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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175635
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】植物残渣回収システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/00 20120101AFI20231205BHJP
【FI】
G06Q50/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077999
(22)【出願日】2023-05-10
(31)【優先権主張番号】P 2022087470
(32)【優先日】2022-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中野 真由子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC60
(57)【要約】
【課題】廃棄される植物を有効活用できる植物残渣回収システムを提供すること。
【解決手段】(i)植物を廃棄する植物残渣廃棄者と、植物の生産場所とを対応付けた第1情報と、(ii)植物を原料として植物製造物を製造する製造者と、植物および植物製造物とを対応付けた第2情報と、(iii)植物製造物を購入予定の購入者と、購入を希望する植物製造物および原料となった植物とを対応付けた第3情報と、を記憶する記憶部と、通信部と、通信部が植物残渣廃棄者から植物の収集依頼を受信すると、収集依頼と第2情報とを用いて、植物残渣廃棄者から廃棄された植物が提供される製造者を選定する製造者選定部と、通信部が植物残渣廃棄者から収集依頼を受信すると、収集依頼と第3情報とを用いて、植物製造物が提供される購入者を選定する購入者選定部と、を備える、植物残渣回収システム。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物残渣回収システムであって、
(i)植物を廃棄する植物残渣廃棄者と、前記植物の生産場所とを対応付けた第1情報と、(ii)前記植物を原料として植物製造物を製造する製造者と、前記植物および前記植物製造物とを対応付けた第2情報と、(iii)前記植物製造物を購入予定の購入者と、購入を希望する前記植物製造物および原料となった前記植物とを対応付けた第3情報と、を記憶する記憶部と、
通信部と、
前記通信部が前記植物残渣廃棄者から前記植物の収集依頼を受信すると、前記収集依頼と前記第2情報とを用いて、前記植物残渣廃棄者から廃棄された前記植物が提供される前記製造者を選定し、選定結果を作成する製造者選定部と、
前記製造者選定部が前記選定結果を作成すると、前記選定結果と前記第3情報とを用いて、前記植物製造物が提供される前記購入者を選定する購入者選定部と、を備える、植物残渣回収システム。
【請求項2】
請求項1に記載の植物残渣回収システムであって、さらに、
トレーサビリティ情報を作成する作成部を備え、
前記作成部は、
前記収集依頼を送信した前記植物残渣廃棄者から収集完了通知を前記通信部が受信すると、前記トレーサビリティ情報に前記収集完了通知を送信した前記植物残渣廃棄者を入力する第1入力処理と、
選定された前記製造者から出荷完了通知を前記通信部が受信すると、前記トレーサビリティ情報に前記出荷完了通知を送信した前記製造者を入力する第2入力処理と、
選定された前記購入者から前記植物製造物の納品完了通知を前記通信部が受信すると、前記トレーサビリティ情報に前記納品完了通知を送信した前記購入者を入力する第3入力処理と、を実行する、植物残渣回収システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の植物残渣回収システムであって、
前記記憶部は、さらに、
前記生産場所または前記植物の廃棄場所から前記植物を収集して前記製造者まで搬送する収集者と、収集可能日とを対応付けた第4情報を記憶し、
前記植物残渣回収システムは、さらに、
前記植物残渣廃棄者から前記収集依頼を前記通信部が受信すると、前記収集依頼と前記第4情報とを用いて、前記植物を収集する前記収集者を選定し、選定した前記収集者に収集指示を送信する、収集者選定部を備える、植物残渣回収システム。
【請求項4】
請求項2に記載の植物残渣回収システムであって、
前記作成部は、
前記第1入力処理において、前記トレーサビリティ情報に収集日を入力し、
前記第2入力処理において、前記トレーサビリティ情報に製造日と出荷日との少なくとも何れか一方を入力し、
前記第3入力処理において、前記トレーサビリティ情報に納品日を入力し、
前記通信部が前記製造者から搬入完了通知を受信すると、前記トレーサビリティ情報に搬入日を入力する搬入日入力処理を実行する、植物残渣回収システム。
【請求項5】
請求項1に記載の植物残渣回収システムであって、
前記収集依頼は、前記植物の名称の情報を含み、
前記製造者選定部は、前記第2情報の前記植物の名称が、前記収集依頼の前記植物の名称と一致する前記製造者を、前記植物が提供される前記製造者に選定する、植物残渣回収システム。
【請求項6】
請求項5に記載の植物残渣回収システムであって、
前記購入者選定部は、前記第3情報の前記植物製造物の名称が、前記製造者選定部が選定した前記製造者が製造する前記植物製造物の名称と一致するとともに、前記第3情報の前記植物の名称が、前記製造者選定部が選定した前記製造者に提供される前記植物の名称と一致する前記購入者を、前記植物製造物が提供される前記購入者に選定する、植物残渣回収システム。
【請求項7】
請求項1に記載の植物残渣回収システムであって、
前記記憶部は、
前記植物と前記植物に保存用加工を施す加工設備の有無とを対応付けた加工設備情報と、
前記製造者と、前記植物の受入可能日とを対応付けた製造者受入情報と、をさらに記憶し、
前記収集依頼は、前記植物の名称の情報を含み、
前記製造者選定部は、前記第2情報の前記植物の名称が、前記収集依頼の前記植物の名称と一致する前記製造者を、前記植物が提供される前記製造者に選定し、選定した前記製造者を特定する情報を含む前記選定結果を作成し、
前記植物残渣回収システムは、
前記生産場所または前記植物の廃棄場所から収集された前記植物が選定された前記製造者に搬入される搬入日を予測する搬入日予測処理と、
前記製造者受入情報を用いて、選定された前記製造者の前記受入可能日が、予測した前記搬入日と適合するか否かを判断する第1判断処理と、
前記第1判断処理において適合しないと判断した場合に、前記加工設備情報を用いて、前記加工設備があるか否かを判断する第2判断処理と、
前記第2判断処理において、前記加工設備があると判断した場合に、前記植物に前記保存用加工を施した植物加工物を選定された前記製造者に提供するための加工手配処理と、を実行する加工手配部をさらに備える、植物残渣回収システム。
【請求項8】
請求項7に記載の植物残渣回収システムであって、
前記記憶部は、
前記生産場所または前記植物の廃棄場所から前記植物を収集して前記製造者まで搬送する収集者と、収集可能日とを対応付けた第4情報をさらに記憶し、
前記加工設備は、前記収集者が搬送に使用する移動体に備えられており、
前記植物残渣回収システムは、前記収集依頼と前記第4情報とを用いて、前記植物を収集する前記収集者を選定し、選定した前記収集者に収集指示を送信する収集者選定部をさらに備え、
前記加工手配部は、前記加工手配処理において、前記加工設備を備える前記移動体の使用を指定する選定依頼を前記収集者選定部に送信し、
前記収集者選定部は、前記加工設備を備える前記移動体の使用を指定する選定依頼を受信した場合、前記植物を収集する前記収集者として、前記加工設備を備える前記移動体を所有する前記収集者を選定し、前記収集指示において、前記加工設備を備える前記移動体の使用を指定する、植物残渣回収システム。
【請求項9】
請求項7に記載の植物残渣回収システムであって、
前記記憶部は、前記生産場所または前記植物の廃棄場所から前記植物を収集して前記加工設備の設置場所まで搬送する収集者と、収集可能日とを対応付けた収集者情報をさらに記憶し、
前記植物残渣回収システムは、前記収集依頼と前記収集者情報とを用いて、前記植物を収集する前記収集者を選定し、選定した前記収集者に収集指示を送信する収集者選定部をさらに備え、
前記加工手配部は、前記加工手配処理において、前記植物の搬送先を前記設置場所に指定した選定依頼を前記収集者選定部に送信する、植物残渣回収システム。
【請求項10】
請求項9に記載の植物残渣回収システムであって、
前記設置場所には、前記植物加工物を保存するための保存設備が設置されており、
前記記憶部は、前記設置場所から前記製造者まで前記植物加工物を搬送する搬送者と、搬送可能日とを対応付けた搬送者情報をさらに記憶し、
前記植物残渣回収システムは、前記保存設備に保存されている前記植物加工物の在庫を管理する在庫管理部をさらに備え、
前記在庫管理部は、前記通信部が前記製造者から前記植物加工物の納品依頼を受信すると、前記保存設備に提供可能な前記植物加工物があるか否かを判断し、
前記植物残渣回収システムは、前記在庫管理部が提供可能な前記植物加工物があると判断した場合、前記搬送者情報を用いて、前記植物加工物を搬送する前記搬送者を選定し、選定した前記搬送者に搬送指示を送信する搬送者選定部をさらに備える、植物残渣回収システム。
【請求項11】
請求項7に記載の植物残渣回収システムであって、
前記保存用加工は、前記植物を乾燥する工程を含む、植物残渣回収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、植物残渣回収システムに関する。
【背景技術】
【0002】
農家では、例えば、豊作などにより市場に故意に提供しない農作物を畑に放置しておく場合がある。一方で、農作物などの植物を原料として、有機化合物を製造できることが知られている。そこで、廃棄される農作物の有効な利用方法として、農作物を原料として、有機化合物を製造することが考えられる。
【0003】
なお、資源のリサイクル方法として種々の方法が開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、排出事業者により排出された乾燥資源を元にリサイクルセンターにて有機質肥料などが製造され、製造された有機質肥料などが生産者に使用される食物残渣資源リサイクル用システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の食物残渣資源リサイクル用システムは、廃棄される資源をリサイクルするシステムであるものの、リサイクルされる物質は、乾燥資源である。よって、特許文献1に記載の食物残渣資源リサイクル用システムを本願のシステムに適用することは困難であり、植物を資源とするシステムが別途求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本開示の一形態によれば、植物残渣回収システムが提供される。この植物残渣回収システムは、(i)植物を廃棄する植物残渣廃棄者と、前記植物の生産場所とを対応付けた第1情報と、(ii)前記植物を原料として植物製造物を製造する製造者と、前記植物および前記植物製造物とを対応付けた第2情報と、(iii)前記植物製造物を購入予定の購入者と、購入を希望する前記植物製造物および原料となった前記植物とを対応付けた第3情報と、を記憶する記憶部と、通信部と、前記通信部が前記植物残渣廃棄者から前記植物の収集依頼を受信すると、前記収集依頼と前記第2情報とを用いて、前記植物残渣廃棄者から廃棄された前記植物が提供される前記製造者を選定し、選定結果を作成する製造者選定部と、前記製造者選定部が前記選定結果を作成すると、前記選定結果と前記第3情報とを用いて、前記植物製造物が提供される前記購入者を選定する購入者選定部と、を備える。この形態によれば、植物残渣廃棄者は収集依頼を送信すると、製造者選定部により製造者が選定され、購入者選定部により購入者が選定される。よって、植物残渣廃棄者が自ら製造者を探す手間や、製造者が自ら購入者を探す手間を省くことができるため、廃棄される植物を効率的に有効活用することができるシステムを提供することができる。
(2)上記形態の植物残渣回収システムにおいて、さらに、トレーサビリティ情報を作成する作成部を備え、前記作成部は、前記収集依頼を送信した前記植物残渣廃棄者から収集完了通知を前記通信部が受信すると、前記トレーサビリティ情報に前記収集完了通知を送信した前記植物残渣廃棄者を入力する第1入力処理と、選定された前記製造者から出荷完了通知を前記通信部が受信すると、前記トレーサビリティ情報に前記出荷完了通知を送信した前記製造者を入力する第2入力処理と、選定された前記購入者から前記植物製造物の納品完了通知を前記通信部が受信すると、前記トレーサビリティ情報に前記納品完了通知を送信した前記購入者を入力する第3入力処理と、を実行してもよい。この形態によれば、トレーサビリティ情報が作成されることにより、植物製造物の流通において、植物残渣廃棄者、製造者、購入者を特定することができる。よって、植物製造物の安全性を向上させることができる。
(3)上記形態の植物残渣回収システムにおいて、記憶部は、さらに、生産場所または植物の廃棄場所から植物を収集して製造者まで搬送する収集者と、収集可能日とを対応付けた第4情報を記憶し、植物残渣回収システムは、さらに、植物残渣廃棄者から収集依頼を通信部が受信すると、収集依頼と第4情報とを用いて、植物を収集する収集者を選定し、選定した収集者に収集指示を送信する、収集者選定部を備えてもよい。この形態によれば、植物残渣廃棄者は、収集依頼を送信することにより、収集者を自ら手配することなく、植物を収集して貰うことができる。よって、植物残渣回収システムの利便性を向上させることができる。
(4)上記形態の植物残渣回収システムにおいて、前記作成部は、前記第1入力処理において、前記トレーサビリティ情報に収集日を入力し、前記第2入力処理において、前記トレーサビリティ情報に製造日と出荷日との少なくとも何れか一方を入力し、前記第3入力処理において、前記トレーサビリティ情報に納品日を入力し、前記通信部が前記製造者から搬入完了通知を受信すると、前記トレーサビリティ情報に搬入日を入力する搬入日入力処理を実行してもよい。この形態によれば、トレーサビリティ情報の情報量が増えるため、植物製造物の安全性をより向上させることができる。
(5)上記形態の植物残渣回収システムにおいて、前記収集依頼は、前記植物の名称の情報を含み、前記製造者選定部は、前記第2情報の前記植物の名称が、前記収集依頼の前記植物の名称と一致する前記製造者を、前記植物が提供される前記製造者に選定してもよい。この形態によれば、収集依頼を用いて、適切な製造者を選定することができる。
(6)上記形態の植物残渣回収システムにおいて、前記購入者選定部は、前記第3情報の前記植物製造物の名称が、前記製造者選定部が選定した前記製造者が製造する前記植物製造物の名称と一致するとともに、前記第3情報の前記植物の名称が、前記製造者選定部が選定した前記製造者に提供される前記植物の名称と一致する前記購入者を、前記植物製造物が提供される前記購入者に選定してもよい。この形態によれば、第3情報を用いて、適切な購入者を選定することができる。
(7)上記形態の植物残渣回収システムにおいて、前記記憶部は、前記植物と前記植物に保存用加工を施す加工設備の有無とを対応付けた加工設備情報と、前記製造者と、前記植物の受入可能日とを対応付けた製造者受入情報と、をさらに記憶し、前記収集依頼は、前記植物の名称の情報を含み、前記製造者選定部は、前記第2情報の前記植物の名称が、前記収集依頼の前記植物の名称と一致する前記製造者を、前記植物が提供される前記製造者に選定し、選定した前記製造者を特定する情報を含む前記選定結果を作成し、前記植物残渣回収システムは、前記生産場所または前記植物の廃棄場所から収集された前記植物が選定された前記製造者に搬入される搬入日を予測する搬入日予測処理と、前記製造者受入情報を用いて、選定された前記製造者の前記受入可能日が、予測した前記搬入日と適合するか否かを判断する第1判断処理と、前記第1判断処理において適合しないと判断した場合に、前記加工設備情報を用いて、前記加工設備があるか否かを判断する第2判断処理と、前記第2判断処理において、前記加工設備があると判断した場合に、前記植物に前記保存用加工を施した植物加工物を選定された前記製造者に提供するための加工手配処理と、を実行する加工手配部をさらに備えてもよい。この形態によれば、製造者への搬送日が製造者の受入可能日と適合しない場合であっても、植物加工物に加工することによって、廃棄された植物の利用可能性を向上させることができる。
(8)上記形態の植物残渣回収システムにおいて、前記記憶部は、前記生産場所または前記植物の廃棄場所から前記植物を収集して前記製造者まで搬送する収集者と、収集可能日とを対応付けた第4情報をさらに記憶し、前記加工設備は、前記収集者が搬送に使用する移動体に備えられており、前記植物残渣回収システムは、前記収集依頼と前記第4情報とを用いて、前記植物を収集する前記収集者を選定し、選定した前記収集者に収集指示を送信する収集者選定部をさらに備え、前記加工手配部は、前記加工手配処理において、前記加工設備を備える前記移動体の使用を指定する選定依頼を前記収集者選定部に送信し、前記収集者選定部は、前記加工設備を備える前記移動体の使用を指定する選定依頼を受信した場合、前記植物を収集する前記収集者として、前記加工設備を備える前記移動体を所有する前記収集者を選定し、前記収集指示において、前記加工設備を備える前記移動体の使用を指定してもよい。この形態によれば、生産者から製造者までの搬送工程において、廃棄された植物を植物加工物に加工することができる。
(9)上記形態の植物残渣回収システムにおいて、前記記憶部は、前記生産場所または前記植物の廃棄場所から前記植物を収集して前記加工設備の設置場所まで搬送する収集者と、収集可能日とを対応付けた収集者情報をさらに記憶し、前記植物残渣回収システムは、前記収集依頼と前記収集者情報とを用いて、前記植物を収集する前記収集者を選定し、選定した前記収集者に収集指示を送信する収集者選定部をさらに備え、前記加工手配部は、前記加工手配処理において、前記植物の搬送先を前記設置場所に指定した選定依頼を前記収集者選定部に送信してもよい。この形態によれば、設置場所に設置された加工設備にて、廃棄された植物を植物加工物に加工することができる。
(10)上記形態の植物残渣回収システムにおいて、前記設置場所には、前記植物加工物を保存するための保存設備が設置されており、前記記憶部は、前記設置場所から前記製造者まで前記植物加工物を搬送する搬送者と、搬送可能日とを対応付けた搬送者情報をさらに記憶し、前記植物残渣回収システムは、前記保存設備に保存されている前記植物加工物の在庫を管理する在庫管理部をさらに備え、前記在庫管理部は、前記通信部が前記製造者から前記植物加工物の納品依頼を受信すると、前記保存設備に提供可能な前記植物加工物があるか否かを判断し、前記植物残渣回収システムは、前記在庫管理部が提供可能な前記植物加工物があると判断した場合、前記搬送者情報を用いて、前記植物加工物を搬送する前記搬送者を選定し、選定した前記搬送者に搬送指示を送信する搬送者選定部をさらに備えてもよい。この形態によれば、購入者は、納品依頼を行うことによって、植物加工物が提供されるため、植物残渣回収システムの利便性を向上させることができる。
(11)上記形態の植物残渣回収システムにおいて、前記保存用加工は、前記植物を乾燥する工程を含んでもよい。この形態によれば、植物を乾燥することにより、保存性の高い植物加工物を作成することができる。
本開示は、種々の形態で実現することが可能であり、上記の植物残渣回収システムの他に、例えば植物残渣回収方法などの形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】植物残渣回収システムを利用した植物残渣回収方法を説明する説明図。
図2】植物残渣回収システムの概略構成を示す図。
図3】植物残渣回収システムが備える各システムの構成を示す図。
図4】利用者情報を説明する図。
図5】トレーサビリティ情報を説明する図。
図6】収集情報を説明する図。
図7】製造先情報を説明する図。
図8】購入先情報を説明する図。
図9】植物残渣回収方法の前半の手順を示すシーケンス図。
図10】植物残渣回収方法の後半の手順を示すシーケンス図。
図11】第2実施形態の植物残渣回収方法の概略を示す図。
図12】第2実施形態の各システムの構成を示す図。
図13】加工設備情報を説明する図。
図14】第2実施形態の収集情報を説明する図。
図15】第2実施形態の植物残渣回収方法の前半の手順を示すシーケンス図。
図16】第2実施形態の植物残渣回収方法の後半の手順を示すシーケンス図。
図17】第3実施形態の植物残渣回収方法の概略を示す図。
図18】第3実施形態の各システムの構成を示す図。
図19】第3実施形態の植物残渣回収方法の手順を示す第1のシーケンス図。
図20】第3実施形態の植物残渣回収方法の手順を示す第2のシーケンス図。
図21】第3実施形態の植物残渣回収方法の手順を示す第3のシーケンス図。
図22】第3実施形態の植物残渣回収方法の手順を示す第4のシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
図1は、植物残渣回収システム100を利用した植物残渣回収方法を説明する説明図である。以下、植物残渣回収システム100を単に「回収システム100」と記載する。回収システム100は、生産者200から廃棄される植物廃棄物FWを原料として、製造者300にて植物製造物MTが製造され、製造された植物製造物MTが購入者400に納品される仕組みを提供する。これにより、生産現場で廃棄された植物を有効活用することができる。また、後述するように、回収システム100は、トレーサビリティ情報16を保有することにより、植物製造物MTの安全性および植物製造物MTを原料とする製品の安全性を向上させることができる。
【0010】
植物を廃棄する植物残渣廃棄者としての生産者200は、具体的には、農家や植物工場や食品関連メーカである。農家や植物工場では、例えば、市場に提供できない規格外の農作物や、豊作などにより市場に故意に提供しない農作物を畑などに放置しておく場合がある。また、食品関連メーカとは、農作物を加工するメーカであり、加工する過程で、例えば野菜の皮などが廃棄される。このような廃棄される農作物や農作物の一部が植物廃棄物FWである。
【0011】
植物廃棄物FWを原料として植物製造物MTを製造することができる。例えば、米を原料としてエタノールを製造することができる。製造者300は、植物廃棄物FWを原料として植物製造物MTを製造するメーカなどであり、具体的には、化粧品原料メーカや食品原料メーカである。
【0012】
植物製造物MTを原料として、化粧品や食品などの製品を製造することができる。植物製造物MTを購入予定の購入者400は、具体的には、化粧品などを製造する化粧品関連メーカや、食品などを製造する食品関連メーカや、バイオプラスチックの製造メーカや、各メーカに植物製造物MTを直接または間接的に販売する商社などである。
【0013】
回収システム100は、生産者200と、製造者300と、購入者400とのそれぞれと、情報のやり取りをする。生産者200、製造者300、および購入者400は、個々に、利用者として、回収システム100に登録されている。具体的には、利用者は、PC(Personal Computer)などの情報端末機器を用いて、回収システム100の後述する管理システム10が提供するウエブサイトにて、利用者名および連絡先などを入力する。管理システム10は、利用者名および連絡先の入力を受け付け、後述する利用者情報17(図3)に利用者IDを付与して記憶し、付与した利用者IDを利用者に送信する。これにより、利用者は、利用者IDにより特定された状態で回収システム100と情報のやり取りを行うことができる。
【0014】
図2は、回収システム100の概略構成を示す図である。回収システム100は、作成部としての管理システム10と、収集者選定部としての収集管理システム20と、製造者選定部としての製造先システム30と、購入者選定部としての購入先システム40とを備える。本実施形態では、管理システム10と、収集管理システム20と、製造先システム30と、購入先システム40とは、互いにインターネットINTを介して接続されている。なお、管理システム10と、収集管理システム20と、製造先システム30と、購入先システム40とを接続するネットワークは、インターネットINTに限られず、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などでもよい。
【0015】
図3は、回収システム100が備える各システムの構成を示す図である。図3に示すように、管理システム10は、プロセッサ11と、記憶部としてのメモリ12と、通信部13と、入力部14と、表示部15とを備えるコンピュータとして構成されている。プロセッサ11は、メモリ12に記憶されているアプリケーションを実行する。通信部13は、インターネットINTを介して、インターネットINTと接続されている装置と情報のやり取りを行う。入力部14および表示部15は、インターフェースIFを介して、プロセッサ11などと通信する。入力部14は具体的には、キーボードやマウスなどである。表示部15は具体的にはディスプレイなどである。メモリ12には、トレーサビリティ情報16と利用者情報17とが記憶されている。
【0016】
図4は、利用者情報17を説明する図である。図4に示すように、第1情報としての利用者情報17は、「利用者ID」、「種別」、「名称」、「連絡先」、「住所」、「生産場所」、および「生産情報」の項目が一組にされたデータベースである。「利用者ID」には、利用者に一義的に付与される識別子が入力される。「種別」には、生産者200、製造者300、購入者400、および後述する収集者のいずれであるかを特定するための情報が入力される。「名称」には、個人であれば氏名、会社であれば会社の名称が入力される。「連絡先」には、電子メールのアドレスや電話番号が入力される。「住所」には、利用者の住所や工場や会社の所在地が入力される。「生産場所」には、植物廃棄物FWの生産場所が入力される。具体的には、生産者200が農家である場合には、農地の住所が入力される。生産者200が植物工場である場合には、工場の住所が入力される。生産者200が食品関連メーカである場合には、取り扱う農作物の生産地が入力される。「生産情報」には、植物廃棄物FWが生産された農地の土壌の情報や使用された農薬の情報が入力される。
【0017】
「種別」の情報は、収集管理システム20、製造先システム30、および購入先システム40のそれぞれが有する各情報の閲覧を特定の利用者のみに許可することにより、閲覧可能な利用者を制限するために用いられる。例えば、購入者400の利用者は、後述する製造先情報36の閲覧が許可されており、収集情報26や他の購入者についての購入先情報46の閲覧は許可されていない。これにより、個人情報を保護することができる。
【0018】
図5は、トレーサビリティ情報16を説明する図である。図5に示すように、トレーサビリティ情報16は、「管理ID」、「植物名」、「植物製造物名」、「生産者」、「生産場所」、「収集日」、「製造者」、「搬入日」、「製造日」、「出荷日」、「購入者」、および「納品日」の項目が一組にされたデータベースである。各項目の値は初期状態では空であり、後述する植物残渣回収方法において、流通が開始されると、値が都度入力される。
【0019】
図3に示すように、収集管理システム20、製造先システム30、および購入先システム40は、管理システム10と同様の構成を備えている。具体的には、収集管理システム20は、プロセッサ21と、記憶部としてのメモリ22と、通信部23と、入力部24と、表示部25とを備えるコンピュータとして構成されている。製造先システム30は、プロセッサ31と、記憶部としてのメモリ32と、通信部33と、入力部34と、表示部35とを備えるコンピュータとして構成されている。購入先システム40は、プロセッサ41と、記憶部としてのメモリ42と、通信部43と、入力部44と、表示部45とを備えるコンピュータとして構成されている。
【0020】
収集管理システム20のメモリ22には、第4情報および収集者情報としての収集情報26が記憶されている。製造先システム30のメモリ32には、第2情報および製造者受入情報としての製造先情報36が記憶されている。購入先システム40のメモリ42には、第3情報としての購入先情報46が記憶されている。
【0021】
図6は、収集情報26を説明する図である。図6に示すように、収集情報26は、「収集ID」、「手段」、「利用者ID」、「配送地域」、「収集可能量」、「収集可能日」、「配送日数」、「料金」などの項目が一組にされたデータベースである。収集者は、生産者200が農家であれば植物廃棄物FWの生産場所、生産者200が食品関連メーカであれば植物廃棄物FWの廃棄場所から植物廃棄物FWを収集して、製造者300まで搬送する。「手段」には、運搬手段の情報が入力される。「利用者ID」には、利用者IDが入力される。「配送地域」には、植物廃棄物FWの収集および製造者300への配送が可能な地域が入力される。「収集可能量」には、収集および配送が可能な重量の情報が入力される。「収集可能日」には、収集が可能な日の情報が入力される。「配送日数」には、配送に要する日数が入力される。本実施形態では、「配送日数」は、配送に要する日数の最大の日数が入力される。「料金」には、配送料金が入力される。「収集ID」には、収集情報26に登録されている1組の情報を一義的に識別するための識別子が入力される。利用者IDが同じ場合であっても、例えば配送地域が異なる場合には、配送地域毎に異なる収集IDが付与される。
【0022】
図7は、製造先情報36を説明する図である。図7に示すように、製造先情報36は、「製造ID」、「利用者ID」、「植物名」、「植物製造物名」、「許容状態」、「受入可能量」、「受入可能日」、「生産日数」、および「販売価格」などの項目が一組にされたデータベースである。
【0023】
「植物名」には、取り扱っている植物廃棄物FWの植物の名称が入力される。「植物製造物名」には、製造する植物製造物MTの名称が入力される。以下、植物廃棄物FWの植物の名称を、植物名と記載する場合がある。
【0024】
「許容状態」には、受け入れを許容する状態の情報が入力される。状態の情報とは、具体的には、例えば、植物廃棄物FWが農作物の場合、農作物の大きさ、農作物の傷の程度、収穫日からの日数などである。農作物が小さいと、植物製造物MTの製造に適さない場合がある。農作物は、収穫日から日数が経過するにつれ、腐敗していく。農作物に傷がある場合には、傷から腐り易い。製造者300毎に、受け入れ可能な農作物の状態は異なる。そこで、「許容状態」の項目を設けることにより、製造者300が受け入れ可能な植物廃棄物FWのみを製造者300に提供することができる。植物の種類により状態の特定方法が異なるため、図7では省略しているが、「許容状態」は種類に応じてさらに細かい項目が用意され、例えば、ランクにより状態が特定される。
【0025】
「受入可能量」には、受け入れ可能な重量が入力される。「受け入れ可能日」には、受け入れが可能な日が入力される。「生産日数」には、植物廃棄物FWの受け入れから植物製造物MTの出荷までに要する日数が入力される。「販売価格」には、植物製造物MTの販売価格が入力される。
【0026】
なお、植物製造物MTの製造において、同じ種類の植物廃棄物FWから、異なる種類の植物製造物MTが製造される場合がある。また、同じ種類の植物製造物MTであっても、原料となる植物廃棄物FWの種類が異なる場合がある。よって、製造先情報36には、植物製造物名と植物名との情報が含まれている。「製造ID」には、製造先情報36に登録されている1組の情報を一義的に識別するための識別子が入力される。「利用者ID」には、利用者IDが入力される。利用者IDが同じ場合であっても、例えば植物製造物名が異なる場合には、植物製造物名毎に異なる製造IDが付与される。
【0027】
図8は、購入先情報46を説明する図である。図8に示すように、購入先情報46は、「購入ID」、「利用者ID」、「植物製造物名」、「植物名」、「希望購入量」、「希望納品日」、および「購入価格」などの項目が一組にされたデータベースである。「利用者ID」には、利用者IDが入力される。「植物製造物名」には、購入を希望する植物製造物MTの名称が入力される。「植物名」には、購入を希望する植物製造物MTの希望する原料となる植物の名称が入力される。上記のように、同じ植物製造物MTであっても、原料となる植物が異なる場合があるため、「植物製造物名」だけでなく、「植物名」も登録されている。「希望購入量」には、購入者400が希望する植物製造物MTの重量が入力される。「希望納品日」には、希望する納品日が入力される。「購入価格」には、植物製造物MTの希望購入価格が入力される。「購入ID」には、購入先情報46に登録されている1組の情報を一義的に識別するための識別子が入力される。
【0028】
収集情報26、製造先情報36、および購入先情報46は、それぞれ、収集管理システム20、製造先システム30、および購入先システム40により、事前に作成されている。
【0029】
収集情報26は、植物残渣回収システム100の管理者が、収集管理システム20を操作して各項目の値を入力することにより作成される。
【0030】
製造先情報36は、製造者300が、製造先システム30が提供するウエブサイトにて各項目の値を入力し、製造先システム30が入力された値を製造先情報36に入力することで作成される。なお、製造先情報36は、ウエブサイトによる入力に限られず、例えば電子メールにより受け付けた情報を回収システム100の管理者が製造先情報36に入力することにより作成されてもよい。購入先情報46は、製造先情報36と同様に作成される。
【0031】
なお、収集情報26、製造先情報36、および購入先情報46は、都度更新される情報である。例えば、農作物は、種類により収穫時期が異なる。また、製造先情報36については、工場の稼働状況により受入可能量は変動する。よって、更新されることにより、変動する状況を各情報に反映することができる。
【0032】
図9は、植物残渣回収方法の前半の手順を示すシーケンス図である。図10は、植物残渣回収方法の後半の手順を示すシーケンス図である。図9に示すように、植物廃棄物FWが発生した場合、生産者200は管理システム10に対して収集依頼を送信する(メッセージM1)。具体的には、生産者200は、管理システム10が提供するウエブサイトを介して、収集依頼を送信する。収集依頼には、植物の名称としての植物廃棄物FWの名称、植物廃棄物FWの状態、希望収集量、希望収集日などの情報が含まれる。なお、収集依頼の送信方法は、ウエブサイトを介した方法に限られず、電子メールなどの通信手段により行われてもよい。
【0033】
管理システム10は、収集依頼を受信すると、収集管理システム20に選定依頼を送信する(メッセージM2)。選定依頼には、収集依頼と同じ情報が含まれる。
【0034】
収集管理システム20は、選定依頼を受信すると、収集情報26(図6)を参照して、収集者を選定する(ステップS1)。本実施形態では、収集情報26に含まれる、配送地域、収集可能量、収集可能日の各値が、選定依頼に含まれる情報に適合する収集IDを抽出する。具体的には、収集管理システム20は、収集依頼に含まれる生産場所、希望収集量、希望収集日が、それぞれ、収集情報26の配送地域、収集可能量、収集可能日の範囲に含まれる収集IDを抽出する。次に、収集管理システム20は、抽出した収集ID毎に、希望収集日から収集IDに対応する配送日数が経過した日を配送日として求めて、収集IDと関連付けてメモリ22に記憶する。収集管理システム20は、選定結果を管理システム10に送信する(メッセージM3)。選定結果には、抽出した収集IDと、収集IDと対応する配送日とが含まれる。なお、適合する収集IDがない場合には、選定結果には情報が入力されていない空の選定結果が送信される。
【0035】
管理システム10は、製造先システム30に選定依頼を送信する(メッセージM4)。選定依頼には、植物名、植物廃棄物FWの状態、収集量、配送日などの情報が含まれる。製造先システム30は、選定依頼を受信すると、製造先情報36(図7)を参照して、製造者300を選定する(ステップS2)。本実施形態では、製造先情報36に含まれる、植物名、受入可能量、および受入可能日の各値が、選定依頼に含まれる情報に適合する製造IDを抽出する。具体的には、選定依頼、すなわち収集依頼に含まれる植物名が製造先情報36に含まれる植物名と一致し、選定依頼に含まれる植物の状態、収集量、および配送日が、それぞれ、製造先情報36に含まれる許容状態、受入可能量、および受入可能日の範囲に含まれる製造IDを抽出する。そして、抽出した製造ID毎に、収集日から製造IDに対応する生産日数が経過した日を製造日として求めて、製造IDと関連付けて記憶する。収集管理システム20は、選定結果を作成し、作成した選定結果を管理システム10に送信する(メッセージM5)。選定結果には、抽出した製造IDと、製造IDと対応付けられた製造日、植物製造物名、および植物名とが含まれる。なお、適合する製造IDがない場合には、選定結果には情報が入力されていない空の選定結果が送信される。
【0036】
管理システム10は、購入先システム40に選定依頼を送信する(メッセージM6)。選定依頼には、製造IDに対応する植物名、植物製造物名、製造日の情報が含まれる。購入先システム40は、選定依頼を受信すると、購入先情報46(図8)を参照して、購入者400を選定する(ステップS3)。本実施形態では、購入先情報46に含まれる、植物製造物名、植物名、希望納品日の各値が、選定依頼に含まれる情報に適合する購入IDを抽出する。具体的には、選定依頼に含まれる植物名および植物製造物名、すなわち製造先システム30が選定した製造者300が製造する植物製造物名および原料となる植物名が購入先情報46に含まれる植物名および植物製造物名と一致し、選定依頼に含まれる製造日が、購入先情報46に含まれる希望納品日に納品可能な範囲に含まれる購入IDを抽出する。購入先システム40は、選定結果を管理システム10に送信する(メッセージM7)。選定結果には、抽出した購入IDと、購入IDと対応付けられた植物製造物名および植物名とが含まれる。なお、適合する購入IDがない場合には、選定結果には情報が入力されていない空の選定結果が送信される。
【0037】
管理システム10は、収集管理システム20、製造先システム30、および購入先システム40とから送信された選定結果を用いて、収集者、製造者300、および購入者400を決定する(ステップS4)。選定結果に含まれる収集ID、製造ID、および購入IDがそれぞれ1つである場合には、選定結果に含まれる収集ID、製造ID、および購入IDの各々に対応する収集者、製造者300、および購入者400に決定される。複数のIDを含む選定結果がある場合には、予め定められた優先される項目の値により決定される。例えば、収集管理システム20から送信された選定結果に収集IDが複数含まれる場合であって、優先される項目が「料金」である場合には、料金が一番安い者に決定される。優先される項目は、「料金」に限られず、例えば、「配送日数」でもよい。製造者300および購入者400についても同様である。
【0038】
なお、管理システム10は、収集管理システム20、製造先システム30、および購入先システム40とから送信された選定結果の少なくともいずれか1つの選定結果が空の選定結果である場合には、メッセージM1を送信した生産者200に、収集不可であるメッセージを送信する。なお、図9では、収集不可である場合についての図示は省略されている。
【0039】
管理システム10は、収集者、製造者300、および購入者400を決定した後、収集管理システム20に手配指示を送信する(メッセージM8)。収集管理システム20は、手配指示を受信すると、配送手配を行う(ステップS5)。具体的には、収集管理システム20は、配送手配において、決定した収集IDに対応する収集者に、希望収集日と、生産者200の生産場所と、製造者300の住所との情報を含む収集指示を送信する。
【0040】
管理システム10は、メッセージM1を送信した生産者200に、収集日を送信する(メッセージM9)。管理システム10は、決定した製造IDに対応する製造者300に製造指示を送信する(メッセージM10)。製造指示には、搬入される植物廃棄物FWの名称、製造すべき植物製造物MTの名称、搬入量、搬入日、および決定した購入IDに対応する購入者400の住所の情報が含まれる。管理システム10は、決定した購入IDに対応する購入者400に、納品情報を送信する(メッセージM11)。納品情報には、植物廃棄物FWの名称、植物製造物MTの名称、納品量、および納品日の情報が含まれる。
【0041】
収集依頼が送信されると、収集者は、生産者200から植物廃棄物FWを収集して、製造者300に配送する。
【0042】
生産者200は、植物廃棄物FWが収集者により収集された後、管理システム10に収集完了通知を送信する(メッセージM12)。収集完了通知には、収集された植物廃棄物FWの名称、収集量、収取日の情報が含まれる。管理システム10は、収集完了通知を受信すると、トレーサビリティ情報16(図5)に新たな管理IDを付与して、「植物名」、「生産者」、「生産場所」、「収集日」の各々に、収集された植物廃棄物FWの名称、収集完了通知を送信した生産者200の利用者ID、生産者200の生産場所、収集日を入力する(ステップS6)。
【0043】
なお、生産者200には、回収システム100により、収集された植物廃棄物FWに見合う対価が支払われる。
【0044】
決定された製造IDに対応する製造者300は、植物廃棄物FWが収集者により搬入された後、管理システム10に搬入完了通知を送信する(メッセージM13)。搬入完了通知には、植物廃棄物FWの搬入日の情報が含まれる。管理システム10は、搬入完了通知を受信すると、トレーサビリティ情報16の「搬入日」に、搬入完了通知の搬入日を入力する(ステップS7)。
【0045】
製造者300は、植物廃棄物FWが搬入された後、製造指示に従って、植物製造物MTを製造して、植物製造物MTを出荷する。製造者300は、植物製造物MTを製造し、購入者400宛てに出荷した後、管理システム10に出荷完了通知を送信する(メッセージM14)。出荷完了通知には、植物製造物MTの製造日と、出荷日との情報が含まれる。管理システム10は、出荷完了通知を受信すると、トレーサビリティ情報16の管理IDに対応する「製造者」、「製造日」、「出荷日」の各々に、出荷完了通知を送信した製造者300の利用者ID、出荷完了通知の製造日、および出荷日を入力する(ステップS8)。
【0046】
なお、製造者300には、回収システム100により、出荷した植物製造物MTに見合う対価が支払われる。
【0047】
購入IDに対応する購入者400は、植物製造物MTが搬入された後、管理システム10に納品完了通知を送信する(メッセージM15)。納品完了通知には、納品日の情報が含まれる。管理システム10は、納品完了通知を受信すると、トレーサビリティ情報16の管理IDに対応する「購入者」、「納品日」の各々に、納品完了通知を送信した購入者400の利用者ID、納品完了通知の納品日を入力する(ステップS9)。これにより、トレーサビリティ情報16が完成する。トレーサビリティ情報16を用いて、原料となった植物廃棄物FWの生産者200、植物製造物MTの製造者300などを追跡することができる。このため、トレーサビリティ情報16が作成されることにより、植物製造物MTの安全性を向上させることができる。
【0048】
なお、購入者400は、回収システム100に対して、納品された植物製造物MTに見合う対価を支払う。
【0049】
ステップS6を第1入力処理とも呼び、ステップS7を搬入日入力処理とも呼び、ステップS8を第2入力処理とも呼び、ステップS9を第3入力処理とも呼ぶ。
【0050】
以上説明した第1実施形態によれば、植物残渣回収システム100が提供される。植物残渣回収システム100は、製造先システム30と購入先システム40とを備える。生産者200が収集依頼を送信すると、製造先システム30により製造者300が選定され、購入先システム40により購入者400が選定される。よって、生産者200が自ら製造者300を探す手間や、製造者300が自ら購入者400を探す手間を省くことができるため、廃棄される植物廃棄物FWを効率的に有効活用することができる。
【0051】
また、植物残渣回収システム100の管理システム10は、生産者200から収集完了通知を受信すると、ステップS6において、トレーサビリティ情報16に収集完了通知を送信した生産者200を入力する。また、管理システム10は、製造者300から出荷完了通知を受信すると、ステップS8において、トレーサビリティ情報16に出荷完了通知を送信した製造者300を入力する。また、管理システム10は、購入者400から納品完了通知を受信すると、ステップS9において、トレーサビリティ情報16に納品完了通知を送信した購入者400を入力する。これにより、植物製造物MTについてトレーサビリティ情報16が作成され、植物製造物MTの流通において、生産者200、製造者300、および購入者400を特定することができる。よって、植物製造物MTの安全性を向上させることができる。
【0052】
また、収集管理システム20は、ステップS1において収集者を選定し、ステップS5において選定した収集者に収集依頼を送信する。これにより、生産者200は、収集依頼を送信することにより、収集者を自ら手配することなく、植物廃棄物FWを収集して貰うことができる。よって、植物残渣回収システム100の利便性を向上させることができる。
【0053】
また、管理システム10は、ステップS6においてトレーサビリティ情報16に収集日を入力し、ステップS7においてトレーサビリティ情報16に搬入日を入力し、ステップS8においてトレーサビリティ情報16に製造日と出荷日とを入力し、ステップS9においてトレーサビリティ情報16に納品日を入力する。これにより、トレーサビリティ情報16の情報量が増えるため、植物製造物MTの安全性をより向上させることができる。
【0054】
また、製造先システム30は、ステップS1において、製造先情報36植物名が、収集依頼の植物名と一致する製造者300を、植物廃棄物FWが提供される製造者300に選定する。これにより、収集依頼を用いて、適切な製造者300を選定することができる。また、購入先システム40は、ステップS3において、購入先情報46の植物製造物MTの名称が、製造先システム30が選定した製造者300が製造する植物製造物MTの名称と一致するとともに、購入先情報46の植物廃棄物FWの名称が、製造先システム30が選定した製造者300に提供される植物廃棄物FWの名称と一致する購入者400を、植物製造物MTが提供される購入者400に選定する。これにより、収集依頼と購入先情報46とを用いて、適切な購入者400を選定することができる。
【0055】
B.第2実施形態:
図11は、第2実施形態に係る植物残渣回収方法の概要を説明する図である。図11に示すように、本実施形態に係る植物残渣回収方法では、生産者200から植物廃棄物FWを収集して搬送する移動体に加工設備PAが搭載されている。本実施形態において、移動体は具体的には車両や車両に牽引される被牽引車である。移動体の他の形態として、例えば鉄道などでもよい。第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、詳細な説明は適宜省略する。
【0056】
加工設備PAは、植物廃棄物FWを保存性の高い植物加工物FPに加工する保存用加工を行う設備である。具体的には、加工設備PAで行われる加工には、植物廃棄物FWを洗浄する工程と、粉砕する工程と、粉砕された植物を固液分離する工程と、分離された固体を乾燥させる工程とが含まれる。固液分離する工程とは、具体的には、例えばろ過や遠心分離である。なお、加工設備PAで行われる加工は、洗浄する工程と、粉砕する工程と、固液分離する工程とを含まなくてもよい。少なくとも乾燥する工程を含むことにより、植物廃棄物FWの腐敗を抑制し、保存性の高い植物加工物FPを作製することができる。これにより、生産者200において、植物廃棄物FWが発生する時機と、製造者300が植物廃棄物FWの受け入れを希望する時機とが適合しない場合であっても、製造者300に植物加工物FPを提供することができる。これにより、植物廃棄物FWが活用されずに廃棄されることを抑制することができる。なお、本実施形態では、製造者300は植物加工物FPを保存する保存設備PBを備えている。そして、植物加工物FPは、植物製造物MTの製造が開始されるまで保存設備PBに保存される。
【0057】
図12は、回収システム100が備える各システムの構成を示す図である。図12では、各システムが備える構成の一部を省略して示している。各システムの構成は、第1実施形態と同様である。図13は、加工設備情報18を説明する図である。図14は、本実施形態に係る収集情報226を説明する図である。
【0058】
管理システム10は、作成部11aと、加工手配部11bとを有する。作成部11aおよび加工手配部11bは、プロセッサ11がメモリ12に記憶されているプログラムを実行することにより実現される機能部である。メモリ12には、トレーサビリティ情報16と利用者情報17とに加え、加工設備情報18が記憶されている点が第1実施形態とは異なる。図13に示すように、加工設備情報18は、植物名と加工設備PAの有無とが一組にされた情報である。
【0059】
収集管理システム20は、収集者選定部21aを有する。収集者選定部21aは、プロセッサ21がメモリ22に記憶されているプログラムを実行することにより実現される機能部である。メモリ22には、収集情報226が記憶されている。図13に示すように、本実施形態に係る収集情報226は、第1実施形態の収集情報26に含まれる項目に加えて、「加工設備」と「植物名」との項目が追加されている。上記のように、加工設備PAは、移動体、具体的には、車両に搭載されている。そこで、収集者の情報には、加工設備PAの有無を示す「加工設備」の項目が追加されている。さらに、収集者の情報には、加工設備PAにて加工対象となる植物名を示す「植物名」の項目が追加されている。
【0060】
製造先システム30は、製造者選定部31aを有する。製造者選定部31aは、プロセッサ31がメモリ32に記憶されているプログラムを実行することにより実現される機能部である。購入先システム40は、購入者選定部41aを有する。購入者選定部41aは、プロセッサ41がメモリ42に記憶されているプログラムを実行することにより実現される機能部である。
【0061】
図15は、本実施形態に係る植物残渣回収方法の前半の手順を示すシーケンス図である。図16は、本実施形態に係る植物残渣回収方法の後半の手順を示すシーケンス図である。第1実施形態と同じメッセージおよび処理ステップには同一の符号を付し、詳細な説明は適宜省略する。
【0062】
図15に示すように、生産者200から管理システム10に対して収集依頼が送信されると(メッセージM1)、管理システム10は、製造先システム30に確認依頼を送信する(メッセージM21)。確認依頼には、収集依頼と同じ情報が含まれる。
【0063】
収集管理システム20は、確認依頼を受信すると、製造先情報36(図7)を参照して、発注確認を行う(ステップS21)。具体的には、収集管理システム20は、ステップS21において、確認依頼に含まれる植物名と製造先情報36の項目「植物名」の値が一致する製造者IDを抽出して、製造者IDと「受入可能日」の値と対応付けた確認結果を作成する。収集管理システム20は、作成した確認結果を管理システム10に送信する(メッセージM22)。
【0064】
管理システム10は、ステップS22において、受信した確認結果に含まれる製造者ID毎に、搬入日予測を行う。具体的には、製造者IDが示す製造者の住所と、収集依頼に含まれる利用者IDの住所と、予め定められた基準配送日数を用いて、製造者300に植物廃棄物FWが搬送される搬送日を予測する。基準配送日数は、予めメモリ12に記憶されており、生産者200の住所から製造者300の住所までの距離に対応付けられている。
【0065】
管理システム10は、ステップS23において、ステップS22にて予測した搬送日が、製造先システム30から送信された確認結果に含まれる受入可能日と適合するか否かを判断する。具体的には、管理システム10は、予測した搬送日が受入可能日に含まれる場合に適合すると判断し、予測した搬送日が受入可能日に含まれない場合に適合しないと判断する。ステップS23において、受入可能日と適合すると判断した場合には、植物廃棄物FWを加工する必要はないため、管理システム10はステップS24において、加工設備PAが無い車両を収集に使用すると決定する。
【0066】
ステップS23において、受入可能日と適合しないと判断した場合には、管理システム10は、ステップS25において、加工設備情報18を参照して、収集依頼に含まれる植物の加工設備PAはあるか否かを判断する。ステップS25において、加工設備PAはないと判断した場合、植物廃棄物FWの受け入れ先は無く、植物加工物FPを作成することもできないため、管理システム10は、ステップS26において、生産者200に、収集不可であるメッセージを送信し、本シーケンスを中止する。
【0067】
ステップS25において、加工設備PAはあると判断した場合、管理システム10は、ステップS27において、加工設備PAがある車両を収集に使用すると決定する。また、管理システム10は、ステップS27において、基準配送日数を時間に換算した基準配送時間と基準加工時間とを比較し、基準加工時間が基準配送時間よりも長い場合には、生産者200の生産場所において、保存用加工を行うための待機、もしくは、生産者200の生産場所から製造者300までの搬送ルートの距離が基準よりも長くなる搬送ルートを使用する搬送ルートの変更とのいずれかの方法をとる事を決定する。基準加工時間は、メモリ12に記憶されており、植物と重量とに対応付けられている。
【0068】
図16に示すように、管理システム10は、収集管理システム20に選定依頼を送信する(メッセージM23)。管理システム10は、ステップS27にて加工設備PAを備える車両に決定した場合には、選定依頼に、加工設備PAを備える車両を指定する情報を含める。
【0069】
収集管理システム20は、選定依頼を受信すると、ステップS28において、第1実施形態のステップS1と同様に、収集情報226を用いて収集者を選定する。収集管理システム20は、選定依頼に、加工設備PAを備える車両を指定する情報が含まれている場合には、加工設備PAを備える収集者IDを選定する。収集管理システム20は、選定結果を管理システム10に送信する(メッセージM24)。
【0070】
図16では図示が省略されているが、管理システム10は、第1実施形態と同様に、製造先システム30と購入先システム40とのそれぞれに選定依頼のメッセージを送信して、製造者300と購入者400とのそれぞれを選定させる。管理システム10は、製造先システム30と購入先システム40とのそれぞれから、製造者300と購入者400とのそれぞれの選定結果を受信すると、ステップS29において、第1実施形態のステップS4と同様に、収集者と製造者300と購入者400とを決定する。
【0071】
管理システム10は、収集管理システム20に手配指示を行う(メッセージM25)。収集管理システム20は、ステップS30において、配送手配を行う。具体的には、収集管理システム20は、収集者に加工設備PAを備える車両の使用を指定する。これにより、植物廃棄物FWの収集に、加工設備PAを備える車両が用いられる。そして、生産者200から製造者300への搬送中に植物廃棄物FWは植物加工物FPに加工される。なお、ステップS27において、管理システム10により、保存用加工のための待機や搬送ルートの変更が決定された場合には、その決定内容が手配指示に含まれる。
【0072】
以降のシーケンスは、第1実施形態と同様に行われる。このため、各ステップおよび各メッセージに第1実施形態と同じ符号を付し、説明は省略する。
【0073】
ステップS23を搬入日予測処理とも呼ぶ。ステップS25を第1判断処理とも呼ぶ。ステップS27を第2判断処理とも呼ぶ。メッセージM25を送信する処理を加工手配処理とも呼ぶ。ステップS22からステップ29までの処理ステップは、管理システム10の加工手配部11bによって行われる。ステップS6からステップS9は、管理システム10の作成部11aによって行われる。収集管理システム20によって行われる処理ステップは、収集管理システム20の収集者選定部21aによって行われる。製造先システム30によって行われる処理ステップは、製造先システム30の製造者選定部31aによって行われる。購入先システム40によって行われる処理ステップは、購入先システム40の購入者選定部41aによって行われる。
【0074】
以上説明した第2実施形態によれば、管理システム10が、ステップS23において、製造者300の受入可能日が予測した搬送日と適合しないと判断した場合に、収集管理システム20は、ステップS28において、加工設備PAを備える車両を所有する収集者を選定する。そして、収集管理システム20は、加工設備PAを備える車両の使用を指定する。これにより、搬送日が受入可能日と適合しない場合であっても、植物加工物FPに加工することによって、植物廃棄物FWの利用可能性を向上させることができる。
【0075】
C.第3実施形態:
図17は、第3実施形態に係る植物残渣回収方法の概要を説明する図である。図17に示すように、本実施形態に係る植物残渣回収方法では、加工設備PAは設置場所に設置されている。また、設置場所には保存設備PBが設置されている。保存設備PBは植物加工物FPを保存する設備である。植物廃棄物FWは加工設備PAで植物加工物FPに加工された後、製造者300に提供される。製造者300から受注が既にある場合には、保存設備PBにて保存されることなく、製造者300に提供される。一方、製造者300から受注がない場合には、植物加工物FPは保存設備PBで保存された後に、製造者300に提供される。上記各実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、詳細な説明は適宜省略する。
【0076】
図18は、本実施形態に係る回収システム3100が備える各システムの構成を示す図である。本実施形態に係る回収システム3100は、収集管理システム20のメモリ22に搬送者情報27が記憶されている点と、保存システム50を備える点が、第2実施形態に係る回収システム2100と異なる。
【0077】
搬送者情報27は、設置場所から製造者300まで植物加工物FPを搬送する搬送者と、搬送可能日とを対応付けた情報である。具体的には、図6に示す収集情報26と同様の情報である。すなわち、搬送者情報27は、「搬送ID」、「手段」、「利用者ID」、「配送地域」、「収集可能量」、「収集可能日」、「配送日数」、「料金」などの項目が一組にされたデータベースである。「搬送ID」は、収集情報26の「収集ID」に相当する項目である。なお、収集情報26と搬送者情報27とは、同じデータベースとして構成されてもよく、異なるデータベースとして構成されてもよい。
【0078】
保存システム50は、管理システム10と同様の構成を有する。すなわち、プロセッサ51と、記憶部としてのメモリ52と、図示しない、通信部と、入力部と、表示部とを備えるコンピュータとして構成されている。プロセッサ51は、メモリ52に記憶されているアプリケーションを実行する。通信部は、インターネットINTを介して、インターネットINTと接続されている装置と情報のやり取りを行う。
【0079】
メモリ52には在庫情報56が記憶されている。在庫情報56は、保存設備PBに保存されている植物加工物FPの在庫の情報であり、植物加工物FPの植物の名称と重量とが対応づけられた情報である。プロセッサ51は、在庫管理部51aを有する。在庫管理部51aは、プロセッサ51がメモリ52に記憶されているプログラムを実行することにより実現される機能部である。
【0080】
図19は、本実施形態に係る植物残渣回収方法の手順を示す第1のシーケンス図である。図20は、本実施形態に係る植物残渣回収方法の手順を示す第2のシーケンス図である。図21は、本実施形態に係る植物残渣回収方法の手順を示す第3のシーケンス図である。図22は、本実施形態に係る植物残渣回収方法の手順を示す第4のシーケンス図である。上記各実施形態と同じメッセージおよび処理ステップには同一の符号を付し、詳細な説明は適宜省略する。
【0081】
図19に示すように、生産者200から管理システム10に対して収集依頼が送信されると(メッセージM1)、管理システム10は、製造先システム30に確認依頼を送信する(メッセージM21)。収集管理システム20は、確認依頼を受信すると、発注確認を行う(ステップS21)。収集管理システム20は、作成した確認結果を管理システム10に送信する(メッセージM22)。管理システム10は、ステップS22において、受信した確認結果に含まれる製造者ID毎に、搬入日予測を行う。
【0082】
管理システム10は、ステップS23において、予測した搬送日が、製造先システム30から送信された確認結果に含まれる受入可能日と適合するか否かを判断する。ステップS23において、受入可能日と適合すると判断した場合には、植物廃棄物FWを加工する必要はないため、管理システム10はステップS41において、植物廃棄物FWの搬送先を製造者300に決定する。
【0083】
ステップS23において、受入可能日と適合しないと判断した場合には、管理システム10は、ステップS25において、加工設備情報18を参照して、収集依頼に含まれる植物の加工設備PAはあるか否かを判断する。ステップS25において、加工設備PAはないと判断した場合、管理システム10は、ステップS26において、本シーケンスを中止する。
【0084】
ステップS25において、加工設備PAはあると判断した場合、管理システム10は、ステップS42において、植物廃棄物FWの搬送先を設置場所に決定する。
【0085】
管理システム10は、ステップS23にて、受入可能日と適合すると判断した場合、製造先システム30に選定依頼を送信する(メッセージM4)。製造先システム30は、選定依頼を受信すると、製造者300を選定する(ステップS2)。収集管理システム20は、選定結果を作成し、作成した選定結果を管理システム10に送信する(メッセージM5)。管理システム10は、購入先システム40に選定依頼を送信する(メッセージM6)。購入先システム40は、選定依頼を受信すると、購入者400を選定する(ステップS3)。管理システム10は、選定結果を受信すると、ステップS44において、第1実施形態と同様に製造者300と購入者400とを決定する。なお、図19では、ステップS23にて受入可能日と適合すると判断された場合を「発注:有り」と表記している。また、図21では、ステップS23にて受入可能日と適合しないと判断された場合を「発注:無し」と表記している。
【0086】
図20に示すように、管理システム10は、収集管理システム20に選定依頼を送信する(メッセージM23)。収集管理システム20は、選定依頼を受信すると、ステップS28において、第1実施形態のステップS1と同様に、収集情報26を用いて収集者を選定する。収集管理システム20は、選定結果を管理システム10に送信する(メッセージM24)。
【0087】
管理システム10は、選定結果を受信すると、第1実施形態のステップS4と同様に、収集情報26を用いて収集者を選定する。管理システム10は、収集管理システム20に手配指示を送信する(メッセージM8)。収集管理システム20は、手配指示を受信すると、配送手配を行う(ステップS5)。収集管理システム20は、ステップS5において、手配指示に従って、植物廃棄物FWの配送先を製造者300と設置場所とのいずれか一方に指示する。よって、ステップS23にて受入可能日と適合すると判断された場合、すなわち、製造者300から適合する発注がある場合には、植物廃棄物FWは製造者300に搬送される。対して、製造者300から適合する発注がない場合には、植物廃棄物FWは設置場所に搬送される。
【0088】
管理システム10は、メッセージM1を送信した生産者200に、収集日を送信する(メッセージM9)。生産者200は、植物廃棄物FWが収集者により収集された後、管理システム10に収集完了通知を送信する(メッセージM12)。管理システム10は、収集完了通知を受信すると、トレーサビリティ情報16(図5)に収集日などを入力する(ステップS6)。
【0089】
管理システム10は、ステップS23にて、受入可能日と適合すると判断した場合、製造者300に製造指示を送信する(メッセージM10)。管理システム10は、搬入完了通知を受信すると、トレーサビリティ情報16に、搬入完了通知の搬入日を入力する(ステップS7)。製造者300は、植物廃棄物FWが搬入された後、製造指示に従って、植物製造物MTを製造して、植物製造物MTを出荷する。製造者300は、植物製造物MTを製造し、購入者400宛てに出荷した後、管理システム10に出荷完了通知を送信する(メッセージM14)。管理システム10は、出荷完了通知を受信すると、トレーサビリティ情報16に、製造者300の利用者IDなどを入力する(ステップS8)。購入者400は、植物製造物MTが搬入された後、管理システム10に納品完了通知を送信する(メッセージM15)。管理システム10は、納品完了通知を受信すると、トレーサビリティ情報16に、購入者400の利用者IDなどを入力する(ステップS9)。
【0090】
ステップS23にて受入可能日と適合しないと判断された場合、つまり、植物加工物FPが提供される製造者300が未定の場合には、製造者300から新規の発注が出された場合に、保存設備PBから製造者300に植物加工物FPが搬送される。
【0091】
具体的には、図21に示すように、新規の発注を行う場合、製造者300は管理システム10に対して納品依頼を送信する(メッセージM41)。具体的には、製造者300は、管理システム10が提供するウエブサイトを介して、納品依頼を送信する。納品依頼には、植物の名称としての植物加工物FPの名称、希望収集量、希望収集日などの情報が含まれる。なお、納品依頼の送信方法は、ウエブサイトを介した方法に限られず、電子メールなどの通信手段により行われてもよい。
【0092】
管理システム10は、納品依頼を受信すると、収集管理システム20に選定依頼を送信する(メッセージM42)。収集管理システム20は、選定依頼を受信すると、第1実施形態のステップS1と同様に、収集者を選定する(ステップS37)。収集管理システム20は、選定結果を管理システム10に送信する(メッセージM43)。
【0093】
管理システム10は、製造先システム30に選定依頼を送信する(メッセージM44)。製造先システム30は、選定依頼を受信すると、第1実施形態のステップS2と同様に、製造者300を選定する(ステップS38)。収集管理システム20は、選定結果を作成し、作成した選定結果を管理システム10に送信する(メッセージM45)。なお、メッセージM44、ステップS38、およびメッセージM45は、納品依頼が複数無い場合には、スキップされてもよい。
【0094】
管理システム10は、購入先システム40に選定依頼を送信する(メッセージM46)。購入先システム40は、選定依頼を受信すると、第1実施形態のステップS3と同様に、購入者400を選定する(ステップS39)。購入先システム40は、選定結果を管理システム10に送信する(メッセージM47)。
【0095】
管理システム10は、保存システム50に確認依頼を送信する(メッセージM48)。確認依頼には、植物名、納品希望重量などの情報が含まれる。保存システム50は、確認依頼を受信すると、在庫情報56を参照して、在庫を確認する(ステップS40)。具体的には、確認依頼に含まれる植物名の植物加工物FPについて、納品希望重量以上の在庫量があるか否かを判断する。そして、希望を満たす在庫がある場合には、保存システム50は、在庫があることを示す情報を含む確認結果を作成し、作成した確認結果を管理システム10に送信する(メッセージM49)。なお、在庫がない場合には、確認結果には情報が入力されていない空の選定結果が送信される。
【0096】
管理システム10は、確認結果を受信すると、収集管理システム20、製造先システム30、購入先システム40、および保存システム50から送信された選定結果および確認結果を用いて、搬送者、製造者300、および購入者400を決定する(ステップS40)。なお、管理システム10は、収集管理システム20、製造先システム30、購入先システム40、および保存システム50とから送信された選定結果および確認結果の少なくともいずれか1つが空の選定結果または確認結果である場合には、メッセージM41を送信した製造者300に、納品不可であるメッセージを送信する。なお、図21では、納品不可である場合についての図示は省略されている。
【0097】
図22に示すように、管理システム10は、収集管理システム20に手配指示を送信する(メッセージM49)。収集管理システム20は、手配指示を受信すると、配送手配を行う(ステップS41)。具体的には、収集管理システム20は、配送手配において、決定した搬送IDに対応する搬送者に、設置場所と、植物加工物FPの搬送量との情報を含む収集指示を送信する。これにより、搬送者により、保存設備PBから製造者300に植物加工物FPが搬送される。
【0098】
保存設備PBから植物加工物FPが搬出されると、保存システム50は、管理システム10に搬出完了通知を送信する(メッセージM50)。具体的には、搬送者が保存設備PBから植物加工物FPを搬出すると、保存システム50に搬出完了を通知する。保存システム50は、搬出完了の通知を受け取ると、管理システム10に搬出完了通知を送信する。保存システム50は、搬出完了の通知を受け取ると、在庫情報56を更新する。管理システム10は、搬出完了通知を受信すると、トレーサビリティ情報16(図5)に搬出された植物加工物FPの植物の名称、搬出日を入力する(ステップS42)。
【0099】
以降のシーケンスは、「発注:有り」の場合と同様に行われる。すなわち、管理システム10は、製造者300に製造指示を送信する(メッセージM51)。製造者300は、植物加工物FPが搬入されると、管理システム10に搬入完了通知を送信する(メッセージM52)。管理システム10は、搬入完了通知を受信すると、ステップS43において、トレーサビリティ情報16に、搬入完了通知の搬入日を入力する(ステップS43)。
【0100】
製造者300は、植物製造物MTを製造して、植物製造物MTを出荷する。製造者300は、植物製造物MTを製造し、購入者400宛てに出荷した後、管理システム10に出荷完了通知を送信する(メッセージM53)。管理システム10は、出荷完了通知を受信すると、トレーサビリティ情報16に、製造者300の利用者IDなどを入力する(ステップS44)。購入者400は、植物製造物MTが搬入された後、管理システム10に納品完了通知を送信する(メッセージM54)。管理システム10は、納品完了通知を受信すると、トレーサビリティ情報16に、購入者400の利用者IDなどを入力する(ステップS45)。
【0101】
管理システム10により行われる処理ステップのうち、ステップS6~S9,S42~S45のステップは、管理システム10の作成部11aにより行われる。管理システム10により行われる処理ステップのうち、ステップS6~S9,S42~S45以外のステップは、管理システム10の加工手配部11bにより行われる。ステップS28,S5は収集管理システム20の収集者選定部21aにより行われる。ステップS37,S41は、収集管理システム20の搬送者選定部21bにより行われる。収集管理システム20によって行われる処理ステップは、収集管理システム20の収集者選定部21aによって行われる。製造先システム30によって行われる処理ステップは、製造先システム30の製造者選定部31aによって行われる。購入先システム40によって行われる処理ステップは、購入先システム40の購入者選定部41aによって行われる。保存システム50によって行われる処理ステップは、保存システム50の在庫管理部51aによって行われる。
【0102】
以上説明した第3実施形態によれば、管理システム10が、ステップS23において、製造者300の受入可能日が予測した搬送日と適合しないと判断した場合に、収集管理システム20は、ステップS5において、植物廃棄物FWの搬送先を加工設備PAが設置された設置場所に指定して、収集者に収集指示を行う。これにより、搬送日が受入可能日と適合しない場合には、植物廃棄物FWは加工設備PAによって保存性の高い植物加工物FPに加工される。よって、植物廃棄物FWの利用可能性を向上させることができる。
【0103】
また、在庫管理部51aは、通信部13が製造者300から植物加工物FPの納品依頼を受信すると、ステップS40において、保存設備PBに提供可能な前記植物加工物があるか否かを判断し、提供可能な植物加工物FPがあると判断した場合、在庫があることを示す確認結果を管理システム10に送信する。そして、収集管理システム20は、ステップS41において、管理システム10により決定された搬送者に搬送指示を送信する。これにより、植物残渣回収システムの利便性を向上させることができる。
【0104】
D.他の実施形態:
(D1)上記実施形態では、ステップS6において、トレーサビリティ情報16に搬入日が入力される。これとは別に、トレーサビリティ情報16に生産者200のみが入力される構成としてもよい。少なくとも生産者200の情報が入力されることにより、植物製造物MTの安全性を向上させることができる。同様に、上記実施形態では、ステップS7において、トレーサビリティ情報16に搬入日が入力され、ステップS8において、トレーサビリティ情報16に出荷日が入力されるが、ステップS7を省き、ステップS8において、トレーサビリティ情報16に製造者300のみが入力される構成としてもよい。また、上記実施形態では、ステップS9において、トレーサビリティ情報16に納品日が入力されるが、トレーサビリティ情報16に購入者400のみが入力される構成としてもよい。
【0105】
(D2)上記第1実施形態では、例えば、ステップS6において、トレーサビリティ情報16に収集日が入力されるが、収集される「日」だけでなく、「時分」が入力される構成としてもよい。時分が入力されることにより、トレーサビリティ情報16の情報量が増え、さらに、植物製造物MTの安全性を向上させることができる。
【0106】
(D3)上記第1実施形態では、ステップS8において、トレーサビリティ情報16に製造日と、出荷日とが入力されるが、製造日と出荷日との少なくともいずれか一方のみが入力される構成としてもよい。
【0107】
(D4)上記第1実施形態では、植物残渣回収システム100は、管理システム10と、収集管理システム20と、製造先システム30と、購入先システム40とにより構成されており、各システムは、個々のコンピュータにより実現されている。植物残渣回収システム100の実現方法は、これに限定されない。例えば、1つのコンピュータが、管理システム10と、収集管理システム20と、製造先システム30と、購入先システム40として機能する複数の機能部を有する構成としてもよい。この場合、トレーサビリティ情報16などの各情報は、1つのメモリに記憶されていてもよく、複数のメモリに記憶されていてもよい。また、トレーサビリティ情報16などの各情報は、各システムとは別の記憶装置に記憶されてもよい。
【0108】
(D5)上記第1実施形態では、トレーサビリティ情報16は、1つの管理IDに対応付けられた複数の項目として記憶されている。トレーサビリティ情報16のデータ構造はこれに限られず、例えば、生産者200と製造者300との間、製造者300と購入者400との間をブロックとするブロックチェーンとして構成されていてもよい。
【0109】
(D6)上記第1実施形態では、ステップS2において、収集日から製造IDに対応する生産日数が経過した日が製造日として求められる。製造者300が農作物を貯蔵するための冷蔵設備を保有している場合には、製造者300に植物廃棄物FWが搬入されてから植物製造物MTが出荷されるまでの期間が、植物廃棄物FWが保存されている期間により変動する場合がある。この場合には、製造日を、生産日数に保存されている期間を加算して求める構成とするとよい。
【0110】
(D7)上記第2実施形態では、ステップS23において、予測した搬送日が受入可能日と適合しないと判断された場合に、ステップS27において、加工設備PAがある車両を収集に使用すると決定される。他の実施形態として、管理システム10は、植物廃棄物FWを用いて植物製造物MTを製造できないものの、植物加工物FPを用いて植物製造物MTを製造することはできる製造者300に搬送する場合に、加工設備PAがある車両を収集に使用すると決定してもよい。これにより、植物加工物FPを製造する設備を備えない製造者300に植物加工物FPを提供することができるため、植物廃棄物FWを有効する活用する可能性を向上させることができる。また、上記第2実施形態では、保存設備PBは、製造者300が備えている。保存設備PBの形態は特に限定されず、例えば、植物製造物MTを製造する設備に併設されていてもよく、植物製造物MTを製造する設備とは離れた場所に、例えば倉庫など単独で存在する設備であってもよい。
【0111】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0112】
10…管理システム、11,21,31,41,51…プロセッサ、12,22,32,42,52…メモリ、13,23,33,43…通信部、14,24,34,44…入力部、15,25,35,45…表示部、11a…作成部、11b…加工手配部、16…トレーサビリティ情報、17…利用者情報、18…加工設備情報、20…収集管理システム、21a…収集者選定部、21b…搬送者選定部、26,226…収集情報、27…搬送者情報、30…製造先システム、31a…製造者選定部、36…製造先情報、40…購入先システム、41a…購入者選定部、46…購入先情報、50…保存システム、51a…在庫管理部、56…在庫情報、100,3100…植物残渣回収システム、200…生産者、300…製造者、400…購入者、FW…植物廃棄物、FP…植物加工物、MT…植物製造物、INT…インターネット、PA…加工設備、PB…保存設備
図1
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