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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175532
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】三角形状ケーキの組立式包装ケース
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/36 20060101AFI20231205BHJP
   B65D 5/02 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
B65D85/36 300
B65D5/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088017
(22)【出願日】2022-05-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年4月8日に店舗「ede CHEESECAKE」にて販売を開始した。 〔刊行物等〕 令和4年4月20日にwebサイトにて情報を公開した。 〔刊行物等〕 令和4年4月20日にwebサイトにて情報を公開した。 〔刊行物等〕 令和4年4月22日にwebサイトにて情報を公開した。 〔刊行物等〕 令和4年5月20日にwebサイトにて情報を公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】522171394
【氏名又は名称】森山 勇士
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】森山 勇士
【テーマコード(参考)】
3E060
3E096
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA05
3E060DA23
3E060EA13
3E096AA01
3E096BA28
3E096CA03
3E096EA01X
3E096FA08
3E096FA27
3E096GA01
(57)【要約】
【課題】略二等辺三角形状のカットケーキの単体形状に合わせ個別に包装可能とした三角形状ケーキの組立式包装ケースを提供することを目的とする。
【解決手段】略二等辺三角形の天板と、天板と同じく略二等辺三角形の底板と、天板の斜辺のいずれか一方に長手辺のいずれか一方を連ねる一側方形状斜面板と、天板の他方斜辺と底板の斜辺のいずれか一方の各々に挟まれ長手辺を連ねる他側方形状斜面板と、天板又は底板の三角形底辺に連なり略二等辺三角形状のケーキの三角形底辺側に対応する外周面板と、一側方形状斜面板の他方長手辺又は底板の斜辺の他方に連なる差込み代部と、底板の他方斜辺又は一側方形状斜面板の他方長手辺に連なる方形状斜面板受け代部と、方形状斜面受け代部の底板又は一側方形状斜面板との連なる部分に設けられた差込み代部を挿入係合するためのスリット部と、からなる包装ケース板紙を折り曲げ立体形状に組み立て可能にした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略二等辺三角形状にカットされたケーキ単体を個別に包装する三角形状ケーキの組立式包装ケースであって、
略二等辺三角形の天板と、
前記天板と同じく略二等辺三角形の底板と、
前記天板の斜辺のいずれか一方に長手辺のいずれか一方を連ねる一側方形状斜面板と、
前記天板の他方斜辺と前記底板の斜辺のいずれか一方の各々に挟まれ長手辺を連ねる他側方形状斜面板と、
前記天板又は前記底板の三角形底辺に連なり略二等辺三角形状のケーキの三角形底辺側に対応する外周面板と、
前記一側方形状斜面板の他方長手辺又は前記底板の斜辺の他方に連なる差込み代部と、
前記底板の他方斜辺又は前記一側方形状斜面板の他方長手辺に連なる方形状斜面板受け代部と、
前記方形状斜面受け代部の前記底板又は前記一側方形状斜面板との連なる部分に設けられた前記差込み代部を嵌入するためのスリット部と、
からなる包装ケース板紙を折り曲げ立体形状に組み立て可能にしたことを特徴とする三角形状ケーキの組立式包装ケース。
【請求項2】
前記一側方形状斜面板短手辺のいずれか一方に連なり前記外周面板を受ける第一受け代部と、
前記他側方形状斜面板の短手辺のいずれか一方に連なり前記外周面板を受ける第二受け代部と、
前記一側方形状斜面板の他方短手辺又は前記他側方形状斜面板の他方短手辺に連なり、
組立て状態において前記他側方形状斜面板の他方短手辺又は一側方形状斜面板の他方短手辺を受ける頂部受け代部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載された三角形状ケーキの組立式包装ケース。
【請求項3】
略二等辺三角形状又は略扇状に形成し、三角形状の底辺部又は扇状の円周部の略中央に略方形状の舌片を延設した台紙を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された三角形状ケーキの組立式包装ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、略三角形状にカットされたケーキ単体を収納可能な三角形状ケーキの組立式包装ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、円盤状に成形されたホールケーキを中心に向かって多数切断して略二等辺三角形のケーキ単体(以下、カットケーキという)として陳列と販売とを行っている。店舗においてカットケーキを売り渡す際としては、特許文献1に記載されているような立体方形状の箱に収納して渡すことが多い。
【0003】
しかしながら、持ち運ぶ際に立体方形状の箱に収納されたカットケーキは箱の内部にて揺動自在な状態であり、箱の内壁や複数収納されたカットケーキ同士と接触し型崩れを起こす虞がある。そのため、多くの店舗では、収納したカットケーキと箱の内部空間との隙間に紙製の仕切りや箱体を箱の底部に固定させカットケーキの揺動を抑制させる方法がとられている。
【0004】
収納したカットケーキと箱の内部空間との隙間に紙製の仕切り等を用いた方法は、カットケーキの緩衝材の役割も担い、確実にカットケーキを振動から保護することができる反面、販売時の手間がかかる問題や、上手く仕切り等を固定できていない場合にカットケーキと共に揺動してしまうため効果が得られない場合があった。
【0005】
そこで、特許文献2及び特許文献3には、包装用箱の内部に滑り止めを設けて、収納したカットケーキの揺動を抑制せんとする技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3172021号公報
【特許文献2】特開2007-76731号公報
【特許文献3】特開2010-95299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2及び特許文献3に記載された箱又は台紙は、天然ゴムや摩擦抵抗の大きい金属や特殊なインクを用いて箱の素材となる紙に加工を施すことで滑り止めを設けている。このような加工を施すことで、箱内部でのカットケーキの揺動を可及的に抑制することができる。
【0008】
しかしながら、箱の素材となる紙に特殊な加工を施す必要があるため、製造に係るコストが高くなる虞がある。また、滑り止めは、紙とは別素材であるために廃棄時の分別等の手間がかかる虞がある。
【0009】
さらに、滑り止めによりカットケーキの底部を固定する方法としているものの、大きな揺れには当然に耐えることができず、箱内部で転倒したり複数のカットケーキ同士が接触したりする虞が十分に解消できるものではなかった。
【0010】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、略二等辺三角形状のカットケーキの単体形状に合わせ個別に包装可能とした三角形状ケーキの組立式包装ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記従来の課題を解決するために、略二等辺三角形の天板と、天板と同じく略二等辺三角形の底板と、天板の斜辺のいずれか一方に長手辺のいずれか一方を連ねる一側方形状斜面板と、天板の他方斜辺と底板の斜辺のいずれか一方の各々に挟まれ長手辺を連ねる他側方形状斜面板と、天板又は底板の三角形底辺に連なり略二等辺三角形状のケーキの三角形底辺側に対応する外周面板と、一側方形状斜面板の他方長手辺又は底板の斜辺の他方に連なる差込み代部と、底板の他方斜辺又は一側方形状斜面板の他方長手辺に連なる方形状斜面板受け代部と、方形状斜面受け代部の底板又は一側方形状斜面板との連なる部分に設けられた差込み代部を挿入係合するためのスリット部と、からなる包装ケース板紙を折り曲げ立体形状に組み立て可能にしたことに特徴を有する。
【0012】
また、一側方形状斜面板の短手辺のいずれか一方に連なり外周面板を受ける第一受け代部と、他側方形状斜面板の短手辺のいずれか一方に連なり外周面板を受ける第二受け代部と、一側方形状斜面板の他方短手辺又は他側方形状斜面板の他方短手辺に連なり、組立て状態において他側方形状斜面板の他方短手辺又は一側方形状斜面板の他方短手辺を受ける頂部受け代部と、を備えたことにも特徴を有する。
【0013】
また、略二等辺三角形状又は略扇状に形成し、三角形状の底辺部又は扇状の円周部の略中央に略方形状の引出し用舌片を延設した台紙を備えたことにも特徴を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る三角形状ケーキの組立式包装ケースによれば、略二等辺三角形状のカットケーキの外形全体を個別に包装することができることになり、個別に包装したカットケーキを複数個大きな包装用箱内に収納したとしても、揺動による衝撃からカットケーキを保護することができ組立式包装ケース中での型崩れを防止することができる。
【0015】
また、組立式包装ケースは、組立て状態をカットケーキの外形に沿った略二等辺三角柱状としているため、大きな包装用箱に複数個収納した際にできる隙間が決まった形状で形成されるため、緩衝材として仕切りや箱体等を用いる際の手間を減らすことができる。
【0016】
また、揺動により包装用箱の中に複数個収納された組立式包装ケース同士が衝突してしまったとしても、予めカットケーキの外形に沿った組立式包装ケースが緩衝し合い組立式包装ケース内に収納されたカットケーキの型崩れを防止することができる。
【0017】
また、包装用箱に複数の組立式包装ケースを収納した場合に、従来の販売形態と異なり、カットケーキを個々に包装しているため、取り出す際に組立式包装ケースを掴むことができる取り出しやすくなる効果がある。
【0018】
また、カットケーキを冷蔵保存する際にも、従来は大きな包装箱ごと保存するか皿等に取り分けて保存する必要があったが、組立式包装ケースがカットケーキを個々に包装しているため冷蔵庫での省スペース化や皿に移す手間が省ける利点がある。
【0019】
また、組立式包装ケースは、カットケーキを個々に包装しているため、組立式包装ケースを持ち帰り用の箱とすることができ、カットケーキを一つだけ買う際にも消費者心理として買いやすく販売促進につながる効果がある。
【0020】
また、組立式包装ケースは、板紙を折り曲げ組立てを可能としているため、平な板紙状態で搬送保管が行えると共に、組立てが店舗での使用時に容易なため商品の受け渡し時にかかる時間を低減することができる。
【0021】
また、カットケーキを個々に組立式包装ケース内部に収納するため、カットケーキ一つ一つに付加価値を上げることができ、商品としてのイメージに高級感を与えると共に販売促進の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る組立式包装ケースの展開状態を示す模式的平面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る組立式包装ケースの組立て状態を示す模式的斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る組立式包装ケースの使用状態を示す模式的斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る組立式包装ケースの組立て手順を示す模式的斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係る組立式包装ケースの組立て手順を示す模式的斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係る組立式包装ケースの組立て手順を示す模式的斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係る組立式包装ケースの組立て手順を示す模式的斜視図である。
図8】他の実施形態に係る組立式包装ケースの展開状態を示す模式的平面図である。
図9】本発明の一実施形態に係る組立式包装ケースを箱体に収納した状態を示す模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明の要旨は、略二等辺三角形の天板と、天板と同じく略二等辺三角形の底板と、天板の斜辺のいずれか一方に長手辺のいずれか一方を連ねる一側方形状斜面板と、天板の他方斜辺と底板の斜辺のいずれか一方の各々に挟まれ長手辺を連ねる他側方形状斜面板と、天板又は底板の三角形底辺に連なり略二等辺三角形状のケーキの三角形底辺側に対応する外周面板と、一側方形状斜面板の他方長手辺又は底板の斜辺の他方に連なる差込み代部と、底板の他方斜辺又は一側方形状斜面板の他方長手辺に連なる方形状斜面板受け代部と、方形状斜面受け代部の底板又は一側方形状斜面板との連なる部分に設けられた差込み代部を嵌入するためのスリット部と、からなる包装ケース板紙を折り曲げ立体形状に組み立て可能にしたことにある。
【0024】
また、一側方形状斜面板の短手辺のいずれか一方に連なり外周面板を受ける第一受け代部と、他側方形状斜面板の短手辺のいずれか一方に連なり外周面板を受ける第二受け代部と、一側方形状斜面板の他方短手辺又は他側方形状斜面板の他方短手辺に連なり、組立て状態において他側方形状斜面板の他方短手辺又は一側方形状斜面板の他方短手辺を受ける頂部受け代部と、を備えたことにも特徴を有する。
【0025】
また、略二等辺三角形状又は略扇状に形成し、三角形状の底辺部又は扇状の円周部の略中央に略方形状の引出し用舌片を延設した台紙を備えたことにも特徴を有する。
【0026】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係る三角形状ケーキの組立式包装ケースの一実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0027】
図1は、本実施形態に係る組立式包装ケースMの構成を示す展開状態の模式的平面図である。図2は、本実施形態に係る組立式包装ケースMの組立完了の状態を示す模式的斜視図である。図3は、本実施形態に係る組立式包装ケースMの使用状態を示す模式的斜視図である。図4図7は、本実施形態に係る組立式包装ケースMの組立て手順を示す模式的斜視図である。図8は、他の実施形態に係る組立式包装ケースMの構成を示す展開状態の模式的平面図である。図9は、本実施形態に係る組立式包装ケースMを大きな箱体Bに複数収納した場合を示す模式的平面図である。
【0028】
[1.組立式包装ケースの構成について]
本実施形態に係る組立式包装ケースMは、図2及び図3に示すように、組み立て状態において、略二等辺三角形立体状に形成されている。すなわち、収納対象となるカットケーキCは、円盤状のケーキ(ホールケーキ)を中心に向かって切断することにより、略二等辺三角方形状のケーキ単体(カットケーキC)が形成されるものである。(なお、カットケーキCの形状を示す略二等辺三角方形状とは、カットケーキCの湾曲外周面を半円弧状とした略二等辺三角の方形状としている。)そのため、本発明の組立式包装ケースMは、この外周面半湾曲の二等辺三角形状のカットケーキCを収納できるように構成したケースに係るものである。
【0029】
したがって、本実施形態に係る組立式包装ケースMは、略二等辺三角方形状のカットケーキCに対応した面板200をそれぞれ連結接続して、その各接続線400部分を折曲して組立てることにより完成される。そのためには、組立式包装ケースMの板紙100としてカットケーキCの各面に対応する五面に面取りをすることで形成される。
【0030】
具体的に板紙100は、図1に示すように、天板210と底板220と一側方形状斜面板230と他側方形状斜面板240と外周面板250との五枚の面板200により形成されている。
【0031】
組立式包装ケースMの天井部に該当する面としては、図1図3に示すように、二等辺三角形に形成された天板210が対応する。この天板210は、カットケーキCを平面視で見た際の略二等辺三角形よりもやや大きいものとしている。
【0032】
組立式包装ケースMの底面部に該当する面としては、天板210と同様に二等辺三角形に形成された底板220が対応する。この底板220は、天板210と同一の形状且つ同一の大きさとしている。
【0033】
組立式包装ケースMの一側方及び他側方の面(略二等辺三角形状のカットケーキCの斜辺側に対応する二つの側面)に該当する面としては、一側方形状斜面板230及び他側方形状斜面板240が対応する。この一側方形状斜面板230及び他側方形状斜面板240は、両方とも同一形状且つ同一の大きさの長方形としている。また、長方形の長手辺231、241は、天板210及び底板220の斜辺211、221と同じ長さとし、短手辺232、242は、カットケーキCの高さよりもやや長いものとしている。
【0034】
組立式包装ケースMの二等辺三角形の底辺側に該当する面としては、カットケーキCの外周側面(略二等辺三角形状のカットケーキCの外周半円弧面に対応する側面)に対する外周面板250が対応する。この外周面板250の長手辺251は、天板210及び底板220の底辺212、222と同じ長さとし、短手辺252は、カットケーキCの高さよりもやや長く、一側方形状斜面板230及び他側方形状斜面板240の短手辺232、242と同じ長さとしている。
【0035】
上記した天板210と底板220と一側方形状斜面板230及び他側方形状斜面板240と外周面板250とにより、略二等辺三角形方形状のカットケーキCの五面を被覆する。
【0036】
これらの天板210、底板220、一側方形状斜面板230及び他側方形状斜面板240は、立体形状の組立式包装ケースMの板紙100とするためにそれぞれ接続されており、さらに接続部分である接続線400は折曲自在に接続されている。
【0037】
すなわち、二等辺三角形とした天板210の斜辺211の一側縁は、一側方形状斜面板230の長手辺231の一側縁と折曲自在に接続されている。さらに、天板210の斜辺211の他側縁は他側方形状斜面板240の長手辺241の一側縁と折曲自在に接続されている。
【0038】
また、二等辺三角形とした底板220の斜辺221の一側縁は、他側方形状斜面板240の長手辺241の他側縁と折曲自在に接続されている。さらに、二等辺三角形とした底板220の底辺222の縁部には、外周面板250の長手辺251の一側縁と折曲自在に接続されている。
【0039】
以上により、組立式包装ケースMの五面(展開状態における板紙100)は、それぞれ折曲自在に接続された五枚の面板200により構成されている。
【0040】
さらに、これらの五枚の面板200には、所定の縁部に組立てのための組立代部300が折曲自在に接続されている。
【0041】
すなわち、一側方形状斜面板230及び他側方形状斜面板240の短手辺232、242の一側縁には、それぞれ第一受け代部310及び第二受け代部320が折曲自在に接続されている。具体的には二等辺三角形とした天板210及び底板220の二つの斜辺211、221により作られる頂点に対して反対側に位置する側の縁部に接続される。
【0042】
この第一受け代部310及び第二受け代部320は、略方形状であり、組立て組立作業する際に天板210側となる辺の角部には後述するケース開口代部330を挿入組立てしやすいように切欠部311、321を設けている。
【0043】
また、一側方形状斜面板230又は他側方形状斜面板240の短手辺232、242の他側縁には略方形状の頂部受け代部340が折曲自在に接続されている。具体的には、二等辺三角形とした天板210及び底板220の二つの斜辺211、222により作られる頂点側の縁部に接続され、一側方形状斜面板230に接続された際には、組立て時に他側方形状斜面板240を受けることとなる。
【0044】
また、底板220の斜辺222の他側縁(他側方形状斜面板240と反対側)には、略方形状とした方形状斜面板受け代部360が折曲自在に接続されている。また、方形状斜面板受け代部360の対向位置にある一側方形状斜面板230の長手辺231の他側縁には、方形状の差込み代部350を折曲自在に接続している。この差込み代部350は、後述する方形状斜面板受け代部360に設けられるスリット部361に嵌入するために、スリット部361の長さよりも長手辺351を短い長さとしている。
【0045】
また、外周面板250の長手辺251の他側縁(底板220側と反対側)には、ケース開口代部330が折曲自在に接続されている。
【0046】
上述した面板200及び組立代部300を互いに接続した板紙100からなる組立式包装ケースMには、別途にカットケーキCの三角形底面を載置可能な台紙500が備えられている。
【0047】
すなわち、台紙500は、図3及び図7に示すように、底板220と略相似形状(具体的には、底板220よりもやや小さく且つカットケーキCよりもやや大きいものとしている)の略二等辺三角形状に形成している。この台紙500は、組立てした組立式包装ケースM中にカットケーキCを収納する際や組立式包装ケースMからカットケーキCを取り出す際に載置される台紙500ごと収納又は引出し操作を行うように構成している。また、二等辺三角形とした台紙500の底辺の縁部には収納又は引出し操作を行うために方形状の舌片510を延設している。
【0048】
また、底板220と方形状斜面板受け代部360との接続線400部分は、図4図7に示すように、当然に折曲自在であるが、その接続線400の中央部には一定の長さを有したスリット部361を設けている。このスリット部361には組立式包装ケースMの組立状態において一側方形状斜面板230の長手辺231の他側縁に接続した差込み代部350が嵌入自在としている。
【0049】
すなわち、本実施形態に係る組立式包装ケースMの組立てを行った際に、該スリット部361中に差込み代部350を嵌入し外周面板250を折曲すると共に第一受け代部310、第二受け代部320及び頂部受け代部340を内方に折曲してケース開口代部330を組立てケース内に差し込むことにより組立式包装ケースMの組立てが完了するものであり、これらの各面板200及び組立代部300の折曲組立てにおいてスリット部361と差込み代部350との嵌入操作は本実施形態の組立式包装ケースMの組立て完了を意味する。
【0050】
換言すれば、このスリット部361と差込み代部350との嵌入が組立式包装ケースMの三角形状(立体形状)の固定の要となり、他の面板200や各組立代部300の接着固定を必要とすることがなく三角形状ケーキ(カットケーキC)収納用の包装箱に組上がるものである。
【0051】
なお、本実施形態では、頂部受け代部340や第一受け代部310や第二受け代部320は必須の部材ではなくこれらの部材のいくつかは無くても(図8を参照)カットケーキCの組立式包装ケースMに組上げることができるものであるが、上記した全部材の組立要素により組立てることがカットケーキC収容の箱体ケースとして頑丈であり且つ外観的スマートとなる。
【0052】
[2.組立式包装ケースの使用方法及び効果について]
次に、本実施形態に係る組立式包装ケースMの使用方法及び効果について図面に基づいて説明する。
【0053】
組立式包装ケースMは、上述したように、カットケーキCの外形に対応する五枚の面板200と面板200に接続された組立代部300からなる板紙100を折曲組立てることで包装ケースとして使用することができる。
【0054】
組立式包装ケースMの組立て方法としては、図1及び図4に示しように、平らに展開された板紙100の状態から各接続線400を折曲させることで行う。
【0055】
具体的には、図5に示すように、底板220、外周面板250、ケース開口代部330及び方形状斜面板受け代部360以外を順々に折曲させていく。このとき上方に向けた面を組立完了時の内部側となるように他側方形状斜面板240を起こすようにして折曲させ、その他の面板200である天板210及び一側方形状斜面板230も同様の方向に折曲させる。
【0056】
このように折曲させていくことで、一側方形状斜面板230は底板220の斜辺222の他側縁側に連なる状態となる。このとき底板220の斜辺222の他側縁接続された方形状斜面板受け代部360を、図6に示すように、立ち上げるようにして折曲させる。方形状斜面板受け代部360に設けたスリット部361に一側方形状斜面板230に接続された差込み代部350を折曲嵌入させる。
【0057】
このスリット部361に差込み代部350を折曲させつつ嵌入させる際に、天板210に接続された頂部受け代部340をケース内方へ折り込むようにする。このような手順により、平面の板紙100状態から立体形状の組立式包装ケースMへとすることができる。
【0058】
台紙500は、図7に示すように、外周面板250を折曲させる前の状態、すなわち、組立式包装ケースMの一部が開口を有した状態で組立式包装ケースMの内部に収納される。このとき、このとき図3に示すように、収納対象となるカットケーキCを載置させる。そのため台紙500は、カットケーキCの底面部よりも大きく組立式包装ケースMの底部(底板220)よりも小さいものとすることで収納を可能にしている。
【0059】
また、カットケーキCを載置させた状態で組立式包装ケースMの内部に台紙500を収納させる際には、台紙500の三角形底辺部に設けられた舌片510を把持して収納を行う。
【0060】
組立式包装ケースMの内部にカットケーキC及び台紙500を収納させ、残りの外周面板250、ケース開口代部330、第一受け代部310及び第二受け代部320を折曲させすべての組立てを完了させることができる。
【0061】
具体的には、第一受け代部310及び第二受け代部320をケース内方側へ折曲させたのち外周面板250を立ち上げるように折曲させると共にケース開口代部330を折曲させつつ第一受け代部310及び第二受け代部320の切欠部311、321の形成する隙間からケース内部に挿入させる。
【0062】
以上の手順で組立式包装ケースMの組立て及びカットケーキCの収納を行うことができる。すなわち、組立式包装ケースMは、簡単な折曲動作で平坦の板紙100から立体形状へ組立てを完了させることができる。
【0063】
組立式包装ケースMは、平坦な板紙100の状態と立体的な組立て状態とを簡単な動作で行うことができることで、運搬や保管時には平坦な板紙100状態で行うことができ、必要時には速やかに組立てすることができる。
【0064】
また、組立式包装ケースMは、カットケーキCを単体で包装することができるため、カットケーキC一つ一つに付加価値を上げ、高級感を与え販売促進の効果を得ることができる。さらに、単体でカットケーキCを包装することで、消費者心理としてカットケーキCを一つから購入しやすくなる効果がある。
【0065】
また、図9に示すように、複数個のカットケーキCをそれぞれ組立式包装ケースMに収納させて、それらを大きな箱体Bに収納させた場合にも、それぞれの組立式包装ケースMが内部に収納されたカットケーキCを持ち運びによる揺動や衝撃から保護し、カットケーキCの型崩れを防止することができる。
【0066】
また、組立式包装ケースMは、二等辺三角形方形状としていることで、箱体Bに収納させた際に、生起する間隙が決まった形状となるため、間隙を埋めるための仕切り等の詰物Fを入れる際に事前に用意することができ、より揺動や衝撃に強い収納状態を実現させることができる。
【0067】
また、従来までの大きな方形状包装箱にケーキを直に収納させた際には、包装箱から取り出す際にケーキ形状を崩さないように慎重に取り出す必要があったが、組立式包装ケースMにカットケーキCを収納させることで、箱体Bからの取り出しに型崩れを心配する必要がなくなる効果がある。
【0068】
また、従来のケーキ包装方法では、一度で食べきれなかったケーキを冷蔵庫で保存する際に、大きな包装箱のまま保存を行うか皿等に移し替えて保存を行うかを選択することが多い。しかしながら、前者では、冷蔵庫内のスペースを圧迫することとなるし、後者では、皿に移し替える手間や洗い物の手間が増える等の欠点がある。そこで組立式包装ケースMは、カットケーキCの外形に沿ったコンパクトな包装状態であるため、組立式包装ケースMごと冷蔵庫で保管する際に上述したような欠点がなくなる優位性がある。
【0069】
上述した実施形態の説明は本の一例であり、本発明は上述の実施形態に限定されることはない。このため、上述した実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。また、上述した各種効果は、本発明から生じる好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0070】
M 組立式包装ケースM
100 板紙
200 面板
210 天板
211 斜辺(天板)
212 底辺(天板)
220 底板
221 斜辺(底板)
222 底辺(底板)
230 一側方形状斜面板
231 長手辺(一側方形状斜面板)
232 短手辺(一側方形状斜面板)
240 他側方形状斜面板
241 長手辺(他側方形状斜面板)
242 短手辺(他側方形状斜面板)
250 外周面板
251 長手辺(外周面)
252 短手辺(外周面)
300 組立代部
310 第一受け代部
311 切欠部(第一受け代部)
320 第二受け代部
321 切欠部(第二受け代部)
330 ケース開口代部
340 頂部受け代部
350 差込み代部
351 長手辺(差込み代部)
360 方形状斜面板受け代部
361 スリット部
400 接続線
500 台紙
510 舌片
C カットケーキ
B 箱体
F 詰物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9