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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175732
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】雑草防除用モジュール式システム
(51)【国際特許分類】
   E01H 11/00 20060101AFI20231205BHJP
   A01N 25/00 20060101ALI20231205BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20231205BHJP
   B05B 17/00 20060101ALI20231205BHJP
   B05B 12/02 20060101ALI20231205BHJP
   B61C 17/02 20060101ALI20231205BHJP
   B61D 15/00 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
E01H11/00 A
A01N25/00 102
A01P13/00
B05B17/00 101
B05B12/02
B61C17/02
B61D15/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023143075
(22)【出願日】2023-09-04
(62)【分割の表示】P 2019558378の分割
【原出願日】2018-04-23
(31)【優先権主張番号】17168844.3
(32)【優先日】2017-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】17172539.3
(32)【優先日】2017-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】516245885
【氏名又は名称】バイエル、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】BAYER AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】ヒンネルク、バスフェルト
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、アリアンズ
(72)【発明者】
【氏名】ニルス、キールホルツ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】鉄道車両向けの雑草防除用モジュール式システムを提供する。
【解決手段】本発明に関するするモジュール式システムは、制御部104と制御盤112とを有する制御モジュール102を有する。制御部は、除草剤混合物を混合するための除草剤混合モジュール108の複数の弁および複数の混合器を制御するための第1制御信号セットを生成し、かつ、ノズルアセンブリ110の複数の弁を制御するための第2制御信号セットを生成するよう設計されている。除草剤混合モジュールは、異なる除草剤を入れるための複数の容器を有する。ノズルアセンブリは、除草剤を噴射するための第1ノズルセットを有し、制御モジュール、除草剤混合モジュール、およびノズルアセンブリは、各々を個別に支持要素118へ可逆的に固定可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道車両向けの雑草防除用モジュール式システムであって、
前記モジュール式システムは、支援および制御モジュールを備え、
前記支援および制御モジュールは、
制御部であって、
除草剤混合物を混合するための独立した除草剤混合モジュールの複数の弁および複数の混合器を制御するための第1制御信号セットを生成し、かつ
ノズルアセンブリの複数の弁を制御するための第2制御信号セットを生成する、
ように構成される制御部と、
前記制御部、前記除草剤混合モジュール、および前記ノズルアセンブリを手動で監視および確認するための制御ステーションと、
を含み、
前記モジュール式システムは、前記除草剤混合モジュールをさらに備え、
前記除草剤混合モジュールは、
異なる除草剤を収納するための複数の容器であって、前記容器は、選択的に前記弁および前記混合器と選択的な流体連結をする、複数の容器と、
水道接続金具であって、前記水道接続金具は、選択的に前記弁および混合器と選択的な流体連結をする、水道接続金具と、
複数の終端要素であって、前記支援および制御モジュールで生成された前記第1制御信号を前記除草剤混合モジュールの前記弁および混合器へと伝えることができるように、前記終端要素を介して前記制御部の複数の終端要素との電気信号接続が確立可能な、複数の終端要素と、
を含み、
前記モジュール式システムは、ノズルアセンブリをさらに備え、
前記ノズルアセンブリは、前記支援および制御モジュールと前記除草剤混合モジュールの両方の各々から空間的に独立しており、かつ、
除草剤を噴射するための第1ノズルセット、
を含み、
前記モジュール式システムは、前記除草剤混合モジュールの前記弁および混合器の選択された方との流体連結をさらに備え、
前記支援および制御モジュール、前記除草剤混合モジュール、および前記ノズルアセンブリは、各々を個別に運搬用要素へ可逆的に固定可能であり、
前記支援および制御モジュールおよび前記除草剤混合モジュールは、コンテナ構造で具現化される、
モジュール式システム。
【請求項2】
雑草の検出に反応して雑草信号を生成するカメラモジュールをさらに含み、前記支援および制御モジュールの前記制御部は、前記雑草信号を受信するよう構成され、前記第1信号セットの生成と前記第2信号セットの生成は、前記受信した雑草信号により制御可能である、請求項1に記載のモジュール式システム。
【請求項3】
前記第1信号セットの生成と前記第2信号セットの生成は、手動で引き起こすことができる、請求項1または2に記載のモジュール式システム。
【請求項4】
前記第1信号セットの生成と前記第2信号セットの生成は、雑草マップおよび受信したGPS信号から決定された前記ノズルアセンブリの位置を用いて引き起こすことができる、請求項1~3のいずれか一項に記載のモジュール式システム。
【請求項5】
コンテナ構造のプラットフォーム上のエネルギーモジュールをさらに含み、
前記エネルギーモジュールは、前記支援および制御モジュールおよび前記除草剤混合モジュールのそれぞれと電気的に接続可能であり、前記エネルギーモジュールは、前記運搬用要素へ可逆的に固定可能である、
請求項1~4のいずれか一項に記載のモジュール式システム。
【請求項6】
前記支援および制御モジュールへの通路を含む、コンテナ構造の住居モジュールをさらに含み、前記住居モジュールは、前記運搬用要素へ可逆的に固定可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載のモジュール式システム。
【請求項7】
前記運搬用要素は、鉄道用の運搬車両である、請求項1~6のいずれか一項に記載のモジュール式システム。
【請求項8】
前記運搬車両は、標準的な80フィート型運搬車両である、請求項1~7のいずれか一項に記載のモジュール式システム。
【請求項9】
前記運搬車両は、互いに連結された多数の運搬車両からなる、請求項7に記載のモジュール式システム。
【請求項10】
前記支援および制御モジュール、前記除草剤混合モジュール、前記エネルギーモジュール、および前記住居モジュールからなるグループから選択される少なくとも1つのモジュールは、20フィート型コンテナの大きさに相当する、請求項1~9のいずれか一項に記載のモジュール式システム。
【請求項11】
前記ノズルアセンブリに第2ノズルセットを含み、前記第1ノズルセットは、前記ノズルアセンブリの前記第1ノズルセットが道床の雑草防除で使用可能となるように、前記運搬用要素の下に配置され、前記第2ノズルセットの半分は、前記ノズルアセンブリの外側端の各々に配置される、請求項1~10のいずれか一項に記載のモジュール式システム。
【請求項12】
前記制御混合モジュールは、進行方向に傾いた窓を含み、前記窓の第1垂直端面は、前記制御混合モジュールの外側で終わり、前記窓の反対の第2垂直端面は、前記制御混合モジュールの長手方向で前記制御混合モジュールの中央の方向へオフセットされている、請求項1~11のいずれか一項に記載のモジュール式システム。
【請求項13】
前記制御混合モジュールは、その外側の前記ノズルアセンブリの高さに、散布手順を監視するための監視カメラを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のモジュール式システム。
【請求項14】
前記ノズルアセンブリは、前記制御混合モジュールの下で前記運搬用要素へ可逆的に締結される、請求項1~13のいずれか一項に記載のモジュール式システム。
【請求項15】
線路の雑草を防除するための散布列車であって、
1つまたは複数の運搬車両上の、請求項1から14のいずれか一項に記載の雑草防除用モジュール式システムと、
水を収納するタンク車と、
貨物車両と、
を含む散布列車。
【請求項16】
前記モジュールは、前記散布列車の2つの取りうる移動方向のうちの一方で、除草剤混合モジュール、エネルギーモジュール、支援および制御モジュール、住居モジュールの順番で配置されていることを特徴とする、請求項15に記載の散布列車。
【請求項17】
道床の雑草を防除する方法であって、前記方法は、
支援および制御モジュールを運搬用要素へ可逆的に固定することと、
除草剤混合モジュールを前記運搬用要素へ可逆的に固定することと、
ノズルアセンブリを前記運搬用要素へ可逆的に固定することであって、前記ノズルアセンブリは、前記支援および制御モジュールと前記除草剤混合モジュールの両方の各々から空間的に独立しており、前記運搬用要素は、1つまたは複数の運搬車両からなる、前記固定することと、
前記除草剤混合モジュールと前記ノズルアセンブリとの間に流体連結を確立することと、
除草剤混合物を混合するための前記除草剤混合モジュールの複数の弁および複数の混合器を制御するための第1制御信号セットを、前記支援および制御モジュールの制御部を用いて生成することと、
前記ノズルアセンブリの複数の弁を制御するための第2制御信号セットを、前記支援および制御モジュールの前記制御部を用いて生成することと、
前記ノズルアセンブリの複数のノズルを通して前記除草剤混合物を線路へ選択的に噴射することと、
を含み、
前記除草剤混合モジュールは、
異なる除草剤を収納するための複数の容器であって、前記容器は、選択的に前記弁および混合器と選択的な流体連結をする、複数の容器と、
水道接続金具であって、前記水道接続金具は、選択的に前記弁および混合器と選択的な流体連結をする、水道接続金具と、
複数の終端要素であって、前記支援および制御モジュールで生成された前記第1制御信号を前記除草剤混合モジュールの前記弁および混合器へと伝えることができるように、前記終端要素を介して前記制御部の複数の終端要素との電気信号接続が確立可能な、複数の終端要素と、
を含み、
前記支援および制御モジュールおよび前記除草剤混合モジュールは、コンテナ構造で具現化される、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鉄道車両向けの雑草防除用モジュール式システム、散布列車、および道床の雑草を防除する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道網の運営事業者が絶えず直面する周知の課題は、線路を好ましくない植物、特に雑草から守ることである。この場合、雑草防除のための予防措置と、雑草がすでに成長していて開始される対策は区別されることが知られている。レール走行式システムが知られており、このシステムではカメラシステムに基づいて雑草を狙って防除する技術を用いる。しかし、雑草防除に対応する装置を装備した既知の鉄道車両は、比較的柔軟性がない。概して、これらの雑草防除用の既知の鉄道車両の使用には、使用場所までの移動速度がしばしば遅いために、ゆっくりと長い移動時間を必要とする。特に使用場所を頻繁に変更する場合、とりわけ複数の使用場所が互いに離れている場合は、これは重大な不利益である。概して、雑草防除用のこれらの鉄道車両を複数台、異なる場所に待機させておく必要があるため、悪い利用効率/輸送効率につながり、したがって不必要な資金の約束につながる。また、より大きな保守費用とより多くの職員が必要となる。加えて、雑草防除用の既知の鉄道車両は固定軌間であるので、既定の軌間のレールでのみ使用可能である。
【発明の概要】
【0003】
それゆえ、本発明は、雑草防除用の鉄道車両および/または散布列車の概念を提案する目的に基づいており、散布列車を所与の鉄道網に依存しないようにすることができる。
【0004】
上記の目的は、独立請求項の主題により実現される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項、以下の記述、および図によりもたらされる。
【0005】
本発明の第1態様によれば、鉄道車両向けの雑草防除用モジュール式システムが提案される。このモジュール式システムは数々のモジュールを含むことが可能であり、支援および制御モジュールであって、除草剤混合物を混合するための独立した(separate)除草剤混合モジュールの複数の弁および複数の混合器を制御するための第1制御信号セットを生成するよう構成され、かつノズルアセンブリの複数の弁を制御するための第2制御信号セットを生成するよう構成される制御部を含む、支援および制御モジュールを含む。さらに、支援および制御モジュールは、制御部、除草剤混合モジュール、およびノズルアセンブリを手動で確認および監視するための制御ステーションを含む。
【0006】
更なるモジュールとして言及されるのは除草剤混合モジュールである。このモジュールは、異なる除草剤を収納するための、弁および混合器と選択的な流体連結をする複数の容器を含む。除草剤混合モジュールは、弁および混合器と選択的に選択的な流体連結をすることができる水道接続金具をさらに含む。さらに複数の終端要素が与えられ、これらの要素を介して制御部の複数の終端要素との電気信号接続が確立され、支援および制御モジュールで生成された第1制御信号を除草剤混合モジュールの弁および混合器へと伝えることができる。
【0007】
加えて、モジュール式システムは、支援および制御モジュールおよび除草剤混合モジュールの両方の各々から空間的に独立でありえるノズルアセンブリを含む。ノズルアセンブリは、除草剤を噴射するための第1ノズルセット、および除草剤混合モジュールの選択された弁および混合器との流体連結を含むことができる。
【0008】
支援および制御モジュール、除草剤混合モジュール、およびノズルアセンブリは、それぞれ個別に運搬用要素へ可逆的に固定可能である。
【0009】
本発明の第2態様によれば、線路の雑草を防除するための散布列車が提案される。散布列車は、1つまたは複数の運搬車両で輸送可能な上記の雑草防除用のモジュール式システム、水を収納するタンク車、および貨物車両を含む。
【0010】
本発明の第3態様によれば、道床の雑草を防除する方法が提案される。この方法は一連のステップ、すなわち、支援および制御モジュールを運搬用要素へ可逆的に固定すること、除草剤混合モジュールを運搬用要素へ可逆的に固定すること、および、支援および制御モジュールおよび除草剤混合モジュールの両方の各々から空間的に独立でありえるノズルアセンブリを運搬用要素へ可逆的に固定すること、を含む。加えて、この方法は、除草剤混合モジュールとノズルアセンブリの間に流体連結を確立すること、除草剤混合物を混合するための除草剤混合モジュールの複数の弁および複数の混合器を制御するための第1制御信号セットを支援および制御モジュールの制御部を用いて生成すること、ノズルアセンブリの複数の弁を制御するための第2制御信号セットを支援および制御モジュールの制御部を用いて生成すること、およびノズルアセンブリの複数のノズルを通して除草剤混合物を線路へ選択的に噴射すること、を含む。
【0011】
除草剤混合モジュールは数々の特徴、すなわち、異なる除草剤を収納するための、弁および混合器と選択的に選択的な流体連結をすることができる複数の容器、弁および混合物と選択的に選択的な流体連結をすることができる水道接続金具、および終端要素であって、この要素を介して制御部の終端要素との電気信号接続が確立され、支援および制御モジュールで生成された第1制御信号を除草剤混合モジュールの弁および混合器へと伝えることができる終端要素、を含む。
【0012】
本発明は、以下で本発明の主題(システム、散布列車、および方法)を区別することなく、さらに詳細に説明される。むしろ以下の説明は、説明が与えられている文脈に関わらず、本発明のすべての主題に同様にあてはまる。
【0013】
本発明に係る方法の説明の中でステップが順番に記載されている場合は、したがって、そのステップもその特定の順番で実行されなければいけない、ということを必ずしも意味しない。むしろ、一つの順番で実行されるステップは、一つのステップが別のステップに基づいていない限り、これはそれぞれのステップの記述から明らかであるが、任意の順番で実行することが可能で、またはお互いに並行して実行することが可能であることを意味していると、本発明は理解されるべきである。それゆえ、本明細書に記載されている特定の順番は、本発明の好ましい実施形態のみを表している。
【0014】
以下の用語、表現、および定義が本明細書で使用される。
用語「モジュール式システム」は、提案の散布列車の文脈において、様々なモジュールが与えられることを表し、これらのモジュールから道床用の雑草防除装置が組み立てられる。この場合は、個々のモジュールは特に輸送の際にお互いから独立している。これらのモジュールは目的地で、すなわち雑草防除の使用場所で組み立てられて、線路の雑草を防除するための機能システム全体を形成する。
【0015】
用語「雑草防除」は、現存する雑草を意図的に防除するために除草剤を放出する手順を表す。加えて、この説明の文脈において積極的な対策、つまり、雑草が最初から発生してしまうことを防ぐ対策も、雑草防除として理解されるべきである。
【0016】
用語「鉄道車両」は、鉄道交通向けの運搬車および/または鉄道車両を表す。鉄道車両は概して、互いに平行に延在する2本のレール上に置かれうる、それぞれ2つの車輪を有する少なくとも2つの車軸を含む。2つの車軸は概してシャーシに連結され、シャーシには(例えば、輸送される商品または人を収容するための)対応する構造物を置くことができる。
【0017】
用語「支援および制御モジュール」はそれ自体が独立したモジュールであり、鉄道車両向けの提案の雑草防除用モジュール式システムの中央制御モジュールとして機能する。本質的に、すべての制御信号は支援および制御モジュール内で生成、および/または処理されて、鉄道車両向けの雑草防除用モジュール式システムの機能全体を確保する。加えて、制御ステーションを介し、支援および制御モジュールを用いた手動の介入もありうる。
【0018】
用語「制御信号」は、制御装置により生成される電気信号を表し、例えば弁またはノズルの形態である活性化装置の機能を制御する。
【0019】
用語「除草剤混合モジュール」は、鉄道車両向けの雑草防除用モジュール式システムの更なるモジュールを表す。除草剤混合モジュールは、異なる除草剤を収納することができる複数の容器を含む。加えて複数の弁が与えられて、異なる除草剤混合物、好ましくは雑草に特化した除草剤混合物を現地で作ることができる。除草剤混合モジュールは、様々な取付器具、すなわち水道接続金具および除草剤混合モジュールの機能を制御、確認するための複数の電線をさらに含む。加えて、追加の線が、1つまたは複数の容器へ対応する除草剤を補充するために与えられる。さらに、少なくとも1つのノズルアセンブリへの供給管用に少なくとも1つの取り付け器具が与えられる。
【0020】
用語「ノズルアセンブリ」は、運搬装置構造を表し、その上に少なくとも1つのノズル、好ましくは複数のノズルが除草剤混合物を放出するために与えられる。ノズルアセンブリは、鉄道車両向けの雑草防除用モジュール式システムの更なるモジュールである。また、ノズルアセンブリは典型的には複数の電気接点を有し、これらの接点を介して個々のノズルの機能が制御される。加えて、ノズルアセンブリは除草剤混合物ならびに/または水および/もしくは圧縮空気の供給管用に1つまたは複数の取付器具を含む。
【0021】
用語「選択的な流体連結」は、気体または液体用の供給源と排水管の間の連結を表す。流体連結の選択性は連結の強度を示し、すなわち、連結の断面および/または流速、したがって流体連結を介して輸送される物質の量、が選択的に影響されうることを示す。この制御の影響は、典型的には1つまたは複数の弁を介して起こる。
【0022】
用語「運搬用要素」は、鉄道車両向けの雑草防除用モジュール式システムのモジュールのための共用の台板を表す。この場合は、すべてのモジュールが運搬用要素上に、すなわち、運搬用要素の上に設置される必要はない。すべてのモジュールは運搬用要素に横方向または下で可逆的に接続可能である。
【0023】
用語「コンテナ構造の」は、本明細書で提案されるモジュール式システムのモジュール構造に直接関係する。モジュール式システムのモジュールのすべてまたは一部は、それぞれを標準コンテナ、例えば標準的な20フィート型コンテナへ一体化することができる。標準コンテナは、好ましくはISO標準 668:2013-08に記載されているコンテナであると理解される。もちろん、他の大きさのコンテナもありうる。また、用語「コンテナ構造」は標準コンテナへ一体化されうるモジュールを含み、例えば、標準コンテナへ一体化されたモジュールをありふれた手段(例えば、標準コンテナの輸送のために構成されたトラック、航空機、または船)を使って輸送することができる。例えば、1つまたは複数のモジュールが標準コンテナのプラットフォーム(ベースプレート)と同じ寸法のプラットフォームを含み、側壁および天井壁がそれぞれプラットフォームまたは側壁へ取り付け可能で、その結果モジュールを収容することができて、収容モジュールが標準コンテナを表すと考えられる。コンテナ構造の利点は、なかでも、異なるモジュールをそれぞれのコンテナに収容可能だということである。これは、例えば、支援および制御モジュール、除草剤混合モジュール、または住居モジュールもしくは保管モジュールにも関連する。
【0024】
「カメラモジュール」は、少なくとも1つの電子式カメラと電子分析装置を含む。概して、カメラモジュールは上記の雑草防除用モジュール式システムのコンテナ大のモジュールよりもかなり小さな寸法を有する。カメラモジュールは、データ交換のために電気的接続を介して支援および制御モジュールへ接続される。カメラモジュールは道床の異なる箇所を観測する1つまたは複数のカメラを含むことができる。
【0025】
用語「雑草信号」は、雑草の存在をその特徴により示す、1つまたは複数の電気信号を表す。この雑草信号のうちの一つに基づいて、除草剤および/または除草剤混合物を雑草防除のために与えることができる。
【0026】
用語「雑草特有信号」は、特定の雑草種の存在をその特徴により示す、1つまたは複数の電気信号を表す。これらの雑草特有信号のうちの一つに基づいて、雑草に特化した除草剤および/または除草剤混合物を、対応する雑草種に的を絞って防除するために与えることができる。
【0027】
用語「エネルギーモジュール」は、雑草防除用モジュール式システムの更なるモジュールを表す。エネルギーモジュールはコンテナ構造で与えることもできる。あるいは、筐体により、例えば発電用発電機を外部からの影響から守ることができる。この筐体は、他の要素に加えてプラットフォーム(ここでも標準コンテナの基礎プラットフォームを表す)上に設置することができる。
【0028】
本明細書で提案される概念の文脈において、用語「運搬車両」は平台型貨車の形態である貨物車両を表し、運搬用フレームを含むが、更なる固定構造物は含まない。車軸は典型的には鉄道用運搬車に懸架されている。
【0029】
用語「住居モジュール」は、雑草防除用モジュール式システムの更なるオプションのモジュールを表す。このモジュールは、コンテナ構造で具現化することもできる。内部には人の居留に適した、例えばレクリエーションや仕事のための設備一式を備えることができる。
【0030】
本明細書で提案される、鉄道車両向けの雑草防除用モジュール式システムの概念は、数々の利点を有する。
【0031】
モジュール構造である雑草防除用システムの構造により、雑草防除用システムは1つの使用場所から別の使用場所へ容易に輸送することができる。この場合は、システムはレール輸送用車両とは無関係に、例えば道路(コンテナトラック)で、船で、または航空機により、輸送することができる。システムはお互いに独立した多数のモジュールを含み、これらのモジュールは必要に応じてホースおよび電線を用いて接続され、個々のモジュールは道床の雑草防除用の完全な鉄道車両からなる従来のシステムと比べて比較的小さな寸法を有する。例えば、各モジュールは20フィート型標準コンテナの形態で実現することができる。対応する運搬車両は、そのような標準コンテナ用の標準的な締結装置を含むことができる。実際には、異なる使用場所において、それぞれの運搬車両に特殊な装置は必要とならない。それゆえ、比較的低速でのレール上の輸送は必要ない。このことは、鉄道車両向けの雑草防除用システムの使用場所が頻繁に変わる場合に特に有利であることがわかる。全体として、道床の雑草防除を行う事業では、少数のそのような雑草防除用システムが必要となる。これにより、必要な資金および保守費用が削減される。
【0032】
加えて、すべての使用場所に保守ステーションを設ける必要はない。また、鉄道車両向けの雑草防除用モジュール式システムを中央保守施設までの長距離をレールで輸送する必要はない。この目的では、代わりに道路輸送および空路輸送が可能である。
【0033】
さらに、雑草防除用システムのモジュールは異なる軌間の運搬車両に問題なく設置することもできる。したがって、雑草防除用システムは、標準化されたモジュールを収容するのに適している限りは、それぞれの車台に依存しない。
【0034】
加えて、雑草防除用モジュール式システムは、一種類の運搬車両向けでもない。むしろ、モジュールは一般的な運搬車両に設置する、または多数の小型の運搬車両へ分散することが可能である。1つの運搬車両から次の運搬車両まではケーブルおよび/またはホースによる接続のみ必要となる。この接続は柔軟でありえて、必要な場合に複数のモジュールを互いに接続することができる。
【0035】
本発明の実施形態は本発明の異なる主題を参照して説明されたことに留意されたい。特に、本発明の一部の実施形態は装置クレームを使って記述することができて、他の実施形態は方法クレームを使って記述することができる。しかし、そうでないと明示的に示されていなければ、本発明の一種類の主題に関連する特徴の組み合わせに加え、本発明の異なる区分の主題に関連する特徴の任意の組み合わせが可能であることは、本明細書を読めば当業者にはすぐに明らかとなるであろう。
【0036】
本発明の更なる利点および特徴は、現在好ましい実施形態の以下の例示の記述によりもたらされる。本出願の図面の個々の図は、概略的、例示的であるに過ぎないと考えられるべきであり、縮尺通りであると考えられるべきではない。
【0037】
モジュール式システムの例示の有利な一実施形態によれば、支援および制御モジュールおよび除草剤混合モジュールは、コンテナ構造で具現化することができる。この場合、これは標準化された産業用コンテナとすることができて、例えば、各辺20フィートの大きさのISOコンテナ(ISO 668:2013-08、貨物運送用コンテナ、TEU = Twenty-Foot Equivalent Unit)とすることができる。これらはモジュール式システムの異なる部分に対して標準化された筐体を与え、また筐体は標準化された締結点を備え、この締結点を使ってコンテナをプラットフォームまたは運搬車両へ締結することができる。さらに、これらのモジュールは1つの使用場所から別の使用場所へ、互いから独立して問題なく輸送することができて、また国境を超えて、または大陸間を輸送することもできる。
【0038】
モジュール式システムの例示の特殊な一実施形態によればカメラモジュールを与えることができて、このカメラモジュールにより、雑草および/または特定の雑草種の検出に反応して雑草信号または雑草特有信号を生成することができる。このようにして既定の雑草種が検出されると、検出された雑草または個々の雑草種を意図的に防除することができる。カメラモジュールは特定の種類の雑草を検出するように構成することができて、雑草特有信号は検出された雑草種類を防除するのに適した除草剤混合物に意図的に影響を与え、除草剤混合物が除草剤混合モジュールによりノズルアセンブリを通して噴射される。このようにして、対応する除草剤が必要な場合のみ使用される。これによりコストを抑え、環境へストレスを与える除草剤を少なくすることができる。道床の異なる箇所を観測する多数のカメラモジュールが与えられることが考えられる。
【0039】
その結果、モジュール式システムの洗練された例示の実施形態では、制御部は雑草信号および/または雑草特有信号を受信するように構成することもできる。第1信号セットの生成および第2信号セットの生成は、受信信号により制御することができる。この目的で、弁を制御する監視ユニットは信号を受信し、解釈し、生成するため、および、弁および混合器に対して対応する制御信号を生成するために構成することができる。
【0040】
あるいは、モジュール式システムの更なる例示の実施形態によれば、第1信号セットの生成および第2信号セットの生成は、手動で引き起こすことができる。したがって、カメラモジュールの信号は上書きすることができて、カメラモジュールの不良の際には、システムが依然として雑草防除での使用に対して待機したままとなる。加えて、雑草防除用システムはカメラモジュールなしでも完全に操作可能である。これは、除草剤の噴射を中止する際、例えば、人が多い地域を移動する場合、人が道床上に見つかった場合、または除草剤で危険にさらされうる他の装置に影響が及ぶ場合に、状況に応じて適用される。
【0041】
さらに、モジュール式システムの更なる例示の実施形態によれば、第1信号セットの生成および第2信号セットの生成は、あるいは雑草マップおよび受信したGPS信号から決定されたノズルアセンブリの位置を用いて引き起こすことができる。雑草マップはカメラモジュールを有する列車で移動することで事前に生成することができる。あるいは、雑草マップはカメラを積載するドローンを用いて作ることもできる。この目的で、ドローンはレールの進路に沿って飛行することができる。したがって、ドローンは雑草マップ作成作業を怠ることなく列車を上方へ簡単に避けることができるため、交通量が多い地区の場合に、他の列車との衝突、または時刻表上での障害を回避することができる。カメラによる記録は、さらにGPSと同期させることができる。オフラインでの分析により、個々のGPS座標と検出された雑草とをオフラインで関連付けることができる。雑草防除用モジュール式システムを使って噴射して移動している間に、除草剤をノズルアセンブリのそれぞれのGPS位置に応じて噴射することができる。これにより、除草剤は必要な場合のみ噴射されるため、環境的負担を削減し、コストを削減することができる。
【0042】
モジュール式システムの補足的な例示の実施形態は、モジュール構造および/またはコンテナ構造のプラットフォーム上のエネルギーモジュールをさらに含む。エネルギーモジュールはそれぞれの場合に、支援および制御モジュールおよび除草剤混合モジュールと電気的に接続可能である。さらに、エネルギーモジュールは、支援および制御モジュールおよび除草剤混合モジュールと同様に、プラットフォーム上の運搬用要素へ可逆的に固定することができる。したがって、エネルギーモジュールは標準コンテナに対応する基礎プラットフォームを含むことができて、また基礎プラットフォームには例えば運搬車両へ締結される、対応する締結点が含まれる。実際の発電装置はガソリンエンジン/ディーゼルエンジンと発電機の組み合わせで構成することができる。両者は共用筐体内に一緒に設置することができる。加えて、住居用プラットフォームもエネルギーモジュールのプラットフォーム上に置くことができる。対応するプラットフォームを有するエネルギーモジュールが支援および制御モジュールと除草剤混合モジュールの間に置かれている場合、操作要員は住居用プラットフォームを経由して支援および制御モジュールから除草剤混合モジュールへ移動することができる。同時に、この住居用プラットフォームは収集ポイントおよび/または操作要員の避難路として使用することもできる。梯子によって、道床から容易にこの住居用プラットフォームへ到達できる。
【0043】
モジュール式システムの更なる補足的な例示の実施形態は、支援および制御モジュールへの通路を有するコンテナ構造の住居モジュールを含むことができる。この場合は、住居モジュールは運搬用要素へ可逆的に固定することもできる。このようにして、モジュール式システムはなおも柔軟に雑草防除で使用可能である。雑草防除用システムの個々の構成要素/モジュールは、それぞれ個別に輸送および運搬用要素へ締結することができる。
【0044】
モジュール式システムの有利な例示の一実施形態によれば、運搬用要素は状況に応じて鉄道用の運搬車両とすることができる。先行技術によるそのような運搬車両は周知であり、事実上、雑草防除用モジュール式システムの任意の使用場所で利用可能である。したがって、事実上任意の場所で雑草防除用モジュール式システムを使用することが可能である。運搬車両を一つの使用場所から別の使用場所へ輸送する必要はない。
【0045】
モジュール式システムの更なる例示の実施形態によれば、運搬車両は(ISO 668:2013-08による80フィート型標準コンテナと互換である)標準的な80フィート型運搬車両とすることができる。典型的には、運搬車両はその両端の運搬車に2本の車軸を含む。別の80フィート型運搬車両は、運搬車両の左端、中央、および右端に1本の車軸を有する。しかし、運搬車両のそれぞれの端部の運搬車に2本の車軸を有する運搬車両はより静かに走行することが示されている。これは、(モジュール内に)搭載される電子機器または他の設備にとってより好都合である。
【0046】
あるいは、モジュール式システムの別の例示の実施形態によれば、運搬車両は互いに連結された多数の運搬車両で構成することができる。この場合は、個々の運搬車両は雑草防除用モジュール式システムのモジュールのうちの一つの長さ、例えば20フィート、を有することができる。あるいは、より長い、例えば40フィート型運搬車両上に2つのモジュールを設置することができる。このように、システム全体はそのモジュールだけでなく使用される運搬車両に関しても完全に柔軟であり、使用場所に存在するそれぞれの運搬車両へ適合させることができる。それゆえ、例示の一実施形態によれば、モジュール式システムのモジュール、すなわち支援および制御モジュール、除草剤混合モジュール、エネルギーモジュール、および/または住居モジュールのうちの少なくとも1つを20フィート型コンテナの大きさで与えることができる。
【0047】
モジュール式システムのさらに有利な実施形態によれば、第1ノズルセットを運搬用要素の下に配置することができて、これによりノズルアセンブリの第1ノズルセットが道床の雑草防除で使用可能となる。この場合は、用語「道床の」はレール間の空間を含むことを意味しうる。
【0048】
モジュール式システムの補足的な例示の実施形態によれば、ノズルアセンブリはノズルアセンブリ上に第2ノズルセットを含むことができて、第2ノズルセットの半分をノズルアセンブリの外側端にそれぞれ配置することができる。これらのノズルを介して、道床の盛り土(すなわちレールの外側の道床の一部)および、潜在的には鉄道線路に沿って平行に延在する道路は、除草剤を使って処理することができる。
【0049】
モジュール式システムのさらに有利な例示の実施形態によれば、制御混合モジュールは進行方向に傾いた窓を含むことができる。また、進行方向に対して傾いた多数の窓も考えられる。傾きの角度は、進行方向に対して好ましくは1°から45°、より好ましくは3°から30°、最も好ましくは5°から25°である。この場合は、窓の第1垂直端面は制御混合モジュールの一方の外側で終わることができて、窓の反対の第2垂直端面は制御混合モジュールの長手方向で制御混合モジュールの中央の方向へオフセットさせることができる。
【0050】
このようにして、制御混合モジュール内部で、操作者が制御混合モジュールから横方向および略進行方向を見ることが可能である。このようにして、操作者が除草剤を使っての処理が行われない領域(例えば市民農園内の栽培植物、平行に延在する道路上の人、道床の近くで延在する構造物、例えば橋の上を進んでいる場合に橋の下の水域、など)を早期に特定することができて、このように操作者がノズルアセンブリへの除草剤の供給を直ちに停止させることが可能になる。
【0051】
制御混合モジュールが対称形で具現化されることが考えられ、その結果、散布列車は移動する方向とは関連がなく、制御混合モジュールをそれぞれの移動方向に適合させる必要もなく、典型的には制御混合モジュール内にいる職員が散布列車の移動方向に関わらず自分の作業を実行できる。その結果、好ましい一実施形態では、制御混合モジュールは散布列車が取りうる両方の移動方向に傾いている窓を有する。制御混合モジュールは好ましくは客室を含み、職員は典型的には客室内にいて、客室は少なくとも部分的には上方から見て(上面図)六角形の形状を有し、散布列車の移動方向と平行に延在する表面、および移動方向に対して傾いた表面に窓が備えつけられている。
【0052】
散布列車が一方向に(「前方」へ)進む場合、右側および左側の職員は、散布列車から進行方向に傾いた窓を通じて、散布列車が間もなく到達する右側および左側の領域を見渡すことができる。散布列車が他方の反対方向へ(「後方」へ)進む場合、窓はやはり客室の右側および左側にあり、この窓を通じて職員は散布列車が間もなく到達する散布列車の右側および左側の領域を見渡すことができる。
【0053】
モジュール式システムの補足的な例示の実施形態によれば、制御混合モジュールはその外側のノズルアセンブリの高さにカメラを含むことができる。このようにして、操作要員が噴射ノズルを直接観察することが可能になる。そのようなカメラを、例えば制御混合モジュールの左側および右側、またはその下で、多数使用することができる。さらに、更なるカメラをノズルアセンブリに直接配置することが可能であり、このようにしてノズルアセンブリの機能をより良く監視できるようにすることができる。
【0054】
モジュール式システムのさらに有利な例示の実施形態によれば、ノズルアセンブリを制御混合モジュールの下で運搬用要素へ締結することができる。したがって、ノズルアセンブリの機能を直接観察することが可能となり、また同時に制御混合モジュールのGPS位置がノズルアセンブリのGPS位置と対応する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
本発明の好適な例示の実施形態が、例に基づいて以下の図を参照しながら、以下で説明される。
図1】鉄道車両向けの雑草防除用モジュール式システムを示す。
図2】屋根が取り除かれた支援および制御モジュールの例の上面図を示す。
図3】屋根が取り除かれた除草剤混合モジュールの例示の実施形態を上面図で示す。
図4】エネルギーモジュールの例示の実施形態の上面図を示す。
図5】連結された個々のモジュールを示す。
図6】文脈における個々のモジュールの例の斜視図を示す。
図7】雑草防除用モジュール式システムを有する列車の例の斜視図を示す。
図8】道床の雑草をモジュール式システムを用いて防除するためのシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
実施形態の特徴および/または構成要素に対応する、異なる実施形態の同一の、または少なくとも機能的に相当する特徴および/または構成要素が、(機能的に)相当する特徴または(機能的に)相当する構成要素の参照符号と同一の参照符号、または上位1桁のみが異なる参照符号で与えられることに留意されたい。不要な反復を防ぐため、前述された実施形態に基づいて、すでに説明された特徴および/または構成要素は、詳細について以降で再び説明はされることはない。
【0057】
さらに、以降で説明される実施形態は本発明の実施形態の取りうる変形から限定的に選択したものを表しているに過ぎないことに留意されたい。特に個々の実施形態の特徴を適切な形で互いに組み合わせることは可能であり、その結果、本明細書で明示的に記載される実施形態の変形によって、複数の異なる実施形態が当業者へ明白に開示されると考えられる。
【0058】
図1は、鉄道車両(図示せず)向けの雑草防除用モジュール式システム100を模式図で示す。モジュール式システム100は支援および制御モジュール(SCM)102を含む。そしてこのモジュールは制御部104を含む。制御部104は、好ましくは雑草に特化した除草剤混合物を混合するための独立した除草剤混合モジュール(HMM)108の弁/混合器106を制御するための第1制御信号セットを生成(接続122として示される)するように、かつノズルアセンブリ110の弁を制御するための第2制御信号セットを生成するように構成されている。
【0059】
加えて、モジュール式システム100は制御部104を手動で確認、監視するための制御ステーション112、除草剤混合モジュール108、およびノズルアセンブリ110を含むことができる。
【0060】
除草剤混合モジュール108は、異なる除草剤を収納するための、弁/混合器106と選択的な流体連結をする複数の容器114を含む。加えて、除草剤混合モジュール108は弁/混合器106と選択的に選択的な流体連結をする水道接続金具116および終端要素を含み、終端要素を介して、例えばそれぞれのモジュールの外壁のプラグの形態である、制御部104の終端要素と電気信号接続を確立することができて、その結果、支援および制御モジュール102で生成された第1制御信号を除草剤混合モジュールの弁および混合器へと伝えることができる。オプションの水道接続金具116は、ホース接続を介して独立した給水車(ここでは図示せず)へ接続することができる。
【0061】
加えて、モジュール式システム100は、支援および制御モジュール102および除草剤混合モジュール108の両方から空間的に独立しているノズルアセンブリ110を含む。これは、ノズルアセンブリ110は支援および制御モジュール102または除草剤混合モジュール108へ物理的に直接接続する必要がない、すなわちそれらへ締結する必要がない、ということを意味する。1つまたは複数の線により、除草剤混合モジュール108またはその混合器ならびに/もしくは弁およびポンプをノズルアセンブリへ接続することができる。ノズルアセンブリの近く、またはその上にある監視カメラ123(または複数の監視カメラ)により、支援および制御モジュール102内の操作要員は散布手順を視覚的に監視することができる。
【0062】
ノズルアセンブリ110は、例えばレールの間に除草剤を噴射するよう設計された、第1ノズルセット(直接は図示されない)および除草剤混合モジュール108の弁/混合器106の選択された方との少なくとも1つの流体連結を含む。第2ノズルセットはレールの外側で動作することができる。
【0063】
モジュール式システムのすべてのモジュール、すなわち、支援および制御モジュール102、除草剤混合モジュール108、およびノズルアセンブリ110は、それぞれ個別に運搬用要素118へ可逆的に固定可能である。運搬用要素118は1つまたは複数の運搬車両(図示せず)で構成することができる。
【0064】
図2は、屋根が取り除かれた支援および制御モジュール102の例の上面図200を示す。職員はドア202を通って支援および制御モジュール102に入ることができる。操作要員用の1つまたは2つの作業場が支援および制御モジュール102内に置かれている。それぞれの座席204は垂直軸周りの位置で回転可能であり、それぞれの操作者が窓206のうちの一つを通して支援および制御モジュール102から(両方向矢印208で示される)取りうる進行方向の一つを見ることができる。それぞれの操作者は自身の座席204の制御パネルを介して、制御部212の、除草剤混合モジュール108用の信号を生成する機能に取り組むことができる。
【0065】
制御部212の機能、ノズルアセンブリの機能、および除草剤混合モジュールの機能を監視するため、少なくとも1つのモニタ218が操作者の視野の中に置かれる。また、追加の仕事台210がこれらのモニタ218のすぐ前に示されている。さらに、支援および制御モジュール102は更なる設備214を含むことができる。通路216が2つの座席204の間に与えられる。
【0066】
図2に示される上面図では、基本的に六角形の、一対の窓206(右/左)が取りうる移動方向208のそれぞれに対して傾いている客室も見ることができる。
【0067】
図3は、屋根が取り除かれた除草剤混合モジュール108の例示の実施形態を上面図300で示す。異なる(または同一の)除草剤を収納するための複数の容器114がはっきりと見えて、ここでは容器のうち4つが例として示されている。細長い通路302が除草剤混合モジュール108の左の入口側を右の入り口側と繋いでいる。(例として)複数の線304、弁/混合器304、ポンプ306、および他の種類の制御部(詳細は示されない)によって、様々な除草剤混合物、例えば雑草に特化した除草剤混合物が混合できる。除草剤混合モジュール108は、典型的には、例えばISO 668:2013-08の20フィート型標準コンテナの形態である筐体内に置かれる。
【0068】
図4は、エネルギーモジュール400の例示の実施形態の上面図を示す。エネルギーモジュール400は実際の発電ブロック404からなり、このブロック内では内燃機関が発電機の助けを得て発電することができる。発電ブロック404は、操作端末406を介して外部から制御することができる。燃料タンクは上から充填することができる。
【0069】
発電ブロック404は、例えば20フィート型標準コンテナの設置面積を取り得るプラットフォーム上に設置される。運搬車両へ締結するための締結点402もこのモジュール400に見られる。側面の格子414が、操作要員をプラットフォーム408からの転落から守る。プラットフォーム408は、それぞれの梯子410を介して到達できる。梯子は、回転可能なドア412のそれぞれにより塞ぐことができる。格子はエネルギーモジュール400の左側および右側のそれぞれに与えられる必要はない。むしろ、他のモジュール、すなわち支援および制御モジュールおよび除草剤混合モジュールがエネルギーモジュールにこれらの端部を介して到達可能である。
【0070】
図5は連結された多数のモジュールを示す。除草剤混合モジュール108が左端にあり、続いてエネルギーモジュール400、支援および制御モジュール102、そして追加の住居モジュール502がある。バンパー504から、運搬車両上ですべてのモジュールが互いに隣接して図示されているのがわかる。
【0071】
図6は多数のモジュール、すなわち除草剤混合モジュール108、エネルギーモジュール400、支援および制御モジュール102、および住居モジュール502の例の斜視図600を示す。すべてのモジュールは、すぐ分かるほど、2本の車軸のトラック604を有する運搬車両602上に示されている。図示されている個々のモジュールの順番は実用的となるように示されている。住居モジュール502は除草剤混合モジュール108から最も遠くにあり、その結果、除草剤混合モジュール108の誤動作した場合(例えば制御されていない除草剤の漏れ)であっても、乗っている職員は単に距離によって守られる。
【0072】
エネルギーモジュール400は除草剤混合モジュール108と支援および制御モジュール102の間にあり、両方のモジュールへ電力を良好に供給することができる。エネルギーモジュール400のプラットフォームは、混合モジュール108および支援および制御モジュール102からも充分に到達可能である。
【0073】
図7は、補給車702、雑草防除用モジュール式システム一式を有する運搬車両704、およびタンク車706からなる列車700の例の斜視図を示し、タンク車706を使って水を輸送することができて、ホースを通してこの水を混合モジュール108で利用することができる。補給車702は列車に対する様々な供給資材を保管、輸送するのに使うことができて、特に様々な除草剤をこのように直接、大量に準備しておくことができる。したがって、除草剤の供給は混合モジュール108内の容器の容量に制限されない。列車700の先頭または終端には機関車を与えることができる。向き、すなわちノズルアセンブリからの除草剤の出口は、列車の進行方向に応じて適合される。別の進行方向に対して雑草防除用モジュール式システムのモジュールを再配置する必要はない。
【0074】
図8は道床の雑草を防除する方法800を示す。この方法は、例えば、支援および制御モジュール(SCM)の運搬用要素への可逆的な固定802、除草剤混合モジュール(HMM)の運搬用要素への可逆的な固定804、およびノズルアセンブリの運搬用要素への可逆的な固定806を含む。
【0075】
この場合は、ノズルアセンブリは支援および制御モジュールおよび除草剤混合モジュールの両方から空間的に独立して配置される。
【0076】
この方法800は、除草剤混合モジュールとノズルアセンブリの間に流体連結を確立すること808、雑草に特化した除草剤混合物を混合するための除草剤混合モジュールの弁および混合器を制御するための第1制御信号セットを支援および制御モジュールの制御部を用いて生成すること810、ノズルアセンブリの弁を制御するための第2制御信号セットを支援および制御モジュールの制御部を用いて生成すること812、およびノズルアセンブリのノズルを通して雑草に特化した除草剤混合物を線路へ選択的に噴射すること814、をさらに含む。この場合は、除草剤混合モジュールは、異なる除草剤を収納するための、弁および混合器と選択的に選択的な流体連結をすることができる複数の容器、弁および混合器と選択的に選択的な流体連結をすることができる水道接続金具、および終端要素であって、この要素を介して制御部の終端要素との電気信号接続が確立され、支援および制御モジュールで生成された第1制御信号を除草剤混合モジュールの弁および混合器へと伝えることができる終端要素、を少なくとも含む。
【0077】
本発明の様々な実施形態の説明が例示目的で用いられた。本発明の概念の範囲を制限することは意図されていない。本発明の核心から逸脱しない更なる変更および変形が当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8