(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176101
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】杖の把手
(51)【国際特許分類】
A45B 9/02 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
A45B9/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088200
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】591256505
【氏名又は名称】池田 卓朗
(72)【発明者】
【氏名】池田 卓朗
(72)【発明者】
【氏名】角南 勲
(72)【発明者】
【氏名】森谷 庸雄
(57)【要約】
【課題】
杖軸を把手の上に突出させることにより握り易く安定して使用できる杖の把手を杖軸の任意の位置に固着して提供する。
【解決手段】
通常の杖把手の長さに準ずる堅牢で加工容易な木材の四角棒を用い、前方の杖軸冠着部分に杖軸が貫通する杖軸貫通孔2を設け、後方下面約半分の厚みを任意の寸法薄くすると共に全周角部分に任意の円加工又は切欠を施して把手1とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常の杖把手の長さに準ずる堅牢で加工容易な木材の四角棒を用い、前方の杖軸冠着部分に杖軸が貫通する杖軸貫通孔を設け、後方下面約半分の厚みを任意の寸法薄くすると共に全周角部分に任意の円加工又は切欠を施して把手としたことを特徴とする杖の把手。
【請求項2】
木材に替えてポリプロピレン、プラスチック等で一体成型した請求項1に記載の杖の把手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
通常は杖軸にT字形に取り付けられている杖の把手の上方に杖軸を突出させて握り易くすると共に歩行時に使い勝手のよい杖の把手に関する。
【背景技術】
【0002】
杖の把手はほとんど杖軸の上部にT字形で円形と曲線の組み合わせで構成されており使用者は上から掌を被せ握って使用している。この場合に把手を強く握らなくては安定性を保つことは出来ない。本発明者は、先に杖把手の長さに準ずる堅牢で加工容易な左右の四角棒を並列して杖軸を挟持することにより把手上面に杖軸が突出し、握り易く安定して使用できる着脱可能な杖の把手(特許文献1)を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
杖の把手はT字形が主流で杖軸上部に固定されており杖軸を上部に伸ばすことは出来ない。従って、把手の上部に杖軸があれば握り易く歩行時に安定した杖の使用が可能となる。特許文献1は2本の四角材で杖軸を挟持し着脱可能とすることにより杖軸を把手の上方に突出させることが出来るが通常杖の把手位置の寸法は使用者が一旦決めれば度々変えることはないので予め使用者に合わせた把手位置が固定された杖を各種寸法(例えば長さ86,84,82、80.78,76cm等)用意しておけば自分に合った杖を選択すればよい。従って、発明が解決しようとする課題は、前述の着脱可能な二分割した把手を一体化して杖軸に固着した各種寸法の杖を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
通常の杖把手の長さに準ずる堅牢で加工容易な木材の四角棒を用い、前方の杖軸冠着部分に杖軸が貫通する杖軸貫通孔を設け、後方下面約半分の厚みを任意の寸法薄くすると共に全周角部分に任意の円加工又は切欠を施して把手とする。製作量に応じてポリプロピレン、プラスチック等で成型する。
【発明の効果】
【0006】
一体化した把手を杖軸の任意の位置に固着し各種寸法の杖を提供することにより杖把手を握った際に親指の付け根が杖軸に当たるのと把手の上面が平面なので通常の丸形把手と比較すると掌の接触面積が多いので握り易くなり歩行時には杖に力が伝わり易く安定して使用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
四角棒の前方中心に杖軸貫通孔を設け後方下面寸法約半分の厚みを任意の寸法薄くし、全周の角部分を円加工又は切欠を施した把手を杖軸の任意の位置に固着する。
【実施例0009】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は杖の把手の正面図、
図2は平面図である。通常の杖把手の長さに準ずる堅牢で加工容易な木材の四角棒を用い、前方の杖軸冠着部分に杖軸が貫通する杖軸貫通孔2を設け、後方下面寸法約半分の厚みを任意の寸法薄くすると共に全周角部分に任意の円加工又は切欠を施して把手1とする。杖軸貫通孔には杖軸を嵌入するが、この場合において杖軸貫通孔は杖軸径より若干大きくなければ嵌入は出来ないので寸法公差に留意しなくてはならない。又、把手形状で後方下面寸法約半分の厚みを任意の寸法薄くするとしているが強度、形状を検討すれば何れも二分一前後が最適であると考えられる。尚、木材は入手が容易で把手の形状も単純ではあるが一品毎の加工が必要である。従って、大量製作にはポリプロピレン、プラスチック等で成型すれば容易に対応することが出来る。
【0010】
図3は杖の把手を杖軸に固着した正面図である。固着は杖軸貫通孔と杖軸径を圧入可能寸法公差とすれば圧入で任意の位置にしっかりと固定されるので把手に上から大きな力が作用しても下がることはない。尚、通常の杖は杖軸A、把手、杖先ゴムBで構成されているが本図では杖軸Aが把手1より突出しているので杖軸キャップCが必要となる。
【0011】
市販の杖は軸径が16mmと19mmが大半で16mmの比率が高いと推測される。杖先ゴムBは規格品が各種あり入手し易いので把手1の製作に当たっては既成の杖を基準にして製作することが望ましい。尚杖軸キャップCはパイプキャップとして各径に対応する製品が市販されているのでこれらを使用すればよい。
【0012】
現在、通称100円ショップの一部店舗で軸径16mm のT形把手付きの杖が各種寸法何れも165円(税込)で販売されている。この杖のT形把手を取り除き本発明品(杖軸貫通孔を市販の木工きり16mmで加工)で嵌入を試みたところ寸法公差が合い圧入が可能で指定位置にしっかりと固着された。従って、杖軸と杖先ゴムは流用出来るので本発明品と杖軸キャップがあれば市販品杖の活用で容易に新しい杖を入手することができる。
本発明の把手は形状が単純で強度もあまり必要としないのであらゆる木材(端材等も可)の使用が可能で加工も容易なので安価にて製作することが出来る。又、ポリプロピレン、プラスチック等で成型すれば大量生産が可能となる。