IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特開-止血ロータシール用磁気カプラ 図1
  • 特開-止血ロータシール用磁気カプラ 図2
  • 特開-止血ロータシール用磁気カプラ 図3
  • 特開-止血ロータシール用磁気カプラ 図4
  • 特開-止血ロータシール用磁気カプラ 図5
  • 特開-止血ロータシール用磁気カプラ 図6
  • 特開-止血ロータシール用磁気カプラ 図7A
  • 特開-止血ロータシール用磁気カプラ 図7B
  • 特開-止血ロータシール用磁気カプラ 図8
  • 特開-止血ロータシール用磁気カプラ 図9A
  • 特開-止血ロータシール用磁気カプラ 図9B
  • 特開-止血ロータシール用磁気カプラ 図9C
  • 特開-止血ロータシール用磁気カプラ 図10
  • 特開-止血ロータシール用磁気カプラ 図11
  • 特開-止血ロータシール用磁気カプラ 図12
  • 特開-止血ロータシール用磁気カプラ 図13
  • 特開-止血ロータシール用磁気カプラ 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175826
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】止血ロータシール用磁気カプラ
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/13 20210101AFI20231205BHJP
   A61M 60/178 20210101ALI20231205BHJP
   A61M 60/216 20210101ALI20231205BHJP
   A61M 60/411 20210101ALI20231205BHJP
   A61M 60/419 20210101ALI20231205BHJP
   A61M 60/804 20210101ALI20231205BHJP
   A61M 60/81 20210101ALI20231205BHJP
   A61M 60/405 20210101ALI20231205BHJP
【FI】
A61M60/13
A61M60/178
A61M60/216
A61M60/411
A61M60/419
A61M60/804
A61M60/81
A61M60/405
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023149913
(22)【出願日】2023-09-15
(62)【分割の表示】P 2020546922の分割
【原出願日】2019-03-07
(31)【優先権主張番号】62/640,740
(32)【優先日】2018-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ハンソン、ブライアン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ラーセン、スティーブン アール.
(72)【発明者】
【氏名】ブレイダル、ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】クロンステット、ジョセフ エイ.
(72)【発明者】
【氏名】シュイナード、ポール エフ.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】代替的な医療装置、並びに医療装置を製造及び使用するための代替的な方法を提供すること。
【解決手段】医療装置は、血流を受け入れるための少なくとも1つの入口を含むハウジング120と、ハウジング内に配置される流体バリア135と、ハウジングの第1のセクション121内に配置されるインペラ160と、インペラシャフト150に結合される少なくとも1つの第1の磁石140と、ハウジングの第2のセクション122内に配置された駆動シャフト190と、ハウジングの第2のセクション内において駆動シャフトに配置された少なくとも1つの第2の磁石142とを備える。第2の磁石の回転が第1の磁石を回転させる。第2の磁石は、第2の磁石が流体バリアに向かって引き付けられることを許容するべく、駆動シャフトに沿う第2の磁石の軸方向移動を許容しつつ第2の磁石が駆動シャフトに回転可能に連結される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置であって、
血流を受け入れるための少なくとも1つの入口と、血流を送達するための少なくとも1つの出口とを含み、長手軸を有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、少なくとも1つの入口と少なくとも1つの出口とを含む第1のセクションと、第2のセクションとに前記ハウジングを分離する、流体に対して不浸透性の流体バリアと、
前記ハウジングの前記第1のセクション内に配置されるインペラであって、該インペラの長手軸と前記ハウジングの長手軸とは同じであり、本体と、前記本体から半径方向外向きに延びる少なくとも1つのブレードとを有する、前記インペラと、
前記インペラに結合されるインペラシャフトに結合される少なくとも1つの第1の磁石であって、前記ハウジングの前記第1のセクション内に配置されるとともに前記インペラシャフトに回転可能に連結される、前記第1の磁石と、
前記ハウジングの前記第2のセクション内に配置された駆動シャフトと、
前記ハウジングの前記第2のセクション内において前記駆動シャフトに配置された少なくとも1つの第2の磁石であって、当該第2の磁石の回転が前記第1の磁石を回転させるように、かつ、前記第2の磁石が前記流体バリアに向かって引き付けられることを許容するべく、前記駆動シャフトに沿う前記第2の磁石の軸方向移動を許容しつつ前記第2の磁石が前記駆動シャフトに回転可能に連結され、もって、引く磁力が前記流体バリアに作用し、前記駆動シャフトにかかる軸方向の負荷が軽減することを許容するように、前記第1の磁石とともに構成され及び配置される、前記第2の磁石と、
前記第2の磁石と前記流体バリアとの間に長手方向に沿って配置されたピボット部材であって、前記ピボット部材は非円形の近位突出部を有し、該近位突出部は前記第2の磁石の回転により前記ピボット部材が回転するべく前記第2の磁石の非円形の開口部に係合するように構成され、かつ、前記ピボット部材が前記流体バリアに抗して回転可能であるように、前記流体バリアの円形の開口に係合するように構成された円形の遠位突出部をさらに有する、前記ピボット部材と、
を備える、医療装置。
【請求項2】
前記駆動シャフトに結合された動力源をさらに備え、前記第2の磁石の軸方向への移動を許容することにより、前記動力源に作用する負荷を軽減する、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記動力源は、前記ハウジングの前記第2のセクションに取り付けられたカテーテルシャフト内に配置される、請求項2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記動力源は、モータである、請求項3に記載の医療装置。
【請求項5】
前記動力源は前記駆動シャフトに接続された第2のインペラであり、前記カテーテルシャフトは、流体流路を画定しており、前記第2のインペラに衝突する流体が当該第2のインペラを駆動し、当該第2のインペラが前記第2の磁石を回転し、前記第2の磁石の回転が第1の磁石を回転し、それによって前記インペラシャフトと前記インペラとを回転するように、前記駆動シャフトと前記第2のインペラとが流体流路内に配置される、請求項3に記載の医療装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの出口は、前記ハウジングの周囲に間隔を隔てて配置された複数の側開口部を含み、前記インペラは、少なくとも1つのブレードが前記複数の側開口部に隣接して配置されるように前記ハウジング内に配置される、請求項1に記載の医療装置。
【請求項7】
前記インペラシャフトの近位端は、前記第1の磁石の近位に延び、前記近位端は、前記流体バリアの第1の凹部によって受け入れられるように構成された第1の突起を有する、請求項1に記載の医療装置。
【請求項8】
前記インペラシャフトは、前記第1の突起に隣接するディスクを含み、前記ディスクは、前記インペラシャフトの長手軸から直角に延びる、請求項7に記載の医療装置。
【請求項9】
前記ディスクが2つの対向するローブを有する、請求項8に記載の医療装置。
【請求項10】
インペラシャフトの遠位端を支持し中心合わせするように構成された軸受アセンブリをさらに備え、前記軸受アセンブリは、前記ハウジングに固定された軸受ハウジングと、前記軸受ハウジング内にスライド可能に配置されたスペーサと、前記スペーサ内に固定された遠位軸受とを含む、請求項1に記載の医療装置。
【請求項11】
前記軸受アセンブリは、スペーサの周りに配置されたばね部材をさらに含む、請求項10に記載の医療装置。
【請求項12】
患者の体内に埋め込むための医療装置であって、
血流を受け入れるための入口と、血流を送達するための複数の側開口部とを含み、長手軸を有し、かつ、心臓内に配置可能な寸法に設定されるハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記入口と前記複数の側開口部とを含む第1のセクションと第2のセクションとに前記ハウジングを分離する、流体に対して不浸透性の流体バリアと、
前記ハウジングの前記第1のセクション内に配置されるインペラであって、該インペラの長手軸と前記ハウジングの長手軸とは同じであり、本体と、前記本体から半径方向外向きに延びる少なくとも1つのブレードとを有する、前記インペラと、
前記ハウジングの第1のセクション内に配置される少なくとも1つの第1の磁石であって、当該第1の磁石が回転することにより前記インペラを回転させるように前記インペラに結合される、前記第1の磁石と、
前記ハウジングの前記第2のセクション内に配置された駆動シャフトであって、ストップ面と、前記ストップ面から延びる少なくとも1つの平らな面とを有する、前記駆動シャフトと、
前記駆動シャフトに結合されるとともに前記ハウジングの前記第2のセクション内に配置される少なくとも1つの第2の磁石であって、当該第2の磁石の回転が前記第1の磁石を回転させるように、かつ、前記第2の磁石が前記流体バリアに向かって引き付けられることを許容するべく、前記駆動シャフトのストップ面と、前記第2の磁石と前記流体バリアとの配置されたスペーサとの間の前記駆動シャフトに沿う前記第2の磁石の軸方向移動を許容しつつ前記第2の磁石が前記駆動シャフトに回転可能に連結され、もって、前記磁石間の引く磁力が前記流体バリアに作用し、前記駆動シャフト及び駆動源にかかる軸方向の負荷が軽減することを許容するように、前記第1の磁石とともに構成され及び配置される、前記第2の磁石と、
を備え、
前記第1の磁石は当該第1の磁石を貫通してインペラシャフトを受け入れて当該第1の磁石に結合するように構成された第1の開口部を有し、前記第2の磁石は当該第2の磁石を貫通して前記駆動シャフトを受け入れて当該第2の磁石に結合するように構成された第2の開口部を有し、前記第1の開口部と前記第2の開口部とは、それぞれが駆動シャフトの長手軸に対して直角になる第1の横断面形状を有し、
前記駆動シャフトと、前記インペラシャフトの少なくとも一部とは、それぞれが、それぞれのシャフトの長手軸に対し直角になる第2の横断面形状を有し、前記第1の横断面形状と前記第2の横断面形状とは、前記インペラシャフトと前記駆動シャフトの回転が前記第1の磁石と前記第2の磁石とをそれぞれ回転させるように非円形に形成される、
医療装置。
【請求項13】
本医療装置はカテーテルシャフトをさらに備え、前記駆動源は前記駆動シャフトに接続された第2のインペラであり、前記カテーテルシャフトは流体流路を画定しており、前記第2のインペラに衝突する流体が当該第2のインペラを駆動し、当該第2のインペラが前記第2の磁石を回転し、当該第2の磁石が第1の磁石を回転し、それによって前記インペラを回転するように、前記駆動シャフトと前記第2のインペラとが流体流路内に配置される、請求項12に記載の医療装置。
【請求項14】
前記インペラ及び第1の磁石に配置されて結合されるインペラシャフトと、前記インペラシャフトの遠位端を支持し中心合わせするように構成された軸受アセンブリとをさらに備え、前記軸受アセンブリは、前記ハウジングに固定された軸受ハウジングと、前記軸受ハウジング内にスライド可能に配置されたスペーサと、前記スペーサ内に固定された遠位軸受とを含む、請求項12に記載の医療装置。
【請求項15】
前記駆動シャフトは前記ハウジングの前記第2のセクション内で回転し、それによって、前記第2の磁石を回転させ、前記第2の磁石が前記第1の磁石を回転させるように構成され、それによって、本医療装置が上行大動脈内に配置された際、本医療装置が、左心室から前記ハウジングの少なくとも1つの入り口を介して前記ハウジング内に血液を引き込んで該血液を少なくとも1つの出口を介して上行大動脈内に送ることを可能にする吸引を生成するように、前記インペラシャフト及び前記インペラが回転するように構成される、請求項1に記載の医療装置。
【請求項16】
患者の心臓内に埋め込むための医療装置であって、
血流を受け入れるための少なくとも1つの入口と、血流を送達するための少なくとも1つの出口とを含み、長手軸を有し、かつ、心臓内への配置に適した大きさを有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置される流体バリアであって、該流体バリアは、少なくとも1つの入口と少なくとも1つの出口とを含む第1のセクションと、第2のセクションとに前記ハウジングを分離し、流体に対して不浸透性であり、第1のバリアが第2の側に対向する第1の側を有する、前記流体バリアと、
前記ハウジングの前記第1のセクション内に配置されるインペラであって、該インペラの長手軸と前記ハウジングの長手軸とは同じである、前記インペラと、
前記ハウジングの前記第2のセクション内に配置される駆動シャフトと、
前記インペラに結合されるインペラシャフトに結合される第1の磁石であって、前記ハウジングの前記第1のセクションに配置されるとともに前記インペラシャフトに回転可能に連結される、前記第1の磁石と、
前記ハウジングの前記第2のセクション内において前記駆動シャフトに配置される第2の磁石であって、前記第2の磁石の回転が前記第1の磁石を回転させるように、かつ、前記第2の磁石が前記駆動シャフトに回転可能に連結されるように、前記第1の磁石とともに構成され及び配置される、前記第2の磁石と、
前記インペラシャフトに結合されるディスクであって、当該ディスクから延びる突起を有する、前記ディスクと、
前記流体バリアと前記第2の磁石との間に配置されたピボット部材であって、前記ピボット部材は、当該ピボット部材から延びる少なくとも1つの突出部を有する、前記ピボット部材と、
を備え、
前記流体バリアが、前記ピボット部材及び前記ディスク、ひいては前記インペラシャフトが回転するスラスト軸受として機能するように、前記ピボット部材の前記少なくとも1つの突出部が前記流体バリアの前記第2の側と係合されるように構成され、かつ、前記ディスクの少なくとも1つの突出部が前記流体バリアの前記第1の側に係合するように構成される、
医療装置。
【請求項17】
前記ディスクは、最小の摩擦で前記流体バリアに対してスライドすることが可能となるように構成される材料で作製される、請求項16に記載の医療装置。
【請求項18】
前記ハウジングの遠位端に配置される遠位軸受アセンブリをさらに備え、前記遠位軸受アセンブリは、前記インペラシャフトの一部を受けるように構成され遠位軸受と、前記遠位軸受に固定されたスペーサと、本医療装置の前記ハウジングに固定された軸受ハウジングとを含み、前記スペーサは前記軸受ハウジング内において軸方向にスライド可能に構成される、請求項16に記載の医療装置。
【請求項19】
前記遠位軸受アセンブリは前記インペラシャフトの遠位端を受ける凹部を有し、前記インペラシャフトの前記遠位端と前記遠位軸受の前記凹部は円錐形状である、請求項18に記載の医療装置。
【請求項20】
前記軸受ハウジングは、径方向外向きに延びる少なくとも1つのフィンを有し、前記ハウジングは少なくとも1つのスロットを有し、前記軸受ハウジングの前記少なくとも1つのフィンは前記ハウジングの少なくとも1つのスロット内に受け入れられる、請求項19に記載の医療装置。
【請求項21】
前記遠位軸受アセンブリはばね部材をさらに含み、前記ばね部材は、前記スペーサの外面周りに円周方向に配置され、前記ハウジング内の中心に前記インペラシャフトを維持するように構成される、請求項19に記載の医療装置。
【請求項22】
前記流体バリアは前記ピボット部材が回転可能なスラスト軸受として機能する、請求項1に記載の医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置に関し、より詳細には、心臓が血流を駆動することを支援するための埋込型回転血液ポンプを含む血流補助装置、及びそのような医療装置を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば心臓が循環系全体に血液を送り出すのを補助するために利用される医療装置を含む、多種多様な医療装置が医療用に開発されてきた。これらの医療装置は、一時的又は永続的に埋め込むことができ、様々な異なる方法のいずれかに従って製造及び使用される。既知の医療装置及び方法のうち、それぞれに所定の利点と欠点がある。代替的な医療装置、並びに医療装置を製造及び使用するための代替的な方法を提供する必要性が引き続き存在している。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、代替的な医療装置のためのデザイン、材料、製造方法、及び用途を提供する。例示的な医療装置はハウジングを含み、該ハウジングは、血流を受け入れるための少なくとも1つの入口と、血流を送達するための少なくとも1つの出口とを含み、該ハウジングは長手軸を有し、該ハウジング内に配置されて、該ハウジングを、少なくとも1つの入口と少なくとも1つの出口とを含む第1のセクションと第2のセクションとに分離する流体バリアを含み、流体バリアは流体に対して不浸透性を有し、ハウジングの第1のセクション内に配置されるインペラを含み、該インペラの長手軸とハウジングの長手軸は同じであり、該インペラは、本体と、本体から径方向外側に延びる少なくとも1つのブレードとを有し、インペラシャフトに結合される少なくとも1つの第1の磁石を含み、該インペラシャフトはインペラに結合されており、該第1の磁石は、ハウジングの第1のセクションに配置されるとともに、インペラシャフトに回転可能に結合されており、ハウジングの第2のセクション内に配置される駆動シャフトを含み、ハウジングの第2のセクション内において駆動シャフトに配置される少なくとも1つの第2の磁石を含み、第2の磁石の回転により第1の磁石が回転するように、第1の磁石と第2の磁石とが構成され、配置される。
【0004】
上述した実施態様のいずれかについて代替的に又は追加的に、医療装置は、駆動シャフトに結合された動力源をさらに含む。
上述した実施態様のいずれかについて代替的に又は追加的に、動力源は、ハウジングの第2のセクションに取り付けられたカテーテルシャフト内に配置される。
【0005】
上述した実施態様のいずれかについて代替的に又は追加的に、動力源はモータである。
上述した実施態様のいずれかについて代替的に又は追加的に、動力源は、駆動シャフトに接続された第2のインペラであり、カテーテルシャフトは、流体流路を画定し、駆動シャフトと第2のインペラは、第2のインペラに衝突する流体がインペラを駆動し、それによって第2の磁石を回転させて第1の磁石を回転させ、インペラシャフトとインペラとを回転させるように、流体流路に配置される。
【0006】
上述した実施態様のいずれかについて代替的に又は追加的に、少なくとも1つの出口は、ハウジングの周囲に間隔を隔てて配置された複数の側開口部を含み、インペラは、少なくとも1つのブレードが複数の側開口部に隣接して配置されるようにハウジング内に配置される。
【0007】
上述した実施態様のいずれかについて代替的に又は追加的に、第1の磁石は、それに開口する第1の開口部を有し、該第1の開口部は、インペラシャフトを受け入れて第1の磁石に結合するように構成されており、第2の磁石は、それに開口する第2の開口部を有し、該第2の開口部は、駆動シャフトを受け入れて第2の磁石に結合するように構成されており、第1の開口部と第2の開口部は、それぞれが第1の横断面形状を有し、該横断面形状は、駆動シャフトの長手軸に対して直交したものであり、駆動シャフトと少なくとも一部のインペラシャフトは、それぞれが当該シャフトの長手軸に対して直交した第2の横断面形状を有し、第1の横断面形状と第2の横断面形状は、インペラシャフトと駆動シャフトの回転により第1の磁石と第2の磁石とがそれぞれ回転するように非円形である。
【0008】
上述した実施態様のいずれかについて代替的に又は追加的に、第1及び第2の横断面形状は、真っ直ぐな両側面と半円形の両端部を有する競技場形である。
上述した実施態様のいずれかについて代替的に又は追加的に、インペラシャフトの遠位領域は円筒形である。
【0009】
上述した実施態様のいずれかについて代替的に又は追加的に、インペラシャフトの近位端は、第1の磁石の近位に延び、近位端は、流体バリアの第1の凹部によって受けられるように構成される第1の突起を有する。
【0010】
上述した実施態様のいずれかについて代替的に又は追加的に、インペラシャフトは、第1の突出部に隣接するディスクを含み、ディスクは、インペラシャフトの長手軸から直角に延びる。
【0011】
上述した実施態様のいずれかについて代替的に又は追加的に、ディスクは2つの対向するローブを有する。
上述した実施態様のいずれかについて代替的に又は追加的に、医療装置は、第2の磁石と流体バリアとの間に配置されたピボット部材をさらに含む。
【0012】
上述した実施態様のいずれかについて代替的に又は追加的に、ピボット部材は、当該ピボット部材から遠位に延びる突起を有し、この突起は、流体バリアの第2の凹部によって受けられるように構成される。
【0013】
上述した実施態様のいずれかについて代替的に又は追加的に、医療装置は、インペラシャフトの遠位端を支持し中心合わせするように構成された軸受アセンブリをさらに含み、該軸受アセンブリは、ハウジングに固定された軸受ハウジングと、軸受ハウジング内にスライド可能に配置されたスペーサと、スペーサ内に固定された遠位軸受とを含む。
【0014】
上述した実施態様のいずれかについて代替的に又は追加的に、軸受アセンブリは、スペーサの周りに配置されたばね部材をさらに含む。
例示的な別の医療装置はハウジングを含み、該ハウジングは、血流を受け入れるための入口と、血流を送達するための複数の側開口部とを含み、該ハウジングは長手軸を有し、該ハウジング内に配置されて、該ハウジングを、入口と複数の側開口部とを含む第1のセクションと、第2のセクションとにハウジングを分離する流体バリアを含み、流体バリアは流体に対して不浸透性を有し、ハウジングの第1のセクション内に配置されるインペラを含み、該インペラの長手軸とハウジングの長手軸は同じであり、該インペラは、本体と、本体から径方向外側に延びる少なくとも1つのブレードとを有し、ハウジングの第1のセクションに配置されるとともに、回転することによりインペラを回転させるようにインペラに結合される少なくとも1つの第1の磁石を含み、ハウジングの第2のセクション内に配置される駆動シャフトを含み、駆動シャフトに結合されてハウジングの第2のセクション内に配置される少なくとも1つの第2の磁石を含み、第2の磁石の回転により第1の磁石が回転するように、第1の磁石と第2の磁石とが構成され、配置されており、ハウジングに結合されるカテーテルシャフトを含み、駆動シャフトに結合される動力源を含み、該動力源はカテーテルシャフト内に配置される。
【0015】
上述した実施態様のいずれかについて代替的に又は追加的に、動力源は、駆動シャフトに接続された第2のインペラであり、カテーテルシャフトは、流体流路を画定し、駆動シャフトと第2のインペラは、第2のインペラに衝突する流体がインペラを駆動し、それによって第2の磁石を回転させて第1の磁石を回転させ、インペラを回転させるように、流体流路に配置される。
【0016】
上述した実施態様のいずれかについて代替的に又は追加的に、医療装置は、インペラ及び第1の磁石に配置されて結合されるインペラシャフトと、インペラシャフトの遠位端を支持し中心合わせするように構成された軸受アセンブリとをさらに含み、該軸受アセンブリは、ハウジングに固定された軸受ハウジングと、軸受ハウジング内にスライド可能に配置されたスペーサと、スペーサ内に固定された遠位軸受とを含む。
【0017】
患者の心臓から患者の循環系への血流を補助する方法は、上行大動脈に装置を挿入することを含み、該装置は、ハウジングを含み、該ハウジングは、心臓の左心室から血流を受け入れるための少なくとも1つの入口と、血流を上行大動脈に送達するための少なくとも1つの出口とを含み、該ハウジングは長手軸を有し、該ハウジング内に配置されて、該ハウジングを、少なくとも1つの入口と少なくとも1つの出口とを含む第1のセクションと第2のセクションとに分離する流体バリアを含み、流体バリアは血液に対して不浸透性を有し、ハウジングの第1のセクション内に配置されるインペラを含み、該インペラの長手軸とハウジングの長手軸は同じであり、該インペラは、本体と、本体から径方向外側に延びる少なくとも1つのブレードとを有し、インペラ内に配置されて結合されるインペラシャフトを含み、インペラシャフトを受けるための第1の開口を有する少なくとも1つの第1の磁石を含み、該第1の磁石は、ハウジングの第1のセクションに配置されるとともに、インペラシャフトに回転可能に結合されており、ハウジングの第2のセクション内に配置される駆動シャフトを含み、ハウジングの第2のセクション内において駆動シャフトに配置される少なくとも1つの第2の磁石を含み、第2の磁石の回転により第1の磁石が回転するように、第1の磁石と第2の磁石とが構成され、配置される。この方法はさらに、駆動シャフトを回転させ、それによって第2の磁石を回転させ、それによって第1の磁石を回転させ、それによってインペラシャフト及びインペラを回転させ、吸引を生成し、それによって左心室から少なくとも1つの入口を通ってハウジングに血液を引き込み、少なくとも1つの出口から上行大動脈に血液を送達することを含む。
【0018】
いくつかの実施形態、態様、及び/又は例の上記の概要は、本発明の各実施形態又はすべての具現化を説明することを意図していない。以下の図及び詳細な説明は、これらの実施形態をより具体的に例示する。
【0019】
本発明は、添付の図面に関連して様々な実施形態の以下の詳細な説明を考慮すると、より完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】不浸透性バリアを挟んで力を伝達するための例示的なメカニズムの図。
図2】不浸透性バリアを挟んで力を伝達するための別の例示的なメカニズムの図。
図3】不浸透性バリアを挟んで力を伝達するための別の例示的なメカニズムの図。
図4】心臓内に配置された、血流を補助するための例示的な装置を示す図。
図5】血流を補助するための例示的な装置の断面図。
図6】血流を補助するための別の例示的な装置の断面図。
図7A】例示的なハウジングの断面図。
図7B】異なる例示的なハウジングの断面図。
図8】例示的なカテーテルシャフト、駆動シャフト、及び第2の磁石の部分斜視図。
図9A】2つの異なる例示的な磁石の斜視図。
図9B】2つの異なる例示的な磁石の斜視図。
図9C図9Bに示される磁石の断面図。
図10】血流を補助するための例示的な装置の部分斜視分解図。
図11】血流を補助するための例示的な装置の部分斜視図。
図12】例示的なインペラシャフトの近位端図。
図13】例示的なインペラの斜視断面図。
図14】例示的な遠位軸受アセンブリの部分破断図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の諸態様は、様々な修正形態及び代替形態が可能であるが、その詳細は、例として図面に示されており、詳細に説明される。しかしながら、その意図は、本発明の態様を記載された特定の実施形態に限定することではないことを理解されたい。それどころか、その意図は、本発明の精神及び範囲に含まれるすべての改良品、同等物、及び代替物を網羅することにある。
【0022】
以下の定義された用語については、請求項又は本明細書の他の場所で異なる定義が与えられていない限り、これらの定義が適用される。
本明細書では、すべての数値は、明示的に示されているかどうかにかかわらず、「約」という用語で修飾されていると想定されている。「約」という用語は、数値の文脈において、一般に、当業者が列挙された値と同等であると考える(例えば、同じ機能又は結果を有する)数値の範囲を指す。多くの場合、「約」という用語には、最も近い有効数字に四捨五入された数値が含まれ得る。「約」という用語の他の使用(例えば、数値以外の文脈で)は、特に明記されていない限り、明細書の文脈から理解され、それと一致する通常の慣習的な定義を持っていると見なされる。
【0023】
端点による数値範囲の列挙には、当該端点を含む、その範囲内の全ての数値が含まれる(例えば、1~5には、1,1.5,2,2.75,3,3.80,4,5が含まれる)。様々な構成要素、特徴、及び/又は仕様に関するいくつかの適切な寸法、範囲、及び/又は値が開示されているが、本明細書によって誘発される当業者は、所望の寸法、範囲、及び/又は値は、明示的に開示されたものから逸脱する場合があることを理解するであろう。
【0024】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容が明らかに他に指示しない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、用語「又は」は、内容が明確に他のことを指示しない限り、「及び/又は」を含むその意味で一般に使用される。理解を容易にするために、開示の所定の特徴は、開示された実施形態内で複数形又は繰り返されるものであっても、それらの特徴は単数形で説明され得ることに留意されたい。特記しない限り、特徴の各インスタンスは、単一の開示によって含まれ、及び/又は包含され得る。単純化及び明確化の目的で、開示のすべての要素が必ずしも各図に示されたり、以下で詳細に説明されたりするわけではない。しかしながら、以下の説明は、明確に反対して述べられていない限り、複数の構成要素のいずれか及び/又はすべてに等しく適用され得ることが理解されよう。加えて、明確化のために、いくつかの構成要素又は特徴のすべてのインスタンスが各図に示されているわけではない。
【0025】
「近位」、「遠位」、「前進」、「後退」、それらの変形等の相対的な用語は、一般に、装置のユーザ、オペレータ、操作者に対する様々な構成要素の配置、方向、及び/又は操作に関するものと考えられ、「近位」及び「後退」は、使用者に近く又は使用者に向かうことを表し若しくは意味しており、「遠位」及び「前進」は、使用者から遠ざかる若しくは使用者から離れることを意味する。いくつかの場合において、「近位」及び「遠位」という用語は、開示の理解を容易にするために任意に割り当てられてもよく、そのような場合は当業者には容易に明らかであろう。「上流」、「下流」、「流入」、及び「流出」等の他の相対的な用語は、体管腔等の管腔内、血管内、又は装置内の流体の流れの方向を指す。
【0026】
「範囲」という用語は、問題となる範囲若しくは大きさが、言及された若しくは同定された大きさの最も小さい寸法を意味すると理解され得る「最小」によって修飾若しくは同定されていない限り、言及された若しくは同定された大きさの最大の寸法を意味するものであると理解されるべきである。例えば、「外側の範囲」は最大の外側の寸法を意味すると理解され得、「半径の範囲」は最大の半径の寸法を意味すると理解され得、「長手の範囲」は最大の長手寸法を意味すると理解され得る等である。「範囲」の各インスタンスは異なっていてもよく(例えば、軸方向、長手方向、横方向、半径方向、円周方向等)、個々の用法の文脈から当業者には明らかであろう。一般に、「範囲」は、「最小の範囲」が意図された用法に従って測定された可及的に最も小さい大きさである一方、意図された用法に従って測定された可及的に大きい大きさであると考え得る。いくつかの場合において、「範囲」は一般に、平面及び/又は断面内において直角に測定され得るが、特別な文脈においては、例えば、限定的ではないが、角度をつけたり、径方向であったり、周方向(例えば、弧に沿う)であったりする等、異なる方法で測定し得る。
【0027】
「モノリシック」及び「ユニタリ」という用語は、一般に、単一の構造若しくはベースユニット/ベース要素から作られる、又はそれらからなる構成要素若しくは複数の構成要素を指すものとする。モノリシック要素及び/又はユニタリ要素は、組立品による構造及び/又は機構、そうでない場合には、複数の別々に独立した要素を互いに結合したものを除外するものとする。
【0028】
本明細書における「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」等への言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得ることを示すが、すべての実施形態が当該特定の特徴、構造、又は特性を含んでいるとは限らない。さらに、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性実施形態に関連して説明されている場合において、他の実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性に影響することは、反対のことが明確に述べられていない限り、明示的に記載されているか否かに拘わらず、当業者の知識の範囲内である。つまり、後述する様々な個々の要素は、たとえ、特定の組み合わせにおいて明示的に示されていない場合であっても、それに拘わらず、当業者によって理解されるように、他の追加的な実施形態を構成するために若しくは説明した実施形態を補完及び/又は強化するために、互いに組み合わせ可能若しくはアレンジ可能である、と想定される。
【0029】
明確にする目的のために、所定の識別用の数字上の命名(例えば、第1、第2、第3、第4等)が、様々に説明された及び/又は請求された特徴を命名し及び/又は区別するために、明細書及び/又は請求項全体にわたって使用され得る。数字上の命名は限定を意図するものではなく、単なる例示であることが理解されるべきである。いくつかの実施形態において、以前に使用された数字上の命名法の代替及びそれからの逸脱は、簡潔さ及び明確さのために行われ得る。つまり、「第1」要素として識別された特徴は、後に「第2」要素、「第3」要素等と呼ばれ得るものであり、或いは完全に省略され得るものであり、及び/又は異なる特徴が「第1」要素として参照され得る。各例における意味及び/又は指示は、熟練した施術者には明らかであろう。
【0030】
以下の説明は、必ずしも縮尺通りではない図面を参照して読まれるべきであり、異なる図面における同様の要素には同じ番号が付けられている。詳細な説明及び図面は、開示を例示することを意図しており、限定を意図するものではない。当業者は、記載及び/又は示される様々な要素が、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な組み合わせ及び構成で配置され得ることを認識するであろう。詳細な説明及び図面は、本発明の例示的な実施形態を示す。しかしながら、明確さと理解を容易にするために、すべての特徴や要素が各図面に表示されていない場合があるが、特に指定されていない限り、特徴や要素は存在していると理解され得る。
【0031】
以下でより詳細に説明されるように、図1は、血流補助装置内で利用され得る例示的な動力伝達機構の部分断面図を示す。具体的には、図1は、血液不浸透性バリアを介して伝達される磁力が、血管を通る血流を補助するためのインペラを駆動するためにどのように使用されるかを示している。この図では、装置10は血管5内に配置されている。装置10は、血液に対して不透過性である流体バリア35によって遠位の第1のセクション21と近位の第2のセクション22とに分離されたハウジング20を含み得る。いくつかの例では、流体バリア35は、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、Delrin(登録商標)アセタールホモポリマー樹脂等のポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン、高密度ポリエチレン(HDPE)、その他の医療装置に通常用いられるポリマー、サファイア、ルビー、MP35N(登録商標)等のニッケルコバルトベースの合金、コバルトクロム合金、チタン、チタン合金等で作られ得る。他の例では、流体バリア35は、繊維が充填されているか、又は油含浸されたものであってもよい。流体バリア35は、ハウジング20の内部を横断して延び得るものであり、第1のセクション21が血液で満たされているとき、第2のセクション22への血液漏出に対して完全なシールを提供する。装置10は、ハウジング20の第1のセクション21に配置され、インペラシャフト50及びインペラ60に結合された第1の磁石40をさらに含み得る。第1の磁石40は、インペラシャフト50を受け入れる第1の磁石40の開口部等の物理的構造によってインペラシャフト50に結合され得る。代替的に、第1の磁石40は、インペラシャフト50の凹部内に受け入れられる突起を有し得る。開口部/凹部は、磁石とシャフトを結合するためにシャフト/突起にキー固定され得る。例えば、開口部/凹部は、シャフト/突起の形状と一致する形状を有し得る。他の例では、第1の磁石40は、溶接、焼結、接着剤による接着等によってインペラシャフト50に結合され得る。装置は、インペラシャフトを囲繞し又は支持する1つ以上の軸受70を含み得る。
【0032】
ハウジング20の第2のセクション22において、第2の磁石42は、動力源95に結合され得る駆動シャフト90に結合され得る。第2の磁石42は、第1の磁石40とインペラシャフト50とに関して上述したように、駆動シャフト90に結合され得る。1つ以上の軸受70は、駆動シャフト90を囲繞し得る。いくつかの例では、動力源95は、体外と、ハウジングに接続されたカテーテル(図示せず)とを通り、ハウジング20を通って近位に延びる電源コード97を備えた電気モータであり得る。
【0033】
図1に示す例において、第1及び第2の磁石40、42は双極磁石であり、第1の磁石40のN極Nは、第2の磁石42のS極Sから流体バリア35を挟んで配置されるとともに、第1の磁石40のS極Sは、第2の磁石42のN極Nから流体バリア35を挟んで配置される。第1及び第2の磁石40、42のこの配向は、矢印99によって示される磁石間の引力が、第2の磁石42の回転運動を第1の磁石40の回転動作に結合することを確実にする。磁力は、流体バリア35を介して伝達される。2つより多い極を有する磁石が使用され得ることが理解されるであろう。使用中、動力源95は、駆動シャフト90を回転させ、それにより第2の磁石42を回転させ、それにより、第1の磁石40を第2の磁石42と同じ速度で回転させる。第1の磁石40の回転は、取り付けられたインペラシャフト50を回転させ、該インペラシャフト50は、取り付けられたインペラ60を回転させる。インペラ60は、血管5内の血液と流体接触しているので、インペラ60の回転は、血管5を通る血流を補助する。流体バリア35は、ハウジング20の第2のセクション22への血液の漏出を防止し、従って、駆動シャフト90及び動力源95との血液の接触を防止する。
【0034】
加えて、流体バリア35のいずれかの側で複数の磁石を使用することが可能である。使用される磁石の数及び/又は形式に関係なく、1つ以上の磁石は、駆動シャフト90及び動力源95に接続された1つ以上の磁石の回転が、インペラ60に接続された1つ以上の磁石を回転させるように構成され及び配置される。
【0035】
図2は、血流補助装置内で利用され得る別の例示的な動力伝達機構を図示する。具体的には、図2は、血液不浸透性バリアを介して伝達される磁力を使用して、血管を通る血流を補助する方法を示している。図2に示される装置は、図1に示される装置と同様であるが、動力源として流体を備えている。流体源は圧力下又は真空下で提供され、流体は高圧流又は低圧流で流れることが理解されよう。駆動シャフト90の一端は、第2の磁石42に接続され得るものであり、駆動シャフト90の第2の端は、第2のインペラ65に接続され得る。ハウジング20の第2のセクション22と、ハウジング20に接続されたカテーテル(図示せず)とは、両方とも、内ルーメン24と外ルーメン26とを含み得る。矢印25で示すように、生理食塩水又は他の適切な流体等の高圧又は低圧の流体を、内ルーメン24を通して第2のインペラ65に向かって注入し得る。高圧又は低圧の流体は、第2のインペラ65を回転させ、該第2のインペラ65は、駆動シャフト90及び取り付けられた第2の磁石42を回転させる。図1における第1の例の図のように、第2の磁石の回転は、第1の磁石40を回転させ、それにより、インペラシャフト50及びインペラ60を回転させる。インペラ60は、血管5内の血液と接触しており、従って、インペラ60の回転は、血管5を通る血流を補助する。第2のインペラ65を回転させた後、矢印27によって示されるように、高圧又は低圧の流体は、次いで、外ルーメン26を通って戻る。流体バリア35により、流体が血管5に侵入することが防止される。同様に、流体バリア35は、血液が第2のセクション22に入り、流体と混合することを防止する。高圧又は低圧流体は、体外の加圧源又は真空源から提供されてもよく、戻り流体は、体外で収集され及び再利用され得る。
【0036】
図3は、血流補助装置内で利用され得る別の例示的な動力伝達機構を図示する。図3に示される装置は、図2に示されるものと同様であるが、流体の方向は逆になっている。具体的には、図3は、矢印28によって示されるように、高圧流体又は低圧流体がどのようにして外ルーメン26を通って第2のインペラ65に向かって注入され得るかを示す。高圧又は低圧の流体は、第2のインペラ65を回転させ、該第2のインペラ65は、駆動シャフト90及び取り付けられた第2の磁石42を回転させる。図1における第1の例の図のように、第2の磁石の回転は、第1の磁石40を回転させ、それにより、インペラシャフト50及びインペラ60を回転させる。インペラ60は、血管5内の血液と接触しており、従って、インペラ60の回転は、血管5を通る血流を補助する。第2のインペラ65を回転させた後、次に、高圧又は低圧の流体は、矢印29で示されるように、内ルーメン24を通って戻る。流体バリア35により、流体が血管5に侵入することが防止される。同様に、流体バリア35は、血液が第2のセクション22に入り、流体と混合することを防止する。高圧又は低圧流体は、体外の供給源から提供されてもよく、戻り流体は、体外で収集され及び再利用され得る。流体源は、加圧下又は真空下であり得る。
【0037】
図4は、患者の心臓1内に配置された、動力伝達機構を含む例示的な装置110を示している。図4に示されるように、装置110は、カテーテルシャフト115に接続されており、装置110の遠位端128が大動脈弁3に隣接して上行大動脈4に配置され得る。左心室2を出る血液(矢印8で示される)は、装置110の遠位端128に入り、それによって装置110は、血液が左心室2によってのみ提供された追加の力で装置110の側開口部130から出るように、血液をポンピングする(装置110を出る血液は、矢印9で示される)ことから、この位置は有益であり得る。装置110の追加的なポンピング動作は、心臓1が体全体に血液を循環させるのを補助し得ることが理解され得る。代替的に、装置110は、大動脈弁3を通過して、装置110の遠位端128が左心室2内にあるとともに側開口部130が上行大動脈4にあるように配置され得る。さらなる例において、装置110は、側開口部130が下行大動脈にあるように配置され得る。心腔及び大動脈のサイズに対する装置110のサイズは限定することを意図するものではなく、装置110のサイズは、所望の血流補助を提供するために変更され得ることもまた理解される。装置110に接続されたカテーテルシャフト115は、血管系を通って体外に延び得る。カテーテルシャフト115は、外部電源に接続された電源コードを含み得る。装置110が動力源を含み得るか、又は動力源が患者の内部に提供され得るが、内部ペースメーカー等の装置110から離れているものもまた想定される。
【0038】
上述した説明は、心臓の上行大動脈に装置110を利用する利点を説明しているが、装置110は、心臓の他の部位又は身体の他の部分(例えば、他の体管腔)において利用することも想定される。いくつかの例では、装置110は、ハウジングが腎動脈の上流で下行大動脈に配置された状態で患者に挿入され得る。この位置は、腎臓への血流を増加させ得る。代替的に、装置110は、腎動脈内に配置され得る。さらに別の代替法は、腸骨の分岐する直前の、腎動脈の下流に装置110を配置することである。さらなる例において、装置110は、右心室に配置され、肺動脈弁を通して血液をポンピングし得る。
【0039】
図5は、図4に示されている装置と形態及び機能が同様の血液補助装置110を示している。換言すると、図5は、患者の血管に配置され得る血液補助装置110を図示する。加えて、以下でより詳細に論じられるように、図5に示される血液補助装置は、図1図3のいずれかで説明し示された動力伝達機構を含み得る。
【0040】
装置110は、ハウジング120の近位端129に結合されたカテーテルシャフト115を含み得る。ハウジング120は、血液を含む流体に対して不透過性である流体バリア135によって、遠位の第1のセクション121と近位の第2のセクション122とに分離され得る。ハウジング120の第1のセクション121は、ハウジング120の壁を貫通する少なくとも1つの側開口部130を有し得る。流体バリア135は、ハウジング120の内部を横切って延び、第1のセクション121が血液で満たされたときに、第2のセクション122への血液漏出を完全に封止し得る。流体バリア135は、第2のセクション122内のあらゆる流体が、血流に入ろうとする可能性がある第1のセクション121に入ることをさらに防止する。装置110は、ハウジング120の第1のセクション121内に配置され、インペラシャフト150及びインペラ160に結合された第1の磁石140をさらに含み得る。第1の磁石140の回転が、インペラ160を回転させるインペラシャフト150を回転させるように、第1の磁石140とインペラ160とは、両方ともインペラシャフト150に結合され得る。インペラ160は、インペラシャフト150とは別個の構造であり得るものであり、インペラシャフト150に結合され得る。一部の例では、インペラシャフト150は、インペラ160内に配置され得る。他の例では、インペラ160は、接着、溶接、成形等によってインペラシャフト150に取り付けられ得る。代替的に、インペラ160及びインペラシャフト150は、単一のモノリシック構造として形成され得る。インペラ160は、側開口部130に隣接して、ハウジング120の第1のセクション121内に配置され得る。インペラシャフト遠位端151は、ハウジング遠位端128に配置された遠位軸受アセンブリ170に設置され得る。遠位軸受アセンブリ170は、ハウジング120周りの円周方向に離間した別々の位置でハウジング120に結合され得るものであり、それにより、遠位端128が遠位軸受アセンブリ170周りの入口として機能し、ハウジング120内への血流を受け入れ可能である。側開口部130は、血流がハウジングを出ることができる出口として機能し得る。ハウジング120は、単一の側開口部130又は複数の側開口部130を有し得る。複数の側開口部130が存在する場合、それらは、ハウジング120の一部又は全周の周りに周方向に離間され得る。遠位軸受アセンブリ170は、遠位軸受171と、スペーサ175と、軸受ハウジング180とを含み得る。
【0041】
ハウジング120の第2のセクション122において、第2の磁石142は、動力源195に結合され得る駆動シャフト190に結合され得る。装置110は、第2の磁石142と駆動シャフト190との間に流体を欠如し得る。図5に示される例では、動力源195は、カテーテルシャフト115を通って体外へ近位に延びる電源コード197を備えた電気モータであり得る。代替的に、動力源は、体外に配置されてもよく、あるいは装置110から離れたところで体内に配置されてもよい。ピボット部材136は、流体バリア135と第2の磁石142との間にインタフェースを提供し得る。流体バリア135は、流体がハウジング120の第1のセクション121と第2のセクション122との間を通過することを防止することに加えて、ピボット部材136及びインペラシャフト150が回転するスラスト軸受として機能し得る。いくつかの例では、流体バリア135は、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、Delrin(登録商標)アセタールホモポリマー樹脂等のポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン、高密度ポリエチレン(HDPE)、又は医療装置に従来から使用されるその他のポリマー、サファイア、ルビー、MP35N(登録商標)等のニッケルコバルトベースの合金、コバルトクロム合金、チタン、チタン合金等から作製され得る。他の例では、流体バリア135は、繊維が充填されているか、又は油が含浸されたものであってもよい。
【0042】
第1の磁石140及び第2の磁石142は、回転中にバランスの取れた質量を提供するあらゆる形状であり得る。いくつかの例では、第1の磁石140及び第2の磁石142は、形状が円筒形の双極磁石であり得、N極及びS極が対向する平らな側面に隣接して配置される。第1の磁石140のN極は、第2の磁石142のS極から流体バリア135を挟んで配置され得、又は第1の磁石140のS極は、第2の磁石142のN極から流体バリア135を挟んで配置され得る。第1及び第2の磁石140、142のこの向きは、磁石間の引力が、第2の磁石142の回転運動を第1の磁石140の回転動作と結合することを確実にする。磁力は、流体バリア135を介して伝達される。使用中、動力源195は、駆動シャフト190を回転させ、それにより第2の磁石142を回転させ、これにより、第1の磁石140が第2の磁石142と同じ速度で回転する。第1の磁石140の回転は、取り付けられたインペラシャフト150を回転させ、該インペラシャフト150は、取り付けられたインペラ160を回転させる。インペラ160は、血管内の血液と流体接触することができ、従って、インペラ160の回転は、吸引を生成して、ハウジング120の遠位端128に血液を引き込み、側開口部130を通して血液を押し出すことができ、それにより、装置110が図4に示されるように配置されるときには、左心室から上行大動脈への血流を増加させる。流体バリア135は、ハウジング120の第2のセクション122への血液の漏出を防止し、従って、駆動シャフト190及び動力源195との血液の接触を防止する。
【0043】
他の例では、第1の磁石140及び第2の磁石142は、3つ以上の極を有し得る。加えて、2つ以上の双極磁石又は多極磁石が、流体バリア135のいずれかの側に配置され得る。使用される磁石の数及び/又は形式に関係なく、1つ以上の磁石は、駆動シャフト190及び動力源195に接続された1つ以上の磁石の回転が、インペラ160に接続された1つ以上の磁石を回転させるように構成され及び配置される。
【0044】
図6は、血流を補助するための装置210の別の実施形態を示す。装置210は、図5に示すものと同様であるが、動力源が異なる。図5に示す装置110では、動力源195は電気モータとして示されているが、装置210では、図2及び図3に示す例示的な機構と同様に、動力源は高圧又は低圧流体である。図6に示される装置210は、ハウジング120の近位端129に結合されたカテーテルシャフト215を含み得る。駆動シャフト290の遠位端は、第2の磁石142に接続され得、駆動シャフト290の近位端は、第2のインペラ265に接続され得る。カテーテルシャフト215は、内ルーメン224及び外ルーメン226を含み得る。矢印225で示すように、生理食塩水又は他の適切な流体等の高圧又は低圧の流体を、内ルーメン224を通して第2のインペラ265に向かって注入し得る。高圧又は低圧の流体は、第2のインペラ265を回転させ、該第2のインペラ265は、駆動シャフト290及び取り付けられた第2の磁石242を回転させる。装置110のように、第2の磁石142の回転は、第1の磁石140を回転させ、それにより、インペラシャフト150及びインペラ160を回転させる。インペラ160は、血管内の血液と接触しており、従って、インペラ160の回転は、血管を通る血流を補助する。第2のインペラ265を回転させた後、矢印222によって示されるように、高圧又は低圧の流体は、次いで、外ルーメン226を通って戻る。流体は、流体バリア135によって血管に入ることを防止される。同様に、流体バリア135は、血液がカテーテルシャフト215に入り、高圧又は低圧流体と混合することを防止する。高圧又は低圧流体は、体外の加圧供給源から提供されてもよく、戻り流体は、体外で収集され及び再利用され得る。
【0045】
代替的に、図3に示すものと同様に、流体の流れの方向を逆にし得る。高圧又は低圧の流体は、外ルーメン226を通して第2のインペラ265に向かって注入され得る。高圧又は低圧の流体は、第2のインペラ265を回転させ、該第2のインペラ265は、駆動シャフト290及び取り付けられた第2の磁石242を回転させ、該第2の磁石242は、第1の磁石140を回転させ、それによってインペラシャフト150及びインペラ160を回転させる。第2のインペラ265を回転させた後、高圧又は低圧の流体は、内ルーメン224を通って戻る。
【0046】
図7A及び図7Bは、ハウジングの2つの例を示す。単一部品のハウジング120が図7Aに示されている。ハウジング120は、カテーテルシャフトに結合されるように構成された近位端129を含み得る。図7Aに示される実施形態では、近位端129は、内部ねじ山を有する。代替的に、近位端129は、スナップ嵌め、溶接接合、接着接合等でカテーテルシャフトに接続し得る。ハウジング120は、ハウジングの壁を完全に貫通して延びる少なくとも1つの側開口部130を有し得る。ハウジング120が複数の側開口部130を含む場合には、該複数の側開口部130は、図7Aに示されるように、ハウジング120の周囲の周りに離間され得る。ハウジング120の遠位端128は、図5及び図6に示される軸受ハウジング180を接続するように構成された少なくとも1つの開口部又はスロット127を含み得る。
【0047】
二部品のハウジング220が図7Bに示されている。2つのハウジングの実施形態における唯一の違いは、部品の数にある。二部品のハウジング220は、近位部分223及び遠位部分221を有する。単一部品のハウジング120と同様に、二部品のハウジング220は、内部ねじ山が切られた近位端229と、複数の側開口部230と、ハウジング220の遠位端228に1つ以上のスロット227を有する。
【0048】
図8は、例示的なカテーテルシャフト115の遠位端領域及び第2の磁石142、並びにそれらの接続を提供する構造を図示する。カテーテルシャフト115は、図7A及び図7Bに示されるハウジング120、220のねじ付き近位端129、229と螺合するために、その遠位端にねじ山116を有し得る。代替的に、カテーテルシャフト115の遠位端は、スナップ嵌め又は溶接結合でハウジングの近位端に接続し得る。駆動シャフト190は、カテーテルシャフト115内の動力源に接続され得るものであり、第2の磁石142を通る非円形開口部143と嵌合するように構成された非円形形状を有し得る。いくつかの例では、駆動シャフト190は、第2の磁石142を貫通する開口部143内の少なくとも1つの平らな面と係合するように構成された少なくとも1つの平らな面191を有し得る。図7に示す例示的な装置において、駆動シャフト190は、第2の磁石142を貫通する開口部143の2つの対向する平らな面144と係合する2つの対向する平らな面191を備えた横断面競技場形状を有する。駆動シャフト190の平らな面191と、第2の磁石142を貫通する開口143の平らな面144との係合は、駆動シャフト190に対する第2の磁石142のある程度の軸方向の相対移動を許容しつつ、第2の磁石142が駆動シャフト190と共に回転可能であることを許容する。第2の磁石の許容された軸方向の移動は、磁石の吸引力が流体バリア135に作用することを許容するとともに駆動シャフト190と動力源とに軸方向の力が作用することを低減しつつ、第2の磁石が流体バリア135に向かって引き付けられることを許容する。図8に示される例は、平らな面191を備えたシャフト190のものであるが、シャフト190と、第2の磁石142に開く開口143とは、駆動シャフト190と第2の磁石142との間で軸方向の移動と回転方向の結合とを許容するあらゆる断面形状を有し得る。適切な形状の例には、「D」形状、競技場形状、多角形、星形、長円形、楕円形、三日月形、涙形等が含まれる。
【0049】
第1の磁石140と第2の磁石142とは、図9Aに示されるように、単一品構造であり得る。代替的に、図9B及び図9Cに示されるように、第1の磁石240及び/又は第2の磁石242は、開口部243を画定するインサート245を有し得る。インサート245は、非磁性材料又は磁性材料で作製され得る。インサート245は、図9B及び図9Cに示されるように、タブ246等のロック機構を含み得る。第1及び第2の磁石140、142、240、242のいずれについても、駆動シャフトの長手軸に対して直角にとった開口部143、243の横断面形状は、当該磁石が載るシャフトの横断面形状に適合するあらゆる非円形形状をとり得る。非円形形状は、非常に高いRPMで回転するときにシャフトのバランスを保つのに役立つ。図8図10に示す例では、開口部143、243の横断面形状は、両端に半円を有する長方形の競技場形である。開口部143、243の競技場形状、特に対向する平らな面144、244は、側面が平らなインペラシャフト150又は駆動シャフト190と嵌合する。
【0050】
図5に示される装置110の内部構成要素が図10の分解斜視図に示される。ピボット部材136は、回転する第2の磁石142と固定の流体バリア135との間のスペーサとして機能し、磁石の吸引力を流体バリア135に向けて、第2の磁石142の摩耗を防止するとともに駆動シャフトと動力源の軸方向の負荷を軽減する。ピボット部材136は、第2の磁石142の開口部143内に受け入れられるように成形された近位突出部137を有し得る。近位突出部137の形状及び第2の磁石142の開口部143の形状は非円形であり、第2の磁石142の回転に伴う近位突出部137の回転を確実にする。いくつかの例では、近位突出部137は、競技場形状であり得、第2の磁石142の競技場形状の開口部143内に受け入れられるように構成され得る。開口部143内への近位突出部137の嵌合は、ピボット部材136を第2の磁石142とともに回転させる。ピボット部材136は、遠位突起138を有し得るものであり、該遠位突起138は、軸受面から延び、流体バリア135の近位凹部133に受け入れられるように成形される。遠位突出部138及び近位凹部133は、遠位突出部138が近位凹部133に着座した際に、ピボット部材136が静止する流体バリア135に対して回転するように形作られている。遠位突出部138及び近位凹部133は、図10に示されるように、円錐形状であり得る。代替的に、遠位突出部138及び近位凹部133は、球形であり得る。別の例では、ピボット部材136は、流体バリア135上の近位突出部と嵌合するように形作られた、遠位表面の凹部を有し得る。ピボット部材136は、最小限の摩擦で流体バリア135に対してスライドする材料で作製され得る。例えば、ピボット部材136は、セラミック、ジルコニア、アルミナ、コバルトクロム合金、ニチノール等のチタン合金、硬化鋼、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)又は窒化チタンでコーティングされた金属、セラミック又はポリマー等の材料で作製され得る。いくつかの例では、潤滑剤は、ピボット部材136の近位面又は軸受面に追加され得る。
【0051】
インペラシャフト150は、流体バリア135の遠位凹部131と嵌合するように形作られた近位突出部152を有し得る。ピボット部材の遠位突出部138及び近位凹部133と同様に、近位突出部152及び遠位凹部131は、当該近位突出部152が当該遠位凹部131に着座した際に、インペラシャフト150が静止の流体バリア135に対して回転するように形作られる。近位突出部152及び遠位凹部131は、図10に示されるように円錐形であってもよく、又はそれらは球形であってもよい。近位突出部152は、インペラシャフト150の長手軸から直角に延びるディスク153から突出する。代替的に、インペラシャフト150は、ディスク153の近位表面に、流体バリア135の遠位突出部と嵌合するように形作られた凹部を有し得る。
【0052】
ディスク153は、回転する第1の磁石140と静止する流体バリア135との間のスペーサとして機能し、第1の磁石140の摩耗を防止する。ディスク153は、第1の磁石140を第2の磁石142から所望の距離に配置する。いくつかの例では、この距離は0.01mmから3.00mmまでの間である。ピボット部材136と同様に、インペラシャフト150の近位突出部152及びディスク153は、最小限の摩擦で流体バリア135に対してスライドする材料で作製され得る。インペラシャフト150は、第1の磁石140の開口部143内に受け入れられるように成形された近位領域155を有し得る。近位領域155は、第1の磁石140を貫通してインペラ160に入る。上述の駆動シャフト190と同様に、インペラシャフト150の近位領域155は、第1の磁石140の開口部143の非円形横断面形状と一致するなんらかの非円形横断面形状を有し得る。図10に示す例では、インペラシャフト150の近位領域155は、対向する平らな面158を備えた横断面競技場形状を有し、該平らな面158は、第1の磁石140の開口部143の平らな面144と嵌合し、それにより、第1の磁石140は、トルク伝達のために、インペラシャフト150に対し、機械的に固定される。平らな面158は、滑らかで振動のない回転のためにインペラシャフト150のバランスを保ち得る。インペラシャフト150の平らな面158をインペラ160内に延ばすことにより、インペラ160を第1の磁石140にロックする。インペラシャフト150の遠位領域157は、円筒形であり得る。
【0053】
インペラ160は、ベース161、本体162、及び少なくとも1つのブレード163を有し得る。図10に示す例では、インペラ160は、2つの対向するブレード163を有する。他の例では、3つ、4つ、又はそれ以上のブレードが存在し得る。ブレード163の形状は例示的なものであり、ブレード163の他の形状が提供されてもよいことが理解されるであろう。インペラ160は、ブレード163が側開口部130に隣接するように、ハウジング120内に配置し得る。ブレード163は、インペラ160の回転が吸引を生成し、ハウジング120の遠位端128を通してハウジング120内に血液を引き込み、側開口部130を介して血液を押し出すように形作られ得る。代替的に、ブレード163は、インペラ160の回転が側開口部130を介してハウジング120内に血液を引き込み、ハウジングの遠位端128を通して血液を押し出すように形作られ構成され得る。いくつかの例では、ブレード163の形状は、図10に示されているものと反するものであり得る。インペラ160は、インペラシャフト150の遠位端151が延びる遠位開口部168を有し得る。図5に示されるように、インペラシャフト150の遠位端151は、ハウジング120の遠位端128に固定された遠位軸受アセンブリ170と嵌合するように形作られ得る。
【0054】
図10に示す例では、インペラ160は、インペラシャフト150とは別体の構造であり、インペラシャフト150に結合されている。他の例では、インペラ160は、接着、溶接、成形等によってインペラシャフト150に固定して取り付けられ得る。代替的に、インペラ160及びインペラシャフト150は、単一のモノリシック構造として形成され得る。さらなる例では、インペラは、結合、溶接、成形等によって、インペラシャフト150に直接結合されたブレード163から形成され得る。代替的に、ブレード163及びインペラシャフト150は、単一のモノリシック構造として形成され得る。
【0055】
遠位軸受アセンブリ170は、遠位軸受171、スペーサ175、及び軸受ハウジング180を含み得る。インペラシャフト150の遠位端151は、遠位軸受171内の凹部172に受け入れられ得る。図10に示す例では、インペラシャフト150の遠位端151及び凹部172は、円錐形状である。代替的に、インペラシャフト150の遠位端151及び凹部172は、形状が球形であり得る。遠位軸受171は、インペラシャフト150が最小限の摩擦で遠位軸受171に対して回転することを可能にする材料で作製され得る。遠位軸受171は、軸受ハウジング180内で軸方向にスライドし得るスペーサ175に固定され得る。軸受ハウジング180は、ハウジング120に固定され得る。軸受ハウジング180は、半径方向外側に延び、図7Aに示されるハウジング120のスロット127と嵌合するように構成された、少なくとも1つのフィン182を有し得る。遠位軸受アセンブリ170は、インペラシャフト150の長手軸がハウジング120の長手軸と位置合わせされた状態で、インペラシャフト150をハウジング120の中心に置く。遠位軸受アセンブリ170は、ハウジング120内においてインペラシャフト150の制限された軸方向の移動を可能にし得る。
【0056】
図11は、組み立てられた図10の装置を示す。図11に示されるように、軸受ハウジング180のフィン182は、当該フィン182がハウジング120のスロット127に取り付けられると、血液がフィン182の間からハウジング120の遠位端128の中に流れ込むことができるように構成される。血流は矢印184で示されている。血液は、隣接するフィン182の間の空間183に流れ、ハウジング120の内部を通って流れる。回転するインペラブレード163は、矢印185で示されるように、側開口部130から血液を流出させる。
【0057】
図12は、ディスク153の構造を示す、例示的なインペラシャフト150の近位端図である。ディスク153は、2つの対向する傾斜溝又はローブ154、156を有し得るものであり、これらは、外向きの乱流を作り出し、そうしなければ第1の磁石140と流体バリア135との間に溜まる傾向のある任意の血液を取り除く。
【0058】
インペラ160の内部構造の詳細は、図13に示されている。インペラ160は、インペラ160の長手軸に沿って延びる中央チャネル169を有し得る。チャネル169の第1の領域164は、ベース161を通って延び得るものであり、チャネル169の第2の領域167は、本体162を通って延び得る。第1の領域164は、インペラシャフト150の近位領域155を受け入れるように形作られ得る。図13に示される例では、第1の領域164は、インペラシャフト150の平らな面158と噛み合う対向する平らな側面166を備えた競技場形状である。第2の領域167は、インペラシャフト150の丸い遠位領域157と嵌合するように丸くてもよい。中央チャネル169は、遠位開口部168で終わる。
【0059】
図14は、ハウジング120の遠位端内に配置された代替の遠位軸受アセンブリ270を示す。遠位軸受アセンブリ270は、遠位軸受271、スペーサ275、及び軸受ハウジング280を含み得る。インペラシャフト150の遠位端151は、遠位軸受271内の凹部272に受け入れられ得る。図14に示す例では、インペラシャフト150の遠位端151及び凹部272は円錐形状であり、凹部272はインペラシャフト150の遠位端151よりもかなり大きい。代替的に、インペラシャフト150の遠位端151及び凹部272は、形状が球形であり得る。遠位軸受271は、インペラシャフト150が最小限の摩擦で当該遠位軸受271に対して回転することを可能にする材料で作製され得る。遠位軸受271は、スペーサ275内に埋め込まれ得る。スペーサ275は、軸受ハウジング280内で軸方向にスライドしてもよい。スペーサ275は、近位隆起部276を有し得る。ばね部材278は、近位隆起部276と軸受ハウジング280との間で、スペーサ275の外面周りに円周方向に配置され得る。ばね部材278は、インペラシャフト150に軽いが一定の圧力を提供し、インペラシャフト150をハウジング120内の中心に維持し、インペラシャフト150がスムーズに回転できるようにする。いくつかの例では、ばね部材278は金属であり得る。他の例では、ばね部材278は、弾性材料で作製され得る。軸受ハウジング280は、ハウジング120に固定され得る。軸受ハウジング280は、ハウジング120のスロット127と嵌合するように構成された少なくとも1つのフィン282を有し得る。
【0060】
血流を補助するための装置110、210の様々な構成要素(及び/又は本明細書に開示される他のシステム若しくは構成要素)に使用できる材料及び本明細書に開示されるその様々な要素は、医療装置に一般に関連するものを含み得る。簡単にするために、以下の説明では、装置110、210(及び本明細書に開示されている変形品、システム、又は構成要素)を参照している。しかしながら、これは、本明細書に開示される他の要素、部材、構成要素、又は装置に説明が適用され得るため、本明細書に記載される装置及び方法を限定することを意図しない。
【0061】
いくつかの実施形態において、装置110、210(及び本明細書で開示されるその変形品、システム又は構成要素)は、金属、金属合金、セラミック、ジルコニア、ポリマー(これらのいくつかの例は以下に開示される)、金属-ポリマー複合材、それらの組み合わせ等、又は他の適切な材料から作製され得る。適切な金属及び金属合金のいくつかの例には、444V、444L、314LVステンレス鋼等のステンレス鋼;軟鋼;線形弾性ニチノール及び/又は超弾性ニチノール等のニッケルチタン合金;コバルトクロム合金、チタン及びその合金、アルミナ、ダイヤモンドライクコーティング(DLC)又は窒化チタンコーティングを施した金属、ニッケル-クロム-モリブデン合金等のその他のニッケル合金(例えば、INCONEL(登録商標)625等のUNS:N06625、HASTELLOY(登録商標)C-22(登録商標)等のUNS:N06022、HASTELLOY(登録商標)C276(登録商標)、その他のHASTELLOY(登録商標)合金等のUNS:N10276)、ニッケル-銅合金(例えば、MONEL(登録商標)400、NICKELVAC(登録商標)400、NICORROS(登録商標)400等のUNS:N04400)、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、MP35-N(登録商標)等のUNS:R44035)、ニッケル-モリブデン合金(例えば、HASTELLOY(登録商標)ALLOY B2(登録商標)等のUNS:N10665)、他のニッケル-クロム合金、他のニッケル-モリブデン合金、他のニッケル-コバルト合金、他のニッケル-鉄合金、他のニッケル-銅合金、他のニッケル-タングステン又はタングステン合金等;コバルトクロム合金;コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)、PHYNOX(登録商標)等のUNS:R44003);プラチナ強化ステンレス鋼;チタン;プラチナ;パラジウム;金;それらの組み合わせ;その他;又は他の適切な材料が含まれる。
【0062】
本明細書で言及したように、市販のニッケルチタン又はニチノール合金の族には、「線形弾性」又は「非超弾性」と指定されたカテゴリがあり、化学的には従来の形状記憶や超弾性の種類と同様であり得るが、明確に異なる有用な機械的特性を発揮する場合がある。線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールは、当該線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールが、その応力/ひずみ曲線において、超弾性ニチノールでは見られる実質的な「超弾性プラトー」又は「フラグ領域」を表わさない点で、超弾性ニチノールと区別され得る。その代わりに、線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールでは、回復可能なひずみが増加するにつれて、応力は、ほぼ直線状、すなわちいくらか線形であるが、必ずしも塑性変形が始まるまでずっと線形関係ではなく、又は少なくとも超弾性ニチノールで見られる超弾性プラトー及び/又はフラグ領域よりもより直線的な関係で増加し続ける。従って、本発明の目的のために、線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールは、「概ね」線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールと呼ばれることもある。
【0063】
いくつかの場合において、線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールは、当該線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールが(例えば塑性変形が始まる前に)概ね弾性を維持しつつ最大約2%-5%のひずみを受け入れ得る一方、超弾性ニチノールが塑性変形する前に最大約8%のひずみを受け入れ得るものである点においても、超弾性ニチノールと区別し得る。これらの材料は双方とも、塑性変形する前に約0.2%~0.44%のひずみしか受け入れ得ないステンレス鋼等の他の線形弾性材料(その組成に基づいても区別可能である)と区別可能である。
【0064】
いくつかの実施形態において、線形弾性及び/又は非超弾性ニッケルチタン合金は、広い温度範囲にわたる分析である示差走査熱量測定(DSC)及び動的金属熱分析(DMTA)によって検出可能なマルテンサイト/オーステナイト相変化を示さない合金である。例えば、いくつかの実施形態において、線形弾性及び/又は非超弾性ニッケルチタン合金には、摂氏約-60度(℃)から約120℃の範囲でのDSC及びDMTA分析によって検出可能なマルテンサイト/オーステナイト相変化が存在しない場合がある。従って、そのような材料の機械的曲げ特性は、この非常に広い温度範囲にわたる温度影響に対して一般に不活性であり得る。いくつかの実施形態において、周囲温度又は室温での線形弾性及び/又は非超弾性ニッケルチタン合金の機械的曲げ特性は、例えば、それらが超弾性プラトー及び/又はフラグ領域を示さないという点で、体温での機械的特性と概ね同じである。例えば、広い温度範囲にわたって、線形弾性並びに/又は非超弾性ニッケルチタン合金は、その線形弾性及び/若しくは非超弾性特性及び/若しくは特性を維持する。
【0065】
いくつかの実施形態において、線形弾性及び/又は非超弾性ニッケル-チタン合金は、約50~約60重量パーセントのニッケルの範囲であり得、残りは概ねチタンである。いくつかの実施形態において、組成が約54から約57重量パーセントのニッケルの範囲である。適切なニッケルチタン合金の一例は、日本の神奈川県の古河テクノマテリアル社から市販されているFHP-NT合金である。他の適切な材料は、ULTANIUM(商標)(Neo-Metricsから入手可能)及びGUM METAL(商標)(トヨタから入手可能)を含み得る。いくつかの他の実施形態では、超弾性合金、例えば超弾性ニチノールを使用して、所望の特性を達成可能である。
【0066】
少なくともいくつかの実施形態において、装置110、210(及び本明細書に開示されるその変形品、システム又は構成要素)の一部又はすべても、放射線不透過性材料を、ドープし、製造し、又はそうでなければ含み得る。放射線不透過性材料は、比較的明るい画像を蛍光透視スクリーン生成することができる材料、すなわち、医療処置の間における他の画像化技術であると理解される。この比較的明るい画像は、ユーザが装置110、210(及び本明細書に開示されているその変形品、システム又は構成要素)の場所を決定するのを助ける。放射線不透過性材料のいくつかの例には、金、プラチナ、パラジウム、タンタル、タングステン合金、放射線不透過性充填剤が充填されたポリマー材料等が含まれ得るが、これらに限定されない。加えて、他の放射線不透過性マーカーバンド及び/又はコイルもまた、同じ結果を達成するために、装置110、210(及び本明細書に開示されるその変形品、システム又は構成要素)の設計に組み込まれ得る。
【0067】
いくつかの実施形態において、装置110、210(及び本明細書に開示されるその変形品、システム又は構成要素)及び/又はその一部は、ポリマー又は他の適切な材料から作製され得るか、又はそれを含み得る。適切なポリマーのいくつかの例には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えばデュポン社から入手できるDELRIN(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、ポリウレタン85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテル-エステル(例えば、DSMエンジニアリングプラスチック社から入手可能なARNITEL(登録商標))、エーテル又はエステルベースのコポリマー(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタル酸塩及び/又は他のポリエステルエラストマー(デュポン社から入手可能なHYTREL(登録商標)等)、ポリアミド(例えば、バイヤー社から入手可能なDURETHAN(登録商標)、又はエルフ・アトケム社から入手可能なCRISTAMID(登録商標))、エラストマポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(PEBA、例えば、商品名PEBAX(登録商標)で入手可能)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、Marlex高密度ポリエチレン、Marlex低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン(例えば、REXELL(登録商標))、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(例えば、KEVLAR(登録商標))、ポリスルホン、ナイロン、ナイロン-12(EMSアメリカン・グリロン社から入手可能なGRILAMID(登録商標)等)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)(例えば、SIBS及び/又はSIBS50A)、ポリカーボネート、アイオノマ、ポリウレタンシリコーンコポリマー(例えば、Aortech BiomaterialsのElastEon(登録商標)又はAdvanSource BiomaterialsのChronoSil(登録商標))、生体適合性ポリマー、他の適切な材料、又はそれらの混合物、組み合わせ、コポリマー、ポリマー/金属複合材等を含む。いくつかの実施形態において、シースは、液晶ポリマー(LCP)とブレンドし得る。例えば、混合物は最大約6パーセントのLCPを含むことができる。
【0068】
いくつかの実施形態において、装置110、210(及び本明細書に開示されるその変形品、システム又は構成要素)は、適切な治療剤を含み得、及び/又は適切な治療剤で処置され得る。適切な治療薬のいくつかの例には、抗血栓薬(ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、及びPPack(デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン)等);抗増殖剤(エノキサパリン、アンジオペプチン、平滑筋細胞の増殖を阻害可能なモノクローナル抗体、ヒルジン、アセチルサリチル酸等);抗炎症剤(デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジン、メサラミン等);抗腫瘍剤/抗増殖剤/抗有糸分裂剤(パクリタキセル、5-フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンジオスタチン及びチミジンキナーゼ阻害剤等);麻酔薬(リドカイン、ブピバカイン、ロピバカイン等);抗凝固剤(D-Phe-Pro-Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、抗トロンビン化合物、血小板受容体拮抗薬、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤、及びダニ抗血小板ペプチド);血管細胞成長プロモータ(成長因子阻害剤、成長因子受容体拮抗薬、転写活性化因子、翻訳プロモータ等);血管細胞成長阻害剤(成長因子阻害剤、成長因子受容体拮抗薬、転写抑制因子、翻訳抑制因子、複製阻害因子、阻害抗体、成長因子に対する抗体、成長因子と細胞毒素からなる二機能性分子、抗体と細胞毒素からなる二機能性分子);コレステロール低下薬;血管拡張剤;内因性の血管作用性メカニズムを妨害する薬剤を含む。
【0069】
この開示は、多くの点で、単なる例示であることを理解されたい。本発明の範囲を超えることなく、詳細、特に形状、サイズ、及びステップの配置に関して変更を加え得る。これは、適切な範囲で、他の実施形態で使用される1つの例示的な実施形態の特徴のいずれかの使用を含み得る。もちろん、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲が表現される言語で定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14
【外国語明細書】