(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176079
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】取付システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20231206BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088167
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】512165628
【氏名又は名称】サイトセンシング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】興梠 正克
(72)【発明者】
【氏名】平林 隆
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】所定の振動に基づいて位置情報を追跡する位置情報追跡装置を目的主体に装着するための取付システムを提供すること。
【解決手段】取付システム4は、振動に基づいて位置情報を追跡する位置情報追跡装置1対象Tたるドローン等に装着する取付システムであって、位置情報追跡装置1を対象Tの所定の部位に脱着自在に接合する接合部を備える。また、接合部は、位置情報追跡装置1を装着した状態で、対象Tの振動のうち少なくとも所定の周波数の振動を位置情報追跡装置1に伝導する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の振動に基づいて位置情報を追跡する所定の位置情報追跡装置を目的主体に装着する取付システムであって、
前記所定の位置情報追跡装置を前記目的主体の所定の部位に脱着自在に接合する接合部を備え、
前記接合部は、前記所定の位置情報追跡装置を装着した状態で、前記目的主体の振動のうち少なくとも所定の周波数の振動を前記位置情報追跡装置に伝導する、
取付システム。
【請求項2】
前記所定の位置情報追跡装置は、伝導された前記所定の周波数の振動に基づいて、前記目的主体の不具合の可能性を報知する不具合報知手段、
をさらに備える請求項1に記載の取付システム。
【請求項3】
前記所定の位置情報追跡装置は、伝導された前記所定の周波数の振動に基づいて、前記所定の部位の特性に応じた位置情報の補正を実行する位置情報補正手段、
をさらに備える請求項1に記載の取付システム。
【請求項4】
前記所定の位置情報追跡装置は、前記目的主体の移動経路の指示情報を記憶する移動経路指示情報記憶手段、
をさらに備える請求項1に記載の取付システム。
【請求項5】
前記所定の位置情報追跡装置は、GNSS(GPS)環境の有無に関わりなく位置情報を追跡する、
請求項1に記載の取付システム。
【請求項6】
前記所定の位置情報追跡装置は、前記目的主体からの情報を前記所定の位置情報追跡装置の位置情報に関連付けてユーザに送信する目的主体情報送信手段、
をさらに備える請求項1に記載の取付システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、床に設置したセンサを用いて、対象者に無線デバイスの携帯を強いることなく、対象者の位置を追跡することができる位置追跡システムに関する技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、位置情報の追跡の様々な目的主体に位置情報追跡装置を着脱自在に装着できる取付システムは提案されていなかった。
即ち、所定の振動に基づいて位置情報を追跡する所定の位置情報トラッキング装置を目的主体に脱着自在に装着しつつ、当該目的主体の所定の周波数の振動を確実に当該位置情報追跡装置に伝導することができるといった、利便性の向上が求められていた。
【0005】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、所定の振動に基づいて位置情報を追跡する位置情報追跡装置を目的主体に装着するための取付システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の取付システムは、
所定の振動に基づいて位置情報を追跡する所定の位置情報追跡装置を目的主体に装着する取付システムであって、
前記所定の位置情報追跡装置を前記目的主体の所定の部位に脱着自在に接合する接合部を備え、
前記接合部は、前記所定の位置情報追跡装置を装着した状態で、前記目的主体の振動のうち少なくとも所定の周波数の振動を前記位置情報追跡装置に伝導する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所定の振動に基づいて位置情報を追跡する位置情報追跡装置を目的主体に装着するための取付システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る取付システムを用いて取り付けられた位置情報追跡装置を用いて実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
【
図2】
図1の本サービスの実現における情報処理の概要を示す図である。
【
図3】
図1及び
図2の本サービスが適用される情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図4】
図3に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図3の情報処理システムを構成する
図4のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る取付システムを用いて取り付けられた位置情報追跡装置を用いて実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
本サービスは、本発明の一実施形態に係る位置情報追跡装置1が取付システム(例えば、
図2の取付システム4)を介して対象Tに装着されることにより、当該対象Tの位置情報を追跡すると共に、各種機能が提供されるものである。
以下、
図1のステップST11乃至ST16の流れに沿って、本サービスの概要について説明する。
【0010】
図1のステップST11において、位置情報追跡装置1が、本発明の一実施形態に係る取付システム(例えば、
図2の取付システム4)を介して対象Tに対して装着される。
位置情報追跡装置1は、6軸センサや、GPS(Global Positioning System)及びGNSS(Global Navigation Satellite System)といった位置情報取得技術のための各種センサが備えられている。
また、対象Tとしては、例えば、ドローンや車両、人等任意の目的対象が採用される。以下、対象Tは、飛行して移動するドローンであるものとして説明する。
【0011】
次に、ステップST12において、ユーザ端末3に本サービス専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「専用アプリ」と呼ぶ)がダウンロードされる。
ユーザは、自身の所有するユーザ端末3を用いて本サービスを利用できるようにする。
ここで、ユーザ端末3は、本サービスのユーザにより利用される端末である。ユーザ端末3は、本サービスで位置情報追跡装置1に所定処理を行わせるための設定や、位置情報追跡装置1から取得されたデータにもとづく各種データの閲覧等を行うための各種処理を実行する。
【0012】
次に、ステップST13において、ユーザ端末3から位置情報追跡装置1に対して、適宜、専用アプリが転送される。これにより、位置情報追跡装置1は、本サービスのための位置情報の追跡機能を発揮することができるようになる。
本サービスにおいて、位置情報追跡装置1は、6軸センサやGPS、GNSS等のセンサのデータに基づいて、位置情報等の分析処理を実行する。当該部戦記処理の具体的内容は、本願の出願人により出願されて特許された特許5704561号や第6644396号やの特許公報等に詳しい。
具体的には、例えば、位置情報追跡装置1は、6軸センサやGPS、GNSS等のセンサのデータに基づいて、速度情報を推定(算出)し、推定された速度情報を積分処理することにより、位置情報を算出する。
従来のカーナビ等における位置情報は、GPSやGNSS等の情報に基づいて、地図情報及び車から取得された速度情報を用いることによりGPSやGNSSが取得できない位置においても、地図上の位置を算出するものである。
これに対して、本サービスの位置情報追跡装置1は、GPSやGNSS等の情報に基づいて、GPS、GNSS等の情報が取得できない場所においては、6軸センサの情報を加味して算出された位置情報を用いるものである。更に言えば、6軸センサの情報を加味する際には、単に加速度センサの時間についての2階積分の値を位置情報として採用するのではなく、加速度センサの情報に基づいて推定された速度情報を時間について1階積分することにより精度が向上されるのである。
【0013】
次に、ステップST14において、サーバ2は、計測や演算により得られた計測データや撮影された画像データを、位置情報追跡装置1から吸い上げる。
ここで、サーバ2は、本サービスのサービス提供者により管理される情報処理装置である。
なお、サーバ2は、上述の位置情報の算出のための処理の一部又は全部を実行することもできる。
【0014】
次に、ステップST15において、ユーザ端末3は、撮影データや計測データの表示を行う。
これにより、ユーザは、対象Tたるドローン等において撮影された画像のデータや、計測データを確認することができるようになる。このように、本サービスは、人や車両を測位し、移動や滞留状況を見える化することができる。
具体的には、例えば、対象Tがドローンの場合においては、自動飛行や撮影(偵察、点検、計器類の読取、3Dモデル作成)が可能となるのである。
【0015】
以上、
図1のステップST11乃至ST16の流れに沿って、本サービスの概要について説明した。
以下、
図2のステップST21乃至ST29に基づいて、本サービスの情報処理の概要について説明する。
【0016】
図2は、
図1の本サービスの実現における情報処理の概要を示す図である。
図2に示すように、位置情報追跡装置1は、取付システム4を介して、対象Tに接合されている。
ステップST21において、対象Tから取付システム4を介して位置情報追跡装置1に振動の伝達が行われる。
振動には、対象Tの移動に伴う加速度や、モータの駆動や風等による対象Tの振動等各種書くような振動が含まれる。
位置情報追跡装置は、ステップST21において伝達された振動の情報を、6軸センサ等により取得することができる。
位置情報追跡装置1は、6軸センサにより取得された振動の情報に基づいて、以下のステップST22乃至ST26の処理を実行することができる。
【0017】
ステップST22において、位置情報追跡装置1は、位置情報の追跡のための処理を実行する。
位置情報の追跡のための処理により、対象Tの位置に関する情報が生成される。なお、位置情報の追跡のための処理における具体的な処理内容については、
図5を用いて後述する。
【0018】
ステップST23において、位置情報追跡装置1は、不具合の報知のための処理を実行する。
不具合の報知のための処理により、対象Tの不具合に関する情報が生成される。なお、不具合の報知のための処理における具体的な処理内容については、
図5を用いて後述する。
【0019】
ステップST24において、位置情報追跡装置1は、位置情報の補正のための処理を実行する。
位置情報の補正のための処理により、対象Tの位置に関する情報が補正される。なお、位置情報の補正のための処理における具体的な処理内容については、
図5を用いて後述する。
【0020】
ステップST25において、位置情報追跡装置1は、移動経路指示情報の記憶制御のための処理を実行する。
移動経路指示情報の記憶制御のための処理により、対象Tの移動経路の指示に関する情報が記憶される。なお、移動経路指示情報の記憶制御のための処理における具体的な処理内容については、
図5を用いて後述する。
【0021】
ステップST26において、位置情報追跡装置1は、ドローン情報送信のための処理を実行する。
ドローン情報送信のための処理により、対象Tの情報が送信される。なお、対象Tたるドローン情報の送信の処理における具体的な処理内容については、
図5を用いて後述する。
【0022】
ステップST27において、上述のステップST22乃至ST26の処理において生成等された各種情報は、適宜、対象Tたるドローン等に送信され、移動の制御や撮像の制御に利用される。
【0023】
ステップST28において、上述のステップST22乃至ST26の処理において生成等された各種情報は、サーバ2に適宜送信される。
【0024】
ステップST29において、上述のステップST28においてサーバ2に送信された各種情報はユーザ端末3に表示される。
【0025】
次に、
図3を参照して、上述した本サービスの提供を実現化させる情報処理システムの構成について説明する。
図3は、
図1及び
図2の本サービスが適用される情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0026】
図3に示す情報処理システムは、位置情報追跡装置1と、サーバ2と、ユーザ端末3とを含むように構成されている。
位置情報追跡装置1、サーバ2、及びユーザ端末3は、インターネット等の所定のネットワークNWを介して相互に接続されている。
【0027】
位置情報追跡装置1は、取付システム4を介して、図示せぬ対象T(ドローン等)に接合される情報処理装置である。位置情報追跡装置1は、対象Tの移動や各種機能の発揮のための制御処理を実行する。
【0028】
サーバ2は、サービス提供者により管理される情報処理装置である。サーバ2は、位置情報追跡装置1、及びユーザ端末3と適宜通信をしながら、本サービスを実現するための各種処理を実行する。
【0029】
ユーザ端末3は、ユーザが操作する情報処理装置である。ユーザ端末3は、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン等で構成される。
ユーザ端末3は、例えばユーザによる各種情報の入力操作を受け付けてサーバ2に送信したり、サーバ2から送信されてきた各種情報を受信して表示したりする。
【0030】
図4は、
図2に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0031】
サーバ2は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0032】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0033】
CPU11、ROM12、及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0034】
入力部16は、例えばキーボード等により構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(例えば
図2の位置情報追跡装置1及びユーザ端末3)との間で通信を行う。
【0035】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア40が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア40から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア40は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0036】
なお、図示はしないが、
図2の位置情報追跡装置1及びユーザ端末3も、
図4に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。したがって、位置情報追跡装置1及びユーザ端末3のハードウェア構成についての説明は省略する。
ただし、位置情報追跡装置1は、入力部として、6軸センサ及びGPSやGNSSによる情報を取得するためのセンサや受信機を有している。
【0037】
このような
図4のサーバ2の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、各種処理の実行が可能になる。その結果、上述の本サービスを提供することができる。
以下、
図3の情報処理システムのうち
図4のサーバ2の機能的構成について説明する。
図5は、
図3の情報処理システムを構成する
図4のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0038】
図5に示すように、位置情報追跡装置1においては、位置情報追跡部51と、不具合報知部52と、位置情報補正部53と、位置経路指示情報記憶制御部54と、ドローン情報送信部55とが機能する。
記憶部18の一領域には、位置情報DB61と、移動経路指示情報DB62とが設けられている。
【0039】
まず、前提として、振動に基づいて位置情報を追跡する位置情報追跡装置1は、取付システム4により、対象Tたるドローンとが装着されている。これにより、対象Tにおいて発生した振動が取付システム4を介して位置情報追跡装置1に伝達される。位置情報追跡装置1においては、6軸センサのデータを取得することができる。
【0040】
取付システム4は接合部を有し、当該接合部は、位置情報追跡装置1を、対象Tの所定の部位に脱着自在に接合する。
また、取付システム4の接合部は、位置情報追跡装置1を装着した状態で、対象Tの振動のうち少なくとも所定の周波数の振動を位置情報追跡装置1に伝導する。
位置情報追跡部51は、取得された対象Tの振動のうち所定の周波数の振動に基づいて、対象Tの位置情報を追跡するための処理を実行する。
【0041】
即ち例えば、位置情報追跡部51は、6軸センサの情報に基づいて対象Tの算出された位置情報を算出する。具体的には例えば、位置情報追跡部51は、6軸センサの情報に基づいて速度情報推定する。そして、位置情報追跡部51は、推定された速度情報を時間について積分することにより、対象Tの位置情報を追跡する。
このように、位置情報追跡装置1は、位置情報追跡部51GNSS(GPS)環境の有無に関わりなく位置情報を追跡する、ことができる。
これにより、ユーザは、GNSS(GPS)環境の有無に関わりなく(構内・施設の内部等においても)対象Tの位置情報を自律的に追跡することができる。
【0042】
これにより、対象T振動に基づいて位置情報を追跡する位置情報トラッキング装置を対象Tに脱着自在に装着しつつ、対象Tの所定の周波数の振動を確実に位置情報追跡装置1に伝導することができる。即ち、振動に基づいて位置情報を追跡する位置情報追跡装置1を対象Tに装着するための取付システム4が提供される。
なお、位置情報追跡部51は、適宜、対象Tの位置情報を位置情報DB61に記憶させて管理する。
【0043】
不具合報知部52は、伝導された周波数の振動に基づいて、対象Tの不具合の可能性を検出し、検出された対象Tの不具合の可能性をユーザに報知する。
これにより、位置情報追跡装置1を運用しつつ、ユーザは対象の不具合を的確に知ることができる。
【0044】
位置情報補正部53は、伝導された振動の周波数に基づいて、所定の部位の特性に応じた位置情報の補正を実行する。
これにより、ユーザの手を煩わせることなく、対象Tの位置情報の補正を行うことができる。
【0045】
位置経路指示情報記憶制御部54は、対象Tの移動経路の指示情報を移動経路指示情報DB62に記憶する制御を実行する。
移動経路指示情報DB62に記憶された対象Tの移動経路の指示情報は、対象Tに備えられたフライトコントローラ・ナビゲーションに提供される。
これにより、例えばフライトコントローラーやナビゲーション装置等の対象Tの移動を制御する制御装置と連動して対象Tを移動させることができる。
【0046】
ドローン情報送信部55は、対象Tからの情報を位置情報追跡装置1の位置情報に関連付けて(適宜サーバ2を介して)ユーザ端末3に送信する。
これにより、ユーザは、例えばドローンから送信された撮影画像/センサからの人体のデータ等を追跡した位置情報に関連付けて知ることができる。
【0047】
以下、上述の機能を発揮させるにあたり好適な、取付システム4の仕様について説明する。
【0048】
取付システム4の取付方法については以下のような形態が好適である。
即ち、取付方法は、対象Tが「人」であるときと、それ以外の「機械」(車両やドローン)であるときで異ならせるとよい。
【0049】
例えば、対象Tが人である場合は、以下の通りとするのが好適である。
即ち、対象Tが人の場合、その人体に位置情報追跡装置1を直接取り付けることが困難であるため、通常は装着具・衣服のような人に着せて使える装具に便乗した(非侵襲的な)取付方法が好適である。
例えば、位置情報追跡装置1の取付方法として、およそ人体の装着具は候補となり得る。即ち、人体への装着具と位置情報追跡装置1とを取り付けることにより、位置情報追跡装置1が人体に対して固定される。
なお、位置情報追跡装置1と、人体とは、実際には完全に固定させる必要はない。即ち、歩行動作の周波数帯(0.5Hzから3Hzの周波数帯)を適切に伝達することができれば足りる。即ち、歩行動作の周波数帯を増幅等させない限り、位置情報追跡装置1の動きの自由度は許容される。
【0050】
具体的には例えば、対象Tが人の場合、取付方法として、「装着した腰ベルトの上に取り付ける方法」、「装着したウェストポーチ内に取り付ける方法」、「腕時計(腕ベルト)の内部に取り付ける方法」、「足ベルト上に取り付ける方法」、「靴の内部(靴底など)に取り付ける方法」、「装着した肩掛けポーチ内に取り付ける方法」、「首かけポーチ内に取り付ける方法」等が採用され得る。
【0051】
また、対象Tが機械である場合は、以下の通りとするのが好適である。
即ち、対象Tが人の場合、その対象Tに対して位置情報追跡装置1を接着・固定する問売り付け方法が採用される。
例えば、その対象Tたる機械が所定の外部装置(例えば、位置情報追跡装置1や所定のカメラなど)を取付するためのネジ穴を有している場合、ぐらつきやあそびの無いネジ留めによる金属部品を用いた固定方法が好適である。
ただし、ネジ留めの場合は、固定方法によっては固定具と位置情報追跡装置1の間にぐらつき・あそびが発生し、これらが共振現象を引き起こすときがある。このようなときには、固定具と位置情報追跡装置1の間には緩衝材を挿入するとよい。
【0052】
対象Tたる機械が所定の外部装置を取付するためのネジ穴を有していないとき(即ち、後付け需要のあるときなど)は、取付先の機械部分が鉄板などの磁性体の際には、強力な磁石を用いて接合する方法が好適である。
また例えば、位置情報追跡装置1と対象Tとを粘着テープを用いて、両面留め(両面テープによる固定)あるいは外側から包み込むように留める方法も好適である。これらの取付方法のうち最良な取付方法は、ユーザ側の要請によってしばしば変わる。
【0053】
具体的には例えば、対象Tが機械の場合、取付方法として、「ネジ留めによる固定」、「磁気接合による固定」、「粘着接合による固定(両面テープなど)」、「紐かけによる固定(結束バンドなど)」、「溶接などによる半永久的な固定(機械から電力供給が期待できる場合など)」等が採用され得る。
【0054】
また、取付システム4や(接合部)の素材について、以下のように素材の選定をするとよい。
即ち、位置情報追跡装置1は、6軸センサといった(慣性計測装置、IMU)などに加え、磁気センサを使う場合がある。このような場合においては、磁場を付加あるいは歪める効果(それぞれhard-iron・soft-iron効果に対応する)を有する素材は採用しないように素材の選定をするのがよい。そのような素材が使われていると、実際の利用時に、磁気センサ校正の作業が必要となり、煩雑となる。しかしながら、磁気センサを使わない場合は、この制約を取り除き、磁場を付加或いは蹄る効果を有する素材を採用してもよい。
【0055】
具体的には例えば、時期センサを使う場合、素材として、「磁性体の素材(鉄・ニッケルなど)、磁石」、「フェライト素材」等は避けるのが好適である。
【0056】
なお、一般論として、位置情報追跡装置1が加速度(=変位の2階微分)ベースであるとき、計測すべき(見るべき)振動周波数帯を変調しない素材であると好適である。即ち、計測すべき周波数帯のいずれの周波数帯も等倍で(増幅も減衰もせず)通過させる素材であると特に好適である。
具体的には例えば、対象Tが人である場合は、計測すべき周波数帯は0.5~3Hz帯となるような低周波数帯であるため、伸縮しない紐などの素材で首かけ・肩掛けなどによって装着されてもよい。しかしながら、ゴム紐などの伸縮する紐で装着された場合、低周波数帯を増幅させることがあり得るため、不良な素材となり得る。低周波数帯の共振を引き起こさない場合は、装具として使われている素材は利用可能である。金属部品は一般的に人体との親和性が低いため、計測条件としては問題ないものの、実際の利用シーンでは避けた方が良いことが多い。
【0057】
具体的には例えば、対象Tが人の場合、素材として、「布類(衣服や装具として使われる素材)」、「プラスチック部品+布類」、「金属部品+布類」が採用され得る。
【0058】
また、対象Tが機械である場合は、人の場合と異なり、より広帯域の振動成分に着目することとなる。このため、前述の通り、共振現象(特定の周波数帯の振動が増幅される現象)を避ける必要があるため、これらの現象を防ぐ緩衝材としてのゴム部品などを利用するのが好適である。プラスチック部品などでの固定についても同様に、共振現象を起こさない取付の組み合わせを考える。
【0059】
具体的には例えば、対象Tが機械の場合、取付方法として、「金属部品+緩衝材(ゴムなど)」、「プラスチック部品+緩衝材(ゴムなど)」、「粘着剤(強力両面テープなど)」等が採用され得る。
【0060】
また、位置情報追跡装置1と、対象Tの部位のうち取付システム4(特に接合部)が付されるべき位置について、以下のとおりとするのが好適である。
対象Tが人に装着(取付)である場合、位置情報追跡装置1は、対象Tたる人の重心に近い位置に付されるのが好適である。具体的には例えば、およそへその位置であり、その位置近辺に置かれること、特に好適である。
【0061】
具体的には例えば、対象Tが人の場合、取付位置として、「腰ベルトの前側や後ろ側」、「ウェストポーチを腹側または背中側に配置」等が採用され得る。
【0062】
対象Tたる人の重心に近い位置に付すことが難しい場合、人の左右中心線上の位置に存在すると好適である。さらに、これも難しい場合は、ユーザ側が許容する条件から、取り付けられるところに取り付けることとなる。
一方で、振動ベースではなく加速度積分(慣性航法)ベースの人の位置推定の方法論が採用される場合、その場合は足に取り付けると好適である。
【0063】
具体的には例えば、対象Tが人の場合、慣性航法ベースの位置推定方法を用いるとき、「靴底部分への取付」、「足ベルト上への取付」等が採用され得る。
【0064】
次に、対象Tとしての「機械」に取り付ける場合は、計測すべき(見るべき)振動の発生源が複数存在することがしばしばあるため、これらの複数個の振動発生源からの距離が振動の伝達距離として等距離となる点が特に好適である。また、計測すべき振動以外の振動発生源が存在する場合、その発生源からは遠ざけた位置が好適である。
【0065】
具体的には例えば、対象Tが4輪のガソリンエンジン自動車の場合、自動車には、能動的に振動を発生させるエンジンが搭載されている。そして、そのエンジンの振動にはしばしば測位に資することのない別要因の大きな振動成分が混入する。そのため、これを遠ざけた位置に位置情報追跡装置1を配置すると好適である。
また、例えば、対象Tがドローン(クアドコプタ等、飛行して移動する移動体)の場合、最大の振動の発生源は4つのモータ部分となる。そのため、4つのモータから概ね等距離となる位置は、ドローンの本体フレームの中心部分となり、この位置(概ねフライトコントローラと同じ位置)に位置情報追跡装置1を配置するとより好適である。
【0066】
具体的には例えば、対象Tが動力源(内燃機関やモータ)を有する場合、「車輪(4つ)から等距離となる中心部分(台車などの受動車両の場合)」「観測対象ではないエンジンなどの大きな振動源から遠ざけて、かつ車輪から等間隔となるような位置(エンジン車などの能動車両の場合)」「ドローン本体フレームの中心部分」の位置に位置情報追跡装置1を配置するのが好適である。
【0067】
本実施形態の取付システム4は、上述したように対象Tや位置情報追跡装置1における各種処理に応じた取付方法や素材、取付位置が採用される。
【0068】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものとみなす。
【0069】
例えば、
図3に示すシステム構成、及び
図4に示すサーバ2のハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0070】
また、
図5に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が
図3の情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは、特に
図5の例に限定されない。
【0071】
また、機能ブロックの存在場所も、
図6に限定されず、任意でよい。
例えば位置情報追跡装置1側に配置された機能ブロックの少なくとも一部を、サーバ2側、ユーザ端末3側又は、図示せぬ他の情報処理装置が備える構成としてもよい。
【0072】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0073】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0074】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0075】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0076】
以上をまとめると、本発明が適用される取付システムは、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される取付システム(例えば取付システム4)は、
所定の振動に基づいて位置情報を追跡する所定の位置情報追跡装置(例えば位置情報追跡装置1)を目的主体(例えば対象Tたるドローン)に装着する取付システム(例えば取付システム4)であって、
前記所定の位置情報追跡装置を前記目的主体の所定の部位に脱着自在に接合する接合部を備え、
前記接合部は、前記所定の位置情報追跡装置を装着した状態で、前記目的主体の振動のうち少なくとも所定の周波数の振動を前記位置情報追跡装置に伝導する。
【0077】
これにより、所定の振動に基づいて位置情報を追跡する所定の位置情報トラッキング装置を目的主体に脱着自在に装着しつつ、当該目的主体の所定の周波数の振動を確実に当該位置情報追跡装置に伝導することができる。即ち、所定の振動に基づいて位置情報を追跡する位置情報追跡装置を目的主体に装着するための取付システムが提供される。
【0078】
前記所定の位置情報追跡装置は、伝導された前記所定の周波数の振動に基づいて、前記目的主体の不具合の可能性を報知する不具合報知手段(例えば不具合報知部52)、をさらに備えることができる。
【0079】
これにより、位置情報追跡装置を運用しつつ、ユーザは目的主体の不具合を的確に知ることができる。
【0080】
前記所定の位置情報追跡装置は、伝導された前記所定の周波数の振動に基づいて、前記所定の部位の特性に応じた位置情報の補正を実行する位置情報補正手段(例えば位置情報補正部53)、をさらに備えることができる。
【0081】
これにより、ユーザの手を煩わせることなく、位置情報の補正を行うことができる。
【0082】
前記所定の位置情報追跡装置は、前記目的主体の移動経路の指示情報を記憶する移動経路指示情報記憶手段(例えば位置経路指示情報記憶制御部54)、をさらに備えることができる。
【0083】
これにより、例えばフライトコントローラーやナビゲーション装置等の目的主体の移動を制御する制御装置と連動して目的主体を移動させることができる。
【0084】
前記所定の位置情報追跡装置は、GNSS(GPS)環境の有無に関わりなく位置情報を追跡する、ことができる。
【0085】
これにより、GNSS(GPS)環境の有無に関わりなく(構内・施設等においても)目的主体の位置情報を自律的に追跡することができる。
【0086】
前記所定の位置情報追跡装置は、前記目的主体からの情報を前記所定の位置情報追跡装置の位置情報に関連付けてユーザに送信する目的主体情報送信手段(例えばドローン情報送信部55)、をさらに備えることができる。
【0087】
これにより、ユーザは、例えばドローンから送信された撮影画像/センサからの人体のデータ等を追跡した位置情報に関連付けて知ることができる。
【符号の説明】
【0088】
1・・・位置情報追跡装置、2・・・サーバ、3・・・ユーザ端末、4・・・取付システム、51・・・位置情報追跡部51、52・・・不具合報知部、53・・・位置情報補正部、54・・・位置経路指示情報記憶制御部、55・・・ドローン情報送信部、61・・・位置情報DB、62・・・移動経路指示情報DB