(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175871
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】ゲーム情報処理装置,情報処理装置の制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20231205BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20231205BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20231205BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20231205BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231205BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/45
A63F13/58
A63F13/792
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023163627
(22)【出願日】2023-09-26
(62)【分割の表示】P 2020175978の分割
【原出願日】2018-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】西田 哲史
(57)【要約】
【課題】対価が必要なゲームに挑戦しようとするプレイヤに当該プレイヤが保有する価値を有効に消費させる。
【解決手段】本発明の一態様に係るゲーム情報処理装置(例えば、ユーザ管理サーバ10)は、対象ゲームに関しプレイ対価を変動対価に変動させかつクリア報酬の通常規定を変動規定に変動させる第1特典が関連付けられたアイテムをプレイヤに付与する付与手段(例えば、付与部410)と、前記アイテムを消費して前記変動対価を負担した前記プレイヤに対する前記対象ゲームのクリア報酬を前記変動規定に基づいて決定する決定手段(例えば、更新部450)と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象ゲームに関しプレイ対価を変動対価に変動させかつクリア報酬の通常規定を変動規定に変動させる第1特典が関連付けられたアイテムをプレイヤに付与する付与手段と、
前記アイテムを消費して前記変動対価を負担した前記プレイヤに対する前記対象ゲームのクリア報酬を前記変動規定に基づいて決定する決定手段と、
を備えるゲーム情報処理装置。
【請求項2】
前記プレイ対価から前記変動対価への第1変動内容と前記通常規定から前記変動規定への第2変動内容の少なくともいずれかを前記プレイヤによる指定操作に応じて設定する設定手段をさらに備える、
請求項1に記載のゲーム情報処理装置。
【請求項3】
前記設定手段が、前記指定操作により指定される変動目的に応じて前記第1変動内容と前記第2変動内容の少なくともいずれかを設定する、
請求項2に記載のゲーム情報処理装置。
【請求項4】
前記設定手段が、プレイ対価を調整する前記変動目的に応じて前記第1変動内容を設定し、かつ、該第1変動内容に応じて前記第2変動内容を設定する、
請求項3に記載のゲーム情報処理装置。
【請求項5】
前記設定手段が、クリア報酬を調整する前記変動目的に応じて前記第2変動内容を設定し、かつ、該第2変動内容に応じて前記第1変動内容を設定する、
請求項3に記載のゲーム情報処理装置。
【請求項6】
前記設定手段が、前記プレイ対価を割り増す前記第1変動内容と前記通常規定を割り増す前記第2変動内容の両方を設定し、
前記アイテムの消費指示を伴う前記対象ゲームの挑戦指示を、前記第1特典と併存関係にある第2特典との関係で前記プレイヤに不利益が発生しないことを条件に受け付ける受付手段をさらに備える、
請求項2から請求項5までのいずれかに記載のゲーム情報処理装置。
【請求項7】
前記受付手段が、前記通常規定を変動させずに前記プレイ対価を割り引く前記第2特典の適用が前記対象ゲームの選択後に終了している場合において、前記プレイヤによる前記変動対価の負担が可能な状況であれば、該プレイヤの確認を待って、前記挑戦指示を受け付ける、
請求項6に記載のゲーム情報処理装置。
【請求項8】
前記受付手段が、前記通常規定を変動させずに前記プレイ対価を割り引く前記第2特典の適用が前記対象ゲームの選択後に終了している場合において、前記プレイヤによる前記変動対価の負担が不可能な状況であれば、前記挑戦指示を受け付けない、
請求項6又は請求項7に記載のゲーム情報処理装置。
【請求項9】
前記設定手段が、前記プレイ対価を割り引く前記第1変動内容と前記通常規定を割り引く前記第2変動内容の両方を設定し、
前記アイテムの消費指示を、前記第1特典と競合関係にある第2特典との関係で前記プレイヤに不利益が発生しないことを条件に受け付ける受付手段をさらに備える、
請求項2から請求項5までのいずれかに記載のゲーム情報処理装置。
【請求項10】
前記受付手段が、前記第1特典の適用終了後に前記第2特典の適用余地がある場合に前記アイテムの消費指示を受け付ける、
請求項9に記載のゲーム情報処理装置。
【請求項11】
対象ゲームに関しプレイ対価を変動対価に変動させかつクリア報酬の通常規定を変動規定に変動させる第1特典が関連付けられたアイテムをプレイヤに付与する付与段階と、
前記アイテムを消費して前記変動対価を負担した前記プレイヤに対する前記対象ゲームのクリア報酬を前記変動規定に基づいて決定する決定段階と、
を含む、情報処理装置の制御方法。
【請求項12】
対象ゲームに関しプレイ対価を変動対価に変動させかつクリア報酬の通常規定を変動規定に変動させる第1特典が関連付けられたアイテムをプレイヤに付与する付与機能と、
前記アイテムを消費して前記変動対価を負担した前記プレイヤに対する前記対象ゲームのクリア報酬を前記変動規定に基づいて決定する決定機能と、
を情報処理装置のコンピュータに実現させる制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元以上の表示ができるディスプレイを用いた電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
レースの着順を予想してベットし、当該レースの結果に基づく配当を受けるベットゲームが知られている。例えば、特許文献1には、競走馬のレースに必要メダル数のn倍をベットしたプレイヤに対して当該レースの結果に応じた配当メダル数をn倍する「マルチサイド機能」を有するベットゲームが開示されている(段落[0270]等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のベットゲームでは、倍率nは自然数の逆数又は自然数であり、0.5から10までの11段階の選択肢の中から選択される。そのため、所定の配当メダル数をn倍した値は11通りの限られた値のいずれかになる。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、対価が必要なゲームに挑戦しようとするプレイヤに当該プレイヤが保有する価値を有効に消費させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明は、アイテムを消費して変動対価を負担したプレイヤに対する対象ゲームのクリア報酬を変動規定に基づいて決定する。本発明は、少なくとも下記の各態様を包含する。
【0007】
〔A〕対象ゲームに関しプレイ対価を変動対価に変動させかつクリア報酬の通常規定を変動規定に変動させる第1特典が関連付けられたアイテムをプレイヤに付与する付与手段と、前記アイテムを消費して前記変動対価を負担した前記プレイヤに対する前記対象ゲームのクリア報酬を前記変動規定に基づいて決定する決定手段と、を備えるゲーム情報処理装置。
【0008】
〔B〕対象ゲームに関しプレイ対価を変動対価に変動させかつクリア報酬の通常規定を変動規定に変動させる第1特典が関連付けられたアイテムをプレイヤに付与する付与段階と、前記アイテムを消費して前記変動対価を負担した前記プレイヤに対する前記対象ゲームのクリア報酬を前記変動規定に基づいて決定する決定段階と、を含む、情報処理装置の制御方法。
【0009】
〔C〕対象ゲームに関しプレイ対価を変動対価に変動させかつクリア報酬の通常規定を変動規定に変動させる第1特典が関連付けられたアイテムをプレイヤに付与する付与機能と、前記アイテムを消費して前記変動対価を負担した前記プレイヤに対する前記対象ゲームのクリア報酬を前記変動規定に基づいて決定する決定機能と、を情報処理装置のコンピュータに実現させる制御プログラム。
【0010】
〔D〕対象ゲームに関しプレイ対価を変動対価に変動させかつクリア報酬の通常規定を変動規定に変動させる第1特典が関連付けられたアイテムをプレイヤに付与する付与機能と、前記アイテムを消費して前記変動対価を負担した前記プレイヤに対する前記対象ゲームのクリア報酬を前記変動規定に基づいて決定する決定機能と、を情報処理装置のコンピュータに実現させる制御プログラムを非一時的に記録する記録媒体。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、プレイ開始時点でプレイヤが保有する価値が有効に消費され得る。
【0012】
上記〔A〕の「ゲーム情報処理装置」には、下記の技術的限定を加えてもよい。また、同様の技術的限定を、上記〔B〕の「制御方法」,上記〔C〕の「制御プログラム」及び上記〔D〕の「記録媒体」が記録する制御プログラムにそれぞれ加えてもよい。
【0013】
(1)前記プレイ対価から前記変動対価への第1変動内容と前記通常規定から前記変動規定への第2変動内容の少なくともいずれかを前記プレイヤによる指定操作に応じて設定する設定手段をさらに備える。これにより、第1変動内容と第2変動内容の少なくともいずれかが柔軟に設定され得る。
【0014】
(2)前記設定手段が、前記指定操作により指定される変動目的に応じて前記第1変動内容と前記第2変動内容の少なくともいずれかを設定する。これにより、第1変動内容と第2変動内容の少なくともいずれかが、プレイヤが指定する変動目的に応じて柔軟に設定され得る。
【0015】
(3)前記設定手段が、プレイ対価を調整する前記変動目的に応じて前記第1変動内容を設定し、かつ、該第1変動内容に応じて前記第2変動内容を設定する。これにより、第1変動内容と第2変動内容の両方が、プレイヤが指定するプレイ対価を調整する変動目的に応じて柔軟に設定され得る。
【0016】
(4)前記設定手段が、クリア報酬を調整する前記変動目的に応じて前記第2変動内容を設定し、かつ、該第2変動内容に応じて前記第1変動内容を設定する。これにより、第1変動内容と第2変動内容の両方が、プレイヤが指定するクリア報酬を調整する変動目的に応じて柔軟に設定され得る。
【0017】
(5)前記設定手段が、前記プレイ対価を割り増す前記第1変動内容と前記通常規定を割り増す前記第2変動内容の両方を設定し、前記アイテムの消費指示を伴う前記対象ゲームの挑戦指示を、前記第1特典と併存関係にある第2特典との関係で前記プレイヤに不利益が発生しないことを条件に受け付ける受付手段をさらに備える。これにより、第1特典の適用に起因して第2特典との関係で不測の不利益が発生しにくくなる。
【0018】
(6)前記受付手段が、前記通常規定を変動させずに前記プレイ対価を割り引く前記第2特典の適用が前記対象ゲームの選択後に終了している場合において、前記プレイヤによる前記変動対価の負担が可能な状況であれば、該プレイヤの確認を待って、前記挑戦指示を受け付ける。これにより、第1特典の適用前にプレイヤに確認するから、第2特典との関係で不測の不利益が発生しない。
【0019】
(7)前記受付手段が、前記通常規定を変動させずに前記プレイ対価を割り引く前記第2特典の適用が前記対象ゲームの選択後に終了している場合において、前記プレイヤによる前記変動対価の負担が不可能な状況であれば、前記挑戦指示を受け付けない。これにより、第1特典が適用されないから、第2特典との関係で不測の不利益が発生しない。
【0020】
(8)前記設定手段が、前記プレイ対価を割り引く前記第1変動内容と前記通常規定を割り引く前記第2変動内容の両方を設定し、前記アイテムの消費指示を、前記第1特典と競合関係にある第2特典との関係で前記プレイヤに不利益が発生しないことを条件に受け付ける受付手段をさらに備える。これにより、第1特典の適用に起因して第2特典との関係で不測の不利益が発生しにくくなる。
【0021】
(9)前記受付手段が、前記第1特典の適用終了後に前記第2特典の適用余地がある場合に前記アイテムの消費指示を受け付ける。これにより、第1特典の適用に起因して第2特典との関係で不測の不利益が救済され得る。
【0022】
この明細書では、下記のように用語を用いる。
【0023】
(1)「ゲーム」とは、少なくとも一部がオンラインのゲームサービスにおいて提供される電子ゲームをいう。広義ではゲームサービスそのものを指称し、狭義ではゲームサービスを構成する個別のステージを指称する。「プレイヤ」とは、ゲームサービスのユーザをいう。「プレイ」とは、プレイヤがゲームを進行させて遊ぶことをいう。
【0024】
(2)「単独プレイ」とは、単数のプレイヤによるプレイをいう。「協同プレイ」とは、協同関係にある複数のプレイヤによる同期プレイをいう。協同プレイでは、ゲームの協同プレイを主催して仲間を募集するプレイヤ(ホスト)と当該募集に応募して当該ゲームの協同プレイに参加するプレイヤ(ゲスト)とにより協同関係が形成され、プレイの進行がプレイヤ間で同期される。
【0025】
(3)ゲームをプレイするプレイヤに「プレイ対価」が課される。特に、単独プレイではプレイヤに、協同プレイでは少なくともいずれかのプレイヤに課される。少なくともいずれかのプレイヤは、例えば、ホストである。プレイ対価は、通貨で負担してもよいし金銭的価値で負担してもよい。金銭的価値は、例えば、クレジット,ゲーム内ポイント,ゲーム内通貨,スタミナなどと呼ばれることがある。プレイ対価の負担に用いられる金銭的価値を「残存価値」呼ぶ。ゲームにクリアしたプレイヤに「クリア報酬」が付与される。クリア報酬の内容は、原則として、各種パラメータの設定を含む通常規定に基づいて決定される。
【0026】
(4)「オブジェクト」は、広義又は狭義のゲーム内に登場しプレイヤによる操作対象となるゲーム内要素を少なくとも包含する。操作対象となるゲーム内要素は、「キャラクタ」及び「アイテム」を包含する。
【0027】
(5)「キャラクタ」は、画面上の外観と変動し得る状態(ステータス)が設定されたゲーム内要素である。キャラクタの外観は、例えば、人物,機械,モンスターなどの外観である。キャラクタの状態は、例えば、ヒットポイント,攻撃力,スピード,経験値,レベル等の値として表現される。
【0028】
(6)「アイテム」は、キャラクタ又はゲームに関連するパラメータに一時的な変化又は恒久的な変化を加えるために用いるゲーム内要素である。ゲームに関連するパラメータは、特定のキャラクタの状態に関する設定パラメータ,特定のプレイの制御に関する制御パラメータを包含する。制御パラメータは、プレイ中の進行処理を制御する進行パラメータ,プレイ後のクリア報酬の決定処理を制御する報酬パラメータを包含する。進行パラメータは、例えば、プレイ中に特定のアイテムが付与される確率である。報酬パラメータは、例えば、クリア後に特定のパラメータの値を上昇させる加算量,クリア後に特定のキャラクタやアイテムが排出される確率(ドロップ率)である。報酬パラメータは、通常規定に含まれる。
【0029】
(7)「特典」は、ゲームの進行上プレイヤにとって有利な扱いをいう。有利な扱いは、ゲームに関連するパラメータのいずれかに一時的な変化又は恒久的な変化を加えることを少なくとも含む。一時的な変化を「効果」と呼び、一時的な変化が発生することを「発動」と呼び、効果が発動している状態を「発動中」と呼ぶ。特典は、適用条件を満たすプレイヤに自動的に適用される共通特典と、プレイヤによるアイテムの消費手続を契機として適用される個別特典と、を少なくとも包含する。
【0030】
(8)対象となる単数又は複数のゲームに関しプレイ対価を「変動対価」に変動させかつ通常規定を「変動規定」に変動させる個別特典を特に「変動特典」(第1特典)と呼ぶ。変動特典が「変動アイテム」に関連付けられている場合、変動特典は変動アイテムの消費をトリガとして発動する。変動アイテムは、対象ゲームのプレイ時に特に制限なく消費することができる。
【0031】
(9)変動特典による変動は、プレイ対価及び通常規定の数値部分の上昇(割増し)又は下降(割引き)である。通常規定の数値部分は、例えば、抽籤回数,当籤率,付与数,付与量等である。上昇又は下降は、プレイ対価及び通常規定の数値部分に変動率xをそれぞれ乗じることにより発生する。変動率xは、1でない正の実数である。0<x<1のとき変動は下降であり、1<xのとき変動は上昇である。
【0032】
(10)変動率は、プレイヤの入力操作に応じて設定してもよいし、プレイヤの指定操作に応じて設定してもよい。指定操作は、複数の選択肢の中から所望の変動率を選択する操作,所定の変動目的を指定する操作を包含する。変動目的は、プレイ対価を調整する目的,クリア報酬を調整する目的を少なくとも包含する。プレイ対価を調整する目的は、例えば、プレイ対価の負担に用いる残存価値を使い切る目的である。クリア報酬を調整する目的は、例えば、クリア報酬に含まれる経験値の量を調整してプレイヤランクを上昇させる目的である。
【0033】
(11)対象となる単数又は複数のゲームに関し通常規定を変更することなくプレイ対価を下降させる個別特典を特に「対価割引特典」(第2特典)と呼ぶ。割引きは、例えば、自然数の逆数を乗じることである。対価割引特典が「対価割引アイテム」に関連付けられている場合、対価割引特典は対価割引アイテムの消費をトリガとして発動する。
【0034】
(12)変動特典の変動内容が上昇(割増し)である場合、変動特典と対価割引特典は「併存関係」にある。すなわち、両者が同時に適用されても、プレイヤに不利益は生じ得ない。一方、変動特典の変動内容が下降(割引き)である場合、変動特典と対価割引特典は「競合関係」にある。すなわち、変動特典と比較して対価割引特典がより有利であり、両者は排他的な関係にある。
【0035】
(13)「変動対価の負担が可能な状況」とは、例えば、残存価値が変動対価以上である状況,残存価値が補充されれば変動対価以上になる状況である。一方、「変動対価の負担が可能な状況」とは、例えば、残存価値が補充されても変動対価以上になり得ない状況である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】システムのネットワーク構成を例示する構成図である。(実施例)
【
図2】サーバ装置の電気的構成を例示するブロック図である。(実施例)
【
図3】ユーザ装置の電気的構成を例示するブロック図である。(実施例)
【
図4】ユーザ管理サーバの機能構成を例示するブロック図である。(実施例)
【
図5】データベース構成を例示する説明図である。(実施例)
【
図6】ソロプレイの実行手順を例示するシーケンス図である。(実施例)
【
図7】挑戦指示受付画面の表示例を示す図である。(実施例)
【
図8】挑戦指示受付画面の表示例を示す図である。(実施例)
【
図9】挑戦指示受付画面の表示例を示す図である。(実施例)
【
図10】警告画面の表示例を示す図である。(実施例)
【
図11】確認画面の表示例を示す図である。(実施例)
【
図12】確認画面の表示例を示す図である。(実施例)
【
図13】警告画面の表示例を示す図である。(実施例)。
【
図14】警告画面の表示例を示す図である。(実施例)。
【発明を実施するための形態】
【0037】
[1.実施形態]
[1-1.概要]
本実施形態は、2次元以上の表示ができるディスプレイを用いた電子ゲームに関する。本実施形態では、対価が必要なゲームに挑戦しようとするプレイヤに当該プレイヤが保有する価値を有効に消費させるため、アイテムを消費して変動対価を負担したプレイヤに対する対象ゲームのクリア報酬を変動規定に基づいて決定する。
【0038】
[1-2.ゲーム情報処理装置]
実施形態に係るゲーム情報処理装置(例えば、ユーザ管理サーバ10)は、対象ゲームに関しプレイ対価を変動対価に変動させかつクリア報酬の通常規定を変動規定に変動させる第1特典が関連付けられたアイテムをプレイヤに付与する付与手段(例えば、付与部410)と、前記アイテムを消費して前記変動対価を負担した前記プレイヤに対する前記対象ゲームのクリア報酬を前記変動規定に基づいて決定する決定手段(例えば、更新部450)と、を備える。
【0039】
実施形態に係るゲーム情報処理装置は、クライアントサーバ型のゲーム情報処理システムにおいて、通信ネットワークを介してクライアント側装置に電子ゲームを提供するサーバ側装置として構成されるのが好適である。クライアント側装置は、ゲームセンター等に設置される業務用ゲーム機(アーケードゲーム機)でもよいし、各プレイヤが所持する個人用ゲーム機でもよい。個人用ゲーム機は、据置型のゲーム機でもよいし、携帯型のゲーム機でもよい。据置型のゲーム機及び携帯型のゲーム機は、専用のゲーム機でもよいし、汎用の端末でもよい。なお、実施形態に係るゲーム情報処理装置は、単独で動作する業務用ゲーム機や個人用ゲーム機でもよい。
【実施例0040】
[2.実施例]
[2-1.概要]
(1)実施例のサービス
本実施例は、少なくとも一部がオンラインで提供されるゲームサービス(実施例のサービス)に関する。実施例のサービスでは、プレイヤに対し、デッキを構成する4体のキャラクタをプレイヤが所定アクションにより順次操作して、ゲーム内に用意されている複数のステージ(狭義のゲーム)に順次挑戦していく電子ゲーム(広義のゲーム)が提供される。
【0041】
(2)クエスト
以下では、上記ステージを「クエスト」と呼ぶ。クエストには、常時提供される「ノーマルクエスト」,所定の保管場所(アーカイブ)にて提供される場合がある「アーカイブクエスト」(以下の説明では「追憶の書庫」(又は単に「書庫」)と呼ばれることがある。),期間限定的なイベントにおいて一時的に提供される場合がある「イベントクエスト」等がある。各クエストには、当該クエストのプレイごとに課されるプレイ対価が設定されている。また、各クエストには、当該クエストを攻略(クリア)した場合にクリア報酬を決定する際に用いる通常規定が関連付けられている。
【0042】
(3)ソロプレイ,マルチプレイ
クエストのプレイには、1人のプレイヤが単独で挑戦するソロプレイ(単独プレイ)と、2人~4人のプレイヤが協同して挑戦するマルチプレイ(協同プレイ)と、の2通りのプレイ形態がある。マルチプレイでは、当該マルチプレイを主催して仲間を募集するホストと当該募集に応募して当該マルチプレイに参加するゲストとにより協同関係が形成され、プレイの進行がプレイヤ間で同期される。
【0043】
(4)スタミナ,スタミナ総量
プレイヤごとに、スタミナが管理される。プレイヤがクエストに挑戦する度に、当該プレイヤのスタミナが当該クエストの難易度に応じて消費される。スタミナが不足すると、当該クエストをプレイすることができない。また、プレイヤランクごとにスタミナ総量が設定されている。プレイヤランクが高いほどスタミナ総量が大きい。プレイヤランクは、プレイヤが実施例のサービスでクエスト攻略等の行動を重ねて経験値を上げることで徐々に上昇する。
【0044】
(5)スタミナの自然回復
プレイヤのスタミナは、当該プレイヤの指示によらずに、当該プレイヤの「現在のプレイヤランクに対応するスタミナ総量」に相当するスタミナ最大値を上限として、徐々に回復する。自然回復の回復量は、「1単位/3分間」である。自然回復では、スタミナがスタミナ最大値を超過し得ない。
【0045】
(6)スタミナの強制回復
プレイヤのスタミナは、当該プレイヤの指示により、回復アイテム又は通貨アイテムの消費と引換えに、即座に回復し得る。強制回復の回復量は、回復アイテム1つ又は通貨アイテム1つに対し、当該プレイヤの「現在のプレイヤランクに対応するスタミナ総量」に等しい。強制回復では、スタミナがスタミナ最大値を超過し得る。
【0046】
(7)スタミナの連動回復
プレイヤのスタミナは、プレイヤランクの上昇に連動して、即座に回復し得る。連動回復の回復量は、当該プレイヤの「現在のプレイヤランクに対応するスタミナ総量」に等しい。連動回復では、スタミナがスタミナ最大値を超過し得る。
【0047】
(8)共通特典,個別特典
実施例のサービスでは、所定の適用条件を満たすプレイヤに対し、共通特典が適用される。また、実施例のサービスでは、所定の付与条件を満たすプレイヤに対しアイテムが付与される。そして、アイテムを消費したプレイヤに対し、当該アイテムに関連付けられた個別特典が適用される。共通特典及び個別特典は、プレイ対価やクリア報酬の通常規定の内容を一時的に変動させることを含む。
【0048】
[2-2.特徴]
(1)変動アイテム
実施例のサービスでは、所定の付与条件を満たすプレイヤに変動アイテムが付与される。変動アイテムには、単数又は複数の対象クエストに関しプレイ対価を変動対価に変動させかつ通常規定を変動規定に変動させる変動特典(第1特典)が関連付けられている。変動アイテムは、各種キャンペーンの一環で、付与条件を満たすプレイヤに付与される。
【0049】
(2)変動特典
そして、対象クエストのプレイ時に変動アイテムを消費したプレイヤに対し、当該変動アイテムに関連付けられている変動特典が適用される。変動特典による変動は、プレイ対価及び通常規定の数値部分の上昇(割増し)又は下降(割引き)である。通常規定の数値部分は、例えば、抽籤回数,当籤率,付与数,付与量等である。上昇及び下降は、プレイ対価及び通常規定の数値部分に変動率xをそれぞれ乗じることにより発生する。変動率xは、1でない正の実数である。
【0050】
[2-3.実施例のシステムの構成]
[2-3-1.ネットワーク構成]
図1は、実施例のシステムのネットワーク構成を例示する。実施例のシステムは、実施例のサービスをユーザに提供する。
【0051】
図1に例示されるように、実施例のシステムは、実施例のサービスのユーザ(プレイヤ)を管理するユーザ管理サーバ10と、実施例のサービスに関連するデータを管理するデータ管理サーバ20と、複数のユーザがそれぞれ使用する複数のユーザ端末30(30-1,30-2,…30-n)(n:自然数)と、を含む。
【0052】
ユーザ管理サーバ10とユーザ端末30は、通信ネットワーク40を通じてデータの授受が可能である。データ管理サーバ20は、内蔵する又は外部の接続可能なストレージ21にアクセス可能である。ユーザ管理サーバ10は、データ管理サーバ20を介してストレージ21に記憶されるデータにアクセス可能である。
【0053】
通信ネットワーク40は、インターネット(Internet),携帯電話網,無線WAN(Wireless Wide Area Network),無線LAN(Wireless Local Area Network),イーサネット(Ethernet)(登録商標)などの既存のネットワークのうち少なくともいずれかを含んでいてよい。
【0054】
(1)ユーザ管理サーバ
ユーザ管理サーバ10は、Webサーバプログラム及びアプリケーションプログラム(制御プログラム)がインストールされたサーバ装置(コンピュータ)である。ユーザ管理サーバ10は、要求(リクエスト)に応じて、データ管理サーバ20にストレージ21から必要なデータを取得させ、要求元に提供(レスポンス)する。また、ユーザ管理サーバ10は、要求(リクエスト)に応じて、データ管理サーバ20にストレージ21へ必要なデータを登録させる。また、ユーザ管理サーバ10は、実施例のサービスを提供するため、種々の処理を実行する。なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、ユーザ管理サーバ10の機能を分担させ又はユーザ管理サーバ10にかかる負荷を分散させてもよい。
【0055】
(2)データ管理サーバ
データ管理サーバ20は、DB(Data Base)サーバプログラムがインストールされたサーバ装置(コンピュータ)である。データ管理サーバ20は、ストレージ21とともにDBMS(Data Base Management System)を構成する。データ管理サーバ20は、要求(リクエスト)に応じて、ストレージ21から必要なデータを取得し、要求元に提供(レスポンス)する。また、データ管理サーバ20は、要求(リクエスト)に応じて、ストレージ21へ必要なデータを登録する。ストレージ21は、実施例のサービスに関連するデータを記憶する記憶装置である。なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、データ管理サーバ20の機能を分担させ又はデータ管理サーバ20にかかる負荷を分散させてもよい。
【0056】
(3)ユーザ端末
ユーザ端末30は、所定のゲームプログラムがインストールされたユーザ装置(コンピュータ)である。本実施例では、ユーザ装置として、プログラムをインストール可能な汎用の携帯装置(例えば、携帯電話,スマートフォン(smartphone),タブレット(tablet)端末,タブレットPC(personal computer),ウェアラブルデバイス(wearable device)など)や汎用の処理装置(例えば、PC(personal computer)など)を用いることができる。
【0057】
[2-3-2.電気的構成]
(1)サーバ装置の電気的構成
図2は、サーバ装置の電気的構成を例示する。
図2に例示されるサーバ装置は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)を含む制御処理装置210と、RAM(Random Access Memory)を含む主記憶装置220と、HDD(Hard Disc Drive)を含む補助記憶装置230と、マウスやキーボードを含む入力装置240と、ディスプレイやスピーカを含む出力装置250と、ネットワークカード(Network InterfaceCard)を含む通信制御装置260と、を有する。なお、CPUの代わりにMPU(Micro-Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等の装置を用いてもよい。
【0058】
主記憶装置220、補助記憶装置230、入力装置240、出力装置250及び通信制御装置260は、バスラインを介して制御処理装置210とそれぞれ接続される。制御処理装置210は、(1)補助記憶装置230に記憶されたプログラムを主記憶装置220上に読み込み、(2)プログラムの指示に従って入力装置240と補助記憶230と通信制御装置260との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをプログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータを補助記憶装置230と出力装置250と通信制御装置260との少なくともいずれかに提供する。
【0059】
(2)ユーザ装置の電気的構成
図3は、ユーザ装置の電気的構成を例示する。
図3に例示されるユーザ装置は、制御処理部を構成するDSP311と、主記憶部を構成するRAM321と、補助記憶部を構成するROM322及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)323と、入力部及び表示部を構成するタッチパネルディスプレイ331と、音声出力部を構成するスピーカ332と、通信制御部を構成するNIC(Network Interface Controller)341及び無線LAN(Local Area Network)チップ342と、を少なくとも有する。なお、DSPの代わりにMPU(Micro-Processing Unit)等の装置を用いてもよい。
【0060】
RAM321、ROM322、EEPROM323、タッチパネルディスプレイ331、スピーカ332、NIC341及び無線LANチップ342は、バスラインを介してDSP311とそれぞれ接続される。DSP311は、(1)ROM322又はEEPROM323に記憶されたプログラムをRAM321上に読み込み、(2)プログラムの指示に従ってタッチパネルディスプレイ331とEEPROM323とNIC341と無線LANチップ342との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをプログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータをEEPROM323とタッチパネルディスプレイ331とスピーカ332とNIC341と無線LANチップ342との少なくともいずれかに提供する。
【0061】
[2-3-3.機能構成]
(1)概要
ユーザ管理サーバ10及びデータ管理サーバ20の機能は、サーバ装置向けOS(Operating System)と当該OS上で動作するプログラム(制御プログラム)とがサーバ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。サーバ装置にインストールされるべきプログラムは、CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disk),MOディスク(Magneto-Optical disk),フラッシュメモリ(flash memory)などの記録媒体に非一時的に記録された状態で配布され当該記録媒体からサーバ装置に読み込まれてもよいし、通信ネットワーク40又はその他の通信ネットワークを介し搬送波に重畳させてサーバ装置に供給されてもよい。
【0062】
ユーザ端末30の機能は、ユーザ装置向けOS(Operating System)と当該OS上で動作するゲームプログラムがユーザ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。なお、ゲームプログラムに代えて、上記ユーザ装置向けOS上で動作するWebブラウザプログラムと当該Webブラウザプログラム上で動作するゲームプログラム(プラグイン)がユーザ装置にそれぞれインストールされることによってもユーザ端末30の機能が実現され得る。
【0063】
ユーザ装置向けOSは、出荷当初からユーザ装置にインストールされているのが一般的である。ユーザ装置にインストールされるべきその他のプログラムは、通信ネットワーク40を介し搬送波に重畳させてユーザ装置に供給されるのが一般的である。なお、ユーザ装置にインストールされるべき上記その他のプログラムは、CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disk),MOディスク(Magneto-Optical disk),フラッシュメモリ(flash memory)などの記録媒体に非一時的に記録された状態で配布され当該記録媒体からユーザ装置に読み込まれてもよい。
【0064】
(2)ユーザ管理サーバの機能構成
図4は、ユーザ管理サーバの機能構成を例示する。
図4に例示されるように、ユーザ管理サーバ10は、付与部410,受付提供部420,指定部430,設定部440,更新部450及び同期部460を具備する。付与部410,受付提供部420,指定部430,設定部440,更新部450及び同期部460はそれぞれ、ユーザ管理サーバ10として動作するサーバ装置の制御処理装置210及び通信制御装置260を含んで構成される。
【0065】
付与部410は、所定の付与条件を満たすプレイヤに、個別特典が関連付けられたアイテムを付与する。特に、付与部410は、所定の付与条件を満たすプレイヤに、対象クエストに関しプレイ対価を変動対価に変動させかつクリア報酬の通常規定を変動規定に変動させる変動特典(第1特典)が関連付けられた変動アイテムを付与する。
【0066】
受付提供部420は、変動アイテムの消費指示を伴う対象クエストの挑戦指示を、変動特典と併存関係にある対価割引特典(第2特典)との関係でプレイヤに不利益が発生しないことを条件に受け付ける。具体的には、受付提供部420は、通常規定を変動させずにプレイ対価を割り引く対価割引特典の適用が対象クエストの選択後に終了している場合において、プレイヤによる変動対価の負担が可能な状況であれば、当該プレイヤの確認を待って、挑戦指示を受け付ける。一方、受付提供部420は、同じ場合において、プレイヤによる変動対価の負担が不可能な状況であれば、挑戦指示を受け付けない。また、受付提供部420は、進行用パラメータや結果表示用データをユーザ端末30に提供する。
【0067】
指定部430は、クエストに挑戦するプレイヤを指定する。指定に際し、当該クエストに設定されているプレイ対価を当該プレイヤに課す。このとき、プレイ対価の負担は、当該プレイ対価に相当するスタミナの消費により行われる。
【0068】
設定部440は、プレイ対価から変動対価への変動内容(第1変動内容)と通常規定から変動規定への変動内容(第2変動内容)の少なくともいずれかをプレイヤによる指定操作に応じて設定する。実施例のサービスでは、設定部440は、プレイ対価を割り増す第1変動内容と通常規定を割り増す第2変動内容の両方を設定する。
【0069】
更新部450は、変動アイテムを消費して変動対価を負担したプレイヤに対する対象クエストのクリア報酬を変動規定に基づいて決定する。また、更新部450は、決定したクリア報酬がプレイヤに付与されるよう、ストレージ21に記憶されているデータを更新する。
【0070】
同期部460は、所定の更新タイミングで、ユーザ端末30にキャッシュ更新データを送信して、ユーザ端末30に保持されるキャッシュデータを更新させる。所定の更新タイミングは、例えば、ユーザ端末30においてゲームプログラムが起動されユーザ管理サーバ10にアクセスがなされた直後である。また、同期部460は、所定のタイミングで、ユーザ端末30から各種データを受信し、データ管理サーバ20で管理されているデータを必要に応じて更新する。
【0071】
[2-3-4.データベース構成]
図5は、実施例のシステムにおけるデータベース構成を例示する。これらのデータは、ストレージ21に記憶され、データ管理サーバ20を介してアクセス可能である。これらのデータの少なくとも一部を含むキャッシュ更新データがユーザ管理サーバ10(同期部550)からユーザ端末30に提供され、ユーザ端末30においてキャッシュデータとして保持される。
【0072】
(1)クエスト設定情報
クエスト設定情報は、クエストごとに当該クエストに関連する各種パラメータを設定する設定情報である。クエスト設定情報は、実施例のサービスの運営者により随時追加される。
図5(a)に例示されるように、クエスト設定情報は、クエストに一意の「クエストID(識別情報)」に、「クエスト対価」,「クリア報酬の通常規定」を対応付ける。実施例のサービスでは、「クエスト対価」として消費スタミナが設定される。
【0073】
(2)プレイヤ管理情報
プレイヤ管理情報は、プレイヤごとに当該プレイヤに関連する各種パラメータを管理する管理情報である。プレイヤ管理情報は、各プレイヤによる初期設定時に追加され、クエストのプレイ開始前又はプレイ終了後に更新される。
図5(b)に例示されるように、プレイヤ管理情報は、プレイヤに一意の「プレイヤID(識別情報)」に、「経験値」,「プレイヤランク」,「残存スタミナ」を少なくとも対応付ける。「経験値」は、クエストのクリア経験を重ねることにより上昇する。「プレイヤランク」は、「経験値」が所定の水準に達する毎に上昇する。「プレイヤランク」は、当該プレイヤのゲームに対する熟練度の目安になる。アイテムの付与条件や特典の適用条件は、プレイヤランクに関する条件を含むことがある。
【0074】
(3)スタミナ総量設定情報
スタミナ総量設定情報は、プレイヤランクごとにスタミナ総量を設定する設定情報である。実施例のサービスの運営者により、サービス開始時等に追加される。
図5(c)に例示されるように、スタミナ総量設定情報は、「プレイヤランク」に、「スタミナ総量」を対応付ける。
【0075】
(4)キャンペーン設定情報
キャンペーン設定情報は、キャンペーンごとに当該キャンペーンに関連する各種パラメータを設定する設定情報である。キャンペーン設定情報は、実施例のサービスの運営者により随時追加される。
図5(d)に例示されるように、キャンペーン設定情報は、キャンペーンに一意の「キャンペーンID(識別情報)」に、「適用条件」,「開始時期」,「終了時期」,「対象クエスト」,「特典内容」を少なくとも対応付ける。
【0076】
(5)キャンペーン発動管理情報
キャンペーン発動管理情報は、キャンペーンごとに当該キャンペーンの発動状態を管理する管理情報である。キャンペーン発動管理情報は、プレイヤにキャンペーンが適用された場合に追加される。
図5(e)に例示されるように、キャンペーン発動管理情報は、「プレイヤID」及び「キャンペーンID」に、有意のとき発動中を示す「発動フラグ」を少なくとも対応付ける。
【0077】
(6)アイテム定義情報
アイテム定義情報は、アイテムの種別ごとに当該アイテムに関連する各種パラメータを定義する定義情報である。アイテム定義情報は、実施例のサービスの運営者により随時追加される。
図5(f)に例示されるように、アイテム定義情報は、アイテムの種別に一意の「アイテム種別ID(識別情報)」に、「発動時間」,「対象クエスト」,「特典内容」,「競合キャンペーン」(キャンペーンID)を少なくとも対応付ける。
【0078】
(7)アイテム発動管理情報
アイテム発動管理情報は、プレイヤに付与されたアイテムの発動状態を管理する管理情報である。アイテム発動管理情報は、プレイヤにアイテムが付与された場合に追加される。
図5(g)に例示されるように、アイテム発動管理情報は、「プレイヤID」及び「アイテム種別ID」に、有意のとき発動中を示す「発動フラグ」,「開始時期」,「終了時期」を少なくとも対応付ける。
【0079】
(8)変動アイテム発動管理情報
変動アイテム発動管理情報は、プレイヤに付与された変動アイテムの発動状態を管理する管理情報である。変動アイテム発動管理情報は、変動特典に関連付けられたアイテムがプレイヤに付与された場合に追加される。
図5(h)に例示されるように、変動アイテム発動管理情報は、「プレイヤID」及び「アイテム種別ID」に、「変動目的」,「変動内容」を少なくとも対応付ける。「変動目的」は割増し又は割引きである。「変動内容」は変動率xの値であり、初期値はnull値である。
【0080】
[2-4.情報処理手順]
[2-4-1.アイテムの付与,特典の適用]
(1)アイテムの付与処理
ユーザ管理サーバ10は、所定の付与条件を満たすプレイヤに、アイテムを付与する。具体的には、当該プレイヤのプレイヤIDに対応付けてアイテム発動管理情報(
図5(g))を追加する。「発動フラグ」は初期値(未発動)である。所定の付与条件は、例えば、所定のクエストに挑戦して攻略しクリア報酬の抽籤に当籤したことを含む。
【0081】
(2)共通特典の適用処理
ユーザ管理サーバ10は、「適用条件」(
図5(d))を満たすプレイヤに、「開始時期」(
図5(d))から「終了時期」(
図5(d))までの期間に、「対象クエスト」(
図5(d))に「特典内容」(
図5(d))が示す共通特典を適用する。具体的には、当該プレイヤのプレイヤIDに対応付けてキャンペーン発動管理情報(
図5(e))を追加する。「発動フラグ」は初期値(未発動)である。共通特典が適用されると、例えば、特定のパラメータを変化させる効果が発動する。
【0082】
(3)個別特典の適用処理
ユーザ管理サーバ10は、適用済み又は適用予定の「競合キャンペーン」(
図5(f))が示すキャンペーンより有利である場合に、アイテムを消費したプレイヤに、「開始時期」(
図5(g))から「発動時間」(
図5(f))が経過する「終了時期」(
図5(g))までの期間に、「対象クエスト」(
図5(f))に「特典内容」(
図5(f))が示す個別特典を適用する。このとき、アイテム発動管理情報(
図5(g))の「発動フラグ」が有意化(発動中)される。個別特典が適用されると、例えば、特定のパラメータを変化させる効果が発動する。
【0083】
(4)変動特典の適用処理
ユーザ管理サーバ10は、適用済み又は適用予定の「競合キャンペーン」(
図5(f))が示すキャンペーンより有利である場合に、変動アイテムを消費したプレイヤに、「開始時期」(
図5(g))から「発動時間」(
図5(f))が経過する「終了時期」(
図5(g))までの期間に、「対象クエスト」(
図5(f))に「特典内容」(
図5(f))が示す変動特典(第1特典)を適用する。このとき、アイテム発動管理情報(
図5(g))の「発動フラグ」が有意化(発動中)される。また、このとき、変動アイテム発動管理情報(
図5(h))の「変動目的」や「変動内容」が更新される。変動特典が適用されると、例えば、対象クエストのプレイ対価が変動対価に変動しかつクリア報酬の通常規定が変動規定に変動する。
【0084】
[2-4-2.クエストの実行手順]
(1)ソロプレイの実行手順
図6は、実施例のシステムによるソロプレイの実行手順を例示する。
図6は、プレイヤのユーザ端末30によりクエストが選択された後の手順である。
【0085】
ステップS605では、ユーザ端末30が、プレイヤによるソロプレイの選択を受け付ける。ステップS610では、ユーザ端末30が、プレイヤの操作に応じてデッキを編成する。ステップS615では、ユーザ端末30がユーザ管理サーバ10(受付提供部420)に、プレイヤの操作(指定操作)に応じて当該クエストへのソロプレイによる挑戦を指示する。挑戦の指示は、挑戦指示受付画面を介して行われる。また、クエストの挑戦指示は、変動アイテムの消費指示を伴う。変動アイテムの消費指示には、変動対価が含まれる。
【0086】
ステップS620では、ユーザ管理サーバ10(指定部430)が、クエストの挑戦者を指定する。ここでは、プレイヤをソロプレイに挑戦する挑戦者として指定する。プレイヤの指定に際し、当該プレイヤに当該クエストのプレイ対価が課される。ここでは、ステップS615で受信した変動対価に相当するスタミナが、指定されたプレイヤに対応する「残存スタミナ」(
図5(b))から控除される。また、当該クエストの「プレイ対価」(
図5(a))に対するステップS615で受信した変動対価の比率(変動率x)が、当該変動アイテムに対応する「変動内容」(
図5(h))に反映される。
【0087】
ステップS625では、ユーザ管理サーバ10(設定部440)が、挑戦者向けのクエスト進行用パラメータを設定する。ステップS630では、ユーザ管理サーバ10(受付提供部420)がユーザ端末30に、クエスト進行用パラメータを提供する。ステップS635では、ユーザ端末30が、クエストを進行する。クエストの進行には、クエスト進行用パラメータが用いられる。ステップS640では、クエスト終了後、ユーザ端末30がユーザ管理サーバ10(受付提供部420)に、クエストの終了を通知する。
【0088】
ステップS645では、ユーザ管理サーバ10(設定部440)が、挑戦者向けの報酬計算用パラメータを設定する。ここでは、挑戦者に適用される変動特典を加味する。具体的には、通常規定に含まれる複数の数値部分が当該数値部分にそれぞれ「変動内容」(
図5(h))が示す変動率xを乗じて得られる値又はその近似値に変動するように報酬計算用パラメータ(変動規定)を設定する。
【0089】
ステップS650では、ユーザ管理サーバ10(更新部450)が、挑戦者に対応するプレイヤに付与するクリア報酬をステップS645で設定された報酬計算用パラメータを用いて決定し、ストレージ21に記憶されるプレイヤデータを更新する。例えば、挑戦者に対応するプレイヤの「経験値」(
図5(b))や「プレイヤランク」(
図5(b))を、報酬計算用パラメータに従って更新する。また、変動規定に基づいて変動後の回数分の抽籤を変動後の排出確率で実行し、当籤した場合に当該抽籤に係るオブジェクト(例えば、キャラクタ,アイテム)が排出される。
【0090】
ステップS655では、ユーザ管理サーバ10(受付提供部420)がユーザ端末30に、結果表示用データを提供する。ステップS660では、ユーザ端末30が、獲得されたクリア報酬を含む結果を表示する。例えば、更新前のデータが所定の視聴覚的効果により更新後のデータに変化する様子が示される。また、変動特典が適用されている場合に、クリア報酬が割増しになっていることを報知してもよい。例えば、報酬を示すアイコンに割増しがなされていることを示す割増表示を付加するとよい。割増表示は、「割増」,「2倍」,「×2」等の文字列を含んでいるのが好適である。
【0091】
(2)挑戦指示受付画面の出し分け
図7は、挑戦指示受付画面の表示例である。画面700は、デッキの編成に用いる領域710と、ボタン720を含む。ここでは、ボタン720に対するタップ操作が、挑戦指示の操作に相当する。プレイヤにより選択されたクエストが変動アイテムの対象クエストでない場合、変動アイテムの消費指示に用いる要素を含まない挑戦指示受付画面が表示される。
【0092】
図8は、挑戦指示受付画面の表示例である。画面800の構成は、画面700と基本的に同様である。画面800は、変動アイテムの消費指示に用いる要素810をさらに含む。プレイヤにより選択されたクエストが変動アイテムの対象クエストである場合、変動アイテムの消費指示に用いる要素を含む挑戦指示受付画面が表示される。ここでは、要素810に対するタップ操作が、消費指示の操作に相当する。
【0093】
図9は、挑戦指示受付画面の表示例である。画面900の構成は、画面800と基本的に同様である。画面900では、要素910がタップされ選択された状態になっている。この状態において、クエストのプレイにおいて負担する対価の入力が可能である。ここでは、要素910での数値入力操作が、対価指定の操作に相当する。要素910が選択された状態で挑戦指示の操作がなされると、変動アイテムの消費指示を伴う挑戦指示のデータがユーザ端末30に受け付けられ、ユーザ管理サーバ10に送信される。
【0094】
図10は、変動アイテムを保持していない状況において消費指示に相当する操作がなされた場合における警告画面の表示例である。
図11は、プレイヤの残存スタミナが変動対価に対して不足しかつ残存スタミナの強制回復(強制補充)が可能な状況において消費指示に相当する操作がなされた場合における確認画面の表示例である。プレイヤの確認が取れた後に、残存スタミナの強制回復がなされる。
図12は、残存スタミナが強制回復された場合における確認画面の表示例である。
図13は、プレイヤの残存スタミナが変動対価に対して不足しかつ残存スタミナの強制回復によっても不足分が補充できない状況において消費指示の操作がなされた場合における警告画面の表示例である。
【0095】
(3)挑戦指示の受付
実施例のサービスでは、ユーザ管理サーバ10(受付提供部420)が、対価割引特典の適用状況を加味して挑戦指示の受付可否を決定する。具体的には、対象クエストの選択時に対価割引特典が適用されていたものの挑戦指示の受付時に対価割引特典が適用されない場合(例えば、発動時間が経過し発動が終了している場合)において、変動対価の消費が可能であれば、プレイヤに消費指示と挑戦指示の少なくともいずれかを維持するか否か確認し、プレイヤによる確認を待って挑戦指示を受け付ける。
【0096】
一方、同じ場合において、変動対価の消費が不可能であれば、プレイヤによる挑戦指示の受付けを拒否する。
図14は、対象クエストの選択時に対価割引特典が適用されていたが挑戦指示の受付時に対価割引特典が適用されない状況において、変動対価の消費が不可能な場合における警告画面の表示例である。このような状況において、ユーザ管理サーバ10(受付提供部420)は、プレイヤによる挑戦指示を受け付けない。
【0097】
[3.変形例]
[3-1.変形例1(変動内容の設定に関する変形例)]
設定部440は、プレイヤの指定操作により指定される変動目的に応じて第1変動内容と第2変動内容の少なくともいずれかを設定してもよい。例えば、設定部440は、プレイ対価を調整する変動目的に応じて第1変動内容を設定し、かつ、当該第1変動内容に応じて第2変動内容を設定してもよい。また、例えば、設定部440は、クリア報酬を調整する変動目的に応じて第2変動内容を設定し、かつ、当該第2変動内容に応じて第1変動内容を設定してもよい。
【0098】
指定操作は、所定の変動目的を指定する操作を包含する。変動目的は、プレイ対価を調整する目的,クリア報酬を調整する目的を少なくとも包含する。プレイ対価を調整する目的は、例えば、プレイ対価の負担に用いる残存スタミナを消費し切る目的である。例えば、一日の最後のプレイにおいて、残存スタミナが中途半端に残らないようにするなどの使い方が考えられる。クリア報酬を調整する目的は、例えば、クリア報酬に含まれる経験値の量を調整してプレイヤランクを上昇させる目的である。例えば、残存スタミナの連動回復を利用して、自然回復を待たずかつ強制回復のためのアイテムを消費せずに、残存スタミナを早期に回復させることが可能になる場合がある。
【0099】
変動目的は、挑戦指示受付画面を介してプレイヤに指定させるとよい。変形例1においては、挑戦指示が変動目的を特定可能な情報を伴うものとする。具体的には、画面800(
図8)の要素810をプルダウン要素とし、例えば「残存スタミナを全て消費する」,「プレイヤランクを上昇させる」などを選択肢として用意する。前者はプレイ対価を調整する変動目的の一例であり、後者はクリア報酬を調整する変動目的の一例である。そしてこれらのいずれかが選択された状態で挑戦指示の操作がなされた場合に、変動目的を特定可能な情報が挑戦指示とともに、ユーザ端末30からユーザ管理サーバ10に送信される。
【0100】
ユーザ管理サーバ10では、変動内容を特定する処理が実行される。上記選択肢のうち前者がプレイヤにより指定され挑戦指示がなされた場合に、これらの操作中の自然回復分を含めた現在の「残存スタミナ」(
図5(b))相当分が変動対価となる。そして、プレイ対価に対する当該変動対価の割合が、変動内容(変動率x)となる。一方、上記選択肢のうち後者がプレイヤにより指定され挑戦指示がなされた場合に、現在の「プレイヤランク」(
図5(b))を1ランク上昇させるために必要な「経験値」(
図5(b))の不足分を計算し、通常規定に基づくクリア報酬として獲得可能な経験値に対する当該不足分の割合が、変動内容(変動率x)となる。特定された変動内容(変動率x)は、変動アイテム発動管理情報(
図5(h))の「変動内容」に反映される。
【0101】
[3-2.変形例2(消費指示の受付けに関する変形例)]
設定部440が、プレイ対価を割り引く第1変動内容と通常規定を割り引く第2変動内容の両方を設定し、受付提供部420が、アイテムの消費指示を、変動特典(第1特典)と競合関係にある対価割引特典(第2特典)との関係でプレイヤに不利益が発生しないことを条件に受け付けてもよい。具体的には、受付提供部420が、変動特典(第1特典)の適用終了後に対価割引特典(第2特典)の適用余地がある場合にアイテムの消費指示を受け付けてもよい。より具体的には、受付提供部420は、対価割引特典(第2特典)が関連付けられたアイテムが付与された場合、対価割引特典(第2特典)の適用期間が変動特典(第1特典)の適用期間と比較して十分に長い場合、等に適用余地があると判断するとよい。
前記ユーザからプレイするクエストの指定を受け付けた後に、前記クエストをプレイするために前記ユーザに課す前記ゲーム価値の消費量を設定するための情報を複数の選択肢から前記ユーザが入力可能な画面を、ユーザ端末に表示させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。