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特開2023-175843患者の体温を決定するための装置、システム、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175843
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】患者の体温を決定するための装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/01 20060101AFI20231205BHJP
   G01K 1/024 20210101ALI20231205BHJP
   G01K 13/20 20210101ALI20231205BHJP
【FI】
A61B5/01 100
G01K1/024
G01K13/20 341Z
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023152310
(22)【出願日】2023-09-20
(62)【分割の表示】P 2021557099の分割
【原出願日】2020-04-06
(31)【優先権主張番号】16/378,728
(32)【優先日】2019-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515058422
【氏名又は名称】ヴァイタル コネクト,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Vital Connect,Inc.
【住所又は居所原語表記】2870 Zanker Road, Suite 100, San Jose, CA, U.S.A
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セルバラジ ナンダクマール
(72)【発明者】
【氏名】ナラタンビ ガブリエル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】皮膚温度及びセンサ周囲空気温度に基づいて患者の体温を決定するための無線ウェアラブルセンサ装置、方法、及び非一時的コンピュータ可読媒体が開示される。
【解決手段】無線ウェアラブルセンサ装置100は、センサ102と、センサ102に結合されたプロセッサ104と、プロセッサ104に結合されたメモリ106と、メモリ106に結合された無線ウェアラブルセンサ装置アプリケーション108と、無線ウェアラブルセンサ装置アプリケーション108に結合された送信機110とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者体温を決定する方法であって、
第1のセンサによって、患者の身体の皮膚表面における第1の温度値を測定することと、
第2のセンサによって、前記第1のセンサにおけるセンサ周囲空気温度の第2の温度値を測定することと、
前記第1の温度値及び前記第2の温度値を使用して、前記患者の身体の前記皮膚表面における深部身体熱交換を決定することと、
前記深部身体熱交換を使用して前記患者の体温測定を決定することと、
前記深部身体熱交換の絶対振幅レベル及び患者の体温の出力を制御することと、
を含む、方法。
【請求項2】
適応フィルタを用いて皮膚温度値からの周囲温度変動を相殺することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記身体上の皮膚表面における前記深部身体熱交換は、前記皮膚温度値から周囲フィルタ出力を差し引くことによって決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記深部身体熱交換の前記絶対振幅レベルを制御することは、前記深部身体熱交換のACオフセットを差し引くことと、前記深部身体熱交換のトレンドの時間変動変化を標準患者体温測定に匹敵する絶対スケールに変換するDC校正値を加えることとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記深部身体熱交換は、
最初の校正の場合、前記ACオフセットは、温度センサの整定期間における深度身体熱交換の値であり、又は
再校正の場合、前記ACオフセットは、再校正要求時の深部身体熱交換の値である、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
初期値による整定時間フラグ(t_flag)及び校正フラグ(cal_flag)を初期化すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記整定時間フラグ及び前記校正フラグの前記初期値が、ゼロである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の温度値f(n)及び基準第2の温度値d(n)の入力値は、適応フィルタを通過して、適応フィルタ出力y(n)を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
フィルタ係数は、e(n)=d(n)-y(n)に従って誤差を最小化することによって更新され、前記d(n)は、前記第2の温度値の所望の基準入力値であり、前記y(n)は、前記適応フィルタ出力である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記皮膚身体表面と深部身体との間の前記深部身体熱交換T_xは、T_x(n)=f(n)-y(n)に従って前記第1の温度値から前記適応フィルタ出力を減算することによって決定され、前記f(n)は前記第1の温度値であり、前記y(n)は適前記応フィルタ出力である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記患者の体温出力は、整定フラグ(t_flag)及び校正フラグ(cal_flag)が0から1に開始又は変更されるまで、固有の数値コードで無効化される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記患者の体温出力は、温度センサが整定状態に落ち着いたと判定されるまで、又は所望の整定時間が経過するまで、入力校正温度値と同じである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記患者の体温をディスプレイに出力することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
温度監視用の無線センサ装置であって、
患者の身体の皮膚表面における第1の温度値を測定する第1のセンサと、
前記第1のセンサにおけるセンサ周囲空気温度の第2の温度値を測定する第2のセンサと、
メモリ及びプロセッサを含むコンピューティング装置であって、前記コンピューティング装置は前記第1及び第2の温度値を受信し、前記メモリに記憶されたアプリケーションを前記プロセッサによって実行し、
前記第1の温度値及び前記第2の温度値を使用して、前記患者の身体の皮前記膚表面における深部身体熱交換を決定し、前記深部身体熱交換を使用し、前記深部身体熱交換の絶対振幅レベルを制御する、コンピューティング装置と、
前記患者の体温を表示する表示装置と、
を含む、無線センサ装置。
【請求項15】
前記コンピューティング装置は、
皮膚温度値から周囲温度変動を相殺し、
前記患者の身体の前記皮膚表面における深部身体熱交換を決定し、
前記身体深部熱交換の絶対振幅値を制御する、
ことを前記アプリケーションにさらに実行させる、請求項14に記載の無線センサ装置。
【請求項16】
実行に応答して、無線センサ装置のコンピューティング装置に、
第1のセンサによって、患者の身体の皮膚表面における第1の温度値を測定することと、
第2のセンサによって、前記第1のセンサにおけるセンサ周囲空気温度の第2の温度値を測定することと、
前記第1の温度値及び前記第2の温度値を使用して、前記患者の身体の前記皮膚表面における深部身体熱交換を決定することと、
前記深部身体熱交換を使用して前記患者の体温測定を決定することと、
前記深部身体熱交換の絶対振幅レベル及び患者の体温の出力を制御することと、
含む動作を実行させる実行可能命令を記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
適応フィルタを使用することによって、皮膚温度値から周囲温度変動を相殺することをさらに含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記身体上の前記皮膚表面における前記深部身体熱交換は、皮膚温度値から周囲フィルタ出力を差し引くことによって決定される、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記深部身体熱交換の前記絶対振幅レベルを制御することは、前記深部身体熱交換のACオフセットを差し引くことと、前記深部身体熱交換のトレンドの時間変動変化を標準患者体温測定に匹敵する絶対スケールに変換するDC校正値を加えることとを含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記深部身体熱交換は、
最初の校正の場合、前記ACオフセットは、温度センサの整定期間における深部身体熱交換の値であり、又は再校正の場合、前記ACオフセットは、再校正要求時の深部身体熱交換の値である、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、体の皮膚表面における第1の温度及びセンサの周囲空気からの第2の温度を測定するウェアラブルセンサに基づいて患者の体温を決定するための装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
深部体温(core temperature)は、腹腔、胸腔、及び頭蓋腔などの身体の深部組織で測定される温度である。深部体温は、脳の視床下部によって調節されている。深部体温を測定するための代表的な標準は、肺動脈カテーテル又は食道カテーテルである。しかしながら、口腔体温計は患者の体温を測定するために臨床現場で一般的に適応されており、口を閉じたまま舌下ポケットに正確に配置する必要がある。口腔温度測定の欠点は、口腔温度測定が深部体温の近似であり、口腔部位における温度を測定することであり、これは、例えば、高温/低温の飲料を飲むこと、食べること、及び喫煙することを含む他の外部要因によって影響され得る。腋窩(axillary)の位置は、一般的に脇の下(armpit)として知られており、これは特に小児患者に一般的に選択される別のものであり、患者の中心部の体温よりも比較的低い。さらに、腋窩温度測定は、成人の場合、腕の下の先端の正確な配置、温度測定中の身体に沿った腕の適切な閉鎖、ならびに汗及び毛の存在に対するその感受性のため、信頼性がない。一方、直腸温度は不便さ及びコンプライアンスのために最も一般的でない選択であり、体の中心よりも比較的高い温度を有する。上記の直接モード患者温度測定の選択肢の全てにおいて、出力温度は、単一の温度計又はセンサプローブが結合される測定部位からの未調整の直接温度測定である。伝統的な患者の体温測定方法は、特有の位置によるばらつき、環境の影響、及び利便性/実用面に関連する独特の制限を提供し、連続的な中断されない患者の監視には適していない。したがって、新規な低電力無線ウェアラブルセンサは上記の問題を軽減し、患者又はユーザを中断することなく、好都合に連続的な体温測定を提供することができる。
【0003】
ある例では、身体のどこかで患者の皮膚表面に貼付されるウェアラブルセンサに組み込まれたサーミスタのような単一の温度センサが、測定された抵抗をサーミスタの抵抗係数特性当たりの温度に直接調整されずに変換することによって、又はセンサの熱特性を説明する追加のアルゴリズム調整を用いて、局所的な皮膚温度(SkinTemp)の測定を提供することができる。単一のサーミスタを用いた体表面でのSkinTemp測定は外温性(ectothermic)であり、すなわち、局所的な血液潅流及び外部環境によって大きく影響される。したがって、SkinTempは、測定部位を覆う衣服、及びユーザの環境の変化などの外部要因によって影響される高い変動を示すことがある。その結果、ウェアラブルセンサのSkinTempは、病院における臨床患者監視及び患者への治療介入にとってあまり有用ではない可能性がある。SkinTemp及び伝統的な患者測定方法のこのような制限は、手動測定誤差及び環境の影響なしに、正確な患者の体温を連続的に測定することができるウェアラブルセンサのニーズを必要とする。したがって、前述の問題を克服する解決策が強く求められている。本出願はそのような必要性に対処し、SkinTempの測定に加えて、ウェアラブルセンサの周囲空気温度を測定するセンサ、及び標準患者体温と同等の体温(以下、BodyTempと称する)を生成するためにセンサ周囲空気温度(AmbTemp)の影響を相殺することによってSkinTempを調整するアルゴリズムを提示する。
【発明の概要】
【0004】
患者の体温を決定する方法が開示される。一実施形態では、本方法が、第1のセンサによって、患者の身体の皮膚表面における第1の温度値を測定することと、第2のセンサによって、第1のセンサにおける又は第1のセンサに近接するセンサ周囲空気温度の第2の温度値を測定することと、患者の身体の皮膚表面における熱交換を決定することと、第1の温度値、第2の温度値、及び熱交換を使用することによって患者の体温を決定することと、患者の体温を出力することとを含む。
【0005】
体温監視のための無線ウェアラブルセンサ装置が、開示される。一実施形態では、無線ウェアラブルセンサ装置が患者の身体上の皮膚表面における第1の温度値を測定する第1のセンサと、第1のセンサにおける又は第1のセンサに近接するセンサ周囲空気温度の第2の温度値を測定する第2のセンサと、メモリ及びプロセッサを含むコンピューティング装置であって、コンピューティング装置が第1及び第2の温度値を受信し、メモリに格納されたアプリケーションをプロセッサによって実施して患者の体温を決定する、コンピューティング装置と、患者の体温を表示するディスプレイデバイスとを含む。
【0006】
実行に応答して、無線ウェアラブルセンサ装置のコンピューティング装置に動作を実行させる実行可能命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が開示される。一実施形態では、実行に応答して、無線ウェアラブルセンサ装置のコンピューティング装置に、第1のセンサによって、患者の身体の皮膚表面における第1の温度値を測定することと、第2のセンサによって、第1のセンサにおけるセンサ周囲空気温度の第2の温度値を測定することと、患者の身体の皮膚表面における熱交換を決定することと、第1の温度値、第2の温度値、及び熱交換を使用することによって、患者の体温を決定することと、患者の体温を出力することとを含む動作を実行させる実行可能命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付の図面は、本発明のいくつかの実施形態を示し、説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。当業者は、図面に示された実施形態が単に例示的なものであり、本出願の範囲を限定することを意図していないことを容易に認識する。
【0008】
図1】一実施形態による健康監視のための無線ウェアラブルセンサ装置を示す図である。
図2】患者の体温を決定するためのフローチャートを示す。
図3】患者の体温予測アルゴリズムのフローチャートを示す。
図4】4aは粘着性センサ貼付直後の参加者のグループから記録されたSkinTemp時間プロファイルを示すグラフを示し、4bは連続するSkinTemp値の差をそれらの変化率として示すグラフを示す。
図5】5aは比較のために同じサンプルレコードからのSkinTemp及びAmbTempと共にプロットされたBodyTemp出力を示すグラフを示し、5bは比較のために同じサンプルレコードからのSkinTemp、AmbTemp、及び基準経口体温計温度(OralTemp)と共にプロットされたBodyTemp出力を示すグラフを示す。
図6】コンピューティング装置のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
特許請求される構造及び方法の詳細な実施形態が、本明細書に開示されるが、開示される実施形態は、様々な形式で具体化され得る請求される構造及び方法の単なる例示であることが理解され得る。しかしながら、本発明は、多くの異なる形式で具体化されてもよく、本明細書に記載された例示的な実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。本説明において、当業者に周知の特徴及び技術の詳細は、提示された実施形態を不必要に曖昧にすることを避けるために省略されてもよい。
【0010】
本明細書における「1つの実施形態」、「一実施形態」、「例示的な実施形態」などへの言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むことができることを示すが、すべての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含むわけではない。さらに、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を参照しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態に関連して記載される場合、明示的に記載されるか否かにかかわらず、他の実施形態に関連して、又は他の実施形態と組み合わせて、そのような特徴、構造、又は特性に影響を及ぼすことは、当業者の知識の範囲内であることが提示される。
【0011】
患者の体温予測は、血液潅流、放射、伝導及び対流過程を通じた体表面からの外部熱損失に対して内部代謝熱産性をバランスさせる人の体温調節メカニズムの生理学に由来する。人間の体温調節システムは、61°Fから104°Fの間の周囲温度又は環境温度のような通常の動作環境条件に対して大気の変化の変動を打ち消そうとし、内部深部体温を一定に保つ。したがって、環境温度対深部体温又は患者の体温の変化の間の関係は、環境条件の正常な範囲に対して一定のままであり得る。
【0012】
上記の生理学的関係は、以下に示すような数学的モデルに組み入れることができる。
【数1】

ここで、TはBodyTempであり、Tは皮膚温度であり、TはAmbTempであり、qは血流速度であり、cは血液の比熱であり、hは熱伝達係数であり、Aは体表面積である。上記式(1)を簡単化すると、
【数2】

となる。上記の理論的枠組みに基づいて、BodyTemp予測アルゴリズムは、皮膚表面とセンサ周囲空気の2つの異なる境界面における温度の正確な独立サンプリングを用いて、SkinTempから周囲変動を相殺することを可能にし、深部身体から胸部皮膚表面への熱伝達又は熱交換を推定し、比較のために温度出力スケールを深部体温のスケールに類似したスケールにシフトする。
【0013】
図1は、身体の皮膚表面における第1の温度と、センサの周囲空気からの第2の温度とを測定するための無線ウェアラブルセンサ装置100を示す。無線ウェアラブルセンサ装置100又はウェアラブルデバイスは、センサ102と、センサ102に結合されたプロセッサ104と、プロセッサ104に結合されたメモリ106と、メモリ106に結合された無線ウェアラブルセンサ装置アプリケーション108と、無線ウェアラブルセンサ装置アプリケーション108に結合された送信機110とを含む。
【0014】
無線ウェアラブルセンサ装置100は、身体の皮膚表面における第1の温度と、センサの周囲空気からの第2の温度とを測定するために、ユーザに取り付けられる。1つ以上のセンサ102は、サーミスタをそれぞれ含むが、これに限定されない。センサ102は、メモリ106に送信され、次いで、プロセッサ104を介して無線ウェアラブルセンサ装置アプリケーション108に送信される、身体の皮膚表面及びセンサの周囲のセンサ周囲空気から温度データを取得する。メモリ106は、フラッシュメモリであってもよい。プロセッサ104は、無線ウェアラブルセンサ装置アプリケーション108を実行して、ユーザの健康に関する情報を処理し、取得する。情報は、送信機110に送信され、さらなる処理、分析、及び記憶のために別のユーザ又はデバイスに送信されてもよい。すなわち、送信機110は、様々な温度データを、処理、分析、及び記憶のためにリモートデバイス/サーバ(例えば、スマートフォン、クラウドベースのサーバ)に送信することができる。送信機110は、Bluetooth Low Energy(BLE)トランシーバであってもよい。代替的には、無線ウェアラブルセンサ装置100が、メモリ106に記憶され、プロセッサ104によって実行される無線ウェアラブルセンサ装置アプリケーション108を介して、温度データをローカルに処理し、分析してもよい。
【0015】
1つ以上のセンサ102は、1つ以上のサーミスタとすることができ、プロセッサ104は、マイクロプロセッサ及び再使用可能な電子モジュールのいずれかである。当業者は、センサ102、プロセッサ104、メモリ106、無線ウェアラブルセンサ装置アプリケーション108、及び送信機110のために様々なデバイスを利用することができ、それは本出願の精神及び範囲内であることを容易に認識する。
【0016】
無線ウェアラブルセンサ装置100は、センサ/サーミスタを統合した超低コストで完全に使い捨て可能なバッテリー駆動の粘着性バイオメトリックパッチバイオセンサーであってもよく、Bluetooth Low Energy(BLE)トランシーバは、使用者の皮膚に取り付けられ、電子モジュールと併せて使用されて、センサの周囲の身体の表面及びセンサの周囲の環境空気からの複数の温度データを検出、記録、分析する。無線ウェアラブルセンサ装置100は、パッチ着用者から体温データを連続的に収集する。無線ウェアラブルセンサ装置100は次いで、暗号化されたデータを暗号化し、双方向通信を介してハブリレー(Hub Relay)に送信し、ハブリレーは次に、データをセキュアサーバに転送し、セキュアサーバにおいて、データは、閲覧、ダウンロード、及び分析のために格納される。この情報を用いて、医療提供者は、リアルタイムで患者の体温の改善又は低下を観察し、必要に応じて介入することができる。バイオセンサ事象の送達を改善するために、ライブ事象を含む事象がデータ損失を回避するために、無線ウェアラブルセンサ装置100上のフラッシュメモリに保存される。データをローカルに記憶することによって、無線ウェアラブルセンサ装置100は、一定のBluetooth接続を維持する必要がない。例えば、着用者が、Bluetooth(登録商標)の範囲外にあるときにはデータは失われず、無線ウェアラブルセンサ装置100が、ハブリレーの範囲内にあるときには、再接続が自動的に行われる。無線ウェアラブルセンサ装置100が、リレーに接続している場合、無線ウェアラブルセンサ装置100は、一定間隔でデータを送信し、送信が成功したリレーから確認を受信する。無線ウェアラブルセンサ装置100は、ファームウェア、構成ファイル、及びセンサデータを格納するオンボードフラッシュメモリを含み得る。ヘルスケア提供者は、センサがどのようにデータを収集するかを構成することができる。バイオセンサがどのように使用されるかに応じて、個々のデータストリーム(体温データなど)を有効又は無効にすることができる。
【0017】
次いで、センサの周りの身体皮膚表面及びセンサ周囲空気からの温度データは、ウェアラブル装置100(例えば、再使用可能な電子モジュール又はシステムオンチップ基板)又は外部処理装置(例えば、スマートフォン装置、クラウドベースのサーバネットワーク)の統合されたプロセッサ及びアルゴリズムのいずれかを使用して処理され、分析される。
【0018】
さらに、当業者は本出願の精神及び範囲内にある、ウェアラブルデバイスを含むがこれに限定されない、様々な無線ウェアラブルセンサ装置を利用することができることを容易に認識する。
【0019】
図2は、患者の体温(ここではBodyTempとして示される)を決定するためのフローチャート200を示す。したがって、ウェアラブルセンサはステップ210で、身体上の患者の皮膚表面及びセンサを取り囲むセンサ周囲空気の2つ以上の温度を測定するために使用される。周囲温度変動は、例えば、ステップ220において適応フィルタを使用することによって、皮膚温度測定値から適応的に相殺される。患者の体表面における熱流束、熱伝達、又は深部体内熱伝達とも呼ばれる深部体内熱交換(core body thermal exchange)は、皮膚温度値230から周囲フィルタ出力を差し引くことによって決定される。導出された深部体内熱交換の絶対振幅値は、熱交換DCオフセットを差し引いて、ステップ240における深部体内熱交換の時変量を変換する校正入力値を加えることによって制御及び修正される。スケールシフトされた熱交換は、ステップ250において患者の体温として出力される。患者の体温測定のための上記のシステム及び方法のさらなる詳細は、図3のフローチャート表現によって説明される。
【0020】
図3は、患者体温予測アルゴリズムのフローチャート300を示す。患者の体温評価は、ステップ301において、整定時間フラグ(t_flag)及び0の初期値を有する校正フラグ(cal_flag)の初期化から始まる。ウェアラブルセンサ装置302は、皮膚身体表面303(ここではSkinTempとして示される)及び近傍のセンサ周囲空気304(ここではAmbTempとして示される)における温度の独立した直接サンプリングを可能にする2つ以上の温度変換器を含み得る。2つ以上の変換器ネットワークが、SkinTempの測定に使用される場合、SkinTempと参照される温度変換器ネットワークの出力から、平均又は中央値を含む適切な統計的測定が計算される。同様に、AmbTemp測定値を決定するために、1つ以上の独立した温度変換器ネットワークを使用することができる。さらに、SkinTemp及びAmbTempを測定するために使用される温度変換器は、異なる分解能及びサンプリング周波数を有してもよく、この場合、両方の測定値は、性能仕様に応じて、それぞれ、より高い又はより低い分解能及びサンプリング周波数の同じ値に変換され得る。サーミスタ、抵抗温度計検出器(RTD)及び熱電対などの温度変換器、接着パッチセンサ、ペンダント、リストバンド、腕時計又は身体に接着された電子モジュールなどのウェアラブルセンサ装置は、本出願の範囲内である。したがって、ウェアラブルセンサシステムは、2つ以上の温度変換器ネットワークを使用して、皮膚表面からのSkinTemp及びセンサ周囲空気からのAmbTempの独立した直接サンプリングを可能にできる。
【0021】
SkinTemp{f(n)}305の入力値は、適応フィルタ306を通過して、出力シーケンス{y(n)}307、すなわち適応フィルタ出力を生成する。フィルタ係数は、誤差308を最小化することによって更新され、
【数3】

ここで、{d(n)}309は、AmbTempの所望の基準入力値である。適応フィルタ出力は、入力SkinTempから差し引かれ、深部身体と皮膚表面との間の熱交換における時間変動変化を定量化するものとして、皮膚表面と深部身体310との間の熱交換を決定する。
【数4】
【0022】
同時に、SkinTemp{f(n)}は、t_flag321が現在開始していない(すなわち、t_flag=0)場合にのみ、単位時間差(すなわち、
【数5】

であり、ここでTがSkinTempである)にわたる現在のSkinTemp値と以前のSkinTemp値との間の差を決定できる微分器320を通過する。SkinTempの算出された導関数
【数6】

は、閾値UTH(例えば、SkinTempユニット表示解像度の10%である0.01、例えば0.1)と比較される(これは、整定プロセスによるSkinTempの変化率の90%減少に対応する)。別の例では、SkinTemp導関数が、5%などの閾値又は単位表示解像度の他の値と比較されるように、所定の時間ウィンドウにわたってフィルタリング又は平均化される。ステップ322で
【数7】

<UTHであることがわかった場合、この条件を満たすためにそれまでに経過した時間は、温度センサの整定時間t325として決定される。一方、ステップ323において、
【数8】

がUTH以上の場合、SkinTempの次のサンプルが、微分器320を通過し、整定時間に達するまで条件
【数9】

が満たされるかどうかを比較する。上記の条件を満たすことによって整定時間に達し、t連続測定のために決定されると、324で1(すなわち、t_flag=1)に設定される。t_flag開始後、微分器320との処理及び上記条件の比較は中止される。
【0023】
整定時間フラグが始まりであるか否かの同時かつ連続的な決定と、局所的な熱交換の尺度としての熱流束の推定との後、アルゴリズムは次に、ステップ330において、cal_flagの現在の値が0であるか0より大きいかをチェックすることによって、校正フラグ(すなわち、cal_flag)が既にセットされているか否かを決定する。ステップ331において、cal_flagが>0でない(すなわち、cal_flag値が依然として0である)場合、アルゴリズムは、ステップ332において整定時間フラグ開始(t_flag>0?)をチェックする。cal_flagがオンセットされておらず、t_flagがステップ333で既にセットされている(t_flag>0)場合、ステップ334で、校正値Tcal335が参照デバイスから取得し、適切なユーザインタフェースを介してアルゴリズムに入力するように促される。校正入力Tcalが受信されると、cal_flagはステップ336で1に始まり(すなわち、cal_flag=1)、アルゴリズムは患者のBodyTemp340を連続的に決定するために、さらなる校正入力値を必要としない。それにもかかわらず、ユーザがユーザインタフェースを介して校正入力(再校正)を送るように促す場合、アルゴリズムは、BodyTemp340の計算のための最新のユーザ入力を考慮する。一方、ステップ337で校正フラグがオンセットでなく、整定時間フラグもオンセットでない場合、整定時間及び校正入力の両方が完了するまで、ステップ338でアルゴリズムからのBodyTemp出力は無効にされる。無効なBodyTemp出力の無効化コードは、人間の体温範囲外の負の数値又は正のより大きな数値などの固有の数値とすることができる。1つのケースでは、バイオセンサーアプリケーションの直後に校正入力が得られた場合、温度センサが定常状態に落ち着くまで、BodyTemp値を入力校正値として単純に出力することができる。
【0024】
整定時間の後、及び校正入力TCALを受信した後、深部身体熱交換の絶対値はレベル制御339のブロックにおける整定オフセットTSOとして決定され、患者体温出力は以下の式を用いて計算され、
【数10】

【数11】

ここで、T体温出力は体温出力であり、TSOは整定オフセット温度であり、tセンサの整定時間であり、fはSkinTempのサンプルレートfであり、TCALは基準デバイスからの患者体温入力である。BodyTemp出力340の絶対レベルは、ユーザの校正入力334によって制御される。校正値などのレベル制御339入力がない場合、熱交換Tにおける相対的変化は、標準温度測定範囲のものと同等の絶対スケールを有さない場合がある。そのような場合、熱交換Tの相対的変化の傾向を使用して、温度の変化を正常範囲又は異常範囲を区別することができる絶対スケールに結び付けるのではなく、患者又はユーザが時々経験している温度の変化の増加又は減少の程度を決定することができる。最初の校正入力Tcalでは、熱交換TがそのACオフセット値TSOから減算され、校正入力で設定された絶対スケールでBodyTemp出力を決定する際に、入力校正値TcalがDCとして加算される。患者のBodyTemp出力Tはモニタ、ディスプレイ、タブレット、スクリーンなどの適切な表示装置に通信することによって表示することができ、又はローカルセンサメモリ、リレーメモリ、又はクラウド上に記憶するために送信することができる。一例では、装着可能装置302の構成が例えばFIRフィルタとしてモデル化され、装着可能装置内の体表インタフェースのセンサ303及び周囲空気インタフェースのセンサ304からサンプリングされた比較的正確な調整温度データを提供するために、身体表面及びセンサ周囲のセンサ周囲空気からの温度データに適用される。次に、方法300において、皮膚及び周囲温度の補正された測定値を使用して、患者の体温を決定する。
【0025】
BodyTemp340を決定するための適応フィルタ306は、線形(最小二乗平均(LMS)、再帰最小二乗(RLS)フィルタ及びそれらの変形を含む)又は非線形(ボルテラ及び双線形フィルタを含む)又は非古典的(人工ニューラルネットワーク、ファジー論理及び遺伝的アルゴリズムを含む)、構造(横断、対称、格子及びシストリックアレイを含む)、パラメータ(ゼロ、極(pole)及び多項式係数を含む)、ならびにマイクロプロセッサ又はデジタル信号処理チップ又はフィールドプログラマブルゲートアレイ又はカスタム超大規模集積(VLSI)回路、又はシステムオンチップ(SOC)上で実行される適応アルゴリズム(確率勾配アプローチ及び最小二乗推定を含む)などのフィルタタイプによって定義される命令のセット又はプログラムとすることができる。
【0026】
<RLS適応フィルタ>
例えば、患者BodyTemp予測アルゴリズムの適応フィルタブロック306のためのb(k=0,1,2,…M-1)のような長さMの有限インパルス応答(FIR)係数を持つ再帰最小二乗(RLS)適応フィルタを検討する。RLSフィルタは、入力温度変化の時変特性に効果的に適応でき、迅速に収束する。一例において、SkinTempからのセンサ周囲空気の適応的相殺のためのRLSフィルタ実装を以下に示す。
【0027】
所与の新しいSkinTemp入力ベクトルf(n)305及び所望の基準AmbTempベクトルd(n)309について、
【数12】

として、フィルタ係数b(n-1)の以前のセットを使用してFIRフィルタ出力y(n)307を計算し、ここで、フィルタ係数の初期化がb(0)=0そのままである。式(3)のように誤差を計算する。カルマン利得ベクトルは、次式であり、
【数13】

ここで、λはフィルタ係数の収束及び安定性に影響を及ぼすシステムメモリ又は忘却係数であり、フィルタが入力ベクトルの時間変化特性を追跡する能力であり、R(n)は自己相関行列であり、
【数14】

ここで、R-1(0)=δIの初期値、δは0.01などの正則化パラメータ、Iは単位行列である。次の反復の逆相関行列、
【数15】

を更新する。次の反復のフィルタ係数、
【数16】

を更新する。たとえば、RLSフィルタのパラメータは、フィルタMの順序が1、忘却係数が0.9999、正則化係数δが0.1のように選択できる。
【0028】
システムパワーリセット及びユーザの身体にウェアラブル装置を再貼付する場合、フィルタ係数b、誤差信号e、逆相関行列R-1、整定時間フラグt_flag、校正フラグcal_falgを含む適応フィルタパラメータは、ゼロになるように初期化され、上記のプロセスが繰り返されて、連続的なBodyTemp出力を提供する。通常のバイオセンサ操作及びユーザがユーザインタフェースを介して新しい校正値をシステムにプッシュするよう促す再校正要求の場合、BodyTempアルゴリズムは、熱交換の適応決定のための適応フィルタパラメータを保持し、新しい校正(すなわち、再校正)入力値に従って、熱交換の絶対スケールを新しいDCレベルにシフトする。提案されたアルゴリズム及びシステムは、ユーザ/ヘルスケア提供者/臨床管理者によって要求されるように、複数回の再校正を可能にする。しかしながら、頻繁な再校正の場合、BodyTemp出力の傾向は、複数の再校正タイミング及び入力値を考慮して解釈される必要がある。
【0029】
<サンプル整定時間データ>
患者に貼付されるウェアラブルセンサ装置からの生の温度データの整定時間は、温度変換器の初期の電気的応答、患者の皮膚の種類、体表面上のセンサの接触圧又は付着に応じて広く変化し得る。皮膚表面上へのウェアラブルセンサ装置のアプリケーションの整定時間の間、皮膚表面及びセンサ周囲空気からの測定された生の温度データは、数~10℃範囲のオーダーでそれらの絶対値の劇的な変化を示しかもしれない。未加工の温度測定値が整定する前に派生したBodyTempスケールをシフトするために校正値を適用すると、整定時間後に別の再校正が適用されない限り、センサ寿命全体で誤った絶対スケールが発生する可能性がある。したがって、誤差を最小化するために、校正入力を適用して、良好な確信度の整定時間後に導出されたBodyTempの絶対スケールをシフトする。したがって、方法300による生の温度値を使用して客観的に評価された、又は臨床データに基づいて予め決定されたセンサの整定時間は、正確なBodyTemp絶対測定値のために利用される。図4aは、貼付後の胸部皮膚表面で測定された体温値の追跡を示す。別の例では、校正入力が患者の体にセンサを貼付する時間中に取得され、BodyTemp予測のための温度変換器応答の整定時間のカスタマイズされた客観的評価の後に貼付することができる。患者の体温が数分間で大幅に変化しない可能性があることを観察することによるこのアプローチは、病院内ワークフロー又は他のユースケースの観点から実用的であり得る。ユーザ/患者がセンサの貼付及び校正中に正常である場合、体温の変化率は、24時間周期にわたる非常に遅い周波数現象である。しかしながら、ユーザ/患者が、センサの貼付及び校正中に発熱していると判定された場合、より正確な絶対BodyTemp値を得るために、典型的な整定期間後の再校正、又は定常状態に達する患者の体温が推奨されるか、又は有用である。さらに、図4aは、粘着性センサ貼付直後に参加者のグループから記録されたSkinTemp時間プロファイルを示し、図4bは、温度センサ出力の整定過程の固有の過渡的位相を示す、その変化率として、連続するSkinTemp値の差を示す。
【0030】
一例では、温度センサの整定時間がサンプル母集団から得られた温度プロファイルの分析に基づいて、所望の整定時間継続、例えば30分に事前設定することもできる。この場合、温度センサの整定の自動決定がタイマに置き換えられ、タイマが所望の入力整定時間で経過したかどうかがチェックされる。
【0031】
温度センサがそのウォームアップ過渡期の後に整定するか否かの客観的決定の別の例では、線形回帰線(
【数17】

ここで、αは線Lの傾きであり、βは切片又はバイアスである)を、SkinTemp微分サンプルの所定の移動時間窓(例、5分)と適合させ、線形適合の傾きとして整定の速度を決定することを含む。上記のプロセスは、1分のような所定の持続時間毎に繰り返され、αにおける傾向が追跡される。αにおける決定された傾向はさらに、ある許容範囲(例5%又は10%)でαがゼロに近づくか、又はあるスタートアップ期間にわたってグローバル最小値に達する時間として、整定期間を決定するために使用される。
【0032】
<サンプル予測BodyTempデータ>
3日間にわたって収集されたサンプルSkinTemp(凡例STで示される)及びAmbTemp(凡例ATで示される)データを図5aに示す。このプロットは、特に夜間から昼間への移行中に、SkinTempにおいて2~6℃の高い変動を示す。SkinTempにおけるこのような高い変動は、通常の概日周期の間に患者の深部温度において典型的に観察される1℃の変化を反映しない。したがって、SkinTempの絶対測定値は、追加の変換又は調整なしではその直接的な形で正確ではないことがある。AmbTempも同様の変動を示し、SkinTempにおけるこれらの高い変動に主に影響を及ぼす。したがって、BodyTempアルゴリズムは、SkinTempからのAmbTempの影響を適応的に相殺して、BodyTempを決定する。BodyTemp出力は図5aにおける比較のために、同じサンプルレコードからのSkinTemp及びAmbTempと共にプロットされている。予測されたBodyTempは、3日間で<1℃の変動を伴う非常に安定した傾向を示す。ここで、図5bは、この制御被験体における3日間のデータ収集の間に採取されたOralTemp参照値(3反復)を含む。基準OralTempと予測されたBodyTemp値との間には良好な対応がある。
【0033】
<校正入力>
BodyTempアルゴリズムは、式(4)当たりの時間変化する熱交換Tを決定し、それは、体とその周囲との間の熱交換の変化の連続測定である。パッチの整定時間の後のTからTso更に差し引くと、熱交換のDC成分を本質的に除去することができ、熱交換におけるAC成分又はデルタ変化のみを提供することができる。したがって、(T-Tso)は、感染又は発熱を伴う患者の悪化の臨床モニタリングに非常に有用であり得る、上半身からの熱交換の純粋なAC成分を指す。しかしながら、この量は、例えば正常な状態の約37℃のDC値を有する患者の体温と同様の絶対的な大きさ(スケール)を有さないことがある。臨床患者の体温に類似したこのAC熱交換のスケールをシフトするために、量(T-Tso)は、DC成分Tcalに加えられ、式(6)に与えられる校正入力は、BodyTemp出力の予測をもたらす。したがって、校正温度Tcalは、熱交換のAC成分のスケールを、患者の体温と同様のスケールで体温にシフトさせる。
【0034】
校正温度Tcalは、コンピュータ、スマートフォン/装置、タブレットなどに実装された適切なユーザインタフェース(UI)を介して、BodyTempアルゴリズムに入力することができる。例えば、看護師又は臨床医は、口腔体温計又は別の臨床患者体温モニタなどの標準ツールを使用して患者体温を測定し、UIを介して手動で入力することができる。BodyTemp予測アルゴリズムは、校正入力が侵襲性サーミスタプローブを介した代表的標準参照患者体温測定による、発熱、感染、及び敗血症状態からの広範囲の患者体温範囲について、大規模な院内臨床研究によって訓練された変換モデルによって置き換えられ得る場合に、改変され得る。さらに、BodyTemp出力は、代表的標準温度基準測定と比較して、系統的なバイアス調整を考慮するように修正することができる。別の例では、学習したSkinTemp誤差分布上の変換を校正入力の代理(surrogate)として使用することもできる。
【0035】
当業者であれば、本明細書で開示されるこのプロセス及び他のプロセス並びにこの方法及び他の方法について、プロセス及び方法で実行される機能は、異なる順序で実装され得ることを理解するであろう。
【0036】
さらに、概説されたステップ及び動作は例としてのみ提供され、ステップ及び動作のいくつかは、開示された実施形態の本質を損なうことなく、任意選択であり、より少ないステップ及び動作に組み合わされ、又は追加のステップ及び動作に拡張され得る。さらに、本開示は、様々な態様の例示として意図される、本出願に記載される特定の実施形態に関して限定されるべきではない。当業者には明らかなように、その精神及び範囲から逸脱することなく、多くの修正及び変形を行うことができる。本明細書に列挙されたものに加えて、本開示の範囲内の機能的に均等な方法及び装置さえも、前述の説明から当業者には明らかであろう。そのような修正及び変形は、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。本開示は、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ限定され、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲によって限定される。本開示は、特定の方法、試薬、化合物、組成物、又は生物学的系に限定されず、これらはもちろん、変化し得ることが理解されるべきである。同様に、本明細書で使用する用語は特定の実施形態のみの説明を目的とし、限定的でないことも理解すべきである。
【0037】
図6は、ユビキタスコンピューティング環境におけるウェアラブルセンサの様々な実施形態を実装することができる例示的なコンピューティング装置600を示す。より具体的には、本明細書で説明される動作、プロセスなどのいずれかが、コンピュータ可読媒体上に格納されたコンピュータ可読命令として実装され得る、例示的なコンピューティング実施形態を図6が示す。コンピュータ可読命令は例えば、移動ユニットのプロセッサ、ネットワーク要素、及び/又は任意の他のコンピューティング装置によって実行されてもよい。
【0038】
非常に基本的な構成602において、コンピューティング装置600は、典型的には1つ以上のプロセッサ604と、システムメモリ606とを含む。メモリバス608は、プロセッサ604とシステムメモリ606との間の通信に使用されてもよい。
【0039】
所望の構成に応じて、プロセッサ604は、マイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラ(μC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又はそれらの任意の組合せを含むが、それらに限定されない任意のタイプのものとすることができる。プロセッサ604は、レベル1キャッシュ610及びレベル2キャッシュ612、プロセッサコア614、及びレジスタ616のような、1つ以上のレベルのキャッシュを含んでもよい。例示的なプロセッサコア614は、算術論理ユニット(ALU)、浮動小数点ユニット(FPU)、デジタル信号処理コア(DSPコア)、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。一例のメモリコントローラ618はまた、プロセッサ604と共に使用されてもよく、又は一部の実装では、メモリコントローラ618が、プロセッサ604の内部部品であってもよい。
【0040】
所望の構成に応じて、システムメモリ606は、揮発性メモリ(RAMなど)、不揮発性メモリ(ROM、フラッシュメモリなど)、又はそれらの任意の組合せを含むがそれらに限定されない任意のタイプのものとすることができる。システムメモリ606は、オペレーティングシステム620、1つ以上のアプリケーション622、及びプログラムデータ624を含むことができる。
【0041】
アプリケーション622は、図1図5に関して前述した機能を含む本明細書で説明した機能を実行するように構成されたクライアントアプリケーション680を含んでもよい。プログラムデータ624は「表650」又は「分配表650」と呼ばれる表650を含むことができ、これは、本明細書に記載されるような患者の体温を決定するのに有用であり得る。
【0042】
コンピューティング装置600は、基本構成602と任意の必要な装置及びインタフェースとの間の通信を容易にするために、追加の特徴又は機能性と、追加のインタフェースとを有してもよい。例えば、バス/インタフェースコントローラ630は、記憶装置インタフェースバス634を介した基本構成602と1つ以上のデータ記憶装置632との間の通信を容易にするために使用することができる。データ記憶装置632は、リムーバブル記憶装置636、非リムーバブル記憶装置638、又はそれらの組合せとすることができる。リムーバブル記憶装置及び非リムーバブル記憶装置の例は、いくつか例を挙げると、フレキシブルディスクドライブ及びハードディスクドライブ(HDD)などの磁気ディスクデバイス、コンパクトディスク(CD)ドライブ又はデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブなどの光ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、及びテープドライブが含まれる。例としてのコンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読取可能命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータのような情報を記憶するための任意の方法又は技術で実装される揮発性及び不揮発性のリムーバブル及び非リムーバブル媒体を含んでもよい。
【0043】
システムメモリ606、リムーバブル記憶装置636、及び非リムーバブル記憶装置638は、コンピュータ記憶媒体の一例である。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶装置、あるいは所望の情報を記憶するために使用され得、コンピューティング装置600によってアクセスされ得る任意の他の媒体を含み得るが、これらに限定されない。このようなコンピュータ記憶媒体は、コンピューティング装置600の一部であってもよい。
【0044】
コンピューティング装置600は、また、バス/インタフェースコントローラ630を介して、様々なインタフェース装置、例えば、出力装置642、周辺インタフェース644、及び通信装置646から基本構成602への通信を容易にするためのインタフェースバス640を含むことができる。出力装置642の例は、グラフィック処理ユニット648及びオーディオ処理ユニット650を含んでもよく、これは、1つ以上のA/Vポート652を介してディスプレイ又はスピーカーなどの様々な外部装置と通信するように構成することができる。例の周辺機器インタフェース644は、シリアルインタフェースコントローラ654又はパラレルインタフェースコントローラ656を含むことができ、これらは、1つ以上のI/Oポート458を介して、入力装置(例えば、キーボード、マウス、ペン、音声入力装置、タッチ入力装置など)又は他の周辺機器(例えば、プリンタ、スキャナなど)などの外部装置と通信するように構成することができる。一例の通信装置646は、ネットワークコントローラ660を含むことができ、これは、1つ以上の通信ポート664を介して、ネットワーク通信リンクを渡って、1つ以上の他のコンピューティング装置662との通信を容易にするように配置されてもよい。
【0045】
ネットワーク通信リンクは、通信媒体の一例であってもよい。通信媒体は、典型的には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波又は他の伝送メカニズムなどの変調されたデータ信号中の他のデータによって具体化され得、任意の情報配信媒体を含み得る。「変調されたデータ信号」は、信号内の情報を符号化するような方法で、設定又は変更されたその特性のうちの1つ以上を有する信号とすることができる。限定ではなく例として、通信媒体は、有線ネットワーク又は直接有線接続などの有線媒体と、音響、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)及び他の無線媒体などの無線媒体とを含むことができる。本明細書で使用されるコンピュータ可読媒体という用語は、記憶媒体と通信媒体の両方を含むことができる。
【0046】
コンピューティング装置600は、携帯電話、パーソナルデータアシスタント(PDA)、パーソナルメディアプレーヤ装置、無線ウェブウォッチ装置、パーソナルヘッドセット装置、特定用途向け装置、又は上記の機能のいずれかを含むハイブリッド装置などの、スモールフォームファクタポータブル(又はモバイル)電子装置の一部として実装され得る。コンピューティング装置400はまた、ラップトップコンピュータと非ラップトップコンピュータ構成の両方を含むパーソナルコンピュータとして実現されてもよい。
【0047】
システムの態様のハードウェアとソフトウェアの実装はほとんど区別されず、ハードウェア又はソフトウェアの使用は一般に(ただし、特定の文脈では、ハードウェアとソフトウェアの選択が重要になる可能性があるが)、コストと効率のトレードオフを表す設計上の選択である。本明細書で説明されるプロセス及び/又はシステム及び/又は他の技術を実装することができるさまざまな手段、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアがあり、好ましい手段は、プロセス及び/又はシステム及び/又は他の技術が展開される状況によって変化することができる。例えば、実装者が速度と正確さが最重要であると判断した場合、その実装者は主にハードウェアやファームウェアの手段を選ぶかもしれないし、柔軟性が最重要である場合、その実装者は主にソフトウェアの実装を選ぶかもしれないし、あるいは再び、その実装者はハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの何らかの組み合わせを選ぶかもしれない。
【0048】
前述の詳細な説明は、ブロック図、フローチャート、及び/又は例の使用を介して患者の体温を決定するための装置及び/又はプロセスの様々な実施形態を記載した。そのようなブロック図、フローチャート、及び/又は例が、1つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、そのようなブロック図、フローチャート、又は例の中の各機能及び/又は動作は広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は事実上それらの任意の組合せによって、個別に及び/又は集合的に実装され得ることが、当業者によって理解されるであろう。一実施形態では、本明細書で説明される発明特定事項のいくつかの部分が特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は他の集積フォーマットを介して実装されてもよい。しかしながら、本明細書に開示された実施形態のいくつかの態様は全体的に又は部分的に、集積回路において、1つ以上のコンピュータ上で実行される1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1つ以上のコンピュータシステム上で実行される1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサ上で実行される1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ上で実行される1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はそれらの事実上任意の組合せとして、同等に実装されることができ、回路を設計すること、及び/又はソフトウェア及び/又はファームウェアのためのコードを書き込むことは、本開示に照らして当業者の技術の範囲内であることを、当業者は認識するであろう。さらに、当業者は、本明細書で説明される発明特定事項のメカニズムが様々な形態でプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書で説明される発明特定事項の例示的な実施形態が配布を実際に実行するために使用される信号搬送媒体の特定のタイプにかかわらず適用されることを理解するであろう。信号搬送媒体の例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ、CD、DVD、デジタルテープ、コンピュータメモリなどの記録可能なタイプの媒体、及びデジタル及び/又はアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波路、有線通信リンク、無線通信リンクなど)などの伝送タイプの媒体を含むが、これらに限定されない。
【0049】
当業者は、本明細書に記載された方法で装置及び/又はプロセスを説明し、その後、そのような説明された装置及び/又はプロセスをデータ処理システムに統合するためにエンジニアリング実務を使用することが当技術分野内で一般的であることを認識するであろう。すなわち、本明細書で説明するデバイス及び/又はプロセスの少なくとも一部を、妥当な量の実験を介してデータ処理システムに統合することができる。当業者は典型的なデータ処理システムが一般に、システムユニット筐体、ビデオディスプレイ装置、揮発性及び不揮発性メモリなどのメモリ、マイクロプロセッサ及びデジタル信号プロセッサなどのプロセッサ、オペレーティングシステム、ドライバ、グラフィカルユーザインタフェース、及びアプリケーションプログラムなどの計算エンティティ、タッチパッド又はスクリーンなどの1つ以上の対話装置、及び/又はフィードバックループ及び制御モータ(例えば、位置及び/又は速度を感知するためのフィードバック、構成要素及び/又は量を移動及び/又は調整するための制御モータ)を含む制御システムのうちの1つ以上を含むことを認識するであろう。典型的なデータ処理システムは、データコンピューティング/通信及び/又はネットワークコンピューティング/通信システムにおいて典型的に見られるような、任意の適切な市販のコンポーネントを利用して実装されてもよい。
【0050】
本明細書で説明される発明特定事項は、異なる他の構成要素内に含まれるか、又は異なる他の構成要素と接続された異なる構成要素を示すことがある。このように描かれた構造は単なる例であり、実際には、同じ機能を実現する多くの他の構造を実装できることが理解されるべきである。概念的な意味では、同じ機能性を達成するための構成要素の任意の構成が所望の機能性が達成されるように、効果的に「関連付けられる」。したがって、特定の機能性を達成するために本明細書で組み合わされる任意の2つの構成要素はアーキテクチャ又は中間構成要素に関係なく、所望の機能性が達成されるように、互いに「関連付けられる」と見なすことができる。同様に、そのように関連付けられる任意の2つの構成要素は所望の機能性を達成するために、互いに「動作可能に接続される」又は「動作可能に結合される」と見なすこともでき、そのように関連付けられることができる任意の2つの構成要素は所望の機能性を達成するために、互いに「動作可能に結合可能である」。動作可能に結合可能な特定の例には物理的に結合可能及び/又は物理的に相互作用する構成要素、及び/又は無線で相互作用可能及び/又は無線で相互作用する構成要素、及び/又は論理的に相互作用可能及び/又は論理的に相互作用可能な構成要素が含まれるが、これらに限定されない。
【0051】
最後に、本明細書における実質的に任意の複数及び/又は単数の用語の使用に関して、当業者は文脈及び/又は出願に適切であるように、複数から単数へ、及び/又は単数から複数へと変換することができる。様々な単数/複数の変形は、明確性のために、本明細書に明示的に記載されてもよい。
【0052】
一般的に、本明細書、特に添付の請求項、例えば添付の請求項の本体で使用される用語は、一般的に「オープン」な用語として意図されており、例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、~に限定されない」と解釈すべきであり、「有する」という用語は、「少なくとも~を有する」と解釈すべきであり、「含む(include)」という用語は、「~を含むが、~に限定されない」と解釈すべきであることは、当業者であれば理解できるだろう。当業者であれば、導入された請求項の引用が特定の数を意図している場合、そのような意図は請求項に対する引用が明示的に記載され、そのような引用がない場合にはそのような意図は存在しないことをさらに理解するであろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付の請求項では、請求項の記載を紹介するために、「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」という導入句が使用されている。しかし、このようなフレーズの使用は、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」による請求項の導入が、そのような導入された請求項を含む特定の請求項を、そのような請求項を1つだけ含む実施形態に限定することを意味するように解釈されるべきではなく、「1つの(a)」及び/又は「1つの(an)」は、「少なくとも1つの(at least one)」又は「1つ以上(one or more)」を意味するように解釈されるべきであり、請求項の引用を導入するために使用される定冠詞の使用についても同様である。また、導入されたクレームの記載の具体的な数が明示的に記載されている場合でも、当業者であれば、そのような記載は少なくとも記載された数を意味すると解釈すべきであることを認識し、例えば、他の修飾語を使用せずに「2つの引用」と素直に記載した場合、少なくとも2つ引用、又は2つ以上の引用を意味する。さらに、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」という慣用句が使われている場合、一般的には、当業者がその慣用句を理解する意味でそのような構成が意図されており、例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」には、A単独、B単独、C単独、AとBの組合せ、AとCの組合せ、BとCの組合せ、及び/又はA、B、及びCの組合せなどのシステムが含まれるが、これらに限定されない。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する慣用句が使用されている場合、一般的にそのような構成は、当業者が慣用句を理解する意味で意図され、例えば、「A、B、又はCのうち少なくとも1つを有するシステム」には、A単独、B単独、C単独、AとBの組み合わせ、AとCの組み合わせ、BとCの組み合わせ、及び/又はA、B、及びCの組み合わせなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0053】
さらに、本開示の特徴又は態様がマーカッシュグループに関して説明される場合、当業者は、本開示がそれによって、マーカッシュグループの部材の任意の個々の部材又はサブグループに関しても説明されていることを認識するであろう。
【0054】
以上から、本開示の様々な実施形態が、例示の目的で本明細書に記載されており、本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、様々な修正を行うことができることが理解されよう。したがって、本明細書で開示される様々な実施形態は、限定することを意図するものではなく、真の範囲及び精神は以下の特許請求の範囲によって示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者体温を決定する方法であって、
第1のセンサによって、患者の身体の皮膚表面における第1の温度値を測定することと、
第2のセンサによって、前記第1のセンサにおけるセンサ周囲空気温度の第2の温度値を測定することと、
前記第1の温度値及び前記第2の温度値を使用して、前記患者の身体の前記皮膚表面における深部身体熱交換を決定することと、
前記深部身体熱交換を使用して前記患者の体温測定を決定することと、
前記深部身体熱交換の絶対振幅レベルを制御することと、
患者の体温を出力することと、
を含む、方法。
【請求項2】
適応フィルタを用いて患者の身体の皮膚表面における前記第1の温度値からの周囲温度変動を相殺することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記身体上の皮膚表面における前記深部身体熱交換は、患者の身体の皮膚表面における前記第1の温度値から周囲フィルタ出力を差し引くことによって決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記深部身体熱交換の前記絶対振幅レベルを制御することは、前記深部身体熱交換のACオフセットを差し引くことと、前記深部身体熱交換のトレンドの時間変動変化を標準患者体温測定に匹敵する絶対スケールに変換するDC校正値を加えることとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記深部身体熱交換は、
最初の校正の場合、前記ACオフセットは、温度センサの整定期間における深度身体熱交換の値であり、又は
再校正の場合、前記ACオフセットは、再校正要求時の深部身体熱交換の値である、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
初期値による整定時間フラグ(ts_flag)及び校正フラグ(cal_flag)を初期化すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記整定時間フラグ及び前記校正フラグの前記初期値が、ゼロである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の温度値f(n)及び基準第2の温度値d(n)の入力値は、適応フィルタを通過して、適応フィルタ出力y(n)を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
フィルタ係数は、e(n)=d(n)-y(n)に従って誤差を最小化することによって更新され、前記d(n)は、前記第2の温度値の所望の基準入力値であり、前記y(n)は、前記適応フィルタ出力である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記皮膚表面と深部身体との間の前記深部身体熱交換T_xは、T_x(n)=f(n)-y(n)に従って前記第1の温度値から適応フィルタ出力を減算することによって決定され、前記f(n)は前記第1の温度値であり、前記y(n)は前記適応フィルタ出力である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記患者の体温出力は、整定フラグ(ts_flag)及び校正フラグ(cal_flag)が0から1に開始又は変更されるまで、固有の数値コードで無効化される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記患者の体温出力は、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサが整定状態に落ち着いたと判定されるまで、又は所望の整定時間が経過するまで、入力校正温度値と同じである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記患者の体温をディスプレイに出力することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
温度監視用の無線センサ装置であって、
患者の身体の皮膚表面における第1の温度値を測定する第1のセンサと、
前記第1のセンサにおけるセンサ周囲空気温度の第2の温度値を測定する第2のセンサと、
メモリ及びプロセッサを含むコンピューティング装置であって、前記コンピューティング装置は前記第1及び第2の温度値を受信し、前記メモリに記憶されたアプリケーションを前記プロセッサによって実行し、
前記第1の温度値及び前記第2の温度値を使用して、前記患者の身体の前記皮膚表面における深部身体熱交換を決定し、前記深部身体熱交換を使用し、前記深部身体熱交換の絶対振幅レベルを制御する、コンピューティング装置と、
前記患者の体温を表示する表示装置と、
を含む、無線センサ装置。
【請求項15】
前記コンピューティング装置は、
患者の身体の皮膚表面における前記第1の温度値から周囲温度変動を相殺し、
前記患者の身体の前記皮膚表面における深部身体熱交換を決定し、
前記深部身体熱交換の絶対振幅値を制御する、
ことを前記アプリケーションにさらに実行させる、請求項14に記載の無線センサ装置。
【請求項16】
実行に応答して、無線センサ装置のコンピューティング装置に、
第1のセンサによって、患者の身体の皮膚表面における第1の温度値を測定することと、
第2のセンサによって、前記第1のセンサにおけるセンサ周囲空気温度の第2の温度値を測定することと、
前記第1の温度値及び前記第2の温度値を使用して、前記患者の身体の前記皮膚表面における深部身体熱交換を決定することと、
前記深部身体熱交換を使用して前記患者の体温測定を決定することと、
前記深部身体熱交換の絶対振幅レベルを制御することと、
患者の体温を出力することと、
含む動作を実行させる実行可能命令を記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
適応フィルタを使用することによって、患者の身体の皮膚表面における前記第1の温度値から周囲温度変動を相殺することをさらに含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記身体上の皮膚表面における前記深部身体熱交換は、患者の身体の皮膚表面における前記第1の温度値から周囲フィルタ出力を差し引くことによって決定される、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記深部身体熱交換の前記絶対振幅レベルを制御することは、前記深部身体熱交換のACオフセットを差し引くことと、前記深部身体熱交換のトレンドの時間変動変化を標準患者体温測定に匹敵する絶対スケールに変換するDC校正値を加えることとを含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記深部身体熱交換のACオフセットは、
最初の校正の場合、前記ACオフセットは、温度センサの整定期間における深部身体熱交換の値であり、及び再校正の場合、前記ACオフセットは、再校正要求時の深部身体熱交換の値である、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。