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特開2023-176020半導体レーザダイオードおよび半導体レーザダイオードの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176020
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】半導体レーザダイオードおよび半導体レーザダイオードの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/042 20060101AFI20231205BHJP
   H01S 5/22 20060101ALI20231205BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
H01S5/042 612
H01S5/22
H01S5/042 614
H01L21/28 301B
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023177861
(22)【出願日】2023-10-13
(62)【分割の表示】P 2021555369の分割
【原出願日】2020-02-13
(31)【優先権主張番号】102019106536.4
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】エイエムエス-オスラム インターナショナル ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ams-OSRAM International GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D-93055 Regensburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン ゲアハート
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ アイヒラー
(72)【発明者】
【氏名】アルフレート レル
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド アリ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】良好な電流注入が可能なリッジ型半導体レーザダイオードを提供する。
【解決手段】垂直方向に成長させられた半導体層列2と、この半導体層列上に設けられた透明導電カバー層4とを有する半導体レーザダイオード100において、半導体層列2は活性層3を有し、半導体層列は、垂直方向92において上面20で終端し、この上面は、垂直方向で活性領域の上方に配置されたコンタクト領域21と、垂直方向および長手方向に対し垂直な横方向91においてコンタクト領域に直接つながっている少なくとも1つのカバー領域22とを有し、カバー層は、コンタクト領域上および少なくとも1つのカバー領域上で切れ目なく上面上に設けられており、カバー層は少なくとも、少なくとも1つのカバー領域内で半導体層列上面上に直接設けられており、少なくとも1つの活性領域を規定する少なくとも1つの要素10が設けられており、これはカバー層によって覆われる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体レーザダイオード(100)であって、
垂直方向に成長させられた半導体層列(2)と、
該半導体層列上に設けられた透明導電カバー層(4)と
を有し、前記半導体層列(2)は活性層(3)を含み、該活性層(3)は、動作中、長手方向(93)に延在する少なくとも1つの活性領域(5)内で光(8)を生成するように調整されて設けられており、
前記半導体層列は、垂直方向(92)において上面(20)で終端し、該上面は、垂直方向で前記活性領域の上方に配置されたコンタクト領域(21)と、前記垂直方向および前記長手方向に対し垂直な横方向(91)において前記コンタクト領域に直接つながっている少なくとも1つのカバー領域(22)とを有し、
前記カバー層は、前記コンタクト領域上および前記少なくとも1つのカバー領域上で切れ目なく上面上に設けられており、
前記カバー層は少なくとも、前記少なくとも1つのカバー領域内で、前記半導体層列の前記上面上に直接設けられており、
前記少なくとも1つの活性領域を規定する少なくとも1つの要素(10)が設けられており、該要素(10)は前記カバー層によって覆われ、
前記半導体レーザダイオードには、前記上面上に誘電体材料が設けられていない、
半導体レーザダイオード(100)。
【請求項2】
前記カバー層は透明導電酸化物を有する、
請求項1記載の半導体レーザダイオード。
【請求項3】
前記カバー層において前記半導体層列とは反対側に、金属製コンタクト素子(11)が配置されている、
請求項1または2記載の半導体レーザダイオード。
【請求項4】
前記コンタクト素子は、当該半導体レーザダイオードをワイヤボンディングまたは半田付けするためのボンド層である、
請求項3記載の半導体レーザダイオード。
【請求項5】
前記活性領域を規定する前記少なくとも1つの要素は、前記上面の前記コンタクト領域内に形成されたリッジ(9)を有する、
請求項1から4までのいずれか1項記載の半導体レーザダイオード。
【請求項6】
前記リッジは前記半導体層列の一部分によって形成される、
請求項5記載の半導体レーザダイオード。
【請求項7】
前記リッジは、前記活性領域内で生成された光の屈折率導波のためのリッジ導波路構造を成す、
請求項5または6記載の半導体レーザダイオード。
【請求項8】
前記リッジは、該リッジにより前記活性領域内で生成された光の屈折率導波がもたされないように低い高さを有する、
請求項5または6記載の半導体レーザダイオード。
【請求項9】
前記リッジは透明導電コンタクト層(14)を有する、
請求項5から8までのいずれか1項記載の半導体レーザダイオード。
【請求項10】
前記リッジは透明導電コンタクト層により形成されており、該透明導電コンタクト層は透明導電酸化物により形成されている、
請求項5記載の半導体レーザダイオード。
【請求項11】
前記活性領域を規定する前記少なくとも1つの要素は、ダメージ形成処理された半導体構造(12)を前記少なくとも1つのカバー領域内に有する、
請求項1から10までのいずれか1項記載の半導体レーザダイオード。
【請求項12】
前記ダメージ形成処理された半導体構造は、前記半導体層列の前記上面に形成されている、
請求項11記載の半導体レーザダイオード。
【請求項13】
前記上面に直接隣接して前記コンタクト領域内で前記半導体層列の前記上面上に、前記カバー層によって覆われた金属製コンタクト層または透明導電コンタクト層が配置されている、
請求項1から12までのいずれか1項記載の半導体レーザダイオード。
【請求項14】
前記カバー層は、少なくとも前記コンタクト領域内に第1の透明導電酸化物を備えた第1の層を有し、前記少なくとも1つのカバー領域内に、前記第1の透明導電酸化物とは異なる第2の透明導電酸化物を備えた第2の層を有し、前記第2の透明導電酸化物は、前記第1の層が前記第2の層を前記少なくとも1つのカバー領域内で覆うように、前記第1の透明導電酸化物によって少なくとも部分的に覆われている、
請求項1から13までのいずれか1項記載の半導体レーザダイオード。
【請求項15】
前記第2の層は、前記少なくとも1つのカバー領域内にのみ配置されている、
請求項14記載の半導体レーザダイオード。
【請求項16】
前記半導体レーザダイオードには前記上面上に、前記活性領域に作用を及ぼす誘電体材料は設けられていない、
請求項1から15までのいずれか1項記載の半導体レーザダイオード。
【請求項17】
前記上面上に複数のコンタクト領域が設けられており、
前記活性層内には動作中、複数の活性領域が存在しており、該活性領域各々の上方で垂直方向にそれぞれ1つのコンタクト領域が配置されており、
該コンタクト領域は、複数のカバー領域のうちのカバー領域によって互いに分離されており、
前記活性領域を規定する複数の要素が設けられており、該要素は前記カバー層によって覆われる、
請求項1から16までのいずれか1項記載の半導体レーザダイオード。
【請求項18】
前記カバー層は、複数の前記コンタクト領域および複数の前記カバー領域の上方に切れ目なく配置されている、
請求項17記載の半導体レーザダイオード。
【請求項19】
前記カバー層は、互いに分離された複数の区間に分割されており、該区間各々は1つの活性領域に割り当てられている、
請求項17記載の半導体レーザダイオード。
【請求項20】
請求項1から19までのいずれか1項記載の半導体レーザダイオード(100)の製造方法であって、
活性層(3)と、コンタクト領域(21)および少なくとも1つのカバー領域(22)を備えた上面(20)とを有する半導体層列(2)を用意するステップと、
活性領域を規定する少なくとも1つの要素(10)を形成するステップと、
カバー層(4)を、前記コンタクト領域上および前記少なくとも1つのカバー領域上に切れ目なく設けるステップと
を有する、半導体レーザダイオード(100)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、独国特許出願第102019106536.4号の優先権を主張するものであり、ここで参照したことによりその開示内容が取り込まれるものとする。
【0002】
ここでは半導体レーザダイオードおよび半導体レーザダイオードの製造方法について述べられる。
【0003】
通常のレーザダイオードは、基板とは反対側に誘電体パッシベーションを有しており、これはレーザダイオードの構造形態によっては、リッジ導波路構造の側面も覆う場合がある。その際に必要とされるのは、リッジ導波路構造を製造し、パッシベーション材料によって被覆成形した後、電気的接触接続を行うべき領域において、パッシベーション材料を再び取り除くことである。これに関連して必要とされるステップは、特にリッジ導波路構造の構造サイズが数μmの範囲にあるときには、非常に煩雑になる可能性がある。しかも、たとえばSiOまたはSiのような通常の誘電体パッシベーション材料は、ごく僅かな熱伝導性しか有しておらず、このことは、この種のレーザダイオードをパッシベーションされた面で支持体上に取り付ける場合に特に、不利に作用する可能性がある。
【0004】
特定の実施形態の少なくとも1つの課題は、半導体レーザダイオードを提供することである。特定の実施形態の少なくとも1つのさらなる課題は、半導体レーザダイオードの製造方法を提供することである。
【0005】
これらの課題は、独立請求項記載の保護対象および方法によって解決される。従属請求項には、保護対象および方法の有利な実施形態および発展形態が記載されており、それらはさらに以下の説明および図面から明らかになる。
【0006】
少なくとも1つの実施形態によれば、半導体レーザダイオードは少なくとも1つの活性層を有し、この活性層は、動作中に活性領域内で光を生成するように調整されて設けられている。活性層を特に、複数の半導体層を有する半導体層列の一部分とすることができ、さらに活性層は、半導体層列の複数の層が配置されている方向に対し垂直である主延在平面を有することができる。たとえば活性層は、正確に1つの活性領域を有することができる。さらに活性層は、複数の活性領域を有することもできる。活性領域を規定する1つまたは複数の要素によって活性領域に作用を及ぼすことができ、この要素についてはもっと後で説明する。以下で用いる用語「少なくとも1つの活性領域」は、正確に1つの活性領域を有する実施形態に関連するものであるとすることができ、さらに複数の活性領域を有する実施形態に関連するものであるとすることもできる。
【0007】
さらなる実施形態によれば、半導体レーザダイオードの製造方法において、活性層を有する半導体層列が用意され、この活性層は、半導体レーザダイオードの動作中に光を生成するように調整されて設けられている。特に活性層を有する半導体層列を、エピタキシャル法を用いて製造することができる。これまでに説明した、および以下で説明する実施形態ならびに特徴は、半導体レーザダイオードについても半導体レーザダイオードの製造方法についても等しく適用される。
【0008】
さらなる実施形態によれば、半導体レーザダイオードは、光出射面と、この光出射面とは反対側の背面とを有する。光出射面および背面を特に、半導体レーザダイオードの側面、とりわけ好ましくは半導体層列の側面、とすることができ、これをいわゆるファセット面と称する場合もある。光出射面を介して半導体レーザダイオードは動作中、少なくとも1つの活性領域において生成された光を放射することができる。光出射面上および背面上に、適切な光学的コーティング、特に反射性または部分反射性の層または層列を設けることができ、これらは活性層において生成された光のための光共振器を成すことができる。少なくとも1つの活性領域を、ここではおよび以下では長手方向と称する方向に沿って、背面と光出射面との間に延在させることができる。長手方向を特に、活性層の主延在平面に対し平行であるとすることができる。複数の層が上下に配置されている方向、つまり活性層の主延在平面に対し垂直な方向を、ここではおよび以下では垂直方向と称する。長手方向に対し垂直でありかつ垂直方向に対し垂直な方向を、ここではおよび以下では横方向と称する。したがって長手方向および横方向は、活性層の主延在平面に対し平行に拡がる平面を規定することができる。
【0009】
半導体層列を特にエピタキシャル層列として、つまりエピタキシャル成長させられた半導体層列として、構成することができる。その際に半導体層列を、たとえばInAlGaNベースで構成することができる。InAlGaNベースの半導体層列には特に、以下のようなものが属する。すなわち、エピタキシャルで製造された半導体層列は通常、それぞれ異なる複数の個別層から成る層列を有し、この層列は、III-V族化合物半導体材料系であるInAlGa1-x-yN、ただし0≦x≦1、0≦y≦1かつx+y≦1、から成る材料を有する少なくとも1つの個別層を含む。特に活性層は、かかる材料をベースとすることができる。InAlGaNベースの少なくとも1つの活性層を有する半導体層列は、たとえば好ましくは紫外線から緑色の波長範囲内の電磁放射を放出することができる。
【0010】
択一的にまたは付加的に、半導体層列をInAlGaPベースとすることもでき、すなわち半導体層列は、それぞれ異なる複数の個別層を有することができ、それらの個別層のうち少なくとも1つの個別層、たとえば活性層は、III-V族化合物半導体材料系であるInAlGa1-x-yP、ただし0≦x≦1、0≦y≦1かつx+y≦1、から成る材料を有する。InAlGaPベースの少なくとも1つの活性層を有する半導体層列は、たとえば好ましくは、緑色から赤色の波長範囲内の1つまたは複数のスペクトル成分を有する電磁放射を放出することができる。
【0011】
択一的にまたは付加的に、半導体層列は他のIII-V族化合物半導体材料系、たとえばInAlGaAsベースの材料、またはII-VI族化合物半導体材料系を有することもできる。特に、InAlGaAsベースの材料を有する活性層を、赤色から赤外線の波長範囲内の1つまたは複数のスペクトル成分を有する電磁放射を放出するのに適したものとすることができる。II-VI族化合物半導体材料は少なくとも、たとえばBe、Mg、Ca、Srといった第2主族から成る元素と、たとえばO、S、Seといった第6主族から成る要素とを有することができる。たとえばII-VI族化合物半導体材料には、ZnSe、ZnTe、ZnO、ZnMgO、CdS、ZnCdSおよびMgBeOが属する。
【0012】
活性層、特に活性層を含む半導体層列を、基板上に設けることができる。たとえば基板を成長基板として形成することができ、この基板上で半導体層列が成長させられる。活性層、特に活性層を含む半導体層列を、エピタキシャル法によって、たとえば有機金属気相エピタキシ(MOVPE)または分子線エピタキシ(MBE)によって、製造することができる。このことは特に、半導体層列が成長基板上で成長させられる、ということを意味することができる。さらに半導体層列に、1つまたは複数のコンタクト素子の形態の電気的コンタクトを設けることができる。これに加え、成長プロセス後に成長基板が除去される、ということも可能であるとすることができる。この場合、半導体層列をたとえば、成長後、支持体基板として形成された基板に転写することもできる。基板は、半導体材料、たとえば上述の化合物半導体材料系、または他の材料を含むことができる。特に基板は、サファイア、GaAs、GaP、GaN、InP、SiC、Si、Ge、および/またはたとえばSiNまたはAlNといったセラミック材料を含むことができ、または基板をかかる材料から成るものとすることができる。
【0013】
光生成のために活性層はたとえば、慣用のpn接合、ダブルへテロ構造、単一量子井戸構造(SQW構造)、または多重量子井戸構造(MQW構造)を有することができる。半導体層列は、活性層に加えてさらなる機能層および機能領域を含むことができ、たとえばp型またはn型にドーピングされた電荷担体輸送層、つまり電子輸送層または正孔輸送層、ドーピングされていない、あるいはp型またはn型にドーピングされた閉じ込め層、クラッド層または導波路層、バリア層、平坦化層、バッファ層、保護層、および/または電極層、ならびにこれらの組み合わせを含むことができる。さらには付加的な層、たとえばバッファ層、バリア層および/または保護層を、半導体層列の成長方向に対し垂直に、たとえば半導体層列の周囲に、つまりたとえば半導体層列の側面上に、配置することもできる。
【0014】
さらなる実施形態によれば、半導体レーザダイオードは、透明導電カバー層を半導体層列上に有する。特に半導体層列を、垂直方向に沿って上面で終端させることができる。カバー層を特に上面上に設けることができる。特に好ましくは、半導体層列において基板とは反対側に上面を形成することができる。この場合に基板を、成長基板または支持体基板とすることができる。半導体レーザダイオードが成長基板の剥離後に基板を有さないのであれば、上面を特に好ましくは、剥離された成長基板とは反対側の面によって形成することができる。カバー層を好ましくは少なくとも部分的に、半導体層列上面の半導体材料に直接隣接させることができ、したがって半導体層列上面の半導体材料と直接接触させることができる。たとえばカバー層を、このカバー層により覆われる上面の領域全体において、この上面と直接接触させることができる。さらに、垂直方向で少なくとも1つの活性領域の上方では、カバー層は半導体層列上面と直接接触していないのに対し、活性領域に対し横方向にずれた少なくとも1つの領域内では、カバー層は半導体層列上面と直接接触した状態で設けられている、ということが可能であるとすることもできる。
【0015】
さらなる実施形態によれば、カバー層は少なくとも1つの透明導電酸化物(TCO:“transparent conductive oxide”)を有する。透明導電酸化物は透明導電材料であって、通常、たとえば酸化亜鉛、酸化スズ、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化インジウム、または酸化インジウムスズ(ITO)といった金属酸化物である。TCOのグループには、たとえばZnO、SnOまたはInといった二元金属酸素化合物のほか、たとえばZnSnO、CdSnO、ZnSnO、MgIn、GaInO、ZnInまたはInSn12といった三元金属酸素化合物、あるいは種々の透明導電酸化物の混合物も属する。特に好ましくはカバー層は、以下の材料のうち1つまたは複数の材料を有することができる。すなわちITO、これはIn:Snとも称することができ、特に好ましくは90%以上95%以下のIn、および5%以上10%以下のSnOの割合であり、さらにIn、SnO、Sn、ZnO、IZO(酸化インジウム亜鉛)、GZO(ガリウムでドーピングされた酸化亜鉛)を有することができる。さらに、カバー層の1つまたは複数のTCOは、必ずしも化学量論的組成と一致していなくてもよく、p型またはn型にドーピングすることもできる、ということが可能であるとすることができる。
【0016】
カバー層を介して特に好ましくは、上面の側から半導体層列内に電流注入を行うことができる。かくしてカバー層は、透明な電気的導電カバー層を成すことができる。半導体層列においてカバー層とは反対側の下面上に、コンタクト素子を電極層の形態で設けることができる。たとえば半田付け接続またはボンディングワイヤ接続によって、カバー層を外部から電気的に接続するために、カバー層において半導体層列とは反対側に、金属製コンタクト素子を配置することができる。このコンタクト素子を、半導体レーザダイオードのワイヤボンディングまたは半田付けのためのボンド層とすることができ、これをたとえば単層または多層で形成することができ、さらにこのコンタクト素子はアルミニウムおよび/または銀および/または金を有することができ、あるいはこれらから成るものとすることができる。特に、半田付けまたはワイヤボンディングによる電気的接続のために必要とされるカバー層上の1つまたは複数の領域のみに、このコンタクト素子を配置することができ、または複数のコンタクト素子を配置することもできる。特に、1つまたは複数のコンタクト素子を、半導体層列内への電流注入に関連する要求に左右されずに配置することができる。1つまたは複数のコンタクト素子を、好ましくはカバー層上に直接配置することができる。
【0017】
さらなる実施形態によれば、上面は、垂直方向において少なくとも1つの活性領域の上方に配置されたコンタクト領域を有する。コンタクト領域に対し横方向にずれた位置において、上面はコンタクト領域に直接隣接するカバー領域を有する。つまりこのことは、コンタクト領域は横方向で2つのカバー領域の間に配置されており、これらのカバー領域は横方向でそれぞれコンタクト領域と直接隣接している、ということを意味することもできる。コンタクト領域は特に、長手方向に沿った主延在方向を有することができ、したがってこれを好ましくはストライプ状に形成することができ、このストライプを好ましくは放射出射面から背面へと延在させ、横方向に沿って2つのカバー領域の間に配置することができる。以下で主として「少なくとも1つのカバー領域」との関連で説明する特徴および実施形態は、正確に1つのカバー領域を有する実施形態、ならびにコンタクト領域に直接隣接する2つ以上のカバー領域を有する実施形態に関するものである。
【0018】
コンタクト層を介して、半導体レーザダイオードの動作中、半導体層列上面の側から半導体層列内に電流注入を行うことができる。コンタクト領域を介して動作中、特に、少なくとも1つのカバー領域を介するよりも多くの電流が、半導体層列上面内に注入される。このことは特に以下のことを意味することができる。すなわち、少なくとも好ましくは、または少なくとも実質的に、またはそれどころかもっぱら、コンタクト領域を介して電流注入が行われるのに対し、半導体レーザダイオードの動作中、カバー領域を介しては、コンタクト領域を介するよりも僅かな電流注入しか行われず、または実質的に電流注入が行われず、またはそれどころかまったく電流注入が行われない、ということである。
【0019】
さらなる実施形態によれば、カバー層は、コンタクト領域上および少なくとも1つのカバー領域上で切れ目なく上面上に設けられている。カバー層は、特に好ましくはコンタクト領域全体および少なくとも1つのカバー領域の少なくとも一部分を覆っており、または少なくとも1つのカバー領域全体も覆っている。
【0020】
さらなる実施形態によれば、カバー層は半導体層列上面全体を覆っている。これに対する代案として、カバー層は、半導体層列上面の一部分だけを覆うこともできる。カバー層によりこのケースでは覆われない上面の一部分を、カバー層がその部分に設けられていようがいまいが、活性領域の形成に、ひいては半導体レーザダイオードの光学特性に、作用を及ぼさないように、選択することができる。特にカバー層を、このカバー層によっても覆われていない領域がモード構造ひいては活性領域に作用を及ぼさないかぎりは、横方向に半導体層列上面にわたって延在させることができる。
【0021】
さらなる実施形態によれば、半導体レーザダイオードは、少なくとも1つの活性領域を規定する少なくとも1つの要素を有し、この要素はカバー層によって覆われる。少なくとも1つの活性領域を規定する少なくとも1つの要素を、以下では略して規定要素と称する場合もある。特に好ましくは、少なくとも1つの規定要素を半導体層列上面に配置することができ、たとえば上面のトポグラフィ構造の形状で、かつ/または上面の半導体構造の形状で、かつ/または半導体層列上面上に設けられた層の形状で、配置することができる。規定要素が少なくとも1つの活性領域を規定するということは、レーザ動作中の活性層内での光学モードの形成つまりは活性領域の形成が、規定要素の具体的な形態に依存する、ということを意味することができる。換言すれば、規定要素の変更によって、形成される活性領域を変化させることができる。したがって規定要素は、具体的に目指しているモード分布を、ひいては具体的に目指している活性領域を調整するために用いられる。特に、少なくとも1つの規定要素は、半導体層列の少なくとも一部分の少なくとも1つの光学特性および/または電流注入に関する少なくとも1つの特性に、作用を及ぼすことができる。1つの活性領域を規定するために、1つまたは複数の規定要素を設けることができる。特に複数の規定要素の共働によって、活性領域の所望の形成をもたらすことができる。
【0022】
さらなる実施形態によれば、半導体レーザダイオードの製造方法において、活性層を含み、かつコンタクト領域および少なくとも1つのカバー領域を備えた上面を含む半導体層列が用意される。その間にかつ/またはそれに続いて、活性領域を規定する少なくとも1つの要素を形成することができ、カバー層をコンタクト領域上および少なくとも1つのカバー領域上に切れ目なく設けることができる。
【0023】
さらなる実施形態によれば、少なくとも1つの規定要素は、上面のコンタクト領域内に形成されたリッジを有し、またはかかるリッジによって形成される。たとえばリッジを、半導体層列の一部分によって形成することができる。リッジを特に、半導体層列上面において長手方向に延在するリッジ状隆起領域によって形成することができる。換言すればリッジは、横方向に隣接する表面領域から垂直方向に突出して、長手方向に延在している。横方向でリッジに隣接する側面は、特に半導体層列上面の隣接する表面領域と共に、段状の断面を成すことができる。用語「リッジ状領域」と「リッジ」とを、以下では同義語として用いる場合がある。さらに半導体層列は複数のリッジ状領域を有することもでき、これらのリッジ状領域は、横方向に並置され互いに離間されて配置され、それぞれ長手方向に延在している。リッジを製造するために、半導体層列の成長後、半導体層列の一部分を上面から除去することができる。特にこの除去をエッチングプロセスによって行うことができる。カバー層は、特に好ましくはリッジ全体を覆うことができ、特に半導体層列上面にわたりリッジから横方向に離れるように、カバー層を延在させることができる。
【0024】
特に好ましくはコンタクト領域を、リッジ上面によって形成することができる。換言すればコンタクト領域は、半導体層列上面を垂直方向で上から見たときに、リッジと同じ形状を有する。したがってリッジの形状によって、特にリッジ上面の形状によって、コンタクト領域の形状つまりは電流注入のための領域を決定することができる。さらにコンタクト領域は付加的に、横方向でリッジに隣接するリッジ側面またはそれらの一部分を有することができる。
【0025】
さらにリッジは、活性領域内で生成される光の屈折率導波のためのリッジ導波路構造を成すことができる。この場合にリッジは、リッジによって活性層内の導波つまりはモード形成に作用が及ぼされるように、活性層に対し十分な高さと十分な近さとを有する。これに対する代案として、リッジによっても活性領域内で生成された光のごく僅かな屈折率導波だけしかもたらされないように、またはまったくもたらされないように、リッジが僅かな高さを有し、かつ活性層に対し大きい間隔を有することができる。換言すればこのケースでは、活性層内のモード形成が、主として利得導波によってもたらされるように、または利得導波のみによってももたらされるように、リッジを形成することができる。
【0026】
さらに半導体層列はリッジの形成により、コンタクト領域内に第1の半導体材料を有することができ、カバー領域内に第2の半導体材料を有することができ、その際に第1の半導体材料は、第2の半導体材料よりも高い導電率および/またはカバー層に対する低い電気的接触抵抗を有することができる。たとえば半導体層列を、垂直方向で上面に向かってクラッド層およびさらにその上の半導体コンタクト層によって終端させることができ、その際に半導体コンタクト層は、クラッド層よりも高い濃度のドーピングつまりは高い導電率および/またはカバー層に対する低い電気的接触抵抗を有することができる。リッジを形成するためにカバー領域内において、少なくとも半導体コンタクト層を、または半導体コンタクト層とクラッド層の少なくとも一部分とを、除去することができる。かくしてリッジを、半導体層の、または半導体層およびクラッド層の一部分の、リッジ形成後に残された部分によって形成することができ、したがってコンタクト領域内の上面は半導体コンタクト層の材料によって形成される一方、カバー領域内の上面はクラッド層の半導体材料によって形成される。半導体コンタクト層およびクラッド層のそれぞれ異なる電気的特性によって、コンタクト領域内およびカバー領域内において上述のそれぞれ異なる電流注入をもたらすことができ、それによって活性領域を規定する作用をもたらすことができる。
【0027】
さらなる実施形態によれば、リッジは透明導電コンタクト層を有する。透明導電コンタクト層を半導体層列上面上に直接、つまりは半導体層列の半導体材料と直接接触した状態で、設けることができる。特にこのケースでは、リッジをコンタクト層によって形成することができる。この目的で半導体層列の成長後、コンタクト領域にコンタクト層を設けることができる。コンタクト層は特に、先にカバー層との関連で説明したように、TCOを有することができる。さらにリッジを、透明導電コンタクト層と半導体層列の一部分とにより形成することができる。
【0028】
さらに透明導電コンタクト層は第1のTCOを有することができる一方、カバー層はこれとは異なる第2のTCOを有することができる。第1のTCOは、第2のTCOよりも高い導電率および/または半導体層列に対する低い電気的接触抵抗を有することができる。カバー層およびコンタクト層の材料のそれぞれ異なる電気的特性によって、コンタクト領域内およびカバー領域内において上述のそれぞれ異なる電流注入をもたらすことができ、それによって活性領域を規定する作用をもたらすことができる。択一的にまたは付加的に、第2のTCOは第1のTCOよりも低い屈折率を有することができる。コンタクト層のTCOはカバー層のTCOによって被覆成形されるので、半導体レーザダイオード内の導波特性に作用を及ぼすことができ、したがってこれにより活性領域を規定する作用をもたらすことができる。
【0029】
さらなる実施形態によれば、カバー層は2つ以上のTCOを有する。特にカバー層は、コンタクト領域内に第1のTCOを有し、少なくとも1つのカバー領域内に第2のTCOを有する。第2のTCOを、第1のTCOによって少なくとも部分的に覆うことができる。第2のTCOはたとえば、第1のTCOよりも低い光吸収率を有することができる。さらに第1のTCOは、第2のTCOよりも高い導電率および/または半導体層列に対する高い電気的接触抵抗を有することができる。
【0030】
さらなる実施形態によれば、活性領域を規定する少なくとも1つの要素は、ダメージ形成処理された半導体構造を少なくとも1つのカバー領域内に有する、またはそれによって形成される。特にダメージ形成処理された半導体構造を、半導体層列上面に形成することができる。ダメージ形成処理された構造を、たとえばエッチングプロセスによって製造することができる。特に好ましくは、エッチングプロセスをドライエッチングプロセスとすることができる。その際にエッチングプロセスのパラメータを、エッチング媒体に晒された半導体材料がプラズマおよび/またはイオン衝撃によってダメージ形成処理されるように、調整することができる。このようにした場合、ダメージ形成処理された上面には、カバー層に対する電気的コンタクトが形成されず、またはごく僅かにしか形成されず、その結果、この領域内では、電流を注入することができず、または実質的に注入することができず、したがってこれにより活性領域を規定する作用をもたらすことができる。特に好ましくは、ダメージ形成処理された半導体構造を、先に述べたリッジと組み合わせることができる。特にダメージ形成処理された半導体構造を、リッジ製造の枠組みにおいてもたらすことができる。
【0031】
さらなる実施形態によれば、コンタクト領域内の半導体層列上面上に、この上面に直接隣接して、金属製コンタクト層が配置されている。金属製コンタクト層は、特にカバー層によって覆われている。金属製コンタクト層のための材料として適したものであると言えるのは、たとえばPt、Pd、RhおよびNiの中から選択された1つまたは複数の金属である。金属製コンタクト層によって、カバー層に対するコンタクト領域の電気的結合を強めることができ、このようにすることで金属製コンタクト層が規定要素を成すこともできる。
【0032】
さらに半導体レーザダイオードには上面上に、活性領域に作用を及ぼす誘電体材料が設けられていないようにすることができる。換言すれば、半導体レーザダイオードは上面上に誘電体材料を有しておらず、特に従来技術において一般的であった誘電体パッシベーションを、かかる誘電体材料が少なくとも1つの活性領域に作用を及ぼしてしまうような領域内では有していない。特に好ましくは半導体レーザダイオードには、上面上に誘電体材料が設けられていないようにすることができる。換言すればこのケースでは上面上には、誘電体材料がまったく設けられておらず、特にパッシベーションの形態での誘電体材料が設けられていない。
【0033】
さらなる実施形態によれば、上面上に複数のコンタクト領域が設けられている。さらに、活性領域を規定する複数の要素を設けることができる。特に複数の規定要素によって活性層において動作中、複数の活性領域が存在するようにすることができ、その際に活性領域各々の上方で垂直方向にそれぞれ1つのコンタクト領域が配置されている。複数の規定要素はカバー層によって覆われている。コンタクト領域および/または規定要素を、それぞれ同じようにまたはそれぞれ異なるように形成することができ、これらは先に述べた1つまたは複数の特徴を有することができる。半導体レーザダイオードを特に、いわゆるレーザバーとして形成することができる。特に好ましくはこのケースでは、半導体層列および特に活性層を、可視光を生成するように形成することができ、したがって半導体レーザダイオードを可視の波長領域における多重放射源とすることができる。
【0034】
さらに複数のカバー領域を設けることができ、その際にそれらのカバー領域によってコンタクト領域が互いに分離されている。カバー層を、複数のコンタクト領域および複数のカバー領域の上方に切れ目なく配置することができる。これに対する代案として、カバー層を互いに分離された区間に分割することもでき、その際にそれらの区間各々が1つの活性領域に割り当てられており、先に述べたようにして、それぞれ割り当てられたコンタクト領域上およびそれぞれ割り当てられたカバー領域上に配置されている。
【0035】
さらなる実施形態によれば、半導体レーザダイオードの製造方法は、好ましくは以下のステップを有することができる。すなわち、
基板を用意するステップ、
エピタキシャル成長により半導体層列を設けるステップ、
後でコンタクト領域となる領域をマスクで覆うステップ、
コンタクト領域内においてリッジをエッチングするステップ、および/またはコンタクト領域側方で横方向に位置する1つまたは複数のカバー領域をダメージ形成処理するステップ、
マスクを除去するステップ、
特に好ましくは半導体層列のためのp型コンタクトを成すことができる透明導電カバー層を設けるステップ、特に面全体にわたり設けるステップ、
1つまたは複数の金属製コンタクト素子をカバー層上に、かつ/またはカバー層のところに設けるステップ。
【0036】
この場合であれば特にn型コンタクトとすることができるさらなる電気的コンタクトを設けるステップ、ならびにさらなる必要なステップを、プロセスフローにおける任意の個所に配置することができる。リッジを製造するステップおよび/またはダメージ形成処理された半導体構造を製造するステップに対する代案として、またはこれらのステップに加えて、コンタクト領域内において、金属製コンタクト層または透明導電コンタクト層を設けるステップを実施することができる。
【0037】
かくして本明細書で説明した半導体レーザダイオードによれば、上述のように場合によってはリッジおよび/またはダメージ形成処理された半導体構造を備えた半導体層列の製造後、透明導電カバー層が設けられ、これは少なくとも、少なくとも1つのカバー領域内で半導体層列の半導体材料と直接接触しており、好ましくは1つのTCOを有し、または少なくとも1つのTCOから成る。これに対し従来技術において一般的な誘電体パッシベーション層を、特に半導体層列上面の領域において省略することができ、この領域ではその上に設けられた層および要素が活性領域の特性に作用を及ぼす。TCOは通常、パッシベーションのために典型的に使用される誘電体よりも高い熱伝導性を有するので、本明細書で説明する半導体レーザダイオードによれば、上面における熱抵抗を低減することができ、このことによって出力性能の改善、高温特性の改善、ならびに経年変化の低減をもたらすことができる。したがってカバー層は同時に、熱伝導性のパッシベーションおよび半導体層列を接触接続するための電気的接続層を成す。しかもこの製造方法は、著しく簡素化された自己調整型のプロセス管理を有することができる。これによって従来技術の場合よりも低コストで高速にかつ改善されたプロセス安定性で、製造を行うことができる。
【0038】
さらなる利点、有利な実施形態および発展形態は、以下で図面を参照しながら説明する実施例から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1A】半導体レーザダイオード用であって、複数の実施例による半導体レーザダイオード製造方法のプロセスステップのための半導体層列を概略的に示す図である。
図1B】半導体レーザダイオード用であって、複数の実施例による半導体レーザダイオード製造方法のプロセスステップのための半導体層列を概略的に示す図である。
図1C】半導体レーザダイオード用であって、複数の実施例による半導体レーザダイオード製造方法のプロセスステップのための半導体層列を概略的に示す図である。
図1D】半導体レーザダイオード用であって、複数の実施例による半導体レーザダイオード製造方法のプロセスステップのための半導体層列を概略的に示す図である。
図1E】半導体レーザダイオード用であって、複数の実施例による半導体レーザダイオード製造方法のプロセスステップのための半導体層列を概略的に示す図である。
図2A】さらなる実施例による半導体レーザダイオードを、特に半導体レーザダイオード製造方法という枠組みにおいても概略的に示す図である。
図2B】さらなる実施例による半導体レーザダイオードを、特に半導体レーザダイオード製造方法という枠組みにおいても概略的に示す図である。
図2C】さらなる実施例による半導体レーザダイオードを、特に半導体レーザダイオード製造方法という枠組みにおいても概略的に示す図である。
図3】さらなる実施例による半導体レーザダイオードを概略的に示す図である。
図4】さらなる実施例による半導体レーザダイオードを概略的に示す図である。
図5】さらなる実施例による半導体レーザダイオードを概略的に示す図である。
図6】さらなる実施例による半導体レーザダイオードを概略的に示す図である。
図7】さらなる実施例による半導体レーザダイオードを概略的に示す図である。
図8】さらなる実施例による半導体レーザダイオードを概略的に示す図である。
図9】さらなる実施例による半導体レーザダイオードを概略的に示す図である。
図10】さらなる実施例による半導体レーザダイオードを概略的に示す図である。
【0040】
実施例および図面において、同一の、同種の、または同じように作用する要素には、それぞれ同じ参照符号が付されている場合もある。図示されている要素およびそれら相互のサイズ比を、縮尺どおりと見なすべきではなく、むしろたとえば層、構成部材、構成素子および領域といった個々の要素は、描写しやすくするために、かつ/または理解しやすくするために、誇張したサイズで描かれている場合もある。
【0041】
図1A図1Eには、以下で説明する半導体レーザダイオードを製造するために用意され使用される、それぞれ基板1上の半導体層列2に関する実施例が示されている。ここで図1Aには、後でレーザダイオードになる部分の光出射面6の上面図が示されており、図1Bには、半導体層列2および基板1の断面図が、光出射面6に対し垂直にカットした平面で示されている。図1Cには、半導体層列2の構造に関する1つの実施例が示されている。図1Dおよび図1Eには、半導体層列2の変形が示されている。
【0042】
図1A図1Cに示されているように基板1が用意され、この基板1はたとえば、その上にエピタキシャル成長により製造される半導体層列2のための成長基板である。これに対する代案として、基板1を支持体基板とすることもでき、この支持体基板上に、成長基板上で成長させられた半導体層列2が成長後に転写させられる。たとえば基板1がGaNから成るものとすることができ、この基板1上に、InAlGaN化合物半導体材料ベースの半導体層列2が成長させられる。さらに、特に概要説明部分で述べたように、基板1および半導体層列2についてこれ以外の材料も可能である。これに対する代案として、完成した半導体レーザダイオードに基板が設けられていないようにすることも可能である。このケースでは、半導体層列2を成長基板上で成長させることができ、次いでその成長基板が除去される。半導体層列2は活性層3を有しており、この活性層3は、完成した半導体レーザダイオードの動作中に光8を生成し、特にレーザ閾値を超えたときにレーザ光を生成し、光出射面6を介して放射するのに適している。
【0043】
図1Aおよび図1Bに示されているように、光出射面6を上から見たときに、半導体層列2の層の主延在方向に対し平行に延在する方向を、ここではおよび以下では横方向91と称する。半導体層列2の上下の層ならびに基板1上における半導体層列2の配置方向を、ここではおよび以下では垂直方向と称する。横方向91および垂直方向92に対し垂直を成す方向であって、完成した半導体レーザダイオードの動作中に光8が放射されるときの方向と一致する方向を、ここではおよび以下では長手方向93と称する。
【0044】
1つの実施例によれば、基板1とは反対側の半導体層列2の上面20において、基板1とは反対側の半導体層列2の半導体材料の一部分を除去することによって、リッジ9が形成される。この目的で、成長させられた半導体層列2上において、リッジが形成されるべき領域に適切なマスクを取り付けることができる。エッチングプロセスによって、半導体材料を除去することができる。次いで、マスクを再び取り外すことができる。リッジ9は、かかるプロセスによって以下のように形成される。すなわちリッジが長手方向93に延在し、横方向91において両側で、リッジ側面またはリッジ面と称することもできる側面によって区切られているように、形成される。
【0045】
半導体層列2は、活性層3に加えさらなる半導体層を有することができ、たとえばバッファ層、クラッド層、導波路層、バリア層、電流拡開層および/または電流制限層を有することができる。図1Cに示されているように、基板1上の半導体層列2はたとえば、バッファ層31、その上に第1のクラッド層32、さらにその上に第1の導波路層33を有することができ、これらの上に活性層3が設けられている。活性層3の上に、第2の導波路層34、第2のクラッド層35および半導体コンタクト層36を設けることができる。図示の実施例の場合、リッジ9は、半導体コンタクト層36と、第2のクラッド層35の一部分とにより形成されており、この場合、リッジ9を製造するために、半導体層列2の成長後、半導体層列2の一部分が上面20の側から除去される。特に、エッチングプロセスにより除去を行うことができる。隣接する材料へのリッジ9の側面のところでの屈折率の跳躍的変化によって、ならびに活性層3に十分に近いならば、活性層3内で生成される光のいわゆる屈折率導波をもたらすことができ、その結果、半導体層列2内の以下のような領域を定める活性領域5の形成を決定的に生じさせることができ、すなわちその領域内ではレーザ動作中、生成された光が1つまたは複数のレーザモードで案内されて増幅される。したがってリッジ9はこの実施例においては、いわゆるリッジ導波路構造を成しており、もっと後でさらに詳しく説明する活性領域を規定する要素である。リッジ9が図示された高さよりも低いまたは高い高さを有し、したがってリッジ9を形成するために、もっと僅かな半導体材料またはもっと多くの半導体材料が除去されるようにすることも可能である。たとえばリッジ9を、半導体コンタクト層36またはその一部分のみによって、あるいは半導体コンタクト層36と第2のクラッド層35とによって、形成することができる。リッジ9の高さを整合することによって、屈折率導波の整合を達成することができる。高さを低くすればするほど、かつ/またはリッジ9から活性層3までの間隔を広くすればするほど、屈折率導波を目立たなくすることができる。このようにした場合には、活性領域内におけるモード導波は、少なくとも部分的にいわゆる利得導波によって行われる。
【0046】
上述のように半導体層列2がInAlGaN化合物半導体材料ベースであるならば、バッファ層31は、ドーピングされていないまたはn型にドーピングされたGaNを有することができ、またはこれから成るものとすることができ、第1のクラッド層32はn型にドーピングされたAlGaN、第1の導波路層33はn型にドーピングされたGaN、第2の導波路層34はp型にドーピングされたGaN、第2のクラッド層はp型にドーピングされたAlGaN、さらに半導体コンタクト層36はp型にドーピングされたGaNを有することができ、またはこれから成るものとすることができる。n型ドーパントとしてたとえばSiを用いることができ、p型ドーパントとしてたとえばMgを用いることができる。活性層3を、pn接合によって、または図1Cに示されているように、多数の層を有する量子井戸構造によって、形成することができ、この量子井戸構造はたとえば、InGaNおよびGaNを有する、またはこれらから成る交互の層によって、形成することができる。基板はたとえば、n型にドーピングされたGaNを有することができ、またはこれから成るものとすることができる。これに対する代案として、概要説明部分で述べたように、これ以外の層および材料の組み合わせも可能である。
【0047】
さらに、半導体層列2および基板1の側面を成す光出射面6および対向する背面7の上に、反射性または部分反射性の層または層列を設けることができ、これは見やすくするために図面には示されておらず、半導体層列2内に光共振器が形成されるように設けられ調整されている。
【0048】
たとえば図1Aから見て取れるように、リッジ9側方の両側で横方向に半導体材料を完全に除去することによって、リッジ9を形成することができる。これに対する代案として、図1Dに示されているように、いわゆる「三脚」を形成することもでき、これによればリッジ9を形成するために、リッジ9側方で横方向に2本の溝に沿ったところだけ半導体材料が除去される。これに対する代案として、完成した半導体レーザダイオードを、いわゆるブロードエリアレーザダイオードとして形成することもでき、これによればリッジのない、または高さの低いリッジを有する半導体層列2が製造されて、さらなるプロセスステップのために用意される。図1Eにはこの種の半導体層列2が示されており、これによればモード導波を、利得導波方式のみに、または少なくとも実質的に利得導波方式に、基づくものとすることができる。
【0049】
半導体レーザダイオードを製造するためのさらなるプロセスステップ、ならびに半導体レーザダイオードに関する実施例について、さらなる図面を参照しながら説明する。単に例示的に、図1A図1Cに示されているようなリッジ9を有する半導体層列2に主として基づき、これらの実施例について説明する。ただしこれに対する代案として、以下のプロセスステップおよび実施例は、図1Dおよび図1Eに示した三脚構造を有する、またはリッジのない半導体層列2の変形実施形態のためにも可能である。図1Cに示されている半導体層列2の詳細な構造は、それに限定されるものとして解されるべきではなく、以下の図面では見やすくするために示されていない。
【0050】
図2Aには、半導体層列2を備えた半導体レーザダイオード100が部分的に示されており、この場合、半導体レーザダイオード100の製造という枠組みにおいて、先に述べたように最初のプロセスステップにおいて半導体層列2が製造され、さらなるプロセスステップのために用意される。さらなるプロセスステップにおいて、透明導電カバー層4が上面20に設けられる。特に上面20は、垂直方向92において少なくとも1つの活性領域5の上方に配置されたコンタクト領域21を有する。コンタクト領域21に対し横方向にずれた位置において、上面20は、コンタクト領域21と直接隣接して少なくとも1つのカバー領域22を有する。特に、コンタクト領域21に対し横方向にずれた位置において、コンタクト領域21と直接隣接して、図示されているように2つのカバー領域22を設けることができる。図2Aから特に見て取れるように、コンタクト領域21は横方向91において2つのカバー領域22の間に配置されており、これらのカバー領域22は横方向91においてそれぞれコンタクト領域21と直接隣接している。2つのカバー領域を有する実施例に少なくとも適用される以下の説明は、1つのカバー領域または3つ以上のカバー領域を有する半導体レーザダイオードの実施形態にも、同様に適用される。
【0051】
コンタクト領域21は図示の実施例の場合、リッジ9の上面および少なくとも部分的にリッジ9の側面により形成される。相応にコンタクト領域21は、長手方向に沿った主延在方向を有し、リッジ9の形状は以下では好ましくはストライプ状に形成され、このストライプを好ましくは放射出射面から背面へと延在させることができる。図示の実施例の場合、カバー領域22は、上面20のうちコンタクト領域21によって形成されていない部分によって形成され、つまり上面20のうち、リッジ9側方でこれに隣接して配置されている部分によって形成される。
【0052】
透明導電カバー層4は、コンタクト領域21上およびカバー領域22上で切れ目なく上面上に設けられている。かくしてカバー層4は図示の実施例の場合、コンタクト領域21全体およびカバー領域22全体を覆っており、したがって上面20全体がカバー層4によって覆われている。特にカバー層4は図示の実施例の場合、半導体層列2の上面20全体と、つまりコンタクト領域21においてもカバー領域22においても、直接接触している。
【0053】
透明導電カバー層4は、少なくとも1つのTCOを有し、または少なくとも1つのTCOから成る。特にカバー層4は、先に概要説明部分で挙げたTCOのうちの1つまたは複数を有することができ、またはそれまたはそれらから成るものとすることができ、特にITO,In、SnO、Sn、ZnO、IZOおよびGZOから選択することができる。カバー層4は、半導体レーザダイオード100の動作中、上面から半導体層列2内に、つまりは活性層3内に、電流を注入するように設けられ調整されており、したがって透明な電気的接触接続部を成している。上面20とは反対側の半導体層列2の下面に、さらなる電気コンタクトとして電極層を設けることができる(図示せず)。
【0054】
外部からのカバー層4の電気的接続のために、カバー層4において半導体層列2とは反対側に、またはカバー層4のところに、少なくとも1つの金属製コンタクト素子11が配置されている。コンタクト素子11を、半導体レーザダイオード100のワイヤボンディングまたは半田付けのためのボンド層とすることができ、これをたとえば単層または多層で形成することができる。たとえばコンタクト素子11は、アルミニウムおよび/または銀および/または金を有することができ、またはそれまたはそれらから成るものとすることができる。コンタクト素子11は、図示されているように好ましくはカバー層4上に直接配置されており、これを広い面積にわたりリッジ9の上方に設けることができ、このことは特に、コンタクト素子11を用いて、つまりはp側を下向きにして(“p-down”)、半導体レーザダイオード100を半田付けする場合に、有利になり得る。
【0055】
図2Aに示されている実施例は、ならびにさらなる実施例も、動作中、コンタクト領域21を介して、カバー領域22を介するよりも多くの電流が、半導体層列2の上面20内に注入されるように、構成されている。概要説明部分で言及したように、このことは特に以下のことを意味することができる。すなわち、カバー層4を用いた電流注入は、少なくとも好ましくは、または少なくとも実質的に、またはそれどころかもっぱら、コンタクト領域21を介して行われるのに対し、半導体レーザダイオード100の動作中、カバー領域22を介しては、コンタクト領域21を介するよりも僅かな電流注入しか行われず、または実質的に電流注入が行われず、またはそれどころか電流注入がまったく行われない、ということである。このことは、図2Aの実施例においては以下のことにより達成される。すなわち、リッジ9ゆえにコンタクト領域21は、リッジ上面においては完全に、さらにリッジ側面においては少なくとも部分的に、図1Cを参照しながら説明した半導体コンタクト層によって形成されるのに対し、カバー領域22は、第2のクラッド層または第2の導波路層により形成され、これらはそれぞれ半導体コンタクト層よりも著しく僅かなドーパントを有する。さらに半導体コンタクト層は、その下に位置する層に比べると、僅かなアルミニウム含有量を有するようにすることができ、またはアルミニウムを有さないようにすることもできる。これによってコンタクト領域21は、カバー層4に対しカバー領域22よりも僅かな電気的接触抵抗を有し、このことによって、コンタクト領域21において目指しているいっそう多くの電流注入を促進させることができる。
【0056】
かくしてリッジ9によって、既述のように上面20の側からの電流注入に作用を及ぼすことができる。さらにリッジ9を、図1A図1Cを参照しながら説明したように、リッジ導波路構造として形成することができ、これによって活性層3内で動作中に生成される光の屈折率導波をもたらすことができる。コンタクト領域21を介した選択的な電流注入も、リッジ導波路構造によりもたらされる屈折率導波も、活性領域5の形成に寄与させることができ、リッジ9の変更により活性領域5を変化させることができるので、リッジ9は、すでにかなり前に述べたように、活性領域を規定する要素10を成し、これは概要説明部分で述べたように、略して規定要素とも呼ばれる。図示して以前に説明したように、規定要素10はカバー層4により覆われ、このカバー層4は一方では電流供給用の透明なコンタクトとして用いられる。カバー層4は特にリッジ側面も直接覆っているので、カバー層4は対応する界面での屈折率の跳躍的変化によって、他方ではリッジ導波路構造の導波にも作用を及ぼす。さらにカバー層4は、半導体材料における光学モードをコンタクト素子11の金属から保護する。これによって、図示されている半導体レーザダイオード100の場合には、従来技術において一般的であったパッシベーション層をリッジのところに設ける必要がなくなり、したがって図示されている実施例による半導体レーザダイオード100には、上面20上にいかなる誘電体材料も設けられていないようにすることができる。さらに図示されている実施例の場合のように、別個の金属製コンタクト接続層がリッジ上面上に設けられていないようにすることができる。
【0057】
広い面積でコンタクト領域21全体を覆う金属製コンタクト素子11に対する代案として、コンタクト素子11を、半田付けまたはワイヤボンディングによる電気的接続のために必要とされるカバー層4上の1つまたは複数の特定の領域においてのみ、1つのコンタクト素子11または複数のコンタクト素子11として配置することもできる。図2Bおよび図2Cに示されているように、たとえばコンタクト領域21側方で横方向のみに、つまりは図示の実施例の場合にはリッジ9側方において、一方の側に、または2つの金属製コンタクト素子11の形態では両方の側に、コンタクト素子11が配置されているようにすることができる。横方向の配置は、特に図2Cに示されている「三脚」型の構造において、たとえば支持体上でのコンタクト素子11との“p-down”式の半田付けによる取り付けの場合に、リッジ9について機械的負荷を軽減する役割を果たすことができる。さらに図2Bおよび図2Cの図示の実施例の場合には、カバー層4を図2Aの実施例よりも薄くすることができ、それというのも金属製コンタクト素子11によってもコンタクト吸収が予期されないからである。
【0058】
図3には、半導体レーザダイオード100に関する1つの実施例が示されており、これによれば、先に挙げた実施例と対比すると、活性領域5を形成するための付加的な規定要素10として、ダメージ形成処理された半導体構造12がカバー領域22内に製造される。しかもこの実施例の場合、カバー領域22はリッジ側面も含むのに対し、コンタクト領域21はリッジ上面によって形成される。ダメージ形成処理された半導体構造12は、リッジ形成後に露出させられた半導体層列2の上面20において、リッジ上面を除き形成される。特にダメージ形成処理された半導体構造12を、リッジ製造の枠組みにおいて特にリッジ製造の締めくくりとして、生じさせることができる。ダメージ形成処理された構造12を、たとえばエッチングプロセスおよび/またはスパッタリングによって製造することができ、これを特に好ましくはドライエッチングプロセスとすることができる。その際、エッチングプロセスのパラメータは、エッチング媒体に晒された半導体材料がプラズマおよび/またはイオン衝撃によってダメージ形成処理されるように調整される。このようにした場合には、ダメージ形成処理された半導体構造12を有するダメージ形成処理された上面では、カバー層4に対する電気的接触接続が形成されず、またはごく僅かにしか形成されず、したがってこの領域では好ましくは電流を注入することができず、または実質的に注入することができない。先に挙げた実施例を参照ながら説明したように、カバー領域22においてリッジ9の側方で高濃度ドーピングされた半導体コンタクト層を除去することによって、この効果をさらに強めることができる。以下の実施例では単に例示的に、ダメージ形成処理された半導体構造12が常に示されている。ただし代案として以下の実施例を、ダメージ形成処理された半導体構造なしでも形成することができる。
【0059】
これまでの実施例では単一放射源が示されていたが、半導体レーザダイオード100をいわゆるレーザバーまたは多重放射源として形成することもできる。図4に示されているように、上面20上に複数のコンタクト領域21を設けることができる。これに応じて、活性領域を規定する複数の要素10も設けられており、これらはそれぞれ垂直方向でコンタクト領域21の下方に横方向に並置された複数の活性領域5を形成するために用いられる。複数の規定要素10は、先に挙げた実施例の場合のようにカバー層4により覆われており、単に例示的にリッジ9およびダメージ形成処理された半導体構造12を有する。単に例示的に図4の実施例の半導体レーザダイオード100は、図3の実施例と同様に形成されている。コンタクト領域21および/または規定要素10を、一般的にはそれぞれ同じようにまたはそれぞれ異なるように形成することができる。さらに複数のカバー領域22が設けられており、その際にそれらのカバー領域22によってコンタクト領域21が互いに分離されている。図示されているようにカバー層4を、複数のコンタクト領域21および複数のカバー領域22の上方に切れ目なく配置することができる。これによって、すべての活性領域5を同時に制御することができる。これに対する代案として、カバー層4を互いに分離された区間に分割することもでき、その際にそれらの区間各々が1つの活性領域5に割り当てられており、先に述べたようにして、それぞれ割り当てられたコンタクト領域21上および部分的にそれぞれ割り当てられたカバー領域22上に配置されており、したがって活性領域5を互いに独立して制御可能であるとすることができる。このケースでは、各活性領域5に固有の金属製コンタクト素子が割り当てられている。特に好ましくは、半導体層列2および特に活性層3を、可視光を生成するように形成することができ、したがって半導体レーザダイオード100を可視の波長領域における多重放射源とすることができる。先に挙げた実施例を参照しながら説明した特徴を、さらに以下の実施例を参照しながら説明する特徴も、図4の半導体レーザダイオード100にもそれぞれ適用することができる。
【0060】
図5には、半導体レーザダイオード100に関するさらなる実施例が示されており、これによれば、先に挙げた実施例と対比すると、半導体層列2上のコンタクト領域21内に金属製コンタクト層13が配置されている。金属製コンタクト層13は特に、上面20に直接隣接して半導体層列2の上面20上のコンタクト領域21内に配置されており、透明導電カバー層4によって覆われる。
【0061】
金属製コンタクト層13のための材料として、たとえばPt、Pd、RhおよびNiの中から選択された1つまたは複数の金属を使用することができる。金属製コンタクト層13によって、コンタクト領域21内の上面20とカバー層4との電気的結合を、電気的接触抵抗の低減によって強めることができ、したがってカバー層4から半導体層列2内への電流注入をコンタクト領域21内において強めることができ、このことによってコンタクト領域21下方の活性領域の形成に作用を及ぼすことができる。よって、金属製コンタクト層13は規定要素10も成すことができる。このコンフィギュレーションの場合には他の実施例と同様、半導体レーザダイオード100には、誘電体パッシベーションを設けなくてよく、つまりは誘電体材料を上面20上に設けなくてよいので、従来技術よりもいっそう良好な、つまりはいっそう僅かな熱抵抗を、上面上で達成することができる。
【0062】
図6には、半導体レーザダイオード100に関する1つの実施例が示されており、この半導体レーザダイオード100は、先に挙げた実施例と対比すると、金属製コンタクト層13の代わりに、コンタクト領域21のすぐ上に、透明導電コンタクト層14を有する。かくして透明導電コンタクト層14は、コンタクト領域21内でその下に位置する半導体層列2の半導体材料と共にリッジ9を成すことができ、したがって半導体層列2の半導体材料と透明導電コンタクト層14の材料とによって、リッジ9を形成することができる。透明導電コンタクト層14は特に、先にカバー層4との関連で説明したように、TCOを有することができる。透明導電コンタクト層14は好ましくは第1のTCOを有する一方、カバー層4はこれとは異なる第2のTCOを有する。第1のTCOは好ましくは、第2のTCOよりも高い導電率および/または半導体層列2に対する低い電気的接触抵抗を有することができる。たとえば第1のTCOはITOまたはZnOを有することができ、または第1のTCOをITOまたはZnOとすることができる一方、第2のTCOをこれとは異なるTCOとすることができ、または第2のTCOはこれとは異なる化学量論を有することができる。カバー層4の材料と透明導電コンタクト層14の材料とがそれぞれ異なる電気的特性であることによって、すでに先に挙げた実施例の場合のように、コンタクト領域21内とカバー領域22内とで上述のそれぞれ異なる電流注入を促進することができ、このことによって活性領域を規定する作用をもたらすことができる。
【0063】
図7に示されているように、リッジ9を透明導電コンタクト層14によって形成することもできる。これによって、リッジ9、特にリッジ導波路構造、の著しく低コストの製造を達成可能であるとすることができる。特に、コンタクト領域21内で完成された半導体層列2の上面上に、第1のTCOを堆積させることができ、透明導電コンタクト層14を成すストライプとなるように構造形成することができる。その際に同時に、後で設けられる材料、つまり特にカバー層4の材料に対する電気的接触抵抗が、ダメージ形成処理された半導体構造12の形成によって高くなるように、たとえばダメージ形成処理および/またはスパッタリングおよび/または酸化などの適切な処置により、ストライプ側方の領域つまりカバー領域22を処理することができる。カバー層4を形成するため、透明導電コンタクト層14の第1のTCOの上および側方に、第1のTCOよりも小さい屈折率を有する第2のTCOが堆積させられる。これによってやはり、動作中に活性層3内に生成される光波に対する横方向の屈折率の跳躍的変化が発生し、したがってこれにより上述の横方向の導波、つまりは屈折率導波がもたらされる。これと同時に、いっそう高い屈折率の領域内つまりコンタクト領域21内においてのみ、または少なくとも実質的にこの領域内においてのみ、電流が半導体層列2の上面20内に注入される、ということを達成することができ、これによっていわゆる自己調整型のリッジレーザが形成される。先に挙げた実施例の場合のように、コンタクト層14およびカバー層4は、それぞれ異なるTCOを有することができ、またはこれらをそれぞれ異なるTCOから成るものとすることができ、つまりたとえば酸化亜鉛および酸化スズのようなそれぞれ異なる材料、および/またはそれぞれ異なる材料組成および/または化学量論を有することができる。この実施例の格別な利点として挙げることができるのは、実質的に半導体材料をエッチングする必要がなく、したがって技術的に見て的確に行うのが比較的難しい正確なエッチング深さによって、横方向の屈折率の跳躍的変化を調整する必要がない、ということである。むしろ、透明導電コンタクト層14の材料によるコーティングしか必要とされず、この材料を適正な屈折率で選択することができ、適正な厚さで設けることができる。
【0064】
さらに図8に示されているように、カバー層4は2つ以上のTCOを有することができる。特にカバー層4は、それぞれ異なるTCOを備えたそれぞれ異なる層を有することができ、またはカバー層をそのような層から成るものとすることができる。このような可能性を、本明細書で説明する他の実施例と組み合わせることができる。特にカバー層4は、少なくともコンタクト領域21内では第1のTCOを備えた第1の層41を有することができ、カバー領域22内では、第1のTCOとは異なる第2のTCOを備えた第2の層42を有することができる。第2のTCOを、第1のTCOによって少なくとも部分的に覆うことができる。したがって第1の層41は、図示されているようにカバー領域内で第2の層42を覆うことができる。特に第2の層42を、図示されているようにカバー領域22内においてのみ配置することができ、したがってコンタクト領域21内では、第1の層41の上方にも下方にも第2の層42は配置されていない。かくして、カバー層4により形成される透明なコンタクトを複数の層から形成することができ、その際に好ましくは、第2の層42はコンタクト領域21の上方には延在していない。
【0065】
たとえばカバー領域22内において、つまりコンタクト領域21側方の領域内において、このことは図示の実施例ではリッジ9の側方のことも意味するが、特に低い吸収率の第2のTCOを用いることができ、ただしそのためにはたとえば第1のTCOよりも低い導電率を有する。これが高い導電率を有する第1のTCOによって覆われ、このようにした場合、第1のTCOが、コンタクト領域21内の半導体材料に対する電気的接続部も成す。この場合、第1のTCOはたとえば、第2のTCOよりも高い光吸収率を有することができる。かくしてカバー層4の第1および第2の層41、42は、付加的に規定要素10を成すことができる。
【0066】
図2A図8の実施例はそれぞれリッジ9を有し、これは形状設定次第で屈折率導波をもたらすことができる。これに対する代案として半導体レーザダイオード100は、リッジ9を除き活性領域5を規定するためのこれまでの述べてきた特徴を有することができ、したがってこれを利得導波方式に基づくものとすることができる。
【0067】
図9には、単に例示的に半導体レーザダイオード100が示されており、これはリッジを除き図3の実施例のように構成されており、利得導波型レーザとして形成されていて、この場合には上面20は、コンタクト領域21を成すコンタクト窓内だけは、カバー領域22内にダメージ形成処理された半導体構造12を形成するための、たとえばプラズマまたはスパッタリングによっても、ダメージ形成処理されない。これによって上面20には段差が生じず、またはごく僅かな段差しか生じず、したがって実質的にリッジは形成されず、またはごく僅かな高さのリッジしか形成されない。特に上面20をカバー領域22内において、コンタクト領域21内のように半導体コンタクト層によって形成することができ、この層は通常、30nm~200nmの範囲内の厚さを有することができ、カバー領域22内でもせいぜい部分的にしか除去されていない。したがってリッジが設けられているケースであれば、そのリッジは半導体コンタクト層の厚さよりも僅かな高さを有する。上述のように、ダメージ形成処理された半導体構造12によって達成することができるのは、半導体層列2とカバー層4との間の電気的接触接続がコンタクト領域21においてのみ有効に生じる、ということである。
【0068】
カバー層4がそれぞれ常に半導体層列2の上面20全体を覆うようにした、先に挙げた実施例に対する代案として、カバー層4が図示の実施例において、半導体層列2の上面20の一部分だけを覆うこともできる。この場合には、カバー層4によりこのケースでは覆われない上面20の部分は、カバー層4がその部分に設けられていようがいまいが、活性領域5の形成に、ひいては半導体レーザダイオード100の光学特性に、作用を及ぼさないように、それぞれ選択されている。特にカバー層4は、このカバー層4によっても覆われていない領域が活性領域5に作用を及ぼさないかぎりは、常に横方向に半導体層列2の上面20にわたって、つまりはコンタクト領域21およびカバー領域22の少なくとも一部分にわたって延在している。したがってこれまでに示した実施例は、横方向91において活性領域5からかなり離れて、さらなる要素が設けられている可能性のある、半導体レーザダイオード100のうちの一部を成すこともできる。
【0069】
図10には、半導体レーザダイオード100の実施例が示されており、これは活性領域5の周囲の構成に関しては、単に例示的に図3の実施例に相応する。横方向91で活性領域5からかなり離れたところに、この実施例では活性領域側方の両側に、メサトレンチ18が半導体層列2内に設けられており、これらのメサトレンチ18を、活性層3を貫通して延在させ、誘電体材料19によってパッシベーションすることができる。ただしこの誘電体材料19はレーザモードに、つまりは活性領域5に、作用を及ぼさない。かくしてコンタクト領域21周囲の半導体層列2は、カバー層4および電気的コンタクト素子11のみによって覆われており、これによって良好な熱伝達が保証される。図示されているように、カバー層4および半導体層列2をたとえば、活性領域5から隔たった領域内では、完全にまたは部分的に誘電体材料19によって覆うことができ、この領域をたとえば電気的コンタクト素子11によって覆われていないようにすることができる。これによって半導体レーザダイオード100を、化学的作用に対しいっそう安定したものとすることができ、漏れ電流をたとえばメサエッジのところで回避することができる。
【0070】
図面に示されている実施例および特徴は、図面にそれぞれ示されている組み合わせに限定されるものではない。むしろ図示されている実施例ならびに個々の特徴を、すべての組み合わせの可能性が明示的に述べられていないにしても、互いに組み合わせることができる。しかも、図面において説明されている実施例は、択一的にまたは付加的に、概要説明部分に記載されたさらなる特徴を有することができる。
【0071】
本発明は、実施例に基づく説明によってもそれらに限定されるものではない。むしろ本発明は、あらゆる新たな特徴ならびに特徴のあらゆる組み合わせを含むものであり、このことは特に、特許請求の範囲における特徴のあらゆる組み合わせを、たとえそれらの特徴またはそれらの組み合わせ自体が明示的に特許請求の範囲または実施例に記載されていないにしても、包含するものである。
【符号の説明】
【0072】
1 基板
2 半導体層列
3 活性層
4 カバー層
5 活性領域
6 光出射面
7 背面
8 光
9 リッジ
10 活性領域を規定する要素
11 コンタクト素子
12 ダメージ形成処理された半導体構造
13 金属製コンタクト層
14 透明導電コンタクト層
18 メサトレンチ
19 誘電体材料
20 上面
21 コンタクト領域
22 カバー領域
31 バッファ層
32、35 クラッド層
33、34 導波路層
41 第1の層
42 第2の層
91 横方向
92 垂直方向
93 長手方向
100 半導体レーザダイオード
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-10-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体レーザダイオード(100)であって、
垂直方向に成長させられた半導体層列(2)と、
該半導体層列上に設けられた透明導電カバー層(4)と
を有し、前記半導体層列(2)は活性層(3)を含み、該活性層(3)は、動作中、長手方向(93)に延在する少なくとも1つの活性領域(5)内で光(8)を生成するように調整されて設けられており、
前記半導体層列は、垂直方向(92)において上面(20)で終端し、該上面は、垂直方向で前記活性領域の上方に配置されたコンタクト領域(21)と、前記垂直方向および前記長手方向に対し垂直な横方向(91)において前記コンタクト領域に直接つながっている少なくとも1つのカバー領域(22)とを有し、
前記透明導電カバー層は、前記コンタクト領域上および前記少なくとも1つのカバー領域上で切れ目なく上面上に設けられており、
前記透明導電カバー層は少なくとも、前記少なくとも1つのカバー領域内で、前記半導体層列の前記上面上に直接設けられており、
前記少なくとも1つの活性領域を規定する少なくとも1つの要素(10)が設けられており、該要素(10)は前記透明導電カバー層によって覆われ、
前記透明導電カバー層(4)は、少なくとも前記コンタクト領域内に第1の透明導電酸化物を備えた第1の層を有し、前記少なくとも1つのカバー領域内に、前記第1の透明導電酸化物とは異なる第2の透明導電酸化物を備えた第2の層を有し、前記第1の層が前記第2の層を前記少なくとも1つのカバー領域内で覆っている、
半導体レーザダイオード(100)。
【請求項2】
前記第2の層は、前記少なくとも1つのカバー領域内にのみ配置されている
請求項1記載の半導体レーザダイオード。
【請求項3】
前記第2の透明導電酸化物は、前記第1の透明導電酸化物よりも低い光吸収率を有する、
請求項1または2記載の半導体レーザダイオード。
【請求項4】
前記透明導電カバー層において前記半導体層列とは反対側に、金属製コンタクト素子(11)が配置されている、
請求項記載の半導体レーザダイオード。
【請求項5】
前記金属製コンタクト素子は、当該半導体レーザダイオードをワイヤボンディングまたは半田付けするためのボンド層である、
請求項4記載の半導体レーザダイオード。
【請求項6】
前記活性領域を規定する少なくとも1つの要素は、上側のコンタクト領域に形成されたリッジ(9)を有する、
請求項1記載の半導体レーザダイオード。
【請求項7】
前記リッジは前記半導体層列の一部分によって形成される、
請求項記載の半導体レーザダイオード。
【請求項8】
前記リッジは、前記活性領域内で生成された光の屈折率導波のためのリッジ導波路構造を成す、
請求項または記載の半導体レーザダイオード。
【請求項9】
前記リッジは、該リッジにより前記活性領域内で生成された光の屈折率導波がもたらされないように低い高さを有する、
請求項または記載の半導体レーザダイオード。
【請求項10】
前記リッジは透明導電コンタクト層(14)を有する、
請求項6または7記載の半導体レーザダイオード。
【請求項11】
前記リッジは、透明導電酸化物によって形成された透明導電コンタクト層によって形成されている、
請求項6記載の半導体レーザダイオード。
【請求項12】
前記活性領域を規定する前記少なくとも1つの要素は、ダメージ形成処理された半導体構造(12)を前記少なくとも1つのカバー領域内に有する、
請求項記載の半導体レーザダイオード。
【請求項13】
前記ダメージ形成処理された半導体構造は、前記半導体層列の前記上面に形成されている、
請求項12記載の半導体レーザダイオード。
【請求項14】
前記上面に直接隣接して前記コンタクト領域内で前記半導体層列の前記上面上に、前記透明導電カバー層によって覆われた金属製コンタクト層または透明導電コンタクト層が配置されている、
請求項1または2記載の半導体レーザダイオード。
【請求項15】
前記半導体レーザダイオードには前記上面上に、前記活性領域に作用を及ぼす誘電体材料は設けられていない、
請求項1または2記載の半導体レーザダイオード。
【請求項16】
前記上面上に複数のコンタクト領域が設けられており、
前記活性層内には動作中、複数の活性領域が存在しており、該活性領域各々の上方で垂直方向にそれぞれ1つのコンタクト領域が配置されており、
該コンタクト領域は、複数のカバー領域のうちのカバー領域によって互いに分離されており、
前記活性領域を規定する複数の要素が設けられており、該要素は前記透明導電カバー層によって覆われる、
請求項記載の半導体レーザダイオード。
【請求項17】
前記透明導電カバー層は、複数の前記コンタクト領域および複数の前記カバー領域の上方に切れ目なく配置されている、
請求項16記載の半導体レーザダイオード。
【請求項18】
前記カバー層は、互いに分離された複数の区間に分割されており、該区間各々は1つの活性領域に割り当てられている、
請求項16記載の半導体レーザダイオード。
【請求項19】
請求項1または2記載の半導体レーザダイオード(100)の製造方法であって、
活性層(3)と、コンタクト領域(21)および少なくとも1つのカバー領域(22)を備えた上面(20)とを有する半導体層列(2)を用意するステップと、
活性領域を規定する少なくとも1つの要素(10)を形成するステップと、
カバー層(4)を、前記コンタクト領域上および前記少なくとも1つのカバー領域上に切れ目なく設けるステップと
を有する、半導体レーザダイオード(100)の製造方法。
【外国語明細書】