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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176109
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】ダンパ装置および冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 17/08 20060101AFI20231206BHJP
   H02K 5/00 20060101ALI20231206BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
F25D17/08 306
H02K5/00 Z
H02K7/116
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088216
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100196140
【弁理士】
【氏名又は名称】岩垂 裕司
(72)【発明者】
【氏名】横江 悟
【テーマコード(参考)】
3L345
5H605
5H607
【Fターム(参考)】
3L345AA02
3L345AA12
3L345BB01
3L345BB02
3L345DD03
3L345DD04
3L345DD08
3L345KK04
5H605BB05
5H605CC02
5H605CC06
5H605EC07
5H605EC13
5H605EC14
5H607BB01
5H607BB10
5H607CC05
5H607DD03
5H607EE31
(57)【要約】
【課題】駆動源としてモータを使用するダンパ装置において、モータの振動による騒音を低減する。
【解決手段】ダンパ装置1は、バッフル4により開閉される開口部20を備えるフレーム2と、フレーム2の端部に設けられた隔壁板23との間に駆動機構6を収容するケース3を有する。ケース3は、底部31および側板部32と、側板部32の内側に設けられたモータ保持部36を備える。モータ61は、モータ保持部36の内側に嵌まるモータケース63と、モータケース63の隔壁板23側の端部を塞ぐモータプレート64を備える。モータ61は、モータプレート64の外周縁に設けられた第1突出部643がケース3に嵌合し、且つ、隔壁板23からケース3側へ突出するモータプレート受け部29によって第1突出部643がケース3側へ押圧されることによりケース3に位置決めされる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を囲む枠部および前記枠部の端に配置される隔壁板を備えるフレームと、
前記フレームに回転可能に支持され、前記開口部を開閉するバッフルと、
モータおよび前記モータの回転を前記バッフルに伝達する出力部材を備える駆動機構と、
前記隔壁板と結合され、前記隔壁板との間に前記駆動機構を収容するケースと、を有し、
前記ケースは、前記隔壁板と対向する底部と、前記底部の外縁から前記隔壁板に向かって延びる側板部と、前記側板部の内側において前記底部から前記隔壁板に向かって延びるモータ保持部と、を備え、
前記モータは、前記モータ保持部の内側に嵌まるモータケースと、前記モータケースの前記隔壁板側の端部を塞ぐモータプレートと、を備え、
前記モータプレートの外周縁には、前記モータケースの外周側へ突出する第1突出部が設けられ、
前記隔壁板は、前記ケース側へ突出するモータプレート受け部を備え、
前記第1突出部は、前記ケースに設けられたモータプレート位置決め部に嵌合するとともに、前記モータプレート受け部によって前記ケース側へ押圧されることを特徴とするダンパ装置。
【請求項2】
前記第1突出部は、前記モータプレート受け部の先端と前記モータケースの端面との間に挟まれることを特徴とする請求項1に記載のダンパ装置。
【請求項3】
前記隔壁板は、前記側板部の外周面に沿って延びて前記外周面に設けられた突起に係止されるフックを備えることを特徴とする請求項1に記載のダンパ装置。
【請求項4】
前記フレームおよび前記ケースは樹脂からなることを特徴とする請求項3に記載のダンパ装置。
【請求項5】
前記隔壁板と前記底部とが対向する方向を第1方向とする場合に、
前記モータ保持部の内周面から突出し前記第1方向へ延びるモータ受けリブを備え、
前記モータケースは、前記モータ保持部の内側に圧入され、前記モータ受けリブにより前記第1方向と交差する方向に位置決めされることを特徴とする請求項1に記載のダンパ装置。
【請求項6】
前記モータは、前記モータケースの外周側へ突出する端子カバーを備え、
前記モータプレートの外周縁には、前記端子カバーの前記隔壁板側の端部に配置される第2突出部が設けられ、
前記モータプレート受け部は、前記第2突出部および前記第1突出部のそれぞれを押圧することを特徴とする請求項1に記載のダンパ装置。
【請求項7】
前記隔壁板と前記底部とが対向する方向を第1方向とし、前記第1方向と交差する方向を第2方向とし、前記第1方向と交差し且つ前記第2方向と交差する方向を第3方向とする場合に、
前記端子カバーは、前記モータケースから前記第2方向の一方側へ突出し、
前記第1突出部は、前記モータプレートの前記第3方向の両端の2箇所に設けられていることを特徴とする請求項6に記載のダンパ装置。
【請求項8】
前記モータ保持部は、前記モータケースの外周面に沿う円弧部と、前記端子カバーの周方向の両側において前記円弧部と前記側板部とを接続する一対の接続部と、を備え、
前記モータプレート位置決め部は、前記円弧部の前記第2方向の一方側において前記側板部と前記円弧部とを接続する第1接続部、および、前記円弧部の前記第2方向の他方側において前記側板部と前記円弧部とを接続する第2接続部のそれぞれに設けられていることを特徴とする請求項7に記載のダンパ装置。
【請求項9】
請求項1から8の何れか一項に記載のダンパ装置を備えた冷蔵庫であって、
冷却機と、前記冷却機で発生した冷気が供給される貯蔵室と、を有し、
前記ダンパ装置は、前記貯蔵室における冷気取り入れ口に配置されることを特徴とする冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動源としてモータを備えるダンパ装置および冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫の冷気通路等に配置されるダンパ装置は、開口部が設けられたフレームと、フレームに回転可能に支持されたバッフルと、バッフルを駆動する駆動機構とを有しており、駆動機構は、フレームの端に設けられたケースの内側に収容される。駆動機構は、ケースの内側に配置されるステッピングモータと、ステッピングモータの回転をバッフルに伝達する輪列を備える。輪列の最終段に設けられる扇形歯車がバッフルに連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-211195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のダンパ装置では、ケースの内側に駆動機構が保持される。ダンパ装置を駆動する際、モータの振動がケースに伝達されやすいと、振動による騒音が大きくなるという問題がある。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、駆動源としてモータを使用するダンパ装置の振動による騒音を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るダンパ装置は、開口部を囲む枠部および前記枠部の端に配置される隔壁板を備えるフレームと、前記フレームに回転可能に支持され、前記開口部を開閉するバッフルと、モータおよび前記モータの回転を前記バッフルに伝達する出力部材を備える駆動機構と、前記隔壁板と結合され、前記隔壁板との間に前記駆動機構を収容するケースと、を有し、前記ケースは、前記隔壁板と対向する底部と、前記底部の外縁から前記隔壁板に向かって延びる側板部と、前記側板部の内側において前記底部から前記隔壁板に向かって延びるモータ保持部と、を備え、前記モータは、前記モータ保持部の内側に嵌まるモータケースと、前記モータケースの前記隔壁板側の端部を塞ぐモータプレートと、を備え、前記モータプレートの外周縁には、前記モータケースの外周側へ突出する第1突出部が設けられ、前記隔壁板は、前記ケース側へ突出するモータプレート受け部を備え、前記第1突出部は、前記ケースに設けられたモータプレート位置決め部に嵌合するとともに、前記モータプレート受け部によって前記ケース側へ押圧されることを特徴とする。
【0007】
本発明では、モータケースの端部を塞ぐモータプレートの外周端部(第1突出部)をケースに嵌合させて位置決めする。従って、ケースの内側でモータがガタつくことを抑制できる。また、モータとケースとの位置決めに利用した第1突出部を隔壁板に設けられた突出部(モータプレート受け部)によってケース側に押圧することにより位置決めする。これにより、ケースと隔壁板との間でモータががたつくことを抑制できる。よって、モータの振動がケースに伝達されにくいので、ケースの振動による騒音を抑制できる。
【0008】
本発明において、前記第1突出部は、前記モータプレート受け部の先端と前記モータケースの端面との間に挟まれることが好ましい。このように、モータケースの端面によって
支持される位置で第1突出部を押圧すれば、モータプレート受け部からの押圧力によってモータケースを位置決めでき、モータケースのがたつきを抑制しやすい。従って、モータの振動がケースに伝達されにくい。
【0009】
本発明において、前記隔壁板は、前記側板部の外周面に沿って延びて前記外周面に設けられた突起に係止されるフックを備えることが好ましい。このようにすると、ケースと隔壁板とを弾性的に結合できるので、ケースと隔壁板とのがたつきを抑制できる。
【0010】
本発明において、前記フレームおよび前記ケースは樹脂からなることが好ましい。樹脂製の部材は撓みやすいので、弾性的に結合できる。従って、ケースと隔壁板とのがたつきを抑制できる。また、隔壁板およびケースに複雑な形状を容易に形成できるので、モータプレート受け部を備えた隔壁板、および、モータプレート位置決め部を備えたケースの製造が容易である。
【0011】
本発明において、前記隔壁板と前記底部とが対向する方向を第1方向とする場合に、前記モータ保持部の内周面から突出し前記第1方向へ延びるモータ受けリブを備え、前記モータケースは、前記モータ保持部の内側に圧入され、前記モータ受けリブにより前記第1方向と交差する方向に位置決めされることが好ましい。このようにすると、ケースに対してモータが第1方向と交差する方向にがたつくことを抑制できる。
【0012】
本発明において、前記モータは、前記モータケースの外周側へ突出する端子カバーを備え、前記モータプレートの外周縁には、前記端子カバーの前記隔壁板側の端部に配置される第2突出部が設けられ、前記モータプレート受け部は、前記第2突出部および前記第1突出部のそれぞれを押圧することが好ましい。このようにすると、モータプレートの複数の部位を押圧して位置決めできるので、モータのがたつきをより少なくすることができる。また、端子カバーを覆うために設けた第2突出部を位置決めに利用するので、部品形状を簡素化できる。
【0013】
本発明において、前記隔壁板と前記底部とが対向する方向を第1方向とし、前記第1方向と交差する方向を第2方向とし、前記第1方向と交差し且つ前記第2方向と交差する方向を第3方向とする場合に、前記端子カバーは、前記モータケースから前記第2方向の一方側へ突出し、前記第1突出部は、前記モータプレートの前記第3方向の両端の2箇所に設けられていることが好ましい。このように、3個所で押圧し、3箇所のうちの2箇所は径方向で反対側の外周端部とすれば、ケースに対するモータのがたつきをより少なくすることができる。
【0014】
本発明において、前記モータ保持部は、前記モータケースの外周面に沿う円弧部と、前記端子カバーの周方向の両側において前記円弧部と前記側板部とを接続する一対の接続部と、を備え、前記モータプレート位置決め部は、前記円弧部の前記第2方向の一方側において前記側板部と前記円弧部とを接続する第1接続部、および、前記円弧部の前記第2方向の他方側において前記側板部と前記円弧部とを接続する第2接続部のそれぞれに設けられていることが好ましい。このようにすると、側板部とモータ保持部が第1接続部、第2接続部、および一対の接続部によって接続されるので、ケースの剛性を高めることができる。従って、モータの振動がケースに伝達されにくいので、ケースの振動による騒音を抑制できる。
【0015】
本発明に係るダンパ装置は冷蔵庫に用いることができ、冷蔵庫は、冷却機と、前記冷却機で発生した冷気が供給される貯蔵室と、を有し、前記ダンパ装置は、前記貯蔵室における冷気取り入れ口に配置される。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、モータケースの端部を塞ぐモータプレートの外周端部(第1突出部)をケースに嵌合させて位置決めする。従って、ケースの内側でモータがガタつくことを抑制できる。また、モータとケースとの位置決めに利用した第1突出部を隔壁板に設けられた突出部(モータプレート受け部)によってケース側に押圧することにより位置決めする。これにより、ケースと隔壁板との間でモータががたつくことを抑制できる。よって、モータの振動がケースに伝達されにくいので、ケースの振動による騒音を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明を適用したダンパ装置をバッフルとは反対からみた斜視図である。
図2図1に示すダンパ装置をバッフルの側からみた斜視図である。
図3図1に示すダンパ装置の分解斜視図である。
図4】隔壁板、駆動機構、およびケースの分解斜視図である。
図5】ギアードモータの分解斜視図である。
図6】ケースおよび駆動機構を隔壁板の側から見た平面図、および、駆動機構を取り外したケースを隔壁板の側から見た平面図である。
図7】ギアードモータおよびケースの分解斜視図である。
図8】第1案内面および第2案内面の位置を示す断面図(図7のA-A位置で切断した断面図)およびギアードモータの側面図である。
図9】隔壁板、ギアードモータ、およびケースのXZ断面図(図6(a)のB-B位置で切断した断面図)である。
図10】隔壁板、ギアードモータ、およびケースのYZ断面図(図9のC-C位置で切断した断面図)である。
図11図1に示すダンパ装置を備える冷蔵庫の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明を適用した冷蔵庫用のダンパ装置について説明する。本明細書において、XYZは互いに直交する方向である。バッフルの回転軸線Lに沿う方向をX方向とする。バッフルにより開閉される開口部はZ方向を向いている。X方向は第1方向であり、Y方向は第2方向であり、Z方向は第3方向である。また、X方向の一方側をX1とし、X方向の他方側をX2とし、Y方向の一方側をY1とし、Y方向の他方側をY2とし、Z方向の一方側をZ1とし、Z方向の他方側をZ2として説明する。
【0019】
(全体構成)
図1は、本発明を適用したダンパ装置1をバッフル4とは反対側からみた斜視図である。図2は、図1のダンパ装置1をバッフル4の側からみた斜視図である。図3は、図1に示すダンパ装置1の分解斜視図である。図4は、隔壁板23、駆動機構6、およびケース3の分解斜視図である。図5は、ギアードモータ60の分解斜視図である。図6(a)は、ケース3および駆動機構6を隔壁板23の側から見た平面図である。図6(b)は、駆動機構6を取り外したケース3を隔壁板23の側から見た平面図である。図7は、ギアードモータ60およびケース3の分解斜視図である。
【0020】
図1図2図3に示すように、ダンパ装置1は、Z方向に開口する開口部20が設けられたフレーム2と、フレーム2に回転可能に支持されたバッフル4と、フレーム2に結合されたケース3とを有する。フレーム2およびケース3は樹脂製である。バッフル4は、X方向に延びる回転軸線L回りに回転して開口部20を開閉する。
【0021】
フレーム2は、開口部20が設けられた枠部21と、枠部21の外縁からZ1方向に突出した角筒状の胴部22と、胴部22におけるX1方向の側板部分と一体に形成される隔壁板23を備える。ケース3は隔壁板23にX1方向から対向する。ケース3と隔壁板2
3は、ケース3の側面に形成される突起30に隔壁板23の縁からX1方向へ延びるフック24を係合させることにより結合される。隔壁板23とケース3は、バッフル4を駆動する駆動機構6を収容する直方体状の筐体を構成する。
【0022】
フレーム2は、枠部21のX2側の端に配置されて隔壁板23にX方向で対向する側板25を備える。また、フレーム2は、枠部21において開口部20の縁からバッフル4が位置する側(Z1方向)に向けて突出したシール部10を備える。枠部21には、シール部10を囲むヒータ(図示せず)が取り付けられている。ダンパ装置1は、ヒータに通電して発熱させることより、バッフル4が氷結によって動かなくなることを防止する。
【0023】
バッフル4は、隔壁板23と側板25との間で回転可能に支持される。バッフル4のY2側の縁には、X1側に突出する円柱部41、および、X2側に突出する円柱部42が形成されている。円柱部41の先端には、隔壁板23を貫通する軸穴27からバッフル4に向けて突出した出力部材69の軸部691の先端が嵌まる連結穴(図示せず)が形成されている。円柱部42の先端には、側板25に形成された軸穴(図示せず)に嵌まる軸部44が形成されている。従って、バッフル4は、隔壁板23の軸穴27の中心、および側板25の軸穴の中心を結ぶ軸線を回転軸線Lとして回転可能にフレーム2に支持される。
【0024】
バッフル4は、開口部20より大きい樹脂製の開閉板45と、開閉板45の開口部20側の面に貼り付けられた発泡ポリウレタン等からなるシート状の弾性部材46とを有する。バッフル4は、後述する駆動機構6によって駆動されることにより、回転軸線L回りに回転して、開口部20を閉鎖する閉位置、および、開口部20を開放する開位置に移動する。閉位置では、弾性部材46がシール部10に接触する。
【0025】
ダンパ装置1は、例えば、冷気通路を構成するダクト等の内側に配置される。冷気は、開口部20に対してバッフル4が配置されている側とは反対から開口部20を通って流れる。また、冷気は、開口部20に対してバッフル4が配置されている側から開口部20を通って流れることもある。
【0026】
(駆動機構)
図3図4に示すように、駆動機構6は、ケース3と隔壁板23との間に収容される。駆動機構6は、ギアードモータ60と、ギアードモータ60によって駆動される出力部材69を備える。出力部材69は、ケース3に設けられた軸支持部35に嵌まる軸部691と、軸部691から径方向に張り出した扇形歯車692を備える。出力部材69は、ケース3の軸支持部35によって回転可能に支持される。上記のように、出力部材69の軸部691は、X2方向に延びる先端部が隔壁板23に設けられた軸穴27を貫通し、バッフル4に連結される。
【0027】
図5に示すように、ギアードモータ60は、モータ61と、モータ61の回転を出力部材69に伝達する歯車伝達機構62を備える。モータ61は、有底円筒形の金属製のモータケース63と、モータケース63の開口端を塞ぐ金属製のモータプレート64と、モータケース63の内側に配置される円筒状のステータ65と、ステータ65の内側に配置されるロータ71(図9参照)と、モータプレート64とステータ65との間に配置される仕切り部材66を備える。モータケース63、ロータ71およびステータ65によって、ステッピングモータからなるモータ61が構成される。
【0028】
歯車伝達機構62は、仕切り部材66とモータプレート64との間に配置される複数の歯車からなる輪列621と、輪列621を介して駆動される出力車622を備える。ロータ71の回転は、輪列621によって減速されて出力車622に伝達される。出力車622は、輪列621の最終段の歯車と噛み合う歯車623と、歯車623の中心からX2方
向に延びる軸部624と、モータプレート64に設けられた軸支持部641を貫通してX2方向に突出する軸部624の先端に連結される歯車625とを有する。歯車625は、出力部材69の扇形歯車692と噛み合う。
【0029】
ステータ65は、ステータコイル651と、ステータコイル651が巻かれるインシュレータ652と、インシュレータ652に被せられた内ステータコア653(図9参照)を備える。本形態では、モータケース63がステータ65の外ステータコアを兼ねている。ロータ71の外周側には、モータケース63の底板631を切り起こして形成した極歯(図示せず)と、内ステータコア653に形成された極歯654(図8参照)が周方向に交互に並ぶ。
【0030】
図4図5に示すように、モータケース63は、円形の底板631と、底板631の外縁からX方向へ延びる筒部632を備える。筒部632のY1側の縁を底板631の近傍まで大きく切り欠いた切欠き633には、インシュレータ652と一体に形成された端子台67が配置される。モータケース63には、端子台67を覆う端子カバー68が固定される。端子カバー68は、モータケース63の切欠き633からY1方向へ突出する。端子台67には、複数本のコネクタ端子70が保持される。複数本のコネクタ端子70は、端子台67の径方向外側においてX1方向へ屈曲し、端子台67と端子カバー68の隙間においてX1方向へ延びる。コネクタ端子70には、ステータコイル651が電気的に接続される。
【0031】
モータプレート64は、軸支持部641が形成された円形のプレート本体642と、プレート本体642からZ1側およびZ2側へ突出する2箇所の第1突出部643と、プレート本体642からY1側へ突出する第2突出部644と、プレート本体642から軸支持部641のY2側へ突出する第3突出部645を備える。第2突出部644は、モータケース63の切欠き633に配置され、端子カバー68を覆う。2箇所の第1突出部643および第3突出部645は、それぞれ、筒部632の開口端に設けられた凹部634に嵌合する。モータプレート64は、プレート本体642の外周縁を筒部632の開口端によってかしめることによりモータケース63に固定される。
【0032】
(ケース)
図3図4に示すように、ケース3は、隔壁板23に対して枠部21とは反対側(X1方向)から対向する底部31と、底部31から隔壁板23の側(X2方向)へ突出した角筒状の側板部32とを有する。底部31および側板部32は、X方向からみたとき、Y方向に長辺が延在し、Z方向に短辺が延在する四角形である。図3に示すように、側板部32は、Z方向で対向する第1側板321および第2側板322と、Y方向で対向する第3側板323および第4側板324とを有する。第3側板323は、第1側板321と第2側板322のY2側の端を接続する。第4側板324は、第1側板321と第2側板322のY1側の端を接続する。隔壁板23のフック24に係合する突起30は、第1側板321および第2側板322に形成される。
【0033】
ケース3には、モータ61のコネクタ端子70を隔壁板23とは反対側に向けて露出させるコネクタ挿入口33が設けられている。図3図4に示すように、コネクタ挿入口33は、第4側板324と底部31とが繋がる角部を切り欠いた構造になっている。コネクタ挿入口33に相手側コネクタを挿入すれば、モータ61のコネクタ端子70を相手側コネクタに接続される外部配線に接続して、駆動信号をモータ61に供給することができる。
【0034】
図3図7に示すように、ケース3は、第1側板321と第2側板322の内面に沿ってZ方向に延びる円筒状のボス部34を備える。ボス部34は、底部31からX2方向へ
突出し、第1側板321、第2側板322と繋がっている。隔壁板23とケース3とを結合する際、隔壁板23からX1方向に突出する凸部28(図4参照)がボス部34に嵌合する。
【0035】
ケース3は、側板部32の内側に配置される円筒形の軸支持部35およびモータ保持部36を備える。軸支持部35およびモータ保持部36は、底部31から隔壁板23が位置する側(X2方向)へ突出する。図6(a)、図6(b)に示すように、軸支持部35とモータ保持部36は、ケース3のZ方向の中央に配置される。軸支持部35は、ケース3の第3側板323側(Y2方向)の端に配置される。モータ保持部36は、ケース3の第4側板324側の端に配置される。
【0036】
図6(a)、図6(b)、図7に示すように、モータ保持部36は、モータケース63の外周を囲う円弧部361と、端子カバー68の周方向の両側を囲う一対の接続部362を備える。円弧部361は、端子カバー68が配置される部分(Y1側の部分)を切り欠いた形状をしている。一対の接続部362は、円弧部361の切欠きの両側からY1方向へ延びて、第4側板324におけるコネクタ挿入口33の周方向の両側に接続される(図6(b)参照)。
【0037】
図6(a)、図6(b)、図7に示すように、ケース3は、第1側板321から内側(Z2側)へ突出する第1接続部325、および、第2側板322から内側(Z1側)へ突出する第2接続部326を備えており、第1接続部325および第2接続部326は円弧部361と繋がる。第1接続部325および第2接続部326の周方向の中央には、それぞれ、円弧部361を径方向に貫通して円弧部361の内周面に開口する溝部327が設けられている。
【0038】
図7に示すように、モータ保持部36は、円弧部361のX方向の高さが側板部32よりも低い。第1接続部325および第2接続部326は、それぞれ、溝部327の周方向の両側において円弧部361の上端面(X2方向の端面)からX2方向へ突出する一対の位置決めリブ50を備える。第1接続部325に設けられた位置決めリブ50は、第1側板321からZ2方向に突出し、円弧部361の内周面の位置まで延びる。第2接続部326に設けられた位置決めリブ50は、第2側板322からZ1方向に突出し、円弧部361の内周面の位置まで延びる。
【0039】
図6(a)に示すように、第1接続部325および第2接続部326においては、一対の位置決めリブ50の間にモータプレート64の第1突出部643が嵌合する。すなわち、一対の位置決めリブ50は、ケース3に対してモータプレート64をギアードモータ60の周方向に位置決めするモータプレート位置決め部である。
【0040】
図7に示すように、各位置決めリブ50の上端面51(X2方向の端面)は、第1側板321および第2側板322の上端面と同一面上に位置する。また、各位置決めリブ50の側端面52は、円弧部361の内周面と同一面上に位置する。4箇所の位置決めリブ50は、それぞれ、上端面51と側端面52とが繋がる角部を斜めに切り欠いた第1案内面53を備える。第1案内面53は、側端面52の側(円弧部361の内周側)へ向かうに従って底板311の側(X1側)へ向かう方向に傾斜する傾斜面である。4箇所の第1案内面53は、円弧部361のX2側に位置し、円弧部361に沿って周方向に分散配置される。
【0041】
図7に示すように、モータ保持部36における一対の接続部362は、X方向の高さが円弧部361よりも高い。各接続部362の上端面54は、第1側板321および第2側板322の上端面よりもX1側に位置する。接続部362は、端子カバー68側の側面5
5と上端面54とが繋がる角部を斜めに切り欠いた第2案内面56を備える。第2案内面56は、端子カバー68の側へ向かうに従って底板311の側(X1側)へ向かう方向に傾斜する傾斜面である。従って、一対の接続部362に設けられた2箇所の第2案内面56は、逆向きに傾斜し、Z方向で対向する。接続部362の上端面54は、第1案内面53が設けられた位置決めリブの上端面51よりも低い位置(X1側)にあるため、第2案内面56は、第1案内面53よりも底部31側(X1側)に位置する。
【0042】
(ケースに対するギアードモータの位置決め)
図8は、第1案内面53および第2案内面56の位置を示す断面図(図7のA-A位置で切断した断面図)およびギアードモータ60の側面図である。本形態では、ケース3に対して図8に示す矢印方向にギアードモータ60を組み付ける。上記のように、モータケース63が嵌まる円弧部361のX方向の高さは側板部32よりも低く、円弧部361の開口端よりも上方(X2側)に第1案内面53が設けられている(図7図8参照)。そのため、モータケース63の底部は、円弧部361の上端面に当たるよりも先に第1案内面53に当たる。モータケース63の底部が第1案内面53に当たれば、第1案内面53に沿ってモータケース63の底板631と筒部632とが繋がる角部を滑らせることができる。これにより、円弧部361の中央に向かってモータケース63が移動し、4本の位置決めリブ50の内側にモータケース63の底部が落とし込まれる。
【0043】
図8に示すように、端子カバー68の底面は、モータケース63の底面よりもX2側に位置する。そのため、ギアードモータ60をケース3に組み付ける際には、端子カバー68の底部は第1案内面53に当たることはなく、必ずモータケース63の底部が第1案内面53に当たる。従って、上記のように、第1案内面53によってモータケース63を案内することができ、4本の位置決めリブ50の内側にモータケース63の底部を落とし込むことができる。
【0044】
次に、モータケース63の底部が4本の位置決めリブ50の内側をX1方向に進入する途中で、端子カバー68の底部が、第1案内面53よりも低い位置(X1側の位置)に設けられた第2案内面56に当たる。第2案内面56に沿って端子カバー68の底板681と周方向の側板682とが繋がる角部を滑らせることにより、端子カバー68が一対の接続部362の間に向かって移動する。このとき、モータケース63は、X1方向の端部が4本の位置決めリブ50の内側に入り込んだ状態で周方向に回転する。
【0045】
第2案内面56により、端子カバー68が一対の接続部362の間をX1方向に進入可能な位置に到達すると、その後は、端子カバー68を一対の接続部362の間に落とし込みながら、モータケース63を4本の位置決めリブ50の内側でさらにX1方向に落とし込む。これにより、モータケース63を位置決めリブ50によってガイドしながら円弧部361の内側に落とし込むことができる。
【0046】
このように、本形態では、第1案内面53によってモータケース63を円弧部361の中央に案内し、その後に第2案内面56によって端子カバー68を一対の接続部362の間に案内する。これにより、モータ保持部36の内側にモータケース63および端子カバー68を簡単に落とし込むことができる。
【0047】
図6(b)、図7に示すように、モータ保持部36における円弧部361の内面には、Z方向に延びるモータ受けリブ363が形成されている。本形態では、周方向に離間した4箇所にモータ受けリブ363が配置される。モータケース63は、外周面がモータ受けリブ363の先端に接触し、円弧部361の内側に軽圧入される。モータ受けリブ363は、円弧部361の上端まで延びていない。従って、円弧部361の上端部分の内側にモータケース63の底部を入れるときは、モータ受けリブ363に接触しないので、容易に
入れることができる。
【0048】
図7に示すように、モータケース63の開口端を塞ぐモータプレート64は、上記のように、モータケース63の外周側へ突出する2箇所の第1突出部643を備える。図6(a)に示すように、Z1側の第1突出部643は、第1接続部325に設けられた一対の位置決めリブ50の間に嵌まる。また、Z2側の第1突出部643は、第2接続部326に設けられた一対の位置決めリブ50の間に嵌まる。すなわち、一対の位置決めリブ50は、ケース3に対してモータプレート64をギアードモータ60の周方向に位置決めするモータプレート位置決め部として機能する。
【0049】
ギアードモータ60は、モータ受けリブ363の先端を潰しながら円弧部361の内側にモータケース63が軽圧入されることにより、ケース3に対するY方向およびZ方向の位置決めがなされる。また、一対の位置決めリブ50の間にモータプレート64の第1突出部643が嵌まることより、ケース3に対する周方向の位置決めがなされる。
【0050】
図4に示すように、隔壁板23には、ギアードモータ60のモータプレート64と対向する位置からX1方向に突出するモータプレート受け部29が3箇所に設けられている。隔壁板23とケース3とを結合すると、モータプレート受け部29がモータプレート64にX2側から当接してモータプレート64を押圧する。これにより、ギアードモータ60がX方向に位置決めされる。
【0051】
図4に示すように、3箇所のモータプレート受け部29は、それぞれ、隔壁板23の外縁に沿って直線状に延びる押圧部291と、押圧部291の側面から突出する補強部292を備える。補強部292の先端面と押圧部291の先端面との間には段差が設けられており、補強部292の先端面はモータプレート64に接触しない。
【0052】
図9は、隔壁板23、ギアードモータ60、およびケース3のXZ断面図(図6(a)のB-B位置で切断した断面図)である。図10は、隔壁板23、ギアードモータ60、およびケース3のYZ断面図(図9のC-C位置で切断した断面図)である。図10に示すように、3個所のモータプレート受け部29は、モータプレート64に設けられた2箇所の第1突出部643と1箇所の第2突出部644を押圧する。第1突出部643を押圧する2箇所のモータプレート受け部29は、押圧部291がY方向に延びている。第2突出部644を押圧するモータプレート受け部29は、押圧部291がZ方向に延びており、第2突出部644の周方向の中央を押圧する。
【0053】
図9に示すように、モータプレート受け部29は、モータケース63のX2側の端面と押圧部291とがX方向で対向する位置に配置される。従って、第1突出部643は、モータプレート受け部29とモータケース63のX2側の端面との間に挟まれており、第1突出部643を介してモータケース63が押圧される。
【0054】
(ケースの補強構造)
モータ保持部36は、ケース3の第4側板324側の端に配置され、第1側板321、第2側板322、および第4側板324と繋がっているが、第3側板323からは離れている。そのため、モータ保持部36と第3側板323との間には、Z方向に延びる第1リブ37と、Y方向に延びる第2リブ38および第3リブ39が配置され、リブによる補強構造が設けられている。
【0055】
第1リブ37は、第1側板321および第2側板322と繋がる。第2リブ38は、軸支持部35のZ1側およびZ2側の2箇所に配置され、第1リブ37と交差する。2本の第2リブ38は、それぞれ、モータ保持部36および第3側板323と繋がる。第3リブ
39は、モータ保持部36と軸支持部35との間においてY方向に延びて、モータ保持部36と軸支持部35とを接続する。軸支持部35は、第3リブ39とは反対側へ延びる第4リブ40を介して第3側板323と繋がる。
【0056】
図4図7に示すように、ケース3の底部31は、モータ保持部36のX1方向の端部を塞ぐ底板311と、底板311に対して隔壁板23側(X2側)に位置する仕切り板312を備える。図10に示すように、仕切り板312は、ケース3のX方向の略中央に位置する。底板311および仕切り板312は、X方向を法線方向とする板状である。仕切り板312は、モータ保持部36の外側面と、側板部32(第1側板321、第2側板322、第3側板323、第4側板324)の内側面とを接続する。従って、モータ保持部36の外周側では、仕切り板312によって駆動機構6を収容する空間が外部空間から区画される。第1リブ37、第2リブ38、第3リブ39、および第4リブ40は、仕切り板312に接続されており、仕切り板312からX2方向に突出する。
【0057】
図4に示すように、ケース3の底部31は、仕切り板312からX1方向へ突出する第1外面リブ313および第2外面リブ314によって補強される。第1外面リブ313は、モータ保持部36と第3側板323との間でZ方向に延びており、第1側板321と第2側板322に接続される。第2外面リブ314はY方向に延びており、第1外面リブ313と交差する。第2外面リブ314は、等間隔で3本配置され、モータ保持部36と第3側板323とを接続する。第1外面リブ313および第外面リブ314のX1方向の先端面、側板部32のX1方向の先端面、および底板311は、同一面上に位置する。
【0058】
(冷蔵庫)
図11は、図1に示すダンパ装置1を備える冷蔵庫100の説明図である。図11に示す冷蔵庫100において、冷蔵庫本体110は、複数の貯蔵室111と、複数の貯蔵室111へ冷気を供給する冷気ダクト112とを備えており、冷気ダクト112と貯蔵室111とを連通する冷気取り入れ口113には、本発明を適用したダンパ装置1が設けられている。また、冷蔵庫本体110は、冷気を生成する冷却機114と、冷気ダクト112内に配置されるファン115と、制御装置120とを備えている。制御装置120は、貯蔵室111に設けられたセンサ(不図示)の信号に基づき、ダンパ装置1の開閉動作を制御して、貯蔵室111への冷気の供給タイミングや供給量を調節する。
【0059】
(本形態の主な作用効果)
以上のように、本形態のダンパ装置1は、開口部20を囲む枠部21および枠部21の端に配置される隔壁板23を備えるフレーム2と、フレーム2に回転可能に支持され、開口部20を開閉するバッフル4と、モータ61およびモータ61の回転をバッフル4に伝達する出力部材69を備える駆動機構6と、隔壁板23と結合され、隔壁板23との間に駆動機構6を収容するケース3を有する。ケース3は、隔壁板23と対向する底部31と、底部31の外縁から隔壁板23に向かって延びる側板部32と、側板部32の内側において底部31から隔壁板23に向かって延びるモータ保持部36を備える。ギアードモータ60は、モータ保持部36の内側に嵌まるモータケース63と、モータケース63の隔壁板23側の端部を塞ぐモータプレート64を備える。モータプレート64の外周縁には、モータケース63の外周側へ突出する第1突出部643が設けられる。隔壁板23は、ケース3側へ突出するモータプレート受け部29を備える。ギアードモータ60は、第1突出部643がケース3に設けられた一対の位置決めリブ50の間に嵌合し、且つ、第1突出部643がモータプレート受け部29によってケース3側へ押圧されることによりケース3内において位置決めされる。
【0060】
本形態では、ケース3と隔壁板23との間に駆動機構6を収容するダンパ装置1において、駆動機構6を構成するモータとして、モータケース63とモータプレート64との間
にロータ7、ステータ65、および輪列621を収容したギアードモータ60を用いる。ギアードモータ60を収容するケース3には、モータプレート位置決め部として機能する一対の位置決めリブ50がケース3の内面からモータ保持部36側に突出しており、モータプレート64の外周端部(第1突出部643)を一対の位置決めリブ50の間に嵌合させて位置決めできる。従って、ケース3の内側でギアードモータ60がガタつくことを抑制できる。また、ギアードモータ60とケース3との位置決めに利用した第1突出部643を隔壁板23に設けられた突出部(モータプレート受け部29)によってケース3側に押圧することにより位置決めする。これにより、ケース3と隔壁板23との間でギアードモータ60ががたつくことを抑制できる。よって、ギアードモータ60の振動がケース3に伝達されにくいので、ケース3の振動による騒音を抑制できる。
【0061】
なお、モータプレート位置決め部は、本形態とは異なる構成であってもよい。例えば、第1接続部325および第2接続部326とは周方向に異なる位置において円弧部361の上端面を切り欠いた切欠き部を設けて第1突出部643を嵌合させる構成としてもよい。
【0062】
本形態では、第1突出部643は、モータプレート受け部29の先端とモータケース63の端面との間に挟まれている。このように、モータケース63の端面によって支持される位置で第1突出部643を押圧すれば、モータプレート受け部29からの押圧力によってモータケース63を位置決めでき、モータケース63のがたつきを抑制しやすい。従って、ギアードモータ60の振動がケース3に伝達されにくい。
【0063】
本形態では、隔壁板23は、側板部32の外周面に沿って延びて外周面に設けられた突起30に係止されるフック24を備える。このようにすると、隔壁板23とケース3とを弾性的に結合できるので、ケース3と隔壁板23とのがたつきを抑制できる。
【0064】
本形態では、フレーム2およびケース3は樹脂からなる。樹脂製の部材は撓みやすいので、弾性的に結合できる。従って、ケース3と隔壁板23とのがたつきを抑制できる。また、隔壁板23およびケース3に複雑な形状を容易に形成できるので、モータプレート受け部29を備えた隔壁板23、および、位置決めリブ50(モータプレート位置決め部)を備えたケース3の製造が容易である。
【0065】
本形態では、モータ保持部36の内周面から突出しX方向(第1方向)へ延びるモータ受けリブ363を備える。モータケース63は、モータ保持部36の内側に圧入され、モータ受けリブ363によりY方向およびZ方向(すなわち、X方向と交差する方向)に位置決めされる。従って、ケース3に対してギアードモータ60がY方向およびZ方向にがたつくことを抑制できる。
【0066】
本形態では、ギアードモータ60は、モータケース63の外周側へ突出する端子カバー68を備える。モータプレート64の外周縁には、端子カバー68の隔壁板23側の端部に配置される第2突出部644が設けられている。モータプレート受け部29は、第2突出部644および第1突出部643のそれぞれを押圧する。このように、モータプレート64の複数の部位を押圧して位置決めすることにより、ギアードモータ60のがたつきをより少なくすることができる。また、端子カバー68を覆うために設けた第2突出部644を位置決めに利用するので、部品形状を簡素化できる。
【0067】
本形態では、端子カバー68は、モータケース63からY1方向(第2方向の一方側)へ突出し、第1突出部643は、モータプレート64のZ方向(第3方向)の両端の2箇所に設けられている。このように、3個所で押圧し、3箇所のうちの2箇所は径方向で反対側の外周端部とすれば、モータプレート64を安定して位置決めできる。従って、ケー
ス3に対するギアードモータ60のがたつきをより少なくすることができる。
【0068】
本形態では、モータ保持部36は、モータケース63の外周面に沿う円弧部361と、端子カバー68の周方向の両側において円弧部361と側板部32とを接続する一対の接続部362とを備える。モータプレート位置決め部として機能する一対の位置決めリブ50は、円弧部361のZ1側において第1側板321と円弧部361とを接続する第1接続部325、および、円弧部のZ2側において第2側板322と円弧部361とを接続する第2接続部326のそれぞれに設けられている。このように、側板部32とモータ保持部36を第1接続部325、第2接続部326、および一対の接続部362によって接続することにより、ケース3の剛性を高めることができる。従って、ギアードモータ60の振動がケース3に伝達されにくいので、ケース3の振動による騒音を抑制できる。また、ケース3の剛性を高める構造(第1接続部325、第2接続部326)を位置決め部として兼用するので、ケース3の構造を簡素化できる。
【0069】
本形態に係るダンパ装置1は冷蔵庫100に用いることができ、冷蔵庫100は、冷却機114と、冷却機114で発生した冷気が供給される貯蔵室111と、を有し、ダンパ装置1は、貯蔵室111における冷気取り入れ口113に配置される。
【0070】
(他の実施形態)
本発明は、上記形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形可能である。例えば、上記形態のダンパ装置1は、冷蔵庫用であるが、本発明は冷蔵庫に用いられるダンパ装置に限定されるものではない。また、駆動機構6を構成するモータは、輪列621をモータケース63およびモータプレート64の外部に配置した構成であってもよい。
【符号の説明】
【0071】
1…ダンパ装置、2…フレーム、3…ケース、4…バッフル、6…駆動機構、10…シール部、20…開口部、21…枠部、22…胴部、23…隔壁板、24…フック、25…側板、27…軸穴、28…凸部、29…モータプレート受け部、30…突起、31…底部、32…側板部、33…コネクタ挿入口、34…ボス部、35…軸支持部、36…モータ保持部、37…第1リブ、38…第2リブ、39…第3リブ、40…第4リブ、41、42…円柱部、44…軸部、45…開閉板、46…弾性部材、50…位置決めリブ、51…上端面、52…側端面、53…第1案内面、54…上端面、55…側面、56…第2案内面60…ギアードモータ、61…モータ、62…歯車伝達機構、63…モータケース、64…モータプレート、65…ステータ、66…仕切り部材、67…端子台、68…端子カバー、69…出力部材、70…コネクタ端子、71…ロータ、100…冷蔵庫、110…冷蔵庫本体、111…貯蔵室、112…冷気ダクト、113…冷気取り入れ口、114…冷却機、115…ファン、120…制御装置、291…押圧部、292…補強部、311…底板、312…仕切り板、313…第1外面リブ、314…第2外面リブ、321…第1側板、322…第2側板、323…第3側板、324…第4側板、325…第1接続部、326…第2接続部、327…溝部、361…円弧部、362…接続部、363…モータ受けリブ、621…輪列、622…出力車、623…歯車、624…軸部、625…歯車、631…底板、632…筒部、634…凹部、641…軸支持部、642…プレート本体、643…第1突出部、644…第2突出部、645…第3突出部、651…ステータコイル、652…インシュレータ、653…内ステータコア、654…極歯、681…底板、682…側板、691…軸部、692…扇形歯車、L…回転軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11