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特開2023-175605電動キャリア電源装置、および、潜在電力故障の検出方法
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  • 特開-電動キャリア電源装置、および、潜在電力故障の検出方法 図1
  • 特開-電動キャリア電源装置、および、潜在電力故障の検出方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175605
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】電動キャリア電源装置、および、潜在電力故障の検出方法
(51)【国際特許分類】
   B60L 3/00 20190101AFI20231205BHJP
   B60L 58/10 20190101ALI20231205BHJP
   B60L 1/00 20060101ALI20231205BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
B60L3/00 S
B60L58/10
B60L1/00 L
H02J7/00 P
H02J7/00 301B
H02J7/00 Y
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172486
(22)【出願日】2022-10-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-01
(31)【優先権主張番号】111120027
(32)【優先日】2022-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504429600
【氏名又は名称】緯創資通股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】WISTRON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】梁 振儀
(72)【発明者】
【氏名】張 永承
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA11
5G503CB11
5G503CC01
5G503CC02
5G503DA04
5G503DA07
5G503FA03
5G503FA06
5G503FA16
5G503FA19
5G503GD03
5H125AA01
5H125AC12
5H125BA09
5H125BC05
5H125CC01
5H125CD02
5H125CD04
5H125EE23
5H125EE25
(57)【要約】
【課題】電動キャリアに用いられる電動キャリア電源装置を提供する。
【解決手段】電動キャリア電源装置は、ピエゾ抵抗センサー、バッテリーインターフェース、および、電源管理ユニット(PMU)を備える。バッテリーインターフェースは、オンボードバッテリーに接続され、オンボードバッテリーから電力を受け取る。PMUは、電動キャリアのモーターへの電力供給を制御する。ピエゾ抵抗ひずみゲージは、バッテリーインターフェースとオンボードバッテリーとの接触域に設置され、接触域の圧力値を検出する。ピエゾ抵抗センサーは、ピエゾ抵抗ひずみゲージにより検出された圧力値を受信し、圧力値を抵抗値に変換する。ピエゾ抵抗センサーは、抵抗値が安全抵抗値範囲内であるか否かを判断して、抵抗値判断信号を生成する。PMUは、抵抗値判断信号に従って、モーターに電力を提供するか否かを判断する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動キャリアに用いられる電動キャリア電源装置であって、
ピエゾ抵抗センサーと、
オンボードバッテリーに接続され、前記オンボードバッテリーから電力を受け取るバッテリーインターフェースと、
前記電動キャリアのモーターへの電力供給を制御する電源管理ユニット(PMU)と
を備え、
ピエゾ抵抗ひずみゲージは、前記バッテリーインターフェースと前記オンボードバッテリーとの接触域に設置され、前記接触域の圧力値を検出し、
前記ピエゾ抵抗センサーは、前記ピエゾ抵抗ひずみゲージにより検出された圧力値を受信し、前記圧力値を抵抗値に変換し、
前記ピエゾ抵抗センサーは、抵抗値判断信号を生成し、
前記電源管理ユニットは、前記電源管理ユニットにより安全抵抗値範囲内にあると判断された抵抗値判断信号に基づいて、前記電動キャリアのモーターに電力を提供する
ことを特徴とする電動キャリア電源装置。
【請求項2】
前記ピエゾ抵抗ひずみゲージにより検出された圧力値が高いとき、前記ピエゾ抵抗センサーにより圧力値から変換される抵抗値は低く、
前記ピエゾ抵抗ひずみゲージにより検出された圧力値が低いとき、前記ピエゾ抵抗センサーにより圧力値から変換される抵抗値は高く、
前記電源管理ユニットは、前記バッテリーインターフェースにより、前記オンボードバッテリーのバッテリー管理ユニット(BMU)により報告される第一バッテリー情報を受信するとともに、無線リンクにより、アンテナ装置を介して、前記オンボードバッテリーの前記バッテリー管理ユニットにより報告される第二バッテリー情報を受信し、
前記第一バッテリー情報は、前記オンボードバッテリーの第一電圧、第一バッテリーレベル、および、第一温度を含み、前記第二バッテリー情報は、前記オンボードバッテリーの第二電圧、第二バッテリーレベル、および、第二温度を含み、
前記電源管理ユニットは、さらに、前記第一バッテリー情報と前記第二バッテリー情報との差を判断し、
前記電源管理ユニットにより前記第一バッテリー情報と前記第二バッテリー情報との差が所定閾値より大きいと判断されたことに応答して、前記電源管理ユニットは、警告メッセージを発するとともに、前記モーターが運転を停止するまで、前記モーターの回転速度をゆっくりと減少させることを特徴とする請求項1に記載の電動キャリア電源装置。
【請求項3】
前記電源管理ユニットと前記バッテリーインターフェースとの間に設置され、駆動モーターおよびガイドロッド部材を有する変位駆動装置をさらに備え、
前記駆動モーターの起動および停止は、抵抗値判断信号により制御され、
前記安全抵抗値範囲は、所定抵抗下限値、および、所定抵抗上限値を含み、
前記抵抗値が前記所定抵抗下限値より低いとき、前記ピエゾ抵抗センサーにより生成される前記抵抗値判断信号は、第一状態であり、
前記抵抗値が前記所定抵抗下限値と前記所定抵抗上限値との間であるとき、前記ピエゾ抵抗センサーにより生成される前記抵抗値判断信号は、第二状態であり、
前記抵抗値が前記所定抵抗上限値より大きいとき、前記ピエゾ抵抗センサーにより生成される前記抵抗値判断信号は、第三状態であり、
前記抵抗値判断信号が前記第一状態であることに応答して、前記駆動モーターが起動して逆回転して、前記ガイドロッド部材の変位を調整して、前記バッテリーインターフェースを、前記オンボードバッテリーから離し、
前記抵抗値判断信号が前記第二状態であることに応答して、前記駆動モーターがオフになり、
前記抵抗値判断信号が前記第三状態であることに応答して、前記駆動モーターが起動して回転して、前記ガイドロッド部材の変位を調整して、前記バッテリーインターフェースを、前記オンボードバッテリーに接近させることを特徴とする請求項1に記載の電動キャリア電源装置。
【請求項4】
前記ガイドロッド部材は、送りねじ、スライダー、および、スプリング群を有し、
前記駆動モーターが起動して回転するとき、前記駆動モーターは前記送りねじを回転させ、前記スライダーは、前記オンボードバッテリーの方向に変位して、前記スプリング群を圧縮し、
前記駆動モーターが回転を始めて、前記ガイドロッド部材の変位を調整した後、前記ピエゾ抵抗センサーは、前記抵抗値判断信号を生成することを特徴とする請求項3に記載の電動キャリア電源装置。
【請求項5】
ピエゾ抵抗センサーと、オンボードバッテリーに接続され、前記オンボードバッテリーから電力を受け取るバッテリーインターフェースと、電源管理ユニット(PMU)とを備える電動キャリアに用いられる潜在電力故障の検出方法であって、
前記バッテリーインターフェースと前記オンボードバッテリーとの接触域に設置されたピエゾ抵抗ひずみゲージを用いて、前記接触域の圧力値を検出する工程と、
前記ピエゾ抵抗センサーを用いて、前記ピエゾ抵抗ひずみゲージにより検出された圧力値を受信し、前記圧力値を抵抗値に変換する工程と、
前記ピエゾ抵抗センサーを用いて、抵抗値判断信号を生成する工程、および、
前記電源管理ユニットを用いて、前記電源管理ユニットにより安全抵抗値範囲内にあると判断された抵抗値判断信号に基づいて、前記電動キャリアのモーターに電力を提供する工程と
を有することを特徴とする潜在電力故障の検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置に関するものであって、特に、電動キャリア電源装置、および、潜在電力故障の検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、電動キャリアもますます普及している。現在の電動キャリア(たとえば、電気自動車、電動バイク、電動自転車、電動車椅子、電動歩行器、電動スケボー等)に用いられるオンボードバッテリーは、設計上の不具合により、突然の電力故障が発生する可能性がある。電動キャリアの突然の電力故障の発生は、容易に事故を招き、使用者がけがをする恐れがある。たとえば、現在の電動キャリアにおいて、オンボードバッテリーが接続されるシステム側のバッテリーインターフェースは、ばね接点型(spring-contact type)、あるいは、プラグ型を採用している。しかし、電動キャリアが走行しているとき、オンボードバッテリーに振動が発生し、長時間の使用後、接触不良が発生し、電動キャリアの電力故障を招く可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
よって、本発明は、上述の問題を解決するための電動キャリア電源装置、および、潜在電力故障の検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態において、電動キャリア中に用いられる電動キャリア電源装置を提供する。電動キャリア電源装置は、ピエゾ抵抗センサー、バッテリーインターフェース、および、電源管理ユニット(PMU)を有する。バッテリーインターフェースは、オンボードバッテリーに接続されるとともに、オンボードバッテリーから電力を受け取る。PMUは、電動キャリアのモーターへの電力供給を制御する。ピエゾ抵抗ひずみゲージは、バッテリーインターフェースとオンボードバッテリーとの接触域に設置され、且つ、接触域の圧力値を検出するのに用いられる。ピエゾ抵抗センサーは、ピエゾ抵抗ひずみゲージにより検出された圧力値を受け取るとともに、圧力値を抵抗値に変換する。ピエゾ抵抗センサーは、抵抗値判断信号を生成する。電源管理ユニットは、電源管理ユニットにより安全抵抗値範囲内にあると判断された抵抗値判断信号に従って、電動キャリアのモーターに電力を提供する。
【0005】
いくつかの実施形態において、ピエゾ抵抗ひずみゲージにより検出された圧力値が高いとき、ピエゾ抵抗センサーにより圧力値から変換される抵抗値は低い。ピエゾ抵抗ひずみゲージにより検出された圧力値が低いとき、ピエゾ抵抗センサーにより圧力値から変換される抵抗値は高い。
【0006】
いくつかの実施形態において、電源管理ユニットは、バッテリーインターフェースにより、オンボードバッテリーのバッテリー管理ユニット(BMU)により報告される第一バッテリー情報を受信するとともに、無線リンクにより、アンテナ装置を介して、オンボードバッテリーのバッテリー管理ユニットにより報告される第二バッテリー情報を受信する。
【0007】
いくつかの実施形態において、第一バッテリー情報は、オンボードバッテリーの第一電圧、第一バッテリーレベル、および、第一温度を有し、第二バッテリー情報は、オンボードバッテリーの第二電圧、第二バッテリーレベル、および、第二温度を有する。
【0008】
いくつかの実施形態において、電源管理ユニットはさらに、第一バッテリー情報と第二バッテリー情報との差を判断する。電源管理ユニットが、第一バッテリー情報と第二バッテリー情報との差が、所定閾値より大きいと判断したことに応答して、電源管理ユニットは、警告メッセージを発するとともに、モーターが停止するまで、モーターの回転速度をゆっくりと減少させる。
【0009】
いくつかの実施形態において、電動キャリアはさらに、電源管理ユニットとバッテリーインターフェースと間に設置された変位駆動装置を有し、変位駆動装置は、駆動モーター、および、ガイドロッド部材を有する。駆動モーターの起動と停止は、抵抗値判断信号により制御される。安全抵抗値範囲は、所定抵抗下限値、および、所定抵抗上限値を有する。抵抗値が所定抵抗下限値より低いとき、ピエゾ抵抗センサーにより生成される抵抗値判断信号は、第一状態である。抵抗値が所定抵抗下限値と所定抵抗上限値との間であるとき、ピエゾ抵抗センサーにより生成される抵抗値判断信号は、第二状態である。抵抗値が所定抵抗上限値より大きいとき、ピエゾ抵抗センサーにより生成される抵抗値判断信号は、第三状態である。
【0010】
いくつかの実施形態において、抵抗値判断信号が第一状態であることに応答して、駆動モーターは、起動して逆回転して、ガイドロッド部材の変位を調整し、バッテリーインターフェースを、オンボードバッテリーから離す。抵抗値判断信号が第二状態であることに応答して、駆動モーターはオフになる。抵抗値判断信号が第三状態であることに応答して、駆動モーターは、起動して回転して、ガイドロッド部材の変位を調整して、バッテリーインターフェースを、オンボードバッテリーに接近させる。
【0011】
いくつかの実施形態において、ガイドロッド部材は、送りねじ、スライダー、および、スプリング群を有し、駆動モーターが起動して回転するとき、駆動モーターは、送りねじを回転させ、スライダーは、オンボードバッテリーの方向に変位して、スプリング群を圧縮する。
【0012】
いくつかの実施形態において、駆動モーターが回転を始めて、ガイドロッド部材の変位を調整した後、ピエゾ抵抗センサーは抵抗値判断信号を生成する。
【0013】
別の実施形態において、電動キャリア中に用いられる潜在電力故障の検出方法を提供する。電動キャリアは、ピエゾ抵抗センサー、バッテリーインターフェース、および、電源管理ユニット(PMU)を有し、バッテリーインターフェースは、オンボードバッテリーに接続されるとともに、オンボードバッテリーから電力を受け取る。本方法は、バッテリーインターフェースとオンボードバッテリーとの接触域に設置されたピエゾ抵抗ひずみゲージを用いて、接触域の圧力値を検出する工程と、ピエゾ抵抗センサーを用いて、ピエゾ抵抗ひずみゲージにより検出された圧力値を受け取るとともに、圧力値を抵抗値に変換する工程と、ピエゾ抵抗センサーを用いて、抵抗値判断信号を生成する工程、および、電源管理ユニットを用いて、電源管理ユニットにより安全抵抗値範囲内にあると判断された抵抗値判断信号に基づいて、電動キャリアのモーターに電力を提供する工程を有する。
【0014】
いくつかの実施形態において、ピエゾ抵抗ひずみゲージにより検出された圧力値が高いとき、ピエゾ抵抗センサーにより圧力値から変換される抵抗値は低い。ピエゾ抵抗ひずみゲージにより検出された圧力値が低いとき、ピエゾ抵抗センサーにより圧力値から変換される抵抗値は高い。
【0015】
いくつかの実施形態において、電源管理ユニットは、バッテリーインターフェースにより、オンボードバッテリーのバッテリー管理ユニット (BMU)により報告される第一バッテリー情報を受信するとともに、無線リンクにより、アンテナ装置を介して、オンボードバッテリーのバッテリー管理ユニットにより報告される第二バッテリー情報を受信する。
【0016】
いくつかの実施形態において、第一バッテリー情報は、オンボードバッテリーの第一電圧、第一バッテリーレベル、および、第一温度を有し、第二バッテリー情報は、オンボードバッテリーの第二電圧、第二バッテリーレベル、および、第二温度を有する。
【0017】
いくつかの実施形態において、本方法はさらに、電源管理ユニットを用いて、第一バッテリー情報と第二バッテリー情報との差が、所定閾値より大きいか否かを判断する工程、および、第一バッテリー情報と第二バッテリー情報との差が、所定閾値より大きいと判断したとき、電源管理ユニットを用いて、警告メッセージを発するとともに、モーターが運転を停止するまで、モーターの回転速度をゆっくりと減少させる工程、を有する。
【0018】
いくつかの実施形態において、電動キャリアはさらに、電源管理ユニットとバッテリーインターフェースとの間に設置された変位駆動装置を有し、変位駆動装置は、駆動モーター、および、ガイドロッド部材を有する。駆動モーターの起動と停止は、抵抗値判断信号により制御される。安全抵抗値範囲は、所定抵抗下限値、および、所定抵抗上限値を有する。抵抗値が所定抵抗下限値より低いとき、ピエゾ抵抗センサーにより生成される抵抗値判断信号は、第一状態である。抵抗値が所定抵抗下限値と所定抵抗上限値との間であるとき、ピエゾ抵抗センサーにより生成される抵抗値判断信号は、第二状態である。抵抗値が所定抵抗上限値より大きいとき、ピエゾ抵抗センサーにより生成される抵抗値判断信号は、第三状態である。
【0019】
いくつかの実施形態において、本方法はさらに、抵抗値判断信号が第一状態であることに応答して、駆動モーターを起動して逆回転させて、ガイドロッド部材の変位を調整して、バッテリーインターフェースを、オンボードバッテリーから離す工程と、抵抗値判断信号が第二状態であることに応答して、駆動モーターをオフにする工程、および、抵抗値判断信号が第三状態であることに応答して、駆動モーターを起動して回転させて、ガイドロッド部材の変位を調整して、バッテリーインターフェースを、オンボードバッテリーにさらに接近させる工程、を有する。
【0020】
いくつかの実施形態において、ガイドロッド部材は、送りねじ、スライダー、および、スプリング群を有する。駆動モーターが起動して回転するとき、駆動モーターは送りねじを回転させるので、スライダーが、オンボードバッテリーの方向に変位して、スプリング群を圧縮する。
【0021】
いくつかの実施形態において、駆動モーターが逆回転するとき、駆動モーターは、送りねじを逆回転させ、バッテリーインターフェースは、オンボードバッテリーから離れる。
【0022】
いくつかの実施形態において、本方法はさらに、駆動モーターが起動して回転してガイドロッド部材の変位を調整した後、ピエゾ抵抗センサーを用いて、抵抗値が安全抵抗値範囲内にあるか否か再判断して、抵抗値判断信号を生成する工程、を有する。
【0023】
いくつかの実施形態において、電源管理ユニットは、中央処理ユニット、汎用プロセッサ、あるいは、マイクロコントローラーである。
【発明の効果】
【0024】
本発明の電動キャリア電源装置、および、潜在電力故障の検出方法により、電動キャリアのオンボードバッテリーの突然の電源故障の可能性が減少し、電動キャリアの安全性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明は、添付図面を参照しながら後続の詳細な説明および実施例を参照することによってさらに十分に理解され得る。
図1】本発明の実施形態による電動キャリアのブロック図である。
図2図1の実施形態による潜在電力故障検出方法のフローチャートである。
図3】本発明の別の実施形態による電動キャリアのブロック図である。
図4A図3の実施形態によるガイドロッド部材を示す図である。
図4B図3の実施形態によるガイドロッド部材の使用状態を示す図である。
図4C図3の実施形態によるガイドロッド部材の使用状態を示す図である。
図4D図3の実施形態によるガイドロッド部材の使用状態を示す図である。
図5図3の実施形態による潜在電力故障の検出方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の記述は本発明を実施する最良の態様を説明するものである。この説明は、本発明の一般原則を説明することを目的としてなされているものであって、限定的な意味で参酌されるべきではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによって規定されるものである。
【0027】
理解すべきことは、明細書中で使用される「有する」、「含む」等の用語は、特定の技術特徴、数値、方法工程、作業処理、素子、および/または、部材の存在を表示するのに用いられてるが、さらに多くの技術特徴、数値、方法工程、作業処理、素子、および/または、部材、あるいは、上記の任意の組み合わせが加えられることを除外しない。
【0028】
図1は、本発明の実施形態による電動キャリアのブロック図である。電動キャリア10は、たとえば、各種の電動キャリア、たとえば、電気自動車、電動バイク、電動自転車、電動車椅子、電動歩行器、電動スケボーなどであってもよいが、本発明はこの限りではない。図1に示されるように、電動キャリア10は、システム側100、および、オンボードバッテリー120を有し得る。一実施形態において、電動キャリア10のシステム側100は、大まかに、電源管理ユニット(PMU)110、アンテナ装置112、バッテリーインターフェース114、モーター116(その他の関連する駆動部品を有してもよい)、および、ピエゾ抵抗センサー118を有し得る。ここで、PMU110、アンテナ装置112、および、バッテリーインターフェース114は、全体として、電動キャリア電源装置とみなされ得る。PMU110は、電動キャリア10の動作、たとえば、電源管理、ユーザー命令の実行、警告メッセージの送信などを制御するのに用いられるが、本発明はこの限りではない。
【0029】
いくつかの実施形態において、PMU10は、たとえば、中央処理ユニット (CPU)、汎用プロセッサ、あるいは、マイクロコントローラーにより実施され得るが、本発明はこの限りではない。
【0030】
アンテナ装置112は、近距離無線通信(NFC)プロトコル(たとえば、無線リンク1142)を用いて、アンテナ装置122を介してオンボードバッテリー120のバッテリー管理ユニット(BMU)121により発信された第一バッテリー情報を受信し得る。第一バッテリー情報は、オンボードバッテリー120のバッテリー電圧、バッテリーレベル、および、バッテリー温度を含み得る。バッテリーインターフェース114は、ばね接点型、あるいは、プラグ型の設計を採用してもよいが、本発明はこの限りではない。
【0031】
オンボードバッテリー120は、バッテリー管理ユニット (BMU)121、アンテナ装置122、バッテリーモジュール123、および、バッテリーインターフェース124を有し得る。バッテリーモジュール123は、電力を供給するための一つ以上の電池を有し得る。BMU121は、バッテリーモジュール123のバッテリー電圧、バッテリーレベル、および、バッテリー温度等の情報を検出するとともに、2つの経路により、上述のバッテリー情報をシステム側100に報告することができる。
【0032】
たとえば、オンボードバッテリー120は、物理的に接続されたバッテリーインターフェース114により、電力をシステム側100に提供することができ、且つ、バッテリーインターフェース114は、バス1141により、オンボードバッテリー120のBMU121により報告された第二バッテリー情報を読み取るとともに、第二バッテリー情報を、PMU110に送信することができる。ここで、第二バッテリー情報も、オンボードバッテリー120のバッテリー電圧、バッテリーレベル、および、バッテリー温度等の情報を含み得る。
【0033】
一実施形態において、バッテリーインターフェース114とオンボードバッテリー120との接触域に、ピエゾ抵抗ひずみゲージ1143が配置されており、且つ、ピエゾ抵抗ひずみゲージ1143の抵抗値は、圧力に伴い変化できる。たとえば、接触域上の圧力が高いとき、ピエゾ抵抗ひずみゲージ1143の抵抗値は低く、これは、バッテリーインターフェース114とオンボードバッテリー120との接触域が正常な接触状態であることを意味する。接触域上の圧力が小さいとき、ピエゾ抵抗ひずみゲージ1143の抵抗値は高く、これは、バッテリーインターフェース114とオンボードバッテリー120との接触域が緩んでいることを意味する。ピエゾ抵抗センサー118は、ピエゾ抵抗圧力センサーと称することもでき、バッテリーインターフェース114におけるピエゾ抵抗ひずみゲージ1143の抵抗値を検出するとともに、検出結果(あるいは、抵抗値)をPMU110に報告することができる。ピエゾ抵抗センサー118は、バッテリーインターフェース114、あるいは、システム側100中に設置されてもよい。
【0034】
これにより、PMU110は、検出結果(あるいは、抵抗値)にしたがって、バッテリーインターフェース114とオンボードバッテリー120との接触域が緩んでいるか否か、あるいは、過度に緊密に接触しているか否かを判断することができる。たとえば、ピエゾ抵抗センサー118は、安全抵抗値範囲を設定することができ、安全抵抗値範囲は、所定抵抗下限値と所定抵抗上限値を含む。抵抗値が所定抵抗下限値より低いとき、ピエゾ抵抗センサー118によりPMU110に報告される抵抗値判断信号は、第一状態であってもよく、これは、バッテリーインターフェース114とオンボードバッテリー120との接触域が過度に緊密に接触していることを意味する。抵抗値が安全抵抗値範囲内(すなわち、所定抵抗下限値と所定抵抗上限値との間)にあるとき、ピエゾ抵抗センサー118によりPMU110に報告される抵抗値判断信号は、第二状態であってもよく、これは、バッテリーインターフェース114とオンボードバッテリー120との接触域(すなわち、弾性片対弾性片)が、正常な接触状態であることを意味する。抵抗値が所定抵抗上限値より大きいとき、ピエゾ抵抗センサー118によりPMU110に報告される抵抗値判断信号は、第三状態であってもよく、これは、バッテリーインターフェース114とオンボードバッテリーとの接触域が、緩んでいる状態(すなわち、第一異常状況)であることを意味する。
【0035】
いくつかの実施形態において、オンボードバッテリー120とバッテリーインターフェース114との接続が緩んでいるので、PMU110が第二バッテリー情報を受け取ることができない、あるいは、第二バッテリー情報においてエラーが発生する場合がある。このほか、オンボードバッテリー120とバッテリーインターフェース114との接続が緩んでいるので、ピエゾ抵抗センサー118により検出された抵抗値が所定抵抗値以上になる場合もある。PMU110が、第一バッテリー情報と第二バッテリー情報とを比較するとき、PMU110は、第一バッテリー情報、および、第二バッテリー情報が一致しないことを発見し、オンボードバッテリー120が第二異常状況にあると判断することができる。
【0036】
PMU110が、第一異常状況、あるいは、第二異常状況が発生したと判断した場合、PMU110は、警告状態に進入して、警告を発して、ユーザーに、バッテリーの異常状態の発生を通知する。PMU110が、第一バッテリー情報と第二バッテリー情報間の差が、所定閾値より大きいと判断した場合、PMU110は、強制停止状態に進入して、モーター116の回転速度をゆっくりと減少させ、これにより、ユーザーに、電動キャリア10の運転を停止させ、上述の警告は、たとえば、音声、フラッシュ、あるいは、システム側100のディスプレイ上で表示されるテキストメッセージ、もしくは、警告イメージであってもよいが、本発明はこの限りではない。
【0037】
図2は、図1の実施形態による潜在電力故障の検出方法のフローチャートである。図1、および、図2を参照する。
【0038】
ブロック202において、PMU110は、モーター116が運転しているか否かを判断する。PMU110が、モーター116が運転していると判断したとき、ブロック206を実行する。PMU110が、モーター116が運転していないと判断したとき、ブロック204を実行する。たとえば、電動キャリア10の潜在電力故障を検出するために、通常、電動キャリア10が運転しているときに必要である。電動キャリア10が発動していない場合、潜在電力故障を検出する必要はない。
【0039】
ブロック204において、モーター116が停止し、工程が終了する。
【0040】
ブロック206において、ピエゾ抵抗ひずみゲージ1143の圧力値を検出する。
【0041】
ブロック208において、ピエゾ抵抗センサー118を用いて、圧力値を対応する抵抗値に変換する。たとえば、ピエゾ抵抗ひずみゲージ1143は、バッテリーインターフェースとオンボードバッテリー120との接触域中に設置され、且つ、ピエゾ抵抗ひずみゲージ1143の抵抗値は、圧力に伴って変化する。たとえば、接触域上の圧力が高いとき、ピエゾ抵抗ひずみゲージ1143の抵抗値は低く、これは、バッテリーインターフェース114とオンボードバッテリー120との接触域が正常な接触状態であることを意味する。接触域上の圧力が低いとき、ピエゾ抵抗ひずみゲージ1143の抵抗値が高く、これは、バッテリーインターフェース114とオンボードバッテリーとの接触域が緩んでいることを意味する。ピエゾ抵抗センサー118は、バッテリーインターフェース114におけるピエゾ抵抗ひずみゲージ1143の抵抗値を検出するとともに、抵抗値をPMU110に報告する、あるいは、抵抗値の判断結果をPMU110に報告することができる。
【0042】
ブロック210において、ピエゾ抵抗センサー118は、抵抗値が安全範囲内にあるか否か判断する。ピエゾ抵抗センサー118が、抵抗値が安全範囲内にあると判断した場合、ブロック212を実行する。ピエゾ抵抗センサー118が、抵抗値が安全範囲内にないと判断した場合、ブロック216を実行する。たとえば、ピエゾ抵抗センサー118は、安全抵抗値範囲を設定することができ、安全抵抗値範囲は、所定抵抗下限値と所定抵抗上限値を有する。抵抗値が所定抵抗下限値より低いとき、ピエゾ抵抗センサー118によりPMU110に報告される抵抗値判断信号は第一状態であってもよく、これは、バッテリーインターフェース114とオンボードバッテリー120との接触域が過度に緊密に接触していることを意味する。抵抗値が安全抵抗値範囲内(すなわち、所定抵抗下限値と所定抵抗上限値の間)にあるとき、ピエゾ抵抗センサー118によりPMU110に報告される抵抗値判断信号は第二状態であってもよく、これは、バッテリーインターフェース114とオンボードバッテリー120との接触域(すなわち、弾性片対弾性片)が、正常な接触状態であることを意味する。抵抗値が所定抵抗上限値より大きいとき、ピエゾ抵抗センサー118によりPMU110に報告される抵抗値判断信号は第三状態であってもよく、これは、バッテリーインターフェース114とオンボードバッテリーとの接触域が緩んでいる状態(すなわち、第一異常状況)にあることを意味する。
【0043】
ブロック212において、PMU110は、電力を、モーター116に提供し続け、ブロック214において、モーター116は、動作を継続する。
【0044】
ブロック216において、PMU110は、無線リンクにより、オンボードバッテリーから、第二バッテリー情報を受信するとともに、ピエゾ抵抗センサー118により報告される抵抗値を監視して、第一バッテリー情報を得る(あるいは、バス1141から、BMU121により報告される第一バッテリー情報を得る)。たとえば、PMU110は、それぞれ、物理的接続端子(たとえば、バッテリーインターフェース114)、および、無線受信端子(たとえば、アンテナ装置112)から、第一バッテリー情報、および、第二バッテリー情報を得ることができる。
【0045】
オンボードバッテリー120とバッテリーインターフェース114との接続が緩んでいるので、PMU110は、第一バッテリー情報を受け取ることができない、あるいは、第一バッテリー情報に誤りがある場合がある。このほか、オンボードバッテリー120とバッテリーインターフェース114との接続が緩んでいるので、ピエゾ抵抗センサー118により検出された抵抗値も所定抵抗値以上となる場合もある。このほか、PMU110が第一バッテリー情報と第二バッテリー情報とを比較するとき、PMU110は、第一バッテリー情報と第二バッテリー情報とが一致しないこと、あるいは、第一バッテリー情報と第二バッテリー情報との差が所定閾値より大きい(たとえば、電圧、バッテリーレベル、および、温度のいずれかの差が、対応する所定閾値より大きい)ことを発見し、オンボードバッテリー120が第二異常状況であると判断することができる。
【0046】
ブロック218において、PMU110は、第一バッテリー情報(I1)と第二バッテリー情報(I2)との差Dが、所定閾値Tより大きいか否かを判断する。PMU110が、第一バッテリー情報と第二バッテリー情報との差が、所定閾値Tより大きいと判断したとき、ブロック222、および、224を実行する。PMU110が、第一バッテリー情報と第二バッテリー情報との差が、所定閾値より大きくないと判断したとき、ブロック220を実行するとともに、ブロック218に戻って、判断を継続する。
【0047】
たとえば、図2のブロック210で得られた判断結果が、「NO」であるとき、これは、ピエゾ抵抗センサー118により検出されたピエゾ抵抗ひずみゲージ1143の抵抗値が、所定抵抗値以上であることを示し、つまり、バッテリーインターフェース114とオンボードバッテリー120との接触域は緩んでいる。したがって、ブロック218の判断結果がどのようであるかにかかわらず、PMU110は警告を発して、バッテリーの異常状態が発生したことをユーザーに通知する(ブロック220と222)。
【0048】
ブロック224において、PMU110は、モーター116の回転速度をゆっくりと減少させ、ブロック226で、モーター116がすでに運転を停止しているか否かを判断する。モーター116がまだ運転していると判断した場合、工程は、ブロック224に戻り、モーター116の回転速度をゆっくりと減少させるのを続ける。モーター116がすでに運転を停止していると判断した場合、工程は終了する。
【0049】
図3は、本発明の別の実施形態による電動キャリアのブロック図である。図1、および、図3を参照する。
【0050】
図3の電動キャリア30は、図1の電動キャリア10に類似し、異なるのは、図3の電動キャリア30が、追加で、変位駆動装置330を有することであり、変位駆動装置330は、バッテリーインターフェース314の変位を制御して、オンボードバッテリー320に接近させて、バッテリーインターフェース314とオンボードバッテリー320との接続が緩むのを回避することができる。たとえば、ピエゾ抵抗センサー318は、安全抵抗値範囲を設定することができ、安全抵抗値範囲は、所定抵抗下限値と所定抵抗上限値を有する。抵抗値が所定抵抗下限値より低いとき、ピエゾ抵抗センサー318によりPMU310に報告される抵抗値判断信号は、第一状態であってもよく、これは、バッテリーインターフェース314とオンボードバッテリー320との接触域が過度に緊密に接触していることを意味する。抵抗値が安全抵抗値範囲内(すなわち、所定抵抗下限値と所定抵抗上限値との間)にあるとき、ピエゾ抵抗センサー318によりPMU310に報告される抵抗値判断信号は、第二状態であってもよく、これは、バッテリーインターフェース314とオンボードバッテリー320との接触域(すなわち、弾性片対弾性片、あるいは、プラグ対プラグ)が正常な接触状態であることを意味する。抵抗値が所定抵抗上限値より大きいとき、ピエゾ抵抗センサー318によりPMU310に報告される抵抗値判断信号は、第三状態であってもよく、これは、バッテリーインターフェース314とオンボードバッテリーとの接触域が緩んでいる状態(すなわち、第一異常状況)であることを意味する。
【0051】
ピエゾ抵抗センサー318はさらに、抵抗値判断信号 (あるいは、抵抗値)を駆動モーター331に送信することができ、これにより、駆動モーター331の回転を制御して、ガイドロッド部材332の変位を調整する。たとえば、ピエゾ抵抗センサー318により報告される抵抗値判断信号が第一状態であるとき(あるいは、駆動モーター331のコントローラーが、抵抗値が所定抵抗下限値より低いと判断したとき)、これは、バッテリーインターフェース314とオンボードバッテリー320との接触域が過度に緊密に接触しており、過度な圧力で弾性部材(たとえば、スプリング群3327、バッテリーインターフェース314の弾性片等)を損傷させる可能性があることを意味する。この時、駆動モーター331は、逆回転を開始して、ガイドロッド部材332を後退させて、バッテリーインターフェース314を、オンボードバッテリー320から離す。ピエゾ抵抗センサー318により報告される抵抗値判断信号が第二状態であるとき(あるいは、駆動モーター331のコントローラーが、抵抗値が所定抵抗値に等しいと判断したとき)、これは、バッテリーインターフェース314とオンボードバッテリー320との接触域が正常な接触状態であることを意味するので、この時、駆動モーター331は動作を停止する。ピエゾ抵抗センサー318により報告される抵抗値判断信号が第三状態であるとき(あるいは、駆動モーター331のコントローラーが、抵抗値が所定抵抗上限値より大きいと判断したとき)、これは、バッテリーインターフェース314とオンボードバッテリー320との接触域が緩んでいる状態であることを意味し、よって、この時、駆動モーター331は、回転 (たとえば、正回転)を開始して、ガイドロッド部材332を前進させ、これにより、バッテリーインターフェース314の弾性片(図3で示されない)が、バッテリーインターフェース324の弾性片(図3で示されない)にさらに接近する。これにより、ピエゾ抵抗センサー318により報告される抵抗値が、高い抵抗値から、正常な抵抗値に変化するとき、上述の緩んでいる状態がすでに解決されたとみなすことができる。
【0052】
図4Aは、図3の実施形態によるガイドロッド部材を示す図である。図4B図4Dは、図3の実施形態によるガイドロッド部材の使用状態を示す図である。図3、および、図4A図4Dを参照する。
【0053】
一実施形態において、図4Aに示されるように、変位駆動装置330は、駆動モーター331、および、ガイドロッド部材332を有し得る。ガイドロッド部材332は、モーター固定フレーム3321、カップリング3322、送りねじ3323、スライダー3324、ガイドロッド3325、ガイドロッド固定フレーム3326、および、スプリング群3327を有し得る。オンボードバッテリー320が、バッテリーインターフェース314に挿入されるとき、駆動モーター331は起動せず、且つ、スプリング群3327は、この時、図4Bに示されるように、第一長さL1を有する。いくつかの実施形態において、カップリング3322が省略されてもよく、つまり、駆動モーター331は、直接、送りねじ3323を駆動して、回転、あるいは、逆回転させることができる。
【0054】
特に、駆動モーター331が回転を始めるとき、駆動モーター331は、送りねじ3323を回転させて(あるいは、カップリング3322により、送りねじ3323を回転させて)、スライダー3324を右(すなわち、オンボードバッテリー320に向かう方向、図4Aの右側)に移動させ、図4Cに示されるように、スプリング群3327を圧縮することができる。この時、スプリング群3327は、第二長さL2を有し、第二長さL2は、第一長さL1より短い。これにより、ピエゾ抵抗センサー318とオンボードバッテリー320との接触域はさらに緊密になり、オンボードバッテリー320の緩みを防止することができる。
【0055】
特に、駆動モーター331が回転を始めて、ガイドロッド部材332を前進させるとき、スプリング群3327、および、ピエゾ抵抗ひずみゲージ3143に加えられる圧力もそれに伴って増加する。よって、ピエゾ抵抗ひずみゲージ3143の抵抗値も減少し、且つ、ピエゾ抵抗センサー318により検出されたピエゾ抵抗ひずみゲージ3143の抵抗値は、正常な抵抗値範囲に戻ることができる。
【0056】
このほか、駆動モーター331が逆回転するとき、駆動モーター331は、送りねじ3323を逆回転させて(あるいは、カップリング3322により、送りねじ3323を逆回転させて)、スライダー3324を左に移動させて、バッテリーインターフェース314がオンボードバッテリー320から離れるようにすることができる。
【0057】
いくつかの実施形態において、バッテリーインターフェース314は、オンボードバッテリー320のバッテリーインターフェース324の弾性片に接続するプラグ型の設計であってもよい。図4Dに示されるように、駆動モーター331が回転を始めて、ガイドロッド部材332を前進させるとき、バッテリーインターフェース314のプラグ3144は、ソケット(たとえば、バッテリーインターフェース324)中の弾性片3241を押すので、弾性片3241は、正常な接触力を回復することができる。したがって、バッテリーインターフェース314のプラグ3144とバッテリーインターフェース324の弾性片3241間の抵抗値は、正常な抵抗値範囲に減少することができる。
【0058】
図5は、図3の実施形態による潜在電力故障の検出方法のフローチャートである。図3図4、および、図5を参照する。
【0059】
図5中に、ブロック530と532がさらに含まれることを除いて、図5のブロック502~526は、図3のブロック302~326に類似する。たとえば、ピエゾ抵抗センサー318は、所定抵抗下限値と所定抵抗上限値を有する安全抵抗値範囲を設定することができる。抵抗値が所定抵抗下限値より低いとき、ピエゾ抵抗センサー318によりPMU310に報告される抵抗値判断信号は、第一状態であってもよく、これは、バッテリーインターフェース314とオンボードバッテリー320との接触域が過度に緊密に接触していることを意味する。抵抗値が安全抵抗値範囲内(すなわち、所定抵抗下限値と所定抵抗上限値との間)にあるとき、ピエゾ抵抗センサー318によりPMU310に報告される抵抗値判断信号は、第二状態であってもよく、これは、バッテリーインターフェース314とオンボードバッテリー320との接触域(すなわち、弾性片対弾性片、あるいは、プラグ対プラグ)が、正常な接触状態にあることを意味する。抵抗値が所定抵抗上限値より大きいとき、ピエゾ抵抗センサー318によりPMU310に報告される抵抗値判断信号は、第三状態であってもよく、これは、バッテリーインターフェース314とオンボードバッテリー320との接触域が緩んでいる状態(すなわち、第一異常状況)であることを意味する。
【0060】
したがって、ブロック510中の抵抗値判断信号が、第一状態、あるいは、第三状態であるとき、ブロック516の実行に加え、ブロック530、および、532も、図5の工程中で同時に実行される。たとえば、ブロック530において、駆動モーター331は起動して、回転、あるいは、逆回転し、ブロック532において、ガイドロッド部材332の変位を調整し、よって、バッテリーインターフェース314は、オンボードバッテリー320に接近したり、あるいは、オンボードバッテリー320から離れたりすることができる。
【0061】
たとえば、ピエゾ抵抗センサー318により報告される抵抗値判断信号が、第一状態であるとき、過度な圧力で、弾性部材(たとえば、スプリング群3327、バッテリーインターフェース314の弾性片等)を損傷させる可能性がある。この時、駆動モーター331は、逆回転を開始して、ガイドロッド部材332を後退させて、バッテリーインターフェース314を、オンボードバッテリー320から離す。ピエゾ抵抗センサー318により報告される抵抗値判断信号が、第二状態であるとき、これは、バッテリーインターフェース314とオンボードバッテリー320との接触域が正常な接触状態であることを意味するので、この時、駆動モーター331は動作を停止する。ピエゾ抵抗センサー318により報告される抵抗値判断信号が、第三状態であるとき、抵抗値判断信号は、駆動モーター331を起動して、回転を開始することができ、駆動モーター331は、送りねじ3323を回転させ、スライダー3324を右に移動させることができ、これにより、スプリング群3327を圧縮して、バッテリーインターフェース314をオンボードバッテリー320にさらに接近させることができる。これにより、ブロック532が完了したとき(バッテリーインターフェース314が、オンボードバッテリー320に接近するか、オンボードバッテリー320から離れるかにかかわらず)、図5の工程はブロック506に戻り、ピエゾ抵抗ひずみゲージ3143の圧力値を再検出する。
【0062】
上記に鑑み、本発明は、電動キャリア電源装置、および、潜在電力故障の検出方法を提供し、ピエゾ抵抗センサーを用いて、システム側のバッテリーインターフェースとオンボードバッテリーとの間に設置された抵抗ひずみゲージにより検出された圧力を、対応する抵抗値に変換するとともに、抵抗値の判断結果にしたがって、バッテリーインターフェースとオンボードバッテリーとの接触域が緩んでいるか否かを判断することができる。接触域が緩んでいると判断したとき、PMUはさらに、警告メッセージを発して、ユーザーに通知し、電動キャリアのモーター速度をゆっくりと減少させることで、電動キャリアが走行中にオンボードバッテリーが緩んで電力故障が突然に発生するのを防止することができる。このほか、電動キャリア電源装置、および、潜在電力故障の検出方法において、変位駆動装置が、PMUとバッテリーインターフェースとの間に設置され、且つ、駆動モーター、および、ガイドロッド部材を有する。変位駆動装置は、抵抗値判断信号にしたがって、駆動モーターを回転させることができるので、バッテリーインターフェースは、オンボードバッテリーにさらに接近して、バッテリーインターフェースとオンボードバッテリーとの接続が緩むのを防止することができる。よって、電動キャリアのオンボードバッテリーの突然の電源故障の可能性が減少し、電動キャリアの安全性が改善される。このほか、変位駆動装置はさらに、駆動モーターを逆回転させて、バッテリーインターフェースの変位を制御し、バッテリーインターフェースを、オンボードバッテリーから離して、バッテリーインターフェースとオンボードバッテリーとの過度に緊密な接触を回避し、バッテリーインターフェースの弾性部材が損壊するのを防止することができる。
【0063】
請求項の範囲中で構成要素を修飾する、たとえば、「第一」、「第二」、「第三」等の序数用語は、それ自身は何ら優先度、優先順位、または、各構成要素間の順序、または、方法が実行される運転の時間的な順序を暗示するものではなく、同じ名称を有する他の構成要素と区分している。
【0064】
実施例の形式で且つ好ましい実施形態の観点から本発明が説明されているが、本発明が実施形態に限定されると理解されるべきものではない。むしろ、当業者にとって明らかなさまざまな改変や類似の構成を包含することが意図されている。したがって、添付されている特許請求の範囲は、すべてのそのようなさまざまな改変および類似の構成を包含する最も広い解釈と一致しているべきである。
【符号の説明】
【0065】
10、30 電動キャリア
100、300 システム側
110、310 電源管理ユニット
112、312 アンテナ装置
114、314 バッテリーインターフェース
116、316 モーター
118、318 ピエゾ抵抗センサー
120、320 オンボードバッテリー
121、321 バッテリー管理ユニット
122、322 アンテナ装置
123、323 バッテリーモジュール
124、324 バッテリーインターフェース
330 変位駆動装置
331 駆動モーター
332 ガイドロッド部材
1141、3141 バス
1142、3142 無線リンク
1143、3143 ピエゾ抵抗ひずみゲージ
3144 プラグ
3241 弾性片
3321 モーター固定フレーム
3322 カップリング
3323 送りねじ
3324 スライダー
3325 ガイドロッド
3326 ガイドロッド固定フレーム
3327 スプリング群
202-226、502-532 ブロック
L1 第一長さ
L2 第二長さ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動キャリアに用いられる電動キャリア電源装置であって、
ピエゾ抵抗センサーと、
オンボードバッテリーに接続され、前記オンボードバッテリーから電力を受け取るバッテリーインターフェースと、
前記電動キャリアのモーターへの電力供給を制御する電源管理ユニット(PMU)と、
前記電源管理ユニットおよび前記バッテリーインターフェースの間に設置され、駆動モーターを有する変位駆動装置と
を備え、
ピエゾ抵抗ひずみゲージは、前記バッテリーインターフェースと前記オンボードバッテリーとの接触域に設置され、前記接触域の圧力値を検出し、
前記ピエゾ抵抗センサーは、前記ピエゾ抵抗ひずみゲージにより検出された圧力値を受信し、前記圧力値を抵抗値に変換し、
前記ピエゾ抵抗センサーは、抵抗値判断信号を生成し、
前記電源管理ユニットは、前記電源管理ユニットにより安全抵抗値範囲内にあると判断された抵抗値判断信号に基づいて、前記電動キャリアのモーターに電力を提供し、
前記駆動モーターの起動および停止は、抵抗値判断信号により制御され
ことを特徴とする電動キャリア電源装置。
【請求項2】
前記ピエゾ抵抗ひずみゲージにより検出された圧力値が高いとき、前記ピエゾ抵抗センサーにより圧力値から変換される抵抗値は低く、
前記ピエゾ抵抗ひずみゲージにより検出された圧力値が低いとき、前記ピエゾ抵抗センサーにより圧力値から変換される抵抗値は高く、
前記電源管理ユニットは、前記バッテリーインターフェースにより、前記オンボードバッテリーのバッテリー管理ユニット(BMU)により報告される第一バッテリー情報を受信するとともに、無線リンクにより、アンテナ装置を介して、前記オンボードバッテリーの前記バッテリー管理ユニットにより報告される第二バッテリー情報を受信し、
前記第一バッテリー情報は、前記オンボードバッテリーの第一電圧、第一バッテリーレベル、および、第一温度を含み、前記第二バッテリー情報は、前記オンボードバッテリーの第二電圧、第二バッテリーレベル、および、第二温度を含み、
前記電源管理ユニットは、さらに、前記第一バッテリー情報と前記第二バッテリー情報との差を判断し、
前記電源管理ユニットにより前記第一バッテリー情報と前記第二バッテリー情報との差が所定閾値より大きいと判断されたことに応答して、前記電源管理ユニットは、警告メッセージを発するとともに、前記モーターが運転を停止するまで、前記モーターの回転速度をゆっくりと減少させることを特徴とする請求項1に記載の電動キャリア電源装置。
【請求項3】
前記変位駆動装置はガイドロッド部材をさらに
前記安全抵抗値範囲は、所定抵抗下限値、および、所定抵抗上限値を含み、
前記抵抗値が前記所定抵抗下限値より低いとき、前記ピエゾ抵抗センサーにより生成される前記抵抗値判断信号は、第一状態であり、
前記抵抗値が前記所定抵抗下限値と前記所定抵抗上限値との間であるとき、前記ピエゾ抵抗センサーにより生成される前記抵抗値判断信号は、第二状態であり、
前記抵抗値が前記所定抵抗上限値より大きいとき、前記ピエゾ抵抗センサーにより生成される前記抵抗値判断信号は、第三状態であり、
前記抵抗値判断信号が前記第一状態であることに応答して、前記駆動モーターが起動して逆回転して、前記ガイドロッド部材の変位を調整して、前記バッテリーインターフェースを、前記オンボードバッテリーから離し、
前記抵抗値判断信号が前記第二状態であることに応答して、前記駆動モーターがオフになり、
前記抵抗値判断信号が前記第三状態であることに応答して、前記駆動モーターが起動して回転して、前記ガイドロッド部材の変位を調整して、前記バッテリーインターフェースを、前記オンボードバッテリーに接近させることを特徴とする請求項1に記載の電動キャリア電源装置。
【請求項4】
前記ガイドロッド部材は、送りねじ、スライダー、および、スプリング群を有し、
前記駆動モーターが起動して回転するとき、前記駆動モーターは前記送りねじを回転させ、前記スライダーは、前記オンボードバッテリーの方向に変位して、前記スプリング群を圧縮し、
前記駆動モーターが回転を始めて、前記ガイドロッド部材の変位を調整した後、前記ピエゾ抵抗センサーは、前記抵抗値判断信号を生成することを特徴とする請求項3に記載の電動キャリア電源装置。
【請求項5】
ピエゾ抵抗センサーと、オンボードバッテリーに接続され、前記オンボードバッテリーから電力を受け取るバッテリーインターフェースと、電源管理ユニット(PMU)と、前記電源管理ユニットおよび前記バッテリーインターフェースの間に設置され、起動および停止が抵抗値判断信号により制御される駆動モーターを有する変位駆動装置とを備える電動キャリアに用いられる潜在電力故障の検出方法であって、
前記バッテリーインターフェースと前記オンボードバッテリーとの接触域に設置されたピエゾ抵抗ひずみゲージを用いて、前記接触域の圧力値を検出する工程と、
前記ピエゾ抵抗センサーを用いて、前記ピエゾ抵抗ひずみゲージにより検出された圧力値を受信し、前記圧力値を抵抗値に変換する工程と、
前記ピエゾ抵抗センサーを用いて、抵抗値判断信号を生成する工程
前記電源管理ユニットを用いて、前記電源管理ユニットにより安全抵抗値範囲内にあると判断された抵抗値判断信号に基づいて、前記電動キャリアのモーターに電力を提供する工程と
を有することを特徴とする潜在電力故障の検出方法。