(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175713
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】テレフタル酸エステル類の形成
(51)【国際特許分類】
C07C 67/03 20060101AFI20231205BHJP
C07C 69/82 20060101ALI20231205BHJP
C08J 11/24 20060101ALI20231205BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20231205BHJP
【FI】
C07C67/03
C07C69/82 A ZAB
C08J11/24
C07B61/00 300
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023139228
(22)【出願日】2023-08-29
(62)【分割の表示】P 2020515701の分割
【原出願日】2018-09-13
(31)【優先権主張番号】15/706,484
(32)【優先日】2017-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520085648
【氏名又は名称】9449710 カナダ インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エッサダッム,アデル
(72)【発明者】
【氏名】エッサダッム,フェアーズ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリ(エチレングリコール-co-1,4-シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)の解重合によってテレフタル酸エステル類を形成するプロセスを提供する。
【解決手段】式(I)のテレフタル酸エステル類を形成する解重合プロセスは、PETまたはポリ(エチレングリコール-co-1,4-シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)を、ポリエステルを膨潤させるための溶媒、アルコール系溶媒、および亜化学量論的量のアルコキシドに接触させる工程を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエチレンテレフタレートおよびポリ(エチレングリコール-co-1,4-シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)からなる群より選択されたポリエステルを式(I)のテレフタレートへ変換するためのプロセスであって:
【化1】
R
1およびR
2は、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、随意に置換されたC
3-C
8シクロアルキル、随意に置換された(C
1-C
6アルキル)(C
3-C
3シクロアルキル)、随意に置換されたアリール、および随意に置換された(C
1-C
6アルキル)(アリール)からなる群から独立して選択され;
ただし、R
1またはR
2の1つは水素ではないとし;
前記プロセスは、ポリエステルを:
(d)ポリエステルを膨潤させるための溶媒;
(e)アルコール系溶媒;および、
(f)亜化学量論的量のアルコキシド、を含む混合物に混ぜ合わせる工程を含む、プロセス。
【請求項2】
R1またはR2がメチルであることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
アルコール系溶媒が、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノール、エチレングリコール、グリセロール、シクロヘキサン-1,4-ジイルジメタノール、フェノール、ベンジルアルコール、および任意のそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
アルコール系溶媒がメタノールであることを特徴とする、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
ポリエステルを膨潤させるための溶媒が、無極性溶媒、極性非プロトン性溶媒、極性プロトン性溶媒および任意のそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項6】
ポリエステルを膨潤させるための溶媒が、DMSO、DMF、アセトン、ハロゲン化溶媒、n-ヘキサン、ニトロベンゼン、メタノール、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、および任意のそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項7】
ポリエステルを膨潤させるための溶媒がハロゲン化溶媒であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項8】
ポリエステルを膨潤させるための溶媒がメタノールであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項9】
ポリエステルを膨潤させるための溶媒のアルコール系溶媒に対する比率が、約0.1:1~約2:1(w:w)の間であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項10】
ポリエステルを膨潤させるための溶媒のアルコール系溶媒に対する比率が、約0.5:1~約1:1(w:w)の間であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項11】
アルコキシドが、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属アルコキシド、金属アルコキシド、アンモニウムアルコキシド、および任意のそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項12】
アルコキシドが、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシド、アルミニウムトリ-n-プロポキシド、およびテトラブチルアンモニウムメトキシドからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項13】
アルコキシドが、ナトリウムメトキシドであることを特徴とする、請求項1から12のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項14】
アルコキシドが、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または金属をアルコール系溶媒に追加することによって、インサイツで発生させられることを特徴とする、請求項1から13のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項15】
ポリエステルのアルコキシドに対する比率が約15:1~約125:1(w:w)の間であることを特徴とする、請求項1から14のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項16】
ポリエステルのアルコキシドに対する比率が約20:1~約25:1(w:w)の間にあることを特徴とする、請求項1から14のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項17】
ポリエステルのアルコキシドに対する比率が約15:1~約60:1(w:w)の間にあることを特徴とする、請求項1から14のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項18】
ポリエステルのアルコキシドに対する比率が約20:1~約50:1(w:w)の間にあることを特徴とする、請求項1から14のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項19】
プロセスが、式(1)のテレフタレートの約80%の収率が達成されるまで遂行されることを特徴とする、請求項1から18のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項20】
プロセスが外部熱を伴わずに遂行されることを特徴とする、請求項1から19のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項21】
プロセスが約25℃~約85℃の間の温度で遂行されることを特徴とする、請求項1から19のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項22】
プロセスが約25℃~約80℃の間の温度で遂行されることを特徴とする、請求項1から19のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項23】
プロセスが大気圧で遂行されることを特徴とする、請求項1から22のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項24】
ポリエステルがポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする、請求項1から23のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項25】
プロセスがモノエチレングリコール(MEG)を回収する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1から24のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項26】
ポリエステルがポリマー・フレークの形をしており、および供給材料の一部であることを特徴とする、請求項1から25のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項27】
平均ポリマー・フレーク粒径が1mm~20mmの間であることを特徴とする、請求項26に記載のプロセス。
【請求項28】
平均ポリマー・フレーク粒径が1mm~5mmの間であることを特徴とする、請求項26または27のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項29】
ポリエチレンテレフタレートをジメチルテレフタレートに変換するためのプロセスであって、ポリエチレンテレフタレートを:
(d)ポリエチレンテレフタレートを膨潤させるための溶媒;
(e)メタノール;および、
(f)亜化学量論的量のアルコキシド、を含む混合物に混ぜ合わせる工程を含む、プロセス。
【請求項30】
ポリエチレンテレフタレートを膨潤させるための溶媒が、ハロゲン化溶媒、DMSO、ベンジルアルコール、メタノール、および任意のそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項29に記載のプロセス。
【請求項31】
ポリエチレンテレフタレートを膨潤させるための溶媒がハロゲン化溶媒であることを特徴とする、請求項29に記載のプロセス。
【請求項32】
ポリエチレンテレフタレートを膨潤させるための溶媒がメタノールであることを特徴とする、請求項29に記載のプロセス。
【請求項33】
ポリエチレンテレフタレートのアルコキシドに対する比率が約20:1~約25:1(w:w)の間であることを特徴とする、請求項29から32のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項34】
ポリエステルのアルコキシドに対する比率が約15:1~約60:1(w:w)の間であることを特徴とする、請求項29から32のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項35】
ポリエステルのアルコキシドに対する比率が約20:1~約50:1(w:w)の間であることを特徴とする、請求項29から32のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項36】
アルコキシドが、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシド、アルミニウムトリ-n-プロポキシド、およびテトラブチルアンモニウムメトキシドからなる群より選択されることを特徴とする、請求項29から35のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項37】
アルコキシドがナトリウムメトキシドであることを特徴とする、請求項29から36のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項38】
ポリエチレンテレフタレートを膨潤させるための溶媒のメタノールに対する比率が約0.5:1~約1:1(w:w)の間であることを特徴とする、請求項29から37のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項39】
プロセスがジメチルテレフタレートの約80%の収率が達成されるまで遂行されることを特徴とする、請求項29から38のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項40】
プロセスが外部熱を伴わずに遂行されることを特徴とする、請求項29から39のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項41】
プロセスが約25℃~約85℃の間の温度で遂行されることを特徴とする、請求項29から39のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項42】
プロセスが約25℃から約80℃の間の温度で遂行されることを特徴とする、請求項29から39のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項43】
プロセスが大気圧で遂行されることを特徴とする、請求項29から42のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項44】
プロセスがモノエチレングリコール(MEG)を回収する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項29から43のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項45】
ポリエチレンテレフタレートがポリマー・フレークの形をしており、および供給材料の一部であることを特徴とする、請求項29から44のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項46】
平均ポリマー・フレーク粒径が1mm~20mmの間であることを特徴とする、請求項45に記載のプロセス。
【請求項47】
平均ポリマー・フレーク粒径が1mm~5mmの間であることを特徴とする、請求項45または46に記載のプロセス。
【請求項48】
請求項1から47のいずれか1つに記載のプロセスを使用して調製されたジメチルテレフタレート(DMT)。
【請求項49】
請求項1から47のいずれか1つに記載のプロセスを使用して調製されたモノエチレングリコール(MEG)。
【請求項50】
反応混合物であって:
(e)ポリエチレンテレフタレートおよびポリ(エチレングリコール-co-1,4-シクロヘキサンジイルジメタノールテレフタレート)から選択されたポリエステル;
(f)ポリエステルを膨潤させるための溶媒;
(g)アルコール系溶媒;および、
(h)亜化学量論的量のアルコキシド、を含む、反応混合物。
【請求項51】
アルコール系溶媒が、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノール、エチレングリコール、グリセロール、シクロヘキサン-1,4-ジイルジメタノール、フェノール、ベンジルアルコールおよび任意のそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項50に記載の反応混合物。
【請求項52】
ポリエステルを膨潤させるための溶媒が、無極性溶媒、極性非プロトン性溶媒、極性プロトン性溶媒、および任意のそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項50または51に記載の反応混合物。
【請求項53】
ポリエステルを膨潤させるための溶媒がハロゲン化溶媒であることを特徴とする、請求項50から52のいずれか1つに記載の反応混合物。
【請求項54】
ポリエステルを膨潤させるための溶媒がメタノールであることを特徴とする、請求項50から52のいずれか1つに記載の反応混合物。
【請求項55】
アルコール系溶媒がメタノールであることを特徴とする、請求項50から54のいずれか1つに記載の反応混合物。
【請求項56】
ポリエステルを膨潤させるための溶媒のアルコール系溶媒に対する比率が約0.5:1~約1:1(w:w)の間であることを特徴とする、請求項50から55のいずれか1つに記載の反応混合物。
【請求項57】
ポリエステルのアルコキシドに対する比率が約15:1~約30:1(w:w)の間であることを特徴とする、請求項50から55のいずれか1つに記載の反応混合物。
【請求項58】
ポリエチレンテレフタレートのアルコキシドに対する比率が約20:1~約25:1(w:w)の間であることを特徴とする、請求項50から55のいずれか1つに記載の反応混合物。
【請求項59】
ポリエステルのアルコキシドに対する比率が約15:1~約60:1(w:w)の間であることを特徴とする、請求項50から58のいずれか1つに記載の反応混合物。
【請求項60】
ポリエステルのアルコキシドに対する比率が約20:1~約50:1(w:w)の間であることを特徴とする、請求項50から59のいずれか1つに記載の反応混合物。
【請求項61】
アルコキシドが、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシド、アルミニウムトリ-n-プロポキシド、およびテトラブチルアンモニウムメトキシドからなる群より選択されることを特徴とする、請求項50から60のいずれか1つに記載の反応混合物。
【請求項62】
アルコキシドがナトリウムメトキシドであることを特徴とする、請求項50から61のいずれか1つに記載の反応混合物。
【請求項63】
ポリエステルがポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする、請求項50から62のいずれか1つに記載の反応混合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本特許出願は、2017年9月15日に出願された米国出願第15/706,484号の利益を主張し、該出願は、その全体において引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ポリエステルからのエステル誘導体の形成に関し、および、より具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリ(エチレングリコール-co-1,4-シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)(PETG)からのテレフタル酸エステル類の形成に関する。本開示は、ジメチルテレフタレート(DMT)の形成にも関する。本開示は、モノエチレングリコール(MEG)の形成にも関する。
【背景技術】
【0003】
ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂が炭酸清涼飲料、ボトル入りの水および食品容器におけるガラスに取って代わるに従い、PETボトル樹脂市場は力強く成長してきた。
【0004】
ジメチルテレフタレート(DMT)は第1に、繊維、フィルム、容器プラスチックおよび特殊プラスチック用途向けのポリエチレンテレフタレート(PET)の製造において使用される。
【0005】
最大のポリエステル部門は繊維市場であり、そこでは衣服、シーツ及びカーテン、カーペット及び敷物などの家庭用繊維製品、および、タイヤコード、シート・ベルト、ホース及びロープなどの工業製品を製造するために使用されている。PETフィルムは、誘電体金属フォイル・コンデンサなどの電気に関する用途において、および、食品包装のために、利用されている。
【0006】
ポリエステルにおける成長はDMTの需要に転化されていない。繊維製品、および、食品と飲料の容器において使用される大半のグレードのポリエステルに関しては、DMTではなく精製されたテレフタル酸を使用するほうが経済的である。
【発明の概要】
【0007】
本明細書に開示されるのは、ポリエチレンテレフタレート及びポリ(エチレングリコール-co-1,4-シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)からなる群より選択されたポリエステルを式(I)のテレフタレートへ変換するプロセスであり:
【0008】
【化1】
ここで、R
1およびR
2は、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、随意に置換されたC
3-C
8シクロアルキル、随意に置換された(C
1-C
6アルキル)(C
3-C
8シクロアルキル)、随意に置換されたアリール、および随意に置換された(C
1-C
6アルキル)(アリール)からなる群から互いに独立に選択され;R
1またはR
2の1つは水素ではないと規定され;以下を含む混合物にポリエステルを混ぜ合わせるプロセスを含む:
(a)ポリエステルを膨潤させるための溶媒;
(b)アルコール系溶媒;および、
(c)亜化学量論量のアルコキシド
【0009】
プロセスの或る実施形態において、R1またはR2はメチルである。
【0010】
プロセスの或る実施形態において、アルコール系溶媒は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノール、エチレングリコール、グリセロール、シクロヘキサン-1,4-ジイルジメタノール、フェノール、ベンジルアルコール、および任意のそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0011】
プロセスの或る実施形態において、アルコール系溶媒はメタノールである。
【0012】
プロセスの或る実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒は、非極性溶媒、極性非プロトン性溶媒、極性プロトン性溶媒、および任意のそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0013】
プロセスの或る実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒は、DMSO、DMF、アセトン、ハロゲン化溶媒、n-ヘキサン、ニトロベンゼン、メタノール、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、および任意のそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0014】
プロセスの或る実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒はハロゲン化溶媒である。
【0015】
プロセスの或る実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒はメタノールである。
【0016】
プロセスの或る実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒のアルコール系溶媒に対する比率は、約0.1:1~約2:1(w:w)の間である。
【0017】
プロセスの或る実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒のアルコール系溶媒に対する比率は、約0.5:1~約1:1(w:w)の間である。
【0018】
プロセスの或る実施形態において、アルコキシドは、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属アルコキシド、金属アルコキシド、アンモニウムアルコキシド、および任意のそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0019】
プロセスの或る実施形態において、アルコキシドは、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシド、アルミニウムトリ-n-プロポキシド、およびテトラブチルアンモニウムメトキシドからなる群より選択される。
【0020】
プロセスの或る実施形態において、アルコキシドはナトリウムメトキシドである。
【0021】
プロセスの或る実施形態において、アルコキシドは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または金属をアルコール系溶媒に追加することによってその場で発生させられる。
【0022】
プロセスの或る実施形態において、ポリエステルのアルコキシドに対する比率は約15:1~約125:1(w:w)の間である。
【0023】
プロセスの或る実施形態において、ポリエステルのアルコキシドに対する比率は約20:1~約25:1(w:w)の間である。
【0024】
プロセスの或る実施形態において、ポリエステルのアルコキシドに対する比率は約15:1~約60:1(w:w)の間である。
【0025】
プロセスの或る実施形態において、ポリエステルのアルコキシドに対する比率は約20:1~約50:1(w:w)の間である。
【0026】
プロセスの或る実施形態において、式(I)のテレフタレートの約80%の収率が達成されるまで、プロセスは遂行される。
【0027】
プロセスの或る実施形態において、プロセスは外部熱を伴わずに遂行される。
【0028】
プロセスの或る実施形態において、プロセスは約25℃~約85℃の間の温度で遂行される。
【0029】
プロセスの或る実施形態において、プロセスは約25℃~約80℃の間の温度で遂行される。
【0030】
プロセスの或る実施形態において、プロセスは大気圧で遂行される。
【0031】
プロセスの或る実施形態において、ポリエステルはポリエチレンテレフタレートである。
【0032】
プロセスの或る実施形態において、プロセスはモノエチレングリコール(MEG)を回収することをさらに含む。
【0033】
プロセスの或る実施形態において、ポリエステルはポリマー・フレークの形をしており、および供給材料の一部である。
【0034】
プロセスの或る実施形態において、平均ポリマー・フレーク粒度は1mm~20mmの間である。
【0035】
プロセスの或る実施形態において、平均ポリマー・フレーク粒度は1mm~5mmの間である。
【0036】
ポリエチレンテレフタレートをジメチルテレフタレートに変換するためのプロセスもまた本明細書に開示され、以下を含む混合物にポリエチレンテレフタレートを混ぜ合わせるプロセスを含む:
(a)ポリエチレンテレフタレートを膨潤させるための溶媒;
(b)メタノール;および、
(c)亜化学量論量のアルコキシド。
【0037】
プロセスの或る実施形態において、ポリエチレンテレフタレートを膨潤させるための溶媒は、ハロゲン化溶媒、DMSO、ベンジルアルコール、メタノール、および、任意のそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0038】
プロセスの或る実施形態において、ポリエチレンテレフタレートを膨潤させるための溶媒はハロゲン化溶媒である。
【0039】
プロセスの或る実施形態において、ポリエチレンテレフタレートを膨潤させるための溶媒はメタノールである。
【0040】
プロセスの或る実施形態において、ポリエチレンテレフタレートのアルコキシドに対する比率は約20:1~約25:1(w:w)の間である。
【0041】
プロセスの或る実施形態において、ポリエステルのアルコキシドに対する比率は約15:1~約60:1(w:w)の間である。
【0042】
プロセスの或る実施形態において、ポリエステルのアルコキシドに対する比率は約20:1~約50:1(w:w)の間である。
【0043】
プロセスの或る実施形態において、アルコキシドは、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシド、アルミニウムトリ-n-プロポキシド、およびテトラブチルアンモニウムメトキシドからなる群より選択される。
【0044】
プロセスの或る実施形態において、アルコキシドはナトリウムメトキシドである。
【0045】
プロセスの或る実施形態において、ポリエチレンテレフタレートを膨潤させるための溶媒のメタノールに対する比率は約0.5:1~約1:1(w:w)の間である。
【0046】
プロセスの或る実施形態において、ジメチルテレフタレートの約80%の収率が達成されるまで、プロセスは遂行される。
【0047】
プロセスの或る実施形態において、プロセスは外部熱を伴わずに遂行される。
【0048】
プロセスの或る実施形態において、プロセスは約25℃~約85℃の間の温度で遂行される。
【0049】
プロセスの或る実施形態において、プロセスは約25℃~約80℃の間の温度で遂行される。
【0050】
プロセスの或る実施形態において、プロセスは大気圧で遂行される。
【0051】
プロセスの或る実施形態において、プロセスはモノエチレングリコール(MEG)を回収することをさらに含む。
【0052】
プロセスの或る実施形態において、ポリエチレンテレフタレートはポリマー・フレークの形をしており、および供給材料の一部である。
【0053】
プロセスの或る実施形態において、平均ポリマー・フレーク粒度は1mm~20mmの間である。
【0054】
プロセスの或る実施形態において、平均ポリマー・フレーク粒度は1mm~5mmの間である。
【0055】
本明細書において説明されたプロセスを使用して調製されたジメチルテレフタレート(DMT)もまた、本明細書で提供される。
【0056】
本明細書において説明されたプロセスを使用して調製されたモノエチレングリコール(MEG)もまた、本明細書で提供される。
【0057】
以下を含む反応混合物もまた、本明細書で提供される:
(a)ポリエチレンテレフタレートおよびポリ(エチレングリコール-co-1,4-シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)から選択されたポリエステル;
(b)ポリエステルを膨潤させるための溶媒;
(c)アルコール系溶媒;および
(d)亜化学量論量のアルコキシド。
【0058】
反応混合物の或る実施形態において、アルコール系溶媒は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノール、エチレングリコール、グリセロール、シクロヘキサン-1,4-ジイルジメタノール、フェノール、ベンジルアルコール、および任意のそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0059】
反応混合物の或る実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒は、非極性溶媒、極性非プロトン性溶媒、極性プロトン性溶媒、および、そのいずれかの組み合わせからなる群より選択される。
【0060】
反応混合物の或る実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒はハロゲン化溶媒である。
【0061】
反応混合物の或る実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒はメタノールである。
【0062】
反応混合物の或る実施形態において、アルコール系溶媒はメタノールである。
【0063】
反応混合物の或る実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒のアルコール系溶媒に対する比率は約0.5:1~約1:1(w:w)の間である。
【0064】
反応混合物の或る実施形態において、ポリエステルのアルコキシドに対する比率は約15:1~約30:1(w:w)の間である。
【0065】
反応混合物の或る実施形態において、ポリエチレンテレフタレートのアルコキシドに対する比率は約20:1から約25:1(w:w)の間である。
【0066】
反応混合物の或る実施形態において、ポリエステルのアルコキシドに対する比率は約15:1~約60:1(w:w)の間である。
【0067】
反応混合物の或る実施形態において、ポリエステルのアルコキシドに対する比率は約20:1~約50:1(w:w)間である。
【0068】
反応混合物の或る実施形態において、アルコキシドは、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシド、アルミニウムトリ-n-プロポキシド、およびテトラブチルアンモニウムメトキシドからなる群より選択される。
【0069】
反応混合物の或る実施形態において、アルコキシドはナトリウムメトキシドである。
【0070】
反応混合物の或る実施形態において、ポリエステルはポリエチレンテレフタレートである。
【発明を実施するための形態】
【0071】
ジメチルテレフタレート(DMT)は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)を含むポリエステルの製造において使用される。DMTは揮発性であるので、それは、PETのリサイクルのためのいくつかの仕組み(例えばプラスチック・ボトルからの)の中間生成物である。DMTの水素添加は、ポリエステル樹脂の形成における有益なモノマーであるジオール1,4-シクロヘキサンジメタノールを与える。
【0072】
DMTは多くの方法で製造されてきた。慣例通りで且つ今でも商業価値があるのは、テレフタル酸の直接のエステル化である。あるいは、それはp-トルイル酸メチルを介してパラキシレンから酸化とメチル・エステル化のステップを交互させることによって調製される。パラキシレンとメタノールからDMTを製造するための方法は、4つの主なステップからなる:酸化、エステル化、蒸留、および結晶化。パラキシレンとp-トルイル酸エステルの混合物は、遷移金属触媒(Co/Mn)の存在下において空気で酸化される。酸化に起因する酸の混合物は、エステルの混合物を生成するためにメタノールでエステル化される。粗製エステル混合物は生じた重沸点物および残留物をすべて取り除くために蒸留され;より軽いエステルは酸化の部分に再利用される。その後、生のDMTはDMT異性体、残留する酸および芳香族アルデヒドを取り除くために結晶化される。
【0073】
PETリサイクルからのDMT製造における改善:パッケージングと繊維(カーペットおよび他の織物)産業におけるPETおよびPETGの増大する使用のために、PETまたはPETGからDMTを形成する効率的、低エネルギー、高収率、および費用効率の高い方法が求められている。
【0074】
ポリエステル
本明細書において説明されるのは、ポリエステルをエステル誘導体に変換するためのプロセスであり;以下を含む混合物にポリエステルを混ぜ合わせるプロセスを含む:
(a)ポリエステルを膨潤させるための溶媒;
(b)アルコール系溶媒; および、
(c)亜化学量論量のアルコキシド。
【0075】
いくつかの実施形態において、ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(エチレングリコール-co-1,4-シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)(PETG)、ポリグリコリド又はポリグリコール酸(PGA)、 ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヴァレレート)(PHBV)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、Vectran(登録商標)、クチン、および、任意のそれらの組み合わせより選択される。
【0076】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリエチレンテレフタレート(PET)である:
【0077】
【0078】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはテレフタル酸/エチレングリコールオリゴマーである。
【0079】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリ(エチレングリコール-co-1,4-シクロヘキサンジメタノールテレフタレート(PETG)である:
【0080】
【0081】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリグリコリドまたはポリグリコール酸(PGA)である、
【0082】
【0083】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリ乳酸(PLA)である:
【0084】
【0085】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリカプロラクトン(PCL)である:
【0086】
【0087】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリヒドロキシブチレート(PHB)である:
【0088】
【0089】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリエチレンアジペート(PEA)である:
【0090】
【0091】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリブチレンサクシネート(PBS)である:
【0092】
【0093】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヴァレレート)(PHBV)である:
【0094】
【0095】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリブチレンテレフタレート(PBT)である:
【0096】
【0097】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリトリメチレンテレフタレート(PTT)である:
【0098】
【0099】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリエチレンナフタレート(PEN)である:
【0100】
【0101】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはVectran(登録商標)である:
【0102】
【0103】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはクチンである。クチンは、植物の表皮の主成分である、2つの蝋質のポリマーのうちの1つであり、植物のすべての空気中の表面を覆う。クチンはオメガヒドロキシ酸およびそれらの誘導体からなり、エステル結合を介して連結され、ポリエステルポリマーを形成する。2つの主なクチンのモノマー・ファミリー、C16およびC18ファミリーがある。C16ファミリーは主として16-ヒドロキシパルミチン酸および9,16-または10,16-ジヒドロキシパルミチン酸からなる。C18ファミリーは主として18-ヒドロキシオレイン酸、9,10-エポキシ-18-ヒドロキシステアリン酸、および、9,10,18-トリヒドロキシステアレートからなる。トマト・クチンは16-ヒドロキシパルミチン酸および10,16-ジヒドロキシパルミチン酸から成り、その場合、10-異性体が概して優性である。トマト・クチンはエステル交換されたポリエステルバイオポリマーである。第二級エステル(C-10の第二級ヒドロキシルにおけるエステル化)の著しい割合は、ポリエステルの構造が著しく枝分かれしていることを示す。
【0104】
いくつかの実施形態において、ポリエステルは、付加的なポリマー(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、紙、着色剤、ほこり、エチレンビニルアルコール(EvOH)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、接着剤、ポリアミド、またはそのいずれかの組み合わせ)などの不純物を含む供給材料の中にある。いくつかの実施形態において、供給材料は約5%~約20%の間の不純物を含む。
【0105】
Mishra et al. (Kinetic and thermodynamic study of methanolysis of poly(ethylene terephthalate)waste powder Polym. Int. 52:337-342 (2003))は、PETフレークの粒子径における増加が解重合における減少を引き起こすことを示した。Mishra et al.は最適な粒子径として127.5μmを記録した。より大きなポリマー・フレークの使用を許容する解重合プロセスに対する需要がある。いくつかの実施形態において、供給材料はポリマー・フレークを含む。いくつかの実施形態において、平均のポリマー・フレークの粒子径は1mm~20mmの間である。いくつかの実施形態において、平均のポリマー・フレークの粒子径は1mm~15mmの間である。いくつかの実施形態において、平均のフレークの粒子径は1mm~10mmの間である。いくつかの実施形態において、平均のポリマー・フレークの粒子径は1mm~5mmの間である。
【0106】
エステル誘導体
本明細書において説明されるのは、ポリエステルをエステル誘導体に変換するためのプロセスであり;以下を含む混合物にポリエステルを混ぜ合わせるプロセスを含む:
(a)ポリエステルを膨潤させるための溶媒;
(b)アルコール系溶媒;および、
(c)亜化学量論量のアルコキシド。
【0107】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリグリコリドまたはポリグリコール酸(PGA)であり、および、エステル誘導体は2-ヒドロキシアセテート誘導体である。いくつかの実施形態において、エステル誘導体は、メチル2-ヒドロキシアセテートである。
【0108】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリ乳酸(PLA)であり、および、エステル誘導体は2-ヒドロキシプロパノエート誘導体である。いくつかの実施形態において、エステル誘導体は、メチル2-ヒドロキシプロパノエートである。
【0109】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリカプロラクトン(PCL)であり、および、エステル誘導体は6-ヒドロキシヘキサノエート誘導体である。いくつかの実施形態において、エステル誘導体はメチル6-ヒドロキシヘキサノエートである。
【0110】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリヒドロキシブチレート(PHB)であり、および、エステル誘導体はヒドロキシブチレート誘導体である。いくつかの実施形態において、エステル誘導体は、メチルヒドロキシブチレートである。
【0111】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリエチレンアジペート(PEA)であり、および、エステル誘導体はアジペート誘導体である。いくつかの実施形態において、エステル誘導体は、ジメチルアジペートである。
【0112】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリブチレンサクシネート(PBS)であり、および、エステル誘導体はサクシネート誘導体である。いくつかの実施形態において、エステル誘導体は、ジメチルサクシネートである。
【0113】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヴァレレート)(PHBV)であり、および、エステル誘導体は、ヒドロキシブチレート誘導体、ヒドロキシヴァレレート誘導体、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、エステル誘導体はメチルヒドロキシブチレート、メチル・ヒドロキシヴァレレートまたはその組み合わせである。
【0114】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリエチレンナフタレート(PEN)であり、および、エステル誘導体はナフタレート誘導体である。いくつかの実施形態において、エステル誘導体は、ジメチルナフタレートである。
【0115】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはベクトラン(vectran)であり、および、エステル誘導体は、ナフトアート誘導体、ベンゾアート誘導体またはその組み合わせである。いくつかの実施形態において、エステル誘導体はメチル・ヒドロキシナフトアートまたはメチルヒドロキシベンゾアートである。
【0116】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはクチンであり、および、エステル誘導体はヒドロキシパルミテートまたはジヒドロキシパルミテート誘導体である。いくつかの実施形態において、エステル誘導体はメチルヒドロキシパルミテートまたはメチルジヒドロキシパルミテートである。
【0117】
いくつかの実施形態において、ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(エチレングリコール-co-1,4-シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)(PETG)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、またはポリブチレンテレフタレート(PBT)であり、および、エステル誘導体はテレフタレート誘導体である。いくつかの実施形態において、テレフタレート誘導体は式(I)の化合物であって:
【0118】
【化15】
式中、R
1およびR
2は、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、随意に置換されたC
3-C
8シクロアルキル、随意に置換された(C
1-C
6アルキル)(C
3-C
8シクロアルキル)、随意に置換されたアリール、および随意に置換された(C
1-C
6アルキル)(アリール)からなる群から独立して選択され; R
1またはR
2の1つは水素ではないとする。
【0119】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、R1およびR2は独立してC1-C6アルキルまたはC1-C6ヒドロキシアルキルである。
【0120】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、R1およびR2は独立してC1-C6アルキルである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、R1およびR2は、独立してメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、またはブチルである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、R1およびR2は独立して、メチルまたはエチルである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、R1およびR2はメチルである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、R1およびR2はエチルである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、R1およびR2は水素ではない。
【0121】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、R1とR2は独立してC1-C6ヒドロキシアルキルである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、R1およびR2は独立してヒドロキシエチルまたはプロパンジオールである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、R1およびR2はヒドロキシエチルである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、R1およびR2は2-ヒドロキシエチルである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、R1およびR2はジヒドロキシプロピルである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、R1およびR2は2,3-ジヒドロキシプロピルである。
【0122】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、R1およびR2は、独立して随意に置換された(C1-C6アルキル)(C3-C8シクロアルキル)である。式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、R1およびR2は、独立して置換された(C1-C6アルキル)(C3-C8シクロアルキル)である。式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、R1およびR2は、4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル)メチルである。
【0123】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、R1およびR2は独立して随意に置換されたアリールである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、R1およびR2はフェニルである。
【0124】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、R1およびR2は、独立して随意に置換された(C1-C6アルキル)(アリール)である。式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、R1およびR2はベンジルである。
【0125】
いくつかの実施形態において、エステル誘導体は約10%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、エステル誘導体は約9%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、エステル誘導体は約8%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、エステル誘導体は約7%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、エステル誘導体は約6%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、エステル誘導体は約5%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、エステル誘導体は約4%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、エステル誘導体は約3%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、エステル誘導体は約2%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、エステル誘導体は約1%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、エステル誘導体は約0.5%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、エステル誘導体は約0.4%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、エステル誘導体は約0.3%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、エステル誘導体は約0.2%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、エステル誘導体は約0.1%未満の不純物(w/w)を含む。
【0126】
いくつかの実施形態において、エステル誘導体は、約250ppm未満の何らかの金属、約240ppm未満の何らかの金属、約230ppm未満の何らかの金属、約220ppm未満の何らかの金属、約210ppm未満の何らかの金属、約200ppm未満の何らかの金属、約190ppm未満の何らかの金属、約180ppm未満の何らかの金属、約170ppm未満の何らかの金属、約160ppm未満の何らかの金属、約150ppm未満の何らかの金属、約140ppm未満の何らかの金属、約130ppm未満の何らかの金属、約120ppm未満の何らかの金属、約110ppm未満の何らかの金属、約100ppm未満の何らかの金属、約90ppm未満の何らかの金属、約80ppm未満の何らかの金属、約70ppm未満の何らかの金属、約60ppm未満の何らかの金属、約50ppm未満の何らかの金属、約40ppm未満の何らかの金属、約30ppm未満の何らかの金属、約20ppm未満の何らかの金属、約10ppm未満の何らかの金属、約5ppm未満の何らかの金属、約4ppm未満の何らかの金属、約3ppm未満の何らかの金属、約2ppm未満の何らかの金属、約1ppm未満の何らかの金属、約0.9ppm未満の何らかの金属、約0.8ppm未満の何らかの金属、約0.7ppm未満の何らかの金属、約0.6ppm未満の何らかの金属、約0.5ppm未満の何らかの金属、約0.4ppm未満の何らかの金属、約0.3ppm未満の何らかの金属、約0.2ppm未満の何らかの金属、約0.1ppm未満の何らかの金属、約0.09ppm未満の何らかの金属、約0.08ppm未満の何らかの金属、約0.07ppm未満の何らかの金属、約0.06ppm未満の何らかの金属、約0.05ppm未満の何らかの金属、約0.04ppm未満の何らかの金属、約0.03ppm未満の何らかの金属、約0.02ppm未満の何らかの金属、または約0.01ppm未満の何らかの金属、を含む。
【0127】
グリコール
本明細書において説明されるのは、ポリエステルをエステル誘導体に変換するためのプロセスであり;以下を含む混合物にポリエステルを混ぜ合わせるプロセスを含む:
(a)ポリエステルを膨潤させるための溶媒;
(b)アルコール系溶媒; および、
(c)亜化学量論量のアルコキシド。
【0128】
いくつかの実施形態において、プロセスは、さらにグリコールの形成を含む。いくつかの実施形態において、グリコールはモノエチレングリコール(MEG)(またはエチレングリコール)である。いくつかの実施形態において、グリコールはプロピレングリコールである。いくつかの実施形態において、グリコールはブチレングリコールである。
【0129】
いくつかの実施形態において、グリコールは約80~約99mol%の間における収率で得られる。いくつかの実施形態において、グリコールは約85~約99mol%の間における収率で得られる。いくつかの実施形態において、グリコールは約90~約99mol%の間における収率で得られる。いくつかの実施形態において、グリコールは少なくとも約80mol%の収率で得られる。いくつかの実施形態において、グリコールは少なくとも約85mol%の収率で得られる。
【0130】
いくつかの実施形態において、グリコールは約10%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、グリコールは約9%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、グリコールは約8%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、グリコールは約7%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、グリコールは約6%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、グリコールは約5%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、グリコールは約4%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、グリコールは約3%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、グリコールは約2%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、グリコールは約1%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、グリコールは約0.5%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、グリコールは約0.4%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、グリコールは約0.3%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、グリコールは約0.2%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、グリコールは約0.1%未満の不純物(w/w)を含む。
【0131】
いくつかの実施形態において、グリコールは、約250ppm未満の何らかの金属、約240ppm未満の何らかの金属、約230ppm未満の何らかの金属、約220ppm未満の何らかの金属、約210ppm未満の何らかの金属、約200ppm未満の何らかの金属、約190ppm未満の何らかの金属、約180ppm未満の何らかの金属、約170ppm未満の何らかの金属、約160ppm未満の何らかの金属、約150ppm未満の何らかの金属、約140ppm未満の何らかの金属、約130ppm未満の何らかの金属、約120ppm未満の何らかの金属、約110ppm未満の何らかの金属、約100ppm未満の何らかの金属、約90ppm未満の何らかの金属、約80ppm未満の何らかの金属、約70ppm未満の何らかの金属、約60ppm未満の何らかの金属、約50ppm未満の何らかの金属、約40ppm未満の何らかの金属、約30ppm未満の何らかの金属、約20ppm未満の何らかの金属、約10ppm未満の何らかの金属、約5ppm未満の何らかの金属、約4ppm未満の何らかの金属、約3ppm未満の何らかの金属、約2ppm未満の何らかの金属、約1ppm未満の何らかの金属、約0.9ppm未満の何らかの金属、約0.8ppm未満の何らかの金属、約0.7ppm未満の何らかの金属、約0.6ppm未満の何らかの金属、約0.5ppm未満の何らかの金属、約0.4ppm未満の何らかの金属、約0.3ppm未満の何らかの金属、約0.2ppm未満の何らかの金属、約0.1ppm未満の何らかの金属、約0.09ppm未満の何らかの金属、約0.08ppm未満の何らかの金属、約0.07ppm未満の何らかの金属、約0.06ppm未満の何らかの金属、約0.05ppm未満の何らかの金属、約0.04ppm未満の何らかの金属、約0.03ppm未満の何らかの金属、約0.02ppm未満の何らかの金属、または約0.01ppm未満の何らかの金属、を含む。
【0132】
アルコール系溶媒
本明細書において説明されるのは、ポリエステルをエステル誘導体に変換するためのプロセスであり;以下を含む混合物にポリエステルを混ぜ合わせるプロセスを含む:
(a)ポリエステルを膨潤させるための溶媒;
(b)アルコール系溶媒;および、
(c)亜化学量論量のアルコキシド。
【0133】
いくつかの実施形態においては、本明細書に説明されたプロセスはアルコール系溶媒を含む。いくつかの実施形態においては、アルコール系溶媒は直鎖アルコール、分岐アルコール、環状アルコール、または任意のそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態においては、アルコール系溶媒は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノール、エチレングリコール、グリセロール、シクロヘキサン-1,4-ジイルジメタノール、フェノール、ベンジルアルコール、および、任意のそれらの組み合わせからから選択される。
【0134】
いくつかの実施形態においては、アルコール系溶媒は直鎖C1-C4アルコールである。いくつかの実施形態において、アルコール系溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、アルコール系溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、アルコール系溶媒は、メタノールである。いくつかの実施形態において、アルコールはエタノールである。いくつかの実施形態において、アルコール系溶媒は分岐C3-C4アルコールである。いくつかの実施形態において、アルコールは、t-ブタノール、s-ブタノール、i-ブタノール、i-プロパノール、または任意のそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、アルコール系溶媒は環状C3-C8アルコールである。いくつかの実施形態において、アルコール系溶媒は、シクロプロパノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロヘキサン-1,4-ジイルジメタノール、または任意のそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、アルコール系溶媒はシクロヘキサン-1,4-ジイルジメタノールである。
【0135】
いくつかの実施形態では、アルコール系溶媒はポリオールである。いくつかの実施形態において、アルコール系溶媒はエチレングリコール、グリセロール、および、任意のそれらの組み合わせから選ばれる。
【0136】
いくつかの実施形態において、アルコール系溶媒は、フェノール、ベンジルアルコール、および、任意のそれらの組み合わせから選ばれる。
【0137】
ポリエステルを膨潤させるための溶媒
本明細書において説明されるのは、ポリエステルをエステル誘導体に変換するためのプロセスであり;以下を含む混合物にポリエステルを混合するプロセスを含む:
(a)ポリエステルを膨潤させるための溶媒;
(b)アルコール系溶媒;および、
(c)亜化学量論量のアルコキシド。
【0138】
いくつかの実施形態において、本明細書に説明されるプロセスは、アルコール系溶媒およびアルコキシドの追加に先立ってポリエステルを膨潤させるための溶媒でポリエステルを前処理するプロセスを含む。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒による前処理は、アルコール系溶媒およびアルコキシドの追加に先立って約5分間~約60分間の間で行われる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒による前処理は、アルコール系溶媒およびアルコキシドの追加に先立って約5分間~約40分間の間で行われる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒による前処理は、アルコール系溶媒およびアルコキシドの追加に先立って約5分間~約20分間の間で行われる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒による前処理は、アルコール系溶媒およびアルコキシドの追加に先立って約5分間~約10分間の間で行われる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒による前処理は約5分間行われる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒による前処理は約10分間行われる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒による前処理は約15分間行われる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒による前処理は約20分間行われる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒による前処理は約25分間行われる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒による前処理は約30分間行われる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒による前処理は約35分間行われる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒による前処理は約40分間行われる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒による前処理は約45分間行われる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒による前処理は約50分間行われる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒による前処理は約55分間行われる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒による前処理は約60分間行われる。
【0139】
いくつかの実施形態において、本明細書に説明されるプロセスは、アルコール系溶媒およびアルコキシドの追加と同時に、ポリエステルを膨潤させるための溶媒でポリエステルを前処理するプロセスを含む。
【0140】
いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒は、非極性溶媒、極性非プロトン性溶媒、極性プロトン性溶媒、および、任意のそれらの組み合わせからから選択される。
【0141】
いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒はジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ハロゲン化溶媒、n-ヘキサン、ニトロベンゼン、メタノール、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、および、任意のそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒はDMSO、ハロゲン化溶媒、および、任意のそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒はDMSOである。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒はハロゲン化溶媒である。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒は塩化溶媒である。いくつかの実施形態では、ポリエステルを膨潤させるための溶媒は、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、トリクロロエタン、または、任意のそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒はジクロロメタンである。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒はメタノールである。
【0142】
いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒のアルコール系溶媒に対する比率は約0.1:1~約2:1(w:w)の間である。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒のアルコール系溶媒に対する比率は約1:1~約2:1(w:w)の間である。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒のアルコール系溶媒に対する比率は、約0.1:1~約2:1(w:w)の間、または、約0.2:1~約2:1(w:w)の間、または、約0.3:1~約2:1(w:w)の間、または、約0.4:1~約2:1(w:w)の間、または、約0.5:1~約2:1(w:w)の間、または、約0.6:1~約2:1(w:w)の間、または、約0.7:1~約2:1(w:w)の間、または、約0.8:1~約2:1(w:w)の間、または、約0.9:1~約2:1(w:w)の間、または、約1:1~約2:1(w:w)の間、または、約1:2~約2:1(w:w)の間、または、約1:3~約2:1(w:w)の間、または、約1:4~約2:1(w:w)の間、または、約1:4~約2:1(w:w)の間、または、約1:6~約2:1(w:w)の間、または、約1:7~約2:1(w:w)の間、または、約1:8~約2:1(w:w)の間、または、約1:9~約2:1(w:w)の間、または、約0.5:1~約1.5:1(w:w)の間、または、約0.5:1~約1.5:1(w:w)の間、または、約0.5:1~約1.5:1(w:w)の間、または、約1:1~約1.5:1(w:w)の間、である。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒のアルコール系溶媒に対する比率は約0.5:1~約1:1(w:w)の間である。
【0143】
アルコキシド
本明細書において説明されるのは、ポリエステルをエステル誘導体に変換するためのプロセスであり;以下を含む混合物にポリエステルを混ぜ合わせるプロセスを含む:
(a)ポリエステルを膨潤させるための溶媒;
(b)アルコール性溶媒;および、
(c)亜化学量論量のアルコキシド。
【0144】
いくつかの実施形態において、本明細書に説明されたプロセスは亜化学量論量のアルコキシドを加えることを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に説明されたプロセスは触媒量のアルコキシドを加えることを含む。
【0145】
本明細書において使用される「亜化学量論量」とは、使用される材料の量が化学量論量より小さいことを示すために使用される。その用語は本明細書において「触媒量」と交換可能に使用される。いくつかの実施形態において、亜化学量論量は、化学量論量の約95%以下である。いくつかの実施形態において、亜化学量論量は、化学量論量の約90%以下である。いくつかの実施形態において、亜化学量論的量は、化学量論量の約85%以下である。いくつかの実施形態において、亜化学量論的量は、化学量論量の約80%以下である。いくつかの実施形態において、亜化学量論的量は、化学量論量の約75%以下である。いくつかの実施形態において、亜化学量論的量は、化学量論量の約70%以下である。いくつかの実施形態において、亜化学量論的量は、化学量論量の約65%以下である。いくつかの実施形態において、亜化学量論的量は、化学量論量の約60%以下である。いくつかの実施形態において、亜化学量論的量は、化学量論量の約55%以下である。いくつかの実施形態において、亜化学量論的量は、化学量論量の約50%以下である。いくつかの実施形態において、亜化学量論的量は、化学量論量の約45%以下である。いくつかの実施形態において、亜化学量論的量は、化学量論量の約40%以下である。いくつかの実施形態において、亜化学量論的量は、化学量論量の約35%以下である。いくつかの実施形態において、亜化学量論的量は、化学量論量の約30%以下である。いくつかの実施形態において、亜化学量論的量は、化学量論量の約25%以下である。いくつかの実施形態において、亜化学量論的量は、化学量論量の約20%以下である。いくつかの実施形態において、亜化学量論的量は、化学量論量の約15%以下である。いくつかの実施形態において、亜化学量論的量は、化学量論量の約10%以下である。
【0146】
「化学量論量」は、本明細書において使用されるとき、使用される材料の量がポリエステルの中にあるエステル結合の数と同等であることを示すために使用される。
【0147】
いくつかの実施形態において、アルコキシドアニオンおよびカチオンを含むアルコキシドは、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属アルコキシド、金属アルコキシド、アンモニウムアルコキシド、および、任意のそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、アルコキシドアニオンはC1-C4アルコキシドアニオンである。いくつかの実施形態において、アルコキシドアニオンは、メトキシド、エトキシド、n-プロポキシド、n-ブトキシド、t-ブトキシド、sec-ブトキシド、iso-ブトキシド、iso-プロポキシド、および、それらの組み合わせからから選択される。いくつかの実施形態では、アルコキシドアニオンは、メトキシド、エトキシド、または、任意のそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、アルコキシドアニオンはメトキシドである。いくつかの実施形態において、カチオンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、またはアンモニウムである。いくつかの実施形態において、アルコキシドはナトリウムメトキシド、カリウムエトキシドまたはアルミニウムトリ-n-プロポキシドである。いくつかの実施形態では、アンモニウムアルコキシドはテトラアルキルアンモニウムアルコキシドである。いくつかの実施形態では、アンモニウムアルコキシドはテトラブチルアンモニウムアルコキシドである。いくつかの実施形態において、アルコキシドは、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシド、アルミニウムトリ-n-プロポキシド、またはテトラブチルアンモニウムメトキシドである。
【0148】
いくつかの実施形態において、アルコキシドは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または金属をアルコール系溶媒に追加することによって、その場で発生させられる。
【0149】
いくつかの実施形態において、ポリエステルのアルコキシドに対する比率は約15:1~約125:1(w:w)の間、または、約15:1~約100:1(w:w)の間、または、約15:1~約80:1(w:w)の間、または、約15:1~約60:1(w:w)の間、または、約15:1~約40:1(w:w)の間、または、約15:1~約25:1(w:w)の間、または、約15:1~約20:1(w:w)の間、または、約20:1~約25:1(w:w)の間、または、約20:1~約50:1(w:w)の間、または、約30:1~約60:1(w:w)の間、または、約40:1~約70:1(w:w)の間、または、約50:1~約80:1(w:w)の間、または、約60:1~約90:1(w:w)の間、または、約20:1~約125:1(w:w)の間、または、約40:1~約125:1(w:w)の間、または、約60:1~約125:1(w:w)の間、または、約80:1~約125:1(w:w)の間、または、約100:1~約125:1(w:w)の間、である。いくつかの実施形態において、ポリエステルのアルコキシドに対する比率は約20:1~約25:1(w:w)の間である。
【0150】
反応時間
本明細書において説明されるのは、ポリエステルをエステル誘導体に変換するためのプロセスであり;以下を含む混合物にポリエステルを混ぜ合わせるプロセスを含む:
(a)ポリエステルを膨潤させるための溶媒;
(b)アルコール性溶媒;および、
(c)亜化学量論量のアルコキシド。
【0151】
いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒、アルコキシド、およびアルコール系溶媒に対するポリエステルの混合は、十分な時間の間行なわれる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒、アルコキシド、およびアルコール系溶媒に対するポリエステルの混合は、所望のエステルの約70%の収率が達せられるまで行なわれる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒、アルコキシド、およびアルコール系溶媒に対するポリエステルの混合は、所望のエステルの約75%の収率が達せられるまで行なわれる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒、アルコキシド、およびアルコール系溶媒に対するポリエステルの混合は、所望のエステルの約80%の収率が達せられるまで行なわれる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒、アルコキシド、およびアルコール系溶媒に対するポリエステルの混合は、所望のエステルの約85%の収率が達せられるまで行なわれる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒、アルコキシド、およびアルコール系溶媒に対するポリエステルの混合は、所望のエステルの約90%の収率が達せられるまで行なわれる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒、アルコキシド、およびアルコール系溶媒に対するポリエステルの混合は、所望のエステルの約95%の収率が達せられるまで行なわれる。
【0152】
いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒、アルコキシド、およびアルコール系溶媒に対するポリエステルの混合は、約10分間~5時間の間、または約10分間~4時間、または約10分間~3時間の間、または約10分間~2時間の間、または約20分間~2時間の間、または約30分間~2時間の間、または約40分間~2時間の間、または約30分間~1時間、または約30分間~1.5時間の間、で行なわれる。いくつかの実施形態において、ポリエステルを膨潤させるための溶媒、アルコキシド、およびアルコール系溶媒に対するポリエステルの混合は、約10分間、または約15分間、または約20分間、または約25分間、または約30分間約、または約35分間、約40分間、または約45分間、または約50分間、または約60分間、または約70分間、または約80分間、約90分間、または約100分間、または約110分間、約120分間、または約130分間、または約140分間、約150分間、または約160分間、または約170分間、または約180分間、行なわれる。いくつかの実施形態において、ポリエステル、アルコキシドおよびアルコール系溶媒を膨潤させるための溶媒に対するポリエステルの混合は、約1時間、または約2時間、または約3時間、または約4時間、または約5時間の間行なわれる。
【0153】
温度
本明細書において説明されるのは、ポリエステルをエステル誘導体に変換するためのプロセスであり;以下を含む混合物にポリエステルを混ぜ合わせるプロセスを含む:
(a)ポリエステルを膨潤させるための溶媒;
(b)アルコール性溶媒;および、
(c)亜化学量論量のアルコキシド。
【0154】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるプロセスは周囲温度で行なわれる。いくつかの実施形態において、周囲温度は25±5℃である。
【0155】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるプロセスは外部熱を伴わずに行なわれる。いくつかの実施形態において、前記プロセスは発熱性であり、また、反応混合物の温度は、少なくとも30℃、少なくとも35℃、少なくとも40℃、少なくとも45℃、少なくとも50℃、少なくとも55℃、または少なくとも60℃まで上昇する。いくつかの実施形態において、反応混合物の温度を上昇させるために外部熱源は使用されない。
【0156】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるプロセスは外部熱を伴って行なわれる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるプロセスは約25℃~約100℃の間、約25℃~約85℃、または約25℃~約80℃の間、または約25℃~約60℃の間、約40℃~約60℃、または約40℃~約50℃の間、または約30℃~約50℃の間の外部熱を伴って行なわれる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるプロセスは約26℃、約27℃、約28℃、約29℃、約30℃、約31℃、約32℃、約33℃、約34℃、約35℃、約36℃、約37℃、約38℃、約39℃、約40℃、約41℃、約42℃、約43℃、約44℃、約45℃、約46℃、約47℃、約48℃、約49℃、約50℃、約51℃、約52℃、約53℃、約54℃、約55℃、約56℃、約57℃、約58℃、約59℃、約60℃、約61℃、約62℃、約63℃、約64℃、約65℃、約66℃、約67℃、約68℃、約69℃、約70℃、約71℃、約72℃、約73℃、約74℃、約75℃、約76℃、約77℃、約78℃、約79℃、約80℃、約81℃、約82℃、約83℃、約84℃、約85℃、約86℃、約87℃、約88℃、約89℃、約90℃、約91℃、約92℃、約93℃、約94℃、約95℃、約96℃、約97℃、約98℃、約99℃、または約100℃で行われる。
【0157】
圧力
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるプロセスは、大気圧で行なわれる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるプロセスは、高圧で行なわれる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるプロセスは、略大気圧~約220psi約の間、または略大気圧~約200psiの間、または略大気圧~約150psi、または略大気圧~約100psi、または略大気圧~約50の間、または約20psi~約150psiの間、または約50~約100psiの間の圧力で行なわれる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるプロセスは約14psi、約15psi、約16psi、約17psi、約18psi、約19psi、約20psi、約30psi、約40psi、約50psi、約60psi、約70psi、約80psi、約90psi、約100psi、約110psi、約120psi、約130psi、約140psi、約150psi、約160psi、約170psi、約180psi、約190psi、約200psi、約210psi、または約220psiで行われる。
【0158】
攪拌
本明細書において説明されるのは、ポリエステルをエステル誘導体に変換するためのプロセスであり;以下を含む混合物にポリエステルを混ぜ合わせるプロセスを含む:
(a)ポリエステルを膨潤させるための溶媒;
(b)アルコール性溶媒;および、
(c)亜化学量論量のアルコキシド。
【0159】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるプロセスは、攪拌を伴わずに行なわれる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるプロセスは、強化された撹拌を伴って行なわれる。いくつかの実施形態において、撹拌バッチ反応器が撹拌を提供するために使用される。いくつかの実施形態では、連続反応器が撹拌を提供するために使用される。
【0160】
特定の用語
本明細書で使用される段落の表題は、単に編成のみを目的とし、記載された主題を制限すると解釈されるものではない。
【0161】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、請求の範囲の主題が属すると一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書の用語に複数の定義がある場合、この項の定義が優先される。一般的な記載と詳細な記載は典型的で説明的なものに過ぎず、いずれかの内容に限定されるものではないことが理解されよう。本出願では、単数形の使用は、特に他に明記されない限り、複数形を包含している。本明細書および添付の請求項で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、その内容が特に他に明確に指示していない限り、複数の指示対象を包含することが留意されなければならない。本出願では、「または」の使用は、特に他に明記されない限り、「及び/又は」を意味する。さらに、用語「含むこと(including)」の使用は、「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含まれる(included)」といった他の形態と同じく、限定されない。
【0162】
文脈で他に必要とされない限り、本明細書および続く請求項の全体にわたって、用語「含む(comprise)」および「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などのその変形は、開かれた包括的な意味で、すなわち、「限定されないが、含む」として解釈されるべきである。さらに、本明細書で提供される表題は、便宜目的のみのものであり、請求される本発明の範囲または意味を解釈するものではない。
【0163】
本明細書と添付の請求項で使用されるように、単数形「1つ(「a」、「an」、および「the」)は、別段明示されない限り、複数の指示物を含む。また、用語「または(or)」が、文脈が他に明確に指示しない限り、「および/または(and/or)」を含むその意味で一般に利用されることが留意されるべきである。
【0164】
本明細書で使用されるように、用語「約(about)」または「おおよそ(approximately)」は、与えられた値または範囲の10%以内、好ましくは10%以内、およびより好ましくは5%以内を意味する。
【0165】
本明細書に使用されるように、周囲温度は、典型的な、または好まれる室内の(空調された)温度のための口語的表現であり、人々が一般的に慣れている温度である。その温度は、暑く感じず、冷たくも感じない大気の温度であるおおよそ21℃の小さな範囲を表す。いくつかの実施形態において、周囲温度は25±5℃である。いくつかの実施形態において、周囲温度は18℃である。いくつかの実施形態において、周囲温度は19℃である。いくつかの実施形態において、周囲温度は20℃である。いくつかの実施形態において、周囲温度は21℃である。いくつかの実施形態において、周囲温度は22℃である。いくつかの実施形態において、周囲温度は23℃である。いくつかの実施形態において、周囲温度は24℃である。いくつかの実施形態において、周囲温度は25℃である。いくつかの実施形態において、周囲温度は26℃である。いくつかの実施形態において、周囲温度は27℃である。いくつかの実施形態において、周囲温度は28℃である。いくつかの実施形態において、周囲温度は29℃である。いくつかの実施形態において、周囲温度は30℃である。
【0166】
本明細書および添付された請求項において使用されるように、解重合は、ポリマーをその出発物質へ分解する方法を指す。解重合は、本質的には重合の反対である。いくつかの実施形態において、グリコール、メタノール、または水などの使用される解重合の反応物によりそれぞれ分類される、解糖、加メタノール分解、または加水分解によって、解重合が達成される。
【0167】
標準化学用語の定義は、Carey and Sundberg “ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY 4TH ED” Vols. A (2000)and B (2001), Plenum Press, New York を含み、これらに限定されずに参考資料において見出されてもよい。
【0168】
本明細書で使用されるような以下の用語は、別段の定めのない限り、以下の意味を有する。
【0169】
「アルキル」は、単結合により分子の他の部分に結びつく、直または分岐の炭化水素鎖ラジカルを指す。例えば、最大で4つの炭素原子を含む直鎖アルキルは、直鎖C1-C4アルキルと呼ばれ、同様に、最大で3つの炭素原子を含む直鎖アルキルは直鎖C1-C3アルキルである。直鎖アルキルは、直鎖C1-C4アルキル、直鎖C1-C3アルキル、直鎖C1-C2アルキル、直鎖C2-C3アルキル、および直鎖C2-C4アルキルを含む。代表的なアルキルは、メチル、エチル、プロピル、およびブチル含む。3つおよび4つの炭素原子を含む分岐アルキルを、分岐C3-C4アルキルと呼ぶ。代表的な分岐アルキルの群は、t-ブチル、 sec-ブチル、イソブチル、およびイソプロピルを含むが、限定されない。本明細書において具体的に他の意味で述べられるのでない限り、アルキルは、酸素、ハロゲン、-CN、-CF3、OH、-OMe、NH2、または-NO2で随意に置換される。いくつかの実施形態において、アルキルは、酸素、ハロゲン、-CN、-CF3、OH、または-OMeで随意に置換される。いくつかの実施形態において、アルキルはハロゲンに随意に置換される。
【0170】
「ハロ」または「ハロゲン」はブロモ、クロロ、フルオロ、またはヨードを指す。いくつかの実施形態において、ハロゲンはフルオロまたはクロロである。いくつかの実施形態において、ハロゲンはフルオロである。
【0171】
「ハロアルキル」とは、上記のような1つ以上のハロ原子、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,2-ジフルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロプロピル、1,2-ジブロモエチルなどによって置換される、上で定義されるようなアルキルラジカルを指す。
【0172】
上記にとするように、「ヒドロキシアルキル」はアルキルラジカルを指し、それは、1つ以上の-OH群、例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、プロパンジオールなどによって置換される。
【0173】
「シクロアルキル」は安定しており、部分的にまたは完全に飽和か、単環の、または多環の炭素環を指し、それは縮合または橋架け環系を含む場合がある。代表的なシクロアルキルは、3~15の炭素原子(C3-C15シクロアルキル)、3~10の炭素原子(C3-C10シクロアルキル)、3~8の炭素原子(C3-C8シクロアルキル)、3~6つの炭素原子(C3-C6シクロアルキル)、3~5の炭素原子(C3-C5シクロアルキル)、または3~4の炭素原子(C3-C4シクロアルキル)を有するシクロアルキルを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、シクロアルキルは3~6員のシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、シクロアルキルは5~6員のシクロアルキルである。単環式のシクロアルキルは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルを含む。多環式シクロアルキルまたは炭素環は、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル(decalinyl)、ビシクロ[3.3.0]オクタン、ビシクロ[4.3.0]ノナン、シス-デカリン、トランス-デカリン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、およびビシクロ[3.3.2]デカン、および7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]へプタニルを含む。部分的に飽和されたシクロアルキルは、例えばシクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニルを含む。本明細書において具体的に他の意味で述べられるのでない限り、シクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、OH、-OMe、NH2、または-NO2と随意に置換される。いくつかの実施形態において、シクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、OH、または-OMeと随意に置換される。いくつかの実施形態において、シクロアルキルはハロゲンと随意に置換される。
【0174】
「アリール」は、水素、6~30の炭素原子および少なくとも1つの芳香環を含む炭化水素環系から派生するラジカルを指す。アリールラジカルは、単環式、二環式、三環式または四環式の環系であり得、これは縮合または架橋した環系を含み得る。いくつかの実施形態において、アリールは6~10員のアリールである。いくつかの実施形態において、アリールは6員のアリールである。アリールラジカルは、アントリルエン、ナフチレン、フェナントリレン(phenanthrylene)、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン(phenalene)、フェナントレン、プレイアデン(pleiadene)、ピレン、およびトリフェニレンの炭化水素環系から派生するアリールラジカルを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、アリールはフェニルである。本明細書において具体的に他の意味で述べられるのでない限り、アリールは、例えば、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、などで随意に置換される場合がある。いくつかの実施形態において、アリールは、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、OH、-OMe、NH2、または-NO2で随意に置換される。いくつかの実施形態において、アリールは、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、OH、または-OMeで随意に置換される。いくつかの実施形態において、アリールは、ハロゲンで随意に置換される。
【0175】
本明細書に使用されるように、用語“mol”は、PETに言及する場合、モル数であり、192.17g/molである“PET”単位の分子量を使用して計算される。
【実施例0176】
以下の実施例は、開示された実施形態を例証するが、限定しないと意図される。
【0177】
実施例1:
ポリエチレンテレフタレート(1000g)が反応器の中に導入された。ジクロロメタン(500g)が加えられ、および、混合物は室温および大気圧で約40分間撹拌された。その後、ナトリウムメトキシドおよびメタノールが反応混合物に加えられ、120分間撹拌され、および加熱された(量、時間、および温度の詳細に関しては下記の表を参照)。
【0178】
その後、反応混合物は濾過され、および、濾過ケーキはメタノールで洗浄された。その後、濾過ケーキは、いかなる未反応物も取り除くために140℃で溶融および濾過された。その後、濾過されたジメチルテレフタレートが、真空下において200℃で蒸留された。濾過から回収された液体は、溶媒およびモノエチレングリコールを回収するために蒸留された。
【0179】
【0180】
実施例2:
ポリエチレンテレフタレート(1000g)が反応器に導入された。DMSO(500g)が加えられ、および、混合物は室温および大気圧で約40分間撹拌された。その後、ナトリウムメトキシド(45g)およびメタノール(550g)が反応混合物に加えられ、55℃で120分間撹拌および加熱された。
【0181】
その後、反応混合物は濾過され、および、濾過ケーキはメタノールで洗浄された。その後、濾過ケーキは、いかなる未反応物も取り除くために140℃で溶融および濾過された。その後、濾過されたジメチルテレフタレートが、真空下において200℃で蒸留された。濾過から回収された液体は、溶媒およびモノエチレングリコールを回収するために蒸留された。
【0182】
ジメチルテレフタレートは89%の収率で得られた。
【0183】
実施例3:
PET(10000g)が60℃で1時間、メタノール(6000g)で処置された。その後、メタノールは排出された。排出後に、反応器は60℃から70℃まで上昇するよう加熱され、および、ナトリウムメトキシド(メタノールにおける25重量%の)が加えられた。ナトリウムメトキシド追加の30分後に、メタノールの残量が加えられた。その反応は、ナトリウムメトキシドの追加の3時間後に止められた。反応混合物は、その後、室温で冷却され、DMTおよび未反応物からMEG、ナトリウムメトキシド、および残留メタノールを分離するために濾過された。1および2の試行は、異なる固液分離方法(遠心分離、プレスフィルター、真空フィルターまたは加圧フィルター)のを使用しようしても濾過可能することができなかったが、3~5の試行に対して濾過は成功した。濾過が可能ではなかったので、メタノールの蒸留にMEGの蒸留が続き、および次に、反応混合物からのDMTの蒸留が回転蒸発装置において試みられた。メタノールの回収の後、反応混合物はペーストへ変化し、そこからのMEGおよびDMTの蒸留は不純物に対する副反応のために可能ではなかった。
【0184】
固液分離の後、試行3~5について。残留メタノールおよびMEGは回転蒸発装置を使用して、液相から2つの異なる留分へと回収された。DMTは、薄膜蒸発装置を使用して、固相から首尾よく回収された。
【0185】
下記の表は、異なる量のナトリウムメトキシドを用いたDMTおよびMEGの回収を示す。
【0186】