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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175584
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】自動取引装置及び監視システム
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/00 20190101AFI20231205BHJP
   G08B 13/196 20060101ALI20231205BHJP
   G07D 11/40 20190101ALI20231205BHJP
   G07F 19/00 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
G07D11/00
G08B13/196
G07D11/40
G07F19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088111
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立チャネルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】今川 菜那
【テーマコード(参考)】
3E141
5C084
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA03
3E141BA07
3E141DA01
3E141DA05
3E141FF09
3E141FJ02
3E141FJ09
3E141FL10
5C084AA03
5C084AA11
5C084BB31
5C084CC16
5C084DD11
5C084EE09
5C084FF03
5C084HH10
(57)【要約】
【課題】自動取引装置において、監視カメラの撮影の範囲を広げて、より広範囲で異物の検知を行う。
【解決手段】媒体の挿入及び排出を行う媒体挿入排出口と、二次元コードを読み取る二次元コードリーダが設置された前面パネルと、前面パネルと前面パネルの周辺を撮影する監視カメラと、監視カメラの撮影範囲を広げる反射鏡とを有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者との取引を行う自動取引装置であって、
媒体の挿入及び排出を行う媒体挿入排出口と、
二次元コードを読み取る二次元コードリーダが設置された前面パネルと、
前記前面パネルと前記前面パネルの周辺を撮影する監視カメラと、
前記監視カメラの撮影範囲を広げる反射鏡と、
を有すること特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記監視カメラは、
前記反射鏡を撮影して、少なくとも前記二次元コードリーダを検知すること特徴とする請求項1の記載の自動取引装置。
【請求項3】
利用者が取引金額の入力又は前記媒体の暗証番号の入力を行うEPPと、
前記EPPの入力行為が覗かれること防ぐ覗き見防止用側壁部と、を有し、
前記反射鏡は、
前記監視カメラが前記二次元コードリーダを撮影可能なように前記覗き見防止用側壁部に設けられていること特徴とする請求項2の記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記覗き見防止用側壁部は、
前記監視カメラの前記撮影画像の背景にあることにより前記撮影画像の妨げになる光を防ぐように配置されていること特徴とする請求項3の記載の自動取引装置。
【請求項5】
前記利用者が音声会話を行うガイドホンを有し、
前記前面パネルには、紙幣入出金口が設置されており、
前記監視カメラは、
前記反射鏡、前記媒体挿入排出口及び前記紙幣入出金口を撮影可能なように前記ガイドホンの側面に設けられていることを特徴とする請求項1の記載の自動取引装置。
【請求項6】
顧客操作パネルと、
所定の制御を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記監視カメラの撮影画像を用いて、前記媒体挿入排出口の異物又は前記二次元コードリーダ上の異物を検知し、前記顧客操作パネルに前記利用者に対して所定の表示を行うことを特徴とする請求項1の記載の自動取引装置。
【請求項7】
前記媒体挿入排出口の前記異物は、不審物であり、
前記二次元コードリーダ上の前記異物は、前記利用者の忘れ物であり、
前記異物が前記忘れ物の場合は、
前記制御部は、
前記顧客操作パネルに注意表示画面を表示し、
前記異物が前記不審物の場合は、
前記制御部は、
前記顧客操作パネルに取引中止画面を表示することを特徴とする請求項6の記載の自動取引装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記二次元コードリーダの前記異物を検知した場合、前記顧客操作パネルに前記注意表示画面を表示し、
前記注意表示画面の表示後に、前記異物が残留していることを検知した場合、
前記監視カメラの前記撮影画像を拡大することを特徴とする請求項7の記載の自動取引装置。
【請求項9】
前記媒体挿入排出口の上部に設けられ前記利用者に前記媒体の挿入及び受取の指示を行うフリッカを有し、
前記監視カメラは、
前記フリッカを撮影し、
前記制御部は、
前記監視カメラの前記撮影画像に基づいて、前記フリッカが故障していることを検知することを特徴とする請求項1の記載の自動取引装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記監視カメラが前記紙幣入出金口のシャッタ上の異物を検知すると、前記異物が除去されるまで前記シャッタが開かないよう制御することを特徴とする請求項5の記載の自動取引装置。
【請求項11】
請求項1の記載の前記自動取引装置と、
前記自動取引装置と通信路を介して接続された監視用コンピュータと、を有し、
前記自動取引装置は、
前記反射鏡を撮影して得られた前記監視カメラの撮影画像を監視用コンピュータに送り、
前記監視用コンピュータは、
前記撮影画像を用いて前記自動取引装置を監視することを特徴とする監視システム。
【請求項12】
前記監視用コンピュータは、
前記撮影画像を拡大した拡大画像を用いて前記自動取引装置を監視することを特徴とする請求項11の記載の監視システム。
【請求項13】
前記監視用コンピュータは、
前記拡大画像を用いて前記二次元コードリーダを検知すること特徴とする請求項12の記載の監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は現金自動取引装置(Automated-Teller-Machine、以降ATMと略す)及び監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者がATMを利用する場合はカードと暗証番号を用いて現金取引を行っているが、不正にカード情報を読み取る装置や暗証番号を知るための盗撮カメラをATMに取り付ける犯罪が起きている。
【0003】
カードや暗証番号を用いた取引だけではなく、二次元コードを用いた取引も行われている。携帯電話の画面に表示された二次元コードや明細書などの紙に印字された二次元コードから、事前に登録された取引内容を読み取ることで、現金取引を行う。
【0004】
二次元コードを読み取るために、ATMに備え付けてある二次元コードリーダ上に携帯電話や紙を置き、取引後に置き忘れる可能性がある。また、利用者がATMの現金取引を行った後に出金した紙幣を取り残していたり、荷物を置き忘れる可能性もある。
【0005】
特許文献1には、カードの表面や暗証番号入力動作が盗撮されやすいATMの前面パネルやその周辺を監視カメラで撮影し、ATMの取引情報をもとに取引終了時から次の取引開始時までをある一定の時間間隔で撮影した画像の差分で不審物の自動検知を行い、不審物が設置されないよう監視するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-280317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、監視カメラでカード口やその周辺を撮影することで不審物の有無を検知し、犯罪発生時の対応を行っているが、利用者の忘れ物も検知するためには撮影の範囲を広げる必要がある。
【0008】
ATMの複数の箇所を撮影するために、撮影する部位毎に監視カメラを設置すると、その分コストが高くなってしまう。また、不審物の最終判定は監視者が行っているため、撮影画像に写る異物が小さいと、監視者による異物の最終判定が難しい可能性がある。
【0009】
本発明の目的は、自動取引装置において、監視カメラの撮影の範囲を広げて、より広範囲で異物の検知を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様の自動取引装置は、利用者との取引を行う自動取引装置であって、カードの挿入及び排出を行うカード挿入排出口と、二次元コードを読み取る二次元コードリーダが設置された前面パネルと、前記前面パネルと前記前面パネルの周辺を撮影する監視カメラと、前記監視カメラの撮影範囲を広げる反射鏡とを有すること特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、自動取引装置において、監視カメラの撮影の範囲を広げて、より広範囲で異物の検知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】異物検知システムの外観図の例を示す図である。
図2】ATMのブロック図である。
図3】異物検知システムの仕組みを示す図である。
図4】監視カメラの撮影範囲の例を示す図である。
図5】反射鏡撮影の処理フローを示す図である。
図6】再度撮影した撮影画像を示す図である。
図7】異物検知時の処理内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例0014】
図1は、本実施例の異物検知システムの外観図である。このシステムは、監視の対象となるATM101、ATM101の前面パネルとその周辺を撮影できる位置に内蔵された監視カメラ102、ATM101の制御や異物の有無を検知するATM制御部103、ATM制御部103よりアラーム出力を受け取り検知した異物の最終判定を行う監視用コンピュータ104、ATM制御部103と監視用コンピュータ104を接続する通信路105、音声ガイダンスを出力するスピーカ106、取引の操作画面を表示しタッチパネルによる取引種類の選択や金額などの入力機能を備える顧客操作パネル107、から構成される。
【0015】
ATM101の構成について図2のブロック図を用いて説明する。
ATM101は、ATM制御部103、監視カメラ102、カード・明細票処理部201、紙幣処理部202、EPP203、ガイドホン204、二次元コードリーダ205、フリッカ206、スピーカ106、顧客操作パネル107により構成される。
【0016】
ATM制御部103は、監視カメラ102の制御や異物の有無を検知する監視部207、監視カメラ102の撮影開始/停止の制御や撮影した画像の転送を制御する監視カメラ制御部208、監視カメラ102で撮影した画像から画像認識により異物を検知する異物検知部209、異物検知部209で異物が検知された場合に音声ガイダンスや顧客操作パネル107の注意画面を表示し利用者に対して注意喚起を行うよう制御する警告部210、通信路105を通じてアラームや異物を撮影した画像を送信する通信部211、監視カメラ102による撮影した画像を格納しておく画像格納部212、を備えている。
【0017】
カード・明細票処理部201はカード・明細票口から挿入されたカードを読み取り、明細票を印字しカード・明細票口から発行する。また、取引終了直後に利用者へカードの返却を行う。
【0018】
紙幣処理部202は紙幣入出金口から利用者が挿入した入金紙幣を収納する。また出金紙幣を紙幣入出金口に放出する。
【0019】
EPP203は利用者が取引金額の入力やカードの暗証番号入力を行う。
【0020】
ガイドホン204は視覚障害者向けの音声ガイダンスの出力や、利用者が操作方法がわからない場合にコールセンタのオペレータと音声会話を行う。
【0021】
二次元コードリーダ205は媒体読み取り部にセットされた利用者の携帯電話の画面や明細票等の紙から二次元コードを読み取る。
【0022】
フリッカ206はカード・明細票口と紙幣入出金口の上部に備えられており、ランプを点滅することで利用者へのカードや紙幣の挿入/受取を指示する。
【0023】
監視部207により異物301を検知する仕組みについて図3を用いて説明する。
【0024】
ATM101設置時に、監視者および警備員がATM101上に異物301がないことを確認し、監視カメラ102で基本画像310を撮影する。利用者の取引終了直後から次の取引開始まである一定の時間間隔で監視カメラ102で撮影した撮影画像311を基本画像310と比較し、異物検知部209が画像の変化の差分が大きい部分を異物301として検知する。本実施例の監視部207では二枚の画像を比較し、同じ位置における画素の差がある一定の値(閾値)を上回った部分を異物301とみなす。基本画像310と撮影画像311を比較した異物検知画像312を画像格納部212に格納し、通信部211から監視用コンピュータ104にアラームと異物検知画像312を送信する。
【0025】
なお、本実施例では基本画像310はATM101設置時に撮影しているが、ATM101を設置している周りの環境が変化したときや、装置にオプションを追加したとき等、任意のタイミングで撮影した画像を、基本画像310として再登録することが可能である。また装置毎に個別の基本画像310を設定しても、共通の基本画像310を設定してもよい。時間を指定し、監視カメラ102が撮影する一定時間前の取引中ではない画像を基本画像310とし、撮影画像311と比較することも可能である。
【0026】
監視部207により検知された異物301は、監視カメラ102に付着した埃やゴミ、ATM101に取付けられた不審物、利用者の忘れ物の可能性があり、監視者により最終的に判定される。なお、以下の説明する不審物とは、ATM101に取付けられた盗撮カメラや、カード口に取付けられたカード情報を読み取る装置である。また、利用者の忘れ物/荷物とは、紙幣入出金口404の中の取忘れた出金紙幣や二次元コードリーダ205上の携帯電話や明細票等の紙、ATM101筐体や紙幣入出金口404のシャッタ上の財布や飲料カップ等を示している。
【0027】
監視カメラ102が撮影した画像にはATM101以外の部分も写っているため、撮影画像311にATM101上の異物301以外に人やモノが写り込んでしまう可能性がある。監視者は基本画像310を撮影する際に、ATM101が写っていない範囲を検知対象外エリア302として設定し、監視部207は検知対象外エリア302に写っているものを異物301として検知しないように制御する。
【0028】
なお、以下の説明する監視者とは監視用コンピュータ104でATM101を監視する人であり、警備員は監視者の指示によりATM101上の異物301の除去等行う人である。
【0029】
監視カメラ102から撮影される範囲は図4のように前面パネルとその周辺を対象とする。
【0030】
ガイドホン204の下部張り出し部側面に目立たないように監視カメラ102を取り付け、前面パネルやその周辺を撮影することで不審物が取り付けられていないか、または利用者が取引終了後に荷物を取り忘れていないかを検知する。
【0031】
利用者がEPP203で暗証番号や取引金額の入力を行う際に、覗き見防止用側壁部402によって他人が入力行為を覗くことを防ぐ。また、覗き見防止用側壁部402によって監視カメラ102の撮影した画像からも、利用者がEPP203のどのボタンを押しているか確認することはできない。覗き見防止用側壁部402に反射鏡403を設置することで、監視カメラ102の撮影可能な範囲を広げる。監視カメラ102から二次元コードリーダ205周辺の忘れ物が確認できるように、反射鏡403の角度を合わせて設置する。
【0032】
利用者は取引終了後に紙幣入出金口404内の出金した紙幣を取り残したり、二次元コードリーダ205の媒体読み取り部上の携帯電話や明細票等の紙を取忘れる可能性がある。またATM101に不審物を取り付けられてしまう場合、カード・明細票口401にカード情報を不正に読み取る装置が取り付けられる可能性が高いため、監視カメラ102は主に図4の範囲を撮影する。
【0033】
監視カメラ102が撮影する際、カード・明細票口401周辺の背景にEPP203の覗き見防止用側壁部402が写ることで、西日などの撮影画像311の妨げになる光を防ぐ。また、カード・明細票口401の背景が検知対象外エリア302だと、カード口に取付けられた不審物が検知対象外エリア302に入ってしまったり、反対に背景に写り込んだATM101上の異物301以外のものを誤って検知してしまう可能性があるため、背景に覗き見防止用側壁部402が写ることで、誤検知を減らし異物検知精度を向上することができる。
【0034】
監視カメラ102の撮影範囲にはフリッカ206が入っているため、フリッカ206が故障していないか確認を行うことができる。ATM101取引中に撮影すると利用者の手が写り込んでしまうため、ATM101が取引中ではない任意のタイミングで、フリッカ206を点灯させ監視カメラ102でATM101の前面パネル周辺を撮影する。ATM制御部103から監視用コンピュータ104に撮影画像311を送信し、監視者によるフリッカ206点灯の確認を実施することが可能である。
【0035】
取引終了直後から次の取引開始まで一定時間ごとに監視カメラ102で撮影し、カード・明細票口401やEPP203の近くに手が写り続けていると、ATM101に不審物を取り付けている可能性があるため、不審動作として検知する。検知直後に、音声ガイダンスや画面表示により注意喚起を行うことで、ATM101に不審物を取り付けられる前に防ぐことができる。
【0036】
注意喚起を行った後も、手が写り続けている場合は、ATM制御部101から監視者に不審動作検知のアラームを送信する。本実施例では、取引中以外にしばらく手が写り込んでいることで不審動作として検知しているが、取引は行われていないときに、ATM101の特徴的な部位が撮影した画像から一定時間確認できないことから不審動作を検知することも可能である。
【0037】
監視カメラ102が反射鏡403を撮影し、二次元コードリーダ205部の検知を行うシステムについて、図5図6を用いて説明する。
【0038】
図5は二次元コードリーダ205部の異物301を検知した際の処理フローである。
S501は、利用者が取引中に二次元コードリーダ205部で携帯電話の画面や明細票等の紙から二次元コードを読取り、取引終了直後に監視カメラ102が前面パネル周辺を撮影する。
【0039】
S502は、監視カメラ102が撮影した撮影画像311より、異物検知部209が反射鏡エリア601(図6)から反射鏡403に映った二次元コードリーダ205上の異物301を検知する。
【0040】
S503は、異物301が検知された直後に、音声ガイダンスと顧客操作パネル107の注意画面表示によって、利用者に荷物取忘れの注意喚起を行う。
【0041】
S504は、一定時間後の監視カメラ102の異物検知画像312による異物除去の確認を行う。異物301が取り除かれている場合は、音声ガイダンスや顧客操作パネル107の注意表示画面を終了し、次の取引終了直後に監視カメラ102の撮影画像311による異物検知を再実行する。
【0042】
S505は、一定時間後の異物検知画像312から異物301の残留が確認された場合は、監視カメラ102により異物301の再撮影を行う。監視部207は監視カメラ102に再度撮影する指示を送り、監視カメラ102は元より高い画素数で再度前面パネル周辺を撮影する。監視部207は再度撮影した画像610(図6)のデータから反射鏡エリア601を拡大する。なお、拡大画像611から監視者による異物301の最終判定が可能であれば、再度撮影せずに異物残留の確認を行った一定時間後の異物検知画像312を監視部207で拡大してもよい。
【0043】
S506は、ATM制御部103により、監視カメラ102が再度撮影した画像610と反射鏡エリア601の拡大画像611(図6)の2枚の画像と、異物検知のアラームを監視用コンピュータ104に送信する。
【0044】
S507は、監視用コンピュータ104が異物検知のアラーム出力を受け、受信した再度撮影した画像610と拡大画像611から監視者が異物301の最終判定を行う。異物301の最終判定により、異物301が監視カメラ102に付着した埃やゴミなどであり、不審物/忘れ物として確認されなかった場合は、再度次の取引終了直後に監視カメラ102による撮影を行う。
【0045】
S508は、異物301が不審物/忘れ物と判断された場合、監視者から指示を受けた警備員がATM101上の異物301を除去する。
【0046】
なお、本実施例では最終的な異物301の判断は監視者が行っているが、利用者に対して取忘れの注意喚起を行い、その後の不審物検知画像312から異物301の除去が確認できない場合は、監視者による異物301の最終判断を行わず、警備会社に異物除去のアラームを送信することも可能である。
【0047】
監視カメラ102の撮影画像311からATM101上の異物301が検知された場合の処理内容について図7を用いて説明する。
【0048】
監視カメラ102で撮影した撮影画像311から、異物検知部209で異物301が検知されると、異物301が利用者の忘れ物702だと判断される。警告部210は、一定時間「取忘れの注意」の音声ガイダンスとATM101の顧客操作パネル107に注意表示画面710(図7)を表示するよう制御し、直前に取引を行った利用者に対して取忘れの注意を促す。取忘れの注意喚起中に異物検知画像312から忘れ物702の除去を確認すると、音声ガイダンスや注意表示画面710を終了し、次の取引終了直後の監視カメラ102の撮影画像311による異物検知を再実行する。
【0049】
一定時間後の異物検知画像312で同位置に異物301が検知されると、異物301の最終的な判断を行うためにATM制御部103は監視用コンピュータ104に異物検知のアラームと異物検知画像312を送信する。異物301が小さく監視者が異物301の最終判定を正確にできない場合は、監視者は監視用コンピュータ104からATM制御部103に再度異物301を撮影するよう指示をする。
【0050】
監視部207は再度撮影した画像から異物301付近を拡大する。ATM制御部103は拡大した画像を再度監視用コンピュータ104に送信し、監視者は異物301の最終判定を行う。なお、本実施例では撮影した画像を拡大することで小さい異物301を監視者が確認しやすくしているが、カメラで異物301付近をズームして撮影し、異物301を確認しやすくしてもよい。
【0051】
異物301が不審物701と判断された場合、ATM101の取引を一時停止し、音声ガイダンスや顧客操作パネル107の取引中断画面711(図7)を表示することで、ATM101利用者に不審物701が設置されているため取引を一時停止していること知らせる。警備員による不審物701の除去を監視者が確認すると、取引を再開し、次の取引の終了直後に監視カメラ102の撮影画像311による異物検知を再実行する。
【0052】
なお、図7の注意表示画面710と取引中断画面711は一つの例であり、利用者に注意喚起を行う画面であれば画面の文言など任意に設定することが可能である。
【0053】
監視カメラ102の撮影画像311より、異物検知部209が紙幣入出金口404のシャッタ上の異物301を検知すると、利用者へ取忘れの注意喚起を行い、ATM制御部103は、異物301が除去されるまでシャッタが開かないよう制御する。シャッタが開かないようにすることで、紙幣入出金口404の中にゴミやこぼれた飲み物などが入ることを防ぐ。
【0054】
注意喚起中に異物検知画像312からシャッタ上の異物301の除去が確認されると、音声ガイダンスと画面表示による注意喚起を終了し、再度取引を開始する。一定時間後の異物検知画像312からシャッタ上の異物301の除去が確認されない場合は、監視用コンピュータ104に異物検知画像312とアラームを送信し、監視者より指示を受けた警備員が異物301を除去する。異物301の除去が確認されると、再度取引を開始する。
【0055】
上記実施例では、ATMの目立たない位置に監視カメラを取り付け、前面パネルやその周辺を撮影し、反射鏡を利用することで監視カメラの撮影範囲を広げる。
【0056】
また、監視カメラの撮影画像からATMの異物検知部が異物を検知すると、直前に取引を行っていた利用者に対して音声ガイダンスや画面表示による注意喚起を行う。
【0057】
一定時間後に撮影画像の同位置に異物が確認されると、監視者が異物の最終判定を行う。異物が小さく判断が難しい場合は、撮影画像のデータから異物付近を拡大する。最終判定により異物が不審物と判断されると、警備員による不審物の除去を行う。
【0058】
上記実施例によれば、反射鏡を利用し監視カメラの撮影範囲を広げることで、媒体挿入排出口周辺だけではなく、他の位置の利用者の取忘れを知らせることが可能となり、コストを抑えて同時に違う撮影部位を撮影することができる。また、不審物を検知し、カード情報や暗証番号を用いた犯罪が行われる前に防ぐことができる。
【符号の説明】
【0059】
101 ATM
102 監視カメラ
103 ATM制御部
104 監視用コンピュータ
105 通信路
107 顧客操作パネル
203 EPP
204 ガイドホン
205 二次元コードリーダ
206 フリッカ
208 監視カメラ制御部
209 異物検知部
210 警告部
401 カード・明細票口
402 覗き見防止用側壁部
403 反射鏡
404 紙幣入出金口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7