(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175847
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】運搬用台車
(51)【国際特許分類】
B62B 5/00 20060101AFI20231205BHJP
B62B 3/02 20060101ALI20231205BHJP
B62B 3/18 20060101ALI20231205BHJP
B65D 6/18 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
B62B5/00 B
B62B3/02 B
B62B3/02 F
B62B3/18
B65D6/18
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023156400
(22)【出願日】2023-09-21
(62)【分割の表示】P 2022207285の分割
【原出願日】2018-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】片島 智文
(57)【要約】 (修正有)
【課題】一対の側枠同士間の距離の変動を抑えることが可能な運搬用台車を提供する。
【解決手段】運搬用台車10は、一対の側枠51、52と、一対の側枠51、52を互いに連結する連結部材53とを有する台車本体50と、台車本体50に配置された複数の断熱パネル11~16とを備えている。一対の側枠51、52の高さ方向の1/3よりも上方の位置に、上部棚板71が取り外し可能に配置されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬用台車であって、
それぞれ横桟を有する一対の側枠と、前記一対の側枠を互いに連結する連結部材とを有する台車本体と、
前記台車本体に配置された複数の断熱パネルと、を備え、
前記複数の断熱パネルは、少なくとも天面パネルと、正面パネルと、背面パネルと、一対の側面パネルとを有し、
前記正面パネルが開放可能となっており、前記側面パネル側に折り畳み可能となっている、運搬用台車。
【請求項2】
前記一対の側枠に取り外し可能に配置された棚板を更に備え、
前記棚板が、前記一対の側枠の前記横桟に配置され、
前記棚板に少なくとも一対の突起を設け、この一対の突起を前記横桟の内側及び外側の少なくとも一方に係合させた、請求項1記載の運搬用台車。
【請求項3】
前記棚板は、前記一対の側枠に対して取り外し可能に取り付けられている、請求項2記載の運搬用台車。
【請求項4】
前記棚板は、前記複数の断熱パネルのうちの一部の断熱パネルに対して取り外し可能に取り付けられている、請求項2又は3記載の運搬用台車。
【請求項5】
前記複数の断熱パネルは、前記複数の断熱パネルを箱状に展開した展開状態と、前記複数の断熱パネルを折り畳むことにより他の運搬用台車とネスティング可能となる折り畳み状態とをとることができる、請求項1乃至4のいずれか一項記載の運搬用台車。
【請求項6】
前記一対の側枠に追加の棚板が取り外し可能に配置されている、請求項2乃至4のいずれか一項記載の運搬用台車。
【請求項7】
前記棚板上に、保冷剤が配置されている、請求項2乃至4、6のいずれか一項記載の運搬用台車。
【請求項8】
前記棚板に、複数の貫通孔が形成されている、請求項2乃至4、6乃至7のいずれか一項記載の運搬用台車。
【請求項9】
前記棚板の上面に、溝が形成されている、請求項2乃至4、6乃至8のいずれか一項記載の運搬用台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運搬用台車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば店舗や工場等では、食品等の積載物を運搬する運搬用台車が用いられ
ている。このような運搬用台車は、一対の側枠を有する台車(台車本体)を有している。
台車には、食品等の積載物を保温、保冷あるいは保護するために、断熱性のある台車用カ
バーが装着される。このような運搬用台車としては、例えば特許文献1に開示されたもの
が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の運搬用台車の台車用カバーは、例えばシート材を縫製したものから構成されてお
り、薄くて柔軟なものであることが一般的である(例えば特許文献1参照)。このため、
従来の台車用カバーにおいては、断熱性能を十分に高めたり、内部の積載物を十分に保護
したりすることが難しいという問題がある。
【0005】
これに対して、パネルを箱状に組立てて台車上に搭載することも考えられる。しかしな
がら、従来の台車においては、荷物を運搬しやすくするために荷空間(柱)の高さを高く
しており、左右の側枠の垂直度にぶれが生じやすい。このため、左右一対の側枠同士間の
距離にも変動が生じ、パネル同士の嵌合性に影響するおそれがある。
【0006】
本開示は、一対の側枠同士間の距離の変動を抑えることが可能な運搬用台車を提供する
。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施の形態による運搬用台車は、運搬用台車であって、一対の側枠と、前記一対の側
枠を互いに連結する連結部材とを有する台車本体と、前記台車本体に配置された複数の断
熱パネルと、前記一対の側枠の高さ方向の1/3よりも上方の位置に取り外し可能に配置
された上部棚板と、を備えている。
【0008】
本実施の形態による運搬用台車において、前記上部棚板は、前記一対の側枠に対して取
り外し可能に取り付けられていてもよい。
【0009】
本実施の形態による運搬用台車において、前記上部棚板は、前記複数の断熱パネルのう
ちの一部の断熱パネルに対して取り外し可能に取り付けられていてもよい。
【0010】
本実施の形態による運搬用台車において、前記複数の断熱パネルは、前記複数の断熱パ
ネルを箱状に展開した展開状態と、前記複数の断熱パネルを折り畳むことにより他の運搬
用台車とネスティング可能となる折り畳み状態とをとることができてもよい。
【0011】
本実施の形態による運搬用台車において、前記上部棚板よりも下方の位置に、中間棚板
が取り外し可能に配置されていてもよい。
【0012】
本実施の形態による運搬用台車において、前記複数の断熱パネルは、少なくとも天面パ
ネルと、正面パネルと、背面パネルと、一対の側面パネルとを有し、前記正面パネルが開
放可能となっていてもよい。
【0013】
本実施の形態による運搬用台車において、前記上部棚板上に、保冷剤が配置されていて
もよい。
【0014】
本実施の形態による運搬用台車において、前記上部棚板に、複数の貫通孔が形成されて
いてもよい。
【0015】
本実施の形態による運搬用台車において、前記上部棚板の上面に、溝が形成されていて
もよい。
【発明の効果】
【0016】
本実施の形態によれば、一対の側枠同士間の距離の変動を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、一実施の形態による運搬用台車を示す斜視図であって、各断熱パネルが展開状態となっている図である。
【
図2】
図2は、一実施の形態による運搬用台車を示す斜視図であって、正面パネルのみが折り畳み状態となっている図である。
【
図3】
図3は、一実施の形態による運搬用台車を示す斜視図であって、各断熱パネルが折り畳み状態となっている図である。
【
図6】
図6(a)-(d)は、上部棚板の取付構造を示す概略図である。
【
図7】
図7(a)-(c)は、上部棚板の変形例を示す概略斜視図である。
【
図9】
図9(a)(b)は、各断熱パネルの真空断熱材を示す断面図である。
【
図10】
図10(a)-(c)は、一実施の形態による運搬用台車の正面パネルを展開状態から折り畳み状態にする工程を示す平面図である。
【
図11】
図11(a)-(c)は、一実施の形態による運搬用台車の天面パネルを展開状態から折り畳み状態にする工程を示す正面図である。
【
図12】
図12(a)(b)は、一実施の形態による運搬用台車の背面パネルを展開状態から折り畳み状態にする工程を示す平面図である。
【
図13】
図13は、変形例1による運搬用台車の一部を示す正面図である。
【
図14】
図14は、変形例2による運搬用台車を示す正面図である。
【
図15】
図15は、変形例3による運搬用台車を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら一実施の形態について説明する。以下に示す各図は、模式的
に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇
張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能
である。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳
細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値およ
び材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択
して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例
えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ
状態も含むものとする。
【0019】
また、以下の実施の形態において、「X方向」とは、運搬用台車の長手方向に平行かつ
運搬用台車が配置される床面に平行な方向であり、「Y方向」とは、X方向に垂直かつ運
搬用台車が配置される床面に平行な方向である。「Z方向」とは、鉛直方向に平行な方向
である。また、「正面」とは、床面に垂直な面であって、ネスティングする際に他の運搬
用台車が進入してくる方向を向く面をいい、「背面」とは、床面に垂直な面であって、正
面に対向する面をいう。「天面」とは、床面に平行な面であって、運搬用台車の上方側の
面をいい、「底面」とは、床面に平行な面であって、運搬用台車の下方側の面をいう。「
側面」とは、床面に垂直な面であって、運搬用台車の長手方向端部側の面をいう。
【0020】
(運搬用台車の構成)
本実施の形態による運搬用台車の構成について、
図1乃至
図5を用いて説明する。
図1
は、本実施の形態による運搬用台車が展開状態となっている斜視図である。
図2は、本実
施の形態による運搬用台車を示す斜視図であって、正面パネルのみが折り畳み状態となっ
ている図である。
図3は、本実施の形態による運搬用台車が折り畳み状態となっている斜
視図である。
図4は、台車本体の斜視図である。
図5は、台車本体の部分拡大正面図であ
る。なお、運搬用台車が「展開状態となっている」とは、運搬用台車の各断熱パネルが広
げられており、各断熱パネルが箱状に組み立てられ、複数の断熱パネル間に断熱空間が形
成されている状態をいう。また、運搬用台車が「折り畳み状態となっている」とは、運搬
用台車の各断熱パネルが折り畳まれて、複数の断熱パネル内に断熱空間が形成されていな
い状態をいう。
【0021】
図1乃至
図3に示すように、本実施の形態による運搬用台車10は、台車本体(台車)
50と、台車本体50に対してそれぞれ展開および折り畳み自在に設けられた複数(この
場合は6枚)の断熱パネル11~16とを備えている。このうち複数の断熱パネル11~
16は、展開して箱状に組立てられた展開状態(
図1参照)と、折り畳まれることにより
他の運搬用台車とネスティング可能となる折り畳み状態(
図3参照)をとることができる
。
【0022】
運搬用台車10は、例えば店舗、工場、物流過程等において、保冷または保温が必要な
積載物を保管したり搬送したりする際に使用される。このような運搬用台車10は、積載
物を収納することが可能な収容空間20が6つの断熱パネル11~16によって取り囲ま
れていることにより、運搬用台車10の内部の温度変化が極力抑制されるように構成され
ている。一方、運搬用台車10を使用しない場合には、他の同一の運搬用台車10とネス
ティングする(横方向に隣接する他の運搬用台車10に当該運搬用台車10の一部を重ね
る)ことにより、複数の運搬用台車10をコンパクトに収納しておくことが可能である。
【0023】
次に、
図4を参照して、本実施の形態による台車本体(台車)50の構成について説明
する。
図4に示すように、台車本体50は、第1側枠51と、第2側枠52と、第1側枠
51と第2側枠52とを互いに連結する連結部材53とを有している。この場合、台車本
体50は、6輪の車輪61~66を有し、車輪61~66は、それぞれ連結部材53から
下方に向けて取り付けられている。
【0024】
第1側枠51は、台車本体50の長手方向一端部(X方向マイナス側端部)に設けられ
ており、連結部材53から上方(Z方向プラス側)に向かって突設されている。第1側枠
51は、梯子状に形成されており、上下方向(Z方向)に延びる一対の縦杆55と、一対
の縦杆55の間でそれぞれ水平方向(Y方向)に延びる複数の横桟56とを有している。
複数の横桟56は、上下方向(Z方向)に沿って互いに等しい間隔を空けて配置されてい
るが、これに限らず、互いに不均一な間隔を空けて配置されていても良い。また第1側枠
51の下方には、2輪の車輪61、62が設けられている。
【0025】
一対の縦杆55は、車輪取付フレーム67(後述)には直接連結されず、車輪取付フレ
ーム67から離間している。これにより、ネスティング時に他の運搬用台車10の中央フ
レーム57が縦杆55と干渉しないようになっている。また一方(Y方向プラス側)の縦
杆55の下部には、湾曲部55aが形成されている。これに対して他方(Y方向マイナス
側)の縦杆55は、最も下方に位置する横桟56と直交している。また、最も下方に位置
する横桟56は、四角筒状の中央連結杆54によって車輪取付フレーム67に連結されて
いる。なお、これに限らず、一方(Y方向マイナス側)の縦杆55が車輪取付フレーム6
7に直接連結されていても良い。
【0026】
第2側枠52は、台車本体50の長手方向他端部(X方向プラス側端部)に設けられて
おり、連結部材53から上方(Z方向プラス側)に向かって突設されている。第2側枠5
2の構成は、上述した第1側枠51の構成と略同一であり、第1側枠51と平面視で点対
称となるように構成及び配置されている。第2側枠52の下方には、2輪の車輪65、6
6が設けられている。
【0027】
連結部材53は、平面視略王字状(2つの「E」の字を背中合わせにした形状)であり
、台車本体50の長手方向(X方向)に延びる中央フレーム57と、中央フレーム57に
それぞれ連結された3つの車輪取付フレーム67~69とを有している。
【0028】
中央フレーム57は、台車本体50の幅方向(Y方向)略中央部に位置している。この
中央フレーム57は、運搬用台車10およびその積載物の荷重を保持するのに十分な強度
を有する一方、運搬用台車10同士をネスティングする際の妨げにならない程度の細い幅
を有している。なお、ネスティング時に他の運搬用台車10の車輪取付フレーム67~6
9と干渉しないように、中央フレーム57は、車輪取付フレーム67~69よりも高い位
置に設けられている。
【0029】
3つの車輪取付フレーム67~69は、それぞれ中央フレーム57に直交する方向(Y
方向)に延びている。この車輪取付フレーム67~69は、第1側枠51側に位置する第
1車輪取付フレーム67と、第1側枠51と第2側枠52との間に位置する第2車輪取付
フレーム68と、第2側枠52側に位置する第3車輪取付フレーム69とからなる。
【0030】
第1車輪取付フレーム67と第2車輪取付フレーム68とは、台車本体50の長手方向
(X方向)に間隔を空けて配置されている。また、第2車輪取付フレーム68と第3車輪
取付フレーム69とは、台車本体50の長手方向(X方向)に間隔を空けて配置されてい
る。この場合、第1車輪取付フレーム67と第2車輪取付フレーム68との間隔は、第2
車輪取付フレーム68と第3車輪取付フレーム69との間隔と等しくても良く、異なって
いても良い。
【0031】
第1車輪取付フレーム67は、中央フレーム57の長手方向一端部(X方向マイナス側
端部)に設けられている。第1車輪取付フレーム67の長手方向両端部(Y方向両端部)
には、それぞれ第1車輪61および第2車輪62が取り付けられている。
【0032】
第2車輪取付フレーム68は、中央フレーム57の長手方向中央部(X方向中央部)に
設けられている。第2車輪取付フレーム68の長手方向両端部(Y方向両端部)には、そ
れぞれ第3車輪63および第4車輪64が取り付けられている。第2車輪取付フレーム6
8の幅(X方向の長さ)は、運搬用台車10同士をネスティングする際の妨げにならない
程度に細くなっている。
【0033】
第3車輪取付フレーム69は、中央フレーム57の長手方向他端部(X方向プラス側端
部)に設けられている。第3車輪取付フレーム69の長手方向両端部(Y方向両端部)に
は、それぞれ第5車輪65および第6車輪66が取り付けられている。
【0034】
車輪61~66は、上述したように、第1車輪61、第2車輪62、第3車輪63、第
4車輪64、第5車輪65および第6車輪66から構成されている。このうち第1車輪6
1、第2車輪62、第5車輪65および第6車輪66は、自在輪となっており、それぞれ
水平な車軸に沿って回転するとともに、鉛直方向(Z方向)に延びる旋回軸によって旋回
可能となっている。一方、第3車輪63および第4車輪64は、固定輪となっており、そ
れぞれ水平な車軸に沿って回転する一方、鉛直方向(Z方向)軸周りには旋回不可能とな
っている。
【0035】
なお、車輪61~66は、運搬用台車10に積載物を載せて走行する際には、安定して
直進走行できるように、中央の固定輪(第3車輪63および第4車輪64)と前後いずれ
か一方の自在輪(第1車輪61と第2車輪62、または、第5車輪65と第6車輪66)
の2輪を組み合わせて、接地するようにしても良い。また、運搬用台車10に積載物を載
せない場合には、切り回しやネスティングをしやすくし、小回りが利きやすくするため、
中央の固定輪(第3車輪63および第4車輪64)を接地させずに、前後両方の自在輪(
第1車輪61、第2車輪62、第5車輪65および第6車輪66)のみを接地させるよう
にしても良い。なお、これに限らず、台車本体50は、4輪の車輪61、62、65、6
6を有し、第2車輪取付フレーム68と第3車輪63および第4車輪64とを有していな
くても良い。
【0036】
また、連結部材53上には、折り畳み可能な底板58が設けられている。この底板58
は、略直方体状であり、長手方向(X方向)において第1側枠51と第2側枠52との間
に延び、短手方向(Y方向)において第1側枠51および第2側枠52と略同一の長さを
有している。また、底板58は、運搬用台車10の積載物の荷重を保持するのに十分な強
度を有している。
【0037】
底板58は、連結部材53に対して移動可能であり、連結部材53上に配置される展開
状態(
図1、
図2および
図4参照)と、連結部材53に対して持ち上げられて第2側枠5
2の周囲に折り畳まれた折り畳み状態(
図3参照)とをとることができる。すなわち、断
熱パネル11~16が展開して箱状に組立てられた展開状態(
図1、
図2および
図4参照
)をとる場合、底板58は、水平な展開状態に配置される。一方、複数の断熱パネル11
~16を折り畳んで折り畳み状態(
図3参照)をとる場合、底板58は、垂直に持ち上げ
られて折り畳み状態に配置される。
【0038】
図5に示すように、底板58は、中央連結杆54および縦杆55の内側(X方向マイナ
ス側)に設けられた支点部58aを中心として回動自在となっている。この支点部58a
は、底面パネル16(後述)よりも下方(Z方向マイナス側)に位置している。この場合
、底板58と中央連結杆54または縦杆55とを連結する連結部(支点部58a)の全体
が、断熱パネル11~16の外方に位置している。これにより、連結部が収容空間20(
後述)と外気とに跨がって配置されることがなく、連結部がヒートブリッジとなって収容
空間20の断熱性が低下してしまうことを防止することができる。また、底板58を折り
畳み状態と展開状態との間で移動する間に、連結部(支点部58a)が断熱パネル11~
16に干渉してしまうおそれもない。
【0039】
(断熱パネルの構成)
次に、
図1乃至
図3を参照して、断熱パネル11~16の構成について説明する。
【0040】
断熱パネル11~16は、全体として台車本体50に対して展開および折り畳み自在に
設けられており、上述したように、展開して箱状に組立てられた展開状態(
図1)と、ネ
スティング可能となる折り畳み状態(
図3)とをとることができる。また、
図2は、断熱
パネル11~16のうち正面パネル12のみが折り畳み状態にある場合を示している。
【0041】
図1に示すように、断熱パネル11~16は、展開状態において略直方体形状となるも
のであり、天面パネル11と、正面パネル12と、背面パネル13と、第1側面パネル1
4と、第2側面パネル15と、底面パネル16とを含んでいる。断熱パネル11~16は
、それぞれその主たる面(各断熱パネルを構成する6つの面のうち、最も広い互いに反対
側を向く一対の面)がそれぞれ略長方形形状となっている。また、正面パネル12と背面
パネル13とは、その主たる面が互いに略同一の大きさを有しており、第1側面パネル1
4と第2側面パネル15とは、その主たる面が互いに略同一の大きさを有している。各断
熱パネル11~16は、それぞれ剛性をもつ板状の部材からなり、使用時に柔軟に変形し
ないようになっている。
【0042】
展開状態において、6つの断熱パネル11~16に取り囲まれることにより、積載物を
収容する収容空間20を形成することが可能である。これら各断熱パネル11~16を展
開状態にすると、各断熱パネル11~16の間に略直方体形状の収容空間20が形成され
る。収容空間20は、外部との熱の流入や流出が制限され、断熱性を維持することができ
る。また、6つの断熱パネル11~16の少なくとも一部は、それぞれ隣接する他の断熱
パネル11~16に対して移動可能に設けられている。これにより、運搬用台車10は、
収容空間20が形成されている展開状態から、収容空間20が形成されない折り畳み状態
に変更すること、および折り畳み状態から展開状態に変更することが可能である。このた
め、運搬用台車10を使用しない場合には、断熱パネル11~16を折り畳み状態とする
ことにより、他の運搬用台車10とネスティングすることが可能となる。また展開状態に
おいて、6つの断熱パネル11~16は、それぞれその周縁が他のいずれかの断熱パネル
11~16と密着するようになっており、これにより収容空間20の密閉性が確保されて
いる。
【0043】
6つの断熱パネル11~16は、後述するように、それぞれ真空断熱材41を含む断熱
部40を有する(
図8参照)。なお、本実施の形態では、6つの断熱パネル11~16は
、それぞれ真空断熱材41を含んでいるが、これに限定されるものではない。一部または
全部の断熱パネル11~16は、例えば発泡断熱材等の断熱材を含んでいてもよい。
【0044】
次に、各断熱パネル11~16それぞれの構成について更に説明する。なお、以下にお
いて、「断熱パネル11~16(部分パネル)が所定の面に対して平行(垂直)である」
とは、「断熱パネル11~16(部分パネル)の主たる面が所定の面に対して平行(垂直
)である」ことを意味する。
【0045】
(天面パネル)
天面パネル11は、展開状態(
図1)において、天面側(Z方向プラス側)に位置する
断熱パネルであり、水平面(XY平面)に対して平行に配置される。また、展開状態にお
いて、天面パネル11は、台車本体50の第1側枠51および第2側枠52と、第1側面
パネル14と、正面パネル12との上方に配置される。また天面パネル11は、背面パネ
ル13よりも正面側(Y方向マイナス側)に配置され、第2側面パネル15よりも第1側
面側(X方向マイナス側)に配置される。
【0046】
この天面パネル11は、部分的に開閉可能な構造であり、第1側枠51側に位置する第
1天面部分パネル11aと、第2側枠52側に位置するとともに、第1天面部分パネル1
1aよりも大きい第2天面部分パネル11bと、を有している。このうち第1天面部分パ
ネル11aは、第1側面パネル14に対して折り畳み自在に取り付けられている。また、
第2天面部分パネル11bは、第1天面部分パネル11aに対して折り畳み自在に取り付
けられている。
【0047】
第1天面部分パネル11aと第2天面部分パネル11bとは、展開状態(
図1)におい
て、ともに水平(XY平面に平行)に配置される。一方、折り畳み状態(
図3)において
は、第1天面部分パネル11aは水平に配置される一方、第2天面部分パネル11bは、
下方に向けて折り畳まれ、第1天面部分パネル11aから垂れ下がるように配置される。
このとき、第2天面部分パネル11bは、第1側枠51の内側周囲に配置され、YZ平面
に平行となる。
【0048】
(正面パネル)
正面パネル12は、展開状態(
図1)において、天面パネル11よりも下方かつ底面パ
ネル16よりも上方であって、背面パネル13よりも正面側(Y方向マイナス側)に位置
する断熱パネルであり、水平面(XY平面)に対して垂直(ZX平面に平行)に配置され
る。また、展開状態において、正面パネル12は、第1側面パネル14と第2側面パネル
15との間に配置される。
【0049】
この正面パネル12は、折り畳み可能な構造であり、第1側枠51側に位置する第1正
面部分パネル12aと、中間に位置する第2正面部分パネル12bと、第2側枠52側に
位置する第3正面部分パネル12cとを有している。このうち第1正面部分パネル12a
は、第1側面パネル14に折り畳み自在に取り付けられている。また、第2正面部分パネ
ル12bは、第1正面部分パネル12aに対して折り畳み自在に取り付けられている。さ
らに、第3正面部分パネル12cは、第2正面部分パネル12bに折り畳み自在に取り付
けられている。
【0050】
第1正面部分パネル12aと第2正面部分パネル12bと第3正面部分パネル12cと
は、展開状態(
図1)において、ともに水平面(XY平面)に対して垂直(ZX平面に平
行)に配置される。一方、折り畳み状態(
図3)においては、第1正面部分パネル12a
は、第1側面パネル14の正面側(Y方向マイナス側)に位置する。また、第2正面部分
パネル12bと第3正面部分パネル12cとは、互いに重なるように折り畳まれ、さらに
鉛直軸(Z方向軸)周りに回転して、第1側面パネル14の外側(X方向マイナス側)に
配置される。このとき、第2正面部分パネル12bと第3正面部分パネル12cとは、折
り重なって第1側枠51の外側周囲に配置され、YZ平面に平行となる。
【0051】
このように、折り畳み状態で、第2正面部分パネル12bおよび第3正面部分パネル1
2cを第1側枠51よりも外側(X方向マイナス側)に配置することにより、積載物を収
容する収容空間20を広く確保することができる。また、底板58を第2側枠52側に持
ち上げる際に、第1正面部分パネル12a、第2正面部分パネル12bおよび第3正面部
分パネル12cが移動中の底板58に干渉することを防止している。なお、第1正面部分
パネル12aの幅(X方向の長さ)は、第2正面部分パネル12bおよび第3正面部分パ
ネル12cの幅(X方向の長さ)よりも短く、第2正面部分パネル12bの幅(X方向の
長さ)は、第3正面部分パネル12cの幅(X方向の長さ)と略同一である。また、第2
正面部分パネル12bおよび第3正面部分パネル12cの幅は、第1側枠51の幅(Y方
向の長さ)と略同一、あるいは第1側枠51の幅よりも長くなっている。
【0052】
(背面パネル)
背面パネル13は、展開状態(
図1)において、天面パネル11、正面パネル12、第
1側面パネル14、第2側面パネル15および底面パネル16よりも背面側(Y方向プラ
ス側)に位置する断熱パネルであり、水平面(XY平面)に対して垂直(ZX平面に平行
)に配置される。
【0053】
この背面パネル13は、折り畳み可能な構造であり、第1側枠51側に位置する第1背
面部分パネル13aと、第2側枠52側に位置する第2背面部分パネル13bとを有して
いる。このうち第2背面部分パネル13bは、第1背面部分パネル13aに対して折り畳
み自在に取り付けられている。また、第1背面部分パネル13aは、第1側面パネル14
に固定されている。
【0054】
第1背面部分パネル13aと第2背面部分パネル13bとは、展開状態(
図1)におい
て、ともに水平面(XY平面)に対して垂直(ZX平面に平行)に配置される。一方、折
り畳み状態(
図3)においては、第2背面部分パネル13bは、第1背面部分パネル13
aに重なるように折り畳まれ、第1背面部分パネル13aよりも外側(Y方向プラス側)
に配置される。このとき、第1背面部分パネル13aは、折り畳まれることなく背面側に
残る。すなわち第1背面部分パネル13aは、折り畳み状態においても、展開状態と同様
の位置にあり、水平面(XY平面)に対して垂直(ZX平面に平行)に配置される。また
、第1背面部分パネル13aと第2背面部分パネル13bとは、折り重なって第1側枠5
1に対して垂直に配置され、ZX平面に平行となる。このように、折り畳み状態において
、第2背面部分パネル13bが取り除かれることにより、背面パネル13は開放される。
この背面パネル13が開放された部分は、水平方向(X方向)に所定の幅を有する(
図3
)。なお、第1背面部分パネル13aと第2背面部分パネル13bとの折り畳み方によっ
ては、背面パネル13が水平方向(X方向)全域にわたって開放されても良い。
【0055】
(第1側面パネル)
第1側面パネル14は、展開状態(
図1)および折り畳み状態(
図3)の両方において
第1側枠51側(X方向マイナス側)に位置する断熱パネルであり、水平面(XY平面)
に対して垂直(YZ平面に平行)に配置される。この第1側面パネル14は、一枚の板状
の部材から構成される。また、第1側面パネル14は、展開状態(
図1)および折り畳み
状態(
図3)の両方において、移動することなく、台車本体50の第1側枠51の外側周
囲に配置され、YZ平面に平行となっている。第1側面パネル14は、第1側枠51の外
側全体を覆う程度の大きさとなっている。
【0056】
(第2側面パネル)
第2側面パネル15は、展開状態(
図1)および折り畳み状態(
図3)の両方において
第2側枠52側(X方向プラス側)に位置する断熱パネルであり、水平面(XY平面)に
対して垂直(YZ平面に平行)に配置される。この第2側面パネル15は、一枚の板状の
部材から構成される。また、第2側面パネル15は、展開状態(
図1)および折り畳み状
態(
図3)の両方において、移動することなく、台車本体50の第2側枠52の外側周囲
に配置され、YZ平面に平行となっている。第2側面パネル15は、第2側枠52の外側
全体を覆う程度の大きさとなっている。
【0057】
(底面パネル)
底面パネル16は、展開状態(
図1)において、底面側(Z方向マイナス側)に位置す
る断熱パネルであり、水平面(XY平面)に対して平行に配置される。また、展開状態に
おいて、底面パネル16は、台車本体50の底板58上であって、第1側枠51と第2側
枠52との間に配置される。底面パネル16は、一枚の板状の部材から構成され、持ち上
げることにより折り畳み可能な構造を有する。この底面パネル16は、第1側枠51に対
して折り畳み自在に取り付けられている。
【0058】
底面パネル16は、展開状態(
図1)において、水平面(XY平面)に対して平行に配
置される。一方、折り畳み状態(
図3)において、底面パネル16は、第1側枠51の内
側(X方向プラス側)に重なるように折り畳まれ、第1側枠51の内側周囲に位置する。
すなわち折り畳み状態において、底面パネル16は、水平面(XY平面)に対して垂直(
YZ平面に平行)に配置される。このとき、底面パネル16は、例えば図示しない面ファ
スナーを介して第1側枠51に着脱可能に取り付けられる。
【0059】
図3は、断熱パネル11~16が折り畳み状態にある場合を示している。
図3に示すよ
うに、折り畳み状態において、各断熱パネル11~16の少なくとも一部がそれぞれ第1
側枠51または第2側枠52の周囲に折り畳まれている。
【0060】
すなわち、第1側枠51の周囲には、外側(X方向マイナス側)から順に、第2正面部
分パネル12bと、第3正面部分パネル12cと、第1側面パネル14と、底面パネル1
6と、第2天面部分パネル11bとが重なっている。なお、第1側枠51は、第1側面パ
ネル14と底面パネル16との間に位置する。また、第2側枠52の周囲には、外側(X
方向プラス側)から順に、第2側面パネル15と、底板58とが重なっている。なお、第
2側枠52は、第2側面パネル15と底板58との間に位置する。
【0061】
この場合、第1側枠51および第2側枠52の周囲には、それぞれ第1パネル群G1お
よび第2パネル群G2が形成されている。このうち第1パネル群G1は、第2正面部分パ
ネル12bと、第3正面部分パネル12cと、第1側面パネル14と、第1側枠51と、
底面パネル16と、第2天面部分パネル11bとによって構成される。また、第2パネル
群G2は、第2側面パネル15と、第2側枠52と、底板58とによって構成される。な
お、本実施の形態において、第1パネル群G1(第2パネル群G2)には、各断熱パネル
11~16の全部または一部だけでなく、第1側枠51(第2側枠52)や底板58も含
まれる。
【0062】
各断熱パネル11~16の厚みは、それぞれ例えば5mm以上50mm以下とすること
が好ましい。本実施の形態において、各断熱パネル11~16の厚みが互いに同一である
場合を例にとって説明するが、各断熱パネル11~16の厚みが互いに異なっていても良
い。また、第1側枠51および第2側枠52の厚み(X方向の長さ)は、例えば10mm
以上50mm以下である。
【0063】
(上部棚板の構成)
次に、
図2を参照して、台車本体50に取り付けられる上部棚板71の構成について説
明する。
【0064】
図2に示すように、台車本体50の上部には、平面視略長方形形状の上部棚板71が取
り外し可能に配置されている。この上部棚板71は、平坦な板状の部材からなり、第1側
枠51と第2側枠52との間に架け渡されている。この場合、上部棚板71は、第1側枠
51と第2側枠52に対して取り外し可能に取り付けられている。具体的には、上部棚板
71の一端(X方向マイナス側端部)が第1側枠51の横桟56に着脱可能に係合し、上
部棚板71の他端(X方向プラス側端部)が第2側枠52の横桟56に着脱可能に係合し
ている。
【0065】
この上部棚板71は、上述したように台車本体50の上部であって、第1側枠51およ
び第2側枠52の高さ方向(Z方向)の1/3よりも上方の位置に配置されている。すな
わち
図2において、第1側枠51および第2側枠52の高さをH
aとしたとき、上部棚板
71と第1側枠51および第2側枠52の上端との高さ方向(Z方向)の距離H
bは、H
b<1/3×H
aという関係を満たす。このように、上部棚板71を、第1側枠51およ
び第2側枠52の高さ方向の1/3よりも上方に配置することにより、第1側枠51およ
び第2側枠52の上部が固定される。このため、第1側枠51および第2側枠52の垂直
度にぶれが生じにくくなり、第1側枠51と第2側枠52との間の距離の変動が抑えられ
る。これにより、断熱パネル11~16同士の嵌合性の低下を抑え、収容空間20の気密
性を保持することができる。
【0066】
また、上部棚板71上には、保冷剤72が配置されている。この保冷剤72は、上部棚
板71上に直接配置されていても良く、上部棚板71上に配置されたケース内に収容され
ていても良い。このように台車本体50の上部に保冷剤72を配置することにより、保冷
剤72からの冷気が下降して積載物に送られ、収容空間20の保冷性が高められる。この
ため、上部棚板71と天面パネル11との間には、上下方向(Z方向)に保冷剤72を収
容可能な程度の間隔が空けられていることが好ましい。
【0067】
図2に示すように、上部棚板71よりも下方に、中間棚板73が取り外し可能に配置さ
れている。この中間棚板73には、食品等の積載物が載置される。中間棚板73は、平面
視略長方形形状の平坦な板状の部材からなり、第1側枠51と第2側枠52との間に架け
渡されている。なお、中間棚板73は、上部棚板71と同一の構成を有していても良い。
この場合、中間棚板73と上部棚板71とを共用することができる。なお、中間棚板73
は、複数配置されていても良い。
【0068】
図6(a)-(d)は、上部棚板71と第1側枠51および第2側枠52との各種取付
構造を示す概略図である。
【0069】
図6(a)に示すように、上部棚板71の底面(Z方向マイナス側の面)に少なくとも
一対の突起74を設け、この一対の突起74を横桟56の外側(収容空間20の反対側)
に係合させることにより、第1側枠51および第2側枠52を外側から支持しても良い。
このような構成により、とりわけ、運搬用台車10の移動時に第1側枠51(第1側面パ
ネル14)又は第2側枠52(第2側面パネル15)を引っ張る場合に、第1側枠51と
第2側枠52との間の距離の変動を抑えることができる。なお、図示していないが、上部
棚板71と第1側面パネル14および第2側面パネル15とを当接させ、上部棚板71と
第1側枠51および第2側枠52とのずれを抑制しても良い。
【0070】
図6(b)に示すように、上部棚板71の底面(Z方向マイナス側の面)に少なくとも
一対の突起74を設け、この一対の突起74を横桟56の内側(収容空間20側)に係合
させることにより、第1側枠51および第2側枠52を内側から支持しても良い。このよ
うな構成により、とりわけ、運搬用台車10の移動時に第1側枠51(第1側面パネル1
4)又は第2側枠52(第2側面パネル15)を押す場合に、第1側枠51と第2側枠5
2との間の距離の変動を抑えることができる。なお、図示していないが、上部棚板71と
第1側面パネル14および第2側面パネル15とを当接させ、上部棚板71と第1側枠5
1および第2側枠52とのずれを抑制しても良い。
【0071】
なお、中間棚板73(
図2参照)を設ける場合、上部棚板71および中間棚板73のう
ちの一方が、第1側枠51および第2側枠52を外側から支持し(
図6(a))、他方が
、第1側枠51および第2側枠52を内側から支持しても良い(
図6(b))。この場合
、第1側枠51および第2側枠52の内側および外側への間隔の変動を両方とも抑えるこ
とができる。
【0072】
図6(c)に示すように、上部棚板71の底面(Z方向マイナス側の面)に少なくとも
4つの突起74を設け、この4つの突起74を横桟56の内側および外側に係合させるこ
とにより、第1側枠51および第2側枠52を内側および外側の両方から支持しても良い
。このような構成により、第1側枠51および第2側枠52の内側および外側への間隔の
変動を両方とも抑えることができる。
【0073】
図6(d)に示すように、上部棚板71の底面(Z方向マイナス側の面)に少なくとも
一対の凹部75を設け、この一対の凹部75にそれぞれ横桟56を収容させることにより
、第1側枠51および第2側枠52を内側および外側の両方から支持しても良い。このよ
うな構成により、第1側枠51および第2側枠52の内側および外側への間隔の変動を両
方とも抑えることができる。
【0074】
図7(a)-(c)は、上部棚板71の各種変形例を示す概略斜視図である。
【0075】
図7(a)に示すように、上部棚板71には、メッシュ又は不織布等の複数の貫通孔7
6が形成されていても良い。また、
図7(b)に示すように、上部棚板71には、規則的
又は不規則的に開口する複数の貫通孔77が形成されていても良い。
図7(b)において
、貫通孔77は平面視で四角形形状であるが、これに限らず円形状や、六角形等の多角形
形状としても良い。このように、上部棚板71に貫通孔76、77を設けることにより、
保冷剤72(
図2参照)からの冷気を効率良く下降させ、積載物からの暖気を効率良く上
昇させることができる。
【0076】
また、
図7(c)に示すように、上部棚板71の上面(Z方向プラス側の面)に、1つ
以上の溝78が形成されていても良い。この場合、溝78は、上部棚板71の長手方向(
X方向)の全体にわたり延びている。これにより、上部棚板71上で結露した水滴を上部
棚板71の端部(第1側枠51および第2側枠52付近)に逃がすことができ、積載物に
対して水滴が垂れにくくすることができる。なお、
図7(c)において、貫通孔77は必
ずしも形成されていなくても良い。
【0077】
図示していないが、上部棚板71を、水を溜めることができるとともに通気性がある不
織布等の部材で覆ってもよい。また、中間棚板73(
図2参照)についても、
図7(a)
-(c)に示す各種構造を有するものとしても良い。
【0078】
(断熱パネルの内部構造)
次に、各断熱パネル11~16の構造について説明する。
図8は、各断熱パネル11~
16の断熱部40を示す断面図である。
図9(a)(b)は、断熱部40に含まれる真空
断熱材41を示す断面図である。
【0079】
図8に示すように、各断熱パネル11~16の断熱部40は、真空断熱材41と、発泡
断熱材42と、断熱外囲部43と、断熱材保護部材44と、遮熱シート45とを有してい
る。
【0080】
このうち真空断熱材41は、発泡断熱材42に取り付けられている。この真空断熱材4
1は、芯材41aと、芯材41aの周囲に設けられた外装材41bとから構成されている
。真空断熱材41の収容空間20側(
図8の下方側)には、発泡断熱材42が配置されて
いる。これにより、収容空間20に入れた積載物がぶつかったときに真空断熱材41が破
損する危険性を低減することができる。
【0081】
発泡断熱材42は、真空断熱材41の少なくとも収容空間20側に隣接して配置するこ
とができる。発泡断熱材42には、公知の発泡性の断熱材を用いることができ、例えばポ
リウレタン発泡体およびポリスチレン発泡体の一方または両方であってもよい。
【0082】
断熱外囲部43は、真空断熱材41を取り囲むように形成されている。この断熱外囲部
43は、発泡断熱材42上に配置されており、発泡断熱材42に固定されている。断熱外
囲部43が真空断熱材41を取り囲むように配置されていることにより、断熱外囲部43
が配置されていない場合と比べて、断熱性能が向上する。また、真空断熱材41を発泡断
熱材42と略同一面積とし、断熱外囲部43を用いないパネル構成も可能である。この場
合、より断熱性能の向上が図れるが、断熱外囲部43が無い分、脇からの鋭利なものの侵
入による真空断熱材41の破袋に対しては弱くなる恐れはある。なお、断熱外囲部43と
真空断熱材41との間には若干の隙間が形成されており、真空断熱材41の大きさが多少
変化した場合であっても、真空断熱材41を断熱外囲部43内に収容できるようになって
いる。
【0083】
また、断熱材保護部材44は、断熱外囲部43上に設けられており、主として真空断熱
材41を保護する役割を果たす。この断熱材保護部材44としては、例えば有機高分子製
の保護材を用いることができる。
【0084】
遮熱シート45は、真空断熱材41、発泡断熱材42、断熱外囲部43および断熱材保
護部材44の外周全体を包むように配置されている。この遮熱シート45は、真空断熱材
41と発泡断熱材42との全体を覆って配置することができる。遮熱シート45としては
、例えば金属箔を含む多層シートや、樹脂シートの片面に蒸着層が形成された蒸着シート
等があげられる。
【0085】
次に、真空断熱材41について更に説明する。
図9(a)に示すように、真空断熱材4
1は、芯材41aと、ガスバリア性を有する外装材41bとから構成されており、外装材
41b内を減圧して得られる断熱材である。
図9(b)は、真空断熱材41の他の一例で
ある。
図9(a)では、真空断熱材41の内部の両端に空隙が形成されているが、
図9(
b)では、空隙が形成されていない。空隙は、真空断熱材41の製造方法の違いにより形
成されたり形成されなかったりする。
【0086】
芯材41aは、従来から使用される公知の真空断熱材の芯材に用いられる材料を使用す
ることができ、例えば、シリカ等の粉体、ウレタンポリマー等の発泡体、グラスウール等
の繊維体等の多孔質体を使用してもよい。
【0087】
外装材41bは、芯材41aの外周を覆う部材であり、芯材から熱溶着層、ガスバリア
層が順に積層された可撓性を有するシートを使用してもよい。ガスバリア層は、金属箔、
樹脂シートの片面に蒸着層が形成された蒸着シート等を使用してもよい。金属箔は、例え
ばアルミニウムを使用することができる。蒸着層は、例えば、アルミニウム、アルミニウ
ム酸化物、ケイ素酸化物を使用することができる。
【0088】
(運搬用台車の分解および組立て)
次に、運搬用台車10を分解および組立てする際の作用について説明する。
図10乃至
図12は、運搬用台車10を順番に分解する工程の一部を説明する図である。
【0089】
(運搬用台車の分解)
まず、
図1に示すように、運搬用台車10の6つの断熱パネル11~16が展開して箱
状に組立てられている場合(展開状態)を想定する。このとき、各断熱パネル11~16
の間には、略直方体形状の収容空間20が形成されている。なお、図示しないが、収容空
間20内には、食品等の積載物が収納されていても良い。
【0090】
次に、
図2に示すように、正面パネル12を折り畳むことにより、正面パネル12が展
開状態から折り畳み状態に移行する。
【0091】
この間、まず
図10(a)に示すように、第3正面部分パネル12cが第2正面部分パ
ネル12bに重なるように折り畳まれる。具体的には、第3正面部分パネル12cが、第
3正面ヒンジ部材22cを中心として第2正面部分パネル12bに対して平面視で時計回
りに回転する。
【0092】
続いて、
図10(b)に示すように、第2正面部分パネル12bと第3正面部分パネル
12cとが互いに重なり、この状態で、第2正面ヒンジ部材22bを中心として第1正面
部分パネル12aに対して平面視で時計回りに回転する。
【0093】
その後、
図10(c)に示すように、第2正面部分パネル12bと第3正面部分パネル
12cとが、第1側枠51の外側周囲に移動する。具体的には、第1正面部分パネル12
aが、第1正面ヒンジ部材22aを中心として第1側面パネル14に対して平面視で時計
回りに回転する。この際、第1正面部分パネル12aが、第1側面パネル14に対して正
面側(Y方向マイナス側)に位置し、第2正面部分パネル12bと第3正面部分パネル1
2cとが、第1側枠51に対して外側(X方向マイナス側)に位置する。このようにして
、正面パネル12が折り畳み状態となり、運搬用台車10の正面側が水平方向(X方向)
に開放される(
図2参照)。なお、収容空間20内に積載物が収納されている場合には、
この状態で正面側から積載物を外部に取り出す。
【0094】
続いて、第1側枠51および第2側枠52から上部棚板71(
図2参照)を取り外す。
具体的には、上部棚板71の一端(X方向マイナス側端部)を第1側枠51の横桟56か
ら取り外し、上部棚板71の他端(X方向プラス側端部)を第2側枠52の横桟56から
取り外す。また、中間棚板73(
図2参照)が設けられている場合、第1側枠51および
第2側枠52から中間棚板73を取り外す。上部棚板71および中間棚板73は、運搬用
台車10の外部で保管される。
【0095】
次に、底面パネル16を折り畳むことにより、底面パネル16が展開状態から折り畳み
状態に移行する(
図3参照)。このとき、底面パネル16を、第1側枠51に対して正面
視で反時計回りに回転させる。これにより、底面パネル16は、第1側枠51の内側(X
方向プラス側)に重なるように折り畳まれ、第1側枠51の内側周囲に位置する。すなわ
ち底面パネル16は、水平面(XY平面)に対して垂直(YZ平面に平行)に配置される
。この場合、底面パネル16は、図示しない面ファスナーによって第1側枠51に取り付
けられる。
【0096】
次いで、底板58を折り畳むことにより、底板58が展開状態から折り畳み状態に移行
する(
図3参照)。この間、底板58は、第2側枠52に対して正面視で時計回りに回転
し、第2側枠52の内側(X方向マイナス側)に重なるように折り畳まれて、第2側枠5
2の内側周囲に位置する。すなわち底板58は、水平面(XY平面)に対して垂直(YZ
平面に平行)に配置される。この場合、底板58は、図示しない固定手段により第2側枠
52に取り付けられる。
【0097】
続いて、
図11(a)-(c)に示すように、天面パネル11を折り畳むことにより、
天面パネル11が展開状態から折り畳み状態となる。
【0098】
この間、まず
図11(a)(b)に示すように、第1天面部分パネル11aが、第1天
面ヒンジ部材21cを中心として第1側面パネル14に対して正面視で反時計回りに回転
し、第2天面部分パネル11bが、第2天面ヒンジ部材21dを中心として第1天面部分
パネル11aに対して正面視で時計回りに回転する。
【0099】
続いて、
図11(c)に示すように、第2天面部分パネル11bが、第1側枠51の内
側周囲に移動する。具体的には、第1天面部分パネル11aが、第1天面ヒンジ部材21
cを中心として第1側面パネル14に対して正面視で時計回りに回転し、第2天面部分パ
ネル11bが、第2天面ヒンジ部材21dを中心として第1天面部分パネル11aに対し
て正面視で時計回りに回転する。これにより、第2天面部分パネル11bは、下方に向け
て折り畳まれ、第1天面部分パネル11aから垂れ下がるように配置される。このとき、
第2天面部分パネル11bは、第1側枠51の内側周囲であって、底面パネル16に対し
て内側(X方向プラス側)に配置される。
【0100】
次に、
図12(a)(b)に示すように、背面パネル13を折り畳むことにより、背面
パネル13が展開状態から折り畳み状態となる。
【0101】
この間、まず
図12(a)(b)に示すように、第2背面部分パネル13bが、第1背
面ヒンジ部材23aを中心として第1背面部分パネル13aに対して平面視で反時計回り
に回転する。これにより、第2背面部分パネル13bは、第1背面部分パネル13aに重
なるように折り畳まれ、第1背面部分パネル13aの外側(Y方向プラス側)に配置され
る。一方、第1背面部分パネル13aは、折り畳み状態においても展開状態と同一の位置
を維持する。
【0102】
このようにして、運搬用台車10の6つの断熱パネル11~16が、全て折り畳み状態
となる。以上のように、運搬用台車10を使用しない場合には、断熱パネル11~16を
折り畳み、できる限り全体の体積を小さくして保管、輸送することができる。
【0103】
(運搬用台車の組立)
運搬用台車10の組立方法は、上述した分解方法の逆の順に行うことによってできる。
【0104】
すなわち、まず、
図12(a)(b)の逆作業から開始する。すなわち、背面パネル1
3を折り畳み状態から展開状態とする。次いで、
図11(a)-(c)の逆作業を行う。
すなわち、天面パネル11を折り畳み状態から展開状態とする。次に、底板58および底
面パネル16を折り畳み状態から展開状態とする。その後、第1側枠51および第2側枠
52に上部棚板71および中間棚板73をそれぞれ取り付ける。最後に、
図10(a)-
(c)の逆作業として、正面パネル12を折り畳み状態から展開状態とすることにより、
組立作業が完了する。
【0105】
このようにして運搬用台車10の6つの断熱パネル11~16が展開状態となった場合
、各断熱パネル11~16の間には略直方体形状の収容空間20が形成される(
図1参照
)。とりわけ各断熱パネル11~16が断熱材で構成されているため、収容空間20が断
熱空間となって、外気との熱伝達が遮断される。
【0106】
このように本実施の形態によれば、第1側枠51および第2側枠52の高さ方向の1/
3よりも上方の位置に、上部棚板71が取り外し可能に配置されている。この場合、上部
棚板71によって第1側枠51の上部と第2側枠52の上部とが連結されているので、第
1側枠51および第2側枠52に歪みが生じにくい。これにより、第1側枠51と第2側
枠52との間の距離の変動が抑えられ、断熱パネル11~16同士の嵌合性が低下するこ
とを抑えることができる。この結果、収容空間20の気密性を保持することができる。ま
た、運搬用台車10を引っ張る際、断熱パネル11~16同士の嵌合性が損なわれるよう
な力が働く。これに対して本実施の形態によれば、この力を中央連結杆54だけでなく、
上部棚板71によっても分散できるため、運搬用台車10の移動中に断熱パネル11~1
6同士の嵌合性が低下しにくい。
【0107】
また、本実施の形態によれば、上部棚板71は、第1側枠51および第2側枠52に対
して取り外し可能に取り付けられている。これにより、上部棚板71によって第1側枠5
1と第2側枠52との間の距離の変動を抑制することができる。
【0108】
また、本実施の形態によれば、複数の断熱パネル11~16は、展開して箱状に組立て
られた展開状態と、他の運搬用台車10とネスティング可能となる折り畳み状態とをとる
ことができる。これにより、断熱パネル11~16を展開状態にすることにより、断熱パ
ネル11~16の内部に積載物を収納可能かつ気密性の高い収容空間20を形成すること
ができる。一方、運搬用台車10を使用しない場合には、断熱パネル11~16を折り畳
み状態にすることにより、他の同一の運搬用台車10とネスティングしてこれらの運搬用
台車10をコンパクトに保管しておくことができる。このように、断熱パネル11~16
の折り畳み作業および組み立て作業を容易に行うことができる。
【0109】
また、本実施の形態によれば、上部棚板71よりも下方の位置に、中間棚板73が取り
外し可能に配置されているので、中間棚板73に積載物を載置することができる。また、
上部棚板71および中間棚板73を取り外すことにより、複数の運搬用台車10をネステ
ィングすることが可能となる。
【0110】
また、本実施の形態によれば、正面パネル12が開放可能となっているので、正面パネ
ル12側から積載物や保冷剤72を出し入れしたり、上部棚板71や中間棚板73を着脱
する作業を行ったりすることができる。
【0111】
また、本実施の形態によれば、上部棚板71上に保冷剤72が配置されているので、保
冷剤72からの冷気を下方の積載物に向けて送ることができる。また、保冷剤72を上部
棚板71に設置するので、断熱パネル11~16側に保冷剤72を収容するための保冷剤
ポケット等を取り付ける必要が生じない。
【0112】
(変形例)
次に、
図13乃至
図15を参照して、運搬用台車の変形例について説明する。
図13乃
至
図15は、運搬用台車の各変形例を示す図である。
図13乃至
図15において、
図1乃
至
図12に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0113】
(変形例1)
図13は、変形例1による運搬用台車10の一部を示している。
図13において、天面
パネル11は、観音開き状の一対の天面部分パネル11c、11dを有している。天面部
分パネル11c、11dは、互いに略同一の形状を有し、それぞれ第1側面パネル14お
よび第2側面パネル15の上端を中心として回動自在となっている。この場合、天面部分
パネル11c、11dを開放することにより、上部棚板71上の保冷剤72を天面側から
交換および補充することができる。なお、図示しないが、天面パネル11に小窓を設け、
この小窓から保冷剤72を交換および補充するようにしても良い。
【0114】
(変形例2)
図14は、変形例2による運搬用台車10を示す図であり、正面パネル12側のみが開
放された状態を示している。
図14において、上部棚板71Aは、第1側面パネル14お
よび第2側面パネル15に対して取り外し可能に取り付けられている。具体的には、上部
棚板71Aの一端(X方向マイナス側端部)が第1側面パネル14に着脱可能に取り付け
られ、上部棚板71Aの他端(X方向プラス側端部)が第2側面パネル15に着脱可能に
取り付けられている。この上部棚板71Aは、第1側枠51および第2側枠52の高さ方
向(Z方向)の1/3よりも上方の位置に配置されている。なお、上部棚板71Aと第1
側面パネル14および第2側面パネル15とは、図示しない面ファスナー等の着脱部材に
より取り付けられていても良い。
【0115】
図14において、第1側面パネル14および第2側面パネル15は、それぞれ第1側枠
51および第2側枠52の内側に配置されている。また、第1側面パネル14および第2
側面パネル15は、それぞれ第1側枠51および第2側枠52に固定されている。これに
より、第1側枠51および第2側枠52の上部が固定されるため、第1側枠51および第
2側枠52の垂直度にぶれが生じにくくなり、第1側枠51と第2側枠52との間の距離
の変動が抑えられる。この結果、断熱パネル11~16同士の嵌合性が低下しにくくなり
、収容空間20の気密性が保持される。
【0116】
(変形例3)
図15は、変形例3による運搬用台車10を示す図であり、正面パネル12側のみが開
放された状態を示している。
図15において、上部棚板71Bは、第1側面パネル14お
よび第2側面パネル15に対して取り外し可能に取り付けられている。具体的には、上部
棚板71Bの一端(X方向マイナス側端部)が第1側面パネル14に着脱可能に取り付け
られ、上部棚板71Bの他端(X方向プラス側端部)が第2側面パネル15に着脱可能に
取り付けられている。この上部棚板71Bは、第1側枠51および第2側枠52の高さ方
向(Z方向)の1/3よりも上方の位置に配置されている。なお、上部棚板71Bと第1
側面パネル14および第2側面パネル15とは、図示しない面ファスナー等の着脱部材に
より取り付けられていても良い。
【0117】
図15において、第1側面パネル14および第2側面パネル15は、それぞれ第1側枠
51および第2側枠52の外側に配置されている。このため、上部棚板71Bは、第1側
枠51および第2側枠52の横桟56同士の間をX方向に通過している。また、第1側面
パネル14および第2側面パネル15は、それぞれ第1側枠51および第2側枠52に固
定されている。これにより、第1側枠51および第2側枠52の上部が固定されるため、
第1側枠51および第2側枠52の垂直度にぶれが生じにくくなり、第1側枠51と第2
側枠52との間の距離の変動が抑えられる。この結果、断熱パネル11~16同士の嵌合
性が低下しにくくなり、収容空間20の気密性が保持される。また、上部棚板71Bを必
ずしも横桟56の位置に合わせる必要がないので、上部棚板71Bの高さ方向(Z方向)
の位置調整を行いやすくすることができる。
【0118】
上記実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合
せることも可能である。あるいは、上記実施の形態および変形例に示される全構成要素か
ら幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0119】
10 運搬用台車
11 天面パネル
12 正面パネル
13 背面パネル
14 第1側面パネル
15 第2側面パネル
16 底面パネル
20 収容空間
50 台車本体
51 第1側枠
52 第2側枠
53 連結部材
54 中央連結杆
55 縦杆
56 横桟
57 中央フレーム
58 底板
71 上部棚板
72 保冷剤
73 中間棚板