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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176031
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】決済端末およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20231205BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
G07G1/00 331Z
G07G1/12 321L
G07G1/12 321P
G07G1/12 331Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023178306
(22)【出願日】2023-10-16
(62)【分割の表示】P 2022162318の分割
【原出願日】2013-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 平安
(57)【要約】
【課題】カードに記憶された金額情報が決済金額情報より少ない場合であっても、決済端末の処理とPOS端末の処理とに矛盾が生じない。
【解決手段】実施形態の決済端末は、商品販売データ処理装置から決済金額情報を受信する受信手段と、カードに記憶された金額情報を入力する入力手段と、前記受信手段が受信した前記決済金額情報が前記入力手段が入力した前記金額情報より金額的に多いか少ないかを判断する判断手段と、前記判断手段が前記金額情報が前記決済金額情報より金額が多いと判断した場合は、前記受信手段が受信した前記決済金額情報に基づいて決済処理を実行し、前記金額情報が前記決済金額情報より金額が少ないと判断した場合は、前記決済処理を禁止したエラー処理を実行する決済制御手段と、前記決済制御手段による決済処理情報またはエラー処理情報を前記商品販売データ処理装置に送信する送信手段と、を備える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品販売データ処理装置から決済金額情報を受信する受信手段と、
カードに記憶された金額情報を入力する入力手段と、
前記受信手段が受信した前記決済金額情報が前記入力手段が入力した前記金額情報より金額的に多いか少ないかを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記金額情報が前記決済金額情報より金額が多いと判断した場合は、前記受信手段が受信した前記決済金額情報に基づいて決済処理を実行し、前記金額情報が前記決済金額情報より金額が少ないと判断した場合は、前記決済処理を禁止したエラー処理を実行する決済制御手段と、
前記決済制御手段による決済処理情報またはエラー処理情報を前記商品販売データ処理装置に送信する送信手段と、
を備えた決済端末。
【請求項2】
前記決済処理を禁止可能な前記カードの種類を判別する判別手段をさらに備え、
前記決済制御手段は、前記金額情報が前記決済金額情報より金額が少ないと判断した場合は、前記判別手段が前記決済処理を禁止可能な前記カードであることを判別した場合に前記エラー処理を実行する、
請求項1に記載の決済端末。
【請求項3】
前記カードに前記金額情報をチャージするチャージ手段、
をさらに備えた請求項1または2に記載の決済端末。
【請求項4】
前記決済金額情報と前記金額情報とから不足金額情報を算出する不足金額算出手段と、
前記チャージ手段によってチャージされた前記金額情報が前記不足金額算出手段によって算出された前記不足金額情報より金額的に多い場合、前記決済処理を実行可能とした決済復活手段と、
をさらに備えた請求項1乃至3のいずれか一に記載の決済端末。
【請求項5】
前記商品販売データ処理装置から決済金額情報を受信したことを報知する報知手段、
をさらに備えた請求項1乃至4のいずれか一に記載の決済端末。
【請求項6】
コンピュータに、
商品販売データ処理装置から決済金額情報を受信する受信手段と、
カードに記憶された金額情報を入力する入力手段と、
前記受信手段が受信した前記決済金額情報が前記入力手段が入力した前記金額情報より金額的に多いか少ないかを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記金額情報が前記決済金額情報より金額が多いと判断した場合は、前記受信手段が受信した前記決済金額情報に基づいて決済処理を実行し、前記金額情報が前記決済金額情報より金額が少ないと判断した場合は、前記決済処理を禁止したエラー処理を実行する決済制御手段と、
前記決済制御手段による決済処理情報またはエラー処理情報を前記商品販売データ処理装置に送信する送信手段と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、決済端末およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品販売データ処理装置であるPOS端末は、クレジットや電子マネーでの決済を処理する決済端末を接続している。決済端末は、POS端末から受信した決済金額情報に基づいてクレジット決済処理や電子マネー決済処理を実行する。
【0003】
電子マネー決済において、カードに記憶されたカード金額情報が決済金額情報より多い場合には、決済端末は、カード金額情報から決済金額情報を差し引いた決済処理を実行する。しかしながら、カード金額情報が決済金額情報より少ない場合には、決済端末は、次のような処理を実行していた。
【0004】
すなわち、決済端末は、カード金額情報の金額分について決済処理を実行して決済を成立させる。そして決済端末は、決済した金額分の決済情報をPOS端末に送信する。この決済情報を受信したPOS端末は、POS端末が送信した決済金額情報と決済端末から受信した決済情報とが異なることから、決済エラー処理とする。
【0005】
このように、決済端末では決済成立の処理をし、POS端末は決済エラー処理をする、という矛盾が発生し、問題となっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、カード金額情報が決済金額情報より少ない場合であっても、決済端末の処理と商品販売データ処理装置の処理とに矛盾が生じない決済端末およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の決済端末は、商品販売データ処理装置から決済金額情報を受信する受信手段と、カードに記憶された金額情報を入力する入力手段と、前記受信手段が受信した前記決済金額情報が前記入力手段が入力した前記金額情報より金額的に多いか少ないかを判断する判断手段と、前記判断手段が前記金額情報が前記決済金額情報より金額が多いと判断した場合は、前記受信手段が受信した前記決済金額情報に基づいて決済処理を実行し、前記金額情報が前記決済金額情報より金額が少ないと判断した場合は、前記決済処理を禁止したエラー処理を実行する決済制御手段と、前記決済制御手段による決済処理情報またはエラー処理情報を前記商品販売データ処理装置に送信する送信手段と、を備える。
【0008】
実施形態のプログラムは、コンピュータに、商品販売データ処理装置から決済金額情報を受信する受信手段と、カードに記憶された金額情報を入力する入力手段と、前記受信手段が受信した前記決済金額情報が前記入力手段が入力した前記金額情報より金額的に多いか少ないかを判断する判断手段と、前記判断手段が前記金額情報が前記決済金額情報より金額が多いと判断した場合は、前記受信手段が受信した前記決済金額情報に基づいて決済処理を実行し、前記金額情報が前記決済金額情報より金額が少ないと判断した場合は、前記決済処理を禁止したエラー処理を実行する決済制御手段と、前記決済制御手段による決済処理情報またはエラー処理情報を前記商品販売データ処理装置に送信する送信手段と、を実現させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態のシステム構成を示す図である。
図2図2は、決済端末の外観を示す平面図である。
図3図3は、決済端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4図4は、決済端末のメモリの一部を示すメモリマップである。
図5図5は、決済端末の機能構成を示す機能ブロック図である。
図6図6は、決済端末の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図7図7は、決済端末の表示の一例を示す図である。
図8図8は、決済端末の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図9図9は、決済端末の他の表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、決済端末及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、決済端末及びプログラムの一実施形態であって、その構成や仕様等を限定するものではない。本実施形態は、スーパーマーケット等の店舗に導入された、取引の決済を行う決済端末への適用例である。
【0011】
図1は、本実施形態に係るPOSシステム1の構成を示す図である。同図に示すように、POSシステム1は、商品販売データ処理装置としてのPOS端末2と、決済端末3を有する。POSシステム1は、クレジット会社や銀行等のセンターサーバ5と接続されている。またPOSシステム1において、決済端末3は、電子マネー端末4と接続している。また、POSシステム1において、決済端末3と電子マネー端末4との間は、有線または無線により通信可能に接続されている。また、決済端末3とPOS端末2や、センターサーバ5との間は、有線又は無線により通信可能に接続されている。
【0012】
決済端末3は、ICカードや磁気カード等からカード情報を読み取り、カード会社のサーバと通信することでカード決済処理を行う決済機能を有する装置である。
【0013】
電子マネー端末4は、電子的に金銭情報を記憶した非接触型のカードに対し、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信技術を用いてアクセスし、カードに記憶された決済可能な金額情報(以降「カード金額情報」という)を用いて決済処理を実行する端末である。電子マネー端末4は、カードからカード金額情報を読み出して、決済端末3に送信する。
【0014】
POS端末2は、顧客が購入する商品の商品販売データ処理を行う装置であり、一取引の決済処理を行う。また、クレジットカードやデビットカード等のカード決済を行う場合には、POS端末2は決済端末3と連動して一取引の決済処理(カード決済処理)を行う。
【0015】
POS端末2は、図1に示すように、POS端末2の本体21の上部には、店員用の表示部22と客用の表示部23とが設けられている。各表示部22、23は、LCD(Liquid Crystal Display)あるいはタッチパネルを表面に配設したLCDによって構成され、商品名や商品の金額、一取引の合計金額等を表示する。また、本体21の上面には、キーボード24が配設されており、現金決済又はクレジット決済等の決済方法を選択する現金決済キーやクレジット決済キー等が設けられている。さらに、本体21の内部にはレシート等を印刷するプリンタ25が設けられている。プリンタ25によって印刷されたレシート用紙は、本体21の上部に設けられたレシート発行口26から発行される。
【0016】
センターサーバ5は、決済端末3からの決済処理の認証要求に対し、例えばカードのネガティブチェック等のチェックを行い、その後、認証を実行するためのコマンドを決済端末3に送信する。
【0017】
次に、決済端末3について詳細に説明する。図2は、決済端末3の外観を示す図であり、図3は、決済端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。図2において、決済端末3の本体31の側部には電源スイッチ36が設けられている。また、本体31の上部には、本体31に対して開閉可能な上面パネル37が設けられている。上面パネル37を開放することで、本体31の内部にロール状のレシート用紙をセットすることができる。また、この上面パネル37の表面には、操作部33であるタッチパネルを表面に配設した表示部32が設けられている。
【0018】
本体31の側面上部には、決済用のカードから当該カードに格納されている情報を読み取るカード読取部34が設けられている。決済用のカードとしては、例えば、クレジットカードやデビットカード等を用いることができる。
【0019】
本体31の内部には、上述のレシート用紙に決済に関する情報や売上レポート等を印字する印字部57(図3参照)が備えられている。印字後のレシート用紙は、本体31と上面パネル37との間に設けられているレシート発行口35から発行される。
【0020】
次に、図3において、決済端末3は、各部を制御するための制御部100を備えている。制御部100は、図3に示すように、各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)51に、アドレスバス、データバス等のバスライン55を介して、ROM(Read Only Memory)52と、RAM(Random Access Memory)53を接続して構成されている。また、制御部100には、メモリ部54とコントローラ56が、バスライン55を介して接続されている。制御部100は、CPU51が、メモリ部54に記憶されRAM53に展開された制御プログラム541に従って動作することによって、後述する制御処理を実行する。
【0021】
メモリ部54は、電源を切っても記憶情報が保持されるフラッシュメモリ等の不揮発性メモリであって、制御プログラム541を含むプログラム等を記憶する。またメモリ部54は、図4で示す記憶部542を記憶する。また、RAM53は、メモリ部54から読み出した情報を一時的に記憶する。
【0022】
また、コントローラ56は、表示部32、操作部33とを接続している。コントローラ56は、制御部100からの指令に基づいて各種制御を実行する。表示部32は、キーの画像を含む各種情報を表示する。操作部33は、表示部32上に設けられたタッチパネルであり、表示部32に表示されたキーに対応する位置のタッチパネルをタッチすることで、各種のキー操作を実行する。
【0023】
また、コントローラ56は、印字部57とカード読取部34を接続している。印字部57は、本体31の内部に収納したレシート用紙の先端を引き出して、例えばサーマルヘッドを使用して決済情報等をレシート用紙に印字する。カード読取部34は、磁気的あるいは電気的に決済カードに記憶されているカード情報を読み取る。
【0024】
また、バスライン55は、通信I/F(Interface)59、60、61を接続している。通信I/F59は、POS端末2と接続している。通信I/F60は、電子マネー端末4と接続している。通信I/F61は、センターサーバ5と接続している。決済端末3は、各通信I/F59、60、61を介して、POS端末2や電子マネー端末4やセンターサーバ5と情報の送受信を行う。
【0025】
図4は、決済端末3のメモリ部54の記憶部542を示すメモリマップである。図4において、記憶部542は、決済金額記憶部5421、決済禁止フラグ部5422、決済選択画面情報部5423、カード金額情報記憶部5424を備える。
【0026】
決済金額記憶部5421は、POS端末2から受信した決済コマンドに含まれる決済金額情報を記憶する。決済金額情報は、POS端末2が、顧客が購入した商品の商品情報を処理した際、合計金額情報に基づいて作成される。
【0027】
決済禁止フラグ部5422は、決済端末の保守点検の際、後述する図7において、決済禁止キー72をオン操作したときに、決済禁止フラグ「1」をセットする。また決済禁止フラグ部5422は、決済禁止キー72をオフ操作したときに、決済禁止フラグ「0」をセットする。
【0028】
決済選択画面情報部5423は、表示部32に表示される、後述する決済選択画面73の画面情報を記憶する。
【0029】
カード金額情報記憶部5424は、電子マネー端末4から受信して入力されたカード金額情報を記憶する。
【0030】
次に、図5図9を用いて、実施形態の決済端末3の制御について説明する。図5は、決済端末3の機能構成を示す機能ブロック図である。決済端末3は、制御部100がメモリ部54に記憶された制御プログラム541等のプログラムに従い動作することで、受信手段101、入力手段102、判断手段103、決済制御処理手段104、送信手段105、判別手段106、チャージ手段107、不足金額算出手段108、決済復活手段109、報知手段110を実現する。
【0031】
受信手段101は、商品販売データ処理装置であるPOS端末2から決済金額情報を受信する機能を有する。
【0032】
入力手段102は、カードに記憶された金額情報を入力する機能を有する。
【0033】
判断手段103は、受信手段101が受信した前記決済金額情報が入力手段102が入力した金額情報より金額的に多いか少ないかを判断する機能を有する。
【0034】
決済制御手段104は、判断手段103が金額情報が決済金額情報より金額が多いと判断した場合は、受信手段101が受信した決済金額情報に基づいて決済処理を実行し、金額情報が決済金額情報より金額が少ないと判断した場合は、決済処理を禁止したエラー処理を実行する機能を有する。
【0035】
送信手段105は、決済制御手段104による決済処理情報またはエラー処理情報を商品販売データ処理装置に送信する機能を有する。
【0036】
判別手段106は、決済処理を禁止可能なカードの種類を判別する機能を有する。
【0037】
チャージ手段107は、カードに金額情報をチャージする機能を有する。
【0038】
不足金額算出手段108は、決済金額情報と金額情報とから不足金額情報を算出する機能を有する。
【0039】
決済復活手段109は、チャージ手段107によってチャージされた金額情報が不足金額算出手段108によって算出された不足金額情報より金額的に多い場合、決済処理を実行可能とした機能を有する。
【0040】
報知手段110は、商品販売データ処理装置であるPOS端末2から決済金額情報を受信したことを報知する機能を有する。
【0041】
図6は、決済端末3の制御処理の流れを示すフローチャートである。より詳細には、図6は、保守担当者等が、決済端末3の保守点検を実行する際の制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0042】
図6において、制御部100は、表示部32に保守点検等を実行するための設定画面71を表示する(ステップS11)。図7に制御部100が表示部32に表示した設定画面71の例を示す。図7において、制御部100は、表示部32に、決済禁止キー72を表示する。決済禁止キー72は、オフ状態で操作するとオン状態となり、オン状態で操作するとオフ状態となる。
【0043】
制御部100は、決済禁止キー72がオン状態に操作されると、記憶部542の決済禁止フラグ部5422に決済禁止フラグ「1」をセットする。また制御部100は、決済禁止キー72がオフ状態に操作されると、記憶部542の決済禁止フラグ部5422に決済禁止フラグ「0」をセットする。
【0044】
図6の説明に戻る。次に制御部100は、決済項目を追加されたか否かを判断する(ステップS12)。保守点検業務において、新たに決済項目を追加する場合、メモリ部54の制御プログラム541に新たな決済プログラムが追加される。制御部100は、メモリ部54の制御プログラムを調査することで、新たな決済項目を追加するか否かを判断する。
【0045】
追加されたと判断した場合は(ステップS12のYes)、制御部100は、決済選択画面情報部5423に記憶されている決済選択画面に表示する情報を更新して、新たな決済項目を追加する(ステップS13)。
【0046】
また、決済項目の追加ではないと判断した場合は(ステップS12のNo)、制御部100は、決済禁止キー72が操作されたか否かを判断する(ステップS21)。操作されたと判断した場合は(ステップS21のYes)、次に制御部100は、決済禁止キー72がオン状態か否かを判断する(ステップS22)。オン状態であると判断した場合は(ステップS22のYes)、制御部100は、決済禁止フラグ部5422の決済禁止フラグを「1」にセットする(ステップS23)。
【0047】
また、ステップS22において、決済禁止キー72がオン状態でない(すなわち、オフ状態)と判断した場合は、(ステップS22のNo)、制御部100は、決済禁止フラグ部5422の決済禁止フラグを「0」にセットする(ステップS24)。なお、決済禁止キー72が操作されていないと判断した場合は(ステップS21のNo)、制御部100は、ステップS11に戻って待機する。
【0048】
図8は、決済処理時における決済端末3の制御処理の流れを示すフローチャートである。図8において、制御部100(受信手段101)は、POS端末2から決済コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS41)。実施形態では、POS端末2において現金以外の決済が選択された場合、POS端末2は、カードで決済処理を実行するための決済コマンドを決済端末3に送信し、決済端末3の通信I/F59が、決済コマンドを受信する。決済コマンドは、決済金額情報を含んでいる。制御部100は、決済金額情報を決済金額記憶部5421に記憶する。
【0049】
制御部100が、POS端末2から決済コマンドを受信したと判断した場合は(ステップS41のYes)、制御部100は、決済選択画面73を表示する(ステップS42)。ここで、図9に、ステップS42で表示された決済選択画面73の一例を示す。
【0050】
図9において、制御部100は、表示部32に、チャージキー84を含む業務の種類を示す業務キー81、82、83、84、85を表示する。チャージキー84は、電子マネー決済において、カードに金額をチャージするためにカード金額情報を更新する場合に使用する。また制御部100は、決済項目の種類をエリア91に表示する。図9の例では、制御部100は、エリア91に、クレジット決済86、デビット決済87、XYカード決済88、電子マネー決済89の4種類の決済項目を表示している。したがって、決済端末3は、この4種類のカードによって決済処理を実行できる。すなわち、メモリ部54は、クレジット決済処理プログラム、デビット決済処理プログラム、XY決済処理プログラム、電子マネー決済処理プログラムの4種類の決済処理プログラムを記憶している。
【0051】
図8の説明に戻る。次に制御部100(報知手段110)は、表示部32の決済選択画面73に、決済コマンドを受信したことを示すコマンド受信表示90を表示する(ステップS43)。操作者は、表示部32に表示された決済項目86、87、88、88から、顧客が要望する決済項目の箇所をタッチして操作する。制御部100は、操作者が操作した決済項目が電子マネーの決済項目か否か、すなわち、電子マネー決済が選択されたか否かを判断する(ステップS44)。
【0052】
電子マネー決済が選択されたと判断した場合は(ステップS44のYes)、制御部100(入力手段102)は、カード金額情報を受信する(ステップS45)。そして制御部100は、受信したカード金額情報を、カード金額情報記憶部5424に記憶する(ステップS45)。カード金額情報は、電子マネー端末4にカードをかざすことで、電子マネー端末4から通信I/F60が受信して受信する。
【0053】
次に制御部100(判断手段103)は、決済金額記憶部5421に記憶された決済金額情報と、カード金額情報記憶部5424に記憶されたカード金額情報との金額の大小を比較して、カード金額情報が決済金額情報より金額的に少ないか否かを判断する(ステップS46)。
【0054】
カード金額情報が決済金額情報より金額的に少ないと判断した場合(ステップS46のYes)、制御部100は、記憶部542の決済禁止フラグ部5422に記憶されている決済禁止フラグが「1」であるか否かを判断する(ステップS47)。決済禁止フラグが「1」であると判断した場合は(ステップS47のYes)、制御部100(判別手段106)は、決済を禁止することが可能な種類のカードであるか否かを判断する(ステップS48)。決済禁止が可能な種類のカードであるか否かは、カードを発行した発行会社毎に決められており、決済端末3は、決済禁止が可能なカード会社の情報と決済禁止が不可のカード会社の情報とを、予め記憶している。
【0055】
決済禁止が可能な種類のカードであると判断した場合は(ステップS48のYes)、制御部100(決済制御手段104)は、当該電子マネーでの決済処理を禁止する(ステップS49)。当該電子マネーでの決済処理を禁止とは、電子マネーでの決済処理を実行させないことである。また、決済禁止が可能な種類のカードではないと判断した場合は(ステップS48のNo)、制御部100は、後述するステップS71の処理を実行する。
【0056】
次に制御部100は、チャージキー84が操作されたか否かを判断する(ステップS50)。操作されていないと判断した場合は(ステップS50のNo)、制御部100(エラー処理手段104)は、当該決済をエラーとするエラー処理を実行する(ステップS51)。そして制御部100は、当該決済処理がエラー処理となったこととカード金額が不足していることを示すエラーメッセージを表示部32に表示する(ステップS52)。そして制御部100(送信手段105)は、当該決済がエラー処理されたことをPOS端末2に送信する(ステップS53)。決済端末3からエラー処理情報を受信したPOS端末2は、POS端末2における当該決済を中止してエラー処理を実行をする。
【0057】
一方ステップS50において、チャージキー84が操作されたと判断した場合は(ステップS50のYes)、制御部100は、チャージ可能なカードか否かを判断する(ステップS61)。電子マネーのカードは決済端末3でチャージ可能なカードとチャージ不可のカードとが存在する。チャージ可能なカードとチャージ不可のカードは、カードの構造やカードのセキュリティの仕組み等で、カード単位で決められている。決済端末3は、チャージ可能なカードの種類とチャージ不可のカードの種類を予め記憶している。決済端末3は、電子マネー端末4からカードの種類情報を受信する。制御部100(第2判断手段109)は、受信したカードの種類を判断して、チャージ可能なカードか否かを判断する。
【0058】
チャージ不可のカードであると判断した場合は(ステップS61のNo)、制御部100は、ステップS50のエラー処理を実行する。チャージ可能なカードであると判断した場合は(ステップS61のYes)、制御部100(不足金額算出手段108)は、決済金額情報とカード金額情報とから、不足している金額情報を算出する(ステップS62)。次に制御部100(チャージ手段107)は、操作者あるいは顧客によってチャージ操作されたカード金額情報をカードにチャージする(ステップS63)。すると制御部100は、チャージされた金額の金額情報と不足金額情報とに基づいて、チャージされた金額が充分であるか否かを判断する(ステップS64)。制御部100は、チャージされた金額が不足金額より多ければ、チャージされた金額が充分であると判断する。
【0059】
チャージ金額が不足していると判断した場合(ステップS64のNo)、制御部100は、金額不足および不足している金額を表示部32に表示する(ステップS65)。そして制御部100は、ステップS49に戻って更なるチャージを促す。一方、チャージ金額が充分であると判断した場合は(ステップS64のYes)、制御部100は、後述するステップS81で決済処理を実行する。
【0060】
また、制御部100は、ステップS47において、決済禁止フラグが「1」ではない(すなわち「0」である)と判断した場合は(ステップS47のNo)、制御部100は、カード金額情報記憶部5424に記憶されたカード金額情報で決済処理を実行する(ステップS71)。そして制御部100は、決済処理が終了すると、表示部32に決済終了の表示を行う(ステップS72)。そして制御部100は、決済終了を示す情報と未決済金額情報をPOS端末2に送信する(ステップS73)。
【0061】
POS端末2には、決済端末3で未決済金額が発生した場合、未決済分の決済をPOS端末2で実行できるものもある。そのようなPOS端末2は、決済端末3から未決済金額情報を受信した場合、他の決済手段(例えば現金決済)を用いて、未決済金額について決済処理を実行する。
【0062】
また、ステップS46において、カード金額情報が不足していないと判断した場合は(ステップS46のNo)、制御部100(決済制御手段104、決済復活手段109)は、カード金額情報と決済金額情報とに基づいて電子マネー決済の処理を実行する(ステップS81)。そして制御部100は、決済処理が終了すると、表示部32に決済終了を示すメッセージを表示する(ステップS82)。そして制御部100(送信手段105)は、当該電子マネー決済が終了したことを示す情報をPOS端末2に送信する(ステップS83)。
【0063】
また、ステップS44において、電子マネー決済以外の決済項目が選択されたと判断した場合は(ステップS44のNo)、制御部100は、選択された決済項目に対応した決済処理を実行する(ステップS91)。また、ステップS41において、決済コマンドを受信していないと判断した場合は(ステップS41のNo)、制御部100は、その他の処理を実行する(ステップS92)。
【0064】
このような実施形態によれば、電子マネー決済においてカード金額が不足している場合に、決済端末3での決済を禁止するので、決済端末3とPOS端末2とがいずれも当該決済を禁止することができる。そのため、決済端末3での決済処理とPOS端末2での決済処理とに矛盾が生じることがない。
【0065】
また、実施形態では、カード金額情報に含まれるカード金額が不足した場合、決済端末3がカードにチャージするため、決済処理をエラーとすることなく、決済処理を実行することができる。
【0066】
また、実施形態では、不足金額より多くチャージした場合には、決済端末3は、決済処理をエラーとすることなく、決済処理を実行することができる。
【0067】
また、実施形態では、チャージ可能なカードの種類を判断して、チャージ可能なカードの場合にチャージを実行するため、決済端末3は、チャージできるカードに対して自動的にチャージ処理を実行するとともに、チャージ不可のカードの場合は、決済処理を禁止して、エラー処理を実行することができる。
【0068】
また、実施形態では、決済端末3が決済コマンドを受信したことを示すコマンド受信表示90を行うため、操作者は決済コマンドの受信を確認することができる。
【0069】
なお、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0070】
例えば、実施形態では、決済端末3はPOS端末2と別体として説明したが、両者の筐体が一体であってもよい。また、決済端末3と電子マネー端末4とが一体であってもよい。
【0071】
実施形態の決済端末3で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0072】
また、実施形態の決済端末3で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、決済端末3で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0073】
また、実施形態の決済端末3で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0074】
100 制御部
101 決済手段
102 受信手段
103 第1判断手段
104 エラー処理手段
105 送信手段
106 チャージ手段
107 不足金額算出手段
108 決済復活手段
109 第2判断手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0075】
【特許文献1】特開2009-75986号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-10-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定金額を決済する決済端末であって、
縦長に形成された表示部と、
前記表示部の上部に表示された、前記所定金額が記憶媒体から取得した当該記憶媒体に記憶された金額より多い場合に、前記決済を継続するかを設定する設定部と、
前記設定部によって決済の継続不可が設定された場合に、前記所定金額が記憶媒体から取得した当該記憶媒体に記憶された金額より多い場合の前記決済を禁止する決済手段と、
を備えた決済端末。
【請求項2】
前記決済手段は、前記設定部によって決済の継続可能が設定された場合に、前記所定金額が記憶媒体から取得した当該記憶媒体に記憶された金額より多い場合の前記決済を禁止しない、
請求項1に記載の決済端末。
【請求項3】
前記設定部によって決済の継続不可が設定された場合であっても、前記記憶媒体が決済を禁止することが可能な種類の媒体ではない場合には、前記決済手段は、前記所定金額が記憶媒体から取得した当該記憶媒体に記憶された金額より多い場合であっても前記決済を禁止しない、
求項1または2に記載の決済端末。
【請求項4】
前記決済手段が禁止した前記記憶媒体に対しての金額情報をチャージするチャージ手段、
をさらに備えた請求項1または2に記載の決済端末。
【請求項5】
前記チャージ手段によってチャージされた結果、前記記憶媒体に記憶された金額が前記所定金額以上の場合、前記決済手段は前記決済を実行可能とする、
請求項に記載の決済端末。
【請求項6】
所定金額を決済し、縦長に形成された表示部と、前記表示部の上部に表示された、前記所定金額が記憶媒体から取得した当該記憶媒体に記憶された金額より多い場合に、前記決済を継続するかを設定する設定部と、を備えた決済端末としてのコンピュータを、
前記設定部によって決済の継続不可が設定された場合に、前記所定金額が記憶媒体から取得した当該記憶媒体に記憶された金額より多い場合の前記決済を禁止する決済手段、
として機能させることが可能なプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
実施形態の決済端末は、所定金額を決済する決済端末であって、縦長に形成された表示部と、前記表示部の上部に表示された、前記所定金額が記憶媒体から取得した当該記憶媒体に記憶された金額より多い場合に、前記決済を継続するかを設定する設定部と、前記設定部によって決済の継続不可が設定された場合に、前記所定金額が記憶媒体から取得した当該記憶媒体に記憶された金額より多い場合の前記決済を禁止する決済手段と、を備える。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
実施形態のプログラムは、所定金額を決済し、縦長に形成された表示部と、前記表示部の上部に表示された、前記所定金額が記憶媒体から取得した当該記憶媒体に記憶された金額より多い場合に、前記決済を継続するかを設定する設定部と、を備えた決済端末としてのコンピュータを、前記設定部によって決済の継続不可が設定された場合に、前記所定金額が記憶媒体から取得した当該記憶媒体に記憶された金額より多い場合の前記決済を禁止する決済手段、として機能させることが可能である。