(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175851
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】燃料電池用加湿器
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04119 20160101AFI20231205BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20231205BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20231205BHJP
【FI】
H01M8/04119
H01M8/04 N
H01M8/10 101
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023158406
(22)【出願日】2023-09-22
(62)【分割の表示】P 2022521543の分割
【原出願日】2020-11-27
(31)【優先権主張番号】10-2019-0156903
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0157111
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0157214
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518215493
【氏名又は名称】コーロン インダストリーズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】キム ドウ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ヒョンモ
(72)【発明者】
【氏名】キム インホ
(72)【発明者】
【氏名】アン ナヒョン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】キャスティング工程を用いた樹脂層の形成によって加湿器の生産性が低下することを防止できる燃料電池用加湿器を提供する。
【解決手段】本発明は、燃料電池スタックから排出された湿潤気体を用いて、外部から供給された乾燥気体を加湿するための加湿モジュール、及び、前記加湿モジュールの一端に結合している第1キャップを含み、前記加湿モジュールは、ミッドケース、及び、前記ミッドケース内に配置され、複数の中空糸膜を収容する少なくとも一つのカートリッジ、を含み、燃料電池用加湿器は、前記第1キャップが前記中空糸膜のみと流体連通可能なように、機械的組立によって前記加湿モジュールの少なくとも一端に気密に結合する(Air tightly coupled)第1パッキング部材をさらに含み、前記第1パッキング部材は、乾燥気体と湿潤気体の少なくとも一方の圧力を用いて前記カートリッジに密着される燃料電池用加湿器に関する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池スタックから排出された湿潤気体を用いて、外部から供給された乾燥気体を加湿するための加湿モジュール;及び
前記加湿モジュールの一端に結合している第1キャップを含み、
前記加湿モジュールは、ミッドケース;及び、前記ミッドケース内に配置され、複数の中空糸膜を収容する少なくとも一つのカートリッジ;を含み、
燃料電池用加湿器は、前記第1キャップが前記中空糸膜のみと流体連通可能なように、機械的組立によって前記加湿モジュールの少なくとも一端に気密に結合する(Air tightly coupled)第1パッキング部材をさらに含み、
前記第1パッキング部材は、乾燥気体と湿潤気体の少なくとも一方の圧力を用いて前記カートリッジに密着され、
前記第1パッキング部材は、前記ミッドケースの内部側に向くように配置された第1内側面、前記ミッドケースの内部に位置している湿潤気体を収容するように前記第1内側面に形成された第1内側溝、及び前記第1内側溝と前記カートリッジとの間で前記カートリッジに接触している第1内側部材を含み、
前記第1内側部材は、前記第1内側溝に収容された湿潤気体の圧力によって前記カートリッジ側に圧縮され、前記カートリッジに密着されることを特徴とする、燃料電池用加湿器。
【請求項2】
前記第1パッキング部材は、前記第1キャップ側に向くように配置された第1外側面、前記第1キャップと前記カートリッジとの間に位置している乾燥気体を収容するように前記第1外側面に形成された第1外側溝、及び前記第1外側溝と前記カートリッジとの間で前記カートリッジに接触している第1外側部材を含み、
前記第1外側部材は、前記第1外側溝に収容された乾燥気体の圧力によって前記カートリッジ側に圧縮され、前記カートリッジに密着されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池用加湿器。
【請求項3】
前記第1パッキング部材は、前記第1外側溝と前記ミッドケースとの間で前記ミッドケースに接触している第1外側突起を含み、
前記第1外側突起は、前記第1外側溝に収容された乾燥気体の圧力によって前記ミッドケース側に圧縮され、前記ミッドケースに密着されることを特徴とする、請求項2に記載の燃料電池用加湿器。
【請求項4】
前記第1パッキング部材は、前記第1内側溝と前記ミッドケースとの間で前記ミッドケースに接触している第1内側突起を含み、
前記第1内側突起は、前記第1内側溝に収容された湿潤気体の圧力によって前記ミッドケース側に圧縮され、前記ミッドケースに密着されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池用加湿器。
【請求項5】
前記第1パッキング部材は、前記ミッドケース側に延長された延長部材、
前記延長部材に形成された係合溝、及び
前記係合溝に挿入されたミッドケースの外側に配置された係止部材を含むことを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池用加湿器。
【請求項6】
前記第1キャップは、前記延長部材を前記ミッドケース側に圧迫する第1圧迫部材を含むことを特徴とする、請求項5に記載の燃料電池用加湿器。
【請求項7】
前記ミッドケースには前記カートリッジが複数個結合しており、
前記加湿モジュールは、前記カートリッジの間に配置されて前記カートリッジの間を密閉させる第2パッキング部材を含むことを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池用加湿器。
【請求項8】
前記第2パッキング部材は、前記第1キャップ側に向くように配置された第2外側面、前記第2外側面に形成された第2外側溝、及び前記第2外側溝と前記カートリッジとの間で前記カートリッジのそれぞれに接触している複数の第2外側部材を含み、
前記第2外側部材は、前記第2外側溝に収容された乾燥気体の圧力によって前記カートリッジ側に圧縮され、前記カートリッジのそれぞれに密着されることを特徴とする、請求項7に記載の燃料電池用加湿器。
【請求項9】
前記第2パッキング部材は、前記ミッドケースの内部側に向くように配置された第2内側面、前記第2内側面に形成された第2内側溝、及び前記第2内側溝と前記カートリッジとの間で前記カートリッジのそれぞれに接触している複数の第2内側部材を含み、
前記第2内側部材は、前記第2内側溝に収容された湿潤気体の圧力によって前記カートリッジ側に圧縮され、前記カートリッジのそれぞれに密着されることを特徴とする、請求項7又は8に記載の燃料電池用加湿器。
【請求項10】
前記第1パッキング部材と前記第2パッキング部材は一体に形成されていることを特徴とする、請求項7に記載の燃料電池用加湿器。
【請求項11】
前記第1パッキング部材は、前記第1キャップと前記カートリッジとの間に位置している乾燥気体を収容する第1外側溝、前記第1外側溝に収容された乾燥気体の圧力によって前記カートリッジ側に圧縮されて前記カートリッジに密着される第1外側部材、前記第1外側溝と前記ミッドケースとの間に配置された第1外側突起、及び前記第1外側突起から前記ミッドケース側に延長された延長部材を含み、
前記第1キャップは、前記延長部材を前記ミッドケース側に圧迫する第1圧迫部材、及び前記第1圧迫部材から突出している第1圧迫突起を含み、
前記第1圧迫突起は、前記延長部材を前記ミッドケース側に圧縮させて前記延長部材を前記ミッドケースに密着させることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池用加湿器。
【請求項12】
前記第1パッキング部材は、前記第1キャップと前記カートリッジとの間に位置している乾燥気体を収容する第1外側溝、及び前記第1外側溝が形成された第1パッキング本体を含み、
前記第1キャップは、前記第1外側溝に挿入されて前記第1パッキング本体を支持する第1支持部材を含むことを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池用加湿器。
【請求項13】
前記カートリッジは、前記中空糸膜の一側を固定する第1ポッティング部、及び前記第1ポッティング部に結合している第1サポートを含み、
前記第1パッキング部材は、前記第1キャップと前記カートリッジとの間に位置している乾燥気体を収容する第1外側溝、前記第1外側溝に収容された乾燥気体の圧力によって前記カートリッジ側に圧縮されて前記カートリッジに密着される第1外側部材、及び前記第1外側溝が形成された第1パッキング本体を含み、
前記第1パッキング本体は、前記ミッドケースと前記第1サポートとの間に締まりばめ(Interference Fit)されつつ圧縮されて前記第1サポートに密着され、
前記第1外側部材は、前記第1外側溝に収容された乾燥気体の圧力によって圧縮されて前記第1ポッティング部に密着されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池用加湿器。
【請求項14】
前記カートリッジは、前記中空糸膜の一側を固定する第1ポッティング部、及び前記第1ポッティング部に結合している第1サポートを含み、
前記第1パッキング部材は、前記第1キャップと前記カートリッジとの間に位置している乾燥気体を収容する第1外側溝、前記第1外側溝に収容された乾燥気体の圧力によって前記カートリッジ側に圧縮されて前記カートリッジに密着される第1外側部材、及び前記第1外側溝が形成された第1パッキング本体を含み、
前記第1パッキング本体と前記第1外側部材は、前記ミッドケースと前記第1サポート間に締まりばめされつつ圧縮されて前記第1サポートに密着されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池用加湿器。
【請求項15】
前記第1サポートは、前記第1パッキング部材に比べてより大きい剛性を有する材質で形成されたことを特徴とする、請求項13又は14に記載の燃料電池用加湿器。
【請求項16】
前記カートリッジは、前記中空糸膜を固定する第1ポッティング部を含み、
前記第1パッキング部材は、前記ミッドケースの内壁、前記カートリッジの外壁、及び前記第1ポッティング部にそれぞれ接触することを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池用加湿器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加湿された気体を燃料電池に供給するための燃料電池用加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、乾電池や蓄電池などの一般化学電池とは違い、水素と酸素が供給される限りは電気を生産し続けることができ、熱損失がないので、内燃機関に比べて効率が2倍程高いという長所がある。
【0003】
また、水素と酸素の結合によって発生する化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換するので、公害物質の排出が少ない。したがって、燃料電池は環境にやさしい他、エネルギー消費の増加による資源枯渇の心配も減らすことができるという長所がある。
【0004】
このような燃料電池は、使用される電解質の種類によって、大きく、高分子電解質型燃料電池(Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell:PEMFC)、リン酸型燃料電池(Phosphoric Acid Fuel Cell:PAFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(Molten Carbonate Fuel Cell:MCFC)、固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)、及びアルカリ型燃料電池(Alkaline Fuel Cell:AFC)などに分類できる。
【0005】
これらの各燃料電池は、根本的に同一原理によって作動するが、使用される燃料の種類、運転温度、触媒、電解質などが互いに異なる。特に、高分子電解質型燃料電池(PEMFC)は、他の燃料電池に比べて低温で動作するという点、及び出力密度が大きいため小型化が可能な点から、小規模据置型発電装備の他に輸送システムにおいても最も有望なものと知られている。
【0006】
高分子電解質型燃料電池(PEMFC)の性能を向上させる上で最も重要な要素の一つは、膜-電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)の高分子電解質膜(Polymer Electrolyte Membrane又はProton Exchange Membrane:PEM)に一定量以上の水分を供給することによって含水率を保たせることである。高分子電解質膜が乾燥すると発電効率が急に低下するためである。
【0007】
高分子電解質膜を加湿する方法には、1)耐圧容器に水を満たした後、対象気体を拡散器(diffuser)に通過させて水分を供給するバブラー(bubbler)加湿方式、2)燃料電池反応に必要な供給水分量を計算し、ソレノイド弁を通じてガス流動管に水分を直接供給する直接噴射(direct injection)方式、及び3)高分子分離膜を用いてガスの流動層に水分を供給する加湿膜方式などがある。
【0008】
これらの中でも、排ガス中に含まれる水蒸気だけを選択的に透過させる膜を用いて、高分子電解質膜に供給される空気に水蒸気を提供することによって高分子電解質膜を加湿する膜加湿方式が、加湿器を軽量化及び小型化できるという点で有利である。
【0009】
膜加湿方式に用いられる選択的透過膜は、モジュールを形成する場合に単位体積当たりの透過面積が大きい中空糸膜が好ましい。すなわち、中空糸膜を用いて加湿器を製造すると、接触表面積の広い中空糸膜を高集積化できるので、小容量でも燃料電池の加湿が十分となり、低価素材の使用が可能であり、燃料電池から排出される高温の排ガス(off-gas)中の水分と熱を回収し、加湿器を用いて再使用できるという利点がある。
【0010】
図1は、通常の燃料電池用加湿器の概略分解斜視図である。
【0011】
図1に例示すように、通常の膜加湿方式の加湿器100は、外部から供給される空気と燃料電池スタック(図示せず)から排出される排ガスとの間に水分取替が起きる加湿モジュール110、及び該加湿モジュール110の両端に結合しているギャップ120を含む。
【0012】
これらのギャップ120のいずれか一方は、外部から供給される空気を前記加湿モジュール110に伝達し、他方は、前記加湿モジュール110によって加湿された空気を燃料電池スタックに伝達する。
【0013】
前記加湿モジュール110は、排ガス流入口(off-gas inlet)111aと排ガス流出口(off-gas outlet)111bを有するミッドケース(mid-case)111、及び該ミッドケース111内の複数の中空糸膜112を含む。これらの中空糸膜112の束の両端は、固定層113にポットされている。前記固定層113は、一般に、キャスティング(casting)方式で液状ポリウレタン樹脂のような液状ポリマーを硬化させることによって形成される。
【0014】
外部から供給される空気は、前記中空糸膜112の中空に沿って流れる。前記排ガス流入口111aから前記ミッドケース111内に流入した排ガスは、前記中空糸膜112の外表面と接触した後、前記排ガス流出口111bを通って前記ミッドケース111から排出される。前記排ガスが前記中空糸膜112の外表面と接触する際に、前記排ガス中に含有されている水分が前記中空糸膜112を透過することにより、前記中空糸膜112の中空に沿って流れている空気を加湿する。
【0015】
前記ギャップ120の内部空間は、前記中空糸膜112の中空のみと流体連通するだけで、前記ミッドケース111の内部空間とは完全に遮断されている必要がある。そうでないと、圧力差による空気漏れが発生してしまい、燃料電池スタックに供給される加湿空気の量が減り、燃料電池の発電効率が低下する。
【0016】
一般に、
図1に例示するように、前記中空糸膜112の末端がポットされている固定層113、及び該固定層113と前記ミッドケース111との間の樹脂層114が、前記ギャップ120の内部空間を前記ミッドケース111の内部空間から遮断する。前記固定層113と類似に、前記樹脂層114も、一般に、キャスティング方式で液状ポリウレタン樹脂のような液状ポリマーを硬化させることによって形成される。
【0017】
しかしながら、前記樹脂層114の形成のためのキャスティング工程は、相対的に長い工程時間がかかるため、加湿器100の生産性を低下させる問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、上述したような問題を解決するために案出されたもので、キャスティング工程を用いた樹脂層の形成によって加湿器の生産性が低下することを防止できる燃料電池用加湿器を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記のような課題を解決するために、本発明は次のような構成を含むことができる。
【0020】
本発明に係る燃料電池用加湿器は、燃料電池スタックから排出された湿潤気体を用いて、外部から供給された乾燥気体を加湿するための加湿モジュール;及び、前記加湿モジュールの一端に結合している第1キャップを含むことができる。前記加湿モジュールは、ミッドケース;及び、前記ミッドケース内に配置され、複数の中空糸膜を収容する少なくとも一つのカートリッジ;を含むことができる。本発明に係る燃料電池用加湿器は、前記第1キャップが前記中空糸膜のみと流体連通可能なように、機械的組立によって前記加湿モジュールの少なくとも一端に気密に結合する(Air tightly coupled)第1パッキング部材をさらに含むことができる。前記第1パッキング部材は、乾燥気体と湿潤気体の少なくとも一方の圧力を用いて前記カートリッジに密着されてよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、キャップの内部空間とミッドケースの内部空間を密閉させるためのキャスティング工程が省略可能なように具現される。したがって、本発明は、生産のための工程時間の短縮によって生産性を増大させることができる。
【0022】
本発明は、乾燥気体と湿潤気体の少なくとも一方の圧力を用いて密閉力を強化させることができる。また、本発明は、追加の構成なしで密閉力を強化できるので、密閉力を強化させるための費用を下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】通常の燃料電池用加湿器の概略分解斜視図である。
【0024】
【
図2】本発明に係る燃料電池用加湿器の概略分解斜視図である。
【0025】
【
図3】本発明に係る燃料電池用加湿器を
図2のI-I線を基準にして示す概略分解断面図である。
【0026】
【
図4】本発明に係る燃料電池用加湿器を
図2のI-I線を基準にして示す概略結合断面図である。
【0027】
【
図5】
図4のA部分を拡大して示す概略断面図である。
【0028】
【
図6】
図2のI-I線を基準にして第1パッキング部材を拡大して示す概略断面図である。
【
図7】
図2のI-I線を基準にして第1パッキング部材を拡大して示す概略断面図である。
【
図8】
図2のI-I線を基準にして第1パッキング部材を拡大して示す概略断面図である。
【
図9】
図2のI-I線を基準にして第1パッキング部材を拡大して示す概略断面図である。
【0029】
【
図10】本発明に係る燃料電池用加湿器においてミッドケースに2個のカートリッジが結合する実施例の概略分解斜視図である。
【0030】
【
図11】
図10のII-II線を基準にして第1パッキング部材を拡大して示す概略断面図である。
【0031】
【
図12】
図10のII-II線を基準にして、第1パッキング部材と第2パッキング部材がミッドケースとカートリッジに結合している様子を拡大して示す概略断面図である。
【
図13】
図10のII-II線を基準にして、第1パッキング部材と第2パッキング部材がミッドケースとカートリッジに結合している様子を拡大して示す概略断面図である。
【0032】
【
図14】本発明に係る燃料電池用加湿器においてミッドケースに3個のカートリッジが結合する実施例の概略分解斜視図である。
【0033】
【
図15】
図4のA部分を拡大して示す概略断面図である。
【0034】
【
図16】
図2のI-I線を基準にして第1パッキング部材を拡大して示す概略断面図である。
【
図17】
図2のI-I線を基準にして第1パッキング部材を拡大して示す概略断面図である。
【
図18】
図2のI-I線を基準にして第1パッキング部材を拡大して示す概略断面図である。
【0035】
【
図19】
図10のII-II線を基準にして、第1パッキング部材と第2パッキング部材がミッドケースとカートリッジに結合している様子を拡大して示す概略断面図である。
【0036】
【
図20】
図4のA部分を拡大して示す概略断面図である。
【
図21】
図4のA部分を拡大して示す概略断面図である。
【0037】
【
図22】
図10のII-II線を基準にして、第1パッキング部材と第2パッキング部材がミッドケースとカートリッジに結合している様子を拡大して示す概略断面図である。
【
図23】
図10のII-II線を基準にして、第1パッキング部材と第2パッキング部材がミッドケースとカートリッジに結合している様子を拡大して示す概略断面図である。
【
図24】
図10のII-II線を基準にして、第1パッキング部材と第2パッキング部材がミッドケースとカートリッジに結合している様子を拡大して示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下では、本発明に係る燃料電池用加湿器の実施例を、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0039】
図2~
図4を参照すると、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、燃料電池スタックから排出された湿潤気体を用いて、外部から供給された乾燥気体を加湿するためのものである。乾燥気体は、燃料ガス又は空気であってよい。
【0040】
本発明に係る燃料電池用加湿器1は、乾燥気体の加湿のための加湿モジュール2、及び前記加湿モジュール2の一端に結合している第1キャップ3を含む。前記加湿モジュール2は、複数の中空糸膜211が結合しているカートリッジ(Cartridge)21、前記カートリッジ21が結合しているミッドケース(Mid-case)22、及び前記カートリッジ21と前記ミッドケース22との間に配置され、前記カートリッジ21と前記ミッドケース22間を密閉させる第1パッキング部材23を含む。前記第1パッキング部材23は、キャスティング(casting)工程無しで、結合によって前記カートリッジ21と前記ミッドケース22間を密閉させることができる。これにより、前記第1パッキング部材23は、前記第1キャップ3の内部空間と前記ミッドケース22の内部空間を密閉させることができる。したがって、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、相対的に長い工程時間がかかるキャスティング工程が省略できるので、生産のための工程時間の短縮によって生産性を増大させることができる。
【0041】
以下では、前記加湿モジュール2及び前記第1キャップ3について、添付の図面を参照して具体的に説明する。
【0042】
図2~
図4を参照すると、前記加湿モジュール2は、燃料電池スタックから排出された湿潤気体を用いて、外部から供給された乾燥気体を加湿する。前記加湿モジュール2の一端には前記第1キャップ3が結合してよい。前記加湿モジュール2の他端には第2キャップ4が結合してよい。前記第1キャップ3は、外部から供給される乾燥気体を前記加湿モジュール2に伝達することができる。前記第2キャップ4は、前記加湿モジュール2によって加湿された乾燥気体を、前記燃料電池スタックに伝達することができる。前記第2キャップ4が、外部から供給される乾燥気体を前記加湿モジュール2に伝達し、前記第1キャップ3が、前記加湿モジュール2によって加湿された乾燥気体を前記燃料電池スタックに伝達することもできる。
【0043】
前記加湿モジュール2は、前記カートリッジ21、前記ミッドケース22、及び前記第1パッキング部材23を含む。
【0044】
前記カートリッジ21は、前記中空糸膜211を複数個含む。前記中空糸膜211は、前記カートリッジ21として具現され、モジュール化されてよい。これにより、前記カートリッジ21を前記ミッドケース22に結合させる工程により、前記中空糸膜211は前記ミッドケース22の内部に設置されてよい。したがって、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記中空糸膜211に対する設置作業、分離作業、及び取替作業の容易性を向上させることができる。前記カートリッジ21は、前記中空糸膜211を収容するインナーケース(Inner case)210を含むことができる。前記中空糸膜211は、前記インナーケース210の内部に配置されてモジュール化されてよい。前記中空糸膜211は、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、スルホン化ポリスルホン樹脂、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、又はこれらのうち2以上の混合物で形成された高分子膜を含むことができる。
【0045】
前記カートリッジ21は、第1ポッティング部212を含むことができる。前記第1ポッティング部212は、前記中空糸膜211を固定させるものである。前記第1ポッティング部212は、前記中空糸膜211の一側を固定させることができる。この場合、前記第1ポッティング部212は、前記中空糸膜211の中空を塞がないように形成されてよい。前記第1ポッティング部212は、キャスティング工程により、液状ポリウレタン樹脂のような液状樹脂を硬化させることによって形成されてよい。前記第1ポッティング部212は、前記インナーケース210と前記中空糸膜211の一側とを固定させることができる。
【0046】
前記カートリッジ21は、第2ポッティング部213を含むことができる。前記第2ポッティング部213は、前記中空糸膜211の他側を固定させるものである。この場合、前記第2ポッティング部213は、前記中空糸膜211の中空を塞がないように形成されてよい。これにより、乾燥気体は、前記第2ポッティング部213と前記第1ポッティング部212に邪魔されることなく前記中空糸膜211の中空に供給され、加湿された後に前記燃料電池スタックに供給されてよい。前記第2ポッティング部213は、キャスティング工程により、液状ポリウレタン樹脂のような液状樹脂を硬化させることによって形成されてよい。前記第2ポッティング部213は、前記インナーケース210と前記中空糸膜211の他側とを固定させることができる。
【0047】
前記ミッドケース22は、前記カートリッジ21が結合しているものである。前記ミッドケース22の内面と前記カートリッジ21の外面との間に空間が設けられるように、前記カートリッジ21は前記ミッドケース22の内部に配置されてよい。前記ミッドケース22は、流入口221と流出口222を含むことができる。水分を含有している湿潤気体は、前記流入口221から前記ミッドケース22の内部に流入した後に、前記中空糸膜211の外表面と接触してよい。この過程で、湿潤気体に含有されている水分が前記中空糸膜211を透過することにより、前記中空糸膜211の中空に沿って流れている乾燥気体を加湿することができる。加湿された乾燥気体は、前記中空糸膜211から流出された後に前記燃料電池スタックに供給されてよい。乾燥気体を加湿した後の湿潤気体は、前記流出口222から前記ミッドケース22の外部に流出されてよい。前記流入口221は前記燃料電池スタックに連結されてよい。この場合、湿潤気体は、前記燃料電池スタックから排出される排ガス(Off-gas)であってよい。
【0048】
一方、前記カートリッジ21には、湿潤気体が流入するための流入孔(図示せず)、及び前記中空糸膜211の中空に沿って流れている乾燥気体を加湿した後の湿潤気体が流出されるための流出孔(図示せず)が形成されてよい。この場合、湿潤気体は、前記流入口221を通じて前記ミッドケース22の内面と前記カートリッジ21の外面との間に流入し、前記流入孔を通じて前記カートリッジ21の内部に流入し、前記中空糸膜211の中空に沿って流れている乾燥気体を加湿した後、前記流出孔を通じて前記ミッドケース22の内面と前記カートリッジ21の外面との間に流出され、前記流出口222から前記ミッドケース22の外部に流出されてよい。
【0049】
図2~
図6を参照すると、前記第1パッキング部材23は、前記カートリッジ21と前記ミッドケース22との間を密閉させるものである。前記第1パッキング部材23は、機械的組立によって前記加湿モジュール2の少なくとも一端に気密に結合(Air tightly coupled)してよい。これにより、前記第1パッキング部材23は、前記第1キャップ3が前記中空糸膜211のみと流体連通できるようにする。したがって、前記第1パッキング部材23は、前記燃料電池スタックに供給される乾燥気体と前記ミッドケース22の内部に供給された湿潤気体とが直接混合されることを防止することができる。前記第1パッキング部材23は、前記カートリッジ21と前記ミッドケース22との間に挿入されてよい。この場合、前記カートリッジ21は、前記第1パッキング部材23に形成された第1通過孔23aに挿入されてよい。前記第1パッキング部材23は、前記ミッドケース22の内壁、前記カートリッジ21の外壁、及び前記第1ポッティング部212にそれぞれ接触してよい。このような接触により、前記第1パッキング部材23は、前記加湿モジュール2の一端に気密に結合し得る。この場合、前記第1パッキング部材23は、前記ミッドケース22の内壁一部、前記カートリッジ21の外壁一部、及び前記第1ポッティング部212の一部にそれぞれ接触してよい。
【0050】
本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記第1パッキング部材23を複数個含むことができる。前記第1パッキング部材23,23’はそれぞれ、前記加湿モジュール2の両端に気密に結合してよい。この場合、前記第1パッキング部材23,23’は、前記カートリッジ21の両側に配置されてよい。前記第1パッキング部材23’は、前記ミッドケース22の内壁、前記カートリッジ21の外壁、及び前記第2ポッティング部213にそれぞれに接触することにより、前記加湿モジュール2の他端に気密に結合し得る。この場合、前記第1パッキング部材23’は、前記ミッドケース22の内壁一部、前記カートリッジ21の外壁一部、及び前記第2ポッティング部213の一部にそれぞれ接触してよい。前記第1パッキング部材23,23’は位置のみ互いに異なるだけで、互いに同一の構造で具現されるので、前記加湿モジュール2の一端に配置された第1パッキング部材23を基準にして説明する。この説明から、前記加湿モジュール2の他端に配置された第1パッキング部材23’を導出することは、本発明の属する技術の分野における当業者に自明な事項である。
【0051】
前記第1パッキング部材23は、乾燥気体と湿潤気体の少なくとも一方の圧力を用いて前記カートリッジ21に密着されてよい。加湿工程がなされる過程で乾燥気体も湿潤気体も相当な大きさの圧力で流動するので、乾燥気体と湿潤気体はそれぞれ前記第1パッキング部材23を前記カートリッジ21側に圧縮させるのに十分な圧力を有する。これにより、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、加湿工程がなされる過程で乾燥気体と湿潤気体の少なくとも一方の圧力を用いて前記第1パッキング部材23を前記カートリッジ21に密着させることができるように具現される。したがって、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、乾燥気体と湿潤気体が直接混合されることを防止するための密閉力を追加の構成なしで具現できるので、密閉力を強化させるための費用を下げることができる。前記第1パッキング部材23は、弾性変形(Elastic Deformation)が可能な材質で形成されてよい。例えば、前記第1パッキング部材23は、ゴム類で形成されてよい。前記第1パッキング部材23は、前記カートリッジ21と前記ミッドケース22との間を密閉するようにリング状に形成されてよい。
【0052】
前記第1パッキング部材23は、第1パッキング本体230を含むことができる。前記第1パッキング本体230は、前記第1パッキング部材23の全体的な外観をなすものである。前記第1パッキング本体230が前記カートリッジ21と前記ミッドケース22との間に挿入されると、前記第1パッキング本体230の第1外側面230aは、前記第1キャップ3側に向くように配置されてよい。この場合、前記第1パッキング本体230の第1内側面230bは、前記ミッドケース22の内部側に向くように配置されてよい。前記第1内側面230bと前記第1外側面230aは、互いに反対の方向に向くように配置されてよい。
【0053】
前記第1パッキング部材23は、第1外側溝231、及び第1外側部材232を含むことができる。
【0054】
前記第1外側溝231は、乾燥気体を収容するものである。前記第1外側溝231は、前記第1外側面230aに形成されてよい。これにより、前記第1外側溝231は前記第1キャップ3側に向くように配置されるので、前記第1キャップ3と前記カートリッジ21との間に位置している乾燥気体を収容することができる。
【0055】
前記第1外側部材232は、前記第1外側溝231と前記カートリッジ21との間で前記カートリッジ21に接触しているものである。前記第1外側溝231に収容された乾燥気体の圧力によって、前記第1外側部材232は前記カートリッジ21側に圧縮され、前記カートリッジ21に密着されてよい。これにより、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記第1外側溝231に収容された乾燥気体の圧力を用いて、前記第1パッキング部材23と前記カートリッジ21間の密閉力を強化させることができる。前記第1外側部材232は、前記第1ポッティング部212に密着されてよい。
【0056】
前記第1パッキング部材23は、第1外側突起233を含むことができる。前記第1外側突起233は、前記第1外側溝231と前記ミッドケース22との間で前記ミッドケース22に接触しているものである。前記第1外側溝231に収容された乾燥気体の圧力によって、前記第1外側突起233は前記ミッドケース22側に圧縮され、前記ミッドケース22に密着されてよい。これにより、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記第1外側溝231に収容された乾燥気体の圧力を用いて前記第1パッキング部材23と前記ミッドケース22間の密閉力を強化させることができる。
【0057】
前記第1パッキング部材23が前記第1外側部材232と前記第1外側突起233の両方を含む場合に、前記第1外側溝231は、第1軸方向(X軸方向)を基準にして前記第1外側部材232と前記第1外側突起233との間に配置されてよい。これにより、前記第1外側溝231に収容された乾燥気体の圧力は、前記第1外側部材232と前記第1外側突起233との間の間隔を増加させる方向に作動し得る。したがって、前記第1外側溝231に収容された乾燥気体の圧力により、前記第1外側部材232が前記カートリッジ21に密着されるとともに、前記第1外側突起233が前記ミッドケース22に密着され得る。前記第1外側部材232、前記第1外側突起233、及び前記第1パッキング本体230は一体に形成されてもよい。
【0058】
前記第1パッキング部材23は、第1内側溝234、及び第1内側部材235を含むことができる。
【0059】
前記第1内側溝234は湿潤気体を収容するものである。前記第1内側溝234は、前記第1内側面230bに形成されてよい。これにより、前記第1内側溝234は前記ミッドケース22の内部側に向くように配置されるので、前記ミッドケース22の内部に位置している湿潤気体を収容することができる。この場合、前記ミッドケース22の内面と前記カートリッジ21の外面との間に位置している湿潤気体が前記第1内側溝234に収容されてよい。
【0060】
前記第1内側部材235は、前記第1内側溝234と前記カートリッジ21との間で前記カートリッジ21に接触しているものである。前記第1内側溝234に収容された湿潤気体の圧力によって、前記第1内側部材235は前記カートリッジ21側に圧縮され、前記カートリッジ21に密着されてよい。これにより、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記第1内側溝234に収容された湿潤気体の圧力を用いて前記第1パッキング部材23と前記カートリッジ21間の密閉力を強化させることができる。前記第1内側部材235は、前記インナーケース210に密着されてよい。前記第1内側部材235は、一部が前記第1ポッティング部212に密着されるとともに、一部が前記インナーケース210に密着されてよい。
【0061】
前記第1パッキング部材23は、第1内側突起236を含むことができる。前記第1内側突起236は、前記第1内側溝234と前記ミッドケース22との間で前記ミッドケース22に接触しているものである。前記第1内側溝234に収容された湿潤気体の圧力によって、前記第1内側突起236は前記ミッドケース22側に圧縮され、前記ミッドケース22に密着されてよい。これにより、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記第1内側溝234に収容された湿潤気体の圧力を用いて前記第1パッキング部材23と前記ミッドケース22間の密閉力を強化させることができる。
【0062】
前記第1パッキング部材23が前記第1内側部材235と前記第1内側突起236の両方を含む場合に、前記第1内側溝234は、前記第1内側部材235と前記第1内側突起236との間に配置されてよい。これにより、前記第1内側溝234に収容された湿潤気体の圧力は、前記第1内側部材235と前記第1内側突起236との間の間隔を増加させる方向に作動し得る。したがって、前記第1内側溝234に収容された湿潤気体の圧力を用いて、前記第1内側部材235が前記カートリッジ21に密着されるとともに、前記第1内側突起236が前記ミッドケース22に密着されてよい。前記第1内側部材235、前記第1内側突起236、及び前記第1パッキング本体230は一体に形成されてもよい。
【0063】
前記第1パッキング部材23は、延長部材237、及び係止部材238を含むことができる。
【0064】
前記延長部材237は、前記ミッドケース22側に延長されているものである。前記延長部材237は、前記第1外側突起233から前記ミッドケース22側に延長されていてよい。前記延長部材237は、前記ミッドケース22に支持されてよい。前記延長部材237は、前記係止部材238と前記第1外側突起233とを連結させることができる。前記延長部材237、前記係止部材238、前記第1外側突起233、及び前記第1パッキング本体230は一体に形成されてもよい。前記延長部材237は、前記第1パッキング本体230から前記ミッドケース22側に延長されていてもよい。
【0065】
前記延長部材237には係合溝237aが形成されてよい。前記係合溝237aは、前記第1外側突起233と前記係止部材238との間に配置されてよい。前記係合溝237aには前記ミッドケース22が挿入されてよい。
【0066】
前記係止部材238は前記延長部材237に結合しているものである。前記係止部材238は、前記係合溝237aに挿入されたミッドケース22の外側に配置されてよい。この場合、前記係止部材238と前記第1外側突起233との間に前記ミッドケース22が配置されてよい。前記係止部材238と前記第1パッキング本体230との間にも前記ミッドケース22が配置されてよい。
【0067】
このように、前記第1パッキング部材23が前記ミッドケース22に係合方式で結合するので、乾燥気体と湿潤気体の少なくとも一方の圧力を用いて密閉力を強化させる過程で前記第1パッキング部材23が前記ミッドケース22の内部に挿入される深さが制限され得る。したがって、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、乾燥気体と湿潤気体の少なくとも一方の圧力を用いて密閉力を強化させる作業の安定性を向上させることができる。
【0068】
図7を参照すると、前記第1パッキング部材23は第1補強部材239を含むことができる。前記第1補強部材239は、前記第1パッキング本体230の内部に配置されてよい。前記第1補強部材239は、前記第1パッキング本体230に比べてより大きい剛性を有する材質で形成されてよい。例えば、前記第1補強部材239は、金属、プラスチックなどで形成されてよい。前記第1補強部材239は、インサート成形によって前記第1パッキング本体230の内部に配置されるように具現されてよい。
【0069】
図5~
図7に示すように、前記第1パッキング部材23は、前記第1外側溝231、前記第1外側部材232、前記第1外側突起233、前記第1内側溝234、前記第1内側部材235、及び前記第1内側突起236を全て含むように具現されてよい。
図8に示すように、前記第1パッキング部材23は、前記第1外側溝231、前記第1外側部材232、及び前記第1外側突起233のみを含むように具現されてもよい。
図9に示すように、前記第1パッキング部材23は、前記第1内側溝234、前記第1内側部材235、及び前記第1内側突起236のみを含むように具現されてもよい。
【0070】
図2~
図9を参照すると、前記第1キャップ3は、前記加湿モジュール2の一端に結合しているものである。前記第1キャップ3と前記カートリッジ21との間の空間は、前記第1パッキング部材23により、前記カートリッジ21と前記ミッドケース22との間の空間に対して密閉されてよい。
【0071】
前記第1キャップ3は、第1圧迫部材31を含むことができる。前記第1キャップ3が前記加湿モジュール2の一端に結合すると、前記第1圧迫部材31は前記延長部材237を前記ミッドケース22側に圧迫することができる。これにより、前記第1圧迫部材31は、前記第1パッキング部材23が前記カートリッジ21と前記ミッドケース22との間を密閉させた状態で保持されるための固定力をより強化させることができる。
【0072】
図2~
図4を参照すると、前記第2キャップ4は、前記加湿モジュール2の他端に結合しているものである。前記第2キャップ4と前記カートリッジ21との間の空間は、前記第1パッキング部材23’により、前記カートリッジ21と前記ミッドケース22との間の空間に対して密閉されてよい。前記第1パッキング部材23’は、詳述した前記第1パッキング部材23と略一致するので、それに関する具体的な説明は省略する。
【0073】
図10~
図13を参照すると、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記ミッドケース22に前記カートリッジ21が複数個結合するように具現されてもよい。この場合、前記ミッドケース22には、前記カートリッジ21,21’の間に配置された隔壁部材(図示せず)を含むことができる。前記カートリッジ21,21’は、前記隔壁部材を挟んで配置され、個別に着脱可能に前記ミッドケース22に結合してよい。一方、
図11~
図13に示すカートリッジ21,21’はそれぞれ、複数個の中空糸膜とインナーケースを含むものであるが、中空糸膜とインナーケースを省き、第1ポッティング部のみを図示している。
【0074】
前記ミッドケース22に前記カートリッジ21が複数個結合するように具現された場合、前記加湿モジュール2は第2パッキング部材24を含むことができる。
【0075】
前記第2パッキング部材24は、前記カートリッジ21,21’の間に配置され、前記カートリッジ21,21’の間を密閉させるものである。前記第2パッキング部材24は、前記カートリッジ21,21’の間を通じて乾燥気体と湿潤気体とが直接混合されることを防止することができる。本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記第2パッキング部材24を複数個含むことができる。前記第2パッキング部材24,24’はそれぞれ、前記カートリッジ21,21’の両側に配置されてよい。前記第2パッキング部材24,24’は位置のみ異なるだけで、互いに同一の構造で具現されるので、前記カートリッジ21,21’の一側に配置された第2パッキング部材24を基準にして説明する。この説明から、前記カートリッジ21,21’の他側に配置された第2パッキング部材24’を導出することは、本発明の属する技術の分野における当業者に自明な事項である。
【0076】
前記第2パッキング部材24は、乾燥気体と湿潤気体の少なくとも一方の圧力を用いて前記カートリッジ21,21’に密着されてよい。したがって、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記カートリッジ21,21’の間を通じて乾燥気体と湿潤気体とが直接混合されることを防止するための密閉力を追加の構成なしで具現できるので、密閉力を強化させるための費用を下げることができる。前記第2パッキング部材24は、弾性変形(Elastic Deformation)が可能な材質で形成されてよい。例えば、前記第2パッキング部材24は、ゴム類で形成されてよい。
【0077】
前記第2パッキング部材24は、第2パッキング本体240を含むことができる。前記第2パッキング本体240は、前記第2パッキング部材24の全体的な外観をなすものである。前記第2パッキング本体240が前記カートリッジ21,21’の間に挿入されると、前記第2パッキング本体240の第2外側面240aは、前記第1キャップ3側に向くように配置されてよい。この場合、前記第2パッキング本体240の第2内側面240bは、前記ミッドケース22の内部側に向くように配置されてよい。前記ミッドケース22の内部に隔壁部材が具備された場合に、前記第2内側面240bは前記隔壁部材側に向くように配置されてよい。前記第2内側面240bと前記第2外側面240aは互いに反対の方向に向くように配置されてよい。
【0078】
前記第2パッキング部材24は、第2外側溝241、及び複数の第2外側部材242,242’を含むことができる。
【0079】
前記第2外側溝241は乾燥気体を収容するものである。前記第2外側溝241は前記第2外側面240aに形成されてよい。これにより、前記第2外側溝241は前記第1キャップ3側に向くように配置されるので、前記第1キャップ3と前記カートリッジ21との間に位置している乾燥気体を収容することができる。
【0080】
前記第2外側部材242,242’は、前記第2外側溝241と前記カートリッジ21,21’との間で前記カートリッジ21,21’に接触しているものである。前記第2外側溝241に収容された乾燥気体の圧力によって、前記第2外側部材242,242’は前記カートリッジ21,21’側に圧縮され、前記カートリッジ21,21’のそれぞれに密着されてよい。これにより、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記第2外側溝241に収容された乾燥気体の圧力を用いて前記第2パッキング部材24と前記カートリッジ21,21’間の密閉力を強化させることができる。前記第2外側部材242,242’は、前記第1ポッティング部212に密着されてよい。前記第2外側溝241は、前記第2外側部材242,242’の間に配置されてよい。これにより、前記第2外側溝241に収容された乾燥気体の圧力は、前記第2外側部材242,242’との間の間隔を増加させる方向に作用し得る。前記第2外側部材242,242’、及び前記第2パッキング本体240は一体に形成されてもよい。
【0081】
前記第2パッキング部材24は、第2内側溝243、及び第2内側部材244,244’を含むことができる。
【0082】
前記第2内側溝243は湿潤気体を収容するものである。前記第2内側溝243は前記第2内側面240bに形成されてよい。これにより、前記第2内側溝243は前記ミッドケース22の内部側に向くように配置されるので、前記ミッドケース22の内部に位置している湿潤気体を収容することができる。この場合、前記カートリッジ21,21’のそれぞれの外面の間に位置している湿潤気体が前記第2内側溝243に収容されてよい。
【0083】
前記第2内側部材244,244’は、前記第2内側溝243と前記カートリッジ21,21’との間で前記カートリッジ21,21’に接触しているものである。前記第2内側溝243に収容された湿潤気体の圧力によって、前記第2内側部材244,244’は前記カートリッジ21,21’側に圧縮され、前記カートリッジ21,21’のそれぞれに密着されてよい。これにより、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記第2内側溝243に収容された湿潤気体の圧力を用いて、前記第2パッキング部材24と前記カートリッジ21,21’間の密閉力を強化させることができる。前記第2内側部材244,244’は、前記カートリッジ21,21’のそれぞれが有するインナーケース210に密着されてよい。前記第2内側部材244,244’は、一部が前記カートリッジ21,21’の第1ポッティング部212,212’に密着されるとともに、一部が前記カートリッジ21,21’のそれぞれが有するインナーケース210に密着されてよい。前記第2内側溝243は前記第2内側部材244,244’の間に配置されてよい。これにより、前記第2内側溝243に収容された湿潤気体の圧力は、前記第2内側部材244,244’間の間隔を増加させる方向に作用し得る。前記第2内側部材244,244’及び前記第2パッキング本体240は一体に形成されてもよい。
【0084】
ここで、前記第2パッキング部材24と前記第1パッキング部材23は一体に形成されてもよい。これにより、一度の挿入作業によって前記第2パッキング部材24と前記第1パッキング部材23を設置することができる。したがって、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記ミッドケース22に前記カートリッジ21が複数個結合している場合にも、前記ミッドケース22と前記カートリッジ21との間、及び前記カートリッジ21同士間を密閉させる作業の容易性を向上させることができる。
【0085】
図13を参照すると、前記第2パッキング部材24は第2補強部材245を含むことができる。前記第2補強部材245は、前記第2パッキング本体240の内部に配置されてよい。前記第2補強部材245は、前記第2パッキング本体240に比べてより大きい剛性を有する材質で形成されてよい。例えば、前記第2補強部材245は、金属、プラスチックなどで形成されてよい。前記第2補強部材245は、インサート成形によって前記第2パッキング本体240の内部に配置されるように具現されてよい。
【0086】
図11~
図13に示すように、前記第2パッキング部材24は、前記第2外側溝241、前記第2外側部材242,242’、前記第2内側溝243、及び前記第2内側部材244,244’を全て含むように具現されてよい。図示していないが、前記第2パッキング部材24は、前記第2外側溝241及び前記第2外側部材242,242’のみを含むように具現されてもよい。図示していないが、前記第2パッキング部材24は、前記第2内側溝243及び前記第2内側部材244,244’のみを含むように具現されてもよい。
【0087】
図10~
図13には、前記ミッドケース22に2個のカートリッジ21が結合しているとしているが、これに限定されず、
図14に示すように、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記ミッドケース22に3個のカートリッジ21,21’,21”が結合するように具現されてもよい。この場合、前記加湿モジュール2の一側に2個の第2パッキング部材24が備えられるとともに、前記加湿モジュール2の他側に2個の第2パッキング部材24’が備えられてよい。図示してはいないが、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記ミッドケース22に4個以上のカートリッジ21が結合するように具現されてもよい。この場合、前記ミッドケース22に結合しているカートリッジ21の個数が増加する分だけ、前記第2パッキング部材24,24’の個数が増加してよい。
【0088】
図15及び
図16を参照すると、前記加湿モジュール2は、第1弾性部材25を含むことができる。この場合、前記第1パッキング部材23は、前記第1弾性部材25が有する弾性力によって前記カートリッジ21に密着されてよい。これにより、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記第1弾性部材25を用いて、乾燥気体と湿潤気体とが直接混合されることを防止するための密閉力を強化させることができる。したがって、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、乾燥気体を加湿する加湿工程に対する安定性を向上させることができる。
【0089】
前記第1弾性部材25は、前記第1パッキング部材23に結合しているものである。前記第1弾性部材25は、弾性力を用いて前記第1パッキング部材23を前記カートリッジ21に密着させることができる。前記第1弾性部材25は、弾性力を有するバネ(Spring)によって具現されてよい。前記第1弾性部材25はリング状に形成されてよい。
【0090】
前記第1弾性部材25は、前記第1外側溝231に挿入されてよい。この場合、前記第1弾性部材25は、弾性力を用いて前記第1外側部材232を前記カートリッジ21側に圧縮させることにより、前記第1外側部材232を前記カートリッジ21に密着させることができる。したがって、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記第1弾性部材25の弾性力を用いて前記第1パッキング部材23と前記カートリッジ21間の密閉力を強化させることができる。この場合、前記第1外側部材232は、前記第1弾性部材25の弾性力によって前記カートリッジ21側に圧縮されることによって前記カートリッジ21に密着されてよい。前記第1外側部材232は前記第1ポッティング部212に密着されてよい。
【0091】
前記第1パッキング部材23が前記第1外側溝231と前記第1外側部材232を含む場合に、前記第1パッキング部材23は、乾燥気体の圧力を用いて前記カートリッジ21に密着されてよい。加湿工程がなされる過程で乾燥気体も湿潤気体も相当な大きさの圧力で流動するので、乾燥気体は前記第1パッキング部材23を前記カートリッジ21側に圧縮させるのに十分な圧力を有する。これにより、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記第1弾性部材25の弾性力を用いるに加え、加湿工程がなされる過程で乾燥気体の圧力を用いて、前記第1パッキング部材23を前記カートリッジ21にさらに強く密着させることができるように具現される。したがって、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、乾燥気体と湿潤気体とが直接混合されることを防止するための密閉力をさらに強化させることができる。また、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、乾燥気体の圧力を利用するので、追加の構成なしで密閉力をより強化させることができる。したがって、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、密閉力をより強化させるための費用を下げることができる。
【0092】
このように前記第1弾性部材25の弾性力と乾燥気体の圧力を用いて前記第1パッキング部材23を前記カートリッジ21に密着させる場合に、前記第1外側溝231は、前記第1キャップ3と前記カートリッジ21との間に位置している乾燥気体を収容することができる。前記第1外側部材232は、前記第1外側溝231に収容された乾燥気体の圧力によって前記カートリッジ21側に圧縮され、前記カートリッジ21に密着されてよい。
【0093】
前記第1弾性部材25は、
図16に示すように、前記第1パッキング本体230の内部に配置されてもよい。この場合、前記第1弾性部材25は弾性力を用いて前記第1パッキング本体230を前記カートリッジ21側に圧縮させることにより、前記第1パッキング本体230を前記カートリッジ21に密着させることができる。これにより、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記第1外側溝231に収容された乾燥気体の圧力を用いて前記第1外側部材232を前記カートリッジ21に密着させるとともに、前記第1弾性部材25の弾性力を用いて前記第1パッキング本体230を前記カートリッジ21に密着させることができるように具現される。したがって、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記第1パッキング部材23の異なる部分を前記カートリッジ21に密着させることができるので、二重構造で密閉力を強化させることができる。前記第1弾性部材25は、インサート成形によって前記第1パッキング本体230の内部に配置されるように具現されてよい。
【0094】
図17を参照すると、前記第1弾性部材25は前記第1内側面230b側に配置され、前記第1パッキング部材23を前記カートリッジ21に密着させることもできる。前記第1弾性部材25は、前記第1内側部材235に接触するように前記第1内側溝234に挿入されてよい。これにより、前記第1弾性部材25は弾性力を用いて前記第1内側部材235を前記カートリッジ21に密着させることができる。したがって、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記第1弾性部材25の弾性力を用いて前記第1パッキング部材23と前記カートリッジ21間の密閉力を強化させることができる。この場合、前記第1内側部材235は前記第1弾性部材25の弾性力によって前記カートリッジ21側に圧縮されることにより、前記カートリッジ21に密着されてよい。前記第1内側部材235は、前記インナーケース210に密着されてよい。前記第1内側部材235は、一部が前記第1ポッティング部212に密着されるとともに、一部が前記インナーケース210に密着されてよい。
【0095】
前記第1パッキング部材23が前記第1内側溝234と前記第1内側部材235を含む場合に、前記第1パッキング部材23は湿潤気体の圧力を用いて前記カートリッジ21に密着されてよい。これにより、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記第1弾性部材25の弾性力を用いるに加え、加湿工程がなされる過程で湿潤気体の圧力を用いて、前記第1パッキング部材23を前記カートリッジ21にさらに強く密着させることができるように具現される。
【0096】
このように前記第1弾性部材25の弾性力と湿潤気体の圧力を用いて前記第1パッキング部材23を前記カートリッジ21に密着させる場合に、前記第1内側溝234は、前記第1キャップ3と前記カートリッジ21との間に位置している湿潤気体を収容することができる。前記第1内側部材235は、前記第1内側溝234に収容された湿潤気体の圧力によって前記カートリッジ21側に圧縮され、前記カートリッジ21に密着されてよい。
【0097】
図示していないが、前記第1パッキング部材23は、前記第1外側溝231に配置された第1弾性部材25の弾性力によって前記第1外側部材232が前記カートリッジ21に密着されるとともに、前記第1内側溝234に収容された湿潤気体の圧力によって前記第1内側部材235が前記カートリッジ21に密着されるように具現されてもよい。この場合、前記第1外側部材232は、前記第1弾性部材25の弾性力と前記第1外側溝231に収容された乾燥気体の圧力によって前記カートリッジ21に密着されてよい。
【0098】
図示していないが、前記第1パッキング部材23は、前記第1内側溝234に配置された第1弾性部材25の弾性力によって前記第1内側部材235が前記カートリッジ21に密着されるとともに、前記第1外側溝231に収容された乾燥気体の圧力によって前記第1外側部材232が前記カートリッジ21に密着されるように具現されてもよい。この場合、前記第1内側部材235は、前記第1弾性部材25の弾性力と前記第1内側溝234に収容された湿潤気体の圧力によって前記カートリッジ21に密着されてよい。
【0099】
図示していないが、前記第1パッキング部材23は、前記第1パッキング本体230の内部に配置された第1弾性部材25の弾性力によって前記第1パッキング本体230が前記カートリッジ21に密着されるとともに、前記第1内側溝234に収容された湿潤気体の圧力によって前記第1内側部材235が前記カートリッジ21に密着されるように具現されてもよい。
【0100】
図示していないが、前記第1パッキング部材23は、前記第1パッキング本体230の内部に配置された第1弾性部材25の弾性力によって前記第1パッキング本体230が前記カートリッジ21に密着され、前記第1外側溝231に収容された乾燥気体の圧力によって前記第1外側部材232が前記カートリッジ21に密着され、前記第1内側溝234に収容された湿潤気体の圧力によって前記第1内側部材235が前記カートリッジ21に密着されるように具現されてもよい。
【0101】
図18を参照すると、前記加湿モジュール2は第2弾性部材26を含むことができる。
【0102】
前記第2弾性部材26は、前記第1パッキング部材23に結合しているものである。前記第2弾性部材26は、弾性力を用いて前記第1パッキング部材23を前記カートリッジ21に密着させることができる。前記第2弾性部材26は、弾性力を有するバネ(Spring)によって具現されてよい。前記第2弾性部材26はリング状に形成されてよい。
【0103】
前記第2弾性部材26は前記第1内側溝234に挿入されてよい。この場合、前記第2弾性部材26は、弾性力を用いて前記第1内側部材235を前記カートリッジ21側に圧縮させることにより、前記第1内側部材235を前記カートリッジ21に密着させることができる。この場合、前記第1弾性部材25は前記第1外側溝231に配置された状態で弾性力を用いて前記第1外側部材232を前記カートリッジ21に密着させることができる。
【0104】
したがって、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記第2弾性部材26の弾性力と前記第1弾性部材25の弾性力を用いて前記第1内側部材235と前記第1外側部材232を前記カートリッジ21に密着させることができる。これにより、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記第1パッキング部材23の異なる部分を前記カートリッジ21に密着させることができるので、二重構造で密閉力を強化させることができる。この場合、前記第1内側部材235は、前記第2弾性部材26の弾性力と前記第1内側溝234に収容された湿潤気体の圧力によって前記カートリッジ21にさらに強く密着され得る。前記第1外側部材232は、前記第1弾性部材25の弾性力と前記第1外側溝231に収容された乾燥気体の圧力によって前記カートリッジ21にさらに強く密着され得る。
【0105】
図示していないが、前記第2弾性部材26と前記第1弾性部材25のいずれか一つの弾性部材は、前記第1パッキング本体230の内部に配置され、他の弾性部材は、前記第1内側溝234と前記第1外側溝231のいずれか一方に配置されてもよい。
【0106】
図10及び
図19を参照すると、前記加湿モジュール2は、前記第1弾性部材25を複数個含んでもよい。前記第1弾性部材25,25’はそれぞれ前記第1外側溝231と前記第2外側溝241に挿入され、前記第1パッキング部材23と前記第2パッキング部材24を前記カートリッジ21,21’に密着させることができる。前記第1弾性部材25,25’は、前記カートリッジ21,21’のそれぞれを取り囲む形態で配置され、前記第1パッキング部材23と前記第2パッキング部材24を前記カートリッジ21,21’側に弾性的に加圧してよい。これにより、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記第1外側溝231と前記第2外側溝241のそれぞれに収容された乾燥気体の圧力及び前記第1弾性部材25,25’の弾性力を用いて、前記第1パッキング部材23と前記第2パッキング部材24を前記カートリッジ21,21’に密着させることができるように具現される。したがって、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、二重構造で密閉力を強化させることができる。
【0107】
前記加湿モジュール2は、前記第1弾性部材25,25’を含み、且つ、さらに前記第2弾性部材26を複数個含んでもよい。前記第2弾性部材26,26’はそれぞれ前記第1内側溝234と前記第2内側溝243に挿入され、前記第1パッキング部材23と前記第2パッキング部材24を前記カートリッジ21,21’に密着させることができる。前記第2弾性部材26,26’は前記カートリッジ21,21’のそれぞれを取り囲む形態で配置され、前記第1パッキング部材23と前記第2パッキング部材24を前記カートリッジ21,21’側に弾性的に加圧してよい。これにより、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、前記第1内側溝234と前記第2内側溝243のそれぞれに収容された乾燥気体の圧力及び前記第2弾性部材26,26’の弾性力を用いて前記第1パッキング部材23と前記第2パッキング部材24を前記カートリッジ21,21’に密着させることができるように具現される。したがって、本発明に係る燃料電池用加湿器1は、密閉力をさらに強化させることができる。
【0108】
図示していないが、前記加湿モジュール2は、前記第1弾性部材25,25’のそれぞれが前記第1内側溝234と前記第2内側溝243に挿入され、前記第1パッキング部材23と前記第2パッキング部材24を前記カートリッジ21,21’に密着させるように具現されてもよい。前記第1弾性部材25,25’は、前記カートリッジ21,21’のそれぞれを取り囲む形態で前記第1内側溝234と前記第2内側溝243に挿入され、前記第1パッキング部材23と前記第2パッキング部材24を前記カートリッジ21,21’側に弾性的に加圧してよい。
【0109】
図2、
図20及び
図21を参照すると、前記カートリッジ21は第1サポート214を含むことができる。前記第1サポート214を用いて、前記第1パッキング部材23は締まりばめ(Interference Fit)による圧縮によって前記カートリッジ21に密着されるように具現されてよい。
【0110】
前記第1サポート214は、前記第1ポッティング部212に結合してよい。前記第1サポート214は、前記第1ポッティング部212の周りを取り囲むように配置されてよい。これにより、前記第1ポッティング部212は前記第1サポート214の内側に配置されてよい。前記第1サポート214はリング状に形成されてよい。前記第1サポート214は、前記第1ポッティング部212の外側から突出して配置されてよい。これにより、前記第1パッキング部材23が前記ミッドケース22と前記カートリッジ21との間に挿入される過程で、前記ミッドケース22と前記第1サポート214との間に配置された前記第1パッキング部材23の部分は、締まりばめされつつ圧縮され得る。したがって、前記第1パッキング部材23を用いた密閉力をさらに強化させることができる。
【0111】
前記第1サポート214は、第2軸方向(Y軸方向)への移動が制限されるようにホック(Hook)結合によって前記インナーケース210に支持されてよい。前記第2軸方向(Y軸方向)は、前記第1軸方向(X軸方向)に対して垂直の軸方向であり、前記第1キャップ3と前記第2キャップ4が互いに離隔している方向に対して平行な軸方向である。前記第1サポート214が前記インナーケース210に結合した状態でキャスティング工程によって前記第1ポッティング部212が形成されることにより、前記第1サポート214は前記第1ポッティング部212に結合するように具現されてよい。その後、前記第1パッキング部材23が前記カートリッジ21と前記ミッドケース22との間に挿入されてよい。前記第1サポート214は、前記第1パッキング部材23に比べてより大きい剛性を有する材質で形成されてよい。例えば、前記第1サポート214は、金属、プラスチックなどで形成されてよい。
【0112】
前記第1サポート214は、前記第2軸方向(Y軸方向)を基準にして前記第1パッキング部材23に比べてより短い長さで具現されてよい。例えば、
図20に示すように、前記第1外側部材232と前記第1ポッティング部212との間には前記第1サポート214が存在しなく、前記第1パッキング本体230と前記第1ポッティング部212との間にのみ前記第1サポート214が存在するように具現されてよい。これにより、前記第1外側部材232は、前記第1外側溝231に収容された乾燥気体の圧力によって圧縮され、前記第1ポッティング部212に密着され得る。前記第1パッキング本体230は、前記ミッドケース22と前記第1サポート214との間に締まりばめされつつ圧縮され、前記第1サポート214に密着され得る。
【0113】
前記第1サポート214は、前記第2軸方向(Y軸方向)を基準にして前記第1パッキング部材23と同じ長さで具現されてもよく、前記第1パッキング部材23に比べてより長い長さで具現されてもよい。例えば、
図21に示すように、前記第1外側部材232と前記第1ポッティング部212との間に前記第1サポート214が存在するとともに、前記第1パッキング本体230と前記第1ポッティング部212との間にも前記第1サポート214が存在するように具現されてよい。これにより、前記第1外側部材232と前記第1パッキング本体230は、前記ミッドケース22と前記第1サポート214との間に締まりばめされつつ圧縮され、前記第1サポート214に密着され得る。この場合、前記第1外側部材232は、前記第1サポート214による圧縮と前記第1外側溝231に収容された乾燥気体の圧力の両方によって前記カートリッジ21に密着され得る。
【0114】
前記第1サポート214が前記第1外側部材232と前記第1パッキング本体230の両方に接触するように具現された場合に、前記第1サポート214は、キャスティング工程によって前記第1ポッティング部212を形成する過程でポーティングギャップ(Potting Cap)として使用されてよい。この場合、
図21に点線で示すように、前記第1サポート214が前記インナーケース210に結合してポーティングギャップとして具現されている状態でキャスティング工程によって前記第1ポッティング部212を形成した後に、前記中空糸膜211の中空が開放されるように前記第1サポート214の一部分CPと前記第1ポッティング部212の一部分を切断(Cutting)する切断工程を経て前記カートリッジ21として製造されてよい。これにより、別個のポーティングギャップを使用する比較例に比して、前記第1サポート214をポーティングギャップとして使用する実施例は、ポーティングギャップを組み立てる工程、ポーティングギャップを除去する工程などを省略してよい。したがって、前記第1サポート214をポーティングギャップとして使用する実施例は、製造費用を節減できる他、製造時間の短縮によって生産性も増大させることができる。
【0115】
前記カートリッジ21は、第2サポート(図示せず)を含むことができる。前記第2サポートは、前記第2ポッティング部213に結合してよい。前記第2サポートと前記第1サポート214は位置のみ異なるだけで、互いに同一の構造で具現されるので、前記第1サポート214に関する説明から前記第2サポートの構造などを理解することは、本発明の属する技術の分野における当業者に自明な事項である。したがって、前記第2サポートに関する具体的な説明は省略する。
【0116】
図2及び
図21を参照すると、前記第1キャップ3は、第1圧迫突起32を含むことができる。前記第1圧迫突起32は、前記第1圧迫部材31から突出しているものである。前記第1キャップ3が前記加湿モジュール2の一端に結合すると、前記第1圧迫突起32は前記延長部材237を前記ミッドケース22側に圧縮させ、前記延長部材237を前記ミッドケース22に密着させることができる。したがって、前記第1圧迫突起32は、前記第1キャップ3と前記ミッドケース22間の密閉力をより強化させる他、前記第1パッキング部材23に対する固定力もさらに強化させることができる。前記第1圧迫突起32は、前記第1圧迫部材31から突出するほど大きさが減少するように形成されてよい。前記第1圧迫突起32はリング状に形成されてよい。
【0117】
前記第1キャップ3は、第1支持部材33を含むことができる。前記第1支持部材33は前記第1外側溝231に挿入され、前記第1パッキング本体230を支持することができる。これにより、前記第1支持部材33は前記第1パッキング部材23の移動を制限し、振動と揺れなどによって前記第1パッキング部材23が離脱することを防止することができる。前記第1支持部材33は、前記第1パッキング本体230を圧縮させ得る長さで形成されてよい。この場合、前記第1支持部材33は、前記第1パッキング本体230の圧縮によって前記第1外側溝231を電池用流体を収容するのに十分な大きさに保持させることができる。また、前記第1支持部材33は、前記第1パッキング本体230の圧縮によって前記第1パッキング部材23が前記カートリッジ21に密着される密着力をらに強化させることができる。前記第1支持部材33はリング状に形成されてよい。
【0118】
図示していないが、前記第2キャップ4は、第2圧迫部材、第2圧迫突起、及び第2支持部材を含むことができる。前記第2圧迫部材、前記第2圧迫突起、及び前記第2支持部材は、上述した第1圧迫部材31、前記第1圧迫突起32、及び前記第1支持部材33とそれぞれ略一致するように具現されるので、それに関する具体的な説明は省略する。
【0119】
図22~
図24を参照すると、前記加湿モジュール2が複数個のカートリッジ21,21’を含む場合に、前記カートリッジ21,21’は前記第1サポート214,214’を含むことができる。前記第1サポート214,214’は、前記カートリッジ21,21’の周りを取り囲むように配置されてよい。これにより、前記第2パッキング部材24が前記カートリッジ21,21’の間に挿入される過程で、前記第1サポート214,214’の間に配置された前記第2パッキング部材24の部分は締まりばめされつつ圧縮されてよい。したがって、前記第2パッキング部材24を用いた密閉力がさらに強化し得る。前記第1サポート214,214’はそれぞれ、前記第2パッキング部材24に比べてより大きい剛性を有する材質で形成されてよい。例えば、前記第1サポート214,214’は、金属、プラスチックなどで形成されてよい。
【0120】
前記第1サポート214,214’は、前記第2軸方向(Y軸方向)を基準にして、前記第2パッキング部材24に比べてより短い長さで具現されてよい。例えば、
図22及び
図23に示すように、前記第2外側部材242,242’と前記第1ポッティング部212,212’との間には前記第1サポート214,214’が存在しなく、前記第2パッキング本体240と前記第1ポッティング部212,212’との間にのみ前記第1サポート214,214’が存在するように具現されてよい。これにより、前記第2外側部材242,242’は、前記第2外側溝241に収容された乾燥気体の圧力によって圧縮され、前記第1ポッティング部212,212’に密着されてよい。前記第2パッキング本体240は、前記第1サポート214,214’の間に締まりばめされつつ圧縮され、前記第1サポート214,214’に密着されてよい。
【0121】
前記第1サポート214,214’は、前記第2軸方向(Y軸方向)を基準にして前記第2パッキング部材24と同じ長さで具現されてもよく、前記第2パッキング部材24に比べてより長い長さで具現されてよい。例えば、
図24に示すように、前記第2外側部材242,242’と前記第1ポッティング部212,212’との間に前記第1サポート214,214’が存在するとともに、前記第2パッキング本体240と前記第1ポッティング部212,212’との間にも前記第1サポート214,214’が存在するように具現されてよい。これにより、前記第2外側部材242,242’と前記第2パッキング本体240は、前記第1サポート214,214’の間に締まりばめされつつ圧縮され、前記第1サポート214,214’に密着され得る。この場合、前記第2外側部材242,242’は、前記第1サポート214,214’による圧縮と前記第2外側溝241に収容された乾燥気体の圧力の両方を用いて前記カートリッジ21,21’に密着され得る。
【0122】
以上で説明した本発明は、前述した実施例及び添付の図面に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であるということが、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって明らかであろう。