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特開2023-175982特定用途向けエレクトロニクスパッケージング製造プロセスを使用したスマートコネクタ及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175982
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】特定用途向けエレクトロニクスパッケージング製造プロセスを使用したスマートコネクタ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/66 20060101AFI20231205BHJP
【FI】
H01R13/66
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023175672
(22)【出願日】2023-10-11
(62)【分割の表示】P 2021531243の分割
【原出願日】2020-01-22
(31)【優先権主張番号】62/795,299
(32)【優先日】2019-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクター ザデレジュ
(72)【発明者】
【氏名】アラン ハン
(72)【発明者】
【氏名】リチャード フィッツパトリック
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スマートコネクタ、及びその製造方法に関する。
【解決手段】ASEP製造プロセスは、複数のリードフレームを有する連続キャリアウェブを形成することと、各リードフレームのフィンガー上に基板をオーバーモールドすることと、各基板338は、フィンガーの一部分を露出させる複数の開口部を有することと、トレースを電気めっきすることと、少なくとも1つの電気部品386をトレースに電気的に取り付けて、複数のASEPデバイス310を形成することと、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートコネクタであって、
特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスであって、リードフレームであって、開口部を画定し、該開口部内に延在する複数のフィンガーを有するリードフレームと、該リードフレームのフィンガー上にオーバーモールドされた基板であって、該基板を通るように形成された複数の開口部であって、フィンガーの一部分を露出させて露出部分を形成する開口部と、前記基板上に形成されたトレースであって電気めっきされたトレースとを有する基板と、前記特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスを形成するための少なくとも1つの電気部品であって、前記トレースに電気的に取り付けられた電気部品と、を含む、特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスと、
該特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスのフィンガーの一部の露出部分に電気的に接続された別個のプリント回路基板であって、前記特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスの少なくとも1つの電気部品の機能を制御するように構成された電気部品を有する、別個のプリント回路基板と、を備え、
第1の場合において、第1のプリント回路基板が、前記特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスの少なくとも1つの電気部品に電気的に接続されて、第1の様態で、前記特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスの少なくとも1つの電気部品の機能を制御し、第2の場合において、第2のプリント回路基板が、前記特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスの電気部品に電気的に接続されて、前記第1の様態とは異なる第2の様態で、前記特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスの少なくとも1つの電気部品の機能を制御する、スマートコネクタ。
【請求項2】
前記特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスの少なくとも1つの電気部品が、電界効果トランジスタを含み、前記別個のプリント回路基板の電気部品が、マイクロコントローラユニット及び通信プロトコルを含む、請求項1に記載のスマートコネクタ。
【請求項3】
前記特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスの少なくとも1つの電気部品が、通信フロントエンドを含み、前記別個のプリント回路基板の電気部品が、マイクロコントローラユニットを含む、請求項1に記載のスマートコネクタ。
【請求項4】
前記特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスの少なくとも1つの電気部品が、モータドライバを含み、前記別個のプリント回路基板の電気部品が、マイクロコントローラユニット及び通信プロトコルを含む、請求項1に記載のスマートコネクタ。
【請求項5】
前記特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスの少なくとも1つの電気部品が、電界効果トランジスタを含む、請求項1に記載のスマートコネクタ。
【請求項6】
前記特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスの少なくとも1つの電気部品が、電流センサを更に含む、請求項5に記載のスマートコネクタ。
【請求項7】
前記特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイス及び前記プリント回路基板が実装されたハウジングを更に備える、請求項1に記載のスマートコネクタ。
【請求項8】
前記プリント回路基板に電気的に接続された複数の特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスを更に備える、請求項1に記載のスマートコネクタ。
【請求項9】
前記特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスは、キャリアの残部から個片化されたものである、請求項1に記載のスマートコネクタ。
【請求項10】
スマートコネクタであって、
特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスであって、リードフレームであって、開口部を画定し、該開口部内に延在する複数のフィンガーを有するリードフレームと、該リードフレームのフィンガー上にオーバーモールドされた基板であって、該基板を通るように形成された複数の開口部であって、フィンガーの一部分を露出させて露出部分を形成する開口部と、前記基板上に形成されたトレースであって電気めっきされたトレースとを有する基板と、前記特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスを形成するための少なくとも1つの電気部品であって、前記トレースに電気的に取り付けられた電気部品と、を含む、特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスと、
該特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスのフィンガーの一部の露出部分に電気的に接続された別個のプリント回路基板であって、前記スマートコネクタの特性を修正するように構成された電気部品を有する、別個のプリント回路基板と、を備え、
第1の場合において、第1のプリント回路基板が、前記特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスの少なくとも1つの電気部品に電気的に接続されて、第1の様態で、前記スマートコネクタの特性を修正し、第2の場合において、第2のプリント回路基板が、前記特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスの少なくとも1つの電気部品に電気的に接続されて、前記第1の様態とは異なる第2の様態で、前記スマートコネクタの特性を修正する、スマートコネクタ。
【請求項11】
前記特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスの少なくとも1つの電気部品が、中央処理ユニットを含み、前記別個のプリント回路基板の電気部品が、メモリを含む、請求項10に記載のスマートコネクタ。
【請求項12】
前記特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイス及び前記プリント回路基板が実装されたハウジングを更に備える、請求項10に記載のスマートコネクタ。
【請求項13】
前記プリント回路基板に電気的に接続された複数の特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスを更に備える、請求項10に記載のスマートコネクタ。
【請求項14】
前記特定用途向けエレクトロニクスパッケージングデバイスは、キャリアの残部から個片化されたものである、請求項10に記載のスマートコネクタ。
【請求項15】
スマートコネクタを形成する方法であって、
複数のリードフレームを有する連続キャリアウェブを形成することであって、各リードフレームが、開口部を画定し、該開口部内に延在する複数のフィンガーを有する、連続キャリアウェブを形成することと、
各リードフレームの前記フィンガー上に基板をオーバーモールドすることであって、各基板が、それを通して提供され、前記フィンガーの一部分を露出させて露出部分を形成する複数の開口部を有する、オーバーモールドすることと、
複数のデバイスを形成するために、電気部品を各リードフレームの前記フィンガーの一部の前記露出部分に電気的に接続することであって、各デバイスは少なくとも1つの電気部品を有する、電気的に接続することと、
プリント回路基板を前記デバイスのうちの1つの前記フィンガーの一部の前記露出部分に電気的に取り付けることであって、前記プリント回路基板が、1つのデバイスの少なくとも1つの電気部品の機能を制御するように構成された電気部品を有する、電気的に取り付けることと、を含み、
第1の場合において、第1のプリント回路基板が、1つのデバイスの少なくとも1つの電気部品に電気的に接続されて、第1の様態で、1つのデバイスの少なくとも1つの電気部品の機能を制御し、第2の場合において、第2のプリント回路基板が、1つのデバイスの少なくとも1つの電気部品に電気的に接続されて、前記第1の様態とは異なる第2の様態で、1つのデバイスの少なくとも1つの電気部品の機能を制御する、方法。
【請求項16】
前記連続キャリアウェブから前記1つのデバイスを個片化することと、
個片化された前記デバイス及び前記プリント回路基板をハウジング内に実装することと、を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
スマートコネクタを形成する方法であって、
複数のリードフレームを有する連続キャリアウェブを形成することであって、各リードフレームが、開口部を画定し、該開口部内に延在する複数のフィンガーを有する、連続キャリアウェブを形成することと、
各リードフレームの前記フィンガー上に基板をオーバーモールドすることであって、各基板が、それを通して提供され、前記フィンガーの一部分を露出させて露出部分を形成する複数の開口部を有する、オーバーモールドすることと、
複数のデバイスを形成するために、電気部品を各リードフレームの前記フィンガーの一部の前記露出部分に電気的に接続することであって、各デバイスは少なくとも1つの電気部品を有する、電気的に接続することと、
プリント回路基板を前記デバイスのうちの1つの前記フィンガーの一部の前記露出部分に電気的に取り付けることであって、前記プリント回路基板が、前記スマートコネクタの特性を修正するように構成された電気部品を有する、電気的に取り付けることと、を含み、
第1の場合において、第1のプリント回路基板が、デバイスの少なくとも1つの電気部品に電気的に接続されて、第1の様態で、前記スマートコネクタの特性を修正し、第2の場合において、第2のプリント回路基板が、デバイスの少なくとも1つの電気部品に電気的に接続されて、前記第1の様態とは異なる第2の様態で、前記スマートコネクタの特性を修正する、方法。
【請求項18】
前記連続キャリアウェブから1つのデバイスを個片化することと、
個片化された前記デバイス及び前記プリント回路基板をハウジング内に実装することと、を更に含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2019年1月22日に出願された、米国特許仮出願第62/795,299号に対する優先権を主張し、その内容は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、スマートコネクタ、及びその製造方法に関する。より具体的には、本開示は、スマートコネクタ及びその製造方法に関し、これは、スマートコネクタを形成するために特定用途向けエレクトロニクスパッケージング(「ASEP」)製造プロセスを部分的に使用する。
【背景技術】
【0003】
特定用途向けエレクトロニクスパッケージング(「ASEP」)デバイス及び製造プロセスは、出願人によって開発されたもので、プリント回路基板、ヒートシンク、コネクタ、高電流導体、及び熱管理特徴部の機能を単一エレクトロニクスモジュールに統合するエレクトロニクスモジュールの作成に有用である。ASEP製造プロセスの利点は、製造業者が、コネクタ機能がディスクリート部品である場合に、はるかに大きくかつより高価であるエレクトロニクスモジュールにコネクタ機能を統合することを可能にすることである。更に、ASEPデバイスに統合された金属コンタクトは、導電性が高く、それにより、金属コンタクトは、高電流を搬送し、並びに熱を非常に効率的に除去するための最適な経路を提供する。
【0004】
ASEP製造プロセスは、コネクタを製造するために使用される同じ製造工程の多くを利用するが、コストの追加を最小限に抑えて、著しくより多くの機能を追加する。ASEP製造プロセスは、2016年6月28日に出願された、国際出願PCT/US2016/039860号で以前に記載及び例示されており、2017年1月5日に国際公開第2017/004064号として、かつ2017年7月5日に出願された国際出願PCT/US2017/040736号に公開されており、及び2018年1月11日に国際公開第2018/009554号として公開されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
ASEPデバイス及びASEP製造プロセスが大きな価値を提供できることがわかっている業界の1つは、パワーエレクトロニクスの業界である。様々な業界における電化及びより高い電力レベルに対する需要の増加により、ハイパワーエレクトロニクスを製造するためのより良好な方法の必要性が指数関数的に増加している。
【0006】
今日、パワーエレクトロニクスは、3~5オンスのCuトレース(110~185ミクロン厚)を有し得る「厚いCu PCB」上に依然として組み立てられている。しかし、これらのタイプのPCBは高価であるだけでなく、業界で必要とされる非常に高い電流(100~500アンペア)を運ぶには、実際には非常に良好ではない。熱パイプの使用などの技法は、生成される熱を除去するのを助けるために考慮されているが、これらのアプローチは、実行するのにしばしばかさばり、費用がかかった。
【0007】
パワーエレクトロニクスを形成するためのASEP製造プロセスは、設計者がシステム内の電気抵抗を劇的に低減するアプローチを可能にし、それによって発生する熱の量を低減する。更に、熱の一部を生成する電力デバイスを高熱伝導性金属に直接取り付けることにより、ASEPデバイスは、更により効率的な方法で依然として生成される熱の除去を可能にする。
【0008】
ASEP製造デバイス及びプロセスは、数百アンペアの電流が可能であろうパワーエレクトロニクスの設計及び製造において、いくつかの有意な利点を提供するが、ASEPデバイスの特徴及び又は性能要件を変更することに関連する課題の1つは、異なるアプリケーションが、まったく新しいスタンピングダイ及び又は金型を必要とし得ることである。これにより、新しいスタンピングダイ及び又は金型に関連するコスト、並びにスタンピングダイ及び又は金型の製造及び認定に関連する時間を正当化することの困難をもたらす可能性がある。
【0009】
したがって、改善されたASEPデバイス及び改善されたその製造プロセスが必要とされている。
【発明の概要】
【0010】
一実施形態では、スマートコネクタは、ASEP製造プロセスによって形成された特定用途向けエレクトロニクスパッケージング(ASEP)デバイスと、ASEPデバイスの電気部品に電気的に接続された別個のプリント回路基板と、を含む。ASEP製造プロセスは、複数のリードフレームを有する連続キャリアウェブを形成することと、各リードフレームのフィンガー上に基板をオーバーモールドすることと、各基板は、フィンガーの一部分を露出させる複数の開口部を有することと、トレースを電気めっきすることと、少なくとも1つの電気部品をトレースに電気的に取り付けて、複数のASEPデバイスを形成することと、を含む。いくつかの実施形態では、プリント回路基板は、電気部品の機能を制御するように構成された電気部品を有する。いくつかの実施形態では、プリント回路基板は、スマートコネクタの特性を修正するように構成された電気部品を有する。
【0011】
一実施形態では、スマートコネクタを形成する方法は、複数のリードフレームを有する連続キャリアウェブを形成することであって、各リードフレームが、開口部を画定し、開口部内に延在する複数のフィンガーを有する、形成することと、各リードフレームのフィンガー上に基板をオーバーモールドすることであって、各基板は、それを通して提供され、フィンガーの一部分を露出させて露出部分を形成する複数の開口部を有する、オーバーモールドすることと、複数のデバイスを形成するために、電気部品を各リードフレームのフィンガーの一部の露出部分に電気的に接続することであって、各デバイスは少なくとも1つの電気部品を有する、電気的に接続することと、プリント回路基板をデバイスのうちの1つのフィンガーの一部の露出部分に電気的に取り付けることであって、プリント回路基板は、1つのデバイスの少なくとも1つの電気部品の機能を制御するように構成された電気部品を有する、電気的に取り付けることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本出願は、例として図示されるが、添付図面に限定されるものではなく、また図中、同様の参照番号は同様の要素を示す。
図1】スマートコネクタの斜視図を示す。
図2】スマートコネクタの一部を形成するプリント回路基板と嵌合された特定用途向けエレクトロニクスパッケージング(「ASEP」)デバイスの実施形態の斜視図を示す。
図3】スマートコネクタの一部を形成するプリント回路基板と嵌合された特定用途向けエレクトロニクスパッケージング(「ASEP」)デバイスの実施形態の斜視図を示す。
図4】製造の様々な段階におけるキャリア上にASEPデバイスを形成するために使用される工程を示す。
図5】製造の様々な段階におけるキャリア上にASEPデバイスを形成するために使用される工程を示す。
図6】プリント回路基板の実施形態の平面図を示す。
図7】スマートコネクタの実施形態の分解斜視図を示す。
図8】嵌合されていない配置にある、スマートコネクタ及び嵌合コネクタを含むコネクタアセンブリの斜視図を示す。
図9】単一のプリント回路基板に接続された複数のASEPデバイスの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の詳細な説明は、例示的な実施形態を説明し、開示される特徴は、明示的に開示された組み合わせに限定されることを意図するものではない。したがって、特に明記されない限り、本明細書で開示される特徴は、簡潔にするために別様に示されなかった追加の組み合わせを形成するために、一緒に組み合わされてもよい。用語「前方」及び「後方」は、説明の目的のみのために使用され、使用中に必要な向きを示すものではない。
【0014】
本開示は、特定用途向けエレクトロニクスパッケージング(「ASEP」)製造プロセス320を使用して部分的に形成されるスマートコネクタ360の設計及び製造の改善を目的とする。いくつかの実施形態では、スマートコネクタ360は、ASEP製造プロセス320を使用して形成される特定用途向けエレクトロニクスパッケージング(「ASEP」)デバイス310と、ASEPデバイス310の動作を様々な様態で制御するためにASEPデバイス310に取り付けられる別個のプリント回路基板200と、を含む。いくつかの実施形態では、スマートコネクタ360は、ASEP製造プロセス320を使用して形成される特定用途向けエレクトロニクスパッケージング(「ASEP」)デバイス310と、結果として生じるスマートコネクタ360の特性を様々な様態で修正するためにASEPデバイス310に取り付けられる別個のプリント回路基板200と、を含む。一実施形態では、ASEPデバイス310及びプリント回路基板200は、ハウジング375に組み立てられ/接続されて、スマートコネクタ360を形成する。いくつかの実施形態では、図9に概略的に示されるように、複数のASEPデバイス310は、プリント回路基板200に接続され、プリント回路基板200は、ASEPデバイス310の全てと相互作用する。
【0015】
ASEPデバイス310は、顧客のニーズを満たすために様々なアプリケーションで一般的に使用される基本電気部品386を含む。基本電気部品386は、マイクロプロセッサユニット(MPU)/マイクロコントローラユニット(MCU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、関連するゲートドライバを有し得る電界効果トランジスタ(FET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、モータドライバ、通信フロントエンドを実行するための電子部品(RJ45コネクタなど)、センサ(電流センサなど)、ダイオード、コンデンサ、及び抵抗器を含み得るが、これらに限定されない。電流センサは、FETを監視するために使用され得る。ASEP製造プロセス320は、ハイパワーエレクトロニクスの設計及び製造--輸送及び他の産業の電化により、これから先10年間指数関数的に成長するであろう産業、にいくつかの有意な利点を提供する。ASEP製造プロセス320によって製造されたASEPデバイス310によって提供される利点のために、FETは、40アンペア以上の電界効果トランジスタであってもよい。
【0016】
別個のプリント回路基板200は、特性/パラメータを変えることができ、ASEPデバイス310上の基本電気部品386と相互作用する電気部品202を含む。別個のプリント回路基板200上の電気部品202としては、マイクロプロセッサユニット(MPU)/マイクロコントローラユニット(MCU)/中央処理ユニット(CPU)、通信プロトコルを実行するための電子部品、メモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)が挙げられ得るが、これらに限定されない。通信プロトコルの例としては、コントローラエリアネットワーク(CAN)、ローカルインターコネクトネットワーク(LIN)、FlexRay、ControlNet、DirectNet、Modbus、Profibus、任意の2線式又は無線周波数(RF)通信プロトコルが挙げられる。以前は、別個のプリント回路基板200上に提供されるこれらの電気部品202は、ASEPデバイスに一体化されていた。
【0017】
本開示を用いると、先行技術のASEPデバイス上に以前に提供された特定の特徴が、ここでは別個のプリント回路基板200上に提供され、ASEPデバイス310上には提供されないので、より高価なASEPデバイス310を製造するための再ツールを必要とせずに、製造業者によって別個のプリント回路基板200を交換することによって、スマートコネクタ360のエレクトロニクス及び部品の多くを容易に変更又はアップグレードすることができる。これは、同じASEPデバイス310を複数のプリント回路基板200と共に使用することを可能にし、それにより、製造業者が、同じ基本ASEPデバイス310を使用して同じ顧客の要件又は複数の顧客の要件にコスト効果的に対応し、プリント回路基板200を変更することのみを可能にする。プリント回路基板200は、高電流のルーティングに使用するのに最適ではなく、良好な熱管理特性を有さないが、プリント回路基板200は、高密度回路、多層化の利点をスマートコネクタ360に提供し、非常に迅速かつコスト効果的に製造することができる。結果として、基本ASEPデバイス310を製造するために必要とされる資本は変更されないままとなり得、最小限の資本が、同じASEPデバイス310と共に使用するための新しいプリント回路基板200を製造するためにのみ必要とされる。これはまた、ASEPデバイス310が(プリント回路基板200が解決しない)熱的課題を解決するので、アプリケーションに関連する熱的な課題を解決し、一方、プリント回路基板200を変更することによって各顧客に対してアプリケーションをカスタマイズすることを可能にし、それにより、高電力アプリケーションのツール及び製造に必要な資本が大幅に削減される。
【0018】
これらの電気部品202、386を使用するアプリケーションのいくつかの例としては、以下が挙げられる。1)プリント回路基板200がマスターであるソリッドステートスイッチ。ソリッドステートスイッチアプリケーションでは、プリント回路基板200はMCU及び通信プロトコル(例えば、CAN、LIN)を含み、ASEPデバイス310はFETを含む。2)プリント回路基板200がスレーブである計算モジュール。計算モジュールアプリケーションでは、プリント回路基板200はメモリを含み、ASEPデバイス310はCPUを含む。3)プリント回路基板200がマスターである通信モジュール。通信モジュールアプリケーションでは、プリント回路基板200はMCU及び通信プロトコルを含み、ASEPデバイス310は通信フロントエンド(RJ45コネクタ)を含む。4)プリント回路基板200がマスターであるモータモジュール。モータモジュールアプリケーションでは、プリント回路基板200はMCU及び通信プロトコルを含み、ASEPデバイス310はモータドライバを含む。
【0019】
プリント回路基板200がASEPデバイス310の動作をどのように制御するかの例として、プリント回路基板200がMCU及び通信プロトコルを含み、ASEPデバイス310がFETを含む場合、プリント回路基板200上のMCUは、必要に応じて、ASEPデバイス310上のFETにオン又はオフになるように命令する。例として、プリント回路基板200上に提供される通信プロトコルに応じて、ASEPデバイス310上で同じFETを使用している間、ASEPデバイス310の動作は異なって制御される。
【0020】
プリント回路基板200が、結果として得られるスマートコネクタ360の特性をどのように修正するかの例として、プリント回路基板200がメモリを含み、ASEPデバイス310がCPUを含む場合、プリント回路基板200上に提供されているメモリに記憶されたコードに応じて、結果として得られるスマートコネクタ360の特性を変える。
【0021】
スマートコネクタ360は、先行技術で知られているように、ASEP製造プロセス320を使用して部分的に形成されるが、ASEP製造プロセス320は、プリント回路基板200への電気的接続を収容することによってスマートコネクタ360を形成するように修正されている。形成されたASEPデバイス310が次に、スマートコネクタ360の一部として使用される、修正ASEP製造プロセス320を使用してASEPデバイス310の形成を例示する図4に注目する。
【0022】
図4に図示するように、ASEP製造プロセス320は、工程Aで開始される。ASEP製造プロセス320は、好ましくは一対のリール(図示せず)の間で行われる。工程Aでは、キャリアウェブ322の中央部分がスタンピングされて(したがって、キャリアウェブ322の中央部分の望ましくない部分を除去して)、リードフレーム328を形成する。リードフレーム328は、ASEPデバイス310の形成に適した所望の構成で形成される。リードフレーム328は、好ましくは、端部部分324a、324b(1つのリードフレーム328の端部部分324a、324bは、隣接するリードフレーム328の端部部分324a、324bと連続していることが理解される)、一対の安定化部分330a、330b(1つのリードフレーム328の安定化部分330aはまた、好ましくは、隣接するリードフレーム328の安定化部分330bとして作用することが理解される)を含み、各安定化部分330a、330bは、対向する端部部分324a、324b間の距離にまたがる(端部部分324a、324bは、好ましくは、工程Aのスタンピングを受けない)。したがって、対向する端部部分324a、324b及び安定化部分330a、330bは、概して、それらの間に開口部332を画定する矩形フレームを形成する。リードフレーム328はまた、好ましくは、対向する端部部分324a、324b及び安定化部分330a、330bのいずれか1つに接続され、開口部332内に内向きに延在する複数のフィンガー334を含む。ASEPデバイス310の形成では、フィンガー334の一部が高電流コンタクト341を形成し、フィンガー334の一部がコンタクトピン342を形成することが理解される。高電流コンタクト341及びコンタクトピン342は、プリント回路基板200への最終的な接続のために、それを通じて提供される1つ以上の開口336を有し得る。
【0023】
図4に図示するように、ASEP製造プロセス320は工程Bに続く。工程Bでは、基板338が、リードフレーム328のフィンガー334にオーバーモールドされる。基板338は、本明細書で説明されるように、電子部品386に接続するための高電流コンタクト341の様々な部分341aを露出させる、それを通して提供される開口部340、及びプリント回路基板200上の電子部品202に接続するための高電流コンタクト341及びコンタクトピン342の様々な部分を露出させる開口部343(図5を参照)を有する。開口部343の一部のみが、例示目的のみのために図5に示されており、開口部343の構成は、ASEPデバイス310とプリント回路基板200との間に必要とされる接続に依存する。開口部343は基板338の反対側に示されているが、開口部343は、開口部340と同じ基板338の側を通ってもよい。ASEPデバイス310の基板338は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリカーボネート、ポリカーボネートブレンド、ポリプロピレン、ポリプロピレンブレンドから形成され得る。ASEPデバイス310の基板338はまた、有利には、熱伝導性液晶ポリマー(LCP)で形成されてもよい。基板338を熱伝導性LCPから作ることにより、エレクトロニクスの熱負荷をASEPデバイス310において著しく低減することができる。
【0024】
コンタクトピン342の端部部分は、基板338がそれにオーバーモールドされていない。工程Bのオーバーモールドは、1つ若しくは2つのショットプロセス、又は任意の他の従来の成形プロセスで実行することができる。
【0025】
ASEP製造プロセス320は、工程Cに続く。工程Cでは、パターニングが基板338上で実行される。パターニングは、基板338の表面上に形成される1つ以上のパターン344(回路パターンであってもよい)を提供する。パターン344は、レーザープロセス、プラズマプロセス(真空又は大気プロセスであり得る)、UVプロセス及び/又はフッ素化プロセスを含む、任意の数の好適なプロセスによって形成することができる。使用されるプロセス(例えば、プラズマ、UV及び/又はフッ素化)に応じて、パターニングは、基板338の表面の全てではないにしてもほとんどのパターニング(すなわち、その表面処理)を含み得る。したがって、パターン344は、基板338の表面の全て又はほぼ全てに形成され得る。
【0026】
ASEP製造プロセス320は、工程Dに続く。工程Dでは、金属層(一般にシード層と呼ばれる)がパターン344の全部又は一部(典型的には、パターン344がレーザープロセスによって形成される場合の全て、及び典型的には、パターン344がプラズマ、UV及び/又はフッ素化プロセスによって形成される場合の一部)に堆積され、基板338に接続され、金属層は導電パターン又はトレース346を提供する。トレース346はまた、開口部340の壁に沿って提供され、したがって、トレース346をフィンガー334に、ひいてはリードフレーム328の残部にも電気的に接続する。金属層の堆積は、無電解めっきプロセス、インクジェットプロセス、スクリーニングプロセス、又はエアゾールプロセスを含む、任意の好適なプロセスによって実行され得る。使用されるプロセスに応じて、堆積される金属は、インク又はペーストを含む任意の好適な形態であってもよい。堆積される金属は、好ましくは、その導電率を高めるために、高導電率及び低バインダ含有量を有する。堆積される金属は、更に好ましくは、めっき浴中で高い化学的安定性、及び所望の堆積プロセスに適合する粘度を有する。図示されていないが、フィンガー334の部分は、基板338の表面上のトレース346に電気的に接続される内部バスとして作用することができることを理解されたい。
【0027】
ASEP製造プロセス320は、工程Eに続く。工程Eでは、トレース346は導電性(焼結)にされ、それによって導電トレース348を形成する。焼結プロセスは、例えば、インク又はペースト中の粒子(例えば、ナノ若しくはミクロンサイズ)を融合させるために、レーザーによって、又はフラッシュ熱によって、若しくは十分な熱エネルギーを提供する任意の他の望ましいプロセスによって実行することができる。焼結は、トレース346を形成する堆積された金属が基板338に付着することを確実にし、また、堆積された金属が導電性であることを確実にする(適用された堆積金属が、電位がトレース346に印加されることを可能にするために十分に導電性ではないことがしばしばあるので)のを助ける。理解され得るように、工程Dが無電解めっきプロセスで実施される場合、工程Eは、無電解めっきを焼結する必要がないので、実行する必要はない。
【0028】
工程C及び工程Eの両方がレーザーを使用して実行される場合、好ましいプロセスは、単一のステーション/位置に統合された複数のレーザーを有し、それによってASEP製造プロセス320のスペースが節約され、レーザーが適切に位置合わせされることを確実にするのに役立つことに更に留意されたい。加えて、単一のステーション/位置における複数のレーザーの統合は、材料のより高速な処理を可能にする。
【0029】
図4に図示するように、ASEP製造プロセス320は、工程Fに続く。工程Fでは、トレース346/導電トレース348は、リードフレーム328に電位を印加することによって電気めっきされる(これは、内部バスを介してトレース346/導電トレース348に電気的に接続され、次いで、リードフレーム328、基板338及びトレース346/導電トレース348を電気めっき浴に曝す)。電気めっきプロセスは、トレース346/導電トレース348を電気めっきして電子回路トレース350を形成するだけでなく、リードフレーム328を電気めっきして、電気めっきされた高電流コンタクト357を有する電気めっきされたフィンガー356を有する電気めっきされたリードフレーム354を形成し、基板338の開口部340を介して露出されたその部分357a及び基板338の開口部343を介して露出されたその部分と、基板338の開口部343を介して露出しているその部分を有する電気めっきされたコンタクトピン358とを有する。ASEPデバイス310は、2つの電気めっきされた高電流コンタクト357と共に図示されているが、ASEPデバイス310は、必要に応じて、任意の数の電気めっきされた高電流コンタクト357を有してもよいことに更に留意されたい。工程Fは、銅などの単一材料の単一層を構築する単一工程めっきプロセスを含むことができ、又は銅層及びスズ層などの複数の材料の複数の層を構築する多工程めっきプロセスを含むことができ、他の好適な材料も使用できることが理解される。増加した厚さは、増加した電流搬送能力を可能にし、一般に、電気めっきプロセスは、結果として得られる電子回路トレース350の性能が改善されるように、高い導電率を有する材料を作成する傾向がある。
【0030】
内部バスへのトレース346の接続は、銅、ニッケル、金、銀、スズ、鉛、パラジウム、及び他の材料を含む全ての金属の電気めっきを可能にする。内部バスに接続されたトレース346を形成し、次に電気めっきするプロセスは、既知の無電解めっきプロセスよりも金属のより高速な堆積を可能にする。加えて、めっきプロセスは、より従来型のバッチプロセスと比較して、リールツーリール技術を使用して実行される場合、よりスムーズで低コストである。
【0031】
別の実施形態では、Mesoscribe(MesoScribe Technologies)の技術に含まれるものなどの技法を使用して、表面上に銅(又は他の導電性材料)の全厚を堆積させることができる。次に、ピコ秒レーザーを使用して、導電性材料内の所望の導電性パターンを分離することができる。このようなアプローチは、1つ以上のめっき材料が所望される場合、本明細書に記載されるような工程Fの代わりに、又は工程Fに加えて使用することができる。
【0032】
工程C、D、E、及びFは、ザレック(XAREC)によって提供されるシンジオタクチックポリスチレン(SPS)上で使用されてもよく、基板338の表面への電子回路トレース350の良好な保持を提供する。
【0033】
ASEP製造プロセス320は、工程Fの後、工程G及びHに続くが、図4はこれらの工程を図示していない。工程Gでは、電子回路トレース350の選択部分及び基板338の露出面の全て又は実質的に全てを覆う半田マスクが適用される。工程Hでは、半田ペーストが、電子回路トレース350の露出部分上にステンシルで印刷される(すなわち、これらの部分は半田マスク352によって覆われない)。
【0034】
図6に図示するように、ASEP製造プロセス320は、工程Iに続く。工程Iでは、基本電気部品386は、電気めっきされた高電流コンタクト357の露出部分357aと、好ましくは半田付けを介して生じる電子回路トレース350とに電気的に接続される。したがって、電気部品386は、熱及び電気経路が非常に低い熱抵抗を有するように、コンタクト357及び電子回路トレース350に直接実装される。こうして、温度は、プリント回路基板200上よりもはるかに良好に制御することができる。一実施形態では、電気部品386は、インフィニオン・テクノロジーズ(Infineon)によって製造及び販売されているものなどの、少なくとも高電力FETを含む。FETは、逆バッテリ保護を含み得る。
【0035】
ASEP製造プロセス320は、工程Jに続くが、図4はこの工程を図示していない。工程Jでは、電気めっきリードフレーム354の「フレーム」に接続された残りの露出した電気めっきフィンガー356の大部分は、打ち抜かれ/除去され、電気めっきリードフレーム354の「フレーム」に依然として接続された露出した電気めっきフィンガー356の必要な量のみを残す。この時点で、必要に応じて、形成されたASEPデバイス310を電気的に試験することができる。
【0036】
図4に図示するように、ASEP製造プロセス320は、工程Kに続く。工程Kでは、ASEPデバイス310が形成されると、ASEPデバイス310を使用するためには、ASEPデバイス310を個片化するために、キャリアウェブ322から取り外す必要がある。
【0037】
特定のアプリケーションでは、工程A~Kの全てが必要ではないことを理解されたい。特定のアプリケーションでは、工程A~Kの順序は適宜変更されてもよいことを更に理解されたい。また、図面は、基板338に適用されているASEP製造プロセス320のみを示しているが、ASEP製造プロセス320は、内部層にも同様に適用され得ることも理解されたい。
【0038】
一実施形態では、プリント回路基板200は従来通りに形成され、基板204の表面上に堆積又は「印刷」された導電性材料の薄層によってその上に形成された回路206を有する絶縁基板204を含む。個々の電子部品202は、基板204の表面上に配置され、回路206に半田付けされる。一実施形態では、プリント回路基板200は、基板から延在する複数のコンタクトピン208を有し、これは、ASEPデバイス310にコネクタを提供する。コンタクトピン208の一部は、例示のみを目的として図6に示されるようにラベル付けされており、コンタクトピン208の構成は、ASEPデバイス310に必要とされる接続に依存する。
【0039】
ASEPデバイス310が個片化される前又は後に、プリント回路基板200は、ASEPデバイス310と嵌合される。コンタクトピン208は、必要に応じて、高電流コンタクト341及びコンタクトピン342に電気的に接続されて、プリント回路基板200とASEPデバイス310との嵌合を完了する。いくつかの実施形態では、コンタクトピン208は、高電流コンタクト341及びコンタクトピン342に圧力嵌め方式で接続するために、開口部343を通って、及び開口336を通って延在する。いくつかの実施形態では、コンタクトピン208は、例えば半田付けによって、開口部343を介して高電流コンタクト341及びコンタクトピン342に表面実装される。その後、嵌合されたプリント回路基板200及びASEPデバイス310は、ハウジング375内に組み立てられ/接続されて、スマートコネクタ360を形成する。一実施形態では、複数のハウジングが提供され、1つのハウジング内にプリント回路基板200を備え、各ASEPデバイス310は、それ自体のハウジング内に提供されてもよい。一実施形態では、複数のハウジングが提供されてもよく、1つのハウジング内にプリント回路基板200及び1つ以上のASEPデバイス310を備え、他のASEPデバイス310は、それ自体のハウジング内に提供されてもよい。
【0040】
基板338は、前方縁部390、後方縁部392、並びに第1及び第2の側縁部394、396を有する。ハウジング375は、嵌合されたプリント回路基板200及びASEPデバイス310が挿入されて収容される第1の内側部分(図示せず)を含み得る。ASEPデバイス310の側縁部394、396は、ASEPデバイス310の前方縁部390がハウジング375の内壁(図示せず)に当接するまで、ハウジング375によって画定されたトラック部分(図示せず)に挿入され得る。内壁は、ハウジング375を第1の内側部分(図示せず)と第2の内側部分398とに分離し、そこを通って延在する複数の開口(図示せず)を有し、それらは、電気めっきされた高電流コンタクト357及び電気めっきされたコンタクトピン358が第2の内側部分398内に延在することを可能にする。カバー400は、既知の手段を介してハウジング375に固定されて、第1の内側部分を閉鎖し、本質的に、その中にASEPデバイス310/プリント回路基板200をカプセル封入することができる。カバー400並びに内壁は、ASEPデバイス310の側縁部394、396を受容するためのトラック部分を有するように構成されて、ハウジング375内の位置でASEPデバイス310/プリント回路基板200を安定化させるように構成され得る。ガスケット402が、カバー400とハウジング375との間に提供されて、外部要素からASEPデバイス310/プリント回路基板200を封止することができる。
【0041】
スマートコネクタ360が形成された状態で、嵌合コネクタ500に接続することができ(図8を参照)、それは、電気めっきされた高電流コンタクト357及び電気めっきされたコンタクトピン358を介してスマートコネクタ360に電気的に接続されるように構成され、それによってコネクタアセンブリを提供する。コネクタアセンブリは、スマートコネクタ360を介して、又は嵌合コネクタ500を介してのいずれか(又は、所望であれば両方とも)で、多数の既知の方法で、車両内、典型的にはパネルに実装することができる。
【0042】
これにより、小型及び軽量のスマートコネクタ360が形成される。
【0043】
プリント回路基板200は、その上に電気部品386を有さない基板338の側面に直接嵌合されてもよい。その上に電気部品386を有さない基板338の側面は、平面であり得、プリント回路基板200への接続に理想的に適している。プリント回路基板200は、プリント回路基板200が縁部390、392、394、396を超えて延在しないように、基板338の縁部390、392、394、396によって画定される外周よりも小さい外周を画定する外縁部を有し得る。これにより、コンパクトなアセンブリが提供される。他の配向も可能である。例えば、プリント回路基板200は、電気部品386と同じ表面上に実装され、縁部390、392、394、396のうちの1つ以上から外向きに延在してもよく、又は例えば、プリント回路基板200は、電気部品386の上方にあり、ASEPデバイス310に電気的に接続されてもよい。
【0044】
ASEPデバイス310及び嵌合されたプリント回路基板200を使用して、400アンペアを搬送するために、又は一次スイッチの誤動作による二次的な冗長保護を提供するためのいずれかに使用することができるスマートバッテリスイッチを形成することができる。ASEPデバイス310及び嵌合されたプリント回路基板200を使用して、200アンペアを切り替えることができるスマートバッテリスイッチを形成することができる。各バッテリスイッチは、逆バッテリ保護を有し得る。
【0045】
本明細書に引用される刊行物、特許出願、及び特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が参照により組み込まれることが個々にかつ具体的に示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれ、その全体が本明細書に記載されている。
【0046】
本発明を説明する文脈における(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)、用語「ある(a )」及び「ある(an)」及び「その(the )」、並びに「少なくとも1つの(a t least one )」、及び類似の指示対象の使用は、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈に明らかな矛盾がない限り、単数及び複数の両方を網羅するものと解釈されるべきである。用語「少なくとも1つ」、それに続く1つ以上の項目のリスト(例えば、「A及びBのうちの少なくとも1つ」)の使用は、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈に明らかな矛盾がない限り、列挙された項目(A又はB)若しくは列挙された項目(A及びB)のうちの2つ以上の任意の組み合わせから選択される1つの項目を意味すると解釈されるべきである。用語「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including )」、及び「含有する(containing)」は、別途記載のない限り、オープンエンド用語(すなわち、「含む(including )が、これらに限定されない」を意味する)と解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の記述は、本明細書に別段の記載がない限り、単に、範囲内にある各別個の値を個々に言及する簡略化法として機能することが意図され、各別個の値は、それが本明細書に個々に記述されたかのように明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全てのプロセスは、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈に明らかな矛盾がない限り、任意の好適な順序で実行することができる。本明細書で提供される任意の及び全ての実施例、又は例示的な文言(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をより良好に照らし出すことを意図するものであり、別途特許請求されない限り、本発明の範囲に制限を課すことはない。本明細書の文言は、いかなる特許請求されていない要素も本発明の実施に不可欠であることを示すと解釈されるべきではない。
【0047】
本発明の好ましい実施形態は、本発明を実施するために発明者に既知の最良の様式を含めて、本明細書に記載されている。これらの好ましい実施形態の変形例は、前述の説明を読むと、当業者には明らかとなり得る。本発明者らは、当業者が必要に応じてそのような変形例を採用することを期待しており、本発明者らは、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で本発明が実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用法によって許容されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に記述された主題の全ての修正物及び等価物を含む。更に、その全ての可能な変形例における上述の要素の任意の組み合わせは、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈に明らかな矛盾がない限り、本発明によって包含される。本明細書に示される様々な実施形態から理解され得るように、本明細書に示される異なる実施形態の異なる特徴は、互いに組み合わされて、追加の組み合わせを形成することができる。結果として、本明細書に示される実施形態は、繰り返し及び不必要な重複を避けるために、全てが個々に示されたわけではない広範な構成を提供するのに特に好適である。
【0048】
本明細書で提供される開示は、その好ましい実施形態及び例示的な実施形態の観点から特徴を説明する。当業者には、添付の特許請求の範囲の範囲及び趣旨内での多数の他の実施形態、修正及び変形が、本開示を検討することにより想起されるであろう。
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