(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176113
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】切断装置
(51)【国際特許分類】
B26D 1/08 20060101AFI20231206BHJP
B26D 1/00 20060101ALI20231206BHJP
B26D 7/18 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B26D1/08
B26D1/00
B26D7/18 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088220
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雄士
(72)【発明者】
【氏名】小林 慎治
(72)【発明者】
【氏名】浅井 翔
【テーマコード(参考)】
3C021
3C027
【Fターム(参考)】
3C021FC03
3C027AA05
3C027AA09
3C027JJ01
3C027JJ04
(57)【要約】
【課題】切断対象物を良好に切断することができる切断装置を提供する。
【解決手段】固定刃101の第1刃部101Aは左右方向に直線状に延びる。可動刃105の第2刃部102は、左右方向に対称形状の左傾斜刃部102Lと右傾斜刃部102Rを有する。左傾斜刃部102Lと右傾斜刃部102Rは、それぞれ左右方向の略中央で第1刃部101Aに対するシャー角が変化する。左右方向の中央部102Bにおける左傾斜刃部102Lと右傾斜刃部102Rの第2シャー角α2は、両側の端部102Aにおける第1シャー角α1よりも大きい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
所定の延伸方向へ向けて直線状に延びる第1刃部を有し、前記フレームに固定された略平板状の固定刃と、
前記フレームに案内されて、前記延伸方向に交差する移動方向に移動可能な略平板状の可動刃であって、
前記移動方向における一方側の端部において、前記移動方向に対して前記延伸方向の端部よりも中央部が前記第1刃部から離れた谷状に形成され、前記第1刃部とすり合って切断対象物を切断する第2刃部と、
前記移動方向における他方側の端部に形成され、前記フレームと接触する接触部と
を有する可動刃と、
前記可動刃を移動させる駆動機構と、
前記可動刃から前記固定刃と前記フレームとに向かう第1方向へ前記可動刃を押圧する押圧部材と
を備えた切断装置において、
前記固定刃の前記延伸方向に対して前記可動刃の前記第2刃部が傾斜する角度であるシャー角は、前記第2刃部の前記延伸方向の端部における前記シャー角である第1シャー角よりも、前記第2刃部の前記延伸方向の中央部における前記シャー角である第2シャー角の方が大きいこと
を特徴とする切断装置。
【請求項2】
前記第2シャー角は、前記第2刃部の前記シャー角のうち最も角度が大きく、
前記第2刃部のうち、前記シャー角が前記第2シャー角を有する領域である第2シャー角領域は、
前記第2刃部の全領域のうちの2/3以下の大きさを有すること
を特徴とする請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
前記可動刃の前記第2刃部は、前記延伸方向において対称な形状を有すること
を特徴等する請求項2に記載の切断装置。
【請求項4】
前記固定刃の前記可動刃側の面である第1面と、
前記可動刃の前記固定刃側の面である第2面とには、
粘着物の付着を抑制する粘着抑制層が形成され、
前記粘着抑制層は、前記第1刃部の少なくとも先端部と、前記第2刃部の少なくとも先端部とには、非形成であること
を特徴とする請求項3に記載の切断装置。
【請求項5】
前記第1刃部及び前記第2刃部の前記先端部において、
前記粘着抑制層は、刃先から、0.5mm以上5mm以下の領域において非形成であること
を特徴とする請求項4に記載の切断装置。
【請求項6】
前記可動刃の前記第2刃部は、前記中央部から前記端部へ向けて、前記シャー角の異なる複数の直線状の部分で構成されること
を特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の切断装置。
【請求項7】
前記可動刃の前記第2刃部は、前記中央部から前記端部へ向けて、前記シャー角が連続的に変化する曲線状の部分を含んで構成されること
を特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の印刷装置は、ロールから繰り出された印刷媒体を切断する切断装置を備える。切断装置は、フレーム、固定刃、可動刃、押圧部材を備える。固定刃は直線状の刃先を下向きにしてフレームに固定され、可動刃はV字状の刃先を上向きにしてフレームに上下動可能に支持される。可動刃は、下方に延びる下部を有する。可動刃の刃先は固定刃の刃先と2点で接触し、可動刃の下部はフレームと1点で接触する。押圧部材はフレームに固定され、可動刃を固定刃に対して押圧することで、刃先同士を2点ですり合わせてすり合わせ荷重を発生させる。可動刃の上方への移動に伴い、可動刃の刃先は、固定刃の刃先との間に印刷媒体を挟み、印刷媒体の両端から中央へ向けて切断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、押圧部材がフレームに固定されているため、可動刃は、上方へ移動するにつれて、押圧部材の押圧力を受ける力が刃先よりも下部において大きくなる。また、固定刃の刃先と接触する2点が近づき、下部との3点で形成する仮想三角形が小さくなることで、刃先の2点におけるすり合わせ荷重の左右差が大きくなる。このため、印刷媒体として従来よりも柔らかな媒体を使用した場合、V字状の中央部においてすり合わせ荷重が不足し、切断不良が発生する可能性があった。
【0005】
本発明は、切断対象物を良好に切断することができる切断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様によれば、フレームと、所定の延伸方向へ向けて直線状に延びる第1刃部を有し、前記フレームに固定された略平板状の固定刃と、前記フレームに案内されて、前記延伸方向に交差する移動方向に移動可能な略平板状の可動刃であって、前記移動方向における一方側の端部において、前記移動方向に対して前記延伸方向の端部よりも中央部が前記第1刃部から離れた谷状に形成され、前記第1刃部とすり合って切断対象物を切断する第2刃部と、前記移動方向における他方側の端部に形成され、前記フレームと接触する接触部とを有する可動刃と、前記可動刃を移動させる駆動機構と、前記可動刃から前記固定刃と前記フレームとに向かう第1方向へ前記可動刃を押圧する押圧部材とを備えた切断装置において、前記固定刃の前記延伸方向に対して前記可動刃の前記第2刃部が傾斜する角度であるシャー角は、前記第2刃部の前記延伸方向の端部における前記シャー角である第1シャー角よりも、前記第2刃部の前記延伸方向の中央部における前記シャー角である第2シャー角の方が大きいことを特徴とする切断装置が供される。
【0007】
可動刃の延伸方向の端部における第1シャー角は、中央部における第2シャー角よりも小さい。切断時、可動刃の移動方向への移動し始めにおいては、固定刃の第1刃部との接点となる2点間が離れているので、第2刃部のすり合わせ荷重は2点間で安定する。また、可動刃の移動し始めにおいて、可動刃が押圧部材の押圧力を受ける力は、第2刃部において十分に大きい。故に、可動刃の延伸方向の端部における第1シャー角が、中央部における第2シャー角よりも小さいことで、切断装置は、必要以上の切断荷重を掛けて切断対象物を切断することがなく、切断対象物を綺麗に切断することができる。可動刃の移動方向への移動が進むに従い、第1刃部との接点となる2点間が近づくので、第2刃部のすり合わせ荷重の安定性が低下する。また、可動刃の移動が進むに従い、可動刃が押圧部材の押圧力を受ける力は、第2刃部よりも接触部において大きくなる。故に、可動刃の延伸方向の中央部における第2シャー角を、端部における第1シャー角よりも大きくすることで、切断装置は、押圧部材から付与される押圧荷重が小さくなっても十分なすり合わせ荷重を確保して、切断対象物を良好に切断することができる。
【0008】
本態様において、前記第2シャー角は、前記第2刃部の前記シャー角のうち最も角度が大きく、前記第2刃部のうち、前記シャー角が前記第2シャー角を有する領域である第2シャー角領域は、前記第2刃部の全領域のうちの2/3以下の大きさを有してもよい。切断装置は、第1刃部と第2刃部との接点が延伸方向の中央部に近づき、すり合わせ荷重の安定性が低下する領域においては、第2シャー角で切断対象物を切断することで、切断対象物を確実に切断することができる。第2シャー角である領域として、全領域の2/3以下の領域が確保されるので、切断装置は、切断対象物の切断を確実に行うことができる。
【0009】
本態様において、前記可動刃の前記第2刃部は、前記延伸方向において対称な形状を有してもよい。第2刃部が延伸方向に対称な形状であるので、切断過程において、延伸方向の一端側でシャー角が変化すれば、他端側でもシャー角が変化する。故に切断装置は、シャー角の変化する部分におけるすり合わせ荷重の安定性を高め、切断対象物を良好に切断することができる。
【0010】
本態様において、前記固定刃の前記可動刃側の面である第1面と、前記可動刃の前記固定刃側の面である第2面とには、粘着物の付着を抑制する粘着抑制層が形成され、前記粘着抑制層は、前記第1刃部の少なくとも先端部と、前記第2刃部の少なくとも先端部とには、非形成であってもよい。切断装置は、切断対象物が粘着層を有する場合でも、第1面及び第2面への粘着物の付着を抑制することができる。そして、第1刃部の先端部及び第2刃部の先端部には粘着抑制層が非形成であるので、切断装置は切断力を確保することができ、故に切断対象物を良好に切断することができる。
【0011】
本態様において、前記第1刃部及び前記第2刃部の前記先端部において、前記粘着抑制層は、刃先から、0.5mm以上5mm以下の領域において非形成であってもよい。粘着抑制層の非形成領域を、第1刃部及び第2刃部の刃先から、それぞれ0.5mm以上5mm以下の領域とし、粘着抑制層の形成範囲を十分に確保したことで、粘着抑制層の非形成の部分に粘着物が付着する可能性を低減することができる。故に切断装置は切断力を十分に確保して、切断対象物を良好に切断することができる。
【0012】
本態様において、前記可動刃の前記第2刃部は、前記中央部から前記端部へ向けて、前記シャー角の異なる複数の直線状の部分で構成されてもよい。第2刃部におけるシャー角の異なる部分を、いずれも直線状の部分で構成することにより、第2刃部を容易に形成できるので、切断装置は製造コストを削減することができる。
【0013】
本態様において、前記可動刃の前記第2刃部は、前記中央部から前記端部へ向けて、前記シャー角が連続的に変化する曲線状の部分を含んで構成されてもよい。第2刃部を曲線状に形成することで、切断時におけるシャー角の変化が連続的になされるため、切断装置は、すり合わせ荷重の安定性が高まり、切断対象物を良好に切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】印刷装置1の内部構造を示す右側面図である。
【
図4】固定刃101と可動刃105が端部102Aで接触する場合の可動刃駆動機構130を省略した切断装置100の正面図である。
【
図5】第1フレーム81、固定刃101、及び可動刃105の斜視図である。
【
図7】
図4のI-I線における矢視方向から見た固定刃101、可動刃105、及び第1フレーム81の断面図である。
【
図8】固定刃101と可動刃105が中央部102Bで接触する場合の可動刃駆動機構130を省略した切断装置100の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態である切断装置100について、図面を参照して説明する。切断装置100は、例えば印刷装置1に搭載され、印刷装置1によって印刷がなされた印刷媒体7を、切断対象物として切断する。印刷媒体7は柔らかなシート状であり、一例として厚さ0.1mm以下のテープである。印刷装置1には、印刷媒体7が巻回されたロール8が装着される。
【0016】
図1、
図2を参照し、印刷装置1を説明する。以下説明では、図中に矢印で示す左右、前後、上下を、印刷装置1の左右、前後、上下として説明する。印刷装置1は、前後方向に長い箱形状の本体筐体10を備える。本体筐体10は、略箱形状である。本体筐体10は、例えば樹脂材料で成形される。本体筐体10の前端部には、切断装置100が装着される。切断装置100は、前端部の上側にユニット排出口32を備える。ユニット排出口32は左右方向に延びるスリットである。ユニット排出口32は、印刷装置1の内部で印刷された印刷媒体7を印刷装置1の外部に排出可能である。
【0017】
本体筐体10は、下部筐体11、上部筐体12を備える。下部筐体11は略直方体の箱状である。下部筐体11は上部が開口している。下部筐体11は本体筐体10の下側部分をなす。下部筐体11は軸部24を備える。軸部24は、下部本体110の後部に左右方向に延びて設けられる。
【0018】
上部筐体12は略箱形状である。上部筐体12は下部が開口している。上部筐体12は本体筐体10の上側部分をなす。上部筐体12は、軸部24を中心として回動可能に軸支される。上部筐体12は下部筐体11の開口を開閉可能である。上部筐体12が閉じられた状態において、上部筐体12の上面は前方ほど下側に傾斜している。上部筐体12は、上面に表示部13及び操作部14を備える。操作部14は、印刷装置1に各種指示を入力するために用いられる。
【0019】
図2に示すように、下部筐体11は、プラテンローラ26、内部カバー111及び収容部6を備える。内部カバー111の後部は、下方に向けて円弧状に湾曲している。図示しないが、印刷装置1は電子回路基板を備える。電子回路基板は内部カバー111より下方に設けられる。電気回路基板は印刷装置1の制御を司る。
【0020】
収容部6は、内部カバー111によって区画された印刷装置1の内部空間である。収容部6は、ロール8の芯が左右方向に延びる状態で、ロール8を収容可能である。ロール8は、感熱ラベルが貼付された台紙が筒状の芯に巻回されて構成される。プラテンローラ26は、印刷媒体を搬送するための円柱状のローラであり、ユニット排出口32の長手方向である左右方向に沿って設けられる。
【0021】
上部筐体12は、サーマルヘッド29及び上排出部121を備える。サーマルヘッド29は、左右方向に延びる。サーマルヘッド29は、左右方向に沿って並んだ複数の発熱体を有する。サーマルヘッド29は、電子回路基板によって制御され、加熱により印刷媒体である感熱ラベルにキャラクタ等を印刷可能である。
【0022】
上排出部121は、上部筐体12の前端部に設けられる。上排出部121は、左右方向に延びる。上排出部121は、前方ほど上側に傾斜している。上排出部121は、切断装置100が取り付けられた状態で、切断装置100に設けられた下排出部321と近接して対向する。下排出部321は、前方ほど上側に傾斜している。上排出部121と下排出部321の間に筐体排出口23が形成される。筐体排出口23は、ユニット排出口32と連通する。
【0023】
次に、切断装置100を説明する。切断装置100は印刷装置1に装着可能なオプションユニットの一例であり、筐体排出口23から排出される印刷媒体7を切断対象物として切断する装置である。
図3に示すように、切断装置100は、左右方向に長い略箱形状のユニット筐体31内に、第1フレーム81、固定刃101、可動刃105、可動刃駆動機構130を備える。
【0024】
第1フレーム81は、ユニット筐体31に固定された板金である。
図5に示すように、第1フレーム81は、矩形板81Aと、一対の補助ガイド板81Bとを備える。矩形板81Aは左右方向に延びる。一対の補助ガイド板81Bはそれぞれ矩形板81Aの左右両端から前方に延びる。矩形板81Aの上下略中央部には、印刷媒体7が通過可能な通過孔92が形成される。通過孔92は左右方向に延びる矩形状の孔である。通過孔92には、上述の下排出部321の前端部が進入している。矩形板81Aの下部には貫通孔93が設けられる。貫通孔93は、円形孔93Aと、円形孔93Aの右側で上下方向に延びる矩形孔93Bとを含む。矩形板81Aの下部の前面には、補助板96が固定される。補助板96は正面視で略U字状であり、内側側面がガイド部96A及び補助ガイド部96Bとして機能する。ガイド部96A及び補助ガイド部96Bは、それぞれ、正面視において貫通孔93の左側及び右側に位置する。
【0025】
図3~
図5に示すように、固定刃101は前後方向に厚さを有する平板状に形成され、矩形板81Aの前面に二つのネジ71で固定される。固定刃101の下端には、左右方向へ向けて直線状に延びる第1刃部101Aが形成される。
【0026】
図7に示すように、固定刃101は、可動刃105の後側に配置される。固定刃101は、可動刃105側を向く前面101Bに、粘着物の付着を抑制する粘着抑制層101Cが形成される。粘着抑制層101Cは、例えば、フッ素樹脂等のコーティングによって形成される。粘着抑制層101Cは、固定刃101の第1刃部101Aの先端部101Dにおいて非形成である。先端部101Dは、第1刃部101Aの刃先から、少なくとも0.5mm以上5mm以下の部位Lである。切断対象物である印刷媒体7は、あらかじめ粘着層が形成されテープが用いられる場合がある。第1刃部101Aの先端部101Dにおいて、粘着抑制層101Cを非形成とする部位Lを刃先から0.5mm以上に規定するのは、刃先を鋭利な状態に維持することで、可動刃105の刃先とのすり合わせによって切断対象物を切断する際の切断力を確保するためである。先端部101Dにおいて、粘着抑制層101Cを非形成とする部位Lを刃先から5mm以下に制限するのは、仮に刃先に粘着物が付着しても、可動刃105の刃先とのすり合わせによって容易に粘着物を粘着抑制層101Cの表面上に移動させ、固定刃101から脱落させることで、固定刃101に付着した状態を解消しやすくするためである。
【0027】
図3~
図5に示すように、可動刃105は前後方向に厚さを有する略平板状であり、第1フレーム81において上下方向に移動可能に支持される。可動刃105は、固定刃101と第1フレーム81の矩形板81Aとに対して前側に配置される。従って、可動刃105から固定刃101と矩形板81Aとに向かう方向は後方向となる。可動刃105は第1フレーム81と固定刃101とに接触して支持されており、側面視において後下方から前上方に向かうように傾斜している(
図7参照)。
【0028】
可動刃105の上部103は固定刃101に前方から接触する部位であり、第2刃部102と一対の延出部104とを含む。第2刃部102は、第1刃部101Aと協働して印刷媒体7を切断するために設けられ、正面視で、左右方向の両側の端部よりも中央部が下方へ向けて谷状に形成される。一対の延出部104は、それぞれ、第2刃部102の左右方向両側の端部から上方に延出する。一対の延出部104は、第1フレーム81の一対の補助ガイド板81Bに対して左右方向の内側にあり、これにより、可動刃105の左右方向の移動は制限される。
【0029】
第2刃部102は、互いに左右対称な左傾斜刃部102Lと右傾斜刃部102Rを備える。左傾斜刃部102Lと右傾斜刃部102Rは、それぞれ、第2刃部102の左右方向の中心である可動刃中心Cに向けて下方へ傾斜して延びる。第1刃部101Aが延びる方向である左右方向に対し、左傾斜刃部102Lと右傾斜刃部102Rのそれぞれが傾斜する角度をシャー角という。
図4、
図8に示すように、左傾斜刃部102Lと右傾斜刃部102Rは直線状に延び、それぞれの左右方向略中央における変化点C1,C2を境に、それぞれのシャー角が変化する。第2刃部102の左右方向の中央部102Bにおけるシャー角を、第2シャー角α2とする。即ち、左傾斜刃部102Lの変化点C1より右側の刃部のシャー角は、第2シャー角α2である。左傾斜刃部102Lと左右対称な右傾斜刃部102Rの変化点C2より左側の刃部のシャー角も、第2シャー角α2である。また、第2刃部102の左右方向両側の端部102Aにおけるシャー角を、第1シャー角α1とする。即ち、左傾斜刃部102Lの変化点C1より左側の刃部のシャー角は、第1シャー角α1である。左傾斜刃部102Lと左右対称な右傾斜刃部102Rの変化点C2より右側の刃部のシャー角も、第1シャー角α1である。第2刃部102の中央部102Bにおける左傾斜刃部102Lと右傾斜刃部102Rの第2シャー角α2は、両側の端部102Aにおける第1シャー角α1よりも大きい。左傾斜刃部102Lと右傾斜刃部102Rのうち、シャー角が第2シャー角α2である領域を、第2シャー角領域Xという(
図4参照)。即ち、第2刃部102の中央部102B、即ち変化点C1とC2の間の領域が第2シャー角領域Xである。第2刃部102において第2シャー角領域Xが占める大きさは、左傾斜刃部102Lと右傾斜刃部102Rの全領域Zのうちの1/2である。第2シャー角領域Xは、第2刃部102の全領域Zのうちの2/3以下であればよい。
【0030】
図7に示すように、可動刃105は、固定刃101側を向く後面105Bに、粘着物の付着を抑制する粘着抑制層105Cが形成される。粘着抑制層105Cは、固定刃101と同様に、フッ素樹脂等のコーティングによって形成される。粘着抑制層105Cは、可動刃105の第2刃部102の先端部105Dにおいて非形成である。先端部105Dは、第2刃部102の刃先から、少なくとも0.5mm以上5mm以下の部位Mである。第2刃部102の先端部105Dにおいて、粘着抑制層105Cを非形成とする部位Mを刃先から0.5mm以上に規定するのは、刃先を鋭利な状態に維持することで、固定刃101の刃先とのすり合わせによって切断対象物を切断する際の切断力を確保するためである。先端部105Dにおいて、粘着抑制層105Cを非形成とする部位Mを刃先から5mm以下に制限するのは、仮に刃先に粘着物が付着しても、可動刃105の刃先とのすり合わせによって容易に粘着物を粘着抑制層105Cの表面上に移動させ、可動刃105から脱落させることで、可動刃105に付着した状態を解消しやすくするためである。
【0031】
また、
図3に示すように、第2刃部102は、端部102Aから中央部102Bの可動刃中心Cに向かうに従い、後方に向かうよう反って形成されている(図示略)。これにより、左傾斜刃部102Lは、固定刃101の第1刃部101Aに対して1点で接触し、右傾斜刃部102Rは、固定刃101の第1刃部101Aに対して1点で接触する。以下、左傾斜刃部102Lと第1刃部101Aの接触点を第1接触点Pといい、右傾斜刃部102Rと第1刃部101Aの接触点を第2接触点Qという。第1接触点Pと第2接触点Qはいずれも、印刷媒体7が切断される切断点である。可動刃105が上方に向かって移動すると、第1接触点Pと第2接触点Qはいずれも可動刃中心Cに近づく方向に移動する。
【0032】
図4、
図5に示すように、可動刃105の下部106は正面視で矩形状であり、上部103から下方に延出する。下部106は、第1片部106Aと第2片部106Bを備える。第1片部106Aと第2片部106Bは、下部106の下端部における左端部と右端部のそれぞれに並設されており、いずれも正面視で略矩形状である。第1片部106Aはガイド部96Aと接触しており、これにより、可動刃105は左右方向に位置決めされる。第2片部106Bは補助ガイド部96Bと対向しており、これにより、可動刃105の左右方向の移動は制限される。
【0033】
上述したように、可動刃105は側面視において後下方から前上方に向かうように傾斜しており、第1片部106Aの下端は、第1フレーム81の矩形板81Aの前面に接触する。一方、第2片部106Bは貫通孔93の前方に位置しており、第1フレーム81の矩形板81Aには接触しない。以下、第1片部106Aの下端を接触部109といい、接触部109と第1フレーム81との接触点を第3接触点Rという(
図4、
図8参照)。接触部109は第1片部106Aに含まれる。第3接触点Rは、便宜上、接触部109の左右方向の中心とする。また、第1接触点P、第2接触点Q、第3接触点Rを頂点とした仮想的な三角形を仮想三角形Tという(
図4、
図8参照)。仮想三角形Tは不等辺三角形であり、第1接触点Pと第3接触点Rを結ぶ辺は第2接触点Qと第3接触点Rを結ぶ辺よりも短い。
【0034】
図4、
図7に示すように、押圧部材50は正面視で逆U字状の板バネであり、補助板96と共に、矩形板81Aの前面に二つのネジ72によって固定される。押圧部材50は、上方且つ、左右方向の中央から少し左寄りの位置に、押圧接触部51を備える。押圧接触部51は可動刃105の下部106に接触し、可動刃105を後方に押圧する。本例の押圧接触部51は部分球面状に湾曲しており、可動刃105に対して点接触する。押圧接触部51は、正面視において可動刃105の可動刃中心Cに対して左下方の位置で下部106に接触し、可動刃105を押圧する。
【0035】
図3、
図6を参照し、可動刃105を上下方向に移動させる機構である可動刃駆動機構130を説明する。可動刃駆動機構130は、第2フレーム(図示略)、モータ131、中間ギヤ132、回転体135、ピン138、及び係合溝142を備える。第2フレームは、第1フレーム81の前面側で第1フレーム81に固定された板金である。モータ131は、ネジ(図示略)により第2フレームに固定される。モータ131の出力軸131Aは左上方から右下方に傾斜して延び、ウォーム131Bが固定される。中間ギヤ132は、第2フレームから後方に突出する支軸122によって、回転可能に支持される。中間ギヤ132は、前側から順に大径ギヤ132Aと小径ギヤ132Bからなる。大径ギヤ132Aは、ウォーム131Bと噛み合うウオームホイールである。回転体135は、第2フレームから後方に突出する支軸123によって、回転可能に支持される。よって、回転体135は第2フレームに回転可能に支持される。回転体135には、小径ギヤ132Bと噛み合うギヤ部135Aが形成される。モータ131の出力軸131Aが回転すると、ウォーム131B及び中間ギヤ132を介して、回転体135が回転する。
【0036】
係合溝142は可動刃105の下部106に形成され、貫通孔93の前方に位置する。係合溝142は、第1刃部101Aと平行に左右方向に延びる長孔であり、本例では前後方向に開口する。ピン138は、回転体135において支軸123に対して所定の半径だけ偏心した位置にある。ピン138は、回転体135から後方に突出して係合溝142に係合し、且つ貫通孔93に挿通されている。ピン138は、回転体135の回転により所定の半径の円上を回動する。貫通孔93の大きさは、ピン138が回動しても、貫通孔93の内壁面に接触しない大きさに形成されている。
【0037】
回転体135の回転に伴いピン138が係合溝142に対して摺動することで、可動刃105は、可動範囲の下端となる下端位置(
図3参照)と、可動範囲の上端となる上端位置(
図5参照)との間を移動する。可動刃105が下端位置にあるとき、上部103のうちで一対の延出部104のみが固定刃101に対して接触する。可動刃105が上端位置にあるとき、可動刃中心Cは固定刃101の第1刃部101Aよりも上側に位置する。
【0038】
図1、
図2を参照し、印刷装置1の印刷動作を説明する。印刷動作の開始前、収容部6にロール8が収容されており、印刷媒体7の先端は筐体排出口23の近くに配置されている。ユーザが操作部14に印刷動作の開始指示を入力すると、印刷装置1は搬送モータを駆動する。搬送モータの駆動力によってプラテンローラ26は回転し、印刷媒体7を切断装置100に向けて搬送する。同時に、印刷装置1はサーマルヘッド29を駆動することで、印刷媒体7に所定のキャラクタを印刷する。キャラクタは、文字、図形、及び記号等である。上記の動作によって、印刷装置1は印刷媒体7を印刷しながら搬送し、印刷媒体7は筐体排出口23に連通するユニット排出口32から排出される。印刷装置1が搬送モータとサーマルヘッド29の駆動を停止することで、印刷動作は終了する。
【0039】
図3、
図4、
図6、及び
図8を参照し、印刷装置1の切断動作を説明する。切断動作は、印刷動作の後に実行される。印刷装置1はモータ131を駆動する。モータ131の駆動力がウォーム131Bと中間ギヤ132を経由して回転体135に伝達する。これにより、回転体135は、正面視で時計回りに回転し、ピン138は、下側から上側へ移動する。ピン138が係合溝142に対して摺動することで、可動刃105は、第1片部106Aをガイド部96Aと矩形板81Aに接触させながら、下端位置から上方へ移動する。
【0040】
特定可動範囲に進入した可動刃105が上方に移動するとき、可動刃105と固定刃101との接触点は、第1接触点Pと第2接触点Qの2点となる。可動刃105が、固定刃101の第1刃部101Aと協働して第1接触点Pと第2接触点Qで印刷媒体7を挟み込む。これにより、印刷媒体7の左右方向の両端に切り込みが入り、この切り込みは、可動刃105が上方に移動するに従い、印刷媒体7の可動刃中心Cへと徐々に延伸する。切断開始直後において、第1接触点P、第2接触点Q及び第3接触点Rが形成する仮想三角形Tの面積は大きく、その形状が不等辺三角形であっても、第1接触点P及び第2接触点Qにおけるすり合わせ荷重の安定性を十分に確保できる。また、押圧部材50の押圧接触部51は、可動刃105の第2刃部102に近い位置にあり、可動刃105は十分な押圧荷重を得ることができる。故に、可動刃105の第2刃部102の端部102Aにおける第1シャー角α1が、中央部102Bにおける第2シャー角α2よりも小さくとも、固定刃101と可動刃105は、第1接触点P及び第2接触点Qにおける十分なすり合わせ荷重を確保して、印刷媒体7の切断を容易に進めることができる。
【0041】
可動刃105が更に上方に向かって移動すると、第1接触点Pと第2接触点Qが可動刃中心Cに近づき、仮想三角形Tの面積が小さくなる。仮想三角形Tは不等辺三角形であることから、第1接触点P及び第2接触点Qにおいて、固定刃101と可動刃105とのすり合わせ荷重の安定性が低下する。また、押圧部材50の押圧接触部51は、可動刃105の第2刃部102から離れ、押圧部材50から可動刃105に付与される押圧荷重は低下する。この場合において、第1接触点P及び第2接触点Qは、第2刃部102の中央部102Bに移動する。第2刃部102の中央部102Bにおける第2シャー角α2は、端部1021Aにおける第1シャー角α1より大きい。故に固定刃101と可動刃105は、第1接触点P及び第2接触点Qにおける十分なすり合わせ荷重を確保することができ、印刷媒体7の切断を継続することができる。
【0042】
その後、可動刃105は上端位置に到達し、ピン138は係合溝142の左右方向の略中心に到達する。切断の過程において、固定刃101と可動刃105が十分なすり合わせ荷重を維持することで、印刷媒体7は確実に切断される。印刷装置1は、モータ131を継続して回転駆動する。ピン138は、正面視で時計回りに引き続き回転し、上側から下側に移動する。これにより、可動刃105は、上端位置から下端位置まで移動する。可動刃105が下端位置に到達したとき、印刷装置1はモータ131の駆動を停止する。ユーザは、切断された印刷済みの印刷媒体7をユニット排出口32から取出すことができる。
【0043】
以上説明したように、可動刃105の左右方向の端部102Aにおける第1シャー角α1は、中央部102Bにおける第2シャー角α2よりも小さい。切断時、可動刃105の移動方向への移動し始めにおいては、固定刃101の第1刃部101Aとの接点となる第1接触点Pと第2接触点Qとの間が離れているので、第2刃部102のすり合わせ荷重は2点間で安定する。また、可動刃105の移動し始めにおいて、可動刃105が押圧部材50の押圧力を受ける力は、第2刃部102において十分に大きい。故に、可動刃105の左右方向の端部102Aにおける第1シャー角α1が、中央部102Bにおける第2シャー角α2よりも小さいことで、切断装置100は、必要以上の切断荷重を掛けて切断対象物を切断することがなく、切断対象物を綺麗に切断することができる。可動刃105の移動方向への移動が進むに従い、第1接触点Pと第2接触点Qとの間が近づくので、第2刃部102のすり合わせ荷重の安定性が低下する。また、可動刃105の移動が進むに従い、可動刃105が押圧部材50の押圧力を受ける力は、第2刃部102よりも接触部109において大きくなる。故に、可動刃105の左右方向の中央部102Bにおける第2シャー角α2を、端部102Aにおける第1シャー角α1よりも大きくすることで、切断装置100は、押圧部材50から付与される押圧荷重が小さくなっても十分なすり合わせ荷重を確保して、切断対象物を良好に切断することができる。
【0044】
切断装置100は、第1刃部101Aと第2刃部102との接点が左右方向の中央部102Bに近づき、すり合わせ荷重の安定性が低下する領域においては、第2シャー角α2で切断対象物を切断することで、切断対象物を確実に切断することができる。第2シャー角α2である領域として、全領域の2/3以下の領域が確保されるので、切断装置100は、切断対象物の切断を確実に行うことができる。
【0045】
第2刃部102が左右方向に対称な形状であるので、切断過程において、左右方向の一端側でシャー角が変化すれば、他端側でもシャー角が変化する。故に切断装置100は、シャー角の変化する部分におけるすり合わせ荷重の安定性を高め、切断対象物を良好に切断することができる。
【0046】
切断装置100は、切断対象物が粘着層を有する場合でも、固定刃101の前面101B及び可動刃105の後面105Bへの粘着物の付着を抑制することができる。そして、第1刃部101Aの先端部101D及び第2刃部102の先端部105Dには粘着抑制層101C,105Cが非形成であるので、切断装置100は切断力を確保することができ、故に切断対象物を良好に切断することができる。
【0047】
粘着抑制層101C,105Cの非形成領域を、第1刃部101A及び第2刃部102の刃先から、それぞれ0.5mm以上5mm以下の領域とし、粘着抑制層101C,105Cの形成範囲を十分に確保したことで、粘着抑制層101C,105Cの非形成の部分に粘着物が付着する可能性を低減することができる。故に切断装置100は切断力を十分に確保して、切断対象物を良好に切断することができる。
【0048】
上記実施形態において、第1フレーム81は、本発明の「フレーム」に相当する。左右方向は、本発明の「延伸方向」に相当する。上下方向は、本発明の「移動方向」に相当する。上部103は、本発明の「移動方向における一方側の端部」に相当する。下部106は、本発明の「移動方向における他方側の端部」に相当する。可動刃駆動機構130は、本発明の「駆動機構」に相当する。後方向は、本発明の「第1方向」に相当する。前面101Bは、本発明の「第1面」に相当する。後面105Bは、本発明の「第2面」に相当する。
【0049】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。可動刃105の移動方向は、上下方向に限らず、前後方向でも左右方向でもよいし、あるいはその他の方向でもよい。押圧接触部51は、例えば、後方に向けて湾曲して凸となり且つ左右方向に延びる部分円筒面状であってもよい。この場合、押圧接触部51は、可動刃105に対して線接触してもよい。押圧部材50は、板バネとは別のバネであってもよい。係合溝142は、前後方向に貫通する孔に限らず、前方のみに開口する穴であってもよい。
【0050】
可動刃105は、左傾斜刃部102Lと右傾斜刃部102Rのそれぞれにおいて、シャー角の異なる部位を2箇所ずつ有するが、それぞれ複数箇所有してもよい。例えば
図9に示す可動刃205のように、左右対称形状の左傾斜刃部202Lと右傾斜刃部202Rのそれぞれにおいて、シャー角の異なる部位を3箇所ずつ有してもよい。この場合において、左右方向の両側の端部202Aにおける第2刃部102の第1シャー角α1よりも、中央部202Bにおける第2刃部202の第2シャー角α2が大きければよい。また、中央部202Bにおける第2シャー角領域Xは、本実施形態と同様に、全領域Zの2/3以下であればよい。なお、第2シャー角領域は、全領域Zのうちで最もシャー角の大きい領域である。第2刃部202におけるシャー角の異なる部分を、いずれも直線状の部分で構成することにより、第2刃部202を容易に形成できるので、切断装置100は製造コストを削減することができる。
【0051】
可動刃105は、左傾斜刃部102Lと右傾斜刃部102Rのそれぞれにおいて、シャー角の大きさが連続的に変化する湾曲した刃部であってもよい。例えば
図10に示す可動刃305のように、左右対称形状の左傾斜刃部302Lと右傾斜刃部302Rのそれぞれにおいて、左右方向の両側の端部302Aから中央部302Bへ向けて、シャー角の大きさが徐々に大きくなってもよい。この場合に、中央部302Bにおける第2刃部302の第2シャー角α2は、端部302Aにおける第1シャー角α1よりも大きければよい。また、中央部302Bにおける第2シャー角α2は、全領域Zのうちで最も大きいシャー角であればよい。また、直線状の部分と曲線状の部分とを組み合わせた刃部として構成してもよい。第2刃部302を曲線状に形成することで、切断時におけるシャー角の変化が連続的になされるため、切断装置100は、すり合わせ荷重の安定性が高まり、切断対象物を良好に切断することができる。
【0052】
粘着抑制層101C,105Cは、フッ素樹脂のコーティングによるものに限らず、粘着剤の付着を抑制することができる他の材質のコーティングによって形成してもよい。あるいは、固定刃101及び可動刃105の表面加工によって形成してもよい。
【符号の説明】
【0053】
7 印刷媒体
50 押圧部材
81 第1フレーム
100 切断装置
101 固定刃
101A 第1刃部
101B 前面
101C,105C 粘着抑制層
101D,105D 先端部
102 第2刃部
102A 端部
102B 中央部
103 上部
105 可動刃
105B 後面
106 下部
109 接触部
130 可動刃駆動機構
X 第2シャー角領域
Z 全領域
α1 第1シャー角
α2 第2シャー角