(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175725
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】管変換中にガラスの温度を測定するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01J 5/00 20220101AFI20231205BHJP
G01N 25/00 20060101ALI20231205BHJP
C03B 33/095 20060101ALI20231205BHJP
G01J 5/48 20220101ALN20231205BHJP
【FI】
G01J5/00 101E
G01N25/00 P
C03B33/095
G01J5/48 A
【審査請求】有
【請求項の数】32
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023142114
(22)【出願日】2023-09-01
(62)【分割の表示】P 2019552485の分割
【原出願日】2018-03-22
(31)【優先権主張番号】62/476,408
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【弁理士】
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】キース レイモンド ゲイロ
(72)【発明者】
【氏名】ルイス カーク クリンゲンスミス
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ マイケル マツシック
(72)【発明者】
【氏名】コナー トーマス オマリー
(57)【要約】
【課題】ガラス管変換中にガラス管の温度を測定するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】ガラス管から物品を製造するためのシステムは、複数の処理ステーションを有する基部と、基部に対して移動可能なタレットとを有する変換機を含む。タレットは、ガラス管を、処理ステーションを通して連続的に保持するために複数のホルダを割り出す。システムは、タレットとともに移動するためにタレットに結合された熱イメージャを含む熱画像システムを更に含む。熱画像システムは、熱イメージャに結合され、且つ複数のホルダの1つから熱イメージャに赤外光を反射するように配置されたミラーも含み得る。熱画像システムは、変換プロセス中にガラス管の1つ以上の特性を測定し得る。1つ以上のプロセス変数を測定するために熱画像システムを使用して変換機を制御するためのプロセスも開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス管変換機を制御するための方法において、
ガラス管変換機のタレットに取り外し可能に結合されるガラス管を、連続して該ガラス管変換機の複数の処理ステーションを通して割り出す工程であって、該複数の処理ステーションは、少なくとも1つの加熱ステーション、少なくとも1つの成形ステーションおよび少なくとも1つの分離ステーションを含み、該複数の処理ステーションの少なくとも1つは、制御デバイスを含む、工程と、
前記ガラス管変換機の前記タレットに結合された熱画像システムを使用して前記ガラス管の熱画像を捕捉する工程であって、該熱画像システムは、該ガラス管から赤外光を捕捉するように方向付けられた少なくとも1つの熱イメージャを含む、工程と、
前記熱画像を処理する工程と、
前記熱画像から前記ガラス管の特性を決定する工程と、
前記ガラス管の前記特性を設定点と比較する工程と、
前記ガラス管の前記特性と前記設定点との比較から制御変数を決定する工程と、
前記制御変数を表す制御信号を制御デバイスに送信する工程と
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記複数の処理ステーションの前記少なくとも1つは、少なくとも1つの加熱要素を有する加熱ステーションを含み、及び前記制御デバイスは、前記加熱要素に動作的に結合されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記加熱要素は、バーナであり、及び前記制御デバイスは、燃料制御弁、酸素制御弁又は空気制御弁の1つ以上であり、前記制御変数は、燃料ガス、酸素又は空気の1つ以上の質量流量であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記加熱要素は、バーナであり、及び前記制御デバイスは、燃料制御弁、酸素制御弁又は空気制御弁の1つ以上であり、前記制御変数は、前記燃料制御弁、前記酸素制御弁又は前記空気制御弁の1つ以上の位置であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記加熱要素は、バーナであり、及び前記制御デバイスは、燃料制御弁、酸素制御弁又は空気制御弁の1つ以上であり、前記方法は、前記バーナに導入される燃料と、空気、酸素又は空気及び酸素との一定の化学量論的比率を維持する工程を更に含むことを特徴とする請求項2~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記処理ステーションの前記少なくとも1つは、少なくとも1つの冷却流体制御弁を有する冷却ステーションを含み、前記制御デバイスは、該冷却流体制御弁であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記処理ステーションの前記少なくとも1つは、少なくとも1つの成形ツールを並進させて前記ガラス管と取り外し可能に係合させる1つ以上のアクチュエータを有する成形ステーションを含み、前記制御デバイスは、前記1つ以上のアクチュエータを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記制御変数は、前記成形ステーション内における前記少なくとも1つの成形ツールと前記ガラス管との接触時間であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ガラス管変換機は、前記複数の処理ステーションの1つにおける前記ガラス管の測定データを捕捉するように配置されている、視覚画像デバイス、レーザ反射率計、レーザゲージ又は光学マイクロメータの少なくとも1つを含む寸法決定システムを含むことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の処理ステーションの前記1つにおける前記ガラス管の測定データを捕捉する工程と、
前記ガラス管の前記測定データを処理する工程と、
前記ガラス管の前記測定データから前記ガラス管の物理的属性を決定する工程と
を更に含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記物理的属性は、前記ガラス管の直径、厚さ又は単位長あたりのガラス質量の1つ以上であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ガラス管の前記物理的属性を設定点の物理的属性と比較する工程と、
前記ガラス管の前記物理的属性と前記設定点の物理的属性との比較から前記制御変数の調整値を決定する工程と
を更に含むことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ガラス管の物理的属性を測定する工程であって、前記物理的属性は、前記ガラス管の直径、厚さ又は単位長あたりの質量のうちの1つである、工程と、
前記ガラス管の前記物理的属性を設定点の物理的属性と比較する工程と、
前記ガラス管の前記物理的属性と前記設定点の物理的属性との比較から前記制御変数の調整値を決定する工程と
を更に含むことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ガラス管からガラス物品を製造するためのシステムであって、
少なくとも1つの加熱ステーション、少なくとも1つの成形ステーションおよび少なくとも1つの分離ステーションを含む複数の処理ステーションを含む変換機であって、変換中に連続して該複数の処理ステーションを通してガラス管を移動させるように動作可能である変換機と、
熱画像システム、寸法決定システム、1つ以上のセンサ、又はこれらの組合せと、
1つ以上の制御デバイスと、
制御システムであって、
制御プロセッサと、
前記制御プロセッサと通信的に結合された制御メモリモジュールと、
前記制御メモリモジュールに記憶されたコンピュータ可読の実行可能命令と、
前記熱画像システムに通信的に結合された1つ以上の入力、前記寸法決定システム、1つ以上のセンサ、又はこれらの組合せと、
1つ以上の制御装置と通信的に結合された1つ以上の出力と
を含む制御システムと
を含み、
前記コンピュータ可読の実行可能命令が、前記制御プロセッサにより実行されると、前記制御システムに、自動的に、
前記熱画像システム、寸法決定システム、センサ、又はこれらの組合せからプロセス変数を受信させ、
前記プロセス変数を設定点と比較をさせ、
前記比較に基づいて制御変数を決定させ、及び
前記制御変数を表す制御信号を前記1つ以上の制御装置に送信させ、該制御信号により該1つ以上の制御装置を状態変化させ、前記変換機の動作を変更させるシステム。
【請求項15】
前記制御システムが比例積分微分コントローラである、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記コンピュータ可読の実行可能命令は、前記制御プロセッサによって実行されると、前記制御システムに、1つ以上の比例、積分又は微分計算手法を用いて前記制御変数を自動的に計算させる、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記コンピュータ可読の実行可能命令は、前記制御プロセッサにより実行されると、前記制御システムに、自動的に、
過去のプロセス変数測定値の履歴のデータベースから前記設定点を決定させ、及び
前記設定点を前記制御メモリモジュールに保存させる、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記コンピュータ可読の実行可能命令は、前記制御プロセッサにより実行されると、前記制御システムに、自動的に、プロセス変数測定値の継続的な蓄積から観察された変化に基づいて、前記設定点を定期的に更新させる、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
プロセス変数は、制御装置の下流の地点で決定され、
前記コンピュータ可読の実行可能命令は、前記制御プロセッサにより実行されると、前記制御システムに、自動的に、前記プロセス変数の値に基づいて前記制御装置のフィードバック制御を実施させる、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記コンピュータ可読の実行可能命令は、前記制御プロセッサにより実行されると、前記制御システムに、自動的に、
前記プロセス変数を測定させ、
前記プロセス変数と前記設定値との比較から誤差を決定させ、及び
前記誤差から前記制御変数を計算させる、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記コンピュータ可読の実行可能命令は、前記制御プロセッサにより実行されると、前記制御システムに、自動的に、
ゲイン定数を決定させ、及び
前記誤差に前記ゲイン定数を乗じて、前記制御変数を計算させる、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記コンピュータ可読の実行可能命令は、前記制御プロセッサにより実行されると、前記制御システムに、自動的に、前記変換機の過去の動作データの変動性から前記ゲイン定数を決定させる、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記コンピュータ可読の実行可能命令は、前記制御プロセッサにより実行されると、前記制御システムに、自動的に、1回以上のバンプテストを実行させ、前記ゲイン定数を決定させる、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記コンピュータ可読の実行可能命令は、前記制御プロセッサにより実行されると、前記制御システムに、自動的に、
前記制御変数に段階的な変化を施させ、
前記制御変数に前記段階的な変化を施させた後、プロセス変数を測定させ、及び
前記制御変数の変化に応答する前記プロセス変数の変化から前記ゲイン定数を決定させる、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記コンピュータ可読の実行可能命令は、前記制御プロセッサにより実行されると、前記制御システムに、自動的に、前記変換器の前記主タレットの全回転ごとに、又は前記変換器の前記主タレットのn回の全回転ごとに、前記制御変数を決定させ、前記制御信号を1つ以上の前記制御装置に送信させる、請求項14に記載のシステム。
【請求項26】
前記コンピュータ可読の実行可能命令は、前記制御プロセッサにより実行されると、前記制御システムに、自動的に、ガラス管毎に、前記制御変数を決定させ、前記制御信号を前記1つ以上の制御装置に送信させる、請求項14に記載のシステム。
【請求項27】
前記コンピュータ可読の実行可能命令は、前記制御プロセッサにより実行されると、前記制御システムに、自動的に、前記プロセス変数の値に基づいて前記制御装置のカスケード制御を実施させる、請求項14に記載のシステム。
【請求項28】
前記コンピュータ可読の実行可能命令は、前記制御プロセッサにより実行されると、前記制御システムに、自動的に、
第1のプロセス変数を測定させ、
前記第1のプロセス変数を前記制御システムに送信させ、
前記第1のプロセス変数を該第1のプロセス変数に関連する第1の設定点と比較をさせ、
第1のプロセス変数の変化への応答に基づいて、前記制御変数に対する第1のゲイン定数を決定させ、
前記比較と前記第1のゲイン定数から中間制御変数を決定させ、
第2のプロセス変数を測定させ、
前記第2のプロセス変数を前記制御システムに送信させ、
前記第2のプロセス変数を該第2のプロセス変数に関連する第2の設定点と比較をさせ、
第2のプロセス変数の変化への応答に基づいて、前記制御変数に対する第2のゲイン定数を決定させ、及び
前記中間制御変数、前記第2のプロセス変数と前記第2の設定点の前記比較、及び前記第2のゲイン定数から前記制御変数を計算させる、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記プロセス変数は、前記ガラス管の外部表面の温度、前記ガラス管の内部表面の温度、前記ガラス管の中心線ピークガラス温度、前記ガラス管の中心線の平均ガラス温度、前記ガラス管のガラスの粘度、時間に応じた前記ガラス管の温度プロファイル、前記ガラス管の厚さを通したガラスの温度勾配、前記ガラス管の寸法の少なくとも1つ、又はこれらの組合せである、請求項14に記載のシステム。
【請求項30】
前記制御システムは、前記寸法決定システムに通信的に結合され、前記プロセス変数は、前記ガラス管の寸法である、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記制御システムは、前記熱画像システムに通信的に結合され、前記プロセス変数は、前記ガラス管の第1の温度と前記ガラス管の第2の温度との差である、請求項14に記載のシステム。
【請求項32】
前記制御変数は、1つ以上の燃料制御弁の位置、1つ以上の酸素制御弁の位置、1つ以上の空気制御弁の位置、冷却流体制御弁の位置、前記変換機の前記主タレットの割出し時間、前記ガラス管と接触する1つ以上の成形ツールの接触時間、又はこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年3月24日に出願された「Systems and Methods for Measuring the Temperature of Glass During Tube Conversion」という名称の米国仮特許出願第62/476,408号の米国特許法第120条に基づく優先権の利益を主張する。また、本出願は、2018年3月22日に出願された特願2019-552485号の分割出願である。
【技術分野】
【0002】
本明細書は、概して、ガラス管のガラス物品への変換中にガラスの温度を測定するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ガラスチューブは、他のガラス物品に変換され得る。例えば、ガラスチューブは、バイアル、シリンジ、アンプル、カートリッジ及び他のガラス物品が挙げられるが、これらに限定されない製薬用途で使用するための様々なガラス容器に変換され得る。ガラスチューブは、例えば、「変換機械」で変換され得る。変換機械は、75年超にわたって使用されており、現在、様々な商用及び内部設備供給者により製造されている。これらの変換機械は、典型的には、フレームワーキング、回転及び固定ツール成形(rotating and stationary tool forming)、熱分離又はスコアリング及び衝撃切断工程を含む工程を用いて、長いガラス管長さを複数のガラス物品に作り替える。
【0004】
現在のガラス変換業界では、変換機械は、幅広い経験のあるオペレータ及び技術者により運転されている。これらのオペレータ及び技術者は、経験及び職人のような訓練を通して機械の操作を学習し、例えば、バーナ及び機械設定の動作調整は、通常、一部成形された又は完全に成形されたガラス物品の温度及び形状の目視評価のみによって実施される。動作手法及び機械の改修法は、部品メーカにより厳重に保持されており、この手法は、新たな製造業者がハイエンド製薬物品製造市場に参入する大きい障壁となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、ガラス物品を管変換機械によって成形するための代替的システム及び方法が必要とされている。
【0006】
したがって、ガラス物品を製造するためのガラス管変換中にガラス管の温度を測定するためのシステム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つ以上の態様では、ガラス管からガラス物品を製造するためのシステムは、サーキット内に間隔を開けて配置された複数の処理ステーションを有する基部と、基部に対して移動可能なタレットであって、タレットから複数の処理ステーションに向かって延びる複数のホルダを有し、複数のホルダは、互いに間隔を開けて配置されており、タレットは、複数のホルダのそれぞれを割り出して、複数の処理ステーションのそれぞれと連続して近接させるように動作可能である、タレットとを含む変換機を含み得る。システムは、タレットとともに移動するためにタレットに結合された熱イメージャを含む熱画像システムであって、熱イメージャは、複数のホルダの1つに配置されたガラス管から放出された赤外光を捕捉するように配置されている、熱画像システムを更に含み得る。
【0008】
実施形態では、熱イメージャは、ガラス管の外部表面によって放出された赤外光を直接受信するように配置され得る。熱画像システムは、ガラス管の内部表面から放出された赤外光を熱イメージャに反射するように方向付けられた少なくとも1つのミラーを更に含み得る。少なくとも1つのミラーは、基部に結合されており、且つガラス管の内部表面から放出された赤外光を熱イメージャに反射するように方向付けられた固定ミラーであり得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、システムは、熱イメージャに結合されており、且つガラス管から熱イメージャに赤外光を反射するように方向付けられたミラーを更に含み得る。ミラーは、ガラス管の外部表面から放出された赤外光を熱イメージャに反射するように方向付けられ得る。ミラーの反射面は、800ナノメートル~20マイクロメートルの波長を有する光に対して96%以上の反射率を有し得る。他の実施形態では、ミラーは、ガラス管の内部表面から放出された赤外光を熱イメージャに反射するように方向付けられ得る。
【0010】
実施形態では、システムは、熱イメージャに結合された少なくとも1つの補助ミラーを含み得、ミラーは、ガラス管の外部表面から放出された赤外光を熱イメージャに反射するように方向付けられており、及び補助ミラーは、ガラス管の内部表面から放出された赤外光を熱イメージャに反射するように方向付けられている。他の実施形態では、システムは、複数の処理ステーションの1つの垂直下方に配置された少なくとも1つの固定ミラーを含み得、固定ミラーは、熱イメージャがタレットによって複数の処理ステーションの1つの所定位置に割り出されると、ガラス管の内部表面から放出された赤外光を熱イメージャに反射するように配置されている。
【0011】
いくつかの実施形態では、熱イメージャは、4マイクロメートル~14マイクロメートル又は5マイクロメートル~14マイクロメートルの波長を有する赤外光を受信するように構成された赤外線カメラであり得る。実施形態では、システムは、主タレット及び副タレットを含み得る。熱イメージャは、主タレットとともに回転するために主タレットに結合され得る。システムは、主タレットの上方に配置されており、且つ主タレットに対して回転可能な装填タレットを含み得る。いくつかの実施形態では、熱画像システムは、複数の熱イメージャを含み得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、システムは、タレットの上方に配置されており、且つタレットの中心軸と位置揃えされたスリップリング軸を有するスリップリングを含み得、スリップリングは、熱イメージャを電源に電気的に結合する。スリップリングは、熱イメージャをプロセッサに動作的に結合し得る。スリップリングの内側リングは、中心ボアを含み得る。
【0013】
他の実施形態では、システムは、タレットとともに回転するためにタレットに結合された電源を更に含み得、電源は、熱イメージャに電気的に結合されて、熱イメージャに電力を供給する。システムは、タレットに結合された無線通信デバイスも含み得、無線通信デバイスは、熱イメージャをプロセッサに通信的に結合する。
【0014】
実施形態では、システムは、冷却流体供給部と、冷却流体供給部に流体的に結合されており、且つタレットの中心軸と位置揃えされた継手軸を有する回転継手と、回転継手から熱画像システムまで延びる供給導管とを含む冷却システムを含み得る。システムは、熱イメージャのレンズに流体を送達するように配置された少なくとも1つのノズルを含むクリーニングシステムも含み得る。熱画像システムは、熱イメージャに結合されており、且つ複数のホルダの1つに配置されたガラス管から熱イメージャに赤外光を反射するように方向付けられたミラーを含み得、冷却システムは、ミラーの反射面に流体を送達するように配置された少なくとも1つのノズルを含み得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、システムは、熱イメージャに通信的に結合された少なくとも1つのプロセッサと、プロセッサに通信的に結合された少なくとも1つのメモリモジュールと、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、熱画像システムに、少なくとも以下:熱イメージャから熱画像情報を受け取ること、熱画像情報を処理すること、及び熱画像情報からガラス管の特性を決定することを実施させる、少なくとも1つのメモリモジュールに記憶された機械可読命令とを含み得る。特性は、ガラス管の温度、ガラス管の厚さを通した温度勾配、ガラス管の粘度、ガラス管の厚さを通した粘度勾配、ガラス管の寸法、ガラス管の温度プロファイル、時間に応じたガラス管の温度プロファイル、ガラス管の中心線の少なくとも1つ又はこれらの組合せであり得る。
【0016】
実施形態では、システムは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、熱画像システムに熱画像情報からガラス管の温度を決定させるか、熱画像情報からガラス管の粘度を決定させるか、又は熱画像情報からガラス管の寸法を決定させる、少なくとも1つのメモリモジュールに記憶された機械可読命令を更に含み得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、システムは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、熱画像システムに、少なくとも以下:第1の処理ステーションにおけるガラス管の第1の特性を決定すること、第1の処理ステーションの下流に配置された第2の処理ステーションにおけるガラス管の第2の特性を決定すること、第1の特性と第2の特性との間の差を計算すること、及び第1の特性と第2の特性との間の差を表す出力を送信することを実施させる、少なくとも1つのメモリモジュールに記憶された機械可読命令を更に含み得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、制御デバイスに通信的に結合され得、システムは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、熱画像システムに、少なくとも以下:ガラス管の特性を設定点の特性と比較すること、ガラス管の特性と設定点の特性との比較から制御変数を決定すること、及び制御変数を表す制御信号を制御デバイスに送信することを実施させる、少なくとも1つのメモリモジュールに記憶された機械可読命令を更に含み得る。
【0019】
実施形態では、複数の処理ステーションの少なくとも1つは、少なくとも1つの加熱要素を有する加熱ステーションを含み得、及び制御デバイスは、加熱要素によるガラス管の加熱を操作するために加熱要素に動作的に結合されている。加熱要素は、バーナを含み得、及び制御デバイスは、燃料制御弁、酸素制御弁又は空気制御弁の1つ以上であり得る。制御変数は、燃料ガス、酸素又は空気の1つ以上の質量流量であり得る。代わりに、制御変数は、燃料制御弁、酸素制御弁又は空気制御弁の1つ以上の位置であり得る。
【0020】
実施形態では、処理ステーションの少なくとも1つは、少なくとも1つの冷却流体制御弁を有する冷却ステーションであり得、制御デバイスは、冷却流体制御弁である。実施形態では、処理ステーションの少なくとも1つは、少なくとも1つの成形ツールを並進させてガラス管と取り外し可能に係合させる1つ以上のアクチュエータを有する成形ステーションであり得、制御デバイスは、1つ以上のアクチュエータを含む。制御変数は、成形ステーション内における少なくとも1つの成形ツールとガラス管との接触時間であり得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、システムは、寸法決定システムを更に含み得る。寸法決定システムは、視覚画像システム、レーザ反射率計、レーザゲージ又は光学マイクロメータの少なくとも1つを含み得る。寸法決定システムは、変換機の上流のガラス管の測定データを捕捉するように配置され得る。代わりに、いくつかの実施形態では、寸法決定システムは、複数の処理ステーションの1つにおけるガラス管の測定データを捕捉するように配置され得る。システムは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、寸法決定システムに、少なくとも以下:複数の処理ステーションの1つにおけるガラス管の測定データを捕捉すること、ガラス管の測定データを処理すること、及びガラス管の測定データからガラス管の物理的属性を決定することを実施させる、少なくとも1つのメモリモジュールに記憶された機械可読命令を更に含み得る。物理的属性は、ガラス管の直径、厚さ又は単位長あたりのガラス質量の1つ以上である。
【0022】
いくつかの実施形態では、システムは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、システムに、少なくとも以下:寸法決定システムからガラス管の物理的属性を受信すること、及び物理的属性及び特性からガラス管の厚さにわたる特性勾配を決定することを実施させる、少なくとも1つのメモリモジュールに記憶された機械可読命令を含み得る。特性勾配は、温度勾配又は粘度勾配であり得る。
【0023】
実施形態では、システムは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、システムに、少なくとも以下:ガラス管の物理的属性を設定点の物理的属性と比較すること、及びガラス管の物理的属性と設定点の物理的属性との比較から制御変数の調整値を決定することを実施させる、少なくとも1つのメモリモジュールに記憶された機械可読命令を含み得る。
【0024】
別の態様では、ガラス管変換機を制御するための方法は、ガラス管変換機のタレットに取り外し可能に結合されるガラス管を、ガラス管変換機の複数の処理ステーションを通して割り出す工程であって、複数の処理ステーションの少なくとも1つは、制御デバイスを含む、工程を含み得る。方法は、ガラス管変換機のタレットに結合された熱画像システムを使用してガラス管の熱画像を捕捉する工程であって、熱画像システムは、ガラス管から赤外光を捕捉するように方向付けられた少なくとも熱イメージャを含む、工程を更に含み得る。方法は、熱画像を処理する工程と、熱画像からガラス管の特性を決定する工程と、ガラス管の特性を設定点と比較する工程と、ガラス管の特性と設定点との比較から制御変数を決定する工程と、制御変数を表す制御信号を制御デバイスに送信する工程とを更に含み得る。
【0025】
方法のいくつかの実施形態では、複数の処理ステーションの少なくとも1つは、少なくとも1つの加熱要素を有する加熱ステーションを含み得、及び制御デバイスは、加熱要素に動作的に結合され得る。加熱要素は、バーナであり得、及び制御デバイスは、燃料制御弁、酸素制御弁又は空気制御弁の1つ以上であり得、制御変数は、燃料ガス、酸素又は空気の1つ以上の質量流量であり得る。制御デバイスは、燃料制御弁、酸素制御弁又は空気制御弁の1つ以上であり得、及び制御変数は、燃料制御弁、酸素制御弁又は空気制御弁の1つ以上の位置であり得る。
【0026】
方法の実施形態では、処理ステーションの少なくとも1つは、少なくとも1つの冷却流体制御弁を有する冷却ステーションを含み得、制御デバイスは、冷却流体制御弁であり得る。方法のいくつかの実施形態では、処理ステーションの少なくとも1つは、少なくとも1つの成形ツールを並進させてガラス管と取り外し可能に係合させる1つ以上のアクチュエータを有する成形ステーションを含み、制御デバイスは、1つ以上のアクチュエータであり得る。制御変数は、成形ステーション内における少なくとも1つの成形ツールとガラス管との接触時間であり得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、変換機は、複数の処理ステーションの1つにおけるガラス管の測定データを捕捉するように配置されている、視覚画像システム、レーザ反射率計、レーザゲージ又は光学マイクロメータの少なくとも1つを有する寸法決定システムを含み得る。方法は、複数の処理ステーションの1つにおけるガラス管の測定データを捕捉する工程と、ガラス管の測定データを処理する工程と、ガラス管の測定データからガラス管の物理的属性を決定する工程とを更に含み得る。物理的属性は、ガラス管の直径、厚さ又は単位長あたりのガラス質量の1つ以上であり得る。
【0028】
実施形態では、方法は、ガラス管の物理的属性を設定点の物理的属性と比較する工程と、ガラス管の物理的属性と設定点の物理的属性との比較から制御変数の調整値を決定する工程とを更に含み得る。他の実施形態では、方法は、ガラス管の物理的属性を測定する工程であって、物理的属性は、ガラス管の直径、厚さ又は単位長あたりの質量の1つであり得る、工程と、ガラス管の物理的属性を設定点の物理的属性と比較する工程と、ガラス管の物理的属性と設定点の物理的属性との比較から制御変数の調整値を決定する工程とを更に含み得る。
【0029】
前述の概要及び以下の詳細な説明の両方は、様々な実施形態を説明するとともに、特許請求される主題の性質及び特徴を理解するための概要又は枠組みを提供することを目的とすることを理解すべきである。添付の図面は、様々な実施形態の一層の理解を提供するために含まれるものであり、本明細書の一部分に組み込まれ、これを構成する。図面は、本明細書中に記載される様々な実施形態を示し、本明細書とともに、特許請求される主題の原理及び動作を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、ガラス管からガラス物品を製造するための変換機の一実施形態を概略的に示す。
【
図2】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図1のガラス管変換機械の主タレット、副タレット及び送りタレットを概略的に示す。
【
図3A】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図1の変換機の加熱ステーションを概略的に示す。
【
図3B】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図1の変換機の分離ステーションを概略的に示す。
【
図3C】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図1の変換機の成形ステーションを概略的に示す。
【
図3D】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図1の変換機の成形ステーションの別の実施形態を概略的に示す。
【
図3E】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図1の変換機の冷却ステーションを概略的に示す。
【
図4】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図1の変換機における変換前のガラス管の斜視図である。
【
図5】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図1の変換機の熱画像システムを概略的に示す。
【
図6】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図5の熱画像システムを概略的に示す。
【
図7A】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図5の熱画像システムの熱イメージャの動作を概略的に示す。
【
図7B】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図5の熱画像システムの熱イメージャ及び固定ミラーの動作を概略的に示す。
【
図7C】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図5の熱画像システムの熱イメージャ及びミラーの動作を概略的に示す。
【
図7D】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図7Cの熱画像システムの熱イメージャ及びミラーの別の動作を概略的に示す。
【
図7E】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図5の熱画像システムの熱イメージャ、ミラー及び補助ミラーの動作を概略的に示す。
【
図7F】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図5の熱画像システムの熱イメージャ、ミラー及び固定ミラーの動作を概略的に示す。
【
図7G】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図7Fの熱画像システムの熱イメージャ、ミラー及び補助ミラーの別の動作を概略的に示す。
【
図8A】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図1の変換機の熱画像システムの別の実施形態を概略的に示す。
【
図8B】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図1の変換機の熱画像システムの別の実施形態を概略的に示す。
【
図9】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図1の変換機の熱画像システムの別の実施形態を概略的に示す。
【
図10】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図9の熱画像システムを使用して測定した、変換機100に関する時間(x軸)に応じたガラス管の表面の相対温度(y軸)のプロットである。
【
図11A】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図9の熱画像システムによって捕捉された、
図1の変換機の加熱ステーション内のガラス管を示す画像である。
【
図11B】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図9の熱画像システムによって捕捉された、
図1の変換機の分離ステーション内のガラス管を示す画像である。
【
図11C】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図9の熱画像システムによって捕捉された、
図1の変換機の成形ステーション内のガラス管を示す画像である。
【
図11D】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図9の熱画像システムによって捕捉された、
図1の変換機の別の成形ステーション内のガラス管を示す画像である。
【
図12】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図9の熱画像システムを使用して捕捉された1つの熱画像におけるガラス管の側面図及び頂面図を示す画像である。
【
図13】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図1の変換機の制御システムを概略的に示す。
【
図14】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図13の制御システムの単一フィードバック制御方法を概略的に示す。
【
図15】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図13の制御システムのカスケード制御方法を概略的に示す。
【
図16】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図13の制御システムの別の単一フィードバック制御方法を概略的に示す。
【
図17】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、
図1の変換機の熱画像システムのミラーの断面図を概略的に示す。
【
図18A】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、熱画像システムを有する、
図1の変換機の副タレットを概略的に示す。
【
図18B】本明細書中に図示及び記載される1つ以上の実施形態による、熱画像システムを有する、
図1の変換機の副タレットの別の実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ここで、管変換プロセスを制御するためのシステム及び方法の実施形態について詳述する。その例は、添付の図面に示される。可能な限り、同じ又は同一部分の参照には図面の全体を通して同じ参照番号を使用する。ガラス管から物品を製造するためのシステムの一実施形態を
図1に示す。この実施形態では、ガラス管102からガラス物品を製造するためのシステムは、変換機100及び熱画像システム120を含む。変換機100は、サーキット内に間隔を開けて配置された複数の処理ステーション106を有する基部104と、基部104から間隔を開けて配置されており、且つ基部104に対して移動可能な主タレット108とを含む。主タレット108は、主タレット108から複数の処理ステーション106に向かって延びる複数のホルダ130を含む。複数のホルダ130は、互いに間隔を開けて配置されており、複数のホルダ130のそれぞれは、複数の処理ステーション106の1つと位置揃えされている。主タレット108は、連続して複数のホルダ130のそれぞれを割り出し、複数の処理ステーション106のそれぞれと近接させるように動作可能である。熱画像システム120は、熱イメージャ122を含み得、熱イメージャ122は、主タレット108の一部分に結合され、主タレット108のこの部分と並進し得る。熱画像システム120は、熱イメージャ122に結合されており、複数のホルダ130の1つから熱イメージャ122に赤外光を反射するように配置されたミラー124も含み得る。管変換プロセスを制御するためのシステム及び方法の様々な実施形態を、添付の図面を特に参照して本明細書中に記載する。
【0032】
本明細書で使用する場合、方向の用語(例えば、上、下、右、左、前、後、上部、底部)は、描かれた図に関してのみ記載するものであり、絶対的な向きを示唆するものではない。
【0033】
別段に明示されない限り、本明細書中で説明する任意の方法は、その工程の特定の順序での実施を要求するものと解釈されるべきことを意図するものでも、任意の装置における特定の向きを要求することを意図するものでも決してない。したがって、方法クレームがその工程が従う順序について実際に述べていない場合、又は任意の装置クレームが個々の構成要素の順序若しくは向きを実際に述べていない場合、又は特許請求の範囲若しくは本明細書において、工程が特定の順序に限定されると別段に明示されない場合、又は装置の構成要素の特定の順序若しくは向きが述べられていない場合、いかなる意味においても、順序又は向きが推測されることを決して意図するものではない。これは、工程の配置、動作フロー、構成要素の順序又は構成要素の向きに関する論理的事項、文法構成又は句読法に由来する単純な意味及び本明細書に記載される実施形態の数又は種類を含む、解釈のための任意の可能性のある非表現ベースにも当てはまる。
【0034】
本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、別段の明確な指示のない限り、複数形支持物を含む。したがって、例えば、「a」構成要素への言及は、別段の明確な指示のない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する態様を含む。
【0035】
ここで、
図1を参照すると、ガラス管102からガラス物品を製造するための変換機100が概略的に示される。変換機100は、ガラス管102を、バイアル、シリンジ、カートリッジ、アンプル又は他のガラス物品などであるが、これらに限定されない複数のガラス物品に変換するために使用され得る。変換機100は、複数の処理ステーション106を有する基部104と、基部104の上方に配置されており、且つ基部104に対して中心軸Aを中心に回転可能な主タレット108と、主タレット108の上方に配置された、ガラス管102を主タレット108に供給するためのガラス管装填タレット110とを含む。変換機100はまた、基部104上の複数の副処理ステーション112と、基部104に対して回転可能な副タレット114とを含み得る。熱画像システム120は、主タレット108に結合されて主タレット108とともに回転する。実施形態では、熱画像システム120は、熱イメージャ122及びミラー124を含む。熱画像システム120を主タレット108に結合するために取付装置126を使用し得る。熱画像システム120は、ガラス管102が処理ステーション106間において主タレットにより割り出される際のガラス管102の熱画像を捕捉するために用いられ得る。これら熱画像から、ガラス管102の1つ以上の温度又は温度プロファイルは、変換プロセスを研究するために抽出され得、使用され得、且つ/又は変換機100を制御するための1つ以上のプロセス制御方法に組み込まれ得る。
【0036】
図1に概略的に示されるように、変換機100の基部104は、固定されており、処理ステーション106は、基部104の上部105に結合され得る。複数の処理ステーション106は、互いに間隔を開けて主サーキット116内に配置されている。1つ以上の実施形態では、中心軸Aを中心とした主タレット108の回転により、主タレット108が複数の処理ステーション106を通してガラス管102を割り出すことができるように、主サーキット116は、円形であり得る。ガラス管102から作製される物品の種類及び/又は形状は、基部104に結合される処理ステーション106の数に影響を及ぼし得る。主タレット108の処理ステーション106の数は、14個の処理ステーション106~32個の処理ステーション106であり得る。変換機100及び変換プロセスは、主サーキット116内に16個の処理ステーション106を有する変換機100に関連して本明細書中に記載されるが、変換機100は、主サーキット116内に16個よりも多い又は少ない処理ステーション106を有し得ることを理解されたい。処理ステーション106は、例として及び限定されることなく、1つ以上の加熱ステーション、成形ステーション、研磨ステーション、冷却ステーション、分離ステーション、穿孔ステーション、測定ステーション、供給ステーション若しくは排出ステーション又はガラス管102からガラス物品を製造するための他の処理ステーションを含み得る。ガラス管102から作製される物品の種類及び/又は形状は、変換機100の処理ステーション106の種類及び/又は処理ステーション106の順序にも影響を及ぼし得る。
【0037】
主タレット108が基部104に対して中心軸Aを中心に回転可能であるように、主タレット108は、基部104の上方に配置され得、基部104に回転自在に結合され得る。主タレット108を基部104に対して回転させるために駆動モータ(図示せず)を用い得る。主タレット108は、各ガラス管102を主タレット108に取り外し可能に固定するように構成された複数のホルダ130を含む。ホルダ130は、クランプ、チャック若しくは他の保持デバイス又は保持デバイスの組合せであり得る。ホルダ130は、ガラス管102が主タレット108の中心軸Aに略平行であり且つ基部104の上部105に略垂直であるように各ガラス管102を方向付け得る。変換機100は、本明細書では垂直に方向付けられた変換機100に関連して記載されているが、変換機100は、水平に又は角度を成して方向付けられ得ることを理解されたい。各ホルダ130は、主タレット108の底部109から基部104に向かう方向に(即ち
図1では座標軸に対して-Z方向に)延び、各ホルダ130は、主タレット108が中心軸Aを中心に割り出されると、ガラス管102を基部104の主サーキット116の各連続する処理ステーション106内に又はこれに近接させて配置するように方向付けられる。ガラス管102の垂直の方向付けにより、各ガラス管102の下方突出部を、主サーキット116の処理ステーション106を通して継続的に循環させることが可能になる。各ホルダ130は、主タレット108の中心軸Aに略平行であり得るホルダ軸Dを中心に主タレット108に対して個々に回転可能であり得る。各ホルダ130は、各ホルダ130を主タレット108に対して回転させるために、モータ(図示せず)、連続的な駆動ベルト又は他の駆動機構に動作的に結合され得る。ホルダ130の回転により、固定されたバーナ、成形ツール、冷却ノズル又は処理ステーション106の他の特徴に対するガラス管102の回転が可能になる。
【0038】
図1及び
図2を参照すると、変換機100は、同じく間隔を開けて副サーキット118(
図2)内に配置された複数の副処理ステーション112と、ガラス管102から分離された物品103(
図1)を、複数の副処理ステーション112を通して割り出すための副タレット114(
図1)とを有し得る。副タレット114は、第2の軸Bを中心に基部104に対して回転可能であり得る。第2の軸Bは、主タレット108の中心軸Aに略平行であり得る。副タレット114は、各副処理ステーション112と連続して係合するようにガラス物品103を保持し、ガラス物品103を配置するための複数のホルダ130も含む。副タレット114は、主タレット108の分離ステーション206(
図2)から物品103を受け取り、副タレット114の回転により複数の副処理ステーション112を通して物品103を割り出し、変換機100から完成物品を排出し得る。
【0039】
ガラス管装填タレット110は、主タレット108の上方に配置されている。実施形態では、ガラス管装填タレット110は、主タレット108の中心軸Aから外れていることができる。ガラス管装填タレット110は、主タレット108の中心軸Aに略平行であり得る軸C中心に回転可能であり得る。ガラス管装填タレット110は、主タレット108に対して固定位置に独立して支持され得、ガラス管装填タレット110の回転は、主タレット108の回転から独立し得る。
図1及び
図2を参照すると、いくつかの実施形態では、ガラス管装填タレット110は、円形サーキット134内に配置されており、ガラス管102を保持するように構成されている複数の装填チャネル132を含み得る。ガラス管装填タレット110は、装填チャネル132の1つを、変換機100の主サーキット116の処理ステーション106と、主サーキット116の処理ステーション106を通して割り出される主タレット108上の対応するホルダ130とに垂直方向に位置揃えして(即ち主タレット108の中心軸Aに平行な及び/又は
図1のZ軸に平行な方向に位置揃えされる)方向付けるように配置され得る。1つ以上の実施形態では、ガラス管装填タレット110と位置揃えされる処理ステーション106は、管装填ステーション214(
図2)であり得る。変換機100が特定のホルダ位置136にあるガラス管102の全体又は一部分を1つ以上の物品に変換したら、ホルダ位置136が割り出されて主サーキット116の管装填ステーション214と位置揃えされたとき、ガラス管装填タレット110は、ホルダ位置136にあるホルダ130に主タレット108の頂部を通して新たな長さのガラス管102を送達し得る。別の実施形態では、変換機100は、主タレット108とガラス管装填タレット110との間を電気機械的に移動可能なアーム(図示せず)を含み得る。変換機100が特定のホルダ位置136にあるガラス管102の全体又は一部分を変換したら、アームは、ガラス管装填タレット110又は他のガラス管ステージングデバイスから新たな長さのガラス管102を掴み、新たな長さのガラス管102を主タレット108の特定のホルダ位置136に送達し得る。新たな長さのガラス管102を主タレット108に送達する他の方法も企図される。
【0040】
図2を参照すると、前述のように、変換機100の複数の処理ステーション106は、1つ以上の加熱ステーション202、成形ステーション204、分離ステーション206、研磨ステーション208、冷却ステーション210、穿孔ステーション212、管装填ステーション214、排出ステーション216、測定ステーション218、管長さ減少ステーション220又は他のステーション及び/又はこれらステーションの組合せを含み得る。
図2は、16個の処理ステーション106の主サーキット116と、8個の副処理ステーション112の副サーキット118とを有する変換機100の処理ステーション106の配置を概略的に示す。記載されているように、主サーキット116の処理ステーション106は、円形サーキットに均等に間隔を開けて均等に配分されており、副サーキット118の副処理ステーション112も、円形サーキットに均等に間隔を開けて均等に配分されている。
図2は、複数の装填チャネル132を有するガラス管装填タレット110も概略的に示す。
図2では、説明のために、ガラス管装填タレット110は、主サーキット116から間隔を開けた位置に示されている。ガラス管装填タレット110は、24個の装填チャネル132を有するものとして示されているが、ガラス管装填タレットは、24個よりも多い又は少ない装填チャネル132を有し得ることを理解されたい。
【0041】
図2に概略的に示される変換機の主サーキット116は、1つ以上の加熱ステーション202、分離ステーション206、炎穿孔ステーション212、1つ以上の成形ステーション204、1つ以上の冷却ステーション210、測定ステーション218、管長さ減少ステーション220及び管装填ステーション214を含み得る。主タレット108の割り出し222の方向に関して、加熱ステーション202は、ガラス管102の目標領域を、ガラス管102の目標領域が可塑的に変形可能になり、ガラスにひび割れを発生させるか又は破壊することなく効果的に造形又は切断され得る目標温度まで予熱するために分離ステーション206及び各成形ステーション204の前に配置され得る。分離ステーション206において、成形済みガラス物品103(
図1)は、ガラス管102(
図1)から分離され得る。分離ステーション206は、一部成形済みガラス物品103が、分離されると、副処理ステーション112の副サーキット118を通して割り出される副タレット114(
図1)に移される処理ステーション106でもあり得る。穿孔ステーション212は、主サーキット116の、主タレット108の割り出し222の方向において分離ステーション206の下流に配置され得る。穿孔ステーション212において、前に分離ステーション206により閉鎖されたガラス管102の端部が穿孔され、それによりガラス管102に開口部を形成する。
【0042】
主タレット108の成形ステーション204は、割り出し222の方向において穿孔ステーション212の下流に配置され得る。成形ステーション204において、ガラス管102は、完成ガラス物品の所望の形状に反復的に造形される。上記のように、ガラス管102の目標領域を、ガラス管が成形され得る温度に予熱するために、1つ以上の加熱ステーション202は、各成形ステーション204の前に配置され得る。主タレット108の成形ステーション204は、ガラス物品103の一端を造形し、副タレット114の成形ステーション204は、ガラス物品103の他端を造形する。1つ以上の実施形態では、変換機100は、ガラス管102からバイアルを製造するために使用され得、変換機100の成形ステーション204は、1つ以上の肩部成形ステーション、1つ以上のフランジ成形ステーション及び1つ以上のフランジ仕上げステーションを含み得、1つ以上の加熱ステーション202が各成形ステーション204の前及び間に配置されている。主サーキット116は、測定ステーション218を更に含み得、測定ステーション218では、寸法決定システム1310(
図13)を使用して、例えば直径及び厚さなどのガラス管102の1つ以上の寸法並びに成形ステーション204によって成形された特徴の1つ以上の寸法を測定し得る。特徴の寸法は、フランジ厚さ、フランジ長さ、ネック長さ、ネック厚さ、物品全長、他の特徴の寸法又はこれらの組合せを含み得る。測定ステーション218は、ガラス管102が依然として高温であるうちに寸法が測定されるように最後の成形ステーション204の直後に配置され得る。代わりに、測定ステーション218は、ガラス管102及び/又はガラス物品の寸法を低温で測定するために1つ以上の冷却ステーション210の後に配置され得る。
【0043】
図2を更に参照すると、1つ以上の冷却ステーション210は、主タレット108の割り出し222の方向において成形ステーション204の後に配置され得る。管長さ減少ステーション220は、一部成形済みのガラス管102を短くし、分離ステーション206でガラス管102を目標長さに切断するように配置するために、成形ステーション204の後の、成形ステーション204と分離ステーション206との間に配置され得る。主サーキット116は、新たな長さのガラス管102原料をガラス管装填タレット110から主タレット108(
図1)に装填するための管装填ステーション214も含み得る。1つ以上の実施形態では、管装填ステーション214は、冷却ステーション210に組み込まれ得る。管装填ステーション214は、最後の成形ステーション204と分離ステーション206との間に配置され得る。
【0044】
主タレット108の成形ステーション204は、ガラス物品103の第1端部に特徴を成形する。例えば、成形ステーション204は、バイアル又はカートリッジであるガラス物品103の頂部(第1端部)に肩部142及びフランジ144を成形し得る。分離ステーション206においてガラス物品103がガラス管102から分離されると、ガラス物品103は、副タレット114の副処理ステーション112に移される。副処理ステーション112は、ガラス物品103の第1端部とは反対側のガラス物品103の第2端部を成形するための1つ以上の成形ステーション204を含み得る。例えば、副処理ステーション112の成形ステーション204は、バイアルであるガラス物品103の底部(第2端部)に1つ以上の特徴を成形し得る。
【0045】
副サーキットの副処理ステーションは、1つ以上の加熱ステーション202、成形ステーション204、研磨ステーション208、冷却ステーション210、排出ステーション216若しくは他のステーション又は副処理ステーション112の組合せを含み得る。1つ以上の実施形態では、副サーキット118の副処理ステーション112は、バイアル、アンプル、カートリッジ又はシリンジなどのガラス物品103の1つ以上の特徴を、例えば主タレット108により成形された端部とは反対側のガラス物品103の端部に成形するために使用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、ガラス物品103は、バイアルであり、副サーキット118の成形ステーション204は、バイアルの底部を成形し得る。アンプル、カートリッジ、シリンジ等の特徴を示す特徴などの他の特徴も企図される。副サーキット118は、ガラス物品の表面を仕上げるための1つ以上の研磨ステーション208を含み得る。副サーキット118は、複数の冷却ステーション210と排出ステーション216(このステーションにおいて完成ガラス物品が変換機100から排出され得る)とを更に含み得る。
【0046】
主サーキット116の処理ステーション106及び副サーキット118の副処理ステーション112の上記説明は、ガラス管102からバイアルを製造するための典型的な変換機100を示し得る。しかしながら、より多数又はより少数の処理ステーション106及び副処理ステーション112を、異なる形状を有するバイアル又はカートリッジ、シリンジ、アンプルなどの他のガラス物品又は他のガラス物品を作製するために使用し得ることを理解されたい。加えて、処理ステーション106及び副処理ステーション112は、異なる形状のガラス物品を製造するために、いくつかの異なる順序及び/又は構成のいずれかにおいて配置され得ることを理解されたい。
【0047】
ここで、
図3Aを参照すると、変換機100の加熱ステーション202が概略的に示される。各加熱ステーション202は、1つ以上の加熱要素301を含み得る。加熱要素301の例としては、燃料バーナ、例えばCO
2レーザなどのレーザ、誘導加熱器、他の加熱デバイス又はこれらの組合せが挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、レーザを使用してガラス管102を加熱し得る。
図3Aに示されるように、実施形態では、加熱要素301は、成形ステーション204(
図2)において実施される成形操作又は分離ステーション206(
図2)において実施される分離操作前にガラス管102の目標領域を加熱するために使用される1つ以上のバーナ302を含み得る。
図3Aは、1つのバーナ302を示すが、1つの加熱ステーション202で2つ以上のバーナ302を用い得ることを理解されたい。各バーナ302は、燃料供給部304と、酸素供給部306と、任意選択的に空気供給部308とに流体的に結合され得る。バーナの燃料の例としては、水素、例えばメタン、プロパン及びブタンなどの炭化水素燃料ガス、他の燃料又はこれらの組合せが挙げられ得るが、これらに限定されない。各バーナ302は、バーナ302への燃料ガスの質量流量を制御するための燃料制御弁310を含み得る。各バーナ302は、バーナ302への酸素の質量流量を制御するための酸素制御弁312も含み得る。各バーナ302は、バーナ302への空気の質量流量を任意選択的に制御するための空気制御弁314を更に含み得る。バーナ302は、酸素及び/又は空気の存在下で燃料ガスを燃焼させ、ガラス管102の少なくとも目標領域を加熱する炎を生成する。
【0048】
バーナ302によって発生する炎の熱は、バーナ302への燃料ガス、酸素及び空気の質量流量を変更することにより、且つバーナ302に供給される酸素に対する燃料ガスの比率及び/又は空気に対する燃料ガスの比率を変更することにより増加又は減少され得る。燃料制御弁310、酸素制御弁312又は空気制御弁314の1つ以上を調整し、酸素及び/又は空気に対する燃料の比率を調整し得る。バーナ302は、連続的に燃焼され得、ガラス管102は、ガラス管102を加熱ステーション202内及びその外に割り出すための主タレット108及び/又は副タレット114の回転により、バーナ302により生成された炎に接触し且つ接触しないように割り出され得る。ガラス管102が、下流成形ステーション204(
図2)で成形される特定の領域内のガラス管102の周囲を均一に加熱され得るように、各ガラス管102は、加熱ステーション202に配置されている間、ホルダ130によってホルダ軸Dを中心にバーナ302に対して回転させ得る。
【0049】
ここで、
図3Bを参照すると、変換機100の分離ステーション206が概略的に示される。分離ステーション206は、主タレット108の割り出し222の方向において1つ以上の加熱ステーション202の後に配置されている。分離ステーション206の前に配置された加熱ステーション202は、ガラス管102を加熱してガラスを可塑的に変形可能にする。分離ステーション206は、分離ツール320を含み得る。前の加熱ステーション202によって可塑的に変形可能にされたガラス管102をホルダ130によってホルダ軸Dを中心に回転させる間、分離ツール320は、ガラス管102の外部表面140と係合してガラス管102を目標長さに切断し得、それにより物品103(
図1)をガラス管102から分離する。代わりに、いくつかの実施形態では、分離ステーション206は、ガラス管102を目標長さに切断し、物品103をガラス管102から分離するために例えば水素/酸素バーナなどのバーナ及び/又は例えばCO
2レーザなどのレーザを含み得る。他の実施形態では、分離ステーション206は、分離ツール320と、水素/酸素バーナ又はレーザの少なくとも1つとを含み得る。ガラス管102から分離されると、物品103は、副タレット114(
図1)に移され得るか又は変換機100から排出され得る。
【0050】
ここで、
図3C及び
図3Dを参照すると、変換機100の成形ステーション204の例が概略的に示される。各成形ステーション204は、成形ステーション204に回転可能に結合された1つ以上の成形ツール324を含み得る。成形ツール324は、主タレット108(
図1)の中心軸A(
図1)に略平行なツール軸Eを中心として基部104(
図1)に対して回転可能であり得る。成形ステーション204に割り出されると、前の加熱ステーション202で加熱されたガラス管102は、ホルダ130によって回転される。回転可能な成形ツール324は、ガラス管102の外部表面140と係合する。成形ツール324は、1つ以上のアクチュエータ326によって作動されてガラス管102の外部表面140と係合し得る。成形ツール324は、接触時間にわたり、アクチュエータ326により維持されるツール圧力でガラス管102と接触し続ける。加熱されたガラス管102の外部表面140との成形ツール324の接触により、ガラス管102を所望の形状に成形する。接触時間が終了すると、アクチュエータ326は、成形ツール324をガラス管102との係合から解除させる。1つ以上の実施形態では、接触時間は、変換機100の滞在時間と異なり得る。
【0051】
図3Cは、ガラス管102から成形されたガラスバイアルの肩部142を成形するための成形ステーション204の一実施形態を概略的に示す。
図3Dは、ガラス管102から成形されたガラスバイアルのフランジ144を成形するための成形ステーション204’の例示的実施形態を概略的に示す。フランジ144を成形するための成形ステーション204’は、3つの成形ツール324a、324b及び324cを含む。2つの成形ツール324a及び324bは、ガラス管102の外部表面140に接触してフランジ144の外部輪郭を成形する。第3の成形ツール324cは、フランジ144の径方向内側の、ガラス管102の内部表面に接触し、フランジ144においてガラス管102の内径を成形する。第3の成形ツール324cはまた、ガラス管102の軸方向端部と接触し、フランジ144の軸方向表面を成形する。実施形態では、第3の成形ツール324cは、固定され得、ガラス管102をホルダ130により第3の成形ツール324cを中心に回転させる。実施形態では、油などの潤滑剤の薄層を例えばガラス管102と第3の成形ツール324cとの間に配置し、ガラス管102が第3の成形ツール324cに接触しないように離し得る。バイアルの構造の成形に関して記載したが、成形ステーション204は、例えば、アンプルの肩部、ネック若しくはテーパ状の先端などの他の構造又はガラスバイアル以外の物品に関連する任意の他の構造を成形するように構成され得る。
【0052】
図3Eは、例えば、冷温空気などの冷却流体342又は不活性ガスをガラス管102に向かって誘導するように配置された1つ以上の冷却ノズル340を有する冷却ステーション210を概略的に示す。冷却ノズル340の1つ以上は、冷却流体342をガラス管102の特定の領域に誘導するように配置され得る。冷却ノズル340への冷却流体342の質量流量を制御するために1つ以上の冷却流体制御弁344が冷却ノズル340に流体的に結合され得、ガラス管102の冷却速度並びにガラス管102の温度及びガラス管102の温度勾配の制御を可能にする。
【0053】
図3A~
図3Eは、変換機100で用いられ得る処理ステーション106のいくつかの異なる例の概略図を含む。しかしながら、1つ以上のガラス物品へのガラス管102の所望の変換を実現するために、異なる構造、構造の組合せ又は機能を有する他の処理ステーション106を用い得ることを理解されたい。
【0054】
再び
図2を参照すると、動作時、主タレット108は、ホルダ130に固定されたガラス管102を処理ステーション106に割り出す。各処理ステーション106において、加熱、成形、穿孔、分離、冷却、減少、供給等などの特定の操作がガラス管102に実施される。滞在時間は、ガラス管102が主タレット108によって次に続く処理ステーション106に割り出される前に特定の処理ステーション106で費やす時間である。変換機100は、全ての処理ステーション106がその操作を滞在時間内に完了するように調整され得る。滞在時間の終了時、主タレット108は、ガラス管102を次の処理ステーション106に割り出す。割出し時間とは、主タレット108がガラス管102を1つの処理ステーション106から次の処理ステーション106に割り出すのにかかる時間を意味し、時間単位で測定される。本開示で使用される、1ステーションあたりの部品毎の合計時間は、滞在時間と割出し時間との合計である。部品速度(製造速度)は、単位時間あたりに製造される部品の数であり、1ステーションあたりの部品毎の合計時間の逆数である。実施形態では、主タレット108の割出し時間は、1ステーションあたりの部品毎の合計時間の25%以下であり得る。
【0055】
ガラス管102をガラスバイアルに変換するための変換機100の例としては、主サーキット116に16個の処理ステーション106及び8個の副処理ステーション112を含む、AMBEG Dr.J.Dichter GmbH製のAutomatic Tube Feederを有するVial Forming Machine Model RP16が挙げられる。他の例としては、主サーキット116に32個の処理ステーション106と、各副サーキット118に8個の副処理ステーション112を有する2つの副サーキット118とを有する、AMBEG Dr.J.Dichter GmbH製のVial Forming Machine Model RP32と、36個の処理ステーション106を有する、Euromatic S.R.L.製のZeta 098 Vial Forming Machineが挙げられる。別の例としては、ガラス管102をカートリッジに変換するための変換機であるEuromatic S.R.L.製のZeta 103 Cartridge Forming Machineが挙げられ得る。カートリッジ変換機は、前述のバイアル変換機100と同様の特徴を有するが、バイアルよりもむしろカートリッジ形態を有するガラス物品の製造に用いられる。
【0056】
ガラス管102からガラスバイアルを製造するための変換機100に関連して記載したが、変換機100は、成形ツール324及び/又は主サーキット116の処理ステーション106若しくは1つ以上の副サーキット118の副処理ステーション112の順序若しくは構成を変更することにより、カートリッジ、シリンジ、アンプル又は他のガラス物品などの1つ以上の他の物品を製造するように構成され得ることを理解されたい。
【0057】
ガラス管102から物品を製造するための典型的な変換機100は、30部品/分~50部品/分の製造速度で動作し得る。これらの製造速度において、ガラス管102内の熱勾配は、極めて高く且つダイナミックになる。短い長さのガラス管102は、2秒~4秒の時間内に200℃から1500℃に加熱されることが一般的である。特に、加熱されたある長さのガラス管102は、管の長さに沿って100℃/分以下又は200℃/分以下の温度勾配を生じ得る。
図4を参照すると、ガラス管102において、長さLは、
図4に提供される基準軸の+Z/-Z方向に測定される。ガラス管102の長さLに沿ったこれらの大きい温度勾配は、変換機100内における熱分離の精密な寸法制御及び例えばガラス物品の底部の厚さの精密制御並びにガラス物品の輪郭の制御を容易にする。
【0058】
1つ以上の処理ステーション106におけるガラス管102の急速加熱も、加熱されたガラス管102の厚さTを通した最大温度勾配を誘起し得る。これらの温度勾配は、例えば及び限定されるものではないが、200℃/分~300℃/分であり得る。成形ステーション204におけるバイアルの肩部142及びフランジ144を成形するための成形プロセス中、同様の又はより高い温度勾配が誘起され得る。変換中にガラス管102の長さLに沿って及び厚さTを通して誘起されるこれらの高い熱勾配は、変換プロセスの力学を理解するのに重要であるが、現在市販されている変換機100の性能の範囲内ではわずかにのみ理解されている。
【0059】
ここで、
図5~
図6を参照すると、本明細書中に記載される変換機100の実施形態は、変換機100及び変換プロセスの自動制御を提供及び/又は強化するための熱画像システム120を用い得る。熱画像システム120を用いて、変換プロセス中にガラス管102の1つ以上の表面温度を測定し得る。熱画像システム120は、熱イメージャ122と、熱イメージャ122を主タレット108に取り付けるための取付装置126とを含む。実施形態では、熱画像システム120は、取付装置126によって熱イメージャ122に結合された1つ以上のミラー124も含み得る。ミラー124は、変換機100の空間占有面積を低減するために熱イメージャ122を略垂直に方向付けることを可能にし得る。熱画像システム120は、熱画像システム120が主タレット108とともに回転し、変換機100の各処理ステーション106(
図1)を通してガラス管102とともに移動するように主タレット108に取り付けられている。各連続する処理ステーション106を通してガラス管102とともに移動することにより、熱画像システム120は、ガラス管から完成ガラス物品までの全変換プロセスにわたるガラス管102の温度プロファイルを生じさせるために使用され得る。温度プロファイルは、1つの処理ステーション106から次の処理ステーション106の温度勾配を特定、調査及び制御するために使用され得る。
【0060】
実施形態では、熱イメージャ122は、赤外線スペクトルの波長を有する光を捕捉することができる2次元赤外線熱画像カメラであり得る。特に、いくつかの実施形態では、熱イメージャ122は、4マイクロメートル~14マイクロメートル、4マイクロメートル~10マイクロメートル、4マイクロメートル~8マイクロメートル、4マイクロメートル~7マイクロメートル、5マイクロメートル~14マイクロメートル、5マイクロメートル~10マイクロメートル、5マイクロメートル~8マイクロメートル、5マイクロメートル~7マイクロメートル、7マイクロメートル~14マイクロメートル、7マイクロメートル~10マイクロメートル又は7マイクロメートル~8マイクロメートルの波長を有する長波赤外光を受信することができ得る。赤外光は、700ナノメートル(nm)~1ミリメートルの広域スペクトルの波長を含む。しかしながら、より長い波長の赤外光は、一般に、直接加熱される表面であるガラス管102の外部表面140によって放出される赤外光を示す。700nm~約4マイクロメートルのより短い波長の赤外光は、ガラス管102のガラス組成物を通して少なくとも一部伝送され得る。したがって、熱イメージャ122により受信されるより短い波長の赤外光は、ガラス管102の内部部分によって又は熱イメージャ122の位置を基準にしてガラス管102の後ろに配置された外部構造によって放出された可能性がある。したがって、約4マイクロメートル未満のより短い波長の赤外光は、ガラス管102の表面を示すものではない。約14マイクロメートルを超える波長を有する赤外光などの長い波長の赤外光では、ガラス管102の表面から放出された長い波長を有する赤外光の少なくとも一部が熱画像システムから遠ざかる方に反射され得る。変換機100によって変換されたガラス管102のガラス組成物は、4マイクロメートル~14マイクロメートルの波長を有する赤外光の低い透過率及び低い反射率を示し、したがってこの波長範囲の赤外光の高い放射率を示す。例えば、ガラス管102は、約5マイクロメートルの波長を有する赤外光の0%の透過率及びわずか3%の反射率を示す。したがって、ガラス管102からの約5マイクロメートルの波長を有する赤外光の放射率は、約97%である。別の例では、ガラス管102からの約7.5マイクロメートルの波長を有する赤外光の反射率は、約10%であり、放射率は、90%である。約4マイクロメートル~約14マイクロメートルの範囲内、例えば4マイクロメートル~7.5マイクロメートル又は約5マイクロメートルの波長を有する赤外光を捕捉することで、ガラス管102の厚さを通した温度勾配の積分を回避することにより表面温度測定値の誤差を低減し得る。ガラス管102における赤外光の透過率及びガラス管102からの赤外光の反射率は、熱イメージャ122によって捕捉された熱画像データに誤差を導入する。4マイクロメートル~14マイクロメートルの波長を有する赤外光を捕捉することが可能な熱イメージャ122は、熱イメージャ122によって得られる熱画像の温度精度の向上を示すことができる。1つ以上の実施形態では、熱イメージャ122は、100℃~2000℃又は300℃~2000℃の物体温度範囲を有し得る。
【0061】
熱イメージャ122は、少なくとも30ヘルツ(Hz)の画像捕捉速度を有し得る。いくつかの実施形態では、熱イメージャ122は、30ヘルツ(Hz)~60Hz又は30Hz~50Hzの画像捕捉速度を有し得る。加えて、熱イメージャ122は、イメージャがイーサネット(登録商標)接続を介して、例えばNational Instrumentsにより販売されているLabVIEW(商標)などの画像解析ソフトウェアを有する1つ以上の画像解析システムと通信すること及びこのシステムに高速イメージングデータを伝送することを可能にするために、例えばGigE Visionなどの1つ以上のインタフェースプロトコルに準拠し得る。熱イメージャ122は、熱イメージャ122が赤外線センサ一式の温度を測定し、画像データを、熱イメージャ122の温度変化を補償するように調整することを可能にするための自己校正システムを組み込んだ内部温度センサ(図示せず)を有し得る。
【0062】
前述のように、熱イメージャ122は、取付装置126を使用して変換機100の主タレット108に取り付けられている。
図6を参照すると、取付装置126は、取付装置126及び熱イメージャ122が主タレット108とともに回転するように主タレット108の外部部分128に取り付けられ得る。実施形態では、変換機100の主タレット108は、スチールメッシュハウジング127などのハウジング内に収容され得る。これらの実施形態では、スチールメッシュハウジング127は、主タレット108の外部部分128である。取付装置126は、レール支持システム129(
図5)によってスチールメッシュハウジング127に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、取付装置126は、変換機100のタレット108から熱イメージャ122及び/又はミラー124の一時的な取り外しを可能にし得る。
【0063】
取付装置126は、熱イメージャ122及びミラー124が変換機100の全サイクルを通して1つのホルダ130及びガラス管102に追従するように、熱イメージャ122及びミラー124を主タレット108上に固定角度位置138で配置する。取付装置126は、イメージャ支持部502及びミラー支持部504を含み得る。熱イメージャ122は、イメージャ支持部502に取り外し可能に結合され得る。イメージャ支持部502は、熱イメージャ122をホルダ130及び/又はガラス管102に対して方向付けるために1つ以上の方向に調節可能であり得る。例えば、イメージャ支持部502は、垂直調節(即ち主タレット108の中心軸Aと平行に上がるか又は下がる)、主タレット108に対する径方向調節(即ち熱イメージャ122を主タレット108の外部部分128に近づく方に又は離れる方に移動させる)、角度調節(即ちホルダ130の1つに対する熱イメージャ122の角度位置を調節する)、回転調節(即ち
図6におけるカメラの光学中心線OCと軸のXY平面との間に形成された角度を変更するためにカメラを回転可能に調節する)又は他の調節を含み得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、イメージャ支持部502は、熱イメージャ122を、ガラス管102が処理されているときのガラス管102の画像を直接捕捉するように配置するように構成され得る。この構成では、熱イメージャ122の光学中心線OCは、
図5及び
図6の座標軸のXY平面内に位置揃えされ得る。しかしながら、典型的な変換機100では、主サーキット116の処理ステーション106及び/又は副サーキット118の副処理ステーション112の周囲の空間は、限られており、熱イメージャ122の光学中心線OCがXY平面内にあり、且つガラス管102と径方向に位置揃えされるように熱イメージャ122を配置すると、熱イメージャ122が主タレット108から径方向外側に延出する原因となる。これは、熱イメージャ122が主タレット108の回転とともに回転するとき、熱イメージャ122及び/又は取付装置126が変換機100の部品に接触するか又は変換機100の動作を妨げる原因となり得る。加えて、この構成では、熱イメージャ122は、回転する主タレット108から径方向外側に延出し、動作中に危険な状況を生じさせるおそれがある。
【0065】
これらの空間的課題を回避するために、いくつかの実施形態では、イメージャ支持部502は、熱イメージャ122を、熱イメージャ122の光学中心線OCが
図5及び
図6の座標軸のXY平面に対して非ゼロ角度を成すように方向付けるよう調節可能であり得る。1つ以上の実施形態では、熱イメージャ122は、熱イメージャ122の光学中心線OCが主タレット108の中心軸Aに平行(即ち
図5及び
図6の座標軸のXY平面に略垂直)であるように配置され得る。代わりに、熱イメージャ122は、光学中心線OCが主タレット108の軸方向平面に対して90°未満の非ゼロ角度を成すように配置され得る。熱イメージャ122を主タレット108の軸方向平面に対して非ゼロ角度に取り付けることで、変換機100の動作を妨げること及び/又は危険な状況を生じさせることを回避するのに役立つことができる。
【0066】
ミラー支持部504は、イメージャ支持部502に結合され得、赤外光をガラス管102から熱イメージャ122のレンズ506に向かって反射するようにミラー124を配置し得る。実施形態では、ミラー支持部504は、ミラー124を熱イメージャ122の光学中心線OCと位置揃えされた状態で配置し得る。1つ以上の実施形態では、ミラー支持部504は、熱イメージャ122に対するミラー124の垂直(即ち
図5及び
図6の座標軸の+Z/-Z軸に沿う)調節、径方向調節、角度調節、回転調節又は他の方向調節の1つ以上を可能にし得る。
【0067】
図5を参照すると、ミラー124は、取付装置126に結合され得、且つミラー124が赤外光を熱イメージャ122のレンズ506に向かって反射するように熱イメージャ122の視野内に配置され得る。1つ以上の実施形態では、ミラー124は、熱イメージャ122の光学中心線OCがミラーの反射面508と交わるように配置され得る。代わりに、ミラー124は、反射面508が赤外光をレンズ506に反射するが、熱イメージャ122の光学中心線OCがミラー124の反射面508と交わらないように、熱イメージャ122の視野内に配置され得る。ミラー124は、特定のホルダ位置136にあるガラス管102の外部表面140から放出された赤外光を熱イメージャ122に反射するように、熱イメージャ122の光学中心線OCに対して角度を成し得る。
図7を参照すると、全般的に、ミラー124は、ミラー124の反射面508が熱イメージャ122の光学中心線OCと90°未満の非ゼロ角度αを成すように角度を成している。換言すると、ミラー124の反射面508は、反射面508が熱イメージャ122の光学中心線OCに垂直でないように角度を成し得る。1つ以上の実施形態では、ミラー124は、主タレット108の中心軸Aを基準にして熱イメージャ122から径方向に直接内側に位置するホルダ位置136からの赤外光を熱イメージャ122に反射するように配置され得る。代わりに、他の実施形態では、ミラー124は、熱イメージャ122の位置から時計回り方向又は反時計回り方向の1つ以上の位置(即ち熱イメージャ122が主タレット108に取り付けられている位置の前方/上流又は後方/下流の1つ以上の位置)であるホルダ位置136からの赤外光を反射するように配置され得る。本明細書では、ミラー124及び熱イメージャ122の特定の向きについて記載してきたが、ミラー124及び熱イメージャ122は、特定の変換機100の構成に応じて多くの構成のいずれかで配置され、方向付けられ得ることを理解されたい。
【0068】
実施形態では、ミラー124の反射面508は、赤外光を高度に反射するものであり得る。1つ以上の実施形態では、ミラー124の反射面508は、4マイクロメートル(μm)~14μmの波長を有する赤外光の96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上の平均反射率を有し得る。1つ以上の実施形態では、ミラー124の反射面508は、4μm~14μmの波長を有する光の96%以上の平均反射率を有し得る。
図17を参照すると、ミラー124は、ミラー基板510と、反射面508を作成するためにミラー基板510に適用される反射性コーティング512とを含み得る。ミラー基板510は、画像を歪めることを避けるために熱的に安定であり得る。実施形態では、ミラー基板510は、例えば、溶融石英などの石英であり得る。いくつかの実施形態では、反射性コーティング512は、例えば、金コーティングであり得る。
【0069】
図7Aを参照すると、前述のように、いくつかの実施形態では、熱イメージャ122は、主タレット108の特定のホルダ位置135にあるガラス管102の外部表面140から放出された赤外光を直接受信するように配置され得る。特に、熱イメージャ122は、ガラス管102の外部表面140から放出された赤外光がミラー124などのミラーによって反射されることなく経路710に沿って熱イメージャ122のレンズ506に直接移動するように配置され得る。熱イメージャ122は、ガラス管102の外部表面140によって放出された赤外光を受信し、熱イメージャ122によって受信された赤外光の波長及び強度を表す熱画像を捕捉する。熱イメージャ122は、ガラス管102が各連続する処理ステーション106(
図1)を通して割り出される際に熱画像システム120が特定のホルダ位置136にあるガラス管102の外部表面140の熱画像データを捕捉するように主タレット108ともに移動する。ガラス管102の外部表面140によって放出された赤外光から熱画像データを捕捉することで、変換プロセスの全体にわたる時間に応じたガラス管102の外部表面140の温度のプロファイリングを可能にし得る。
【0070】
図7Bを参照すると、実施形態では、熱イメージャ122は、ガラス管102の外部表面140によって放出された赤外光を直接受信するように配置され得る。加えて、1つ以上の固定ミラー700は、ガラス管102の内部表面146によって放出された赤外光を熱イメージャ122に反射するために、処理ステーション106において変換機100の基部104に結合され得る。いくつかの実施形態では、各固定ミラー700は、処理ステーション106よりも垂直下方に(即ち処理ステーション106に対して、
図7Bの座標軸の-Z方向に)配置され得る。固定ミラー700を処理ステーション106よりも垂直下方に配置することで、熱イメージャ122が処理ステーション106の所定の位置に割り出されたとき、固定ミラー700が、ガラス管102の内部表面146(
図4)によって放出された赤外光を熱イメージャ122のレンズ506に向かって反射することを可能にする。ガラス管102の内部表面146から放出された赤外光を熱イメージャ122に向かって反射することで、熱画像システム120がガラス管102の内部表面146の温度をプロファイル又は決定することを可能にし得る。ガラス管102の内部表面146から放出された赤外光は、ガラス管102の内部表面146から略下方向(即ち
図7Bの座標軸の-Z方向に)に延びる経路712に沿って移動し得、固定ミラー700から熱イメージャ122のレンズ506に向かって反射する。熱イメージャ122は、主タレット108に結合されており、主タレット108とともに回転するため、熱イメージャ122は、処理ステーション106の主サーキット116の全体を通した主タレット108のサイクルにつき1度のみ、ガラス管102の内部表面146によって放出されて特定の固定ミラー700から反射された赤外光を受信するための所定の位置に送られる。実施形態では、主タレット108の各サイクル中、熱イメージャ122が、複数の処理ステーション106にあるガラス管102の内部表面146から熱画像データを捕捉することができるように、固定ミラー700は、複数の処理ステーション106に配置され得る。
【0071】
図7Cを参照すると、前述のように、熱イメージャ122は、熱イメージャ122のレンズ506がガラス管102の外部表面140から赤外光を直接受信するように方向付けられないように配置され得る。
図7Cでは、熱イメージャ122は、略垂直に(即ち
図7Cの座標軸の+/-Z方向に)方向付けられて示されている。実施形態では、熱イメージャ122は、熱イメージャ122の光学中心線OCがガラス管102の中心線C
Lに略平行であるように方向付けられ得る。前述のように、取付装置126は、熱イメージャ122がガラス管102の中心線C
Lに対して回転するか、傾斜するか又は角度を成すことを可能にし得る。ミラー124は、主タレット108が処理ステーション106を通して割り出される際、ミラー124が熱イメージャ122とともに移動するように取付装置126に結合されている。ミラー124は、ガラス管102の外部表面140から熱イメージャ122のレンズ506に向かって赤外光を反射するように配置され得る。この構成では、ガラス管102を、各連続する処理ステーション106(
図1)に及び各連続する処理ステーション106間で回転させる際、熱画像システム120が特定のホルダ位置136にあるガラス管102の外部表面140の熱画像データを捕捉するように、ミラー124及び熱イメージャ122は、両方とも主タレット108とともに移動する。特に、ミラー124は、ガラス管102の外部表面140によって径方向外側に放出された赤外光を熱イメージャ122に反射するように配置され得、熱イメージャ122は、ミラー124から反射された赤外光を受信し、熱イメージャ122によって受信された赤外光の波長及び強度を表す熱画像を捕捉する。赤外光は、ガラス管102の外部表面140から外側に経路714に沿って移動し、ミラー124から熱イメージャ122のレンズ506に向かって反射される。
【0072】
ここで、
図7Dを参照すると、ミラー124は、ガラス管102の外部表面140によって放出された赤外光と、ガラス管102の内部表面146によって放出された赤外光とを熱イメージャ122のレンズ506に向かって反射するように配置され得る。ガラス管102の外部表面140から放出された赤外光は、ガラス管102の外部表面140から外側に経路714に沿って移動し、ミラー124から熱イメージャ122のレンズ506に向かって反射される。内部表面146から放出された赤外光は、ガラス管102の内部表面146から経路716に沿ってミラー124に移動し、ミラー124により熱イメージャ122のレンズ506に向かって反射される。ミラー124は、熱イメージャ122が複数の処理ステーション106を通して割り出される際に熱イメージャ122とともに移動するため、ミラー124は、熱イメージャ122が、各処理ステーション106にあるガラス管102の外部表面140及び内部表面146から熱画像データを捕捉することを可能にし得る。実施形態では、熱イメージャ122は、ガラス管102の外部表面140及び内部表面146から同時に例えば単一の熱画像などで熱画像データを捕捉し得る。
【0073】
図7Eを参照すると、実施形態では、熱画像システム120は、補助ミラー125が熱イメージャ122及びミラー124とともに移動するように取付装置126に結合され得る補助ミラー125を含み得る。これらの実施形態では、ガラス管102の外部表面140から放出された赤外光は、ガラス管102の外部表面140からミラー124に経路714に沿って移動し、ミラー124により熱イメージャ122のレンズ506に向かって反射される。ガラス管102の内部表面146から放出された赤外光は、ガラス管102の内部表面146から補助ミラー125に経路718に沿って移動し、補助ミラー125により熱イメージャ122のレンズ506に向かって反射される。いくつかの実施形態では、補助ミラー125は、ミラー124よりも垂直下方に(即ち
図7Eの座標軸の-Z方向に)配置され得る。ミラー124及び補助ミラー125の両方は、熱イメージャ122が複数の処理ステーション106を通して割り出される際に熱イメージャ122とともに移動するため、ミラー124及び補助ミラー125は、熱イメージャ122が、各処理ステーション106にあるガラス管102の外部表面140及び内部表面146から熱画像データを捕捉することを可能にし得る。実施形態では、熱イメージャ122は、ガラス管102の外部表面140及び内部表面146から同時に熱画像データを捕捉し得る。
【0074】
図7Fを参照すると、実施形態では、1つ以上の固定ミラー700が処理ステーション106において変換機100の基部104に結合され得る。実施形態では、各固定ミラー700は、処理ステーション106の垂直下方に配置され得る。固定ミラー700は、熱イメージャ122が処理ステーション106の所定の位置に割り出されたとき、ガラス管102の内部表面146によって放出された赤外光を熱イメージャ122に反射するように角度を成し得る。ガラス管102の内部表面146から放出された赤外光は、経路720に沿って略下方に(即ち
図7Fの座標軸の略-Z方向に)固定ミラー700に移動し得、固定ミラー700により熱イメージャのレンズ506に向かって反射される。熱イメージャ122は、主タレット108に結合されており、複数の処理ステーション106を通して主タレット108が各ホルダ130を割り出す際に主タレット108とともに回転するため、熱イメージャ122は、処理ステーション106の主サーキット116の全体を通した主タレット108のサイクルにつき1度、固定ミラー700から反射された赤外光を受信するための所定の位置に送られる。固定ミラー700により熱イメージャ122に反射された赤外光は、主タレット108の各サイクルに1度のみ熱イメージャ122によって捕捉され得る。固定ミラー700を処理ステーション106の下に配置することで、固定ミラー700が、ガラス管102の1つ以上の内部表面146(
図4)によって放出された赤外光を反射することを可能にし、熱画像システム120がガラス管102の1つ以上の内部表面146の温度をプロファイル又は決定することを可能にし得る。
【0075】
図7Gを参照すると、実施形態では、固定ミラー700は、ガラス管102の内部表面146からの赤外光を取付装置126に結合されたミラー124に向かって反射するように方向付けられ得る。これらの実施形態では、ガラス管102の内部表面146からの赤外光は、ガラス管102の内部表面146から固定ミラー700に経路722に沿って移動し、固定ミラー700からミラー124に向かって反射され、その後、ミラー124から熱イメージャ122のレンズ506に向かって反射される。同時に、ガラス管102の外部表面140から放出された赤外光は、ガラス管102の外部表面140からミラー124に向かって経路714に沿って移動し、ミラー124から熱イメージャ122のレンズ506に向かって反射される。変換プロセスの1つ以上の段階時にガラス管102の異なる構成又は異なる視野角を得るために、他の固定ミラー700が他の処理ステーション106の下の基部104に結合され得、他の補助ミラー124が主タレット108又は取付装置126に結合され得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、熱画像システム120は、複数の熱イメージャ122を含み得る。複数の熱イメージャ122は、主タレット108又は副タレット114とともに回転させるために、主タレット108、副タレット114又はこれらの両方に結合され得る。いくつかの実施形態では、各複数の熱イメージャ122は、別個のホルダ位置136から熱画像データを捕捉するように配置され得る。実施形態では、熱画像システム120は、ガラス管102が特定の処理ステーション106及び/又は副処理ステーション112を通して割り出される際に特定の処理ステーション106及び/又は副処理ステーション112から熱画像データを捕捉するために、変換機100の基部104又は固定位置にある他の固定構造(例えば、床、壁又は変換機100に隣接する他の構造)に結合された1つ又は2つ以上の熱イメージャ122を含み得る。
【0077】
ここで、
図8Aを参照すると、主タレット108の中心軸Aを中心にセンタリングされた連続的なサーキット内を熱画像システム120が移動するように熱画像システム120を主タレット108に結合すると、電力及び冷却流体を熱画像システム120に送達すること並びに熱画像システム120からデータを受信することに関して特有の課題を呈する。したがって、実施形態では、熱画像システム120は、熱画像システムの給電、データ交換及び冷却を可能にし得る1つ以上の回転式電気及び/又はガス継手を含み得る。1つ以上の実施形態では、熱画像システムは、熱画像システム120への及び熱画像システム120からの送電及びデータ転送を可能にするための回転接続部を提供し得るスリップリング802(即ち回転式電気接続部と呼ばれることもある)を含み得る。スリップリング802は、熱イメージャ122をプロセッサ900(
図9)に動作的に結合し得る。スリップリング802は、内側リング804及び外側リング806を有する二重環状構造体であり得る。内側リング804又は外側リング806は、固定されており、内側リング804又は外側リング806のもう一方は、固定リングに対して回転する。スリップリング802は、主タレット108の中心軸Aに平行な且つそれと位置揃えされた回転軸を有し得る。スリップリング802の軸を主タレット108の中心軸Aと位置揃えすることで、スリップリング802から熱画像システム120に延びる電気ケーブル808及びデータケーブル810が主タレット108の回転時に巻き付くことを防止し得る。
【0078】
スリップリング802は、内側リング804と外側リング806との間に形成された複数の回路(図示せず)を含み得る。内側リング804と外側リング806とが互いに対して回転する間、電力(例えば、例として24ボルトの電力)及びデータは、外側リング806の径方向内部表面と内側リング804の径方向外部表面との間で径方向に電子的に伝達され得る。外側リング806は、電源に電気的に接続され得、且つ/又はまたプロセッサ900(
図9)に通信的に結合され得る。内側リング804は、熱イメージャ122に電気的に接続され、熱イメージャ122に電力を送達し得、且つ熱イメージャ122に通信的に結合され、熱イメージャ122からデータを送信及び受信し得る。電力は、1つ以上の電気ケーブル808によってスリップリング802から熱イメージャ122に伝達され得る。加えて、データは、例えば、イーサネット(登録商標)ケーブルなどの1つ以上のデータケーブル810を介してスリップリング802と熱イメージャ122との間で伝達され得る。スリップリング802は、熱イメージャ122を、熱イメージャ122から遠隔に(即ち間隔を開けて)固定位置に位置し得るプロセッサ900(
図9)に通信的に結合し、熱イメージャ122への及び熱イメージャ122からのデータの転送を容易にし得る。プロセッサ900(
図9)は、温度に敏感な場合があり、プロセッサ900を遠隔に配置し、データをプロセッサ900に効果的に転送する能力により、プロセッサ900を一層保護するための特殊な耐熱構造又は冷却システムを組み込むことを回避し得る。
【0079】
1つ以上の実施形態では、スリップリング802の回転部分(例えば、
図8Aに内側リング804として示される)は、主タレット108に結合されて主タレット108とともに回転する、例えば電線管又はブラケットなどの支持体812によって支持され得る。スリップリング802の固定部品(例えば、
図8Aに外側リング806として示される)は、主タレット108とは別の固定された非回転面(図示せず)に取り付けられた固定支持体814に結合され得る。固定支持体814は、例えば、電線管、ブラケット又は他の支持構造体であり得る。加えて、1つ以上の実施形態では、スリップリング802の内側リング804は、1つ以上の流体導管818へのアクセスを提供する中心ボア816を有し得る。中心ボア816は、主タレット108の中心軸Aと位置揃えされたスリップリング802の回転軸でセンタリングされ得る。流体導管818は、内側リング804の中心ボア816を通過し、冷却流体又は他の流体を熱画像システム120又は主タレット108の他の部品に送達し得る。いくつかの実施形態では、スリップリング802は、流体導管818に対して自由に回転可能である(即ち、スリップリング802は、流体導管818に結合されていない)。
【0080】
図8Bを参照すると、別の実施形態では、熱画像システム120は、例えば、主タレット108に取り外し可能に結合され、主タレット108とともに回転する電池などの電源840を含み得る。電源840は、熱イメージャ122に電力を供給するために熱イメージャ122に電気的に結合可能であり得る。電源840は、電源840を交換及び/又は充電できるように主タレット108から取り外し可能であり得る。1つ以上の実施形態では、熱イメージャ122は、1つ以上の無線通信プロトコルを使用する1つ以上の無線通信デバイス842を介してプロセッサ900に通信的に結合され得る。無線通信デバイス842は、主タレット108に結合され、主タレット108とともに回転し得る。無線通信デバイス842は、熱イメージャ122に通信的に結合され得る。実施形態では、熱画像データは、1つ以上の無線通信デバイス及び/又はプロトコルを使用して熱イメージャ122とプロセッサ900との間で伝達され得る。
【0081】
再び
図8Aを参照すると、実施形態では、熱画像システム120は、熱イメージャ122を冷却するための冷却システム820も含み得る。冷却システム820は、冷却流体源822と、冷却流体源822と流体連通する流体回転継手824と、流体回転継手824と流体連通する流体導管818とを含み得る。冷却流体は、例えば、濾過空気、窒素若しくは他のガス又はガスの組合せなどの圧縮ガスであり得る。実施形態では、熱画像システム120の性能に不利に影響を及ぼし得る汚染物質を熱画像システム120に導入することを避けるために、冷却流体は、清浄ドライエア(即ち水分、微粒子、塵、油又は他の汚染物質を除去した空気)であり得る。代わりに、冷却流体は、窒素であり得る。実施形態では、冷却システム820は、調整器、水分除去機、微粒子フィルタ、コアレッシングフィルタ又はこれらの組合せの少なくとも1つを含み得る。冷却流体源822は、圧縮ガス貯蔵タンク、ガス圧縮機若しくは他の圧縮ガスシステム又は冷却流体源の組合せを含み得る。
【0082】
流体回転継手824は、冷却流体源822に流体的に結合された固定部分826と、固定部分826に回転自在に結合されており、且つ固定部分826に対して回転可能な回転部分828とを含む。流体回転継手824は、流体回転継手824の回転部分828が主タレット108の回転とともに回転することができるように、主タレット108の中心軸Aに平行な且つそれと位置揃えされた継手軸を含む。流体回転継手824の回転部分828は、流体回転継手824から熱イメージャ122に延びて熱イメージャ122に冷却流体を送達する流体導管818に流体的に結合され得る。
【0083】
冷却システム820は、流体導管818と流体連通して、熱画像システム120の一部に冷却流体を送達するように配置された1つ以上の冷却流体導管830を更に含み得る。1つ以上の実施形態では、冷却流体導管830の1つ以上は、熱イメージャ122に冷却流体を送達するように配置され得る。実施形態では、熱イメージャ122は、熱イメージャ122内の赤外線センサ一式の正確な動作を維持するために約50℃未満の温度に維持され得る。変換機100と一体化された燃焼ガスフード(図示せず)は、燃焼ガス及び加熱要素301(
図3A)によって発生した余剰熱を主タレット108の中心軸Aに向かって引き、変換機100から出すように動作し得る。したがって、熱イメージャ122は、一般に、加熱要素301(
図3A)からの熱の大半に曝されない。しかしながら、熱イメージャ122は、変換プロセスによるいくらかの熱に曝される場合があり、熱イメージャ122のセンサ一式及び電子機器の動作によって更なる熱を内部に発生させる可能性がある。熱イメージャ122に向けられる冷却流体は、熱イメージャ122の温度を50℃に又は50℃未満に維持するように動作し得る。いくつかの実施形態では、冷却システム820は、変換機100の冷却ステーション210(
図3E)から独立している。しかしながら、1つ以上の実施形態では、冷却ステーション210(
図3E)と冷却システム820とは、共通の冷却流体源822を共用し得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、熱画像システム120は、熱イメージャ122のレンズ506、ミラー124の反射面508又はこれらの両方をパージするためのクリーニングシステム832を含み得る。変換機100及び熱画像システム120の動作中、ミラー124又はレンズ506上に油が凝縮することなどにより油及び燃焼生成物が熱イメージャ122のレンズ506及びミラー124の反射面508上に堆積する場合があり、ミラー124の反射率を低下させ、赤外光が熱イメージャ122のレンズ506を通過することを妨げる可能性があるため、熱イメージャ122により収集された画像データに誤差及び不正確さが導入される。実施形態では、クリーニングシステム832は、レンズ506から油、塵及び他の汚染物質をパージするために熱イメージャ122のレンズ506に流体を送達するように配置された1つ以上のノズル834を含み得る。ノズル834は、流体源(図示せず)からノズル834に流体を送達する流体送達導管836に流体的に結合され得る。実施形態では、ノズル834の1つ以上は、反射面508から油、塵及び他の汚染物質をパージするためにミラー124の反射面508に流体を送達するように配置され得る。微粒子、塵、油又は他の汚染物質を含まない流体は、レンズ506及びミラー124の更なる汚染を回避するために、熱イメージャ122のレンズ506、ミラー124の反射面508又はこれらの両方をパージするために使用され得る。例えば、流体は、窒素、清浄空気、他のガス又はこれらの組合せであり得る。いくつかの実施形態では、冷却流体がノズル834に送達され、熱イメージャ122のレンズ506、ミラー124又はこれらの両方をクリーニングするための流体として使用されるように、クリーニングシステム832は冷却システム820に流体的に結合され得る。
【0085】
本明細書中に記載される熱画像システム120は、変換機100の副タレット114とともに使用するように適応させ得る。
図18A及び
図18Bを参照すると、副タレット114は、副タレット114に結合されており、且つ副タレット114とともに回転する熱画像システム120を含み得る。いくつかの実施形態では、熱画像システム120は、熱画像システム120が副タレット114の中央に配置されるように副タレット114のシャフト1806に結合され得る。前述のように、熱画像システム120は、熱イメージャ122及び取付装置126を含む。副タレット114に結合された熱画像システム120は、ガラス管102が副タレット114により副サーキット118の副処理ステーション112を通して割り出される際にガラス管102の内部表面146及び/又は外部表面140から熱画像データを捕捉し得る。
図18Aを参照すると、いくつかの実施形態では、熱イメージャ122は、熱イメージャ122の光学中心線OCが副タレット114の中心軸Bに略平行であるように副タレット114の中央に配置され、垂直に(即ち
図18Aの座標軸の+/-Z方向に)方向付けられ得る。この構成では、ミラー124は、ガラス管102の外部表面140及び/又は内部表面146から赤外光を反射するように配置され、方向付けられ得る。
図18Bを参照すると、他の実施形態では、熱イメージャ122は、熱イメージャ122がガラス管102の外部表面140から赤外光を直接受信するように、略水平に(即ち
図18Bの座標軸のXY平面内に)方向付けられ得る。これらの実施形態では、熱イメージャ122は、副タレット114の中心線Bから略径方向外側に面し得る。この向きでは、ガラス管102の外部表面140によって放出された赤外光は、ガラス管102から径方向内側に熱イメージャ122に直接移動し得る。本明細書に記載する、ガラス管102の内部表面146又は外部表面140から熱イメージャ122に赤外光を反射するための補助ミラー125(
図7E)、固定ミラー700(
図7B)又はミラー124、125、700の組合せを用いる実施形態を含む熱画像システム120の他の構成は、副タレット114に適応させ得る。
【0086】
図9を再び参照すると、熱画像システム120は、プロセッサ900と、プロセッサ900に通信的に結合された1つ以上のメモリモジュール902と、1つ以上のメモリモジュール902に記憶された機械可読命令とを含み得る。プロセッサ900は、データケーブル810(
図8)及び/又は標準的な無線通信プロトコルを用いる1つ以上の無線通信デバイス842(
図8B)を含み得る通信経路904を介して熱イメージャ122に通信的に結合され得る。適切な無線通信プロトコルとしては、802.11系のプロトコル、Bluetooth(登録商標)プロトコル、ZigBee IEEE 802標準プロトコル等が挙げられ得る。スリップリング802又は他の回転式電気結合器を通るデータケーブル810を使用した熱イメージャ122へのプロセッサ900の通信的結合を
図8Aに示す。データケーブル810は、電線、光ファイバデータケーブル又は他のデータケーブルであり得る。無線通信デバイス842を使用した熱イメージャ122へのプロセッサ900の通信的結合を
図8Bに示す。
【0087】
プロセッサ900は、熱イメージャ122により収集された画像データの自動解析を可能にし得る。メモリモジュール902に記憶された機械可読命令を実行することにより、プロセッサ900は、熱画像システム120に、熱イメージャ122によって捕捉された画像データを受信させ、画像データを処理させ、ガラス管102の少なくとも1つの特性を決定させ得る。熱画像データから決定されるガラス管102の特性としては、1つ以上の表面温度、温度勾配、ガラス管102の寸法(即ちガラス管の物理的境界の寸法)、様々な位置におけるガラス管102の粘度、時間に応じたガラス管の温度プロファイル、ガラス管の中心線、他の特性又はこれらの組合せが挙げられ得る。機械可読命令は、プロセッサ900によって実行されると、また熱画像システム120に、熱画像データ及び/若しくは熱画像データから決定されたガラス管102の特性を記憶させ得るか、又はデータ及び/若しくはガラス管102の特性を1つ以上のディスプレイ906上に表示させ得る。1つ以上の実施形態では、メモリモジュール902に記憶された機械可読命令は、1つ以上の画像解析ソフトウェアパッケージを含み得る。画像解析ソフトウェアパッケージの一例としては、例えば、National Instrumentsにより販売されているLabVIEW(商標)が挙げられ得る。市販されているか又は他に変更された他の商用画像解析ソフトウェアも熱画像システム120とともに使用し得る。
【0088】
機械可読命令は、プロセッサ900によって実行されると、熱画像システム120に、少なくとも以下:熱イメージャ122を使用してガラス管102の熱画像情報を捕捉すること、熱イメージャ122からプロセッサ900に熱画像情報を送信すること、熱イメージャ122からの熱画像情報をプロセッサ900で受信すること、熱画像情報を処理すること、及び熱画像情報からガラス管102の1つ以上の特性を決定することを実施させ得る。いくつかの実施形態では、機械可読命令は、プロセッサ900によって実行されると、熱画像システム120に、熱画像データからガラス管102の1つ以上の物理的境界を更に決定させ得る。いくつかの実施形態では、機械可読命令は更にプロセッサ900によって実行されると、熱画像システム120に、熱画像情報からガラス管102の中心線を特定すること、熱イメージャ122によって捕捉された熱画像上に中心線を引くこと、赤外線波長データを温度データに変換すること、ガラス管102の1つ以上の温度プロファイル及び/若しくは温度勾配を決定するために温度データをコンパイルすること、並びに/又は時間に応じたガラス管102の温度プロファイル(例えば、グラフプロット又はデータテーブル)を決定することの1つ以上を実施させ得る。いくつかの実施形態では、機械可読命令は、プロセッサ900によって実行されると、熱画像システム120に、ガラス管102の温度からガラス管102の特定の位置のガラスの粘度及びガラス管102の温度モデルに応じた粘度を計算させ得る。いくつかの実施形態では、熱画像システム120は、ガラス管102の厚さを通した粘度勾配を計算し得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、機械可読命令は、プロセッサ900によって実行されると、熱画像システム120に、処理された熱画像情報から少なくとも1つのメトリックを計算させ得る。少なくとも1つのメトリックは、少なくとも1つのメトリックから、例えば被制御変数などの少なくとも1つのプロセス制御変数又は例えばゲイン定数若しくは他のプロセス制御パラメータなどのプロセス制御パラメータを計算することができる制御アルゴリズムによって取得され得る。
【0090】
ミラー124を使用して熱イメージャ122に赤外光を反射させることによる熱画像の間接捕捉は、ミラー124を使用せずに取得された直接画像と比べてミラーによる誤差を導入する。熱画像情報の処理において、機械可読命令は、プロセッサ900によって実行されると、熱画像システム120に、熱画像情報に1つ以上の補正係数を適用させ、ミラー124によって導入された誤差を補正し得る。1つ以上の固定ミラー700(
図7)が熱画像システム120とともに使用される場合、機械可読命令は、プロセッサ900によって実行されると、熱画像システム120に、熱画像情報に複数の補正係数を適用させ得る。
【0091】
1つ以上の実施形態では、1つ以上のメモリモジュール902に記憶された機械可読命令は、プロセッサ900によって実行されると、熱画像システム120に、少なくとも以下:第1の処理ステーション106におけるガラス管102の第1の特性又は温度を決定すること、第1の処理ステーション106の下流に配置された第2の処理ステーション106におけるガラス管102の第2の特性又は温度を決定すること、第1の特性又は温度と第2の特性又は温度との間の差を計算すること、及び第1の特性又は温度と第2の特性又は温度との間の差を表す出力を送信することを実施させ得る。いくつかの実施形態では、第1の特性及び第2の特性は、ガラス管102又はガラス物品103の外部表面140(
図4)若しくは内部表面146(
図4)の特定の物理的場所若しくは領域において計測された温度(例えば、
図4に示される肩部142の外部表面140の温度)である。代わりに、他の実施形態では、第1の特性及び第2の特性は、ガラス管102の平均温度であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1の特性及び第2の特性は、ガラス管102の中心線の平均温度を意味し得る。加えて、第1の特性及び第2の特性は、ガラス管102又はガラス物品103のある領域にわたって取得された平均温度であり得る。第1の特性及び第2の特性は、ガラス管102又はガラス物品103の内部表面温度若しくは外部表面温度であり得る。
【0092】
1つ以上の実施形態では、機械可読命令は、プロセッサ900によって実行されると、熱画像システム120に、メモリモジュール902の1つ以上に熱画像データを記憶させ得る。1つ以上の実施形態では、機械可読命令は熱画像システム120に、機械の始動を容易にするための及び/又は変換機100を制御するための1つ以上のプロセス制御方法の設定点として使用するための、変換機100の動作パラメータのベースラインターゲット及び/又はメトリックを開発するために使用され得る、熱画像データ及び/又は熱画像データから決定されたガラス管の特性のデータベースを記憶及び維持させ得る。いくつかの実施形態では、機械可読命令は、プロセッサ900によって実行されると、熱画像システム120に、更なる解析及び研究のために特定の部品の熱履歴にアクセス可能であり得るように、特定のガラス物品からのデータを1つ以上のメモリモジュール902に記憶させ、特定のガラス物品からのデータを部品識別に従って索引付けさせ得る。
【0093】
ミラー124により発生する通常の誤差は、熱イメージャ122によって捕捉された画像データに導入され得る。1つ以上の実施形態では、機械可読命令は、プロセッサ900によって実行されると、熱画像システム120に、1つ以上のデータフィルタを熱画像データに適用させ得る。1つ以上の実施形態では、機械可読命令は、プロセッサ900によって実行されると、熱画像システム120に、熱イメージャ122から目標サンプリング速度で熱画像データを受信させ得る。目標サンプリング速度は、熱画像システム120の全体捕捉速度に影響を及ぼすように変更し得る。
【0094】
更に
図9を参照すると、熱画像システム120は、プロセッサ900に通信的に結合されたディスプレイ906を更に含み得る。メモリモジュール902は、プロセッサ900によって実行されると、熱画像システム120に、1つ以上の出力(例えば、熱画像、グラフプロット及び/又は熱画像からのガラス管温度データを含むデータテーブル)をディスプレイ906上に表示させる機械可読命令を含み得る。出力は、
図10に示されるような、時間に応じた特定の位置におけるガラス管102の表面温度のグラフ又は
図11A~
図11Dに示されるようなガラス管102の熱画像などの1つ以上のグラフィカル出力であり得る。ディスプレイ906への出力は、グラフ図よりもむしろ熱画像システム120により生成された温度データの数値的表現を提供する1つ以上のデータテーブルも含み得る。
【0095】
図7及び
図9を参照すると、動作時、熱イメージャ122は、主タレット108のホルダ130内に取り外し可能に固定されたガラス管102から熱画像データを捕捉するように配置されている。ガラス管102が複数の処理ステーション106を通して割り出されるにつれて、ガラス管102は、加熱及び冷却される。高温まで加熱されると、ガラス管102の1つ以上の外部表面140又は内部表面146(
図4)は、ガラス管102から径方向、軸方向又は他の方向に外側に赤外放射を放出する。この赤外光は、ミラー124の反射面508(
図6)により熱イメージャ122のレンズ506(
図6)に向かって反射させ得る。代わりに、熱イメージャ122は、ガラス管102から放出された赤外光をミラー124なしで直接捕捉するように配置され得る。熱イメージャ122は、複数のセンサを使用して赤外光を捕捉し、熱イメージャ122により受信された赤外光の波長及び強度を含む熱画像データを出力する。
図9に示すように、熱イメージャ122により出力された熱画像データは、有線又は無線であり得る通信経路904を介して熱イメージャ122からプロセッサ900に転送される。プロセッサ900は、熱画像データを受信し、熱画像データを処理し、熱画像データの処理により決定されたガラス管102の1つ以上の属性(例えば、温度)を出力する。
【0096】
1つ以上の実施形態では、熱画像システム120は、加熱ステーション202(
図2)における滞在時間の始め若しくは終わり、成形ステーション204(
図2)における成形操作の滞在時間の始め若しくは終わり又は変換プロセスにおける他の段階など、変換プロセスの特定の段階又は処理ステーション106にあるガラス管102の熱画像データを捕捉するように構成され得る。熱画像データは、滞在時間の始め、滞在時間の中頃、滞在時間の終わりにおいて又はガラス管102が主タレット108により1つの処理ステーション106と次の処理ステーション106との間で割り出されている間に捕捉され得る。
【0097】
代わりに、他の実施形態では、熱画像システム120は、ガラス管102の熱画像データを変換プロセスの全体にわたり設定された時間間隔で捕捉するように構成され得る。上述のように、熱イメージャ122は、30Hz~60Hzの範囲内の画像捕捉速度を有し得る。熱画像システム120の全体捕捉速度は、熱画像システム120が出力データセットを生成する速度と定義することができ、熱イメージャ122の捕捉速度並びに熱画像データをプロセッサ900に転送するため、熱画像データを処理するため及び熱画像データをメモリモジュール902、ディスプレイ906、プロセスコントローラ又は他のデバイスに出力するために必要な時間を含み得る。熱画像システム120の最小全体捕捉速度は、熱画像システム120が熱画像データを捕捉、転送、処理及び出力することが可能な最速速度である。熱画像システム120の最小全体捕捉速度は、概ね約10Hz以上であり得る。他の実施形態では、熱画像システム120の最小全体捕捉速度は、少なくとも20Hzであり得る。例えば、熱画像システム120の最小全体捕捉速度は、10Hz~50Hz、10Hz~40Hz、10Hz~30Hz、10Hz~20Hz、20Hz~50Hz、20Hz~40Hz、20Hz~30Hz、30Hz~50Hz又は30Hz~40Hzであり得る。熱画像システム120の少なくとも10Hzの最小全体捕捉速度は、変換プロセスの特定の段階中に生成される非常に高い温度勾配を捕捉することを容易にし得る。1つ以上の実施形態では、熱画像システム120の全体捕捉速度を増加させるために1つ以上のデータフィルタを用い得る。1つ以上の実施形態では、熱画像システム120の全体捕捉速度を変更するためにサンプリング速度を調整し得る。
【0098】
図11A~
図11Dを参照すると、イメージャによって捕捉された熱画像が提供されている。ガラス管102上でより高温の領域は、明るい色として示され、より低温の領域は、より暗い色として示される。
図11Aは、ガラス管102を分離する前にガラス管102が加熱される予熱工程を示す。
図11Bでは、ガラス管102がガラス管ストックから切断及び分離される。ガラス管102の2つの部分間の非常に明るい色の領域により示されるように、分離ステーション206におけるガラス管の切断部1102の領域は、非常に高温である。実施形態では、切断部1102の領域のガラス管102の温度は、1500℃以上の温度に達し得る。色のコントラストは、切断部1102の領域からガラス管102の反対端1104への高い温度勾配を示す。
図11C及び
図11Dは、バイアルに造形されるガラス管102の肩部142及びフランジ144の成形操作中に捕捉された熱画像を示す。同じく、成形領域(例えば、肩部142及びフランジ144)のより明るい色と、ガラス管102の反対端1104に向かうより暗い色との間の変化する色のコントラストは、ガラス管102の長さLに沿った高い温度勾配を示す。
【0099】
変換機100における変換プロセスの全体にわたるガラス管102の温度履歴を生成するための温度データは、
図11A~
図11Dのものに類似する一連の画像から抽出され得る。熱画像内に捕捉される赤外光の波長は、捕捉された特定の波長の赤外光を放出するガラス管102の温度に相関する。
図10に、熱画像システム120によって捕捉された、変換機100により処理されたガラス管102の表面の温度履歴の一例が示される。
図10は、ガラス管102の表面の第1の部分で決定されたガラス管102の第1の温度1002を示す。加えて、熱画像システム120は、物品の異なる領域、例えばフランジ144及びネック145の成形中の一部成形済みのガラス管102のフランジ144(
図3A)及びネック145(
図3A)領域の温度情報を抽出するためにも使用され得る。
図10では、第2の温度1004は、ガラス管102の表面の第2の部分で決定され、第3の温度1006は、ガラス管102の表面の第3の部分で決定されたものである。いくつかの実施形態では、第2の温度1004及び第3の温度1006は、それぞれフランジ144及びネック145に対応するガラス管102の部分で決定され得る。
【0100】
管部品変換機100での操作経験は、変換プロセスが非常にインタラクティブ(変換機100の1つの処理ステーション106におけるわずかな温度変化が変換機100全体にわたるガラス温度及び成形プロセスに等しく影響を及ぼし得るという意味)であることを示す。熱画像システム120は、1つの処理ステーション106における温度変化の、下流での成形操作に対する影響を観測及び調査することができるように、全ての処理ステーション106を通した1つのガラス管102の温度及び各処理ステーション106で実施される操作の監視を可能にする。熱画像システム120は、主タレット108が処理ステーション106間において割り出す際に主タレット108ともに移動するため、熱画像システム120は、処理ステーション106間におけるガラス管102の熱画像を捕捉し、処理ステーション106間におけるガラス管102の冷却の影響を調査することも可能である。
【0101】
図7A~
図7Gを再び参照すると、前述のように、熱画像システム120は、ガラス管102の外部表面140の熱画像データを取得するように構成され得る。加えて、熱画像システム120は、ガラス管102の1つ以上の内部表面146(
図4)の熱画像データ、したがって表面温度データを取得するように構成され得る。内部表面146の表面温度を測定する能力は、ガラス管102の厚さT(
図4)を通した数百℃(即ち200℃~300℃又はこれを超える)の温度勾配が測定される部品変換プロセスを特徴付けるのに有用であり得る。加えて、1つ以上の実施形態では、ガラス管102の内部表面146の温度の測定は、品質欠陥に至る温度範囲の特定を容易にし得る。例えば、バイアルを作製するための変換機100の成形ステーション204において行われるフランジ成形操作中、特定の内部表面温度において、フランジ144(
図3D)の内部表面146に小さい亀裂が発生する可能性がある。変換プロセスに亀裂を防ぐための変更を施すことができるように、ガラス管102の内部表面温度の測定を使用し、亀裂に至るこれらの内部表面温度を特定し得る。
【0102】
複数のミラー経路は、ガラス管102の内部表面146(
図4)の熱画像データを取得するように構成され得る。前述のように、複数の固定ミラー700を用いて、熱画像システム120を、ガラス管102の端面観察像(end view)の熱画像を取得するように構成し得る。ガラス管102の開放端部の端面観察像により、熱画像システム120がガラス管102の内部表面146の温度などのガラス管102の1つ以上の内部温度を決定することを可能にし得る。ガラス管102の開放端部の端面観察像を捕捉するために、1つ以上の固定独立熱画像デバイス(図示せず)が変換機100の処理ステーション106の1つ以上の真下に取り付けられ得る。固定熱画像デバイスの光学中心線は、ガラス管102の端面観察像を捕捉するためにガラス管102の中心線C
Lと位置揃えされ得る。複数の処理ステーション106の下に複数の個別の熱画像デバイスを取り付けることは、高額であり且つコストが極端に高くなる可能性がある。別の構成では、固定画像デバイス(図示せず)が処理ステーション106から径方向外側の位置に取り付けられ得、固定ミラー700は、ガラス管102の端面観察画像を熱画像デバイスのレンズ(図示せず)に反射させるために処理ステーション106の下に取り付けられ得る。この構成では、異なる処理ステーション106において、ガラス管102の内部表面146の熱データを捕捉するために複数の熱画像デバイスが必要である。
【0103】
代わりに、1つ以上の実施形態では、本明細書で前述した、主タレット108に結合されている熱画像システム120は、それぞれが複数の処理ステーション106の1つの下に配置され得る1つ以上の固定ミラー700とともに使用され得る。
図7に示すように、ミラー124は、ガラス管102の外部表面140から径方向外側に放出された赤外光を熱イメージャ122のレンズ506に向かって反射するように配置され得、固定ミラー700は、ガラス管102の内部表面146から熱イメージャ122のレンズ506に向かって軸方向下方に(即ちガラス管102の中心線C
Lに平行な方向に且つ基部104の方に方向付けられる)放出された赤外光を反射するように配置され得る。熱イメージャ122が主タレット108により割り出されて固定ミラー700と位置揃え(例えば、角度アライメント)されると、ミラー124及び固定ミラー700は、両方とも赤外光を熱イメージャ122のレンズ506に反射させ得、熱イメージャ122がガラス管102の外部表面140及び内部表面146の熱画像を同時に捕捉することを可能にする。
図12は、ミラー124及び固定ミラー700を有する熱画像システム120により取得された熱画像を示す。
図9の熱画像は、外部表面140の熱データ及び内部表面146の熱データを同時に捕捉した単一熱画像を示す。単一熱画像は、熱画像システム120が1つ以上の外部表面温度及び1つ以上の内部温度を単一熱画像データセットから決定することを可能にし得る。ミラー124と固定ミラー700との組合せを用いて記載しているが、ガラス管102の内部表面146から放出された赤外光の捕捉は、本開示で前述したように、ガラス管102の外部表面140及び内部表面146の両方からの赤外光を熱イメージャ122に向かって反射するようにミラー124を配置することにより、又はガラス管の内部表面146からの赤外光を熱イメージャ122に向かって反射するように補助ミラー125を取付装置126に結合することにより実施され得る。
【0104】
熱画像システム120を、主タレット108の中心軸Aが地面に対して略垂直である垂直に方向付けられた変換機100に関して説明してきたが、熱画像システム120は、水平に方向付けられた変換機又は角度を成した変換機とともに使用するようにも適応され得ることを理解されたい。熱画像システム120はまた、ガラス管102を処理ステーション106の略円形主サーキット116において割り出すための略円形の主タレット108を有する変換機100に関して本明細書で説明してきたが、熱画像システム120は、複数の処理ステーション106を通してガラス管102を割り出す任意の非円形連続ループ又は軌道を有する変換機100とともに使用され得ることを理解されたい。処理ステーション106は、任意の便利なパターンでレイアウトし得る。前述のように、熱画像システム120は、バイアル変換機100及びカートリッジ、アンプル、シリンジ又は他のガラス物品などの他の物品をガラス管102から製造するための変換機とともに使用され得ることも理解されたい。
【0105】
本開示で記載される熱画像システム120は、変換機100の基礎的な理解及びガラスを中心とした特性決定及びそれにより実施される変換プロセスを構築するためのプロセス計測、数学モデル及び実験の開発を補助し得る。熱画像システム120の使用を通して変換プロセスのより良い理解を発展させることで、変換機100のセットアップ、ツーリング、プロセス構成を導くための、技術及び経験並びに変換プラットフォーム間を問題なく移動する能力への依存度が低下する。熱画像システム120は、プロセスウィンドウ及びプロセス限界の定量的マッピングも可能にする。熱画像システム120は、熱画像の自動解析並びにガラス管102及び/又はガラス管102から作製された物品の中心線CLの位置特定を可能にする。加えて、熱画像システム120は、別のガラス配合を組み込むように変換機100及び変換プロセスをより簡単に適応させることを可能にする。
【0106】
熱画像システム120は、変換機100を制御するための制御システムに組み込まれ得るプロセス温度測定値も提供する。特定の処理ステーション106において、処理ステーション106を通して割り出されるガラス管102の表面温度の測定値は、ガラス管102の表面温度の顕著な短期的及び長期的変動を示す。ガラス管102の表面温度の短期的変動(これは、1つの個別の部品と次の個別の部品との変動である)は、ガラス管102ストックの長さLに沿った管直径W(
図4)及び壁厚T(
図4)などの管寸法のばらつきをもたらす、管延伸プロセスにおける製造公差に起因し得る。管毎の質量変動は、+/-2.5パーセント(%)~+/-5%であり得る。ガラス管変換機100の加熱要素301(
図3A)は、ガラス管102の特定領域を加熱するために配置されている。したがって、ガラス管102毎のこれらの製造のばらつきから生じ得るその特定領域におけるガラスの質量の変化は、ガラス管102の表面温度の対応するばらつきを直接的にもたらす。機械のタイミングの不確実性及びばらつきなどの他の要因も表面温度の短期的ばらつきの一因となり得るが、ガラス管102ストックの製造の変動性がこれら短期的変動性に最も顕著に寄与する。従来の変換機械は、ガラス管102の表面温度のこれら短期的ばらつきを補償するためのシステムを有しない。
【0107】
ガラス管102の表面温度の長期的変動性(即ちサイクル毎、分及び/又は時間で測定)は、変換プロセスの熱状態にばらつきを引き起こすいくつかの要因に起因し得る。ガラス表面温度の長期的変動性の原因となる可能性がある状態としては、変換機100が室温条件から定常動作条件に温度を上昇させる際の機械の加熱が挙げられ得る。加熱プロセスは、2時間~12時間かかる場合がある。表面温度の長期的変動は、燃料の発熱量の変化(天然ガス供給業者から受け取った燃料ガスの組成のばらつき)、バーナ302の劣化、マニホールド圧力(即ち燃料ガス、空気、酸素)の変化、室温条件、排気フード流量のばらつき、他の要因及び/又は要因の組合せからも生じる場合がある。従来の変換機械システムは、表面温度のこれらの長期的ばらつきに対応するために手動で調整しなければならない。
【0108】
図13を参照すると、表面温度の短期的ばらつき及び長期的ばらつきの両方を補償して、変換機100のより一定且つ効率的な動作を提供するためのシステム及び方法を提供し得るガラス管変換機100の制御システム1300が開示される。制御システム1300は、変換機100と、熱画像システム120と、コントローラ1302とを含む。
【0109】
変換機100は、本明細書で前述した変換機100の特徴のいずれを有し得る。前述のように、1つ以上の加熱ステーション202は、ガラス管102の加熱量を変化させ、したがってガラス管102の温度を変化させるように操作され得る加熱要素301を含み得る。例えば、実施形態では、加熱要素301は、燃料制御弁310と、酸素制御弁312と、任意選択的に燃焼空気制御弁314と(これらは、全てバーナ302により生成される炎の熱を変化させるように、したがってガラス管102が加熱ステーション202を通して割り出される際にガラス管102の温度を変化させるように操作され得る)を有するバーナ302であり得る。代わりに、他の実施形態では、加熱要素301は、例えば、炭酸ガスレーザなどのレーザであり得る。レーザの電源入力、レーザに対するガラス管102の曝露時間又はこの両方は、ガラス管102の加熱の程度を変化させるように、したがってガラス管102の温度を変化させるように操作され得る。
図3Eを参照すると、前述のように、変換機100は、1つ以上の冷却ステーション210も有し得、1つ以上の冷却ステーション210は、冷却ステーション210を通して割り出されるガラス管102の温度にも影響を及ぼし得る冷却流体342の質量流量を制御するための1つ以上の冷却流体制御弁344を含み得る。
【0110】
熱画像システム120は、制御システム1300が使用するための1つ以上のプロセス変数を測定し、決定するために使用し得る。熱画像システム120は、主タレット108に結合されて主タレット108とともに回転する熱画像システム120に関して本明細書に記載される特徴のいずれを有し得る。前述のように、熱画像システム120は、少なくとも1つの熱イメージャ122と、熱イメージャ122に通信的に結合されたプロセッサ900と、熱イメージャ122によって捕捉された熱画像データを受信し、処理するための機械可読命令を有する1つ以上のメモリモジュール902とを含む。熱画像システム120は、ガラス管102から熱イメージャ122に赤外光を反射するように配置された少なくとも1つのミラー124も含み得る。いくつかの実施形態では、1つのプロセッサは、制御システム1300のコントローラ1300と熱画像システム120のプロセッサ900との両方としての役割を果たし得る。熱画像システム120は、熱イメージャ122が、固定ミラー700から反射された光を受信するための所定位置に割り出されると、ガラス管102の内部表面146(
図4)によって放出された赤外光を熱イメージャ122に反射するように1つ以上の処理ステーション106の垂直下方に配置された1つ以上の固定ミラー700(
図7)も有し得る。1つ以上の実施形態では、複数の熱イメージャ122は、複数の処理ステーション106又は副処理ステーション112のプロセス変数を同時に測定するために主タレット108に結合され得る。
【0111】
熱画像システム120は、変換機100及び変換プロセスを制御するために制御システム1300により使用され得る1つ以上のプロセス変数を出力し得る。代わりに、熱画像システム120は、1つ以上のプロセス変数をコントローラ1302による検索のためにメモリモジュール902に保存し得る。1つ以上の実施形態では、熱画像システム120によって決定されるプロセス変数は、ガラス管102の外部表面140上の1つ以上の箇所及び変換プロセスの1つ以上の段階のガラス管102の外部表面140の1つ以上の温度を含み得る。実施形態では、熱画像システム120によって決定されるプロセス変数は、ガラス管102の内部表面146上の1つ以上の箇所及び変換プロセスの1つ以上の段階のガラス管102の内部表面146(
図4)の1つ以上の温度を含み得る。実施形態では、プロセス変数は、中心線ピークガラス温度(即ちガラス管102の中心線C
Lに沿ったガラス管102の最高温度)であり得る。他の実施形態では、プロセス変数は、ガラス管102の1つ以上の領域におけるガラス管102の1つ以上の寸法、ガラス管102の1つ以上の領域におけるガラス管102の粘度、時間に応じたガラス管102の温度プロファイル、ガラス管102の他の特性又はこれらの組合せでもあり得る。
【0112】
制御システム130は、変換機100の他のプロセス変数を受信し得る。例えば、制御システム130は、ガラス管102の寸法又は外径、内径及び/若しくは厚さなどの他の物理的属性に関する情報を受信し得る。ガラス管102の寸法又は他のプロセス変数は外部ソースから又は変換機100及び/若しくは制御システム1300に組み込まれた他の測定システムから制御システム130によって受信され得る。
図13を参照すると、いくつかの実施形態では、制御システム1300は、ガラス管102の直径W及び厚さTを測定し、直径W、厚さT及びガラスの密度からガラス管102の単位長あたりのガラス質量を決定するための寸法決定システム1310を含み得る。直径W、厚さT又はガラス管102の単位長あたりのガラス質量のいずれか1つが制御システム1300によりプロセス変数として使用され得る。
【0113】
寸法決定システム1310は、視覚画像システム、レーザ反射率計、レーザゲージ、他の測定デバイス又はこれらの組合せの少なくとも1つを含み得る。代わりに、寸法決定システム1310は、ガラス管102の一方の側にある光源から放出されたコリメートされた光のビームを含むマイクロメータなどの光学マイクロメータと、ガラス管の反対側に配置された例えばカメラ又は光センサなどの受光器とを含み得る。
図13に示されるように、いくつかの実施形態では、寸法決定システム1310は、ガラス管102の視覚画像を捕捉するように構成された視覚画像デバイスを有する視覚画像システム1312を含み得る。いくつかの実施形態では、視覚画像システム1312の視覚画像デバイスは、固定され得、1つの処理ステーション106上で集束され得る。実施形態では、視覚画像システム1312は、変換機100の基部104に結合され得る。実施形態では、視覚画像システム1312は、主サーキット116(
図2)内の最後の成形ステーション204(
図2)の直後の処理ステーション106においてガラス管102の視覚画像を捕捉するように配置され得る。代わりに、他の実施形態では、視覚画像システム1312は、変換機100の最初の成形ステーション204の前に位置する処理ステーション106に配置され得る。更に別の実施形態では、視覚画像システム1312は、ガラス管102がホルダ130に装填される前のガラス管102の視覚画像を捕捉するように配置され得る。視覚画像システム1312から取得された視覚画像は、ガラス管102の外径Wを得るために使用され得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、寸法決定システム1310は、変換機100の基部104に対して固定位置に取り付けられたレーザ反射率計1314を更に含み得る。レーザ反射率計1314は、1つの処理ステーション106におけるガラス管102の厚さT(即ち壁厚)を測定するように方向付けられ得る。1つ以上の実施形態では、レーザ反射率計1314は、同じ処理ステーション106に視覚画像システム1312として配置され得る。代わりに、レーザ反射率計1314は、視覚画像システム1312が向けられている処理ステーション106と異なる処理ステーション106に配置され得る。いくつかの実施形態では、視覚画像システム1312は、ガラス管102の端面観察画像などのガラス管102の視覚画像(この画像からガラス管の外径W及び内径を決定することができる)を捕捉するように配置され、方向付けられ得る。したがって、視覚画像システム1312は、ガラス管102の外径及び内径を用いて、ガラス管102の厚さT及び単位長あたりの質量を決定し得る。寸法決定システム1310は、視覚画像システム1312、レーザ反射率計1314又はこれらの両方を有するものとして本明細書中に記載されているが、ガラス管102の寸法及び単位長あたりの質量を決定するための他の寸法測定デバイスが寸法決定システム1310に組み込まれ得ると考えられる。
【0115】
別の実施形態では、ガラス管ストックを変換機100に供給する前にガラス管ストックの寸法を測定するために、視覚画像システム1312、レーザ反射率計又は他の寸法決めデバイスなど、寸法決定システム1310の1つ以上の要素が変換機100の処理ステーション106の上流に配置され得る。例えば、ガラス管102を変換機100に装填する前にガラス管102の寸法を測定するために、寸法決定システム1310は、例えば、ガラス管装填タレット110(
図1)又はガラス管装填アーム(図示せず)などの管装填装置に配置され得る。
【0116】
寸法決定システム1310は、1つ以上の寸法決定メモリモジュール1318を有する寸法決定プロセッサ1316を更に含み得、1つ以上の寸法決定メモリモジュール1318は、寸法決定プロセッサ1316によって実行されると、寸法決定システム1310に、少なくとも1つの寸法決定デバイスから測定データを受信させ、測定データを処理させ、測定データからガラス管の直径W及び厚さTを決定させる機械可読命令を有する。例えば、いくつかの実施形態では、機械可読命令は、寸法決定プロセッサ1316によって実行されると、寸法決定システム1310に、視覚画像システム1312から視覚画像データを受信させ、レーザ反射率計1314から厚さ情報を受信させ、視覚画像データを処理させ、ガラス管102の直径Wを決定させ、レーザ反射率計1314からの厚さ情報を処理させ、ガラス管102の厚さTを決定させ得る。代わりに、他の実施形態では、機械可読命令は、寸法決定プロセッサ1316によって実行されると、寸法決定システム1310に、視覚画像システム1312から視覚画像データを受信させ、ガラス管102の外径Wを決定させ、厚さを決定させ、厚さT及び外径Wからガラス管102の単位長あたりの質量を決定させ得る。機械可読命令は、前述の画像処理プログラムなどの市販の視覚画像処理ソフトウェアを含み得る。機械可読命令は、寸法決定プロセッサ1316によって実行されると、寸法決定システム1310に、ガラス管102の厚さT及び直径Wを記憶及び/又は出力させ得る。実施形態では、機械可読命令は、寸法決定プロセッサ1316によって実行されると、寸法決定システム1310に、ガラス管102の測定された直径W及び厚さTからガラス管102の単位長あたりのガラスの質量(即ちガラス管102の単位長あたりの質量)を決定させ得る。寸法決定システム1310は、ガラス管の単位長あたりの質量を1つ以上の寸法決定メモリモジュール1318に記憶し得るか、又はガラス管102の単位長あたりの質量を出力し得る。
【0117】
実施形態では、制御システム1300は、寸法決定システム1310によって決定された厚さTと熱画像システム120によって決定された、例えばガラス管102の外部表面140及び内部表面146の温度などの表面温度とから、ガラス管102の厚さTを通した温度勾配を決定し得る。温度勾配は、1つ以上の制御方法においてプロセス変数として使用され得る。いくつかの実施形態では、制御システム130は、熱イメージャ122からの温度情報と、寸法決定システム1310によって決定されたガラス管102の厚さTとから、ガラス管102の厚さTを通したガラスの粘度勾配を決定し得る。いくつかの実施形態では、粘度勾配は、プロセス変数として使用され得る。プロセス変数は、タレットの割出し時間も含み得る。
【0118】
図13を更に参照すると、制御システム1300のコントローラ1302は、制御プロセッサ1304と、機械可読命令が記憶された1つ以上の制御メモリモジュール1306とを含み得、機械可読命令は、制御プロセッサ1304によって実行されると、制御システム1300に変換機100を制御するための1つ以上の制御方法を実施させる。この制御方法は、本明細書中に更に記載される。コントローラ1302は、熱画像システム120、寸法決定システム1310又は他のセンサの1つ以上に通信的に結合された複数の入力を有し得る。コントローラ1302は、1つ以上の制御デバイスに通信的に結合された複数の出力を有し得、1つ以上の制御デバイスは、燃料制御弁310、酸素制御弁312、空気制御弁314、冷却流体制御弁344(
図3E)、成形ツールアクチュエータ326(
図3D)又は1つ以上の加熱ステーション202、成形ステーション204、冷却ステーション210若しくは他の処理ステーション106と関連付けられた他の制御デバイスの1つ以上を含み得る。実施形態では、コントローラ1302は、比例積分微分(PID)コントローラであり得る。
【0119】
1つ以上の制御メモリモジュール1306に記憶された機械可読命令は、制御プロセッサ1304によって実行されると、制御システム1300に、例えば温度、粘度、寸法、温度勾配、粘度勾配、他の特性又はガラス管102の特性の組合せなどのプロセス変数を熱画像システム120から受信させ、プロセス変数をメモリに記憶された設定点と比較させ、プロセス変数と設定点との比較に基づいて制御変数を決定させ、制御変数を表す制御信号を1つ以上の制御デバイスに送信させ得る。実施形態では、コントローラ1302は、ガラス管102の直径W、厚さT及び/又は単位長あたりのガラス質量などの1つ以上のプロセス変数を寸法決定システム1310から受信し得る。1つ以上の実施形態では、機械可読命令は、制御プロセッサ1304によって実行されると、コントローラ1302に、熱画像システム120、寸法決定システム1310又は他のセンサ若しくはセンサシステムからプロセス変数を取得させ得る。
【0120】
プロセス変数の設定点は、変換機100の動作中に収集されたプロセス変数測定値の履歴のデータベースから決定され得る。実施形態では、データベースは、許容製造条件を表すプロセス変数測定値及び動作条件を含み得る。実施形態では、データベースは、変換機100の典型的な変動を特徴付ける、収集した代表的なサイクルに合致するプロセス変数測定値及び動作条件のデータセットを含み得る。データベース中のプロセス変数測定値を使用して、1つ以上のプロセス変数の設定点を作成し得る。プロセス変数測定値の変動は、熱均一性を最大化し、変換機100の過制御を回避するための例えば1つ以上のゲイン定数などの制御パラメータを定義するためにデータベースから決定され得る。実施形態では、設定点は、例えば、少なくとも3分、少なくとも30分、少なくとも60分、少なくとも3時間、少なくとも10時間又は更に少なくとも3日の時間などの特定の時間にわたって取得されたプロセス変数のローリング平均として算出され得る。
【0121】
ここで、
図14を参照すると、温度フィードバック制御方法1400の一実施形態が概略的に示される。変換機100のプロセス変数1402が測定され、コントローラ1302に送信される。コントローラ1302の制御プロセッサ1304は、プロセス変数1402を設定点1404と比較し、設定点1404とプロセス変数1402との間の差であり得る誤差1406を計算する。制御プロセッサ1304は、その後、1つ以上の制御変数1408を計算し、制御変数1408を表す1つ以上の制御信号を変換機100、特に変換機100の制御デバイス1410に返送し得る。実施形態では、プロセス変数1402は、熱画像システム120によって測定されたガラス管102の1つ以上の温度であり得る。いくつかの実施形態では、ガラス管102の温度は、加熱ステーション202(
図3A)と関連付けられた1つ以上の制御デバイス1410を制御し、加熱ステーション202におけるガラス管102の加熱を制御するためにコントローラ1302により使用され得る。制御プロセッサ1304は、制御変数1408を、1つ以上の比例、積分又は微分計算手法を用いて計算し得る。制御変数1408の計算は、ゲイン定数1409を制御変数1408に適用し、制御変数1408の変化に対する変換プロセスの感度を調整することを含み得る。特に、いくつかの実施形態では、制御変数1408は、誤差1406にゲイン定数1409を乗じることにより決定され得る。代わりに、制御プロセッサ1304は、例えば、熱伝達モデリングなどのモデリング、システムレベル制御方法又は制御変数1408を決定するための他の制御戦略を組み込み得る。
【0122】
熱画像システム120によって測定される温度は、サイクル終了時温度、滞在終了時温度(即ち処理ステーション106における操作終了時の、主タレット108がガラス管102を次の処理ステーション106に割り出す直前のガラス管102の温度)、滞在開始温度(即ち処理ステーション106における滞在時間開始時のガラス管102の温度)又はガラス管102の任意の位置及び変換プロセスの任意の段階におけるガラス管102の任意の他の温度など、変換プロセスの特定段階においてガラス管102の特定の位置で取得されるガラス管102の1つの温度であり得る。いくつかの実施形態では、熱画像システム120によって測定される温度は、サイクル終了時中心線最高温度及び/又は任意の処理ステーション106における中心線最高温度であり得る。プロセス変数1402は、ガラス管102の外部表面140(
図4)の温度又はガラス管102の内部表面146(
図4)の温度を含み得る。いくつかの実施形態では、プロセス変数1402は、例えば、ガラス管102の中心線の平均温度などの1つ以上の平均温度を含み得る。
【0123】
いくつかの実施形態では、プロセス変数1402は、熱画像システム120によって測定されたガラス管102の任意の2つの温度の間の差であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、プロセス変数1402は、加熱ステーション202又は成形ステーション204などの処理ステーション106(
図1)における滞在時間の始めのガラス管102の中心線温度と、同じ処理ステーション106における滞在時間の終わりのガラス管102の中心線温度との間の差であり得る。いくつかの実施形態では、プロセス変数1402は、ガラス管102のサイクル終了時温度(即ち変換プロセスの最後の処理ステーションの終了時に測定されたガラス管102の温度)と、ガラス管102のサイクル開始時温度(即ち変換プロセスの第1の処理ステーションで測定されたガラス管102の温度)との間の差であり得る。プロセス変数1402は、変換プロセスの異なる段階の同じホルダ位置136(
図2)にあるガラス管102の温度間の差であり得る。代わりに、プロセス変数1402は、変換プロセスの同じ段階におけるガラス管102の1つの位置の温度とガラス管102の第2の位置の温度との間の差を含み得る。例えば、プロセス変数1402は、同じ処理ステーション106におけるガラス管102の外部表面140(
図4)の温度とガラス管102の内部表面146(
図4)の温度との間の差を含み得る。プロセス変数1402は、ガラス管102の厚さTを通した温度勾配など、ガラス管102の2つの位置間の温度勾配を表し得る。プロセス変数1402は、熱画像データから決定されるガラス管102の物理的寸法でもあり得る。プロセス変数は、ガラス管102の粘度又はガラス管102の厚さTを通した粘度勾配でもあり得る。プロセス変数1402は、本明細書中に記載されるガラス管102の任意の他のプロセス変数又は特性であり得る。
【0124】
プロセス変数1402(例えば、ガラス管の温度)は、コントローラ1302の1つ以上の制御メモリモジュール1306に記憶され得る設定点1404と比較され得る。設定点1404は、制御メモリモジュール1306において、プロセス変数1402測定値及び前述の動作条件のデータベース内の動作条件の継続的な蓄積から観測された変化に基づいて定期的に更新され得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、制御変数1408は、1つ以上の加熱ステーション202(
図3A)での加熱要素301(
図3A)によるガラス管102の加熱に影響を及ぼす1つ以上の変数を含み得る。例えば、実施形態では、制御変数1408は、変換機100の1つ以上の加熱ステーション202の1つ以上のバーナ302(
図3A)のための燃料制御弁310(
図3A)、酸素制御弁312(
図3A)及び空気制御弁314(
図3A)の1つ以上の位置を含み得る。1つ以上の加熱ステーション202の燃料制御弁310、酸素制御弁312及び/又は任意の空気制御弁314をコントローラ1302の出力に通信的に結合することで、コントローラ1302が、酸素及び/又は空気の流量の比例的変化によってバーナ302(
図3)の1つ以上への燃料ガスの質量流量を操作することにより加熱ステーション202を制御することを可能にする。
【0126】
いくつかの実施形態では、酸素及び/又は空気の質量流量と燃料ガスの質量流量との比率は、燃料ガスの質量流量を調節すると、対応する酸素及び/又は空気の質量流量が変化するように固定され且つ一定であり得る。これらの実施形態では、コントローラ1302は、燃料制御弁310、酸素制御弁312及び/又は空気制御弁314を操作し、バーナに送られる燃料ガスの一定の化学量論的比率を維持するように構成され得る。例えば、空気及び純酸素の両方がバーナに供給される実施形態では、化学量論を維持するために、空気の流量と純酸素の流量との比率も維持しなければならない。バーナ燃焼が空気及び酸素の場合のように複数の流れによって供給される場合、空気及び純酸素両方の質量流量を一定比率に維持し、空気及び酸素の流れを合わせた総酸素濃度を指す、バーナ302における酸化剤の濃度を一定に維持する。したがって、バーナ302に燃料ガス、純酸素ガス及び空気が供給される実施形態では、燃料ガスの酸化の化学量論は、燃料ガス流量と純酸素流量との比率を維持することにより、且つ空気流量と純酸素流量との比率を維持することにより維持される。動作時、コントローラ1302は、燃料制御弁310に制御信号を送信し、バーナ302への燃料ガスの質量流量を変更し得る。化学量論を維持するために、コントローラ1302はまた、純酸素流量及び空気流量の対応する変更を行い、空気流量と純酸素流量との一定比率及び燃料ガス流量と純酸素流量との一定比率を維持する。バーナ302に送られる燃料ガスの一定の化学量論的比率を維持することで、燃料流量の増加に応じたバーナ302の加熱レベルを保持し、制御変数1408の変更に対する温度制御応答の予測可能性を高めることができる。
【0127】
代わりに、他の実施形態では、燃料ガスの質量流量及び酸素及び/又は空気の質量流量は、酸素及び/又は空気と燃料ガスとの比率がコントローラ1302からの制御信号に応答して調節され得るように互いに独立して調節され得る。例えば、加熱ステーション202においてバーナ302に導入される燃料ガスと酸化剤との比率の調節は、加熱ステーション202において行われる加熱の量を調節するために使用され得、したがってガラス管102の温度に影響を及ぼし得る。いくつかの実施形態では、燃料制御弁310は、加熱ステーション202における加熱を制御するために制御され得、酸素制御弁312及び/又は空気制御弁314は、加熱ステーション202のバーナ302における燃料ガスと酸素との一定の化学量論的比率を維持するために制御され得る。加えて、複数のバーナ302を有する加熱ステーション202において、各バーナ302間の燃料ガスの質量流量の割合は、1つのバーナ302の燃料ガスの質量流量の変化が他のバーナ302の燃料ガスの質量流量の比例的変化をもたらすように固定され得る。実施形態では、各バーナ302は、コントローラ1302によって独立制御され得る。別の実施形態では、加熱ステーション202は、1つ以上のレーザ加熱要素を含み得、制御変数1408は、レーザへの電力出力又はレーザ光に対するガラス管102の曝露時間であり得る。
【0128】
ゲイン定数1409は、個々の処理ステーション106(
図1)で一連のバンプテストを実施することによって決定され得る。一般に、バンプテストとは、1つ以上の制御変数1408に小さい段階的な変化を施し、プロセス変数1402を測定し、制御変数1408の小さい段階的な変化に対するプロセス変数1402の応答を決定するプロセスを指す。例えば、燃料ガス及び/又は酸素の質量流量は非常に小さい増分で変化させ得、燃料及び/又は酸素の質量流量の変化に対する変換機100の熱応答性は、熱画像システム120を使用して測定され得る。ガラス変換機100では、加熱ステーション202(
図2)は、非常に高度に結合されているため、バンプテストは、各加熱ステーション202に対して個々に、燃料及び酸素の質量流量に対する変化を非常に小さく維持した状態で行われ得る。
【0129】
図14に示されるフィードバック制御方法1400は、主タレット108(
図1)の2~3回の全回転の期間にわたって平均化されたガラス管102の一定表面温度を維持するように動作し得る。
図14のフィードバック制御方法1400を通して一定表面温度を維持するように制御システム1300を構成することで、前述の表面温度の長期的な変動源の影響を低減又は排除し得る。
【0130】
しかしながら、フィードバック制御方法1400は、前述のようなガラス管102の単位長あたりのガラス質量のばらつきに起因するものなどの短期的ばらつきを効果的に低減又は排除しない場合がある。例えば、N個の処理ステーション106及び単一熱イメージャ122を備える熱画像システム120を有する変換機100では、熱イメージャ122は、1つのガラス管102のプロセス変数1402(即ち温度)を、このガラス管102がN個の処理ステーション106を通して割り出される際に測定し得る。したがって、1つのガラス管102の温度に基づく制御変数1408の調整は、熱イメージャ122が巡り戻ってプロセス変数1402を再び測定するまで次の(N-1)ガラス管102を通して維持される。したがって、(N-1)ガラス管102に関する動作条件は、熱イメージャ122のサイクル間で一定に維持される。36個以上のステーションなどの18個を超える処理ステーション106を有するより大きい変換機100では、N個のガラス管102につき1つのガラス管102のプロセス変数1402の1つの測定に応答する変換機100の制御は、プロセスにおける短期的変動に対応しない場合がある。加えて、(N-1)ガラス管102の寸法及び/又は質量は、異なる場合があり、熱イメージャ122のサイクル間のプロセスにより多くの変動を導入する可能性がある。いくつかの実施形態では、熱画像システム120は、ホルダ位置の周囲に配分された複数の熱イメージャ122を含み得る。複数の熱イメージャ122を組み込むことで、プロセス変数1402の測定頻度を増加することができ、変換機100の制御を向上させることができる。
【0131】
代わりに、ガラス管102の単位長あたりのガラス質量のばらつきなどの短期的ばらつきに対応するために、
図15に概略的に示される方法などのカスケード制御方法1500が制御システム1300(
図13)で実施され得る。カスケード制御方法1500では、熱イメージャ122のサイクル間において、少なくとも(N-1)ガラス管102に対する第2のプロセス変数1516が外部ソースから測定又は提供され得る。カスケード制御方法1500は、ガラス管の質量及び/又は寸法のばらつきなどの短期的ばらつきを管毎に補償する能力を提供する。したがって、カスケード制御方法1500は、視覚画像システム120により温度が測定されないホルダ位置における温度変化を制御システム1300が補償することを可能にし得る。カスケード制御方法1500は、処理ステーション106を通して熱イメージャ122のサイクル毎に1回の、熱画像システム120によるプロセス変数の測定に依存し得るフィードバック制御方法1400に比べて向上及び/又は強化された変換機100のプロセス制御を提供することができる。
【0132】
図15を参照すると、第1のフィードバックループ1502において、変換プロセスの第1のプロセス変数1506が測定され、コントローラ1302に送信される。コントローラ1302は、第1のプロセス変数1506を第1のプロセス変数1506と関連付けられた第1の設定点1508と比較し、第1の設定点1508と第1のプロセス変数1506との間の差であり得る第1の誤差1510を計算する。その後、コントローラ1302は、中間制御変数(図示せず)を計算し、中間制御変数を、第1のゲイン定数1514を適用することにより調整し得る。第2のフィードバックループ1504において、変換機100の第2のプロセス変数1516が測定され、コントローラ1302に送信される。コントローラ1302は、第2のプロセス変数1516を第2のプロセス変数1516と関連付けられた第2の設定点1518と比較し、バイアス(即ち第2の誤差、図示せず)を計算する。その後、コントローラ1302は、第1のフィードバックループ1502においてコントローラ1302により決定された制御変数1512を、このバイアス及び第2のゲイン定数1522を使用して調整し、制御変数1512を生成し得る。その後、コントローラ1302は、制御変数1512を表す1つ以上の制御信号を変換機100の1つ以上の制御デバイス1410に送信し得る。
【0133】
実施形態では、第1のプロセス変数1506は、熱画像システム120によって測定されたガラス管102の1つ以上の温度であり得、第2のプロセス変数1516は、寸法決定システム1310によって測定された例えばガラス管102の直径、厚さ又は単位長あたりのガラス質量などのガラス管102の物理的寸法であり得る。ガラス管102の温度及びガラス管102の物理的寸法は、コントローラ1302により、カスケード制御方法1500において、加熱ステーション202(
図3A)の1つ以上における加熱を制御するために使用され得る。ガラス管102の温度である第1のプロセス変数1506を有する第1のフィードバックループ1502は、前述の表面温度の長期的な変動源の影響を低減又は排除するために、制御システム1300が変換機100をサイクル毎に制御することを可能にし得る。ガラス管102の物理的寸法である第2のプロセス変数1516を有する第2のフィードバックループ1504は、本明細書で前述したガラス管102の寸法の変動などの表面温度の短期的な変動源の影響を低減又は排除するために、制御システム1300が変換機100をガラス管毎に制御することを可能にし得る。
【0134】
1つ以上の実施形態では、カスケード制御方法1500の第1のフィードバックループ1502は、
図14に示され、且つそれに関連して前述したフィードバックループと同じであり得る。同様に、第1のプロセス変数1506、第1の設定点1508、第1のゲイン定数1514及び制御変数1512は、
図14に関連して上述したプロセス変数1402、設定点1404、ゲイン定数1409及び制御変数1408と同様であり得る。
【0135】
再び
図15を参照すると、ガラス管102の物理的属性であり得る第2のプロセス変数1516が寸法決定システム1310(
図13)によって測定及び/又は計算され得る。第2のプロセス変数1516(例えば、直径、厚さ又はガラス管の長さあたりのガラス質量)は、コントローラ1302の1つ以上の制御メモリモジュール1306に記憶され得る第2の設定点1518と比較され得る。実施形態では、第2の設定点1518は、単位長あたりの名目管質量であり得る。第2の設定点1518は、制御メモリモジュール1306において、データベース内のプロセス変数測定値及び動作条件の継続的な蓄積から観測された変化に基づいて定期的に更新され得る。処理される各ガラス管102に関するバイアス(図示せず)が計算され得、制御変数1512が管毎に調整され得る。バイアスは、ガラス管102の単位長あたりの質量及びガラス管102の温度プロファイルに関連する数学モデルを使用して計算され得る。数学モデルは、熱伝達モデルを含み得るか、又は熱画像システム120によって記憶された熱データ履歴から実験的に決定され得る。
【0136】
前述したように、制御変数1512は、変換機100の1つ以上の加熱ステーション202の燃料制御弁310(
図3A)、酸素制御弁312(
図3A)及び/又は空気制御弁314(
図3A)の1つ以上の位置を含み得る。
【0137】
再度
図13を参照すると、本明細書に記載するように、熱画像システム120は、変換機100を通して1つのガラス管102に追従するため、熱画像システム120に対応する主タレット108上の固定位置138において、制御システム1300は、フルカスケードモード(即ち
図15に示されるカスケード制御方法1500に従う)で動作する。しかしながら、熱画像システム120の固定位置138に対応しないホルダ位置136のガラス管102では、制御システム1300は、加熱ステーション202がガラス管102の物理的属性(例えば、ガラス管102の直径、厚さ又は単位長あたりのガラス質量)であり得る第2のプロセス変数1516(
図15)に基づいて制御される単一ループフィードバック制御方法として動作し得る。熱画像システム120の固定位置138間のホルダ位置136について、加熱流量は、ガラス管の物理的属性に基づいて継続的に変更される。前述のように、1つ以上の実施形態では、2つ以上の熱画像システム120が変換機100の主タレット108に結合され、主タレット108上の2つの固定位置138における第1のプロセス変数1506の測定を行い得、第1のプロセス変数1506の測定をサイクル毎に1回を超える頻度で可能にする。
【0138】
図16を参照すると、寸法決定システム1310によって測定されたガラス管102の単位長あたりのガラス質量の変化に応答した加熱ステーション202(
図3A)の1つ以上の加熱要素301(
図3A)のガラス毎の制御に基づく単一ループフィードバック制御方法1600の一実施形態が示される。
図16の実施形態では、プロセス変数1602は、ガラス管102の直径、厚さ又は単位長あたりのガラス質量などのガラス管102の物理的属性であり得る。プロセス変数1602は、ガラス管102の呼び径、呼び厚又は単位長あたりの名目ガラス質量であり得る設定点1604と比較され得る。プロセス変数1602と設定点1604との間の差であり得る誤差1606及びゲイン定数1609を使用して、1つ以上の加熱ステーション202のバーナ302(
図3)への燃料、酸素及び/又は空気の質量流量を一緒に制御する燃料制御弁310、酸素制御弁312及び/又は空気制御弁314の1つ以上の位置であり得る制御変数1608を決定し得る。
図16の単一ループフィードバック制御方法1600は、熱画像システム120が配置されるホルダ130である、固定位置138ではないホルダ位置136にあるガラス管102に対する制御システム1300(
図13)の動作を示し得る。固定位置138において、制御システム1300は、前述のように及び
図15に示されるようにフルカスケードモードで動作する。
【0139】
いくつかの実施形態では、
図14~
図16に示される制御方法のいずれにおいても、制御変数1408、1512、1608は、1つ以上の冷却ステーション210(
図3E)への冷却流体342の質量流量(
図3E)を制御する冷却流体制御弁344の位置であり得る。これらの実施形態では、冷却ステーション210のための冷却流体制御弁344(
図3E)は、制御システム1300に通信的に結合され得る。加えて、実施形態では、制御変数1408、1512、1608は、変換機100の主タレット108の割出し時間も含み得る。
【0140】
実施形態では、フィードバック制御方法1400(
図14)又はカスケード制御方法1500(
図15)を使用して、成形ステーション204(
図3C~
図3D)における成形ツール324(
図3C~
図3D)とガラス管102との接触時間を制御し得る。接触時間は、熱画像システム120を使用して測定したガラス管102の温度又は寸法決定システム1310(
図13)によって測定され得るガラス管102の直径、厚さ若しくは単位長あたりのガラス質量などのガラス管102の物理的属性などのプロセス変数1402、1506に応答して、制御変数1408、1512として制御され得る。成形ツール324とガラス管102との接触時間は、プロセス変数1402、1506に応答して増加又は減少され得る。
【0141】
1つ以上の実施形態では、制御変数1408は、接触時間であり得る。測定された表面温度が目標表面温度に到達すると、コントローラ1302は、接触時間を、成形ツール324が最初にガラス管102に係合するときから開始し、測定される表面温度が目標表面温度に到達する時間に終了する期間に設定し得る。主タレット108が、ガラス管102を、成形ステーション204を通して割り出す際、コントローラ1302は、熱画像システム120が成形ステーション204の所定位置に巡り戻ってプロセス変数1402を再び測定するまで、制御変数1408をコントローラ1302によって決定された接触時間に等しく維持する。これらの実施形態では、接触時間は、サイクル毎に変化し得、接触時間に対する表面温度の長期的な変動源の影響を低減又は排除するのに有効であり得る。
【0142】
1つ以上の実施形態では、
図15に示し、本開示で上述したカスケード制御方法1500は、成形ツール324とガラス管102との接触時間を、ガラス管102の表面温度のみならずガラス管102の物理的属性に基づいて制御するように適合させ得る。これらの実施形態では、第1のプロセス変数1506は、熱画像システム120によって測定されたガラス管102の表面温度であり得る。第2のプロセス変数1516は、寸法決定システム1310によって決定されたガラス管102の単位長あたりのガラス質量であり得る。制御変数1512は、接触時間であり得る。接触時間(制御変数1512)は、熱画像システム120によって提供される測定された表面温度(第1のプロセス変数1506)と、制御メモリモジュール1306に記憶された目標表面温度(第1の設定点1508)との比較に基づき、あるサイクルに対して初めに設定される。その後、接触時間は、寸法決定システム1310によって測定された単位面積あたりのガラス質量(第2のプロセス変数1516)と、目標の単位面積あたりのガラス質量(第2の設定点1518)との比較に基づき、ガラス管毎に更に調整され得る。カスケード制御方法1500を実装することで、制御システム1300が、ガラス管102の寸法の変動など、ガラス管温度における短期的な変動源の影響を低減及び/又は排除することを更に可能にし得る。
【0143】
前述に基づき、ここで、本明細書中に記載される実施形態は、ガラス管102から複数のガラス物品を製造するための変換機100と一緒に使用するための熱画像システム120及び制御システム1300に関することを理解されたい。本明細書中に記載される熱画像システム120及び制御システム1300は、ガラス管変換機100の熱条件を微調整する際のオペレータの経験及び技術に対する既存の変換機の依存度を変更するか又は最小限にするために実装され得る。熱画像システム120及び変換機制御システム1300は、経験の要件を最小限にし、新たな部品作製者が高品質且つ安定的な製造に到達するための学習曲線を短縮することができる。熱画像システム120及び制御システム1300は、新製品の製造又は異なるガラス組成物の導入のためのより迅速なプロセス調整も可能にすることができる。制御システム1300は、製造業者が変換機100の歩留り及び処理能力を最大化することも可能にすることができる。
【0144】
本開示は、ハードウェア及び/又はソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)で具現化され得る。本明細書で前述したように、熱画像システム120及び/又は制御システム1300は、少なくとも1つのプロセッサ及びコンピュータ可読媒体(即ちメモリモジュール)を含み得る。コンピュータ使用可能若しくはコンピュータ可読媒体又はメモリモジュールは、命令実行システム、装置若しくはデバイスにより使用されるか、又はこれらとともに使用するプログラムを含むか、記憶するか、通信するか、伝播するか、又は運搬することができる任意の媒体であり得る。
【0145】
コンピュータ使用可能若しくはコンピュータ可読媒体又はメモリモジュールは、例えば、電子、磁気、光学、電磁、赤外線若しくは半導体システム、装置、デバイス又は伝播媒体であり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(非網羅的リスト)としては、以下が挙げられる:1つ以上の電線を有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー及びポータブルコンパクトディスク読出し専用メモリ(CD-ROM)。プログラムは、例えば、紙又は他の媒体の光学走査によって電子的に捕捉することができ、その後、必要に応じて、適切な手法でコンパイル、解釈又は他に処理され、その後、コンピュータメモリに記憶され得るため、コンピュータ使用可能又はコンピュータ可読媒体は、更に、プログラムが印刷された紙又は別の適切な媒体であり得ることに留意されたい。
【0146】
本開示の操作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、開発の利便性のために、C又はC++などの高水準プログラミング言語で記述され得る。加えて、本開示の操作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、インタプリタ型言語などであるが、これに限定されない他のプログラミング言語でも記述され得る。いくつかのモジュール又はルーチンは、性能及び/又はメモリ使用量を向上させるためにアセンブラ言語又は更にマイクロコードで記述され得る。しかしながら、本開示のソフトウェア実施形態は、特定のプログラミング言語の実装に依存しない。プログラムモジュールの一部又は全部の機能も、ディスクリートハードウェアコンポーネント、1つ以上の特定用途用集積回路(ASIC)又はプログラムされたデジタルシグナルプロセッサ若しくはマイクロコントローラを使用して実装され得ることが更に認識されるであろう。
【0147】
熱画像システム120の様々な実施形態並びにガラス管変換機100の調査、始動、最適化及び制御のために熱画像システム120を使用する技法を本明細書中で説明してきたが、これら実施形態及び技法は、それぞれ別々に又は1つ以上の実施形態及び技法と併せて使用され得ると考えられることを理解されたい。
【0148】
当業者には、特許請求される主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく本明細書中に記載される実施形態に対する様々な改良形態及び変更形態がなされ得ることは明らかであろう。したがって、本明細書は、本明細書中に記載される様々な実施形態の改良形態及び変更形態を、そのような改良形態及び変更形態が添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内にあることを前提として包含することを意図する。
【0149】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0150】
実施形態1
ガラス管からガラス物品を製造するためのシステムにおいて、
変換機であって、
サーキット内に間隔を開けて配置された複数の処理ステーションを有する基部と、
前記基部に対して移動可能なタレットであって、前記タレットから前記複数の処理ステーションに向かって延びる複数のホルダを有し、前記複数のホルダは、互いに間隔を開けて配置されており、前記タレットは、前記複数のホルダのそれぞれを割り出して、前記複数の処理ステーションのそれぞれと連続して近接させるように動作可能である、タレットと
を含む変換機と、
前記タレットとともに移動するために前記タレットに結合された熱イメージャを含む熱画像システムであって、前記熱イメージャは、前記複数のホルダの1つに配置された前記ガラス管から放出された赤外光を捕捉するように配置されている、熱画像システムと
を含むことを特徴とするシステム。
【0151】
実施形態2
前記熱イメージャは、前記ガラス管の外部表面によって放出された赤外光を直接受信するように配置されていることを特徴とする実施形態1に記載のシステム。
【0152】
実施形態3
前記熱画像システムは、前記ガラス管の内部表面から放出された赤外光を前記熱イメージャに反射するように方向付けられた少なくとも1つのミラーを更に含むことを特徴とする実施形態1又は2に記載のシステム。
【0153】
実施形態4
前記少なくとも1つのミラーは、前記基部に結合されており、且つ前記ガラス管の内部表面から放出された赤外光を前記熱イメージャに反射するように方向付けられた固定ミラーを含むことを特徴とする実施形態3に記載のシステム。
【0154】
実施形態5
前記熱イメージャに結合されており、且つ前記ガラス管から前記熱イメージャに赤外光を反射するように方向付けられたミラーを更に含むことを特徴とする実施形態1に記載のシステム。
【0155】
実施形態6
前記ミラーの反射面は、800ナノメートル~20マイクロメートルの波長を有する光に対して96%以上の反射率を有することを特徴とする実施形態5に記載のシステム。
【0156】
実施形態7
前記ミラーの前記反射面は、金コーティングを含むことを特徴とする実施形態6に記載のシステム。
【0157】
実施形態8
前記ミラーは、金コーティングを有する石英基板を含むことを特徴とする実施形態6又は7に記載のシステム。
【0158】
実施形態9
前記ミラーは、前記ガラス管の外部表面から放出された赤外光を前記熱イメージャに反射するように方向付けられていることを特徴とする実施形態5~8のいずれか一項に記載のシステム。
【0159】
実施形態10
前記ミラーは、前記ガラス管の内部表面から放出された赤外光を前記熱イメージャに反射するように方向付けられていることを特徴とする実施形態5~8のいずれか一項に記載のシステム。
【0160】
実施形態11
前記熱イメージャに結合された少なくとも1つの補助ミラーを更に含み、前記ミラーは、前記ガラス管の外部表面から放出された赤外光を前記熱イメージャに反射するように方向付けられており、及び前記補助ミラーは、前記ガラス管の内部表面から放出された赤外光を前記熱イメージャに反射するように方向付けられていることを特徴とする実施形態1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【0161】
実施形態12
前記複数の処理ステーションの1つの垂直下方に配置された少なくとも1つの固定ミラーを更に含み、前記固定ミラーは、前記熱イメージャが前記タレットによって前記複数の処理ステーションの前記1つの所定位置に割り出されると、前記ガラス管の内部表面から放出された赤外光を前記熱イメージャに反射するように配置されていることを特徴とする実施形態1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【0162】
実施形態13
前記熱イメージャは、4マイクロメートル~14マイクロメートルの波長を有する赤外光を受信するように構成された赤外線カメラであることを特徴とする実施形態1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【0163】
実施形態14
前記熱イメージャは、5マイクロメートル~14マイクロメートルの波長を有する赤外光を受信するように構成された赤外線カメラであることを特徴とする実施形態1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【0164】
実施形態15
主タレット及び副タレットを含むことを特徴とする実施形態1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【0165】
実施形態16
前記熱イメージャは、前記主タレットとともに回転するために前記主タレットに結合されていることを特徴とする実施形態15に記載のシステム。
【0166】
実施形態17
前記熱画像システムは、複数の熱イメージャを含むことを特徴とする実施形態1~16のいずれか一項に記載のシステム。
【0167】
実施形態18
前記タレットの上方に配置されており、且つ前記タレットの中心軸と位置揃えされたスリップリング軸を有するスリップリングを更に含み、前記スリップリングは、前記熱イメージャを電源に電気的に結合することを特徴とする実施形態1~17のいずれか一項に記載のシステム。
【0168】
実施形態19
前記スリップリングは、前記熱イメージャをプロセッサに動作的に結合することを特徴とする実施形態18に記載のシステム。
【0169】
実施形態20
前記スリップリングの内側リングは、中心ボアを含むことを特徴とする実施形態18又は19に記載のシステム。
【0170】
実施形態21
前記タレットとともに回転するために前記タレットに結合された電源を更に含み、前記電源は、前記熱イメージャに電気的に結合されて、前記熱イメージャに電力を供給することを特徴とする実施形態1~20のいずれか一項に記載のシステム。
【0171】
実施形態22
前記タレットに結合された無線通信デバイスを更に含み、前記無線通信デバイスは、前記熱イメージャをプロセッサに通信的に結合することを特徴とする実施形態1~21のいずれか一項に記載のシステム。
【0172】
実施形態23
冷却流体供給部と、
前記冷却流体供給部に流体的に結合されており、且つ前記タレットの前記中心軸と位置揃えされた継手軸を有する回転継手と、
前記回転継手から前記熱画像システムまで延びる供給導管と
を含む冷却システムを更に含むことを特徴とする実施形態1~22のいずれか一項に記載のシステム。
【0173】
実施形態24
前記熱イメージャのレンズに流体を送達するように配置された少なくとも1つのノズルを含むクリーニングシステムを更に含むことを特徴とする実施形態1~23のいずれか一項に記載のシステム。
【0174】
実施形態25
前記熱画像システムは、前記熱イメージャに結合されており、且つ前記複数のホルダの1つに配置されたガラス管から前記熱イメージャに赤外光を反射するように方向付けられたミラーを更に含み、前記冷却システムは、前記ミラーの反射面に流体を送達するように配置された少なくとも1つのノズルを更に含むことを特徴とする実施形態23に記載のシステム。
【0175】
実施形態26
前記熱イメージャに通信的に結合された少なくとも1つのプロセッサと、
前記プロセッサに通信的に結合された少なくとも1つのメモリモジュールと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記熱画像システムに、少なくとも以下:
前記熱イメージャから熱画像情報を受け取ること、
前記熱画像情報を処理すること、及び
前記熱画像情報からガラス管の特性を決定すること
を実施させる、前記少なくとも1つのメモリモジュールに記憶された機械可読命令と
を更に含むことを特徴とする実施形態1~25のいずれか一項に記載のシステム。
【0176】
実施形態27
前記特性は、前記ガラス管の温度、前記ガラス管の厚さを通した温度勾配、前記ガラス管の粘度、前記ガラス管の前記厚さを通した粘度勾配、前記ガラス管の寸法、前記ガラス管の温度プロファイル、時間に応じた前記ガラス管の温度プロファイル、前記ガラス管の中心線の少なくとも1つ又はこれらの組合せを含むことを特徴とする実施形態26に記載のシステム。
【0177】
実施形態28
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記熱画像システムに前記熱画像情報から前記ガラス管の温度を決定させる、前記少なくとも1つのメモリモジュールに記憶された機械可読命令を更に含むことを特徴とする実施形態26又は27に記載のシステム。
【0178】
実施形態29
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記熱画像システムに前記熱画像情報から前記ガラス管の粘度を決定させる、前記少なくとも1つのメモリモジュールに記憶された機械可読命令を更に含むことを特徴とする実施形態26~28のいずれか一項に記載のシステム。
【0179】
実施形態30
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記熱画像システムに前記熱画像情報から前記ガラス管の寸法を決定させる、前記少なくとも1つのメモリモジュールに記憶された機械可読命令を更に含むことを特徴とする実施形態26~29のいずれか一項に記載のシステム。
【0180】
実施形態31
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記熱画像システムに、少なくとも以下:
第1の処理ステーションにおける前記ガラス管の第1の特性を決定すること、
前記第1の処理ステーションの下流に配置された第2の処理ステーションにおける前記ガラス管の第2の特性を決定すること、
前記第1の特性と前記第2の特性との間の差を計算すること、及び
前記第1の特性と前記第2の特性との間の前記差を表す出力を送信すること
を実施させる、前記少なくとも1つのメモリモジュールに記憶された機械可読命令を更に含むことを特徴とする実施形態26~30のいずれか一項に記載のシステム。
【0181】
実施形態32
前記プロセッサは、制御デバイスに通信的に結合されており、前記システムは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記熱画像システムに、少なくとも以下:
前記ガラス管の前記特性を設定点の特性と比較すること、
前記ガラス管の前記特性と前記設定点の特性との比較から制御変数を決定すること、及び
前記制御変数を表す制御信号を前記制御デバイスに送信すること
を実施させる、前記少なくとも1つのメモリモジュールに記憶された機械可読命令を更に含むことを特徴とする実施形態26~31のいずれか一項に記載のシステム。
【0182】
実施形態33
前記複数の処理ステーションの少なくとも1つは、少なくとも1つの加熱要素を有する加熱ステーションを含み、及び前記制御デバイスは、前記加熱要素による前記ガラス管の加熱を操作するために前記加熱要素に動作的に結合されていることを特徴とする実施形態32に記載のシステム。
【0183】
実施形態34
前記加熱要素は、バーナを含み、及び前記制御デバイスは、燃料制御弁、酸素制御弁又は空気制御弁の1つ以上であることを特徴とする実施形態33に記載のシステム。
【0184】
実施形態35
前記制御変数は、燃料ガス、酸素又は空気の1つ以上の質量流量であることを特徴とする実施形態34に記載のシステム。
【0185】
実施形態36
前記制御変数は、前記燃料制御弁、前記酸素制御弁又は前記空気制御弁の1つ以上の位置であることを特徴とする実施形態34に記載のシステム。
【0186】
実施形態37
前記処理ステーションの少なくとも1つは、少なくとも1つの冷却流体制御弁を有する冷却ステーションを含み、前記制御デバイスは、前記冷却流体制御弁であることを特徴とする実施形態32に記載のシステム。
【0187】
実施形態38
前記処理ステーションの少なくとも1つは、少なくとも1つの成形ツールを並進させて前記ガラス管と取り外し可能に係合させる1つ以上のアクチュエータを有する成形ステーションを含み、前記制御デバイスは、前記1つ以上のアクチュエータを含むことを特徴とする実施形態32に記載のシステム。
【0188】
実施形態39
前記制御変数は、前記成形ステーション内における前記少なくとも1つの成形ツールと前記ガラス管との接触時間であることを特徴とする実施形態38に記載のシステム。
【0189】
実施形態40
寸法決定システムを更に含むことを特徴とする実施形態32~39のいずれか一項に記載のシステム。
【0190】
実施形態41
前記寸法決定システムは、視覚画像システム、レーザ反射率計、レーザゲージ又は光学マイクロメータの少なくとも1つを含むことを特徴とする実施形態40に記載のシステム。
【0191】
実施形態42
前記寸法決定システムは、前記変換機の上流の前記ガラス管の測定データを捕捉するように配置されていることを特徴とする実施形態40又は41に記載のシステム。
【0192】
実施形態43
前記寸法決定システムは、前記複数の処理ステーションの1つにおける前記ガラス管の測定データを捕捉するように配置されていることを特徴とする実施形態40~42のいずれか一項に記載のシステム。
【0193】
実施形態44
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記寸法決定システムに、少なくとも以下:
前記複数の処理ステーションの前記1つにおける前記ガラス管の測定データを捕捉すること、
前記ガラス管の前記測定データを処理すること、及び
前記ガラス管の前記測定データから前記ガラス管の物理的属性を決定すること
を実施させる、前記少なくとも1つのメモリモジュールに記憶された機械可読命令を更に含むことを特徴とする実施形態43に記載のシステム。
【0194】
実施形態45
前記物理的属性は、前記ガラス管の直径、厚さ又は単位長あたりのガラス質量の1つ以上であることを特徴とする実施形態44に記載のシステム。
【0195】
実施形態46
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記システムに、少なくとも以下:
前記寸法決定システムから前記ガラス管の前記物理的属性を受信すること、及び
前記物理的属性及び前記特性から前記ガラス管の厚さにわたる特性勾配を決定すること
を実施させる、前記少なくとも1つのメモリモジュールに記憶された機械可読命令を更に含むことを特徴とする実施形態44又は45に記載のシステム。
【0196】
実施形態47
前記特性勾配は、温度勾配又は粘度勾配であることを特徴とする実施形態46に記載のシステム。
【0197】
実施形態48
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記システムに、少なくとも以下:
前記ガラス管の前記物理的属性を設定点の物理的属性と比較すること、及び
前記ガラス管の前記物理的属性と前記設定点の物理的属性との比較から前記制御変数の調整値を決定すること
を実施させる、前記少なくとも1つのメモリモジュールに記憶された機械可読命令を更に含むことを特徴とする実施形態43~47のいずれか一項に記載のシステム。
【0198】
実施形態49
ガラス管変換機を制御するための方法において、
前記ガラス管変換機のタレットに取り外し可能に結合されるガラス管を、前記ガラス管変換機の複数の処理ステーションを通して割り出す工程であって、前記複数の処理ステーションの少なくとも1つは、制御デバイスを含む、工程と、
前記ガラス管変換機の前記タレットに結合された熱画像システムを使用して前記ガラス管の熱画像を捕捉する工程であって、前記熱画像システムは、前記ガラス管から赤外光を捕捉するように方向付けられた少なくとも熱イメージャを含む、工程と、
前記熱画像を処理する工程と、
前記熱画像から前記ガラス管の特性を決定する工程と、
前記ガラス管の前記特性を設定点と比較する工程と、
前記ガラス管の前記特性と前記設定点との比較から制御変数を決定する工程と、
前記制御変数を表す制御信号を制御デバイスに送信する工程と
を含むことを特徴とする方法。
【0199】
実施形態50
前記複数の処理ステーションの前記少なくとも1つは、少なくとも1つの加熱要素を有する加熱ステーションを含み、及び前記制御デバイスは、前記加熱要素に動作的に結合されていることを特徴とする実施形態49に記載の方法。
【0200】
実施形態51
前記加熱要素は、バーナであり、及び前記制御デバイスは、燃料制御弁、酸素制御弁又は空気制御弁の1つ以上であり、前記制御変数は、燃料ガス、酸素又は空気の1つ以上の質量流量であることを特徴とする実施形態50に記載の方法。
【0201】
実施形態52
前記加熱要素は、バーナであり、及び前記制御デバイスは、燃料制御弁、酸素制御弁又は空気制御弁の1つ以上であり、前記制御変数は、前記燃料制御弁、前記酸素制御弁又は前記空気制御弁の1つ以上の位置であることを特徴とする実施形態50に記載の方法。
【0202】
実施形態53
前記加熱要素は、バーナであり、及び前記制御デバイスは、燃料制御弁、酸素制御弁又は空気制御弁の1つ以上であり、前記方法は、前記バーナに導入される燃料と、空気、酸素又は空気及び酸素との一定の化学量論的比率を維持する工程を更に含むことを特徴とする実施形態50~52のいずれか一項に記載の方法。
【0203】
実施形態54
前記処理ステーションの前記少なくとも1つは、少なくとも1つの冷却流体制御弁を有する冷却ステーションを含み、前記制御デバイスは、前記冷却流体制御弁であることを特徴とする実施形態49に記載の方法。
【0204】
実施形態55
前記処理ステーションの前記少なくとも1つは、少なくとも1つの成形ツールを並進させて前記ガラス管と取り外し可能に係合させる1つ以上のアクチュエータを有する成形ステーションを含み、前記制御デバイスは、前記1つ以上のアクチュエータを含むことを特徴とする実施形態49に記載の方法。
【0205】
実施形態56
前記制御変数は、前記成形ステーション内における前記少なくとも1つの成形ツールと前記ガラス管との接触時間であることを特徴とする実施形態55に記載の方法。
【0206】
実施形態57
前記変換機は、前記複数の処理ステーションの1つにおける前記ガラス管の測定データを捕捉するように配置されている、視覚画像デバイス、レーザ反射率計、レーザゲージ又は光学マイクロメータの少なくとも1つを含む寸法決定システムを含むことを特徴とする実施形態49~56のいずれか一項に記載の方法。
【0207】
実施形態58
前記複数の処理ステーションの前記1つにおける前記ガラス管の測定データを捕捉する工程と、
前記ガラス管の前記測定データを処理する工程と、
前記ガラス管の前記測定データから前記ガラス管の物理的属性を決定する工程と
を更に含むことを特徴とする実施形態57に記載の方法。
【0208】
実施形態59
前記物理的属性は、前記ガラス管の直径、厚さ又は単位長あたりのガラス質量の1つ以上であることを特徴とする実施形態58に記載の方法。
【0209】
実施形態60
前記ガラス管の前記物理的属性を設定点の物理的属性と比較する工程と、
前記ガラス管の前記物理的属性と前記設定点の物理的属性との比較から前記制御変数の調整値を決定する工程と
を更に含むことを特徴とする実施形態57又は58に記載の方法。
【0210】
実施形態61
前記ガラス管の物理的属性を測定する工程であって、前記物理的属性は、前記ガラス管の直径、厚さ又は単位長あたりの質量の1つである、工程と、
前記ガラス管の前記物理的属性を設定点の物理的属性と比較する工程と、
前記ガラス管の前記物理的属性と前記設定点の物理的属性との比較から前記制御変数の調整値を決定する工程と
を更に含むことを特徴とする実施形態49~60のいずれか一項に記載の方法。
【0211】
実施形態62
ガラス管からガラス物品を製造するためのシステムにおいて、
変換機であって、
サーキット内に間隔を開けて配置された複数の処理ステーションを有する基部と、
前記基部に対して移動可能なタレットであって、前記タレットから前記複数の処理ステーションに向かって延びる複数のホルダを有し、前記複数のホルダは、互いに間隔を開けて配置されており、前記タレットは、前記複数のホルダのそれぞれを割り出して、前記複数の処理ステーションのそれぞれと連続して近接させるように動作可能である、タレットと
を含む変換機と、
前記タレットとともに移動するために前記タレットに結合された熱イメージャを含む熱画像システムであって、前記熱イメージャは、前記複数のホルダの1つに配置された前記ガラス管から放出された赤外光を捕捉するように配置されている、熱画像システムと
を含むことを特徴とするシステム。
【0212】
実施形態63
前記熱画像システムは、前記ガラス管の内部表面から放出された赤外光を前記熱イメージャに反射するように方向付けられた少なくとも1つのミラーを更に含むことを特徴とする実施形態62に記載のシステム。
【0213】
実施形態64
前記熱イメージャに結合されており、且つ前記ガラス管から前記熱イメージャに赤外光を反射するように方向付けられたミラーを更に含むことを特徴とする実施形態62に記載のシステム。
【0214】
実施形態65
前記熱イメージャに結合された少なくとも1つの補助ミラーを更に含み、前記ミラーは、前記ガラス管の外部表面から放出された赤外光を前記熱イメージャに反射するように方向付けられており、及び前記補助ミラーは、前記ガラス管の内部表面から放出された赤外光を前記熱イメージャに反射するように方向付けられていることを特徴とする実施形態64に記載のシステム。
【0215】
実施形態66
前記複数の処理ステーションの1つの垂直下方に配置された少なくとも1つの固定ミラーを更に含み、前記固定ミラーは、前記熱イメージャが前記タレットによって前記複数の処理ステーションの前記1つの所定位置に割り出されると、前記ガラス管の内部表面から放出された赤外光を前記熱イメージャに反射するように配置されていることを特徴とする実施形態62~65のいずれか一項に記載のシステム。
【0216】
実施形態67
前記熱イメージャのレンズに流体を送達するように配置された少なくとも1つのノズルを含むクリーニングシステムを更に含み、
前記熱画像システムは、前記熱イメージャに結合されており、且つ前記複数のホルダの1つに配置されたガラス管から前記熱イメージャに赤外光を反射するように方向付けられたミラーを更に含み、及び
前記クリーニングシステムは、前記ミラーの反射面に流体を送達するように配置された少なくとも1つのノズルを更に含むことを特徴とする実施形態62~66のいずれか一項に記載のシステム。
【0217】
実施形態68
前記熱イメージャに通信的に結合された少なくとも1つのプロセッサと、
前記プロセッサに通信的に結合された少なくとも1つのメモリモジュールと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記熱画像システムに、少なくとも以下:
前記熱イメージャから熱画像情報を受け取ること、
前記熱画像情報を処理すること、及び
前記熱画像情報からガラス管の特性を決定すること
を実施させる、前記少なくとも1つのメモリモジュールに記憶された機械可読命令と
を更に含むことを特徴とする実施形態62~67のいずれか一項に記載のシステム。
【0218】
実施形態69
前記特性は、前記ガラス管の温度、前記ガラス管の厚さを通した温度勾配、前記ガラス管の粘度、前記ガラス管の前記厚さを通した粘度勾配、前記ガラス管の寸法、前記ガラス管の温度プロファイル、時間に応じた前記ガラス管の温度プロファイル、前記ガラス管の中心線の少なくとも1つ又はこれらの組合せを含むことを特徴とする実施形態68に記載のシステム。
【0219】
実施形態70
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記熱画像システムに前記熱画像情報から前記ガラス管の粘度を決定させる、前記少なくとも1つのメモリモジュールに記憶された機械可読命令を更に含むことを特徴とする実施形態68又は実施形態69に記載のシステム。
【0220】
実施形態71
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記熱画像システムに、少なくとも以下:
第1の処理ステーションにおける前記ガラス管の第1の特性を決定すること、
前記第1の処理ステーションの下流に配置された第2の処理ステーションにおける前記ガラス管の第2の特性を決定すること、
前記第1の特性と前記第2の特性との間の差を計算すること、及び
前記第1の特性と前記第2の特性との間の前記差を表す出力を送信すること
を実施させる、前記少なくとも1つのメモリモジュールに記憶された機械可読命令を更に含むことを特徴とする実施形態68~70のいずれか一項に記載のシステム。
【0221】
実施形態72
前記プロセッサは、制御デバイスに通信的に結合されており、前記システムは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記熱画像システムに、少なくとも以下:
前記ガラス管の前記特性を設定点の特性と比較すること、
前記ガラス管の前記特性と前記設定点の特性との比較から制御変数を決定すること、及び
前記制御変数を表す制御信号を前記制御デバイスに送信すること
を実施させる、前記少なくとも1つのメモリモジュールに記憶された機械可読命令を更に含むことを特徴とする実施形態68~71のいずれか一項に記載のシステム。
【0222】
実施形態73
前記複数の処理ステーションの少なくとも1つは、少なくとも1つの加熱要素を有する加熱ステーションを含み、及び前記制御デバイスは、前記加熱要素による前記ガラス管の加熱を操作するために前記加熱要素に動作的に結合されていることを特徴とする実施形態72に記載のシステム。
【0223】
実施形態74
前記処理ステーションの少なくとも1つは、少なくとも1つの成形ツールを並進させて前記ガラス管と取り外し可能に係合させる1つ以上のアクチュエータを有する成形ステーションを含み、前記制御デバイスは、前記1つ以上のアクチュエータを含み、及び前記制御変数は、前記少なくとも1つの成形ツールと前記ガラス管成形ステーションとの接触時間であることを特徴とする実施形態72に記載のシステム。