処理の流れを説明するフローチャートである。
図12及び
図13で説明する処理は、複合機30の制御部11が、制御プログラム231、認証プログラム232、表示制御プログラム233、イベント検出プログラム334(装置状況監視プログラム3341)、及び通知情報制御プログラム335を読み出すことで実行する処理である。なお、第1実施形態の
図4で説明した処理と同一処理とすることが可能な箇所については同一のステップ番号を付してその説明を省略することがある。
【0086】
まず、制御部11は、複合機30に対して操作がなされたか否かを判定する(ステップS100)。複合機30に対する操作を検出したと判定した場合、制御部11は、操作内容が複合機30に対するログイン操作であるか否かを判定する(ステップS100;Yes→ステップS102)。一方、複合機30に対する操作を検出していないと判定した場合、制御部11は、複合機30に対して操作がなされるまで待機する(ステップS100;No)。
【0087】
制御部11は、操作内容が複合機30に対するログイン操作であると判定した場合、ログイン認証が成功したか否かを判定する(ステップS102;Yes→ステップS104)。ログイン認証が成功したと判定した場合、制御部11は処理をステップS108に移行する(ステップS104;Yes→ステップS108)。
【0088】
一方、ログイン認証が失敗したと判定した場合、制御部11は、ユーザにより入力された認証情報の一部分が一致したか否かを判定する(ステップS104;No→ステップS106)。ここで、認証情報の一部分が一致とは、ユーザにより認証情報として入力されたログインユーザ名(もしくはログインユーザID)とパスワードとのうち何れか一方が、認証要件を満たすログインユーザ名とパスワードとの何れかに一致することを想定している。具体的には、ユーザにより入力されたログインユーザ名と認証要件を満たすログインユーザ名とは一致するが、入力されたパスワードが認証要件を満たすパスワードと一致しない、又はユーザにより入力されたパスワードと認証要件を満たすパスワードとは一致するが、入力されたログインユーザ名が認証要件を満たすログインユーザ名と一致しないといった態様がこれに該当する。なお、複合機30に対してログインを試みるユーザの真正性が部分的にでも担保できる条件(例えば、入力されたログインユーザ名やパスワードのそれぞれが認証要件を満たすログインユーザ名やパスワードと部分的に一致等)であれば、ユーザにより入力された認証情報の一部分が一致したと判定する運用も可能である。
【0089】
ユーザにより入力された認証情報の一部分が一致しないと判定した場合、すなわち、ユーザにより認証情報として入力されたログインユーザ名とパスワードとの両方が認証要件を満たすログインユーザ名とパスワードとに一致しない場合、制御部11は、不正なログイン操作が行われたと判定する。この場合、制御部11は、通知タイプ1での通知であると決定し、当該通知タイプ1に係るメッセージを表示部13に表示する(ステップS106;No→ステップS16)。次いで、制御部11は、ステップ18からステップS26に係る処理を行い、処理をステップS108に移行する。
【0090】
一方、ユーザにより入力された認証情報の一部分が一致すると判定した場合、すなわち、ユーザにより認証情報として入力されたログインユーザ名とパスワードとのうち何れか一方が、認証要件を満たすログインユーザ名とパスワードとの何れかに一致した場合、制御部11は、通知タイプ2での通知であると決定し、当該通知タイプ2に係るメッセージを表示部13に表示する(ステップS106;Yes→ステップS28)。次いで、制御部11は、ステップS30からステップS26に係る処理を行い、処理をステップS108に移行する。
【0091】
次に、制御部11は、コピー、ファクス、スキャン、メール等に係るジョブが実行されたか否かを判定する(ステップS108)。制御部11は、ジョブが実行されたと判定した場合、実行されたジョブが、外部ネットワークへの接続が必要なジョブであるか否かを判定する(ステップS108;Yes→ステップS110)。一方、ジョブが実行されていないと判定した場合、制御部11は処理をステップ112に移行する(ステップS108;No→ステップS112)。
【0092】
制御部11は、実行されたジョブが、外部ネットワークへの接続が必要なジョブであると判定した場合、通知タイプ1での通知であると決定し、当該通知タイプ1に係るメッセージを表示部13に表示する(ステップS110;Yes→ステップS16)。次いで、制御部11は、ステップ18からステップS26に係る処理を行い、処理をステップS112に移行する。
【0093】
ここで、外部ネットワークへの接続が必要なジョブとしては、例えば、外部ネットワークとして公衆交換電話網を介したファクス送受信に係るジョブや、外部ネットワークとしてインターネットを介したメール送受信に係るジョブ等を挙げることができる。これらのジョブは、ジョブの完遂に当たり、外部ネットワークとの接続が必須であり、複合機30単体で完遂するジョブ(外部ネットワークへの接続が必要ないジョブ)と比べウィルス感染や装置乗っ取りに対するリスクが高い。このような外部ネットワークへの接続が必要なジョブが実行された事実を管理者が把握しておくことで、例えば、複合機30がウィルス感染した場合、その原因となったジョブの特定が容易となり、複合機30を使用する一般ユーザへの注意喚起や、感染対策に対する初動を早めることができ、ウィルス感染の被害拡大を最小限に抑えることができる。
【0094】
一方、実行されたジョブが、外部ネットワークへの接続が必要なジョブではないと判定した場合、制御部11は、通知タイプ2での通知であると決定し、当該通知タイプ2に係るメッセージを表示部13に表示する(ステップS110;No→ステップS28)。次いで、制御部11は、ステップS30からステップS26に係る処理を行い、処理をステップS112に移行する。
【0095】
次に、制御部11は、装置エラーが発生したか否かを判定する(ステップS112)。制御部11は、装置エラーが発生したと判定した場合、発生した装置エラーが第1エラーであるか否かを判定する(ステップS112;Yes→ステップS114)。一方、装置エラーが発生していないと判定した場合、制御部11はステップS100で検出した操作は、ログイン操作、ジョブ実行ではなく、装置エラーでもないその他の操作であると判定し、処理を終了する(ステップS112;No→ステップS116)。
【0096】
制御部11は、発生した装置エラーが、第1エラーであると判定した場合、通知タイプ1での通知であると決定し、当該通知タイプ1に係るメッセージを表示部13に表示する(ステップS114;Yes→ステップS16)。次いで、制御部11は、ステップ18からステップS26に係る処理を行い、処理を終了する。
【0097】
ここで、第1エラーとしては、例えば、サービスマンによる部品交換や修理等の対応が必要なエラーを挙げることができ、複合機30を使用する一般ユーザが対応できないエラー等がこれに該当する。第1エラーが発生した場合、管理者は速やかに製造メーカや販売代理店に連絡を取り、サービスマンの派遣要請をする等して、当該第1エラーからの復旧のために対応する必要がある。第1エラーが発生した事実を管理者が把握することで、複合機30の修理対応までのタイムラグを無くし、複合機30の修理に伴う生産性の低下を軽減することができる。
【0098】
一方、発生した装置エラーが、第1エラーではないと判定した場合、制御部11は、通知タイプ2での通知であると決定し、当該通知タイプ2に係るメッセージを表示部13に表示する(ステップS114;No→ステップS28)。次いで、制御部11は、ステップS30からステップS26に係る処理を行い、処理を終了する。なお、第1エラー以外のエラー(第2エラー)としては、例えば、用紙切れやトナー補給といった消耗品の交換・補充といった一般ユーザでも対応可能なエラーがこれに対応する。
【0099】
ところで、
図12及び
図13では、ログイン操作、ジョブ実行、及び装置エラーの検出・判定処理を連続した処理として説明したが、例えば、ログイン操作に係る検出・判定処理、ジョブ実行に係る検出・判定処理、装置エラーに係る検出・判定処理といったように、各検出・判定処理を独立した処理として実行することも可能である。
【0100】
また、
図13のステップS16又はステップS28において、各通知タイプに応じて表示部13(システム情報画面W10等)に表示するメッセージは省略してもよく、通知タイプの決定後、各通知タイプに応じた通知情報を表示部13に直接表示してもよい。
【0101】
[2.3 動作例]
次に、第2実施形態に係る動作例について説明する。なお、第1実施形態の
図6、
図10等で説明した構成と同一の構成とする箇所については同一の符号を付してその説明を省略することがある。
【0102】
図14は、第2実施形態に係る通知情報画面N14の一構成例を説明する図である。なお、本動作例は、
図12のステップS106;Noから
図13のステップS18までの処理に相当する。
図6での例示と同様に、制御部11は、通知情報画面N14をシステム情報画面W10上に重畳して表示することができる。
【0103】
通知情報画面N14は、通知情報表示領域R16と、通知を消去ボタンB12と、OKボタンB14とを含む。
【0104】
通知情報表示領域R16は、検出された操作内容がログイン操作であり、ユーザにより認証情報として入力されたログインユーザ名とパスワードとの両方が認証要件を満たすログインユーザ名とパスワードとに一致しない場合の通知情報を表示する表示領域である。
図14は、通知情報として、“認証情報(ユーザ名、パスワード)が一致しない不正なログイン操作を検出しました。管理者に連絡してください。”との内容に加え、入力ユーザ名“haneda taro”、入力パスワード“* * *”、検出日時“2021/10/13 9:30”を表示した一例である。
【0105】
図15は、第2実施形態に係る通知情報画面N16の一構成例を説明する図である。なお、本動作例は、
図12のステップS106;Yesから
図13のステップS30までの処理に相当する。
図10での例示と同様に、制御部11は、通知情報画面N16をシステム情報画面W30上に重畳して表示することができる。
【0106】
通知情報画面N16は、通知情報表示領域R18と、通知を消去ボタンB12と、OKボタンB14とを含む。
【0107】
通知情報表示領域R18は、検出された操作内容がログイン操作であり、ユーザにより認証情報として入力されたログインユーザ名とパスワードとのうち何れか一方が、認証要件を満たすログインユーザ名とパスワードとの何れかに一致した場合の通知情報を表示する表示領域である。
図15は、通知情報として、“ユーザ名“tanaka jiro”のログイン操作を検出しましたが、パスワードが一致しなかったためログインを不可としました。パスワードを確認してください。”との内容に加え、ユーザID“333444555”、入力パスワード“* * * *”、検出日時“2021/10/13 9:30”、前回検出日時“2021/10/12 18:00”を表示した一例である。
【0108】
図16は、第2実施形態に係る通知情報画面N18の一構成例を説明する図である。なお、本動作例は、
図12のステップS110;Yesから
図13のステップS18までの処理に相当する。
図6での例示と同様に、制御部11は、通知情報画面N18をシステム情報画面W10上に重畳して表示することができる。
【0109】
通知情報画面N18は、通知情報表示領域R20と、通知を消去ボタンB12と、OKボタンB14とを含む。
【0110】
通知情報表示領域R20は、検出された操作内容がジョブ実行であり、実行されたジョブが、外部ネットワークへの接続が必要なジョブである場合の通知情報を表示する表示領域である。
図16は、通知情報として、“外部ネットワークへの接続を要するジョブが実行されました。送信されたファイルがウィルスに感染している場合、他装置に影響を及ぼす可能性があります。管理者に連絡してください。”との内容に加え、ジョブID“22222”、送信ファイル“見積.pdf”、検出日時“2021/10/13 9:30”を表示した一例である。
【0111】
図17は、第2実施形態に係る通知情報画面N20の一構成例を説明する図である。なお、本動作例は、
図12のステップS110;Noから
図13のステップS30までの処理に相当する。
図10での例示と同様に、制御部11は、通知情報画面N20をシステム情報画面W30上に重畳して表示することができる。
【0112】
通知情報画面N20は、通知情報表示領域R22と、通知を消去ボタンB12と、OKボタンB14とを含む。
【0113】
通知情報表示領域R22は、検出された操作内容がジョブ実行であり、実行されたジョブが、外部ネットワークへの接続が必要なジョブではない場合の通知情報を表示する表示領域である。
図17は、通知情報として、“プリントジョブが実行されました。プリント済用紙が回収されていませんので、回収をお願いします。”との内容に加え、ジョブID“22225”、プリントファイル“部内お知らせ.pdf”、前回検出日時“2021/10/14 14:30”を表示した一例である。
【0114】
図18は、第2実施形態に係る通知情報画面N22の一構成例を説明する図である。なお、本動作例は、
図12のステップS114;Yesから
図13のステップS18までの処理に相当する。
図6での例示と同様に、制御部11は、通知情報画面N22をシステム情報画面W10上に重畳して表示することができる。
【0115】
通知情報画面N22は、通知情報表示領域R24と、通知を消去ボタンB12と、OKボタンB14とを含む。
【0116】
通知情報表示領域R24は、検出されたイベントが装置エラーであり、装置エラーが第1エラーである場合の通知情報を表示する表示領域である。
図18は、通知情報として、“マシンに深刻なエラーが発生しました。直ぐに操作を中断して、管理者に連絡してください。”との内容に加え、エラーID“333”、エラー種別“定着温度制御エラー”、検出日時“2021/10/13 9:30”を表示した一例である。
【0117】
図19は、第2実施形態に係る通知情報画面N24の一構成例を説明する図である。なお、本動作例は、
図12のステップS114;Noから
図13のステップS30までの処理に相当する。
図10での例示と同様に、制御部11は、通知情報画面N24をシステム情報画面W30上に重畳して表示することができる。
【0118】
通知情報画面N24は、通知情報表示領域R26と、通知を消去ボタンB12と、OKボタンB14とを含む。
【0119】
通知情報表示領域R26は、検出されたイベントが装置エラーであり、装置エラーが第1エラーではない場合の通知情報を表示する表示領域である。
図19は、通知情報として、“A4用紙が切れました。補充してください。”との内容に加え、エラーID“015”、エラー種別“消耗品補充”、前回検出日時“2021/10/15 15:00”を表示した一例である。
【0120】
以上のように、第2実施形態によれば、複合機の装置状況を監視し、ユーザにより複合機に対して行われた操作や発生したイベントに応じて、表示部で表示する通知情報に対する操作権限を特定のユーザに制限するか又は非制限とすることができる。これにより、複合機の装置状況に応じて管理者が確認して対処すべき通知情報を管理者に対して確実に通知することが可能な画像処理装置等を提供することができる。
【0121】
[3 第3実施形態]
第3実施形態は、第2実施形態(外部ネットワークとの接続を要するジョブの検出)に対して第1実施形態で例示したウィルス検疫機能を設けた形態である。
【0122】
第3実施形態に係る複合機の機能構成は、第2実施形態で説明した複合機30のイベント検出プログラム334にウィルス対策プログラム2341を実装することにより実現することができる。その他の構成については第2実施形態に係る複合機30と同一構成とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0123】
[3.1 処理の流れ]
第3実施形態に係る処理の流れについて説明する。
図20は、第3実施形態に係る処理の流れを説明するフローチャートである。なお、第2実施形態の
図12及び
図13で説明した処理と同一処理とすることが可能な箇所については同一のステップ番号を付してその説明を省略することがある。
【0124】
まず、制御部11は、複合機で実行するジョブの監視を開始する(ステップS200)。ジョブの監視を開始後、制御部11は、ジョブの実行指示の入力を受けたか否かを判定する(ステップS202)。
【0125】
ジョブの実行指示の入力を受けたと判定した場合、制御部11は、ウィルス検疫を開始する(ステップS202;Yes→ステップS10)。そして、制御部11は、ウィルスを検出したか否かを判定する(ステップS12)。一方、ジョブの実行指示の入力を受けていないと判定し場合、制御部11は、処理を終了する(ステップS202;No→終了)。
【0126】
制御部11は、ウィルスを検出したと判定した場合、実行指示の入力を受付けたジョブが外部ネットワークへの接続が必要なジョブであるか否かを判定する(ステップS12;Yes→ステップS204)。一方、ウィルスを検出していないと判定した場合、制御部11は処理を終了する(ステップS12;No→終了)。
【0127】
制御部11は、実行指示の入力を受付けたジョブが外部ネットワークへの接続が必要なジョブであると判定した場合、通知タイプ1での通知であると決定し、当該通知タイプ1に係るメッセージを表示部13に表示する(ステップS204;Yes→ステップS16)。次いで、制御部11は、ステップ18からステップS26に係る処理を行い、処理を終了する。
【0128】
一方、実行指示の入力を受付けたジョブが外部ネットワークへの接続が必要なジョブではないと判定した場合、制御部11は、通知タイプ2での通知であると決定し、当該通知タイプ2に係るメッセージを表示部13に表示する(ステップS204;No→ステップS28)。次いで、制御部11は、ステップS30からステップS26に係る処理を行い、処理を終了する。
【0129】
[3.2 動作例]
次に、第3実施形態に係る動作例について説明する。なお、第1実施形態の
図6、
図10等で説明した構成と同一の構成とする箇所については同一の符号を付してその説明を省略することがある。
【0130】
図21は、第3実施形態に係る通知情報画面N26の一構成例を説明する図である。なお、本動作例は、
図20のステップS12;Yes、ステップS204;Yes、ステップS16、及びステップS18までの処理に相当する。
図6での例示と同様に、制御部11は、通知情報画面N26をシステム情報画面W10上に重畳して表示することができる。
【0131】
通知情報画面N26は、通知情報表示領域R28と、通知を消去ボタンB12と、OKボタンB14とを含む。
【0132】
通知情報表示領域R28は、ウィルスが検出され、ユーザにより実行指示を受けたジョブが外部ネットワークへの接続が必要なジョブである場合の通知情報を表示する表示領域である。
図21は、通知情報として、“外部ネットワークへの接続を要するジョブが実行されました。送信されたファイルがウィルスに感染している可能性があるため、管理者に連絡してください。”との内容に加え、ジョブID“22222”、送信ファイル“見積.pdf”、ウィルスの種類“TROJ_KILLAV.CIA”、検出日時“2021/10/13 9:30”を表示した一例である。
【0133】
図22は、第3実施形態に係る通知情報画面N28の一構成例を説明する図である。なお、本動作例は、
図20のステップS12;Yes、ステップS204;No、ステップS28、及びステップS30までの処理に相当する。
図10での例示と同様に、制御部11は、通知情報画面N28をシステム情報画面W30上に重畳して表示することができる。
【0134】
通知情報画面N28は、通知情報表示領域R30と、通知を消去ボタンB12と、OKボタンB14とを含む。
【0135】
通知情報表示領域R30は、ウィルスが検出され、ユーザにより実行指示を受けたジョブが外部ネットワークへの接続が必要なジョブではない場合の通知情報を表示する表示領域である。
図22は、通知情報として、“プリントジョブが実行されました。対象のファイルがウィルスに感染している可能性があるため、当該ファイルを削除しました。”との内容に加え、ジョブID“22225”、プリントファイル“部内お知らせ.pdf”、ウィルスの種類“TROJ_KILLAV.CIA”、検出日時“2021/10/14 14:30”を表示した一例である。
【0136】
以上のように、第3実施形態によれば、第2実施形態の効果に加え、管理者は、実行したジョブのファイルに対するウィルス感染や、ウィルス感染したファイルの外部への流出の可能性をいち早く把握することができるため、複合機30を使用する一般ユーザへの注意喚起や、感染対策に対する初動を早めることができ、ウィルス感染による被害拡大を最小限に抑えることができる。
【0137】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0138】
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。
【0139】
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。実施形態では、マルチタスク処理により、複数のプログラムが必要に応じて同時に実行される装置を想定している。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0140】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD (Blu-ray(登録商標)Disc等))、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本開示の機能が実現される場合もある。
【0141】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本開示に含まれるのは勿論である。
【符号の説明】
【0142】
10、30 複合機
11 制御部
13 表示部
15 操作入力部
17 通信部
19 画像形成部
21 画像読取部
23、33 記憶部
231 制御プログラム
232 認証プログラム
233 表示制御プログラム
234、334 イベント検出プログラム
2341 ウィルス対策プログラム
3341 装置状況監視プログラム
235、335 通知情報制御プログラム
236 通知情報記憶領域
237 ユーザ情報記憶領域