(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176176
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】格子体
(51)【国際特許分類】
E04H 17/14 20060101AFI20231206BHJP
E04H 17/16 20060101ALI20231206BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20231206BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20231206BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231206BHJP
【FI】
E04H17/14 103Z
E04H17/16 102Z
F21S2/00 230
F21V19/00 211
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088329
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】赤井 忠剛
(72)【発明者】
【氏名】中村 誠也
(72)【発明者】
【氏名】笹島 淳志
(72)【発明者】
【氏名】谷藤 貴生
【テーマコード(参考)】
2E142
3K013
【Fターム(参考)】
2E142AA01
2E142HH01
2E142HH13
2E142HH22
2E142JJ01
2E142MM01
2E142MM04
2E142MM12
3K013BA01
3K013EA01
(57)【要約】
【課題】照明機能を有するフェンスの施工性を向上させる。
【解決手段】 格子と、照明装置とを備え、照明装置は、格子の一側面に取り付けられる照明取付材と、照明取付材に取り付けられる照明取付材カバーと、照明機器を有し、照明取付材は、内周側に向けて開口する照明機器取付溝を有し、格子の長手方向に沿って一端縁に固定されており、照明取付材カバーは照明取付材の固定部を覆っており、照明機器は、照明機器取付溝に配置されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子と、照明装置とを備え、
照明装置は、格子の一側面に取り付けられる照明取付材と、照明取付材に取り付けられる照明取付材カバーと、照明機器を有し、
照明取付材は、内周側に向けて開口する照明機器取付溝を有し、格子の長手方向に沿って一端縁に固定されており、照明取付材カバーは照明取付材の固定部を覆っており、
照明機器は、照明機器取付溝に配置されている格子体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明機能を有するデッキフェンス等の格子体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明機能を有するフェンスが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
照明機能を有するフェンスにおいて、施工性を向上させることが求められている。
【0005】
本発明は、照明機能を有するフェンスにおいて、施工性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態は、格子と、照明装置とを備え、照明装置は、格子の一側面に取り付けられる照明取付材と、照明取付材に取り付けられる照明取付材カバーと、照明機器を有し、照明取付材は、内周側に向けて開口する照明機器取付溝を有し、格子の長手方向に沿って一端縁に固定されており、照明取付材カバーは照明取付材の固定部を覆っており、照明機器は、照明機器取付溝に配置されている格子体である。
【発明の効果】
【0007】
実施形態によれば、照明機能を有するフェンスにおいて、施工性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態のデッキフェンスの全体正面図である。
【
図2】実施形態のデッキフェンスの図であり、(a)は一部拡大正面図であり、(b)は縦断面図である。
【
図3】実施形態のデッキフェンスの付子の図であり、(a)はデッキフェンスの正面から見た付子の図であり、(b)は内周側からみた付子の図であり、(c)は横断面図である。
【
図4】実施形態のデッキフェンスの上方部分の縦断面図である。
【
図5】実施形態のデッキフェンスの上方部分の分解縦断面図である。
【
図6】実施形態のデッキフェンスの一部拡大図であり、(a)(b)は支柱と照明装置の接続部付近の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態の柵として、建物の外側に配置されたデッキに設置されるデッキフェンスの例を用いて、図面を参考にして説明する。
なお、以下の説明では、デッキフェンスを建物側(内側)から見て左右方向を見付方向といい、見付方向でデッキフェンスの中央に近い側を内周側といい、その反対を外周側という。また、デッキフェンスの内外方向を見込方向もしくは幅方向といい、デッキフェンスの内側を内といい、外側を外という。
【0010】
(デッキフェンスの全体構成)
本実施形態のデッキフェンスは、
図1に示すように、複数本(3本)の支柱1,1と、支柱1,1の上端に亘って支持される笠木2と、支柱1,1間に水平に支持される複数(2×4本)の格子3を有している。なお、支柱および格子の本数は、限定されない。
【0011】
支柱1は、アルミ合金等の金属材料からなり、断面が矩形中空形状の長尺部材であり、デッキ材Aの上面にベースプレートBを介して立設されている。
笠木2は、アルミ合金等の金属材料からなり、断面が矩形中空形状の長尺部材であり、各支柱1の上面に載置され、支柱1に対して支柱ジョイント22によって固定されている。笠木2の両端面には、樹脂製の端部キャップ2aが装着されている。
【0012】
格子3は、アルミ合金等の金属材料からなり、断面が扁平中空形状の長尺部材であり、付子7を介して支柱1,1の側面間に取り付けられている。
複数の格子3のうち、最も上方に取付けられる格子3は、上端に沿って照明装置5が取り付けられており、照明装置5は、支柱1の内部に配置された配線54を介して電源(図示はない)に接続されている。
以下、格子3の上部に照明装置5が取り付けられた格子体について、さらに詳細に説明する。
【0013】
(格子)
格子3は、
図2に示すように、内壁3aと、外壁3bと、上壁3cと、底壁3dを有し、上下方向に長く見込方向に短い長方形の中空断面を有する長尺部材であり、上下方向の中央付近に中空部を仕切る仕切壁3eを有しており、仕切壁3eにタッピングホール3fが設けられている。
【0014】
付子7は、アルミ合金等の金属材料からなり、平板状の長尺部材であって、一面(内周側となる面)に複数の格子3が取り付けられ、他面(外周側となる面)を支柱1の内周面に配置して固定することで複数の格子3を支柱1に取り付けることのできる取付補助材である。
支柱1に固定された付子7の上端部および下端部は、付子上部キャップ71および付子下部キャップ72によって覆われている。
【0015】
付子7は、
図3に示すように、幅方向外側の平板状の取付部7aと、取付部7aの幅方向内側に連続し内周方向に凸出するように設けられた格子取付部7bを有している。
付子7は、取付部7aの上下方向の適宜位置に付子7を支柱1に固定するためのビス孔7eが形成されており、格子取付部7bの格子3が取付けられる位置に対応してビス孔7fが形成されている。
【0016】
付子7は、格子取付部7bの内周側に内、外位置決めリブ7g,7hが設けられており、付子7の格子取付部7bに格子3の端面を当接し、外周側からビス孔7fを介してビス(固定手段)b2をタッピングホール3fに螺合することすることで、格子3を垂直に取り付けられている。
【0017】
複数の格子3,3が取り付けられた付子7は、支柱1の側面に沿って配置されてビス孔7eを介してビス(固定手段)b1を螺合することによって支柱1に固定され、支柱1,1間に複数の格子3,3が取り付けられている。
【0018】
支柱1,1間に取付けられる複数の格子3のうち、もっとも上方に取付けられる格子3は、その上端部に下方に向けて光を照射する照明装置5が取り付けられている。
【0019】
(照明装置)
照明装置5は、
図4,5に示すように、格子3の一側面(本実施形態のデッキフェンスでは外側面)の上端部分に格子3の長手方向に沿って取り付けられる照明取付材51と、照明取付材51に取り付けられる照明取付材カバー52と、照明取付材51に保持されるLED照明(照明機器)50を有している。
【0020】
照明取付材51は、下方(内周側)に向けて開口する照明機器取付溝51aと、照明機器取付溝51aの一方側(外側)の側壁が外周側に延びて設けられた取付壁部51bと、取付壁部51bの外周端に連続する外周壁部51cと、照明機器取付溝51aの一方側の側壁の内周端部が外方に延びて設けられた内周壁部51dを有している。
【0021】
照明取付材51は、外周壁部51cの外周側面および内周壁部51dの内周側面に照明取付材カバー52を係止する係止突起51e、51fがそれぞれ設けられている。
照明取付材51は、
図5,
図6に示すように、見付方向の端部近傍において、照明機器取付溝51aの一方側の側壁に照明機器50への配線を通す開口部51gが設けられている。
【0022】
本実施形態のデッキフェンスの照明機器50は、長尺のLED照明が用いられており、照明取付材51の照明機器取付溝51aに下方に向けて発光するように配置されている。なお、照明機器50は、長尺のLED照明に限定されるものではなく、複数の照明を間隔をあけて並べて配置してもよい。
【0023】
照明機器50が配置された照明取付材51は、照明機器取付溝51aの他方側(内側)の側壁および外周壁部51cの内側端部が格子3の外側面の上端縁(一端縁)に沿って当接するように配置され、外側からビス(固定手段)b3によって格子3に固定されている。
【0024】
照明取付材カバー52は、天板部52aと、底板部52cと、天板部52aと底板部52cを連続する外壁部52bを有しており、天板部52aと底板部52cの内側端部に係止爪52d,52eが設けられている。
【0025】
照明装置5は、格子3に固定された照明取付材51に対して外側方から照明取付材カバー52が装着されることで、照明取付材51の係止突起51e、51fに照明取付材カバー52の係止爪52d,52eが係止されて組み立てられる。
照明装置5は、照明取付材51に照明取付材カバー52が取付けられることで、照明取付材51のビスb3等による固定部が照明取付材カバー52によって覆われるとともに、照明機器取付溝51aの幅方向外側に空間s1が形成されている。
【0026】
(照明機器の配線)
デッキフレームの支柱1および付子7は、最上部の格子3の上端位置近傍に照明装置5の配線54を通す開口部1aおよび開口部7pをそれぞれ有しており、支柱1に通された配線54は、
図6に示すように、支柱1および付子7に設けられた開口部1aおよび開口部7pから照明装置5の空間s1に進入し、照明機器50に接続されている。
なお、照明取付材カバー52と付子7の取付部7aとの間に、必要に応じてスペーサ8を配置してもよいが、その際には、該スペーサ8に配線54を通すための開口部を設けておく。
【0027】
照明装置5は、適宜位置にドライコーン55が設けられており、雨水に対する対策が取られている。
【0028】
(本実施形態のデッキフレームの効果)
本実施形態のデッキフレームは、格子3の上端に沿って下方を照明する照明装置5が設けられているので、デッキフレームが設けられているデッキ等の端部を利用者に対して認識させることができ、安全性を向上させることができる。
【0029】
本実施形態のデッキフレームは、従来の格子3に対して照明装置5を後付けで施工することが可能であり、また、照明装置5を格子3に取り付けるための照明取付材51のビスb3等による固定部が照明取付材カバー52によって覆われているので、固定部の腐食を防ぐと共に施工性・意匠性を向上させている。
【0030】
本実施形態のデッキフレームは、照明機器50を配置する照明機器取付溝51aに隣接した部位に照明取付材51と照明取付材カバー52によって空間s1が形成されているので、照明取付材カバー52を外すことで照明機器50の配線作業等ができ、施工性を向上させることができる。
【0031】
本実施形態のデッキフレームは、照明取付材51が見込方向で付子7の取付部7aの見込幅内に収まっており、照明装置5を有する格子3全体として付子7の見込幅内に収めることができ、コンパクトに収めることができる。
【0032】
以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることはいうまでもない。
例えば、格子に対する照明装置の取り付けは、格子の上端縁に限らず下端縁であってもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 :支柱
3 :格子
5 :照明装置
50 :照明機器
51 :照明取付材
51a :照明機器取付溝
52 :照明取付材カバー
s1 :空間