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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175534
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】プラント管理システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20231205BHJP
【FI】
G05B23/02 301V
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088021
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 真治
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA05
3C223BA02
3C223CC02
3C223EB01
3C223FF09
3C223FF16
3C223FF17
3C223GG01
3C223HH02
3C223HH08
(57)【要約】
【課題】 煩わしい作業を要せずに、運転日誌と履歴データとが関連付けられることにより、従来よりもプラント管理の効率の向上を図ることができる、プラント管理システムを提供する。
【解決手段】 プラント管理システムは、プラント運転に関する連絡事項を含む日誌文章を記録する運転日誌機能を有する日誌装置と、プラント運転で取得されるプロセスデータを管理しており、日誌装置との間で情報の送受信を行うことにより、日誌装置との間で連携した所定の第1動作を行うプロセスデータ管理装置と、プラント運転で取得されるアラーム履歴データと操作履歴データとを管理しており、日誌装置との間で情報の送受信を行うことにより、日誌装置との間で連携した所定の第2動作を行う履歴データ管理装置と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラント運転に関する連絡事項を含む日誌文章を記録する日誌機能を有する日誌装置と、
前記プラント運転で取得されるプロセスデータを管理しており、前記日誌装置との間で情報の送受信を行うことにより、前記日誌装置との間で連携した所定の第1動作を行うプロセスデータ管理装置と、
前記プラント運転で取得されるアラーム履歴データと操作履歴データとを管理しており、前記日誌装置との間で情報の送受信を行うことにより、前記日誌装置との間で連携した所定の第2動作を行う履歴データ管理装置と、
を備える
ことを特徴とするプラント管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載のプラント管理システムにおいて、
前記プロセスデータ管理装置は、
プラントにおいて配設されている計測器を識別する識別情報を管理しており、
前記日誌装置は、前記所定の第1動作として、
前記日誌装置において、前記日誌文章がフリーフォーマットで入力されたときは、前記日誌文章中に、前記プロセスデータ管理装置において管理されている前記識別情報が含まれているか否かを検索する第1工程と、
前記第1工程において、前記日誌文章内に前記識別情報が含まれているときには、前記日誌文章内における前記識別情報に対して、所定の操作機能を設定する第2工程と、
を実施することを特徴とするプラント管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載のプラント管理システムにおいて、
前記履歴データ管理装置は、
前記識別情報と前記プロセスデータとを有する、複数のアラーム履歴データと複数の操作履歴データとを用いて構成される履歴データを管理しており、
前記履歴データは、
前記履歴データ管理装置において、一覧表データとして管理されており、
前記日誌装置は、前記所定の第2動作として、
前記日誌文章の入力用の画面が表示されたときに、前記履歴データ管理装置において管理されている前記一覧表データが表示される第3工程と、
前記第3工程において前記一覧表データが表示され、表示された前記一覧表データの中から前記履歴データのいずれかが選択されたときは、選択された前記履歴データを前記日誌文章として記録する第4工程と、
前記第4工程において、前記履歴データが前記日誌文章として記録されたときは、記録された前記日誌文章に対してアラームの発生原因及び操作理由の少なくともいずれか一方の追加の入力を受け付ける第5工程と、
を実施することを特徴とするプラント管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載のプラント管理システムにおいて、
前記日誌装置は、
前記第3工程において前記一覧表データが表示され、表示された前記一覧表データの中から前記履歴データのいずれかが選択されたときは、選択された前記履歴データと同一又は類似の過去の履歴データと関連する過去の日誌文章を検索する第6工程と、
前記第6工程において検索された前記過去の日誌文章に基づいて、所定の操作支援画面を表示する第7工程と、
を実施することを特徴とするプラント管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載のプラント管理システムにおいて、
前記プロセスデータ管理装置及び前記履歴データ管理装置の少なくともいずれか一方は、
前記日誌装置における前記日誌機能を利用して、前記日誌文章の入力及び前記所定の操作支援画面の表示の少なくともいずれか一方を行うことが可能である、
ことを特徴とするプラント管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラント運転の管理に利用されるプラント管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、24時間操業を行っているプラントでは、交代勤務における業務引継、トラブル解析および運転ノウハウの承継等のために、運転日誌が作成されている。当該運転日誌(引継簿、申し送り帳など)には、プラント運転に関する各連絡事項(実施された作業内容、プラントで発生した事項、交代勤務のオペレータへの連絡など)が記録される。また、以前は手書きで作成されていた運転日誌も、近年では電子化され、当該電子化された運転日誌の作成が可能な日誌システムも導入されつつある。
【0003】
一方、プラントでは、プロセスデータ管理システムが導入されている。当該プロセスデータ管理システムでは、プラントの運転状況を把握するために、プラントの挙動を表すプロセスデータ(プラントに配設されている各計測器が計測したデータなど)が定期的に自動収集されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-254235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、プラントでは、併せて、アラームデータや操作履歴を管理する履歴データ管理システムが導入されている。オペレータは、当該アラームデータを確認して操作を実施し、当該操作内容を運転日誌へ記録する。記録の際は、アラームや操作内容と合わせて、その操作に至った理由やアラームの発生原因などが記載される。
【0006】
ところで、運転日誌と履歴データとを関連付ける場合には、履歴データの内容を一旦紙などに転記してから運転日誌へ記録する必要があった。しかしながら、当該作業は、多くの手間が必要となり、作業効率の低下を招いていた。また、紙などに転記する際に、省略・簡略化や記載漏れなどが発生していた。
【0007】
一方、履歴データをそのまま操業記録とする方式は存在していた。しかしながら、当該方式では、オペレータによって入力された日誌等の情報(操作に至った理由やアラームの発生原因などの人為的に入力された情報)と、履歴データ管理システム側で取得されたデータとを関連付けることはできなかった。
【0008】
このため、例えば、人的に入力された日誌文章と、プラントから自動収集された履歴データとが、煩わしい作業を要せずに関連付けられ、迅速な記録・閲覧等も可能であれば、作業効率の向上、トラブル発生時の迅速な対応、ノウハウの効率的な引継等が可能となる。
【0009】
そこで、本件開示は、煩わしい作業を要せずに、運転日誌と履歴データとが関連付けられることにより、従来よりもプラント管理の効率の向上を図ることができる、プラント管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様に係るプラント管理システムは、プラント運転に関する連絡事項を含む日誌文章を記録する日誌機能を有する日誌装置と、プラント運転で取得されるプロセスデータを管理しており、日誌装置との間で情報の送受信を行うことにより、日誌装置との間で連携した所定の第1動作を行うプロセスデータ管理装置と、プラント運転で取得されるアラーム履歴データと操作履歴データとを管理しており、日誌装置との間で情報の送受信を行うことにより、日誌装置との間で連携した所定の第2動作を行う履歴データ管理装置と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本件開示によれば、煩わしい作業を要せずに、運転日誌と履歴データとが関連付けられることにより、従来よりもプラント管理の効率の向上を図ることができる、プラント管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係るプラント管理システムの構成例を示す図である。
図2】一実施形態に係るプラント管理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図3】一実施形態に係るプラント管理システムの動作の別の一例を示すフローチャートである。
図4】一覧表データ(アラーム&イベント一覧)の表示例を示す図である。
図5】日誌装置の表示部における表示の一例を示す図である。
図6】一実施形態に係るプラント管理システムの動作の別の一例を示すフローチャートである。
図7】日誌文章に追加して入力されたコメントの一例を示す図である。
図8】一実施形態に係るプラント管理システムの動作の別の一例を示すフローチャートである。
図9図8のフローチャートに示す動作例の活用イメージを示す図である。
図10】操作支援が表示された画面の一例を示す図である。
図11図1から図10に示した実施形態における日誌装置とプロセスデータ管理装置と履歴データ管理装置とが有する処理回路のハードウェア構成例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<一実施形態の構成>
以下、本件開示のプラント管理システムの一実施形態について、図面を用いて説明する。
【0014】
図1は、一実施形態に係るプラント管理システム1の構成例を示す図である。プラント管理システム1は、例えば、石油化学プラント等の化学プラントや、鉄又は紙等の製造プラント等の24時間操業を行っているプラントで利用される。なお、これらのプラントは、例えば、不図示の制御室や監視室等における不図示のDCS(Distributed Control System:分散制御システム)等によって制御される。
【0015】
図1に示すように、プラント管理システム1は、日誌装置10と、プロセスデータ管理装置20と、履歴データ管理装置30とを有する。日誌装置10とプロセスデータ管理装置20とは、信号線41を介して接続され、日誌装置10と履歴データ管理装置30とは、信号線42を介して接続され、プロセスデータ管理装置20と履歴データ管理装置30とは、信号線43を介して接続される。
【0016】
日誌装置10は、プラント運転に関する連絡事項(操作・作業した事項や、プラントにおける運転状況などの連絡すべき事項)を、運転日誌として電子的に管理・記録することができる日誌機能を有する。
【0017】
図1に示すように、日誌装置10は、運転日誌機能部11と、操作部12と、記憶部13と、表示部14とを少なくとも有する。なお、日誌装置10内の運転日誌機能部11と、操作部12と、記憶部13と、表示部14とは、各々通信可能に接続されている。
【0018】
運転日誌機能部11は、日誌文章を作成する際に利用される。なお、運転日誌機能部11は、後述のプロセスデータ管理装置20で管理されている情報や履歴データ管理装置30で管理されている情報と連携して、日誌文章を作成することも可能である。
【0019】
操作部12は、例えば、マウス、キーボード、GUI(Graphical User Interface)形式のタッチパネル等であり、日誌装置10に対してオペレータ(作業者)によって操作が施される場合に利用される。なお、操作部12は、後述のプロセスデータ管理装置20で管理されている情報や履歴データ管理装置30で管理されている情報に対しても、これらの装置と連携して、オペレータ(作業者)によって操作が施される場合に利用されることも可能である。
【0020】
記憶部13は、運転日誌における各日誌シートの日誌文章等の情報である日誌情報(日誌データ)を電子的に管理・保存する。なお、記憶部13は、後述のプロセスデータ管理装置20で管理されている情報や履歴データ管理装置30で管理されている情報も、これらの装置と連携して、例えば、日誌情報等と関連付けて管理・保存することも可能である。
【0021】
表示部14は、日誌情報等の諸情報が表示される。なお、表示部14は、後述のプロセスデータ管理装置20で管理されている情報や履歴データ管理装置30で管理されている情報も、これらの装置と連携して、表示することも可能である。なお、表示部14は、GUI形式のタッチパネル等の操作部12を兼ねていてもよい。
【0022】
なお、これらの運転日誌機能部11と、操作部12と、記憶部13と、表示部14との動作の詳細は、後述する(図2図10等参照)。
【0023】
プロセスデータ管理装置20は、プラント運転で取得されるプロセスデータを管理する。プラント内には、製造ライン等に複数の計測器が配設されている。これらの計測器からの測定結果が、プロセスデータとして、プロセスデータ管理装置20において定期的に自動的に収集される。プロセスデータは、例えば、何時何分に温度や流量等がいくつであったか等を示すデータである。
【0024】
ここで、各計測器には、各計測器を識別するために、個別に識別情報(以下、「タグ情報」とも称する。)が付与されている。例えば、各プロセスデータは、計測元である計測器のタグ情報と関連付けられて、時系列的に、プロセスデータ管理装置20において管理されている。
【0025】
また、図1に示すように、プロセスデータ管理装置20は、タグ情報記憶部21と、プロセスデータ記憶部22とを少なくとも有する。なお、プロセスデータ管理装置20内のタグ情報記憶部21と、プロセスデータ記憶部22とは、各々通信可能に接続されている。
【0026】
タグ情報記憶部21は、プロセスデータ管理装置20で管理されているタグ情報を保存する。ここで、一般的に、プロセスデータ管理装置20の管理対象となるプラント内に配設されている計測器の各タグ情報は、プロセスデータ管理装置20において管理されている。
【0027】
プロセスデータ記憶部22は、自動的に収集された各プロセスデータを保存する。さらに、プロセスデータ記憶部22は、複数の図データを保存する。ここで、当該図データとは、プロセスデータを用いて構成される図のデータであり、たとえばトレンドグラフ22aやグラフィック22bなどである。
【0028】
トレンドグラフ22aは、プロセスデータの時系列的変化を、視認可能に表示する図である。例えば、トレンドグラフ22aの縦軸は、あるプロセスデータの値であり、トレンドグラフ22aの横軸は、時間である。
【0029】
また、グラフィック22bは、プラントに配設されている製造ラインの全部または一部の構成を、模式的に表示する図である。よって、当該グラフィック22bに表示される構成図により、プラントラインの構成を容易に把握することができる。
【0030】
ここで、各トレンドグラフ22a及び各グラフィック22bは、少なくとも1つ以上のタグ情報が関連付けられて、プロセスデータ記憶部22において管理されている。
【0031】
例えば、タグ情報Aと関連付けられているトレンドグラフ22aでは、当該タグ情報Aである計測器から送信される測定結果(プロセスデータ)の時系列的変化を示す図が作成される。
【0032】
また、一つのグラフィック22bで示されるプラントの製造ラインには、少なくとも1以上の計測器が配設されている。従って、当該グラフィック22bには、当該グラフィック22bが示す製造ラインに配設されている各計測器を示すタグ情報が、各々関連付けられている。
【0033】
例えば、製造ラインに、温度計と流量計とが、所定の場所に配設されているとする。この場合には、当該製造ラインを模式的に示したグラフィック22bには、温度計が配設されている箇所に、温度計を示すタグ情報が関連付けられており、流量計が配設されている箇所に、流量計を示すタグ情報が関連付けられている。そして、グラフィック22b内のタグ情報が関連付けられている各箇所に、当該タグ情報である計測器から送信される測定結果(プロセスデータ)が表示されることにより、グラフィック22bが作成される。
【0034】
履歴データ管理装置30は、プラント運転で取得されるアラーム履歴データと操作履歴データとを管理・保存する。なお、複数のアラーム履歴データと複数の操作履歴データとは、「履歴データ」の一例である。
【0035】
図1に示すように、履歴データ管理装置30は、アラーム履歴記憶部31と、アラーム履歴表示部32と、操作履歴記憶部33と、操作履歴表示部34とを少なくとも有する。なお、アラーム履歴記憶部31と、アラーム履歴表示部32とは、各々通信可能に接続されており、操作履歴記憶部33と、操作履歴表示部34とも、各々通信可能に接続されている。なお、アラーム履歴記憶部31と、アラーム履歴表示部32と、操作履歴記憶部33と、操作履歴表示部34とが、各々通信可能に接続されていてもよい。また、アラーム履歴記憶部31と、操作履歴記憶部33とは、共通であってもよく、アラーム履歴表示部32と、操作履歴表示部34とも、共通であってもよい。
【0036】
アラーム履歴記憶部31は、アラーム履歴データを保存する。複数のアラーム履歴データは、アラーム履歴記憶部31によって、一覧表データ31aとして管理・保存される。なお、複数のアラーム履歴データは、プロセスデータ管理装置20によって、一覧表データ31aとして管理・保存されてもよい。なお、アラーム履歴の一覧表データ31aは、後述の操作履歴の一覧表データ33aと共通の一覧表データとして管理・保存されていてもよい。
【0037】
アラーム履歴データは、例えば、温度上昇や圧力低下等によって製造ラインに配設されている各計測器の測定結果が異常を示す情報や、各製造プラントの何れかのユニット等で発生した故障を示す情報等のアラーム履歴を示すデータである。
【0038】
アラーム履歴データに含まれるそれぞれのアラームには、上述のタグ情報やプロセスデータが含まれる。アラームには、異常や故障等が発生した日時、発生した場所、発生した内容、当該異常や故障等の重要度や深刻度(例えば、軽警報、中警報、重警報等)等の情報が含まれていてもよい。また、アラームには、当該異常や故障等が回復した日時、回復した場所、回復した内容等の情報が含まれていてもよい。なお、アラーム履歴データは、定期的に又はアラームが発生する毎に、自動的に収集されてもよく、オペレータによるアラームの入力等を受け付けて収集されてもよい。
【0039】
アラーム履歴表示部32は、アラーム履歴記憶部31に記憶されているアラーム履歴を表示する。アラーム履歴表示部32に表示されるアラームの内容は、オペレータによって監視される。アラーム履歴表示部32には、例えば、異常や故障等の重要度や深刻度(例えば、軽警報、中警報、重警報等)等に応じて、色分けされて表示されてもよく、所定の操作やキーワード等に応じて表示されてもよく、音声等によって通知されてもよい。アラーム履歴表示部32は、アラーム履歴として一覧表データ31aを表示してもよい。なお、一覧表データ31aは、後述の一覧表データ33aと共通の一覧表データとして表示されてもよい。
【0040】
なお、アラーム履歴表示部32は、オペレータにより操作される不図示の操作部を有していてもよい。オペレータは、アラームの内容に応じて、不図示の操作部を介して、当該アラームに対する処置をその場で対応してもよく、現場に赴いて対応してもよい。また、アラーム履歴表示部32には、日誌装置10の表示部14で表示される日誌情報等の諸情報が表示されてもよい。その場合、例えば、オペレータによって、所望のアラームの内容がその場でコピー&ペーストやワンクリック等で日誌装置10の日誌文章として転記され、日誌装置10によって日誌文章と当該アラーム内容とが関連付けられて管理・保存されてもよい。
【0041】
操作履歴記憶部33は、操作履歴データを保存する。複数の操作履歴データは、操作履歴記憶部33によって、一覧表データ33aとして管理・保存される。なお、複数の操作履歴データは、プロセスデータ管理装置20によって、一覧表データ33aとして管理・保存されてもよい。なお、操作履歴の一覧表データ33aは、アラーム履歴の一覧表データ31aと共通の一覧表データとして管理・保存されていてもよい。
【0042】
操作履歴データは、例えば、プラントに対して、どのように操作したかやどのように対応したか等の運転操作内容を示す情報等の操作履歴を示すデータである。例えば、操作履歴データは、アラームとは別に、何月何日にいくつからいくつに運転値を変更したであるとか、どこからどこに場所を変更したであるとかを示すデータ等である。オペレータは、操作内容に応じて、不図示の操作部を介して、制御室等において、その場で運転操作を行ってもよく、現場に赴いて運転操作を行ってもよい。なお、操作履歴データは、定期的に又は操作が行われる毎に、自動的に収集されてもよく、オペレータによる操作履歴の入力等を受け付けて収集されてもよい。
【0043】
操作履歴表示部34は、操作履歴記憶部33に記憶されている操作履歴を表示する。操作履歴表示部34に表示される操作履歴の内容は、オペレータによって監視される。操作履歴表示部34には、例えば、操作内容等に応じて、色分けされて表示されてもよく、操作内容や所定の操作やキーワード等に応じて表示されてもよく、音声等によって通知されてもよい。操作履歴表示部34は、操作履歴として一覧表データ33aを表示してもよい。なお、一覧表データ33aは、一覧表データ31aと共通の一覧表データとして表示されてもよい。
【0044】
なお、操作履歴表示部34は、オペレータにより操作される不図示の操作部を有していてもよい。オペレータは、操作内容に応じて、不図示の操作部を介してその場で操作履歴を入力してもよい。また、操作履歴表示部34には、日誌装置10の表示部14で表示される日誌情報等の諸情報が表示されてもよい。その場合、例えば、オペレータによって、所望の操作履歴の内容がその場でコピー&ペーストやワンクリック等で日誌装置10の日誌文章として転記され、日誌装置10によって日誌文章と当該操作履歴の内容とが関連付けられて管理・保存されてもよい。
【0045】
信号線41は、双方向への信号の送受信が可能であり、日誌装置10とプロセスデータ管理装置20とを接続する。日誌装置10とプロセスデータ管理装置20とは、信号線41を介して双方向の信号の送受信を行うことにより、双方向に情報の送受信を行う。日誌装置10とプロセスデータ管理装置20とは、情報の送受信を行うことにより、相互に連携した所定の動作を行う。なお、所定の動作は、「所定の第1動作」の一例である。
【0046】
信号線42は、双方向への信号の送受信が可能であり、日誌装置10と履歴データ管理装置30とを接続する。日誌装置10と履歴データ管理装置30とは、信号線42を介して双方向の信号の送受信を行うことにより、双方向に情報の送受信を行う。日誌装置10と履歴データ管理装置30とは、情報の送受信を行うことにより、相互に連携した所定の動作を行う。なお、所定の動作は、「所定の第2動作」の一例である。
【0047】
信号線43は、双方向への信号の送受信が可能であり、プロセスデータ管理装置20と履歴データ管理装置30とを接続する。プロセスデータ管理装置20と履歴データ管理装置30とは、信号線43を介して双方向の信号の送受信を行うことにより、双方向に情報の送受信を行う。プロセスデータ管理装置20と履歴データ管理装置30とは、情報の送受信を行うことにより、相互に連携した所定の動作を行う。
【0048】
ここで、日誌装置10は、情報系の装置であり、プロセスデータ管理装置20と履歴データ管理装置30とは、制御系の装置である。情報系の装置と制御系の装置とは、セキュリティ上等の理由から、従来、原則として、ネットワーク(LAN(Local Area Network)の信号線)が直接接続されず、切り離されており、接続される場合、セキュリティ要件が厳しく制限される。このため、情報系の装置と制御系の装置とのネットワークが切り離されていたことから、情報系の装置と制御系の装置との間では、従来、原則として、情報の送受信を行うことにより、相互に連携した動作は行われていなかった。
【0049】
一方、本件開示の情報系の装置である日誌装置10と、制御系の装置であるプロセスデータ管理装置20及び履歴データ管理装置30とを接続する信号線41,42は、セキュリティ要件を満たすために、例えば、ゲートウェイ41a,42aを有する。ゲートウェイ41a,42aは、例えば、セキュリティ要件を満たす所定のOPC(OLE(Object Linking and Embedding) for Process Control)サーバ等や所定のインターフェース等に対応する。なお、OPCとは、例えば、工場などで機器を制御するソフトウェア同士を連携するためのインターフェース規格である。
【0050】
すなわち、本件開示の情報系の装置である日誌装置10と、制御系の装置であるプロセスデータ管理装置20及び履歴データ管理装置30とは、所定のセキュリティ要件を満たす、ゲートウェイ41a,42aを有する信号線41,42を介して接続されている。このため、本件開示の情報系の装置である日誌装置10と、制御系の装置であるプロセスデータ管理装置20及び履歴データ管理装置30とは、信号線41,42を介して、情報の送受信を行うことにより、相互に連携した動作を行うことが可能である。なお、信号線41,42は、無線とすることも可能ではあるが、セキュリティ要件が厳しく、ゲートウェイ41a,42aを有することから、有線であることが好ましい。
【0051】
一方、制御系の装置同士は、従来から、ネットワークでの接続が行われており、情報の送受信を行うことにより、相互に連携した動作は行われていた。このため、本件開示の制御系の装置同士であるプロセスデータ管理装置20と履歴データ管理装置30とを接続する信号線43は、セキュリティ要件を満たすゲートウェイ等を有しても有さなくてもよく、有線であっても無線であってもよい。プロセスデータ管理装置20と履歴データ管理装置30とは、例えば、プロセスデータ管理装置20で管理されているタグ情報やプロセスデータと、履歴データ管理装置30で管理されているアラーム履歴や操作履歴とが、信号線43を介して、相互に送受信される。そして、プロセスデータ管理装置20と履歴データ管理装置30とは、情報の送受信を行うことにより、相互に連携した動作が行われる。
【0052】
<一実施形態の動作>
次に、一実施形態に係るプラント管理システム1の動作例について説明する。
【0053】
図2は、一実施形態に係るプラント管理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。図2のフローチャートは、不図示のオペレータの入力を受け付けて、日誌装置10によって運転日誌の作成が行われるときに開始される。なお、本明細書において、運転日誌は、「操業日誌」又は単に「日誌」とも称される。なお、図2のフローチャートにおいて、日誌装置10とプロセスデータ管理装置20との間で連携された動作は、「所定の第1動作」の一例である。
【0054】
ステップS1において、日誌装置10は、運転日誌機能部11を利用して、運転日誌を作成する。具体的には、運転日誌機能部11は、日誌シートを表示部14に表示させる。そして、運転日誌機能部11は、表示された日誌シートの日誌入力部に対する、操作部12を利用したオペレータによる日誌文章の入力を受け付けて、運転日誌を作成する。
【0055】
ここで、日誌文章の入力は、予め設定されたフォーマット(予め定められた記載事項の順序など)に従って行っても良いが、作業者の日誌作成の労力軽減を図る場合には、日誌入力は形式に束縛されないフリーフォーマットで行われる方が良い。
【0056】
例えば、タグ情報記憶部21に、「PI-100」がタグ情報Aとして管理・保存されている場合、タグ情報Aの入力もフリーフォーマットで実施可能であってもよい。すなわち、タグ情報の入力に統一性を持たせる必要はなく、例えば、半角・全角の区別、および、大文字・小文字の区別は問わなくてもよく、「ハイフン」や「アンダーバー」などの文字の省略が可能であってもよい。
【0057】
ステップS2において、日誌装置10は、ステップS1で入力された日誌文章を、信号線41を介して、プロセスデータ管理装置20に送信する。
【0058】
ステップS3において、プロセスデータ管理装置20のタグ情報記憶部21は、ステップS2により取得した日誌文章に、タグ情報記憶部21において記憶・管理されているタグ情報が含まれているか否かを検索する。
【0059】
ここで、日誌文章がフリーフォーマットで作成されている場合には、タグ情報記憶部21は、たとえばパターンマッチング方式等を利用して、日誌文章内に、タグ情報記憶部21が管理しているタグ情報が含まれているか否かを検索する。
【0060】
ステップS4において、プロセスデータ管理装置20は、ステップS3にてタグ情報記憶部21で検索されて検索結果を、信号線41を介して、日誌装置10に対して送信する。例えば、日誌文章に含まれるタグ情報A(PI-100)がタグ情報記憶部21において管理・保存されているタグ情報である旨の通知が、プロセスデータ管理装置20から日誌装置10に対して送信される。
【0061】
ステップS5において、日誌装置10の運転日誌機能部11は、ステップS4における通知を受けて、日誌文章中のタグ情報A(PI-100)のタイプ箇所(文字入力部分)に対して、所定の操作機能を設定する。例えば、日誌文章内に含まれるタグ情報A(PI-100)に対して、下線部が付与される。これにより、オペレータが、容易に日誌文章内のタグ情報A(PI-100)に対して所定の操作機能が設定されていることを、視認できるようにしている。なお、日誌文章に含まれるタグ情報に対して、他の文字とは異なる色彩が付与されても良く、またはハイライトが付与されても良い。
【0062】
そして、例えば、オペレータによって、日誌文章内の当該タグ情報A(PI-100)が選択されると、当該タグ情報に対して設定された所定の操作機能により、日誌装置10とプロセスデータ管理装置20とが相互に連携された所定の操作が実行される。
【0063】
所定の操作の一例として、例えば、選択されたタグ情報A(PI-100)に関連付けられた図データや図データをまとめた一覧表等が、プロセスデータ管理装置20から日誌装置10に送信され、日誌装置10の表示部14に表示される操作が行われる。また、所定の操作の別の一例として、例えば、上記の図データが日誌装置10の表示部14に表示されているときに、当該図データに対してオペレータによるコメントの入力を受け付ける操作が行われる。また、所定の操作の別の一例として、例えば、上記のコメントが入力されたときは、入力されたコメントと図データとが日誌文章に関連付けられて日誌装置10で管理・保存される操作が行われる。また、所定の操作の別の一例として、例えば、コメント付きの図データに対して所定のアイコンが設定され、オペレータによって当該アイコンが選択されると、当該図データが、日誌装置10によってプロセスデータ管理装置20から読み出される操作が行われる。
【0064】
ステップS6において、運転日誌機能部11は、ステップS5の処理が実行された日誌文章を含む日誌シートを、運転日誌(操業日誌)の日誌情報(操業情報)として記憶部13に記憶させ、図2のフローチャートを終了する。なお、上記と異なり、日誌シートに対して入力された日誌文章内に、タグ情報記憶部21において管理・保存されているタグ情報が含まれていないこともある。この場合、運転日誌機能部11は、ステップS5による所定の操作機能の設定の動作を実行することなく、日誌文章を含む日誌シートを、運転日誌の日誌情報として記憶部13に記憶させる。
【0065】
図3は、一実施形態に係るプラント管理システム1の動作の別の一例を示すフローチャートである。図3のフローチャートは、不図示のオペレータによる入力を受け付けて、日誌装置10によって運転日誌の作成が行われるときに開始される。なお、図3のフローチャートにおいて、日誌装置10と履歴データ管理装置30との間で連携された動作は、「所定の第2動作」の一例である。
【0066】
ステップS11において、日誌装置10の運転日誌機能部11は、オペレータによる操作部12を介した操作を受け付けて、オペレータの所望の日誌シートを記憶部13から読み出し、表示部14に表示させる。
【0067】
ステップS12において、日誌装置10の運転日誌機能部11は、信号線42を介して、履歴データ管理装置30のアラーム履歴記憶部31において管理・保存されているアラーム履歴データを受信する。なお、アラーム履歴データは、履歴データ管理装置30において、一覧表データ31aとして管理・保存されている。このため、運転日誌機能部11は、例えば、アラーム履歴データを一覧表データ31aの形式で受信する。
【0068】
なお、一覧表データ31aは、オペレータによって日誌シートが読み出されたときに自動的に受信されても良く、オペレータによる操作部12を介した所定の操作が行われたときに受信されても良く、定期的に受信されてもよい。
【0069】
ステップS13において、日誌装置10の運転日誌機能部11は、アラーム履歴データを表示部14に表示させる。運転日誌機能部11は、例えば、アラーム履歴データを一覧表データ31aの形式で表示部14の運転日誌の日誌シートに、サブ画面として重畳して表示させる。但し、表示方法はこれには限られず、運転日誌機能部11は、例えば、日誌シートと一覧表データ31aとを分割して表示させてもよく、何れか一方をバックグラウンドで表示させてもよい。また、一覧表データ31aは、後述の一覧表データ33aとともに、例えば、別々の一覧表として表示されても良く、時系列順に統一して並べられた一覧表として表示されてもよい。
【0070】
なお、一覧表データ31aは、日誌装置10によってアラーム履歴データが受信されたときに自動的に表示されても良く、オペレータによる操作部12を介した所定の操作が行われたときに表示されても良く、定期的に表示されても良い。
【0071】
以下、本明細書において、アラーム履歴又はアラーム履歴データは、「アラーム&イベント」又は「A&E(Alarm and Event)」とも称され、一覧表データ31aは、「アラーム&イベント一覧31a」又は「A&E一覧31a」とも称される。
【0072】
図4は、一覧表データ(アラーム&イベント一覧)31aの表示例を示す図である。図4に示すように、アラーム&イベント一覧31aには、例えば、異常や故障等が発生した日時、発生した場所、発生した内容、当該異常や故障等の重要度や深刻度(例えば、軽警報、中警報、重警報等)、タグ情報、プロセスデータ等が含まれる。また、アラーム&イベント一覧31aには、例えば、異常や故障等が回復した日時、回復した場所、回復した内容等も含まれる。
【0073】
なお、図4において、「HMI」は、ヒューマンマシンインターフェース(Human Machine Interface)を示し、「IC」は、インターフェースカード(Interface Card)を示す。また、「CTR」は、コントロール(Control)を示し、「SVR」は、サーバ(Server)を示す。なお、「HI」は、特に意味のある略号ではなく、ユーザが任意に指定可能なステーション名称である。
【0074】
図3に戻り、ステップS14において、日誌装置10の運転日誌機能部11は、オペレータによる操作部12を介した操作を受け付けて、表示部14に表示されているA&E一覧31aからオペレータの所望のA&Eのメッセージの選択を受け付ける。
【0075】
図5は、日誌装置10の表示部14における表示の一例を示す図である。図5において、背面に示されているものが日誌シートの日誌文章の入力用の画面であり、左側に重畳して(ポップアップで)示されている「当直アラーム&イベント一覧」がA&E一覧31aである。図5では、上から4番目のA&Eがオペレータによって選択されている様子が示されている。
【0076】
図3に戻り、ステップS15において、日誌装置10の運転日誌機能部11は、ステップS14でA&Eのメッセージの選択を受け付けたときは、選択されたA&Eのメッセージを運転日誌の日誌文章へ転記する。例えば、図5に示すように、運転日誌機能部11は、表示部14の左側に表示されているA&E一覧31aにおけるオペレータによって選択された上から4番目のA&Eのメッセージについて、右下の日誌文章への転記や日誌文章としての記録を受け付ける。
【0077】
ステップS16において、日誌装置10の運転日誌機能部11は、ステップS15で選択されたA&Eのメッセージの運転日誌の日誌文章へ転記を受け付けたときは、オペレータによる操作部12を介した操作を受け付けて、コメントの入力を受け付ける。例えば、図5の右下に示されているように、運転日誌機能部11は、表示部14の左側に表示されているA&E一覧31aにおけるオペレータによって選択された上から4番目のA&Eのメッセージの日誌文章への転記を受け付けると、コメントの入力を受け付ける。コメントには、例えば、引継ぎ事項、申送り事項、運転操作変更内容、操作を実施した理由、アラームの発生内容、発生原因、アラームの回復内容、回復原因などを追加して記録することが可能である。なお、コメントには、アラームの発生原因及び操作理由の少なくともいずれか一方を追加して記録することが可能であってもよい。
【0078】
ステップS17において、運転日誌機能部11は、ステップS16の処理が実行された日誌文章を含む日誌シートを、運転日誌の日誌情報(操業情報)として記憶部13に記憶させ、図3のフローチャートを終了する。これにより、例えば、情報系の日誌装置10の場所と、制御系の履歴データ管理装置30の場所とが離れていた場合でも、オペレータは、紙に転記等せずに、ワンクリック等により、操作内容とA&Eの発生原因等とを関連付けて運転日誌に記録することができる。これにより、迅速に記録することが可能であり、また、情報の抜け落ち等を防ぐこともできる。また、操作内容とA&Eの発生原因等とが関連付けられて記憶されることで、後の段階で、操作内容とA&Eの発生原因等とを紐付けて検索や分析やビッグデータ解析等を行うことができる。
【0079】
なお、上記と異なり、オペレータによって、A&Eの表示、選択、転記、又はA&Eについてのコメントの入力等が行われないこともある。この場合、運転日誌機能部11は、例えば、ステップS13~S16に示した当該動作を実行することなく、日誌文章を含む日誌シートを、運転日誌の日誌情報(操業情報)として記憶部13に記憶させる。
【0080】
図6は、一実施形態に係るプラント管理システム1の動作の別の一例を示すフローチャートである。図6のフローチャートは、不図示のオペレータによる入力を受け付けて、日誌装置10によって運転日誌の作成が行われるときに開始される。なお、図6のフローチャートにおいて、日誌装置10と履歴データ管理装置30との間で連携された動作は、「所定の第2動作」の一例である。
【0081】
ステップS21において、日誌装置10の運転日誌機能部11は、オペレータによる操作部12を介した操作を受け付けて、オペレータの所望の日誌シートを記憶部13から読み出し、表示部14に表示させる。
【0082】
ステップS22において、オペレータによって、プラントに対して所定の運転操作が行われると、日誌装置10の運転日誌機能部11は、信号線42を介して、履歴データ管理装置30の操作履歴記憶部33で管理・保存されている操作履歴データを受信する。
【0083】
例えば、プラントの製造現場等では、安定操業のため、例えば、不図示のDCSから出されるアラーム&イベント情報に基づいて、オペレータによって、運転操作変更等が実施される。運転操作変更は、例えば、制御室等に居るオペレータによって、その場で行われても良く、プラントの製造現場等に赴いて行われてもよい。
【0084】
運転操作変更が行われると、行われた操作変更等の操作履歴が操作履歴データとして履歴データ管理装置30の操作履歴記憶部33で管理・保存される。なお、操作履歴データは、履歴データ管理装置30において、一覧表データ33aとして管理・保存されている。このため、運転日誌機能部11は、例えば、操作履歴データを一覧表データ33aの形式で受信する。
【0085】
なお、一覧表データ33aは、オペレータによって日誌シートが読み出されたときに自動的に受信されても良く、オペレータによる操作部12を介した所定の操作が行われたときに受信されても良く、定期的に受信されても良い。
【0086】
ステップS23において、日誌装置10の運転日誌機能部11は、操作履歴データを表示部14に表示させる。運転日誌機能部11は、例えば、操作履歴データを一覧表データ33aの形式で表示部14の運転日誌の日誌シートに、サブ画面として重畳して表示させる。但し、表示方法はこれには限られず、運転日誌機能部11は、例えば、日誌シートと一覧表データ33aとを分割して表示させてもよく、何れか一方をバックグラウンドで表示させてもよい。また、一覧表データ33aは、上述のA&E一覧31aとともに、例えば、別々の一覧表として表示されても良く、時系列順に統一して並べられた一覧表として表示されてもよい。
【0087】
なお、一覧表データ33aは、オペレータによって現場で運転操作変更等が行われたときや、日誌装置10によって操作履歴データが受信されたときに自動的に表示されても良い。また、一覧表データ33aは、オペレータによる操作部12を介した所定の操作が行われたときに表示されても良く、定期的に表示されても良い。一覧表データ33aには、例えば、操作が行われた日時、操作が行われた場所、操作内容、タグ情報、プロセスデータ等が含まれる。なお、以下、本明細書において、操作履歴データは、単に「操作履歴」とも称され、一覧表データ33aは、「操作履歴一覧33a」とも称される。
【0088】
ステップS24において、日誌装置10の運転日誌機能部11は、オペレータによる操作部12を介した操作を受け付けて、表示部14に表示されている操作履歴一覧33aからオペレータの所望の操作履歴のメッセージの選択を受け付ける。例えば、上述の図5では、A&E一覧31aの例が示されているが、操作履歴一覧33aも同様となる。
【0089】
ステップS25において、日誌装置10の運転日誌機能部11は、ステップS24で操作履歴のメッセージの選択を受け付けたときは、選択された操作履歴のメッセージを運転日誌の日誌文章へ転記する。例えば、上述の図5では、A&E一覧31aにおいて選択されたA&Eのメッセージが日誌文章の入力用の画面の日誌文章へ転記されている例が示されているが、操作履歴のメッセージも同様となる。
【0090】
ステップS26において、日誌装置10の運転日誌機能部11は、ステップS25で選択された操作履歴のメッセージの運転日誌の日誌文章へ転記を受け付けたときは、オペレータによる操作部12を介した操作を受け付けて、コメントの入力を受け付ける。例えば、上述の図5では、A&Eのメッセージの日誌文章への転記が受け付けられたときに、コメントの入力を受け付けている例が示されているが、操作履歴のメッセージの日誌文章への転記が受け付けられたときも同様となる。コメントには、例えば、引継ぎ事項、申送り事項、運転操作変更内容、操作を実施した理由、アラームの発生内容、発生原因、アラームの回復内容、回復原因などを追加して記録することが可能である。なお、コメントには、アラームの発生原因及び操作理由の少なくともいずれか一方を追加して記録することが可能であってもよい。
【0091】
図7は、日誌文章に追加して入力されたコメントの一例を示す図である。図7に示されるように、例えば、「○○塔クーラー温度を下げるため」「クーラーファンフィン角度を小さくした」などの操作目的(操作理由)と操作内容とが入力されてもよい。また、図7に示されるように、例えば、「負荷を下げるため」「○○塔リボイラー流量を増やした」「エア流量を大きくした」などの操作目的(操作理由)と操作内容とが入力されてもよい。
【0092】
図6に戻り、ステップS27において、日誌装置10の運転日誌機能部11は、ステップS26の処理が実行された日誌文章を含む日誌シートを、運転日誌の日誌情報(操業情報)として記憶部13に記憶させ、図6のフローチャートを終了する。これにより、例えば、情報系の日誌装置10の場所と、制御系の履歴データ管理装置30の場所とが離れていた場合でも、オペレータは、紙に転記等せず、ワンクリック等により、操作内容と操作目的(操作理由)等とを関連付けて運転日誌に記録することができる。これにより、迅速に記録することが可能であり、また、情報の抜け落ち等を防ぐこともできる。また、操作内容と操作目的(操作理由)等とが関連付けられて記憶されることで、後の段階で、操作内容と操作目的(操作理由)等とを紐付けて検索や分析やビッグデータ解析等を行うことができる。
【0093】
なお、上記と異なり、オペレータによって、操作履歴の表示、選択、転記、又は操作履歴についてのコメントの入力等が行われないこともある。この場合、運転日誌機能部11は、例えば、ステップS23~S26に示した当該動作を実行することなく、日誌文章を含む日誌シートを、運転日誌の日誌情報(操業情報)として記憶部13に記憶させる。
【0094】
例えば、図7に示されるように、オペレータによって、コメントの入力等が行われたときは、運転日誌機能部11は、入力された不図示のDCSの操作履歴を日誌装置10の記憶部13に記憶させる。これにより、操作内容だけでなく、操作目的と操作内容とをセットにして日誌装置10へ記憶させることができる。
【0095】
図8は、一実施形態に係るプラント管理システム1の動作の別の一例を示すフローチャートである。図8のフローチャートは、例えば、不図示のオペレータによって、日誌装置10の表示部14に表示されているA&E一覧31aの中に深刻度(重要度)の高いA&Eが発見された場合に開始される。あるいは、図8のフローチャートは、例えば、不図示のオペレータがプラント(又は不図示のDCS)に対して所定の運転操作を行う必要がある場合に開始される。この場合、「深刻度(重要度)の高いA&E」には、単に装置の重故障にとどまらず、例えば、プラントで製造している製品品質に影響を及ぼすような事象等も含まれる。すなわち、例えば、圧力変動、温度変動、流量、PH(Potential of Hydrogen)、濃度、その他製品品質に係わる測定事項の変化率が所定値を超えた場合や、測定値自体が所定値を超えた場合や、所定の基準値以下になった場合等も含まれる。
【0096】
なお、例えば、「深刻度(重要度)の高いA&E」であるか否か、あるいは、「所定の運転操作」であるか否かは、予め選別されて組み込まれていてもよく、図2又は図3に示したフローチャートの動作が実行されるときに選別されて組み込まれていてもよい。この場合、図8のフローチャートは、「深刻度(重要度)の高いA&E」として組み込まれた事象や、「所定の運転操作」として組み込まれた事象が発生した(表示部14に表示された)場合に、自動的に開始されてもよい。このため、以下の説明において、オペレータによる選択や操作を受け付ける動作は、組み込まれた「深刻度(重要度)の高いA&E」や「所定の運転操作」等が、自動的に選択又は入力されて受け付けられる場合も含まれる。
【0097】
なお、図8のフローチャートの動作が行われる前提として、図2におけるステップS11~17に示した動作と、図3におけるステップS21~S27に示した動作とが行われている。すなわち、運転日誌には、操作内容とA&Eの発生原因等とが関連付けられて記憶され、また、操作内容と操作目的(操作理由)等とが関連付けられて記憶されている。
【0098】
ステップS31において、日誌装置10の運転日誌機能部11は、オペレータによる操作部12を介した操作を受け付けて、表示部14に表示されているA&E一覧31aから、例えば、深刻度(重要度)の高いA&Eのメッセージの選択を受け付ける。なお、ステップS31において、運転日誌機能部11は、オペレータによる操作部12を介した操作を受け付けて、プラント(又は不図示のDCS)に対して所定の運転操作を行う場合の操作目的の入力を受け付けてもよい。
【0099】
図9は、図8のフローチャートに示す動作例の活用イメージを示す図である。なお、図9では、図8のフローチャートで示した動作に対応する動作については、同一のステップ番号を付している。例えば、図8のステップS31に示す動作として、図9のステップS31に示すように、日誌装置10は、オペレータによる「負荷を下げたい」というDCSの操作目的の入力を受け付けている。
【0100】
図8に戻り、ステップS32において、日誌装置10の運転日誌機能部11は、ステップS31で、例えば、深刻度の高いA&Eのメッセージの選択を受け付けたときは、選択されたA&Eと同一又は類似の過去のA&Eと関連する過去の日誌文章を検索する。また、ステップS32において、日誌装置10の運転日誌機能部11は、ステップS31で、例えば、オペレータによる操作目的の入力を受け付けたときは、入力された操作目的と同一又は類似の過去の操作と関連する過去の日誌文章を検索する。
【0101】
例えば、図9のステップS32に示すように、日誌装置10は、オペレータより受け付けた「負荷を下げたい」というDCSの操作目的と同一又は類似の過去の操作と関連する過去の日誌文章を検索する。なお、日誌装置10は、過去の日誌文章だけではなく、過去のプロセスデータ、アラーム履歴、操作履歴等を検索してもよい。
【0102】
図8に戻り、ステップS33において、日誌装置10の運転日誌機能部11は、検索された日誌文章から、A&Eへの処置や、操作目的、操作内容等に合致又は類似する日誌データ(例えば、日誌文章中の文言等)を抽出する。抽出は、例えば、テキスト解析によって行われる。例えば、運転日誌機能部11は、選択されたA&Eのメッセージや入力された操作目的の中の所定の文言を有する日誌データを抽出する。なお、抽出されるのは、日誌データではなく、関連するプロセスデータ、アラーム履歴、操作履歴等であってもよく、日誌データと、関連するプロセスデータ、アラーム履歴、操作履歴等との両方であってもよい。
【0103】
例えば、図9のステップS33に示すように、日誌装置10は、テキスト解析を行い、「負荷を下げたい」というDCSの操作目的を有する日誌データを抽出する。図9に示す例では、「負荷を下げるため」という操作目的に合致するものとして、「××操作弁圧力を上げた、エア流量を大きくした」というものと「○○塔リボイラー流量を増やした、エア流量を大きくした」というものとの2つの操作内容が抽出されている。
【0104】
図8に戻り、ステップS34において、日誌装置10の運転日誌機能部11は、抽出された日誌データから、A&Eに対する頻出する処置方法や操作目的に対する頻出する操作内容を検出する。検出は、例えば、所定の頻出パターンマイニング等によって行われる。また、検出は、日誌データから行われるだけではなく、関連するプロセスデータ、アラーム履歴、操作履歴等を含めたビッグデータ解析によって行われてもよい。
【0105】
例えば、図9のステップS34に示すように、「負荷を下げたい」という操作目的に合致した操作内容の頻出パターンとして抽出された2つの操作内容の両方に含まれる「エア流量を大きくした」という操作内容が検出される。
【0106】
図8に戻り、ステップS35において、日誌装置10の運転日誌機能部11は、検出された処置方法や操作内容に基づいて、オペレータに対して操作支援(運転支援)を行い、図8のフローチャートを終了する。運転日誌機能部11は、例えば、お勧めの処置方法や操作内容や操作ガイダンス等を示す操作支援(運転支援)画面を、日誌装置10の表示部14に表示させることで、オペレータに対して操作支援(運転支援)を行う。これにより、オペレータは、オペレータの操作目的に対し、実際過去にどのように対処(操作)されたのか等のガイダンスが与えられる。
【0107】
例えば、図9のステップS35に示すように、操作内容の頻出パターンとして検出された「エア流量を大きくした」という操作内容を示す操作支援(運転支援)画面が表示されて、オペレータに操作支援(運転支援)が行われる。なお、操作支援(運転支援)は、文章の画面表示等には限られず、参考となるデータやウェブサイト等のリンク先の表示や、静止画、動画、音声等の再生によって行われてもよい。
【0108】
図10は、操作支援が表示された画面の一例を示す図である。例えば、図10に示すように、発生した事象(A&E)に対するお勧めの処理方法が、お勧め度や頻度が高いものから順にA&E一覧31aに重畳して(ポップアップで)表示部14に複数表示されてもよい。
【0109】
以上、図8に示すフローチャートでは、テキスト解析と頻出パターンマイニングとを用いて、あるいはビッグデータ解析に基づいて、操作内容をレコメンドし、オペレータに操作支援(運転支援)が行われる。これにより、日誌装置10に蓄積された蓄積データの解析から操作ガイダンスがオペレータに与えられるため、例えば、A&Eや操作目的等に対して、効率的な操作変更を可能とすることができる。
【0110】
なお、図8に示すフローチャートでは、オペレータが、日誌装置10において操作する場合の動作の一例について説明した。しかし、これには限られず、例えば、オペレータによって、不図示の制御室等でプロセスデータ管理装置20又は履歴データ管理装置30において操作される場合の動作も同様である。この場合、例えば、日誌装置10とプロセスデータ管理装置20と履歴データ管理装置30との間で連携された動作の一例として、それぞれの装置で管理・保存されているデータが相互に送受信され、それぞれの装置で表示されてもよい。また、それぞれの装置は、これらの何れかの装置で表示されたA&E一覧31aや操作履歴一覧33aから、A&Eのメッセージや操作履歴のメッセージの選択を受け付けてもよく、これらの何れかの装置で操作目的の入力を受け付けてもよい。
【0111】
すなわち、例えば、オペレータによって、不図示の制御室等でプロセスデータ管理装置20又は履歴データ管理装置30において図8に示すフローチャートの操作がされた場合、操作された装置の表示部に操作支援の画面が表示されてもよい。また、例えば、日誌装置10とプロセスデータ管理装置20と履歴データ管理装置30との何れかで図8に示すフローチャートの操作がされた場合、操作された装置だけではなく全ての装置の表示部に操作支援の画面が表示されてもよい。
【0112】
<一実施形態の作用効果>
以上、図1から図10に示した実施形態によれば、煩わしい作業を要せずに、運転日誌と履歴データとが関連付けられることにより、従来よりもプラント管理の効率の向上を図ることができる、プラント管理システムを提供することができる。
【0113】
すなわち、図1から図10に示した実施形態によれば、情報系の装置である日誌装置10と制御系の装置であるプロセスデータ管理装置20とが相互に連携して動作する(S1~S6)。これにより、例えば、オペレータは、運転日誌とプロセスデータとの閲覧等を迅速に行うことができる。このため、人的に入力された日誌文章と、プラントから自動収集したプロセスデータとを、煩わしい作業を要せずに関連付けすることができる。これにより、作業効率の向上、トラブル発生時の迅速な対応、ノウハウの効率的な引継等が可能となる。
【0114】
また、例えば、従来は、A&Eの情報と運転日誌(操業日誌)の情報とを結びつけることが難しく、発生したA&Eに対してのノウハウの継承に課題があった。また、A&Eの記録が短時間かつ膨大であり、重要なA&Eが埋もれてしまうという課題があった。しかし、図1から図10に示した実施形態によれば、情報系の装置である日誌装置10と制御系の装置である履歴データ管理装置30とが相互に連携して動作する(S11~S17、S21~S27)。これにより、重要なA&E等の履歴情報と操業情報とを迅速にかつ効率的に関連付けすることができる。また、運転操作変更時に、過去のA&Eと操業情報とを関連づけたデータ保存が可能となる。これにより、作業効率の向上、トラブル発生時の迅速な対応、ノウハウの効率的な引継等が可能となる。
【0115】
また、図1から図10に示した実施形態によれば、情報系の装置である日誌装置10と、制御系の装置である履歴データ管理装置30とが相互に連携して動作する(S11~S17、S21~S27、S31~S35)。すなわち、運転日誌(操業日誌)には、操作内容だけでなく、その操作に至った理由、操作目的、A&Eの内容、A&Eの発生原因等もセットとして記録することができる。これにより、図1から図10に示した実施形態によれば、運転日誌の操作内容のデータに加えてA&Eや操作目的等のデータも迅速かつ効率的に記録することができ、さらに、これらの記録が分析されることでオペレータにガイダンスを与えることができる。
【0116】
このため、例えば、プラントのDCSの監視画面に表示されたA&Eがオペレータによって選択されると、当該A&Eに対する過去の処置(制御パラメータ調整)等の履歴が運転日誌から抽出され、頻出パターンマイニング等が用いられて推奨処置が提示される。これにより、蓄積された日誌データの解析による操作ガイダンスがオペレータに与えられ、効率的な操作変更等が可能となる。また、推奨処置は、例えば、全体でみるとレアであるものの推奨処置と組み合わされる頻度が高い処置も合わせて複数提示される。これにより、操作ガイダンスの提示漏れを防ぐことができる。また、操作経験が不足のオペレータであってもお勧め処置で対応すべき処置をすぐに見つけることができる。
【0117】
また、図1から図10に示した実施形態によれば、情報系の装置である日誌装置10と、制御系の装置であるプロセスデータ管理装置20と履歴データ管理装置30とが相互に連携して動作する(S1~S6、S11~S17、S21~S27、S31~S35)。これにより、制御系の装置であるプロセスデータ管理装置20や履歴データ管理装置30においても、情報系の装置である日誌装置10における日誌機能を利用して、オペレータによる日誌文章の入力を受け付けることができる。これにより、例えば、プロセスデータ管理装置20や履歴データ管理装置30でプロセスデータやA&E等を参照しているオペレータは、何か気付いた点があった際等に、交代勤務のオペレータに対する申送り事項として、その場で運転日誌を作成することができる。
【0118】
なお、従来、例えば、A&Eや操作履歴は、1日に100~200件発生することがあった。この点、アラーム履歴記憶部31と操作履歴記憶部33との記憶容量は有限であるため、例えば、A&Eや操作履歴を半年分程度しか記憶することができないこともあった。このため、従来、重要度(深刻度)の高いA&Eや操作履歴等が、埋もれてしまうことや、アラーム履歴記憶部31や操作履歴記憶部33の記憶容量が足りなくなることで、新しい履歴が保存されないことや古い履歴が消去されてしまうことがあった。一方、図1から図10に示した実施形態によれば、例えば、重要度(深刻度)の高いA&Eや操作履歴等が、日誌文章とともに、日誌装置10の記憶部13に記憶される。これにより、重要度(深刻度)の高いA&Eや操作履歴等が、埋もれてしまうことや、アラーム履歴記憶部31と操作履歴記憶部33との記憶容量が足りなくなることにより、保存されないことや消去されることが抑制される。
【0119】
<ハードウェア構成例>
図11は、図1から図10に示した実施形態における日誌装置10とプロセスデータ管理装置20と履歴データ管理装置30とが有する処理回路90のハードウェア構成例を示す概念図である。上述した各機能は、処理回路90により実現される。一態様として、処理回路90は、少なくとも1つのプロセッサ91と少なくとも1つのメモリ92とを備える。他の態様として、処理回路90は、少なくとも1つの専用のハードウェア93を備える。
【0120】
処理回路90がプロセッサ91とメモリ92とを備える場合、各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、メモリ92に格納される。プロセッサ91は、メモリ92に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各機能を実現する。
【0121】
処理回路90が専用のハードウェア93を備える場合、処理回路90は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、又はこれらを組み合わせたものである。各機能は処理回路90で実現される。
【0122】
日誌装置10とプロセスデータ管理装置20と履歴データ管理装置30とが有する各機能は、それぞれ一部又は全部がハードウェアによって構成されてもよく、プロセッサが実行するプログラムとして構成されてもよい。すなわち、日誌装置10とプロセスデータ管理装置20と履歴データ管理装置30とは、コンピュータとプログラムとによっても実現可能であり、プログラムは、記憶媒体に記憶されることも、ネットワークを通して提供されることも可能である。
【0123】
<実施形態の補足事項>
以上、図1図11に示す実施形態によれば、本件開示の一態様として、ステップS1~S6の動作と、ステップS11~S17の動作と、ステップS21~S27の動作と、ステップS31~S35の動作とを分けて説明した。しかし、これには限られず、これらの動作は、任意に組み合わされて行われても、同時に行われてもよい。なお、ステップS1~ステップS35の動作は、「第1工程」~「第7工程」の動作の一例である。
【0124】
また、図1図11に示す実施形態によれば、本件開示の一態様として、制御系の装置であるプロセスデータ管理装置20と履歴データ管理装置30とを分けて説明した。しかし、これには限られず、制御系の装置であるこれらの装置が組み合わされた共通の装置が用いられてもよい。
【0125】
また、図1図11に示す実施形態によれば、本件開示の一態様として、日誌装置10とプロセスデータ管理装置20と履歴データ管理装置30とが組み合わされたプラント管理システム1を例に説明したが、これには限られない。本件開示は、独立の(単一の)装置であるプラント管理装置やプラント管理システムとしても実現可能である。
【0126】
また、本件開示は、日誌装置10とプロセスデータ管理装置20と履歴データ管理装置30との各部における処理ステップが行われるプラント管理方法としても実現可能である。
【0127】
また、本件開示は、日誌装置10とプロセスデータ管理装置20と履歴データ管理装置30との各部における処理ステップをコンピュータに実行させるプラント管理プログラムとしても実現可能である。
【0128】
また、本件開示は、プラント管理プログラムが記憶された記憶媒体(非一時的なコンピュータ可読媒体)としても実現可能である。プラント管理プログラムは、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等のリムーバブルディスク等に記憶して頒布することができる。なお、これらのプログラムは、プラント管理システム1が有する不図示のネットワークインタフェース等を介してネットワーク上にアップロードされてもよく、ネットワークからダウンロードされ、メモリ92等に格納されてもよい。
【0129】
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。
【符号の説明】
【0130】
1…プラント管理システム;10…日誌装置;11…運転日誌機能部;12…操作部;13…記憶部;14…表示部;20…プロセスデータ管理装置;21…タグ情報記憶部;22…プロセスデータ記憶部;22a…トレンドグラフ;22b…グラフィック;30…履歴データ管理装置;31…アラーム履歴記憶部;31a…一覧表データ(アラーム&イベント一覧、A&E一覧);32…アラーム履歴表示部;33…操作履歴記憶部;33a…一覧表データ(操作履歴一覧);34…操作履歴表示部;41…信号線;41a…ゲートウェイ;42…信号線;42a…ゲートウェイ;43…信号線;90…処理回路;91…プロセッサ;92…メモリ;93…ハードウェア;A…タグ情報
図1
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図10
図11