(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175492
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】画像形成装置及び画像形成装置のユーザ登録方法
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20231205BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231205BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20231205BHJP
G06F 21/45 20130101ALI20231205BHJP
【FI】
B41J29/38 203
H04N1/00 E
H04N1/00 838
B41J29/00 Z
G06F21/45
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087957
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】森 晴信
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CL10
2C061CQ05
2C061CQ23
2C061HK15
2C061HK19
2C061HN04
2C061HN15
2C061HV32
5C062AA05
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB25
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC23
5C062AC42
5C062AF06
5C062AF12
5C062AF14
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】ログイン名の再利用を制限可能な画像形成装置等を提供する。
【解決手段】ユーザを識別する個人識別情報をユーザに関連付けて登録する。登録済みのユーザの削除要求を受け付けた場合、削除要求を受け付けたユーザに関連付けられた個人識別情報の再利用を禁止するか否かを判定する。一の個人識別情報の再利用を禁止するとの判定結果に応じて、当該一の個人識別情報を関連付けたユーザの登録要求を拒否する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを識別する個人識別情報をユーザに関連付けて登録する登録部と、
登録済みのユーザの削除要求を受け付けた場合、前記削除要求を受け付けたユーザに関連付けられた個人識別情報の再利用を禁止するか否かを判定する再利用禁止判定部と、
前記再利用禁止判定部による、一の個人識別情報の再利用を禁止するとの判定結果に応じて、当該一の個人識別情報を関連付けたユーザの登録要求を拒否するユーザ登録判定部と
を備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記再利用禁止判定部は、前記削除要求を受け付けたユーザに付与された属性に応じて、再利用を禁止すると判定することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記属性は、
個人識別情報に基づいて行われたユーザの識別の履歴、
個人識別情報に基づいて識別されたユーザによる操作の履歴、及び、
個人識別情報の種類
の少なくともひとつを含むことを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
登録済みの全ユーザの一括削除が要求された場合、前記再利用禁止判定部は、前記全ユーザに関連付けられた個人識別情報について再利用を許可することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
個人識別情報の再利用の禁止を解除する解除部を更に備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記解除部は、個人識別情報又は個人識別情報に関連付けられたユーザに付与された属性に応じて、個人識別情報の再利用の禁止を解除することを特徴とする、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記属性は、
前記個人識別情報に基づいて行われたユーザの識別の履歴、
前記個人識別情報に基づいて識別されたユーザによる操作の履歴、
前記個人識別情報に関連付けられたユーザに付与された管理者権限、及び
前記個人識別情報の再利用を禁止する期間
の少なくともひとつを含むことを特徴とする、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
ユーザを識別する個人識別情報をユーザに関連付けて登録し、
登録済みのユーザの削除要求を受け付けた場合、前記削除要求を受け付けたユーザに関連付けられた個人識別情報の再利用を禁止するか否かを判定し、
一の個人識別情報の再利用を禁止するとの判定結果に応じて、当該一の個人識別情報を関連付けたユーザの登録要求を拒否する
ことを特徴とする、画像形成装置のユーザ登録方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ビジネス向けの複合機では、ユーザが複合機を利用するのに先立って、ユーザ登録とユーザ認証とを行うことによりユーザを管理している。通常、複合機の管理者は、各ユーザにユニークなログイン名を付与する。登録ユーザのログイン名は互いに異なり、二人以上の登録ユーザが同じログイン名を利用することはない。
【0003】
ユーザ管理に関連して、特許文献1には、使用禁止状態に設定された個人識別情報に係わる入力を監視する構内交換機が記載されている。この構内交換機では、使用禁止状態に設定された個人識別情報について、所定期間パスワードの誤入力が検出されなかった場合、当該個人識別情報の使用禁止状態を解除する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザの登録と認証を行う複合機において、ユーザが複合機を利用しなくなった場合、複合機の管理者は、通常、そのユーザの登録を削除する。ユーザ登録を削除すると、そのユーザのログイン名を使うユーザがいなくなる。このため、そのログイン名は、新たにユーザ登録を行うユーザが利用可能な状態になる。しかし、例えばユーザ管理やセキュリティ上の観点から、元のユーザとは別の者が、同じログイン名を利用することは好ましくない場合がある。
【0006】
尚、特許文献1における使用禁止状態にある個人識別情報とは、その個人識別情報に基づく構内交換機の機能の使用が禁止されていることを意味し、その個人識別情報自体の使用が禁止されていることを意味しない。特許文献1によれば、使用禁止状態であっても個人識別情報を使用して認証を行う。
【0007】
本開示の目的は、ログイン名の再利用を制限可能な画像形成装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の画像形成装置は、ユーザを識別する個人識別情報をユーザに関連付けて登録する登録部と、登録済みのユーザの削除要求を受け付けた場合、前記削除要求を受け付けたユーザに関連付けられた個人識別情報の再利用を禁止するか否かを判定する再利用禁止判定部と、前記再利用禁止判定部による、一の個人識別情報の再利用を禁止するとの判定結果に応じて、当該一の個人識別情報を関連付けたユーザの登録要求を拒否するユーザ登録判定部とを備えることを特徴とする。
【0009】
本開示の画像形成装置のユーザ登録方法は、ユーザを識別する個人識別情報をユーザに関連付けてザ登録し、登録済みのユーザの削除要求を受け付けた場合、前記削除要求を受け付けたユーザに関連付けられた個人識別情報の再利用を禁止するか否かを判定し、再一の個人識別情報の再利用を禁止するとの判定結果に応じて、当該一の個人識別情報を関連付けたユーザの登録要求を拒否することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、ログイン名の再利用を制限可能な画像形成装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態における複合機の機能構成について説明するための図である。
【
図2】第1実施形態におけるユーザデータベース及び削除ユーザデータベースのデータ構造について説明するための図である。
【
図3】第1実施形態におけるユーザ削除処理について説明するための図である。
【
図4】第1実施形態におけるユーザ登録処理について説明するための図である。
【
図5】第1実施形態において表示されるエラーメッセージの例について説明するための図である。
【
図6】第2実施形態における複合機の機能構成について説明するための図である。
【
図7】第2実施形態における削除ユーザデータベースのデータ構造について説明するための図である。
【
図8】第2実施形態における再利用禁止解除処理について説明するための図である。
【
図9】第2実施形態におけるユーザ登録処理について説明するための図である。
【
図10】第2実施形態において表示される警告メッセージの例について説明するための図である。
【
図11】第3実施形態におけるユーザ削除処理について説明するための図である。
【
図12】第3実施形態における削除ユーザデータベースのデータ構造について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本開示を実施するための一実施形態について説明する。尚、以下の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載した本開示の技術的範囲が、以下の記載に限定されるものではない。
【0013】
[1.第1実施形態]
[1.1 全体構成]
図1は、本実施形態の画像形成装置1の機能構成について説明するための図である。画像形成装置1は、複合機(Multi function Printer, MFP)とも呼ばれ、コピー装置、ファクシミリ装置、スキャナ装置、プリンタ装置、電子メール端末装置として機能する。画像形成装置1は、記憶部3、通信部9、操作部11、表示部13、画像入力部15、画像形成部17、印刷部19、制御部21及びデータバス33を備える。
【0014】
記憶部3は、画像形成装置1の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部3は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の一時的な記憶が可能な記録装置を含む。記憶部3は、例えば、半導体メモリで構成されたSSD(Solid State Drive)や、磁気ディスクで構成されたHDD(Hard Disk Drive)等の非一時的な記録装置を含む。記憶部3は、説明の都合上1つの構成としているが、プログラムの実行に利用される領域(主記憶領域)と、プログラムやデータを保存する領域(補助記憶領域)、キャッシュに利用する領域等、それぞれ用途毎に別の装置として構成してもよい。
【0015】
記憶部3は、特に、ユーザデータベース(Data Base, DB)5、削除ユーザDB7及び設定記憶部8を含む。ユーザDB5は、ユーザ登録されたユーザについての情報を格納するためのデータベースである。削除ユーザDB7は、ユーザ登録された後、削除されたユーザについての情報を格納するためのデータベースである。設定記憶部8は、画像形成装置1の動作設定を記憶する。例えば、設定記憶部8は、再利用禁止機能を有効化するか否かの設定を記憶する。
【0016】
図2(A)は、ユーザDB5のデータ構造を説明するための図である。ユーザDB5のテーブルは、例えば、レコード51により構成される。レコード51は、ユーザID53、ログイン名55、最終ログイン日時57、印刷枚数59、権限グループID61及び登録時認証モード63等の各フィールドを含む。レコード51のフィールドは、一のユーザに付与された各種の値を格納する。これらの一のユーザに付与された値を、そのユーザの属性とも呼ぶ。
【0017】
ユーザID53は、例えば、一のユーザに付与されたユーザIDを格納するフィールドである。ユーザID53の値は、個人識別情報の一例である。ユーザIDは、例えば、画像形成装置1により自動的に付与されてもよいし、管理者が付与してもよい。また、ユーザIDは、ユーザを一意に識別できる情報であり、ユーザ間で重複しないことが好ましい。
【0018】
ログイン名55は、例えば、一のユーザIDに対応するユーザに付与されたログイン名を格納するフィールドである。ログイン名55の値は、個人識別情報の一例である。ログイン名は、画像形成装置1において、ユーザを認証するときに使用する。なお、ユーザIDとログイン名とは同一であってもよい。ユーザは、画像形成装置1を使用するのに先立って、操作部11からログイン名を入力することにより、画像形成装置1にログインする。制御部21は、ログインの際に入力されたログイン名に基づいて、ユーザを識別する。制御部21は、ログインの日時や、ユーザが使用した画像形成装置1の機能の履歴を、ログイン名に関連付けてユーザDB5に格納する。
【0019】
最終ログイン日時57は、例えば、一のユーザIDに対応するユーザが、画像形成装置1に最後にログインした日時を格納するフィールドである。最終ログイン日時57の値は、個人識別情報に基づいて行われたユーザの識別の履歴の一例である。最終ログイン日時は、ユーザがログインしたタイミング(ログイン認証をしたタイミング)を記憶してもよいし、ユーザがログアウトしたタイミングを記憶してもよい。
【0020】
印刷枚数59は、一のユーザIDに対応するユーザが、画像形成装置1で印刷した枚数を格納するフィールドである。印刷枚数59の値は、一のユーザIDに対応するユーザが使用した、画像形成装置1の機能の履歴の一例である。ここで、印刷枚数は、ユーザが画像形成装置1で印刷した累積枚数であってもよいし、前回ログインしたときに印刷した枚数であってもよい。また、印刷枚数は、所定の期間の印刷枚数の平均であってもよい。また、印刷枚数は、例えば、コピー機能を利用して記録紙を印刷した枚数、プリンタ機能を利用して記録した印刷枚数を含んでもよい。また、印刷枚数は、例えば画像として出力した枚数を含んでもよい。例えば、印刷枚数は、スキャン機能によりファイル(例えば、PDFファイル)に出力した枚数を含んでもよい。例えば、印刷枚数は、FAX機能により送信した枚数を含んでもよい。
【0021】
権限グループID61は、例えば、一のユーザIDに対応するユーザに付与された権限を格納するフィールドである。権限には、例えば、管理者権限、ユーザ権限、ゲスト権限がある。管理者権限、ユーザ権限、ゲスト権限のうち、管理者権限が最も強く、ゲスト権限が最も弱い。管理者権限を有するユーザは、画像形成装置1の全ての機能を利用可能である。ゲスト権限を有するユーザは、画像形成装置1の一部機能のみを利用可能である。
【0022】
登録時認証モード63は、例えば、そのユーザを登録したときに用いた認証モードを格納するフィールドである。登録時認証モード63の値は、ログイン名に基づいて行われる認証の認証モードの一例である。認証モードとは、画像形成装置1が有する機能をユーザが利用するのに先立って、ユーザを認証する動作モードである。認証モードは、例えば、正規認証モード、簡易認証モードがある。
【0023】
正規認証モードとは、ログインの際、画像形成装置1が、ユーザに対し、パスワードの直接入力を要求する認証モードである。正規認証モードで認証を受ける場合、ユーザは、操作部11のキーボード、テンキー等を用いて、パスワードをなす文字列を直接入力する必要がある。ユーザ名の入力については、パスワードと同様に、ユーザ名をなす文字列を操作部11のキーボード、テンキー等を用いて直接入力を行ってもよい。ユーザ名の入力については、画像形成装置1が表示部13にユーザ名のリストを表示し、ユーザが操作部11を用いてそのリストの中から所望のユーザ名を選択することにより、入力してもよい。
【0024】
簡易認証モードとは、ログインの際、画像形成装置1が、ユーザに対し、パスワードの直接入力を要求しない認証モードである。簡易認証モードでは、画像形成装置1は、ユーザからの入力に基づいてユーザを識別する一方で、ユーザの真正性の確認を簡略化或いは省略する。簡易認証モードには、例えば、ユーザ番号認証モード、クイック認証モードがある。
【0025】
ユーザ番号認証モードでは、ユーザ登録の際、ログイン名としてユニークな番号(例えば、ユーザ登録順の連番)を設定する一方、パスワードを設定しない。或いは、登録部31は、数字のみからなるパスワード(例えばログイン名と同じ連番)を設定してもよい。ユーザ番号認証モードでは、ユーザは、ログイン名及びパスワードをテンキーのみで入力することができる。
【0026】
クイック認証モードでは、ユーザDB5は、レコード51に、アイコンの画像データを格納するフィールドを更に有し、そのユーザのログイン名と関連付けて記憶しておく。ユーザがそのアイコンを選択する操作を行うと、制御部21が、対応するログイン名をユーザDB5から読み出してログインに関する処理を行う。
【0027】
クイック認証モードでは、パスワードによる認証を行ってもよい。この場合、ユーザDB5は、レコード51に、パスワードを格納するフィールドを更に有する。選択されたアイコンに対応するパスワードのフィールドに文字列が格納されているとき、制御部21は、そのフィールドに格納されている文字列と、操作部11から入力された文字列とを比較してパスワード認証を行う。
【0028】
クイック認証モードでパスワード認証を行う場合でも、パスワードの直接入力を省略してもよい。この場合、ユーザがアイコンを選択する操作を行うと、制御部21は、ユーザDB5のフィールド51から対応するログイン名とパスワードを読み出して認証を行う。ユーザは、ログイン名とパスワードを直接入力することなく、認証を受けることができる。
【0029】
クイック認証モードでは、パスワードによる認証を省略してもよい。その場合、ユーザがアイコンを選択する操作を行うと、制御部21は、パスワードによる認証を行うことなく、そのユーザをログインさせる。この場合も、ユーザは、アイコンを選択する操作をするだけでよく、ログイン名やパスワードをなす文字列をキーボードやテンキーから直接入力する必要がない。尚、この場合、ユーザDB5のレコード51に、パスワードを格納するフィールドを設ける必要はない。
【0030】
図2(B)は、削除ユーザDB7のデータ構造を説明するための図である。削除ユーザDB7のテーブルは、レコード71からなる。レコード71は、例えば、ログイン名73、削除日時75、最終ログイン日時77、印刷枚数79及び権限グループID81の各フィールド等を有する。
【0031】
ログイン名73は、例えば、一の削除されたユーザが利用していたログイン名を格納するフィールドである。ログイン名は、画像形成装置1において、ユーザを認証するときに使用する。削除日時75は、例えば、画像形成装置1のユーザ登録から、一のユーザが削除された日時を格納するフィールドである。最終ログイン日時77は、例えば、一の削除されたユーザが最後にログインした日時を格納するフィールドである。最終ログイン日時77は、最後にログインした日時の代わりに、最後にログアウトした日時を格納してもよい。
【0032】
印刷枚数79は、例えば、一の削除されたユーザが、画像形成装置1で印刷した枚数を格納するフィールドである。印刷枚数は、ユーザが画像形成装置1で印刷した累積枚数であってもよい。印刷枚数は、ユーザが前回ログインしたときに印刷した枚数であってもよい。印刷枚数は、所定の期間にユーザが印刷した枚数の平均であってもよい。印刷枚数は、例えば、コピー機能を利用して記録紙を印刷した枚数、プリンタ機能を利用して記録した印刷枚数を含めてもよい。印刷枚数は、例えば画像として出力した枚数を含んでもよい。印刷枚数は、例えば、スキャン機能によりファイル(例えば、PDFファイル)に出力した枚数を含んでもよい。例えば、印刷枚数はFAX機能により送信した枚数を含んでもよい。
【0033】
権限グループID81は、例えば、削除された一のユーザに付与されていた権限を示す識別子を格納するフィールドである。権限には、例えば、管理者権限、ユーザ権限、ゲスト権限がある。管理者権限、ユーザ権限、ゲスト権限のうち、管理者権限が最も強く、ゲスト権限が最も弱い。管理者権限を有するユーザは、画像形成装置1の全ての機能を利用可能である。ゲスト権限を有するユーザは、画像形成装置1の一部機能のみを利用可能である。
【0034】
通信部9は、有線通信及び/又は無線通信を行うための通信インタフェースである。有線通信インタフェースとして、通信部9は、LAN(Local Area Network)インタフェースを備えていてもよい。通信部9は、公衆電話回線網等の電話回線網に接続するためのインタフェースを備えてもよい。無線通信インタフェースとして、通信部9は、Wi-Fi等の無線通信機能を有する無線LANインタフェースを備えてもよい。通信部9は、LTE(Long Term Evolution)ネットワーク、5Gネットワーク等の移動体通信網に接続可能なインタフェースを備えてもよい。
【0035】
操作部11は、ユーザからの操作入力を受け付ける。例えば、操作部11は、ハードウェアキーやソフトウェアキーで構成される。また、操作部11は、例えばFAX送信や、画像読み込みといったタスクを実行するタスクキーや、操作を中止する中止キー等が含まれる。また、操作部11は、タスクキーや、中止キー、電源キー、節電キーといった物理的な操作キーを含んでもよい。操作部11は、表示部13と共にタッチパネルディスプレイとして一体に構成されてもよい。
【0036】
表示部13は、画像や文字を表示するための機能部である。例えば、表示部13は、液晶ディスプレイ(LCD)や、有機ELパネル等により構成されている。表示部13は、単体の表示装置であってもよい。或いは、表示部13は、更に外部に接続された表示装置を含むものであってもよい。表示部13は、音声を出力するスピーカを備えてもよい。
【0037】
画像入力部15は、画像(原稿)を読み取って画像データとして出力する。画像入力部15は、一般的なスキャナ(画像入力装置)により構成されている。また、画像入力部15は、例えばUSBメモリ等の外部の記憶媒体から画像データを入力してもよい。あるいは、画像入力部15は、例えば、ネットワーク経由で画像を受信してもよい。
【0038】
画像形成部17は、入力された画像データに基づいて出力画像データを形成する。画像形成装置1が送信側のファクシミリ装置として動作する場合、画像形成部17が生成した出力画像データは、通信部9を介して宛先に送信される。画像形成装置1が受信側のファクシミリ装置、コピー装置又はプリンタ装置として動作する場合、画像形成部17が生成した出力画像データは、印刷部19によって紙等の印刷媒体上に印刷される。
【0039】
印刷部19は、インクジェットプリンタ、レーザープリンタ等の印刷機構である。印刷部19は、画像形成部17によって形成された出力画像データを、紙等の印刷媒体の上に印刷する。
【0040】
制御部21は、記憶部3に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現する。制御部21は、1又は複数の制御装置や、制御回路で構成されている。制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や、SoC(System on a Chip)等により構成されている。
【0041】
制御部21は、ユーザ削除受付部23、再利用禁止判定部25、ユーザ登録受付部27、ユーザ登録判定部29及び登録部31として動作する。ユーザ削除受付部23は、登録済みのユーザを削除するための操作(削除要求)を、操作部11を介して受け付ける処理を実行する。
【0042】
再利用禁止判定部25は、登録済みのユーザの削除要求を受け付けた場合、削除要求を受け付けたユーザに関連付けられたログイン名の再利用を禁止するか否かを判定する処理を実行する。ここで、ログイン名を利用するとは、画像形成装置1のユーザ登録において、管理者等が、そのユーザのログイン名として一の文字列を割り当てることをいう。ログイン名を再利用するとは、画像形成装置1のユーザ登録において、管理者等が、一のユーザのログイン名として一の文字列を割り当て、次に、そのユーザ登録を削除した後、そのユーザまたは他のユーザに対し、同じ文字列をログイン名として再び割り当てることをいう。例えば、ログイン名「USER01」を再利用するとは、画像形成装置1のユーザ登録において、管理者が、ユーザU1に対してログイン名として文字列USER01を割り当てるユーザ登録を行い、次に、ユーザU1のユーザ登録を削除した後、ユーザU1又はU2に対し、文字列USER01を再び割り当てることをいう。
【0043】
ユーザ登録受付部27は、操作部11を介して、新規ユーザの登録要求を受け付ける処理を実行する。ユーザ登録判定部29は、新規ユーザの登録要求を了承するか否かを判定する処理を実行する。
【0044】
ユーザ登録判定部29は、再利用禁止判定部25による判定結果に基づいて、指定されたログイン名を用いたユーザ登録を許可するか否かを判定する処理を実行する。再利用禁止判定部25によって再利用が禁止されたログイン名が指定されていると判定された場合、ユーザ登録判定部29は、そのユーザ登録要求を拒否する判定を行う。ユーザ登録要求を拒否する判定をしたとき、ユーザ登録判定部29は、表示部13を用いてエラーメッセージを表示する。他方、再利用禁止判定部25によって再利用が禁止されたログイン名が指定されていないと判定された場合、ユーザ登録判定部29は、そのユーザ登録を許可する判定を行う。ユーザ登録を許可する判定をしたとき、ユーザ登録判定部29は、登録部31に対し、そのログイン名を用いてユーザを登録する旨の指示をする。
【0045】
登録部31は、ユーザ登録判定部29の判定結果に応じて、ユーザを識別するログイン名をユーザに関連付けて登録する処理を行う。より具体的には、ユーザ登録判定部29が登録を許可した場合、登録部31は、ユーザとログイン名を互いに関連付けてユーザDB5に記憶する処理を実行する。他方、ユーザ登録判定部29が登録を拒否した場合、登録部31は、そのユーザについての情報をユーザDB5に記憶する処理を実行しない。データバス33は、画像形成装置1の機能構成の間を接続し、データを伝送する。
【0046】
[1.2 ユーザ削除処理]
図3は、本実施形態におけるユーザ削除処理について説明するための図である。ユーザ削除処理に先立って、画像形成装置1の管理者は、操作部11を介して、再利用禁止機能を有効化するか否かの設定を入力しているものとする。入力された設定は、設定記憶部8に記憶されている。
【0047】
ユーザ削除受付部23は、操作部11を介して登録済みのユーザを削除する旨の操作を受け付けると、設定記憶部8を参照して、再利用禁止機能が有効化されているか否かを判定する(ステップS1)。再利用禁止機能が有効化されている場合(ステップS1で「はい」)、再利用禁止判定部25は、そのユーザのログイン名の再利用を禁止するか否かを判定(再利用禁止判定)する(ステップS3)。
【0048】
再利用禁止判定部25は、以下の判定基準(A1)~(A4)のいずれかに該当する場合、そのユーザのログイン名の再利用を許可する。他方、判定基準(A1)~(A4)のどれにも該当しない場合、再利用禁止判定部25は、そのユーザのログイン名の再利用を禁止する。
(A1)ユーザDB5において、そのユーザの印刷枚数59の値がゼロの場合。
(A2)ユーザDB5において、そのユーザの最終ログイン日時57に有効な値が格納されていない場合。すなわち、そのユーザが一度もログインしたことがない場合。有効な値が格納されていない場合とは、例えば、ヌル値が格納されている場合、現在の日時よりも未来の日時が格納されている場合、画像形成装置1の運用開始日よりも過去の日時が格納されている場合等がある。
(A3)ユーザDB5において、そのユーザの登録時認証モード63の値が、簡易認証モードの場合。
(A4)操作部11を介して、ユーザ削除受付部23が、ユーザDB5に登録済みの全ユーザを一括削除する旨の操作を受け付けた場合。
【0049】
ステップS3で再利用を禁止すると判定された場合、再利用禁止判定部25は、削除ユーザDB7を更新する(ステップS5)。再利用禁止判定部25は、ユーザDB5のログイン名55、最終ログイン日時57、印刷枚数59及び権限グループID61の値を読み出して、削除ユーザDB7のログイン名73、最終ログイン日時77、印刷枚数79及び権限グループID81にそれぞれコピーする。尚、再利用禁止判定部25は、この処理を実行した日時を削除日時75に格納する。
【0050】
次に、再利用禁止判定部25は、ステップS1において指定されたユーザのレコード51をユーザDB5から削除する(ステップS7)。尚、ステップS1で「いいえ」の場合、制御部21は、ステップS3、S5を経ずにステップS7に移行する。ステップS3で再利用を「禁止しない」と判定された場合、制御部21は、ステップS5を経ずにステップS7に移行する。
【0051】
[1.3 ユーザ登録処理]
図4は、本実施形態におけるユーザ登録処理について説明するための図である。まず、ユーザ登録受付部27が、操作部11を介して新規ユーザの登録要求を受け付ける(ステップS10)。例えば新規登録を希望するユーザや、画像形成装置1の管理者は、利用を希望するログイン名を操作部11から入力する。操作部11は、入力されたログイン名をユーザ登録受付部27に渡す。
【0052】
次に、ユーザ登録判定部29は、削除ユーザDB7にアクセスし、入力されたログイン名をログイン名73に格納するレコード71があるか否かを判定する(ステップS11)。
【0053】
削除ユーザDB7に、入力されたログイン名をログイン名73に格納するレコード71が存在する場合(ステップS11、「はい」)、ユーザ登録判定部29は、表示部13を用いてエラーメッセージを表示する(ステップS13)。
図5は本実施形態においてステップS13で表示されるエラーメッセージの例である。
図5のエラーメッセージには、ログイン名が使用できないことを通知すると共に、別のログイン名の入力を促す文言が表示されているが、これらの文言に加えて、入力されたログイン名がエラーメッセージに表示されてもよい。エラーメッセージを表示した後、制御部21は、ステップS10に戻る。
【0054】
削除ユーザDB7に、入力されたログイン名をログイン名73に格納するレコード71が存在しない場合(ステップS11、「いいえ」)、登録部31は、レコード51をユーザDB5に追加する(ステップS15)。追加されるレコード51は、入力されたログイン名を格納したログイン名55を含む。
【0055】
[1.4 効果]
本実施形態によれば、削除されたユーザのログイン名が、上述の(A1)~(A4)のいずれかに該当する場合、そのログイン名を利用したユーザ登録を許可することができる。他方、削除されたユーザのログイン名が、上述の(A1)~(A4)のどれにも該当しない場合には、そのログイン名を利用したユーザ登録を禁止することができる。
【0056】
[1.5 変形]
再利用禁止判定部25は、(A1)~(A4)を判定基準としたが、(A1)~(A4)のすべてではなく、一部のみを判定基準としてもよい。例えば、再利用禁止判定部25は、(A1)~(A3)を判定基準として用い、(A4)を判定基準として用いなくてもよい。
【0057】
判定基準(A1)では、そのユーザの印刷枚数がゼロの場合としたが、閾値はゼロ以外でもよい。例えば、印刷枚数が100枚以下の場合を判定基準として用いてもよい。また、判定基準(A1)は、印刷機能の使用履歴に応じて判定を行うが、モノクロ印刷をした印刷枚数及びカラー印刷した印刷枚数のいずれか一方のみを判定基準として用いてもよい。
【0058】
更に、再利用禁止判定部25は、印刷枚数に代わって、或いは、印刷枚数と共に、画像形成装置1の他の機能の使用履歴に応じて判定を行ってもよい。上述のように、画像形成装置1は、コピー装置、ファクシミリ装置、スキャナ装置、プリンタ装置、電子メール端末装置として機能する。このため、再利用禁止判定部25は、例えばコピー枚数、ファックスを送信した件数/枚数、特定の宛先にファックスを送信した件数/枚数、電子メールを送信した件数、特定の宛先に電子メールを送信した件数、スキャンした枚数等を判定基準として用いてもよい。
【0059】
判定基準(A2)では、そのユーザの最終ログイン日時57に格納された値の有無を基準としたが、最終ログイン日時57に格納された日時が、特定の日時より前か否かを判定基準としてもよい。例えば、最終ログイン日時57に格納された日時が、2019年3月30日以前の場合、再利用を許可し、2019年4月1日以後の場合、再利用を禁止するとしてもよい。また、再利用禁止判定部25は、判定を実行した日時よりも一定期間以上前か否かを判定基準としてもよい。例えば、最終ログイン日時57に格納された日時が、判定を実行した日時よりも1年以上前の場合、再利用を許可し、1年経過していない場合、再利用を禁止するとしてもよい。
【0060】
ステップS13において、エラーメッセージを表示する代わりに、或いは、エラーメッセージを表示すると共に、ユーザ登録判定部29は、表示部13のスピーカからエラーを示す音声を出力してもよい。
【0061】
[2.第2実施形態]
[2.1 全体構成]
図6は、本実施形態の画像形成装置90の機能構成を説明するための図である。上述の画像形成装置1と共通する機能構成には、同じ参照符号が付与されている。以下では、画像形成装置1と異なる点について説明する。
【0062】
画像形成装置1と比較すると、画像形成装置90は、制御部91の機能構成が異なる。制御部91は、画像形成装置1の制御部21の機能構成に加えて、解除判定部93及び解除部95を備える。
【0063】
解除判定部93は、再利用禁止と設定されたログイン名について、再利用禁止の設定を解除してよいか否かを判定する。解除部95は、ログイン名について設定された、再利用禁止の設定を解除する。
【0064】
尚、設定記憶部8は、画像形成装置1の動作設定のひとつとして、ログイン名の再利用禁止の解除を禁止するか否かの設定を記憶する点で、第1実施形態の設定記憶部8と異なる。この設定は、操作部11を介した入力に従って設定される。
【0065】
図7は、本実施形態の削除ユーザDB7が格納するレコードの構造を説明する図である。削除ユーザDB7は、レコード71の代わりにレコード111からなる。レコード111は、レコード71と同様のフィールドに加えて、再利用禁止期間113及び再利用禁止解除フラグ115を有する。再利用禁止期間113は、そのログイン名の再利用を禁止する期間(再利用禁止期間)を格納するフィールドである。再利用禁止期間は、ゼロから所定の期間(例えば3カ月、1年等)である。再利用禁止期間がゼロとは、再利用禁止期間を設けないことを意味する。そのログイン名の利用を永続的に禁止する場合、再利用禁止期間は無期限でもよい。なお、再利用禁止期間113はユーザ毎にレコード71に記憶する代わりに設定記憶部8に記憶されたものを使用してもよい。再利用禁止解除フラグ115は、そのログイン名の再利用禁止が解除されたことを示すフラグを格納するフィールドである。
【0066】
[2.2 ユーザ削除処理]
図3を参照して、本実施形態におけるユーザ削除処理について説明する。本実施形態では、ステップS5で削除ユーザDB7を更新する際、再利用禁止判定部25は、操作部11を介して、再利用禁止期間の入力を受け付ける。
【0067】
[2.3 再利用禁止解除処理]
図8は、本実施形態における再利用禁止解除処理について説明するための図である。再利用禁止解除処理を開始する旨の操作を、操作部11を介して受け付けると、解除判定部93は、削除ユーザDB7に登録されているログイン名のリストを、表示部13を用いて表示する(ステップS31)。解除判定部93は、再利用禁止を解除するログイン名を選択する操作を、操作部11を介して受け付ける(ステップS33)。選択されたログイン名について、解除判定部93は、再利用禁止を解除するか否かを判定(再利用禁止解除判定)する(ステップS35)。なお、ステップS31で表示するログイン名のリストに関して、解除判定部93により再利用禁止の解除を許可しないログイン名については、表示しないようにしたり、選択できないようにしたりしてもよい。
【0068】
ステップS35において、解除判定部93は、削除ユーザDB7を参照して、以下の判定基準(B1)~(B5)のいずれかに該当する場合、選択されたログイン名の再利用禁止の解除を許可しない、或いは、禁止する。
(B1)選択されたログイン名73に対応する印刷枚数79に、1以上の値が格納されている場合。又は、選択されたログイン名73に対応する最終ログイン日時77に日時が格納されている場合(すなわち、そのログイン名73で一度でもログインしたことがあった場合)。
(B2)選択されたログイン名73に対応する権限グループID81に、管理者権限が格納されている場合。
(B3)現時点(再利用禁止解除処理を実行した時点)において、選択されたログイン名73に対応する削除日時75から、選択されたログイン名73に対応する再利用禁止期間113が経過していない場合。
(B4)削除ユーザDB7において、選択されたログイン名73に対応する再利用禁止期間113に、無期限が格納されている場合。
(B5)設定記憶部8に、ログイン名の再利用禁止の解除を禁止する設定が記憶されている場合。
他方、解除判定部93は、判定基準(B1)~(B5)のどれにも該当しない場合、そのログイン名の再利用禁止の解除を許可する。
【0069】
解除判定部93が、ログイン名の再利用禁止の解除を許可した場合(ステップS35、「許可」)、解除判定部93は削除ユーザDB7を更新する。すなわち、解除判定部93は、削除ユーザDB7において、そのログイン名73に対応するレコード111の再利用禁止解除フラグ115に、再利用禁止が解除されたことを示すフラグを格納する(ステップS37)。他方、解除判定部93が、ログイン名の再利用禁止の解除を禁止した場合(ステップS35、「不許可」)、解除判定部93はそのまま処理を終了する。
【0070】
[2.4 ユーザ登録処理]
図9は、本実施形態におけるユーザ登録処理を説明するための図である。ユーザ登録受付部27が、操作部11を介して、ユーザ登録を要求する入力を受け付けると、ユーザ登録判定部29は、そのユーザ登録要求で指定されたログイン名が、削除ユーザDB7に登録されているか否かを判定する(ステップS51)。
【0071】
そのログイン名が削除ユーザDB7に登録されている場合(ステップS51、「はい」)、ユーザ登録判定部29は、そのログイン名73に対応するレコード111の再利用禁止解除フラグ115に、解除フラグが格納されているか否かを判定する(ステップS53)。
【0072】
再利用禁止解除フラグ115に解除フラグが格納されていない場合(ステップS53、「いいえ」)、ユーザ登録判定部29は、表示部13を用いてエラーメッセージ87を表示する(ステップS55)。
【0073】
他方、再利用禁止解除フラグ115に解除フラグが格納されている場合(ステップS53、「はい」)、ユーザ登録判定部29は、表示部13を用いて警告メッセージ119を表示する(ステップS57)。また、警告メッセージ119は、この警告を踏まえた上で、そのログイン名を再度利用する(ボタン119a)か否か(ボタン119b)を問い合わせる(ステップS59)。
【0074】
図10は、ステップS57で表示される警告メッセージの一例を説明するための図である。警告メッセージ119は、ユーザ登録で利用しようとしているログイン名が、過去に利用されたものであることを警告する。
【0075】
尚、ユーザ登録判定部29は、削除ユーザDB7のレコード111から、そのログイン名に対応するフィールドの値の一部又は全部を読み出して、警告メッセージ119と共に表示してもよい。例えば、ユーザ登録判定部29は、そのログイン名に対応する削除日時75と再利用禁止期間113との値を読み出して、警告メッセージ119に「削除日時:2020年1月1日 再利用禁止期間:1年間」と追加表示してもよい。また、例えば、ユーザ登録判定部29は、そのログイン名に対応する印刷枚数79の値を読み出して、警告メッセージ119に「印刷枚数:0枚」と追加表示してもよい。また、例えば、ユーザ登録判定部29は、そのログイン名に対応する権限グループID81の値を読み出して、その値が示す権限グループIDが属する権限グループを、警告メッセージ119に「権限グループ:ゲスト権限」と追加表示してもよい。また、これらの追加表示は、ステップS55においてエラーメッセージ87と共に表示してもよい。
【0076】
操作部11を介して、そのログイン名を再度利用する旨の入力(ボタン119aを選択する入力)を受け付けた場合(ステップS59、「はい」)、ユーザ登録判定部29は、そのログイン名を用いたユーザ登録に従って、ユーザDB5に新たなレコード51を追加し、削除ユーザDB7からレコード111を削除する(ステップS61)。
【0077】
他方、操作部11を介して、そのログイン名を再度利用しない旨の入力(ボタン119bを選択する入力)を受け付けた場合(ステップS59、「いいえ」)、ユーザ登録判定部29は、そのログイン名を用いたユーザ登録を行うことなく、処理を終了する。
【0078】
尚、ステップS51において、ユーザ登録要求で指定されたログイン名が、削除ユーザDB7に未登録であると判定した場合(ステップS51、「いいえ」)、ユーザ登録判定部29はユーザDB5を更新する。すなわち、ユーザ登録判定部29は、そのログイン名を利用したユーザ登録に従って、ユーザDB5に新たなレコード51を追加(ステップS63)して処理を終了する。
【0079】
[2.5 効果]
本実施形態によれば、再利用を禁止したログイン名の再利用を許可することができる。その際、再利用しようとしているログイン名を過去に利用していたユーザ(旧ユーザ)の使用履歴(印刷枚数)、ログイン履歴(最終ログイン日時)、管理者権限の有無(権限グループID)、及び、ログイン名を削除してからの経過時間(削除日時)等の、旧ユーザの属性に応じて許可することができる。また、設定記憶部8に記憶された画像形成装置120の設定に応じて許可することができる。
【0080】
[2.6 変形]
再利用禁止解除処理のステップS37において、解除判定部93は、ログイン名の再利用禁止の解除を許可するとき、削除ユーザDB7の再利用禁止解除フラグ115にフラグを格納した。その代わりに、解除判定部93は、そのログイン名を含むレコード111を、削除ユーザDB7から削除してもよい。この場合、削除ユーザDB7は、レコード111から再利用禁止解除フラグ115を省略可能である。
【0081】
ユーザ登録受付部27がユーザ登録処理の実行を受け付けて、ユーザ登録判定部29がステップS51を開始する直前に、解除判定部93は、削除ユーザDB7に登録されているすべてのログイン名に対して、ステップS35の再利用禁止解除判定を実行してもよい。その結果に応じて、解除判定部93は、再利用禁止解除フラグ115にフラグを格納する。このようにすれば、再利用禁止解除処理が明示的に実行されていない場合でも、再利用禁止期間を経過したログイン名の再利用を許可することができる。
【0082】
再利用禁止期間113は、再利用を禁止する期間の長さを格納する代わりに、再利用を禁止する期間の期限となる日時を格納してもよい。この場合、判定基準(B3)の代わりに、次の判定基準(B3a)が用いられる。
(B3a)現時点(再利用禁止解除処理を実行した時点)が、そのログイン名73に対応する再利用禁止期間113よりも前の場合。
【0083】
[3.第3実施形態]
本実施形態では、第2実施形態と同様に画像形成装置90を用いる。第2実施形態との主な違いは、再利用禁止解除判定を行うタイミングである。本実施形態では、ユーザ削除処理に続いて再利用禁止解除判定が実行される。
【0084】
[3.1 ユーザ削除処理]
図11は、本実施形態におけるユーザ削除処理について説明するための図である。ユーザ削除受付部23は、操作部11を介して登録済みのユーザを削除する旨の操作を受け付けると、設定記憶部8を参照して、再利用禁止機能が有効化されているか否かを判定する(ステップS71)。再利用禁止機能が有効化されている場合(ステップS71で「はい」)、再利用禁止判定部25は、そのユーザのログイン名の再利用を禁止するか否かを判定する(ステップS73)。ステップS73の再利用禁止判定は、ステップS3と同様に、判定基準(A1)~(A4)に基づいて行われる。
【0085】
ステップS73で再利用を禁止すると判定された場合、再利用禁止判定部25は、削除ユーザDB7を更新する(ステップS75)。再利用禁止判定部25は、ユーザDB5のログイン名55、最終ログイン日時57、印刷枚数59及び権限グループID61の値を読み出す。そして、再利用禁止判定部25は、レコード111のログイン名73、最終ログイン日時77、印刷枚数79及び権限グループID81に読み出した値をそれぞれコピーする。尚、削除日時75は、この処理を実行した日時を格納する。
【0086】
このとき、再利用禁止判定部25は、表示部13を用いて、削除しようとしているユーザのログイン名の再利用禁止期間を尋ねるメッセージを表示してもよい。また、このメッセージに応じて、操作部11を介して再利用禁止期間が入力された場合、その入力を再利用禁止期間113に格納してもよい。
【0087】
次に、解除判定部93は、削除しようとしているユーザのログイン名について、再利用禁止解除判定を行う(ステップS77)。ステップS77の再利用禁止解除判定は、ステップS35と同様に、判定基準(B1)~(B5)に基づいて行われる。
【0088】
図12は、本実施形態の削除ユーザDB7が格納するレコード131の構造を説明する図である。レコード111と比較すると、レコード131は、再利用禁止解除フラグ115の代わりに、解除禁止フラグ133を有する点で異なる。解除禁止フラグ133は、そのログイン名の再利用禁止の解除を禁止することを示すフラグを格納するフィールドである。
【0089】
解除判定部93が、ログイン名の再利用禁止の解除を禁止した場合(ステップS77、「不許可」)、解除判定部93は、削除ユーザDB7を更新する。すなわち、解除判定部93は、削除ユーザDB7において、そのログイン名73に対応する解除禁止フラグ133に、再利用禁止の解除が禁止されたことを示すフラグを格納する(ステップS79)。この場合、ステップS35において、解除判定部93は、判定基準(B1)・(B2)・(B4)の代わりに解除禁止フラグを参照し、解除禁止フラグが格納されている場合には、そのログイン名の再利用禁止の解除を許可しない、或いは、禁止する。
【0090】
最後に、再利用禁止判定部25は、ステップS1において指定されたユーザのレコード51を、ユーザDB5から削除する(ステップS81)。尚、ステップS71で「いいえ」、ステップS73で「禁止しない」、ステップS77で「不許可」の場合、制御部91はステップS81に進む。
【0091】
[3.2 効果]
本実施形態によれば、再利用禁止判定に続いて再利用禁止解除判定が実行される。このため、削除ユーザDB7を簡略化することができる。例えば、削除ユーザDB7は、レコード111のうち、最終ログイン日時77、印刷枚数79、権限グループID81を省略してもよい。また、本実施形態によれば、
図8の再利用禁止解除処理において、ステップS35の再利用禁止解除判定を省略することができる。
【0092】
[4.その他]
本開示は上述した各実施形態及び変形に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0093】
上述の実施形態では、例えば画像形成装置1の管理者等は、操作部11を介して画像形成装置1に対して様々な操作を行うものとして説明した。これに代わって、管理者等は、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン等の端末装置から操作を行ってもよい。この場合、端末装置は、LAN、電話回線等のデータ通信ネットワークを介して、画像形成装置1の通信部9とデータ通信可能に接続される。管理者等は、端末装置のキーボード等の入力装置から、所望の操作を行う。具体的には、管理者等は、例えば、ユーザ削除受付部23に対する削除要求、ユーザ登録受付部27に対する新規ユーザの登録要求、再利用禁止機能を有効化/無効化するための設定操作等を行ってよい。
【0094】
実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0095】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD (Blu-ray(登録商標) Disc) 等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本開示の機能が実現される場合もある。
【0096】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本開示に含まれるのは勿論である。
【符号の説明】
【0097】
1、90 画像形成装置
3 記憶部
5 ユーザデータベース(Database, DB)
7 削除ユーザデータベース(Database, DB)
8 設定記憶部
9 通信部
11 操作部
13 表示部
15 画像入力部
17 画像形成部
19 印刷部
21、91 制御部
23 ユーザ削除受付部
25 再利用禁止判定部
27 ユーザ登録受付部
29 ユーザ登録判定部
31 登録部
33 バス
51、71、111、131 レコード
53 ユーザID
55、73 ログイン名
57、77 最終ログイン日時
59、79 印刷枚数
61、81 権限グループID
63 登録時認証モード
75 削除日時
87 エラーメッセージ
93 解除判定部
95 解除部
113 再利用禁止期間
115 再利用禁止解除フラグ
119 警告メッセージ
119a、119b ボタン
133 解除禁止フラグ