(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175509
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】管理装置、電子商取引システム、管理方法、及び、管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20231205BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022087979
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河合 優佑
(72)【発明者】
【氏名】行平 泰史
(72)【発明者】
【氏名】廣木 健人
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電子商取引システムの管理コストの低減を図る管理装置、電子商取引システム、管理方法及び管理プログラムを提供する。
【解決手段】管理装置1において、ユーザ管理権限設定部22は、所定のユーザ情報と共に、正規のユーザ権限を有する有効期限を示す有効期限情報を付してユーザの新規登録を行うユーザ管理権限を、取引先に設定する。表示画面生成部26は、ユーザの新規登録を要求した取引先の端末装置に送信されるユーザ登録画面を生成する。判別部24は、ユーザの新規登録の要求を行った取引先が、ユーザ管理権限が設定された取引先であるか否かを判別する。記憶制御部25は、ユーザ管理権限が設定された取引先である判別結果が得られると、取引先毎に設定された、各ユーザのユーザ情報及び有効期限情報が記憶された記憶部に対して、新規登録されたユーザのユーザ情報及び有効期限情報を記憶させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置の間における各種データの送受信を仲介するように通信部を制御する通信制御部と、
正規のユーザ権限を有する有効期限を示す有効期限情報を含む所定のユーザ情報の登録又は編集を行うユーザ管理権限を、前記取引先に設定するユーザ管理権限設定部と、
いずれかの前記取引先の前記端末装置を介してユーザ情報の登録又は編集が要求された際に、ユーザ情報の登録又は編集を要求した前記取引先の前記端末装置に前記通信制御部を介して送信される、ユーザ情報の登録又は編集を行うためのユーザ登録画面を生成する表示画面生成部と、
ユーザ情報の登録又は編集を行った前記取引先が、前記ユーザ管理権限が設定された取引先であるか否かを判別する判別部と、
ユーザ情報の登録又は編集の要求を行った前記取引先が、前記ユーザ管理権限が設定された取引先であることを示す判別結果が前記判別部から得られた場合に、前記取引先毎に設定された、各ユーザの前記有効期限情報を含むユーザ情報が記憶された記憶部に対して、登録又は編集されたユーザの前記有効期限情報を含むユーザ情報を記憶させる記憶制御部と、
を有する管理装置。
【請求項2】
前記ユーザ管理権限設定部は、前記取引先の管理者又は担当者で構成されるユーザグループ毎に前記ユーザ管理権限を設定すること、
を特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記取引先に対する取引の有効又は無効を示すステータスを設定するステータス設定部を、さらに備え、
前記記憶制御部は、各前記取引先のユーザのユーザ情報及び有効期限情報と共に、前記取引先毎に、前記ステータス設定部により設定された前記ステータスを示すステータス情報を付加して前記記憶部に記憶し、前記ステータス設定部により前記取引先に対して無効のステータスが設定された場合、前記記憶部に記憶されている、取引が無効とされた前記取引先の前記ステータス情報を無効のステータス情報に更新処理すると共に、取引が無効とされた前記取引先のユーザの前記有効期限情報を、有効期限切れの日付に更新処理すること、
を特徴とする請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記ユーザ管理権限設定部は、登録可能なユーザ数の上限数を前記取引先毎に設定し、
前記判別部は、ユーザ情報の登録が要求された際に、要求されているユーザ情報を登録することで、前記取引先の登録可能なユーザ数の上限数を超過するか否かを判別し、
前記記憶制御部は、前記判別部により、要求されているユーザ情報を登録しても、前記取引先の登録可能なユーザ数の上限数を超過しない旨の判別結果が得られた場合に、要求されているユーザ情報を前記記憶部に記憶すること、
を特徴とする請求項1から請求項3のうち、いずれか一項に記載の管理装置。
【請求項5】
第1の記憶部を備え、ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置との間の通信、及び、前記電子商取引を行うシステムを運営する運営会社のユーザの端末装置との間の前記ネットワークを介した通信を行う第1の通信装置と、
第2の記憶部を備え、前記ネットワークを介して前記運営会社のユーザの前記端末装置との間の通信を行う第2の通信装置と、
所定のタイミングで、前記第1の記憶部に記憶されているデータ、及び、前記第2の記憶部に記憶されているデータの同期を図る連携装置と、を有し、
前記第1の通信装置は、
前記ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置の間における各種データの送受信を仲介するように通信部を制御する通信制御部と、
正規のユーザ権限を有する有効期限を示す有効期限情報を含む所定のユーザ情報の登録又は編集を行うユーザ管理権限を、前記取引先に設定するユーザ管理権限設定部と、
いずれかの前記取引先の前記端末装置を介してユーザ情報の登録又は編集が要求された際に、ユーザ情報の登録又は編集を要求した前記取引先の前記端末装置に前記通信制御部を介して送信される、ユーザ情報の登録又は編集を行うためのユーザ登録画面を生成する表示画面生成部と、
ユーザ情報の登録又は編集の要求を行った前記取引先が、前記ユーザ管理権限が設定された取引先であるか否かを判別する判別部と、
ユーザ情報の登録又は編集の要求を行った前記取引先が、前記ユーザ管理権限が設定された取引先であることを示す判別結果が前記判別部から得られた場合に、前記取引先毎に設定された、各ユーザの前記有効期限情報を含む前記ユーザ情報が記憶された前記第1の記憶部に対して、登録又は編集されたユーザの前記有効期限情報を含むユーザ情報を記憶させる記憶制御部と、を有すること、
を特徴とする電子商取引システム。
【請求項6】
通信制御部が、ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置の間における各種データの送受信を仲介するように通信部を制御する通信制御ステップと、
ユーザ管理権限設定部が、正規のユーザ権限を有する有効期限を示す有効期限情報を含む所定のユーザ情報の登録又は編集を行うユーザ管理権限を、前記取引先に設定するユーザ管理権限設定ステップと、
表示画面生成部が、いずれかの前記取引先の前記端末装置を介してユーザの新規登録が要求された際に、ユーザの新規登録を要求した前記取引先の前記端末装置に前記通信制御部を介して送信される、ユーザの新規登録を行うためのユーザ登録画面を生成する表示画面生成ステップと、
判別部が、ユーザの新規登録の要求を行った前記取引先が、前記ユーザ管理権限が設定された取引先であるか否かを判別する判別ステップと、
記憶制御部が、ユーザ情報の登録又は編集の要求を行った前記取引先が、前記ユーザ管理権限が設定された取引先であることを示す判別結果が前記判別ステップで得られた場合に、前記取引先毎に設定された、各ユーザの前記有効期限情報を含むユーザ情報が記憶された記憶部に対して、登録又は編集されたユーザの前記有効期限情報を含むユーザ情報を記憶させる記憶制御ステップと、
を有する管理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置の間における各種データの送受信を仲介するように通信部を制御する通信制御部と、
正規のユーザ権限を有する有効期限を示す有効期限情報を含む所定のユーザ情報の登録又は更新を行うユーザ管理権限を、前記取引先に設定するユーザ管理権限設定部と、
いずれかの前記取引先の前記端末装置を介してユーザ情報の登録又は編集が要求された際に、ユーザ情報の登録又は編集を要求した前記取引先の前記端末装置に前記通信制御部を介して送信される、ユーザ情報の登録又は編集を行うためのユーザ登録画面を生成する表示画面生成部と、
ユーザ情報の登録又は編集の要求を行った前記取引先が、前記ユーザ管理権限が設定された取引先であるか否かを判別する判別部と、
ユーザ情報の登録又は編集の要求を行った前記取引先が、前記ユーザ管理権限が設定された取引先であることを示す判別結果が前記判別部から得られた場合に、前記取引先毎に設定された、各ユーザの前記有効期限情報を含むユーザ情報が記憶された記憶部に対して、登録又は編集されたユーザの前記有効期限情報を含むユーザ情報を記憶させる記憶制御部として機能させること、
を特徴とする管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、電子商取引システム、管理方法、及び、管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、Web(World Wide Web)上のサーバ装置に電子商取引システムを構築し、各取引先は端末装置のウェブブラウザを介してデータを送受信して電子商取引を行うWebEDIシステム(EDI:Electronic Data Interchange)が知られている。
【0003】
このようなWebEDIシステムに関する背景技術としては、特許文献1(特開2003-091658号公報)に買い手と売り手の間の取引を効率的に実現することを目的とした電子商取引システムが開示されている。
【0004】
この電子商取引システムは、一の取引主体に、オーナーとして取引の場を設立させ、オーナーの要求に沿うように、取引の場に複数の取引主体の参加を認める。この取引の場において、特定の商品を取引するためのグループ又は特定の取引主体で構成するグループの設定を受け付け、グループ内のメンバー同士だけで、グループの設定目的に沿った取引を行わせる環境を形成する。
【0005】
これにより、販売型市場、購買型市場、商社型市場、一般市場などの場を、取引主体が、希望により自由に設立することができ、また、特定の商品についてのグループを柔軟に設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、WebEDIシステムにおいて、各取引先の端末装置を介して行われる商取引を仲介するWeb上のサーバ装置は、各取引先の管理と共に、各取引先に所属する各ユーザの管理も行う必要がある。このため、サーバ装置上に構築された電子商取引システムを運営する運営会社の管理コストが大きくなる問題があった。
【0008】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、電子商取引システムの管理コストの低減を可能とした管理装置、電子商取引システム、管理方法、及び、管理プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る管理装置は、ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置の間における各種データの送受信を仲介するように通信部を制御する通信制御部と、正規のユーザ権限を有する有効期限を示す有効期限情報を含む所定のユーザ情報の登録又は編集を行うユーザ管理権限を、取引先に設定するユーザ管理権限設定部と、いずれかの取引先の端末装置を介してユーザ情報の登録又は編集が要求された際に、ユーザ情報の登録又は編集を要求した取引先の端末装置に通信制御部を介して送信される、ユーザ情報の登録又は編集を行うためのユーザ登録画面を生成する表示画面生成部と、ユーザ情報の登録又は編集を行った取引先が、ユーザ管理権限が設定された取引先であるか否かを判別する判別部と、ユーザ情報の登録又は編集の要求を行った取引先が、ユーザ管理権限が設定された取引先であることを示す判別結果が判別部から得られた場合に、取引先毎に設定された、各ユーザの有効期限情報を含むユーザ情報が記憶された記憶部に対して、登録又は編集されたユーザの有効期限情報を含むユーザ情報を記憶させる記憶制御部と、を有する。
【0010】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る電子商取引システムは、第1の記憶部を備え、ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置との間の通信、及び、電子商取引を行うシステムを運営する運営会社のユーザの端末装置との間のネットワークを介した通信を行う第1の通信装置と、第2の記憶部を備え、ネットワークを介して運営会社のユーザの端末装置との間の通信を行う第2の通信装置と、所定のタイミングで、第1の記憶部に記憶されているデータ、及び、第2の記憶部に記憶されているデータの同期を図る連携装置と、を有し、第1の通信装置は、ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置の間における各種データの送受信を仲介するように通信部を制御する通信制御部と、正規のユーザ権限を有する有効期限を示す有効期限情報を含む所定のユーザ情報の登録又は編集を行うユーザ管理権限を、取引先に設定するユーザ管理権限設定部と、いずれかの取引先の端末装置を介してユーザ情報の登録又は編集が要求された際に、ユーザ情報の登録又は編集を要求した取引先の端末装置に通信制御部を介して送信される、ユーザ情報の登録又は編集を行うためのユーザ登録画面を生成する表示画面生成部と、ユーザ情報の登録又は編集の要求を行った取引先が、ユーザ管理権限が設定された取引先であるか否かを判別する判別部と、ユーザ情報の登録又は編集の要求を行った取引先が、ユーザ管理権限が設定された取引先であることを示す判別結果が判別部から得られた場合に、取引先毎に設定された、各ユーザの有効期限情報を含むユーザ情報が記憶された第1の記憶部に対して、登録又は編集されたユーザの有効期限情報を含むユーザ情報を記憶させる記憶制御部と、を有する。
【0011】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る管理方法は、通信制御部が、ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置の間における各種データの送受信を仲介するように通信部を制御する通信制御ステップと、ユーザ管理権限設定部が、正規のユーザ権限を有する有効期限を示す有効期限情報を含む所定のユーザ情報の登録又は編集を行うユーザ管理権限を、取引先に設定するユーザ管理権限設定ステップと、表示画面生成部が、いずれかの取引先の端末装置を介してユーザの新規登録が要求された際に、ユーザの新規登録を要求した取引先の端末装置に通信制御部を介して送信される、ユーザの新規登録を行うためのユーザ登録画面を生成する表示画面生成ステップと、判別部が、ユーザの新規登録の要求を行った取引先が、ユーザ管理権限が設定された取引先であるか否かを判別する判別ステップと、記憶制御部が、ユーザ情報の登録又は編集の要求を行った取引先が、ユーザ管理権限が設定された取引先であることを示す判別結果が判別ステップで得られた場合に、取引先毎に設定された、各ユーザの有効期限情報を含むユーザ情報が記憶された記憶部に対して、登録又は編集されたユーザの有効期限情報を含むユーザ情報を記憶させる記憶制御ステップと、を有する。
【0012】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る管理プログラムは、コンピュータを、ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置の間における各種データの送受信を仲介するように通信部を制御する通信制御部と、正規のユーザ権限を有する有効期限を示す有効期限情報を含む所定のユーザ情報の登録又は更新を行うユーザ管理権限を、取引先に設定するユーザ管理権限設定部と、いずれかの取引先の端末装置を介してユーザ情報の登録又は編集が要求された際に、ユーザ情報の登録又は編集を要求した取引先の端末装置に通信制御部を介して送信される、ユーザ情報の登録又は編集を行うためのユーザ登録画面を生成する表示画面生成部と、ユーザ情報の登録又は編集の要求を行った取引先が、ユーザ管理権限が設定された取引先であるか否かを判別する判別部と、ユーザ情報の登録又は編集の要求を行った取引先が、ユーザ管理権限が設定された取引先であることを示す判別結果が判別部から得られた場合に、取引先毎に設定された、各ユーザの有効期限情報を含むユーザ情報が記憶された記憶部に対して、登録又は編集されたユーザの有効期限情報を含むユーザ情報を記憶させる記憶制御部として機能させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、電子商取引システムの管理コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施の形態の管理装置が電子商取引の仲介を行う電子商取引システム(EDIシステム)のシステム構成図である。
【
図2】
図2は、管理装置を備えた運営会社のシステム構成図である。
【
図3】
図3は、実施の形態の管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、WebEDI取引先分類マスタの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、WebEDI取引先マスタの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、WebEDIユーザグループマスタの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、WebEDIユーザマスタの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、ユーザグループの各管理者又は担当者に対して表示される画面を説明するための図である。
【
図9】
図9は、取引先マスタメンテナンス画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、運営会社ユーザマスタメンテナンス画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、得意先管理者ユーザが起動した場合に表示される取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面、及び、仕入先管理者ユーザが起動した場合に表示される取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、運営会社管理者が運営会社ユーザを新規登録する場合の登録動作の流れを示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、ログイン画面の一例、及び、WebEDIユーザマスタで参照されるデータを示す図である。
【
図15】
図15は、WebEDIユーザグループマスタで参照されるデータ、運営会社ユーザマスタメンテナンス画面の一例、及び、WebEDIユーザマスタに追加登録されるレコードを示す図である。
【
図16】
図16は、運営会社管理者が仕入先担当者ユーザを新規登録する場合の登録動作の流れを示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、ユーザの新規登録時における運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面の選択例及び入力例を示す図である。
【
図18】
図18は、WebEDI取引先マスタで参照されるデータ、WebEDIユーザマスタで参照されるデータ、及び、WebEDIユーザマスタに追加登録されるレコードを示す図である。
【
図19】
図19は、取引先管理者が自社のユーザを新規登録する場合の登録動作の流れを示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、ログイン画面の一例、及び、WebEDIユーザマスタで参照されるデータを示す図である。
【
図21】
図21は、WebEDI取引先マスタで参照されるデータ、WebEDIユーザグループマスタで参照されるデータ、及び、取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、WebEDI取引先マスタで参照されるデータ、及び、WebEDIユーザマスタで参照されるデータを示す図である。
【
図23】
図23は、登録可能な上限数を超えてユーザ登録を行おうとした場合に、運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面又は取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面に表示されるエラーメッセージの一例、及び、WebEDIユーザマスタに追加登録されるレコードを示す図である。
【
図24】
図24は、運営会社管理者が取引先に対する取引のステータスを無効にすることで、その取引先のユーザがEDIシステムを利用する権限を一括して無効にする一括無効動作の流れを示すフローチャートである。
【
図25】
図25は、運営会社管理者により取引のステータスが無効とされた取引先、及び、取引が無効とされた取引先の各ユーザのユーザID有効期限が有効期限切れに更新された様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した実施の形態を説明する。なお、このような実施の形態はあくまでも本発明の一例であり、これらの実施の形態に本発明が限定されるものではない。
【0016】
[システム構成]
図1は、実施の形態の管理装置1で電子商取引の仲介及び管理が行われる電子商取引システム(EDIシステム、EDI:Electronic Data Interchange)のシステム構成を示す図である。この
図1に示すように、EDIシステムは、実施の形態の管理装置1を含む運営会社の管理システム、商取引を行う得意先の得意先端末装置100、及び、仕入先の仕入先端末装置200を含んで構成されている。この
図1に例示するように、運営会社の管理システムは、実施の形態の管理装置1等により、得意先端末装置100からの在庫確認、発注入力、及び、仕入先端末装置200からの発注、注文請等を仲介するようになっている。なお、得意先及び仕入先は、取引先の一例である。
【0017】
(運営会社のシステム構成)
図2は、運営会社の管理システムの構成図である。この
図2に示すように、運営会社の管理システムは、実施の形態の管理装置1で構成されるフロント環境(第1の通信装置の一例)、運営会社の管理用の端末装置80で構成されるバックヤード環境(第2の通信装置の一例)、及び、フロント環境とバックヤード環境を連携する端末装置である連携ツール90とを備えている。
【0018】
フロント環境は、インターネット8等の広域網を介して、運営会社のユーザの端末装置の他、得意先及び仕入先の各ユーザの端末装置に接続されている。このフロント環境は、取引先(得意先及び仕入先)のユーザ、及び、運営会社のユーザがログインして使用する環境となっている。
【0019】
また、フロント環境は、インターネット上に公開され、運営会社のユーザ及び運営会社と取引先関係にあるユーザが接続して利用可能となっている。具体的には、運営会社のフロント環境に含まれる実施の形態の管理装置1の記憶部2には、運営会社のユーザ、商品又は役務等の提供先(得意先)のユーザ、及び、商品又は役務等の調達先(仕入先)のユーザのユーザ情報が記憶されている。また、記憶部2には、得意先及び仕入先間の商取引による業務データが一時保管されている。運営会社のユーザ及び運営会社と取引先関係にあるユーザは、管理装置1にアクセスして、記憶部2のユーザデータ(名前及びメールアドレス等)及び一時保管されている業務データ(=商取引データ)を利用可能となっている。
【0020】
なお、取引先数が少ない場合は、接続元を制限してフロント環境を公開してもよい。これにより、より高いセキュリティの下、フロント環境を公開できる。
【0021】
バックヤード環境は、取引先の外部会社等の接続は許可されておらず、運営会社の権限のあるユーザのみがログインして利用可能な端末装置80で構成された環境となっている。このため、このバックヤード環境の端末装置80は、例えばインターネット等の広域網には接続されていないプライベート網等のネットワーク9又は専用回線を介して、運営会社の権限のあるユーザの端末装置と接続されることが好ましい。
【0022】
運営会社の権限のあるユーザは、このバックヤード環境の端末装置80の通信インターフェース部81を介して、データ管理用の業務データ(商取引データ)が記憶された記憶部(商取引業務データ管理データベース)82にアクセス可能となっている。
【0023】
連携ツール90は、定期的又は不定期にフロント環境の記憶部2及びバックヤード環境の記憶部82にアクセスし、フロント環境の記憶部2に記憶された一時保管用の業務データと、バックヤード環境の記憶部82に記憶されたデータ管理用の業務データとの同期を図っている。換言すると、連携ツール90は、記憶部2の一時保管用の業務データ、及び、記憶部82のデータ管理用の業務データが同じデータとなるように、定期的又は不定期に両者の連携を図っている。
【0024】
このようにフロント環境とバックヤード環境を分離することで、いずれか一方の環境がダウンしても、他方の環境で業務を継続することができる。また、例えばフロント環境は利用人数が多いため、高スペックの端末装置で構築し、バックヤード環境は、限られたユーザがアクセスできれば良いため、低スペックの端末装置で構築する等のように、想定される各環境の利用人数に応じたスペックで、それぞれの環境を構築でき、リソースを最適化することができる。
【0025】
また、例えばフロント環境の記憶部2(データベース)には、各取引先のユーザの個人情報が登録されるため、特殊な暗号化処理を施して登録する等のように、各環境のデータベース(記憶部2又は記憶部82)に保存されるデータの性質に応じた運用とすることができる。
【0026】
また、連携ツール90による、特定通信のみ(上述のデータの同期)を許可することで、フロント環境及びバックヤード環境の間にインフラ的な境界を設けて分断でき、セキュリティを強化することができる。
【0027】
(管理装置のハードウェア構成)
次に、
図3に、運営会社の管理装置1のハードウェア構成を示す。上述のように、この管理装置1は、例えばインターネット8等の広域網を介して得意先端末装置100及び仕入先端末装置200に接続されている。このような管理装置1は、記憶部2、制御部3、及び通信インターフェース部4を備えている。通信インターフェース部4は、ネットワーク8を介して、得意先端末装置100及び仕入先端末装置200に接続されている。また、通信インターフェース部4は、ネットワーク8及び連携ツール90を介してバックヤード環境の端末装置80に接続されている。
【0028】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、WebEDI取引先分類マスタ11、WebEDI取引先マスタ12、WebEDIユーザグループマスタ13及びWebEDIユーザマスタ14が記憶されている。また、記憶部2には、商取引管理を行うための管理プログラムの他、上述のユーザデータ及び一時保管用の業務データ(商取引データ)が記憶されている。
【0029】
図4は、WebEDI取引先分類マスタ11の一例を示す図である。この
図4に示すように、WebEDI取引先分類マスタ11は、「得意先」及び「仕入先」が取引先分類として記憶されている。
【0030】
図5は、WebEDI取引先マスタ12の一例を示す図である。この
図5に示すように、WebEDI取引先マスタ12には、取引先分類及び取引先となる会社毎に、ユーザ登録可能なユーザ数の上限値、及び、取引先となる会社がEDIシステムを利用可能であるか否かを示すステータス情報が記憶されている。この
図5の例は、得意先となるA会社は、登録可能なユーザ数の上限値が「3人」で、EDIシステムの利用の可否を示すステータス情報が「有効」に設定された例を示している。
【0031】
また、この
図5の例は、仕入先となるX会社は、登録可能なユーザ数の上限値が「8人」で、EDIシステムの利用の可否を示すステータス情報が「無効」に設定された例を示している。後述するが、実施の形態の管理装置1は、ステータス情報が「無効」とされた会社の各ユーザのユーザID有効期限を、有効期限切れの日付に更新する。これにより、会社の対するステータス情報を「無効」とすることで、その会社の各ユーザのEDIシステムの利用を、一括して利用不可に制限可能となっている。
【0032】
図6は、WebEDIユーザグループマスタ13の一例を示す図である。取引先分類、ユーザグループ、運営会社管理可否情報、及び、取引先管理可否情報が記憶されている。
【0033】
このうち、ユーザグループは、運営会社、得意先及び仕入先の業務(職務)の各ユーザを示している。すなわち、「運営会社管理者」のユーザグループは、運営会社で管理業務を行っている各ユーザで構成されるグループを示している。また、「得意先担当者」のユーザグループは、得意先で担当者となっている各ユーザで構成されるグループを示している。
【0034】
また、「仕入先見積担当者」のユーザグループは、仕入先で見積業務を担当する各ユーザで構成されるグループを示している。また、「仕入先実作業担当者」のユーザグループは、仕入先で実作業を担当する各ユーザで構成されるグループを示している。
【0035】
運営会社管理可否情報は、運営会社側でユーザ登録の管理を行うことが可能なユーザグループを示す情報である。この
図6の例の場合、運営会社は、運営会社自身、得意先及び仕入先の全てのユーザグループに対するユーザ登録の管理(ユーザ登録の権限)が可能となっている。
【0036】
また、実施の形態の管理装置1では、ユーザ登録の権限を、得意先及び仕入先の所望のユーザグループに対して委託可能(設定可能)となっている。このユーザ登録の権限の委託の有無を示す情報が、取引先管理可否情報である。
図6の例は、運営会社側が管理装置1を介して、得意先の「得意先管理者」及び「得意先担当者」の各ユーザグループに対する、ユーザ登録の権限を委託(設定)した例を示している。すなわち、この場合の登録権限を有するユーザは得意先管理者で、「得意先管理者」及び「得意先担当者」の各ユーザグループに対してのみ、ユーザ登録が可能であることを示している。
【0037】
また、
図6の例は、運営会社側が仕入先の仕入先管理者に対して、仕入先の「仕入先実作業担当者」のユーザグループに対するユーザ登録の権限を委託(設定)した例を示している。すなわち、この場合の登録権限を有するユーザは仕入先管理者で、この仕入先管理者は、「仕入先実作業担当者」のユーザグループに対してのみ、ユーザ登録が可能であることを示している。
【0038】
なお、この例では、ユーザ登録の権限は、取引先のユーザグループ毎に設定されていることとして説明を行うが、取引先単位でユーザ登録の権限を設定してもよい。
【0039】
図7は、上述のユーザデータが登録されたWebEDIユーザマスタ14の一例を示す図である。この
図7に示すように、WebEDIユーザマスタ14には、運営会社及び各取引先のユーザグループに所属する各ユーザのユーザ識別情報(ユーザID)、ユーザ名、及び、ユーザID有効期限が記憶されている。ユーザID有効期限は、EDIシステムを利用可能な日付を示す情報である。
【0040】
この
図7の例は、運営会社の「運営会社管理者」のユーザグループに所属するユーザIDが「UK01」の「運営会社管理者UK1」のユーザ、及び、ユーザIDが「UK02」の「運営会社管理者UK2」のユーザのユーザID有効期限は、それぞれ「2030年3月31日」であることを示している。また、この
図7の例は、A会社の「得意先担当者」のユーザグループに所属するユーザIDが「AT01」の「A会社担当者AT1」のユーザ、及び、ユーザIDが「AT03」の「A会社担当者AT3」のユーザのユーザID有効期限は、それぞれ「2030年3月31日」であるが、ユーザIDが「AT02」の「A会社担当者AT2」のユーザのユーザID有効期限は、「2010年1月1日」で有効期限切れとなっていることを示している。
【0041】
同様に、この
図7の例は、X会社の「X会社管理者XK1」及び「X会社見積担当者XMT1」のユーザのユーザID有効期限は、共に「2022年3月1日」で有効期限切れとなっていることを示している。
【0042】
次に、
図8は、運営会社及び各取引先のユーザグループのユーザに対して管理装置1から提供される各種画面を一覧的に示す図である。この
図8に示すように、「運営会社管理者」のユーザグループの各ユーザに対しては、「取引先マスタメンテナンス画面」、「運営会社ユーザマスタメンテナンス画面」及び「運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」が管理装置1から提供される。また、「運営会社担当者」のユーザグループの各ユーザに対しては、「運営会社業務画面」が管理装置1から提供される。
【0043】
また、「得意先管理者」のユーザグループのユーザに対しては、「取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」が、得意先担当者のユーザグループのユーザに対しては、「得意先業務画面」が、それぞれ管理装置1から提供される。
【0044】
また、「仕入先管理者」のユーザグループのユーザに対しては、「取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」が、「仕入先見積担当者」のユーザに対しては、「仕入先の見積業務画面」が、「仕入先実作業担当者」のユーザに対しては、「仕入先の実作業画面」が、それぞれ管理装置1から提供される。
【0045】
さらに具体的に説明すると、
図9は、「運営会社管理者」のユーザグループの各ユーザに対して提供される「取引先マスタメンテナンス画面」の画面例を示す図である。この
図9に示す「取引先マスタメンテナンス画面」は、EDIシステムを利用する取引先の登録を行う画面である。運営会社側は、この「取引先マスタメンテナンス画面」を介して、取引先分類、取引先名、ユーザ数上限、及び、ステータスを登録する。
【0046】
取引先分類としては、「仕入先」又は「得意先」が選択されて登録される。取引先名は、例えば「X会社」等の取引先名が登録される。ユーザ数上限としては、EDIシステムの利用を可能とするユーザ数の上限値を登録する。ステータスは、EDIシステムの利用を可能とするか否か(有効又は無効)を示すステータス情報を登録する。この
図9の例は、X会社のステータス情報が「無効」とされ、X会社はEDIシステムの利用が不可とされた例である。
【0047】
図10は、「運営会社管理者」のユーザグループの各ユーザに対して提供される「運営会社ユーザマスタメンテナンス画面」の画面例を示す図である。この
図10に示すように、「運営会社ユーザマスタメンテナンス画面」は、「運営会社側のユーザ」をユーザグループに分類してユーザ情報の登録を行う画面である。運営会社側のユーザは、この「運営会社ユーザマスタメンテナンス画面」を介して、ユーザグループ(運営会社管理者又は運営会社担当者)、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、ユーザID有効期限の登録を行う。
【0048】
図11は、「運営会社管理者」のユーザグループの各ユーザに対して提供される「運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」の画面例を示す図である。この
図11に示すように、「運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」は、「運営会社側で取引先のユーザ」をユーザグループに分類してユーザ情報の登録を行う画面である。運営会社側のユーザは、この「運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」を介して、取引先分類、取引先名、ユーザグループ、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、ユーザID有効期限の登録を行う。取引先分類は、仕入先又は得意先が選択される。取引先名は、例えば「X会社」又は「Y会社」等の取引先名が選択される。ユーザグループは、例えば「仕入先担当者」又は「得意先管理者」等の上述のユーザグループが選択される。
【0049】
図12は、「得意先管理者」又は「仕入先管理者」のユーザグループの各ユーザに対して提供される「取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」の画面例を示す図である。このうち、
図12(a)は、「得意先管理者」に対して提供される「取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」の画面例であり、
図12(b)は、「仕入先管理者」に対して提供される「取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」の画面例である。
【0050】
「得意先管理者」は、
図12(a)に示すように、「取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」を介して、自社のユーザを所属させるユーザグループを選択し、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限を登録する。
【0051】
同様に、「仕入先管理者」は、
図12(b)に示すように、「取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」を介して、自社のユーザを所属させるユーザグループを選択し、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限を登録する。なお、この
図12(b)の例は、ユーザグループとして「仕入先実作業担当者」のユーザグループが選択された例である。
【0052】
(管理装置の機能構成)
次に、
図3に示す管理装置1の制御部3は、記憶部2に記憶されている管理プログラムを実行することで、通信制御部21、ユーザ管理権限設定部22、データ生成部23、判別部24、記憶制御部25、表示画面生成部26及びステータス設定部27として機能する。
【0053】
通信制御部21は、ネットワーク8を介して電子商取引を行う各取引先の端末装置100、200の間における各種商取引データの送受信を仲介するように通信部の一例となる通信インターフェース部4を制御する。ユーザ管理権限設定部22は、正規のユーザ権限を有する有効期限を示す有効期限情報を含む所定のユーザ情報の登録又は編集を行うユーザ管理権限を、前記取引先に設定する。「編集」は、ユーザ情報の修正及び削除等のデータの内容の変更及び削除等を行う行為を含む概念である。
【0054】
表示画面生成部26は、取引先の端末装置100、200を介してユーザの新規登録又は編集(削除を含む)が要求された際に、ユーザの新規登録等を要求した取引先の端末装置に、通信インターフェース部4を介して送信される、ユーザの新規登録等を行うためのユーザ登録画面(
図12(a)及び
図12(b)に示す取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面)を生成する。
【0055】
判別部24は、ユーザの新規登録等の要求を行った取引先が、ユーザ管理権限が設定された取引先であるか否かを判別する。記憶制御部25は、ユーザの新規登録等の要求を行った取引先が、ユーザ管理権限が設定された取引先であることを示す判別結果が判別部24から得られた場合に、取引先毎に設定された、各ユーザの有効期限情報(ユーザID有効期限情報)を含むユーザ情報が記憶された記憶部2のWebEDIユーザマスタ14に対して、新規登録等が行われたユーザのユーザID有効期限情報を含むユーザ情報を記憶させる。
【0056】
なお、ユーザ管理権限設定部22は、各取引先の管理者又は担当者で構成されるユーザグループ毎にユーザ管理権限を設定する。また、ユーザ管理権限設定部22は、登録可能なユーザ数の上限数を取引先毎に設定する。
【0057】
また、ステータス設定部27は、各取引先に対する取引の有効又は無効を示すステータスを設定する。記憶制御部25は、各取引先のユーザのユーザ情報及びユーザID有効期限情報と共に、取引先毎に、ステータス設定部27により設定されたステータスを示すステータス情報を付加して記憶部2のWebEDI取引先マスタ12に記憶する。
【0058】
また、記憶制御部25は、ステータス設定部27により、取引先に対して「無効」のステータスが設定された場合、WebEDI取引先マスタ12に記憶されている、取引が無効とされた取引先のステータス情報を、「無効」のステータス情報に更新処理する。また、これと共に、記憶制御部25は、WebEDIユーザマスタ14に記憶されている、取引が「無効」とされた取引先のユーザのユーザID有効期限情報を、有効期限切れの日付に更新処理する。
【0059】
データ生成部23は、
図8~
図12を用いて説明した各種画面を介して入力されたユーザグループ、ユーザID、初期パスワード、ユーザID有効期限等を含むユーザデータを生成する。
【0060】
(運営会社による自社の新規ユーザの登録動作)
次に、このような運営会社の管理装置1における、運営会社による自社の新規ユーザの登録動作を
図13のフローチャートを用いて説明する。なお、以下、新規ユーザの「登録」を例に説明を行うが、ユーザ情報の修正又は削除等の「編集」を行う場合も、下記と同様の動作となる。このため、ユーザ情報の修正又は削除等の編集時の動作も、下記の説明を参照されたい。この
図13のフローチャートの各処理は、管理装置1の制御部3により、記憶部2に記憶されている管理プログラムに基づいて実行される。すなわち、運営会社の新規ユーザの登録を行うユーザは、管理者端末装置を介して管理装置1にログイン要求を行う。これにより、
図13のフローチャートがスタートとなり、ステップS1から順に処理が実行される。
【0061】
ステップS1では、管理装置1の表示画面生成部26が、
図14(a)に例示するログイン画面を生成する。通信制御部21は、このログイン画面を、ログイン要求が行われた運営会社のユーザの管理者端末装置に送信する。ログイン要求を行った運営会社のユーザは、管理者端末装置の表示画面に表示されるログイン画面に対して、ユーザID及びパスワードを入力する。この入力されたユーザID及びパスワードは、管理装置1に送信される。
【0062】
管理装置1の判別部24は、ログイン画面を介して入力されたユーザIDに基づいて、
図14(b)に例示するWebEDIユーザマスタ14のユーザID有効期限を参照する(ステップS2)。そして、判別部24は、本日の日付が、ユーザID有効期限として設定されている日付を超過しているか否かを判別することで、入力されたユーザIDが有効期限切れであるか否かを判別する(ステップS3)。判別部24により、入力されたユーザIDが有効期限切れであると判別された場合(ステップS3:Yes)、そのユーザはユーザ登録を行う権限は無いため、そのまま
図13のフローチャートの処理が終了となる。
【0063】
これに対して、入力されたユーザIDが有効期限内であると判別された場合(ステップS3:No)、判別部24は、運営会社ユーザマスタメンテナンス画面の起動要求の有無を判別する(ステップS4)。そして、運営会社ユーザマスタメンテナンス画面の起動要求を検出した場合(ステップS4:Yes)、判別部24は、ステップS5において、ユーザIDに基づいて
図14(c)に示すWebEDIユーザマスタ14を参照することで、そのユーザが、新規ユーザの登録権限を有する「運営会社管理者」のユーザグループのユーザであるか否かを判別する。「運営会社管理者」のユーザグループのユーザではない場合(ステップS5:No)、そのユーザはユーザ登録を行う権限は無いため、そのまま
図13のフローチャートの処理が終了となる。
【0064】
「運営会社管理者」のユーザグループのユーザである場合(ステップS5:Yes)、ステップS6に処理が進む。ステップS6では、判別部24が
図15(a)に示すようにWebEDIユーザグループマスタ13を参照し、取引先分類が未設定で運営会社が管理可能なユーザグループを特定する。
【0065】
すなわち、取引先分類が未設定のユーザグループは、得意先又は仕入先のいずれかのユーザグループではなく、運営会社のユーザグループであることを意味する。このため、判別部24は、取引先分類が未設定となっている運営会社のユーザグループを検出する。そして、判別部24は、WebEDIユーザグループマスタ13の運営会社管理可否情報を参照することで、取引先分類が未設定となっている運営会社のユーザグループのうち、ユーザ登録を行うことが可能なユーザグループ(運営会社内におけるユーザ管理が可能なユーザグループ)を特定する。
図15(a)の例は、「運営会社管理者」及び「運営会社担当者」の各ユーザグループに対して、新規ユーザの登録が許可されている例である。
【0066】
次に、ステップS7では、表示画面生成部26は、
図15(b)に例示する運営会社ユーザマスタメンテナンス画面を生成し、通信制御部21が、この運営会社ユーザマスタメンテナンス画面を管理者端末装置に送信する。
【0067】
管理者端末装置のユーザは、
図15(b)に例示する運営会社ユーザマスタメンテナンス画面に基づいて、ユーザ登録が許可されているユーザグループである、「運営会社管理者」又は「運営会社担当者」のいずれかのユーザグループを選択する。また、管理者端末装置のユーザは、
図15(b)に例示する運営会社ユーザマスタメンテナンス画面に対して、新規にユーザ登録を行うユーザのユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限を入力して登録操作を行う。
【0068】
これにより、運営会社ユーザマスタメンテナンス画面を介して入力されたユーザグループ、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限の各情報が、管理者端末装置から管理装置1に送信され登録要求が行われる。この登録要求が管理装置1で受信されると、管理装置1のデータ生成部23は、登録操作が行われたものと判別し(ステップS8:Yes)、管理者端末装置から受信したユーザグループ、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限を含む、WebEDIユーザマスタ14の明細データ(レコード)を生成する。
【0069】
記憶制御部25は、ステップS9において、データ生成部23により生成された明細データ(レコード)を、
図15(c)に示すようにWebEDIユーザマスタ14に追加して記憶させる。これにより、例えば運営会社の「運営会社担当者」のユーザグループに、ユーザIDが「UT99」でユーザ名が「運営会社担当者UT99」のユーザが、「2030年12月31日」をユーザID有効期限として新たに登録される。
【0070】
(運営会社のユーザによる、仕入先の新規ユーザの登録動作)
次に、このような運営会社の管理装置1における、運営会社のユーザによる仕入先の新規ユーザの登録動作を
図16のフローチャートを用いて説明する。この
図16のフローチャートの各処理は、管理装置1の制御部3により、記憶部2に記憶されている管理プログラムに基づいて実行される。
【0071】
すなわち、仕入先の新規ユーザの登録を行う運営会社のユーザは、管理者端末装置を介して管理装置1にログイン要求を行う。これにより、
図16のフローチャートがスタートとなるが、ログイン画面に入力されたユーザIDに基づいてユーザ有効期限の超過の有無を判別するまでの、ステップS1~ステップS3の動作は、
図13のフローチャートのステップS1~ステップS3の動作と同じ動作である。このため、ステップS1~ステップS3の詳細な動作の説明は、
図13のフローチャートのステップS1~ステップS3の動作の説明を参照されたい。
【0072】
次に、ステップS3でユーザID有効期限切れではないものと判別されると(ステップS3:No)、
図16のフローチャートのステップS11に処理が進む。ステップS11では、判別部24が、運営会社のユーザからの、
図17(a)に例示する運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面の起動要求の有無を判別する。
【0073】
運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面の起動要求を検出すると(ステップS11:Yes)、判別部24は、ステップS5において、ユーザIDに基づいてWebEDIユーザマスタ14を参照し、そのユーザが、新規ユーザの登録権限を有する「運営会社管理者」のユーザグループのユーザであるか否かを判別する。「運営会社管理者」のユーザグループのユーザではない場合(ステップS5:No)、そのユーザはユーザ登録を行う権限は無いため、そのまま
図16のフローチャートの処理が終了となる。
【0074】
「運営会社管理者」のユーザグループのユーザである場合(ステップS5:Yes)、ステップS12に処理が進む。ステップS12では、表示画面生成部26が、
図17(a)に例示する運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面を生成し、通信制御部21が、この運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面を管理者端末装置に送信する。
【0075】
管理者端末装置のユーザは、
図17(b)に示すように、運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面に基づいて、「仕入先」等の取引先分類を選択する。また、管理者端末装置のユーザは、
図17(c)に示すように、運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面に基づいて、「Y会社」等の取引先名を入力する。また、管理者端末装置のユーザは、
図17(d)に示すように、運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面に基づいて、ユーザグループ、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限を入力し、登録操作を行う。
【0076】
これにより、運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面を介して入力された取引先分類、取引先、ユーザグループ、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限の各情報が、管理者端末装置から管理装置1に送信され、登録要求が行われる。この登録要求が管理装置1で受信されると、管理装置1の判別部24は、登録操作を行われたものと判別する(ステップS13:Yes)。そして、判別部24は、ステップS14において、
図18(a)に示すWebEDI取引先マスタ12を参照し、入力された取引先に対するユーザ数の上限値を検出する。この
図18(a)の例の場合、ユーザ数の上限値は「10人」に設定されている。
【0077】
また、判別部24は、
図18(b)に示すWebEDIユーザマスタ14を参照することで、現在、新規ユーザのユーザ登録を行おうとしている取引先の、現在の有効ユーザ数を検出する。この
図18(b)の例は、現在、新規ユーザのユーザ登録を行おうとしている取引先はY会社であり、このY会社の現在の有効ユーザ数は「3人」であることを示している。
【0078】
そして、この例の場合、Y会社のユーザ数の上限値は「10人」であり、現在の有効ユーザ数は「3人」であるため、新規のユーザを登録しても、Y会社のユーザ数の上限値を超過することはない。このため、判別部24は、ユーザ数の上限値は超過しないと判別する(ステップS14:No)。これにより、データ生成部23は、管理者端末装置から受信した取引先分類、取引先、ユーザグループ、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限を含む、WebEDIユーザマスタ14の明細データ(レコード)を生成する。
【0079】
なお、後述するが、新規のユーザを登録することで、取引先に対して設定されているユーザ数の上限値を超過する場合(ステップS14:Yes)、表示画面生成部26は、
図23(a)に示すように、例えば「ユーザ数上限を超えてユーザを追加できません」等のエラーメッセージを表示した運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面を生成する。そして、通信制御部21が、このエラーメッセージを表示した運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面を、運営管理者端末装置に送信する。これにより、運営管理者端末装置のユーザは、これ以上の新規なユーザのユーザ登録はできないことを認識し、不要なユーザの削除、又は、ユーザ数の上限値の追加拡大操作等を行うこととなる。
【0080】
次に、ステップS9において、記憶制御部25は、データ生成部23により生成された明細データ(レコード)を、
図18(c)に示すようにWebEDIユーザマスタ14に追加して記憶させる。これにより、例えばY会社の「仕入先実作業担当者」のユーザグループに、ユーザIDが「YJT99」でユーザ名が「Y会社実作業担当者YJT99」のユーザが、「2030年12月31日」をユーザID有効期限として新たに登録される。
【0081】
(取引先による自社の新規ユーザの登録動作)
次に、取引先の一例である仕入先の会社が自社の新規ユーザの登録を行う際の管理装置1の動作を
図19のフローチャートを用いて説明する。この
図19のフローチャートの各処理は、管理装置1の制御部3により、記憶部2に記憶されている管理プログラムに基づいて実行される。すなわち、新規ユーザの登録を行う仕入先の会社のユーザは、仕入先端末装置200を介して管理装置1にログイン要求を行う。これにより、
図19のフローチャートがスタートとなり、ステップS21から順に処理が実行される。
【0082】
ステップS21では、管理装置1の表示画面生成部26が、
図20(a)に例示するログイン画面を生成する。通信制御部21は、このログイン画面を、ログイン要求が行われた仕入先の会社のユーザの仕入先端末装置200に送信する。ログイン要求を行った仕入先の会社のユーザは、仕入先端末装置200の表示画面に表示されるログイン画面に対して、ユーザID及びパスワードを入力する。この入力されたユーザID及びパスワードは、管理装置1に送信される。
【0083】
管理装置1の判別部24は、ログイン画面を介して入力されたユーザIDに基づいて、
図20(b)に例示するWebEDIユーザマスタ14のユーザID有効期限を参照する(ステップS22)。そして、判別部24は、本日の日付が、ユーザID有効期限として設定されている日付を超過しているか否かを判別することで、入力された仕入先の会社のユーザのユーザIDが有効期限切れであるか否かを判別する(ステップS23)。判別部24により、入力されたユーザIDが有効期限切れであると判別された場合(ステップS23:Yes)、その仕入先の会社のユーザはユーザ登録を行う権限は無いため、そのまま
図19のフローチャートの処理が終了となる。
【0084】
これに対して、入力されたユーザIDが有効期限内であると判別された場合(ステップS23:No)、判別部24は、取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面の起動要求の有無を判別する(ステップS24)。そして、取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面の起動要求を検出した場合(ステップS24:Yes)、判別部24は、ステップS25において、ユーザIDに基づいて
図20(c)に示すWebEDIユーザマスタ14を参照することで、その仕入先の会社のユーザが、新規ユーザの登録権限を有する「仕入先管理者」のユーザグループのユーザであるか否かを判別する。「仕入先管理者」のユーザグループのユーザではない場合(ステップS25:No)、その仕入先の会社のユーザはユーザ登録を行う権限は無いため、そのまま
図19のフローチャートの処理が終了となる。
【0085】
「仕入先管理者」のユーザグループのユーザである場合(ステップS25:Yes)、ステップS26に処理が進む。ステップS26では、判別部24が
図21(a)に示すWebEDI取引先マスタ12を参照し、その仕入先のY会社のステータス情報が「有効」であることを確認する。また、判別部24は、
図21(b)に示すWebEDIユーザグループマスタ13を参照することで、取引先分類がログインユーザと同じ「仕入先」で、取引先が管理可能なユーザグループを特定する。この
図21(b)の例の場合、判別部24は、「仕入先実作業担当者」のユーザグループを、ユーザ登録が可能なユーザグループとして特定する。
【0086】
次に、ステップS27では、表示画面生成部26は、
図21(c)に例示する取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面を生成し、通信制御部21が、この取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面を仕入先端末装置200に送信する。
【0087】
仕入先端末装置200の仕入先管理者は、
図21(c)に例示する取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面に基づいて、ユーザ登録が許可されている「仕入先実作業担当者」のユーザグループを選択する。また、仕入先端末装置200の仕入先管理者は、
図21(c)に例示する取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面に対して、新規にユーザ登録を行うユーザのユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限を入力して登録操作を行う。
【0088】
これにより、取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面を介して入力されたユーザグループ、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限の各情報が、仕入先端末装置200から管理装置1に送信され登録要求が行われる。この登録要求が管理装置1で受信されると、管理装置1の判別部24は、登録操作を行われたものと判別し(ステップS28:Yes)、ステップS29に処理が進む。
【0089】
ステップS29では、判別部24が、
図22(a)に示すWebEDIマスタ12を参照し、現在、ユーザ登録の対象となっている会社の「ユーザ数上限」を検出する。この例の場合、判別部24は、
図22(a)に示すように、新規ユーザ登録の対象となっている仕入先であるY会社のユーザ数上限を「10人」として検出する。
【0090】
また、判別部24は、
図22(b)に示すWebEDIユーザマスタを参照し、新規ユーザ登録の対象となっている仕入先における、現在、有効ユーザ数を検出する。
図22(b)の例の場合、判別部24は、新規ユーザ登録の対象となっている仕入先であるY会社における現在の有効ユーザ数として「3人」の有効ユーザ数を検出する。
【0091】
そして、判別部24は、ステップS29において、新規にユーザ登録を行った場合に、有効ユーザ数がユーザ上限値を超過するか否かを判別する。新規にユーザ登録を行うことで、有効ユーザ数がユーザ数上限を超過することとなる場合は(ステップS29:Yes)、ユーザ登録数が規定数を超過することとなるため、表示画面生成部26が、
図23(a)に示すように、例えば「ユーザ数上限を超えてユーザを追加できません」等のエラーメッセージを表示した取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面を生成し、仕入先端末装置200に送信して、
図19のフローチャートの処理を終了する。この場合、仕入先端末装置200の仕入先担当者は、これ以上の新規なユーザのユーザ登録はできないことを認識し、不要なユーザの削除、又は、ユーザ数上限の追加拡大操作等を運営会社側に要求する。このような要求が行われると、運営会社側は、WebEDIマスタ12のユーザ上限数の拡大変更等を行う。これにより、仕入先担当者は、新規なユーザのユーザ登録が可能となる。
【0092】
これに対して、有効ユーザ数がユーザ上限値を超過しない場合(ステップS29:No)管理装置1のデータ生成部23は、仕入先端末装置200から受信したユーザグループ、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限を含む、WebEDIユーザマスタ14の明細データ(レコード)を生成する。
【0093】
記憶制御部25は、ステップS30において、データ生成部23により生成された明細データ(レコード)を、
図23(b)に示すようにWebEDIユーザマスタ14に追加して記憶させる。これにより、例えば仕入先となるY会社の「仕入先実作業担当者」のユーザグループに、ユーザIDが「YJT99」でユーザ名が「Y会社実作業担当者YJT99」のユーザが、「2030年12月31日」をユーザID有効期限として新たに登録される。
【0094】
(取引先の無効動作)
次に、運営会社管理者が取引先のステータスを「無効」にすることで、その取引先のユーザを一括して無効にする動作を、
図24のフローチャートを用いて説明する。この
図24のフローチャートの各処理は、管理装置1の制御部3により、記憶部2に記憶されている管理プログラムに基づいて実行される。
【0095】
すなわち、取引先のステータスを「無効」にするユーザは、管理者端末装置を介して管理装置1にログイン要求を行う。これにより、
図24のフローチャートがスタートとなるが、ログイン画面に入力されたユーザIDに基づいてユーザ有効期限の超過の有無を判別するまでの、ステップS1~ステップS3の動作は、
図13のフローチャートのステップS1~ステップS3の動作と同じ動作である。このため、ステップS1~ステップS3の詳細な動作の説明は、
図13のフローチャートのステップS1~ステップS3の動作の説明を参照されたい。
【0096】
次に、ユーザID有効期限が有効期限内であると判別されることで(ステップS3:No)、ステップS11に処理が進むと、表示画面生成部26は、管理者端末装置からの、
図9に例示した取引先マスタメンテナンス画面の起動要求の有無を判別する。そして、管理者端末装置から、取引先マスタメンテナンス画面の起動要求が行われると(ステップS11:Yes)、判別部24は、ステップS5において、ログイン要求時のユーザIDに基づいて、現在、取引先マスタメンテナンス画面の起動要求を行っているユーザは、「運営会社管理者」のユーザグループのユーザであるか否かを判別する。
【0097】
現在、取引先マスタメンテナンス画面の起動要求を行っているユーザが、「運営会社管理者」のユーザグループのユーザではない場合(ステップS5:No)、取引先のステータスを「無効」にする権限を有するユーザではないため、そのまま
図24のフローチャートの処理が終了となる。
【0098】
これに対して、現在、取引先マスタメンテナンス画面の起動要求を行っているユーザが、「運営会社管理者」のユーザグループのユーザである場合(ステップS5:Yes)、表示画面生成部26が、
図9に例示した取引先マスタメンテナンス画面を生成し、通信制御部21が、この取引先マスタメンテナンス画面を管理者端末装置に送信する(ステップS12)。
【0099】
「運営会社管理者」のユーザは、
図9に例示する取引先マスタメンテナンス画面に基づいて、取引先分類、取引先名及びユーザ上限を指定し、ステータスを「無効」とする。
図24のフローチャートのステップS41では、ステータス設定部27が、このような無効操作の有無を判別する。そして、ステータス設定部27は、無効操作を検出すると(ステップS41:Yes)、ステップS42において、取引先マスタメンテナンス画面で指定された取引先のステータスを「無効」とするステータス情報を生成する(=取引先のステータスを「無効」に設定する)。
【0100】
記憶制御部25は、「無効」のステータス情報が生成されると、
図25(a)に示すように例えば仕入先となっていたX会社のステータス情報を「無効」に更新処理する。これにより、X会社は、EDIシステムの利用が制限される。
【0101】
また、これと共に、ステータス設定部27は、ステップS43において、ステータス情報が「無効」とされた取引先であるX会社の全ユーザグループに所属する全ユーザに対するユーザID有効期限として、有効期限切れの日付のユーザID有効期限を生成する。記憶制御部25は、生成された有効期限切れの日付のユーザID有効期限を、
図25(b)に示すように、X会社の全ユーザグループの全ユーザのユーザID有効期限として入力する。
【0102】
これにより、ステータスを「無効」としたX会社の全ユーザグループの全ユーザのユーザID有効期限を、一括して有効期限切れに更新してEDIシステムの利用を制限できる。運営会社が取引先に対する取引を無効にしても、取引先に所属する各ユーザが無効化されない場合、本来、EDIシステムを利用できないはずのユーザが、引き続き利用可能となる不都合を生ずる。しかし、実施の形態の管理装置1は、このような不都合を防止して、「無効」とされた取引先の各ユーザによりEDIシステムの利用を制限できる。
【0103】
(実施の形態の効果)
管理装置1を介してEDIシステムを提供する運営会社は、取引先の管理と同時に取引先に所属するユーザの管理も行う必要があり、運営会社の管理コストが非常に大きい。また、取引先は、ユーザの追加、修正、削除を行う場合、これを運営会社に依頼する必要があり、ユーザ設定の正確性及びリアルタイム性に問題がある。
【0104】
また、運営会社が取引先のステータスを無効にしても、取引先に所属する各ユーザが無効化されない場合、本来、EDIシステムを利用できないはずのユーザが、引き続き利用可能となる不都合を生ずる。また、運営会社の設定ミスで、本来登録するはずの取引先とは異なる取引先に関連づけてユーザ登録を行った場合、このユーザは、自分が所属していない取引先の取引先情報の閲覧等が可能となる不都合を生ずる。
【0105】
ここで、運営会社が1社で管理を行うことが困難であるため、各取引先にもユーザ管理権限を委託することを考える。しかし、ユーザ管理権限を無条件で取引先に委託すると、委託された取引先はユーザ管理権限に制限がないため、他の取引先のユーザまで管理が可能となる不都合を生ずる。また、委託された取引先は、無制限にユーザを登録できるため、年月の経過と共に在籍しないユーザが多く登録されている状態となり、セキュリティリスクが高くなる不都合を生ずる。このため、取引先に対して制限的なユーザ管理権限の委託を行う必要がある。
【0106】
このようなことから、実施の形態の管理装置1は、正規のユーザ権限を有する有効期限を示す有効期限情報を含むユーザ情報の登録又は編集を行うユーザ管理権限を、取引先に設定する。これにより、取引先毎にユーザ管理権限を委託することができ、管理装置1の運営会社が管理する電子商取引システムの管理コストを軽減できる。また、信用のある取引先に対してユーザ管理権限を委託できるため、管理コストの分散を安全に行うことができる。また、ユーザ管理権限を委託された取引先は、取引先自身でユーザ管理を行うことができるため、正確かつリアルタイムにユーザ管理を行うことができる。
【0107】
また、ユーザ管理権限は、各取引先の所望のユーザグループの管理者毎又は担当者毎に設定できる。これにより、所望のユーザグループの管理者又は担当者に対してユーザ管理権限を委託することができ、管理コストの細かな分散設定、及び、さらなる安全性の向上を図ることができる。
【0108】
また、新規に登録可能なユーザの登録数の上限を取引先毎に設定できるため、例えば取引先が無制限にユーザ登録を行うことで、年月の経過と共に在籍しないユーザが多く登録されている状態となり、セキュリティリスクが高くなる不都合を防止できる。
【0109】
また、取引先単位で、EDIシステムを利用する権限の「有効」又は「無効」を示すステータスを付して管理している。そして、取引先のステータスを「無効」とした場合には、この取引先に所属する各ユーザのユーザID有効期限を「有効期限切れ」に更新してEDIシステムを利用する権限を無効化する。これにより、取引先のステータスを「無効」とすることで、この取引先に所属する各ユーザの、EDIシステムを利用する権限も一括して無効化でき、管理コストをさらに軽減できる。また、運営会社のユーザ管理ミスが生じた場合でも、セキュリティリスクを軽減できる。
【0110】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0111】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0112】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0113】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0114】
例えば、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0115】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0116】
また、管理装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0117】
例えば、管理装置1が備える処理機能、特に制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、各実施の形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて管理装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3又は制御部43を構成する。
【0118】
また、この管理装置1の管理プログラムは、管理装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0119】
また、各実施の形態で説明した処理を実行するための管理プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0120】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した管理装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0121】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0122】
また、管理装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0123】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能付加に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明は、ネットワークを介して商取引を行う業種であれば、どのような業種にも適用可能である。
【符号の説明】
【0125】
1 運営会社の管理装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
8 ネットワーク
9 ネットワーク
11 WebEDI取引先分類マスタ
12 WebEDI取引先マスタ
13 WebEDIユーザグループマスタ
14 WebEDIユーザマスタ
21 通信制御部
22 ユーザ管理権限設定部
23 データ生成部
24 判別部
25 記憶制御部
26 表示画面生成部
27 ステータス設定部
80 運営会社のバックヤード環境を構成する端末装置
81 通信インターフェース部
82 データ管理用の業務データの記憶部
90 運営会社のフロント環境とバックヤード環境を接続する連携ツール
100 得意先の端末装置
200 仕入先の端末装置