IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アイ・ライティング・システムの特許一覧

<>
  • 特開-照明器具 図1
  • 特開-照明器具 図2
  • 特開-照明器具 図3
  • 特開-照明器具 図4
  • 特開-照明器具 図5
  • 特開-照明器具 図6
  • 特開-照明器具 図7
  • 特開-照明器具 図8
  • 特開-照明器具 図9
  • 特開-照明器具 図10
  • 特開-照明器具 図11
  • 特開-照明器具 図12
  • 特開-照明器具 図13
  • 特開-照明器具 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176134
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20231206BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20231206BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20231206BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231206BHJP
【FI】
F21S2/00 623
F21S2/00 340
F21S2/00 330
F21V5/00 320
F21V5/00 510
F21V5/04 100
F21Y115:10 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088255
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000126274
【氏名又は名称】株式会社アイ・ライティング・システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 隼
(72)【発明者】
【氏名】大川 郷
(57)【要約】
【課題】照明エリアに対し、平均照度及び照度均斉度を向上させながら、競技者等の人物に対するグレアを抑制すること。
【解決手段】照明器具1を、水平角φが0°~20°かつ鉛直角θが55°~65°内に最大の光度値を有し、水平角φが35°~45°かつ鉛直角θが50°~60°内に最大の光度値に対して75%以上、100%未満の光度値を有し、最大の光度値を、1000lm当たり600~900cdとした配光にした。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明エリアの周囲に間隔を空けて設置され、前記照明エリアを上方から照明する照明器具において、
当該照明器具の取付位置を基準として、前記照明エリアに向けられる前方方向を水平角0度とした水平角、及び、鉛直方向を鉛直角0度とした鉛直角を定義したときに、水平角0°~20°かつ鉛直角55°~65°内に最大の光度値を有し、水平角35°~45°かつ鉛直角50°~60°内に最大の光度値に対して75%以上、100%未満の光度値を有し、
最大の光度値を、1000lm当たり600~900cdとした
ことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
水平角0°~20°かつ鉛直角55°~65°内から、水平角35°~45°かつ鉛直角50°~60°内に向かって光度値が徐々に下がる配光とした
ことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
水平角35°~45°かつ鉛直角50°~60°内から、水平角55°~65°かつ鉛直角20°~35°内に向かって光度値が徐々に下がる配光とした
ことを特徴とする請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
最大の光度値と同鉛直角かつ水平角0°~40°内に、最大光度値の90%以上、100%未満の光度値を有する配光とした
ことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項5】
鉛直角25°~55°において、同じ鉛直角の水平角40°~70°内に、同じ鉛直角の水平角0°側の光度値よりも高い光度値を有する配光とした
ことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項6】
鉛直角100°以上において、1000lm当たり10cd以上の光度値が出ない配光とした
ことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項7】
水平角0°~80°かつ鉛直角が67°~78°の範囲内において1000lm当たり500cd未満の光度値となる配光とした
ことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項8】
光源と、
前記光源から出射された光を屈折又は反射するレンズと、
前記レンズからの光の一部を反射する反射部とを備え、
前記レンズのうち、前記照明エリアと異なる側である器具後方側の領域に、前記光源からの光の少なくとも一部が全反射しない角度で入射し、前記照明エリア側へ屈折させる屈折面が設けられ、
前記反射部は、前記屈折面から器具後方に出射される光を、器具後方以外の方向に反射する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
競技場のスポーツ照明に用いられる照明器具が知られている(例えば特許文献1参照)。例えば、テニスコート用照明器具の場合、照明エリアとなるテニスコートの周囲に間隔を空けて設置され、テニスコートを上方から照明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-235822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の照明器具は、照明エリアに対し、平均照度及び照度均斉度を満足し、かつ、競技者に対するグレアをより抑制することが望まれる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、照明エリアに対し、平均照度及び照度均斉度を向上させながら、競技者等の人物に対するグレアを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、照明エリアの周囲に間隔を空けて設置され、前記照明エリアを上方から照明する照明器具において、当該照明器具の取付位置を基準として、前記照明エリアに向けられる前方方向を水平角0度とした水平角、及び、鉛直方向を鉛直角0度とした鉛直角を定義したときに、水平角0°~20°かつ鉛直角55°~65°内に最大の光度値を有し、水平角35°~45°かつ鉛直角50°~60°内に最大の光度値に対して75%以上、100%未満の光度値を有し、最大の光度値を、1000lm当たり600~900cdとしたことを特徴とする。
【0006】
本発明は、上記照明器具において、水平角0°~20°かつ鉛直角55°~65°内から、水平角35°~45°かつ鉛直角50°~60°内に向かって光度値が徐々に下がる配光としたことを特徴とする。
【0007】
本発明は、上記照明器具において、水平角35°~45°かつ鉛直角50°~60°内から、水平角55°~65°かつ鉛直角20°~35°内に向かって光度値が徐々に下がる配光としたことを特徴とする。
【0008】
本発明は、上記照明器具において、最大の光度値と同鉛直角かつ水平角0°~40°内に、最大光度値の90%以上、100%未満の光度値を有する配光としたことを特徴とする。
【0009】
本発明は、上記照明器具において、鉛直角25°~55°において、同じ鉛直角の水平角40°~70°内に、同じ鉛直角の水平角0°側の光度値よりも高い光度値を有する配光としたことを特徴とする。
【0010】
本発明は、上記照明器具において、鉛直角100°以上において、1000lm当たり10cd以上の光度値が出ない配光としたことを特徴とする。
【0011】
本発明は、上記照明器具において、水平角0°~80°かつ鉛直角が67°~78°の範囲内において1000lm当たり500cd未満の光度値となる配光としたことを特徴とする。
【0012】
本発明は、上記照明器具において、光源と、前記光源から出射された光を屈折又は反射するレンズと、前記レンズからの光の一部を反射する反射部とを備え、前記レンズのうち、前記照明エリアと異なる側である器具後方側の領域に、前記光源からの光の少なくとも一部が全反射しない角度で入射し、前記照明エリア側へ屈折させる屈折面が設けられ、前記反射部は、前記屈折面から器具後方に出射される光を、器具後方以外の方向に反射することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、照明エリアに対し、平均照度及び照度均斉度を向上させながら、競技者等の人物に対するグレアを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】競技エリアを6台の照明器具で照明する照明システムの説明に供する図である。
図2】競技エリアを8台の照明器具で照明する照明システムの説明に供する図である。
図3】照明器具の配光(正弦等光度曲線)を示す図である。
図4】正弦等光度曲線の説明に供する図である。
図5図3に示す配光図の説明に供する図である。
図6】配置例1の場合の照明器具1Aの領域R1,R2の位置を示す図である。
図7】照明器具1C,1G,1Aの領域R1,R2の位置を図である。
図8図3に示す配光図の説明に供する図である。
図9】照明器具の具体例を示す図である。
図10】光源ユニットの平面図である。
図11】レンズユニットを示す図である。
図12】レンズを示す図である。
図13】第1レンズ部の説明に供する図である。
図14】第2レンズ部の説明に供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
この実施形態では、照明器具1の一例として、一般的なテニス用の競技エリア100を照明するスポーツ施設照明器具の場合を説明する。
図1は競技エリア100を6台の照明器具1(1A~1F)で照明する配置例1の場合の照明システムを示す図であり、図1(A)は上方から示す図、図1(B)は側方から示す図である。
競技エリア100は、幅W=10.97m、長さL=23.77mの矩形エリア(テニスコートに相当)を有し、その周囲も含めたグラウンドサイズが例えば18m×36mである。
競技エリア100は、ベースラインL1、ダブルスサイドラインL2、サービスラインL3、センターラインL4、及びシングルスラインL5等のテニスコートを構成する各ラインを有し、長手方向中央にネットNTが設けられる。サービスラインL3は、ネットNTから長手方向に6.4m離れた位置で、センターラインL4に直交する方向に延びている。サービスラインL3の長さは8.23mである。競技エリア100の各部の長さは一例であり、適宜に変更されてもよい。
【0016】
照明器具1は、ポール1P等を利用して競技エリア100よりも高い位置に取り付けられ、競技エリア100を上方から照明する設備である。本構成では全ての照明器具1が同じ構成であり、器具取付高さは6.3mである。
照明器具1は、競技エリア100の周囲に間隔を空けて配置され、より具体的には、ネットNTの左右外側に一台ずつ配置され、テニスコートの角部に対応する位置の外側にそれぞれ一台ずつ配置される。これにより、左右のダブルスサイドラインL2と平行に6台配置される。各照明器具1は、その前方方向(正面方向とも称する)を競技エリア100に向けて設置される。
なお、器具取付高さ6.3mは一例である。一般的に、スポーツ照明には設計基準があり、これに準拠して器具取付高さが決定される。本実施形態の照明器具1は、器具取付高さ6.0~6.6mの範囲であれば、平均照度及び照度均斉度を向上させながら、競技者PL等に対するグレアを抑制可能である。より具体的には、本実施形態では、後述する鉛直角θが少なくとも67°~78°の範囲の光度値を制限することで、図1図2に示す競技者PL等に対するグレアを効果的に抑制可能である。
グレアを抑制する範囲は、競技者PL等の身長から割り出した直立時の目線の高さを基準とし、これに競技者PLのサーブ時の目線の高さの変化を加味した範囲に設定される。本構成では、競技者PLの目線の高さが1.4m~2.5mの範囲を、グレアを抑制する範囲に設定している。
【0017】
以下、競技エリア100の長手方向中央の両側(ネットNTの左右に相当)に配置される照明器具1には、符号1A,1Bを付して適宜に説明し、競技エリア100の角部に配置される照明器具1には、符号1C,1D,1E,1Fを適宜に付して説明する。
本構成において、照明器具1A,1Bの位置、照明器具1C,1Dの位置、及び照明器具1E,1Fの位置は、競技エリア100の短手方向の中央線(センターラインL4)を基準にして、それぞれ線対称の位置である。また、照明器具1C,1D,1E,1FのネットNTからの離間距離(長手方向の離間距離)は同じである。
【0018】
図1(A)において、符号PL(PL1,PL2)は、サーブを打つ競技者を例示している。競技者PL1は、ベースラインL1の左右一方側からサーブを打つ競技者であり、競技者PL2は、ベースラインL1の左右他方側からサーブを打つ競技者である。
図1(A)に示すように、照明器具1の取付位置を基準として、競技エリア100に向けられる前方方向を水平角0度とした水平角φを定義した場合に、照明器具1Aから競技者PL1に向かう光の水平角φは例えば74°であり、照明器具1Aから競技者PL2に向かう光の水平角φは例えば40°である。
【0019】
図1(B)に示すように、鉛直方向を鉛直角0度とした鉛直角θを定義した場合に、照明器具1Aから競技者PL1に向かう光の鉛直角θは例えば69°であり、照明器具1Aから競技者PL2に向かう光の鉛直角θは例えば76°である。
上記「照明器具1Aから競技者PL1,PL2に向かう光の角度」は、照明器具1Aから競技者PL1,PL2の目に向かうおそれのある角度である。競技者PL1,PL2に対する直視グレアを抑制する観点から、競技者PL1,PL2に向かう光を適度に抑えることが望まれる。
なお、競技者PL1,PL2は予め規定した成人の場合を想定している。
【0020】
但し、上記角度は、照明器具1Aの位置が調整されたり、競技者PL1,PL2の身長が異なったりした場合にも変動する。したがって、上記角度を含む所定範囲内で光を抑えることが直視グレアを抑制する観点から好適である。
図1(A)中の距離Sは、照明器具1Aから最も離れた照明器具1Dまでの離間距離である。この距離Sに対応する範囲を、照明器具1A,1Dで適切に照明する必要がある。照明器具1Aと照明器具1Fとの間の距離、照明器具1Bと照明器具1Cとの間の距離、及び、照明器具1Bと照明器具1Eとの間の距離も距離Sである。
【0021】
図2は競技エリア100を8台の照明器具1(1A~1H)で照明する場合の配置例2の照明システムを示す図であり、図2(A)は上方から示す図、図2(B)は側方から示す図である。
図2では、競技エリア100の長手方向中央の両側に2台の照明器具1G,1Hが追加され、照明器具1A,1Gからなる組、及び、照明器具1B,1Hからなる組が、ネットNTを基準にして長手方向両側に向きが振り分けられている点が、配置例1と異なる。なお、本構成では、照明器具1C~1Dの配置位置は配置例1と同じであるが、設置環境に応じて異ならせてもよい。
【0022】
配置例2の場合、図2(A)に示すように、照明器具1Aから競技者PL1に向かう光の水平角φは例えば28°であり、照明器具1Aから競技者PL2に向かう光の水平角φは例えば7°である。
また、図2(B)に示すように、照明器具1Aから競技者PL1に向かう光の鉛直角θは例えば68°であり、照明器具1Aから競技者PL2に向かう光の鉛直角θは例えば75°である。
【0023】
本構成の照明器具1は、照明エリアからなる競技エリア100(被照面)に対し、平均照度及び照度均斉度を向上させながら、競技者PL1,PL2に対するグレアを抑えた照明性能を有している。かかる照明性能を実現するための照明器具1の配光について説明する。
【0024】
図3は照明器具1の配光(正弦等光度曲線)を示す図である。図4は、正弦等光度曲線の説明に供する図である。各光度は水平角φ及び鉛直角θで表され、下半球の半分で代表している。
本説明において、図4に示すように、水平角φは、照明器具1Aの前方(競技エリア側)を角度0°、後方を角度180°とした角度であり、鉛直角θは、照明器具1Aの鉛直方向を角度0°、水平方向を角度90°とした角度である。照明器具1は、水平角φ0-180°からなる基準軸を通る1つの平面に対して対称とみなせる配光(一面対称配光)を有している。
【0025】
図3には、5~600cd/1000lmの各光度値を示し、最大の光度値となる箇所を×印で示す符号P0を付している。また、光度値が極大となる箇所(尾根に相当する箇所)を点P1で示している。
最大の光度値は、1000lm当たり600~900cdの範囲に設定されている。
【0026】
図5図3に示す配光図に配光を特徴づける情報を付加した図である。
図5に示すように、照明器具1は、水平角φが0°~20°かつ鉛直角θが55°~65°内の領域R1に最大の光度値を有し、水平角φが35°~45°かつ鉛直角θが50°~60°内の領域R2に最大の光度値(P1)に対して75%以上、100%未満の光度値を有している。
図6には、配置例1の場合の照明器具1Aの各領域R1,R2の位置を示している。図6に示すように、領域R1は、照明器具1Aに対してセンターラインL4の反対側、かつ、サービスラインL3間に位置する。また、領域R2は、照明器具1Aに対してセンターラインL4よりも手前側、かつ、サービスラインL3周辺に位置する。
【0027】
照明器具1Bは、照明器具1Aと同じ配光を有するので、照明器具1Aが高光度で照明する領域R2間に、照明器具1Bが高光度で照明する領域R1が位置する。また、照明器具1Aが高光度で照明する領域R1の外側(サービスラインL3周辺領域に相当)に、照明器具1Bが高光度で照明する領域R2が位置する。
この配光により、左右の照明器具1A,1Bによって、特に、一対のサービスラインL3、及び、一対のダブルスサイドラインL2に囲まれる矩形領域、及び、一対のサービスラインL3の周辺領域の平均照度を高め、かつ、これら領域の照度均斉度を向上させることに有利となる。
【0028】
また、本構成では、照明器具1Aにおける最大の光度値が、照明器具1Aの前方方向(器具照面)において0.6W以上(図1図2参照)の床面に照射される配光であり、水平角φで左右40°まで同程度の高い光度値で床面に照射される配光である(上記領域R1~R2を含む500cd/1000lm以上の領域に相当する)。
また、照明器具1Aは、対角に位置する照明器具1Dとの距離を距離Sとした場合に、最大の光度値と同程度の光度値が、0.35S以上の床面に照射される配光となっている。
これら配光によって、照明器具1Aは、配置例1及び配置例2のいずれの場合でも、一対のサービスラインL3、及び、一対のダブルスサイドラインL2に囲まれる矩形領域及びその周辺領域の平均照度を高めることに有利となる。
【0029】
図7には、図6と異なる照明器具1の場合の各領域R1,R2の位置を示している。より具体的には、図7(A)は配置例1の場合の照明器具1Cの各領域R1,R2の位置を示し、図7(B)は配置例2の場合の照明器具1A,1Gの各領域R1,R2の位置を示している。
図7(A)に示すように、照明器具1Cの領域R1は、照明器具1C寄りのベースラインL1,サービスラインL3及びダブルスサイドラインL2に囲まれる領域、及びその周辺に位置する。また、照明器具1Cの領域R2は、照明器具1C寄りのダブルスサイドラインL2の外側、及び、ベースラインL1の外側に位置する。
照明器具1Dは、照明器具1Cと同じ配光を有するので、照明器具1C,1Dの双方によって、競技エリア100のうち、サービスラインL3よりも長手方向外側(照明器具1C,1D側)の矩形領域の平均照度を高め、かつ、その領域の照度均斉度を向上させることに有利となる。
【0030】
また、照明器具1E,1Fは、照明器具1C,1Dに対し、競技エリア100の長手方向反対側(ネットNTに対して対称位置)に配置されるので、照明器具1E,1Fによって、競技エリア100のうち、サービスラインL3よりも長手方向外側(照明器具1E,1F側)の矩形領域の平均照度を高めると共に、照度均斉度を向上させることに有利となる。
これらによって、配置例1の場合に、6台の照明器具1A~1Fによって競技エリア100全体の平均照度、及び照度均斉度を向上させることができる。
【0031】
図7(B)に示すように、配置例2の場合に、照明器具1A,1Gの各領域R1は、照明器具1A,1G寄りで、一対のサービスラインL3と一対のベースラインL1の間、及びその周辺に位置する。また、照明器具1A,1Gの各領域R2は、ネットNTの周辺に位置すると共に、照明器具1A,1G側のダブルスサイドラインL2外側に位置する。
照明器具1B,1Hは、照明器具1A,1Gに対し、競技エリア100の短手方向反対側(センターラインL4に対して対称位置)に配置されるので、これら照明器具1A,1G,1B,1Hによって、一対のサービスラインL3、及び、一対のダブルスサイドラインL2間、及びその周辺の平均照度を高めると共に、これら領域の照度均斉度を向上させることに有利となる。
【0032】
上記したように、照明器具1は、図5に示す水平角φが0°~20°かつ鉛直角θが55°~65°内の領域R1に最大の光度値を有し、図5に示す領域R2に最大の光度値(P1)に対して75%以上、100%未満の光度値を有している。
この配光により、図8に示すように、領域R1よりも鉛直角θが高く、かつ、水平方向に広い範囲である領域RGの光度値を制限することができる。この領域RGは、水平角φが0°~80°かつ、鉛直角θが67°~78°を含み、この範囲は1000lm当たり500cd未満である。
【0033】
この領域RGは、配置例1及び配置例2のいずれの場合でも、ネットNTの左右に位置する照明器具1(1A,1G,1B,1H)から競技者PL1,PL2に向かう光の範囲を含んでいる。したがって、競技者PL1,PL2に向かう光を1000lm当たり500cd未満にでき、競技者PL1,PL2へのグレアを抑制することができる。
【0034】
図5に示すように、領域R1は、最大の光度値となる箇所P0と、光度値が極大となる点P1を含む領域であり、最も高光度となる領域である。また、領域2は、光度値が極大となる点P1を含む領域であり、領域R1の次に高光度となる領域である。
図5に示すように、照明器具1は、水平角φが55°~65°かつ鉛直角θが20°~35°内の領域R3に、光度値が極大となる点P1を含んでいる。領域R3は、図6に示すように、照明器具1Aと、照明器具1A寄りのダブルスサイドラインL2との間に位置する領域である。
【0035】
このように、光度値が極大となる領域は、領域R1→R2→R3へと延在し、この順で光度値が下がる。より具体的には、領域R1は600~900cd/1000lm、領域R2は450~900cd/1000lm、領域R3は200~400cd/1000lm程度としながら、領域R1,R2,R3を通るA-B線上に沿って進んだ場合に、なめらかに光度値が下がるように設計されている。ここで、A地点は、水平角φが0°、鉛直角θが60°であり、B地点は、水平角φが60°、鉛直角θが0°である。図6に示すように、照明器具1Aの場合、上記A-B線は、器具前方のネットNT上のA地点から、円を描きながらサービスラインL3付近を通り、器具直下のB地点につながる。
なお、図6のA-B線は、図5のA-B線と対応する。
【0036】
図6には、上記A-B線を、ネットラインで折り返した線も示している。照明器具1は左右対称の配光であるので、この折り返した線上に沿って進んだ場合も、なめらかに光度値が下がる。これら線を繋いだ形状は、器具直下のB地点を上端とし、A地点を下端とする略雫型(栗形状に類似した略山型と言うこともできる)を構成する。なお、領域R1,R2,R3は、照明器具1の直下の範囲(鉛直角θが0°及びその周囲)を含まず、また、照明器具1の後方(水平角φが90°以上)も含んでいない。
この配光によって、照明器具1は、競技エリア100内及びその周囲の平均照度及び照度均斉度を向上させながら、照明器具1直下や照明器具1後方といった他の空間を、必要最小限の明るさに抑える場合に有利となる。
【0037】
図5に矢印で示すように、照明器具1は、最大の光度値と同鉛直角かつ水平角0°~40°内に、最大光度値の90%以上、100%未満の光度値を有している。
この配光により、最大の光度値と同鉛直角かつ水平角φが0°~40°内の平均照度を高め、かつ、照度均斉度の向上に有利となる。換言すると、最大の光度値と同鉛直角かつ水平角φが0°~40°の範囲以外の光度値を適度に抑えることができる。
これによっても、図8に示す領域RGの光度値を抑えることができ、競技者PL1,PL2へのグレアの抑制に有利となる。
【0038】
さらに、図5に矢印で示すように、照明器具1は、鉛直角θが25°~55°において、同じ鉛直角の水平角40°~70°内に、同じ鉛直角の水平角φが0°側の光度値よりも高い光度値を有する配光となっている。
この配光により、水平角0°側から離れた領域(図6及び図7に示した領域R1,R2など)の平均照度を高めることができ、競技者PL1,PL2が特に競技に使用するエリアの平均照度及び照度均斉度を向上させ易くなる。
【0039】
また、図8に示すように、照明器具1は、鉛直角θが100°以上の領域RUには、1000lm当たり10cd以上の光度値が出ない配光となっている。これにより、所定以上の高さ(例えば10m)への光を抑制でき、周囲への光害対策が可能である。また、水平角φが85°以上では、光度値が上方に向かって徐々に下がるので、照明器具1を競技エリア100に対して斜めに配置した場合でも周囲への漏れ光を低減でき、周囲への光害対策が可能である。
【0040】
一方、図8に示すように、水平角φが0°、かつ鉛直角θが90°の位置PUは、1000lm当たり30cd以上の光度値となる配光となっている。この配光により、照明器具1の前方、かつ同じ高さの空間をある程度照明でき、競技エリア100の上方空間の照度(鉛直面照度)を確保できる。
また、水平角φが90°、かつ鉛直角θが65°の光度値は、最大光度値に対し、10%以上、100%未満となる配光となっている。
【0041】
図9は、かかる配光を備えた照明器具1の具体例を示す図である。図9(A)は照明器具1の側面図、図9(B)は照明器具1の平面図(下方から見た図)である。
照明器具1は、光源ユニット2と、光源ユニット2を上方から覆う筐体3を備え、筐体3がU字状のアーム4によって、器具角度θKを調整可能である。
筐体3は、下方が開口する中空形状を有し、筐体3内に光源ユニット2を収容する。光源ユニット2は、筐体3の下方及び前方へ向けて照明光を照射する。器具角度θKは、例えば、水平面に対して上方に0°以上、20°以下の範囲内に設定される。器具角度θKを適切な値に設定することによって、光源ユニット2からの光を競技エリアに向けて照射できる。
【0042】
なお、器具角度θKは、0°以上、20°以下の範囲内で適宜に変更してもよいし、照明器具1の設置状況などに応じて上記範囲外の角度に変更してもよい。
本説明中の方向の記載は、特に明示しない限り、照明器具1を基準とした方向であり、各図における符号FRは照明器具1の前方向を示し、符号UPは上方向を示している。
【0043】
図10は光源ユニット2の平面図である。
光源ユニット2は、複数の光源5と、各光源5からの光を配光制御する複数のレンズユニット11とを備えている。各光源5は、複数(本構成では4つ)の発光素子を密集配置して平面視略円形(四角形も有り得る)の面状光を放射する面状光源であり、例えば、COB型LEDである。
レンズユニット11は、光源5を覆う複数(本実施形態では8枚)のレンズ21を一体に備えた部品である。レンズ21は光源5毎に設けられ、かつ、レンズ21同士が離間して配置される。つまり、光源5とレンズ21とは一対一の関係であり、レンズ21間には隙間が設けられる。これにより、光源5からの熱が、その光源5の光が入射するレンズ21と異なるレンズ21に影響する事態が抑制される。また、光源5からの熱の影響でレンズ21が膨張しても、その膨張が隣接するレンズ21に影響する事態が抑制される。
【0044】
レンズユニット11が複数のレンズ21を一体に有するので、複数のレンズ21をまとめて着脱でき、組立性の向上等に有利である。
本構成では各レンズユニット11が同一部品であるが、レンズユニット11の枚数や、各レンズユニット11が有するレンズ21の枚数等を適宜に変更してもよい。また、いずれかのレンズユニット11やレンズ21が異なる形状でもよい。
【0045】
図11はレンズユニット11を示す図である。より具体的には、図11(A)は図10のM方向から見た側面図、図11(B)はレンズユニット11の分解斜視図である。
レンズユニット11は、レンズ21と、レンズ21を狭持する一対の支持部材12,13とを備えている。以下の説明において、一対の支持部材12,13を区別して説明する場合、レンズ21が載置される支持部材12を「第1支持部材12」と表記し、他の支持部材13を「第2支持部材13」と表記する。
【0046】
レンズ21は、透明材料で形成され、レンズ本体21Aの周囲に張り出す板状のフランジ部21Fを一体に有している。支持部材12,13は、レンズ21の厚み方向と一致する方向で重ねられ、レンズ21のフランジ部21Fを、レンズ21の厚み方向の両側から狭持する。
【0047】
図11(B)に示すように、第1支持部材12は、光源5の光が通過する独立した開口部12Aを複数有する枠状のフレームに形成される。第1支持部材12は、各開口部12Aの外縁に沿って延在する凹み形状の載置部12Bを有し、各載置部12Bに、レンズ21のフランジ部21Fが載置される。
第2支持部材13は、光源5の光が通過する独立した開口部13Aを複数有する枠状のフレームに形成され、レンズ21のフランジ部21Fを、第1支持部材12の反対側から押さえる押さえ部13Bを有している。これら載置部12B及び押さえ部13Bによって、レンズ21が、このレンズ21の厚み方向の両側から狭持される。これら載置部12B及び押さえ部13Bは、「レンズ21の一部を、レンズ21の厚み方向の両側から挟む位置決め部」として機能する。
【0048】
図11に示すように、レンズユニット11には、レンズ21の後方に位置し、レンズ21からの光の一部を反射する反射部31が設けられる。
反射部31は、各レンズ21の後方にて照明器具1の下方(図11では紙面上方向に相当)に向けて突出する形状であり、アルミダイカスト成形(ADC12)によって第1支持部材12に一体に設けられている。反射部31はレンズ21毎に設けられ、各レンズ21から器具後方に出射された光を、器具後方以外の方向(前方向等)に反射する。
各反射部31によって器具後方への漏れ光を低減できると共に、器具前方及び器具下方への照射光を増大させ、光の利用効率を向上させる場合に有利である。
反射部31を含む第1支持部材12の材質はアルミニウム合金でなくてもよく、耐熱性があり、反射が機能すれば任意の材質を適用可能である。例えば、第1支持部材12を他の金属材料で製作してもよいし、樹脂材料を用いて製作してもよい。例えば、第1支持部材12を、樹脂成形品に対し、アルミ蒸着等によって反射面を設けた構成にしてもよい。但し、熱による変形や劣化等が予め定めた許容範囲となるように考慮する必要がある。
【0049】
さらに、レンズユニット11には、レンズ21の後方向に位置し、反射部31で反射されなかった光を遮光する遮光部33が設けられる。遮光部33は、反射部31の後方に位置し、反射部31よりも照明器具1の下方向に突出し、かつ、延出端(遮光部31の下部に相当)がレンズ21側に向けて突出する断面L字形状に形成される。
この遮光部33には、レンズ21から器具後方に出射される光のうち、反射部31に入射しない光の少なくとも一部が入射し、入射した光を遮光する。これによって、器具後方への漏れ光がより低減される。
【0050】
本構成では、遮光部33が、レンズユニット11の各レンズ21のうち、器具後方側に位置するレンズ21毎に設けられ、アルミダイカスト成形(ADC12)によって第2支持部材13と一体に設けられている。
なお、反射部31の光入射面(反射面に相当)は鏡面でもよいし、拡散反射面でもよい。また、遮光部33の光入射面は、低反射率の面に限定されず、器具後方への漏れ光を低減する面であればよく、鏡面でもよいし、拡散反射面でもよい。反射部31及び遮光部33の位置、形状及び数については適宜に変更してもよい。
遮光部33を含む第2支持部材13の材質はアルミニウム合金でなくてもよく、耐熱性があり、遮光が機能すれば任意の材質を適用可能である。例えば、第2支持部材13を他の金属材料や樹脂材料を用いて製作してもよい。但し、熱による変形や劣化等が予め定めた許容範囲となるように考慮する必要がある。
【0051】
図12はレンズ21を示す図である。より具体的には、図12(A)はレンズ21の平面図、図12(B)は、図12(A)のA-A断面である。
レンズ21は、光源5からの光を競技エリア100の照明に適した光に配光制御する光学部材であり、各レンズ21は同一形状である。各レンズ21は、例えば樹脂材を用いた樹脂成形によってフランジ部21Fと一体に成形され、図12(A)に示すように、平面視で矩形形状に形成される。
【0052】
図12(A)及び図10に示すように、レンズ21の中心21C(光軸に相当)は、光源5の中心軸5Cと一致する。レンズ21が矩形の場合、ある辺E1と、辺E1に直交する辺E2のそれぞれに対し、長さが1/2となる位置で、各辺E1,E2と直交するように直線を引き、それぞれの線が交わる位置がレンズ21の中心21Cである。仮にレンズ21が円形の場合、円形の中心がレンズ21の中心21Cとなる。また、レンズ21が楕円形の場合,2つの焦点の中点がレンズ21の中心21Cとなる。
【0053】
図12(A)に示すように、レンズ21は、光源5に対し、器具前方及び下方に位置する第1レンズ部22と、光源5に対し、器具後方及び下方に位置する第2レンズ部23とを一体に備えている。
第1レンズ部22は、器具前方及び下方への配光を制御するレンズであり、図12(B)に示すように、内面に設けられた凸状の内レンズ面22Aと、外面に設けられた凸状の外レンズ面22Bとを備えた両凸レンズに形成されている。
【0054】
図12(B)は、照明器具1の左右方向に沿ったレンズ断面である。レンズ21は、光源5を基準にして、レンズ21の中心21Cを通る軸(中心軸)から角度が付く(傾く)につれ、レンズ21の肉厚が増加してレンズ21内を通る光路が長くなる。さらに、レンズ21は、レンズ21の中心21から所定角度θHの位置にある変曲点PH手前で急激に肉厚が増加し、変曲点PHを過ぎてからは単調に肉厚が増加してレンズ21内を通る光路が単調に長くなる。このため、入射面を構成する内レンズ面22Aは、光軸方向と直交する面に対して、レンズ21の中心21Cから離れるに従い光源5に近づき、変曲点PHを過ぎてからは光源5から離れる。出射面を構成する外レンズ面22Bは、レンズ21の中心21Cが最も突出する突出面となっている。
【0055】
変曲点PHを含む肉厚が増加した領域によって、光源5からの光の配光範囲を調整できると共に、光度値を調整できる。本構成では、上記領域の変曲点PHやその周囲の形状調整によって、器具角度θKが所定範囲(本構成では0°以上、20°以下の範囲)において、水平角φが35°、鉛直角θが55°から水平角φが80°、鉛直角θが30°の方向に向かって僅かずつ光度値が下がる配光(図5に示す領域R1,R2,R3を通るA-B線上に沿って進んだ場合になめらかに光度値が下がる配光)とされる。この配光によって、水平面の照度均斉度を向上させ易くなる。
【0056】
図13(A)(B)(C)は、図12(A)のB-B断面を第1レンズ部22の光学挙動と共に示す図である。また、図13(D)は、図12(A)のC-C断面を第1レンズ部22の光学挙動と共に示す図である。
図13(A)(B)(C)に示すB-B断面、及び図13(D)に示すC-C断面は、照明器具1の前後方向に沿ったレンズ断面である。図13(A)に示すように、入射面を構成する内レンズ面22Aは、軸光度方向に相当する角度θJ(本構成では45°)から離れるに従い曲率が大きくなる。また、出射面を構成する外レンズ面22Bは、軸光度方向に相当する角度θJよりも光源5の中心軸5Cに近い位置(角度θKの位置)に、極大値を持つ。この形状は、図13(D)に示すC-C断面も同様である。これにより、図13(B)(C)(D)で示す屈折特性が得られる。
【0057】
この屈折特性によって、器具角度θKが所定範囲(本構成では0°以上、20°以下の範囲)において、図8に示す領域RGの光度値を制限し易くなる。
領域RGは、照明器具1(1A,1G,1B,1H)から競技者PL1,PL2に向かう光を含む領域であるので、領域RGの光度値を制限することによって、競技者PL1,PL2へのグレアを抑制することができる。
【0058】
図14(A)(B)は、図12(A)のB-B断面を第2レンズ部23の光学挙動と共に示した図である。
図14(A)(B)は、照明器具1の前後方向に沿ったレンズ断面である。図14(A)に示すように、第2レンズ部23は、器具後方及び下方への配光を制御するレンズであり、器具下方へ向けて突出する複数の突出部23Tを有している。
複数の突出部23Tは、第2レンズ部22の出射面において、器具後方における配光対象の範囲(図14中、角度θr1~θr2で示す範囲)に設けられる。
【0059】
図14(B)に示すように、各突出部23Tは、光源5からの光の少なくとも一部が全反射しない角度で入射し、その光を照明エリア(競技エリア100)側へ屈折させる傾斜面からなる屈折面を有している。
これら複数の突出部23Tによって、器具後方への漏れ光、つまり、照射方向と逆方向への漏れ光を効果的に抑制できると共に、競技エリア100の平均照度の向上に有利となる。
【0060】
以上説明したように、本実施形態では、照明器具1を、水平角φが0°~20°かつ鉛直角θが55°~65°内に最大の光度値を有し、水平角φが35°~45°かつ鉛直角θが50°~60°内に最大の光度値に対して75%以上、100%未満の光度値を有し、最大の光度値を、1000lm当たり600~900cdとした配光にしている。
この配光により、照明器具1は、照明エリアからなる競技エリア100に対し、平均照度及び照度均斉度を向上させながら、鉛直角70°近傍以上で水平方向に広い範囲(鉛直角67°以上かつ水平角0°~80°の範囲など)の光度を制限でき、この範囲に位置する競技者等の人物へのグレアを抑制できる。
【0061】
また、照明器具1を、水平角φが0°~20°かつ鉛直角θが55°~65°内から、水平角φが35°~45°かつ鉛直角θが50°~60°内に向かって光度値が徐々に下がる配光としたので、競技エリア100の平均照度及び照度均斉度を向上させ易くなる。
また、照明器具1を、水平角φが35°~45°かつ鉛直角θが50°~60°内から、水平角φが55°~65°かつ鉛直角θが20°~35°内に向かって光度値が徐々に下がる配光としたので、競技エリア100の平均照度及び照度均斉度を向上させながら、照明器具1直下や照明器具1後方といった他の空間を、必要最小限の明るさに抑え易くなる。
【0062】
また、照明器具1を、最大の光度値と同鉛直角かつ水平角φが0°~40°内に、最大光度値の90%以上、100%未満の光度値を有する配光としたので、競技エリア100の平均照度及び照度均斉度を向上させ易くなる。
また、照明器具1を、鉛直角θが25°~55°において、同じ鉛直角の水平角φが40°~70°内に、同じ鉛直角の水平角φが0°側の光度値よりも高い光度値を有する配光としたので、競技エリア100の平均照度及び照度均斉度を向上させ易くなる。
【0063】
また、照明器具1を、鉛直角θが100°以上において、1000lm当たり10cd未満の光度値を有する以上の光度値が出ない配光(つまり、1000lm当たり10cd未満の光度値を有する)としたので、上方への光を抑制でき、周囲への光害対策に有利である。
また、照明器具1を、水平角φが0°~80°かつ鉛直角θが67°~78°の範囲内において1000lm当たり500cd未満の光度値となる配光としたので、その範囲に位置する競技者PL1,PL2等の人物へのグレアを抑制できる。
【0064】
また、照明器具1は、図11(A)に示したように、光源5と、光源5から出射された光を屈折又は反射するレンズ21と、レンズ21からの光の一部を反射する反射部31とを備え、レンズ21のうち、競技エリア100と異なる側である器具後方側の領域に、光源5からの光の少なくとも一部が全反射しない角度で入射し、前記照明エリア側へ屈折させる屈折面を有する突出部23Tが設けられ、反射部31は、屈折面から器具後方に出射される光を、器具後方以外の方向に反射する構成である。この構成により、器具後方への漏れ光を抑制できると共に、競技エリア100の平均照度及び照度均斉度を向上させ易くなる。
【0065】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様の例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に変形、及び応用が可能である。
また、本発明を、テニスコート照明用の照明器具1に適用する場合を説明したが、これに限定されず、様々な照明エリアを照明する照明器具に適用してもよい。
【符号の説明】
【0066】
1,1A~1H 照明器具
2 光源ユニット
3 筐体
5 光源
11 レンズユニット
12,13 支持部材
21 レンズ
23T 突出部
31 反射部
33 遮光部
100 競技エリア(照明エリア)
PL,PL1,PL2 競技者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14