(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175824
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】Web会議システム、Web会議サーバ、Web会議サーバの制御方法及び制御プログラム、及びWeb会議アプリケーションのプログラム
(51)【国際特許分類】
H04R 3/02 20060101AFI20231205BHJP
H04M 3/56 20060101ALI20231205BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20231205BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
H04R3/02
H04M3/56 Z
G06F3/16 520
G06F3/01 510
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023149857
(22)【出願日】2023-09-15
(62)【分割の表示】P 2022033627の分割
【原出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】豊島 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】園田 隆史
(57)【要約】
【課題】複数の情報装置の存在により引き起こされるハウリングの発生を防止する。
【解決手段】Web会議サーバと、複数の情報端末において夫々動作する複数のWeb会議アプリケーションとを備えたWeb会議システム。前記複数のWeb会議アプリケーションは、夫々、会議参加操作信号を受信して、自端末の位置情報を取得し、取得した位置情報をWeb会議サーバへ送信する。前記Web会議サーバは、前記位置情報に基づいて情報端末間の距離を算出し、及び、1つのWeb会議アプリケーションからマイクON信号を受信すると、当該Web会議アプリケーションを有する情報端末から予め定めた第1の距離より近い距離に位置する他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Web会議サーバと、複数の情報端末において夫々動作する複数のWeb会議アプリケーションとを備えたWeb会議システムであって、
前記複数のWeb会議アプリケーションは、夫々、会議参加操作信号を受信して、自端末の位置情報を取得し、取得した位置情報をWeb会議サーバへ送信すること、
前記Web会議サーバは、
前記位置情報に基づいて情報端末間の距離を算出すること、及び、
1つのWeb会議アプリケーションからマイクON信号を受信すると、当該Web会議アプリケーションを有する情報端末から予め定めた第1の距離より近い距離に位置する他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信すること
を特徴とするWeb会議システム。
【請求項2】
請求項1に記載のWeb会議システムにおいて、
前記複数のWeb会議アプリケーションの少なくとも1つは、自端末の位置情報の代わりに、他の1つの情報端末の位置情報を取得し、当該位置情報をWeb会議サーバへ送信すること
を特徴とするWeb会議システム。
【請求項3】
請求項1に記載のWeb会議システムにおいて、
前記Web会議アプリケーションは、更に、ハウリングを検出する機能を有し、ハウリングを検出すると、ハウリング検出信号を前記Web会議サーバへ送信すること、
前記Web会議サーバは、前記Web会議アプリケーションから前記ハウリング検出信号を受信すると、当該Web会議アプリケーションを有する情報端末から予め定めた第2の距離より近い距離に位置しかつマイクONとなっている他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信すること
を特徴とするWeb会議システム。
【請求項4】
請求項3に記載のWeb会議システムにおいて、
前記Web会議サーバは、前記ハウリング検出信号を送信したWeb会議アプリケーションを有する情報端末と前記マイクOFF指令信号を受信したWeb会議アプリケーションを有する情報端末を近い距離に位置すると判断し、一のWeb会議アプリケーションからマイクON信号を受信すると、他のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信すること
を特徴とするWeb会議システム。
【請求項5】
請求項3に記載のWeb会議システムにおいて、
前記Web会議サーバは、前記予め定めた第2の距離より近い距離に位置しかつマイクONとなっている他の情報端末のWeb会議アプリケーションが見つからない場合、前記予め定めた第2の距離より長い第3の距離より近い距離にありかつマイクONとなっている他の情報端末のWeb会議アプリケーションを検索し、当該Web会議アプリケーションが存在する場合、このWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信すること
を特徴とするWeb会議システム。
【請求項6】
夫々においてWeb会議アプリケーションが動作する複数の情報端末がネットワークを介して接続可能なWeb会議サーバであって、
前記Web会議サーバは、
前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションから夫々の情報端末の位置情報を受信するよう構成された受信部、
前記位置情報に基づいて前記複数の情報端末の夫々2つの間の距離を算出するよう構成された演算部、及び、
前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションの少なくとも1つへマイクOFF指令信号を送信するよう構成された送信部
を含み、
前記受信部は、更に、前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションの少なくとも1つからマイクON信号を受信するよう構成されており、
前記送信部は、更に、前記受信部が少なくとも1つの情報端末のWeb会議アプリケーションからマイクON信号を受信した場合、当該情報端末から予め定めた第1の距離より近い距離に位置する他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信するよう構成されていること
を特徴とするWeb会議サーバ。
【請求項7】
請求項6に記載のWeb会議サーバにおいて、
前記受信部は、更に、前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションの少なくとも1つからハウリング検出信号を受信するよう構成されていること、
前記送信部は、更に、前記受信部がハウリング検出信号を受信した場合、該ハウリング検出信号を送信したWeb会議アプリケーションの情報端末から予め定めた第2の距離より近い距離に位置する他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信するよう構成されていること
を特徴とするWeb会議サーバ。
【請求項8】
夫々においてWeb会議アプリケーションが動作する複数の情報端末がネットワークを介して接続可能なWeb会議サーバの制御方法であって、
前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションから夫々の情報端末の位置情報を受信すること、
前記位置情報に基づいて前記複数の情報端末の夫々2つの間の距離を算出すること、及び、
前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションの少なくとも1つからマイクON信号を受信した場合、当該情報端末から予め定めた第1の距離より近い距離に位置する他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信すること
を含む、制御方法。
【請求項9】
夫々においてWeb会議アプリケーションが動作する複数の情報端末がネットワークを介して接続可能なWeb会議サーバの制御プログラムであって、
前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションから夫々の情報端末の位置情報を受信する処理、
前記位置情報に基づいて前記複数の情報端末の夫々2つの間の距離を算出する処理、及び、
前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションの少なくとも1つからマイクON信号を受信した場合、当該情報端末から予め定めた第1の距離より近い距離に位置する他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信する処理
をコンピュータに実行させる制御プログラム。
【請求項10】
情報端末で動作するWeb会議アプリケーションのプログラムであって、
当該情報端末における会議参加操作に応答して、当該情報端末又は他の情報端末の位置情報を取得し、取得した位置情報をWeb会議サーバへ送信する処理、及び、
当該情報端末のマイクがONになっているときに、当該情報端末から予め定めた第1の距離より近い距離に位置する他の情報端末が音声データを送信するためにWeb会議サーバからマイクOFF指令信号を受信した場合、当該情報端末のマイクをOFFにする処理
をコンピュータに実行させるWeb会議アプリケーションのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、Web会議システム、Web会議サーバ、Web会議サーバの制御方法及び制御プログラム、及びWeb会議アプリケーションのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
会議室等の閉鎖空間において複数の情報端末(例えばPC(personal computer)、スマートフォン等)を用いてWeb会議を行う場合、複数の参加者の各自の情報端末のマイク・スピーカが相互に干渉し、ハウリングが生じることがある。また、参加者が一人の場合でも、当該参加者が例えばPCとスマートフォンを同時に使用する場合、同様に、これらのマイク・スピーカが相互に干渉し、ハウリングが生じることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下の分析は本発明者によってなされたものである。
【0005】
しかしながら、上記のハウリングを防止するために、情報端末の物理的な位置に基づき当該情報端末を制御することは行われていなかった。
【0006】
例えば、特許文献1は複数の携帯端末が用いられるインターネット通話システムについて記載している。しかしながら、特許文献1は、音声を受信する一の端末において、他の一の端末からの音声が複数の異なる経路を経て当該一の端末へ到達することにより、当該一の端末において音声が重複して聞こえることを防止することを目的としており、ハウリングの防止については記載していない。
【0007】
本開示の課題は、とりわけ、夫々マイク及びスピーカを備えた複数の情報装置が存在することにより引き起こされ得るハウリングの発生を防止することに貢献する、Web会議システム、Web会議サーバ、Web会議サーバの制御方法及び制御プログラム、及びWeb会議アプリケーションのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本開示の第1の視点により、Web会議サーバと、複数の情報端末において夫々動作する複数のWeb会議アプリケーションとを備えたWeb会議システムが提供される。
該Web会議システムにおいて、
前記複数のWeb会議アプリケーションは、夫々、会議参加操作信号を受信して、自端末の位置情報を取得し、取得した位置情報をWeb会議サーバへ送信すること、
前記Web会議サーバは、
前記位置情報に基づいて情報端末間の距離を算出すること、及び、
1つのWeb会議アプリケーションからマイクON信号を受信すると、当該Web会議アプリケーションを有する情報端末から予め定めた第1の距離より近い距離に位置する他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信すること
を特徴とする(形態1)。
(2)本開示の第2の視点により、夫々においてWeb会議アプリケーションが動作する複数の情報端末がネットワークを介して接続可能なWeb会議サーバが提供される。
前記Web会議サーバは、
前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションから夫々の情報端末の位置情報を受信するよう構成された受信部、
前記位置情報に基づいて前記複数の情報端末の夫々2つの間の距離を算出するよう構成された演算部、及び、
前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションの少なくとも1つへマイクOFF指令信号を送信するよう構成された送信部
を含み、
前記受信部は、更に、前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションの少なくとも1つからマイクON信号を受信するよう構成されており、
前記送信部は、更に、前記受信部が少なくとも1つの情報端末のWeb会議アプリケーションからマイクON信号を受信した場合、当該情報端末から予め定めた第1の距離より近い距離に位置する他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信するよう構成されていること
を特徴とする(形態6)。
(3)本開示の第3の視点により、夫々においてWeb会議アプリケーションが動作する複数の情報端末がネットワークを介して接続可能なWeb会議サーバの制御方法が提供される。
該制御方法は、
前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションから夫々の情報端末の位置情報を受信すること、
前記位置情報に基づいて前記複数の情報端末の夫々2つの間の距離を算出すること、及び、
前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションの少なくとも1つからマイクON信号を受信した場合、当該情報端末から予め定めた第1の距離より近い距離に位置する他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信すること
を含むことを特徴とする(形態8)。
(4)本開示の第4の視点により、夫々においてWeb会議アプリケーションが動作する複数の情報端末がネットワークを介して接続可能なWeb会議サーバの制御プログラムが提供される。
該制御プログラムは、
前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションから夫々の情報端末の位置情報を受信する処理、
前記位置情報に基づいて前記複数の情報端末の夫々2つの間の距離を算出する処理、及び、
前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションの少なくとも1つからマイクON信号を受信した場合、当該情報端末から予め定めた第1の距離より近い距離に位置する他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信する処理
をコンピュータに実行させることを特徴とする(形態9)。
(5)本開示の第5の視点により、情報端末で動作するWeb会議アプリケーションのプログラムが提供される。
該Web会議アプリケーションのプログラムは、
当該情報端末(自端末)における会議参加操作に応答して、当該情報端末(自端末)又は他の情報端末の位置情報を取得し、取得した位置情報をWeb会議サーバへ送信する処理、及び、
当該情報端末(自端末)のマイクがONになっているときに、当該情報端末(自端末)から予め定めた第1の距離より近い距離に位置する他の情報端末が音声データを送信するためにWeb会議サーバからマイクOFF指令信号を受信した場合、当該情報端末(自端末)のマイクをOFFにする処理
をコンピュータに実行させることを特徴とする(形態10)。
【0009】
上記形態1のWeb会議システムにおいて、
前記複数のWeb会議アプリケーションの少なくとも1つは、自端末の位置情報の代わりに、他の1つの情報端末の位置情報を取得し、当該位置情報をWeb会議サーバへ送信することが好ましい(形態2)。
上記形態1のWeb会議システムにおいて、
前記Web会議アプリケーションは、更に、ハウリングを検出する機能を有し、ハウリングを検出すると、ハウリング検出信号を前記Web会議サーバへ送信すること、
前記Web会議サーバは、前記Web会議アプリケーションから前記ハウリング検出信号を受信すると、当該Web会議アプリケーションを有する情報端末から予め定めた第2の距離より近い距離に位置しかつマイクONとなっている他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信することが好ましい(形態3)。
上記形態3のWeb会議システムにおいて、
前記Web会議サーバは、前記ハウリング検出信号を送信したWeb会議アプリケーションを有する情報端末と前記マイクOFF指令信号を受信したWeb会議アプリケーションを有する情報端末を近い距離に位置すると判断し、一のWeb会議アプリケーションからマイクON信号を受信すると、他のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信することが好ましい(形態4)。
上記形態3のWeb会議システムにおいて、
前記Web会議サーバは、前記予め定めた第2の距離より近い距離に位置しかつマイクONとなっている他の情報端末のWeb会議アプリケーションが見つからない場合、前記予め定めた第2の距離より長い第3の距離より近い距離にありかつマイクONとなっている他の情報端末のWeb会議アプリケーションを検索し、当該Web会議アプリケーションが存在する場合、このWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信することが好ましい(形態5)。
上記形態6のWeb会議サーバにおいて、
前記受信部は、更に、前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションの少なくとも1つからハウリング検出信号を受信するよう構成されていること、
前記送信部は、更に、前記受信部がハウリング検出信号を受信した場合、該ハウリング検出信号を送信したWeb会議アプリケーションの情報端末から予め定めた第2の距離より近い距離に位置する他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信するよう構成されていることが好ましい(形態7)。
【0010】
なお、上記のプログラムは、コンピュータが読み取り可能な(非トランジエントな)記憶媒体に記録することができる。即ち、本開示は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。プログラムは、コンピュータ装置に入力装置又は外部から通信インタフェイスを介して入力され、記憶装置に記憶されて、プロセッサを所定のステップないし処理に従って駆動させ、必要に応じ中間状態を含めその処理結果を段階毎に表示装置を介して表示することができ、あるいは通信インタフェイスを介して、外部と交信することができる。そのためのコンピュータ装置は、一例として、典型的には互いにバスによって接続可能なプロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示ないしその各視点は、とりわけ、夫々マイク及びスピーカを備えた複数の情報装置が存在することにより引き起こされ得るハウリングの発生を防止することに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の一実施形態に応じたWeb会議システムの一例。
【
図2】本開示の一実施形態に応じたWeb会議サーバの一例。
【
図3】本開示の一実施形態に応じたDBサーバの一例。
【
図4】本開示の一実施形態に応じた情報端末の一例。
【
図5】本開示の一実施形態に応じた端末制御設定手段の一例。
【
図6】本開示の一実施形態に応じた同一エリア判定手段の一例。
【
図7】本開示の一実施形態に応じたWeb会議システムの第1の動作例(動作例1)のフローチャート。
【
図8】本開示の一実施形態に応じたWeb会議システムの第2の動作例(動作例2)のフローチャート。
【
図9】ハードウェア資源の構成の一例を模式的に示したブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本開示の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、専ら本開示の理解を助けるためのものであり、本開示を図示の態様に限定することは意図していない。また、各図におけるブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印は、信号、情報、データ等の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。更に、各図におけるブロック間の接続は有線又は無線方式の何れでも可能である。更に、プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備え、コンピュータ装置は、通信インタフェイスを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、交信可能に構成される。
【0014】
また、本開示において、「ネットワーク」は、典型的にはインターネットであるが、これに限定されず、例えばイントラネット等のような複数の情報装置の相互接続を媒介する任意のネットワークを含む。
【0015】
更に、本開示において、「情報端末」は、有線、無線を問わず、ネットワークを介して相互に接続され、少なくとも音声データを、必要に応じ画像データも、送受信可能であればよく、例えばPC(personal computer)、タブレット、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン等であるが、これらに限定されない。
【0016】
更に、本開示において、「接続」は、無線方式及び有線方式の何れも含み得る。
【0017】
更に、本開示において、「マイクON信号」とは、情報端末のマイクがONの状態であることを示す信号をいう。また、本開示において、「マイクOFF指令信号」とは、Web会議サービス100ないしそのWeb会議サーバ110から情報端末のWeb会議アプリケーション150a~150eに対し該情報端末のマイクをOFFにすることを指令する信号をいう。なお、以下において、Web会議アプリケーション150a~150eを相互に区別する必要がない場合は、単に、Web会議アプリケーション150と称する。
【0018】
図1は、本開示の一実施形態に応じたWeb会議システムの一例を示す。Web会議システムは、Web会議サービス100と、会議の参加者の情報端末のWeb会議アプリケーション150を含んで構成される。
【0019】
図示の実施例では、Web会議には4人の参加者A、C~Eが参加している。参加者Aは自宅に所在し、2つの情報端末即ち夫々Web会議アプリケーション150a及び150bが動作するないしその記録媒体に記録されているPC及びスマートフォンを使用している。参加者C~Eは会社の同じ会議室に所在しており、夫々、情報端末として、Web会議アプリケーション150c~150eが夫々動作するないしその記録媒体に記録されている1つのPCを使用している。なお、図示の例では、参加者A、C~Eの情報端末は夫々直接ネットワークに接続されているが、これらの接続形態は図示の形態に限定されず、例えば参加者AのPCとスマートフォンは自宅に設置されたルータを介してネットワークに接続されることも可能である。
【0020】
Web会議サービス100は、クラウド上のサーバによって提供され、ネットワークを介して会議の参加者A、C~Eの情報端末(PC、スマートフォン等)のWeb会議アプリケーション150a~150eに接続されている。なお、とりわけネットワークがイントラネット等の場合、Web会議サービス100は当該イントラネット等に接続されたサーバによって提供されることも可能である。
【0021】
Web会議サービス100は、Web会議機能を提供する機能を有するWeb会議サーバ110及び各種機能や設定等を格納するDB(data base)サーバ120を備える。
【0022】
図2は、本開示の一実施形態に応じたWeb会議サーバ110の一例を示す。Web会議サーバ110は、受信部110a、演算部110b、送信部110c及び制御部110dを含む。
【0023】
受信部110aは、会議の参加者A、C~Eの情報端末のWeb会議アプリケーション150から夫々の情報端末の位置情報を受信可能に構成されている。受信部110aは、更に、これらの情報端末のWeb会議アプリケーション150の少なくとも1つからマイクON信号を受信可能に構成されている。
【0024】
演算部110bは、会議の参加者A、C~Eの情報端末の位置情報に基づいて、各情報端末間の距離を算出可能に構成されている。
【0025】
送信部110cは、会議の参加者A、C~Eの情報端末のWeb会議アプリケーション150の少なくとも1つへマイクOFF指令信号を送信可能に構成されている。送信部110cは、更に、受信部110aが少なくとも1つの情報端末のWeb会議アプリケーション150からマイクON信号を受信した場合、当該情報端末から予め定めた第1の距離より近い距離に位置する他の情報端末のWeb会議アプリケーション150へマイクOFF指令信号を送信可能に構成されている。
【0026】
更に、受信部110aは、会議の参加者A、C~Eの情報端末のWeb会議アプリケーション150の少なくとも1つから、該情報端末ないしそのWeb会議アプリケーションがハウリングを検出したことを示すハウリング検出信号を受信可能に構成されており、送信部110cは、受信部110aがハウリング検出信号を受信した場合、該ハウリング検出信号を送信したWeb会議アプリケーションの情報端末から予め定めた第2の距離より近い距離に位置する他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信可能に構成されている。
【0027】
制御部110dは、受信部110a、演算部110b及び送信部110cの上記の動作について制御可能に構成されている。
【0028】
なお、Web会議サーバ110は、DBサーバ120との通信のために、受信部110a及び送信部110cを使用することも可能であるが、同様に制御部110dによって制御可能な独立の送受信部を使用することも可能である。
【0029】
図3は、本開示の一実施形態に応じたDBサーバ120の一例を示す。DBサーバ120は、会議の参加者A、C~Eの情報端末の位置情報等の情報を含む端末制御設定手段130、同一エリア判定手段140等のデータを格納するよう構成されており、更に、送受信部120a及び制御部120bを含む。
【0030】
送受信部120aは、Web会議サーバ110との通信に使用可能に構成されている。
【0031】
制御部120bは、送受信部120aの上記動作等について制御可能に構成されている。
【0032】
図4は、本開示の一実施形態に応じた情報端末160の一例を示す。情報端末160は、位置情報取得部160a、記憶部(ないしメモリ)160b、送受信部160c、ハウリング検出部160d、マイク160e、スピーカ160f及び制御部160gを含む。
【0033】
位置情報取得部160aは、例えばGPS(global positioning system/satellite)機能によりその情報端末の位置情報を取得可能に構成されている。
【0034】
記憶部160bは、少なくとも、Web会議アプリケーション150を動作させるためのプログラムを記憶することができる。
【0035】
送受信部160cは、Web会議サーバ110と通信可能に構成されており、例えばWeb会議サーバ110へのマイクON信号の送信、Web会議サーバ110からのマイクOFF指令信号の受信等を行う。
【0036】
ハウリング検出部160dは、その情報端末160のマイク160e、スピーカ160fと、その情報端末160から所定範囲内に存在する他の情報端末のマイク、スピーカとの相互干渉により発生するハウリングを検出可能に構成されている。
【0037】
マイク160eは、その情報端末160の使用者(会議の参加者)の音声を他の情報端末において再生する等のために、音響信号(音声)を電気信号に変換する装置である。
【0038】
スピーカ160fは、その情報端末160において他の情報端末から送信された該他の情報端末の使用者(会議の参加者)の音声に対応する電気信号を音響信号に変換して該他の情報端末の使用者の音声を再生する装置である。
【0039】
制御部160gは、位置情報取得部160a、記憶部160b、送受信部160c、ハウリング検出部160d、マイク160e及びスピーカ160fの上記の動作について制御可能に構成されている。
【0040】
Web会議アプリケーション150は、会議参加時に当該情報端末が備えるGPS機能により各自の情報端末の位置情報を取得し、該位置情報をWeb会議サービス100ないしそのWeb会議サーバ110へ送信する機能、マイクがONであるか又はOFFであるかについての情報をWeb会議サービス100ないしそのWeb会議サーバ110へ送信する機能、Web会議サービス100からマイクOFF指令信号を受信した場合、マイクをOFFに制御する機能を備える。
【0041】
ここで、各情報端末の位置情報を取得する手段は当該情報端末が備えるGPS機能に限定されない。例えば、参加者や情報端末に取り付けられたビーコンを利用した屋内位置測位システムにより各情報端末の位置情報を取得することも可能である。
【0042】
また、一の参加者の情報端末の近くに位置する他の参加者の情報端末から当該他の参加者の情報端末の位置情報をブルートゥース(登録商標)等の近距離通信を介して取得し、この他の参加者の情報端末の位置情報を当該一の参加者の情報端末の位置情報として使用することも可能である。
【0043】
更に、GPS、ビーコン等の位置情報を取得する手段がない場合、Web会議アプリケーション150は、参加者に対し当該参加者が会議参加時に所在する住所、地名又は地図上の位置等をその情報端末に入力するよう要求し、入力された情報に基づいて位置情報を取得することも可能である。
【0044】
更に、同一の参加者が会議の参加時に例えばPCとスマートフォンの両方を用いる場合であって、場合により既に会議で使用しているスマートフォンがそのGPS機能等によりその位置情報を取得できる場合、PCの位置情報としてこのスマートフォンの位置情報を使用することも可能である。また、同様に、例えば、既に会議で使用しているPCとスマートフォンに加えて、新たに別のスマートフォン、タブレット等を使用する場合、既に会議で使用しているPC又はスマートフォンの位置情報を、新たに追加した別のスマートフォン、タブレット等の位置情報として使用することも可能である。
【0045】
なお、これらの会議の参加者の情報端末の位置情報はWeb会議サービス100ないしWeb会議サーバ110によって把握され、把握された位置情報は端末制御設定手段130としてデータベース化され、その情報のデータ自体はDBサーバ120に格納される。
【0046】
Web会議アプリケーション150は、更に、ハウリングを検出する機能を有し、ハウリングを検出すると、ハウリング検出信号をWeb会議サーバへ送信する機能、及び、ハウリング検出信号を受信したWeb会議サーバから、所定の条件を満たした場合に、マイクOFF指令信号を受信する機能を有する。
【0047】
図5は、DBサーバ120に格納される端末制御設定手段130の一例を示す。なお、
図5に示した端末制御設定手段130は一例に過ぎず、
図1に示したWeb会議システムの一例における情報端末についてのものに必ずしも基づくものではない。
【0048】
端末制御設定手段130は、会議の参加者の情報端末の識別子である端末ID、GPS等により取得された位置情報、会議ID、エリアID等の情報を格納する。
【0049】
位置情報のフィールドには、対応する情報端末の位置座標を示す値が入力される。
【0050】
エリアIDのフィールドには、各情報端末が存在するエリアを識別可能にする値が入力される。例えば、ある同一の会議室において、複数の参加者が会議に参加する場合(ないしは複数の情報端末が会議で使用される場合)、同一エリアに存在すると判断された情報端末のエリアIDは同じ値(xxxxx111)が割り振られる。
【0051】
会議IDのフィールドには、参加者が参加した若しくは招集されている会議の識別子が入力される。これにより、複数の参加者が同一会議に参加するか否か(ないしは複数の情報端末が同一会議で使用されるか否か)が判別可能になる。同一の参加者が複数の会議に召集されることもあるため、会議IDのフィールドには複数の値が入力されることも可能である。
【0052】
図6は、DBサーバ120に格納される同一エリア判定手段140の一例を示す。なお、
図6に示した同一エリア判定手段140も一例に過ぎず、
図1に示したWeb会議システムの一例における情報端末についてのものに必ずしも基づくものではない。
【0053】
同一エリア判定手段140は、複数の参加者ないし複数の情報端末が同一エリア又は同室に存在するか否かについて、Web会議の会議室ごとに判断するために使用可能である。例えば、GPS等により取得された位置情報から各情報端末間の距離が算出され、この算出された距離の値が音声が干渉する即ちハウリングが発生すると判断される値(例えば2m、図示の例では1m)であった場合、それらの情報端末は同一のエリアに存在するものと判断され、同じエリアIDが割り振られる。例えば、端末ID“00000A”及び“00000B”の情報端末の間の距離が1mの場合(
図6参照)、これらの情報端末は同一エリアに存在すると判断され、同一のエリアID“001”が割り振られる(
図5参照)。
【0054】
(動作例1)
以下に、情報端末がハウリングの発生を検出しない場合についてのWeb会議システムの動作例(動作例1)を、
図7を参照して説明する。この動作例の説明においては、
図1の自宅においてWeb会議に参加している同一の参加者AがPCとスマートフォンを使用する例を参酌するが、動作例1はこの例に限定されず、例えば
図1の会議室においてWeb会議に参加している異なる参加者C~Eが夫々1つのPCを使用する例にも同様に適用可能である。なお、以下の各動作例の説明において、「情報端末」は「端末」と略し、「ステップ」は「S」で表す。
【0055】
まず、Web会議アプリケーション150は、自端末における会議参加操作によって生成される会議参加操作信号を受信し、これに応答して自端末の位置情報を取得し、取得した位置情報をWeb会議サーバ110へ送信する(S1)。例えば、参加者AのPCのWeb会議アプリケーション150a及びスマートフォンのWeb会議アプリケーション150bは、参加者AがPC及びスマートフォンにおいて会議に参加するための所定の操作を行うことにより、夫々のPC及びスマートフォンの位置情報を、例えばGPSを利用して取得し、これらの取得した位置情報をWeb会議サーバ110へ送信する。なお、例えばPCがGPSのようなその位置情報を取得する手段を有しない場合、PCのWeb会議アプリケーション150aはそのPCの位置情報として、普及品でもGPS機能を有するのが通常であるスマートフォンの位置情報を使用することも可能である。
【0056】
次に、Web会議サーバ110は、夫々2つの端末間の距離を算出する(S2)。例えば、Web会議サーバ110は、PCとスマートフォンの間の距離を算出する。
【0057】
次に、参加者が会議で発言するために端末のマイクをONにすることにより、Web会議サーバ110は、その端末のWeb会議アプリケーション150からマイクON信号を受信する(S3)。例えば、参加者AがPCのマイクをONにすることにより、PCのWeb会議アプリケーション150aはマイクON信号を生成してWeb会議サーバ110へ送信する。
【0058】
このとき、マイクON信号を送信したWeb会議アプリケーション150の端末からの距離が予め定めた第1の距離より短い距離の所に位置する端末がある場合、Web会議サーバ110は、これらの端末を同じエリアに存在すると判断し(なお、これらの端末には同じエリアIDが割り振られる)、後者の端末のWeb会議アプリケーション150へマイクOFF指令信号を送信する(S4)。これに応じて、Web会議アプリケーション150は、自端末をそのマイクがOFF(ミュート)になるよう制御する(S5)。例えば、Web会議サーバ110は、算出したPCとスマートフォンの間の距離と予め定めた第1の距離とを比較し、前者が後者より短い場合、PCとスマートフォンは同じエリアに存在すると判断し、これらに同じエリアIDを割り振ると共に、スマートフォンのWeb会議アプリケーション150bへマイクOFF指令信号を送信する。これに応じて、Web会議アプリケーション150bは、その際にスマートフォンのマイクがONであれば、そのマイクをOFF(ミュート)にするよう、スマートフォンを制御する。
【0059】
なお、複数の端末が同じエリアに存在するか否かの判断は、S2において、端末間の距離の算出後に予め(S4の前に)行ってもよい。
【0060】
また、上記の処理以降、Web会議サーバ110は、PCとスマートフォンは同じエリアに存在すると判断し、Web会議アプリケーション150a及び150bの一方からマイクON信号を受信すると、他方のWeb会議アプリケーション150a又は150bへマイクOFF指令信号を送信し、PCとスマートフォンのマイクが同時にONとならないように制御を行なうことができる。
【0061】
このように、動作例1によれば、音声が干渉すると判断される範囲内に位置する端末は、実際にハウリングが発生しているか否かに拘わらず、それらのマイクが同時にONにならないように即ち何れか1つの端末のマイクのみがONとなるように制御されるため、Web会議の参加者は、ハウリングに妨害されることなく、スムースに会話を進めることができる。
【0062】
なお、本動作例は、上記のとおり、同一のエリア内に3つ以上の端末が存在する場合にも同様に適用可能であり、従って、例えば
図1の会議室においてWeb会議に参加している参加者C~Eが夫々1つのPCを使用する場合において、例えば参加者CがPCのマイクをONにした場合、参加者D及びEのPCのマイクは、その際ONであれば強制的にOFFにされる。
【0063】
(動作例2)
以下に、情報端末がハウリングの発生を検出する場合についてのWeb会議システムの動作例(動作例2)を、
図8を参照して説明する。この動作例の説明においては、
図1の会議室においてWeb会議に参加している異なる参加者C~Eが夫々1つのPCを使用する例を参酌するが、動作例2はこの例に限定されず、例えば
図1の自宅においてWeb会議に参加している同一の参加者AがPCとスマートフォンを使用する例にも同様に適用可能である。
【0064】
まず、Web会議アプリケーション150は、自端末における会議参加操作によって生成される会議参加操作信号を受信し、これに応答して自端末の位置情報を取得し、取得した位置情報をWeb会議サーバ110へ送信する(S11)。例えば、参加者C~EのPCのWeb会議アプリケーション150c~150eは、参加者C~EがPCにおいて会議に参加するための所定の操作を行うことにより、夫々のPCの位置情報を、例えばGPSを利用して取得し、これらの取得した位置情報をWeb会議サーバ110へ送信する。
【0065】
次に、Web会議サーバ110は、夫々2つの端末間の距離を算出する(S12)。例えば、Web会議サーバ110は、3つのPCの夫々2つの間の距離を算出する。
【0066】
次に、一の端末のWeb会議アプリケーション150がハウリングを検出した場合、該Web会議アプリケーション150はハウリング検出信号をWeb会議サーバ110へ送信する(S13)。例えば、参加者CのPCのWeb会議アプリケーション150cは、例えば一定時間継続する予め定めた音量以上の音量の音を検出したとき、ハウリングが発生したと判断し、ハウリング検出信号をWeb会議サーバ110へ送信する。
【0067】
このとき、ハウリング検出信号を送信したWeb会議アプリケーション150の端末からの距離が予め定めた第2の距離より短い距離の所に位置する端末がある場合、Web会議サーバ110は、これらの端末を同じエリアに存在すると判断し(なお、これらの端末には同じエリアIDが割り振られる)、後者の端末のWeb会議アプリケーション150へマイクOFF指令信号を送信する(S14)。これに応じて、Web会議アプリケーション150は、自端末をそのマイクがOFF(ミュート)になるよう制御する(S15)。例えば、Web会議サーバ110は、算出した参加者CのPCと参加者DのPCの間の距離は予め定めた第2の距離(例えば10m)より短いが、算出した参加者CのPCと参加者EのPCの間の距離は予め定めた第2の距離以上であると判断した場合、参加者CのPCと参加者DのPCは同じエリアに存在すると判断し、これらに同じエリアIDを割り振ると共に、参加者DのPCのWeb会議アプリケーション150dへマイクOFF指令信号を送信する。これに応じて、Web会議アプリケーション150dは、その際にPCのマイクがONであれば、そのマイクをOFF(ミュート)にするよう、PCを制御する。
【0068】
S14において所定の処理を行ったにも拘らずハウリングが継続する場合、Web会議サーバ110は、ハウリング検出信号を送信したWeb会議アプリケーション150の端末からの距離が予め定めた第2の距離より長い第3の距離より短い距離の所に位置する端末が存在すれば、これらの端末を同じエリアに存在すると判断し(なお、これらの端末には同じエリアIDが割り振られる)、後者の端末のWeb会議アプリケーション150へマイクOFF指令信号を送信する(S16)。これに応じて、Web会議アプリケーション150は、自端末をそのマイクがOFF(ミュート)になるよう制御する(S17)。例えば、Web会議サーバ110は、算出した参加者CのPCと参加者EのPCの間の距離は予め定めた第2の距離以上であるが該予め定めた第2の距離より長い第3の距離より短いと判断した場合、参加者EのPCも同じエリアに存在すると判断し、これらに同じエリアIDを割り振ると共に、参加者EのPCのWeb会議アプリケーション150eへマイクOFF指令信号を送信する。これに応じて、Web会議アプリケーション150eは、その際にPCのマイクがONであれば、そのマイクをOFF(ミュート)にするよう、PCを制御する。
【0069】
なお、複数の端末が同じエリアに存在するか否かの判断は、S12において、端末間の距離の算出後に予め(S14又はS16の前に)行ってもよい。
【0070】
また、上記の処理以降、Web会議サーバ110は、これらのPCは同じエリアに存在すると判断し、Web会議アプリケーション150c~150eの何れか1つからハウリング検出信号を受信すると、他のWeb会議アプリケーション150c又は150d又は150eへマイクOFF指令信号を送信し、これらのPCのマイクが同時にONとならないように制御を行なうことができる。
【0071】
このように、動作例2によれば、ハウリングが発生した際に、ハウリングを発生させる範囲内に位置する端末のマイクが同時にONにならないように即ち何れか1つの端末のマイクのみがONとなるように複数の端末が制御されるため、Web会議の参加者は、ハウリングに妨害されることなく、スムースに会話を進めることができる。
【0072】
なお、本動作例は、上記のとおり、同一のエリア内に2つの端末が存在する場合にも同様に適用可能であり、従って、例えば
図1の自宅においてWeb会議に参加している参加者AがPCとスマートフォンを使用する場合において、PCがハウリングの発生を検出した場合、スマートフォンのマイクは強制的にOFFにされる。
【0073】
(他の実施形態)
上記においては、所定の場合に端末のマイクをOFFにする構成としたが、マイクの代わりにスピーカをOFFにする構成や、マイクとスピーカの両方をOFFにする構成も可能である。
【0074】
このように、本開示によれば、夫々少なくとも1つの情報端末を使用する複数のWeb会議の参加者が社内の会議室等の閉鎖空間内に所在する場合又は複数の情報端末を使用する1人のWeb会議の参加者が自室等の閉鎖空間内に所在する場合にも、複数の情報端末の存在によって引き起こされるハウリングによって妨害されることなく、会話をスムースに進めることができる。
【0075】
更に、本開示によれば、新たな情報端末を追加して使用する場合、その位置情報として、既にWeb会議で使用している他の情報端末の位置情報を使用できるようにすることにより、予め近くに存在する他の参加者の情報端末又は本人の他の情報端末とのハウリングの発生を阻止することが可能になる。
【0076】
更に、本開示によれば、情報端末の位置情報取得機能により取得される位置情報の実際の値からのズレが大きい場合でも、情報端末自体がハウリングを検出する機能を備えることにより、ハウリングを自動的に消滅させることができ、更に、それ以降も、ハウリングが発生しないように各情報端末を制御することが可能になる。
【0077】
なお、上記実施形態に係る制御部は、いわゆるハードウェア資源(情報処理装置、コンピュータ)により構成することができ、
図9に例示する構成を備えたものを用いることができる。例えば、ハードウェア資源200は、内部バス204により相互に接続される、プロセッサ201、メモリ202、ネットワークインタフェイス203等を備える。
【0078】
なお、
図9に示す構成は、ハードウェア資源200のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。ハードウェア資源200は、図示しないハードウェア(例えば、入出力インタフェイス)を含んでもよい。プロセッサ201には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等を用いることができる。
【0079】
メモリ202には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を用いることができる。
【0080】
ネットワークインタフェイス203には、例えば、LAN(Local Area Network)カード、ネットワークアダプタ、ネットワークインタフェイスカード等を用いることができる。
【0081】
ハードウェア資源200の機能は、処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ202に格納されたプログラムをプロセッサ201が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能は、何らかのハードウェアにおいてソフトウェアが実行されることによって実現できればよい。
【0082】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]Web会議サーバと、複数の情報端末において夫々動作する複数のWeb会議アプリケーションとを備えたWeb会議システム。
前記複数のWeb会議アプリケーションは、夫々、会議参加操作信号を受信して、自端末の位置情報を取得し、取得した位置情報をWeb会議サーバへ送信する。
前記Web会議サーバは、
前記位置情報に基づいて情報端末間の距離を算出し、及び、
1つのWeb会議アプリケーションからマイクON信号を受信すると、当該Web会議アプリケーションを有する情報端末から予め定めた第1の距離より近い距離に位置する他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信する。
[付記2]上記のWeb会議システムにおいて、
前記複数のWeb会議アプリケーションの少なくとも1つは、自端末の位置情報の代わりに、他の1つの情報端末の位置情報を取得し、当該位置情報をWeb会議サーバへ送信する。
[付記3]上記のWeb会議システムにおいて、
前記Web会議アプリケーションは、更に、ハウリングを検出する機能を有し、ハウリングを検出すると、ハウリング検出信号を前記Web会議サーバへ送信する。
前記Web会議サーバは、前記Web会議アプリケーションから前記ハウリング検出信号を受信すると、当該Web会議アプリケーションを有する情報端末から予め定めた第2の距離より近い距離に位置しかつマイクONとなっている他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信する。
[付記4]上記のWeb会議システムにおいて、
前記Web会議サーバは、前記ハウリング検出信号を送信したWeb会議アプリケーションを有する情報端末と前記マイクOFF指令信号を受信したWeb会議アプリケーションを有する情報端末を近い距離に位置すると判断し、一のWeb会議アプリケーションからマイクON信号を受信すると、他のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信する。
[付記5]上記のWeb会議システムにおいて、
前記Web会議サーバは、前記予め定めた第2の距離より近い距離に位置しかつマイクONとなっている他の情報端末のWeb会議アプリケーションが見つからない場合、前記予め定めた第2の距離より長い第3の距離より近い距離にありかつマイクONとなっている他の情報端末のWeb会議アプリケーションを検索し、当該Web会議アプリケーションが存在する場合、このWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信する。
[付記6]夫々においてWeb会議アプリケーションが動作する複数の情報端末がネットワークを介して接続可能なWeb会議サーバ。
前記Web会議サーバは、
前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションから夫々の情報端末の位置情報を受信するよう構成された受信部、
前記位置情報に基づいて前記複数の情報端末の夫々2つの間の距離を算出するよう構成された演算部、及び、
前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションの少なくとも1つへマイクOFF指令信号を送信するよう構成された送信部
を含む。
前記受信部は、更に、前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションの少なくとも1つからマイクON信号を受信するよう構成されている。
前記送信部は、更に、前記受信部が少なくとも1つの情報端末のWeb会議アプリケーションからマイクON信号を受信した場合、当該情報端末から予め定めた第1の距離より近い距離に位置する他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信するよう構成されている。
[付記7]上記のWeb会議サーバにおいて、
前記受信部は、更に、前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションの少なくとも1つからハウリング検出信号を受信するよう構成されている。
前記送信部は、更に、前記受信部がハウリング検出信号を受信した場合、該ハウリング検出信号を送信したWeb会議アプリケーションの情報端末から予め定めた第2の距離より近い距離に位置する他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信するよう構成されている。
[付記8]上記のWeb会議は、前記ハウリング検出信号を送信したWeb会議アプリケーションを有する情報端末と前記マイクOFF指令信号を受信したWeb会議アプリケーションを有する情報端末を近い距離に位置すると判断し、一のWeb会議アプリケーションからマイクON信号を受信すると、他のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信する。
[付記9]上記のWeb会議サーバは、前記予め定めた第2の距離より近い距離に位置しかつマイクONとなっている他の情報端末のWeb会議アプリケーションが見つからない場合、前記予め定めた第2の距離より長い第3の距離より近い距離にありかつマイクONとなっている他の情報端末のWeb会議アプリケーションを検索し、当該Web会議アプリケーションが存在する場合、このWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信する。
[付記10]夫々においてWeb会議アプリケーションが動作する複数の情報端末がネットワークを介して接続可能なWeb会議サーバの制御方法。
該制御方法は、
(前記Web会議サーバが、)前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションから夫々の情報端末の位置情報を受信すること、
(前記Web会議サーバが、)前記位置情報に基づいて前記複数の情報端末の夫々2つの間の距離を算出すること、及び、
(前記Web会議サーバが、)前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションの少なくとも1つからマイクON信号を受信した場合、当該情報端末から予め定めた第1の距離より近い距離に位置する他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信すること
を含む。
[付記11]上記のWeb会議サーバの制御方法は、更に、
(前記Web会議サーバが、)一のWeb会議アプリケーションからハウリング検出信号を受信すると、当該一のWeb会議アプリケーションを有する情報端末から予め定めた第2の距離より近い距離に位置しかつマイクONとなっている他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信すること
を含む。
[付記12]上記のWeb会議サーバの制御方法は、更に、
(前記Web会議サーバが、)前記ハウリング検出信号を送信したWeb会議アプリケーションを有する情報端末と前記マイクOFF指令信号を受信したWeb会議アプリケーションを有する情報端末を近い距離に位置すると判断し、一のWeb会議アプリケーションからマイクON信号を受信すると、他のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信すること
を含む。
[付記13]上記のWeb会議サーバの制御方法は、更に、
(前記Web会議サーバが、)前記予め定めた第2の距離より近い距離に位置しかつマイクONとなっている他の情報端末のWeb会議アプリケーションが見つからない場合、前記予め定めた第2の距離より長い第3の距離より近い距離にありかつマイクONとなっている他の情報端末のWeb会議アプリケーションを検索し、当該Web会議アプリケーションが存在する場合、このWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信すること
を含む。
[付記14]夫々においてWeb会議アプリケーションが動作する複数の情報端末がネットワークを介して接続可能なWeb会議サーバの制御プログラム。
該制御プログラムは、
(前記Web会議サーバが、)前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションから夫々の情報端末の位置情報を受信する処理、
(前記Web会議サーバが、)前記位置情報に基づいて前記複数の情報端末の夫々2つの間の距離を算出する処理、及び、
(前記Web会議サーバが、)前記複数の情報端末のWeb会議アプリケーションの少なくとも1つからマイクON信号を受信した場合、当該情報端末から予め定めた第1の距離より近い距離に位置する他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信する処理
をコンピュータに実行させる。
[付記15]上記のWeb会議サーバの制御プログラムは、更に、
(前記Web会議サーバが、)一のWeb会議アプリケーションからハウリング検出信号を受信すると、当該一のWeb会議アプリケーションを有する情報端末から予め定めた第2の距離より近い距離に位置しかつマイクONとなっている他の情報端末のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信する処理
をコンピュータに実行させること
を含む。
[付記16]上記のWeb会議サーバの制御プログラムは、更に、
(前記Web会議サーバが、)前記ハウリング検出信号を送信したWeb会議アプリケーションを有する情報端末と前記マイクOFF指令信号を受信したWeb会議アプリケーションを有する情報端末を近い距離に位置すると判断し、一のWeb会議アプリケーションからマイクON信号を受信すると、他のWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信する処理
をコンピュータに実行させること
を含む。
[付記17]上記のWeb会議サーバの制御プログラムは、更に、
(前記Web会議サーバが、)前記予め定めた第2の距離より近い距離に位置しかつマイクONとなっている他の情報端末のWeb会議アプリケーションが見つからない場合、前記予め定めた第2の距離より長い第3の距離より近い距離にありかつマイクONとなっている他の情報端末のWeb会議アプリケーションを検索し、当該Web会議アプリケーションが存在する場合、このWeb会議アプリケーションへマイクOFF指令信号を送信する処理
をコンピュータに実行させること
を含む。
[付記18]情報端末で動作するWeb会議アプリケーションのプログラム。
該Web会議アプリケーションのプログラムは、
当該情報端末(自端末)における会議参加操作に応答して、当該情報端末(自端末)又は他の情報端末の位置情報を取得し、取得した位置情報をWeb会議サーバへ送信する処理、及び、
当該情報端末(自端末)のマイクがONになっているときに、当該情報端末(自端末)から予め定めた第1の距離より近い距離に位置する他の情報端末が音声データを送信するためにWeb会議サーバからマイクOFF指令信号を受信した場合、当該情報端末(自端末)のマイクをOFFにする処理
をコンピュータに実行させる。
[付記19]上記のWeb会議アプリケーションのプログラムは、更に、
(前記Web会議アプリケーション(ないし自端末)が、)自端末の位置情報の代わりに、他の1つの情報端末の位置情報を取得し、当該位置情報をWeb会議サーバへ送信する処理
をコンピュータに実行させること
を含む。
[付記20]上記のWeb会議アプリケーションのプログラムは、更に、
前記Web会議アプリケーション(ないし自端末)がハウリングを検出すると、ハウリング検出信号を前記Web会議サーバへ送信する処理
をコンピュータに実行させること
を含む。
【0083】
本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択(部分的削除を含む)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0084】
100 Web会議サービス
110 Web会議サーバ
110a 受信部
110b 演算部
110c 送信部
110d 制御部
120 DBサーバ
120a 送受信部
120b 制御部
130 端末制御設定手段
140 同一エリア判定手段
150 Web会議アプリケーション
150a~e Web会議アプリケーション
160 情報端末
160a 位置情報取得部
160b 記憶部(ないしメモリ)
160c 送受信部
160d ハウリング検出部
160e マイク
160f スピーカ
160g 制御部
200 ハードウェア資源
201 プロセッサ
202 メモリ
203 ネットワークインタフェイス
204 内部バス