(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023017616
(43)【公開日】2023-02-07
(54)【発明の名称】袋開口装置及び袋開口方法
(51)【国際特許分類】
B65B 43/36 20060101AFI20230131BHJP
B65B 43/54 20060101ALI20230131BHJP
B65B 43/30 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
B65B43/36 A
B65B43/54 D
B65B43/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021121978
(22)【出願日】2021-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】PACRAFT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】中川 晃一
【テーマコード(参考)】
3E030
【Fターム(参考)】
3E030AA04
3E030BA04
3E030BB02
3E030BC02
3E030CA01
3E030CA07
3E030CA09
3E030DA01
3E030DA07
3E030EA01
(57)【要約】
【課題】より確実に袋を開口させるのに有利な袋開口装置及び袋開口方法を提供する。
【解決手段】袋開口装置は、袋支持部22、気体吹付部及び袋口加熱部31を備える。袋支持部22は、袋Bを支持する。気体吹付部は、袋支持部22により支持される袋Bの口部Bmに気体を吹き付けて口部Bmを開く。袋口加熱部31は、口部Bmに気体を吹き付けるのに先立って、口部Bmを加熱する。
【選択図】
図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋を支持する袋支持部と、
前記袋支持部により支持される前記袋の口部に気体を吹き付けて前記口部を開く気体吹付部と、
前記口部に前記気体を吹き付けるのに先立って、前記口部を加熱する袋口加熱部と、を備える袋開口装置。
【請求項2】
前記袋口加熱部は、前記袋に接触することなく、前記口部を加熱する請求項1に記載の袋開口装置。
【請求項3】
前記袋支持部は、第1停止ステーションと、前記気体吹付部が設けられる第2停止ステーションとの間を移動し、
前記袋口加熱部は、前記袋支持部とともに前記第1停止ステーションから前記第2停止ステーションに向かって前記袋が移動している間に、前記口部を加熱する請求項1又は2に記載の袋開口装置。
【請求項4】
前記袋口加熱部は、前記袋に接触して前記口部を加熱する請求項1に記載の袋開口装置。
【請求項5】
前記袋口加熱部は、開閉可能な一対の加熱体を具備し、
前記一対の加熱体は、前記袋が停止している状態で前記口部を挟んで加熱する請求項4に記載の袋開口装置。
【請求項6】
袋を支持する袋支持部と、
前記袋支持部により支持される前記袋の口部に気体を吹き付けて前記口部を開く気体吹付部と、
前記口部に前記気体を吹き付けるのに先立って、前記口部に隙間を形成する隙間形成部と、を備える袋開口装置。
【請求項7】
前記隙間形成部は、前記袋に押し当てられる傾け部を有する請求項6に記載の袋開口装置。
【請求項8】
前記気体吹付部は、前記袋のうち前記袋支持部により支持される部分を介して前記口部とは反対側の部分に前記傾け部が押し当てられている状態で、前記口部に前記気体を吹き付ける請求項7に記載の袋開口装置。
【請求項9】
袋口加熱部によって、袋の口部を加熱する工程と、
気体吹付部によって、前記袋口加熱部により加熱された前記口部に、気体を吹き付けて前記口部を開く工程と、含む袋開口方法。
【請求項10】
隙間形成部によって、袋の口部に隙間を形成する工程と、
前記口部に前記隙間が形成された後に、気体吹付部によって、前記口部に気体を吹き付けて前記口部を開く工程と、含む袋開口方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、袋開口装置及び袋開口方法に関する。
【背景技術】
【0002】
袋の口部に気体を吹き付けることで口部を開く装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
例えば、袋を袋支持部により支持しつつ袋の口部を上方に向け、袋の上方から口部に向けて気体を吹き付けることで、口部を形成するフィルム(表側フィルム及び裏側フィルム)間に気体が進入して口部を大きく開くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
空袋の口部では表側フィルム及び裏側フィルムが相互に密着して、お互いに対して強く貼り付くことがある。
【0006】
例えば、袋を生産する製袋機の能力、袋に使われるフィルムの性質(材質等)、或いは袋の生産環境や袋の保管環境(例えば湿気、温度及び静電気等)によっては、袋の口部でフィルム同士が強固に貼り付くことがある。多数の袋を連続的に生産したり、多数の袋を保管したりする場合には、全ての袋のフィルム同士が強固に貼り付くこともあるが、一部の袋のみにおいて、口部のフィルム同士が強固に貼り付くこともある。
【0007】
袋の口部のフィルム同士が強固に貼り付いている状態で口部に気体を吹き付けても、口部を適切に開けないことがある。そのような場合、袋は、吹き付けられた気体によって、開口することなく折れ曲がり、口部が横を向いて、後段の処理を適切に行うことができなくなる。
【0008】
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、より確実に袋を開口させるのに有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様は、袋を支持する袋支持部と、袋支持部により支持される袋の口部に気体を吹き付けて口部を開く気体吹付部と、口部に気体を吹き付けるのに先立って、口部を加熱する袋口加熱部と、を備える袋開口装置に関する。
【0010】
袋口加熱部は、袋に接触することなく、口部を加熱してもよい。
【0011】
袋支持部は、第1停止ステーションと、気体吹付部が設けられる第2停止ステーションとの間を移動し、袋口加熱部は、袋支持部とともに第1停止ステーションから第2停止ステーションに向かって袋が移動している間に、口部を加熱してもよい。
【0012】
袋口加熱部は、袋に接触して口部を加熱してもよい。
【0013】
袋口加熱部は、開閉可能な一対の加熱体を具備し、一対の加熱体は、袋が停止している状態で口部を挟んで加熱してもよい。
【0014】
本開示の他の態様は、袋を支持する袋支持部と、袋支持部により支持される袋の口部に気体を吹き付けて口部を開く気体吹付部と、口部に気体を吹き付けるのに先立って、口部に隙間を形成する隙間形成部と、を備える袋開口装置に関する。
【0015】
隙間形成部は、袋に押し当てられる傾け部を有してもよい。
【0016】
気体吹付部は、袋のうち袋支持部により支持される部分を介して口部とは反対側の部分に傾け部が押し当てられている状態で、口部に気体を吹き付けてもよい。
【0017】
本開示の他の態様は、袋口加熱部によって、袋の口部を加熱する工程と、気体吹付部によって、袋口加熱部により加熱された口部に、気体を吹き付けて口部を開く工程と、含む袋開口方法に関する。
【0018】
本開示の他の態様は、隙間形成部によって、袋の口部に隙間を形成する工程と、口部に隙間が形成された後に、気体吹付部によって、口部に気体を吹き付けて口部を開く工程と、含む袋開口方法に関する。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、より確実に袋を開口させるのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、包装機の一例の概略を示す斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、第1実施形態に係る袋開口方法の一例を示す図である。
【
図2B】
図2Bは、第1実施形態に係る袋開口方法の一例を示す図である。
【
図2C】
図2Cは、第1実施形態に係る袋開口方法の一例を示す図である。
【
図3A】
図3Aは、第2実施形態に係る袋開口方法の一例を示す図である。
【
図3B】
図3Bは、第2実施形態に係る袋開口方法の一例を示す図である。
【
図3C】
図3Cは、第2実施形態に係る袋開口方法の一例を示す図である。
【
図4A】
図4Aは、第3実施形態に係る袋開口方法の一例を示す図である。
【
図4B】
図4Bは、第3実施形態に係る袋開口方法の一例を示す図である。
【
図4C】
図4Cは、第3実施形態に係る袋開口方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
図1は、包装機10の一例の概略を示す斜視図である。
【0022】
図1に示す包装機10は、間欠回転式のロータリー型の袋詰め包装機である。包装機10は、モータ等の駆動装置(図示省略)により回転可能に支持される回転テーブル21と、回転テーブル21の外周部に等角度間隔に取り付けられる複数の袋支持部22とを備える。
【0023】
回転テーブル21は、駆動装置によって間欠的に回転させられる。
図1において、回転テーブル21は、二点鎖線によって透視状態で示されている。
【0024】
各袋支持部22は、袋Bを支持しつつ、回転テーブル21の間欠回転に応じて円軌道に沿って間欠的に移動し、第1ステーションS1~第8ステーションS8において順次、間欠的に停止する。
【0025】
図1に示す各袋支持部22は、袋Bの両側縁部を把持可能な2つのグリッパー(すなわちグリッパーペア)を有し、2つのグリッパー間の水平方向間隔は可変であるように各グリッパーペアは設けられている。回転テーブル21に取り付けられる袋支持部22の数と、ステーションの数とは等しく、全ての袋支持部22がそれぞれのステーションに同時的に間欠停止する。
【0026】
第1ステーションS1には、第1ステーションS1に間欠的に停止する袋支持部22に袋B(特に空袋)を供給する給袋装置11が設けられている。
【0027】
図1に示す給袋装置11は、起立姿勢の複数の袋Bが水平方向に並べられて載せられるコンベアマガジン11aと、コンベアマガジン11a上の袋Bを一枚ずつ送り出す送出ローラ11bと、送出ローラ11bにより送り出された袋Bを一枚ずつ持ち上げて第1ステーションS1に位置する袋支持部22に渡す取出吸盤11cと、を有する。
【0028】
各袋Bは、長方形の平面形状を有する2つフィルム(表側フィルム及び裏側フィルム)有する。当該2つのフィルムは、3辺の縁部においてお互いに固着されるが、残る1辺の縁部(すなわち口部Bmを形成する縁部)では固着されない。ただし、第1ステーションS1において空状態の各袋Bの2つのフィルムは、口部Bmを形成する縁部においてお互いに密着接触している。
【0029】
各フィルムは、シーラント層と、シーラント層上に設けられる基材層とを有する。各袋Bにおいて、2つのフィルムのシーラント層同士はお互いに対向し、各フィルムの基材層はシーラント層よりも外側に位置し、2つのフィルムの基材層間にシーラント層が位置する。2つのフィルムの3辺の縁部においてシーラント層同士が固着する。シーラント層同士の固着の方法は限定されず、接着剤を使った接着、溶融固着、或いは他の固着方法によって、シーラント層同士を固着できる。
【0030】
第2ステーションS2には印字装置12が設けられる。印字装置12は、袋支持部22により支持される袋Bに対して印字処理を行う。印字処理の具体的な方法は限定されず、インクを使って製造年月日などの各種情報が袋Bの側面に記録されてもよいし、レーザー刻印によって各種情報が袋Bの側面に記録されてもよい。
【0031】
第3ステーションS3には、袋Bの口部Bmを開く気体吹付部13が設けられている。気体吹付部13は、袋支持部22により支持される袋Bの口部Bmに気体(例えば空気や不活性ガス)を吹き付ける。なお第3ステーションS3において、グリッパー同士が水平方向に近づけられて袋Bの表側フィルム及び裏側フィルムが撓むように、グリッパー間の間隔が調整される。
【0032】
第4ステーションS4には、袋Bに内容物(特に液体)を注入する液体注入部14が設けられている。
図1に示す液体注入部14は注入ノズルを有し、注入ノズルから吐出された液体は、袋Bの内側に供給される。
【0033】
注入ノズルは移動可能に設けられてもよい。例えば、注入ノズルは、注入ノズルの全体が袋Bの外側に位置する退避位置と、注入ノズルの先端が袋Bの内側に位置する注入位置とに配置可能であってもよい。或いは、注入ノズルは、基本的に移動することなく固定位置に配置されてもよい。袋Bの外側に位置する注入ノズルから、開かれた状態の口部Bmに向けて液体が吐出されてもよい。
【0034】
図1に示す第5ステーションS5は、空きステーションである。ただし、次ステーション(第6ステーションS6)におけるシール処理のために、2つのグリッパーが水平方向に互いから遠ざけられて口部Bmが緊張し且つ閉じるように、グリッパー間の間隔が調整される。
【0035】
なお、第5ステーションS5は、任意の処理を行うステーションとして設けられてもよい。例えば、袋Bに入れる内容物に固形物が含まれる場合、そのような固形物を袋Bに投入する固形物投入装置(図示省略)が第5ステーションS5に設けられてもよい。
【0036】
第6ステーションS6には、袋Bの口部Bmをシールする第1シール装置16が設けられている。第7ステーションS7には、袋Bの口部Bmをシールする第2シール装置17が設けられている。
図1に示す第1シール装置16及び第2シール装置17の各々は、2つの加熱プレートを有する。2つの加熱プレートが袋Bの口部Bmを挟んで加熱することで、口部Bmのシール処理が行われる。
【0037】
第8ステーションS8には、袋Bの口部Bm(特にシール箇所)を冷却する冷却装置18と、袋支持部22から解放された袋Bを下流に送り出す放出装置19とが設けられている。
【0038】
図1に示す冷却装置18は、2つの冷却プレートを有する。2つの冷却プレートが袋Bの口部Bmを挟んで冷却することで、口部Bmの冷却処理が行われる。
図1に示す放出装置19は、袋の落下をガイドする放出シュートを有する。
【0039】
第8ステーションS8において、冷却処理が行われた後、袋支持部22及び冷却装置18から解放された袋B(製品袋)は、重力の影響下で落下して放出シュートに着地し、放出シュートにより下流に向けてガイドされる。
【0040】
本実施形態では、第2ステーションS2と第3ステーションS3との間に袋口加熱部31が設けられる。袋口加熱部31は、気体吹付部13が袋Bの口部Bmに気体を吹き付けるのに先立って、当該口部Bmを加熱する。すなわち袋口加熱部31は、袋支持部22が第2ステーションS2(第1停止ステーション)と第3ステーションS3(第2停止ステーション)との間を移動する間、袋支持部22とともに移動する袋Bの口部Bmを、袋Bに接触することなく、加熱する。
【0041】
なお第3ステーションS3には、後述の傾け部32(
図4A~
図4C参照)が設けられてもよい。
【0042】
図2A~
図2Cは、第1実施形態に係る袋開口方法の一例を示す図である。
図2Aは、第2ステーションS2において袋支持部22により支持されている袋Bの状態例を示す。
図2Bは、第2ステーションS2から第3ステーションS3に向かって移動する途中の袋支持部22により支持されている袋Bの状態例を示す。
図2Cは、第3ステーションS3において袋支持部22により支持されている袋Bの状態例を示す。
図2Aにおいて、印字装置12(
図1参照)の図示は省略されている。
【0043】
第2ステーションS2において、袋支持部22により支持されている袋Bの口部Bmは、
図2Aに示すように基本的に閉じている。
【0044】
そして、袋支持部22が第2ステーションS2から第3ステーションS3に向かって間欠的に移動する間に、袋Bの口部Bmは、第2ステーションS2と第3ステーションS3との間に設けられる袋口加熱部31によって加熱される。
【0045】
図2Bに示す袋口加熱部31は、直方体状の加熱本体31aと、加熱本体31aの内部に設けられるヒータ31bと、加熱本体31aに形成される加熱スペース31cと、を有する。ヒータ31bが発熱することで加熱本体31aが加熱され、加熱本体31aから加熱スペース31cに向かって熱が放射される。
【0046】
図2Bに示す加熱スペース31cは直方体状の凹部として構成されるが、加熱スペース31cの形状は限定されない。例えば、加熱スペース31cを区画する加熱本体31aの区画面の少なくとも一部(例えば上方区画面)が曲面又は他の非平面を有していてもよい。また
図2Bに示す加熱本体31aは単一のブロック形状を有するが、加熱本体31aが複数の部材(例えば2つのプレート)を含み、当該複数の部材によって加熱スペース31cが区画されてもよい。
【0047】
第3ステーションS3に向かって袋支持部22とともに移動する袋Bの口部Bmは、加熱スペース31cを通過し、加熱スペース31cを通過する際に上方及び両側方(すなわち厚み方向)から放射熱を受けて加熱される。
【0048】
袋Bの口部Bmを形成する表側フィルム及び裏側フィルムは、このようにして袋口加熱部31により加熱されることで膨張し、2つのフィルム間に隙間が形成され或いは2つのフィルム間の固着の程度が低減される。
【0049】
なお袋口加熱部31による口部Bmの加熱温度は限定されない。例えば、口部Bmが表側フィルム及び裏側フィルム(例えばシーラント層)が融解する温度を有するように、袋Bは袋口加熱部31により加熱されてもよい。
【0050】
そして袋Bが第3ステーションS3に配置されると、気体吹付部13によって、袋口加熱部31により加熱された口部Bmに、気体Gが吹き付けられる。すなわち、袋口加熱部31による加熱処理によって隙間が形成された口部Bmに向けて、気体吹付部13の気体流路13aから気体G(例えば圧縮空気)が噴出される。これにより、気体Gは口部Bmの隙間を通って袋Bの内側に進行し、口部Bmがより大きく開かれる。
【0051】
以上説明したように本実施形態の袋開口装置は、袋Bを支持する袋支持部22と、袋支持部22により支持される袋Bの口部Bmに気体Gを吹き付けて口部Bmを開く気体吹付部13と、口部Bmに気体Gを吹き付けるのに先立って、口部Bmを加熱する袋口加熱部31と、を備える。
【0052】
また本実施形態の袋開口方法は、袋口加熱部31によって、袋Bの口部Bmを加熱する工程と、気体吹付部13によって、袋口加熱部31により加熱された口部Bmに、気体Gを吹き付けて口部Bmを開く工程と、含む。
【0053】
特に上述の例によれば、開口工程が行われる第3ステーションS3よりも前の経路上に袋口加熱部31(加熱体)が設置され、袋Bが袋口加熱部31の加熱スペース31cを通過することで、口部Bmが加熱されて伸びたり膨張したりして、袋Bのフィルムが外向きに反り返る。
【0054】
これにより袋Bのフィルム同士の密着を解消又は低減することができ、より確実に袋を開口させるのに有利である。
【0055】
また袋口加熱部31は、袋Bに接触することなく、口部Bmを加熱する。このような非接触加熱方式を採用する袋口加熱部31によれば、袋Bを傷付けることなく口部Bmを加熱できる。
【0056】
また袋支持部22は、第2ステーションS2(第1停止ステーション)と、気体吹付部13が設けられる第3ステーションS3(第2停止ステーション)との間を移動し、袋口加熱部31は、袋支持部22とともに第2ステーションS2から第3ステーションS3に向かって袋Bが移動している間に口部Bmを加熱する。このように袋Bを移動させつつ口部Bmを加熱することで、ステーション間(すなわち間欠停止位置間)に袋口加熱部31を設置できる。これにより、ステーション間のスペースを有効活用して、ステーションにおける装置の密集を抑えることができる。
【0057】
[第2実施形態]
本実施形態において、上述の第1実施形態と同一又は対応の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0058】
図3A~
図3Cは、第2実施形態に係る袋開口方法の一例を示す図である。
図3Aは、第2ステーションS2において袋支持部22により支持されている袋Bの状態例を示す。
図3Bは、第2ステーションS2から第3ステーションS3に向かって移動する袋支持部22により支持されている袋Bの状態例を示す。
図3Cは、第3ステーションS3において袋支持部22により支持されている袋Bの状態例を示す。
図3Aにおいて、印字装置12(
図1参照)の図示は省略されている。
【0059】
本実施形態の袋口加熱部31は、第2ステーションS2に設けられる。
【0060】
図3Aに示す袋口加熱部31は2つの加熱本体31aを有し、各加熱本体31aがヒータ31bを具備し、各加熱本体31aが対応のヒータ31bによって加熱される。そして2つの加熱本体31a間に加熱スペース31cが設けられる。2つの加熱本体31aは、袋Bの厚み方向(水平方向)へ移動可能に設けられており、近接位置及び離間位置に配置される。
【0061】
2つの加熱本体31aが離間位置に配置されている状態で、加熱本体31a間の間隔(すなわち加熱スペース31cの水平方向サイズ)は、袋Bの口部Bmの厚みよりも大きい。一方、2つの加熱本体31a間に袋Bの口部Bmが位置しつつ、2つの加熱本体31aが近接位置に配置されている状態で、口部Bmは、2つの加熱本体31aに接触し、2つの加熱本体31aにより挟まれて圧迫される。
【0062】
このように本実施形態の袋口加熱部31は、開閉可能な一対の加熱本体31a(加熱体)を具備し、一対の加熱本体31aは、袋Bが停止している状態で口部Bmを挟んで加熱する。
【0063】
本実施形態では、袋支持部22により支持されている袋Bが第2ステーションS2に間欠的に停止している間に、袋口加熱部31が袋Bに接触して口部Bmを加熱する。
【0064】
すなわち袋支持部22により支持される袋Bが第1ステーションS1から移動して第2ステーションS2に配置される際、2つの加熱本体31aは離間位置に配置され、袋Bの口部Bmは加熱スペース31c間に進入して加熱スペース31cで停止する。そして袋Bが第2ステーションS2に配置されている間に、印字装置12が印字処理を行いつつ、2つの加熱本体31aが離間位置から移動して近接位置に配置される。これにより袋Bの口部Bmが、近接位置に配置される2つの加熱本体31aにより挟まれて加熱される。この加熱処理によって、口部Bmには隙間が形成され或いは口部Bmを形成するフィルム間の固着の程度が低減される。
【0065】
なお、各加熱本体31aのサイズは限定されない。各加熱本体31aは、袋Bの口部Bm(袋Bの上縁部)の全体に接触しつつ、口部Bmの全体を加熱してもよい。或いは各加熱本体31aは、袋Bの口部Bmの一部分(例えば気体吹付部13から気体Gが直接的に吹き付けられる箇所を含む一部分(例えば水平方向中央部分))のみに接触しつつ、口部Bmを加熱してもよい。
【0066】
袋Bの口部Bmが2つの加熱本体31aにより十分に加熱された後、2つの加熱本体31aは近接位置から移動して離間位置に配置される。そして2つの加熱本体31aが離間位置に配置されている状態で、袋支持部22及び袋Bは第2ステーションS2から移動して、第3ステーションS3に配置される。
【0067】
上述のように、第2ステーションS2において袋口加熱部31により十分に加熱された袋Bの口部Bmを形成する2つのフィルム間の固着の強さは、低減されている。その後、口部Bmを形成する2つのフィルムの温度が低下しても、2つのフィルム間の固着の強さが弱められた状態が維持される。したがって袋Bが第2ステーションS2から第3ステーションS3に向かう間に、袋Bの口部Bmに隙間が形成されることもある(
図3B参照)。
【0068】
その後、上述の第1実施形態と同様に、第3ステーションS3において気体吹付部13から袋Bの口部Bmに気体Gが吹き付けられて、口部Bmが大きく開かれる(
図3C参照)。
【0069】
以上説明したように本実施形態によれば、袋口加熱部31は、袋Bに接触して口部Bmを加熱する。これにより、口部Bmを効率良く短時間で加熱できる。
【0070】
また袋口加熱部31は、開閉可能な一対の加熱本体31a(加熱体)を具備し、一対の加熱本体31aは、袋Bが停止している状態で口部Bmを挟んで加熱する。これにより、口部Bmをより一層効率良く短時間で加熱できる。
【0071】
特に、袋Bが停止している状態で袋口加熱部31は袋Bに接触するため、袋口加熱部31は袋Bを傷付けることなく口部Bmを加熱することが可能である。
【0072】
なお
図3Aに示す袋口加熱部31は、袋Bの口部Bmに接触しつつ口部Bmを加熱するが、袋口加熱部31は非接触の状態で口部Bmを加熱してもよい。例えば、近接位置に配置された2つの加熱本体31a間の間隔が、袋Bの口部Bmの厚みよりも大きくてもよい。
【0073】
[第3実施形態]
本実施形態において、上述の第1実施形態及び第2実施形態と同一又は対応の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0074】
図4A~
図4Cは、第3実施形態に係る袋開口方法の一例を示す図であり、第3ステーションS3において袋支持部22により支持されている袋Bの状態例を示す。
【0075】
本実施形態においても、袋Bの口部Bmに気体Gを吹き付けるのに先立って、隙間形成部により口部Bmに隙間が形成される。ただし本実施形態の隙間形成部は、袋口加熱部31の代わりに、袋Bに押し当てられる傾け部32を有する。
【0076】
図4A~
図4Cに示す例において、傾け部32は、第3ステーションS3に設けられており、袋Bのうち袋支持部22により把持されている箇所よりも下方の部分(袋支持部22を介して口部Bmとは反対側の部分)に押し当てられる。
【0077】
すなわち、袋支持部22により支持されている袋Bが第3ステーションS3において間欠的に停止されている間に(
図4A)、傾け部32は袋Bから離間した位置から移動して袋Bに押し当てられる(
図4B)。この際の傾け部32の動き方は限定されず、傾け部32の全体が袋Bに向かって移動(例えば水平方向と平行に移動)してもよいし、傾け部32が自らの傾きを変えるように回転動してもよい。
【0078】
袋Bに傾け部32が押し当てられることによって、傾け部32が接触する袋Bのフィルムが引っ張られ、袋Bの口部Bmには隙間が形成される。具体的には、袋Bのうち傾け部32が接触する部分が移動する方向に応じた袋Bの傾き方向に、口部Bmが移動して、口部Bmには隙間が形成される。ただし、袋Bに傾け部32が押し当てられる際、袋Bの両側縁部が袋支持部22により固定的に把持されているため、口部Bmの位置はある程度キープされ、大きくは移動しない。
【0079】
このようにして傾け部32によって袋Bの口部Bmに隙間が形成された後、気体吹付部13によって、口部Bmに気体Gが吹き付けられ、口部Bmがより大きく開かれる(
図4C)。
【0080】
図4Cに示す例では、袋Bのうち袋支持部22により支持される部分を介して口部Bmとは反対側の部分に傾け部32が押し当てられている状態で、気体吹付部13から口部Bmに気体Gが吹き付けられる。なお、傾け部32によって口部Bmに隙間が形成された後、傾け部32が袋Bから離れた状態で、気体吹付部13によって口部Bmに気体Gが吹き付けられて口部Bmが開かれてもよい。
【0081】
以上説明したように本実施形態の袋開口装置は、袋Bを支持する袋支持部22と、袋支持部22により支持される袋Bの口部Bmに気体Gを吹き付けて口部Bmを開く気体吹付部13と、口部Bmに気体Gを吹き付けるのに先立って、口部Bmに隙間を形成する隙間形成部(傾け部32)と、を備える。
【0082】
また本実施形態の袋開口方法は、隙間形成部(傾け部32)によって袋Bの口部Bmに隙間を形成する工程と、口部Bmに隙間が形成された後に、気体吹付部13によって、口部Bmに気体Gを吹き付けて口部Bmを開く工程と、含む。
【0083】
このように口部Bmに対する気体Gの吹き付けに先立って口部Bmに隙間を形成することで、口部Bmに気体Gを吹き付けた際に、より確実に口部Bmを開くことができる。
【0084】
特に、上述の例の隙間形成部は、袋Bに押し当てられる傾け部32を有する。
【0085】
このように傾け部32により袋Bに対して物理的に力を加えることで、より確実に口部Bmに隙間を形成することができる。例えば袋Bの材質によっては、上述の袋口加熱部31によって袋Bの加熱しても(
図2A~
図3C)、口部Bmに十分な大きさの隙間を形成することが難しい場合がある。一例として、袋支持部22及び袋Bの間欠停止時間(間欠移動時間)が短い場合、袋口加熱部31が袋Bを加熱しても口部Bmに十分な大きさの隙間を形成できないケースがある。そのような場合であっても、本実施形態の傾け部32によれば、口部Bmに隙間を適切に形成することが可能である。
【0086】
また気体吹付部13は、袋Bのうち袋支持部22により支持される部分を介して口部Bmとは反対側の部分に傾け部32が押し当てられている状態で、口部Bmに気体Gを吹き付ける。
【0087】
これにより、口部Bmにおいて隙間を維持しつつ口部Bmに気体Gを吹き付けることができ、より確実に口部Bmを開くことができる。
【0088】
[変形例]
上述の第1実施形態では袋口加熱部31が第2ステーションS2と第3ステーションS3との間に設けられ、第2実施形態では袋口加熱部31が第2ステーションS2に設けられているが、袋口加熱部31は第3ステーションS3に設けられてもよい。すなわち気体吹付部13から袋Bの口部Bmに気体Gが吹き付けられるのに先立って、第3ステーションS3に設けられた袋口加熱部31により口部Bmが加熱されてもよい。
【0089】
第3ステーションS3に設けられる袋口加熱部31は、気体吹付部13から袋Bの口部Bmに気体Gが吹き付けられている間も、口部Bmを加熱し続けてもよい。
【0090】
上述の第3実施形態では傾け部32が第3ステーションS3に設けられているが、傾け部32は、第3ステーションS3よりも前段に設けられてもよい。すなわち第3ステーションS3よりも前段で傾け部32が袋Bに押し当てられることで口部Bmに隙間が形成された後、当該袋Bが対応の袋支持部22とともに第3ステーションS3に移動して気体吹付部13により気体Gが吹き付けられてもよい。
【0091】
上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよいし、上述の実施形態及び変形例間において部分的に又は全体的に構成が組み合わせられてもよい。また、本開示によって奏される効果も上述の効果に限定されず、各実施形態の具体的な構成に応じた特有の効果も発揮されうる。このように、本開示の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲、明細書及び図面に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0092】
10 包装機、11 給袋装置、11a コンベアマガジン、11b 送出ローラ、11c 取出吸盤、12 印字装置、13 気体吹付部、13a 気体流路、14 液体注入部、16 第1シール装置、17 第2シール装置、18 冷却装置、19 放出装置、21 回転テーブル、22 袋支持部、31 袋口加熱部、31a 加熱本体、31b ヒータ、31c 加熱スペース、32 傾け部、S1 第1ステーション、S2 第2ステーション、S3 第3ステーション、S4 第4ステーション、S5 第5ステーション、S6 第6ステーション、S7 第7ステーション、S8 第8ステーション、B 袋、Bm 口部、G 気体