(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175589
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】逆止弁および太陽熱利用システム
(51)【国際特許分類】
E03B 7/07 20060101AFI20231205BHJP
F24S 40/70 20180101ALI20231205BHJP
F24S 20/40 20180101ALI20231205BHJP
【FI】
E03B7/07 A
F24S40/70
F24S20/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022096104
(22)【出願日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】595023851
【氏名又は名称】株式会社東洋ソーラーシステム研究所
(71)【出願人】
【識別番号】522236419
【氏名又は名称】栗山 義雄
(72)【発明者】
【氏名】小泉 尚夫
(57)【要約】 (修正有)
【課題】太陽光を受光し流体を加温する集熱器とヒートポンプとを統合した太陽熱利用システムにおいて、流体の凍結防止のために集熱器への供給配管及び集熱器からの戻り配管の中の流体を排出する場合に、供給配管及び戻り配管の中の流体を全て排出する太陽熱利用システムを実現する。その実現のため、非常に低い差圧で開閉する逆止弁を開発すると共に低コスト化を図る。
【解決手段】配管と配管を接続し、配管内に流れる流体の逆流を防止する逆止弁であって、流体の流路を開閉する弁体と、弁体が流体の差圧に応じて逆止弁本体内を自由に移動し、流路を開閉するように配管と配管を接続することを特徴とする。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管と配管を接続し、該配管内に流れる流体の逆流を防止する逆止弁であって、
前記流体の流路を開閉する弁体と、
前記弁体を支持し、該弁体が逆止弁本体の入口と勘合するように導くガイドと、を備え、
前記弁体が前記流体の差圧に応じて前記ガイド上を自由に移動し、前記流路を開閉するように前記配管と配管を接続することを特徴とする。
【請求項2】
配管と配管を接続し、該配管内に流れる流体の逆流を防止する逆止弁であって、
前記流体の流路を開閉する弁体と、
前記逆止弁の入口で前記弁体が勘合するように該逆止弁の出口に対して偏心している逆止弁本体と、を備え、
前記弁体が前記流体の差圧に応じて前記逆止弁本体内を自由に移動し、前記流路を開閉するように前記配管と配管を接続することを特徴とする。
【請求項3】
前記弁体が水平に移動するように前記配管と配管を接続することを特徴とする請求項1~2に記載の逆止弁。
【請求項4】
前記弁体は球形であり、前記弁体が勘合する勘合部にはパッキンを備えていることを特徴とする請求項1~3に記載の逆止弁。
【請求項5】
前記パッキンはシート状またはリング状のパッキンであることを特徴とする請求項4に記載の逆止弁。
【請求項6】
前記弁体が低差圧で作動できるように水平度を設定するための基準面を有することを特徴とする請求項1~5に記載の逆止弁。
【請求項7】
前記逆止弁の入口と出口に接続継手を取り付けて前記配管と配管を接続することを特徴とする請求項1~6に記載の逆止弁。
【請求項8】
太陽光を受光し流体を加温する集熱器とヒートポンプとを統合した太陽熱利用システムであって、
前記集熱器と前記ヒートポンプとの間で循環する流体を貯えるタンクと、
前記集熱器及び前記ヒートポンプに供給配管を通して前記タンクの底部から低温の流体を供給し、該集熱器及び該ヒートポンプによって加温された流体が戻り配管を通して該タンクの上部に戻るよう制御する制御ユニットと、
前記供給配管と前記戻り配管を接続する配管に介在し、該供給配管から該戻り配管への流れを防止する前記請求項1~5に記載の逆止弁と、
前記供給配管から分岐した配管に接続された電動弁と、
前記集熱器の上部に配置され、該集熱器に空気を吸入または排出する空気吸排弁と、を備え、
流体の凍結防止のために前記集熱器への供給配管及び該集熱器からの戻り配管の中の流体を排出する場合に、前記制御ユニットは前記空気吸排弁を開くと共に前記電動弁を開き、該供給配管及び該戻り配管の中の流体を全て排出することを特徴とする太陽熱利用システム。
【請求項9】
前記流体は水であることを特徴とする請求項8に記載の太陽熱利用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽熱を利用して水を加温する太陽熱給湯システムにおいて、冬季には集熱器内の水の凍結を防ぐために、集熱器に水を送水する送水管に排水弁を設けて、凍結の恐れがある低温状況になったら排水弁が開いて集熱器および集熱配管内の水が排水される太陽熱利用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽熱を利用して水又は熱媒体を加温する太陽熱利用システムが開示されている(特許文献1)。太陽熱利用システムは、太陽熱を集熱して管内を流れる水又は熱媒体を加温する集熱器を使用する。集熱器内の水は、低温状況において凍結するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-47582号
【特許文献2】特開2016-85030号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、集熱器内の水の凍結を防止するため、集熱器及び配管内の水を排水する電動排水弁が開示されている。この電動排水弁は、システムの低い位置に設置されており、排水弁への通電がオフになると排水弁が開き、集熱器及び配管内の水が排水される。しかしながら、特許文献1に記載された技術は、排水を重力のみに頼っているため、集熱器及び配管内の一部に水が残るおそれがあった。
【0005】
そこで、特許文献2には、集熱器内の水を排水するために、ブロアーによって集熱器及び配管内の残水等を強制的に吸引し、ブロアーの吸い込み口の前で気液分離タンクによって水を排水する技術が開示されている。
【0006】
しかしながら、ブロアーによって集熱器内の残水等を強制的に吸引する装置を設置すると、システムのコストが上昇するという問題がある。また集熱器内の水の凍結防止のための水を抜く際に、万一停電であったり、電源ブレーカーが落ちていたりするとブロアーが作動せず、凍結破損に至るという不安も残る。
【0007】
やはり排水弁が開くと集熱器および配管内の水が完全に抜けるようなシステムにすることが、最も望ましい。排水を重力のみに頼るシステムで、集熱器及び配管内の一部に水が残る恐れがあるのは、どのような原因が考えられるかというと、まず集熱器への送水配管及び、集熱器から温水を貯湯槽へ戻す戻り配管が排水弁に向かって下り勾配を保つように配管が施工されているかということである。これは技術の問題というより、施工管理の問題である。もう一つは、水抜きは集熱器への送水配管及び、集熱器から温水を貯湯槽へ戻す戻り配管の両配管から水を抜かなければならないが、コスト低減の観点から、排水弁は送水配管に設ける1個だけで、両排管から水が抜ける方法が、特許文献1に示されている。その方法とは、戻り配管から送水配管の方への流れだけを許容する逆止弁を戻り配管と送水配管の間に設けることで、戻り配管からも排水できるということである。
【0008】
この方法では戻り配管と送水排管の間に設ける前記逆止弁の開閉作動差圧が十分に小さくないと前記戻り配管内に水が残る恐れが生じる。一般の逆止弁は
図1にその断面を示すように、逆流防止が確実になるようにスプリングなどで密閉されるような構造になっている。そうすると許容方向に水が流れるにはスプリングに打ち勝つ水圧を加えなければ弁は開かない。重力だけで凍結防止排水をする場合は、配管に水が完全に残らずに逆止弁を通して排水されるには逆止弁は無圧でも開いているようでなければならない。非常に低い差圧で作動する逆止弁としては、
図2に示すようなヒンジ形の弁、あるいは
図3のようなボールタイプがあるが、これでも開くにはいくらかの圧力が必要である。本発明は前記戻り配管内の水も完全に抜けるほどに小さい差圧で開き、また逆方向には確実に閉じる逆止弁を考案することにより、低コストの直接水集熱式太陽熱温水システムを実現し、太陽熱利用を促進させようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
図1に示すような、スプリングを設けていない
図3のような逆止弁でも、上向きに水が流れなければならないので、この逆止弁を通して水を重力だけで完全に排水することはできない。
図3の逆止弁を
図4(B)に示すように横向きにすると、無圧でもボールは2のように下に転げ落ちて弁は開くが、
図4(B)の左側から右側に流れる逆方向の水流でも弁が閉じず、逆止弁の働きをしないことも起こり得る。
図5(A)及び
図5(B)に示すように弁が閉じた状態からボールが水平に転がって開くように、ボールのガイドレール4を設けると非常に小さい差圧で弁が開閉されることになり、重力の作用だけで、配管内の水を排水することができることになる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、微小な差圧で逆止弁の開閉がなされる逆止弁を提供することができる。また、それにより太陽熱を利用して水を加温する集熱器の集熱管の水が凍結して集熱器の破損が生ずることが起こらない、低コストで集熱性能が良い、太陽熱利用システムを提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】逆方向流れを完全に止めるようにスプリングを装着した通常の逆止弁の断面図
【
図2】横向きでも使えるヒンジタイプの従来の逆止弁の断面図。
【
図3】非常に低い差圧で開閉できる従来からのボールタイプ逆止弁の断面図。
【
図4】(A)
図3の逆止弁を横向きで使用すると安定した作動が望めないことを説明する説明図の軸方向から見た図。(B)
図4(A)の逆止弁縦断面図。
【
図5】(A)本発明の低差圧で開閉できる横向きで使用するガイドレール付きボールタイプ逆止弁の軸方向から見た図。(B)本発明の
図5(A)の低差圧で開閉できる横向きで使用するガイドレール付きボールタイプ逆止弁の断面図。
【
図6】本発明にかかる一実施形態の逆止弁の軸方向図および断面図。
【
図7】本発明にかかる他の一実施形態の逆止弁の軸方向図および断面図。
【
図8】本発明にかかる一実施形態の太陽熱利用給湯システム図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づき本発明にかかる一実施形態の太陽熱利用給湯システム、並びにシステムの低コスト化と高性能化を可能にする低差圧で作動する逆止弁を具体的に説明する。
【0013】
図8は、本発明にかかる1実施形態の太陽熱利用給湯システムのシステム図を示す。この1実施形態の太陽熱利用給湯システムは、太陽集熱器200と、ヒートポンプ給湯機400と、そのヒートポンプ給湯機の貯湯タンクユニット300とを備える。前記貯湯タンクユニット300にはヒートポンプ給湯機400で沸かしたお湯が、タンク310の上部から注がれ、タンク下部に溜まっている水と攪拌されずに層状にお湯が溜まる。また太陽集熱器には前記タンク310の下部から電磁弁312を通って、ポンプ215により送水管211を経て水が送られて、集熱器でお湯になり、戻り管212を通って、逆止弁314を経て、タンク310の上部からヒートポンプでお湯を沸かすときと同様に、タンク下部に溜まっている水と攪拌されずに層状にお湯が溜まるようにポンプ215が流量制御される。
【0014】
集熱器200の集熱板の上部には図示しない温度センサーが取り付けられており、集熱板温度が所定温度以上例えば45℃以上になると電磁弁312が開いてポンプ215が回転を開始する。集熱板温度が所定温度以下例えば45℃以下になるとポンプ215は停止し、電磁弁312も閉まる。
【0015】
前記ポンプの流量制御の方式は、集熱器200の集熱板の上部に設置されている前記の図示しない温度センサーの温度に従い、216で示す流量計により測定された集熱器への循環水量が所定の流量になるようにポンプ回転速度が制御されることによりなされる。
【0016】
前記ポンプの流量制御は集熱板温度によって制御される場合の他に、集熱器に入る日射強度を測定するセンサーを設置しておいて、日射強度によりポンプ215の流量を制御することによってタンクへのお湯の戻り温度を所定温度以下にならないように制御することも可能である。
【0017】
集熱板温度と循環水量との間の関係はあらかじめ定められた関数関係に維持されるように制御される。それによって、集熱器からタンク310の上部へ注がれるお湯の温度は所定温度以下、例えば45℃以下にはならないように制御されることになり、タンク310内のお湯と水の温度成層が保たれる。
【0018】
このように太陽熱でお湯を沸かす場合も、ヒートポンプでお湯を沸かす場合とほぼ同様の状態で運転できる。したがって量産品のヒートポンプ給湯器の貯湯槽に、集熱器への水の送水口のT字継手と集熱器からの戻り温水の受け入れT字継手を設け、それらのつなぎ口の開閉用の
図8の312で示す電磁弁1個と、313,314で示す逆止弁2個を設置するとヒートポンプ給湯器と一体型の太陽熱利用給湯システムを作ることができる。
【0019】
図8の312で示す電磁弁は凍結防止のために、
図8の排水弁218を開いて集熱器および集熱器へつながる配管内の水を抜く際に、貯湯槽内の水が排水されないようにするためのものである。また
図8の逆止弁314も電磁弁312と同様の働きつまり、凍結防止排水の時、タンク310内のお湯が逆流して排水されることを防ぐために必要な弁である。逆止弁313は凍結防止排水が行われた後に集熱が開始される際に、
図8の戻り管212内には水が入っておらず空気が満たされているので、集熱開始信号が出るとまず電磁弁312が開き、ポンプの運転はされずにタンク底から水が電磁弁を通って流量計216とポンプを経て集熱器に水がタンク310内の水圧によって押し上げられていく。その場合集熱器の中の空気は
図8の空気の排出吸入弁210を経て排出される。
【0020】
一方、
図8の戻り管212には逆止弁313を経てタンク310内の水圧によって水が押し上げられ、戻り管212内の空気は
図8の空気の排出吸入弁210を経て排出される。集熱器内が水で満たされると、水の流れは止まるので、
図8の216で示す流量計の流量が0になったことを示すので、
図8の集熱ポンプ216が回転開始される。そうするとポンプの発生水圧により、
図8の逆止弁313の上側の方の水圧が下側より高くなるので、逆止弁313を通しての水流は止まり、
図8の戻り管212を通って集熱器から戻ってくる温水は、逆止弁314を押し開けてタンク310の上部からタンク内にはいることになる。
【0021】
近年わが国で使用されている太陽熱温水システムは集熱器内の水の凍結防止を完全に行うのは技術的に非常に難しく、必ずしもコスト低減にはならないとの考えで、不凍液集熱方式が一般化している。しかしながら不凍液集熱方式では不凍液から水への熱交換が必要で、
図8のように量産されているヒートポンプ給湯システムに太陽集熱システムを簡単に接続することは困難である。したがって、不凍液集熱式の太陽熱利用給湯システムと、量産品のヒートポンプ給湯器との一体形システムの市販品は現在のところ存在しない。
【0022】
前記集熱板の温度センサーの温度が水の凍結温度の0℃に近い温度、例えば3℃以下になると集熱器内部の水が凍結して集熱板が破損する恐れが生ずるので、排水弁218が開いて、集熱器内の水は送水管211を通って排水弁218から排水される。集熱器内の水が排出されるには集熱器の上部に空気の排出吸入弁210が接続されており、ここから集熱器に空気が流入して、水と置換されて水が排出される。集熱器からのお湯の戻り管路212内の水は、逆止弁217(本特許出願の逆止弁)を押し開いて排水弁218を通って排出される。この戻り管路212内の水が完全に抜けるには逆止弁217(本特許出願の逆止弁)は極めて小さい水圧でも開いているようでなければ、戻り管路212内に水が残る恐れが生ずる。
【0023】
前記の排水弁218は、凍結防止排水を行うことが必要な時に電源が切られていたり、停電になっていたりすると、作動しないようでは凍結事故を完全には防げないことになるので、電源が切られると、スプリングの力で弁が開くスプリングリターン電動弁を用いる。
【0024】
戻り管212内の水を排水する逆止弁217(本特許出願の逆止弁)を設けずにもう1個スプリングリターン電動弁を用いることも考えられるが、コストの点から逆止弁の方がスプリングリターン電動弁より大幅に安くできる。従来から用いられている
図1,2,3に示す逆止弁では逆止弁を開く水圧はある程度必要で、それらの逆止弁を用いては戻り管212内の水を完全には排水されない恐れがある。
【0025】
前記のように極めて小さい水圧で開き、また小さい逆水圧で確実に閉まる逆止弁217(本特許出願の逆止弁)を
図8に示すように設置すると
図8の戻り管212内の水も完全に抜けると考えられる。
図5(A),(B)
図6、
図7に本発明の低差圧で作動する逆止弁の実施形態を示す。
【0026】
図5(A),(B)は本発明の1実施形態の横向き置きタイプのボール式逆止弁を示しており、
図5(A)は軸方向から見た図であり、
図5(B)は
図5(A)のA-A断面矢視図である。2はテフロン球であり、Oリング3に
図5(B)に示すようにテフロン球が当たっている状態では水路5から6の方向へは水路は塞がれている。テフロン球はガイドレール4の上を転がって
図5(B)の左右に移動することができる。
【0027】
図6は、
図5(A)の水の入り口6と出口5が直線になっているのに対し、入り口6と出口5が90°折れ曲がって出てくるような構造の場合の、ボールのガイドレール4を具体的にどのような構造に作るかを分かり易く示した図である。
図6(A)は、
図6(B)のB-B断面矢視図であり、
図6(B)は、
図6(A)のA-A’断面矢視図である。
図6(B)の下方フタ7にガイドレール4が取り付けられている構造が示されている。
【0028】
図7は本発明の低差圧で作動する逆止弁の別の実施形態を示しており、
図5,
図6のようなガイドレールはなく、水の入り口側水路6と、出口側水路5が上下方向にずれており、
図7(B)でテフロンボール2が水路5を右側に転がって行くと丁度Oリング3に当たり水路が閉じられる構造になっている。
【0029】
図5~
図7の逆止弁を実際に設置する場合にはテフロンボール2が低差圧で作動するためにテフロンボール2ができるだけ水平に移動できるように設置する。具体的には、
図5(A)に示すように逆止弁の断面形状を多角形として、そのうちの少なくとも一面がガイドレール4と平行であれば、水平度の設定や配置が容易になる。
【0030】
また、
図5~
図7の逆止弁を配管に接続するためには逆止弁の出口側流路5および入口側流路6に接続継手を取り付けて配管と配管を接続する。また、図には示してはいないが、逆止弁の出口と入口に回転可能に支持されたナットを有し、接続すべき配管の先端外面の雄ネジとパッキンを介して突合せ接合する構造も可能である。
【0031】
図8に示す本実施形態の太陽熱利用給湯システムは、量産されているヒートポンプ給湯機とその貯湯ユニット300に太陽熱によって水の温度を上昇させる集熱器200と、集熱器200によって温められた水を貯湯する貯湯ユニット300と、集熱器200に給水する集熱ポンプ215と、貯湯ユニット300から集熱器200へ水を供給するための送水管211と、集熱器200から貯湯ユニットへ温水を排出するための戻り管212、および戻り管212から送水管211へのみ水を流す戻り管排水用逆止弁217(本特許出願の逆止弁)と、送水管211から水を排出するための排水弁218と、集熱器200内に空気を導入または集熱器200内からガスを排出する空気の排出吸入弁210と、を備える。したがって、本実施形態の太陽熱利用システムは、と浴槽お湯はり機能などヒートポンプ給湯機に備わっている各種機能を太陽熱で沸かしたお湯にも利用することができる。また太陽熱でお湯が沸かせない雨の日や、太陽熱でのお湯が不足する曇りの日にはバックアップ熱源としてヒートポンプ給湯機が利用できる。集熱性能が良く、低コストで利用可能な直接水集熱システムと、低価格で供給される量産形ヒートポンプ給湯機との組合せシステムが低コストで提供されることになる。
なお、本特許出願の太陽熱利用給湯システムは水以外の熱媒体に適用できることは言うまでもない。
【0032】
なお、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0033】
1…逆止弁ボディー
2…逆止弁ボール
3…Oリング
4…ボールガイドレール
5…逆止弁の水出口
6…逆止弁の水入口
7…ボールガイドレールを取り付けたフタ
8…7のフタを逆止弁ボディーに取り付けネジ
11…スイングタイプ逆止弁の組み立て用のフタ
12…スイングタイプ逆止弁のスイングディスク
13…スイングディスクのヒンジ
14…スイングディスクのシート
100…スプリング締め切りタイプ逆止弁
111…逆止弁100の水の入り口
112…逆止弁100の水の出口
113…逆止弁100の水の通路
120…逆止弁100のディスク
130…逆止弁100の弁体
131…逆止弁100の弁棒
140…逆止弁100のディスクスプリング
150…逆止弁100の弁棒ガイド
200…集熱器
210…空気の排出吸入弁
211…集熱器への送水管
212…集熱器からの戻り管
215…集熱ポンプ
216…流量センサー
217…排水用逆止弁(本特許出願の逆止弁)
218…排水弁
300…ヒートポンプ給湯器貯湯ユニット
310…貯湯タンク
311…減圧弁
312…減圧弁
313…逆止弁
314…逆止弁
315…混合弁
316…ヒートポンプ湯沸かし用ポンプ
400…ヒートポンプ給湯機