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特開2023-175542エネルギー演算装置及びエネルギー演算方法
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  • 特開-エネルギー演算装置及びエネルギー演算方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175542
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】エネルギー演算装置及びエネルギー演算方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20231205BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20231205BHJP
   H02J 3/14 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
G06Q50/06
H02J13/00 301A
H02J13/00 301J
H02J3/14 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088034
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野▲崎▼ 正也
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
5L049
【Fターム(参考)】
5G064AC09
5G064BA02
5G064BA05
5G064CB08
5G064CB21
5G064DA07
5G066AE07
5G066AE09
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】専門知識を有さない担当者によってメータ値の入力を受け付けた場合でも、エネルギー演算を適切に行う。
【解決手段】本願に係るエネルギー演算装置(100)は、入力画面を表示してメータ値と日時との入力を受け付ける度に、メータ値と日時との関係を記憶部に保存する受付部(152)と、記憶部からエネルギー演算に応じた期間における、単位時間当たりのメータ値を算出し、当該単位時間当たりのメータ値を基にして、エネルギー演算を実行する演算実行部(153)とを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画面を表示してメータ値と日時との入力を受け付ける度に、メータ値と日時との関係を記憶部に保存する受付部と、
前記記憶部からエネルギー演算に応じた期間における、単位時間当たりのメータ値を算出し、当該単位時間当たりのメータ値を基にして、エネルギー演算を実行する演算実行部と、
を有するエネルギー演算装置。
【請求項2】
前記受付部は、前記記憶部に保存された前記メータ値と前記日時との情報を設定した入力画面を表示し、前記メータ値及び日時に関する修正を受け付けた場合に、前記記憶部に保存された前記メータ値及び前記日時を修正後の情報に更新する処理を更に実行することを特徴とする請求項1に記載のエネルギー演算装置。
【請求項3】
前記演算実行部は、前記記憶部に記憶された前記メータ値及び日時が更新された場合に、前記エネルギー演算を再度実行することを特徴とする請求項2に記載のエネルギー演算装置。
【請求項4】
前記受付部は、前記記憶部に保存された複数のメータ値と日時とを基にして、新たに入力されたメータ値または日時について誤りがあるか否かを検出する処理を更に実行することを特徴とする請求項1に記載のエネルギー演算装置。
【請求項5】
入力画面を表示してメータ値と日時との入力を受け付ける度に、メータ値と日時との関係を記憶部に保存し、
前記記憶部からエネルギー演算に応じた期間における、単位時間当たりのメータ値を算出し、当該単位時間のメータ値を基にして、エネルギー演算を実行する
ことを特徴とするエネルギー演算方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物で使用されるエネルギーの演算を行うエネルギー演算装置及びエネルギー演算方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物のエネルギーが効率よく使用されているか否かを判定するため、専門知識を有する専門家がエネルギー演算を行っている。たとえば、専門家は、建物に設置された各種のメータの情報を適切なタイミングで確認し、エネルギー演算に必要な情報を、センタ装置等に入力することで、エネルギー演算結果を得ている。
【0003】
なお、建物のエネルギーを管理する技術として、特許文献1がある。特許文献1では、建物のエネルギー供給に関する管理データ、建物のエネルギー変換システムに関する管理データ、建物のエネルギー搬送システムに関する管理データ、および建物のエネルギー需要に関する管理データをそれぞれ取得し、取得した管理データの内の1つ以上が所定の闘値を逸脱しているときには、その管理データが闘値内に収まるように何らかの措置を採る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-162573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現状では、メータが設置されている建物の中央監視装置と、エネルギー演算を行うセンタ装置とが別々となっており、ネットワークに接続されていないメータの情報は、中央監視装置を操作している、エネルギー演算の専門知識を持たないユーザに入力を依頼せざるを得ない状況にある。
【0006】
このように、専門知識を有さないユーザが、メータの情報の入力を行ってしまうと、エネルギー演算を適切に行うことができない場合があり得る。
【0007】
本願はこのような課題を解決するためのものであり、専門知識を有さない担当者によってメータ値の入力を受け付けた場合でも、エネルギー演算を適切に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願に係るエネルギー演算装置は、入力画面を表示してメータ値と日時との入力を受け付ける度に、メータ値と日時との関係を記憶部に保存する受付部と、記憶部からエネルギー演算に応じた期間における、単位時間当たりのメータ値を算出し、当該単位時間当たりのメータ値を基にして、エネルギー演算を実行する演算実行部と、を有する。
【0009】
上記エネルギー演算装置の受付部は、記憶部に保存されたメータ値と日時との情報を設定した入力画面を表示し、メータ値及び日時に関する修正を受け付けた場合に、記憶部に保存されたメータ値及び日時を修正後の情報に更新する処理を更に実行してもよい。
【0010】
上記エネルギー演算装置の演算実行部は、記憶部に記憶されたメータ値及び日時が更新された場合に、エネルギー演算を再度実行してもよい。
【0011】
上記エネルギー演算装置の受付部は、記憶部に保存された複数のメータ値と日時とを基にして、新たに入力されたメータ値または日時について誤りがあるか否かを検出する処理を更に実行してもよい。
【発明の効果】
【0012】
上述したエネルギー演算装置によれば、専門知識を有さない担当者によってメータ値の入力を受け付けた場合でも、エネルギー演算を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施形態に係る演算システムを示す図である。
図2図2は、入力画面の一例を示す図である。
図3図3は、本実施形態に係るエネルギー演算装置の構成を示す機能ブロック図である。
図4図4は、計測データテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図5図5は、エネルギー演算装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
【0015】
[演算システムについて]
本実施形態に係る演算システムの一例について説明する。図1は、本実施形態に係る演算システムを示す図である。図1に示すように、この演算システム1は、メータ10a,10b,10cと、コントローラ20a,20bと、他システム30と、エネルギー演算装置100とを有する。
【0016】
メータ10aは、コントローラ20aに接続される。メータ10bは、コントローラ20bに接続される。メータ10cは、他システム30に接続される。コントローラ20a,20bは、ネットワーク50を介して、エネルギー演算装置100に接続される。
【0017】
メータ10a,10b,10cは、建物のエネルギー使用量を計測するメータである。たとえば、メータ10a~10cが計測するエネルギー使用量は、電力使用量、ガス使用量等である。以下の説明では、適宜、メータ10a~10cをまとめて、「メータ10」と表記する。また、メータ10が計測するエネルギー使用量を「メータ値」と表記する。
【0018】
コントローラ20a,20bは、接続先のメータ10を制御し、予め設定された所定の日時、あるいは、所定の期間毎に、メータ10から、メータ値の情報を取得する。コントローラ20a,20bは、メータ10の識別情報と、メータ値が計測された日時と、メータ値とを対応付けた計測データを、エネルギー演算装置100に送信する。コントローラ20a,20bは、上記処理を繰り返し実行する。以下の説明では、コントローラ20a,20bをまとめて、「コントローラ20」と表記する。
【0019】
他システム30は、メータ10c等から得られる情報を用いて、各種の処理を実行するシステムである。なお、エネルギー演算装置100は、メータ10cと電気的に接続されていない。このため、ユーザ(監視員等)は、メータ10cによって計測されたメータ値を確認し、確認したデータを、エネルギー演算装置100に入力する。
【0020】
エネルギー演算装置100は、定期的に、コントローラ20から計測データを受信し、受信した計測データを、記憶部に保存する。また、エネルギー演算装置100は、入力画面を表示して、ユーザから、メータで確認されたデータの入力を受け付ける。たとえば、ユーザは、入力画面を確認し、エネルギー演算装置100の入力部を操作して、メータ10cのメータ値および日時を入力画面に入力する。エネルギー演算装置100は、入力画面に入力されたデータを、記憶部に保存する。
【0021】
図2は、入力画面の一例を示す図である。図2に示すように、この入力画面60には、識別情報、前回日時、前回値、更新日時、更新値が含まれる。識別情報は、メータ10を識別する情報である。前回日時は、前回、メータ値を入力した日時を示す。前回値は、前回入力されたメータ値である。更新日時は、今回、メータ10のメータ値を入力した日時を示す。更新値は、今回入力されたメータ値である。
【0022】
たとえば、ユーザが、入力画面60の識別情報の入力欄に、対象となるメータ10の識別情報を入力すると、エネルギー演算装置100は、記憶部に保存されたデータを基にして、入力された識別情報に対応する前回日時、前回値を入力画面60に表示する。
【0023】
たとえば、図2の入力画面60の1行目では、ユーザによって、識別情報「M101」が指定されると、エネルギー演算装置100は、記憶部に保存されたデータを基にして、識別情報M101に対応する前回日時「2022年3月1日 20:00」、前回値「15600kw」を設定して表示する。
【0024】
また、図2の入力画面60の1行目では、ユーザはエネルギー演算装置100の入力部を操作して、識別情報「M101」に対応する更新日時として「2022年3月1日 15:00」を入力し、更新値として「15650kw」を入力した例を示す。たとえば、ユーザは、入力画面60の設定ボタン61を押下することで、入力を完了する。ユーザは、入力画面60の取り消しボタン62を押下することで、入力を取りやめることも可能である。
【0025】
エネルギー演算装置100は、入力画面60に入力されたデータを記憶部に保存する。エネルギー演算装置100は、記憶部に保存されたメータ値および日時を基にして、エネルギー演算に応じた期間における、単位時間当たりのメータ値を算出し、単位時間当たりのメータ値をもとにして、エネルギー演算を実行する。
【0026】
上記に示すように、エネルギー演算装置100は、入力画面60を表示して、ユーザから、メータ値および日時のデータを受け付け、記憶部に保存し、記憶部に保存されたデータを基にして、エネルギー演算に応じた期間における、単位時間当たりのメータ値を算出し、エネルギー演算を行う。このため、ユーザによって、決まった日時にメータ値が入力されない場合であっても、正確に、エネルギー演算を行うことができる。
【0027】
たとえば、従来技術では、エネルギー演算に必要なメータ値の差分が、1か月である場合、決められた日時(たとえば、毎月、1日の10時と月末の10時)にメータ値を入力することが求められるが、本実施例に係るエネルギー演算装置100にデータを入力するユーザは、都合のよい日時に、メータ値、日時を入力すればよい。
【0028】
[エネルギー演算装置の機能構成の一例]
以下、図1に示したエネルギー演算装置100の機能構成の一例について説明する。図3は、本実施形態に係るエネルギー演算装置の構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、このエネルギー演算装置100は、通信部110と、入力部120と、表示部130と、記憶部140と、制御部150とを有する。
【0029】
通信部110は、ネットワーク50を介して、コントローラ20との間で情報の送受信を行う。たとえば、通信部110は、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
【0030】
入力部120は、各種のデータをエネルギー演算装置100に入力するための入力装置である。入力部120は、キーボードやマウス、タッチパネル等に対応する。たとえば、ユーザは、入力部120を操作して、図2に示した入力画面60の各入力欄に、メータ値(更新値)、日時(更新日時)等を入力する。
【0031】
表示部130は、制御部150から出力される情報を表示する表示装置である。表示部130は、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、タッチパネル等に対応する。たとえば、表示部130は、図2に示した入力画面60を表示する。
【0032】
記憶部160は、各種の情報を記憶する記憶装置であり、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部140には、計測データテーブル141、演算入力値データ142、演算結果データ143が保存される。
【0033】
計測データテーブル141は、メータ10に計測されたメータ値と日時等に関するデータを保持するテーブルである。図4は、計測データテーブルのデータ構造の一例を示す図である。図4に示すように、この計測データテーブル141は、メータ10を識別する識別情報と、メータ値を計測した日時と、メータ値とを対応付ける。
【0034】
演算入力値データ142は、エネルギー演算を行うための入力値データを保持する。たとえば、エネルギー演算を行うための入力値データを、一か月間で増加したメータ値(エネルギー使用量)とする。
【0035】
演算結果データ143は、エネルギー演算の結果となるデータを保持する。
【0036】
制御部150は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、エネルギー演算装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部150は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部150は、スキャン処理部151、受付部152、演算実行部153、出力部154を有する。
【0037】
スキャン処理部151は、通信部110を介して、コントローラ20から、計測データを受信する。スキャン処理部151は、計測データを、計測データテーブル141に保存する。スキャン処理部151は、計測データを保存する場合に、識別情報に対応付けて、計測データのメータ値を保存する。スキャン処理部151は、予め設定される期間毎に、コントローラ20に計測データを要求し、計測データを受信してもよい。
【0038】
受付部152は、入力画面を表示部130に表示し、入力画面の入力欄に入力されるメータ値、日時のデータを受け付け、受け付けたデータを、計測データテーブル141に保存する。以下において、受付部152の処理の一例について説明する。
【0039】
受付部152は、ユーザによって操作される入力部120から、入力要求を受付けると、入力画面を表示する。たとえば、最初に表示される入力画面の入力欄はブランクとなる。ユーザは、入力部120を操作して、入力画面の識別情報の入力欄に、該当するメータ10の識別情報を入力する。以下の説明では、ユーザに指定された識別情報を「指定識別情報」と表記する。
【0040】
受付部152は、指定識別情報と、計測データテーブル141の各識別情報とを比較し、指定識別情報と同一の識別情報に対応する日時であって、最新の日時を特定する。また、受付部152は、特定した最新の日時に対応するメータ値を特定する。受付部152は、特定した日時を、入力画面の前回日時の入力欄に設定し、特定したメータ値を、入力画面の前回値に設定することで、入力画面を更新する。
【0041】
ユーザは、入力部120を操作して、入力画面の更新値の入力欄に、確認したメータ値を入力し、入力画面の更新日時の入力欄に、メータ値を確認した日時を入力する。受付部152は、計測データテーブル141において、指定識別情報に対応する識別情報と対応付けて、更新値の入力欄に入力されたメータ値と、更新日時の入力欄に入力された日時とを保存する。
【0042】
なお、ユーザは、入力部120を操作して、入力画面の前回日時の入力欄に設定された日時、前回値の入力欄に設定されたメータ値を修正してもよい。受付部152は、修正を受け付けた場合には、計測データテーブル141の該当データを修正する。たとえば、受付部152は、指定識別情報と同一の識別情報に対応する日時を、修正された日時に更新し、更新した日時に対応するメータ値を、修正されたメータ値に更新する。
【0043】
演算実行部153は、計測データテーブル141を基にして、演算入力値データ142を生成し、記憶部140に保存する。演算実行部153は、演算入力値データ142を基にして、エネルギー演算を実行し、演算結果となる演算結果データを記憶部140に保存する。
【0044】
まず、演算実行部153が、計測データテーブル141を基にして、演算入力値データ142を生成する処理の一例について説明する。演算実行部153は、エネルギー演算に応じた期間における、単位時間当たりのメータ値を算出する。以降の説明では、一例として、エネルギー演算に応じた期間を1か月とする。
【0045】
たとえば、演算実行部153は、計算対象とする「識別情報」と「月」とを選択する。一例として、計算対象の識別情報を「M101」とし、計算対象の月を「3月」とする。演算実行部153は、計測データテーブル141のレコードのうち、識別情報が「M101」となり、日時が3月に含まれるレコードを特定する。演算実行部153は、特定したレコードのうち、日時が最も古い日時(以下、第1日時)に対応するメータ値(以下、第1メータ値)と、日時が最も新しい日時(以下、第2日時)に対応するメータ値(以下、第2メータ値)を特定する。
【0046】
演算実行部153は、式(1)を基にして、単位時間当たりのメータ値を算出する。
【0047】
単位時間当たりのメータ値=(第2メータ値-第1メータ値)/(第1日時から第2日時までの時間)・・・(1)
【0048】
演算実行部153は、計算対象とする識別情報と月とを変更しながら、上記処理を繰り返し実行することで、各月の各識別情報に対応する、単位時間当たりのメータ値を算出する。演算実行部153は、計算対象とする月を、所定の月(たとえば、最新の月)に絞って、上記計算を行ってもよい。演算実行部153が計算した、各月の各識別情報に対応する、単位時間当たりのメータ値が、演算入力値データ142に対応するデータとなる。
【0049】
続いて、演算実行部153が、演算入力値データ142を基にして、エネルギー演算を実行する処理の一例について説明する。演算実行部153は、周知技術のいかなる技術を用いて、エネルギー演算を実行してもよい。
【0050】
たとえば、演算実行部153は、識別情報毎の単位時間当たりのメータ値に重みを乗算した値をそれぞれ加算した値を、エネルギー演算結果とする。または、演算実行部153は、単位時間当たりのメータ値と、対象装置との単位時間当たりの負荷との比を、エネルギー演算結果としてもよい。対象装置は、識別情報に対応するメータが計測を行う対象の機器である。また、対象装置の単位時間当たりの負荷は、外部から取得しておくものとする。演算実行部153は、その他の演算方法によって、エネルギー演算を実行してもよい。
【0051】
なお、演算実行部153は、計測データテーブル141のデータが更新された場合に、上記処理を再度実行して、演算結果データ143を算出してもよい。
【0052】
出力部154は、演算結果データ143を、表示部130に出力して表示させる。
【0053】
[本実施形態におけるエネルギー演算装置の処理の一例]
次に、本実施形態におけるエネルギー演算装置100の一例について説明する。図5は、エネルギー演算装置の処理手順を示すフローチャートである。図5に示すように、エネルギー演算装置100のスキャン処理部151は、コントローラ20から計測データを受信し、計測データテーブル141に保存する(ステップS101)。
【0054】
エネルギー演算装置100の受付部152は、入力要求を受付けた場合に、入力画面を表示部130に表示する(ステップS102)。受付部152は、入力画面の入力欄に入力された識別情報に対応する前回日時、前回値を、計測データテーブル141から取得して入力画面に設定する(ステップS103)。
【0055】
受付部152は、入力部120から、更新日時、更新値の入力を受け付け、計測データテーブル141に保存する(ステップS104)。
【0056】
エネルギー演算装置100の演算実行部153は、計測データテーブル141を基にして、演算入力値データ142を算出する(ステップS105)。演算実行部153は、演算入力値データ142を基にして、エネルギー演算を実行し、演算結果データ143を生成する(ステップS106)。
【0057】
エネルギー演算装置100の出力部154は、演算結果データ143を、表示部130に出力して表示させる(ステップS107)。
【0058】
[実施形態における効果]
以上に説明したように、本実施形態に係るエネルギー演算装置100は、入力画面を表示して、ユーザから、メータ値および日時のデータを受け付け、記憶部140に保存し、記憶部140に保存されたデータを基にして、エネルギー演算に応じた期間における、単位時間当たりのメータ値を算出し、エネルギー演算を行う。このため、ユーザによって、決まった日時にメータ値が入力されない場合であっても、正確に、エネルギー演算を行うことができる。
【0059】
エネルギー演算装置100は、入力画面を表示して、計測データテーブル141のデータを基にして、前回日時と、前回値とを表示し、表示した前回日時、前回値に対する修正を受け付けた場合には、計測データテーブル141に保存されたデータを、修正後のデータに更新する。これによって、過去に入力したデータを容易に更新することができる。
【0060】
エネルギー演算装置100は、計測データテーブル141のデータが修正後のデータに更新された場合には、エネルギー演算を再度実行する。これによって、修正に応じたエネルギー演算結果を容易に得ることができる。
【0061】
[実施形態の拡張]
上述したエネルギー演算装置100の処理は一例であり、上記の処理に限定されるものではない。たとえば、受付部152は、計測データテーブル141に保存されたメータ値と日時とを基にして、新たに入力されたメータ値または日時について誤りがあるか否かを検出してもよい。
【0062】
たとえば、受付部152は、入力画面60に更新日時、更新値が入力され、更新日時が前回日時よりも前の日時の場合や、更新値が前回値よりも小さい場合に、新たに入力されたメータ値または日時について誤りがあるか否かを検出する。受付部152は、誤りを検出した場合に、誤りのある入力欄を強調表示してもよい。受付部152がかかる処理を実行することで、メータ値、日時の入力ミスを減らすことができる。
【0063】
以上、実施形態の一例を説明したが、これらは例示であり、本実施形態は上記した説明に限定されるものではない。発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、実施形態の構成や詳細は、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で実施することができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 演算システム
10a,10b,10c メータ
20a,20b コントローラ
30 他システム
50 ネットワーク
100 エネルギー演算装置
110 通信部
120 入力部
130 表示部
140 記憶部
141 計測データテーブル
142 演算入力値データ
143 演算結果データ
150 制御部
151 スキャン処理部
152 受付部
153 演算実行部
154 出力部
図1
図2
図3
図4
図5