(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175755
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】履物用品のソール構造
(51)【国際特許分類】
A43B 13/14 20060101AFI20231205BHJP
【FI】
A43B13/14 A
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023146000
(22)【出願日】2023-09-08
(62)【分割の表示】P 2020198795の分割
【原出願日】2017-03-15
(31)【優先権主張番号】62/308,810
(32)【優先日】2016-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/459,131
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・ケース
(72)【発明者】
【氏名】ザカリー・エム・エルダー
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン・エー・ジェイコブセン
(72)【発明者】
【氏名】ロジャー・ポール・マーフィー
(72)【発明者】
【氏名】リー・ディー・ペイトン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】足による振動を適切に減衰することができる流体充填チャンバを使用したミッドソールを提供する。
【解決手段】アッパー100を有する履物用品10のソール構造200であって、ヒール領域14、16、前足領域12、ヒール領域14、16と前足領域12との間に配置された中足領域を含んでなる。ソール構造は、また、ヒール領域内でソール構造の内側の側部20に沿って延びる第1の流体充填セグメントと、ヒール領域内でソール構造の外側の側部18に沿って延びる第2の流体充填セグメントと、第1の流体充填セグメントと第2の流体充填セグメントとの間に配置されてそれらを接続するウェブ領域とを、第2の障壁層302と協働して画定する第1の障壁層301を含む流体充填チャンバ300を含んでなる。第1の障壁層301は、ウェブ領域内の第2の障壁層302に取り付けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパーを有する履物用品のソール構造であって、
ヒール領域と、
前足領域と、
前記ヒール領域と前記前足領域との間に配置された中足領域と、
前記ヒール領域内で該ソール構造の内側の側部に沿って延びる第1の流体充填セグメン
トと、前記ヒール領域内で該ソール構造の外側の側部に沿って延びる第2の流体充填セグ
メントと、前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セグメントとの間に配置
されてそれらを接続するウェブ領域とを、第2の障壁層と協働して画定する第1の障壁層
を含む流体充填チャンバであって、前記第1の障壁層が、前記ウェブ領域内の前記第2の
障壁層に取り付けられている流体充填チャンバと、
を含んでなることを特徴とするソール構造。
【請求項2】
前記第1の流体充填セグメントおよび前記第2の流体充填セグメントが接地面を含むこ
とを特徴とする、請求項1に記載のソール構造。
【請求項3】
前記ウェブ領域が前記接地面から窪んでいることを特徴とする、請求項2に記載のソー
ル構造。
【請求項4】
前記第1の流体充填セグメントが前記第2の流体充填セグメントに流体結合されている
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項5】
前記流体充填チャンバが、前記ヒール領域の周りに延在し、前記第1の流体充填セグメ
ントおよび前記第2の流体充填セグメントに流体結合された第3の流体充填セグメントを
含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項6】
前記流体充填チャンバが、前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セグメ
ントとの間に延びてそれらに接続された第4の流体充填セグメントを含み、前記第4の流
体充填セグメントが、前記内側の側部および前記外側の側部の間に延在していることを特
徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項7】
前記ウェブ領域が、前記第1の流体充填セグメント、前記第2の流体充填セグメント、
第3の流体充填セグメント、および、前記第4の流体充填セグメントによって境界付けさ
れていることを特徴とする、請求項6に記載のソール構造。
【請求項8】
前記ウェブ領域が前記アッパーに近接して配置されていることを特徴とする、請求項1
~7のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項9】
前記流体充填チャンバが、前記第1の流体充填セグメントから当該ソール構造の外側の
側部に向かって延びる第5の流体充填セグメントを含むことを特徴とする、請求項1~8
のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項10】
前記流体充填チャンバが、前記第2の流体充填セグメントから当該ソール構造の内側の
側部に向かって延びる第6の流体充填セグメントを含むことを特徴とする、請求項1~9
のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項11】
第5の流体充填セグメントが前記第6の流体充填セグメントと略平行であることを特徴
とする、請求項10に記載のソール構造。
【請求項12】
第6の流体充填セグメントが、前記内側の側部および前記外側の側部の間の位置で終端
する遠位端を含むことを特徴とする、請求項9~11のいずれか一項に記載のソール構造
。
【請求項13】
前記遠位端が前記アッパーに向かう方向に先細りしていることを特徴とする、請求項1
2に記載のソール構造。
【請求項14】
第5の流体充填セグメントが前記内側の側部から前記外側の側部に連続して延びている
ことを特徴とする、請求項9~13のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項15】
第5の流体充填セグメントが、前足領域内に前記内側の側部および前記外側の側部の間
の位置で終端する遠位端を含むことを特徴とする、請求項9~14のいずれか一項に記載
のソール構造。
【請求項16】
前記第5の流体充填セグメントの遠位端が前記アッパーに向かう方向に先細りしている
ことを特徴とする、請求項15に記載のソール構造。
【請求項17】
前記流体充填チャンバの一部の上に延びるオーバーモールド部をさらに含むことを特徴
とする、請求項1~16のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項18】
前記オーバーモールド部が前記ヒール領域の上に延びることを特徴とする、請求項17
に記載のソール構造。
【請求項19】
前記オーバーモールド部が前記中足領域の上に延びることを特徴とする、請求項18に
記載のソール構造。
【請求項20】
前記オーバーモールド部が前記前足領域の内に延びることを特徴とする、請求項19に
記載のソール構造。
【請求項21】
前記オーバーモールド部が前記第2の障壁層に結合され、前記第2の障壁層とは異なる
厚さ、異なる硬度、および異なる材料の中から少なくとも1つを含むことを特徴とする、
請求項17~20のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載のソール構造が組み込まれた履物用品。
【請求項23】
アッパーを有する履物用品のソール構造であって、
ヒール領域と、
前足領域と、
前記ヒール領域と前記前足領域との間に配置された中足領域と、
前記前足領域内で該ソール構造の内側の側部および外側の側部の間に連続的に延びる第
1の流体充填セグメントと、前記前足領域内で該ソール構造の前記内側の側部および前記
外側の側部の間に連続的に延びる第2の流体充填セグメントと、前記第1の流体充填セグ
メントと前記第2の流体充填セグメントとの間に配置されてそれらを接続するウェブ領域
とを、第2の障壁層と協働して画定する第1の障壁層を含む流体充填チャンバであって、
前記第1の障壁層が、前記ウェブ領域内の前記第2の障壁層に取り付けられている流体充
填チャンバと、
を含んでなることを特徴とするソール構造。
【請求項24】
前記第1の流体充填セグメントおよび前記第2の流体充填セグメントが接地面を含むこ
とを特徴とする、請求項23に記載のソール構造。
【請求項25】
前記ウェブ領域が前記接地面から窪んでいることを特徴とする、請求項24に記載のソ
ール構造。
【請求項26】
前記第1の流体充填セグメントが前記第2の流体充填セグメントに流体結合されている
ことを特徴とする、請求項23~25のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項27】
前記流体充填チャンバが、前記内側の側部および前記外側の側部のどちらか一つにそっ
て延在し、前記第1の流体充填セグメントおよび前記第2の流体充填セグメントに流体結
合された第3の流体充填セグメントを含むことを特徴とする、請求項23~26のいずれ
か一項に記載のソール構造。
【請求項28】
前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セグメントとが、前記内側の側部
および前記外側の側部のどちらか一方から前記内側の側部および前記外側の側部の他方の
方向に延びる方向に互いに向かって収束していることを特徴とする、請求項23~27の
いずれか一項に記載のソール構造。
【請求項29】
前記ウェブ領域が、前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セグメントと
の間で、前記内側の側部および前記外側の側部の他方において延在していることを特徴と
する、請求項23~28のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項30】
前記第1の流体充填セグメントが、前記内側の側部および前記外側の側部の他方で、前
記第2の流体充填セグメントから離間していることを特徴とする、請求項23~29のい
ずれか一項に記載のソール構造。
【請求項31】
前記ウェブ領域が、第3の流体充填セグメントから前記内側の側部および前記外側の側
部の他方に連続的に延びていることを特徴とする、請求項23~30のいずれか一項に記
載のソール構造。
【請求項32】
前記ウェブ領域が、前記第1の流体充填セグメント、前記第2の流体充填セグメント、
第3の流体充填セグメント、および、前記内側の側部および前記外側の側部の他方によっ
て、境界付けがされていることを特徴とする、請求項27~31のいずれか一項に記載の
ソール構造。
【請求項33】
前記ウェブ領域が前記アッパーに近接して配置されていることを特徴とする、請求項2
3~32のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項34】
前記流体充填チャンバが、前記第2の流体充填セグメントから前記内側および前記外側
の側部の他方に沿って延びる第4の流体充填セグメントを含むことを特徴とする、請求項
23~32のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項35】
前記流体充填チャンバが、前記第4の流体充填セグメントに流体結合された第5の流体
充填セグメントであって、前記内側の側部および前記外側の側部の一方から前記内側の側
部および前記外側の側部の他方に向かって延びる第5の流体充填セグメントを含むことを
特徴とする、請求項34に記載のソール構造。
【請求項36】
前記第4の流体充填セグメントが前記第5の流体充填セグメントと略平行であることを
特徴とする、請求項35に記載のソール構造。
【請求項37】
前記第5の流体充填セグメントが、前記内側の側部および前記外側の側部の間の位置で
終端する遠位端を含むことを特徴とする、請求項35または36に記載のソール構造。
【請求項38】
前記遠位端が前記アッパーに向かう方向に先細りしていることを特徴とする請求項37
に記載のソール構造。
【請求項39】
前記流体充填チャンバの一部の上に延在するオーバーモールド部をさらに含むことを特
徴とする、請求項23~38のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項40】
前記オーバーモールド部が前記ヒール領域の上に延びることを特徴とする、請求項39
に記載のソール構造。
【請求項41】
前記オーバーモールド部が前記中足領域の上に延びることを特徴とする、請求項40に
記載のソール構造。
【請求項42】
前記オーバーモールド部が前記前足領域の内に延びることを特徴とする、請求項41に
記載のソール構造。
【請求項43】
前記オーバーモールド部が前記第2の障壁層に結合され、前記第2の障壁層とは異なる
厚さ、異なる硬度、および異なる材料の中から少なくとも1つを含むことを特徴とする、
請求項39~42のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項44】
請求項23~43のいずれか一項に記載のソール構造が組み込まれた履物用品。
【請求項45】
アッパーを有する履物用品のソール構造であって、
ヒール領域と、
前足領域と、
前記ヒール領域と前記前足領域との間に配置された中足領域と、
該ソール構造の内側の側部と該ソール構造の外側の側部のどちらか一つに沿って前記ヒ
ール領域から前記前足領域に延びる第1の流体充填セグメントと、前記内側の側部および
前記外側の側部の一方から前記内側の側部および前記外側の側部の他方に延びる第2の流
体充填セグメントと、前記内側の側部および前記外側の側部の他方から前記内側の側部お
よび前記外側の側部の一方に延びる第3の流体充填セグメントとを、第2の障壁層と協働
して画定する第1の障壁層を含む流体充填チャンバと、
を含んでなることを特徴とするソール構造。
【請求項46】
前記第1の流体充填セグメントおよび前記第2の流体充填セグメントが接地面を含むこ
とを特徴とする、請求項45に記載のソール構造。
【請求項47】
前記接地面が、前記第1の流体充填セグメント、前記第2の流体充填セグメント、およ
び、前記第3の流体充填セグメントに沿って前記ヒール領域から前記前足領域に中断され
ずに延びていることを特徴とする、請求項46に記載のソール構造。
【請求項48】
前記第2の流体充填セグメントが、前記内側の側部および前記外側の側部の一方から前
記内側の側部および前記外側の側部の他方に連続的に延びていることを特徴とする、請求
項45~47のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項49】
第3の流体充填セグメントが、前記内側の側部および前記外側の側部の他方から前記内
側の側部および前記外側の側部の一方に連続的に延びていることを特徴とする、請求項4
5~48のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項50】
前記流体充填チャンバが、前記内側の側部および前記外側の側部の他方に沿って延びる
第4の流体充填セグメントを含むことを特徴とする、請求項45~49のいずれか一項に
記載のソール構造。
【請求項51】
前記第4の流体充填セグメントが前記第2の流体充填セグメントと前記第3の流体充填
セグメントとの間に延在して流体結合していることを特徴とする、請求項50に記載のソ
ール構造。
【請求項52】
ウェブ領域が接地面から窪んでいることを特徴とする、請求項45~51のいずれか一
項に記載のソール構造。
【請求項53】
前記第2の流体充填セグメントと前記第3の流体充填セグメントとが、前記内側の側部
および前記外側の側部の他方から前記内側の側部および前記外側の側部の一方の方向に延
びる方向に互いに向かって収束していることを特徴とする、請求項45~52のいずれか
一項に記載のソール構造。
【請求項54】
ウェブ領域が、前記第2の流体充填セグメントと前記第3の流体充填セグメントとの間
で、前記内側の側部および前記外側の側部の一方において延在していることを特徴とする
、請求項45~53のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項55】
前記第2の流体充填セグメントが、前記内側の側部および前記外側の側部の一方で、前
記第3の流体充填セグメントから離間していることを特徴とすることを特徴とする、請求
項45~54のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項56】
ウェブ領域が、第4の流体充填セグメントから前記内側の側部および前記外側の側部の
他方に連続的に延びていることを特徴とする、請求項45~55のいずれか一項に記載の
ソール構造。
【請求項57】
ウェブ領域が、前記第2の流体充填セグメント、前記第3の流体充填セグメント、第4
の流体充填セグメント、および、前記内側の側部および前記外側の側部の一方によって、
境界付けがされていることを特徴とする、請求項45~56のいずれか一項に記載のソー
ル構造。
【請求項58】
ウェブ領域が前記アッパーに近接して配置されていることを特徴とする、請求項45~
57のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項59】
前記流体充填チャンバが、前記第3の流体充填セグメントから前記内側および前記外側
の一方に沿って延びる第5の流体充填セグメントを含むことを特徴とする、請求項45~
58のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項60】
前記流体充填チャンバが、前記第5の流体充填セグメントに流体結合された第6の流体
充填セグメントであって、前記内側の側部および前記外側の側部の他方から前記内側の側
部および前記外側の側部の一方に向かって延びる第6の流体充填セグメントを含むことを
特徴とする、請求項59に記載のソール構造。
【請求項61】
前記第5の流体充填セグメントが前記第6の流体充填セグメントと略平行であることを
特徴とする、請求項60に記載のソール構造。
【請求項62】
前記第6の流体充填セグメントが、前記内側の側部と前記外側の側部との間の位置で終
端する遠位端を含むことを特徴とする、請求項60または61に記載のソール構造。
【請求項63】
前記遠位端が前記アッパーに向かう方向に先細りしていることを特徴とする請求項62
に記載のソール構造。
【請求項64】
前記流体充填チャンバの一部の上に延在するオーバーモールド部をさらに含むことを特
徴とする、請求項45~63のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項65】
前記オーバーモールド部が前記ヒール領域の上に延びることを特徴とする、請求項64
に記載のソール構造。
【請求項66】
前記オーバーモールド部が前記中足領域の上に延びることを特徴とする、請求項65に
記載のソール構造。
【請求項67】
前記オーバーモールド部が前記前足領域の内に延びることを特徴とする、請求項66に
記載のソール構造。
【請求項68】
前記オーバーモールド部が前記第2の障壁層に結合され、前記第2の障壁層とは異なる
厚さ、異なる硬度、および異なる材料の中から少なくとも1つを含むことを特徴とする、
請求項64~67のいずれか一項に記載のソール構造。
【請求項69】
請求項45~68のいずれか一項に記載のソール構造が組み込まれた履物用品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]本出願は、2016年3月15日に出願された米国仮出願第
62/308,810号、および2017年3月15日に出願された米国特許出願第15
/459,131号に対する優先権を主張し、その開示は、この参照によってすべてが組
み込まれる。
【0002】
本出願は、一般に、履物用品のソール構造に関し、より詳細には、複数の流体充填セグ
メントを有する流体充填チャンバを組み込んだソール構造に関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションは、必ずしも先行技術ではない本出願に関する背景情報をもたらす。
【0004】
履物用品は、従来、アッパーおよびソール構造を含む。アッパーは、ソール構造上に足
を受け入れ、固定し、支持するための任意の適切な材料から形成され得る。アッパーは、
靴ひも、ストラップ、または他のファスナと協働して、足の周囲へのアッパーのフィット
を調整することができる。足の底面に近接するアッパーの底部が、ソール構造に取り付け
られる。
【発明の概要】
【0005】
ソール構造は、一般に、地面とアッパーとの間に延在する層状構造を含む。ソール構造
の1つの層は、耐摩耗性および地面との牽引力をもたらすアウトソールを含む。アウトソ
ールは、耐久性および耐摩耗性を付与するゴムまたは他の材料から形成することができ、
また地面との牽引力を高めることができる。ソール構造の別の層は、アウトソールとアッ
パーとの間に配置されたミッドソールを含む。ミッドソールは、足へクッション性をもた
らし、グラウンド反発力(ground-reaction forces)を減衰させることによって足の衝撃を
吸収するために、負荷された荷重の下で弾力的に圧縮するポリマーフォーム材料から部分
的に形成され得る。ミッドソールは、付加的または代替的に、ソール構造の耐久性を向上
させるとともに、加えられた荷重の下で弾性的に圧縮してグラウンド反発力を減衰させる
ことによって足にクッションをもたらす流体充填チャンバを組み込んでもよい。ソール構
造はまた、快適性向上インソールまたはソールライナーを含み、ソールライナーは、アッ
パーの底部に近接した隙間内に位置し、ストローブル(stroble)はアッパーに取り付けら
れ、ミッドソールとインソールまたはソックスライナーの間に配置される。
【0006】
流体充填チャンバを使用するミッドソールは、一般に、密封または結合され、空気など
の流体で加圧されるポリマー材料の2つの障壁層から形成されるチャンバとして構成され
、例えば運動中のような荷重下でチャンバが弾力的に圧縮するときに、チャンバの形状を
保持する張力部材をチャンバ内に組み込み得る。一般に、流体充填チャンバは、足へのサ
ポートのバランスと、流体充填チャンバが荷重下で弾力的に圧縮するときの応答性に関連
するクッション特性と、を重視して設計される。しかしながら、流体充填チャンバは全体
として、流体充填チャンバが圧縮してグラウンド反発力を減衰させるが、足による振動を
適切に減衰させることができない。したがって、足による振動を減衰させ、グラウンド反
発力を減衰させながら足に許容されるクッションをもたらす流体充填チャンバからミッド
ソールを形成することは困難である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書に記載される図面は、選択された構成のみを説明するためのものであって、本
出願の範囲を限定することを意図するものではない。
【0008】
【
図1】本出願の原理に基づく履物用品の側面斜視図である。
【
図2】
図1の履物用品の分解図で、層状構成に配置された、ミッドソール、流体充 填チャンバ、およびアウトソールを有するソール構造を示す。
【
図3】
図1の線3-3で切った断面図で、ソール構造の前足領域内に流体充填セグ メントを示し、ソール構造の外側の側部(a lateral side)とソール構造の内側の側部 (a medial side)との間で連続的に延びる。
【
図4】
図1の線4-4で切った断面図で、ソール構造のヒール領域内の流体充填セ グメントに取り付けられたオーバーモールド部を示す。
【
図5】
図1の履物用品の底面概略図で、ソール構造体の流体充填チャンバに関連す る複数の流体充填セグメントの幾何形状および構成を示す。
【
図6】
図5の線6-6で切った断面図で、ソール構造の前足領域(a forefoot reg ion)内に配置され、ソール構造の内側の側部からソール構造の外側の側部に連続し て延びる流体充填セグメントを示す。
【
図7】
図5の線7-7で切った断面図で、ソール構造の中足領域(a mid-foot regi on)内に配置され、ウェブ領域によって互いに分離された流体充填セグメントを示す 。
【
図8】
図5の8-8線で切った断面図で、ソール構造の内側の側部に沿って延びる 第2の流体充填セグメントに流体的に接続されたソール構造体の外側の側部に沿って 延びる第1の流体充填セグメントを示す。
【
図9】
図5の線9-9で切った断面図で、ソール構造の前足領域、中足領域および ヒール領域を通って、ソール構造の外側の側部とソール構造の内側の側部との間を延 びる流体充填セグメントを示す。
【
図10】アウトソールセグメントが取り付けられた流体充填セグメントの斜視図で ある。
【
図11】
図1の履物用品の底面概略図で、ソール構造の流体充填チャンバによって 画定されるクッションおよびベクトルを示す
【0009】
対応する参照番号は、図面全体にわたって対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
例示的な構成は、添付の図面を参照してより完全に説明される。例示的な構成が、本出
願を通して、本出願の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。詳細な特定は、本
出願の構成の完全な理解をもたらすために、特定の構成要素、デバイス、および方法の例
などのように記載される。詳細な特定を採用する必要はなく、その構成例は多くの異なる
形態で実施することができ、その詳細な特定および構成例は本発明の範囲を限定するもの
ではないことは、当業者には明らかであろう。
【0011】
本明細書で使用する用語は、特定の例示的な構成のみを説明するためのものであって、
限定することを意図するものではない。本明細書で使用されるように、単数の冠詞「a」
、「an」および「the」は、文脈が他に明白に示さない限り、複数形も含むことが意図さ
れている。「含む」、「含んでなる」、「含んでいる」、および「有する」という用語は
、包括的であって、従って、特徴、ステップ、動作、要素および/または構成要素の存在
を特定するが、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループのう
ちの少なくとも1つを含み得る。本明細書に記載の方法のステップ、プロセス、および動
作は、性能の順序として具体的に特定されない限り、必ずしも説明または図示された特定
の順序で性能を必要とすると解釈されるべきではない。追加の或いは代替のステップを採
用してもよい。
【0012】
ある要素または層が他の要素または層に「上に」、「係合している」、「接続されてい
る」、「取り付けられている」または「結合している」と言及される場合、或いは、他の
要素または層に結合されてもよく、若しくは、介在要素または層が存在してもよい。対照
的に、ある要素が他の要素または層に「直接的に」、「直接的に関与している」、「直接
的に接続されている」、「直接的に連続している」、または「直接的に結合している」と
言及されている場合、介在要素または層が存在しない。要素間の関係を説明するために使
用される他の言葉は、同様の方法で(例えば、「間」対「直接間」、「隣接」対「直接隣
接」など)解釈されるべきである。本明細書で使用される場合、「および/または」とい
う用語は、関連する列挙された項目の1つまたは複数の任意のおよびすべての組み合わせ
を含む。
【0013】
第1、第2、第3などの用語は、本明細書では、様々な要素、構成要素、領域、層およ
び/またはセクションを説明するために使用され得る。これらの要素、コンポーネント、
領域、層および/またはセクションは、これらの用語によって限定されるべきではない。
これらの用語は、ある要素、コンポーネント、領域、層、またはセクションを他の領域、
層またはセクションと区別するためにのみ使用され得る。「第1」、「第2」などの用語
および他の数値用語は、文脈によって明白に示されない限り、順序または順番を意味しな
い。したがって、以下に説明する第1の要素、構成要素、領域、層、またはセクションは
、例示的構成の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層またはセク
ションと呼ぶことができる。
【0014】
本出願の一態様は、アッパーを有する履物用品のソール構造を提供する。ソール構造は
、ヒール領域と、前足領域と、ヒール領域と前足領域との間に配置された中足領域と、流
体充填チャンバとを含む。流体充填チャンバは、ヒール領域内のソール構造の内側の側部
に沿って延びる第1の流体充填セグメントを画定するために、第2の障壁層と協働する第
1の障壁層を含む。第2の流体充填セグメントは、ヒール領域内のソール構造の外側の側
部に沿って延びる。ウェブ領域は、第1の流体充填セグメントと第2の流体充填セグメン
トとの間に配置され、それらを接続する。第1の障壁層は、ウェブ領域内の第2の障壁層
に取り付けられる。
【0015】
本出願の実施形態は、以下の任意の特徴のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施
形態では、第1の流体充填セグメントおよび第2の流体充填セグメントは、それぞれ接地
面を含む。ウェブ領域は、接地面から窪んでいてもよい。第1の流体充填セグメントは、
第2の流体充填セグメントに流体連通し得る。流体充填チャンバは、ヒール領域の周囲に
延在し、第1の流体充填セグメントおよび第2の流体充填セグメントに流体結合された第
3の流体充填セグメントをさらに含み得る。流体充填チャンバはまた、第1の流体充填セ
グメントと第2の流体充填セグメントとの間に延在し、それらに接続された第4の流体充
填セグメントを含み得る。ここで、第4の流体充填セグメントは、内側の側部と外側の側
部との間に延在し得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、ウェブ領域は、第1の流体充填セグメント、第2の流体充填
セグメント、第3の流体充填セグメント、および第4の流体充填セグメントによって境界
が定められる。ウェブ領域はさらに、アッパーに近接して配置され得る。いくつかの例で
は、流体充填チャンバは、第1の流体充填セグメントからソール構造の外側の側部に向か
って延びる第5の流体充填セグメントを含む。チャンバはまた、第2の流体充填セグメン
トからソール構造の内側に向かって延びる第6の流体充填セグメントを含み得る。第5の
流体充填セグメントは、第6の流体充填セグメントと実質的に平行であり得る。第6の流
体充填セグメントは、内側の側部と外側の側部との間の位置で終端する遠位端を含み得る
。遠位端は、上方に向かう方向に先細りテーパ状になっていてもよい。いくつかの例では
、第5の流体充填セグメントは、内側から外側へ連続的に延びている。第5の流体充填セ
グメントは、前足領域内の内側と外側の間の位置で終端する遠位端を含み得る。第5の流
体充填セグメントの遠位端は、上方に向かう方向に先細りテーパ状になっていてもよい。
【0017】
ソール構造は、流体充填チャンバの一部の上に延びるオーバーモールド部を含み得る。
オーバーモールド部は、ヒール領域、中足領域および/または前足領域の上に延び得る。
オーバーモールド部は、第2の障壁層に結合されてもよく、第2の障壁層とは異なる厚さ
、異なる硬度、および異なる材料のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0018】
本出願の別の態様は、アッパーを有する履物用品のためのソール構造をもたらす。ソー
ル構造は、ヒール領域と、前足領域と、ヒール領域と前足領域との間に配置された中足領
域と、流体充填チャンバとを含む。流体充填チャンバは、前足領域内のソール構造の内側
の側部とソール構造の外側の側部との間に連続的に延びる第1の流体充填セグメントを画
定するために第2の障壁層と協働する第1の障壁層を含む。第2の流体充填セグメントは
、前足領域内のソール構造の内側の側部とソール構造の外側の側部との間を連続的に延び
る。ウェブ領域は、第1の流体充填セグメントと第2の流体充填セグメントとの間に配置
され、それらを連結し、第1の障壁層はウェブ領域内の第2の障壁層に取り付けられる。
【0019】
この態様は、以下のオプション機能の1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、
第1の流体充填セグメントおよび第2の流体充填セグメントは、それぞれ接地面を含む。
ウェブ領域は、接地面から窪んでいてもよい。第1の流体充填セグメントは、第2の流体
充填セグメントに流体結合し得る。いくつかの例では、流体充填チャンバは、内側の側部
および外側の側部の一方に沿って延在し、第1の流体充填セグメントおよび第2の流体充
填セグメントに流体結合される第3の流体充填セグメントを含む。第1の流体充填セグメ
ントおよび第2の流体充填セグメントは、内側の側部および外側の側部の一方から内側の
側部および外側の側部の他方に延びる方向に互いに向かって収束し得る。
【0020】
いくつかの例では、ウェブ領域は、第1の流体充填セグメントと第2の流体充填セグメ
ントとの間で、内側の側部および外側の側部の他方に延びている。第1の流体充填セグメ
ントは、内側の側部および外側の側部の他方の第2の流体充填セグメントから離間し得る
。ウェブ領域は、第3の流体充填セグメントから内側の側部および外側の側部の他方に連
続的に延び得る。ウェブ領域は、第1の流体充填セグメント、第2の流体充填セグメント
、第3の流体充填セグメント、および、内側の側部および外側の側部の他方によって境界
を定められ得る。ウェブ領域は、アッパーに近接して配置され得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、流体充填チャンバは、第2の流体充填セグメントから内側の
側部および外側の側部の他方に沿って延びる第4の流体充填セグメントを含む。流体充填
チャンバは、第4の流体充填セグメントに流体結合され、内側の側部および外側の側部の
一方から内側の側部および外側の側部の他方に向かって延びる第5の流体充填セグメント
を含み得る。第4の流体充填セグメントは、第5の流体充填セグメントと実質的に平行で
あり得る。第5の流体充填セグメントは、内側の側部と外側の側部との間の位置で終端す
る遠位端を含み得る。遠位端は、上方に向かう方向に先細りテーパ状になり得る。
【0022】
ソール構造は、流体充填チャンバの一部の上に延びるオーバーモールド部を含み得る。
オーバーモールド部は、ヒール領域の上に延び得る。オーバーモールド部は、中足領域の
上に延び得る。オーバーモールド部は、前足領域内に延び得る。オーバーモールド部は、
第2の障壁層に結合されてもよく、第2の障壁層とは異なる厚さ、異なる硬度、および異
なる材料のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0023】
さらに別の態様では、本出願は、アッパーを有する履物用品のためのソール構造をもた
らす。ソール構造は、ヒール領域と、前足領域と、ヒール領域と前足領域との間に配置さ
れた中足領域と、流体充填チャンバとを含む。流体充填チャンバは、第2の障壁層と協働
して第1の流体充填セグメントを画定する第1の障壁層を含み、第1の流体充填セグメン
トは、ヒール領域から前足領域にソール構造の内側の側部およびソール構造の外側の側部
のいずれか一方にそって延びている。第2の流体充填セグメントは、内側の側部および外
側の側部の一方から他方に延びている。第3の流体充填セグメントは、内側の側部および
外側の側部の他方から内側の側部と外側の側部の一方に延びている。
【0024】
この態様は、以下のオプション機能の1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、
第1の流体充填セグメントおよび第2の流体充填セグメントは、それぞれ接地面を含む。
接地面は、第1の流体充填セグメント、第2の流体充填セグメント、および第3の流体充
填セグメントに沿って、ヒール領域から前足領域まで途切れることなく延び得る。第2の
流体充填セグメントは、内側の側部および外側の側部の一方から内側の側部および外側の
側部の他方へ連続的に延び得る。第3の流体充填セグメントは、内側の側部および外側の
側部の他方から内側の側部および外側の側部の一方へ連続的に延び得る。
【0025】
いくつかの例では、流体充填チャンバは、内側および外側の他方に沿って延びる第4の
流体充填セグメントを含む。第4の流体充填セグメントはまた、第2の流体充填セグメン
トと第3の流体充填セグメントとの間で延在し、流体結合し得る。ウェブ領域は、流体充
填チャンバの接地面から窪んでいてもよい。第2の流体充填セグメントと第3の流体充填
セグメントは、内側の側部および外側の側部の他方から内側の側部および外側の側部の一
方に延びる方向に互いに向かって収束し得る。ウェブ領域は、内側の側部および外側の側
部の一方に、第2の流体充填セグメントと第3の流体充填セグメントとの間で延在し得る
。第2の流体充填セグメントは、内側の側部および外側の側部の一方で、第3の流体充填
セグメントから離間しても良い。
【0026】
いくつかの実施形態では、ウェブ領域は、第4の流体充填セグメントから内側の側部お
よび外側の側部の他方に連続的に延びている。ウェブ領域は、第2の流体充填セグメント
と、第3の流体充填セグメントと、第4の流体充填セグメントと、内側の側部および外側
の側部の一方と、によって境界が定められ得る。ウェブ領域は、アッパーに近接して配置
され得る。
【0027】
流体充填チャンバは、第3の流体充填セグメントから内側および外側の一方に沿って延
びる第5の流体充填セグメントを含み得る。流体充填チャンバは、第5の流体充填セグメ
ントに流体連結され、内側の側部および外側の側部の他方から内側の側部および外側の側
部の一方に向かって延びる第6の流体充填セグメントをさらに含み得る。第5の流体充填
セグメントは、第6の流体充填セグメントと実質的に平行であり得る。第6の流体充填セ
グメントは、さらに、内側の側部および外側の側部の間の位置で終端する遠位端を含み得
る。いくつかの例では、遠位端は、アッパーに向かう方向に先細りテーパ状になる。
【0028】
ソール構造はまた、流体充填チャンバの一部の上に延びるオーバーモールド部を含み得
る。オーバーモールド部は、ヒール領域の上に延び得る。オーバーモールド部はまた、中
足領域上に延在してもよい。オーバーモールド部はさらに、前足領域内に延び得る。オー
バーモールド部は、第2の障壁層に結合されてもよく、第2の障壁層とは異なる厚さ、異
なる硬度、および異なる材料のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0029】
図1に示すように、履物用品10は、アッパー100と、アッパー100に取り付けら
れたソール構造200とを含む。履物用品10は、1つ以上の領域に分割され得る。この
領域は、前足領域12と中足領域14とヒール領域16とを含み得る。前足領域12は、
中足骨を足の指骨に接続するつま先および関節に対応し得る。中足領域14は足のアーチ
領域に対応し、ヒール領域16は踵骨を含む足の後部に対応し得る。履物10は、履物1
0の反対側(両側)に対応し、それぞれの領域12、14、16を通って延びる外側の側
部18および内側の側部20をそれぞれ含み得る。
【0030】
アッパー100は、ソール構造200に支持するために足を受け入れて固定するように
構成された内部空洞102を画定する内部表面を含む。ヒール領域16の足首開口部10
4は、内部空洞102へのアクセスを提供し得る。例えば、足首開口部104は、足を受
けて、足を空洞102内に固定し、足を足の内部空洞102に出し入れするのを容易にす
る。いくつかの例では、1つ以上のファスナ106が、足の周りの内部空洞102のフィ
ットを調整し、そこへの侵入および除去を可能にする。アッパー100は、アイレットな
どのアパーチャおよび/またはファスナ106を受けるファブリックまたはメッシュルー
プなどの他の係合フィーチャを含み得る。ファスナ106は、靴ひも、ストラップ、コー
ド、フックアンドループ、または任意の他の適切なタイプのファスナを含み得る。
【0031】
アッパー100は、内部空洞102とファスナ106との間に延在する舌部110を含
み得る。アッパー100は、内部空洞102を形成するために互いに縫い合わされるか或
いは接着剤で結合される1つ以上の材料から形成され得る。好適なアッパーの材料は、メ
ッシュ、織物、発泡剤、皮革、および合成皮革を含むが、これらに限定されない。材料は
、耐久性、空気透過性、耐摩耗性、柔軟性および快適性の特性を付与するように選択され
、配置され得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、ソール構造200は、層状構成で配置されたアウトソール2
10、流体充填チャンバ300、ミッドソール240、およびストローブル220を含む
(
図2~
図4)。ソール構造200(例えば、アウトソール210、流体充填チャンバ3
00、ミッドソール240、ストローブル220)は、長手方向軸Lを画定する。例えば
、アウトソール210は、履物用品10の使用中に地面と係合し、流体充填チャンバ30
0は、アウトソール210とミッドソール240との間に配置され、アッパー100およ
び/またはストローブル220に取り付けられる。流体充填チャンバ300は、ミッドソ
ール240を介してアッパー100に取り付けることができ、アウトソール210は、ミ
ッドソール240とは反対側の流体充填チャンバ300に取り付けることができる。いく
つかの例では、ソール構造200は、ストローブル220上に、アッパー100の内部空
洞102内に配置され、足の足裏面を受け入れて、履物10の快適性を高めるためのイン
ソール216または靴下(
図3および
図4)などの追加の層を組み込むこともできる。
【0033】
流体充填チャンバ300は、成形プロセスまたは加熱プロセス中に、上部障壁層301
(以下、「上部層301」)および下部障壁層302(「下部層302」)から形成され
る。いくつかの例では、上部層301および下部層302は、1つ以上のポリマー材料か
ら形成される。上部層301と下部層302とは、ソール構造200の周囲に共に接合さ
れ、フランジ306を画定する(
図3および
図4)。さらに、上部層301および下部層
302は、ソール構造200の外側の側部18とソール構造200の内側の側部20との
間の様々な場所で一緒に接合されて、ウェブ領域308を画定する(
図3および
図4)。
【0034】
いくつかの実施形態では、流体充填チャンバ300は、複数の流体充填セグメント31
1、312、313、314、315、316、317、318、319、320、32
1、322、323、324を含み(
図5参照)、それぞれが加圧された流体(例えば、
空気)を含み、履物10の使用中に足にクッション性および安定性をもたらす。流体充填
セグメント311~324は、すべて互いに流体結合され、流体充填セグメント311~
324が、他の流体充填セグメント311~324とは異なる長さを有し得る。流体充填
セグメント311~324はソール構造200の領域に形成され、上部層301と下部層
302とが分離され、互いに離間して加圧流体(例えば、空気)を封入するためのそれぞ
れの空隙を画定する。したがって、フランジ306およびウェブ領域308は、上部層3
01および下部層302が接合および接合される流体充填チャンバ300の領域に対応し
、協働して各流体充填セグメントの境界を限定し、その中に加圧流体を密封する。したが
って、流体充填セグメント311~324は、ソール構造200のそれぞれの領域12、
14、16の対応する領域内に配置されてもよく、ウェブ領域308によって互いに離間
されてもよい。換言すれば、より多くの流体充填セグメント311~324は、協働して
ウェブ領域308の対応する領域を境界付けすることができる。
【0035】
流体充填セグメント311~324の幾何形状および構成は、
図5に示された履物10
の底面概要図に示されている。他の実施形態では、足のクッションをもたらすために、加
圧された流体の代わりに或いはそれに加えて、ポリマー発泡体および/または粒子状物質
などの1つまたは複数のクッション材料が、1つ以上の流体充填セグメント311~32
4によって封入される。これらの実施形態では、クッション材料は、加えられた荷重の下
で圧縮されたときに軟質クッションをもたらし得る。
【0036】
それぞれの流体充填セグメント311~324は、実質的に管状の断面形状と、チャン
バ300の上部層301と下部層302との間でソール構造200の長手方向軸線Lに対
して実質的に垂直に延びる厚さを画定し得る。このように、それぞれの流体充填セグメン
ト311~324の厚さは、下部層302が上部層301から離れてアッパー100から
離れる方向に突出する距離によって画定される。流体充填セグメント311~324の少
なくとも2つは、異なる厚さを画定し得る。例えば、ヒール領域16に配置された1つ以
上の流体充填セグメント311~324は、前足領域12に配置された1つ以上の流体充
填セグメント311~324に関連する厚さよりも大きな厚さと関連付けられ得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、流体充填セグメント311~324の少なくとも2つは、ソ
ール構造200の外側の側部18に沿って延びているが、少なくとも2つの他の流体充填
セグメント311~324は、ソール構造200の内側の側部20に沿って延びている。
さらに、流体充填セグメント311~324のいくつかは、ソール構造200の外側の側
部18とソール構造200の内側の側部20との間に延在する。例えば、少なくとも1つ
の流体充填セグメント311~324は、外側の側部18および内側の側部20の一方か
ら外側の側部18および内側の側部20の他方へ連続的に延在し得る。追加的にまたは代
替的に、流体充填セグメント311~324のうちの一方は、外側の側部18および内側
の側部20の一方から、内側の側部20および外側の側部18の間の位置で終端する遠位
端5まで延在している。ここで、遠位端5は、アッパー100に向かう方向、すなわち、
流体充填チャンバ300の上部層302に向かって先細りし得る。いくつかの例では、流
体充填チャンバ300は、互いに流体結合し、各領域12、14、16を貫通し、ソール
構造200の外側の側部18と内側の側部20との間に延在する流体充填セグメント31
1~324によって画定された蛇行形状を含む。
【0038】
流体充填チャンバ300に関連する流体充填セグメント311~324は、従来のミッ
ドソールがもたらす機能性およびクッション性を向上させると同時に、履物10の使用中
のグラウンド反発力に応答して生じる足による振動を減衰させることによって、向上され
た安定性およびサポート性をもたらす。例えば、歩行または走行運動のような前進運動中
のソール構造200への荷重は、グラウンド反発力を減衰させることによって足にクッシ
ョンをもたらすために流体充填セグメント311~324のいくつかを圧縮させ、その一
方、他の流体充填セグメント311~324は、その形状を保持し、グラウンド反発力の
初期衝撃に応じて履物10に対して足の振動を減衰させる安定性およびサポート特性を付
与し得る。
【0039】
さらに、流体充填セグメント311~324のうちの1つまたは複数は、ソール構造2
00の異なる領域12、14、16内のウェブ領域308と相互作用して、応答型クッシ
ョンの分離された領域をもたらし得る。例えば、ヒール領域16内の流体充填セグメント
311~314は、ヒール領域16の周囲の周りのセグメント311~314にグラウン
ド反発力の初期衝撃をトランポリン効果により吸収させることによって、ウェブ領域30
8のそれぞれの部分を拘束して、ヒール領域16に応答型クッションをもたらし、流体充
填セグメント311~314が連続して圧縮し、それによってヒール領域16に勾配応答
型クッションをもたらす。
【0040】
さらに、ソール構造200に沿った流体充填セグメント311~324(
図5)の幾何
学的形状および配置は、アウトソール210がヒール領域16から前足部領域12に地面
との係合のために転動する前進運動の間に、アウトソール210と地面との間の牽引力を
高めることができる。また、アウトソール210が 外側の側部18および内側の側部2
0の一方から外側の側部18および内側の側部20の他方に地面との係合のために転動す
る横方向運動の間も同様である。
【0041】
図2は、
図1の履物用品10の分解図を示す。ストローブル220は、底面222と、
フットベッド224とを含み、フットベッド224は、ストローブル220の底面222
とは反対側に配置され得る。ステッチング226または接着剤は、ストローブル220を
アッパー100に固定し得る。フットベッド224は、足の底面(例えば、足裏)の輪郭
に一致するように形成され得る。いくつかの例では、インソール216または靴下(
図3
および
図4参照)は、足の下でフットベッド224の上に、アッパー100の内部空洞1
02の少なくとも一部内に配置され得る。ストローブル220の底面222は、ミッドソ
ール240に対向し得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、ミッドソール240は、ストローブル220の底面222と
流体充填チャンバ300の上部層301との間に配置される。より具体的には、ミッドソ
ール240は、底面242と、上面244とを含み、上面244は、ミッドソール240
の底面242とは反対側に配置される。ミッドソール240の上面244は、ストローブ
ル220の底面222と接合し、また、アッパー100の周面の周りに延在して接合する
。ミッドソール240の底面242は、流体充填チャンバ300の上面301と接合する
。したがって、ミッドソール240は中間層として作用し、ミッドソール240の上面2
44をアッパー100および/またはストローブル220の底面222に接合することに
よって、さらに、底面242を流体充填チャンバ300の上部層301に接合することに
よって、流体充填チャンバ300の上部層301を間接的にアッパー100に取り付ける
。これによって、ソール構造200(例えば、アウトソール210、流体充填チャンバ3
00、およびミッドソール240)をアッパー100に固定する。さらに、履物10のミ
ッドソール240は、上部層301がアッパー100の周面上に延在する程度を低減する
ことも可能で、したがって、上部層301がアッパー100から外れる可能性を低減する
ことによって、履物10の長時間の使用時における履物10の耐久性を高める。
【0043】
さらに、ミッドソール240は、足のクッションおよびサポートをもたらすために、足
の底面のプロフィールに一致するように輪郭付けられ得る。いくつかの例では、ミッドソ
ール240は、グラウンド反発力を減衰させることによって足にクッションを与えるため
に、適用される荷重下で弾力的に圧縮する1つ以上のポリマーフォーム材料のスラブから
形成される。いくつかの実施形態では、適用される荷重下での流体充填チャンバ300の
複数の流体充填セグメント311~324による圧縮は応答型クッションをもたらす一方
、適用される荷重下のミッドソール240による圧縮が軟質クッションをもたらす。した
がって、流体充填セグメント311~324およびミッドソール240は協働して、適用
される荷重が変化するにつれて変化する勾配クッションを靴用品10にもたらすことがで
きる(すなわち、荷重が大きいほど、流体充填セグメント311~324が圧縮され、し
たがって、履物10がより敏感に反応する)。
【0044】
流体充填チャンバ300の上部層301は、ミッドソール240の底面242に対向し
て取り付けられる(例えば、接合および結合)。上部層301は、成形プロセスまたは熱
成形プロセスにおいて1つ以上のポリマー材料から形成され、ミッドソール240の外周
に上向きに延びる外周縁を含む。
【0045】
流体充填チャンバ300の下部層302は、上部層301に対して流体充填チャンバ3
00の反対側に配置される。上部層301と同様に、下部層302は、成形プロセスまた
は熱成形プロセスにおいて、同じまたは異なる一つ以上のポリマー材料から形成され得る
。下部層302は、アッパー100に向かって上方に延び、上部層301の外周縁と結合
してフランジ306を形成する外周縁を含み得る。いくつかの実施形態では、下部層30
2は、流体充填チャンバ300に関連する複数の流体充填セグメント311~324の幾
何学的形状(例えば、厚さ、幅、および長さ)を画定する。下部層302および上部層3
01は、流体充填チャンバ300の外側の側部18と内側の側部20との間の複数の別個
の領域に互いに結合して接合し、それぞれの流体充填セグメント311~324を制限し
て分離するウェブ領域308の部分を形成する。したがって、それぞれの流体充填セグメ
ント311~324は、上部層301および下部層302が互いに接合されていない流体
充填チャンバ300の領域に関連付けられ、したがって、それぞれの流体充填セグメント
311~324に関連する空隙をそれぞれ形成するために分離されている。いくつかの実
施形態では、接着剤結合は、上部層301と下部層302とを接合して、フランジ306
およびウェブ領域308を形成する。他の実施形態では、上部層301と下部層302と
が熱結合によって接合されてフランジ306およびウェブ領域308を形成する。
【0046】
いくつかの実施形態では、上部層301および下部層302は、流体充填セグメント3
11~324に関連する窪みを画定する様々な表面をそれぞれ規定するそれぞれのモール
ド部と、下部層302および上部層301が接合して結合する時にフランジ306が形成
される位置を規定するピンチ面とによって、形成される。いくつかの例では、上部層30
1および下部層302の一方または両方が、成形および接着を容易にする温度に加熱され
る。いくつかの例では、上部層301および/または下部層302は、それぞれの金型の
間に配置される前に加熱される。他の例では、上部層301および/または下部層302
の温度を上げるために、モールド(金型)が加熱され得る。いくつかの実施形態では、流
体充填チャンバ300を形成するために使用される成形プロセスにおいて、モールド部分
内に真空ポートを組み込んで、上部層301および下部層302が、それぞれのモールド
部分に引き出されて接触するように空気を除去する。他の実施例では、上部層301と下
部層302との間の領域に空気などの流体を注入して圧力を増加させ、上部層301およ
び下部層302をそれぞれのモールド部分の表面と係合させる。
【0047】
流体充填チャンバ300の厚さは、前足領域12よりもヒール領域16のほうが厚くな
り得る。いくつかの例では、流体充填チャンバ300の厚さは、ヒール領域16から前足
領域12まで徐々に減少し、ヒール領域16に最初に生じ、アウトソール210が地面と
の係合のために転がるにつれて減少する、より大きな大きさのグラウンド反発力を吸収す
るためのより大きな程度のクッション性をもたらす。
【0048】
いくつかの実施形態では、オーバーモールド部304が、流体充填チャンバ300の一
部の上に延在し、適用された荷重の下で流体充填チャンバ300の耐久性および弾力性を
向上させる。オーバーモールド部304は、第2の障壁層302に取り付けることによっ
てヒール領域16上を延在し、ヒール領域16内の流体充填チャンバ300の耐久性およ
び弾力性を向上させることができ、下部層302と上部層301との間の分離距離は、ヒ
ール領域16内のより厚い流体充填チャンバ300を画定するより大きい。追加的または
代替的に、オーバーモールド部304は、中足領域14上を延在し、前足領域12内に延
び得る。いくつかの例では、オーバーモールド部304は、下部層302に結合され、異
なる硬度、および第2の層301とは異なる材料の少なくとも一つを含み得る。オーバー
モールド部304は、ヒール領域16および中足領域14に存在する流体充填セグメント
311~317を部分的に画定する下部層302の領域にのみ取り付けられることに制限
され、したがって、オーバーモールド部304がフランジ306およびウェブ領域308
に付着することがなく、下部層302が上部層301と接合する。したがって、オーバー
モールド部304は、それぞれに取り付けられたそれぞれの流体充填セグメント311~
317の形状にほぼ一致する形状をそれぞれが画定する複数のセグメントを画定し得る。
オーバーモールド部304の複数のセグメントは、いくつかの構成において連続している
。
【0049】
いくつかの例では、アウトソール210は、接地面212と、オーバーモールド部30
4に取り付けられた反対側の内面214と、流体充填セグメント318~324を画定す
る下部層302の領域とを含み、オーバーモールド部のない、例えば、前足領域12であ
る。オーバーモールド部304と同様に、アウトソール210は、それぞれ、流体充填セ
グメント311~324の形状に一致する形状をそれぞれが画定する複数のセグメントを
含み、アウトソール210は、流体充填セグメント311~324の間の領域には存在せ
ず、それによって、流体充填チャンバ300のフランジ306およびウェブ領域308を
露出させる。アウトソール210は、一般に、耐摩耗性および地面との牽引力をもたらし
、耐久性および耐摩耗性を与え、地面との牽引力を高める1つまたは複数の材料から形成
され得る。例えば、ゴムは、アウトソール210の少なくとも一部を形成し得る。接地面
212は、接地面212からアッパー100から離れる方向に突出する複数の接触パッド
232を画定し、接触パッド232は流体充填セグメント311、312、317~32
4の長さに沿って平行に延びて中足領域14および前足領域12に牽引力および安定性を
与え得る。接触パッド232はまた、足の底面を地面からより高い位置にすることができ
る。
【0050】
図3は、
図1の線3-3で切った断面図であって、前足領域12内のソール構造200
の外側の側部18に沿って延びる流体充填チャンバ300の流体充填セグメント319を
示す。ストローブル220は、ステッチング226または他の固定技術によってアッパー
100に固定され、インソール216または靴下は、ストローブル220のフットベッド
224上の内部空洞102に位置する。ストローブル220の底面222は、ミッドソー
ル240の上面244に取り付けられ、ミッドソール240の周縁もまた、アッパー10
0の周面上に延びて取り付けられる。
図3は、ミッドソール240の底面242に取り付
けられ、アッパー100に向かって延在する周縁部を有し、流体充填チャンバ300の周
囲にフランジ306を形成するために、下部層302の周縁と接合する上部層301を示
す。ここで、下部層302は、アッパー100に向かって延び、上部層301と接合して
ウェブ領域308の領域を形成し、外側の側部18でフランジ306と協働して、側部1
8に沿って延びる流体充填セグメント319を規定して制限し得る。ウェブ領域308は
、内側の側部20において流体充填セグメント319からフランジ306まで均一かつ連
続的に延び得る。
図3はまた、ソール構造体200の外側の側部18の流体充填セグメン
ト319からソール構造体200の内側の側部20の流体充填セグメント321まで連続
的に延びる流体充填セグメント320を示す。
【0051】
アウトソール210は、1つ以上の流体充填セグメント311~324に取り付けられ
、それらの形状に適合する。いくつかの例では、流体充填セグメント311~324の少
なくとも1つは、アウトソール210のそれぞれのセグメントを受け入れて支持するよう
に構成されたその長さに沿って延びる直線状のリッジを画定する。
図3は、流体充填チャ
ンバ300の流体充填セグメント319、320、321の長さに沿って平行に延びる、
地面との牽引力を向上させる接触パッド232を含むアウトソール210の接地面212
を示す。
【0052】
図4は、
図1の線4-4で切った断面図で、アッパー100に向かって延びて上部層3
01と接合する下部層302であって、外側の側部18のフランジ306と内側の側部2
0との間のウェブ領域308の2つの領域を形成する下部層302を示し、その間に配置
された充填セグメント313と流体充填セグメント314との部分を画定して規制する。
いくつかの例では、流体充填セグメント313は、外側の側部18および内側の側部20
に沿ってアッパー100から外側に突出する。上部層301は、履物の使用中に足の形状
に合致するように、くぼんだ丸い形状で、下部層302は、フランジ306およびウェブ
領域308から延びるかまたは突出する流体充填セグメント313により輪郭が形成され
る。したがって、流体充填セグメント313および他の流体充填セグメント311、31
2、314~324は、アッパー100からアウトソール210に向かって突出し、ソー
ル構造200において独立したサポートまたはクッション要素を形成する。
【0053】
オーバーモールド部304は、流体充填セグメント313がアッパー100からアウト
ソール210に向かって突出する領域において、下部層302の部分に取り付けられて、
流体充填セグメント313の耐久性および弾力性を高めることができる。特に、オーバー
モールド部304は、流体充填セグメント313の丸い表面に輪郭を描かれている。いく
つかの例では、流体充填チャンバ300の下部層302は、オーバーモールド部304が
取り付けられている部分に沿って減少した厚さを含むように形成される。アウトソール2
10の内面214は、オーバーモールド部304に取り付けられ、それによってウェブ領
域308は、アウトソール210の接地面212に対して窪んでいる。
【0054】
いくつかの実施例では、接触パッド232は、接地面212から突出しており、これは
、
図4に示す外側の側部18で流体充填セグメント313を覆うオーバーモールド部21
4に取り付けられる。いくつかの実施形態では、外側の側部18に沿って延びる流体充填
セグメント313の部分および内側の側部20に沿って延びる流体充填セグメント313
の他の部分はそれぞれ、横方向の運動の間にソール構造200の内側および/または外側
の転動を容易にするために、
図4に示す半管状の断面形状を含む。その一方、外側の側部
18と内側の側部20との間に配置された流体充填セグメント314は、流体充填セグメ
ント313がグラウンド反発力の初期衝撃を吸収し、それによってグラウンド反発力が流
体充填セグメント314に加えられる前に圧縮する。このように、流体充填セグメント3
13および314が連続的に圧縮すると、トランポリン効果がヒール領域16の中心に生
成され、それによって、足の踵骨(例えば、踵の骨)に対する勾配応答型クッションがも
たらされる。加圧流体(例えば、空気)をそれぞれ収容する流体充填セグメント313お
よび314は、内側および外側の側部20、18の一方にそれぞれ沿って延びる流体充填
セグメント311、312によって流体結合され得る。いくつかの構成では、オーバーモ
ールド部304は、流体充填セグメント314(流体充填セグメント315、316も)
を取り付ける。他の構成では、オーバーモールド部304は、流体充填セグメント314
、315、316の少なくとも1つには存在しない。
【0055】
図5は、
図1の履物用品10の底面概略図で、ソール構造200内に配置された流体充
填チャンバ300の形状および配置を示す。上部層301および下部層302は、流体充
填チャンバ300の障壁層を含み、一緒に接合し、複数の別個の位置で接合することによ
って、ソール構造200の周縁に延びるフランジ306と、ソール構造200の外側の側
部18と内側の側部20との間に延びるウェブ領域308とを形成する。フランジ306
およびウェブ領域308は、アッパー100に近接して配置され、アウトソール210の
接地面212に対して窪んでいる。フランジ306およびウェブ領域306は、協働して
、セグメント311~324内に流体(例えば、空気)を密封している流体充填セグメン
ト311~324の周りに制限して延びる。いくつかの例では、ウェブ領域308の領域
は、流体充填セグメントによって完全に囲まれているが、ウェブ領域308の他の領域は
、流体充填セグメントとフランジ306の組み合わせによって、外側の側部18または内
側の側部20に沿って境界が定められている。いくつかの構成では、ウェブ領域308の
領域は、アウトソール210が地面との係合のために転動するときに履物10の屈曲を容
易にするために屈曲ゾーンを画定する。
図5は、外側の側部18と内側の側部20との間
に連続的に延びるウェブ領域308の部分を示していない。
【0056】
いくつかの実施形態では、適用された荷重の下で、特に履物10の前方走行運動中にグ
ラウンド反発力を減衰させることによって、セグメント311~324がクッション性、
安定性およびサポート性をもたらすために圧縮又は伸長する時に、流体充填セグメント3
11~324は、互いに流体結合して、流体をセグメント311~324を通るように誘
導する流体充填チャンバ300のための統一圧力システムを形成する。例えば、流体充填
セグメント311~313および317~324は、前足領域12に配置された流体充填
セグメント324の遠位端5と、中足領域14内に配置された流体充填セグメント317
と、の間に延びる流体充填チャンバ300のための統一蛇行形状を、協働して画定し得る
。より詳細には、統一蛇行形状の流体充填チャンバ300は、ソール構造200の長手方
向軸線Lに沿って延び、外側の側部18に沿って延びるセグメントと、内側の側部20に
沿って延びるセグメントと、外側の側部18と内側の側部20との間で連続的に延びるセ
グメントと、内側の側部20と外側の側部18との間の位置で終端する遠位端5まで内側
の側部20に向かって延びるセグメントとを含む。
【0057】
いくつかの構成では、少なくとも2つの隣接する流体充填セグメント311~324が
、屈曲部3またはターンで互いに接続され、対応する屈曲部3によって接続されるセグメ
ントのそれぞれが互いに異なる方向に延びる。それぞれの屈曲部3は、ソール構造200
の周囲に向かって延びる内部半径に関連付けられている。いくつかの例では、それぞれの
屈曲部3の半径は、少なくとも3mmである。さらに、各湾曲部3は、それぞれの流体充
填セグメント311~324の、フランジ306とは反対側のソール構造200の周囲に
近接して配置される。湾曲部3を流体充填セグメントにフランジ306の反対側に配置す
ることによって、ソール構造200に加えられる荷重間の方向変更中に、流体充填セグメ
ント310~340による崩壊が防止される。選択的に、セグメント311~324のう
ちの1つ以上は、他のセグメント311~324から流体的に隔離され、セグメント31
1~324のうちの少なくとも1つが異なって加圧され得る。
【0058】
いくつかの構成では、流体充填セグメント311は、ヒール領域16内のソール構造2
00の内側の側部20に沿って延び、流体充填セグメント312は、ヒール領域16内の
ソール構造200の外側の側部18に沿って延び、流体充填セグメント313は、ヒール
領域16の周りに延び、流体充填セグメント311および312に流体結合する。したが
って、流体充填セグメント313は、概して、内側の側部20および外側の側部18のそ
れぞれ一つに設けられた流体充填セグメント311および312に流体結合する馬蹄形状
を画定し得る。いくつかの例では、流体充填セグメント311は、流体充填セグメント3
12の長さより長い。例えば、流体充填セグメント311は、流体充填セグメント312
に比べて、ヒール領域16から前足部12に向かって長く延び得る。いくつかの例では、
流体充填セグメント311は、部分的に前足部12内に延びている。
【0059】
いくつかの実施例では、流体充填セグメント314は、流体充填セグメント311、3
12の間に延び、流体充填セグメント311、312に接続する。例えば、流体充填セグ
メント314は、外側の側部18から内側の側部20まで実質的に垂直な方向に延び得る
。したがって、流体充填セグメント314は、流体充填セグメント311、312に流体
接続し、流体充填セグメント311、312の間に流体結合をもたらす。ウェブ領域30
8、すなわち下部層302が上部層301に付着するように形成されたウェブ領域308
は、ヒール領域16内で流体充填セグメント311~314の間に延在してそれらを接続
し得る。このように、流体充填セグメント311~314は、ヒール領域16内でウェブ
領域308を拘束するように協働し、それによって、ウェブ領域308は、アッパー10
0に近接して配置され、流体充填セグメント311~314上に取り付けられたアウトソ
ール210の接地面212に対して窪んでいる。
【0060】
いくつかの例では、1つまたは複数の追加の流体充填セグメント315および/または
316が、流体充填セグメント311、312の間に延在し、流体充填セグメント311
、312に接続し、中足領域14の少なくとも一部内の流体充填チャンバ300のための
ラダー構成を画定している。ここで、複数の流体充填セグメント314~316は、ソー
ル構造200の長手方向軸線Lに実質的に垂直な方向に互いにほぼ平行に延在し、履物1
0の使用中に流体充填セグメント311、312、313に作用するねじり力を緩和する
ことによって、足に安定とサポートをもたらす。さらに、セグメント314~316は、
セグメント311、312と協働して、ウェブ領域308の離間した領域をもたらし得る
。例えば、流体充填セグメント311~314は協働して、ヒール領域16内に第1のウ
ェブ領域308を拘束し、流体充填セグメント311、312、315、316は協働し
て、中足領域14内に第2のウェブ領域308を拘束し、流体充填セグメント311、3
12、314、315は協働して、第1のウェブ領域と第2のウェブ領域との間の領域3
08内に第3のウェブ領域308を拘束する。したがって、ウェブ領域308は、ソール
構造200の外側の側部18と内側の側部20との間でセグメント化されて、流体充填セ
グメント311、312にねじれサポートをもたらし、それによって、アウトソール21
0が、ヒール領域16から前足領域12への地面との係合のために転動する際、履物10
に対する足の振動を減衰し得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、流体充填セグメント311は、流体充填セグメント312の
長さより長い。例えば、内側の側部20に沿った流体充填セグメント311は、流体充填
セグメント312に比べ、ヒール領域16から前足部12の方向により長く延び得る。流
体充填セグメント311は、前足部12内に部分的に延びていてもよい。いくつかの実施
形態では、流体充填セグメント318は、ソール構造200の外側の側部18に向かう方
向に流体充填セグメント313とは反対側の端部において、流体充填セグメント311か
ら延びているが、流体充填セグメント317は、ソール構造200の内側の側部20に向
かう方向に流体充填セグメント313とは反対側の端部において、流体充填セグメント3
12から延びている。
【0062】
いくつかの例では、オーバーモールド部304は、流体充填セグメント311~316
を画定する下部層302の部分に取り付けられ、流体充填セグメント317、318には
存在しない。流体充填セグメント311は、ヒール領域16から流体充填セグメント31
2よりも遠い距離にあるので、そこから延びる流体充填セグメント318は、流体充填セ
グメント317よりもヒール領域14から遠くに配置され得る。流体充填セグメント31
7は、内側の側部20と外側の側部18との間の位置で終端する遠位端5を含み得るが、
流体充填セグメント318は、内側の側部20から外側の側部18まで連続的に延び得る
。いくつかの構成では、流体充填セグメント317の遠位端5は、アッパー100に向か
う方向に先細テーパ状になり、それによって、遠位端5が、それぞれの流体充填セグメン
ト317のアンカーポイントとして動作するとともに、剪断力などの荷重が加えられたと
きにその形状を保持するために、流体充填チャンバ300全体のアンカーポイントとして
動作することを可能にする。
【0063】
いくつかの例では、履物10が走行運動を行っている間にアウトソール210が地面と
の係合のために転動するとき、足にクッションをもたらすために、流体充填セグメント3
17、318は互いに実質的に平行で、連続的に圧縮する。ウェブ領域308が、ソール
構造200の外側の側部18における流体充填セグメント311、317、318および
フランジ306によって境界を定められるように、ウェブ領域308は、流体充填セグメ
ント317、318を互いに分離し得る 。いくつかの実施形態では、ウェブ領域308
は、互いにほぼ平行に延びる流体充填セグメント317、318を分離して、中足領域1
4と前足領域12との間に屈曲領域を画定する。
【0064】
いくつかの実施形態では、流体充填セグメント320は、前足領域12内に配置され、
ソール構造200の外側の側部18からソール構造200の内側の側部20まで連続して
延びる。流体充填セグメント319は、流体充填セグメント318からソール構造200
の外側の側部18にそって、ヒール領域315から離れる方向に延びて、それぞれが外側
の側部18と内側の側部20との間に連続して延びる流体充填セグメント318、320
を流体結合させ得る。いくつかのシナリオでは、流体充填セグメント320は、流体充填
セグメント318に収束する。これらのシナリオでは、流体充填セグメント318、32
0は、外側の側部18から内側の側部20に延びる方向に互いに向かって収束する。流体
充填セグメント319は、外側の側部18では収束する流体充填セグメント318、32
0の間に延びているが、流体充填セグメント318、320は、内側の側部18では互い
に離間している。より詳細には、ソール構造200の内側の側部20に沿ったウェブ領域
308およびフランジ306は、流体充填セグメント320を流体充填セグメント318
から分離するように協働する。例えば、
図5は、流体充填セグメント318と320との
間に延びるウェブ領域308であって、外側の側部18の流体充填セグメント319から
ソール構造200の内側の側部20に形成されたフランジ306まで連続的に延びるウェ
ブ領域308を示す。外側の側部18から内側の側部20に延びる方向に収束する流体充
填セグメント318、320と、内側の側部20で流体充填セグメント318、320を
分離するウェブ領域308とは、走行運動中のグラウンド反発力を減衰させることによっ
て、荷重下で流体充填セグメント318、320を圧縮して中足骨にクッションをもたら
す。その一方、流体充填セグメント318、320が圧縮されている間、足による振動も
同時に減衰される。
【0065】
さらに、流体充填セグメント321は、流体充填セグメント320から内側の側部20
に沿ってヒール領域16から離れる方向に延び、流体充填セグメント322は、流体充填
セグメント321から外側の側部18に向かう方向に延び、および、流体充填セグメント
323は、流体充填セグメント322から外側の側部18に沿ってヒール領域16に向か
う方向に延び得る。いくつかの例では、外側の側部18に沿って延びる流体充填セグメン
ト323は、内側の側部20に沿って延びる流体充填セグメント321よりも短い長さを
有する。いくつかの実施形態では、流体充填セグメント324は、流体充填セグメント3
23から内側の側部20に向かう方向に延び、外側の側部18と内側の側部20との間の
位置で終端する遠位端5を含む。中足領域14内の流体充填セグメント317の遠位端5
と同様に、前足領域12内の流体充填セグメント324の遠位端5は、アッパー100に
向かう方向に先細り、剪断力が加えられたときに流体充填セグメント324の形状を保持
するアンカーポイントとして作動し得る。
【0066】
いくつかの例では、流体充填セグメント322は、流体充填セグメント320とほぼ平
行で、流体充填セグメント320、322の間に配置された流体充填セグメント324と
収束する。これらの例では、流体充填セグメント324は、内側の側部20から外側の側
部18に延びる方向に流体充填セグメント322と収束し、外側の側部18から内側の側
部20に延びる方向に流体充填セグメント320と収束する。ウェブ領域308は、内側
の側部20に沿って流体充填セグメント318、320を分離するウェブ領域308と同
様に、流体充填セグメント320、324を外側の側部18に沿って分離する。したがっ
て、外側の側部18に沿って流体充填セグメント320、324を分離するウェブ領域3
08に加え、外側の側部18から内側の側部20に延びる方向に流体充填セグメント32
0、324を収束させることによって、流体充填セグメント318、320が、荷重下に
圧縮して、つま先から離れた中足骨-指骨の関節に応答型クッションをもたらすことを許
容する。
【0067】
外側の側部18から内側の側部20に延びる方向に収束する流体充填セグメント320
、324と、内側の側部20で流体充填セグメント320、324を分離するウェブ領域
308とは、走行運動中のグラウンド反発力を減衰させることによって、荷重下で流体充
填セグメント320、324を圧縮して中足骨にクッションをもたらす。その一方、流体
充填セグメント320、324が圧縮されている間、足による振動も同時に減衰される。
アウトソール210の接地面212は、ヒール領域16から前足領域12まで、流体充填
セグメント317、312、313、311、318、319、320、321、322
、323、324に沿って途切れることなく延び得る。
【0068】
図6は、
図5の線6-6で切った断面図で、
図3に基づき上述したような層状構成に配
置された前足領域12のソール構造200であって、ストローブル220、アッパー10
0、ミッドソール240、および流体充填チャンバ300の上部層301を有するソール
構造200を示す。下部層302の周縁部は、アッパー100に向かって上方に延び、上
部層301の周縁と接合して、内側の側部20および外側の側部18に沿ったフランジ1
06を形成する。流体充填セグメント320は、外側の側部18と内側の側部20との間
を連続的に延び、管状断面を画定し、そこでは、流体充填チャンバ300の下部層302
と上部層301とが分離され、加圧された流体(例えば、空気)を収容するためのそれぞ
れの空隙を形成している。ここで、チューブ状の断面は、走行などの前進移動を行う際の
履物10の使用中、アウトソール210と地面との間の転動係合のために、地面との接触
面を丸くしている。したがって、下部層301および上部層302は、外側の側部18と
内側の側部20との間で分離されたままであり、
図6に対して外側の側部18と内側の側
部20との間を連続的に延びる流体充填セグメント320を画定する。
図6はまた、外側
の側部18に沿って延在する流体充填セグメント319であって、流体充填セグメント3
20を収束流体充填セグメント318に流体接続する流体充填セグメント319を示す。
【0069】
アウトソール210は、流体充填セグメント320のそれぞれに取り付けられ、それぞ
れの形状に合致する。いくつかの例では、流体充填セグメント320は、アウトソール2
10を取り付けるためにその長さに沿って延びる直線状のリッジを画定する。いくつかの
例では、接触パッド232は、アウターソール210の接地面212から、アッパー10
0から離れる方向に、流体充填セグメント320の長さに沿って延在し、地面との牽引力
を高める。接触パッド232は、流体充填セグメント320を接地面からさらに離して、
流体充填セグメント320が圧縮してグラウンド反発力を減衰させるときの応答型クッシ
ョンのレベルを高めることができる。
【0070】
図7は、
図5の線7-7で切った断面図で、
図3に基づき上述したような層状構成に配
置された中足領域14のソール構造200であって、ストローブル220、アッパー10
0、ミッドソール240、および流体充填チャンバ300の上部層301を有するソール
構造200を示す。下部層302の周縁部は、アッパー100に向かって上方に延び、上
部層301の周縁と接合して、内側の側部20および外側の側部18に沿ったフランジ1
06を形成し得る。流体充填チャンバ300はまた、アッパー100に向かって延び、上
部層301と接合して、流体充填セグメント317と311との間に延在してそれらを分
離するウェブ領域308の領域を形成し得る。例えば、ソール構造体200の内側の側部
20に沿って延びる流体充填セグメント311は、内側の側部20に形成されたウェブ領
域308およびフランジ6によって境界が定められる一方、外側の側部18で充填セグメ
ント312から内側の側部20に向かって延びる流体充填セグメント317は、外側の側
部18に形成されたウェブ領域308およびフランジ6によって境界が定められる。流体
充填セグメント317の遠位端5は、アッパー100に向かう方向に先細形状になり、外
側の側部18と内側の側部20との間の位置に形成されたウェブ領域308で終了する。
【0071】
アウトソール210は、流体充填セグメント311および317のそれぞれに取り付け
られ、それぞれの形状に合致する。いくつかの例では、流体充填セグメント311、31
7は、アウトソール210を取り付けるためにその長さに沿って延びる直線状のリッジを
画定する。いくつかの例では、接触パッド232は、アウターソール210の接地面21
2から、アッパー100から離れる方向に、流体充填セグメント311~317のそれぞ
れの長さに沿って延在し、地面との牽引力を高める。
【0072】
図8は、
図5の線8-8で切った断面図で、
図3に基づき上述したような層状構成に配
置された中足領域14のソール構造200であって、ストローブル220、アッパー10
0、ミッドソール240、および流体充填チャンバ300の上部層301を有するソール
構造200を示す。下部層302の周縁部は、アッパー100に向かって上方に延び、上
部層301の周縁と接合して、内側の側部20および外側の側部18に沿ったフランジ1
06を形成し得る。
図8に示すように、下部層302は、上部層301からアッパー10
0から離れる方向に突出して、外側の側部18および内側の側部20のそれぞれ一つに沿
って延びる流体充填セグメント312、311と、流体充填セグメント312、311の
間に延びて流体充填セグメント312、311に流体結合された流体充填セグメント31
4とを画定する。より具体的には、下部層302は、外側の側部18および内側の側部2
0に沿って上部層301からさらに先に突出して、それらの間に延びる流体充填セグメン
ト314よりも大きな厚さを有する流体充填セグメント312、311を形成する。
【0073】
図4の履物10を参照して上述したように、オーバーモールド部304は、流体充填セ
グメント311、312、314がアッパー100から突出してアウトソール210に向
かって突出する領域の下部層302の部分に取り付けられ、ヒール領域16および中足領
域14での流体充填セグメント311~316の耐久性および弾力性を向上させる。いく
つかの例では、流体充填チャンバ300の下部層302は、オーバーモールド部304が
取り付けられている部分に沿って減少した厚さを含むように形成されている。アウトソー
ル210の内面214は、オーバーモールド部304に取り付けられる。いくつかの実施
形態では、外側の側部18に沿って延びる流体充填セグメント312と、内側の側部20
に沿って延びる流体充填セグメント311とは、それぞれ、横方向の運動時にソール構造
200の内側および/または外側の転動を容易にするために、
図8に示されるような半円
形の管状の断面形状を含む。その一方、外側の側部18と内側の側部20との間に配置さ
れた流体充填セグメント314は、ヒール領域16に隣接するソール構造体200の中心
にある流体充填セグメント314にグラウンド反発力が加えられる前に、流体充填セグメ
ント311、312がグラウンド反発力の初期衝撃を吸収して圧縮することを許容する減
少された厚さを含み、流体充填セグメント311、312、314が連続的に圧縮されて
トランポリン効果が生成され、これによって、アウトソール210が地面との係合のため
に転動する際に勾配応答型クッションがもたらされる。
【0074】
アウトソール210は、流体充填セグメント311、312、314のそれぞれに取り
付けられ、それらの形状に合致する。いくつかの例では、流体充填セグメント311、3
12、314は、アウトソール210を支持してそれに取り付けられるように、その長さ
に沿って延びる直線状のリッジを画定する。いくつかの実施例では、接触パッド232は
、アウターソール210の接地面212から、アッパー100から離れる方向に、流体充
填セグメント311、312、314のそれぞれの長さに沿って延在し、地面との牽引力
が増加される。
【0075】
図9は、
図5の線9-9で切った断面図で、ヒール領域16、中足領域14、およびフ
ォアフット領域12を通って延びるソール構造200を示す。ソール構造200は、
図3
を参照して上述したような層状構成で配置され、ストローブル220a、ミッドソール2
40、および流体充填チャンバの上部層301を含む。流体充填セグメント311は、ヒ
ール領域16および中足領域14内でソール構造200の内側の側部20に沿って延びて
いる。
図4および
図8に示すように、オーバーモールド部304は、流体充填セグメント
311がアッパー100からアウトソール210に向かって突出する領域における下部層
302の部分に取り付けられ、ヒール領域16および中足領域14に配置される流体充填
セグメント311の耐久性および弾力性を高める。さらに、流体充填セグメント317は
、外側の側部18から内側の側部20に向かって、内側の側部20と外側の側部18との
間の位置で終端する遠位端5まで延在する。ウェブ領域308は、
図9に示されるように
、流体充填セグメント311、317を分離してその間に延在し得る。いくつかの例では
、流体充填セグメント317は前足領域12内に延び、ヒール領域16および/または中
足領域14のセグメントよりも小さい厚さに関連付けられる。これらの例では、オーバー
モールド部304は流体充填セグメント317には存在しない。他の構成では、オーバー
モールド部304を流体充填セグメント317に取り付けることができる。
【0076】
図9はまた、外側の側部18と内側の側部20との間に連続的に延び、いくつかの実施
例では、流体充填セグメント317と実質的に平行に延びる流体充填セグメント318を
示す。流体充填セグメント318はまた、外側の側部18から内側の側部20まで連続的
に延びる流体充填セグメント320と収束し、それによってセグメント318、320は
内側の側部20に向かう方向に収束する。
図5を参照して上述したように、流体充填セグ
メント318、320は、ウェブ領域306およびフランジ6によって内側の側部20に
沿って分離されている。
図9はまた、外側の側部18と内側の側部20との間で、ソール
構造200の長手方向軸線Lに対して実質的に垂直な方向に延びる流体充填セグメント3
24、322を示す。いくつかの例では、流体充填セグメント324は、流体充填セグメ
ント322、320と収束している。追加的または代替的に、流体充填セグメント322
は、流体充填セグメント320と実質的に平行であり得る。
図9は、ソール構造200が
ヒール領域16から前足領域12に向かって進むにつれて厚さが減少する流体充填チャン
バ300を示す。例えば、流体充填セグメント311、317、318、320、324
、326の厚さが、ヒール領域16から前足領域12に向かって延びる方向に向かって徐
々に小さくなっている。
【0077】
図10は、互いに流体結合され、ソール構造200の前足領域12内に配置された流体
充填セグメント322、323、324の底面概略図である。いくつかの例では、流体充
填セグメント324は、内側の側部20から、外側の側部18と内側の側部20との間の
位置で終端する遠位端5まで延びている。遠位端5は、アッパー100に向かう方向に先
細りし得る。流体充填セグメント324の遠位端5による先細りは、荷重が負荷された時
に流体充填セグメント324のアンカーポイントとして機能し得る。いくつかの例では、
アウトソール310は、流体充填セグメント322~324(ならびにセグメント311
~231)の形状および輪郭に適合する形状を含み、接着剤または他の取り付け技術を介
してセグメント322~324に取り付けられる。いくつかの構成では、流体充填セグメ
ント311~324の少なくとも1つは、それに取り付けられたアウトソール210の部
分を支持するように構成されたそのそれぞれの長さに沿って延びる直線状のリッジを画定
する。アウトソール210は、アッパー100から突出している下部層302の領域に対
向して取り付けられた内面214と、アウトソール210に内面214の反対側に配置さ
れた接地面212とを含む。いくつかの例では、接触パッド232は、接地面212から
離れて突出し、それぞれの流体充填セグメント322~324の長さに沿って延びる。ア
ウトソール212および他の接触パッド232は、流体充填セグメント311~321に
同様の方法で取り付けることができる。
【0078】
図11は、
図10の履物用品10の底面概略図であって、流体充填セグメント311~
324によって画定された複数のクッションサポートベクトル120、121、140、
160を示す。より詳細には、ヒール領域16と中足領域14との間に延びる流体充填セ
グメント311、312のそれぞれの長手方向軸は、クッションサポートベクトル160
のそれぞれの1つを規定し、ソール構造200の外側の側部18と内側の側部20との間
に延びる流体充填セグメント317、318、320、322、324のそれぞれの長手
方向軸は、クッションサポートベクトル120、121、140のそれぞれの1つを規定
する。クッションサポートベクトルに平行な方向に関連する荷重は、1つまたは複数の対
応する流体充填セグメントが崩壊することなく実質的にその形状を保持するようにして、
これらの領域における足のサポートおよび安定性をもたらす。一方、クッションサポート
ベクトルを横切る方向に関連する荷重は、1つまたは複数の対応する流体充填セグメント
が圧縮されて崩壊し、荷重と関連したグラウンド反発力を減衰させることによってそれら
の領域の足にクッションをもたらす。クッションサポートベクトル160は、ソール構造
200の長手方向軸線Lに実質的に平行に延びる一方、クッションサポートベクトル12
0、121、140は、ソール構造200の長手方向軸線Lに対して横方向に延びる。例
えば、クッションサポートベクトル120、121、140は、ソール構造200の長手
方向軸線Lに対して垂直から15度(15°)以内の角度を画定し得る。
【0079】
いくつかの実施例では、第1の一連のクッションサポートベクトル160は、ヒール領
域16および中足領域14内に配置され、ソール構造200の長手方向軸線Lに実質的に
平行な方向に互いにほぼ平行に延びる。歩行や走行運動などの前進運動の間に、ソール構
造200に加えられる荷重は、第1の一連のベクトル160に平行な方向に関連付けられ
て、それぞれの流体充填セグメント311、312に剪断力がかかるようになる。それに
よって、ヒール領域16および中足領域14を介した地面との係合のためにアウトソール
が転動すると、それぞれの流体充填セグメント311、312がそれらの形状を保持(例
えば、圧縮しない)し、サポートおよび安定性をもたらす。流体充填セグメント311、
312の間に延在し、流体充填セグメント311、312を流体結合する流体充填セグメ
ント314、315、316は、加えられた荷重下で流体充填セグメント311、312
に作用するねじり力を減少させ、それによって、勾配応答型クッションをもたらしつつ足
による振動を減衰させる。
【0080】
移動または切断動作のような横方向移動の間、ソール構造200に加えられる荷重は、
第1の一連のベクトル160に対して横方向かつほぼ垂直な方向に関連する。したがって
、ベクトル160の1つを画定する流体充填セグメント311は、加えられた荷重がソー
ル構造200の内側の側部20に向かう方向にあるときに足の内側にクッションをもたら
す一方、他方のベクトル160を画定する流体充填セグメント312は圧縮して、加えら
れた荷重がソール構造体200の外側の側部18に向かう方向にあるとき、足の外側にク
ッションをもたらす。
【0081】
いくつかの実施形態では、第2の一連のクッションサポートベクトル140が、中足領
域14および前足領域12内に配置され、ソール構造200の長手方向軸線Lに実質的に
垂直な方向に互いにほぼ平行に延びる。さらに、第3の一連のクッションサポートベクト
ル120は、前足領域12内に配置され、ソール構造200の長手方向軸線Lを横切る方
向に互いに平行に延び、第2の一連の支持ベクトル140と内側の側部20に向かう方向
に収束する。第4のベクトル121はまた、第3の一連のベクトル120の間の前足領域
12内に配置され、ソール構造200の長手方向軸線Lを横切る方向に延び、第2の一連
のサポートベクトル140および第3の一連のサポートベクトル120と収束する。
【0082】
歩行や走行運動などの前進運動の間に、ソール構造200に加えられる荷重は、第1、
第2および第3の一連のベクトル140、120、121を横切る方向に関連する。した
がって、それぞれの流体充填セグメント317 、318、320、322、324は、
連続的に圧縮して崩壊し、地面から押し出すことによって足の中足領域にクッションをも
たらす。加えられた荷重の方向に対するベクトル140、120、121の方向とそれぞ
れのセグメント317、318、320、322、324の長さとが、グラウンド反発力
を減衰させるためにセグメントがどのように圧縮するかを決定する。
【0083】
図5および
図11に示すように、内側の側部20に沿ってウェブ領域308によって分
離され、内側の側部20に向かう方向に互いに向かって収束する流体充填セグメント32
0、318の配置は、セグメント320、318が圧縮して、グラウンド反発力を減衰さ
せることによって足の中足領域にクッションをもたらすように、前進運動(例えば、走行
運動)中に荷重によって引き起こされる足の振動を減衰するように作用する。さらに、外
側の側部18と内側の側部20との間の位置で終端する遠位端5を有する流体充填セグメ
ント324は、ウェブ領域308によって内側の側部20の流体充填セグメント321か
ら分離され、ウェブ領域308によって外側の側部18の流体充填セグメント320から
分離される。 外側の側部18に沿ってウェブ領域308によって分離され、互いに向か
って収束する流体充填セグメント324、320のこの配置も、足の振動を減衰させるの
に作動し、セグメント320および324が圧縮されて足のつま先にかけて中足骨-指骨
関節にクッションをもたらす。
【0084】
移動または切断運動のような横方向運動の間に、ソール構造体200に加えられる荷重
は、それぞれのセグメント317、318、320、324、322が剪断力を受けるよ
うに、ベクトル140、120、141にほぼ平行な方向またはわずかに横切る方向に関
連し、それによって、それぞれの流体充填セグメント317、318、320、324、
322が、それらの形状を保持(例えば、圧縮しないか、またはわずかに圧縮する)し、
履物10の横方向運動に応じて足の中足領域にサポートおよび安定性をもたらすようにさ
せる。
図5に示すように、流体充填セグメント317、314の遠位端5は、それぞれ、
アッパー100に向かう方向に先細りし、流体充填チャンバ300全体としてのアンカー
ポイントとして働き、履物10の使用中、より詳細には、前方走行運動中の履物10の使
用中に流体充填セグメント317および流体充填セグメント324の間を流体連通させる
。
【0085】
以下のそれぞれの項は、上述した履物用品の例示的な構成をもたらす。
【0086】
第1項:アッパーを有する履物用品のソール構造は、ヒール領域と、前足領域と、前記
ヒール領域と前記前足領域との間に配置された中足領域とを含んでなる。流体充填チャン
バは、前記ヒール領域内で該ソール構造の内側の側部に沿って延びる第1の流体充填セグ
メントと、前記ヒール領域内で該ソール構造の外側の側部に沿って延びる第2の流体充填
セグメントと、前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セグメントとの間に
配置されてそれらを接続するウェブ領域とを、第2の障壁層と協働して画定する第1の障
壁層を含み、前記第1の障壁層が、前記ウェブ領域内の前記第2の障壁層に取り付けられ
ている。
【0087】
第2項:前記第1の流体充填セグメントおよび前記第2の流体充填セグメントが接地面
を含む、第1項に記載のソール構造。
【0088】
第3項:前記ウェブ領域が前記接地面から窪んでいる、第2項に記載のソール構造。
【0089】
第4項:前記第1の流体充填セグメントが前記第2の流体充填セグメントに流体結合さ
れている、前項のいずれかに記載のソール構造。
【0090】
第5項:前記流体充填チャンバが、前記ヒール領域の周りに延在し、前記第1の流体充
填セグメントおよび前記第2の流体充填セグメントに流体結合された第3の流体充填セグ
メントを含む、前項のいずれかに記載のソール構造。
【0091】
第6項:前記流体充填チャンバが、前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充
填セグメントとの間に延びてそれらに接続された第4の流体充填セグメントを含み、前記
第4の流体充填セグメントが、前記内側の側部および前記外側の側部の間に延在している
、前項のいずれかに記載のソール構造。
【0092】
第7項:前記ウェブ領域が、前記第1の流体充填セグメント、前記第2の流体充填セグ
メント、第3の流体充填セグメント、および、前記第4の流体充填セグメントによって境
界付けされている、第6に記載のソール構造。
【0093】
第8項:前記ウェブ領域が前記アッパーに近接して配置されている、前項のいずれかに
記載のソール構造。
【0094】
第9項:前記流体充填チャンバが、前記第1の流体充填セグメントから当該ソール構造
の外側の側部に向かって延びる第5の流体充填セグメントを含む、前項のいずれかに記載
のソール構造。
【0095】
第10項:前記流体充填チャンバが、前記第2の流体充填セグメントから当該ソール構
造の内側の側部に向かって延びる第6の流体充填セグメントを含む、前項のいずれかに記
載のソール構造。
【0096】
第11項:第5の流体充填セグメントが前記第6の流体充填セグメントと略平行である
、第10項に記載のソール構造。
【0097】
第12項:第6の流体充填セグメントが、前記内側の側部および前記外側の側部の間の
位置で終端する遠位端を含む、第9~11項のいずれかに記載のソール構造。
【0098】
第13項:前記遠位端が前記アッパーに向かう方向に先細りしている、第9~12項の
いずれかに記載のソール構造。
【0099】
第14項:第5の流体充填セグメントが前記内側の側部から前記外側の側部に連続して
延びている、第10項のいずれかに記載のソール構造。
【0100】
第15項:第5の流体充填セグメントが、前足領域内に前記内側の側部および前記外側
の側部の間の位置で終端する遠位端を含む、第9~14項のいずれかに記載のソール構造
。
【0101】
第16項:前記第5の流体充填セグメントの遠位端が前記アッパーに向かう方向に先細
りしている、第15項に記載のソール構造。
【0102】
第17項:前記流体充填チャンバの一部の上に延びるオーバーモールド部をさらに含む
、前項のいずれかに記載のソール構造。
【0103】
第18項:前記オーバーモールド部が前記ヒール領域の上に延びる、第17項に記載の
ソール構造。
【0104】
第19項:前記オーバーモールド部が前記中足領域の上に延びる、第18項に記載のソ
ール構造。
【0105】
第20項:前記オーバーモールド部が前記前足領域の内に延びる、第19項に記載のソ
ール構造。
【0106】
第21項:前記オーバーモールド部が前記第2の障壁層に結合され、前記第2の障壁層
とは異なる厚さ、異なる硬度、および異なる材料の中から少なくとも1つを含む、第17
~20項のいずれかに記載のソール構造。
【0107】
第22項:前項のいずれかに記載のソール構造が組み込まれた履物用品。
【0108】
第23項:アッパーを有する履物用品のソール構造は、ヒール領域と、前足領域と、前
記ヒール領域と前記前足領域との間に配置された中足領域とを含んでなる。流体充填チャ
ンバは、前記前足領域内で該ソール構造の内側の側部および外側の側部の間に連続的に延
びる第1の流体充填セグメントと、前記前足領域内で該ソール構造の前記内側の側部およ
び前記外側の側部の間に連続的に延びる第2の流体充填セグメントと、前記第1の流体充
填セグメントと前記第2の流体充填セグメントとの間に配置されてそれらを接続するウェ
ブ領域とを、第2の障壁層と協働して画定する第1の障壁層を含み、前記第1の障壁層が
、前記ウェブ領域内の前記第2の障壁層に取り付けられている。
【0109】
第24項:前記第1の流体充填セグメントおよび前記第2の流体充填セグメントが接地
面を含む、第23項に記載のソール構造。
【0110】
第25項:前記ウェブ領域が前記接地面から窪んでいる、第24項に記載のソール構造
。
【0111】
第26項:前記第1の流体充填セグメントが前記第2の流体充填セグメントに流体結合
されている、前項のいずれかに記載のソール構造。
【0112】
第27項:前記流体充填チャンバが、前記内側の側部および前記外側の側部のどちらか
一つにそって延在し、前記第1の流体充填セグメントおよび前記第2の流体充填セグメン
トに流体結合された第3の流体充填セグメントを含む、前項のいずれかに記載のソール構
造。
【0113】
第28項:前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セグメントとが、前記
内側の側部および前記外側の側部のどちらか一方から前記内側の側部および前記外側の側
部の他方の方向に延びる方向に互いに向かって収束している、前項のいずれかに記載のソ
ール構造。
【0114】
第29項:前記ウェブ領域が、前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セ
グメントとの間で、前記内側の側部および前記外側の側部の他方において延在している、
前項のいずれかに記載のソール構造。
【0115】
第30項:前記第1の流体充填セグメントが、前記内側の側部および前記外側の側部の
他方で、前記第2の流体充填セグメントから離間している、前項のいずれかに記載のソー
ル構造。
【0116】
第31項:前記ウェブ領域が、第3の流体充填セグメントから前記内側の側部および前
記外側の側部の他方に連続的に延びている、前項のいずれかに記載のソール構造。
【0117】
第32項:前記ウェブ領域が、前記第1の流体充填セグメント、前記第2の流体充填セ
グメント、第3の流体充填セグメント、および、前記内側の側部および前記外側の側部の
他方によって、境界付けがされている、第27~31項のいずれかに記載のソール構造。
【0118】
第33項:前記ウェブ領域が前記アッパーに近接して配置されている、前項のいずれか
に記載のソール構造。
【0119】
第34項:前記流体充填チャンバが、前記第2の流体充填セグメントから前記内側およ
び前記外側の側部の他方に沿って延びる第4の流体充填セグメントを含む、前項のいずれ
かに記載のソール構造。
【0120】
第35項:前記流体充填チャンバが、前記第4の流体充填セグメントに流体結合された
第5の流体充填セグメントであって、前記内側の側部および前記外側の側部の一方から前
記内側の側部および前記外側の側部の他方に向かって延びる第5の流体充填セグメントを
含む、前項のいずれかに記載のソール構造。
【0121】
第36項:前記第4の流体充填セグメントが前記第5の流体充填セグメントと略平行で
ある、第35項に記載のソール構造。
【0122】
第37項:前記第5の流体充填セグメントが、前記内側の側部および前記外側の側部の
間の位置で終端する遠位端を含む、第35または36項に記載のソール構造。
【0123】
第38項:前記遠位端が前記アッパーに向かう方向に先細りしている、第35~37項
のいずれかに記載のソール構造。
【0124】
第39項:前記流体充填チャンバの一部の上に延在するオーバーモールド部をさらに含
む、前項のいずれかに記載のソール構造。
【0125】
第40項:前記オーバーモールド部が前記ヒール領域の上に延びる、第39項に記載の
ソール構造。
【0126】
第41項:前記オーバーモールド部が前記中足領域の上に延びる、第40項に記載のソ
ール構造。
【0127】
第42項:前記オーバーモールド部が前記前足領域の内に延びる、第41項に記載のソ
ール構造。
【0128】
第43項:前記オーバーモールド部が前記第2の障壁層に結合され、前記第2の障壁層
とは異なる厚さ、異なる硬度、および異なる材料の中から少なくとも1つを含む、第39
~42項のいずれかに記載のソール構造。
【0129】
第44項:前項のいずれかに記載のソール構造が組み込まれた履物用品。
【0130】
第45項:アッパーを有する履物用品のソール構造は、ヒール領域と、前足領域と、前
記ヒール領域と前記前足領域との間に配置された中足領域と、を含んでなる。流体充填チ
ャンバは、該ソール構造の内側の側部と該ソール構造の外側の側部のどちらか一つに沿っ
て前記ヒール領域から前記前足領域に延びる第1の流体充填セグメントと、前記内側の側
部および前記外側の側部の一方から前記内側の側部および前記外側の側部の他方に延びる
第2の流体充填セグメントと、前記内側の側部および前記外側の側部の他方から前記内側
の側部および前記外側の側部の一方に延びる第3の流体充填セグメントとを、第2の障壁
層と協働して画定する第1の障壁層を含む。
【0131】
第46項:前記第1の流体充填セグメントおよび前記第2の流体充填セグメントが接地
面を含む、第45項に記載のソール構造。
【0132】
第47項:前記接地面が、前記第1の流体充填セグメント、前記第2の流体充填セグメ
ント、および、前記第3の流体充填セグメントに沿って前記ヒール領域から前記前足領域
に中断されずに延びている、第46項に記載のソール構造。
【0133】
第48項:前記第2の流体充填セグメントが、前記内側の側部および前記外側の側部の
一方から前記内側の側部および前記外側の側部の他方に連続的に延びている、前項のいず
れかに記載のソール構造。
【0134】
第49項:第3の流体充填セグメントが、前記内側の側部および前記外側の側部の他方
から前記内側の側部および前記外側の側部の一方に連続的に延びている、前項のいずれか
に記載のソール構造。
【0135】
第50項:前記流体充填チャンバが、前記内側の側部および前記外側の側部の他方に沿
って延びる第4の流体充填セグメントを含む、前項のいずれかに記載のソール構造。
【0136】
第51項:前記第4の流体充填セグメントが前記第2の流体充填セグメントと前記第3
の流体充填セグメントとの間に延在して流体結合している、第50項に記載のソール構造
。
【0137】
第52項:ウェブ領域が接地面から窪んでいる、前項のいずれかに記載のソール構造。
【0138】
第53項:前記第2の流体充填セグメントと前記第3の流体充填セグメントとが、前記
内側の側部および前記外側の側部の他方から前記内側の側部および前記外側の側部の一方
の方向に延びる方向に互いに向かって収束している、前項のいずれかに記載のソール構造
。
【0139】
第54項:ウェブ領域が、前記第2の流体充填セグメントと前記第3の流体充填セグメ
ントとの間で、前記内側の側部および前記外側の側部の一方において延在している、前項
のいずれかに記載のソール構造。
【0140】
第55項:前記第2の流体充填セグメントが、前記内側の側部および前記外側の側部の
一方で、前記第3の流体充填セグメントから離間している、前項のいずれかに記載のソー
ル構造。
【0141】
第56項:ウェブ領域が、第4の流体充填セグメントから前記内側の側部および前記外
側の側部の他方に連続的に延びている、前項のいずれかに記載のソール構造。
【0142】
第57項:ウェブ領域が、前記第2の流体充填セグメント、前記第3の流体充填セグメ
ント、第4の流体充填セグメント、および、前記内側の側部および前記外側の側部の一方
によって、境界付けがされている、前項のいずれかに記載のソール構造。
【0143】
第58項:ウェブ領域が前記アッパーに近接して配置されている、前項のいずれかに記
載のソール構造。
【0144】
第59項:前記流体充填チャンバが、前記第3の流体充填セグメントから前記内側およ
び前記外側の一方に沿って延びる第5の流体充填セグメントを含む、前項のいずれかに記
載のソール構造。
【0145】
第60項:前記流体充填チャンバが、前記第5の流体充填セグメントに流体結合された
第6の流体充填セグメントであって、前記内側の側部および前記外側の側部の他方から前
記内側の側部および前記外側の側部の一方に向かって延びる第6の流体充填セグメントを
含む、前項のいずれかに記載のソール構造。
【0146】
第61項:前記第5の流体充填セグメントが前記第6の流体充填セグメントと略平行で
ある、第60項に記載のソール構造。
【0147】
第62項:前記第6の流体充填セグメントが、前記内側の側部と前記外側の側部との間
の位置で終端する遠位端を含む、第60または61項に記載のソール構造。
【0148】
第63項:前記遠位端が前記アッパーに向かう方向に先細りしている、第60~62項
のいずれかに記載のソール構造。
【0149】
第64項:前記流体充填チャンバの一部の上に延在するオーバーモールド部をさらに含
む、前項のいずれかに記載のソール構造。
【0150】
第65項:前記オーバーモールド部が前記ヒール領域の上に延びる、第64項に記載の
ソール構造。
【0151】
第66項:前記オーバーモールド部が前記中足領域の上に延びる、第65項に記載のソ
ール構造。
【0152】
第67項:前記オーバーモールド部が前記前足領域の内に延びる、第66項に記載のソ
ール構造。
【0153】
第68項:前記オーバーモールド部が前記第2の障壁層に結合され、前記第2の障壁層
とは異なる厚さ、異なる硬度、および異なる材料の中から少なくとも1つを含む、第64
~67項のいずれかに記載のソール構造。
【0154】
第69項:前項のいずれかに記載のソール構造が組み込まれた履物用品。
【0155】
前述の説明は、例示および説明のために提供されたものである。網羅的であること、ま
たは開示を限定することを意図するものではない。特定の構成の個々の要素または特徴は
、一般的にその特定の構成に限定されず、適用可能であれば、交換可能で、特に図示また
は説明されていない場合でも、選択された構成で使用し得る。同じことは、多くの点で変
化し得る。そのような変更は、開示からの逸脱とみなされるべきではなく、そのような変
更のすべては、本出願の範囲内に含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0156】
3 屈曲部
5 遠位端
6 フランジ
10 履物用品
12 前足領域
14 中足領域
16 ヒール領域
18 外側の側部
20 内側の側部
100 アッパー
102 内部空洞
104 足首開口部
106 ファスナ
110 舌部
120、121、140、141 クッションサポートベクトル
120 第3の一連のクッションサポートベクトル
140 第2の一連のクッションサポートベクトル
160 第1の一連のクッションサポートベクトル
200 ソール構造
210 アウトソール
212 接地面
214 内面
216 インソール
220 ストローブル
222 底面
224 フットベッド
226 ステッチング
232 接触パッド
240 ミッドソール
242 底面
244 上面
300 流体充填チャンバ
301 上部障壁層、上部層
302 下部障壁層、下部層
304 オーバーモールド部
306 フランジ
308 ウェブ領域
311~324 流体充填セグメント
【手続補正書】
【提出日】2023-10-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物用品のソール構造であって、
ヒール領域と、
前足領域と、
前記ヒール領域と前記前足領域との間に配置された中足領域と、
第2の障壁層と協働する第1の障壁層を含んで、
前記前足領域内で前記ソール構造の内側の縁から前記ソール構造の外側の縁まで連続的に延びる第1の流体充填セグメントと、前記前足領域内で該ソール構造の前記内側の縁から前記ソール構造の前記外側の縁まで連続的に延びる第2の流体充填セグメントと、前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セグメントとの間に延びて前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セグメントとに接続された第3の流体充填セグメントであって前記外側の縁に沿って延びる第3の流体充填セグメントと、ウェブ領域と、を画定する、
流体充填チャンバと、
を含み、前記ウェブ領域は(i)前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セグメントとの間に配置されて、前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セグメントとを前記ソール構造の長手方向軸に沿って延びる方向に分離し、(ii)前記ソール構造の接地面から窪んでおり、
前記第1の流体充填セグメントは、前記ソール構造の前記外側の縁に近接する第1の方向に測定された第1の距離によって前記第2の流体充填セグメントから離間し、前記ソール構造の前記内側の縁に近接する前記第1の方向に測定された第2の距離によって前記第2の流体充填セグメントから離間し、前記第2の距離は前記第1の距離よりも小さく、
前記ウェブ領域は、前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セグメントとの間に延びて前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セグメントとを分離し、前記第3の流体充填セグメントから前記内側の縁まで連続的に延びる、ソール構造。
【請求項2】
前記第1の流体充填セグメントおよび前記第2の流体充填セグメントの少なくとも1つに取り付けられたアウトソールを更に含み、前記アウトソールは前記接地面を画定する、請求項1に記載のソール構造。
【請求項3】
前記第1の流体充填セグメントが前記第2の流体充填セグメントに流体結合されている、請求項1に記載のソール構造。
【請求項4】
前記第1の障壁層は前記ウェブ領域にて前記第2の障壁層に取り付けられる、請求項1に記載のソール構造。
【請求項5】
前記流体充填チャンバの一部の上に延びるオーバーモールド部をさらに含む、請求項1に記載のソール構造。
【請求項6】
前記オーバーモールド部が前記ヒール領域と前記中足領域と前記前足領域の一部との上に延びる、請求項5に記載のソール構造。
【請求項7】
前記オーバーモールド部が前記第2の障壁層に結合され、前記第2の障壁層とは異なる厚さ、異なる硬度、および異なる材料の中から少なくとも1つを含む、請求項5に記載のソール構造。
【請求項8】
前記オーバーモールド部に取り付けられたアウトソールを更に含む、請求項7に記載のソール構造。
【請求項9】
請求項1に記載の前記ソール構造を組み入れた履物用品。
【請求項10】
履物用品のソール構造であって、
ヒール領域と、
前足領域と、
前記ヒール領域と前記前足領域との間に配置された中足領域と、
第2の障壁層と協働する第1の障壁層を含んで、
前記前足領域内で前記ソール構造の内側の縁と前記ソール構造の外側の縁との間で連続的に延びる第1の流体充填セグメントと、前記前足領域内で前記ソール構造の前記内側の縁と前記ソール構造の前記外側の縁との間で連続的に延びる第2の流体充填セグメントと、前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セグメントとの間に延びて前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セグメントとに接続された第3の流体充填セグメントであって前記外側の縁に沿って延びる第3の流体充填セグメントと、ウェブ領域と、を画定する、
流体充填チャンバと、を含み、
前記ウェブ領域は(i)前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セグメントとの間に配置されて前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セグメントとを分離する間隙を画定し、(ii)前記ソール構造の接地面から窪んでおり、
前記間隙は、前記内側の縁と前記外側の縁との一方から、前記内側の縁と前記外側の縁との他方へと延びる方向に先細り、
前記ウェブ領域は、前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セグメントとの間に延びて前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セグメントとを分離し、前記第3の流体充填セグメントから前記内側の縁まで連続的に延びる、ソール構造。
【請求項11】
前記第1の流体充填セグメントおよび前記第2の流体充填セグメントの少なくとも1つに取り付けられたアウトソールを更に含み、前記アウトソールは前記接地面を画定する、請求項10に記載のソール構造。
【請求項12】
前記第1の流体充填セグメントが前記第2の流体充填セグメントに流体結合されている、請求項10に記載のソール構造。
【請求項13】
前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セグメントとが、前記内側の縁および前記外側の縁の一方から前記内側の縁および前記外側の縁の他方の方向へ延びる方向に収束する、請求項10に記載のソール構造。
【請求項14】
前記第1の流体充填セグメントは、前記内側の縁と前記外側の縁との前記他方にて、前記第2の流体充填セグメントから離間して、前記内側の縁と前記外側の縁との前記他方にて、前記第1の流体充填セグメントと前記第2の流体充填セグメントとの間の開口を画定する、請求項10に記載のソール構造。
【請求項15】
前記流体充填チャンバの一部の上に延在するオーバーモールド部をさらに含む、請求項10に記載のソール構造。
【請求項16】
前記オーバーモールド部が前記ヒール領域と前記中足領域と前記前足領域の一部との上に延びる、請求項15に記載のソール構造。
【請求項17】
前記オーバーモールド部が前記第2の障壁層に結合され、前記第2の障壁層とは異なる厚さ、異なる硬度、および異なる材料の中から少なくとも1つを含む、請求項15に記載のソール構造。
【請求項18】
前記オーバーモールド部に取り付けられたアウトソールを更に含む、請求項17に記載のソール構造。
【請求項19】
請求項10に記載の前記ソール構造を組み入れた履物用品。
【外国語明細書】