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特開2023-176095マグネシウム空気電池用正極およびマグネシウム空気電池
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  • 特開-マグネシウム空気電池用正極およびマグネシウム空気電池 図1
  • 特開-マグネシウム空気電池用正極およびマグネシウム空気電池 図2
  • 特開-マグネシウム空気電池用正極およびマグネシウム空気電池 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176095
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】マグネシウム空気電池用正極およびマグネシウム空気電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/86 20060101AFI20231206BHJP
   H01M 12/06 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
H01M4/86 M
H01M12/06 F
H01M12/06 D
H01M4/86 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088193
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】TOPPANエッジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊勢谷 之彦
(72)【発明者】
【氏名】中山 真知子
【テーマコード(参考)】
5H018
5H032
【Fターム(参考)】
5H018AA10
5H018BB03
5H018BB06
5H018BB08
5H018BB12
5H018DD06
5H018EE02
5H018EE03
5H018EE05
5H018EE07
5H018EE08
5H018EE19
5H018HH09
5H032AA02
5H032AS02
5H032AS11
5H032AS12
5H032CC14
5H032HH00
(57)【要約】
【課題】電池性能を向上することができるマグネシウム空気電池用正極およびマグネシウム空気電池を提案する。
【解決手段】マグネシウム空気電池用正極は、金属製の多孔質層と、多孔質層を挟んで対向する第1導電層および第2導電層と、第2導電層を挟んで多孔質層の反対側に位置するカーボンペーパーとを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の多孔質層と、
前記多孔質層を挟んで対向する第1導電層および第2導電層と、
前記第2導電層を挟んで前記多孔質層の反対側に位置するカーボンペーパーと
を備える、マグネシウム空気電池用正極。
【請求項2】
前記カーボンペーパーは、タテ引張強度が50[N/50mm]以上であり、タテ引裂強度が1000[mN]以上である、請求項1に記載のマグネシウム空気電池用正極。
【請求項3】
請求項1または2に記載のマグネシウム空気電池用正極を有する正極と、
マグネシウムを含有する負極と、
前記正極と前記負極との間に位置し、前記第1導電層および前記負極に接触する電解液と
を備え、
前記カーボンペーパーは、酸素を含有する気体に接触する、マグネシウム空気電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マグネシウム空気電池用正極およびマグネシウム空気電池に関する。
【背景技術】
【0002】
空気中の酸素を取り込み、マグネシウム、アルミニウムなどの金属と反応させて発電させる金属空気電池が知られている(下記の特許文献1、2等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-186150号公報
【特許文献2】特開2018-200782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術には改善の余地がある。例えば、負極にマグネシウムを有するマグネシウム空気電池は、他の金属空気電池と比較して安全性が高い一方、電池性能のさらなる向上が望まれている。
【0005】
そこで、本開示では、電池性能を向上することができるマグネシウム空気電池用正極およびマグネシウム空気電池を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示に係るマグネシウム空気電池用正極は、金属製の多孔質層と、多孔質層を挟んで対向する第1導電層および第2導電層と、第2導電層を挟んで多孔質層の反対側に位置するカーボンペーパーとを備える。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、電池性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係るマグネシウム空気電池用正極の一例を示す図である。
図2】実施形態に係るマグネシウム空気電池の一例を示す図である。
図3】マグネシウム空気電池を用いた測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0010】
(1.実施形態)
(1-1.実施形態に係るマグネシウム空気電池用正極の一例)
まず、図1を用いて、マグネシウム空気電池用正極の構成について説明する。図1は、実施形態に係るマグネシウム空気電池用正極の一例を示す図である。
【0011】
図1に示すマグネシウム空気電池用正極(以下、「正極」とも称する)1は、多孔質層2と、第1導電層3と、第2導電層4と、カーボンペーパー5とを備える。
【0012】
多孔質層2は、多孔質であり、ガス透過性を有する。多孔質層2は、例えば、メッシュ状の材料であってもよい。多孔質層2は、金属製の部材である。多孔質層2の材料は、例えば、銅(Cu)である。多孔質層2の材料は、例えば、金(Au)またはステンレス鋼など、銅以外の金属であってもよく、合金であってもよい。また、表面がめっき処理された多孔質の金属材料を多孔質層2としてもよい。
【0013】
第1導電層3は、多孔質層2の一方面側に位置している。第1導電層3は、炭素材料とバインダとを有する。第1導電層3は、例えば、導電性炭素材料(導電性カーボン)、繊維状炭素材料(カーボンファイバー)および活性炭といった、特性の異なる複数の炭素材料を含有する。
【0014】
導電性カーボンは、主として第1導電層3の導電性に寄与する。導電性カーボンは、例えば、カーボンブラック(ケッチェンブラック)、VGCF(登録商標)であってもよい。第1導電層3が有する導電性カーボン(ケッチェンブラックおよびVGCF(登録商標))のうち、ケッチェンブラックが占める割合は、例えば、20(質量%)~100(質量%)とすることができる。すなわち、VGCF(登録商標)は、任意成分であり、第1導電層3に含まれなくてもよい。
【0015】
カーボンファイバーは、主として第1導電層3の保形性に寄与する。活性炭は、主として第1導電層3における空気の保持に寄与する。
【0016】
第1導電層3が含有する複数の炭素材料のうち、導電性カーボン、カーボンファイバーおよび活性炭の割合は、例えば、導電性カーボン:カーボンファイバー:活性炭=10[質量%]~50[質量%]:10[質量%]~40[質量%]:20[質量%]~80[質量%](ただし、導電性カーボン、カーボンファイバーおよび活性炭の総量は100[質量%]とする)とすることができる。第1導電層3がこのような割合で複数の炭素材料を含有することにより、マグネシウム空気電池用正極1の性能を向上することができる。
【0017】
バインダは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂を含有してもよい。第1導電層3は、バインダを含有することで撥水性を有する。第1導電層3が有する炭素材料およびバインダのうち、炭素材料が占める割合は、例えば、30[質量%]~50[質量%]とすることができる。
【0018】
また、第1導電層3は、触媒を有する。触媒は、例えば、第1導電層3に供給された酸素(O)を分解し、OHを発生させる。かかる触媒としては、例えば、白金(Pt)を使用することができる。触媒は、例えば粒子状の単体であってもよく、例えば、炭素材料その他の導電性を有する担体に担持された担持触媒であってもよい。なお、第1導電層3が有する触媒は、白金(Pt)に限らず、上記した性能を有するものであればいかなる物質を使用してもよく、例えば、Ag、Ni、Pdなどであってもよい。
【0019】
第2導電層4は、多孔質層2の他方面側に位置している。第1導電層3および第2導電層4は、多孔質層2を挟んで対向する。第2導電層4は、炭素材料とバインダとを有する。炭素材料およびバインダとしては、第1導電層3と同様のものを使用することができる。炭素材料およびバインダの配合量は、第1導電層3と同じであってもよく、異なってもよい。
【0020】
カーボンペーパー5は、第2導電層4を挟んで多孔質層2の反対側に位置する。カーボンペーパー5は、例えば、炭素の短繊維がランダムに配向されたフェルト状のいわゆるカーボンマットであってもよい。
【0021】
カーボンペーパー5は、例えば、タテ引張強度が50[N/50mm]以上であり、タテ引裂強度が1000[mN]以上である。かかる特性を有するカーボンペーパー5は、優れた保形性を有し、特に、曲げなどに強く耐久性を有し、マグネシウム空気電池用正極1の形状を長期にわたり保持することができる。
【0022】
また、カーボンペーパー5は、例えば、厚みが300[μm]以上であってもよい。これにより、マグネシウム空気電池用正極1の性能が向上し、例えば電圧が上昇する。
【0023】
また、カーボンペーパー5は、例えば、表面抵抗が10[Ω]以下であってもよい。これにより、マグネシウム空気電池用正極1の性能が向上し、例えば電圧が上昇する。
【0024】
(1-2.マグネシウム空気電池用正極の配置例)
次に、図2を用いて、マグネシウム空気電池用正極1のマグネシウム空気電池への配置態様の一例を説明する。図2は、実施形態に係るマグネシウム空気電池の一例を示す図である。
【0025】
図2に示すように、マグネシウム空気電池10は、正極1a,1bと、負極6と、電解液7と、リード線8,9とを有する。
【0026】
正極1aは、多孔質層2aと、第1導電層3aと、第2導電層4aと、カーボンペーパー5aとを備える。多孔質層2a、第1導電層3a、第2導電層4aおよびカーボンペーパー5aは、例えば、図1に示すマグネシウム空気電池用正極1が有する多孔質層2、第1導電層3、第2導電層4およびカーボンペーパー5であってもよい。
【0027】
正極1bは、多孔質層2bと、第1導電層3bと、第2導電層4bと、カーボンペーパー5bとを備える。多孔質層2b、第1導電層3b、第2導電層4bおよびカーボンペーパー5bは、例えば、図1に示すマグネシウム空気電池用正極1が有する多孔質層2、第1導電層3、第2導電層4およびカーボンペーパー5であってもよい。
【0028】
すなわち、正極1a,1bとして、図1に示すマグネシウム空気電池用正極1を用いることができる。正極1aは、第1導電層3aが電解液7に接触し、カーボンペーパー5aが酸素を含有する空気などの気体に接触するように位置している。同様に、正極1bは、第1導電層3bが電解液7に接触し、カーボンペーパー5bが酸素を含有する空気などの気体に接触するように位置している。
【0029】
負極6は、マグネシウムを含有する。負極6は、例えば、金属マグネシウムであってもよく、マグネシウム合金であってもよい。負極6は、放電によりMg2+を生成する。
【0030】
負極6は、正極1aと正極1bとの間に位置する。正極1と負極6との距離、すなわち、正極1aの第1導電層3aと負極6との距離、正極1bの第1導電層3bと負極6との距離はいずれも、例えば5[mm]~6[mm]とすることができる。正極1および負極6をこのように配置することにより、長時間にわたり所定の放電電圧を維持することができる。電極間の距離は離れているほど電圧が低下し、近いほど電圧が上昇する。また、電極間の距離が近いほど電極間に反応副生成物が堆積しやすいため、電圧保持時間は短くなる傾向がある。マグネシウム空気電池10が有するこれらの特性を勘案し、電極間の距離は任意に設定することができる。
【0031】
電解液7は、正極1a,1bと負極6との間に位置する。電解液7は、例えば電解質としてNaClを溶解させた水溶液である。電解液7の濃度は、所望する電力量および電流量に応じて、例えば10[質量%]以上としてもよく、さらに15[質量%]以上としてもよい。特に、電解質の飽和水溶液を電解液7として用いると、長時間にわたり所定の放電電圧を維持することができる。なお、電解液7は、NaCl水溶液に限らず、例えばKCl水溶液であってもよい。
【0032】
図2に示すマグネシウム空気電池10では、放電時における正極1および負極6での反応式はそれぞれ、以下のとおりである。
正極:2HO + O + 4e → 4OH
負極:Mg →Mg2+ + 2e
【0033】
また、正極1a,1bに接続されたリード線8a,8bは並列接続されている。正極1を並列に接続することにより、正極1および負極6の総数が異なる場合であっても、正極1および負極6にそれぞれ接続されたリード線8,9を用いてマグネシウム空気電池10の各電極間が適切に接続される。
【0034】
(1-3.マグネシウム空気電池用正極の作製例)
ここで、マグネシウム空気電池用正極の作製例について説明する。
【0035】
(実施例#1-1)
複数の炭素材料とバインダの水溶液とを混合撹拌し、更に触媒を混合撹拌する。得られた混合物を銅製のメッシュ材料に塗工し、多孔質層2および第1導電層3を有する1[mm]厚の導電シートを得た。
【0036】
具体的には、ケッチェンブラック(嵩密度17~50[g/L])5[g]、VGCF(登録商標)(比重2.1[g/cm])16[g]、活性炭(純度95[%]以上、比重0.3[g/ml]以上)21[%]、カーボンファイバー(熱伝導率900[W/mK]、平均長さ3[mm])5[g]、PTFE水溶液(60[wt%])53[g]を混合撹拌し、更に白金(比表面積20~40[m/g])1.0[g]を加え撹拌し、混合物(X1)を得た。得られた混合物(X1)を銅メッシュ上に塗工し、これをプレス機にて1[t]、10[s]加圧し、100[℃]のオーブンで1[h]乾燥させ、多孔質層2、第1導電層3および第2導電層4を有する導電性シート(X2)を形成した。
【0037】
白金添加前の混合物(X1)を、導電性シート(X2)の裏面(銅メッシュ上)に塗工し、これにカーボンペーパー(カーボンマット(商品名)(東レ製 型番:BO030))をさらに積層し、プレス機にて5[t]、10[s]加圧し、105[℃]のオーブンで1[h]乾燥させ、マグネシウム空気電池用正極1を作製した。
【0038】
(実施例#1-2)
ケッチェンブラック:VGCF(登録商標):活性炭:カーボンファイバー:PTFE=5:0:1:4:10(質量比)としたことを除き、実施例#1-1と同様にしてマグネシウム空気電池用正極1を作製した。
【0039】
(実施例#1-3)
ケッチェンブラック:VGCF(登録商標):活性炭:カーボンファイバー:PTFE=1:0:1:8:10(質量比)としたことを除き、実施例#1-1と同様にしてマグネシウム空気電池用正極1を作製した。
【0040】
(実施例#1-4)
ケッチェンブラック:VGCF(登録商標):活性炭:カーボンファイバー:PTFE=1:3:1:4:10(質量比)としたことを除き、実施例#1-1と同様にしてマグネシウム空気電池用正極1を作製した。
【0041】
(実施例#1-5)
ケッチェンブラック:VGCF(登録商標):活性炭:カーボンファイバー:PTFE=1:0:1:2:5(質量比)としたことを除き、実施例#1-1と同様にしてマグネシウム空気電池用正極1を作製した。
【0042】
(実施例#1-6)
2枚のカーボンペーパーを積層させたことを除き、実施例#1-1と同様にしてマグネシウム空気電池用正極1を作製した。
【0043】
(比較例#1-1)
カーボンペーパーをトレカ(商品名)(東レ製 型番:TGP-H-090)に変更したことを除き、実施例#1-1と同様にしてマグネシウム空気電池用正極を作製した。
【0044】
(比較例#1-2)
カーボンペーパーを使用しないことを除き、実施例#1-1と同様にしてマグネシウム空気電池用正極を作製した。
【0045】
(1-4.マグネシウム空気電池の作製、評価例)
次に、マグネシウム空気電池の作製、評価例について説明する。
【0046】
(実施例#2-1)
実施例#1-1で作製したマグネシウム空気電池用正極1を用いて、図2に示すマグネシウム空気電池10を作製した。負極6にはマグネシウム合金を用い、電解液7として10[質量%]のNaCl水溶液を用いた。
【0047】
(実施例#2-2~#2-6)
実施例#1-2~#1-6で作製したマグネシウム空気電池用正極1を用いたことを除き、実施例#2-1と同様にしてマグネシウム空気電池10をそれぞれ作製した。
【0048】
(比較例#2-1~#2-2)
比較例#1-1~#1-2で作製したマグネシウム空気電池用正極を用いたことを除き、実施例#2-1と同様にしてマグネシウム空気電池をそれぞれ作製した。
【0049】
上記したように作製された各マグネシウム空気電池において、20[A]の電流を2[h]放電し、最大となる電圧値をそれぞれ測定した。図3は、マグネシウム空気電池を用いた測定結果を示す図である。
【0050】
図3に示すように、カーボンペーパー5を有するマグネシウム空気電池10(実施例#2-1~#2-6参照)では、カーボンペーパー5を有さないマグネシウム空気電池(比較例#2-2参照)と比較して最大電圧が高く、電池性能が向上した。
【0051】
また、2枚のカーボンペーパー5を有するマグネシウム空気電池10(実施例#2-6参照)では、1枚のカーボンペーパー5を有する場合(比較例#2-1参照)と比較して最大電圧に大きな違いはなかった。
【0052】
一方、比較例#2-2で使用したカーボンペーパー5は、保形性が確保できず、マグネシウム空気電池が作製できないことで計測不能であった。
【0053】
(2.その他の実施形態)
上述した実施形態に係るマグネシウム空気電池10は、負極6を挟んで向かい合う2つの正極1a,1bを有する場合を一例として説明したが、1つの負極6に対し、1つの正極1が配置されてもよい。
【0054】
また、上述した実施形態に係るマグネシウム空気電池10は、複数のマグネシウム空気電池10を積層させて直列に接続したいわゆるセルスタックとして使用されてもよい。
【0055】
また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【0056】
(3.本開示に係るマグネシウム空気電池用正極およびマグネシウム空気電池の効果)
上述してきたように、本開示に係るマグネシウム空気電池用正極(実施形態ではマグネシウム空気電池用正極1)は、金属製の多孔質層(実施形態では多孔質層2)と、多孔質層を挟んで対向する第1導電層(実施形態では第1導電層3)および第2導電層(実施形態では第2導電層4)と、第2導電層を挟んで多孔質層の反対側に位置するカーボンペーパー(実施形態ではカーボンペーパー5)とを備える。
【0057】
また、本開示に係るマグネシウム空気電池(実施形態ではマグネシウム空気電池10)は、上記したマグネシウム空気電池用正極(実施形態ではマグネシウム空気電池用正極1)を有する正極(実施形態では正極1a,1b)と、マグネシウムを含有する負極(実施形態では負極6)と、正極と負極との間に位置し、第1導電層および負極に接触する電解液(実施形態では、電解液7)とを備え、カーボンペーパーは、酸素を含有する気体に接触する。
【0058】
上記のように、本開示に係るマグネシウム空気電池は、金属製の多孔質層と、多孔質層を挟んで対向する第1導電層および第2導電層と、第2導電層を挟んで多孔質層の反対側に位置するカーボンペーパーとを備えるマグネシウム空気電池用正極の構造を基に、電池性能が向上する。
【0059】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 マグネシウム空気電池用正極(正極)
1a 正極
1b 正極
2 多孔質層
3 第1導電層
4 第2導電層
5 カーボンペーパー
6 負極
7 電解液
8 リード線
9 リード線
10 マグネシウム空気電池
図1
図2
図3