IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラザー工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-印刷物の測色システム及び印刷装置 図1
  • 特開-印刷物の測色システム及び印刷装置 図2
  • 特開-印刷物の測色システム及び印刷装置 図3
  • 特開-印刷物の測色システム及び印刷装置 図4
  • 特開-印刷物の測色システム及び印刷装置 図5
  • 特開-印刷物の測色システム及び印刷装置 図6
  • 特開-印刷物の測色システム及び印刷装置 図7
  • 特開-印刷物の測色システム及び印刷装置 図8
  • 特開-印刷物の測色システム及び印刷装置 図9
  • 特開-印刷物の測色システム及び印刷装置 図10
  • 特開-印刷物の測色システム及び印刷装置 図11
  • 特開-印刷物の測色システム及び印刷装置 図12
  • 特開-印刷物の測色システム及び印刷装置 図13
  • 特開-印刷物の測色システム及び印刷装置 図14
  • 特開-印刷物の測色システム及び印刷装置 図15
  • 特開-印刷物の測色システム及び印刷装置 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176098
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】印刷物の測色システム及び印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/393 20060101AFI20231206BHJP
   H04N 1/60 20060101ALI20231206BHJP
   B41J 2/525 20060101ALI20231206BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20231206BHJP
   G01J 3/52 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B41J29/393 103
H04N1/60
B41J2/525
B41J2/01 303
B41J2/01 401
G01J3/52
B41J2/01 451
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088197
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森川 彰太
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
2C262
2G020
5C079
【Fターム(参考)】
2C056EA11
2C056EB03
2C056EB27
2C056EB47
2C056FA10
2C056HA58
2C056HA60
2C061AQ04
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061KK04
2C061KK18
2C061KK25
2C061KK28
2C262AA02
2C262AA03
2C262AA05
2C262AA16
2C262AA17
2C262AA18
2C262AA24
2C262BA02
2C262BC03
2C262BC19
2C262FA13
2C262GA02
2G020AA08
2G020DA05
2G020DA12
2G020DA23
2G020DA32
2G020DA34
2G020DA43
5C079HA18
5C079JA12
5C079KA16
5C079MA10
5C079MA19
5C079NA13
5C079NA29
5C079PA03
(57)【要約】
【課題】パッチの測色の時間と精度とのバランスをとることができる印刷物の測色システムを提供する。
【解決手段】印刷物Aの測色システム10は、印刷媒体Bに印刷されたパッチチャートCに含まれる複数のパッチを測色する測色部11と、前記パッチチャートCに対して前記測色部11を水平に移動させる移動部20と、制御部30と、を備え、前記複数のパッチは、所定の第1色に関する第1パッチC1、及び、所定の第2色に関する第2パッチC2を有し、前記制御部30は、前記第1パッチC1及び前記第2パッチC2に関する情報を含むパッチ情報に基づき、前記測色部11を移動させながら前記第1パッチC1を前記測色部11により測色させる第1測色動作と、前記測色部11を停止させた状態で前記第2パッチC2を前記測色部11により測色させる第2測色動作と、を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体に印刷されたパッチチャートに含まれる複数のパッチを測色する測色部と、
前記パッチチャートに対して前記測色部を水平に移動させる移動部と、
制御部と、を備え、
前記複数のパッチは、所定の第1色に関する第1パッチ、及び、所定の第2色に関する第2パッチを有し、
前記制御部は、前記第1パッチ及び前記第2パッチに関する情報を含むパッチ情報に基づき、
前記測色部を移動させながら前記第1パッチを前記測色部により測色させる第1測色動作と、
前記測色部を停止させた状態で前記第2パッチを前記測色部により測色させる第2測色動作と、
を実行する、印刷物の測色システム。
【請求項2】
前記パッチ情報は、前記パッチチャートに含まれる前記複数のパッチのそれぞれについて、前記パッチチャート内での位置と、前記第1パッチ及び前記第2パッチの何れであるかを示す種類と、に関する情報である、請求項1に記載の印刷物の測色システム。
【請求項3】
前記複数のパッチは、第1方向に沿って並ぶ複数のパッチ群を構成し、
前記複数のパッチ群は、前記第1方向に交差する第2方向に並び、且つ、前記第1パッチにより構成される第1パッチ群、及び、前記第2パッチにより構成される第2パッチ群を有し、
前記制御部は、
前記パッチが前記第1パッチ及び前記第2パッチの何れであるかを前記パッチ情報に基づいて判定する判定動作を実行し、
前記判定動作にて、前記複数のパッチ群のそれぞれが前記第1パッチ群及び前記第2パッチ群の何れであるかを前記パッチ情報に基づいて判定し、
前記パッチ群を前記第1パッチ群と判定した場合には、前記第1測色動作にて、前記測色部を前記第1パッチ群に沿って移動させながら前記第1パッチを前記測色部により測色させ、
前記パッチ群を前記第2パッチ群と判定した場合には、前記第2測色動作にて、前記第2パッチ群に沿った前記測色部の移動と停止とを繰り返し、前記測色部の停止状態で前記第2パッチを前記測色部により測色させる、
請求項2に記載の印刷物の測色システム。
【請求項4】
前記第1パッチ群と前記第2パッチ群とは前記第2方向において互いに異なる位置に配置されている、
請求項3に記載の印刷物の測色システム。
【請求項5】
前記パッチを前記印刷媒体に印刷する印刷部を備え、
前記制御部は、前記パッチチャートを前記印刷媒体に印刷させる印刷動作を実行する、
請求項1に記載の印刷物の測色システム。
【請求項6】
前記第1色は、前記印刷部により印刷可能な色域に含まれる色である、
請求項5に記載の印刷物の測色システム。
【請求項7】
ユーザによる前記第2色の指定を受け付ける受付部を備え、
前記パッチ情報は、前記受付部が受け付けた前記第2色に対応する前記第2パッチについての前記位置及び前記種類に関する情報も含む、
請求項2に記載の印刷物の測色システム。
【請求項8】
インクを印刷媒体に吐出するノズルを有するヘッドと、
前記ヘッドを搭載して第3方向に移動する第1キャリッジと、
前記印刷媒体を前記第3方向に対して交差する第4方向に搬送する搬送部と、
前記印刷媒体に印刷されたパッチチャートに含まれる複数のパッチを測色する測色部と、
制御部と、を備え、
前記複数のパッチは、所定の第1色に関する第1パッチ、及び、所定の第2色に関する第2パッチを有し、
前記制御部は、
前記ヘッドから吐出されたインクにより前記パッチチャートを前記印刷媒体に印刷させる印刷動作と、
前記第1パッチ及び前記第2パッチに関する情報を含むパッチ情報に基づき、前記印刷媒体に対して前記測色部を前記搬送部により移動させながら前記第1パッチを前記測色部により測色させる第1測色動作と、
前記パッチ情報に基づき、前記印刷媒体に対して前記測色部を停止させた状態で前記第2パッチを前記測色部により測色させる第2測色動作と、
を実行する、印刷装置。
【請求項9】
前記測色部を搭載して前記第3方向に移動する第2キャリッジをさらに備えている、
請求項8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記複数のパッチは、第4方向に沿って並ぶ複数のパッチ群を構成し、
前記複数のパッチ群は、前記第3方向に並び、且つ、前記第1パッチにより構成される第1パッチ群、及び、前記第2パッチにより構成される第2パッチ群を有し、
前記制御部は、
前記第1測色動作にて、前記搬送部により前記印刷媒体に対して前記測色部を前記第4方向に移動させながら前記第1パッチを前記測色部により測色させ、
前記第2測色動作にて、前記搬送部による前記印刷媒体に対する前記測色部の前記第4方向への移動と停止とを繰り返しながら前記印刷媒体に対する前記測色部の停止状態で前記第2パッチを前記測色部により測色させる、
請求項8に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記第1パッチ群と前記第2パッチ群とは前記第3方向において互いに異なる位置に配置されている、
請求項10に記載の印刷装置。
【請求項12】
インクを印刷媒体に吐出するノズルを有するヘッドと、
前記ヘッドを搭載して第3方向に移動する第1キャリッジと、
前記印刷媒体を前記第3方向に対して交差する第4方向に搬送する搬送部と、
前記印刷媒体に印刷されたパッチチャートに含まれる複数のパッチを測色する測色部と、
前記測色部を搭載して前記第3方向に移動する第2キャリッジと、
制御部と、を備え、
前記複数のパッチは、所定の第1色に関する第1パッチ、及び、所定の第2色に関する第2パッチを有し、
前記制御部は、
前記ヘッドから吐出されたインクにより前記パッチチャートを前記印刷媒体に印刷させる印刷動作と、
前記第1パッチ及び前記第2パッチに関する情報を含むパッチ情報に基づき、前記印刷媒体に対して前記測色部を前記第2キャリッジにより移動させながら前記第1パッチを前記測色部により測色させる第1測色動作と、
前記パッチ情報に基づき、前記印刷媒体に対して前記測色部を停止させた状態で前記第2パッチを前記測色部により測色させる第2測色動作と、
を実行する、印刷装置。
【請求項13】
前記複数のパッチは、第3方向に沿って並ぶ複数のパッチ群を構成し、
前記複数のパッチ群は、前記第4方向に並び、且つ、前記第1パッチにより構成される第1パッチ群、及び、前記第2パッチにより構成される第2パッチ群を有し、
前記制御部は、
前記第1測色動作にて、前記第2キャリッジにより前記測色部を前記第3方向に移動させながら前記第1パッチを前記測色部により測色させ、
前記第2測色動作にて、前記第2キャリッジによる前記測色部の前記第3方向への移動と停止とを繰り返し、前記印刷媒体に対する前記測色部の停止状態で前記第2パッチを前記測色部により測色させる、
請求項12に記載の印刷装置。
【請求項14】
前記第1パッチ群と前記第2パッチ群とは前記第4方向において互いに異なる位置に配置されている、
請求項13に記載の印刷装置。
【請求項15】
前記印刷媒体は、前記第4方向における上流端及び下流端を有し、
前記制御部は、前記印刷動作にて、前記第4方向において前記パッチチャートが前記上流端よりも前記下流端に近くなり、且つ、前記パッチチャートにおいて前記第1パッチ群が前記第2パッチ群よりも前記下流端に近くなるように、前記パッチチャートを前記印刷媒体に印刷させる、
請求項13に記載の印刷装置。
【請求項16】
前記パッチ情報は、前記パッチチャートに含まれる前記複数のパッチのそれぞれについて、前記パッチチャート内での位置と、前記第1パッチ及び前記第2パッチの何れであるかを示す種類と、に関する情報である、請求項10又は13に記載の印刷装置。
【請求項17】
前記制御部は、
測色対象の前記パッチが前記第1パッチ及び前記第2パッチの何れであるかを前記パッチ情報に基づいて判定する判定動作を実行し、
前記判定動作にて、前記複数のパッチ群のそれぞれが前記第1パッチ群及び前記第2パッチ群の何れであるかを前記パッチ情報に基づいて判定し、
前記パッチ群を前記第1パッチ群と判定した場合には、前記第1測色動作にて、前記印刷媒体に対して前記測色部を前記第1パッチ群に沿って移動させながら前記第1パッチを前記測色部により測色させ、
前記パッチ群を前記第2パッチ群と判定した場合には、前記第2測色動作にて、前記印刷媒体に対する前記測色部の前記第2パッチ群に沿った移動と停止とを繰り返しながら前記測色部の停止状態で前記第2パッチを前記測色部により測色させる、
請求項16に記載の印刷装置。
【請求項18】
ユーザによる前記第2色の指定を受け付ける受付部を備え、
前記パッチ情報は、前記受付部が受け付けた前記第2色に対応する前記第2パッチについての前記位置及び前記種類に関する情報も含む、
請求項16に記載の印刷装置。
【請求項19】
前記制御部は、前記印刷動作の実行中に、前記第1測色動作又は前記第2測色動作を実行する、
請求項8又は12に記載の印刷装置。
【請求項20】
前記第2キャリッジに、前記測色部のキャリブレーションのための白色点が設けられている、
請求項9又は12に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の測色システム及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷物の測色システムとして、例えば、特許文献1の情報処理装置が知られている。この情報処理装置は、印刷対象データにより表現される色を全て抽出し、各色について印刷領域内における占有率を取得する。情報処理装置は、この占有率に基づいて校正用パッチ画像のデータを生成し、校正用パッチ画像をプリンタによって印刷する。そして、情報処理装置は、印刷された校正用パッチ画像を測色機により測色して、この測色データに基づいて印刷対象の画像データの校正を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-157920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記情報処理装置は、印刷された校正用パッチ画像を測色機で測定し、この測色データに基づいて印刷対象の画像データを校正している。ここで、校正用パッチ画像を測色機で一律に測色すると、測色に時間を要したり、測色の精度が低下したりするおそれがある。
【0005】
本発明は、パッチの測色の時間と精度とのバランスをとることができる印刷物の測色システム及び印刷装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様に係る印刷物の測色システムは、印刷媒体に印刷されたパッチチャートに含まれる複数のパッチを測色する測色部と、前記パッチチャートに対して前記測色部を水平に移動させる移動部と、制御部と、を備え、前記複数のパッチは、所定の第1色に関する第1パッチ、及び、所定の第2色に関する第2パッチを有し、前記制御部は、前記第1パッチ及び前記第2パッチに関する情報を含むパッチ情報に基づき、前記測色部を移動させながら前記第1パッチを前記測色部により測色させる第1測色動作と、前記測色部を停止させた状態で前記第2パッチを前記測色部により測色させる第2測色動作と、を実行する。
【0007】
本発明のある態様に係る印刷装置は、インクを印刷媒体に吐出するノズルを有するヘッドと、前記ヘッドを搭載して第3方向に移動する第1キャリッジと、前記印刷媒体を前記第3方向に対して交差する第4方向に搬送する搬送部と、前記印刷媒体に印刷されたパッチチャートに含まれる複数のパッチを測色する測色部と、制御部と、を備え、前記複数のパッチは、所定の第1色に関する第1パッチ、及び、所定の第2色に関する第2パッチを有し、前記制御部は、前記ヘッドから吐出されたインクにより前記パッチチャートを前記印刷媒体に印刷させる印刷動作と、前記第1パッチ及び前記第2パッチに関する情報を含むパッチ情報に基づき、前記印刷媒体に対して前記測色部を前記搬送部により移動させながら前記第1パッチを前記測色部により測色させる第1測色動作と、前記パッチ情報に基づき、前記印刷媒体に対して前記測色部を停止させた状態で前記第2パッチを前記測色部により測色させる第2測色動作と、を実行する。
【0008】
本発明のある態様に係る印刷装置は、インクを印刷媒体に吐出するノズルを有するヘッドと、前記ヘッドを搭載して第3方向に移動する第1キャリッジと、前記印刷媒体を前記第3方向に対して交差する第4方向に搬送する搬送部と、前記印刷媒体に印刷されたパッチチャートに含まれる複数のパッチを測色する測色部と、前記測色部を搭載して前記第3方向に移動する第2キャリッジと、制御部と、を備え、前記複数のパッチは、所定の第1色に関する第1パッチ、及び、所定の第2色に関する第2パッチを有し、前記制御部は、前記ヘッドから吐出されたインクにより前記パッチチャートを前記印刷媒体に印刷させる印刷動作と、前記第1パッチ及び前記第2パッチに関する情報を含むパッチ情報に基づき、前記印刷媒体に対して前記測色部を前記第2キャリッジにより移動させながら前記第1パッチを前記測色部により測色させる第1測色動作と、前記パッチ情報に基づき、前記印刷媒体に対して前記測色部を停止させた状態で前記第2パッチを前記測色部により測色させる第2測色動作と、を実行する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、パッチの測色の時間と精度とのバランスをとることができる印刷物の測色システム及び印刷装置を提供することができる。
【0010】
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施の形態1及びその変形例に係る印刷物の測色システムを上から見た概略図である。
図2図2は、図1の印刷物の測色システムの機能的構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の全ての実施の形態及び変形例に係るパッチ情報を示すテーブルである。
図4図4は、図1の印刷物の測色システムによる測色方法の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、変形例1に係る印刷物の測色システムによる測色方法の一例を示すフローチャートである。
図6図6(a)は、対象画像及び入力部のポインターに表示された表示部を示す図である。図6(b)は、位置入力のボタン及び入力部のポインターに表示された表示部を示す図である。
図7図7は、本発明の実施の形態1の変形例に係る印刷部の測色システムを上から見た概略図である。
図8図8は、印刷物の測色システムの制御方法の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、本発明の実施の形態2-3及びその変形例に係る印刷装置を上から見た概略図である。
図10図10は、図9の印刷装置の機能的構成を示すブロック図である。
図11図11は、第4方向が前後方向であって、パッチ群が複数のパッチが前後方向に沿って並ぶ列である場合のパッチチャートである。
図12図12は、図9の印刷装置の制御方法の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、図9の印刷装置による測色方法の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、変形例3に係る印刷装置による測色方法の一例を示すフローチャートである。
図15図11は、第4方向が左右方向であって、パッチ群が複数のパッチが左右方向に沿って並ぶ行である場合のパッチチャートである。
図16図16は、本発明の実施の形態2-3のその他の変形例に係る印刷装置を上から見た概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付している。
【0013】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る印刷物Aの測色システム10は、図1の例に示すように、印刷媒体BにパッチチャートCなどの画像が印刷された印刷物Aにおいて、そのパッチチャートCのパッチの色を測色する。測色システム10は、印刷媒体Bに印刷されたパッチチャートCに含まれる複数のパッチを測色する測色部11と、パッチチャートCに対して測色部11を水平に移動させる移動部20と、制御部30と、を備えている。
【0014】
以下では、移動部20により測色部11を移動させる方向は、互いに交差(例えば、直交)する左右方向、前後方向及び上下方向として説明するが、測色システム10の配置はこれに限定されない。なお、上下方向に対して直交する方向であって、前後方向及び左右方向を含む方向を水平と称することがある。また、制御部30の詳細については後述する。
【0015】
測色部11は、例えば、分光光度計及び色彩計などであって、発光素子12(図2)及び受光素子13(図2)を有している。発光素子12は、例えば、イルミナントD65、C、Aなどの光源であって、光を印刷媒体B上のパッチに照射する。受光素子13は、発光素子12から発光されて、パッチにより反射された光を受光する。測色部11は、受光素子13により受光した光に基づいてパッチの色を測色し、その測色値を制御部30に出力する。この測色値は、デバイス非依存の色空間における色座標である色値、例えば、L色空間におけるLab値、及び、XYZ色空間におけるXYZ値などで表される。
【0016】
移動部20は、例えば、基台21及びアーム22を有している。基台21は、測色システム10における所定の位置に配置されている。例えば、基台21には、測色部11のキャリブレーションのための白色点23が設けられている。白色点23は、基台21における所定の位置に配置されており、所定の色値を有している。この色値は、例えば、Lab値など、デバイス非依存の色空間における色座標である色値で表されている。
【0017】
アーム22は、複数のリンクとして、例えば、第1リンク24及び第2リンク25を有している。第1リンク24の基端は、例えば、第1回転ジョイント26により基台21に接続されている。第1回転ジョイント26は、モータなどの第1回転アクチュエータ26aを有しており、上下方向に沿った中心軸まわりに基台21に対してアーム22を回動する。また、第2リンク25の基端は、第2回転ジョイント27により第1リンク24の先端に接続されている。第2回転ジョイント27は、モータなどの第2回転アクチュエータ27aを有しており、上下方向に沿った中心軸まわりに第1リンク24に対して第2リンク25を回動する。また、第2リンク25の先端は、例えば、直動ジョイント28により測色部11に接続されている。直動ジョイント28は、モータ及びソレノイドなどの直動アクチュエータ28aを有しており、第2リンク25に対して測色部11を上下方向に移動させる。このようにして、測色部11は、アーム22によって左右方向、前後方向及び上下方向に移動する。
【0018】
また、印刷物Aの測色システム10は、図2に示すように、表示部14及び入力部15を備えている。表示部14は、例えば、ディスプレイなどであって、制御部30に電気的に接続されており、印刷媒体Bに印刷される画像である対象画像G(図6(a))、位置入力のボタンH(図6(b))、及び、入力部15のポインターなどの画像を制御部30の制御によって表示する。入力部15は、例えば、マウス及びタッチパネル等であって、制御部30に電気的に接続されており、ユーザによって操作されて表示部14におけるポインターの位置を制御部30に入力する。
【0019】
<制御部>
制御部30は、図2に示すように、例えば、コンピュータであって、インターフェース31、演算部32及び記憶部33を備えている。なお、制御部30は、単独の装置により構成されていてもよく、又は、複数の装置が分散配置されていて、複数の装置が協働して印刷物Aの測色システム10の動作を行うよう構成されていてもよい。
【0020】
インターフェース31は、コンピュータ、カメラ、通信ネットワーク、記録媒体、ディスプレイ及びプリンタ等の外部装置Dと電気的に接続されて、画像データ等の各種データを外部装置Dから受信する。この画像データは、印刷媒体Bに印刷される画像である対象画像Gを示すラスタデータなどであって、RGB色空間におけるRGB値など、デバイス依存の色空間における色座標で表される。
【0021】
記憶部33は、演算部32からアクセス可能なメモリであって、RAM及びROMを有している。RAMは、インターフェース31により受信したデータ、及び、演算部32により変換されたデータなどの各種データを一時的に記憶する。ROMは、各種データ処理を行うためのプログラム及び所定データなどを記憶している。なお、プログラムは、記憶部33とは異なる外部の記憶媒体であって且つ演算部32からアクセス可能な記憶媒体、例えば、CD-ROMなどに記憶されていてもよい。
【0022】
演算部32は、例えば、CPUなどのプロセッサなどを含み、さらにASICなどの回路を含んでいてもよい。演算部32は、記憶部33に記憶されているプログラムを実行することにより測色システム10の各部を制御し、測色動作などの各種動作を実行する。
【0023】
このような制御部30は、移動駆動回路34を介して移動部20の第1回転アクチュエータ26a、第2回転アクチュエータ27a及び直動アクチュエータ28aに接続されるとともに、各アクチュエータの回転量又は回転角度又は移動量などを検出するエンコーダなどの移動センサ29に接続されている。制御部30は、移動センサ29による検出結果に基づいて、各アクチュエータの駆動を制御する。これにより、制御部30は、第1回転アクチュエータ26a、第2回転アクチュエータ27a及び直動アクチュエータ28aを含むアーム22(図1)による測色部11の移動を移動センサ29の検出結果に基づいて制御する。
【0024】
<パッチチャート>
パッチチャートCは、図1の例に示すように複数のパッチを含んでいる。複数のパッチは、所定の第1色に関する第1パッチC1、及び、所定の第2色に関する第2パッチC2を有している。パッチは、例えば、矩形状を色票であって、測色部11により測色可能なサイズである。パッチのサイズは、測色部11による分解能に応じて予め定められていてもよい。又は、パッチのサイズは、パッチチャートCに含まれるパッチの数及びパッチチャートCが印刷される印刷領域のサイズに応じて定められてもよい。例えば、第1パッチC1及び第2パッチC2は互いに同じサイズであってもよい。
【0025】
パッチチャートCにおける複数の第1パッチC1の第1色は、互いに異なる色値を有している。また、パッチチャートCにおける複数の第2パッチC2の第2色は、互いに異なる色値を有している。第1色及び第2色は、デバイス依存の色空間における色座標、例えば、RGB色空間におけるRGB値などで表される。
【0026】
パッチチャートCは、例えば、矩形状であって、4つの角を有している。パッチチャートCにおいて、複数のパッチが前後方向及び左右方向において碁盤目状に配置されている。複数のパッチは、前後方向に沿って並んで列を成し、左右方向に沿って並んで行を成している。図1の例では、パッチチャートCにおいて、パッチの第1列e1~第23列e23はこの順で左から並んでおり、パッチの第1行f1~第36行f36はこの順で後から並んでいる。
【0027】
<パッチ情報>
パッチ情報は、パッチチャートCに含まれる複数のパッチのそれぞれについて、パッチチャートC内での位置と、第1パッチC1及び第2パッチC2の何れであるかを示す種類と、に関する情報である。パッチ情報は、記憶部33に予め記憶されていてもよい。又は、パッチ情報は、外部装置D又は入力部15などから制御部30に取得されてもよい。又は、パッチ情報は、外部装置D又は入力部15などから制御部30に取得されて記憶部33に記憶されてもよい。図3の例のパッチ情報では、パッチ毎に、そのパッチの種類、位置及び色値が対応付けられている。
【0028】
パッチチャートCにおいて複数のパッチが前後方向及び左右方向において碁盤目状に配置されている場合、パッチチャートCにおけるパッチの位置は列及び行にて規定される。この場合、パッチは、パッチチャートCにおける左右方向の位置が列により規定され、前後方向の位置が行により規定される。図3の例では、No.1の第1パッチC1及びNo.2の第1パッチC1は、互いに同じ第1列e1に並び、左右方向における位置が互いに同じである。No.1の第1パッチC1及びNo.730の第2パッチC2は、互いに同じ第1行f1に並び、前後方向における位置が互いに同じである。
【0029】
<印刷物の測色システムの測色動作>
印刷物Aの測色システム10の測色動作は、図4の測色動作の一例を示すフローチャートに沿って制御部30により実行される。制御部30は、例えば、ユーザから測色動作の指示を受けると、本フローチャートに沿って測色動作を実行する。まず、制御部30は、パッチ情報を記憶部33などから取得する取得動作を実行する(ステップS1)。そして、制御部30は、パッチ毎に、パッチの種類、位置及び色値をパッチ情報から取得する。
【0030】
また、制御部30は、パッチの位置の補正動作を実行する(ステップS2)。この補正動作では、例えば、制御部30は、パッチチャートCの位置を入力する位置入力のボタンHの画像を表示部14に表示する。ユーザは、測色部11をパッチチャートCの角にアーム22に移動させて、表示部14における位置入力のボタンHを入力部15により入力する。これにより、制御部30は、アーム22の移動量に基づいて測色部11の位置をパッチチャートCの角の位置として取得する。このような測色部11の移動及び入力部15の操作を繰り返すことにより、制御部30はパッチチャートCにおける少なくとも3つの角の位置を取得する。そして、制御部30は、これらのパッチチャートCの角の位置に基づいて、移動部20に対するパッチチャートCの位置を取得する。そして、制御部30は、移動部20に対するパッチチャートCの位置に基づいて、ステップS1で取得したパッチチャートCにおけるパッチの位置を移動部20に対するパッチの位置に補正する。
【0031】
また、制御部30は、測色部11のキャリブレーションを実行する(ステップS3)。このキャリブレーションでは、制御部30は、測色条件を測色部11、外部装置D又は入力部15などから取得する。測色条件は、例えば、測色部11の発光素子12の種類、及び、ユーザである観察者の観察視野角度を含んでいる。そして、制御部30は、測色部11をアーム22により移動して、測色部11により白色点23を測色し、その測色値を取得する。そして、制御部30は、白色点23の所定の色値を記憶部33から取得し、白色点23の所定の色値及び測色値、並びに、測色条件に基づいて測色部11の色調整を行う。
【0032】
続いて、制御部30は、ステップS1で取得したパッチの種類、ステップS2で補正したパッチの位置、及び、ステップS3でキャリブレーションを行った測色部11に基づいて、パッチの測色値を取得する。ここで、制御部30は、パッチが第1パッチC1及び第2パッチC2の何れであるかをパッチ情報に基づいて判定する判定動作を実行する(ステップS4)。
【0033】
判定動作において測色対象のパッチの種類が第1パッチC1であれば(ステップS4:YES)、制御部30は、第1パッチC1及び第2パッチC2に関する情報を含むパッチ情報に基づき、測色部11を移動させながら第1パッチC1を測色部11により測色させる第1測色動作を実行する(ステップS5)。この第1測色動作では、制御部30は、測色部11を印刷媒体Bにアーム22により接近させて印刷媒体Bに接触させる。そして、制御部30は、測色部11が印刷媒体Bに接した状態で水平に移動するように測色部11を第1パッチC1へアーム22により移動させる。そして、制御部30は、第1パッチC1上において測色部11の移動を停止させずに、第1パッチC1上において測色部11による測色を行う。これにより、制御部30は、第1パッチC1を測色して、第1パッチC1の測色値を第1パッチC1の位置と対応付けて記憶部33のパッチ情報に記憶する。そして、制御部30は、測色部11を所定の位置又は次の測色対象のパッチへ水平に移動させる。
【0034】
一方、判定動作において測色対象のパッチの種類が第2パッチC2であれば(ステップS4:NO)、制御部30は、測色部11を停止させた状態で第2パッチC2を測色部11により測色させる第2測色動作を実行する(ステップS6)。この第2測色動作では、制御部30は、測色部11を上方にアーム22により移動させて印刷媒体Bから離す。そして、制御部30は、測色部11を印刷媒体Bから離した状態で第2パッチC2へアーム22によって水平に移動させる。それから、制御部30は、第2パッチC2上において測色部11を停止させ、この停止状態において測色部11を下方へアーム22により移動させて印刷媒体Bに接触させる。それから、制御部30は、測色部11により第2パッチC2を測色させて、第2パッチC2の測色値を第2パッチC2の位置と対応付けて記憶部33のパッチ情報に記憶する。そして、制御部30は、測色部11を上方へ移動させてから、測色部11を印刷媒体Bから離した状態で所定の位置又は次の測色対象のパッチへ水平に移動させる。
【0035】
続いて、制御部30は、測色するパッチが残っているか否かパッチ情報に基づいて判定する判定動作を実行する(ステップS7)。制御部30は、測色するパッチが残っていれば(ステップS7:NO)、ステップS4の処理に戻り、ステップS4~S7の処理を繰り返す。そして、制御部30は、パッチチャートCにおける全てのパッチを測色すると(ステップS7:YES)、測色動作を終了する。
【0036】
このように、第1測色動作では、第1パッチC1の測色時に測色部11を停止させないことにより、第1パッチC1を迅速に測色することができる。これに対し、第2測色動作では、第2パッチC2の測色時に測色部11を停止させることにより、第2パッチC2における所定の位置、例えば、第2パッチC2の中央を測色することができる。例えば、第2パッチC2の端では他のパッチと隣接することにより色ムラが生じているおそれがある場合であっても、第2パッチC2の中央では端よりも他のパッチと離れていることにより、色ムラのおそれが少ない。このような第2パッチC2の中央など、所定の位置を測色するため、第2パッチC2を精度良く測色することができる。従って、パッチの種類に応じてパッチの測色の時間と精度とのバランスをとることができる。
【0037】
<変形例1>
変形例1に係る印刷物Aの測色システム10では、実施の形態1において、複数のパッチは、第1方向に沿って並ぶ複数のパッチ群を構成している。複数のパッチ群は、第1方向に交差する第2方向に並び、且つ、第1パッチC1により構成される第1パッチ群、及び、第2パッチC2により構成される第2パッチ群を有している。制御部30は、判定動作にて、複数のパッチ群のそれぞれが第1パッチ群及び第2パッチ群の何れであるかをパッチ情報に基づいて判定する。制御部30は、パッチ群を第1パッチ群と判定した場合には、第1測色動作にて、測色部11を第1パッチ群に沿って移動させながら第1パッチC1を測色部11により測色させる。制御部30は、パッチ群を第2パッチ群と判定した場合には、第2測色動作にて、第2パッチ群に沿った測色部11の移動と停止とを繰り返しながら測色部11の停止状態で第2パッチC2を測色部11により測色させる。
【0038】
具体的には、図1の例に示すように、パッチチャートCにおいて、複数のパッチが前後方向及び左右方向において碁盤目状に配置されている。複数のパッチは、前後方向に沿って並んで列を成し、左右方向に沿って並んで行を成している。例えば、第1方向が前後方向である場合には、パッチ群は複数のパッチが前後方向に沿って並ぶ列である。このパッチ群のうち、第1パッチ群は、第2パッチC2を含まずに複数の第1パッチC1が前後方向に沿って並ぶ第1パッチC1の列である。第2パッチ群は、第1パッチC1を含まずに複数の第2パッチC2が前後方向に沿って並ぶ第2パッチC2の列である。
【0039】
図1の例では、パッチチャートCにおいて、パッチの第1列e1~第23列e23はこの順で左から並んでおり、各列における最大パッチ数は36個である。この場合、729個の第1パッチC1は、21列及び36行を成し、第1列e1~第20列e20のそれぞれの列では36個の第1パッチC1が前後方向に沿って並び、第21列e21では9個の第1パッチC1が前後方向に沿って並ぶ。この第21列e21の前方には、第1パッチC1及び第2パッチC2が配置されない空白部分C0がある。この空白部分C0は、左右方向において第1パッチC1の第20列e20と第2パッチC2の第22列e22との間に配置されている。
【0040】
50個の第2パッチC2は、2列及び36行を成し、第22列e22では36個の第2パッチC2が前後方向に沿って並び、第23列e23では14個の第2パッチC2が前後方向に沿って並ぶ。このように、第1パッチC1の第1列e1~第21列e21のそれぞれの列と第2パッチC2の第22列e22~第23列e23のそれぞれの列とは左右方向において互いに異なる位置に配置されている。
【0041】
このような印刷物Aの測色システム10の測色動作は、図5の測色動作の一例を示すフローチャートに沿って制御部30により実行される。この図5のフローチャートでは、図4のフローチャートにおけるステップS4の処理に代えて、ステップS4´の処理を実行する。
【0042】
具体的には、制御部30は、取得動作、補正動作及びキャリブレーションを実行する(ステップS1~S3)。続いて、制御部30は、判定動作にて、複数のパッチ群のそれぞれが第1パッチ群及び第2パッチ群の何れであるかをパッチ情報に基づいて判定する(ステップS4´)。この判定動作では、制御部30は、ステップS1の取得動作で取得したパッチ情報におけるパッチの位置に基づいて、パッチチャートCにおけるパッチの列を取得する。そして、制御部30は、パッチ情報におけるパッチの種類に基づいて、測色対象のパッチの列が第1パッチ群又は第2パッチ群であるかを列毎に判定する。つまり、制御部30は、第2パッチC2を含まずに第1パッチC1を含むパッチの列を第1パッチ群と判定し、第1パッチC1を含まずに第2パッチC2を含むパッチの列を第2パッチ群と判定する。
【0043】
続いて、制御部30は、判定動作において測色対象のパッチ群が第1パッチC1の列であれば(ステップS4´:YES)、第1測色動作を実行する(ステップS5)。この第1測色動作では、例えば、制御部30は、測色部11が印刷媒体Bに接するように、測色部11を下方へアーム22により移動させる。そして、制御部30は、第1列e1の第1パッチC1を測色する場合には、測色部11を第1列e1、第1行f1の第1パッチC1上又は第1パッチC1よりも後方に測色部11をアーム22により移動させる。そして、制御部30は、測色部11が印刷媒体Bに接した状態で測色部11を前方へ第1列e1に沿って移動させながら、第1列e1における第1行f1~第36行f36の各第1パッチC1上において測色部11の移動を停止させずに測色部11による測色を行う。これにより、制御部30は、第1列e1における第1行f1~第36行f36の第1パッチC1のそれぞれを測色して、第1パッチC1の測色値を第1パッチC1の位置と対応付けて記憶部33のパッチ情報に記憶する。そして、制御部30は、所定の位置又は次の測色対象のパッチ列へ測色部11を移動させる。
【0044】
一方、制御部30は、判定動作において測色対象のパッチ群が第2パッチC2の列であれば(ステップS4´:NO)、第2測色動作を実行する(ステップS6)。この第2測色動作では、例えば、制御部30は、第22列e22の第2パッチC2を測色する場合には、測色部11を第22列e22、第1行f1の第2パッチC2上又は第2パッチC2よりも後方に測色部11をアーム22により移動させる。そして、制御部30は、測色部11を上方にアーム22により移動させて印刷媒体Bから離して、測色部11が印刷媒体Bから離れた状態で測色部11を前方へ第22列e22に沿ってアーム22により移動させる。そして、制御部30は、第1行f1の第2パッチC2における所定の位置、例えば、第2パッチC2の中央で、測色部11が印刷媒体Bに接するように測色部11を下方へアーム22により移動させる。そして、制御部30は、測色部11が停止した状態において測色部11による第2パッチC2の測色を行う。
【0045】
このように、制御部30は、第22列e22では第1行f1~第36行f36の各第2パッチC2について、測色部11の上方への移動、測色部11を印刷媒体Bから離した状態での第22列e22に沿った前方への測色部11の移動、第2パッチC2の中央における測色部11の停止及び印刷媒体Bへの接近、並びに、測色部11を印刷媒体Bに接した状態での第2パッチC2の測色を繰り返す。これにより、制御部30は、第22列e22における第1行f1~第36行f36の第2パッチC2のそれぞれを測色して、第2パッチC2の測色値を第2パッチC2の位置と対応付けて記憶部33のパッチ情報に記憶する。そして、制御部30は、所定の位置又は次の測色対象のパッチ列へ測色部11を移動させる。
【0046】
そして、制御部30は、測色するパッチが残っていれば(ステップS7:NO)、ステップS4´の処理に戻り、ステップS4´~S7の処理を繰り返す。図1の例では、制御部30は、第1列e1~第21列e21のそれぞれの列における各パッチについてはステップS5の第1測色動作を実行する。この第1列e1~第21列e21のうち、第1列e1~第20列e20の各列では、第1行f1~第36行f36の各第1パッチC1について測色部11による測色を行う。第21列e21では、第1行f1~第9行の各第1パッチC1について測色部11による測色を行う。また、制御部30は、第22列e22~第23列e23のそれぞれの列における各パッチについてはステップS6の第2測色動作を実行する。この第22列e22では、第1行f1~第36行f36の各第2パッチC2について測色部11による測色を行う。また、第23列e23では、第1行f1~第14行の各第2パッチC2について測色部11による測色を行う。
【0047】
そして、制御部30は、パッチチャートCにおける全てのパッチを測色すると(ステップS7:YES)、測色動作を終了する。このように、第1測色動作では、第1パッチC1の列の測色時に測色部11を停止させずに移動させることにより、第1パッチC1の列を迅速に測色することができる。これに対し、第2測色動作では、第2パッチC2の列の測色時に測色部11を第2パッチC2毎に停止させることにより、第2パッチC2を精度良く測色することができる。従って、パッチの列の種類に応じてパッチの測色の時間と精度とのバランスをとることができる。
【0048】
また、パッチチャートCにおいて第1パッチC1の列と第2パッチC2の列とは左右方向において互いに異なる位置に配置されている。これにより、測色部11を前後方向に第1パッチC1の列に沿って移動させることにより、列における全ての第1パッチC1のそれぞれに対して第1測色動作を実行することができる。また、測色部11を前後方向に第2パッチC2の列に沿って移動させることにより、列における全ての第2パッチC2のそれぞれに対して第2測色動作を実行することができる。このように、第1パッチC1及び第2パッチC2は、互いに同じ列に混合せずに、互いに異なる列を構成することにより、第1測色動作又は第2測色動作を列毎に一律に行うことができる。
【0049】
なお、図1の例では、パッチ群における複数のパッチは前後方向に並んでいたが、パッチが並ぶ方向はこれに限定されない。例えば、図7に示すように、第1方向が左右方向である場合には、パッチ群は複数のパッチが左右方向に沿って並ぶ行である。このパッチ群のうち、第1パッチ群は第2パッチC2を含まずに複数の第1パッチC1が左右方向に沿って並ぶ第1パッチC1の行であり、第2パッチ群は第1パッチC1を含まずに複数の第2パッチC2が左右方向に沿って並ぶ第2パッチC2の行である。
【0050】
図7の例では、パッチチャートCにおいて、パッチの第1行f1~第23行f23はこの順で前から並んでおり、パッチの第1列e1~第36列e36はこの順で左から並んでいる。このうち、第1行f1~第21行のそれぞれは、複数の第1パッチC1が左右方向に沿って並んだ行であって、第1パッチ群である。第22行f22~第23行f23のそれぞれは、複数の第2パッチC2が左右方向に沿って並んだ行であって、第2パッチ群である。この第21行f21には9個の第1パッチが左右方向に並んでおり、第21行f21の右には、第1パッチC1及び第2パッチC2が配置されない空白部分C0がある。空白部分C0は、前後方向において第1パッチC1の第20行f20と第2パッチC2の第22行f22との間に配置されている。
【0051】
この場合、印刷物Aの測色システム10の測色動作における第1測色動作では、制御部30は測色部11を第1パッチC1の行に沿って右へ移動させながら第1パッチC1を測色部11により測色させる。また、第2測色動作では、制御部30は、第2パッチC2の行に沿った測色部11の移動と停止とを繰り返しながら測色部11の停止状態で第2パッチC2を測色部11により測色させる。これにより、パッチ群の種類に応じてパッチの測色の時間と精度とのバランスをとることができる。また、パッチチャートCにおいて第1パッチC1の行と第2パッチC2の行とは前後方向において互いに異なる位置に配置されていることにより、第1測色動作又は第2測色動作を行毎に一律に行うことができる。
【0052】
<変形例2>
変形例2に係る印刷媒体Bの測色システム10は、実施の形態1及び変形例1において、図1の例に示すように、パッチを印刷媒体Bに印刷する印刷部16を備えている。制御部30は、パッチチャートCを印刷媒体Bに印刷させる印刷動作を実行する。例えば、第1色は、印刷部16により印刷可能な色域に含まれる色である。
【0053】
また、例えば、印刷媒体Bの測色システム10は、パッチ情報を記憶する記憶部33と、ユーザによる第2色の指定を受け付ける受付部32aと、を備えている。パッチ情報は、受付部32aが受け付けた第2色に対応する第2パッチC2についての位置及び種類に関する情報も含む。
【0054】
具体的には、印刷部16は、シリアルヘッド方式であって、ヘッド40、プラテン17、複数のタンク18、搬送部50、ヘッド移動部60を備えており、例えば、測色部11の後方に配置されている。なお、印刷部16はラインヘッド方式であってもよい。この場合、印刷部16はヘッド移動部60を備えず、ヘッド40は移動せずに左右方向において印刷媒体Bの印刷領域の長さよりも長い寸法を有している。
【0055】
なお、搬送部50により印刷媒体Bを搬送する方向を前後方向と称する。前後方向に対して交差(例えば、直交)する方向であって、ヘッド移動部60によりヘッド40が移動する方向を左右方向と称する。前後方向及び左右方向に対して交差(例えば、直交)する方向を上下方向と称する。但し、印刷部16の配置はこれに限定されない。
【0056】
ヘッド40は複数のノズル41及び複数の駆動素子42(図2)を有し、ノズル41はヘッド40の下面に開口する。駆動素子42は、圧電素子、発熱素子及び静電式アクチュエータ等であって、ノズル41毎に設けられ、ノズル41からインクを吐出する圧力をインクに付与する。プラテン17は、平坦な上面を有し、その上面上に配置された印刷媒体Bと、これに対向して設けられるヘッド40の下面との間の距離を規定する。複数のタンク18は、シアンC、マゼンタM、イエローY及びブラックKのインクをそれぞれ貯留し、対応するヘッド40のノズル41にそれぞれ供給する。
【0057】
搬送部50は、例えば、2本の搬送ローラ51、及び、搬送モータ52(図2)を有している。2本の搬送ローラ51は、前後方向において互いの間にプラテン17を挟んで配置されている。搬送ローラ51は、左右方向に延びる軸を有し、搬送モータ52に連結されている。搬送ローラ51は、搬送モータ52の駆動によって軸を中心に回転し、印刷媒体Bをプラテン17上において前後方向に搬送する。
【0058】
ヘッド移動部60は、第1キャリッジ61、2本の第1ガイドレール62、第1移動モータ63、及び、第1無端ベルト64を有している。2本の第1ガイドレール62は、前後方向においてヘッド40を互いの間に挟むように、プラテン17の上方において左右方向に延びている。第1キャリッジ61は、ヘッド40を搭載し、左右方向に移動可能に2本の第1ガイドレール62に支持されている。第1無端ベルト64は、左右方向に延びて、第1キャリッジ61に取り付けられ、また、第1移動モータ63に第1プーリー65を介して取り付けられている。第1移動モータ63が駆動すると、第1無端ベルト64が走行し、第1キャリッジ61は第1ガイドレール62に沿って左右方向に往復移動する。これにより、第1キャリッジ61は左右方向にヘッド40を移動させる。
【0059】
さらに、制御部30は、図2に示すように、ヘッド駆動回路35を介して駆動素子42に接続され、駆動素子42の駆動を制御する。これにより、駆動素子42によるヘッド40からのインクの吐出タイミング及び吐出量などが制御される。
【0060】
制御部30は、第1移動駆動回路36を介してヘッド移動部60の第1移動モータ63に接続されると共に、第1キャリッジ61の位置を検出するエンコーダなどの第1移動センサ66に接続されている。制御部30は、第1移動センサ66による検出結果に基づいて、第1移動モータ63の駆動を制御する。これにより、ヘッド移動部60による第1キャリッジ61及びヘッド40の移動が制御される。
【0061】
制御部30は、搬送駆動回路37を介して搬送部50の搬送モータ52に接続されると共に、搬送モータ52の回転量又は回転角度を検出するエンコーダなどの搬送センサ53に接続されている。制御部30は、搬送センサ53による検出結果に基づいて、搬送モータ52の駆動を制御する。これにより、搬送部50による印刷媒体Bの搬送が制御される。
【0062】
このような印刷部16によれば、制御部30は、対象画像G及びパッチチャートCなどの画像の画像データを外部装置D及び記憶部33などから取得し、画像データに基づいて印刷動作を実行する。例えば、制御部30が、右又は左にヘッド40を移動させながら、ヘッド40からインクを印刷媒体Bに吐出させる。そして、制御部30は、印刷媒体Bを前方へ搬送させる。このように、印刷部16は、ヘッド40の移動及びインクの吐出と印刷媒体Bの搬送とを交互に繰り返し、インクにより印刷媒体Bに画像を印刷する印刷動作を進めていく。
【0063】
このような印刷物Aの測色システム10の制御方法は、例えば、図8の制御方法の一例を示すフローチャートに沿って制御部30により実行される。制御部30は、ユーザから印刷指示を受けることにより、本フローチャートに沿って各処理を実行する。ここで、制御部30は、印刷媒体Bに印刷される対象画像Gの画像データを外部装置Dから取得する(ステップS11)。そして、制御部30は、パッチ作成条件を外部装置D又は入力部15などから取得する(ステップS12)。パッチ作成条件は、例えば、パッチを印刷するための印刷媒体Bのサイズ又は種類、パッチのサイズ、及び、対象画像Gの画像データを外部装置D又は入力部15などから取得する。
【0064】
続いて、制御部30は、第1パッチC1の第1色を取得する(ステップS13)。ここで、制御部30は、印刷部16の色域を記憶部33などから取得する。印刷部16の色域は、印刷部16により印刷可能な色の領域であって、RGB色空間におけるRGB値などデバイス依存の色座標で表される。印刷部16の色域は、例えば、RGB値(0、0、0)乃至RGB値(255、255、255)の色領域を有している。このRGB値は、例えば、256階調のレッドの色値、256階調のグリーンの色値、及び、256階調のブルーの色値の組み合わせにより1つの色を表している。
【0065】
そして、制御部30は、印刷部16の色域を所定の階調間隔で段階的に表した色値を第1色として取得する。第1色は、例えば、RGBのそれぞれが256階調の色域を32階調毎に表されると、(256/32+1)=729色を有している。このように、パッチチャートCにおける複数の第1パッチC1の第1色は、互いに異なる色値を有している。そして、制御部30は、第1色のパッチの種類を第1パッチC1として、第1パッチC1の種類及び第1色を対応付けて、図3の例のように記憶部33のパッチ情報に記憶する。
【0066】
続いて、制御部30は、第2パッチC2の第2色を受付部32aから取得する(ステップS14)。例えば、図6(a)の例に示すように、制御部30は、印刷媒体Bに印刷される対象画像Gをその画像データに基づいて表示部14に表示させる。ユーザは、入力部15を操作して、表示部14に表示されている対象画像Gにおける位置を指定する。制御部30は、入力部15により入力された位置に対応する、表示部14に表示された対象画像Gの色を第2色として画像データから取得する。このように、制御部30は受付部32aとして機能する。
【0067】
そして、制御部30は、ユーザによって位置が指定される度に、その指定位置に対応する第2色を取得する。第2色の色値は、RGB値など、デバイス依存の色座標に表される。そして、制御部30は、第2色のパッチの種類を第2パッチC2として、第2パッチC2の種類及び第2色を対応付けて、図3の例のように記憶部33のパッチ情報に記憶する。
【0068】
続いて、制御部30は、印刷動作を実行する(ステップS15)。印刷動作では、制御部30は、第1色の数、第2色の数、パッチのサイズ、及び、印刷媒体Bのサイズに応じてパッチチャートCの画像データを生成する。ここで、制御部30は、例えば、パッチチャートCにおいて複数のパッチを前後方向及び左右方向において碁盤の目状に並べる。これにより、パッチチャートCは、複数の第1パッチC1を前後方向に並べた第1パッチ群である列、及び、第2色のパッチである複数の第2パッチC2を前後方向に並べた第2パッチ群である列を形成する。そして、制御部30は、パッチチャートCにおけるパッチの位置をパッチの列及び行で表して、パッチの色値と対応付けて、記憶部33のパッチ情報に記憶する。
【0069】
ここで、印刷部16がCMYKの4種類のインクにより印刷するのに対し、パッチチャートCにおける第1色及び第2色がRGB値で表されている。この場合には、制御部30は、記憶部33に記憶されている所定の色変換データに基づいて、パッチチャートCの画像データにおけるRGB値を、印刷部16の依存色空間であるCMYK色空間における色座標であるCMYK値に変換する。そして、制御部30は、色変換した画像データに基づいてパッチチャートCを印刷媒体Bに印刷部16により印刷する。このパッチチャートCが印刷媒体Bに印刷された印刷物Aは、印刷部16により前方に搬送され、印刷部16の前方に配置された測色部11へ供給される。
【0070】
続いて、制御部30は、測色動作を実行する(ステップS16)。この測色動作では、制御部30は、図4又は図5の例に示すようなステップS1~S7の測色動作を実行する。この測色動作における第1測色動作及び第2測色動作により、パッチの種類に応じてパッチの測色の時間と精度とのバランスをとることができる。そして、制御部30は、測色動作によるパッチの測色値を取得し、パッチの色値と測色値とを対応付けて記憶部33のパッチ情報に記憶する。なお、搬送センサ53、第1移動センサ66及び移動センサ29の検出結果に基づいて、移動部20に対するパッチの位置が取得できる場合、ステップS2の補正動作を省略することができる。この場合、各センサの検出結果による移動部20に対するパッチの位置に基づいて、第1測色動作及び第2測色動作を実行する。
【0071】
続いて、制御部30は、印刷部16の色域において第1色を補間する補間動作を実行する(ステップS17)。補間動作では、制御部30は、第1色が、色域を32階調間隔のRGB値で表されている場合、この間隔よりも小さい、例えば、16階調間隔のRGB値を第2色に基づいて線形補間などにより取得する。これにより、(256/16+1)=4913色のRGB値が得られる。これに対して、制御部30は、パッチ情報における第1パッチC1及び第2パッチC2の測色値であるLab値に基づいて、印刷部16の色域における4913色のRGB値に対応するLab値を線形補間などにより取得し、RGB値とLab値とを対応付けた対応関係を記憶部33に記憶する。
【0072】
続いて、制御部30は、色校正プロファイルを作成する作成動作を実行する(ステップS18)。作成動作では、制御部30は、印刷部16の色域におけるRGB値とLab値との対応関係と、記憶部33に記憶されている所定の色変換データに基づいて、色校正プロファイルを作成する。例えば、制御部30は、所定の色変換データに基づいて、色域のLab値をCMYK値に変換して、色域のRGB値とCMYK値とを対応付けた色校正プロファイルを作成する。この色校正プロファイルは、ユーザに指定された第2色の測色値に基づいているため、制御部30は、対象画像Gの画像データを色校正プロファイルに基づいて色校正して印刷することにより、印刷された対象画像Gの色を目標のLab値に近づけることができる。
【0073】
なお、図8のステップS15及びS16の処理において、制御部30は印刷動作の実行中に、第1測色動作又は第2測色動作を実行してもよい。例えば、図7の例に示すように、印刷部16は、測色部11の後方に配置されており、パッチチャートCを印刷媒体Bに印刷して、その印刷物Aを前方に搬送する。このパッチチャートCでは、複数のパッチは左右方向に並んでパッチ群である行を形成し、パッチの第1行f1~第23行f23はこの順で前から並んでいる。
【0074】
この場合、印刷部16がパッチの第1行f1から順に印刷していき前方に搬送すると、その印刷物Aはパッチの第1行f1から順に測色部11に供給される。この印刷部16による印刷動作中に、移動部20は測色部11をパッチの行に沿って右に移動させながら、パッチの行におけるパッチを左から順に測色部11により測色していく。そして、印刷物Aが前方へ搬送される度に、測色部11は第1行f1から順に後方のパッチの行を測色していく。そして、測色部11による測色が終わると、印刷物Aが前方へ搬送される。測色部11による測色が終わるまで、印刷部16はパッチを印刷せずに、待機する。このように、印刷動作の実行中に第1測色動作又は第2測色動作を実行することにより、パッチチャートCの印刷から測色までの時間の短縮化を図ることができる。
【0075】
また、図7の例に示すように、印刷媒体Bは、印刷媒体Bの搬送方向における上流端B1及び下流端B2を有していてもよい。この場合、制御部30は、印刷動作にて、搬送方向においてパッチチャートCが上流端B1よりも下流端B2に近くなり、且つ、パッチチャートCにおいて第1パッチ群が第2パッチ群よりも下流端B2に近くなるように、パッチチャートCを印刷媒体Bに印刷させてもよい。
【0076】
具体的には、図7の例では、印刷部16はパッチチャートCを印刷媒体Bに印刷して前方に搬送している。この場合、印刷部16は、印刷媒体Bの上流端B1である後端よりも印刷媒体Bの下流端B2である前端にパッチチャートCが近くなるように、パッチチャートCを印刷媒体Bに印刷する。これにより、パッチチャートCの前端と印刷媒体Bの前端との前方間隔が、パッチチャートCの後端と印刷媒体Bの後端との後方間隔よりも小さくなる。この場合、印刷部16に印刷されたパッチチャートCが印刷部16の前方にある測色部11へ到達するまでの時間は、前方間隔が後方間隔よりも大きい場合よりも短くなる。よって、パッチチャートCの印刷から測色までの時間の短縮化を図ることができる。
【0077】
さらに、上記では、測色部11が印刷媒体Bに接近した状態でパッチC1、C2を測色した。ただし、測色部11が印刷媒体Bから離れた状態でパッチC1、C2を測色してもよい。
【0078】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る印刷装置100は、図9図11の例に示すように、インクを印刷媒体Bに吐出するノズル141を有するヘッド140と、ヘッド140を搭載して第3方向に移動する第1キャリッジ161と、印刷媒体Bを第3方向に対して交差する第4方向に搬送する搬送部150と、印刷媒体Bに印刷されたパッチチャートCに含まれる複数のパッチを測色する測色部111と、制御部130と、を備えている。複数のパッチは、所定の第1色に関する第1パッチC1、及び、所定の第2色に関する第2パッチC2を有している。制御部130は、ヘッド140から吐出されたインクによりパッチチャートCを印刷媒体Bに印刷させる印刷動作を実行する。制御部130は、第1パッチC1及び第2パッチC2に関する情報を含むパッチ情報に基づき、印刷媒体Bに対して測色部111を搬送部150により移動させながら第1パッチC1を測色部111により測色させる第1測色動作を実行する。制御部130は、パッチ情報に基づき、印刷媒体Bに対して測色部111を停止させた状態で第2パッチC2を測色部111により測色させる第2測色動作を実行する。
【0079】
具体的には、以下において、第1キャリッジ161が移動する第3方向を左右方向と称する。また、第3方向に対して交差(例えば、直交)する第4方向を前後方向と称する。さらに、第3方向及び第4方向に対して交差(例えば、直交)する方向を上下方向と称する。但し、印刷装置100の配置はこれに限定されない。
【0080】
図9及び図10の例に示すように、印刷装置100は、測色部111、表示部114、入力部115、プラテン117、複数のタンク118、制御部130、ヘッド140、搬送部150、及び、ヘッド移動部160を備えている。この印刷装置100の測色部111、表示部114、入力部115、プラテン117、タンク118、制御部130、ヘッド140、搬送部150、及び、ヘッド移動部160についての構成は、印刷物Aの測色システム10における測色部11、表示部14、入力部15、プラテン17、タンク18、制御部30、ヘッド40、搬送部50、及び、ヘッド移動部60についての構成とそれぞれ同一又は同様である。これらの印刷装置100における構成要素は、これに対応する測色システム10の構成要素の参照符号に100を足した参照符号により表される。
【0081】
また、印刷装置100は、測色部111を搭載して第3方向に移動する第2キャリッジ170を備えている。例えば、第2キャリッジ170は、印刷媒体Bの搬送方向においてヘッド140よりも下流、例えば、前方に配置されている。第2キャリッジ170は、測色部111を搭載し、左右方向に移動可能に2本の第2ガイドレール171に支持されている。2本の第2ガイドレール171は、前後方向において測色部111を互いの間に挟むように、左右方向に延びている。第2無端ベルト172は、左右方向に延びて、第2キャリッジ170に取り付けられ、また、第2移動モータ173に第2プーリー174を介して取り付けられている。第2移動モータ173が駆動すると、第2無端ベルト172が走行し、第2キャリッジ170は第2ガイドレール171に沿って左右方向に往復移動する。これにより、第2キャリッジ170は左右方向に測色部111を移動させる。
【0082】
制御部130は、第2移動駆動回路175を介して第2移動モータ173に接続されると共に、第2キャリッジ170の位置を検出するエンコーダなどの第2移動センサ176に接続されている。制御部130は、第2移動センサ176による検出結果に基づいて、第2移動モータ173の駆動を制御する。これにより、制御部130は、第2移動モータ173による第2キャリッジ170及び測色部111の移動を第2移動センサ176の検出値に基づいて制御する。
【0083】
さらに、印刷装置100は近接部180を備えている。例えば、近接部180は、モータ及びソレノイドなどの近接アクチュエータ181を含み、第2キャリッジ170及び測色部111に接続されている。近接部180は、第2キャリッジ170に対して測色部111を上下動させることにより、測色部111を印刷媒体Bに接触させたり、測色部111を印刷媒体Bから離したりする。制御部130は、近接駆動回路182を介して近接アクチュエータ181に接続されるとともに、近接アクチュエータ181の移動量などを検出するエンコーダなどの近接センサ183に接続されている。制御部130は、近接センサ183による検出結果に基づいて、近接アクチュエータ181の駆動を制御する。これにより、制御部130は、近接部180による測色部111の上下動を近接センサ183の検出結果に基づいて制御する。
【0084】
このように、印刷装置100は、印刷媒体Bと測色部111とを相対的に移動させる相対移動部として、搬送部150、第2キャリッジ170及び近接部180を有している。この搬送部150により測色部111に対して印刷媒体Bを前後方向に移動させ、第2キャリッジ170により印刷媒体Bに対して測色部111を左右方向にさせ、近接部180により印刷媒体Bに対して測色部111を上下方向にさせる。このように、搬送部150、第2キャリッジ170及び近接部180により印刷媒体Bに対して測色部111を移動させる。
【0085】
また、測色部111のキャリブレーションのための白色点123は、測色部111により測色可能な範囲に配置されている。例えば、白色点123は、左右方向において測色部111が第2キャリッジ170により移動可能な範囲であって、上下方向において測色部111に対向可能な範囲に配置されている。白色点123は、例えば、Lab値など、デバイス非依存の色空間における色座標である色値で表される所定の色値を有しており、この色値は記憶部133に記憶されている。
【0086】
なお、印刷装置100の相対移動部は、印刷物Aの測色システム10の移動部20と同様に基台及びアームを有していてもよい。また、印刷装置100の相対移動部は、第2キャリッジ170に、印刷物Aの測色システム10のアーム22と同様のアームが設けられていてもよい。これらの場合、アームにより印刷媒体Bに対して測色部111を移動させてもよい。
【0087】
また、図16の例に示すように、第2キャリッジ170にアーム122が設けられている場合には、第2キャリッジ170に白色点123が設けられていてもよい。このアーム122は、測色システム10のアーム22と同一又は同様の構成を有し、測色システム10のアーム22の参照符号に100を足した参照符号により表される。
【0088】
この場合には、測色部111をアーム122により第2キャリッジ170における白色点123へ移動し、白色点123を測色部111により測色する。この測色部111は白色点123と共に左右方向に第2キャリッジ170により移動することにより、測色部111を白色点123の位置へ第2キャリッジ170により移動させなくてもよいため、測色部111によって白色点123を容易に測色しキャリブレーションを実行することができる。
【0089】
<印刷装置の制御方法>
印刷装置100の制御方法は、例えば、図12の制御方法の一例を示すフローチャートに沿って制御部130により実行される。制御部130は、ユーザから印刷指示を受けることにより、本フローチャートに沿って各処理を実行する。この図12のフローチャートにおける印刷装置100による処理は、図8のフローチャートにおける測色システム10による処理とそれぞれ同一又は同様である。これらの印刷装置100による処理は、これに対応する測色システム10の処理の参照符号に100を足した参照符号により表される。
【0090】
図12の例のフローチャートにおいて、制御部130は、対象画像Gの画像データ、パッチ作成条件、第1パッチC1の第1色及び第2パッチC2の第2色を取得する(ステップS111~S114)。第1色は、印刷装置100により印刷可能な色域に含まれる色である。例えば、第1色は、記憶部133に記憶されている印刷装置100の色域を所定の階調間隔で段階的に表した色値である。また、第2色は、受付部132aによりユーザにより指定された色であって、例えば、表示部14に表示された対象画像Gの色を入力部15により指定することにより受付部132aに受け付けられる色値である。この場合、制御部130は受付部132aとして機能する。
【0091】
図11の例に示すように、制御部130は、取得情報に基づいてパッチチャートCの印刷動作を実行する(ステップS115)。この印刷動作において、制御部130は、パッチチャートCの画像データを生成すると共に、図3の例に示すパッチ情報を記憶部133に記憶する。そして、制御部130は、ヘッド140のノズル141から吐出されたインクによりパッチチャートCをその画像データに基づいて印刷媒体Bに印刷させる。そして、制御部130は、このパッチチャートCが印刷媒体Bに印刷された印刷物Aを前方へ搬送部150により搬送し、ヘッド140よりも前方に配置された測色部111へ供給する。
【0092】
続いて、制御部130は、測色動作を実行する(ステップS116)。この測色動作では、例えば、図13の例のフローチャートにおけるS101~S107の処理を実行する。この印刷装置100による測色動作のS101~S107の処理は、図4のフローチャートにおける測色システム10による測色動作のS1~S7の処理とそれぞれ同一又は同様である。これらの印刷装置100による測色動作の処理は、これに対応する測色システム10による測色動作の処理の参照符号S1~S7に100を足した参照符号S101~S107により表されている。なお、搬送センサ153、第1移動センサ166、第2移動センサ176及び近接センサ183の検出結果に基づいて、相対移動部に対してパッチの位置が取得できる場合、ステップS102の補正動作を省略することができる。この場合、各センサの検出結果による相対移動部に対するパッチの位置に基づいて、第1測色動作及び第2測色動作を実行する。
【0093】
図13の例のフローチャートにおけるステップS101にて、制御部130は、図3の例のパッチ情報を記憶部133から取得する取得動作を実行する。パッチ情報は、パッチチャートCに含まれる複数のパッチのそれぞれについて、パッチチャートC内での位置と、第1パッチC1及び第2パッチC2の何れであるかを示す種類と、に関する情報を含む。また、パッチ情報は、記憶部133に記憶されている。さらに、パッチ情報は、受付部132aが受け付けた第2色に対応する第2パッチC2についての位置及び種類に関する情報も含んでいる。上述の通り、例えば、制御部130は、ユーザによる第2色の指定を受け付ける受付部132aとして機能する。
【0094】
そして、ステップS104にて、制御部130は、測色対象のパッチが第1パッチC1及び第2パッチC2の何れであるかをパッチ情報に基づいて判定する判定動作を実行する。そして、制御部130は、判定結果に応じて図3の例のパッチ情報などに基づいて第1測色動作又は第2測色動作を実行する。
【0095】
ここで、制御部130は、測色対象のパッチが第1パッチC1であると判定すると(ステップS104:YES)、第1測色動作を実行する(ステップS105)。この第1測色動作にて、制御部130は、測色部111を印刷媒体Bに近接部180により接近させる。そして、制御部130は、測色部111が印刷媒体Bに接した状態で測色部111が印刷媒体B上の第1パッチC1へ移動するように、印刷媒体Bを搬送部150により前後方向に搬送させる。そして、制御部130は、第1パッチC1上において測色部111の移動を停止させずに測色部111による測色を行って、第1パッチC1の測色値を第1パッチC1の位置と対応付けて記憶部133のパッチ情報に記憶する。そして、制御部130は、印刷媒体Bに対して測色部111を搬送部150及び第2キャリッジ170の少なくとも一方により所定の位置又は次の測色対象のパッチへ移動させる。
【0096】
また、制御部130は、測色対象のパッチが第2パッチC2であると判定すると(ステップS104:NO)、第2測色動作する(ステップS106)。この第2測色動作にて、制御部130は、測色部111を上方に近接部180により移動させる。そして、制御部130は、測色部111を印刷媒体Bから離した状態で測色部111が印刷媒体B上の第2パッチC2へ移動するように、印刷媒体Bを搬送部150により前後方向へ搬送させる。そして、制御部130は、第2パッチC2上において測色部111を停止させて、この停止状態において測色部111を印刷媒体Bに近接部180により接近させる。そして、制御部130は、測色部111が印刷媒体Bに接した状態で第2パッチC2上において測色部111により測色させ、第2パッチC2の測色値を第2パッチC2の位置と対応付けて記憶部133のパッチ情報に記憶する。そして、制御部130は、測色部111を上方へ近接部180により移動させて、測色部111を印刷媒体Bから離した状態で印刷媒体Bに対して測色部111を搬送部150及び第2キャリッジ170の少なくとも一方により所定の位置又は次の測色対象のパッチへ移動させる。
【0097】
このように、第1測色動作では、第1パッチC1の測色時に測色部111を停止させないことにより、第1パッチC1を迅速に測色することができる。また、第2測色動作では、第2パッチC2の測色時に測色部111を停止させることにより、第2パッチC2を精度良く測色することができる。従って、パッチの種類に応じてパッチの測色の時間と精度とのバランスをとることができる。
【0098】
このように、パッチチャートCにおける全てのパッチを測色すると(ステップS107:YES)、図13の例のフローチャートにおいて、制御部130は、印刷部16の色域において第1色を第2色に基づいて補間する補間動作を実行し(ステップS117)、色校正プロファイルを作成する作成動作を実行する(ステップS118)。この色校正プロファイルは、ユーザに指定された第2色の測色値に基づいているため、制御部130は、対象画像Gの画像データを色校正プロファイルに基づいて色校正して印刷することにより、印刷された対象画像Gの色を目標のLab値に近づけることができる。
【0099】
なお、図12のステップS114及びS115の処理において、制御部130は印刷動作の実行中に、第1測色動作又は第2測色動作を実行してもよい。これにより、パッチチャートCの印刷から測色までの時間の短縮化を図ることができる。
【0100】
<変形例3>
変形例3に係る印刷装置100では、実施の形態2において、図9図11の例に示すように、複数のパッチは、第4方向に沿って並ぶ複数のパッチ群を構成している。複数のパッチ群は、第3方向に並び、且つ、第1パッチC1により構成される第1パッチ群、及び、第2パッチC2により構成される第2パッチ群を有している。制御部130は、第1測色動作にて、搬送部150により印刷媒体Bに対して測色部111を第4方向に移動させながら第1パッチC1を測色部111により測色させ、第2測色動作にて、搬送部150による印刷媒体Bに対する測色部111の第4方向への移動と停止とを繰り返しながら印刷媒体Bに対する測色部111の停止状態で第2パッチC2を測色部111により測色させる。
【0101】
具体的には、図11の例に示すように、パッチチャートCにおいて、複数のパッチが前後方向及び左右方向において碁盤目状に配置されている。複数のパッチは、前後方向に沿って並んで列を成し、左右方向に沿って並んで行を成している。例えば、第4方向が前後方向である場合には、パッチ群は複数のパッチが前後方向に沿って並ぶ列である。このパッチ群のうち、第1パッチ群は第2パッチC2を含まずに複数の第1パッチC1が前後方向に沿って並ぶ第1パッチC1の列であり、第2パッチ群は第1パッチC1を含まずに複数の第2パッチC2が前後方向に沿って並ぶ第2パッチC2の列である。この第1パッチC1の第1列e1~第21列e21のそれぞれの列と第2パッチC2の第22列e22~第23列e23のそれぞれの列とは左右方向において互いに異なる位置に配置されている。つまり、第1パッチ群と第2パッチ群とは第3方向において互いに異なる位置に配置されている。
【0102】
このような印刷装置100の制御方法は、図12の制御方法の一例を示すフローチャートに沿って制御部130により実行される。この図12のS116の測色動作において、例えば、図14の例のフローチャートにおけるS101~S107の処理を実行する。この図14のフローチャートでは、図13のフローチャートにおけるステップS104の処理に代えて、ステップS104´の処理を実行する。
【0103】
このステップS104´において、制御部130は、判定動作にて、複数のパッチ群のそれぞれが第1パッチ群及び第2パッチ群の何れであるかをパッチ情報に基づいて判定する。この判定動作では、制御部130は、図3の例のパッチ情報におけるパッチの位置に基づいてパッチの列を取得して、パッチの種類に基づいて測色対象のパッチの列が第1パッチ群又は第2パッチ群であるかを列毎に判定する。
【0104】
そして、制御部130は、判定動作において測色対象のパッチ群が第1パッチC1の列であれば(ステップS104´:YES)、第1測色動作を実行する(ステップS105)。この第1測色動作では、例えば、制御部130は、測色部111が印刷媒体Bに接するように、測色部111を下方へ近接部180により移動させる。そして、制御部130は、印刷媒体Bにおける第1列e1の第1パッチC1を測色する場合には、第1列e1、第1行f1の第1パッチC1上又は第1パッチC1よりも後方に測色部111が配置されるように、測色部111に対して印刷媒体Bを搬送部150により前後方向に移動させたり、印刷媒体Bに対して測色部111を第2キャリッジ170により左右方向に移動させたりする。
【0105】
そして、制御部130は、測色部111が印刷媒体Bに接した状態で印刷媒体Bに対して測色部111を前方へ第1列e1に沿って移動させるように、印刷媒体Bを搬送部150により後方に搬送させる。そして、制御部130は、第1列e1における第1行f1~第36行f36の各第1パッチC1上において印刷媒体Bに対する測色部111の移動が停止しないように印刷媒体Bを搬送させて、各第1パッチC1上において測色部111による測色を行う。これにより、制御部130は、第1列e1における第1行f1~第36行f36の第1パッチC1のそれぞれを測色して、第1パッチC1の測色値を第1パッチC1の位置と対応付けて記憶部133のパッチ情報に記憶する。そして、制御部130は、印刷媒体Bに対して測色部111を搬送部150及び第2キャリッジ170の少なくとも一方により所定の位置又は次の測色対象のパッチの列へ移動させる。
【0106】
一方、制御部130は、判定動作において測色対象のパッチ群が第2パッチC2の列であれば(ステップS104´:NO)、第2測色動作を実行する(ステップS106)。この第2測色動作では、例えば、第22列e22の第2パッチC2を測色する場合には、第22列e22、第1行f1の第2パッチC2上又は第2パッチC2よりも後方に測色部111が配置されるように、印刷媒体Bに対して測色部111を搬送部150及び第2キャリッジ170の少なくとも一方により移動させる。
【0107】
そして、制御部130は、測色部111が印刷媒体Bから離れた状態で、印刷媒体Bに対して測色部111を前方へ第22列e22に沿って移動させるように、印刷媒体Bを搬送部150により後方に搬送させる。ここで、制御部130は、第22列e22における各第2パッチC2における所定の位置、例えば、第2パッチC2の中央に測色部111が到達する度に搬送部150の搬送を停止させる。
【0108】
そして、制御部130は、印刷媒体Bに対して測色部111が停止した状態において、測色部111を上下方向に移動させることで、測色部111が印刷媒体Bから離れた状態よりも測色部111を印刷媒体Bに接近させた状態として、測色部111が印刷媒体Bに接近した状態で第2パッチC2上にて測色部111の測色を行う。さらに、制御部130は、印刷媒体Bに対して測色部111が停止した状態において、測色部111を上下方向に移動させることで、測色部111を印刷媒体Bから離れた状態にし、次のパッチを測色するために印刷媒体Bを搬送部150により後方に搬送させる。
【0109】
このように、制御部130は、第22列e22における第1行f1~第36行f36の各第2パッチC2について、測色部111を印刷媒体Bから離れた状態で第22列e22に沿って測色部111が移動するように搬送部150により印刷媒体Bを搬送し、第2パッチC2の中央において印刷媒体Bに対して測色部111が停止し印刷媒体Bに接近した状態で第2パッチC2を測色部111により測色するように搬送部150による印刷媒体Bの搬送を停止することを繰り返す。これにより、制御部130は、第22列e22における第1行f1~第36行f36の第2パッチC2のそれぞれの測色値を取得し、この第2パッチC2の測色値を位置と対応付けて記憶部133のパッチ情報に記憶する。そして、制御部130は、印刷媒体Bに対して測色部111を搬送部150及び第2キャリッジ170の少なくとも一方により所定の位置又は次の測色対象のパッチの列へ移動させる。
【0110】
そして、制御部130は、測色するパッチが残っていれば(ステップS107:NO)、ステップS104´の処理に戻り、ステップS104´~S107の処理を繰り返す。図11の例では、制御部130は、第1列e1~第21列e21のそれぞれの列における各パッチについてはステップS105の第1測色動作を実行する。また、第22列e22~第23列e23のそれぞれの列における各パッチについてはステップS106の第2測色動作を実行する。そして、制御部130は、パッチチャートCにおける全てのパッチを測色すると(ステップS107:YES)、測色動作を終了する。この第1測色動作及び第2測色動作によって、パッチ群の種類に応じてパッチの測色の時間と精度とのバランスをとることができる。また、パッチチャートCにおいて第1パッチC1の列と第2パッチC2の列とは左右方向において互いに異なる位置に配置されていることにより、第1測色動作又は第2測色動作を列毎に一律に行うことができる。
【0111】
なお、上記では、測色部111が印刷媒体Bに接近した状態でパッチC1、C2を測色した。ただし、測色部111が印刷媒体Bから離れた状態でパッチC1、C2を測色してもよい。
【0112】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る印刷装置100は、図9図10及ぶ図15の例に示すように、インクを印刷媒体Bに吐出するノズル141を有するヘッド140と、ヘッド140を搭載して第3方向に移動する第1キャリッジ161と、印刷媒体Bを第3方向に対して交差する第4方向に搬送する搬送部150と、印刷媒体Bに印刷されたパッチチャートCに含まれる複数のパッチを測色する測色部111と、測色部111を搭載して第3方向に移動する第2キャリッジ170と、制御部130と、を備えている。複数のパッチは、所定の第1色に関する第1パッチC1、及び、所定の第2色に関する第2パッチC2を有している。制御部130は、ヘッド140から吐出されたインクによりパッチチャートCを印刷媒体Bに印刷させる印刷動作と、第1パッチC1及び第2パッチC2に関する情報を含むパッチ情報に基づき、印刷媒体Bに対して測色部111を第2キャリッジ170により移動させながら第1パッチC1を測色部111により測色させる第1測色動作と、パッチ情報に基づき、印刷媒体Bに対して測色部111を停止させた状態で第2パッチC2を測色部111により測色させる第2測色動作と、を実行する。
【0113】
具体的には、印刷装置100の制御方法は、例えば、図12の制御方法の一例を示すフローチャートに沿って制御部130により実行される。ここで、図15の例に示すように、図3の例のパッチ情報などに基づいてヘッド140から吐出されたインクによりパッチチャートCを印刷媒体Bに印刷させる印刷動作を実行する(ステップS115)。そして、制御部130は、このパッチチャートCが印刷媒体Bに印刷された印刷物Aを前方へ搬送し、ヘッド140よりも前方に配置された測色部111へ印刷物Aを供給する。
【0114】
続いて、制御部130は、測色動作を実行する(ステップS116)。この測色動作では、例えば、図13の例に示すフローチャートに沿ってS101~S107の処理が実行される。このステップS104にて、制御部130は、測色対象のパッチが第1パッチC1及び第2パッチC2の何れであるかをパッチ情報に基づいて判定する判定動作を実行する。なお、上述の通り、測色動作においてステップS102の補正動作が省略されてもよい。
【0115】
そして、ステップS105にて、制御部130は、測色対象のパッチが第1パッチC1であると判定すると(ステップS104:YES)、第1測色動作を実行する。この第1測色動作にて、制御部130は、測色部111を印刷媒体Bに近接部180により接近させる。そして、制御部130は、測色部111が印刷媒体Bに接した状態で測色部111を印刷媒体B上の第1パッチC1へ第2キャリッジ170により移動させる。そして、制御部130は、第1パッチC1上において測色部111の移動を停止させずに測色部111による測色を行って、第1パッチC1の測色値を第1パッチC1の位置と対応付けて記憶部133のパッチ情報に記憶する。そして、制御部130は、印刷媒体Bに対して測色部111を搬送部150及び第2キャリッジ170の少なくとも一方により所定の位置又は次の測色対象のパッチへ移動させる。
【0116】
また、ステップS106にて、制御部130は、測色対象のパッチが第2パッチC2であると判定すると(ステップS104:NO)、第2測色動作を実行する。この第2測色動作にて、制御部130は、測色部111を上方に近接部180により移動させる。そして、制御部130は、測色部111を印刷媒体Bから離した状態で測色部111を印刷媒体B上の第2パッチC2へ第2キャリッジ170により移動させる。そして、制御部130は、第2パッチC2上において測色部111を停止させて、この停止状態において測色部111を印刷媒体Bに近接部180により接近させる。そして、制御部130は、測色部111が印刷媒体Bに接した状態で第2パッチC2上において測色部111により測色させ、第2パッチC2の測色値を第2パッチC2の位置と対応付けて記憶部133のパッチ情報に記憶する。そして、制御部130は、測色部111を上方へ近接部180により移動させて、測色部111を印刷媒体Bから離した状態で印刷媒体Bに対して測色部111を搬送部150及び第2キャリッジ170の少なくとも一方により所定の位置又は次の測色対象のパッチへ移動させる。
【0117】
このように、第1測色動作では、第1パッチC1の測色時に測色部111を停止させないことにより、第1パッチC1を迅速に測色することができる。また、第2測色動作では、第2パッチC2の測色時に測色部111を停止させることにより、第2パッチC2を精度良く測色することができる。従って、パッチの種類に応じてパッチの測色の時間と精度とのバランスをとることができる。なお、図12のステップS114及びS115の処理において、制御部130は印刷動作の実行中に、第1測色動作又は第2測色動作を実行してもよい。これにより、パッチチャートCの印刷から測色までの時間の短縮化を図ることができる。
【0118】
このように、パッチチャートCにおける全てのパッチを測色すると(ステップS107:YES)、図13の例のフローチャートにおいて、制御部130は、印刷部16の色域において第1色を第2色に基づいて補間する補間動作を実行し(ステップS117)、色校正プロファイルを作成する作成動作を実行する(ステップS118)。この色校正プロファイルは、ユーザに指定された第2色の測色値に基づいているため、制御部130は、対象画像Gの画像データを色校正プロファイルに基づいて色校正して印刷することにより、印刷された対象画像Gの色を目標のLab値に近づけることができる。
【0119】
<変形例4>
変形例3に係る印刷装置100では、実施の形態3において、複数のパッチは、第3方向に沿って並ぶ複数のパッチ群を構成する。複数のパッチ群は、第4方向に並び、且つ、第1パッチC1により構成される第1パッチ群、及び、第2パッチC2により構成される第2パッチ群を有している。制御部130は、第1測色動作にて、第2キャリッジ170により測色部111を第3方向に移動させながら第1パッチC1を測色部111により測色させる。制御部130は、第2測色動作にて、第2キャリッジ170による測色部111の第3方向への移動と停止とを繰り返しながら印刷媒体Bに対する測色部111の停止状態で第2パッチC2を測色部111により測色させる。
【0120】
具体的には、図15の例に示すように、パッチチャートCにおいて、複数のパッチが前後方向及び左右方向において碁盤目状に配置されている。複数のパッチは、前後方向に沿って並んで列を成し、左右方向に沿って並んで行を成している。例えば、第4方向が左右方向である場合には、パッチ群は複数のパッチが左右方向に沿って並ぶ行である。このパッチ群のうち、第1パッチ群は第2パッチC2を含まずに複数の第1パッチC1が左右方向に沿って並ぶ第1パッチC1の行であり、第2パッチ群は第1パッチC1を含まずに複数の第2パッチC2が左右方向に沿って並ぶ第2パッチC2の行である。この第1パッチC1の第1行f1~第21行のそれぞれの行と第2パッチC2の第22行f22~第23行f23のそれぞれの行とは前後方向において互いに異なる位置に配置されている。つまり、第1パッチ群と第2パッチ群とは第4方向において互いに異なる位置に配置されている。
【0121】
このような印刷装置100の制御方法は、例えば、図12の制御方法の一例を示すフローチャートに沿って制御部130により実行される。図12のステップS116の測色動作では、図14の測色動作の一例を示すフローチャートに沿って制御部130により実行される。この図14のフローチャートでは、図13のフローチャートにおけるステップS104の処理に代えて、ステップS104´の処理が実行される。
【0122】
このステップS104´の判定動作にて、制御部130は、複数のパッチ群のそれぞれが第1パッチ群及び第2パッチ群の何れであるかをパッチ情報に基づいて判定する。この判定動作では、制御部130は、図3の例のパッチ情報におけるパッチの位置に基づいてパッチの行を取得して、パッチの種類に基づいて測色対象のパッチの行が第1パッチ群又は第2パッチ群であるかを行毎に判定する。
【0123】
そして、制御部130は、判定動作において測色対象のパッチ群が第1パッチC1の行であれば(ステップS104´:YES)、第1測色動作を実行する(ステップS105)。この第1測色動作では、例えば、制御部130は、測色部111が印刷媒体Bに接するように、測色部111を下方へ近接部180により移動させる。そして、制御部130は、印刷媒体Bにおける第1行f1の第1パッチC1を測色する場合には、測色部111を第1列e1、第1行f1の第1パッチC1上又は第1パッチC1よりも左に搬送部150及び第2キャリッジ170の少なくとも一方により移動させる。
【0124】
そして、制御部130は、測色部111が印刷媒体Bに接した状態で、測色部111を右へ第1行f1に沿って第2キャリッジ170により移動させる。そして、制御部130は、第1行f1における第1列e1~第36列e36の各第1パッチC1上において測色部111を停止させずに移動しながら、各第1パッチC1上において測色部111による測色を行う。これにより、制御部130は、第1行f1における第1列e1~第36列e36の第1パッチC1のそれぞれを測色して、第1パッチC1の測色値を第1パッチC1の位置と対応付けて記憶部133のパッチ情報に記憶する。そして、制御部130は、印刷媒体Bに対して測色部111を搬送部150及び第2キャリッジ170の少なくとも一方により所定の位置又は次の測色対象のパッチの行へ移動させる。
【0125】
一方、制御部130は、判定動作において測色対象のパッチ群が第2パッチC2の行であれば(ステップS104´:NO)、第2測色動作を実行する(ステップS106)。この第2測色動作では、例えば、第22行f22の第2パッチC2を測色する場合には、測色部111を第22行f22、第1列e1の第2パッチC2上又は第2パッチC2よりも左に測色部111を搬送部150及び第2キャリッジ170の少なくとも一方により移動させる。
【0126】
そして、制御部130は、測色部111が印刷媒体Bから離れた状態で、測色部111を右へ第22行f22に沿って第2キャリッジ170により移動させる。ここで、制御部130は、第22行f22における各第2パッチC2における所定の位置、例えば、第2パッチC2の中央に測色部111が到達する度に測色部111を停止させる。そして、制御部130は、測色部111が停止した状態において測色部111を上下方向に移動させることで測色部111を印刷媒体Bに接近させて、測色部111が印刷媒体Bから離れた状態よりも測色部111が印刷媒体Bに接近した状態で第2パッチC2上にて測色部111の測色を行う。
【0127】
このように、制御部130は、第22行f22における第1列e1~第36列e36の各第2パッチC2について、測色部111を印刷媒体Bから離した状態で第22行f22に沿って移動し、第2パッチC2の中央において印刷媒体Bに対して測色部111が停止し印刷媒体Bに接近した状態で第2パッチC2を測色部111により測色することを繰り返す。これにより、制御部130は、第22行f22における第1列e1~第36列e36の第2パッチC2のそれぞれの測色値を取得し、第2パッチC2の測色値を第2パッチC2の位置と対応付けて記憶部133のパッチ情報に記憶する。そして、制御部130は、測色部111を上下方向に移動させ、測色部111が印刷媒体Bから離れた状態で、印刷媒体Bに対して測色部111を搬送部150及び第2キャリッジ170の少なくとも一方により所定の位置又は次の測色対象のパッチの行へ移動させる。
【0128】
そして、制御部130は、測色するパッチが残っていれば(ステップS107:NO)、ステップS104´の処理に戻り、ステップS104´~S107の処理を繰り返す。図11の例では、制御部130は、第1行f1~第21行f21のそれぞれの行における各パッチについてはステップS105の第1測色動作を実行する。また、第22行f22~第23行f23のそれぞれの行における各パッチについてはステップS106の第2測色動作を実行する。そして、制御部130は、パッチチャートCにおける全てのパッチを測色すると(ステップS107:YES)、測色動作を終了する。この第1測色動作及び第2測色動作によって、パッチ群の種類に応じてパッチの測色の時間と精度とのバランスをとることができる。また、パッチチャートCにおいて第1パッチC1の行と第2パッチC2の行とは前後方向において互いに異なる位置に配置されていることにより、第1測色動作又は第2測色動作を行毎に一律に行うことができる。
【0129】
さらに、印刷媒体Bは、第4方向である印刷媒体Bの搬送方向における上流端B1及び下流端B2を有していてもよい。この場合、制御部130は、印刷動作にて、搬送方向においてパッチチャートCが上流端B1よりも下流端B2に近くなり、且つ、パッチチャートCにおいて第1パッチ群が第2パッチ群よりも下流端B2に近くなるように、パッチチャートCを印刷媒体Bに印刷させてもよい。図9及び図15の例では、印刷媒体BにおいてパッチチャートCを、ヘッド140よりも前方にある測色部111の近くに印刷することにより、パッチチャートCの印刷から測色までの時間の短縮化を図ることができる。
【0130】
また、実施の形態3においても図16の例に示すように、第2キャリッジ170にアーム122が設けられてもよい。この場合、第2キャリッジ170に白色点123が配置されていてもよい。このアーム122により測色部111を白色点123へ移動し、白色点123を測色部111により容易に測色することができる。
【0131】
また、上記では、測色部111が印刷媒体Bに接近した状態でパッチC1、C2を測色した。ただし、測色部111が印刷媒体Bから離れた状態でパッチC1、C2を測色してもよい。
【0132】
なお、上記全実施の形態は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせてもよい。また、上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【0133】
また、上記実施形態では、印刷装置1としてインクジェットプリンタを例に挙げたが、これに限らず、印刷装置1はレーザープリンタやサーマルプリンタ等の他のプリンタであってもよい。レーザープリンタは、印刷部を備える。ダイレクトタンデム方式のレーザープリンタの印刷部は、感光ドラムや感光体ベルト等の像担持体と、像担持体を接触又は非接触で帯電させる帯電部と、レーザー半導体等を用いて帯電された像担持体に静電潜像を形成する(いわゆる露光)露光部と、静電潜像が形成された像担持体にトナーを供給するトナーカートリッジや現像カートリッジと、像担持体上で現像されたトナー像を直接印刷媒体に転写する転写ローラや転写ベルト等の転写部と、印刷媒体に転写されたトナーを熱定着させる定着ローラや定着ベルト等の定着部を備える。
【0134】
レーザープリンタは、上述のダイレクトタンデム方式のレーザープリンタに限らず、中間転写方式のレーザープリンタであってもよい。中間転写方式のレーザープリンタは、像担持体上で現像されたトナー像を中間転写ベルトに転写した後、転写部を用いて中間転写ベルトから印刷媒体に転写する。また、サーマルプリンタは印刷部を備える。サーマルプリンタの印刷部は、サーマルヘッドと、インクリボンとを備える。サーマルヘッドは、インクリボンと接触しており、インクリボンのインクを印刷媒体に転写させるときに、対応する発熱素子を発熱させることで、インクリボンのインクを印刷媒体に転写させる。
【0135】
また、図1及ぶ図11の例では、パッチチャートCにおいて、第21列e21では9個の第1パッチC1が前後方向に沿って並び、この第21列e21の前方には、第1パッチC1及び第2パッチC2が配置されない空白部分C0が設けられている。ただし、パッチチャートCにおける第2パッチC2の配置はこれに限定されない。例えば、パッチチャートCにおいて空白部分C0が設けられないように、例えば、第21列e21の第1パッチC1の列の前方に、27個の第2パッチC2が配置されてもよい。この場合、9個の第1パッチC1と、27個の第2パッチC2との間で、第1測色動作と第2測色動作とを切り替える。これにより、より多くの第2パッチC2を測色することができる。
【0136】
また、図7及び図15の例では、パッチチャートCにおいて、第21行f21では9個の第1パッチC1が左右方向に沿って並び、この第21行g21の右には、第1パッチC1及び第2パッチC2が配置されない空白部分C0が設けられている。ただし、パッチチャートCにおける第2パッチC2の配置はこれに限定されない。例えば、パッチチャートCにおいて空白部分C0が設けられないように、例えば、第21行g21の第1パッチC1の列の右に、27個の第2パッチC2が配置されてもよい。この場合、9個の第1パッチC1と、27個の第2パッチC2との間で、第1測色動作と第2測色動作とを切り替える。これにより、より多くの第2パッチC2を測色することができる。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本発明は、パッチの測色の時間と精度とのバランスをとることができる印刷物の測色システム及び印刷装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0138】
10 :測色システム
11 :測色部
16 :印刷部
20 :移動部
23 :白色点
30 :制御部
32a :受付部
40 :ヘッド
41 :ノズル
50 :搬送部
61 :第1キャリッジ
100 :印刷装置
111 :測色部
123 :白色点
130 :制御部
132a :受付部
140 :ヘッド
141 :ノズル
150 :搬送部
161 :第1キャリッジ
170 :第2キャリッジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16