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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176142
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】手押部材および保護部材
(51)【国際特許分類】
   B62B 5/06 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
B62B5/06 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088265
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】597144484
【氏名又は名称】ジー・オー・ピー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117857
【弁理士】
【氏名又は名称】南林 薫
(72)【発明者】
【氏名】千田 豊治
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050BB02
3D050DD03
3D050EE09
3D050GG05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】保護部材が装着された手押部材を提供する。
【解決手段】本発明は、運搬台車1の台車本体部20に設けられた挿入孔23に上方から挿入することで装着され、上方に引き抜くことで挿入孔23から離脱される、運搬台車1を走行させるときに手で掴む手押部材40であって、上下方向に沿った棒状の本体部材41と、本体部材41の上端を覆う保護部材60と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬台車の台車本体部に設けられた挿入孔に上方から挿入することで装着され、上方に引き抜くことで挿入孔から離脱される、前記運搬台車を走行させるときに手で掴む手押部材であって、
上下方向に沿った棒状の本体部材と、
前記本体部材の上端を覆う保護部材と、を有することを特徴とする手押部材。
【請求項2】
前記本体部材は、長手方向に沿って開口する開口部を有し、
前記保護部材は、前記開口部に挿入する挿入部を有することを特徴とする請求項1に記載の手押部材。
【請求項3】
前記挿入部は、外周面に該外周面よりも外側に突出させて前記開口部の内周面と接する凸部を有することを特徴とする請求項2に記載の手押部材。
【請求項4】
前記挿入部は、複数の前記凸部がそれぞれ互いに間隔を空けて配置されていることを特徴とする請求項3に記載の手押部材。
【請求項5】
前記保護部材は、前記本体部材の外周面を外側から覆う筒部を有することを特徴とする請求項1に記載の手押部材。
【請求項6】
前記本体部材は、長手方向に沿って開口する開口部を有し、
前記保護部材は、前記開口部に挿入する挿入部を有し、
前記挿入部の外周面が前記開口部の内周面と対向し、前記筒部の内周面が前記本体部材の外周面と対向することを特徴とする請求項5に記載の手押部材。
【請求項7】
前記挿入部の下端は、前記筒部の下端よりも低いことを特徴とする請求項6に記載の手押部材。
【請求項8】
運搬台車の台車本体部に設けられた挿入孔に上方から挿入することで装着され、上方に引き抜くことで挿入孔から離脱される、前記運搬台車を走行させるときに手で掴む手押部材に用いられる保護部材であって、
前記手押部材を構成する上下方向に沿った棒状の本体部材に取り付けることにより前記本体部材の上端を覆うことを特徴とする保護部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手押部材および保護部材に関する。
【背景技術】
【0002】
建設現場等の作業現場で使用される運搬台車には、運搬台車の本体の4隅部等に単管を挿入可能な構成を有するものがある。例えば、特許文献1には、手押し棒として単管を挿入可能なコーナ部材が4隅部に設けられた運搬台車が開示されている。このような構成であれば、運搬台車の使用者は、運搬台車の移動の際に、運搬台車の本体に差し込んだ単管を手押し棒として用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-159054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
手押部材は、運搬台車の台車本体部に対して着脱可能であるために、台車本体部から取り外して保管するとき等に床等と接触すると破損してしまう虞がある。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、手押部材を保護することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、運搬台車の台車本体部に設けられた挿入孔に上方から挿入することで装着され、上方に引き抜くことで挿入孔から離脱される、前記運搬台車を走行させるときに手で掴む手押部材であって、上下方向に沿った棒状の本体部材と、前記本体部材の上端を覆う保護部材と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、手押部材を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】運搬台車および手押部材の構成の一例を示す図である。
図2】第1の実施形態の手押部材の一部を分解した一例を示す斜視図である。
図3】第1の実施形態の手押部材の構成の一例を示す図である。
図4】補強部材の構成の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態の保護部材の構成の一例を示す図である。
図6】変形例1-1の保護部材の構成の一例を示す図である。
図7】変形例1-2の保護部材の構成の一例を示す図である。
図8】変形例1-3の保護部材の構成の一例を示す図である。
図9】変形例1-4の保護部材の構成の一例を示す図である。
図10】変形例1-5の保護部材の構成の一例を示す図である。
図11】第2の実施形態の保護部材の構成の一例を示す図である。
図12】変形例2-1の保護部材の構成の一例を示す図である。
図13】変形例2-2の保護部材の構成の一例を示す図である。
図14】変形例2-3の保護部材の構成の一例を示す図である。
図15】第3の実施形態の手押部材の一部を分解した一例を示す斜視図である。
図16】第3の実施形態の保護部材の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明に係る手押部材および保護部材について図面を参照して説明する。なお、説明の便宜上、以下の実施形態で示す手押部材の上下方向は、手押部材が台車本体部に装着された状態での方向を基準とする。また、運搬台車の前後方向を運搬台車の長手方向とし、左右方向を運搬台車の短手方向とする。ただし、本実施形態の運搬台車は、前後左右を含め任意の方向に走行することができる。
【0009】
<第1の実施形態>
図1は、運搬台車1および手押部材40の構成の一例を示す図である。
運搬台車1は、台車本体部20、走行部30、手押部材40を備えている。
台車本体部20は複数のフレーム部等が連結して構成され、運搬物を積載する。台車本体部20は、平面視において前後方向を長手方向とし、左右方向を短手方向とする矩形状である。台車本体部20は、前側フレーム部21a、後側フレーム部21b、右側フレーム部21c、左側フレーム部21d、コーナ部材22、補強フレーム部(補強部)25、載置板26等を有している。
【0010】
前側フレーム部21a、後側フレーム部21b、右側フレーム部21c、左側フレーム部21dは、例えばアルミニウム合金製の角状の中空状パイプ等を用いることができる。また、コーナ部材22は、例えば押出し成形により形成されるアルミニウム合金製である。コーナ部材22は、上方に開口する挿入孔23と、挿入孔23に挿入される手押部材40の下端部を支持する支持部24(図3を参照)とを有する。
【0011】
前側フレーム部21a、後側フレーム部21b、右側フレーム部21c、および、左側フレーム部21dは、コーナ部材22により4つの角部で結合されることで、矩形状の四方のフレーム枠を構成する。フレーム枠内は複数の補強フレーム部25が前後左右方向に突き合わされ、ボルト、リベット、溶接等で接合されることで格子状に構成される。補強フレーム部25は、例えばアルミニウム合金製の角状の中空状パイプや断面凹凸状のプレート等を用いることができる。
載置板26は、運搬物を積載するための平面状の板である。載置板26は、各フレーム部や各補強フレーム部25にボルトやリベット等を介して結合される。
【0012】
走行部30は、台車本体部20および運搬物の荷重を支持しながら走行面を走行する。走行部30は、複数のキャスター31を有している。本実施形態では、走行部30は、台車本体部20の4隅に配置される4つのキャスター31と、前後方向の中央であって左右に離れて配置される2つのキャスター31との6つのキャスターを有する。キャスター31はそれぞれ取付板を介して台車本体部20に取り付けられる。
【0013】
手押部材40は、運搬台車1を走行させるときに使用者が手を掴むための部材である。使用者は手押部材40を手で掴み押したり引いたりすることで運搬台車1を走行させる。手押部材40は、長さが1000mm前後の長尺状である。手押部材40は、台車本体部20に対して着脱可能である。具体的に、手押部材40は下端部をコーナ部材22の挿入孔23に上方から挿入することで台車本体部20に装着され、装着された状態から上方に引き抜くことで挿入孔23から離脱される。また、運搬台車1は4つの手押部材40を有し、各コーナ部材22の挿入孔23に挿入される。4つの手押部材40は、何れも同一の構成である。だだし、4つの手押部材40を装着する場合に限られず、1つ、2つまたは3つの手押部材40を装着してもよい。なお、手押部材40が台車本体部20に対して着脱する構成は限定されない。
【0014】
図2は、手押部材40の一部を分解した一例を示す斜視図である。図3(a)は手押部材40の側面図であり、図3(b)は手押部材40の平面図である。
手押部材40は、本体部としての本体部材41と、ガード部材43と、補強部材50と、保護部材60とを有する。
本体部材41は、上下方向に沿った直線状の部材である。具体的に、本体部材41は、棒状、または、長尺状かつ中空パイプ状の部材である。本体部材41は、中空であるために長手方向に沿って開口する開口部42を有する。本体部材41は、例えばアルミニウム合金製であって、押し出し成形により形成される。本体部材41は、例えばシルバー等の金属色であり、アルマイト処理やめっき処理等により着色される。また、本体部材41は、使用者が掴みやすいように、外径が例えば42~45mm(ここでは44mm)であり、いわゆる単管(単管パイプ)よりも小径の円管である。なお、単管とはJIS G 3444に規定されている一般構造用炭素鋼鋼管をいい、外径が48.6mmの円管である。
ただし、本体部材41は、上述した寸法に限定されるものではなく、各種の棒状や管状の部材、上述した単管等が適用できる。
【0015】
ガード部材43は、使用者が手押部材40を掴んだときに使用者の手が周囲の物体に接触しないように保護する。また、ガード部材43は、運搬物を積載するときの最大積載高さを示す指標となる。ガード部材43は、本体部材41の上側であって、上端から所定の距離離れた位置にボルトやリベット等で固定される。ガード部材43は、本体部材41の上端から100~200mm離れた位置に固定されるのが好ましく、更には120~180mm離れた位置に固定されるのが好ましい。手押部材40のうちガード部材43よりも上側は使用者が手を掴むグリップ部として機能する。
【0016】
図3(a)に示すように、ガード部材43は、ガード部44と、取付部45とを有しており、これらが一体で形成されている。また、ガード部材43は、内部に本体部材41を挿入するために上下に開口する取付穴を有する。ガード部材43は、例えばナイロン等の樹脂材料からなり、射出成形によって一体に形成される。ガード部材43は、例えば本体部材41と異なる色であり、樹脂材料に着色剤を混合させることで着色される。なお、ガード部材43は、本体部材41と同じ色であってもよい。
【0017】
ガード部44は、本体部材41の外周面よりも外側に突出する円板状であり、本体部材41よりも大きい外径を有する。ガード部44の外径は、平面視において、本体部材41を掴んでいる使用者の手がガード部44に重畳してはみ出さない(平面視において外形線の内側に収まる)寸法に設定される。具体的には、ガード部44の外径は、100~140mmの範囲が好ましく、更には110~130mmの範囲が好ましい。ただし、具体的な寸法は特に限定されるものではない。
【0018】
取付部45は、ガード部44の下端から下側に延出する円筒状であり、本体部材41よりも大きく、ガード部44よりも小さい外径を有する。
ガード部材43を本体部材41に取り付ける場合には、本体部材41をガード部材43の取付穴に挿入して、本体部材41の上端から所定の位置で取付部45をボルトやリベット等で本体部材41に固定する。ただし、手押部材40は、ガード部材43を有していなくてもよい。
【0019】
補強部材50は、本体部材41の下端、具体的には下端の近接した位置にボルトやリベット等で固定される。補強部材50は、本体部材41の強度を補強すると共に、本体部材41をコーナ部材22の挿入孔23に挿入したときに挿入孔23との間でガタ付きを抑制する。補強部材50は、例えばアルミニウム合金製であって、押し出し成形により形成される。補強部材50は、例えばシルバー等の金属色であり、アルマイト処理やめっき処理等により着色される。ただし、手押部材40は、補強部材50を有していなくてもよい。
【0020】
図4(a)は図3(a)に示すA-A線断面図であり、図4(b)はコーナ部材22の挿入孔23を示す図である。
図4(a)に示すように、補強部材50は、円筒状であって、本体部材41の外径よりも大きい外径を有する。補強部材50は、外周面のうち一部が径方向に向かって膨らむ複数(ここでは2つ)の膨出部51を有する。補強部材50の長さ(上下方向寸法)は、コーナ部材22の挿入孔23の深さと略同程度の長さに設定される。また、補強部材50は、内部に本体部材41を挿入するために上下に開口する取付穴53を有する。
補強部材50を本体部材41に取り付ける場合には、本体部材41を補強部材50の取付穴53に挿入して、本体部材41の下端から所定の位置で補強部材50をボルトやリベット等で本体部材41に固定する。
【0021】
一方、図4(b)に示すように、補強部材50が挿入される挿入孔23は、補強部材50の膨出部51の挿入を許容する凹部としての空間54を有する。したがって、膨出部51を空間54に合わせて、本体部材41に固定された補強部材50を挿入孔23に挿入することで、手押部材40が所定の位置に位置決めされる。
なお、手押部材40が補強部材50を有していない場合には、位置決めができないものの本体部材41の下端を直接、挿入孔23に挿入する。
【0022】
保護部材60は、本体部材41の上端を保護する部材である。保護部材60は、本体部材41の上端を覆う。保護部材60は、例えばナイロン等の樹脂材料からなり、射出成形によって一体で形成される。保護部材60は、例えば本体部材41と異なる色であり、樹脂材料に着色剤を混合させることで着色される。ここで、保護部材60には、赤、緑、黄の3原色のうち何れか一色を付したり、青、白、オレンジ、グレー、ピンク、黒のうち何れか一色を付したりする。
【0023】
図5は、第1の実施形態の保護部材60の構成の一例を示す図である。
図5(a)は保護部材60の平面図、側面図、底面図であり、図5(b)はI-I線断面図である。なお、図5(b)には本体部材41を二点鎖線で示している。
保護部材60は、端部61と、筒部63と、挿入部66とを有する。
【0024】
端部61は、略板状であって、保護部材60の上端に位置する。保護部材60が本体部材41に取り付けられた状態では、端部61は本体部材41の上端を上方から覆うことにより本体部材41の端部を保護する。端部61は、平面視において、略円形である。端部61は、上面が略平坦な面であり、外周縁に湾曲状の面取り部62を有する。ただし、端部61の具体的な寸法および形状は特に限定されるものではない。
【0025】
筒部63は、端部61に一体で形成される。筒部63は、略円筒状である。保護部材60が本体部材41に取り付けられた状態では、筒部63は、本体部材41の外周面を外側から覆う。筒部63の内周面64と、後述する挿入部66の外周面68との間は、底面視において環状の溝部65が形成される。溝部65は、保護部材60が本体部材41に取り付けるときの取付穴として機能する。保護部材60が本体部材41に取り付けられた状態では、筒部63の内周面64は、本体部材41の外周面と対向する。筒部63は、平面視または底面視において、外形が略円形である。筒部63の外径は、本体部材41の外径よりも大きく、ガード部44の外径よりも小さい範囲が好ましい。また、端部61と筒部63とを合わせた長さ(上下方向寸法)は、10mm~40mmの範囲が好ましい。10mm以上にすることで保護部材60が本体部材41から意図せずに取り外れることを抑制することができ、40mm以下にすることで保護部材60の過度の大型化を抑制できる。ただし、筒部63の具体的な寸法および形状は特に限定されるものではない。
【0026】
挿入部66は、端部61に一体で形成される。挿入部66は、略円柱状である。具体的には、挿入部66は、上部が端部61により閉塞され、下方が開口する略円筒状である。すなわち、挿入部66の下部には下方に開口する凹部67が形成される。保護部材60が本体部材41に取り付けられた状態では、挿入部66は、本体部材41の開口部42に挿入される。すなわち、保護部材60が本体部材41に取り付けられた状態では、挿入部66の外周面68は、本体部材41の開口部42の内周面と対向する。なお、挿入部66の下端側の外周面68は、下方に向かうにしたがって中心線Cに近くなるテーパ部69が形成されており、挿入部66を本体部材41の開口部42に容易に挿入することができる。挿入部66は、底面視において、外径が略円形である。また、挿入部66の外径は、本体部材41の開口部42の内径と略同一である。ただし、挿入部66の具体的な寸法および形状は特に限定されるものではない。
【0027】
なお、端部61の上面から溝部65の上端までの上下方向の厚みTaと、端部61の上面から挿入部66の凹部67の上端までの上下方向の厚みTbとは略同一である(図5(b)を参照)。ただし、本体部材41の上端に対して付加される衝撃を端部61の外周縁側で保護させるために、厚みTa>厚みTbであってもよい。
また、筒部63の水平方向の厚みTc(筒部63の外周面と、筒部63の内周面64との間の寸法)と挿入部66の水平方向の厚みTd(挿入部66の外周面68と、凹部67の内周面との間の寸法)は略同一である(図5(a)を参照)。ただし、本体部材41の上端に対して付加される衝撃を筒部63側で保護させるために、厚みTc>厚みTdであってもよい。
また、手押部材40の上下方向において、筒部63の下端の位置と挿入部66の下端の位置とは略一致する。ただし、本体部材41の外周面の保護をより図るために、筒部63の下端の位置が挿入部66の下端の位置よりも低くてもよい。
【0028】
保護部材60を本体部材41に取り付ける場合には、保護部材60の筒部63内(溝部65)に本体部材41の上端を挿入すると共に、本体部材41の開口部42内に保護部材60の挿入部66を挿入することにより取り付ける。保護部材60が本体部材41に取り付けられた状態では、本体部材41の上端が保護部材60の端部61によって覆われることにより、手押部材40を保護することができる。
なお、保護部材60が本体部材41に取り付けられた状態では、挿入部66の外周面68と本体部材41の開口部42の内周面とが接しているとともに、本体部材41の外周面と筒部63の内周面64とが接している。したがって、保護部材60と本体部材41との間で接する部分を、より確保することができることから、保護部材60が本体部材41から意図せずに取り外れることを抑制することができる。
【0029】
ここで、保護部材60が本体部材41に取り付けられた状態について図3を参照して説明する。図3(a)に示すように、保護部材60が本体部材41に取り付けられた状態では、保護部材60が手押部材40の上端に位置する。保護部材60はガード部44から離れて位置していることから、ガード部材43と保護部材60との間をグリップ部にすることができる。このようにグリップ部を確保することにより、使用者がグリップ部を掴むことができ、保護部材60を掴むことを抑制することができる。
【0030】
また、図3(b)に示すように、保護部材60の外径をD1とし、ガード部44の外径をD2とするとD1<D2の関係である。すなわち、平面視において、保護部材60は、ガード部44の外周面よりも内側に位置する。したがって、仮に、使用者が手で保護部材60を掴んで運搬台車1を移動させる場合であっても、ガード部44が手よりも先に壁等の物体に接触するため、保護部材60を掴んでいる使用者の手が物体に接触することが防止または抑制される。なお、図3(b)では、手押部材40を挿入孔23に挿入した状態を示しており、ガード部44の一部が台車本体部20(二点鎖線を参照)と重畳している。
【0031】
(変形例1-1)
図6は、第1の実施形態の変形例1-1である保護部材70の構成の一例を示す図である。なお、本変形例では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成は同一符号を付して適宜、説明を省略する。
図6(a)は保護部材70の平面図、側面図、底面図であり、図6(b)はII-II線断面図である。なお、図6(b)には本体部材41を二点鎖線で示している。
【0032】
保護部材70は、端部71と、筒部73と、挿入部66とを有する。本変形例の保護部材70は、端部71および筒部73の形状が第1の実施形態と異なっている。
【0033】
端部71は、平面視において、略多角形、具体的には略正八角形である。ただし、端部71は、略五角形、略六角形、略七角形等の多角形であってもよく、頂点に面取りが施されていてもよい。
筒部73は、平面視または底面視において、外形が略多角形、具体的には略正八角形である。ただし、筒部73は、略五角形、略六角形、略七角形等の多角形であってもよく、頂点に面取りが施されていてもよい。
【0034】
なお、筒部73の水平方向の厚みTc(筒部73の外周面と、筒部73の内周面64との間の寸法)は、一定ではなく、筒部73の外周面の位置によって異なる。ここでは、筒部73の水平方向の厚みTcのうち最も小さい厚みと、挿入部66の水平方向の厚みTd(挿入部66の外周面68と、凹部67の内周面との間の寸法)は略同一である(図6(a)を参照)。
また、保護部材70の外径(八角形の各頂点を通る円の直径)をD1とし、ガード部44の外径をD2とするとD1<D2の関係である。
【0035】
(変形例1-2)
図7は、第1の実施形態の変形例1-2である保護部材80の構成の一例を示す図である。なお、本変形例では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成は同一符号を付して適宜、説明を省略する。
図7(a)は保護部材80の平面図、側面図、底面図であり、図7(b)はIII-III線断面図である。なお、図7(b)には本体部材41を二点鎖線で示している。
【0036】
保護部材80は、端部81と、筒部83と、挿入部66とを有する。本変形例の保護部材80は、端部81および筒部83の形状が第1の実施形態と異なっている。
【0037】
端部81は、平面視において、略四角形、具体的には頂点に面取りが施された略正方形である。ただし、端部81は、他の四角形であってもよい。
筒部83は、平面視または底面視において、外形が略四角形、具体的には頂点に面取りが施された略正方形である。ただし、筒部83は、他の四角形であってもよい。
【0038】
なお、筒部83の水平方向の厚みTc(筒部83の外周面と、筒部83の内周面64との間の寸法)は、一定ではなく、筒部83の外周面の位置によって異なる。ここでは、筒部83の水平方向の厚みTcのうち最も小さい厚みと、挿入部66の水平方向の厚みTd(挿入部66の外周面68と、凹部67の内周面との間の寸法)は略同一である(図7(a)を参照)。
また、保護部材80の外径(四角形の各頂点を通る円の直径)をD1とし、ガード部44の外径をD2とするとD1<D2の関係である。
【0039】
(変形例1-3)
図8は、第1の実施形態の変形例1-3である保護部材90の構成の一例を示す図である。なお、本変形例では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成は同一符号を付して適宜、説明を省略する。
図8(a)は保護部材90の平面図、側面図、底面図であり、図8(b)はIV-IV線断面図である。なお、図8(b)には本体部材41を二点鎖線で示している。
【0040】
保護部材90は、端部91と、筒部93と、挿入部66とを有する。本変形例の保護部材90は、端部91および筒部93の形状が第1の実施形態と異なっている。
【0041】
端部91は、平面視において、略三角形、具体的には頂点に面取りが施された略正三角形である。ただし、端部91は、他の三角形であってもよい。
筒部93は、平面視または底面視において、外形が略三角形、具体的には頂点に面取りが施された略正三角形である。ただし、筒部93は、他の三角形であってもよい。
【0042】
なお、筒部93の水平方向の厚みTc(筒部93の外周面と、筒部93の内周面64との間の寸法)は、一定ではなく、筒部93の外周面の位置によって異なる。ここでは、筒部93の水平方向の厚みTcのうち最も小さい厚みと、挿入部66の水平方向の厚みTd(挿入部66の外周面68と、凹部67の内周面との間の寸法)は略同一である(図8(a)を参照)。
また、保護部材90の外径(三角形の各頂点を通る円の直径)をD1とし、ガード部44の外径をD2とするとD1<D2の関係である。
【0043】
(変形例1-4)
図9は、第1の実施形態の変形例1-4である保護部材100の構成の一例を示す図である。なお、本変形例では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成は同一符号を付して適宜、説明を省略する。
図9(a)は保護部材100の平面図、側面図、底面図であり、図9(b)はV-V線断面図である。なお、図9(b)には本体部材41を二点鎖線で示している。
【0044】
保護部材100は、端部61と、筒部103と、挿入部106とを有する。本変形例の保護部材100は、筒部103および挿入部106の形状が第1の実施形態と異なっている。
【0045】
筒部103は、外周面の下端に下方に向かうにしたがって中心線Cに近くなるテーパ部104が形成されている。このように、テーパ部104を形成することにより、筒部103の下端が他の物品に引っ掛かることを抑制でき、保護部材100が本体部材41から意図せずに取り外れることを抑制することができる。ただし、筒部103は、内周面64の下端に下方に向かうにしたがって中心線Cから離れるテーパ部が形成されていてもよい。また、筒部103は、外周面の下端に下方に向かうにしたがって中心線Cに近くなるテーパ部と、内周面64の下端に下方に向かうにしたがって中心線Cから離れるテーパ部との両方が形成されていてもよい。ただし、筒部103の具体的な寸法および形状は特に限定されるものではない。
【0046】
挿入部106は、外周面68に外周面68よりも外側に突出する複数(ここでは4つ)の凸部108を有する。凸部108は、底面視において外側に向かうにしたがって先細りになる形状である。複数の凸部108はそれぞれ互いに間隔を空けて配置される。保護部材100が本体部材41に取り付けられた状態では凸部108は開口部42の内周面と接する。なお、挿入部106を本体部材41の開口部42に挿入するときに、凸部108を変形させながら挿入する構成にすることで、本体部材41の開口部42の内周面と凸部108とを圧接させることができ、保護部材100が本体部材41から意図せずに取り外れることをより抑制することができる。
【0047】
また、挿入部106は、下端の位置が筒部103の下端の位置よりも低い。したがって、挿入部106と本体部材41との間で接する部分を、より確保することができることから、保護部材100が本体部材41から意図せずに取り外れることを抑制することができる。
【0048】
(変形例1-5)
図10は、第1の実施形態の変形例1-5である保護部材110の構成の一例を示す図である。なお、本変形例では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成は同一符号を付して適宜、説明を省略する。
図10(a)は保護部材110の平面図、側面図、底面図であり、図10(b)はVI-VI線断面図である。なお、図10(b)には本体部材41を二点鎖線で示している。
【0049】
保護部材110は、端部111と、筒部63と、挿入部66とを有する。本変形例の保護部材110は、端部111の形状が第1の実施形態と異なっている。
【0050】
端部111は、中央に上下方向に貫通する貫通孔112が形成される。貫通孔112は、平面視において略円形である。貫通孔112の内径は、挿入部66の凹部67の内径よりも小さい。端部111に貫通孔112を形成することにより、貫通孔112に使用者が例えば身の回りの物等を引っ掛けて保管したり、保護部材110の製造コストを削減したりすることができる。なお、端部111の貫通孔112は、平面視において多角形等の他の形状であってもよい。
【0051】
<第2の実施形態>
図11は、第2の実施形態の保護部材120の構成の一例を示す図である。なお、本実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成は同一符号を付して適宜、説明を省略する。
図11(a)は保護部材120の平面図、側面図、底面図であり、図11(b)はVII-VII線断面図である。なお、図11(b)には本体部材41を二点鎖線で示している。
保護部材120は、端部121と、挿入部66とを有する。本実施形態の保護部材120は、筒部を有しておらず、端部121の形状が第1の実施形態と異なっている。
【0052】
端部121は、略板状であって、保護部材120の上端に位置する。保護部材120が本体部材41に取り付けられた状態では、端部121は本体部材41の上端を上方から覆うことにより本体部材41を保護する。端部121は、平面視において、略円形である。端部121は、上面が略平坦な面であり、外周縁に略半円状の面取り部122を有する。ただし、端部121の具体的な寸法および形状は特に限定されるものではない。
【0053】
また、端部121の外径をD1とし、ガード部44の外径をD2とするとD1<D2の関係である。また、本体部材41の外径(グリップ部の外径)をD3とすると、D1>D3の関係である。
【0054】
保護部材120を本体部材41に取り付ける場合には、本体部材41の開口部42内に保護部材120の挿入部66を挿入することにより取り付ける。保護部材120が本体部材41に取り付けられた状態では、本体部材41の上端が保護部材120の端部121によって覆われることにより、手押部材40を保護することができる。また、保護部材120は、筒部を有していないことにより、保護部材120の製造コストを削減することができる。
【0055】
(変形例2-1)
図12は、第2の実施形態の変形例2-1である保護部材130の構成の一例を示す図である。なお、本変形例では、第2の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成は同一符号を付して適宜、説明を省略する。
図12(a)は保護部材130の平面図、側面図、底面図であり、図12(b)はVIII-VIII線断面図である。なお、図12(b)には本体部材41を二点鎖線で示している。
【0056】
保護部材130は、端部131と、挿入部66とを有する。本変形例の保護部材130は、端部131の形状が第2の実施形態と異なっている。
【0057】
端部131は、平面視において、略多角形、具体的には略正八角形である。ただし、端部131は、略正三角形等の略三角形、略正方形等の略四角形、略正五角形等の略五角形、正六角形等の略六角形、正七角形等の略七角形であってもよく、頂点に面取りが施されていてもよい。
なお、端部131の外径(八角形の各頂点を通る円の直径)をD1とし、ガード部44の外径をD2とするとD1<D2の関係である。
【0058】
(変形例2-2)
図13は、第2の実施形態の変形例2-2である保護部材140の構成の一例を示す図である。なお、本変形例では、第2の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成は同一符号を付して適宜、説明を省略する。
図13(a)は保護部材140の平面図、側面図、底面図であり、図14(b)はIX-IX線断面図である。なお、図13(b)には本体部材41を二点鎖線で示している。
【0059】
保護部材140は、端部141と、挿入部66とを有する。本変形例の保護部材140は、端部141の形状が第2の実施形態と異なっている。
【0060】
端部141は、中央に上下方向に貫通する貫通孔142が形成される。貫通孔142は、平面視において略円形である。貫通孔142の内径は、挿入部66の凹部67の内径よりも小さい。端部141に貫通孔142を形成することにより、貫通孔142に使用者が例えば身の回りの物等を引っ掛けて保管したり、保護部材140の製造コストを削減したりすることができる。なお、端部141の貫通孔142は、平面視において多角形等の他の形状であってもよい。
【0061】
(変形例2-3)
図14は、第2の実施形態の変形例2-3である保護部材150の構成の一例を示す図である。なお、本変形例では、第2の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成は同一符号を付して適宜、説明を省略する。
図14(a)は保護部材150の平面図、側面図、底面図であり、図14(b)はX-X線断面図である。なお、図14(b)には本体部材41を二点鎖線で示している。
【0062】
保護部材150は、端部151と、挿入部66とを有する。本変形例の保護部材150は、端部151の形状が第2の実施形態と異なっている。
【0063】
端部151は、略板状であって、保護部材150の上端に位置する。保護部材150が本体部材41に取り付けられた状態では、端部151は本体部材41の上端を上方から覆うことにより本体部材41を保護する。端部151は、平面視において、略円形である。端部151は、上面が略平坦な面であり、外周縁に略平面状の面取り部152を有する。また、端部151の外径をD1とし、本体部材41の外径(グリップ部の外径)をD3とすると、D1とD3とは略同一の関係である。端部151の外径を本体部材41の外径と略同一にすることにより、保護部材150の製造コストを削減することができる。
【0064】
<第3の実施形態>
図15は、第3の実施形態の手押部材240の構成の一例を示す図である。なお、本実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成は同一符号を付して適宜、説明を省略する。
本体部材241は、上下方向に沿った直線状の部材である。具体的に、本体部材241は、棒状、または、長尺状かつ中空パイプ状の部材である。本体部材241は、中空であるために長手方向に沿って開口する開口部42を有する。本実施形態の本体部材241は、強度を向上させるために内部に平面視において中心から放射状に延出する十字状の補強部242を有する。補強部242は、本体部材241の長手方向に沿って形成される。したがって、本体部材241の開口部42は、補強部242によって複数(ここでは4つ)の空間に区分けして構成されている。ただし、補強部242の形状は限定されない。
【0065】
保護部材160は、本体部材241の上端を保護する部材である。
図16は、第3の実施形態の保護部材160の構成の一例を示す図である。なお、本実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成は同一符号を付して適宜、説明を省略する。
図16(a)は保護部材160の平面図、側面図、底面図であり、図16(b)はXI-XI線断面図である。なお、図16(b)には本体部材241を二点鎖線で示している。
【0066】
保護部材160は、端部61と、筒部63と、挿入部166とを有する。本実施形態の保護部材160は、挿入部166の形状が第1の実施形態と異なっている。
挿入部166は、底面視において、第1の実施形態の挿入部66を本体部材241の補強部242の十字に合わせて分断した(区分けした)形状である。具体的に、挿入部166は、本体部材241の開口部42の複数の空間にそれぞれ挿入される複数(ここでは4つ)の挿入片167a~167dを有する。したがって、本体部材241の開口部42内に保護部材160の挿入部166を挿入するときに、各挿入片167a~167dが補強部242に干渉されることなく、補強部242により区分けされた空間に挿入される。ただし、挿入部166の形状は限定されない。
【0067】
また、挿入部166は、下端の位置が筒部63の下端の位置よりも低い。したがって、挿入部166と本体部材241との間で接する部分を、より確保することができることから、保護部材160が本体部材241から意図せずに取り外れることを抑制することができる。
【0068】
以上、本発明を上述した実施形態および各変形例を用いて説明したが、本発明は上述した実施形態および各変形例にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能であり、各実施形態または各変形例の一部の構成を、他の実施形態または他の変形例に適宜、組み合わせてもよい。
【0069】
上述した各実施形態および各変形例では、保護部材は、使用者が本体部材に対して手動で取り外し可能であってもよく、使用者が手動で取り外しができないように構成してもよい。ここで、使用者が手動で取り外しができないとは、保護部材が、ボルト、リベット、接着等で本体部材41に固定され、使用者がドライバー等の工具を用いなければ取り外しできないことをいう。また、手動で取り外した場合であっても保護部材が破損してしまう場合には、取り外し可能には含まれない。
【0070】
上述した各実施形態および各変形例において、保護部材は挿入部または筒部を有していなくてもよい。
上述した各実施形態および各変形例において、保護部材はボルト、リベット、接着等で本体部材に固定してもよい。
【符号の説明】
【0071】
1:運搬台車 20:台車本体部 23:挿入孔 30:走行部 40、240:手押部材 41、241:本体部材 42:開口部 43:保護部材 60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160:保護部材 61、71、81、91、111、121、131、141、151:端部 63、73、83、93、103:筒部 66、106:挿入部
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