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特開2023-176061画像形成装置、コスト算出方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176061
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】画像形成装置、コスト算出方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/02 20060101AFI20231206BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20231206BHJP
   B65H 43/00 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
G03G21/02
B41J29/00 Z
B65H43/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088137
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川崎 哲
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
3F048
【Fターム(参考)】
2C061AQ06
2C061AS06
2C061CL10
2C061HJ10
2C061HK11
2C061HK15
2C061HK19
2C061HV14
2H270KA04
2H270KA28
2H270KA32
2H270KA54
2H270KA55
2H270KA57
2H270KA60
2H270LA39
2H270LA63
2H270LA64
2H270LA65
2H270LA66
2H270LA67
2H270LC22
2H270MF01
2H270MF08
2H270NA12
2H270NC01
2H270QA06
2H270QA13
2H270QA23
2H270ZC03
2H270ZC04
3F048AA02
3F048AB01
3F048AC04
3F048BB02
3F048CA03
3F048CB09
(57)【要約】
【課題】全てのワークフローを含めた正確なジョブ印刷コストを把握することが可能な画像形成装置、コスト算出方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】連続紙に画像を形成する画像形成部23と、連続紙の印刷ジョブにかかる用紙コストを、印刷ジョブの開始から終了までに搬送された連続紙の距離に基づいて算出する制御部21と、を備える。すなわち、制御部21は、画像形成部23による画像形成時以外の用紙搬送を、連続紙の印刷ジョブにかかる用紙コストに含めて管理する。そして、制御部21は、連続紙の印刷ジョブにかかる用紙コストを、要因別に管理する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続紙に画像を形成する画像形成部と、
前記連続紙の印刷ジョブにかかる用紙コストを、前記印刷ジョブの開始から終了までに搬送された前記連続紙の距離に基づいて算出する制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記画像形成部による画像形成時以外の用紙搬送を、前記連続紙の印刷ジョブにかかる用紙コストに含めて管理することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記連続紙の印刷ジョブにかかる用紙コストを、要因別に管理することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記要因には、調整動作が含まれることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記要因には、確認出力が含まれることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記要因には、消耗品補給が含まれることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記要因には、JAMリカバリーが含まれることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記要因には、本印刷が含まれることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記要因には、用紙搬送速度安定動作が含まれることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記要因別に管理する前記連続紙の印刷ジョブにかかる用紙コストを、ユーザーに報知させることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項11】
連続紙に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置のコスト算出方法であって、
前記連続紙の印刷ジョブにかかる用紙コストを、前記印刷ジョブの開始から終了までに搬送された前記連続紙の距離に基づいて算出する制御工程を含むコスト算出方法。
【請求項12】
連続紙に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置のコンピュータを、
前記連続紙の印刷ジョブにかかる用紙コストを、前記印刷ジョブの開始から終了までに搬送された前記連続紙の距離に基づいて算出する制御部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、コスト算出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷業者にとって、各印刷ジョブの完了にどれくらいのコストがかかったかは、今後受注する際の損益分岐、コスト削減方法の検討材料として、有用な情報となる。
印刷ジョブのコストを算出する方法の一例として、ロール紙の印刷距離及び消耗品の消費量に基づいてコストを算出する構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-170216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ロール紙の場合はカット紙と違い、用紙搬送停止/起動時の搬送モーターの立ち上がり/立ち下がり(給送速度安定)までに搬送された用紙が無駄紙となるため、印刷ジョブ中の停止回数によりコストが変動するという特徴がある。
上記特許文献1記載の構成は、ロール紙の印刷距離が基準となっているため、ロール紙印刷における、給送速度が安定するまでに消費される用紙や、調整等のジョブ印刷外で消費される用紙のコストが考慮されておらず、全てのワークフローを含めた正確なジョブ印刷コストを把握することができないという課題がある。
【0005】
本発明は、全てのワークフローを含めた正確なジョブ印刷コストを把握することが可能な画像形成装置、コスト算出方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
画像形成装置において、
連続紙に画像を形成する画像形成部と、
前記連続紙の印刷ジョブにかかる用紙コストを、前記印刷ジョブの開始から終了までに搬送された前記連続紙の距離に基づいて算出する制御部と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記画像形成部による画像形成時以外の用紙搬送を、前記連続紙の印刷ジョブにかかる用紙コストに含めて管理することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記連続紙の印刷ジョブにかかる用紙コストを、要因別に管理することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記要因には、調整動作が含まれることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記要因には、確認出力が含まれることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記要因には、消耗品補給が含まれることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記要因には、JAMリカバリーが含まれることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記要因には、本印刷が含まれることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記要因には、用紙搬送速度安定動作が含まれることを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記要因別に管理する前記連続紙の印刷ジョブにかかる用紙コストを、ユーザーに報知させることを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、
連続紙に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置のコスト算出方法であって、
前記連続紙の印刷ジョブにかかる用紙コストを、前記印刷ジョブの開始から終了までに搬送された前記連続紙の距離に基づいて算出する制御工程を含む。
【0017】
請求項12に記載の発明は、
連続紙に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置のコンピュータを、
前記連続紙の印刷ジョブにかかる用紙コストを、前記印刷ジョブの開始から終了までに搬送された前記連続紙の距離に基づいて算出する制御部、
として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、全てのワークフローを含めた正確なジョブ印刷コストを把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示す正面図である。
図2】画像形成装置の制御構造を示す機能ブロック図である。
図3】本実施形態に係る画像形成システムで行われる確認出力時の動作を示すフローチャートである。
図4】本実施形態に係る画像形成システムで行われる本印刷時の動作を示すフローチャートである。
図5】変形例に係る画像形成システムで行われる消耗品補給時の動作を示すフローチャートである。
図6】変形例に係る画像形成システムで行われるJAMリカバリー時の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
本実施形態に係る画像形成システム100は、図1に示すように、給紙装置1と、画像形成装置2と、画像検査装置3と、巻取装置4と、を備えて構成されている。
【0022】
給紙装置1は、例えば、ロール紙や連続帳票等の連続紙PMを収容し、画像形成装置2へ連続紙PMを給紙する。給紙装置1の筐体内では、ロール状の連続紙PMが支持軸に巻回されて回転可能に保持される。
画像形成装置2は、給紙装置1から給紙された連続紙PMに画像を形成する。
画像検査装置3は、画像形成装置2により連続紙PMに形成された画像を読み取り、読み取った画像を解析してヤレを検出する。
巻取装置4は、画像検査装置3から搬送されてきた連続紙PMを巻き取る。巻取装置4の筐体内では、連続紙PMが支持軸に巻回されてロール状に保持される。
【0023】
画像形成装置2は、図1及び図2に示すように、制御部21と、操作表示部22と、画像形成部23と、通信部24と、搬送部25と、記憶部26と、用紙搬送距離カウンターC1と、第2用紙搬送距離カウンターC2と、消耗品残留センサーSE1と、JAM検知センサーSE2と、を備えて構成されている。
【0024】
制御部21は、CPU、RAM等により構成される。制御部21のCPUは、記憶部26に記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って、各種処理を実行する。
【0025】
操作表示部22は、表示部22aと、操作部22bと、を備えて構成されている。
表示部22aは、LCD(Liquid Crystal Display)等を備えて構成されており、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
操作部22bは、各種機能キーや、表示部22aの表示画面上を覆うように形成されたタッチパネルを備えて構成されており、ユーザーからの各種操作を受け付ける。
【0026】
画像形成部23は、搬送部25により搬送されている連続紙PMに対して、電子写真方式により画像を形成する。
画像形成部23は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、特色(S)の各色成分に対応する5組の感光体231、露光部232及び現像部233と、中間転写ベルト234と、転写ローラー235と、定着部236と、を備えて構成されている。
【0027】
感光体231は、帯電バイアス電圧が印加されることにより、表面が所定の極性の所定の電位に帯電される。
露光部232は、帯電された感光体231上に、所定の露光量のレーザー光を照射、露光して、感光体231上に静電潜像を形成する。
現像部233は、露光された感光体231上に現像ローラーにより所定の色(Y、M、C、K、S)のトナーを供給して、現像バイアス電圧が印加されることにより、感光体231上に形成された静電潜像を現像する。
Y、M、C、K、Sの各色に対応する感光体231上に形成された各色のトナー像(単色画像)は、中間転写ベルト234上に逐次転写され、各色の層が重畳されたトナー像(カラー画像)が形成される。中間転写ベルト234は、複数のローラーにより巻回された無端ベルトである。そして、トナーと逆極性の転写バイアス電圧が転写ローラー235に印加されることにより、中間転写ベルト234上に形成されたトナー像が連続紙PM上に転写される。
定着部236は、連続紙PM上に転写されたトナー像を、加熱及び加圧により連続紙PM上に定着させる。
【0028】
通信部24は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークを介して接続されたPC等の外部装置との間でデータの送受信を行う。通信部24は、例えば、外部装置から印刷用の画像データを含むジョブを受信する。
【0029】
搬送部25は、連続紙PMの搬送機構である。搬送部25は、複数のローラーによって、給紙装置1から給紙された連続紙PMを画像形成部23へ搬送し、画像形成部23を通過した連続紙PMを画像検査装置3へと搬送する。
【0030】
記憶部26は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリー等で構成されている。記憶部26には、制御部21で実行されるシステムプログラムや処理プログラムを始めとする各種プログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータが記憶されている。また、記憶部26は、連続紙PMの印刷ジョブにかかる用紙コストを要因別に記憶する。これにより、制御部21は、連続紙PMの印刷ジョブにかかる用紙コストを、要因別に管理することができる。なお、要因には、例えば、調整動作、確認出力、本印刷、用紙搬送速度安定動作等が含まれる。
【0031】
用紙搬送距離カウンターC1は、連続紙PMの搬送距離を計測するカウンターである。
第2用紙搬送距離カウンターC2は、所定の場合(例えば、消耗品補給、JAMリカバリー時等)に、用紙搬送距離カウンターC1とは別に、連続紙PMの搬送距離を計測するカウンターである。
【0032】
消耗品残留センサーSE1は、消耗品(例えばトナー等)の残量を検知するためのセンサーである。消耗品残留センサーSE1は、消耗品切れを検知した場合に、消耗品切れを検知した旨を示す情報を制御部21に出力する。
JAM検知センサーSE2は、JAMの発生を検知するためのセンサーである。JAM検知センサーSE2は、JAMの発生を検知した場合に、JAMの発生を検知した旨を示す情報を制御部21に出力する。
【0033】
次に、本実施形態に係る画像形成システム100の動作について、図3及び図4のフローチャートを参照して説明する。
【0034】
まず、図3を参照して、画像形成システム100で行われる確認出力時の動作を説明する。ここで、確認出力とは、印刷ジョブの本印刷を実施する前に、画像形成が正常に行われる状態であるか否かを確認することを目的として、用紙に確認出力用画像を出力させる処理のことである。
まず、制御部21は、用紙搬送距離カウンターC1の値をリセットする(0にする)(ステップS101)。
【0035】
次に、制御部21は、印刷ジョブの確認出力を開始する(ステップS102)。
【0036】
次に、制御部21は、搬送部25による用紙(連続紙PM)の搬送を開始させる(ステップS103)。
【0037】
次に、制御部21は、用紙の搬送速度が安定するまで用紙を搬送させる(ステップS104)。
【0038】
次に、制御部21は、用紙の搬送速度が安定したタイミングで、用紙搬送距離カウンターC1の値を読み取り、用紙搬送速度安定動作の用紙コストとして記憶部26に記憶させる(ステップS105)。
【0039】
次に、制御部21は、画像形成部23の調整動作(例えば、パッチ出力、出力パッチ読み込み等)を実施させる(ステップS106)。
【0040】
次に、制御部21は、調整動作が終了したタイミングで、用紙搬送距離カウンターC1の値を読み取る(ステップS107)。
【0041】
次に、制御部21は、調整動作前後の用紙搬送距離カウンターC1の値の差分(すなわち、ステップS107で調整動作が終了したタイミングで読み取った値とステップS105で用紙の搬送速度が安定したタイミングで読み取った値との差分)を算出し、調整動作の用紙コストとして記憶部26に記憶させる(ステップS108)。
【0042】
次に、制御部21は、画像形成部23による確認出力用画像の形成動作を実施させる(ステップS109)。
【0043】
次に、制御部21は、搬送部25による用紙搬送を停止させる(ステップS110)。
【0044】
次に、制御部21は、出力物(確認出力用画像)の確認結果が正常であるか否かを判定する(ステップS111)。例えば、制御部21は、画像検査装置3により正常である旨の解析結果が送られてきた場合や、ユーザーによる視認結果が正常で、ユーザーによりその旨の入力操作が行われた場合に、確認結果が正常であると判定する。一方、制御部21は、画像検査装置3により異常である旨の解析結果が送られてきた場合や、ユーザーによる視認結果が異常で、ユーザーによりその旨の入力操作が行われた場合に、確認結果が正常でないと判定する。
制御部21は、出力物の確認結果が正常であると判定した場合(ステップS111:YES)、次のステップS112へと移行する。
一方、制御部21は、出力物の確認結果が正常でない(すなわち、異常である)と判定した場合(ステップS111:NO)、印刷パラメーターの再調整を実施した後(ステップS113)、ステップS102へと移行して再度ステップS102以降の処理を繰り返す。
【0045】
ステップS112において、制御部21は、用紙搬送距離カウンターC1の値を読み取り、確認出力の用紙コストとして記憶部26に記憶させる。
【0046】
次に、図4を参照して、画像形成システム100で行われる本印刷時の動作を説明する。なお、本印刷は、確認出力(図3参照)に続いて、すなわち、図3のステップS112の処理に続いて実施される。
まず、制御部21は、用紙搬送距離カウンターC1の値をリセットする(0にする)(ステップS201)。
【0047】
次に、制御部21は、印刷ジョブの本印刷を開始する(ステップS202)。
【0048】
次に、制御部21は、搬送部25による用紙(連続紙PM)の搬送を開始させる(ステップS203)。
【0049】
次に、制御部21は、用紙の搬送速度が安定するまで用紙を搬送させる(ステップS204)。
【0050】
次に、制御部21は、用紙の搬送速度が安定したタイミングで、用紙搬送距離カウンターC1の値を読み取り、用紙搬送速度安定動作の用紙コストとして記憶部26に記憶させる(ステップS205)。なお、ステップS205の処理は、図3のステップS105の処理の処理と重複するため、省略するようにしてもよい。
【0051】
次に、制御部21は、画像形成部23の調整動作(例えば、パッチ出力、出力パッチ読み込み等)を実施させる(ステップS206)。
【0052】
次に、制御部21は、調整動作が終了したタイミングで、用紙搬送距離カウンターC1の値を読み取る(ステップS207)。
【0053】
次に、制御部21は、調整動作前後の用紙搬送距離カウンターC1の値の差分(すなわち、ステップS207で調整動作が終了したタイミングで読み取った値とステップS205で用紙の搬送速度が安定したタイミングで読み取った値との差分)を算出し、調整動作の用紙コストとして記憶部26に記憶させる(ステップS208)。なお、ステップS207及びステップS208の処理は、図3のステップS107及びステップS108の処理の処理と重複するため、省略するようにしてもよい。
【0054】
次に、制御部21は、画像形成部23による本印刷用画像の形成動作を実施させる(ステップS209)。
【0055】
次に、制御部21は、搬送部25による用紙搬送を停止させる(ステップS210)。
【0056】
次に、制御部21は、用紙搬送距離カウンターC1の値を読み取り、本印刷の用紙コストとして記憶部26に記憶させる(ステップS211)。
【0057】
次に、制御部21は、記憶部26に記憶させた用紙コストをユーザーに報知させる(ステップS212)。すなわち、制御部21は、要因別に管理する用紙コストを、ユーザーに報知させる。例えば、制御部21は、記憶部26に記憶させた確認出力の用紙コスト、本印刷の用紙コスト、用紙搬送速度安定動作の用紙コスト、調整動作の用紙コスト等をユーザーに報知させる。なお、ユーザーに報知する方法としては、例えば、表示部22aに表示させる方法や、音声出力部から音声出力させる方法等が挙げられる。
【0058】
従来技術では、ジョブのコストを予測/見積もりする場合やワークフロー変更によるコスト削減を検討する場合に、調整印刷によるプリント停止/再開がどれくらい必要なジョブか(印刷の業者はジョブごとにどれくらいの画質を要求されるかを管理していて、厳しい画質が求められるジョブや調整が難しい用紙を使うジョブほど調整プリントの回数が増える傾向となる。各調整プリントの間には画質の確認、パラメーター調整が入る為、印刷を一時停止させる必要がある)、印刷中にどのようなトラブル(JAM/ヤレ/消耗品補給)がどれくらい発生したか、といった要素を把握できないため、実態に即した精度の高い検討ができないという課題があった。
上記の課題に対し、本実施形態では、上記のように、制御部21は、連続紙PMの印刷ジョブにかかる用紙コストを、印刷ジョブの開始(確認出力の開始:図3のステップS102参照)から終了(本印刷用画像形成後の用紙搬送停止:図4のステップS210参照)までに搬送された連続紙PMの距離に基づいて算出する。すなわち、制御部21は、画像形成部23による画像形成時以外の用紙搬送(例えば、用紙搬送速度安定動作、調整動作等)を、連続紙PMの印刷ジョブにかかる用紙コストに含めて管理する。そして、制御部21は、連続紙PMの印刷ジョブにかかる用紙コストを、要因(例えば、調整動作、確認出力、本印刷、用紙搬送速度安定動作等)別に管理する。
これにより、実態に即した精度の高い検討を実施することができる。
【0059】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置2は、連続紙PMに画像を形成する画像形成部23と、連続紙PMの印刷ジョブにかかる用紙コストを、印刷ジョブの開始から終了までに搬送された連続紙PMの距離に基づいて算出する制御部21と、を備える。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置2によれば、ロール紙印刷における、給送速度が安定するまでに消費される用紙や、調整等のジョブ印刷外で消費される用紙のコストを考慮することができるので、全てのワークフローを含めた正確なジョブ印刷コストを把握することができる。
【0060】
また、本実施形態に係る画像形成装置2によれば、制御部21は、画像形成部23による画像形成時以外の用紙搬送を、連続紙PMの印刷ジョブにかかる用紙コストに含めて管理する。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置2によれば、ロール紙印刷における、給送速度が安定するまでに消費される用紙や、調整等のジョブ印刷外で消費される用紙のコストを考慮することができるので、全てのワークフローを含めた正確なジョブ印刷コストを把握することができる。
【0061】
また、本実施形態に係る画像形成装置2によれば、制御部21は、連続紙PMの印刷ジョブにかかる用紙コストを、要因別に管理する。要因には、例えば、調整動作、確認出力、本印刷、用紙搬送速度安定動作等が含まれる。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置2によれば、ユーザーに用紙コストの実態を詳細に把握させることができるので、コスト管理や新規ジョブのコスト見積もり等を容易なものとすることができる。
【0062】
また、本実施形態に係る画像形成装置2によれば、制御部21は、要因別に管理する連続紙PMの印刷ジョブにかかる用紙コストを、ユーザーに報知させる。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置2によれば、ユーザーに用紙コストの実態を詳細に把握させることができるような手段を提供することができるので、ユーザーが用紙コストの実態を詳細に把握することが可能となり、コスト管理や新規ジョブのコスト見積もり等を容易なものとすることができる。
【0063】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0064】
例えば、上記実施形態では、用紙コストを要因別に管理する際の要因として、調整動作、確認出力、本印刷、用紙搬送速度安定動作を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、要因の他の例として、消耗品補給、JAMリカバリー等を含めるようにしてもよい。
【0065】
まず、図5を参照して、画像形成システム100で行われる消耗品補給時の動作を説明する。なお、本動作は、本印刷用画像(又は確認出力用画像)の形成動作時や調整動作(パッチ画像の形成動作)時等に、消耗品残留センサーSE1により消耗品切れが検知された場合に、開始される。
まず、制御部21は、画像形成動作を中断させる(ステップS301)。
【0066】
次に、制御部21は、第2用紙搬送距離カウンターC2を起動させる(ステップS302)。
【0067】
次に、制御部21は、搬送部25による用紙(連続紙PM)の搬送を停止させる(ステップS303)。
【0068】
次に、制御部21は、消耗品切れの情報及び消耗品の補給指示をユーザーに報知させる(ステップS304)。
【0069】
次に、制御部21は、ユーザーにより消耗品の補給が実施されて、消耗品残留センサーSE1により消耗品切れの解除が検知されたか否かを判定する(ステップS305)。
制御部21は、消耗品残留センサーSE1により消耗品切れの解除が検知された場合(ステップS305:YES)、ステップS306へと移行する。
一方、制御部21は、消耗品残留センサーSE1により消耗品切れの解除が検知されていない場合(ステップS305:NO)、消耗品切れの解除が検知されるまでステップS305の処理を繰り返す。
【0070】
次に、制御部21は、搬送部25による用紙搬送を再開させる(ステップS306)。
【0071】
次に、制御部21は、用紙の搬送速度が安定するまで用紙を搬送させる(ステップS307)。
【0072】
次に、制御部21は、画像形成動作を再開させる(ステップS308)。
【0073】
次に、制御部21は、第2用紙搬送距離カウンターC2を停止してその値を読み取り、消耗品補給の用紙コストとして記憶部26に記憶させる(ステップS309)。
【0074】
上記のように、用紙コストを要因別に管理する際の要因として、消耗品補給を含めることができる。
【0075】
なお、上記変形例では、ステップS302で第2用紙搬送距離カウンターC2を起動させ、ステップS309で第2用紙搬送距離カウンターC2の値を読み取るようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、ステップS302で用紙搬送距離カウンターC1の値を読み取るようにし、ステップS309で再度用紙搬送距離カウンターC1の値を読み取って、ステップS302で読み取った値との差分を算出するようにしてもよい。この場合、第2用紙搬送距離カウンターC2を設けない構成とすることができる。
【0076】
次に、図6を参照して、画像形成システム100で行われるJAMリカバリー時の動作を説明する。なお、本動作は、本印刷用画像(又は確認出力用画像)の形成動作時や調整動作(パッチ画像の形成動作)時等に、JAM検知センサーSE2によりJAMの発生が検知された場合に、開始される。
まず、制御部21は、画像形成動作を中断させる(ステップS401)。
【0077】
次に、制御部21は、第2用紙搬送距離カウンターC2を起動させる(ステップS402)。
【0078】
次に、制御部21は、搬送部25による用紙(連続紙PM)の搬送を停止させる(ステップS403)。
【0079】
次に、制御部21は、JAM発生の情報及びJAMのリカバリー指示をユーザーに報知させる(ステップS404)。
【0080】
次に、制御部21は、ユーザーによりJAMのリカバリーが実施されて、JAM検知センサーSE2によりJAM状態の解除が検知されたか否かを判定する(ステップS405)。
制御部21は、JAM検知センサーSE2によりJAM状態の解除が検知された場合(ステップS405:YES)、ステップS406へと移行する。
一方、制御部21は、JAM検知センサーSE2によりJAM状態の解除が検知されていない場合(ステップS405:NO)、JAM状態の解除が検知されるまでステップS405の処理を繰り返す。
【0081】
次に、制御部21は、搬送部25による用紙搬送を再開させる(ステップS406)。
【0082】
次に、制御部21は、用紙の搬送速度が安定するまで用紙を搬送させる(ステップS407)。
【0083】
次に、制御部21は、画像形成動作を再開させる(ステップS408)。
【0084】
次に、制御部21は、第2用紙搬送距離カウンターC2を停止してその値を読み取り、JAMリカバリーの用紙コストとして記憶部26に記憶させる(ステップS409)。
【0085】
上記のように、用紙コストを要因別に管理する際の要因として、JAMリカバリーを含めることができる。
【0086】
なお、ステップS402で用紙搬送距離カウンターC1の値を読み取るようにし、ステップS409で再度用紙搬送距離カウンターC1の値を読み取って、ステップS402で読み取った値との差分を算出するようにしてもよい。この場合、第2用紙搬送距離カウンターC2を設けない構成とすることができる。
【0087】
また、上記実施形態では、画像形成装置2の後段に画像検査装置3を設ける構成を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、画像検査装置3を設ける代わりに、画像形成装置2の内部(画像形成部23よりも下流)に画像読取部を設けるようにし、画像読取部による読取結果(読取画像データ)を制御部21に出力させ、制御部21にて読取結果を解析してヤレを検出するようにしてもよい。
【0088】
その他、画像形成システムを構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0089】
100 画像形成システム
1 給紙装置
2 画像形成装置
21 制御部
22 操作表示部
22a 表示部
22b 操作部
23 画像形成部
231 感光体
232 露光部
233 現像部
234 中間転写ベルト
235 転写ローラー
236 定着部
24 通信部
25 搬送部
26 記憶部
C1 用紙搬送距離カウンター
C2 第2用紙搬送距離カウンター
SE1 消耗品残留センサー
SE2 JAM検知センサー
3 画像検査装置
4 巻取装置
PM 連続紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6