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特開2023-176077人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のコンポーネント、および、人力駆動車用のドライブユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176077
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のコンポーネント、および、人力駆動車用のドライブユニット
(51)【国際特許分類】
   B62M 25/08 20060101AFI20231206BHJP
   B62M 11/16 20060101ALI20231206BHJP
   B62M 9/122 20100101ALI20231206BHJP
   B62M 9/123 20100101ALI20231206BHJP
   B62M 9/132 20100101ALI20231206BHJP
   B62M 9/133 20100101ALI20231206BHJP
【FI】
B62M25/08
B62M11/16 H
B62M9/122
B62M9/123
B62M9/132
B62M9/133
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088165
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】野田 慎一朗
(72)【発明者】
【氏名】上田 剛史
(72)【発明者】
【氏名】水谷 祐太
(72)【発明者】
【氏名】上山 雄一
(72)【発明者】
【氏名】野▲崎▼ 晃央
(57)【要約】
【課題】好適に変速動作を実行できる人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のコンポーネント、および、人力駆動車用のドライブユニットを提供する。
【解決手段】人力駆動車用の制御装置は、変速装置を制御するように構成され、前記変速装置の動作の完了後の第1時間から所定期間までの間、前記変速装置の動作を制限する制御部を備え、前記制御部は、前記人力駆動車の走行状態に基づいて、前記所定期間を変更するように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用の制御装置であって、
変速装置を制御するように構成され、
前記変速装置の動作の完了後の第1時間から所定期間までの間、前記変速装置の動作を制限する制御部を備え、
前記制御部は、前記人力駆動車の走行状態に基づいて、前記所定期間を変更するように構成される、制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記変速装置の動作の開始から完了までの間の第2時間における前記走行状態に基づいて、前記所定期間を変更するように構成される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記走行状態は、第1状態と、前記第1状態とは異なる第2状態とを含み、
前記走行状態が前記第1状態の場合、前記所定期間が第1所定期間となるように、前記制御部は、前記所定期間を変更するように構成され、
前記走行状態が前記第2状態の場合、前記所定期間が第2所定期間となるように、前記制御部は、前記所定期間を変更するように構成され、
前記第1所定期間は、前記第2所定期間よりも長い、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記走行状態は、クランクの回転速度を含み、
前記第1状態における前記クランクの前記回転速度は、第1クランク回転速度を含み、
前記第2状態における前記クランクの前記回転速度は、第2クランク回転速度を含み、
前記第1クランク回転速度が前記第2クランク回転速度よりも小さい場合、前記第1所定期間が前記第2所定期間よりも長くなるように、前記制御部は、前記所定期間を変更するように構成される、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記クランクの前記回転速度が第1閾値以下である場合、前記所定期間を第1制御期間に変更するように構成され、
前記第1制御期間は、前記クランクの前記回転速度にかかわらず一定の期間である、請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記クランクの前記回転速度に関する情報が取得されない場合、前記所定期間を第2制御期間に変更するように構成される、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第2制御期間は、前記第1制御期間と同じである、請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記クランクの前記回転速度が第2閾値以上である場合、前記所定期間を第3制御期間に変更するように構成され、
前記第3制御期間は、前記クランクの前記回転速度にかかわらず一定の期間である、請求項4に記載の制御装置。
【請求項9】
前記走行状態は、クランクの回転速度および変速比を含み、
前記第1状態における前記クランクの前記回転速度は、第1クランク回転速度を含み、かつ、前記第1状態における前記変速比は、第1変速比を含み、
前記第2状態における前記クランクの前記回転速度は、第2クランク回転速度を含み、かつ、前記第2状態における前記変速比は、第2変速比を含み、
前記第1変速比と前記第2変速比とが同じ、かつ、前記第1クランク回転速度が前記第2クランク回転速度よりも小さい場合、前記第1所定期間が前記第2所定期間よりも長くなるように、前記制御部は、前記所定期間を変更するように構成される、請求項3に記載の制御装置。
【請求項10】
前記走行状態は、クランクの回転速度および変速段数を含み、
前記第1状態における前記クランクの前記回転速度は、第1クランク回転速度を含み、かつ、前記第1状態における前記変速段数は、第1変速段数を含み、
前記第2状態における前記クランクの前記回転速度は、第2クランク回転速度を含み、かつ、前記第2状態における前記変速段数は、第2変速段数を含み、
前記第1変速段数と前記第2変速段数とが同じ、かつ、前記第1クランク回転速度が前記第2クランク回転速度よりも小さい場合、前記第1所定期間が前記第2所定期間よりも長くなるように、前記制御部は、前記所定期間を変更するように構成される、請求項3に記載の制御装置。
【請求項11】
前記走行状態は、クランクの回転速度、前記クランクに入力される人力トルク、ペダルに入力される動力、変速比、変速段数、および、車速の少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項12】
前記変速装置の動作は、複数のスプロケットのうち隣り合う2つのスプロケットの間においてチェーンを架け替える動作を含む、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項13】
前記第1時間は、前記変速装置の動作が完了する時点である、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項14】
前記変速装置から変速完了信号を受信する受信部をさらに備え、
前記第1時間は、前記変速完了信号が受信される時点である、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項15】
前記制御部は、ユーザが、前記ユーザに操作される操作装置に対して行った操作に応じて、前記変速装置が動作するように前記変速装置を制御するように構成される、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項16】
前記制御部は、
前記操作装置に対する前記ユーザの第1操作の開始に応じて前記変速装置が動作を開始するように前記変速装置を制御するように構成され、
前記所定期間の終了時に前記第1操作が継続されている場合、前記変速装置が次の動作を開始するように前記変速装置を制御するように構成される、請求項15に記載の制御装置。
【請求項17】
前記制御部は、
前記操作装置に対する前記ユーザの第1操作の開始に応じて前記変速装置が動作を開始するように前記変速装置を制御するように構成され、
前記第1操作の終了後、かつ、前記所定期間の終了前に、前記操作装置に対する前記ユーザの第2操作が開始される場合、前記所定期間の終了に応じて前記変速装置が次の動作を開始するように前記変速装置を制御するように構成される、請求項15に記載の制御装置。
【請求項18】
前記変速装置から離れて設けられる、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項19】
人力駆動車用のコンポーネントであって、
請求項1または2に記載の人力駆動車用の制御装置と、前記変速装置とを備える、コンポーネント。
【請求項20】
人力駆動車用のドライブユニットであって、
前記人力駆動車に推進力を付与するように構成され、
請求項1または2に記載の人力駆動車用の制御装置を備える、ドライブユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のコンポーネント、および、人力駆動車用のドライブユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される人力駆動車用の制御装置は、変速装置を制御する。特許文献1の制御装置は、変速装置の動作と変速装置の動作との間にインターバルが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9682744号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の1つは、好適に変速装置の動作を実行できる人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のコンポーネント、および、人力駆動車用のドライブユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、変速装置を制御するように構成され、前記変速装置の動作の完了後の第1時間から所定期間までの間、前記変速装置の動作を制限する制御部を備え、前記制御部は、前記人力駆動車の走行状態に基づいて、前記所定期間を変更するように構成される。
第1側面の制御装置によれば、制御部は、変速装置の動作の完了後、第1時間から所定期間までの間、変速動作が行われることが制限されるため、変速ショックの発生を抑制できる。第1側面の制御装置によれば、制御部は、人力駆動車の走行状態に基づいて所定期間を変更できる。そのため、走行状態に基づいて好適に変速装置の動作が実行される。第1側面の制御装置によれば、変速装置の動作の完了後の第1時間から、変速装置の動作が制限される。そのため、変速装置の動作にかかる時間に起因して所定期間が不適切な長さになることを抑制できる。したがって、制御装置は、好適に変速装置の動作を実行できる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面の制御装置において、前記制御部は、前記変速装置の動作の開始から完了までの間の第2時間における前記走行状態に基づいて、前記所定期間を変更するように構成される。
第2側面の制御装置によれば、制御部は、変速装置の動作の実行中における走行状態に基づいて所定期間を変更できる。そのため、制御部は、より走行状態に好適な所定期間に基づいて、変速装置の動作を制限できる。
【0007】
本開示の第1または2側面に従う第3側面の制御装置において、前記走行状態は、第1状態と、前記第1状態とは異なる第2状態とを含み、前記走行状態が前記第1状態の場合、前記所定期間が第1所定期間となるように、前記制御部は、前記所定期間を変更するように構成され、前記走行状態が前記第2状態の場合、前記所定期間が第2所定期間となるように、前記制御部は、前記所定期間を変更するように構成され、前記第1所定期間は、前記第2所定期間よりも長い。
第3側面の制御装置によれば、制御部は、走行状態が第1状態の場合と第2状態の場合とのそれぞれにおいて、走行状態に適した所定期間に基づいて、変速装置の動作を制限できる。
【0008】
本開示の第3側面に従う第4側面の制御装置において、前記走行状態は、クランクの回転速度を含み、前記第1状態における前記クランクの前記回転速度は、第1クランク回転速度を含み、前記第2状態における前記クランクの前記回転速度は、第2クランク回転速度を含み、前記第1クランク回転速度が前記第2クランク回転速度よりも小さい場合、前記第1所定期間が前記第2所定期間よりも長くなるように、前記制御部は、前記所定期間を変更するように構成される。
第4側面の制御装置によれば、制御部は、第1クランク回転速度が第2クランク回転速度よりも小さい場合、変速装置の動作を長く制限できる。
【0009】
本開示の第4側面に従う第5側面の制御装置において、前記制御部は、前記クランクの前記回転速度が第1閾値以下である場合、前記所定期間を第1制御期間に変更するように構成され、前記第1制御期間は、前記クランクの前記回転速度にかかわらず一定の期間である。
第5側面の制御装置によれば、制御部は、回転速度が第1閾値以下である場合、クランクの回転速度にかかわらず一定の第1制御期間に基づいて、変速装置の動作を制限できる。
【0010】
本開示の第5側面に従う第6側面の制御装置において、前記制御部は、前記クランクの前記回転速度に関する情報が取得されない場合、前記所定期間を第2制御期間に変更するように構成される。
第6側面の制御装置によれば、制御部は、クランクの回転速度に関する情報が取得されない場合、第2制御期間に変更する。そのため、制御部は、クランクの回転速度に関する情報が取得されない場合であっても、変速装置の動作を制限できる。
【0011】
本開示の第6側面に従う第7側面の制御装置において、前記第2制御期間は、前記第1制御期間と同じである。
第7側面の制御装置によれば、制御部は、回転速度に関する情報が取得されない場合、および、回転速度が第1閾値以下である場合、同じ所定期間に基づいて変速装置の動作を制限できる。
【0012】
本開示の第4から第7側面のいずれか1つに従う第8側面の制御装置において、前記制御部は、前記クランクの前記回転速度が第2閾値以上である場合、前記所定期間を第3制御期間に変更するように構成され、前記第3制御期間は、前記クランクの前記回転速度にかかわらず一定の期間である。
第8側面の制御装置によれば、制御部は、クランクの回転速度が第2閾値以上である場合、回転速度にかかわらず一定の第3制御期間に基づいて、変速装置の動作を制限できる。
【0013】
本開示の第3側面に従う第9側面の制御装置において、前記走行状態は、クランクの回転速度および変速比を含み、前記第1状態における前記クランクの前記回転速度は、第1クランク回転速度を含み、かつ、前記第1状態における前記変速比は、第1変速比を含み、前記第2状態における前記クランクの前記回転速度は、第2クランク回転速度を含み、かつ、前記第2状態における前記変速比は、第2変速比を含み、前記第1変速比と前記第2変速比とが同じ、かつ、前記第1クランク回転速度が前記第2クランク回転速度よりも小さい場合、前記第1所定期間が前記第2所定期間よりも長くなるように、前記制御部は、前記所定期間を変更するように構成される。
第9側面の制御装置によれば、制御部は、第1変速比と第2変速比とが同じ、かつ、第1クランク回転速度が第2クランク回転速度よりも小さい場合、第1所定期間よりも長い第1所定期間が第2所定期間に基づいて、変速装置の動作を制限できる。
【0014】
本開示の第3側面に従う第10側面の制御装置において、前記走行状態は、クランクの回転速度および変速段数を含み、前記第1状態における前記クランクの前記回転速度は、第1クランク回転速度を含み、かつ、前記第1状態における前記変速段数は、第1変速段数を含み、前記第2状態における前記クランクの前記回転速度は、第2クランク回転速度を含み、かつ、前記第2状態における前記変速段数は、第2変速段数を含み、前記第1変速段数と前記第2変速段数とが同じ、かつ、前記第1クランク回転速度が前記第2クランク回転速度よりも小さい場合、前記第1所定期間が前記第2所定期間よりも長くなるように、前記制御部は、前記所定期間を変更するように構成される。
第10側面の制御装置によれば、制御部は、第1変速段数と第2変速段数とが同じ、かつ、第1クランク回転速度が第2クランク回転速度よりも小さい場合、第2所定期間よりも長い第1所定期間に基づいて、変速装置の動作を制限できる。
【0015】
本開示の第1から第3側面のいずれか1つに従う第11側面の制御装置において、前記走行状態は、クランクの回転速度、前記クランクに入力される人力トルク、ペダルに入力される動力、変速比、変速段数、および、車速の少なくとも1つを含む。
第11側面の制御装置によれば、制御部は、クランクの回転速度、クランクに入力される人力トルク、ペダルに入力される動力、変速比、変速段数、および、車速の少なくとも1つに好適な所定期間に基づいて、変速装置の動作を制限できる。
【0016】
本開示の第1から第11側面のいずれか1つに従う第12側面の制御装置において、前記変速装置の動作は、複数のスプロケットのうち隣り合う2つのスプロケットの間においてチェーンを架け替える動作を含む。
第12側面の制御装置によれば、制御部は、走行状態に基づいて、変速装置が複数のスプロケットのうち隣り合う2つのスプロケットの間においてチェーンを架け替える動作を制限できる。
【0017】
本開示の第1から第12側面のいずれか1つに従う第13側面の制御装置において、前記第1時間は、前記変速装置の動作が完了する時点である。
第13側面の制御装置によれば、変速装置の動作の完了時から、所定期間までの間、変速装置の動作を制限できる。
【0018】
本開示の第1から第12側面に従う第14側面の制御装置において、前記変速装置から変速完了信号を受信する受信部をさらに備え、前記第1時間は、前記変速完了信号が受信される時点である。
第14側面の制御装置によれば、制御部は、変速完了信号の受信時から、所定期間までの間、変速装置の動作を制限できる。
【0019】
本開示の第1から第14側面のいずれか1つに従う第15側面の制御装置において、前記制御部は、ユーザが、前記ユーザに操作される操作装置に対して行った操作に応じて、前記変速装置が動作するように前記変速装置を制御するように構成される。
第15側面の制御装置によれば、制御部は、ユーザによる操作装置の操作によって、変速装置が動作するように変速装置を制御できる。
【0020】
本開示の第15側面に従う第16側面の制御装置において、前記制御部は、前記操作装置に対する前記ユーザの第1操作の開始に応じて前記変速装置が動作を開始するように前記変速装置を制御するように構成され、前記所定期間の終了時に前記第1操作が継続されている場合、前記変速装置が次の動作を開始するように前記変速装置を制御するように構成される。
第16側面の制御装置によれば、制御部は、所定期間の終了時に第1操作が継続されている場合、変速装置が次の動作を開始するように変速装置を制御する。そのため、制御部は、ユーザの操作に応じて好適に変速装置を制御できる。
【0021】
本開示の第15側面に従う第17側面の制御装置において、前記制御部は、前記操作装置に対する前記ユーザの第1操作の開始に応じて前記変速装置が動作を開始するように前記変速装置を制御するように構成され、前記第1操作の終了後、かつ、前記所定期間の終了前に、前記操作装置に対する前記ユーザの第2操作が開始される場合、前記所定期間の終了に応じて前記変速装置が次の動作を開始するように前記変速装置を制御するように構成される。
第17側面の制御装置によれば、制御部は、第1操作の終了後、かつ、所定期間の終了前に、操作装置に対するユーザの第2操作が開始される場合、所定期間の終了に応じて変速装置が次の動作を開始するように変速装置を制御する。そのため、制御部は、ユーザの操作に応じて好適に変速装置を制御できる。
【0022】
本開示の第1から第17側面のいずれか1つに従う第18側面の制御装置において、前記変速装置から離れて設けられる。
第18側面の制御装置によれば、変速装置の外部に設けられる制御装置によって変速装置を制御できる。
【0023】
本開示の第19側面に従うコンポーネントは、人力駆動車用のコンポーネントであって、第1から第17側面のいずれか1つに記載の人力駆動車用の制御装置と、前記変速装置とを備える。
第19側面のコンポーネントによれば、制御装置および変速装置の両方を備えるため、制御装置が変速装置を好適に制御できる。
【0024】
本開示の第20側面に従うドライブユニットは、人力駆動車用のドライブユニットであって、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成され、第1から第18側面のいずれか1つに記載の人力駆動車用の制御装置を備える。
第20側面のドライブユニットによれば、人力駆動車に推進力を付与するように構成されるドライブユニットを備える人力駆動車において、好適に変速動作を実行できる。
【発明の効果】
【0025】
本開示の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のコンポーネント、および、人力駆動車用のドライブユニットは、好適に変速動作を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1実施形態の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のコンポーネント、および、人力駆動車用のドライブユニットを含む人力駆動車の側面図である。
図2図1の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のコンポーネント、および、人力駆動車用のドライブユニットの電気的な構成を示すブロック図である。
図3図2の制御部によって実行される、所定期間を変更する処理の第1部分を示すフローチャートである。
図4図2の制御部によって実行される、所定期間を変更する処理の第2部分を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態の制御部によって実行される、所定期間を変更する処理の第2部分を示すフローチャートである。
図6】第1変更例の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のコンポーネント、および、人力駆動車用のドライブユニットの電気的な構成を示すブロック図である。
図7】第2変更例の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のコンポーネント、および、人力駆動車用のドライブユニットの電気的な構成を示すブロック図である。
図8】第3変更例の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のコンポーネント、および、人力駆動車用のドライブユニットの電気的な構成を示すブロック図である。
図9】第4変更例の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のコンポーネント、および、人力駆動車用のドライブユニットの電気的な構成を示すブロック図である。
図10】第5変更例の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のコンポーネント、および、人力駆動車用のドライブユニットの電気的な構成を示すブロック図である。
図11】第6変更例の制御部によって実行される、所定期間を変更する処理を示すフローチャートである。
図12】第7変更例の制御部によって実行される、所定期間を変更する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<第1実施形態>
図1から図4を参照して、人力駆動車用の制御装置60、人力駆動車用のコンポーネント48、および、人力駆動車用のドライブユニット46が説明される。人力駆動車は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車は、例えば、マウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車は、例えば、1輪車および2輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するE-bikeを含む。E-bikeは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、それぞれの実施形態において、人力駆動車は、自転車として説明される。
【0028】
人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪12と、車体14と、を含む。少なくとも1つの車輪12は、前輪12Fおよび後輪12Rを含む。車体14は、フレーム16を含む。例えば、フレーム16にはサドル16Aが取り付けられる。人力駆動車10は、例えば、人力駆動力が入力されるクランク18をさらに含む。クランク18は、例えば、フレーム16に対して回転可能なクランク軸20と、クランクアーム22A,22Bとを含む。クランクアーム22A,22Bのそれぞれは、例えば、クランク軸20の軸方向の端部にそれぞれ設けられる。クランクアーム22A,22Bには、例えば、ペダル24A,24Bが連結される。
【0029】
フレーム16には、フロントフォーク26が接続される。フロントフォーク26には、前輪12Fが取り付けられる。フロントフォーク26には、ハンドルバー28がステム30を介して連結される。後輪12Rは、フレーム16に支持される。本実施形態では、クランク18は、駆動機構32によって後輪12Rと連結される。後輪12Rは、例えば、クランク軸20が回転することによって駆動される。前輪12Fおよび後輪12Rの少なくとも1つが、駆動機構32によってクランク18に連結されてもよい。
【0030】
駆動機構32は、例えば、クランク軸20に連結される少なくとも1つの第1回転体34を含む。少なくとも1つの第1回転体34は、例えば、少なくとも1つのフロントスプロケットを含む。第1回転体34は、プーリまたはベベルギアを含んでいてもよい。クランク軸20は、少なくとも1つのフロントスプロケットと、ワンウェイクラッチを介して連結されてもよい。
【0031】
駆動機構32は、少なくとも1つの第2回転体36および伝達部材38をさらに含む。伝達部材38は、少なくとも1つの第1回転体34の回転力を少なくとも1つの第2回転体36に伝達するように構成される。伝達部材38は、例えば、チェーン38Aを含む。伝達部材38は、ベルトまたはシャフトを含んでいてもよい。少なくとも1つの第2回転体36は、例えば、少なくとも1つのリアスプロケットを含む。少なくとも1つの第2回転体36は、プーリまたはベベルギアを含んでもよい。チェーン38Aは、例えば、少なくとも1つのフロントスプロケットのうちの1つおよび少なくとも1つのリアスプロケットのうちの1つに巻き掛けられる。少なくとも1つの第2回転体36は、例えば、後輪12Rに連結される。後輪12Rは、例えば、少なくとも1つの第2回転体36の回転にともなって回転するように構成される。
【0032】
人力駆動車10は、例えば、バッテリ40をさらに含む。バッテリ40は、例えば、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、例えば、充電池を含む。バッテリ40は、例えば、制御装置60に電力を供給するように構成される。バッテリ40は、例えば、制御装置60と、有線または無線によって通信可能に接続される。バッテリ40は、例えば、電力線通信(PLC;Power Line Communication)によって制御装置60と通信可能に構成される。バッテリ40は、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によって制御装置60と通信可能に構成されてもよい。
【0033】
人力駆動車10は、例えば、変速装置42をさらに含む。変速装置42は、例えば、人力駆動車10における人力駆動力の伝達経路に設けられ、かつ、変速比Rを変更するように構成される。変速比Rは、例えば、クランク18の回転速度Cに対する車輪12の回転速度Wの比率である。車輪12の回転速度Wは、例えば、駆動輪の回転速度を含む。
【0034】
本実施形態では、駆動輪は後輪12Rである。車輪12の回転速度Wと、クランク18の回転速度Cとは、それぞれ単位時間あたりの回転数であってもよい。変速比Rは、車輪12の回転速度Wを、少なくとも1つの第1回転体34のうちの1つの歯数に置き換え、クランク18の回転速度Cを、少なくとも1つの第2回転体36のうちの1つの歯数に置き換えてもよい。少なくとも1つのリアスプロケットは、例えば、伝達部材38が係合している1つの被係合リアスプロケットを含む。被係合リアスプロケットは、例えば、少なくとも1つのリアスプロケットのうちのチェーン38Aが巻きかけられているリアスプロケットである。少なくとも1つのフロントスプロケットは、例えば、伝達部材38が係合している1つの被係合フロントスプロケットを含む。被係合フロントスプロケットは、例えば、少なくとも1つのフロントスプロケットのうちのチェーン38Aが巻きかけられているフロントスプロケットである。変速比Rは、被係合リアスプロケットの歯数に対する被係合フロントスプロケットの歯数TFの比率であってもよい。変速比Rと、車輪12の回転速度Wと、クランク18の回転速度Cとの関係は、式(1)によって表される。
式(1):R=W/C
【0035】
変速装置42は、例えば、ディレイラ42Aおよび内装変速機の少なくとも1つを含む。ディレイラ42Aは、例えば、フロントディレイラ、および、リアディレイラの少なくとも1つを含む。ディレイラ42Aは、例えば、複数のスプロケット52のうちの1つに係合する伝達部材38を、複数のスプロケット52のうちの他の1つに移動させる。変速装置42が内装変速機を含む場合、内装変速機は、例えば、後輪12Rのハブに設けられる。内装変速機は、CVT(Continuously Variable Transmission)を含んでいてもよい。変速装置42は、例えば、電動アクチュエータ42Bを含む。電動アクチュエータ42Bは、例えば、変速装置42を動作するように構成される。電動アクチュエータ42Bは、例えば、ディレイラ42Aを動作するように構成される。
【0036】
変速装置42は、例えば、複数の変速段数を有する。各変速段数に対応する変速比Rは、例えば、相互に異なる。例えば、変速段数が大きいほど、変速比Rは大きい。最小の変速段数が選択される場合の変速比Rは、変速装置42によって実現される最小の変速比Rである。最大の変速段数が選択される場合の変速比Rは、変速装置42によって実現される最大の変速比Rである。例えば、ディレイラ42Aが伝達部材38を操作して、複数のスプロケット52と、伝達部材38との係合状態を変更することによって変速段数が変更される。
【0037】
ディレイラ42Aがリアディレイラを含む場合、複数のスプロケット52のうちの、歯数が最大のスプロケット52は、例えば、ディレイラ42Aによって実現可能な最小の変速段数と対応する。ディレイラ42Aがリアディレイラを含む場合、複数のスプロケット52のうちの、歯数が最小のスプロケット52は、例えば、ディレイラ42Aによって実現可能な最大の変速段数と対応する。
【0038】
ディレイラ42Aがリアディレイラを含む場合、複数のスプロケット52は、複数のリアスプロケットを含む。複数のリアスプロケットの数は、例えば、3枚以上30枚以下である。ディレイラ42Aがリアディレイラを含む場合、変速段数の数は、例えば、複数のリアスプロケットの枚数と一致する。
【0039】
ディレイラ42Aがフロントディレイラを含む場合、複数のスプロケット52のうちの、歯数が最大のスプロケット52は、例えば、ディレイラ42Aによって実現可能な最大の変速段数と対応する。ディレイラ42Aがフロントディレイラを含む場合、複数のスプロケット52のうちの、歯数が最小のスプロケット52は、例えば、ディレイラ42Aによって実現可能な最小の変速段数と対応する。
【0040】
ディレイラ42Aがフロントディレイラを含む場合、複数のスプロケット52は、複数のフロントスプロケットを含む。複数のフロントスプロケットの数は、例えば、2枚以上4枚以下である。ディレイラ42Aがリアディレイラを含む場合、変速段数は、例えば、複数のフロントスプロケットの枚数と一致する。
【0041】
人力駆動車10は、例えば、操作装置44をさらに含む。操作装置44は、例えば、ユーザに操作される。操作装置44は、例えば、ユーザの操作が入力される。操作装置44は、例えば、変速装置42を操作可能に構成される操作部を含む。操作部は、スイッチ、レバー、および、ダイヤルの少なくとも1つを含む。
【0042】
人力駆動車10は、例えば、ドライブユニット46をさらに含む。人力駆動車用のドライブユニット46は、例えば、人力駆動車10に推進力を付与するように構成される。ドライブユニット46は、例えば、人力駆動車10に入力される人力駆動力に応じた推進力を、人力駆動車10に付与するモータ46Aを含む。モータ46Aは、例えば、ブラシレスモータである。
【0043】
人力駆動車用のコンポーネント48は、例えば、バッテリ40、変速装置42、操作装置44、ドライブユニット46、および、制御装置60の少なくとも1つを備える。本実施形態では、コンポーネント48は、ドライブユニット46と、制御装置60とを備える。ドライブユニット46は、例えば、制御装置60を備える。制御装置60は、例えば、変速装置42から離れて設けられる。制御装置60は、例えば、ドライブユニット46のハウジングが形成する内部空間に設けられる。
【0044】
人力駆動車用の制御装置60は、制御部62を備える。制御部62は、例えば、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部62は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。制御部62は、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。
【0045】
制御装置60は、例えば、記憶部64をさらに備える。記憶部64は、例えば、制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報を記憶する。記憶部64は、例えば、不揮発性メモリおよび揮発性メモリの少なくとも1つを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を含む。記憶部64は、例えば、制御部62と有線または無線によって電気的に接続される。
【0046】
制御装置60は、例えば、受信部66Aをさらに備える。制御装置60は、例えば、送信部66Bをさらに備える。制御装置60は、例えば、受信部66Aおよび送信部66Bの少なくとも1つを含む通信部66をさらに備える。通信部66は、例えば、制御部62と有線または無線によって電気的に接続される。通信部66は、例えば、変速装置42と有線または無線によって電気的に接続される。
【0047】
受信部66Aは、例えば、変速装置42から変速完了信号を受信する。制御部62は、例えば、受信部66Aが変速装置42から変速完了信号を受信するように、受信部66Aを制御する。制御部62は、例えば、変速装置42から変速完了信号を受信すると変速装置42の動作が完了したと判断する。送信部66Bは、例えば、変速装置42に変速開始信号を送信する。制御部62は、例えば、送信部66Bが変速装置42に変速開始信号を送信するように、送信部66Bを制御する。変速装置42は、例えば、変速開始信号を受信すると、電動アクチュエータ42Bの動作を開始する。
【0048】
制御装置60は、モータ46Aの駆動回路をさらに含んでいてもよい。モータ46Aの駆動回路は、例えば、ドライブユニット46に設けられる。モータ46Aの駆動回路は、例えば、ドライブユニット46のハウジングによって形成される内部空間に配置される。モータ46Aの駆動回路は、例えば、制御部62と有線または無線によって電気的に接続される。モータ46Aの駆動回路は、例えば、制御部62からの制御信号に応じてモータ46Aを駆動させる。
【0049】
モータ46Aの駆動回路は、例えば、バッテリ40からモータ46Aへの電力の供給を制御可能に構成される。モータ46Aの駆動回路は、例えば、インバータ回路を含む。インバータ回路は、例えば、複数のトランジスタを含む。インバータ回路は、例えば、直列に接続される一対のトランジスタからなる複数のインバータ部が並列に接続される構成を含む。インバータ回路は、インバータ回路に流れる電流を検出する電流センサを有してもよい。電流センサは、例えば、制御部62と有線または無線によって電気的に接続される。
【0050】
例えば、人力駆動車10は、検出装置50をさらに含む。検出装置50は、人力駆動車10の走行状態を検出可能に構成される。走行状態は、例えば、クランク18の回転速度C、クランク18に入力される人力トルク、ペダル24A,24Bに入力される動力、変速比R、変速段数、および、車速の少なくとも1つを含む。検出装置50は、例えば、人力駆動力検出部、クランク回転状態検出部、車速検出部、および、変速状態検出部の少なくとも1つを含む。検出装置50は、例えば、制御部62と有線または無線によって電気的に接続される。人力駆動力は、クランク18に入力される人力トルク、および、ペダル24A,24Bに入力される動力の少なくとも1つを含む。クランク回転状態は、クランク18の回転速度Cを含む。変速状態は、変速比R、および、変速段数の少なくとも1つと対応する変速装置42の動作状態、および、変速比R、および、変速段数の少なくとも1つと対応する操作装置44の動作状態の少なくとも1つを含む。
【0051】
人力駆動力検出部は、例えば、ドライブユニット46に設けられる。人力駆動力検出部は、例えば、ドライブユニット46のハウジングによって形成される内部空間に配置される。人力駆動力検出部は、例えば、人力駆動力の伝達経路に含まれる部材に設けられる。人力駆動力の伝達経路に含まれる部材は、例えば、クランク軸20、または、クランク軸20に連動して回転する部材を含む。
【0052】
人力駆動力検出部は、例えば、クランク軸20に人力駆動力によって与えられるトルクに応じた信号を、出力するように構成される。クランク軸20に人力駆動力によって与えられるトルクに応じた信号は、クランク18に入力される人力駆動力に関する情報を含む。人力駆動力検出部は、例えば、歪センサ、磁歪センサ、または、圧力センサを含む。歪センサは、例えば、歪ゲージを含む。人力駆動力検出部は、人力駆動力に関する情報を検出できればどのような構成であってもよい。
【0053】
人力駆動力検出部は、ドライブユニット46以外に設けられてもよい。人力駆動力検出部は、クランクアーム22A,22B、または、ペダル24A,24Bに設けられてもよい。人力駆動力検出部がペダル24A,24Bに設けられる場合、人力駆動力検出部は、ペダル24A,24Bに与えられる圧力を検出するセンサを含んでいてもよい。人力駆動力検出部は、チェーン38Aに設けられてもよい。人力駆動力検出部がチェーン38Aに設けられる場合、人力駆動力検出部は、チェーン38Aの張力を検出するセンサを含んでいてもよい。
【0054】
クランク回転状態検出部は、例えば、ドライブユニット46に設けられる。クランク回転状態検出部は、例えば、ドライブユニット46のハウジングによって形成される内部空間に配置される。クランク回転状態検出部は、クランク18の回転速度Cに応じた情報を検出するように構成される。クランク18の回転速度Cに応じた情報は、例えば、クランク軸20の角加速度を含む。クランク軸20の角加速度は、例えば、人力駆動車10の加速度である。クランク18の回転速度Cに応じた情報は、例えば、人力駆動車10のケイデンスに関する情報を含む。
【0055】
クランク回転状態検出部は、例えば、磁気センサ、加速度センサ、光学センサ、ジャイロセンサ、および、トルクセンサの少なくとも1つを含む。クランク回転状態検出部は、例えば、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含む。磁気センサは、例えば、周方向に磁界の強度が変化する環状の磁石を含む。周方向に磁界の強度が変化する環状の磁石は、例えば、人力駆動力の伝達経路に含まれる部材に設けられる。人力駆動力の伝達経路に含まれる部材は、例えば、クランク軸20、または、クランク軸20に連動して回転する部材を含む。クランク回転状態検出部は、例えば、クランク18の回転速度Cに応じた信号を出力する。
【0056】
クランク回転状態検出部は、磁気センサに代えて、加速度センサを含んでいてもよい。クランク回転状態検出部は、磁気センサに代えて、光学センサ、ジャイロセンサ、または、トルクセンサを含んでいてもよい。クランク回転状態検出部は、クランク18の回転速度Cに応じた情報を検出できればどのような構成であってもよい。
【0057】
クランク回転状態検出部は、例えば、クランク軸20が1回転する間において、予め定める回数の検出信号を出力するように構成される。予め定める回数は、例えば、2以上である。予め定める回数は、例えば、4以上である。予め定める回数は、例えば、4の倍数である。予め定める回数は、例えば、8、12、または、16である。
【0058】
クランク回転状態検出部は、ドライブユニット46以外に設けられてもよい。クランク回転状態検出部は、例えば、フレーム16に設けられる。クランク回転状態検出部がドライブユニット46以外に設けられる場合、クランク回転状態検出部は、車速センサを含んで構成されていてもよい。クランク回転状態検出部が車速センサを含む場合、例えば、制御部62は、車速センサによって検出される車速と、変速比Rとに応じてクランク18の回転速度Cを算出するように構成される。
【0059】
車速検出部は、例えば、フレーム16に設けられる。車速検出部は、例えば、人力駆動車10の車速に関する情報を検出するように構成される。車速検出部は、例えば、人力駆動車10の車輪12の回転速度Wに関する情報を検出するように構成される。車速検出部は、例えば、前輪12Fおよび後輪12Rの少なくとも1つに設けられる磁石を検出するように構成される。
【0060】
車速検出部は、例えば、車輪12が1回転する間に、予め定める回数の検出信号を出力するように構成される。予め定める回数は、例えば、1である。車速検出部は、例えば、車輪12の回転速度Wに応じた信号を出力する。制御部62は、例えば、車輪12の回転速度Wに応じた信号および車輪12の周長に関する情報に基づいて、人力駆動車10の車速を算出するように構成される。車輪12の周長に関する情報は、例えば、記憶部64に記憶される。
【0061】
変速状態検出部は、例えば、変速装置42に設けられる。変速状態検出部は、現在の変速段数に関する情報を検出するように構成される。
【0062】
変速状態検出部は、例えば、電動アクチュエータ42Bの動作に応じて信号を出力するセンサを含む。変速状態検出部は、磁気センサ、光学センサ、および、ポテンショメータの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0063】
変速装置42がディレイラ42Aを含む場合、現在の変速段数に関する情報は、例えば、電動アクチュエータ42Bの動作に関する情報、ディレイラ42Aの可動部材のフレーム16に対する位置、および、可動部材の回転位相の少なくとも1つを含む。可動部材は、例えば、チェーンガイドを含む。変速状態検出部が可動部材のフレーム16に対する位置および可動部材の回転位相の少なくとも1つを検出する場合、変速状態検出部は、例えば、フレーム16および可動部材の一方に設けられる磁石の磁力を検出することによって、可動部材のフレーム16に対する位置および可動部材の回転位相の少なくとも1つを検出する。
【0064】
電動アクチュエータ42Bの動作に関する情報は、磁気センサによって検出される電動アクチュエータ42Bの回転速度を含んでもよい。変速状態検出部が電動アクチュエータ42Bの回転速度を検出する場合、変速状態検出部は、例えば、電動アクチュエータ42Bの回転軸の回転速度を検出する。ディレイラ42Aは、電動アクチュエータ42Bに接続される減速機構をさらに含んでもよい。減速機構は、例えば、複数の歯車を含む。ディレイラ42Aが減速機構を含む場合、電動アクチュエータ42Bの動作に関する情報は、減速機構に含まれる歯車の回転速度を含んでもよい。変速状態検出部が減速機構に含まれる歯車の回転速度を検出する場合、変速状態検出部は、例えば、減速機構に含まれる歯車に設けられる磁石の磁力を検出する。
【0065】
変速装置42は、変速制御部42Cを含んでいてもよい。変速制御部42Cは、例えば、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPUまたはMPUを含む。変速制御部42Cは、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。変速制御部42Cは、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。変速制御部42Cは、例えば、変速記憶部をさらに備えてもよい。記憶部64は、例えば、制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報を記憶する。変速記憶部は、例えば、不揮発性メモリおよび揮発性メモリの少なくとも1つを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAMを含む。
【0066】
変速制御部42Cは、例えば、変速状態検出部によって検出される現在の変速段数に関する情報に基づいて、変速比Rの完了を判定し、変速完了信号を制御部62に出力してもよい。例えば、変速制御部42Cは、制御部62から変速開始信号を受信すると、電動アクチュエータ42Bを駆動させて、変速比Rの変更を開始する。変速状態検出部は、例えば、検出信号を定期的に変速制御部42Cに送信する。変速制御部42Cが制御部62から変速開始信号を受信する場合、変速制御部42Cは、例えば、変速状態検出部から送信された検出信号を取得する。変速制御部42Cは、例えば、変速状態検出部から送信された検出信号に基づいて変速の完了を確認した場合、変速完了信号を制御部62に送信する。
【0067】
制御部62は、変速状態検出部から送信された検出信号を取得してもよい。制御部62は、変速状態検出部の検出信号を受信し、変速状態検出部の検出信号に基づいて、変速比Rの変更の完了を判定してもよい。制御部62は、クランク18の回転速度Cと、車輪12の回転速度Wとに応じて、変速比Rの変更が完了したか否かを判定してもよい。制御部62は、人力駆動力が予め定める閾値以上の場合、クランク18の回転速度Cと、車輪12の回転速度Wとから変速比Rを算出するように構成されてもよい。
【0068】
制御部62は、例えば、モータ46Aを制御するように構成される。制御部62は、例えば、人力駆動車10の走行状態に応じてモータ46Aを制御するように構成される。制御部62は、例えば、人力駆動車10に入力される人力駆動力に応じて、人力駆動車10に付与する推進力を変更するように、モータ46Aを制御するように構成される。
【0069】
制御部62は、変速装置42の動作中に、モータ46Aの出力を低下させるようにモータ46Aを制御するように構成されてもよい。制御部62は、変速装置42の動作中に、モータ46Aの駆動を停止させるようにモータ46Aを制御するように構成されてもよい。制御部62は、変速装置42の動作中に、モータ46Aの出力を低下させるようにモータ46Aを制御し、かつ、第1時間から所定期間Yまでの間は、人力駆動車10に入力される人力駆動力に応じて、人力駆動車10に付与する推進力を変更するように、モータ46Aを制御するように構成されてもよい。
【0070】
制御部62は、人力駆動力検出部によって検出される人力駆動力に応じてモータ46Aを制御するように構成されてもよい。制御部62は、クランク回転状態検出部によって検出されるクランク18の回転速度Cに応じてモータ46Aを制御するように構成されてもよい。制御部62は、車速検出部によって検出される車輪12の回転速度Wに応じてモータ46Aを制御するように構成されてもよい。制御部62は、ドライブユニット46の外部から送信される情報に応じて、モータ46Aを制御するように構成されてもよい。ドライブユニット46の外部から送信される情報は、例えば、ドライブユニット46を操作可能に構成されるドライブユニット操作装置の操作信号を含む。
【0071】
制御部62は、変速装置42を制御するように構成される。制御部62は、例えば、ユーザが、操作装置44に対して行ったユーザの操作に応じて、変速装置42が動作するように変速装置42を制御するように構成される。制御部62は、例えば、操作装置44に対するユーザの第1操作の開始に応じて変速装置42が動作を開始するように変速装置42を制御するように構成される。
【0072】
制御部62は、変速装置42の動作の完了後の第1時間から所定期間Yまでの間、変速装置42の動作を制限する。制御部62は、例えば、所定期間Yの終了時に第1操作が継続されている場合、変速装置42が次の動作を開始するように変速装置42を制御するように構成される。第1操作が継続されている場合は、例えば、操作装置44がユーザによって操作し続けられている場合を含む。操作装置44の操作部がスイッチを含む場合において、操作装置44がユーザによって操作し続けられている場合は、例えば、ユーザによってスイッチが押され続けている場合を含む。操作装置44の操作部がレバーを含む場合、操作装置44がユーザによって操作し続けられている場合は、例えば、ユーザによってレバーが所定位置に維持され続けている場合を含む。
【0073】
変速装置42の動作は、例えば、変速比Rを変更するために、ディレイラ42Aが伝達部材38を操作する動作を含む。変速装置42の動作は、例えば、複数のスプロケット52のうち隣り合う2つのスプロケットの間においてチェーン38Aを架け替える動作を含む。変速装置42の動作は、ディレイラ42Aによるシフトアップのための動作を含む。変速装置42の動作は、ディレイラ42Aによるシフトダウンのための動作を含む。
【0074】
制御部62は、変速装置42が動作する場合、インチング制御を行うように変速装置42を制御してもよい。インチング制御は、変速装置42の動作の完了後に、変速状態検出部による電動アクチュエータ42Bの回転速度の検出値、または、減速機構の歯車の回転速度の検出値が、予め記憶される所定値とずれている場合に、所定値とのずれが小さくなるように、電動アクチュエータ42Bをさらに動作させる制御を含む。
【0075】
第1時間は、例えば、変速装置42の動作に基づくタイミングである。第1時間は、例えば、変速装置42の動作が完了する時点である。第1時間は、例えば、変速完了信号が受信される時点である。第1時間は、変速装置42の動作の完了後から所定期間Yまでの間であれば、変速装置42の動作の完了と同時でなくてもよい。制御部62が、インチング制御を行うように変速装置42を制御する場合、インチング制御は変速装置42の動作の完了後から所定期間Yまでの間に行われてもよい。
【0076】
所定期間Yは、例えば、変速装置42の動作が行われないように、制御部62によって変速装置42が制御される期間である。例えば、制御部62は、所定期間Yにおいて、変速装置42の動作を禁止する。所定期間Yは、例えば、人力駆動車10の走行状態に応じて変化する期間である。所定期間Yは、例えば、時間によって定められる。所定期間Yは、時間以外によって定められてもよい。所定期間Yが時間以外によって定められる場合、所定期間Yは、クランク18の回転角度、少なくとも1つの第1回転体34の回転角度、および、少なくとも1つの第2回転体36の回転角度の少なくとも1つによって定められてもよい。
【0077】
制御部62は、人力駆動車10の走行状態に基づいて、所定期間Yを変更するように構成される。制御部62は、例えば、変速装置42の動作の開始から完了までの間の第2時間における走行状態に基づいて、所定期間Yを変更するように構成される。制御部62は、変速装置42の動作の完了時の走行状態に基づいて、所定期間Yを変更してもよい。
【0078】
走行状態は、第1状態と、第1状態とは異なる第2状態とを含む。走行状態が第1状態の場合、所定期間Yが第1所定期間となるように、制御部62は、所定期間Yを変更するように構成される。走行状態が第2状態の場合、所定期間Yが第2所定期間となるように、制御部62は、所定期間Yを変更するように構成される。第1所定期間は、第2所定期間よりも長い。第1状態が任意の1つの走行状態である場合、第2状態は、第1状態とは異なる全ての走行状態であってもよい。第1状態が任意の1つの走行状態である場合、第2状態は、例えば、第1状態との比較結果において所定関係が満たされる全ての走行状態であってもよい。第1状態は、複数の走行状態を含んでいてもよい。第2状態は、複数の走行状態を含んでいてもよい。
【0079】
走行状態は、例えば、クランク18の回転速度Cを含む。第1状態におけるクランク18の回転速度Cは、例えば、第1クランク回転速度を含む。第2状態におけるクランク18の回転速度Cは、例えば、第2クランク回転速度を含む。第1クランク回転速度は、第2クランク回転速度と異なる。第1クランク回転速度が任意の1つのクランク18の回転速度Cである場合、第2クランク回転速度は、第1クランク回転速度とは異なる全てのクランク18の回転速度Cであってもよい。第1クランク回転速度が任意の1つのクランク18の回転速度である場合、第2クランク回転速度は、例えば、第1クランク回転速度よりも小さい全てのクランク18の回転速度Cであってもよい。第1クランク回転速度は、複数の第1クランク回転速度を含んでいてもよい。第2クランク回転速度は、複数の第2クランク回転速度を含んでいてもよい。第1クランク回転速度は、第1範囲に含まれるクランク18の回転速度Cと対応し、第2クランク回転速度は、第1範囲とは異なる第2範囲に含まれるクランク18の回転速度Cと対応してもよい。
【0080】
第2所定期間は、例えば、第1クランク回転速度に対する第2クランク回転速度の比率に、第1所定期間を乗じた期間である。第1クランク回転速度が第2クランク回転速度よりも小さい場合、例えば、第1所定期間が第2所定期間よりも長くなるように、制御部62は、所定期間を変更するように構成される。第1クランク回転速度が第2クランク回転速度よりも大きい場合、例えば、第1所定期間が第2所定期間よりも短くなるように、制御部62は、所定期間Yを変更するように構成されてもよい。
【0081】
走行状態は、例えば、クランク18の回転速度Cおよび変速比Rを含む。例えば、第1状態におけるクランク18の回転速度Cは、第1クランク回転速度を含み、かつ、第1状態における変速比Rは、第1変速比を含む。例えば、第2状態におけるクランク18の回転速度Cは、第2クランク回転速度を含み、かつ、第2状態における変速比Rは、第2変速比を含む。
【0082】
第1変速比と第2変速比とが同じ、かつ、第1クランク回転速度が第2クランク回転速度よりも小さい場合、例えば、第1所定期間が第2所定期間よりも長くなるように、制御部62は、所定期間Yを変更するように構成される。第1変速比と第2変速比とが同じ、かつ、第1クランク回転速度が第2クランク回転速度よりも大きい場合、例えば、第1所定期間が第2所定期間よりも短くなるように、制御部62は、所定期間Yを変更するように構成されてもよい。
【0083】
第1変速比が第2変速比よりも小さく、かつ、第1クランク回転速度と第2クランク回転速度とが同じ場合、例えば、第1所定期間が第2所定期間よりも長くなるように、制御部62は、所定期間Yを変更するように構成される。第1変速比が第2変速比よりも大きく、かつ、第1クランク回転速度と第2クランク回転速度とが同じ場合、例えば、第1所定期間が第2所定期間よりも短くなるように、制御部62は、所定期間Yを変更するように構成されてもよい。
【0084】
走行状態は、例えば、クランク18の回転速度Cおよび変速段数を含む。例えば、第1状態におけるクランク18の回転速度Cは、第1クランク回転速度を含み、かつ、第1状態における変速段数は、第1変速段数を含む。例えば、第2状態におけるクランク18の回転速度Cは、第2クランク回転速度を含み、かつ、第2状態における変速段数は、第2変速段数を含む。
【0085】
第1変速段数と第2変速段数とが同じ、かつ、第1クランク回転速度が第2クランク回転速度よりも小さい場合、例えば、第1所定期間が第2所定期間よりも長くなるように、制御部62は、所定期間Yを変更するように構成される。第1変速段数と第2変速段数とが同じ、かつ、第1クランク回転速度が第2クランク回転速度よりも大きい場合、例えば、第1所定期間が第2所定期間よりも短くなるように、制御部62は、所定期間Yを変更するように構成されてもよい。
【0086】
第1変速段数が第2変速段数よりも小さく、かつ、第1クランク回転速度と第2クランク回転速度とが同じ場合、例えば、第1所定期間が第2所定期間よりも長くなるように、制御部62は、所定期間Yを変更するように構成される。第1変速段数が第2変速段数よりも大きく、かつ、第1クランク回転速度と第2クランク回転速度とが同じ場合、例えば、第1所定期間が第2所定期間よりも短くなるように、制御部62は、所定期間Yを変更するように構成されてもよい。
【0087】
制御部62は、走行状態に応じて所定期間Yを決定する場合、例えば、車速および変速段数によって、後輪12Rの回転速度およびリアスプロケットの回転速度を算出する。制御部62は、例えば、リアスプロケットの回転速度に基づいて、リアスプロケットの回転位相が、リアスプロケットの変速促進領域と対応する回転位相になるまで回転する時間を算出する。リアスプロケットの変速促進領域と対応する回転位相は、例えば、チェーン38Aが変速促進領域に含まれるスプロケット歯にかかる回転位相である。制御部62は、例えば、リアスプロケットの変速促進領域までにかかる時間に応じて、所定期間Yを決定する。制御部62は、リアスプロケットの変速促進領域と対応する回転位相に達するまでに必要なリアスプロケットの回転量と、リアスプロケットの回転速度とに基づいて、所定期間Yを決定してもよい。
【0088】
制御部62は、例えば、変速比Rまたは変速段数と、クランク18の回転速度Cとに基づいて、リアスプロケットの回転位相が、リアスプロケットの変速促進領域と対応する回転位相になるまで回転する時間を算出してもよい。制御部62は、クランク18の回転速度Cと、変速比Rまたは変速段数との組み合わせに対応する所定期間Yが記載されたテーブルに基づいて、所定期間Yを決定するように構成されてもよい。変速比Rまたは変速段数との組み合わせに対応する所定期間Yが記載されたテーブルは、例えば、記憶部64に記憶される。
【0089】
ディレイラ42Aがリアディレイラを含む場合、所定期間Yは、例えば、クランク18の回転速度C、フロントスプロケットの歯数TF、および、リアスプロケットにおける変速促進領域間の歯数TWにおいて、式(2)の関係が成り立つ期間である。
式(2):Y≧TW/{(C/60)・TF}
【0090】
変速促進領域は、例えば、複数のリアスプロケットの周方向に延び、領域外と比較して、チェーン38Aの架け替わりを促進する領域である。第2回転体36が、複数のリアスプロケットを含む場合、例えば、複数のリアスプロケットのそれぞれは、少なくとも1つの変速促進領域を有する。変速促進領域の数は、例えば、複数のリアスプロケットのうちのリアスプロケットごとに異なる。変速促進領域の数は、例えば、複数のリアスプロケットのうちのリアスプロケットごとに同じであってもよい。
【0091】
リアスプロケットにおける変速促進領域間の歯数TWは、例えば、変速比Rを大きくする場合、チェーン38Aを架け替えた後のリアスプロケットにおける変速促進領域間の歯数TWである。リアスプロケットにおける変速促進領域間の歯数TWは、例えば、変速比Rを小さくする場合、チェーン38Aを架け替える前のリアスプロケットにおける変速促進領域間の歯数TWである。
【0092】
複数の第1回転体34が、複数のフロントスプロケットを含む場合、複数のフロントスプロケットのそれぞれは、少なくとも1つの変速促進領域を有していてもよい。ディレイラ42Aがフロントディレイラを含む場合、フロントスプロケットの歯数TFを、リアスプロケットの歯数に置き換え、リアスプロケットにおける変速促進領域間の歯数TWを、フロントスプロケットにおける変速促進領域間の歯数に置き換えてもよい。
【0093】
制御部62は、所定期間Yを変更する場合、走行状態に基づいて所定期間Yを直線的に変更してもよい。例えば、制御部62が式(2)を用いて所定期間Yを変更する場合、制御部62は、走行状態に基づいて所定期間Yを直線的に変更できる。制御部62は、走行状態に基づいて、所定期間Yを段階的に変更してもよい。制御部62が走行状態に基づいて、所定期間Yを段階的に変更する場合、制御部62は、走行状態に関する所定閾値を用いて、所定期間Yを変更してもよい。
【0094】
制御部62は、クランク18の回転速度Cが所定閾値以上か否かによって、所定期間Yを変更するように構成されてもよい。制御部62は、例えば、クランク18の回転速度Cが所定閾値よりも大きいか否かによって、所定期間Yを変更するように構成されてもよい。制御部62は、例えば、クランク18の回転速度Cに代えて、クランク18に入力される人力トルクが所定閾値以上か否かによって、所定期間Yを変更するように構成されてもよい。制御部62は、例えば、クランク18の回転速度Cに代えて、クランク18に入力される人力トルクが所定閾値よりも大きいか否かによって、所定期間Yを変更するように構成されてもよい。制御部62は、例えば、クランク18の回転速度Cに代えて、ペダル24A,24Bに入力される動力が所定閾値以上か否かによって、所定期間Yを変更するように構成されてもよい。制御部62は、例えば、クランク18の回転速度Cに代えて、ペダル24A,24Bに入力される動力が所定閾値よりも大きいか否かによって、所定期間Yを変更するように構成されてもよい。
【0095】
制御部62は、例えば、クランク18の回転速度Cが第1閾値以下である場合、所定期間Yを第1制御期間に変更するように構成される。第1制御期間は、例えば、クランク18の回転速度Cにかかわらず一定の期間である。第1制御期間は、例えば、クランク18の回転速度Cが第1閾値以下である場合、クランク18の回転速度Cにかかわらず一定の期間である。制御部62は、例えば、式(2)を用いて所定期間Yを第1制御期間に設定する。例えば、式(2)の右辺によって算出された値が、第1制御期間を超える場合、制御部62は、所定期間を第1制御期間に設定する。クランク18の回転速度Cが第1閾値以下の場合、制御部62は、式(2)によって算出される値よりも第1制御期間を優先して設定するように構成されてもよい。例えば、クランク18の回転速度Cが第1閾値以下である場合、制御部62は、式(2)による算出を行わずに、所定期間Yを第1制御期間に変更する。制御部62が走行状態に関する所定閾値を用いて、所定期間Yを変更する場合、第1閾値は、所定閾値よりも小さいことが好ましい。
【0096】
制御部62は、例えば、クランク18の回転速度Cに関する情報が取得されない場合、所定期間Yを第2制御期間に変更するように構成される。第2制御期間は、例えば、第1制御期間と同じである。第2制御期間は、第1制御期間と異なっていてもよい。クランク18の回転速度Cに関する情報が取得されない場合、制御部62は、式(2)によって算出される所定期間Yよりも第2制御期間を優先して設定するように構成されてもよい。例えば、クランク18の回転速度Cに関する情報が取得されない場合、制御部62は、式(2)による算出を行わずに、所定期間Yを第2制御期間に変更する。
【0097】
制御部62は、クランク18の回転速度Cが第2閾値以上である場合、例えば、所定期間Yを第3制御期間に変更するように構成される。第3制御期間は、例えば、式(2)によって算出される所定期間Yよりも優先して設定される。第2閾値は、例えば、第1閾値よりも大きい。制御部62が走行状態に関する所定閾値を用いて、所定期間Yを変更する場合、第2閾値は、所定閾値よりも大きいことが好ましい。第3制御期間は、例えば、クランク18の回転速度Cにかかわらず一定の期間である。第3制御期間は、クランク18の回転速度Cが第2閾値以上である場合、例えば、クランク18の回転速度Cにかかわらず一定の期間である。第3制御期間は、例えば、第1制御期間および第2制御期間よりも短い。
【0098】
図3および図4を参照して、制御部62が所定期間Yを変更する処理が説明される。制御部62に電力が供給されると、例えば、制御部62は処理を開始して図3に示されるフローチャートのステップS11に移行する。制御部62は、図3および図4のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期ごとに図3のステップS11からの処理を繰り返す。
【0099】
制御部62は、ステップS11において、操作装置44に対するユーザの第1操作が開始されているか否かを判定する。制御部62は、例えば、操作装置44から操作装置44の操作に関する信号を受信する場合、操作装置44に対するユーザの第1操作が開始されていると判定する。制御部62は、ステップS11において、操作装置44に対するユーザの第1操作が開始されている場合、ステップS12に移行する。制御部62は、ステップS11において、操作装置44に対するユーザの第1操作が開始されていない場合、処理を終了する。
【0100】
制御部62は、ステップS12において、変速装置42に変速開始信号を送信し、ステップS13に移行する。制御部62は、ステップS13において、回転速度Cに関する情報を取得したか否かを判定する。制御部62は、例えば、クランク回転状態検出部から検出信号を受信する場合、回転速度Cに関する情報を取得したと判定する。制御部62は、ステップS13において、回転速度Cに関する情報を取得した場合、ステップS14に移行する。制御部62は、ステップS13において、回転速度Cに関する情報を取得しない場合、ステップS15に移行する。制御部62は、ステップS15において、所定期間Yを第2制御期間に変更し、ステップS22に移行する。
【0101】
制御部62は、ステップS14において、回転速度Cが第1閾値以下か否かを判定する。制御部62は、ステップS14において、回転速度Cが第1閾値よりも大きい場合、ステップS16に移行する。制御部62は、ステップS14において、回転速度Cが第1閾値以下の場合、ステップS17に移行する。制御部62は、ステップS17において、所定期間Yを第1制御期間に変更し、ステップS22に移行する。
【0102】
制御部62は、ステップS16において、回転速度Cが第2閾値以上か否かを判定する。制御部62は、ステップS16において、回転速度Cが第2閾値よりも小さい場合、ステップS18に移行する。制御部62は、ステップS16において、回転速度Cが第2閾値以上の場合、ステップS19に移行する。制御部62は、ステップS19において、所定期間Yを第3制御期間に変更し、ステップS22に移行する。
【0103】
制御部62は、ステップS18において、走行状態が第1状態か否かを判定する。走行状態が第1状態ではない場合、走行状態は、例えば、第2状態である。走行状態が第1状態の場合、制御部62は、ステップS20に移行する。制御部62は、ステップS20において、所定期間Yを第1所定期間に変更し、ステップS22に移行する。走行状態が第2状態の場合、制御部62は、ステップS21に移行する。制御部62は、ステップS21において、所定期間Yを第2所定期間に変更し、ステップS22に移行する。
【0104】
制御部62は、ステップS22において、変速装置42から変速完了信号を受信したか否かを判定する。変速装置42から変速完了信号を受信した場合、制御部62は、ステップS23に移行する。変速装置42から変速完了信号を受信しない場合、制御部62は、ステップS24に移行する。制御部62は、ステップS24において、判定期間が経過したか否かを判定する。判定期間は、例えば、変速開始信号を送信してから、変速装置42の動作が完了するために必要な時間が経過する期間を含む。判定期間が経過した場合、制御部62は、ステップS23に移行する。判定期間が経過しない場合、制御部62は、ステップS22に移行して、ステップS22からの処理を繰り返す。制御部62は、ステップS24において、判定期間が経過した場合、ステップS23に移行せずに、処理を終了してもよい。
【0105】
制御部62は、ステップS23において、所定期間Yが終了したか否かを判定する。制御部62は、所定期間Yが終了するまでステップS23の処理を繰り返す。所定期間Yが終了した場合、制御部62は、ステップS23に移行する。制御部62は、ステップS25において、第1操作が継続しているか否かを判定する。制御部62は、例えば、所定期間Yの終了後に操作装置44から操作装置44の操作に関する信号の受信が継続されている場合、第1操作が継続されていると判定する。第1操作が継続されている場合、制御部62は、ステップS12に移行する。第1操作が継続されていない場合、制御部62は、処理を終了する。
【0106】
走行状態によって、変速装置42の動作にかかる時間は変化する。変速装置42の動作開始時、または、変速装置42の動作中から、変速装置42の動作を制限する期間のカウントを開始すると、変速装置42の動作にかかる時間を考慮して、変速装置42の動作を制限する期間が不要に長期化するおそれがある。本実施形態の制御部62は、変速装置42の動作の完了後の第1時間から、変速装置42の動作を制限するための所定期間Yのカウントが開始されるため、変速装置42の動作にかかる時間よって所定期間Yが不適切な長さになりにくい。
【0107】
<第2実施形態>
図3および図5を参照して、第2実施形態の人力駆動車用の制御装置60、人力駆動車用のコンポーネント48、および、人力駆動車用のドライブユニット46が説明される。第2実施形態の人力駆動車用の制御装置60、人力駆動車用のコンポーネント48、および、人力駆動車用のドライブユニット46のうちの第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付して重複する説明が省略される。
【0108】
第2実施形態の制御部62は、第1操作の終了後、かつ、所定期間Yの終了前に、操作装置44に対するユーザの第2操作が開始される場合、所定期間Yの終了に応じて変速装置42が次の動作を開始するように変速装置42を制御するように構成される。第1操作および第2操作は、ユーザによって行われる同じ操作であってもよく、異なる操作であってもよい。例えば、第1操作および第2操作は、それぞれ短押しである。短押しは、所定操作期間以下にわたる操作である。制御部62は、第1操作の終了後、かつ、所定期間Yの終了前に、第2操作が開始されると、複数回の連続操作が行われたと判定する。
【0109】
図3および図5を参照して、第2実施形態の制御部62が所定期間Yを変更する処理が説明される。制御部62に電力が供給されると、例えば、制御部62は処理を開始して図3に示されるフローチャートのステップS11に移行する。
【0110】
第2実施形態の制御部62は、図3のステップS11からS21の処理を実行した後、図4のステップS22からS25に代えて、図5のステップS31からS34の処理を実行する。制御部62は、図3および図5のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期ごとに図3のステップS11からの処理を繰り返す。
【0111】
制御部62は、図5のステップS31からS33において、図4のステップS22からS24と同様の処理を行う。制御部62は、所定期間Yが終了するまで、ステップS32の処理を繰り返す。制御部62は、ステップS32において、所定期間Yが終了した場合、ステップS34に移行する。
【0112】
制御部62は、ステップS34において、所定期間Yの終了前に、操作装置44に対するユーザの第2操作が開始されているか否かを判定する。制御部62は、例えば、ステップS11からステップS32の処理の間に、第2操作が開始される場合、フラグをオンに設定する。制御部62は、ステップS34において、フラグがオンの場合、所定期間Yの終了前に、第2操作が開始されていると判定する。所定期間Yの終了前に、第2操作が開始されている場合、制御部62は、ステップS12に移行する。第2操作が開始されていない場合、制御部62は、処理を終了する。
【0113】
<変更例>
各実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のコンポーネント、および、人力駆動車用のドライブユニットが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のコンポーネント、および、人力駆動車用のドライブユニットは、例えば、以下に示される各実施形態の変更例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変更例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変更例において、各実施形態と共通する部分については、各実施形態と同一の符号を付してその説明が省略される。
【0114】
図6に示されるように、制御装置60が変速装置42から離れて設けられる場合、制御装置60は、ドライブユニット46以外の人力駆動車10に設けられるいずれかの部材に設けられてもよく、人力駆動車10の外部に設けられてもよい。
【0115】
図7に示されるように、制御装置60が変速装置42から離れて設けられる場合、操作装置44は、制御部62を介さずに、変速装置42に電気的に接続されてもよい。操作装置44が、制御部62を介さずに、変速装置42に電気的に接続される場合、制御部62は、例えば、変速装置42を介して操作装置44の操作に関する情報を受信するように構成される。
【0116】
図8に示されるように、制御装置60が変速装置42から離れて設けられる場合、コンポーネント48は、例えば、バッテリ40と、制御装置60とを備えていてもよい。コンポーネント48がバッテリ40と、制御装置60とを備える場合、制御装置60は、バッテリ40に設けられてもよい。
【0117】
図9に示されるように、制御装置60が、バッテリ40に設けられる場合、操作装置44は、制御部62を介さずに、変速装置42に電気的に接続されてもよい。操作装置44が、制御部62を介さずに、変速装置42に電気的に接続される場合、制御部62は、例えば、変速装置42を介して操作装置44の操作に関する情報を受信するように構成される。
【0118】
図10に示されるように、人力駆動車用のコンポーネント48は、制御装置60と、変速装置42とを備えていてもよい。コンポーネント48が、制御装置60と、変速装置42とを備える場合、制御装置60は、変速装置42に設けられてもよい。図10の変更例において、人力駆動車10からドライブユニット46を省略してもよい。制御装置60が変速装置42に設けられる場合、変速制御部42Cは、制御部62に含まれていてもよく、制御部62とは別に変速装置42に設けられてもよい。
【0119】
図11に示されるように、制御部62は、ステップS16において、クランク18の回転速度Cが第2閾値よりも小さい場合、ステップS41に移行してもよい。制御部62は、ステップS41において、走行状態に基づいて所定期間Yを変更する。制御部62は、ステップS41において、走行状態と予め記憶部64に記憶される設定情報とを用いて、所定期間Yを決定する。設定情報は、例えば、走行状態と所定期間Yとを関係付けた、テーブル、マップ、および、関係式の少なくとも1つを含む。関係式は、式(2)を含んでいてもよい。制御部62は、ステップS41の処理を完了すると、ステップS22に移行する。
【0120】
・走行状態は、3つ以上の走行状態を含んでいてもよい。走行状態が、3つ以上の走行状態を含む場合、第1状態および第2状態に加えて、第3状態を含んでいてもよい。走行状態が、3つ以上の走行状態を含む場合、それぞれの走行状態に対して所定期間が設定されていてもよい。走行状態が、3つ以上の走行状態を含む場合、第1状態、第2状態、および、第3状態に加えて、第4状態を含んでいてもよい。走行状態が第3状態の場合、所定期間Yが第3所定期間となるように、制御部62は、所定期間Yを変更するように構成されてもよい。第3所定期間は、例えば、第1所定期間および第2所定期間の両方と異なる。走行状態が第4状態の場合、所定期間Yが第4所定期間となるように、制御部62は、所定期間Yを変更するように構成されてもよい。第4所定期間は、例えば、第1所定期間、第2所定期間、および、第3所定期間の全てと異なる。走行状態が、3つ以上の走行状態を含む場合、ステップS18において、複数の走行状態のうちのいずれの走行状態であるかを判定し、走行状態ごとに所定期間Yを変更する処理に移行してもよい。例えば、制御部62は、走行状態が第1走行状態、第2走行状態、第3走行状態、および、第4走行状態を含む場合、図12の処理を行ってもよい。
図12に示されるように、ステップS18において、走行状態が第1走行状態ではない場合、制御部62は、ステップS51に移行する。
制御部62は、ステップS51において、走行状態が第2状態か否かを判定する。制御部62は、ステップS51において、走行状態が第2走行状態の場合、ステップS52に移行する。制御部62は、ステップS52において、所定期間Yを第2所定期間に変更し、ステップS22に移行する。ステップS51において、走行状態が第2走行状態ではない場合、制御部62は、ステップS53に移行する。
制御部62は、ステップS53において、走行状態が第3状態か否かを判定する。走行状態が第3状態の場合、制御部62は、ステップS54に移行する。制御部62は、ステップS54において、所定期間Yを第3所定期間に変更し、ステップS22に移行する。ステップS53において、走行状態が第3走行状態ではない場合、制御部62は、ステップS55に移行する。ステップS53において、走行状態が第1状態、第2状態、および、第3状態ではない場合、走行状態は、第4状態である。制御部62は、ステップS55において、所定期間Yを第4所定期間に変更し、ステップS22に移行する。
【0121】
・制御部62は、クランク18の回転速度Cに代えてまたは加えて、車速に基づいて、所定期間Yを変更してもよい。第1状態における車速は、例えば、第1車速を含む。第2状態における車速は、例えば、第2車速を含む。第1車速が第2車速よりも小さい場合、例えば、第1所定期間が第2所定期間よりも長くなるように、制御部62は、所定期間Yを変更するように構成される。第1車速が第2車速よりも大きい場合、例えば、第1所定期間が第2所定期間よりも短くなるように、制御部62は、所定期間Yを変更するように構成されてもよい。
【0122】
・制御部62は、人力駆動車10の走行状態および走行環境の少なくとも1つに基づいて、変速装置42を動作させるように変速装置42を制御するように構成されてもよい。制御部62は、例えば、クランク18の回転速度C、および、人力駆動力の少なくとも1つが所定範囲内に維持されるように、変速装置42を動作させる。制御部62は、人力駆動車10の走行状態および走行環境の少なくとも1つに基づいて、複数段階にわたり変速比Rを変更するように変速装置42を制御する場合、走行状態に基づいて所定期間Yを変更する。
【0123】
・第2実施形態において、所定期間Yの終了前に操作装置44へのユーザの操作が複数回行われた場合、制御部62は、操作装置44への操作回数と同じ回数の変速装置42の動作が実行されるように変速装置42を制御してもよい。制御部62は、例えば、シフトアップと対応する所定回数の操作が操作装置44に行われた場合、所定回数のシフトアップと対応する変速装置42の動作が実行されるように変速装置42を制御する。制御部62は、例えば、シフトダウンと対応する所定回数の操作が操作装置44に行われた場合、所定回数のシフトダウンと対応する変速装置42の動作が実行されるように変速装置42を制御する。制御部62が操作装置44への操作回数と同じ回数の変速装置42の動作が実行されるように変速装置42を制御する場合、例えば、制御部62は、変速装置42の動作ごとに、所定期間Yを設定する。制御部62が操作装置44への操作回数と同じ回数の変速装置42の動作が実行されるように変速装置42を制御する場合、制御部62は、1つの変速装置42の動作の完了後に所定期間Yが経過すると、次の変速装置42の動作を開始する。
【0124】
・第2実施形態において、制御部62は、操作装置44の操作部の信号の変化に応じて操作装置44の操作部が操作されたことを判定してもよい。例えば、操作装置44の操作部が、操作されるとロー信号からハイ信号に変化するように構成される電気スイッチを含む場合、制御部62は、操作装置44からの信号がロー信号からハイ信号へ変化すると、操作装置44の操作部が操作されたと判定する。制御部62が操作装置44の操作部の信号の変化に応じて操作装置44の操作部が操作されたことを判定する場合、所定期間Yの経過後にハイ信号が継続されていると、制御部62は第2操作が行われたかの判定および次の変速装置42の動作を行わないようにできる。
【0125】
・第1実施形態と第2実施形態とは、組み合わされてもよい。制御部62は、例えば、操作装置44を長押しする場合の制御と、操作装置44を短押しする場合の制御とを組み合わせてもよい。例えば、所定期間Yが終了する前に、ユーザが操作装置44への操作を一旦解除して再び操作装置44の操作を開始し、所定期間Yの終了時に、操作装置44へのユーザの操作が継続されている場合、制御部62は、変速装置42の動作を2回繰り返すように変速装置42を制御する。
【0126】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0127】
10…人力駆動車、18…クランク、24A…ペダル、24B…ペダル、38A…チェーン、42…変速装置、44…操作装置、46…ドライブユニット、48…コンポーネント、52…スプロケット、60…制御装置、62…制御部、66A…受信部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12