(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176017
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 17/08 20060101AFI20231205BHJP
F25D 17/06 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
F25D17/08 306
F25D17/06 304
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023177654
(22)【出願日】2023-10-13
(62)【分割の表示】P 2019098055の分割
【原出願日】2019-05-24
(31)【優先権主張番号】P 2018245418
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 雅久
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】小松 肇
(72)【発明者】
【氏名】豊嶋 昌志
(57)【要約】
【課題】貯蔵室を区画形成した小貯蔵室を選択的かつ集中的に冷却することができる冷蔵庫を供給する。
【解決手段】本発明の冷蔵庫10は、冷凍室17が、上段右側冷凍室171ないし上段左側冷凍室174に区切られている。また、上段右側冷凍室171ないし上段左側冷凍室174に、夫々、上段右側温度センサ501ないし上段左側温度センサ504が設置されている。そして、制御装置50は、上段右側冷凍室171ないし上段左側冷凍室174の何れかの庫内温度が、所定の設定温度よりも高い場合、その小冷凍室に繋がる遮蔽装置70遮蔽装置の遮蔽壁71を開状態として、冷凍サイクルおよび送風機47を運転する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室と、前記貯蔵室に送風される空気を冷却する冷凍サイクルの冷却器と、前記空気を前記貯蔵室に向けて送風する送風機と、可動式の遮蔽壁と、前記送風機および前記遮蔽壁から送風される前記空気が通過する風路と、を具備し、
前記遮蔽壁は、前記送風機を囲むように複数が形成され、
前記風路は、各々の前記遮蔽壁に対応して形成され、前記送風機および前記遮蔽壁から周囲に向かって伸びるように形成されることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記風路は、前記送風機および前記遮蔽壁から周囲に向かって伸びるように形成される送風路仕切壁により仕切ることで形成されることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記貯蔵室は、複数の小貯蔵室に分割され、
前記遮蔽壁および前記風路は、各々の前記小貯蔵室に対応して配設されることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記風路は、前記貯蔵室の奥側に形成された空間であり、前記貯蔵室と前記空間とは、板状部材により区画され、
前記板状部材を開口することにより、前記小貯蔵室に対応して吹出口が形成され、
前記送風機が送風する前記空気は、前記風路および前記吹出口を経由して、前記小貯蔵室に送風されることを特徴とする請求項3に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に関し、特に、貯蔵室を区切ることで形成される複数の小貯蔵室を有する冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な冷蔵庫では、断熱構造を有する断熱箱体の内部に貯蔵室が形成されており、貯蔵室は冷蔵温度帯域または冷凍温度帯域に冷却されている。具体的には、貯蔵室を冷却する冷凍サイクルは、圧縮機、凝縮器、膨張手段および蒸発器から成り、蒸発器で冷却室の空気を冷却する。そして、送風機により、蒸発器が冷却した空気を貯蔵室に送風することで、貯蔵室を所定の温度帯域に冷却している。
【0003】
冷凍サイクルの圧縮機および送風機は、CPUである制御装置が制御している。具体的には、温度センサが検知した貯蔵室の庫内温度がオン設定温度よりも高ければ、制御装置は、圧縮機および送風機を運転し、冷気を貯蔵室に供給する。一方、貯蔵室の庫内温度がオフ設定温度よりも低ければ、制御装置は、圧縮機および送風機を停止する。このように圧縮機および送風機を運転することで、貯蔵室の庫内温度は所定の温度帯域に保たれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-197129号公報
【特許文献2】特開2011-52934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した冷蔵庫の冷却方法では、貯蔵室を区画壁で区画した小貯蔵室を有する冷蔵庫を好適に冷却することが困難な場合が考えられる。
【0006】
具体的には、ユーザが小貯蔵室の一つに高温の食品などを収納した場合、高温食品が収納された小貯蔵室のみの庫内温度が上昇し、他の小貯蔵室の庫内温度はそれほど上昇しない。よって、貯蔵室の庫内温度を全体的に検知する温度センサで、当該小貯蔵室の庫内温度上昇を検知することは難しい。
【0007】
また、温度センサが当該小貯蔵室の庫内温度上昇を検知したとしても、送風機は貯蔵室全体に対して冷気を送風するため、当該小貯蔵室を集中的に冷却することはできない。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、貯蔵室を区画形成した小貯蔵室を選択的かつ集中的に冷却することができる冷蔵庫を供給することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態に係る冷蔵庫は、貯蔵室と、前記貯蔵室に送風される空気を冷却する冷凍サイクルの冷却器と、前記空気を前記貯蔵室に向けて送風する送風機と、可動式の遮蔽壁と、前記送風機および前記遮蔽壁から送風される前記空気が通過する風路と、を具備し、前記遮蔽壁は、前記送風機を囲むように複数が形成され、前記風路は、各々の前記遮蔽壁に対応して形成され、前記送風機および前記遮蔽壁から周囲に向かって伸びるように形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態に係る冷蔵庫によれば、貯蔵室を区画形成した小貯蔵室を選択的かつ集中的に冷却することができる冷蔵庫を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の正面外観図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の概略構造を示す側方断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、冷却室の近傍を示す拡大側方断面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る冷蔵庫が備える遮蔽装置を示す図であり、(A)は遮蔽装置を示す分解斜視図であり、(B)はカムを示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る冷蔵庫が備える遮蔽装置を示す図であり、(A)は遮蔽装置を部分的に示す分解斜視図であり、(B)はカムが収納される構成を示す分解斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る冷蔵庫が備える遮蔽装置を示す図であり、(A)は各遮蔽壁が開状態とされた遮蔽装置を示し、(B)は各遮蔽壁が閉状態とされた遮蔽装置を示す。
【
図7】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の冷凍室供給風路を前方から見た図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の接続構成を示すブロック図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の冷却動作を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の冷却動作において、上段右側冷凍室の冷却を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の冷却動作において、上段右側冷凍室を冷却する際の風路を示す図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の冷却動作において、下段右側冷凍室の冷却を示すフローチャートである。
【
図13】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の冷却動作において、下段右側冷凍室を冷却する際の風路を示す図である。
【
図14】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の冷却動作において、上段左側冷凍室の冷却を示すフローチャートである。
【
図15】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の冷却動作において、上段左側冷凍室を冷却する際の風路を示す図である。
【
図16】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の冷却動作において、下段左側冷凍室の冷却を示すフローチャートである。
【
図17】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の冷却動作において、下段左側冷凍室を冷却する際の風路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る冷蔵庫10を図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では、同一の部材には原則的に同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。更に以下の説明では、上下前後左右の各方向を適宜用いるが、左右とは冷蔵庫10を前方から見た場合の左右を示している。
【0013】
図1は、本形態の冷蔵庫10の概略構造を示す正面外観図である。
図1に示すように、冷蔵庫10は、本体としての断熱箱体11を備え、この断熱箱体11の内部に食品等を貯蔵する貯蔵室を形成している。この貯蔵室としては、最上段が冷蔵室15、その下段が冷凍室17、そして最下段が野菜室20である。
【0014】
冷凍室17は、小貯蔵室である上段右側冷凍室171、下段右側冷凍室172、下段左側冷凍室173および上段左側冷凍室174に区切られている。上段右側冷凍室171、下段右側冷凍室172、下段左側冷凍室173および上段左側冷凍室174は、合成樹脂から成る板状の庫内区画壁18で略十字状に区切られる。以下の説明では、上段右側冷凍室171、下段右側冷凍室172、下段左側冷凍室173および上段左側冷凍室174を、単に小冷凍室と略称することもある。
【0015】
断熱箱体11の前面は開口しており、前記各貯蔵室に対応した開口には、断熱扉21等が開閉自在に設けられている。具体的には、断熱扉21は、冷蔵室15の前面を左右方向に分割して塞ぐもので、断熱扉21の幅方向における外側上下端部が断熱箱体11に回転自在に取り付けられている。
【0016】
また、冷凍室17の前面開口は断熱扉23で閉鎖され、野菜室20の前面開口は断熱扉25で閉鎖されている。断熱扉23および断熱扉25としては、引出式扉および回転式扉の何れも採用できる。
【0017】
図2は、冷蔵庫10の概略構造を示す側方断面図である。冷蔵庫10の本体である断熱箱体11は、前面が開口する鋼板製の外箱12と、この外箱12内に間隙を持たせて配設され、前面が開口する合成樹脂製の内箱13とから構成されている。外箱12と内箱13との間隙には、発泡ポリウレタン製の断熱材14が充填発泡されている。尚、上記した断熱扉21等も、断熱箱体11と同様の断熱構造を採用している。
【0018】
冷蔵室15と、その下段に位置する冷凍室17とは、断熱仕切壁42によって仕切られている。そして、冷凍室17と野菜室20との間は、断熱仕切壁43によって区分けされている。
【0019】
冷蔵室15の背面には、合成樹脂製の仕切体65で区画され、冷蔵室15へと冷気を供給する冷蔵室供給風路29が形成されている。仕切体65には、冷蔵室15に冷気を流す吹出口33が形成されている。
【0020】
冷凍室17の奥側には、冷却器45で冷却された冷気を冷凍室17へと流す冷凍室供給風路31が形成されている。冷凍室供給風路31の更に奥側には、冷却室26が形成されており、その内部には、庫内を循環する空気を冷却するための蒸発器である冷却器45が配置されている。冷凍室供給風路31は、前面カバー67と仕切体66とで前後方向から囲まれた空間である。
【0021】
冷却器45は、圧縮機44、図示しない放熱器、図示しない膨張手段であるキャピラリーチューブに冷媒配管を介して接続されており、蒸気圧縮式の冷凍サイクル回路を構成する。
【0022】
図3は、冷蔵庫10の冷却室26付近の構造を示す側方断面図である。冷却室26は、断熱箱体11の内部で、冷凍室供給風路31の奥側に設けられている。冷却室26と冷凍室17との間は、合成樹脂製の仕切体66によって仕切られている。
【0023】
冷却室26の前方に形成される冷凍室供給風路31は、冷却室26とその前方に組み付けられる合成樹脂製の前面カバー67との間に形成された空間であり、冷却器45で冷却された冷気を冷凍室17に流す風路となる。前面カバー67には、冷凍室17に冷気を吹き出す開口である吹出口34が形成されている。
【0024】
冷凍室17の下部背面には、冷凍室17から冷却室26へと空気を戻す戻り口38が形成されている。そして、冷却室26の下方には、この戻り口38につながり、各貯蔵室からの帰還冷気を冷却室26の内部へと吸入する、戻り口28が形成されている。戻り口28には、野菜室20の戻り口39(
図2参照)および野菜室帰還風路37を経由して帰還する冷気も流入する。
【0025】
冷却器45の下方には、冷却器45に付着した霜を融かして除去する除霜手段として、除霜ヒータ46が設けられている。除霜ヒータ46は、電気抵抗加熱式のヒータである。
【0026】
冷却室26の上部には、各貯蔵室につながる開口である送風口27が形成されている。送風口27は、冷却器45で冷却された冷気を流す開口であり、冷却室26と、冷蔵室供給風路29および冷凍室供給風路31とを連通させる。送風口27には、前方から、冷凍室17等に向けて冷気を送り出す送風機47が配設されている。
【0027】
冷却室26の送風口27の外側には、送風口27からつながる風路を適宜塞ぐための遮蔽装置70が設けられている。遮蔽装置70は、前方から前面カバー67で覆われている。遮蔽装置70の具体的な構成は後述する。
【0028】
ここで、
図3には図示しないが、冷蔵室供給風路29にダンパを介装しても良い。このようにすることで、遮蔽装置70とダンパとで、各貯蔵室に好適に冷気を送風することができる。
【0029】
図4を参照して、遮蔽装置70の構成を説明する。
図4(A)は遮蔽装置70の分解斜視図であり、
図4(B)はカム61を示す斜視図である。
【0030】
図4(A)を参照して、遮蔽装置70は、遮蔽壁71と、支持基体63と、回転プレート73と、遮蔽壁駆動機構60と、を主に具備している。
【0031】
遮蔽装置70は送風機47で送風された冷気の風路を遮蔽する装置である。遮蔽装置70を開状態とすることで冷却室26と各貯蔵室とをつなぐ風路を連通させ、遮蔽装置70を閉状態とすることで風路を遮断する。
【0032】
送風機47は、ビスなどの締結手段を介して、支持基体63の後面中心部に配設されている。送風機47は、例えば、ターボファンなどの遠心ファンと、この遠心ファンを回転させる送風モータとを具備しており、半径方向外側に向かって冷気を送風する。
【0033】
遮蔽壁71は、矩形状の合成樹脂からなる板状部材であり、回転プレート73の外縁の接線方向に沿う長辺を有している。遮蔽壁71は、支持基体63の周縁部付近に、回動可能に取り付けられている。遮蔽壁71は、複数(本実施形態では4)が配設されている。遮蔽壁71は、送風機47で送風される冷気が流通する経路に配置され、風路を適宜遮蔽する。
【0034】
遮蔽壁71の半径方向内側には枠状部83が隣接されている。枠状部83は枠状に成形された合成樹脂から成り、送風機47を取り囲むように、支持基体63の後面に配置されている。枠状部83は遮蔽壁71に対応して配置され、遮蔽壁71が枠状部83の開口を塞ぐことで、風路が閉鎖される。
【0035】
上記した遮蔽壁71の開閉動作を行う遮蔽壁駆動機構60は、回転プレート73と、カム61と、回転プレート73を回転させる図示しない駆動モータを有している。
【0036】
回転プレート73は、後方から見て略円盤形状の形状を呈し、支持基体63に回転自在に配設されている。回転プレート73には、遮蔽壁71を回動させるためのスライド溝80が形成されている。スライド溝80は、回転プレート73の後面に、リブで囲まれる有底溝として形成されている。後方から回転プレート73を見た場合、スライド溝80は、円周方向に沿って蛇行形成されている。回転プレート73の周縁部にはトルクを伝達するためのギア溝が形成されている。制御装置50が、駆動モータを駆動して回転プレート73を回転させることで、遮蔽壁71が開閉動作する。
【0037】
図4(B)を参照して、カム61は、合成樹脂から成る扁平な直方体形状の部材である。カム61の右方端を後方に向かって突出させることで、回動連結部48が形成されている。回動連結部48には、後述するピン69を挿通可能な孔部が形成されている。また、カム61の左端側の前面から略円柱状に突出する移動軸76が形成されている。移動軸76は、上記した回転プレート73のスライド溝80に係合し、使用状況下に於いてスライド溝80と摺動する。この摺動を可能にするため、移動軸76の直径は、スライド溝80の半径方向の幅と同程度か若干短く設定されている。
【0038】
図5を参照して、遮蔽壁71、支持基体63およびカム61の関連構成を説明する。
図5(A)は、遮蔽壁71、支持基体63およびカム61を右側後方から見た分解斜視図であり、
図5(B)は、回動連結部68およびカム61を右側前方から見た分解斜視図である。
【0039】
図5(A)を参照して、遮蔽壁71は、遮蔽壁71の基端部から傾斜して突出する回動連結部68が形成されている。回動連結部68には、ピン69を挿通することが可能な孔部が形成されている。また、遮蔽壁71の上下両側面の前端部には、略円柱状に突出する回動連結部64が形成されている。回動連結部64は、枠状部83の内壁に形成された筒状の凹状部85に挿入される。係る構成により、遮蔽壁71は、回動可能な状態で支持基体63に備えられる。
【0040】
支持基体63を矩形状に貫通することで貫通孔86が形成されている。貫通孔86には、後方から遮蔽壁71の回動連結部68が挿入される。カム61の回動連結部48も、前方から貫通孔86に挿入される。遮蔽壁71の回動連結部68の孔部、および、カム61の回動連結部48の孔部には、ピン69が挿入される。係る構成により、支持基体63を挟んで、遮蔽壁71とカム61とは回動可能に接続される。
【0041】
図5(B)を参照して、支持基体63の前面には、カム収納部62が形成されている。カム収納部62はリブで囲まれる矩形状の領域であり、カム収納部62の内部に上記した貫通孔86が形成されている。カム61は、カム収納部62の内部に収納されてスライドする。カム収納部62の内部でカム61がスライドする方向は、ここでは左右方向であり、換言すると
図4(A)に示した回転プレート73の半径方向である。
【0042】
上記のように構成することにより、駆動モータを駆動して回転プレート73を回転させることで、移動軸76がスライド溝80内を摺動する。これによってカム61はカム収納部62内をスライドする。カム61をスライドさせることで、遮蔽壁71をピン69周りに回動させることが出来る。具体的には、カム61を支持基体63の周縁部側にスライドさせると、遮蔽壁71は回動連結部64を回動中心として、起立状態となるように回動し、遮蔽壁71は支持基体63の主面に対して直交した状態となる。一方、カム61を支持基体63の中心側にスライドさせると、遮蔽壁71は回動連結部64を回動中心として、横臥状態となるように回動し、遮蔽壁71は支持基体63の主面に対して略平行な状態となる。
【0043】
したがって、スライド溝80を回転プレート73の周縁部側に形成すれば、遮蔽壁71を閉状態とすることができる。反対にスライド溝80を回転プレート73の中心側に形成すれば、遮蔽壁71を開状態とすることができる。この原理を利用して、スライド溝80の蛇行形状を選択すれば、遮蔽壁71の開閉状態を任意に設定することができる。これによって、複雑な構成を採用せずに、遮蔽壁71を全開状態としたり、全閉状態としたりできる。
【0044】
図6を参照して、遮蔽装置70が送風機47に繋がる風路を開閉する構成を説明する。
図6(A)は全開状態の遮蔽装置70を示し、
図6(B)は全閉状態の遮蔽装置70を示す。
【0045】
図6(A)は全開状態の遮蔽装置70を前方から見た図である。遮蔽装置70は、上記した遮蔽壁71として、上段右側遮蔽壁711、下段右側遮蔽壁712、下段左側遮蔽壁713および上段左側遮蔽壁714を有している。
【0046】
ここでは、上段右側遮蔽壁711ないし上段左側遮蔽壁714は、横臥状態とされている。即ち、上段右側遮蔽壁711ないし上段左側遮蔽壁714は、
図4(A)に示した支持基体63の主面に対して略平行となるように横臥している状態となり、送風機47が送風する空気を遮蔽しない。よって、送風機47が送風する空気は、上段右側遮蔽壁711ないし上段左側遮蔽壁714で遮られることなく、周囲に向かって送風される。
【0047】
図6(B)は全閉状態の遮蔽装置70を前方から見た図である。ここでは、上段右側遮蔽壁711ないし上段左側遮蔽壁714は、直立状態とされている。即ち、上段右側遮蔽壁711ないし上段左側遮蔽壁714は、
図4(A)に示した支持基体63の主面に対して直立している状態となり、送風機47が送風する空気を遮蔽する。よって、送風機47が送風する空気は、上段右側遮蔽壁711ないし上段左側遮蔽壁714で遮られ、周囲に向かって送風されない。
【0048】
図7は、上記した冷凍室供給風路31を前方から見た図である。
図3に示した冷凍室供給風路31を送風路仕切壁49で区切ることで、上段右側風路311ないし上段左側風路314が形成されている。
【0049】
上段右側風路311は、吹出口341を経由して、送風機47と上段右側冷凍室171とを繋ぐ風路である。上段右側遮蔽壁711を開状態にすることで上段右側風路311を空気が流れる。
【0050】
下段右側風路312は、吹出口342を経由して、送風機47と下段右側冷凍室172とを繋ぐ風路である。下段右側遮蔽壁712を開状態にすることで下段右側風路312を空気が流れる。
【0051】
下段左側風路313は、吹出口343を経由して、送風機47と下段左側冷凍室173とを繋ぐ風路である。下段左側遮蔽壁713を開状態にすることで下段左側風路313を空気が流れる。
【0052】
上段左側風路314は、吹出口344を経由して、送風機47と上段左側冷凍室174とを繋ぐ風路である。上段左側遮蔽壁714を開状態にすることで上段左側風路314を空気が流れる。
【0053】
また、各小貯蔵室には個別に温度センサが配設されている。具体的には、上段右側冷凍室171の内部には上段右側温度センサ501が配設され、下段右側冷凍室172には下段右側温度センサ502が配設されている。また、下段左側冷凍室173には下段左側温度センサ503が配設され、上段左側冷凍室174には上段左側温度センサ504が配設されている。
【0054】
図8は冷蔵庫10の接続構成を示すブロック図である。冷蔵庫10は、CPUである制御装置50、上段右側温度センサ501ないし上段左側温度センサ504、タイマ92、圧縮機44、送風機47、モータ51および除霜ヒータ46を有している。上段右側温度センサ501ないし上段左側温度センサ504およびタイマ92は、制御装置50の入力側端子に接続されている。圧縮機44、送風機47、モータ51および除霜ヒータ46は、制御装置50の出力側端子に接続されている。
【0055】
上段右側温度センサ501ないし上段左側温度センサ504は、
図7に示した上段右側冷凍室171ないし上段左側遮蔽壁714の庫内温度を測定する。具体的には、上段右側温度センサ501は上段右側冷凍室171の庫内温度を測定し、その庫内温度を示す情報を制御装置50に伝送する。下段右側温度センサ502は下段右側冷凍室172の庫内温度を測定し、その庫内温度を示す情報を制御装置50に伝送する。下段左側温度センサ503は下段左側冷凍室173の庫内温度を測定し、その庫内温度を示す情報を制御装置50に伝送する。上段左側温度センサ504は上段左側冷凍室174の庫内温度を測定し、その庫内温度を示す情報を制御装置50に伝送する。
【0056】
タイマ92は、冷蔵室15、上段右側冷凍室171ないし上段左側冷凍室174、および、野菜室20を冷却する冷却時間や除霜ヒータ46の運転時間等を計測し、その時間を示す情報を制御装置50に伝送する。
【0057】
圧縮機44は、制御装置50からの指示に従い、上記したように、冷凍サイクルで用いられる冷媒を圧縮する。
【0058】
送風機47は、制御装置50からの指示に従い、上記したように、冷凍サイクルの冷却器45が冷却した冷気を各貯蔵室に向かって送風する。
【0059】
モータ51は、制御装置50からの指示に従い、
図4(A)に示した遮蔽装置70の回転プレート73を所定角度回転させ、遮蔽装置70の遮蔽壁71の開閉動作を駆動する。
【0060】
除霜ヒータ46は、制御装置50からの指示に従い、通電されることで、冷却室26の内部の空気を暖める。
【0061】
図9に示すフローチャートに基づいて、上記した各図も参照しつつ、
図7に示した上段右側冷凍室171ないし上段左側冷凍室174を効果的に冷却する冷蔵庫10の運転方法を説明する。
【0062】
図9は、冷蔵庫10の運転方法を全体的に示すフローチャートであり、
図10から
図17は各小冷却室を集中的に冷却する方法を示すフローチャートと風路図である。具体的には、
図10および
図11は、上段右側冷凍室171を優先的に冷却する方法を示すフローチャートと風路図である。
図12および
図13は、下段右側冷凍室172を優先的に冷却する方法を示すフローチャートと風路図である。
図14および
図15は、上段左側冷凍室174を優先的に冷却する方法を示すフローチャートと風路図である。
図16および
図17は、下段左側冷凍室173を優先的に冷却する方法を示すフローチャートと風路図である。
【0063】
先ず、本実施形態に係る冷蔵庫10の運転方法を概略的に説明する。冷蔵庫10が冷凍室17を冷却する際、制御装置50は、予め定められたオン設定温度およびオフ設定温度を基準として、圧縮機44、送風機47および遮蔽装置70を制御する。具体的には、冷凍室17の庫内温度がオン設定温度まで上昇したら、制御装置50は、圧縮機44および送風機47を運転し、遮蔽装置70を
図6(A)に示したような全開状態とする。一方、冷凍室17の庫内温度がオフ設定温度まで下降したら、制御装置50は、圧縮機44および送風機47の運転を停止する。係る冷却制御により、冷凍室17は、所定の冷凍温度帯域に冷却される。
【0064】
更に、本実施形態では、
図7を参照して、小貯蔵室である上段右側冷凍室171ないし上段左側冷凍室174の庫内温度を個別に測定し、高温となった小貯蔵室を優先的に冷却している。このようにすることで、上段右側冷凍室171ないし上段左側冷凍室174の何れかに高温の食品等の被貯蔵物が収納された場合でも、その被貯蔵物を効果的に冷却することができる。
【0065】
ここで、冷蔵庫10の運転方法を説明する際に使用する各設定温度を説明する。以下では、第1オン設定温度ないし第5オン設定温度、第1オフ設定温度ないし第5オフ設定温度を使用する。
【0066】
第1オン設定温度および第1オフ設定温度は、冷凍室17を全体的に冷却運転する際に参照する設定温度である。
【0067】
第2オン設定温度および第2オフ設定温度は、上段右側冷凍室171の庫内温度を検知する上段右側温度センサ501の設定値である。換言すると、第2オン設定温度および第2オフ設定温度は、上段右側冷凍室171を冷却運転する際に参照する設定温度である。
【0068】
第3オン設定温度および第3オフ設定温度は、下段右側冷凍室172の庫内温度を検知する下段右側温度センサ502の設定値である。換言すると、第3オン設定温度および第3オフ設定温度は、下段右側冷凍室172を冷却運転する際に参照する設定温度である。
【0069】
第4オン設定温度および第4オフ設定温度は、上段左側冷凍室174の庫内温度を検知する上段左側温度センサ504の設定値である。換言すると、第4オン設定温度および第4オフ設定温度は、上段左側冷凍室174を冷却運転する際に参照する設定温度である。
【0070】
第5オン設定温度および第5オフ設定温度は、下段左側冷凍室173の庫内温度を検知する下段左側温度センサ503の設定値である。換言すると、第5オン設定温度および第5オフ設定温度は、下段左側冷凍室173を冷却運転する際に参照する設定温度である。
【0071】
ここで、第1オン設定温度ないし第5オン設定温度の初期値は、例えば-16℃である。また、第1オフ設定温度ないし第5オフ設定温度の初期値は、例えば-20℃である。
【0072】
また、以下の説明では、庫内の温度環境を示すフラグF1ないしF5を用いる。
【0073】
F1は、冷凍室17全体が冷却運転を要しているか否かを判断するフラグである。F1に1がセットされていれば、冷凍室17を全体的に冷却するべく、制御装置50は、圧縮機44および送風機47を運転し、
図6(A)に示すように遮蔽装置70を全開状態とする。一方、F1に0がセットされていれば、冷凍室17を全体的に冷却運転する必要は無いので、制御装置50は、圧縮機44および送風機47を停止し、
図6(B)に示すように遮蔽装置70を全閉状態とする。
【0074】
F2は上段右側冷凍室171が急速冷却を要しているか否かを示すフラグである。F3は下段右側冷凍室172が急速冷却を要しているか否かを示すフラグである。F4は上段左側冷凍室174が急速冷却を要しているか否かを示すフラグである。F5は下段左側冷凍室173が急速冷却を要しているか否かを示すフラグである。これらのフラグが0であれば、対応する小冷凍室が急速冷却を要していないことを示す。一方、これらのフラグが1であれば、対応する小冷凍室が急速冷却を要していることを示す。
【0075】
図9を参照して、ステップS10では、制御装置50は、通常冷却運転を開始する。即ち、制御装置50は、冷凍室17の冷凍室平均温度T17が所定の冷凍温度帯域となるように、冷却運転を行う。
【0076】
具体的には、
図7を参照して、上段右側温度センサ501で計測した上段右側冷凍室171の庫内温度をT171、下段右側温度センサ502で計測した下段右側冷凍室172の庫内温度をT172、下段左側温度センサ503で計測した下段左側冷凍室173の庫内温度をT173、上段左側温度センサ504で計測した上段左側冷凍室174の庫内温度をT174とした場合、冷凍室17の平均温度T17は次の式1で算出される。
式1:T17=(T171+T172+T173+T174)/4
制御装置50は、冷凍室17の平均温度T17が第1オン設定温度まで上昇したら、圧縮機44および送風機47を運転する。更に、制御装置50は、モータで
図4に示す回転プレート73を回転することで、遮蔽装置70を
図6(A)に示したような全開状態とする。これにより、冷凍室17が全体的に冷却される。一方、冷凍室17の庫内温度が第1オフ設定温度まで下降したら、制御装置50は、圧縮機44および送風機47の運転を停止する。
【0077】
ステップS11では、何れかの小冷凍室の庫内温度が、第1オン設定温度に6℃を加算した温度以上であるか否かを判断する。
【0078】
具体的には、以下の式2ないし式5の何れかが満たされているか否かを判断する。
式2:T171≧第2オン設定温度+6deg
式3:T172≧第3オン設定温度+6deg
式4:T174≧第4オン設定温度+6deg
式5:T173≧第5オン設定温度+6deg
上記した式2ないし式5の何れかが満たされていれば、即ちステップS11がYESであれば、制御装置50は、ステップS12に移行する。一方、式2ないし式5の何れも満たされていなければ、即ちステップS11がNOであれば、制御装置50は、ステップS13に移行する。
【0079】
ステップS12では、小冷凍室の何れかが高温に達しているので、制御装置50は、急速冷却モードを設定し、急速冷却時間として150分を設定する。
【0080】
ステップS13では、制御装置50は、急速冷却モードが設定されているか否かを判断する。急速冷却モードが設定されていれば、即ちステップS13がYESであれば、制御装置50は、ステップS14で150分から減算を行う。制御装置50は、急速冷却時間が150分を経過するまで、即ちステップS15がYESとなるまで、以下に説明する急速冷却を行う。一方、急速冷却モードが設定されてなければ、即ちステップS13がNOであれば、制御装置50は、ステップS18に移行する。
【0081】
ステップS15で、急速冷却時間が150分経過していない間は、即ちステップS15がNOの間は、制御装置50は、ステップS16で、フラグであるF2、F3、F4およびF5の全てに0がセットされているか否かを判断する。一方、急速冷却時間が150分経過すれば、即ちステップS15がYESであれば、制御装置50は、ステップS17に移行する。
【0082】
ステップS16で、F2、F3、F4およびF5の全てに0がセットされていれば、即ちステップS16がYESであれば、制御装置50は、ステップS17に移行する。一方、F2、F3、F4およびF5の何れかに0がセットされていなければ、即ちステップS16がNOであれば、制御装置50は、ステップS24に移行する。
【0083】
ステップS24では、制御装置50は、急速冷却を行うために、第1オフ設定温度を-28℃に変更し、第1オン設定温度を-26℃に変更する。
【0084】
ステップS17では、所定時間が経過したこと、または、各小冷凍室の庫内温度が一定以下まで冷却されたことにより、制御装置50は、急速冷却モードを解除する。更に、制御装置50は、フラグであるF2、F3、F4およびF5に0をセットする。また、ステップS17では、制御装置50は、第1オフ設定温度を通常設定に変更し、第1オン設定温度を通常設定に戻す。更に、ステップS17では、制御装置50は、全てのオン設定温度および全てのオフ設定温度を、通常の設定に戻す。即ち、第1オン設定温度ないし第5オン設定温度を、-16℃とする。また、制御装置50は、第1オフ設定温度ないし第5オフ設定温度を、-20℃とする。
【0085】
ステップS18では、何れかの小冷凍室の庫内温度が、各室オン設定温度に2℃を加算した温度以上であるか否かを判断する。
【0086】
具体的には、以下の式6ないし式9の何れかが満たされているか否かを判断する。
式6:T171≧第2オン設定温度+2deg
式7:T172≧第3オン設定温度+2deg
式8:T174≧第4オン設定温度+2deg
式9:T173≧第5オン設定温度+2deg
上記した式6ないし式9の何れかが満たされていれば、即ちステップS18がYESであれば、制御装置50は、ステップS19に移行する。一方、式6ないし式9の何れも満たされていなければ、即ちステップS18がNOであれば、制御装置50は、ステップS25に移行する。
【0087】
ステップS19では、制御装置50は、F1に0がセットされているか否かを判断する。F1に0がセットされていれば、即ちステップS19がYESであれば、制御装置50は、ステップS20に移行する。一方、F1に0がセットされていなければ、即ちステップS19がNOであれば、制御装置50は、ステップS22に移行する。
【0088】
ステップS20では、遮蔽装置70は、遮蔽壁71を全閉状態にし、更に、F1に1をセットする。具体的には、
図6(B)に示すように、遮蔽装置70は、上段右側遮蔽壁711ないし上段左側遮蔽壁714の全てを閉状態とする。ステップS20で、上段右側遮蔽壁711ないし上段左側遮蔽壁714の全てを閉状態とすることで、後述するステップS28ないしステップS31において、冷却対象となる小冷凍室に対してのみ集中的に冷気を送風することができる。
【0089】
一方、上記したステップS18がNOの場合は、ステップS25で、冷凍室17の平均庫内温度T17が第1オン設定温度以上であるか否かを判断する。平均庫内温度T17が第1オン設定温度以上であれば、即ちステップS25がYESであれば、制御装置50は、ステップS21に移行する。一方、平均庫内温度T17が第1オン設定温度未満であれば、即ちステップS25がNOであれば、制御装置50は、ステップS32に移行する。
【0090】
ステップS32では、制御装置50は、冷凍室17の平均庫内温度T17が第1オフ設定温度以下であるか否かを判断する。
【0091】
冷凍室17の平均庫内温度T17が第1オフ設定温度以下であれば、即ちステップS32がYESであれば、制御装置50は、ステップS33に移行する。一方、冷凍室17の平均庫内温度T17が第1オフ設定温度以下でなければ、即ちステップS32がNOであれば、制御装置50は、ステップS23に移行する。
【0092】
ステップS33では、冷凍室17が全体的に充分に冷却されているので、制御装置50は、フラグであるF1に0をセットする。また、制御装置50は、圧縮機44および送風機47をオフ状態とする。更に、制御装置50は、
図6(B)に示すように、遮蔽装置70の上段右側遮蔽壁711ないし上段左側遮蔽壁714を閉状態とする。これにより、制御装置50は、冷凍室17の冷却運転を中断する。ステップS33が終了したら、制御装置50は、ステップS23に移行する。
【0093】
ステップS21では、
図6(A)に示すように、制御装置50は、遮蔽装置70の上段右側遮蔽壁711ないし上段左側遮蔽壁714を全開状態とする。
【0094】
ステップS22では、圧縮機44および送風機47をオン状態とする。これにより、
図2を参照して、冷却器45が冷却した冷気を送風機47が送風し、冷凍室17が冷却される。
【0095】
ステップS23では、制御装置50は、F1に1がセットされているか否かを判断する。F1に1がセットされていれば、即ちステップS23がYESであれば、制御装置50は、ステップS26に移行する。一方、F1に1がセットされていなければ、即ちステップS23がNOであれば、制御装置50は、ステップS10に戻る。
【0096】
ステップS26では、制御装置50は、上段右側冷凍室171ないし上段左側冷凍室174の庫内温度T171ないしT174の全てが、各オン設定温度以下であるか否かを判断する。
【0097】
具体的には、ステップS26では、制御装置50は、以下の式10ないし式13の全てが満たされているか否かを判断する。
式10:T171≦第2オン設定温度
式11:T172≦第3オン設定温度
式12:T174≦第4オン設定温度
式13:T173≦第5オン設定温度
式10ないし式13の全てが満たされていれば、即ちステップS26がYESであれば、制御装置50は、ステップS27に移行する。一方、式10ないし式13の全てが満たされている場合でなければ、即ちステップS26がNOであれば、制御装置50は、ステップS28に移行する。
【0098】
ステップS27では、制御装置50は、上段右側遮蔽壁711ないし上段左側遮蔽壁714の全てを開状態とし、冷凍室17を全体的に冷却する。更に、制御装置50は、F1に0をセットする。その後、制御装置50は、ステップS10に戻る。
【0099】
ステップS28ないしステップS31では、制御装置50は、各小冷凍室の庫内温度に応じて、上段右側冷凍室171ないし上段左側遮蔽壁714を冷却する。
【0100】
ステップS28ないしステップS31を、
図10ないし
図17を参照して説明する。
図10および
図11は、上段右側冷凍室171を集中的に冷却するステップS28を示すフローチャートおよび風路図である。
図12および
図13は、下段右側冷凍室172を集中的に冷却するステップS29を示すフローチャートおよび風路図である。
図14および
図15は、上段左側冷凍室174を集中的に冷却するステップS30を示すフローチャートおよび風路図である。
図16および
図17は、下段左側冷凍室173を集中的に冷却するステップS31を示すフローチャートおよび風路図である。
【0101】
ステップS28を、
図10および
図11を参照して詳述する。
図10はステップS28を詳細に示すフローチャートであり、
図11はステップS28に於ける風路構成を示す図である。ステップS28は、上段右側冷凍室171を集中的に冷却する。
【0102】
図10を参照して、上記したステップS28は、ステップS281ないしステップS288を含んでおり、上段右側遮蔽壁711を急速冷却する。
【0103】
ステップS281では、制御装置50は、F2に1がセットされているか否かを判断する。F2はステップS28で急速冷却が必要か否かを判断するフラグであり、F2に1がセットされていれば急速冷却が必要であり、F2に0がセットされていれば急速冷却は不要である。F2に1がセットされていれば、即ちステップS281がYESであれば、制御装置50は、ステップS282に移行する。一方、F2に1がセットされていなければ、即ちステップS281がNOであれば、制御装置50は、ステップS285に移行する。
【0104】
ステップS282では、制御装置50は、第2オフ設定温度を-28℃に設定する。ここで、第2オフ設定温度とは、ステップS28に於ける冷却を行うために設定されるオフ設定温度である。
【0105】
ステップS283では、制御装置50は、上段右側冷凍室171の庫内温度が第2オフ設定温度以下であるか否かを判断する。上段右側冷凍室171の庫内温度が第2オフ設定温度以下であれば、即ちステップS283がYESであれば、制御装置50は、ステップS284に移行する。一方、上段右側冷凍室171の庫内温度が第2オフ設定温度以下でなければ、即ちステップS283がNOであれば、制御装置50は、ステップS29に移行し、上段右側冷凍室171の冷却を続行する。
【0106】
ステップS284では、制御装置50は、上段右側遮蔽壁711を閉状態にし、更に、フラグであるF2に0をセットし、ステップS28における急速冷却を終了する。
【0107】
一方、ステップS285では、制御装置50は、上段右側冷凍室171の庫内温度が、第2オン設定温度に2℃を加算した温度以上であるか否かを判断する。ここで、第2オン設定温度に2℃を加算した温度が、特許請求の範囲に記載された第1オン設定温度である。上段右側冷凍室171の庫内温度が、第2オン設定温度に2℃を加算した温度以上であれば、即ちステップS285がYESであれば、制御装置50は、ステップS286に移行する。一方、上段右側冷凍室171の庫内温度が、第2オン設定温度に2℃を加算した温度以上でなければ、即ちステップS285がNOであれば、制御装置50は、ステップS10に戻る。
【0108】
ここで、ステップS285では、上段右側冷凍室171に対して設定された小貯蔵室オン設定温度である第2オン設定温度に2℃を加算した温度を第1オン設定温度としたが、冷凍室17全体に対して設定された第1オン設定温度に2℃を加算した温度を第1オン設定温度としても良い。係る事項は、後述する、ステップS295、ステップS305、ステップS315に関しても同様である。
【0109】
ステップS286では、制御装置50は、上段右側冷凍室171の庫内温度が、第2オン設定温度に6℃を加算した温度以上であるか否かを判断する。ここで、第2オン設定温度に6℃を加算した温度が、第2設定温度である。上段右側冷凍室171の庫内温度が、第2オン設定温度に6℃を加算した温度以上であれば、即ちステップS286がYESであれば、制御装置50は、ステップS287に移行する。一方、上段右側冷凍室171の庫内温度が、第2オン設定温度に6℃を加算した温度以上でなければ、即ちステップS286がNOであれば、制御装置50は、ステップS288に移行する。
【0110】
ここで、ステップS286では、上段右側冷凍室171に対して設定された第2オン設定温度に6℃を加算した温度を第2オン設定温度としたが、冷凍室17全体に対して設定された第1オン設定温度に6℃を加算した温度を第1オン設定温度としても良い。係る事項は、後述する、ステップS296、ステップS306、ステップS316に関しても同様である。
【0111】
ステップS287では、制御装置50は、フラグであるF2に1をセットする。
【0112】
ステップS288では、制御装置50は、上段右側遮蔽壁711を開状態とし、ステップS29に移行する。
【0113】
図11は、ステップS288における風路構成する図である。ここでは、上段右側遮蔽壁711を開状態とする一方、下段右側遮蔽壁712ないし上段左側遮蔽壁714を閉状態としている。遮蔽装置70をかかる構成とすることで、送風機47から送風された冷気を、上段右側風路311および吹出口341を経由して、上段右側冷凍室171に導入できる。従って、ユーザが上段右側冷凍室171に高温な被貯蔵物を収納したとしても、上段右側冷凍室171を集中的に冷却することで、その被貯蔵物を効果的に冷却できる。
【0114】
ステップS29を、
図12および
図13を参照して詳述する。
図12はステップS29を詳細に示すフローチャートであり、
図13はステップS29に於ける風路構成を示す図である。ここで、
図12に示す下段右側冷凍室172を冷却する方法は、
図10に示した上段右側遮蔽壁711を冷却する方法と同様である。
【0115】
図12を参照して、ステップS29は、ステップS291ないしステップS298を含んでおり、下段右側冷凍室172を急速冷却する。
【0116】
ステップS291では、制御装置50は、F3に1がセットされているか否かを判断する。F3はステップS29で急速冷却が必要か否かを判断するフラグであり、F3に1がセットされていれば急速冷却が必要であり、F3に0がセットされていれば急速冷却は不要である。F3に1がセットされていれば、即ちステップS291がYESであれば、制御装置50は、ステップS292に移行する。一方、F3に1がセットされていなければ、即ちステップS291がNOであれば、制御装置50は、ステップS295に移行する。
【0117】
ステップS292では、制御装置50は、第3オフ設定温度を-28℃に設定する。ここで、第3オフ設定温度とは、ステップS29に於ける冷却を行うために設定されるオフ設定温度である。
【0118】
ステップS293では、制御装置50は、下段右側冷凍室172の庫内温度が第3オフ設定温度以下であるか否かを判断する。下段右側冷凍室172の庫内温度が第3オフ設定温度以下であれば、即ちステップS293がYESであれば、制御装置50は、ステップS294に移行する。一方、下段右側冷凍室172の庫内温度が第3オフ設定温度以下でなければ、即ちステップS293がNOであれば、制御装置50は、ステップS30に移行し、下段右側冷凍室172の冷却を続行する。
【0119】
ステップS294では、制御装置50は、下段右側冷凍室172を閉状態にし、更に、フラグであるF3に0をセットし、ステップS29における急速冷却を終了する。
【0120】
一方、ステップS295では、制御装置50は、下段右側冷凍室172の庫内温度が、第3オン設定温度に2℃を加算した温度(第1設定温度)以上であるか否かを判断する。下段右側冷凍室172の庫内温度が、第3オン設定温度に2℃を加算した温度以上であれば、即ちステップS295がYESであれば、制御装置50は、ステップS296に移行する。一方、下段右側冷凍室172の庫内温度が、第3オン設定温度に2℃を加算した温度以上でなければ、即ちステップS295がNOであれば、制御装置50は、ステップS10に戻る。
【0121】
ステップS296では、制御装置50は、下段右側冷凍室172の庫内温度が、第3オン設定温度に6℃を加算した温度(第2設定温度)以上であるか否かを判断する。下段右側冷凍室172の庫内温度が、第3オン設定温度に6℃を加算した温度以上であれば、即ちステップS296がYESであれば、制御装置50は、ステップS297に移行する。一方、下段右側冷凍室172の庫内温度が、第3オン設定温度に6℃を加算した温度以上でなければ、即ちステップS296がNOであれば、制御装置50は、ステップS298に移行する。
【0122】
ステップS297では、制御装置50は、フラグであるF3に1をセットする。
【0123】
ステップS298では、制御装置50は、下段右側遮蔽壁712を開状態とし、ステップS30に移行する。
【0124】
図13は、上記したステップS298における風路構成する図である。ここでは、下段右側遮蔽壁712を開状態とする一方、上段右側遮蔽壁711、下段左側遮蔽壁713および上段左側遮蔽壁714を閉状態としている。遮蔽装置70をかかる構成とすることで、送風機47から送風された冷気を、下段右側風路312および吹出口342を経由して、下段右側冷凍室172に導入できる。従って、ユーザが下段右側冷凍室172に高温の被貯蔵物を収納したとしても、下段右側冷凍室172を集中的に冷却することで、その被貯蔵物を効果的に冷却できる。
【0125】
ステップS30を、
図14および
図15を参照して詳述する。
図14はステップS30を詳細に示すフローチャートであり、
図15はステップS30に於ける風路構成を示す図である。ここで、
図14に示す上段左側冷凍室174を冷却する方法は、
図10に示した上段右側遮蔽壁711を冷却する方法と同様である。
【0126】
図14を参照して、上記したステップS30は、ステップS301ないしステップS308を含んでおり、上段左側冷凍室174を急速冷却する。
【0127】
ステップS301では、制御装置50は、F4に1がセットされているか否かを判断する。F4はステップS30で急速冷却が必要か否かを判断するフラグであり、F4に1がセットされていれば急速冷却が必要であり、F4に0がセットされていれば急速冷却は不要である。F4に1がセットされていれば、即ちステップS301がYESであれば、制御装置50は、ステップS302に移行する。一方、F4に1がセットされていなければ、即ちステップS301がNOであれば、制御装置50は、ステップS305に移行する。
【0128】
ステップS302では、制御装置50は、第4オフ設定温度を-28℃に設定する。ここで、第4オフ設定温度とは、ステップS30に於ける冷却を行うために設定されるオフ設定温度である。
【0129】
ステップS303では、制御装置50は、上段左側冷凍室174の庫内温度が第4オフ設定温度以下であるか否かを判断する。上段左側冷凍室174の庫内温度が第4オフ設定温度以下であれば、即ちステップS303がYESであれば、制御装置50は、ステップS304に移行する。一方、上段左側冷凍室174の庫内温度が第4オフ設定温度以下でなければ、即ちステップS303がNOであれば、制御装置50は、ステップS31に移行し、上段左側冷凍室174の冷却を続行する。
【0130】
ステップS304では、制御装置50は、上段左側遮蔽壁714を閉状態にし、更に、フラグであるF4に0をセットし、ステップS30における急速冷却を終了する。
【0131】
一方、ステップS305では、制御装置50は、上段左側冷凍室174の庫内温度が、第4オン設定温度に2℃を加算した温度(第1設定温度)以上であるか否かを判断する。上段左側冷凍室174の庫内温度が、第4オン設定温度に2℃を加算した温度以上であれば、即ちステップS305がYESであれば、制御装置50は、ステップS306に移行する。一方、上段左側冷凍室174の庫内温度が、第4オン設定温度に2℃を加算した温度以上でなければ、即ちステップS305がNOであれば、制御装置50は、ステップS10に戻る。
【0132】
ステップS306では、制御装置50は、上段左側冷凍室174の庫内温度が、第4オン設定温度に6℃を加算した温度(第2設定温度)以上であるか否かを判断する。上段左側冷凍室174の庫内温度が、第4オン設定温度に6℃を加算した温度以上であれば、即ちステップS306がYESであれば、制御装置50は、ステップS307に移行する。一方、上段左側冷凍室174の庫内温度が、第4オン設定温度に6℃を加算した温度以上でなければ、即ちステップS306がNOであれば、制御装置50は、ステップS308に移行する。
【0133】
ステップS307では、制御装置50は、フラグであるF4に1をセットする。
【0134】
ステップS308では、制御装置50は、上段左側遮蔽壁714を開状態とし、ステップS31に移行する。
【0135】
図15は、ステップS308における風路構成する図である。ここでは、上段左側遮蔽壁714を開状態とする一方、上段右側遮蔽壁711ないし下段左側遮蔽壁713を閉状態としている。遮蔽装置70をかかる構成とすることで、送風機47から送風された冷気を、上段左側風路314および吹出口344を経由して、上段左側冷凍室174に導入できる。従って、ユーザが上段左側冷凍室174に高温な被貯蔵物を収納したとしても、上段左側冷凍室174を集中的に冷却することで、その被貯蔵物を効果的に冷却できる。
【0136】
ステップS31を、
図16および
図17を参照して詳述する。
図16はステップS31を詳細に示すフローチャートであり、
図17はステップS31に於ける風路構成を示す図である。ここで、
図16に示す下段左側冷凍室173を冷却する方法は、
図10に示した上段右側遮蔽壁711を冷却する方法と同様である。
【0137】
図16を参照して、上記したステップS31は、ステップS311ないしステップS318を含んでおり、下段左側冷凍室173を急速冷却する。
【0138】
ステップS311では、制御装置50は、F5に1がセットされているか否かを判断する。F5はステップS31で急速冷却が必要か否かを判断するフラグであり、F5に1がセットされていれば急速冷却が必要であり、F5に0がセットされていれば急速冷却は不要である。F5に1がセットされていれば、即ちステップS311がYESであれば、制御装置50は、ステップS312に移行する。一方、F5に1がセットされていなければ、即ちステップS311がNOであれば、制御装置50は、ステップS315に移行する。
【0139】
ステップS312では、制御装置50は、第5オフ設定温度を-28℃に設定する。ここで、第5オフ設定温度とは、ステップS31に於ける冷却を行うために設定されるオフ設定温度である。
【0140】
ステップS313では、制御装置50は、下段左側冷凍室173の庫内温度が第5オフ設定温度以下であるか否かを判断する。下段左側冷凍室173の庫内温度が第5オフ設定温度以下であれば、即ちステップS313がYESであれば、制御装置50は、ステップS314に移行する。一方、下段左側冷凍室173の庫内温度が第5オフ設定温度以下でなければ、即ちステップS313がNOであれば、制御装置50は、ステップS29に移行し、下段左側冷凍室173の冷却を続行する。
【0141】
ステップS314では、制御装置50は、下段左側遮蔽壁713を閉状態にし、更に、フラグであるF5に0をセットし、ステップS31における急速冷却を終了する。
【0142】
一方、ステップS315では、制御装置50は、下段左側冷凍室173の庫内温度が、第5オン設定温度に2℃を加算した温度(第1設定温度)以上であるか否かを判断する。下段左側冷凍室173の庫内温度が、第5オン設定温度に2℃を加算した温度以上であれば、即ちステップS315がYESであれば、制御装置50は、ステップS316に移行する。一方、下段左側冷凍室173の庫内温度が、第5オン設定温度に2℃を加算した温度以上でなければ、即ちステップS315がNOであれば、制御装置50は、ステップS10に戻る。
【0143】
ステップS316では、制御装置50は、下段左側冷凍室173の庫内温度が、第5オン設定温度に6℃を加算した温度(第2設定温度)以上であるか否かを判断する。下段左側冷凍室173の庫内温度が、第5オン設定温度に6℃を加算した温度以上であれば、即ちステップS316がYESであれば、制御装置50は、ステップS317に移行する。一方、下段左側冷凍室173の庫内温度が、第5オン設定温度に6℃を加算した温度以上でなければ、即ちステップS316がNOであれば、制御装置50は、ステップS318に移行する。
【0144】
ステップS317では、制御装置50は、フラグであるF5に1をセットする。
【0145】
ステップS318では、制御装置50は、下段左側遮蔽壁713を開状態とし、ステップS31に移行する。
【0146】
図17は、ステップS318における風路構成する図である。ここでは、下段左側遮蔽壁713を開状態とする一方、上段右側遮蔽壁711、下段右側遮蔽壁712および上段左側遮蔽壁714を閉状態としている。遮蔽装置70をかかる構成とすることで、送風機47から送風された冷気を、下段左側風路313および吹出口343を経由して、下段左側冷凍室173に導入できる。従って、ユーザが下段左側冷凍室173に高温の被貯蔵物を収納したとしても、下段左側冷凍室173を集中的に冷却することで、その被貯蔵物を効果的に冷却できる。
【0147】
本実施形態によれば、冷凍室17の平均庫内温度がオン設定温度よりも低い場合でも、小冷凍室である上段右側冷凍室171ないし上段左側冷凍室174の何れかの庫内温度が一定以上となれば、その小冷凍室を集中的に冷却している。よって、特定の小冷凍室に収納された高温の被貯蔵物を効果的に冷却することができ、他の小冷凍室の庫内温度が上昇してしまうことを抑制できる。
【0148】
また、小冷凍室の庫内温度がオン設定温度よりも6℃以上高くなった場合は、オフ設定温度を-28℃に引き下げて冷却運転を行っている。このようにすることで、小冷凍室を集中的に冷却できる効果を顕著にできる。
【0149】
更に本実施形態では、
図4に示した遮蔽装置70で遮蔽壁71を開閉していることから、簡素な構成で遮蔽壁71を開閉し、所望の小冷凍室に冷気を効果的に送風することができる。
【0150】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。
【0151】
例えば、
図1を参照して、上記した本実施形態では、冷凍室17を上段右側冷凍室171ないし上段左側冷凍室174からなる小冷凍室に区画し、庫内温度の上昇に応じて何れかの小冷凍室を集中的に冷却した。ここで、係る構成を冷蔵室15に適用することも可能である。即ち、冷蔵室15を複数の小冷蔵室に区画し、庫内温度の上昇に応じて何れかの小冷蔵室を集中的に冷却することもできる。
【0152】
更に、上記した実施形態では、
図7に示したように、小貯蔵室である上段右側冷凍室171ないし上段左側冷凍室174に送風機47から送風される冷気を遮蔽装置70で適宜遮蔽したが、各貯蔵室に送風される冷気を遮蔽装置70で適宜遮蔽することもできる。即ち、上記した遮蔽装置70の構成および制御方法を、冷蔵室15、冷凍室17および野菜室20に冷気を送風する際に適用できる。具体的には、
図1を参照して、冷蔵室15、冷凍室17および野菜室20の夫々に温度センサを配置する。そして、制御装置50は、温度センサで計測した各貯蔵室の庫内温度が、オン設定温度よりも高く設定された第1オン設定温度よりも高ければ、各貯蔵室に繋がる遮蔽壁を開状態として、圧縮機44および送風機47を運転する。一例を挙げると、温度センサで計測した冷蔵室15の庫内温度が、冷蔵室15のオン設定温度よりも高く設定された第1オン設定温度よりも高ければ、制御装置50は、冷蔵室15に繋がる遮蔽壁、例えば
図7に示した上段左側遮蔽壁714を開状態とする。この状態で、送風機47が冷蔵室15に送風することで、冷蔵室15を選択的かつ集中的に冷却することができる。
【0153】
上記した本実施形態から把握できる発明を、その効果と共に下記する。
【0154】
本発明の冷蔵庫は、複数の貯蔵室と、前記貯蔵室に送風される空気を冷却する冷凍サイクルの冷却器と、前記空気を前記貯蔵室に向けて送風する送風機と、前記送風機から送風される前記空気が通過する風路と、前記風路を遮蔽する可動式の遮蔽壁と、前記貯蔵室の庫内温度を検知する温度センサと、前記温度センサの出力に基づいて、前記冷凍サイクル、前記送風機、前記遮蔽壁を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記貯蔵室の前記庫内温度がオフ設定温度よりも低い場合は前記冷凍サイクルの圧縮機および前記送風機を停止し、前記庫内温度がオン設定温度よりも高い場合は前記圧縮機および前記送風機を運転し、前記温度センサが検知した何れかの前記貯蔵室の前記庫内温度が、前記オン設定温度よりも高く設定された第1オン設定温度よりも高ければ、前記何れかの前記貯蔵室に繋がる前記風路に介装された前記遮蔽壁を開状態として、前記圧縮機および前記送風機を運転することを特徴とする。これにより、本発明の冷蔵庫によれば、貯蔵室を選択的かつ集中的に冷却することができる。例えば、ユーザが冷蔵室等の貯蔵室に高温の被貯蔵物を収納した場合、その冷蔵室に繋がる遮蔽装置を開状態とし、冷凍サイクルの圧縮機および送風機を運転することで、冷蔵室に集中的に冷気を供給し、被貯蔵物を冷却することができる。即ち、第1貯蔵室、第2貯蔵室、第3貯蔵室および第4貯蔵室の様に、複数の貯蔵室がある冷蔵庫においても、貯蔵室を複数の小貯蔵室に分けた時と同様な制御が出来る。
【0155】
また、本発明の冷蔵庫では、前記貯蔵室は、複数の小貯蔵室に区切られ、前記遮蔽壁は、各々の前記小貯蔵室と前記送風機との間に配置され、前記温度センサは、前記小貯蔵室に個別に配置され、前記制御装置は、前記貯蔵室の前記庫内温度又は前記小貯蔵室に個別に配置されたセンサ温度の平均がオフ設定温度よりも低い場合は前記圧縮機および前記送風機を停止し、前記庫内温度又は前記小貯蔵室に個別に配置されたセンサ温度の平均が前記オン設定温度よりも高い場合は前記圧縮機および前記送風機を運転し、前記温度センサが検知した何れかの前記小貯蔵室の前記庫内温度が、前記第1オン設定温度よりも高ければ、前記何れかの前記小貯蔵室に繋がる前記遮蔽壁を開状態として、前記圧縮機および前記送風機を運転することを特徴とする。これにより、本発明の冷蔵庫によれば、貯蔵室を区画形成した小貯蔵室を選択的かつ集中的に冷却することができる。具体的には、ユーザが小貯蔵室に高温の被貯蔵物を収納した場合、その小貯蔵室に繋がる遮蔽装置を開状態とし、冷凍サイクルの圧縮機および送風機を運転することで、その小貯蔵室に集中的に冷気を供給し、被貯蔵物を冷却することができる。
【0156】
また、本発明の冷蔵庫では、前記制御装置は、前記貯蔵室の平均庫内温度が前記オン設定温度よりも低い場合でも、前記温度センサが検知した何れかの前記小貯蔵室の前記庫内温度が、前記第1オン設定温度よりも高ければ、前記何れかの前記小貯蔵室に繋がる前記遮蔽壁を開状態として、前記圧縮機および前記送風機を運転することを特徴とする。これにより、本発明の冷蔵庫によれば、貯蔵室の平均庫内温度がオン設定温度よりも低い場合でも、高温の被貯蔵物が収納された小貯蔵室を集中的に冷却することができる。
【0157】
また、本発明の冷蔵庫では、前記制御装置は、前記温度センサが検知した何れかの前記小貯蔵室の前記庫内温度が、前記第1オン設定温度よりも高く設定された第2設定温度よりも高い場合、前記オフ設定温度を低温側に設定し、前記何れかの前記小貯蔵室の前記庫内温度が、低温側に設定された前記オフ設定温度よりも低くなるまで、前記何れかの前記小貯蔵室に前記空気を送風することを特徴とする。これにより、本発明の冷蔵庫によれば、オフ設定温度を引き下げて冷却運転を行うことで、小貯蔵室をより効果的に冷却することができる。
【0158】
また、本発明の冷蔵庫では、前記遮蔽壁を駆動する遮蔽装置を更に具備し、前記遮蔽装置は、円周方向に沿ってスライド溝が形成された回転プレートと、前記スライド溝に係合する移動軸が形成されて前記遮蔽壁に回転可能に連結されたカムと、前記回転プレートを回転するモータと、を有することを特徴とする。これにより、本発明の冷蔵庫によれば、簡素な構成で遮蔽壁を開閉させることが出来る。
【0159】
また、本発明の冷蔵庫では、前記何れかの前記小貯蔵室に繋がる前記遮蔽壁を開状態とする際には、その他の前記遮蔽壁を閉状態とすることを特徴とする。これにより、本発明の冷蔵庫によれば、その他の前記遮蔽壁を閉状態とすることで、冷却対象となる小貯蔵室を集中的に冷却することができる。
【0160】
また、本発明の冷蔵庫では、前記遮蔽壁は、各々の前記貯蔵室と前記送風機との間に配置されることを特徴とする。これにより、本発明の冷蔵庫によれば、冷蔵室等の貯蔵室を選択的に集中して冷却することができる。
【符号の説明】
【0161】
10 冷蔵庫
11 断熱箱体
12 外箱
13 内箱
14 断熱材
15 冷蔵室
17 冷凍室
171 上段右側冷凍室
172 下段右側冷凍室
173 下段左側冷凍室
174 上段左側冷凍室
18 庫内区画壁
20 野菜室
21 断熱扉
23 断熱扉
25 断熱扉
26 冷却室
27 送風口
28 戻り口
29 冷蔵室供給風路
31 冷凍室供給風路
311 上段右側風路
312 下段右側風路
313 下段左側風路
314 上段左側風路
33 吹出口
34、341、342、343、344 吹出口
37 野菜室帰還風路
38 戻り口
39 戻り口
42 断熱仕切壁
43 断熱仕切壁
44 圧縮機
45 冷却器
46 除霜ヒータ
47 送風機
48 回動連結部
49 送風路仕切壁
50 制御装置
501 上段右側温度センサ
502 下段右側温度センサ
503 下段左側温度センサ
504 上段左側温度センサ
51 モータ
60 遮蔽壁駆動機構
61 カム
62 カム収納部
63 支持基体
64 回動連結部
65 仕切体
66 仕切体
67 前面カバー
68 回動連結部
69 ピン
70 遮蔽装置
71 遮蔽壁
711 上段右側遮蔽壁
712 下段右側遮蔽壁
713 下段左側遮蔽壁
714 上段左側遮蔽壁
73 回転プレート
76 移動軸
80 スライド溝
83 枠状部
85 凹状部
86 貫通孔
92 タイマ